(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171115
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】検査キット、情報処理装置、検査支援システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/40 20180101AFI20241204BHJP
【FI】
G16H10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088009
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】有田 治正
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
(57)【要約】
【課題】検体の検査に基づいて得られる検査結果の提供の利便性を向上させる。
【解決手段】
実施形態によれば、検査キットは、対象の検体を収容する容器と、前記容器の第1の識別情報、及び、前記第1の識別情報に前記対象の第2の識別情報を連携するための連携用情報が記録された少なくとも1つの媒体と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の検体を収容する容器と、
前記容器の第1の識別情報、及び、前記第1の識別情報に前記対象の第2の識別情報を連携するための連携用情報が記録された少なくとも1つの媒体と、
を備える検査キット。
【請求項2】
前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携することは、端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記端末から前記第2の識別情報を出力することを含む、請求項1に記載の検査キット。
【請求項3】
前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携することは、情報処理装置が前記第1の識別情報に、前記端末から出力された前記第2の識別情報を連携することを含む、請求項2に記載の検査キット。
【請求項4】
前記対象は、人である、請求項1に記載の検査キット。
【請求項5】
前記対象は、動物である、請求項1に記載の検査キット。
【請求項6】
前記対象は、環境である、請求項1に記載の検査キット。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載の検査キットを用いた前記検体の検査結果を処理する情報処理装置であって、
端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携する連携処理部と、
前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携に基づいて、前記検体の検査結果を前記対象の検査結果として提供する通信処理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項8】
前記連携処理部は、前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携後に、連携済みの前記第2の識別情報に、前記検体の検査結果を連携する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記通信処理部は、前記端末から出力された前記第2の識別情報を取得し、
前記連携処理部は、前記第2の識別情報の取得に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記通信処理部は、前記第1の識別情報に関する前記検体の検査結果を取得し、
前記連携処理部は、前記第1の識別情報に関する前記検体の検査結果の取得に基づいて、連携済みの前記第2の識別情報に、前記第1の識別情報に関する前記検体の検査結果を連携する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項11】
請求項1から6の何れか一項に記載の検査キットと、
前記検査キットを用いた前記検体の検査結果を処理する情報処理装置であって、
端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携する連携処理部と、
前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携に基づいて、前記検体の検査結果を前記対象の検査結果として提供する通信処理部と、
を備える情報処理装置と、
を備える検査支援システム。
【請求項12】
請求項1から6の何れか一項に記載の検査キットを用いた前記検体の検査結果を処理する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携することと、
前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携に基づいて、前記検体の検査結果を前記対象の検査結果として提供することと、
を備える情報処理方法。
【請求項13】
請求項1から6の何れか一項に記載の検査キットを用いた前記検体の検査結果を処理する情報処理装置のコンピュータに、
端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携する機能と、
前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携に基づいて、前記検体の検査結果を前記対象の検査結果として提供する機能と、
を実行させることが可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば、オンタイム&オンサイトで実行可能な病原性ウイルス陰性を証明するシステムに適用可能な、検査キット、情報処理装置、検査支援システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、感染症の早期診断の需要増が著しい。特に、体内にわずかなウイルスしか存在しない感染初期に診断可能なPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査の需要が増えており、厚生労働省の発表によると、2023年2月23日時点のPCR検査の検査能力は1日あたり41万を超えると言われている。
【0003】
また、様々な病原性ウイルスの感染源を迅速かつ高感度に特定することで防疫体制を確実なものにすることは以前より知られていた。今回のパンデミックにおいて、街中に設置されたPCR検査センターにより感染源の高感度検出が可能であり、PCR検査は感染症に対する公衆衛生体制において中心的案役割を担っている。
【0004】
なお、イムノクロマト法による抗原定量検査が簡易迅速測定法としてCOVID-19の検査指針にも掲載されている。しかしながら、抗原定量検査はその原理により、PCR検査と比較すると感度が著しく劣る。特にCOVID-19のような症状が発現する前から他者への伝播が始まるような感染症においては、抗原定量検査は防疫にとって不十分で、世界的にPCR検査で防疫体制を構築することが望ましいとされている。
【0005】
一方で、COVID-19のワクチンや抗ウイルス薬も出揃いつつあり、その状況を踏まえ、政府はCOVID-19を二類感染症から五類感染症に格下げしようとしている。五類に格下げになれば当然のことながらPCR検査機関の減少が予想され、特に、PCR検査機関中70%を超える民間検査機関(いわゆる街角PCR検査)は激減が予想される。PCR検査機関の残り20%は医療機関であるが、限られた医療リソースの維持のためには、医療機関でのPCR検査を徒に増やすことは避けるべきである。つまり今後、気軽にPCR検査を受けることができる防疫体制が損なわれることが予想される。また、都市部でもこの状況であるので、地方では気軽なPCR検査は望むべくもない。
【0006】
一方で、このような公衆衛生体制が不要になったわけではない。このパンデミックでも、介護施設に入院している親に会うために、面会前日に街角PCR検査センターで検査を受け、そして陰性証明書を発行してもらってやっと面会できるという煩わしさがあった。さらには、病院の面会制限によって危篤に陥った肉親の死に目に会えないというような悲劇すら珍しくなかった。事実、2020年の調査によると、139の福祉施設のうち9割が面会制限を設けており、このうち4割は緊急時の面会も認めていない(非特許文献1)。
【0007】
この社会問題の解決のためには、病院や介護施設において、オンタイム&オンサイトでPCR検査ができる体制が望ましい。ここで言う「オンタイム&オンサイト」とは、PCR検査が必要な時に、必要な場所で、迅速かつ多量に検査・解析・対策通知の一連の工程が完結することを意味する。しかしながら、そういった施設に出入りする不特定多数の人々に対してオンタイム&オンサイトでウイルス陰性証明を可能にするシステムは存在しない。
【0008】
例えば、一般的なPCR検査センターでは、対象者の氏名や連絡先等の基本情報を記録し、検体を採取し、検体と基本情報のそれぞれにID番号等を付与し、データベースにこれらの情報を入力し、検査結果を基本情報の連絡先に連絡するシステムとなっている。この複雑な工程をしっかりと管理できたとしても、検査結果は通常翌日通知されるので、一般的なPCR検査センターは、ウイルス陰性を確認してから制限区域に入り活動を開始するというようなオンタイム&オンサイトの防疫システムにはなり得ない。
【0009】
一方で、個々人の病原性ウイルス陰性を証明しようとするから、手間も時間もかかるという考え方がある。そこで例えば、空調・排水施設からウイルスの遺伝子を検出し、施設や地域単位の汚染を検出するシステムが考えられている(非特許文献2)。しかしながら、このシステムでも、PCR検査の結果と、ウイルス汚染された施設や地域の情報を管理・解析し、しかるべき施設・地域責任者にウイルス汚染状況とその対策を通知できるオンタイム&オンサイトの防疫システムは存在しない。
【0010】
また、昨今は高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の被害が年々大きくなっている。農林水産省によると、2023年1月9日時点で全国の家禽被害が56件(殺処分998万羽)となっており、過去最大の発生であった2020年の52件をシーズン半ばで既に超えている(非特許文献3)。日本の養鶏場は大規模集約型であるため、一度施設がウイルスに汚染されるとかなりの数の家禽を殺処分せざるを得ず、必然的に被害額もかなり大きくなる。このような家禽に対する防疫は、一匹一匹の感染を検査することは不可能であり、地域の野鳥や施設単位でウイルス汚染有無をモニタリングすることが科学的にも経営上も妥当である。よって、前出の空調・排水施設等の定点観察によるオンタイム&オンサイトの防疫システムが望まれる。
【0011】
このように、病院、介護施設、学校、あるいは高い清浄性が求められる施設(食品・医薬品工場、畜産施設)等は、不特定多数の人々が出入りせざるを得ない施設であるにも関わらず、病原性ウイルスの侵入を極力防止することが極めて重要な施設であり、このような防疫体制の強化は経営の持続可能性の点でも極めて重要である。
【0012】
このような要防疫施設において、施設に入る職員や来訪者全員、あるいは施設全体における病原性ウイルスの陰性証明をオンタイム&オンサイトで実施できるシステムが今強く求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】「会うこと」の権利性とその保障、南山大学紀要「アカデミア」社会科学編、第21号、249-257、2021年
【非特許文献2】感染性胃腸炎流行の早期検知を目的とした下水中ノロウイルスモニタリングの有用性、土木学会論文集G(環境)、Vol.72、No.7、III、285-294、2016年
【非特許文献3】高病原性鳥インフルエンザの発生状況を呼び対策について、農林水産省、令和5年1月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の実施形態が解決しようとする一つの技術課題は、オンタイム&オンサイトで検体の検査結果の提供を実現する技術を提供することである。
【0015】
本発明の実施形態が解決しようとする別の技術課題は、検体の採取から検査結果の通知までの間において、検体又は検査結果の人為的な入れ替わりミスを防止する技術を提供することである。
【0016】
本発明の実施形態が解決しようとするさらに別の技術課題は、検体の採取から検査結果の通知までの間において、検査対象を識別可能な情報を秘匿した状態で検体又は検査結果を流通させる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
実施形態によれば、検査キットは、対象の検体を収容する容器と、前記容器の第1の識別情報、及び、前記第1の識別情報に前記対象の第2の識別情報を連携するための連携用情報が記録された少なくとも1つの媒体と、を備える。
【0018】
実施形態によれば、情報処理装置は、対象の検体を収容する容器と、前記容器の第1の識別情報、及び、前記第1の識別情報に前記対象の第2の識別情報を連携するための連携用情報が記録された少なくとも1つの媒体と、を備える検査キットを用いた前記検体の検査結果を処理する情報処理装置であって、端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携する連携処理部と、前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携に基づいて、前記検体の検査結果を前記対象の検査結果として提供する通信処理部と、を備える。
【0019】
実施形態によれば、検査支援システムは、対象の検体を収容する容器と、前記容器の第1の識別情報、及び、前記第1の識別情報に前記対象の第2の識別情報を連携するための連携用情報が記録された少なくとも1つの媒体と、を備える検査キットと、前記検査キットを用いた前記検体の検査結果を処理する情報処理装置であって、端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携する連携処理部と、前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携に基づいて、前記検体の検査結果を前記対象の検査結果として提供する通信処理部と、
を備える情報処理装置と、を備える検査支援システム。
【0020】
実施形態によれば、情報処理方法は、対象の検体を収容する容器と、前記容器の第1の識別情報、及び、前記第1の識別情報に前記対象の第2の識別情報を連携するための連携用情報が記録された少なくとも1つの媒体と、を備える検査キットを用いた前記検体の検査結果を処理する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携することと、前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携に基づいて、前記検体の検査結果を前記対象の検査結果として提供することと、を備える。
【0021】
実施形態によれば、プログラムは、対象の検体を収容する容器と、前記容器の第1の識別情報、及び、前記第1の識別情報に前記対象の第2の識別情報を連携するための連携用情報が記録された少なくとも1つの媒体と、を備える検査キットを用いた前記検体の検査結果を処理する情報処理装置のコンピュータに、端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携する機能と、前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携に基づいて、前記検体の検査結果を前記対象の検査結果として提供する機能と、を実行させることが可能である。
【発明の効果】
【0022】
上記技術課題に鋭意取り組んだ結果、例えば、ウイルス検体をアプライするチャンバーに無線タグを搭載し、その情報を患者端末及びPCR検査装置で読み取り、PCR検査の結果と無線タグの情報をサーバに送信し、解析された結果又はその対応策を無線タグの情報に基づき患者端末に返すというネットワーク化されたITシステムを実現した。
【0023】
また同様に、例えば、空調や下水施設からウイルスを収集する装置及びウイルス検体をアプライするチャンバーに無線タグを搭載し、その情報を担当者端末及びPCR検査装置で読み取り、PCR検査の結果と無線タグの情報をサーバに送信し、施設全体の汚染状況に関する結果又はその対応策を無線タグの情報に基づき施設管理者端末に返すというネットワーク化されたITシステムを実現した。
【0024】
これにより、実施形態によれば、オンタイム&オンサイトで対象者及び対象施設のウイルス陽性/陰性といった検体の結佐結果を必要な人に伝える技術を提供することができる。さらに、実施形態によれば、検体の採取から検査結果の通知までの間において、人為的な検体又は検査結果の入れ替わりミスを防止する技術を提供することができる。さらに、実施形態によれば、検体の採取から検査結果の通知までの間において、検査対象を識別可能な情報を秘匿した状態で検体又は検査結果を流通させる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、実施形態に係る検査支援システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る検査キットの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る検査キットの別の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るサーバの構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るサーバのユーザ情報記憶領域に記憶されているデータのデータ構造を例示する図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るサーバの検査結果記憶領域に記憶されているデータのデータ構造を例示する図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るサーバにおける検体の検査結果の提供処理を例示するフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係るサーバにおける対策情報の提供処理を例示するフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係るサーバにおける検査計画の提供処理を例示するフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態に係るサーバにおける集計結果の提供処理を例示するフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係るサーバにおける分析結果の提供処理を例示するフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施形態に係るサーバにおける予測結果の提供処理を例示するフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態に係るサーバにおける予測結果の提供処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施形態)
以下、実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。
【0027】
(構成例)
検査支援システムについて説明する。
検査支援システムは、検査装置による対象の検体の検査に基づいて得られる検体の検査結果を提供することにより、検査を支援するためのシステムである。検査支援システムは、医療行為の介在を必要としない。
【0028】
対象は、検体を検査する対象である。例えば、対象は、ユーザである。ユーザは、人の一例である。以下では、検体を検査する対象のユーザを対象ユーザともいう。検体は、対象から採取されるものである。例えば、検体は、対象ユーザの生体から採取されるものである。検体は、検査に応じて異なる。検査が新型コロナウイルスのような感染症についての検査である場合、検体は、唾液、鼻腔ぬぐい液又は喀痰等である。検査が非感染症についての検査である場合、検体は、血液である。例えば、非感染症についての検査は、高血圧又は糖尿等の遺伝的慢性疾患リスクについての検査であるが、これに限定されない。
【0029】
検査装置は、検体の検査に用いる装置である。検査装置は、電力により動作する装置でもよいし、電力を必要としない装置でもよい。検査は、検体の検査結果を得るために必要な数値を検体から検出することを含む。検査は、分析の意味を含む。検体の検査結果は、検体の検査に基づいて得られる結果である。検査が感染症についての検査である場合、検体の検査結果は、陽性又は陰性である。陽性又は陰性は、検査で検出される数値に基づいて判定される結果である。検査が非感染症についての検査である場合、検体の検査結果は、血液の成分の数値である。血液の成分の数値は、検査で検出される数値である。
【0030】
検査支援システムの適用例について説明する。
検査支援システムは、感染症に対する社員又は社員の家族の防疫に適用されてもよい。この例では、検査装置は、会社内に設置されてもよい。検体の検査結果には、医療行為は介在しなくてもよい。
検査支援システムは、感染症に対する公衆の防疫に適用されてもよい。この例では、検査装置は、検査所に設置されてもよい。検体の検査結果には、医療行為は介在しなくてもよい。
【0031】
検査支援システムは、医療機関における感染症についての検査に適用されてもよい。この例では、検査装置は、医療機関に設置される。検体の検査結果には、医療行為は介在する。
【0032】
検査支援システムは、社員又は社員の家族の健康管理に適用されてもよい。この例では、検査は、非感染症についての検査である。検査装置は、会社内に設置されてもよい。検体の検査結果には、医療行為は介在しなくてもよい。
【0033】
以下では、感染症についての検査を例にして説明する。この例では、検査装置は、PCR(Polymerase Chain Reaction)等の遺伝子検査のための装置であるものとする。検体は、唾液、鼻腔ぬぐい液又は喀痰等であるものとする。検体の検査結果は、陽性又は陰性であるものとする。
【0034】
図1は、検査支援システム100の構成例を示すブロック図である。
検査支援システム100は、サーバ1、ユーザ端末2、検査装置3、検査用端末4、他の端末5及び検査キット6を含む。サーバ1、ユーザ端末2、検査用端末4及び他の端末5は、ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続されている。ネットワークNWは、インターネット、携帯通信網及びLAN(Local Area Network)等の種々のネットワークのうちの1つ以上のネットワークを含む。LANは、無線LANでもよいし、有線LANでもよい。
【0035】
図1は、1台のユーザ端末2を示しているが、検査支援システム100は、複数台のユーザ端末2を含むことができる。
図1は、1台の検査装置3を示しているが、検査支援システム100は、複数台の検査装置3を含むことができる。
図1は、1台の検査用端末4を示しているが、検査支援システム100は、複数台の検査用端末4を含むことができる。
図1は、1台の他の端末5を示しているが、検査支援システム100は、複数台の他の端末5を含むことができる。
図1は、1個の検査キット6を示しているが、検査支援システム100は、複数個の検査キット6を含むことができる。検査支援システム100は、サーバ1、ユーザ端末2、検査装置3、検査用端末4、他の端末5及び検査キット6のうちの少なくとも2つを含むシステムを指すこともある。
【0036】
サーバ1は、検査キット6を用いた検体の検査結果を処理する装置である。サーバ1は、情報処理装置の一例である。サーバ1の構成例については後述する。
【0037】
ユーザ端末2は、ユーザの端末である。ここでは、ユーザ端末2を対象ユーザ用の端末であるものとして説明する。ユーザ端末2は、端末の一例である。端末は、種々の処理を実現する移動可能な装置である。端末は、通信処理を実現するための通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、無線又は有線により、端末と他の装置との通信を可能にする種々のインタフェースを含む。通信インタフェースは、通信部の一例である。端末は、入力処理を実現するための入力デバイスを含む。入力デバイスは、操作に基づく指示を入力可能なデバイスである。入力デバイスは、押下可能なボタンを含んでいてもよい。入力デバイスは、表示デバイスと一体で構成されたタッチパネルを含んでいてもよい。入力デバイスは、入力部の一例である。端末は、表示処理を実現するための表示デバイスを含む。表示デバイスは、種々の画像を表示可能なデバイスである。表示デバイスは、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であるが、これらに限定されない。表示デバイスは、表示部の一例である。端末は、読取処理を実現するための読取デバイスを含む。読取デバイスは、撮影によりコードシンボルから情報を読取可能なカメラを含んでもよい。読取デバイスは、通信により無線タグから情報を読取可能なリーダを含んでもよい。読取デバイスは、読取部の一例である。例えば、端末は、PC(Personal Computer)、スマートフォン又はタブレット端末等である。
【0038】
コードシンボルは、情報を記録可能なシンボルである。コードシンボルは、二次元コードシンボルを含む。例えば、二次元コードシンボルは、QRコード(登録商標)シンボルであるが、これに限定されない。コードシンボルは、バーコードシンボルを含む。コードシンボルに記録された情報は、端末により読取可能な情報である。端末により情報を読み取ることは、端末に含まれる読取デバイスにより情報を読み取ることを含む。コードシンボルは、情報を記録された媒体の一例である。以下では、情報を記録された媒体は、情報記録媒体ともいう。コードシンボルは、コードシンボル自体を指してもよいし、コードシンボルを示す色材の層を指してもよいし、コードシンボルを示す色材の層が形成されている基材を指してもよい。例えば、色材は、インク又はトナー等であるが、これらに限定されない。例えば、基材は、シートであるが、これに限定されない。
【0039】
無線タグは、情報を記録可能なIC(Integrated Circuit)タグである。無線タグは、ICチップ及びアンテナを含む。無線タグは、リーダから送信された電波をエネルギー源とし、ICチップに格納されている情報を含む信号を、アンテナを介して送信する。無線タグに記録された情報は、読取デバイスにより読取可能な情報である。無線タグは、情報記録媒体の一例である。
【0040】
ユーザ端末2は、読取デバイスを用いて、検査キット6の少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報を読み取る。少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報は、検査キットID及び連携用情報を指す。検査キットID及び連携用情報については後述する。ユーザ端末2は、少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報の読取に基づいて、通信インタフェースを用いて、検査キットIDに関連付けられた対象ユーザIDを出力する。検査キットIDに関連付けられた対象ユーザIDは、検査キットIDに関する対象ユーザIDの一例である。対象ユーザIDについては後述する。ユーザ端末2は、検査キットIDに関連付けられた対象ユーザIDをサーバ1に出力してもよいし、サーバ1とは異なる他のサーバに出力してもよい。以下では、ユーザ端末2が出力する「対象ユーザID」の表記は、「検査キットIDに関連付けられた対象ユーザID」を指すものとする。同様に、サーバ1が取得する「対象ユーザID」の表記は、「検査キットIDに関連付けられた対象ユーザID」を指すものとする。
【0041】
検査装置3は、検体の検査に用いる装置である。検査装置3は、通信インタフェースを含む。検査装置3は、読取デバイスを含む。検査装置3は、読取デバイスを用いて、検査キット6の少なくとも1つの情報記録媒体に記録された検査キットIDを読み取る。検査装置3は、検査キットIDに関連付けられた検体の検査結果を検査用端末4に出力する。検査キットIDに関連付けられた検体の検査結果は、検査キットIDに関する検体の検査結果の一例である。検査装置3は、通信インタフェースを用いて、検査キットIDに関連付けられた検体の検査結果をサーバ1に出力してもよい。なお、検査装置3は、読取デバイスを含まない場合、通信インタフェースを用いて、検査キットIDに関連付けられていない検体の検査結果を検査用端末4に出力してもよい。以下では、ユーザ端末2が出力する「検体の検査結果」の表記は、「検査キットIDに関連付けられた検体の検査結果」を指すものとする。
【0042】
検査用端末4は、検査装置3を操作する検査員の端末である。検査用端末4の構成例は、上述のユーザ端末2の構成例と同様である。検査用端末4は、通信インタフェースを用いて、検査キットIDに関連付けられた検体の検査結果を検査装置3から取得する。検査用端末4は、検体の検査結果を表示デバイスに表示する。検査用端末4は、通信インタフェースを用いて、検査キットIDに関連付けられた検体の検査結果をサーバ1に出力する。なお、検査用端末4は、検査キットIDに関連付けられていない検体の検査結果を検査用端末4から取得することもあり得る。この例では、検査用端末4は、読取デバイスを用いて、検査キット6の少なくとも1つの情報記録媒体に記録された検査キットIDを読み取る。検査用端末4は、検体の検査結果に検査キットIDを関連付ける。検査用端末4は、通信インタフェースを用いて、検査キットIDに関連付けられた検体の検査結果をサーバ1に出力する。以下では、検査用端末4が取得又は出力する「検体の検査結果」の表記は、「検査キットIDに関連付けられた検体の検査結果」を指すものとする。
【0043】
他の端末5は、他のユーザ用の端末である。他のユーザは、ユーザ端末2のユーザとは異なるユーザである。他の端末5の構成例は、上述のユーザ端末2の構成例と同様である。他の端末5は、端末の一例である。
【0044】
検査キット6は、対象ユーザの検体を収容するためのキットである。対象ユーザは、自身で検体を採取し、自身で検体を検査キット6に収容する。検査キット6は、容器及び少なくとも1つの情報記録媒体を含む。容器は、対象ユーザの検体を収容する。容器は、チャンバーともいう。少なくとも1つの情報記録媒体は容器に付されているものとして説明するが、少なくとも1つの情報記録媒体は、容器と分離していてもよい。少なくとも1つの情報記録媒体には、検査キットID及び連携用情報が記録されている。
【0045】
検査キットIDは、容器を一意に識別可能な、容器に付随する情報である。容器を一意に識別可能であることは、検査キット6を一意に識別可能であることを含む。容器を一意に識別可能であることは、容器に収容されている検体を一意に識別可能であることを含む。検査キットIDは、容器の識別情報の一例である。容器の識別情報は、容器を一意に識別可能な、容器に付随する情報であればよく、検査キットIDに限定されない。容器の識別情報は、容器の第1の識別情報ともいう。
【0046】
対象ユーザIDは、対象ユーザを一意に識別可能な、対象ユーザに付随する情報である。対象ユーザIDは、対象ユーザにより登録された文字列でもよい。対象ユーザIDは、メールアドレス又はSNS(Social Networking Service)のアカウント等の文字列でもよい。対象ユーザIDは、対象ユーザの識別情報の一例である。対象ユーザの識別情報は、対象ユーザを一意に識別可能な、対象ユーザに付随する情報であればよく、対象ユーザIDに限定されない。対象ユーザの識別情報は、対象ユーザの名前又は住所等の個人情報でもよい。対象ユーザの識別情報は、対象ユーザの第2の識別情報ともいう。ここでは、対象ユーザIDを対象ユーザの識別情報の例にして説明する。
【0047】
連携用情報は、検査キットIDに対象ユーザIDを連携するための情報である。検査キットIDに対象ユーザIDを連携することは、検査キットIDに対象ユーザIDを設定すること、登録すること、関連付けること又は紐付けること等の検査キットIDと対象ユーザIDとの間に繋がりを持たせることの種々の意味を含む。連携用情報は、ユーザ端末2による少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報の読取に基づいてユーザ端末2から検査キットIDに連携するための対象ユーザIDを出力可能にする情報である。そのため、検査キットIDに対象ユーザIDを連携することは、ユーザ端末2による少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報の読取に基づいてユーザ端末2から対象ユーザIDを出力することを含む。検査キットIDに対象ユーザIDを連携することは、サーバ1が検査キットIDに、ユーザ端末2から出力された対象ユーザIDを連携することを含む。
【0048】
一例では、連携用情報は、対象ユーザIDを入力可能なWebページのURL(Uniform Resource Locator)にアクセスするためのリンクである。Webページは、サーバ1で提供されてもよいし、他のサーバで提供されてもよい。この例では、ユーザ端末2は、少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報を読み取る。ユーザ端末2は、少なくとも1つの情報記録媒体から読み取られた連携用情報に示されるリンクに基づいて、ネットワークNWを介して、WebページのURLにアクセスする。ユーザ端末2は、アクセスに基づいて、Webページを表示デバイスに表示する。対象ユーザは、ユーザ端末2の入力デバイスを介して対象ユーザIDをWebページに入力する。ユーザ端末2が対象ユーザIDを記憶する場合、ユーザ端末2は、対象ユーザによる対象ユーザIDの入力操作を必要としない。対象ユーザの検査結果を通知するための連絡先がサーバ1に登録されていない場合、対象ユーザは、ユーザ端末2の入力デバイスを介して1つ以上の連絡先をWebページに入力することができる。例えば、連絡先は、メールアドレスでもよいし、SNSのアカウントでもよい。連絡先は、対象ユーザの連絡先でもよいし、対象ユーザの家族又は検査者等の他のユーザの連絡先でもよい。ユーザ端末2は、Webページにおける対象ユーザIDの入力に基づいて、対象ユーザIDをサーバ1又は他のサーバに出力する。ユーザ端末2は、連絡先の入力に基づいて、連絡先をサーバ1又は他のサーバに出力することができる。対象ユーザIDは、ユーザ端末2により少なくとも1つの情報記録媒体から読み取られた検査キットIDに関連付けられている。連絡先は、対象ユーザIDに関連付けられている。
【0049】
別の例では、連携用情報は、ユーザ端末2にインストールされている所定のアプリを起動するためのリンクである。所定のアプリは、ユーザ端末2から対象ユーザIDをサーバ1又は他のサーバに出力するためのアプリである。この例では、ユーザ端末2は、少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報を読み取る。ユーザ端末2は、少なくとも1つの情報記録媒体から読み取られた連携用情報に示されるリンクに基づいて、所定のアプリを起動する。対象ユーザは、ユーザ端末2の入力デバイスを介して対象ユーザIDを入力する。ユーザ端末2が対象ユーザIDを記憶する場合、ユーザ端末2は、対象ユーザによる対象ユーザIDの入力操作を必要としない。ユーザ端末2は、所定のアプリの起動後に、対象ユーザIDが記録された情報記録媒体から対象ユーザIDを読み取ってもよい。対象ユーザの検査結果を通知するための連絡先がサーバ1に登録されていない場合、対象ユーザは、ユーザ端末2の入力デバイスを介して1つ以上連絡先を入力することができる。連絡先は、対象ユーザの連絡先でもよいし、対象ユーザの家族又は検査者等の他のユーザの連絡先でもよい。ユーザ端末2は、取得した対象ユーザIDをサーバ1又は他のサーバに出力する。ユーザ端末2は、連絡先の入力に基づいて、連絡先をサーバ1又は他のサーバに出力することができる。対象ユーザIDは、ユーザ端末2により少なくとも1つの情報記録媒体から読み取られた検査キットIDに関連付けられている。連絡先は、対象ユーザIDに関連付けられている。
【0050】
連携用情報は、ユーザ端末2から対象ユーザIDを出力可能にする情報であればよく、上述の例に限定されない。
【0051】
なお、ここでは、ユーザ端末2が少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報の読取に基づいて対象ユーザIDを出力する例について説明するが、これに限定されない。他の端末5は、少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報の読取に基づいて対象ユーザIDをサーバ1又は他のサーバに出力してもよい。この例では、対象ユーザの家族又は検査者等の他のユーザは、他の端末5の入力デバイスを介して対象ユーザIDを入力する。他の端末5が対象ユーザIDを記憶する場合、他の端末5は、他のユーザによる対象ユーザIDの入力操作を必要としない。対象ユーザの検査結果を通知するための連絡先がサーバ1に登録されていない場合、他のユーザは、他の端末5の入力デバイスを介して1つ以上の連絡先を入力することができる。連絡先は、他のユーザの連絡先でもよいし、対象ユーザの連絡先でもよい。ユーザ端末2は、連絡先の入力に基づいて、連絡先をサーバ1又は他のサーバに出力することができる。対象ユーザIDは、他の端末5により少なくとも1つの情報記録媒体から読み取られた検査キットIDに関連付けられている。連絡先は、対象ユーザIDに関連付けられている。
【0052】
少なくとも1つの情報記録媒体は、1つのコードシンボルを含んでもよい。この例では、コードシンボルには、検査キットID及び連携用情報が記録されている。コードシンボルに記録された情報を読み取るために、スマートフォン等の一般に普及している端末を利用することができる。少なくとも1つの情報記録媒体は、1つの無線タグを含んでもよい。この例では、無線タグには、検査キットID及び連携用情報が記録されている。少なくとも1つの情報記録媒体は、1つの無線タグ及び1つのコードシンボルを含んでもよい。一例では、無線タグには、少なくとも検査キットIDが記録されている。無線タグには、検査キットID及び連携用情報が記録されていてもよい。コードシンボルには、検査キットID及び連携用情報が記録されている。別の例では、無線タグには、検査キットID及び連携用情報が記録されている。コードシンボルには、少なくとも検査キットIDが記録されている。コードシンボルには、検査キットID及び連携用情報が記録されていてもよい。無線タグ及びコードシンボルは、記録形式の異なる複数の情報記録媒体の一例である。これにより、種々の読取デバイスを備える端末を利用することができる。
【0053】
検査キット6の構成例について説明する。
図2は、検査キット6の構成例を示す図である。
検査キット6は、容器61及びコードシンボル62を含む。コードシンボル62は、容器61に付されている。コードシンボル62は、検査キットID及び連携用情報が記録されたコードシンボルである。
【0054】
図3は、検査キット6の別の構成例を示す図である。
検査キット6は、容器61、無線タグ63コードシンボル64を含む。無線タグ63コードシンボル64は、容器61に付されている。無線タグ63は、検査キットIDが記録された無線タグである。コードシンボル64は、検査キットID及び連携用情報が記録されたコードシンボルである。
【0055】
サーバ1の構成例について説明する。
図4は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。
サーバ1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インタフェース14を備える。サーバ1を構成する各部は、互いに信号を入出力可能に接続されている。
図4では、インタフェースは、「I/F」と記載されている。
【0056】
プロセッサ11は、サーバ1の中枢部分に相当する。プロセッサ11は、サーバ1のコンピュータを構成する要素である。プロセッサ11は、1つ以上のプロセッサを含む。例えば、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)であるが、これに限定されない。プロセッサは、種々の回路で構成されてもよい。プロセッサ11は、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に予め記憶されているプログラムをメインメモリ12に展開する。プログラムは、サーバ1のプロセッサ11に後述する各部を実現し、プロセッサ11に各部を実行可能にするためのプログラムである。プロセッサ11は、メインメモリ12に展開されるプログラムを実行することで、各部の処理を実行可能する。プロセッサ11は、処理回路の一例である。
【0057】
メインメモリ12は、サーバ1の主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はプログラムを記憶する。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。例えば、メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域としてROM(Read Only Memory)を含む。例えば、メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域としてRAM(Random Access Memory)を含む。メインメモリ12は、プログラムを記憶し得る。
【0058】
補助記憶デバイス13は、サーバ1の補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス13は、EEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等である。補助記憶デバイス13は、上述のプログラム、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ及びプロセッサ11の処理によって生成されるデータを記憶し得る。補助記憶デバイス13は、記憶部の一例である。
【0059】
補助記憶デバイス13は、ユーザ情報記憶領域130を含む。ユーザ情報記憶領域130は、ユーザ情報を登録した複数のユーザのそれぞれのレコードを記憶する。ユーザのレコードは、ユーザ情報を含む。ユーザ情報は、ユーザに関する情報である。例えば、ユーザ情報は、ユーザの識別情報を含む。ユーザの識別情報は、ユーザを一意に識別可能な、ユーザに付随する情報である。例えば、ユーザの識別情報は、ユーザIDを含む。ユーザIDは、ユーザにより登録された文字列でもよい。ユーザIDは、メールアドレス又はSNSのアカウント等の文字列でもよい。ユーザの識別情報は、ユーザIDに限定されない。ユーザの識別情報は、ユーザの名前又は住所等の個人情報でもよい。ここでは、ユーザIDをユーザの識別情報の例にして説明する。ユーザ情報は、ユーザの検査結果を通知するための1つ以上の連絡先を含む。連絡先は、メールアドレスを含んでもよい。連絡先は、SNSのアカウントを含んでもよい。連絡先は、予め登録されていてもよい。連絡先は、任意のタイミングで、ユーザ端末2を介して登録されてもよい。連絡先は、任意のタイミングで、他の端末5を介して登録されてもよい。連絡先は、更新されてもよい。ユーザ情報は、ユーザの所属組織を含んでもよい。例えば、所属組織は、ユーザの所属する企業及び企業内の部門等であるが、これらに限定されない。所属組織は、ユーザの入居する施設でもよい。ユーザ情報は、これら以外の情報を含んでもよい。ユーザ情報記憶領域130に記憶されているデータは、新たなユーザのレコードの追加毎に更新され得る。ユーザ情報記憶領域130に記憶されているデータは、レコードに含まれるユーザ情報の更新毎に更新され得る。
【0060】
補助記憶デバイス13は、検査結果記憶領域131を含む。検査結果記憶領域131は、複数の検査キットIDのそれぞれのレコードを記憶する。検査キットIDのレコードは、検査キットIDを含む。検査キットIDに対象ユーザIDが連携されている場合、検査キットIDのレコードは、検査キットIDに連携されている対象ユーザIDを含む。以下では、検査キットIDに連携されている対象ユーザIDは、連携済みの対象ユーザIDともいう。
【0061】
連携済みの対象ユーザIDに検体の検査結果が連携されている場合、検査キットIDのレコードは、連携済みの対象ユーザIDに連携されている検体の検査結果を含む。以下では、連携済みの対象ユーザIDに連携されている検体の検査結果は、連携済みの検体の検査結果ともいう。連携済みの検体の検査結果は、連携済みの対象ユーザIDで識別される対象ユーザの検査結果である。連携済みの対象ユーザIDに検体の検査結果を連携することは、連携済みの対象ユーザIDに検体の検査結果を設定すること、登録すること、関連付けること又は紐付けること等の連携済みの対象ユーザIDと検体の検査結果との間に繋がりを持たせることの種々の意味を含む。
【0062】
検査キットIDのレコードは、対象ユーザIDで識別される対象ユーザのユーザ端末2の位置情報を時系列に含んでもよい。サーバ1は、ユーザ端末2の位置情報を時系列に収集し得る。位置情報は、日時情報と関連付けられている。
【0063】
検査結果記憶領域131に記憶されているデータは、新たな検査キットIDのレコードの追加毎に更新され得る。検査結果記憶領域131に記憶されているデータは、検査キットIDに対する対象ユーザIDの連携毎に更新され得る。検査結果記憶領域131に記憶されているデータは、連携済み対象ユーザIDに対する検体の検査結果の連携毎に更新され得る。検査結果記憶領域131に記憶されているデータは、ユーザ端末2の位置情報の追加毎に更新され得る。
【0064】
通信インタフェース14は、所定の通信プロトコルに従い、ネットワークNWを介して、サーバ1を他の装置と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。通信インタフェース14は、サーバ1の通信部の一例である。
【0065】
なお、サーバ1のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。サーバ1は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0066】
上述のプロセッサ11に実現される各部について説明する。
プロセッサ11は、通信処理部110、連携処理部111及び情報処理部112を実現する。プロセッサ11に実現される各部は、各機能ということもできる。プロセッサ11に実現される各部は、プロセッサ11及びメインメモリ12を含む制御部に実現されるということもできる。
【0067】
通信処理部110は、通信インタフェース14を用いて、ネットワークNWを介したサーバ1と他の装置との間の通信を処理する。
連携処理部111は、情報の連携を処理する。
情報処理部112は、情報を処理する。
【0068】
ユーザ情報記憶領域130に記憶されているデータについて説明する。
図5は、サーバ1のユーザ情報記憶領域130に記憶されているデータのデータ構造を例示する図である。
ユーザのレコードは、ユーザID、ユーザの連絡先及びユーザの所属組織を含む。
【0069】
検査結果記憶領域131に記憶されているデータについて説明する。
図6は、サーバ1の検査結果記憶領域131に記憶されているデータのデータ構造を例示する図である。
検査キットIDに対象ユーザIDが連携されていない場合について説明する。この場合、検査キットIDのレコードは、検査キットIDを含む。検査キットIDのレコードは、対象ユーザID、検体の検査結果及びユーザ端末2の位置情報を含まない。
【0070】
検査キットIDに対象ユーザIDが連携され、連携済みの対象ユーザIDに検体の検査結果が連携されている場合について説明する。この場合、検査キットIDのレコードは、検査キットID、連携済みの対象ユーザID、連携済みの検体の検査結果及びユーザ端末2の位置情報を含む。
【0071】
(動作例)
サーバ1の処理について説明する。
以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0072】
サーバ1における検体の検査結果の提供処理について説明する。
検体の検査結果の提供処理に関連する対象ユーザの動きの例について説明する。対象ユーザは、検査キット6を受け取る。対象ユーザは、自身で検体を採取し、自身で検体を検査キット6に収容する。検体の採取場所は、自宅、職場、施設、検査所又は医療機関等の任意の場所でよい。対象ユーザは、ユーザ端末2で検査キット6の少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報を読み取らせる。ユーザ端末2は、少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報の読取に基づいて、ネットワークNWを介して、対象ユーザIDをサーバ1又他のサーバに出力する。対象ユーザが連絡先をユーザ端末2で入力する場合、ユーザ端末2は、連絡先の入力に基づいて、連絡先をサーバ1又は他のサーバに出力する。対象ユーザは、検査キット6を郵送等により検査機関へ渡す。
【0073】
検体の検査結果の提供処理に関連する検査員の動きの例について説明する。検査員は、検査装置3で検査キット6の少なくとも1つの情報記録媒体に記録された検査キットIDを読み取らせる。検査員は、検査装置3を用いて、検査キット6の容器61に収容されている検体を検査する。検査装置3は、検体の検査結果を検査用端末4に出力する。検査用端末4は、検体の検査結果を検査装置3から取得する。検査用端末4は、ネットワークNWを介して、検体の検査結果をサーバ1に出力する。
【0074】
図7は、サーバ1における検体の検査結果の提供処理を例示するフローチャートである。
プロセッサ11は、ユーザ端末2による少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報の読取に基づいて以下の処理を実行する。
【0075】
通信処理部110は、ユーザ端末2から出力された対象ユーザIDを取得する(ステップS1)。ユーザ端末2が対象ユーザIDをサーバ1に出力する場合、通信処理部110は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末2から対象ユーザIDを取得する。ユーザ端末2が対象ユーザIDを他のサーバに出力する場合、通信処理部110は、ネットワークNWを介して、他のサーバから対象ユーザIDを取得する。ユーザ端末2が連絡先をサーバ1に出力する場合、通信処理部110は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末2から連絡先を取得する。ユーザ端末2が連絡先を他のサーバに出力する場合、通信処理部110は、ネットワークNWを介して、他のサーバから連絡先を取得する。サーバ1は、ユーザ情報記憶領域130において、対象ユーザIDをユーザIDとして含むレコードに連絡先を保存する。
【0076】
連携処理部111は、検査キットIDに対象ユーザIDを連携する(ステップS2)。ステップS2では、例えば、連携処理部111は、以下のように、対象ユーザIDの取得に基づいて検査キットIDに対象ユーザIDを連携する。連携処理部111は、検査結果記憶領域131に記憶されている複数の検査キットIDから、取得された対象ユーザIDに関連付けられた検査キットIDを検索する。連携処理部111は、検索された検査キットIDに対象ユーザIDを連携する。連携処理部111は、検索された検査キットIDのレコードに対象ユーザIDを保存することにより、検索された検査キットIDに対象ユーザIDを連携することができる。
【0077】
通信処理部110は、検体の検査結果を取得する(ステップS3)。ステップS3では、例えば、通信処理部110は、対象ユーザIDの取得後に、ネットワークNWを介して、検査用端末4から検体の検査結果を取得する。通信処理部110は、対象ユーザIDの取得後に、ネットワークNWを介して、検査装置3から検体の検査結果を取得してもよい。
【0078】
連携処理部111は、検査キットIDに対する対象ユーザIDの連携後に、連携済みの対象ユーザIDに検体の検査結果を連携する(ステップS4)。ステップS4では、例えば、連携処理部111は、以下のように、検体の検査結果の取得に基づいて、連携済みの対象ユーザIDに検体の検査結果を連携する。連携処理部111は、検査結果記憶領域131に記憶されている複数の検査キットIDから、取得された検体の検査結果に関連付けられた検査キットIDを検索する。連携処理部111は、検索された検査キットIDのレコードに含まれる連携済みの対象ユーザIDに検体の検査結果を連携する。連携処理部111は、検索された検査キットIDのレコードに検体の検査結果を保存することにより、連携済みの対象ユーザIDに検体の検査結果を連携することができる。
【0079】
通信処理部110は、連携済みの対象ユーザIDに対する検体の検査結果の連携に基づいて、連携済みの検体の検査結果を対象ユーザの検査結果として提供する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、通信処理部110は、対象ユーザが閲覧可能な態様で対象ユーザの検査結果を提供する。通信処理部110は、ユーザ情報記憶領域130を参照し、対象ユーザIDに対応するユーザIDに関連付けられた対象ユーザの連絡先を取得してもよい。通信処理部110は、取得された連絡先により、対象ユーザの検査結果をユーザ端末2に出力してもよい。この例では、通信処理部110は、メール又はSNS等により、ネットワークNWを介して、対象ユーザの検査結果をユーザ端末2に出力してもよい。通信処理部110は、メール又はSNS等により、ネットワークNWを介して、対象ユーザの検査結果を閲覧可能なURLをユーザ端末2に出力してもよい。また、通信処理部110は、対象ユーザによるユーザ端末2を介した対象ユーザIDを用いたアクセスに基づいて、対象ユーザの検査結果をユーザ端末2に出力してもよい。なお、通信処理部110は、対象ユーザがユーザ端末2を用いて閲覧可能な態様で対象ユーザの検査結果を提供すればよく、提供態様は、これらに限定されない。
【0080】
例えば、通信処理部110は、他のユーザが閲覧可能な態様で対象ユーザの検査結果を提供する。通信処理部110は、ユーザ情報記憶領域130を参照し、対象ユーザIDに対応するユーザIDに関連付けられた他のユーザの連絡先を取得してもよい。通信処理部110は、ユーザ情報記憶領域130を参照し、対象ユーザIDに対応するユーザIDに関連付けられた所属組織に基づいて、他のユーザの連絡先を取得してもよい。通信処理部110は、取得された連絡先により、対象ユーザの検査結果を他の端末5に出力してもよい。この例では、通信処理部110は、メール又はSNS等により、ネットワークNWを介して、対象ユーザの検査結果を他の端末5に出力してもよい。通信処理部110は、メール又はSNS等により、ネットワークNWを介して、対象ユーザの検査結果を閲覧可能なURLを他の端末5に出力してもよい。また、通信処理部110は、他のユーザによる他の端末5を介した対象ユーザIDを用いたアクセスに基づいて、対象ユーザの検査結果を他の端末5に出力してもよい。なお、通信処理部110は、他のユーザが他の端末5を用いて閲覧可能な態様で対象ユーザの検査結果を提供すればよく、提供態様は、これらに限定されない。この例では、他のユーザは、家族又は検査者等でもよい。他のユーザは、対象ユーザの所属組織の管理者又は人事担当者等の権限を有する者でもよい。
【0081】
上述の
図7に示す例は、人同士が接触する可能性の高い施設又は乗物で適用することができる。例えば、人同士が接触する可能性の高い施設は、医療施設、介護施設、生産施設、警察、消防、保育所、私立学校、塾又はスポーツクラブ等であるが、これらに限定されない。例えば、人同士が接触する可能性の高い乗物は、飛行機等であるが、これに限定されない。この例では、対象ユーザは、他人と接触する可能性の高い施設への訪問者、施設の職員、乗物の利用者又は乗物の乗務員である。施設が医療施設である場合、施設への訪問者は、新生児に会う前に、検査を受けることができる。施設が介護施設である場合、施設への訪問者は、介護施設の入居者に会う前に、検査を受けることができる。施設の職員は、施設への訪問者に接触する前に、検査を受けることができる。このように、対象ユーザは、他人との接触前に検査を受け、すぐに検査結果を確認することができるので、感染拡大を防ぐことができる。他のユーザは、施設又は乗物の管理者等の権限を有する者である。施設の職員の検査結果が陽性である場合、施設の管理者は、この職員の代わりとなる陰性の職員を手配する。このように、他のユーザは、陽性者が他人と接触することを防ぎつつ、代替者の手配等の対応を行うことができる。
【0082】
なお、対象ユーザが施設の職員である場合、対象ユーザが自身のICカードを施設内のリーダに読み取らせた際に、通信処理部110は、リーダの近くのモニタに対象ユーザの検査結果を表示するように対象ユーザの検査結果を提供してもよい。リーダは、ICカードの読取に基づいてドアを開錠するためにドア付近に設けられたものでもよい。
【0083】
サーバ1における対策情報の提供処理について説明する。
対策情報は、対象ユーザの検査結果に応じた対策に関する情報である。対策情報は、検査の内容に応じて異なる。検査が新型コロナウイルスについての検査とインフルエンザウイルスについての検査とでは、陽性の場合の対策が異なるからである。補助記憶デバイス13は、検査の内容毎に、対策情報を記憶する。対策情報は、適宜設定可能である。
【0084】
対策情報は、対象ユーザに向けられた対象ユーザ用の対策情報を含む。対象ユーザ用の対策情報は、医療機関の受診の推奨に関する情報を含んでもよいし、療養期間中の必需品に関する情報を含んでもよい。対象ユーザ用の対策情報は、これらに限定されない。
【0085】
対策情報は、対象ユーザの所属組織に向けられた組織用の対策情報を含む。組織用の対策情報は、消毒の推奨に関する情報を含んでもよいし、対象ユーザの同じ所属組織のメンバーへの検査の推奨に関する情報を含んでもよい。組織用の対策情報は、これらに限定されない。組織用の対策情報は、所属組織毎に異なってもよい。
【0086】
図8は、サーバ1における対策情報の提供処理を例示するフローチャートである。
プロセッサ11は、連携済みの対象ユーザIDに対する検体の検査結果の連携に基づいて以下の処理を実行する。
【0087】
情報処理部112は、対象ユーザの検査結果が基準を満たすか否かを判定する(ステップS11)。基準は、対象ユーザの検査結果に応じて対策情報を提供するための基準である。検査が感染症についての検査である場合、例えば、基準は、陽性であることである。この例では、対象ユーザの検査結果が陽性である場合、対象ユーザの検査結果は基準を満たす。対象ユーザの検査結果が陰性である場合、対象ユーザの検査結果は基準を満たさない。
【0088】
対象ユーザの検査結果が基準を満たす場合(ステップS11、YES)、処理は、ステップS11からステップS12へ遷移する。対象ユーザの検査結果が基準を満たさない場合(ステップS11、NO)、処理は、終了する。
【0089】
情報処理部112は、対象ユーザの検査の内容に応じて対策情報を決定する(ステップS12)。ステップS12では、例えば、情報処理部112は、補助記憶デバイス13に記憶されている検査の内容毎の対策情報から、対象ユーザの検査の内容に応じた対策情報を決定する。情報処理部112は、補助記憶デバイス13に記憶されている検査の内容毎の対象ユーザ用の対策情報から、対象ユーザの検査の内容に応じた対象ユーザ用の対策情報を決定することができる。情報処理部112は、補助記憶デバイス13に記憶されている検査の内容毎の組織用の対策情報から、対象ユーザの検査の内容に応じた組織用の対策情報を決定することができる。情報処理部112は、対象ユーザの所属組織に応じて組織用の対策情報を決定してもよい。
【0090】
通信処理部110は、対策情報の決定に基づいて、決定された対策情報を提供する(ステップS13)。ステップS13では、例えば、通信処理部110は、対象ユーザがユーザ端末2を用いて閲覧可能な態様で対象ユーザ用の対策情報を提供する。通信処理部110による対象ユーザに対する対象ユーザ用の対策情報の提供態様は、上述のような対象ユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。対象ユーザは、対象ユーザ用の対策情報を閲覧することで、適切な対策を講じることができる。
【0091】
例えば、通信処理部110は、他のユーザが他の端末5を用いて閲覧可能な態様で組織用の対策情報を提供する。通信処理部110による他のユーザに対する組織用の対策情報の提供態様は、上述のような他のユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。この例では、他のユーザは、対象ユーザの所属組織の管理者又は人事担当者等の権限を有する者でもよい。他のユーザは、組織用の対策情報を閲覧することで、組織に対して適切な対策を講じることができる。
【0092】
検査が感染症についての検査である場合について説明したが、検査は非感染症についての検査でもよい。この例では、基準は、基準値である。対策情報は、ヘルスケアに関する情報を含んでもよい。対策情報は、健康増進サービスに関する情報を含んでもよい。対策情報は、保険に関する情報を含んでもよい。対象ユーザ用の対策情報は、健康診断のオプションの推奨に関する情報を含んでもよい。対策情報は、これらに限定されない。対象ユーザ用の対策情報は、個人向けの上述の対策情報でもよい。組織用の対策情報は、法人向けの上述の対策情報でもよい。
【0093】
サーバ1における検査計画の提供処理について説明する。
ここでは、ある組織に属する各対象ユーザの検査計画を提供する場合を例にして説明する。検査計画は、対象ユーザが検査を受けるための計画である。検査計画は、検査頻度を含んでもよい。検査頻度は、2週間に1回等の検査間隔である。検査計画は、検査時期を含んでもよい。検査予定時期は、A月B日といった具体的な日程でもよいし、C月上旬といった大まかな日程でもよい。検査予定時期は、検査頻度に応じて変わる。
【0094】
ユーザ情報は、検査計画に影響を与える以下の情報を含む。ユーザ情報は、ユーザの属する事業所の所在地の感染状況に関する情報を含んでもよい。ユーザの感染リスクは、感染状況が悪化するにつれて高くなる。検査頻度は、感染状況が悪化するにつれて高くする方が好ましい。そのため、ユーザの属する事業所の所在地の感染状況は、検査計画に影響を与える。ユーザ情報は、ユーザの家庭環境に関する情報を含んでもよい。例えば、ユーザの家庭環境は、同居家族の人数である。ユーザの感染リスクは、同居家族の人数が多くなるにつれて高くなる。検査頻度は、同居家族の人数が多くなるにつれて高くする方が好ましい。そのため、ユーザの家庭環境は、検査計画に影響を与える。ユーザ情報は、ユーザの業務別感染リスクに関する情報を含んでもよい。感染リスクは、業務内容に応じて異なる。ユーザの感染リスクは、ユーザの業務別感染リスクが高まるにつれて高くなる。検査頻度は、ユーザの業務別感染リスクが高まるにつれて高くする方が好ましい。そのため、ユーザの業務別感染リスクは、検査計画に影響を与える。ユーザ情報は、ユーザが基幹部門に属しているか否かに関する情報を含んでもよい。基幹部門の感染者が増加し、基幹部門の業務が滞ると、会社全体への影響が大きい。検査頻度は、基幹部門に属していないユーザよりも基幹部門に属しているユーザについて高くする方が好ましい。そのため、ユーザが基幹部門に属しているか否かは、検査計画に影響を与える。ユーザ情報は、これら以外の検査計画に影響を与える情報を含んでもよい。
【0095】
図9は、サーバ1における検査計画の提供処理を例示するフローチャートである。
プロセッサ11は、組織毎に定期的に以下の処理を実行する。
【0096】
情報処理部112は、ユーザ情報記憶領域130から複数の対象ユーザのユーザ情報を取得する(ステップS21)。
情報処理部112は、複数の対象ユーザのユーザ情報に基づいて、各対象ユーザの検査計画を決定する(ステップS22)。検査計画の決定手法は、関数でもよいし、機械学習等の公知の技術でもよい。
【0097】
通信処理部110は、各対象ユーザの検査計画の決定に基づいて、決定された各対象ユーザの検査計画を提供する(ステップS23)。ステップS23では、例えば、通信処理部110は、対象ユーザ毎に、対象ユーザが閲覧可能な態様で対象ユーザの検査計画を提供する。通信処理部110による対象ユーザに対する対象ユーザの検査計画の提供態様は、上述のような対象ユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。対象ユーザは、対象ユーザの検査計画を閲覧することで、適切なタイミングで検査を受けることができる。
【0098】
例えば、通信処理部110は、他のユーザが閲覧可能な態様で各対象ユーザの検査計画を提供する。通信処理部110による他のユーザに対する各対象ユーザの検査計画の提供態様は、上述のような他のユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。この例では、他のユーザは、各対象ユーザの所属組織の管理者又は人事担当者等の権限を有する者でもよい。他のユーザは、各対象ユーザの検査計画を閲覧することで、各対象ユーザが適切なタイミングで検査を受けるように支援することができる。
【0099】
なお、情報処理部112は、対象ユーザ毎に、対象ユーザの検査履歴に基づいて、対象ユーザの検査が対象ユーザの検査計画に沿って実行されていないことを検出してもよい。この例では、ユーザ情報は、検査履歴を含んでもよい。検査履歴は、検査日の履歴である。サーバ1は、対象ユーザIDを取得した日を検査日として設定し、対象ユーザのユーザ情報に検査日を保存してもよい。
【0100】
情報処理部112は、対象ユーザの検査履歴を対象ユーザの検査計画と比較する。情報処理部112は、比較に基づいて、対象ユーザの検査が対象ユーザの検査計画に沿って実行されているか否かを判定する。対象ユーザの検査計画が検査頻度を含む場合について説明する。情報処理部112は、対象ユーザの検査履歴に含まれる最新の検査日から現在まで経過日数を求める。情報処理部112は、経過日数を検査頻度と比較する。経過日数が検査頻度に基づく日数を超えている場合、情報処理部112は、対象ユーザの検査が対象ユーザの検査計画に沿って実行されていないことを検出する。対象ユーザの検査計画が検査予定時期を含む場合について説明する。情報処理部112は、検査予定時期の後に、対象ユーザの検査履歴に含まれる最新の検査日を検査予定時期と比較する。最新の検査日が検査予定時期ではない場合、情報処理部112は、対象ユーザの検査が対象ユーザの検査計画に沿って実行されていないことを検出する。
【0101】
情報処理部112は、対象ユーザの検査が対象ユーザの検査計画に沿って実行されていないことの検出に基づいて、通知を提供してもよい。通知は、対象ユーザの検査が対象ユーザの検査計画に沿って実行されていないことを示す。
【0102】
例えば、通信処理部110は、対象ユーザが閲覧可能な態様で通知を提供する。通信処理部110による対象ユーザに対する通知の提供態様は、上述のような対象ユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。対象ユーザは、通知を閲覧することで、検査が検査計画に沿って実行されていないことを把握することができる。
【0103】
例えば、通信処理部110は、他のユーザが閲覧可能な態様で通知を提供する。通信処理部110による他のユーザに対する通知の提供態様は、上述のような他のユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。この例では、他のユーザは、各対象ユーザの所属組織の管理者又は人事担当者等の権限を有する者でもよい。他のユーザは、通知を閲覧することで、検査が検査計画に沿って実行されていない対象ユーザを把握することができる。
【0104】
サーバ1における集計結果の提供処理について説明する。
集計結果は、地域別に陽性者を集計した結果である。集計結果は、地域別の陽性者数を含んでもよい。集計結果は、地域別の陽性率を含んでもよい。
【0105】
図10は、サーバ1における集計結果の提供処理を例示するフローチャートである。
プロセッサ11は、定期的に以下の処理を実行する。
【0106】
情報処理部112は、検査結果記憶領域131から複数の対象ユーザの位置情報を取得する(ステップS31)。ステップS31では、例えば、情報処理部112は、連携済みの対象ユーザID及び連携済みの検体の検査結果を記憶する各レコードから位置情報を取得する。情報処理部112は、位置情報に基づいて各対象ユーザの居住地域を特定する。情報処理部112は、都道府県単位で居住地域を特定してもよいし、市区町村単位で居住地域を特定してもよい。情報処理部112は、夜間等に長時間変化しない位置情報に示される位置を対象ユーザの居住地域として特定することができる。
【0107】
情報処理部112は、検査結果記憶領域131から複数の対象ユーザの検査結果を取得する(ステップS32)。ステップS32では、例えば、情報処理部112は、複数の検査キッドIDのレコードに含まれる複数の連携済みの検体の検査結果を複数の対象ユーザの検査結果として取得する。
【0108】
情報処理部112は、複数の対象ユーザの居住地域に基づいて、複数の対象ユーザの検査結果を地域別に集計する(ステップS33)。ステップS33では、例えば、情報処理部112は、複数の対象ユーザの検査結果を地域別に集計することにより、集計結果を生成する。
【0109】
通信処理部110は、集計結果を提供する(ステップS34)。ステップS34では、例えば、通信処理部110は、他のユーザが閲覧可能な態様で集計結果を提供する。通信処理部110による他のユーザに対する集計結果の提供態様は、上述のような他のユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。この例では、他のユーザは、国又は自治体等の権限を有する者でもよい。他のユーザは、集計結果を閲覧することで、地域別に陽性者を集計した結果を把握することができる。例えば、他のユーザは、集計結果に基づいて地域別に適切に医療リソースを割り振ることで、医療リソースの逼迫する地域の発生を防ぐことができる。
【0110】
通信処理部110は、推奨情報を提供する(ステップS35)。推奨情報は、陽性の対象ユーザに対する診察又は入院可能な最寄りの医療機関の推奨に関する情報である。ステップS35では、例えば、情報処理部112は、陽性の対象ユーザの位置情報に基づいて、陽性の対象ユーザが診察又は入院可能な最寄りの医療機関を検索する。診察又は入院可能な医療機関のリストは、サーバ1に記憶されていてもよいし、サーバ1とは異なるサーバに記憶されていてもよい。情報処理部112は、検索に基づいて、推奨情報を生成する。通信処理部110は、対象ユーザが閲覧可能な態様で推奨情報を提供する。通信処理部110による対象ユーザに対する推奨情報の提供態様は、上述のような対象ユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。対象ユーザは、推奨情報を閲覧することで、診察又は入院可能な最寄りの医療機関に行くことができる。
【0111】
サーバ1における分析結果の提供処理について説明する。
分析結果は、陽性の対象ユーザの位置情報を分析した結果である。分析結果は、要注意エリアを示す。要注意エリアは、感染リスクが所定レベル以上のエリアである。エリアは、地域でもよいし、施設等の場所でもよい。所定レベルは、適宜設定可能である。
【0112】
図11は、サーバ1における分析結果の提供処理を例示するフローチャートである。
プロセッサ11は、定期的に以下の処理を実行する。
【0113】
情報処理部112は、検査結果記憶領域131から陽性の複数の対象ユーザの位置情報を取得する(ステップS41)。ステップS41では、例えば、情報処理部112は、連携済みの検体の検査結果が陽性を示す各レコードから位置情報を取得する。情報処理部112は、陽性の対象ユーザの検査日を含む所定期間の位置情報を取得してもよい。サーバ1は、対象ユーザIDを取得した日を検査日として設定してもよい。
【0114】
情報処理部112は、陽性の複数の対象ユーザの位置情報を分析する(ステップS42)。ステップS42では、例えば、情報処理部112は、陽性の複数の対象ユーザの位置情報を分析することにより、分析結果を生成する。例えば、分析は、位置情報の分布の分析であるが、分析手法は、機械学習等の公知の技術でもよい。
【0115】
通信処理部110は、分析結果を提供する(ステップS43)。ステップS43では、例えば、通信処理部110は、他のユーザが閲覧可能な態様で分析結果を提供する。通信処理部110による他のユーザに対する分析結果の提供態様は、上述のような他のユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。この例では、他のユーザは、国又は自治体等の権限を有する者でもよい。他のユーザは、要注意エリアの権限を有する者でもよい。他のユーザは、要注意エリアにいる陰性のユーザでもよい。他のユーザは、分析結果を閲覧することで、要注意エリアに対して早期に対策を講じることができる。
【0116】
サーバ1における予測結果の提供処理について説明する。
予測結果は、陽性の対象ユーザの体調の推移を予測した結果である。予測結果は、重症化率の予測値を含んでもよい。予測結果は、自宅隔離、医療機関での診察又は入院等の重症化率の予測値に応じた対応方法を含んでもよい。
【0117】
図12は、サーバ1における予測結果の提供処理を例示するフローチャートである。
プロセッサ11は、連携済みの検体の検査結果が陽性である場合に、以下の処理を実行する。
【0118】
情報処理部112は、回答情報を取得する(ステップS51)。ステップS51では、例えば、情報処理部112は、ネットワークNWを介して、質問情報を陽性の対象ユーザのユーザ端末2に出力する。質問情報は、体温及び既往症等の体調の推移に影響する事項の質問に関する情報である。情報処理部112は、ネットワークNWを介して、質問情報の応答として、ユーザ端末2から回答情報を取得する。回答情報は、質問情報に示される各質問に対する対象ユーザの回答に関する情報である。
【0119】
情報処理部112は、回答情報に基づいて、陽性の対象ユーザの体調の推移を予測する(ステップS52)。体調の推移の予測手法は、機械学習等の公知の技術でもよい。ステップS52では、例えば、情報処理部112は、陽性の対象ユーザの体調の推移を予測することにより、予測結果を生成する。
【0120】
通信処理部110は、予測結果を提供する(ステップS53)。ステップS53では、例えば、通信処理部110は、対象ユーザが閲覧可能な態様で予測結果を提供する。通信処理部110による対象ユーザに対する予測結果の提供態様は、上述のような対象ユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。対象ユーザは、予測結果を閲覧することで、将来の体調の推移に早期に備えることができる。
【0121】
例えば、通信処理部110は、他のユーザが閲覧可能な態様で予測結果を提供する。通信処理部110による他のユーザに対する予測結果の提供態様は、上述のような他のユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。この例では、他のユーザは、国又は自治体等の権限を有する者でもよい。他のユーザは、予測結果を閲覧することで、対象ユーザの状態を把握することができる。
【0122】
通信処理部110は、医療機関情報を提供する(ステップS54)。医療機関情報は、陽性の対象ユーザに提示する診察又は入院可能な最寄りの医療機関に関する情報である。ステップS54では、例えば、情報処理部112は、陽性の対象ユーザの位置情報に基づいて、陽性の対象ユーザが診察又は入院可能な最寄りの医療機関を検索する。診察又は入院可能な医療機関のリストは、サーバ1に記憶されていてもよいし、サーバ1とは異なるサーバに記憶されていてもよい。情報処理部112は、検索に基づいて、医療機関情報を生成する。通信処理部110は、対象ユーザが閲覧可能な態様で医療機関情報を提供する。通信処理部110による対象ユーザに対する医療機関情報の提供態様は、上述のような対象ユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。対象ユーザは、医療機関情報を閲覧することで、自身で調べることなく、診察又は入院可能な最寄りの医療機関を把握することができる。
【0123】
情報処理部112は、医療機関の予約処理を実行する(ステップS55)。ステップS55では、例えば、通信処理部110は、ネットワークNWを介して、医療機関情報に示される医療機関の予約指示をユーザ端末2から取得する。情報処理部112は、予約指示に基づいて、医療機関の予約処理を実行する。なお、情報処理部112は、予約指示なしに医療機関の予約処理を実行してもよい。この場合、通信処理部110は、予約処理後に、予約済みの医療機関に関する情報を対象ユーザに提供する。対象ユーザは、自身で医療機関を予約することなく、診察又は入院可能な最寄りの医療機関に行くことができる。サーバ1は、対象ユーザ毎に医療機関を振り分けることで、医療リソースが逼迫する医療機関の発生を防ぐことができる。
【0124】
サーバ1における予測結果の提供処理について説明する。
予測結果は、感染症に対する施設のリスクを予測した結果である。例えば、施設は、介護施設である。予測結果は、感染症に対する施設のリスクのレベルを示す。施設のリスクは、施設の特徴に応じて変化する。例えば、施設の特徴は、施設の規模等であるが、これらに限定されない。施設の規模が大きくなるにつれて、施設内で感染が拡大した場合の感染者数は増える。そのため、施設の規模が大きくなるにつれて、施設のリスクは高まる傾向にある。施設のリスクは、施設に入居する複数の対象ユーザの特徴に応じて変化する。例えば、対象ユーザの特徴は、要介護度及び既往症等であるが、これらに限定されない。要介護度が高くなるにつれて、対象ユーザに対する介護者の接触時間が増える。そのため、要介護度の高い対象ユーザの数が増えるにつれて、施設のリスクは高まる。既往症が多くなるにつれて、対象ユーザは感染した場合に重症化する可能性がある。そのため、既往症の多い対象ユーザの数が増えるにつれて、施設のリスクは高まる。施設のリスクは、同じ時期における陽性の対象ユーザの数に応じて変化する。陽性の対象ユーザの数が増えるにつれて、施設内で感染が拡大する可能性がある。そのため、陽性の対象ユーザの数が増えるにつれて、施設のリスクは高まる。
【0125】
補助記憶デバイス13は、施設毎に、施設情報を記憶する。施設情報は、施設IDを含む。施設IDは、施設を一意に識別可能な情報である。施設情報は、施設の特徴に関する情報を含む。施設情報は、施設に入居する複数の対象ユーザの特徴に関する情報を含む。補助記憶デバイス13は、施設毎に、施設IDと施設に入居する複数の対象ユーザのユーザIDとを関連付けたデータを記憶する。
【0126】
図13は、サーバ1における予測結果の提供処理を例示するフローチャートである。
プロセッサ11は、施設毎に、定期的に以下の処理を実行する。
情報処理部112は、補助記憶デバイス13から施設情報を取得する(ステップS61)。
【0127】
情報処理部112は、施設に入居する複数の対象ユーザの検査結果を取得する(ステップS62)。ステップS62では、例えば、情報処理部112は、施設情報に含まれる施設IDに基づいて、施設に入居する複数の対象ユーザのユーザIDを検索する。情報処理部112は、検索された施設に入居する複数の対象ユーザのユーザIDに基づいて、検査結果記憶領域131から施設に入居する複数の対象ユーザの検査結果を取得する。
【0128】
情報処理部112は、所定期間内の複数の対象ユーザの検査結果に基づいて、施設のリスクを予測する(ステップS63)。施設のリスクの予測手法は、機械学習等の公知の技術でもよい。ステップS63では、例えば、情報処理部112は、施設のリスクを予測することにより、予測結果を生成する。
【0129】
通信処理部110は、予測結果を提供する(ステップS64)。ステップS64では、例えば、通信処理部110は、他のユーザが閲覧可能な態様で予測結果を提供する。通信処理部110による他のユーザに対する予測結果の提供態様は、上述のような他のユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。この例では、他のユーザは、国又は自治体等の権限を有する者でもよい。他のユーザは、予測結果を閲覧することで、感染症に対する施設のリスクに応じて、医師又は代替職員の派遣等の支援を適切な規模で行うことができる。
【0130】
通信処理部110は、支援情報を提供する(ステップS65)。支援情報は、国又は自治体等からの支援に関する情報である。例えば、支援は、医師又は代替職員の派遣等である。ステップS65では、例えば、通信処理部110は、他のユーザが閲覧可能な態様で支援情報を提供する。通信処理部110による他のユーザに対する支援情報の提供態様は、上述のような他のユーザに対する対象ユーザの検査結果の提供態様と同様であってもよい。この例では、他のユーザは、施設の管理者でもよい。施設の管理者は、支援情報を閲覧することで、国又は自治体等からの支援の内容を把握することができる。
【0131】
(効果)
実施形態に係る検査キットは、容器の第1の識別情報、及び、第1の識別情報に対象の第2の識別情報を連携するための連携用情報が記録された少なくとも1つの媒体を備える。
実施形態に係る情報処理装置は、端末による少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて第1の識別情報に第2の識別情報を連携し、連携に基づいて、検体の検査結果を対象の検査結果として提供する。
少なくとも1つの媒体がこのような情報を記録することにより、ユーザ又は調査員は、検査キットを所持していれば、検査機関の人の介在を必要とすることなく、任意の時間及び場所で、端末を用いて、第1の識別情報に対象の第2の識別情報を関連付けることができる。さらに、情報処理装置は、検査機関の人の介在を必要とすることなく、第1の識別情報に関連付けられた検体の検査結果を取得することができる。これにより、情報処理装置は、第1の識別情報に関連付けられた第2の識別情報及び第1の識別情報に関連付けられた検体の検査結果に基づいて、検査機関の人による連携操作を伴うことなく、第2の識別情報に検体の検査結果を連携することができる。そのため、実施形態によれば、オンタイム&オンサイトで検体の検査結果の提供を実現することができる。さらに、検査機関の人の介在は減るので、検査機関の人の負荷は減る。
検査機関の人は、対象の検体の採取前に、検査対象を識別可能な情報(例えば、対象のID又は名前等の個人情報)を検査キットが備える少なくとも1つの媒体に予め記録したり、検査キットの表面に記載したりする必要がない。さらに、上述のように、情報処理装置は、検査機関の人による連携操作を伴うことなく、第2の識別情報に検体の検査結果を連携することができる。このように、対象と検査キットとの関連付け及び対象と検査結果との関連付けに検査機関の人の介在を必要としない。そのため、実施形態によれば、検体の採取から検査結果の通知までの間において、検体又は検査結果の人為的な入れ替わりミスを防止することができる。
上述のように、検査機関の人は、対象の検体の採取前に、検査対象を識別可能な情報を検査キットが備える少なくとも1つの媒体に予め記録したり、検査キットの表面に記載したりする必要がない。ユーザ又は調査員は、端末を用いて、第1の識別情報に対象の第2の識別情報を関連付けることができるので、対象の検体の採取に際し、対象情報を検査キットが備える少なくとも1つの媒体に記録したり、検査キットの表面に記載したりする必要がない。そのため、実施形態によれば、検体の採取から検体を検査機関へ渡すまでの間に、検査対象を識別可能な情報を秘匿した状態で検体を流通させることができる。さらに、上述のように、情報処理装置は、検査機関の人による連携操作を伴うことなく、第2の識別情報に検体の検査結果を連携することができる。そのため、実施形態によれば、検査機関による検体の受け取りから検査結果の通知までの間において、検査対象を識別可能な情報を秘匿した状態で検査結果を流通させることができる。
【0132】
[他の実施形態]
上述の実施形態では、ユーザといった人間の生体から採取されるものを検体の例としていたが、検体は、人間の生体から採取されるものに限定されない。検体は、対象が生きているか否かを問わない。
【0133】
上述の実施形態では、ユーザといった人間を対象としていたが、対象は、人間に限定されない。対象は、人間以外の生物でもよい。対象は、生きているか否かを問わない。例えば、対象は、動物である。対象が動物である場合、上述の実施形態は、鳥インフルエンザ等の動物の感染症にも適用可能である。この例によれば、サーバ1は、突発的に発生する動物の感染症といった不定点観測を支援することができる。
【0134】
この例では、調査員をユーザ端末2のユーザとする。調査員は、複数の検査キット6を持って、調査する場所を回る。調査員は、動物から検体を取得し、取得した検体を検査キット6に収容する。調査員は、ユーザ端末2で検査キット6の少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報を読み取らせる。ユーザ端末2は、少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報の読取に基づいて、ネットワークNWを介して、対象の識別情報及び閲覧ユーザの識別情報をサーバ1又他のサーバに出力する。
【0135】
対象の識別情報は、対象を一意に識別可能な、対象に付随する情報である。対象の識別情報は、対象のいるエリア名又は対象のいる位置情報等でもよく、これらに限定されない。対象の識別情報は、対象の第2の識別情報ともいう。調査員は、ユーザ端末2の入力デバイスを介して対象の識別情報を入力することができる。ユーザ端末2は、GPS(Global Positioning System)により位置情報を取得することができる場合、ユーザによる対象の識別情報の入力操作を必要としない。
【0136】
閲覧ユーザの識別情報は、閲覧ユーザを一意に識別可能な、閲覧ユーザに付随する情報である。閲覧ユーザは、対象の検査結果を閲覧可能な1人以上のユーザである。例えば、閲覧ユーザの識別情報は、閲覧ユーザIDを含む。閲覧ユーザIDは、閲覧ユーザにより登録された文字列でもよい。閲覧ユーザIDは、メールアドレス又はSNSのアカウント等の文字列でもよい。調査員は、ユーザ端末2の入力デバイスを介して閲覧ユーザの識別情報を入力することができる。ユーザ端末2が閲覧ユーザの識別情報を記憶する場合、ユーザ端末2は、調査員による閲覧ユーザの識別情報の入力操作を必要としない。対象の検査結果を通知するための連絡先がサーバ1に登録されていない場合、調査員は、ユーザ端末2の入力デバイスを介して1つ以上の連絡先を入力することができる。連絡先は、閲覧ユーザの連絡先である。連絡先は、調査員の連絡先でもよいし、他のユーザの連絡先でもよい。調査員が連絡先をユーザ端末2で入力する場合、ユーザ端末2は、連絡先の入力に基づいて、連絡先をサーバ1又は他のサーバに出力する。
【0137】
対象の識別情報及び閲覧ユーザの識別情報は、ユーザ端末2により少なくとも1つの情報記録媒体から読み取られた検査キットIDに関連付けられている。連絡先は、閲覧ユーザの識別情報に関連付けられている。なお、検査支援システム100が特定の閲覧ユーザに限定したシステムである場合、ユーザ端末2は、閲覧ユーザの識別情報をサーバ1又他のサーバに出力しなくてもよい。調査員は、検査キット6を郵送等により検査機関へ渡す。
【0138】
図7を参照して、サーバ1における検体の検査結果の提供処理について説明する。
ステップS1では、通信処理部110は、ユーザ端末2から出力された対象の識別情報を取得する。ユーザ端末2が対象の識別情報をサーバ1に出力する場合、通信処理部110は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末2から対象の識別情報を取得する。ユーザ端末2が対象の識別情報を他のサーバに出力する場合、通信処理部110は、ネットワークNWを介して、他のサーバから対象の識別情報を取得する。通信処理部110は、ユーザ端末2から出力された閲覧ユーザの識別情報を取得する。ユーザ端末2が閲覧ユーザの識別情報をサーバ1に出力する場合、通信処理部110は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末2から閲覧ユーザの識別情報を取得する。ユーザ端末2が閲覧ユーザの識別情報を他のサーバに出力する場合、通信処理部110は、ネットワークNWを介して、他のサーバから閲覧ユーザの識別情報を取得する。ユーザ端末2が連絡先をサーバ1に出力する場合、通信処理部110は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末2から連絡先を取得する。ユーザ端末2が連絡先を他のサーバに出力する場合、通信処理部110は、ネットワークNWを介して、他のサーバから連絡先を取得する。サーバ1は、ユーザ情報記憶領域130において、閲覧ユーザの識別情報をユーザの識別情報として含むレコードに連絡先を保存する。
【0139】
ステップS2では、連携処理部111は、検査キットIDに対象の識別情報を連携する。上述のステップS2の説明は、「対象ユーザID」の表記を「対象の識別情報」と読み替えてこの例に適用してもよい。連携処理部111は、同様に、検査キットIDに閲覧ユーザの識別情報を連携する。連携処理部111は、検査キットIDのレコードに閲覧ユーザの識別情報を保存することにより、検査キットIDに閲覧ユーザの識別情報を連携することができる。
【0140】
ステップS3では、通信処理部110は、検体の検査結果を取得する。上述のステップS3の説明は、「対象ユーザID」の表記を「対象の識別情報」と読み替えてこの例に適用してもよい。
【0141】
ステップS4では、連携処理部111は、検査キットIDに対する対象の識別情報の連携後に、連携済みの対象の識別情報に検体の検査結果を連携する。上述のステップS4の説明は、「対象ユーザID」の表記を「対象の識別情報」と読み替えてこの例に適用してもよい。
【0142】
ステップS5では、通信処理部110は、連携済みの対象の識別情報に対する検体の検査結果の連携に基づいて、連携済みの検体の検査結果を対象の検査結果として提供する。例えば、通信処理部110は、閲覧ユーザとなる調査員が閲覧可能な態様で対象の検査結果を提供する。通信処理部110は、ユーザ情報記憶領域130を参照し、閲覧ユーザの識別情報に対応するユーザの識別情報に関連付けられた調査員の連絡先を取得してもよい。通信処理部110は、取得された連絡先により、対象の検査結果をユーザ端末2に出力してもよい。この例では、通信処理部110は、メール又はSNS等により、ネットワークNWを介して、対象の検査結果をユーザ端末2に出力してもよい。通信処理部110は、メール又はSNS等により、ネットワークNWを介して、対象の検査結果を閲覧可能なURLをユーザ端末2に出力してもよい。また、通信処理部110は、調査員によるユーザ端末2を介した閲覧ユーザの識別情報を用いたアクセスに基づいて、対象の検査結果をユーザ端末2に出力してもよい。なお、通信処理部110は、調査員がユーザ端末2を用いて閲覧可能な態様で対象の検査結果を提供すればよく、提供態様は、これらに限定されない。
【0143】
例えば、通信処理部110は、閲覧ユーザとなる他のユーザが閲覧可能な態様で対象の検査結果を提供する。通信処理部110は、ユーザ情報記憶領域130を参照し、閲覧ユーザの識別情報に対応するユーザの識別情報に関連付けられた他のユーザの連絡先を取得してもよい。通信処理部110は、取得された連絡先により、対象の検査結果を他の端末5に出力してもよい。この例では、通信処理部110は、メール又はSNS等により、ネットワークNWを介して、対象の検査結果を他の端末5に出力してもよい。通信処理部110は、メール又はSNS等により、ネットワークNWを介して、対象の検査結果を閲覧可能なURLを他の端末5に出力してもよい。また、通信処理部110は、他のユーザによる他の端末5を介した閲覧ユーザの識別情報を用いたアクセスに基づいて、対象の検査結果を他の端末5に出力してもよい。なお、通信処理部110は、他のユーザが他の端末5を用いて閲覧可能な態様で対象の検査結果を提供すればよく、提供態様は、これらに限定されない。
【0144】
なお、サーバ1がユーザ端末2から出力される検体採取日を取得する場合、対象の検査結果を提供することは、対象の検査結果を時系列に提供することを含んでもよい。対象の検査結果を提供することは、1つの対象の検査結果を提供することを含んでもよいし、複数の対象の検査結果を提供することを含んでもよい。サーバ1がユーザ端末2から出力されるユーザ端末2の位置情報を取得する場合、複数の対象の検査結果を提供することは、複数の対象の検査結果を地図上に可視化した画像を提供することを含んでもよい。ユーザ端末2の位置情報は、対象のいる位置情報である。ユーザ端末2の位置情報は、ユーザ端末2がGPSにより取得する位置情報でもよい。複数の対象の検査結果を提供することは、感染状況を識別可能な態様で複数の対象の検査結果を地図上に可視化した画像を提供することを含んでもよい。感染状況は、エリア毎の感染数又は感染率等の感染に関する種々の状況でもよい。状況は、レベルを含む。例えば、感染状況を識別可能な態様は、色であるが、これに限定されない。
【0145】
上述の実施形態では、ユーザを対象としていたが、対象は、ユーザに限定されない。対象は、環境でもよい。環境は、下水等の液体、外気等の気体又は土壌等の固体でもよい。この例では、検体は、環境から採取される物質である。検体の検査結果は、環境の状況である。環境が下水である場合、検体の検査結果は、環境中の微生物汚染状況でもよい。環境の状況を示す指標は、特に限定されない。状況は、レベルを含む。この例によれば、サーバ1は、環境中の微生物汚染のモニタリングといった定点観測を支援することができる。
【0146】
この例では、調査員をユーザ端末2のユーザとする。調査員は、複数の検査キット6を持って、サンプリング装置を設置された複数の設置場所を回る。サンプリング装置は、環境から採取される物質をサンプリングする装置である。サンプリング装置には、サンプリング装置の対象装置IDが表示されていてもよい。サンプリング装置には、対象装置IDを記録された情報記録媒体が付されていてもよい。対象装置IDは、サンプリング装置を一意に識別可能な、サンプリング装置に付随する情報である。サンプリング装置を一意に識別可能な、サンプリング装置に付随する情報は、サンプリング装置の設置場所を一意に識別可能な、サンプリング装置の設置場所に付随する情報でもある。サンプリング装置の設置場所は、サンプリングされる物質が採取される環境に相当する。
【0147】
調査員は、サンプリング装置から物質を取得し、取得した物質を検査キット6に収容する。調査員は、ユーザ端末2で検査キット6の少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報を読み取らせる。ユーザ端末2は、少なくとも1つの情報記録媒体に記録された情報の読取に基づいて、ネットワークNWを介して、対象の識別情報及び閲覧ユーザの識別情報をサーバ1又他のサーバに出力する。例えば、対象の識別情報は、対象装置IDである。ユーザ端末2は、調査員により入力デバイスを介して入力された対象装置IDを出力してもよい。ユーザ端末2は、調査員によりユーザ端末2を用いてサンプリング装置に付された情報記録媒体から読み取られた対象装置IDを出力してもよい。対象の識別情報は、対象装置IDに限定されない。対象の識別情報は、サンプリング装置の設置場所のエリア名又はサンプリング装置の設置場所の位置情報等でもよく、これらに限定されない。閲覧ユーザの識別情報は、上述のとおりである。ユーザ端末2が閲覧ユーザの識別情報を記憶する場合、ユーザ端末2は、調査員による閲覧ユーザの識別情報の入力操作を必要としない。対象の検査結果を通知するための連絡先がサーバ1に登録されていない場合、調査員は、ユーザ端末2の入力デバイスを介して1つ以上の連絡先を入力することができる。連絡先は、閲覧ユーザの連絡先である。連絡先は、調査員の連絡先でもよいし、他のユーザの連絡先でもよい。調査員が連絡先をユーザ端末2で入力する場合、ユーザ端末2は、連絡先の入力に基づいて、連絡先をサーバ1又は他のサーバに出力する。対象の識別情報及び閲覧ユーザの識別情報は、ユーザ端末2により少なくとも1つの情報記録媒体から読み取られた検査キットIDに関連付けられている。連絡先は、閲覧ユーザの識別情報に関連付けられている。なお、検査支援システム100が特定の閲覧ユーザに限定したシステムである場合、ユーザ端末2は、閲覧ユーザの識別情報をサーバ1又他のサーバに出力しなくてもよい。調査員は、検査キット6を郵送等により検査機関へ渡す。
【0148】
この例のサーバ1における検体の検査結果の提供処理は、対象が人間以外の生物である場合の上述の提供処理と同様である。複数の対象の検査結果を提供することは、複数の対象の検査結果を地図上に可視化した画像を提供することを含んでもよい。サーバ1は、対象装置IDで識別可能なサンプリング装置の設置場所に基づいて対象の検査結果を地図上に示すことができる。サーバ1がユーザ端末2から出力されるユーザ端末2の位置情報を取得する場合、サーバ1は、ユーザ端末2の位置情報に基づいて対象の検査結果を地図上に示すことができる。ユーザ端末2の位置情報は、サンプリング装置の設置場所の位置情報に相当する。ユーザ端末2の位置情報は、ユーザ端末2がGPSにより取得する位置情報でもよい。複数の対象の検査結果を提供することは、環境の状況を識別可能な態様で複数の対象の検査結果を地図上に可視化した画像を提供することを含んでもよい。環境の状況は、サンプリング装置の設置場所毎の環境に関する種々の状況でもよい。例えば、環境の状況を識別可能な態様は、色であるが、これに限定されない。サーバ1がユーザ端末2から出力される採取に関する情報を取得する場合、サーバ1は、対象の検査結果及び採取に関する情報を提供してもよい。サーバ1は、複数の対象の検査結果及び対象毎の採取に関する情報を地図上に可視化した画像を提供することを含んでもよい。例えば、採取に関する情報は、サンプリング装置毎に決められている採取濃度であるが、これに限定されない。
【0149】
装置は、各処理を実現する1つの装置でもよいし、各処理を分散させた複数の装置で構成されてもよい。1つの装置は、内蔵デバイスのみで構成されたものを指すだけでなく、内蔵デバイス及び外付けデバイスを合わせて構成されたものを指してもよい。
【0150】
なお、上述のように、環境を対象の例とする場合、環境は、各施設の環境でもよい。1つの施設は、1つの棟でもよいし、複数の棟を合わせたものでもよい。施設の環境は、施設の換気口から排出される施設内の空気であるが、これに限定されない。施設の環境は、施設から排出される下水でもよい。会社は、感染症の流行期と沈静期とで柔軟な検査を行うことができる。感染症の流行期には、会社の全員が出勤した後に検査を行ってもよい。感染症の沈静期には、会社の全員が出勤した後に検査を行わなくてもよい。代わりに、検査結果が陽性の施設の社員は検査を行い、検査結果が陰性の施設の社員は検査を行わない。これにより、検査数を抑制しつつ、感染症拡大を防止することができる。
【0151】
上述の実施形態は、装置だけでなく、装置が実行する方法に適用されてもよい。上述の実施形態は、装置のコンピュータに各機能を実行させることが可能なプログラムに適用されてもよい。上述の実施形態は、プログラムを記憶する記録媒体に適用されてもよい。上述の実施形態は、システムだけでなく、システムに含まれる複数の要素が実行する方法に適用されてもよい。
【0152】
処理回路は、複数の機能による複数の処理を実現する1つ以上の回路を含む。例えば、回路は、プロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(field-Programmable Gate Array)であるが、これらに限定されない。
【0153】
処理回路を構成する1つ以上の回路のそれぞれは、複数の処理のうちの1つ以上の処理を実行する。処理回路が単一の回路で構成される場合、単一の回路は、複数の処理の全部を実行する。処理回路が複数の回路で構成される場合、複数の回路のそれぞれは、複数の処理のうちの一部を実行する。複数の処理のうちの一部は、複数の処理のうちの1つでもよいし、複数の処理のうちの2つ以上でもよい。処理回路が複数の回路で構成される場合、複数の回路は、1つの装置に含まれていてもよいし、複数の装置に分散していてもよい。
【0154】
プログラムは、実施形態に係る装置に記憶された状態で譲渡されてよいし、装置に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記録媒体に記録された状態で譲渡されてもよい。記録媒体は、非一時的な有形の媒体である。記録媒体は、コンピュータ可読媒体である。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0155】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0156】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0157】
(付記)
実施形態は、以下のように表現することができる。
(1) 対象の検体を収容する容器と、
前記容器の第1の識別情報、及び、前記第1の識別情報に前記対象の第2の識別情報を連携するための連携用情報が記録された少なくとも1つの媒体と、
を備える検査キット。
(2) 前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携することは、端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記端末から前記第2の識別情報を出力することを含む、(1)に記載の検査キット。
(3) 前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携することは、情報処理装置が前記第1の識別情報に、前記端末から出力された前記第2の識別情報を連携することを含む、(2)に記載の検査キット。
(4) 前記少なくとも1つの媒体は、前記第1の識別情報及び前記連携用情報が記録されたコードシンボルを含む、(1)~(3)の何れかに記載の検査キット。
(5) 前記少なくとも1つの媒体は、記録形式の異なる複数の媒体を含む、(1)~(3)の何れかに記載の検査キット。
(6) 前記対象は、人である、(1)~(5)の何れかに記載の検査キット。
(7) 前記対象は、人である、(1)~(5)の何れかに記載の検査キット。
(8)前記対象は、環境である、(1)~(5)の何れかに記載の検査キット。
(9) (1)~(8)の何れかに記載の検査キットを用いた前記検体の検査結果を処理する情報処理装置であって、
端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携する連携処理部と、
前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携に基づいて、前記検体の検査結果を前記対象の検査結果として提供する通信処理部と、
を備える情報処理装置。
(10) 前記連携処理部は、前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携後に、連携済みの前記第2の識別情報に、前記検体の検査結果を連携する、(9)に記載の情報処理装置。
(11) 前記通信処理部は、前記端末から出力された前記第2の識別情報を取得し、
前記連携処理部は、前記第2の識別情報の取得に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携する、
(9)又は(10)に記載の情報処理装置。
(12) 前記通信処理部は、前記第1の識別情報に関する前記検体の検査結果を取得し、
前記連携処理部は、前記第1の識別情報に関する前記検体の検査結果の取得に基づいて、連携済みの前記第2の識別情報に、前記第1の識別情報に関する前記検体の検査結果を連携する、(9)~(11)の何れかに記載の情報処理装置。
(13) 前記通信処理部は、前記対象が閲覧可能な態様で前記対象の検査結果を提供する、(9)~(12)の何れかに記載の情報処理装置。
(14) 前記通信処理部は、前記対象とは異なるユーザが閲覧可能な態様で前記対象の検査結果を提供する、(9)~(13)の何れかに記載の情報処理装置。
(15) (1)~(8)の何れかに記載の検査キットと、
前記検査キットを用いた前記検体の検査結果を処理する情報処理装置であって、
端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携する連携処理部と、
前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携に基づいて、前記検体の検査結果を前記対象の検査結果として提供する通信処理部と、
を備える情報処理装置と、
を備える検査支援システム。
(16) (1)~(8)の何れかに記載の検査キットを用いた前記検体の検査結果を処理する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携することと、
前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携に基づいて、前記検体の検査結果を前記対象の検査結果として提供することと、
を備える情報処理方法。
(17) (1)~(8)の何れかに記載の検査キットを用いた前記検体の検査結果を処理する情報処理装置のコンピュータに、
端末による前記少なくとも1つの媒体に記録された情報の読取に基づいて前記第1の識別情報に前記第2の識別情報を連携する機能と、
前記第1の識別情報に対する前記第2の識別情報の連携に基づいて、前記検体の検査結果を前記対象の検査結果として提供する機能と、
を実行させることが可能なプログラム。
【符号の説明】
【0158】
1…サーバ、2…ユーザ端末、3…検査装置、4…検査用端末、5…他の端末、6…検査キット、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶デバイス、14…通信インタフェース、61…容器、62…コードシンボル、63…無線タグ、64…コードシンボル、100…検査支援システム、110…通信処理部、111…連携処理部、112…情報処理部、130…ユーザ情報記憶領域、131…検査結果記憶領域、NW…ネットワーク。