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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171122
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13357 20060101AFI20241204BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20241204BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02F1/1333
G02F1/1335
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088019
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】麻野 直之
(72)【発明者】
【氏名】市原 一輝
【テーマコード(参考)】
2H189
2H291
2H391
【Fターム(参考)】
2H189AA04
2H189AA64
2H189AA75
2H189CA07
2H189CA13
2H189HA16
2H189JA04
2H189LA01
2H189LA02
2H189LA05
2H189LA07
2H189LA10
2H189LA20
2H189LA22
2H189MA15
2H189NA09
2H291FA71X
2H291FA71Z
2H291FA85X
2H291FA85Z
2H291FA86X
2H291FA86Z
2H291FA95X
2H291FA95Z
2H291FA96X
2H291FA96Z
2H291FD35
2H291GA01
2H291GA02
2H291GA08
2H291GA19
2H291GA23
2H291JA02
2H291LA21
2H291MA20
2H291NA62
2H391AA15
2H391AA23
2H391AA25
2H391AB04
2H391AB08
2H391AD26
2H391AD29
2H391AD45
2H391AD55
2H391CB03
2H391EA26
2H391FA01
2H391FA02
(57)【要約】
【課題】 表示品位の向上が可能な表示装置を提供する。
【解決手段】 表示装置は、第1透明基板ME1と、表示パネルPNLと、第1固定部材AD1と、第1光源ユニットLU1と、を備える。第1透明基板ME1は、側面である第1入光面を有し、湾曲して形成されている。表示パネルPNLは可撓性を持っている。第1固定部材AD1は表示パネルPNLを第1透明基板ME1に固定している。第1光源ユニットLU1は、上記第1入光面と対向し、上記第1入光面に光を照射する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間に位置した側面である第1入光面と、を有し、湾曲して形成された第1透明基板と、
画像を表示し外光を透過する表示領域を有し、前記第1透明基板の前記第1主面と対向し、可撓性を持つ表示パネルと、
前記第1透明基板と前記表示パネルとの間に位置し、前記表示パネルを前記第1透明基板に固定する第1固定部材と、
前記第1透明基板の前記第1入光面と対向し、前記第1入光面に光を照射する第1光源ユニットと、を備える、
表示装置。
【請求項2】
第2光源ユニットをさらに備え、
前記第1透明基板は、前記第1主面と前記第2主面との間に位置した側面であり前記第1入光面とは反対側の第2入光面をさらに有し、
前記第2光源ユニットは、前記第1透明基板の前記第2入光面と対向し、前記第2入光面に光を照射する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1入光面の長辺は直線である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1透明基板の厚みは、前記表示パネルの厚みより大きい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルと対向した第3主面と、前記第3主面とは反対側の第4主面と、前記第3主面と前記第4主面との間に位置した側面である第3入光面と、を有し、前記第1透明基板とともに前記表示パネルを挟み、前記第1透明基板に倣って湾曲して形成された第2透明基板と、
前記第2透明基板と前記表示パネルとの間に位置し、前記表示パネルを前記第2透明基板に固定する第2固定部材と、
前記第2透明基板の前記第3入光面と対向し、前記第3入光面に光を照射する第2光源ユニットと、をさらに備える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1透明基板と前記表示パネルとの間に位置した光学層をさらに備え、
前記表示パネルは、第1基材と、前記第1基材と前記第1透明基板との間に位置した第2基材と、前記第1基材と前記第2基材との間に位置し筋状のポリマ及び液晶分子を含んでいる液晶層と、をさらに有し、
前記光学層の屈折率は、前記第2基材の屈折率より低い、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1透明基板と前記表示パネルとの間に位置した光学層をさらに備え、
前記光学層の屈折率は、前記第1透明基板の屈折率より低い、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記光学層は、前記第1透明基板の前記第1主面に接している、
請求項6又は7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記光学層は、前記第1主面の全体に接している、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1主面は、一又は複数の接触領域と、前記一又は複数の接触領域以外の非接触領域と、を有し、
前記光学層は、前記一又は複数の接触領域の全体に接している、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1主面における前記一又は複数の接触領域の面積の割合は、前記第1入光面に近づくほど大きい、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1透明基板の前記第1入光面と前記第1光源ユニットとの間に位置し、前記第1光源ユニットから入射される光を集束させて前記第1入光面側に透過させる光学部材をさらに備える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記光学部材は、配列された複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイである、
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
第1光反射層と、
第2光反射層と、をさらに備え、
前記第1透明基板の前記第1主面は、第1反射領域と、前記第1反射領域より前記第1入光面側に位置した第2反射領域と、を有し、
前記第1透明基板の前記第2主面は、第3反射領域と、前記第3反射領域より前記第1入光面側に位置した第4反射領域と、を有し、
前記第2反射領域及び前記第4反射領域は、それぞれ前記表示領域に重なっておらず、
前記第1光反射層は、前記第1主面の前記第2反射領域と対向し、
前記第2光反射層は、前記第2主面の前記第4反射領域と対向している、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1主面と前記第1入光面との間の角度は、90°以外である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記表示パネルは、第1基材と、前記第1基材と前記第1透明基板との間に位置した第2基材と、前記第1基材と前記第2基材との間に位置し筋状のポリマ及び液晶性分子を含んでいる液晶層と、をさらに有し、
前記第1基材及び前記第2基材のそれぞれの厚みは0.2mm以下である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記表示パネルは、第1基材と、前記第1基材と前記第1透明基板との間に位置した第2基材と、前記第1基材と前記第2基材との間に位置し筋状のポリマ及び液晶性分子を含んでいる液晶層と、をさらに有し、
前記第1基材及び前記第2基材は、それぞれ樹脂で形成されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第1基材及び前記第2基材は、それぞれ非晶質の樹脂で形成されている、
請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
湾曲した主面を有し、非可撓性の第1透明基板と、
前記第1透明基板の前記主面と対向し、前記第1透明基板と固定され、可撓性の表示パネルと、
前記第1透明基板の第1側面と対向し、前記第1側面に光を照射する光源を備え、
前記第1透明基板の側から、前記表示パネルの前記第1透明基板とは反対側が、視認可能である、
表示装置。
【請求項20】
前記表示パネルは、前記光源と対向する第2側面を有する可撓性の基材を有し、
前記光源は、前記第1側面と対向する第1領域と前記第2側面と対向する第2領域とを有し、
前記第1領域は、前記第2領域よりも大きい、
請求項19に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、入射した光を拡散する拡散状態と入射した光を透過させる透過状態とを切り替え可能な高分子分散液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal:以下、「PDLC」と称する場合がある)パネルを含み、画像を表示するとともに背景を透かして視認することが可能な表示装置が提案されている。このような表示装置においては、1フレーム期間が複数のサブフレーム期間を有し、サブフレーム期間毎に表示色を切り替えながら画像を表示することで多色表示が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-174531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、表示品位の向上が可能な表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、
第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間に位置した側面である第1入光面と、を有し、湾曲して形成された第1透明基板と、
画像を表示し外光を透過する表示領域を有し、前記第1透明基板の前記第1主面と対向し、可撓性を持つ表示パネルと、
前記第1透明基板と前記表示パネルとの間に位置し、前記表示パネルを前記第1透明基板に固定する第1固定部材と、
前記第1透明基板の前記第1入光面と対向し、前記第1入光面に光を照射する第1光源ユニットと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係る表示装置の構成例を示す平面図である。
図2図2は、図1の表示装置を展開して示す断面図である。
図3図3は、図1の表示装置の主要な構成要素を示す図である。
図4A図4Aは、上記表示装置の表示パネルの一部を示す図であり、透明状態の液晶層を模式的に示す図である。
図4B図4Bは、上記表示パネルの一部を示す図であり、散乱状態の液晶層を模式的に示す図である。
図5A図5Aは、液晶層が透明状態である場合の表示パネルと、第1透明基板と、を展開して示す断面図であり、発光素子を併せて示す図である。
図5B図5Bは、液晶層が散乱状態である場合の表示パネルと、第1透明基板と、を展開して示す断面図であり、発光素子を併せて示す図である。
図6図6は、液晶層の散乱特性を示すグラフである。
図7A図7Aは、1ライン反転駆動の概要を表す図である。
図7B図7Bは、2ライン反転駆動の概要を表す図である。
図7C図7Cは、フレーム反転駆動の概要を表す図である。
図8図8は、表示駆動におけるコモン電圧とソース線電圧の一例を示す図である。
図9図9は、透明駆動におけるコモン電圧とソース線電圧の一例を示す図である。
図10図10は、透明駆動におけるコモン電圧とソース線電圧の他の例を示す図である。
図11図11は、図3に示したタイミングコントローラの一構成例を示す図である。
図12図12は、上記表示装置の表示パネルと、カバーパネルと、を示す分解斜視図であり、表示パネルをカバーパネルに粘着する前の状態を示す図である。
図13図13は、上記表示装置を示す断面図である。
図14図14は、上記第1の実施形態の変形例1に係る表示装置を示す断面図である。
図15図15は、上記第1の実施形態の変形例2に係る表示装置を示す断面図である。
図16図16は、上記第1の実施形態の変形例3に係る表示装置を示す断面図である。
図17図17は、第2の実施形態に係る表示装置を展開して示す断面図である。
図18図18は、上記第2の実施形態に係るカバーパネルと、第1光源ユニットと、を示す平面図であり、上記カバーパネルを展開して示す図である。
図19図19は、上記第2の実施形態の変形例1に係るカバーパネルと、第1光源ユニットと、を示す平面図であり、上記カバーパネルを展開して示す図である。
図20図20は、上記第2の実施形態の変形例2に係るカバーパネルと、第1光源ユニットと、第2光源ユニットと、を示す平面図であり、上記カバーパネルを展開して示す図である。
図21図21は、第3の実施形態に係る表示装置を展開して示す断面図である。
図22図22は、上記第3の実施形態に係る表示装置のカバーパネルと、第1光源ユニットと、光学部材と、を示す平面図であり、上記カバーパネルを展開して示す図である。
図23図23は、上記第3の実施形態に係る光学部材の一部を示す斜視図である。
図24図24は、第4の実施形態に係る表示装置を展開して示す断面図である。
図25図25は、上記第4の実施形態に係るカバーパネルと、第1光源ユニットと、を示す平面図であり、上記カバーパネルを展開して示す図である。
図26図26は、第5の実施形態に係る表示装置を示す断面図である。
図27図27は、第6の実施形態に係る表示装置のカバーパネルと、第1光源ユニットと、を示す平面図であり、上記カバーパネルを展開して示す図である。
図28図28は、図27のXXVIII-XXVIII線に沿ってカバーパネル及び発光素子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
各実施形態においては、表示装置の一例として、高分子分散型液晶を適用した表示装置について説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における表示装置DSPの構成例を示す平面図である。
図1に示すように、第1方向X及び第2方向Yは互いに交差する方向であり、第3方向Zは第1方向X及び第2方向Yと交差する方向である。第1方向Xは、行方向に相当し、第2方向Yは、列方向に相当している。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、互いに直交しているが、互いに90度以外の角度で交差していてもよい。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方(あるいは、単に上)と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を下方(あるいは、単に下)と称する。
【0010】
表示装置DSPは、表示パネルPNL、配線基板F1,F2,F4,F5などを備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DA、及び表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域NDAを備えている。表示領域DAは、n本のゲート線G(G1~Gn)、m本のソース線S(S1~Sm)などを備えている。なお、n及びmはいずれも正の整数であり、nがmと等しくてもよいし、nがmとは異なっていてもよい。複数のゲート線Gは、それぞれ第1方向Xに延在し、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。言い換えると、複数のゲート線Gは、行方向に延在している。複数のソース線Sは、それぞれ第2方向Yに延在し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。表示パネルPNLは、第1方向Xに沿った端部E1及びE2と、第2方向Yに沿った端部E3及びE4とを有している。
【0011】
配線基板F1は、ゲートドライバGDを備えている。ゲートドライバGDには複数のゲート線Gが接続されている。配線基板F2は、ソースドライバSDを備えている。ソースドライバSDには複数のソース線Sが接続されている。配線基板F1及びF2は、それぞれ表示パネルPNL及び配線基板F4に接続されている。配線基板F5は、タイミングコントローラTCや電源回路PCなどを備えている。配線基板F4は、配線基板F5のコネクタCTに接続されている。なお、配線基板F1及びF2は、単一の配線基板に置換されてもよい。又は、配線基板F1,F2,F4は、単一の配線基板に置換されてもよい。上述したゲートドライバGD、ソースドライバSD、及びタイミングコントローラTCは本実施形態の制御部CONを構成し、上記制御部CONは、複数のゲート線G、複数のソース線S、後述する複数の画素電極、後述する共通電極、及び後述する光源ユニットのそれぞれの駆動を制御するように構成されている。
【0012】
図2は、図1の表示装置DSPを展開して示す断面図である。なお、実際の第1透明基板ME1及び表示パネルPNLは湾曲している。ここでは、第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面における表示装置DSPの断面において、主要部のみを説明する。
【0013】
図2に示すように、表示装置DSPは、カバーパネルCO1を備えている。カバーパネルCO1は、第1透明基板ME1を備えている。第1透明基板ME1は、カバーガラスであり、ガラスで形成されている。第1透明基板ME1は、非可撓性の基板である。第1透明基板ME1は、少なくとも表示領域DAの全体に重なっている。
【0014】
第1透明基板ME1は、第1主面Sa1と、第2主面Sa2と、側面Sb1と、側面Sb2と、を有している。第2主面Sa2は、第1主面Sa1とは反対側に位置している。側面Sb1は、第1主面Sa1と第2主面Sa2との間に位置している。側面Sb1は、第1入光面である。側面Sb2は、第1主面Sa1と第2主面Sa2との間に位置し、側面Sb1とは反対側に位置している。本実施形態において、側面Sb1及び側面Sb2は非表示領域NDAに位置している。第1主面Sa1と側面Sb1との間の角度をθ1とする。本実施形態において、角度θ1は90°である。
【0015】
表示パネルPNLは、画像を表示し外光を透過する表示領域DAを有している。表示パネルPNLは、第1透明基板ME1の第1主面Sa1と対向している。表示パネルPNLは、可撓性を持っている。表示パネルPNLは、第1基板SUB1、第2基板SUB2、表示機能層としての液晶層30などを備えている。第1基板SUB1は、透明な第1基材10、画素電極11、配向膜12などを備えている。第2基板SUB2は、透明な第2基材20、共通電極21、配向膜22などを備えている。第2基材20は、第1基材10と第1透明基板ME1との間に位置している。画素電極11及び共通電極21は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成されている。液晶層30は、少なくとも表示領域DAに位置している。
【0016】
液晶層30は、第1基材10(第1基板SUB1)と、第2基材20(第2基板SUB2)との間に位置している。詳しくは、液晶層30は、配向膜12と配向膜22との間に位置している。液晶層30は、高分子分散液晶を含んでいる。本実施形態の液晶層30は、リバース型高分子分散液晶(R-PDLC:reverse mode polymer dispersed liquid crystal)を利用している。上記の液晶層30は、印加される電圧が低い場合に入射される光の平行度を維持し、印加される電圧が高い場合に入射される光を散乱させる。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、シール材40によって接着されている。第1基板SUB1は、第2基材20の側面Sc1よりも第2方向Yに延出した延出部EXを有している。
【0017】
第1粘着シートAD1は、第1透明基板ME1と表示パネルPNLとの間に位置し、表示パネルPNLを第1透明基板ME1に粘着している。第1粘着シートAD1は、一方で第1透明基板ME1に接触してくっつき、他方で表示パネルPNLに接触してくっついている。第1粘着シートAD1は、少なくとも表示領域DAの全体に重なっている。第1粘着シートAD1は、固形の粘着剤として光学透明粘着剤(OCA: Optical Clear Adhesive)で形成されている。但し、第1粘着シートAD1は、OCA以外の材料で形成されてもよく、例えば、光学用透明樹脂(OCR:Optically Clear Resin)で形成されてもよい。さらに、表示パネルPNLと第1透明基板ME1とは、接着されてもよい。つまり表示パネルPNLと第1透明基板ME1とが固定されている構造を、本実施形態は含む。従って、第1粘着シートAD1は第1固定部材とも呼称する。また、表示パネルPNLと第1透明基板ME1との間に空気層が位置しないことが望ましい。
【0018】
配線基板F1及びF2は、第1基板SUB1の延出部EXに接続されている。
第1光源ユニットLU1は、表示領域DAの外側の非表示領域NDAに位置している。第1光源ユニットLU1は、発光素子LS、配線基板F6などを備えている。発光素子LSは、配線基板F6に接続され、延出部EXの上に位置している。発光素子LSは、側面Sb1と対向し、側面Sb1に光を照射する発光部(発光面)EMを有している。
【0019】
発光部EMから出射された照明光は、後述するように、側面Sb1に入射し、第1透明基板ME1(カバーパネルCO1)、第1粘着シートAD1、及び表示パネルPNLを伝播する。本実施形態において、発光部EMは、第2基材20の側面Sc1とも対向している。発光部EMから出射された照明光は、側面Sc1にも入射する。
【0020】
第1基材10及び第2基材20は、それぞれガラスで形成されている。第1基材10は厚みTb1を有し、第2基材20は厚みTb2を有している。厚みTb1及び厚みTb2は、それぞれ0.2mm以下である。詳しくは、厚みTb1及び厚みTb2は、それぞれ0.1乃至0.2mmである。本実施形態において、厚みTb1及び厚みTb2は、それぞれ0.15mmである。第1基材10及び第2基材20を薄く形成することで、表示パネルPNLに可撓性を持たせることができる。
【0021】
ここで、第1透明基板ME1と表示パネルPNLとが配向する方向において、第1透明基板ME1は厚みTaを有し、表示パネルPNLは厚みTbを有している。厚みTbは、厚みTb1、厚みTb2、液晶層30の厚み等を含んでいる。第1透明基板ME1の厚みTaは、表示パネルPNLの厚みTbより大きい方が望ましい。本実施形態において、第1透明基板ME1の厚みTaは、表示パネルPNLの厚みTbより大きい。厚みTaは、0.7乃至3.0mmである。
【0022】
上述したように、第2基材20の厚みTb2を小さくしても、第1透明基板ME1は厚みTb2より大きい厚みTaを有している。第1光源ユニットLU1は、第1透明基板ME1の側面Sb1に光を照射することができる。そのため、第1光源ユニットLU1が第2基材20の側面Sc1に光を照射する場合と比較し、ユーザは表示装置DSPの表示画像を良好に視認することができる。例えば、表示装置DSPのコントラスト比を高くすることができる。
【0023】
本実施形態において、第1光源ユニットLU1は、側面Sb1にだけではなく側面Sc1にも光を照射している。そのため、ユーザは表示装置DSPの表示画像を一層良好に視認することができる。
【0024】
図3は、図1に示した表示装置DSPの主要な構成要素を示す図である。
図3に示すように、表示装置DSPは、図中に破線で示すコントローラCNTを備えている。コントローラCNTは、タイミングコントローラTC、ゲートドライバGD、ソースドライバSD、Vcom回路VC、光源ドライバLSDなどを含んでいる。
【0025】
タイミングコントローラTCは、外部から入力された画像データや同期信号などに基づいて各種信号を生成する。一例では、タイミングコントローラTCは、画像データに基づき、所定の信号処理を行って生成した映像信号をソースドライバSDに出力する。また、タイミングコントローラTCは、同期信号に基づいて生成した制御信号を、ゲートドライバGD、ソースドライバSD、Vcom回路VC、光源ドライバLSDにそれぞれ出力する。タイミングコントローラTCの詳細については後述する。
【0026】
図中に二点鎖線で示す表示領域DAに、複数の画素PXが配置されている。各画素PXは、スイッチング素子SW及び画素電極11を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタで形成されている。スイッチング素子SWは、ゲート線G及びソース線Sと電気的に接続されている。複数の画素電極11は、表示領域DAに位置し、マトリクス状に設けられている。このため、例えば、複数の画素電極11は、複数行に設けられている。画素電極11は、スイッチング素子SWを介してソース線Sに接続されている。共通電極21は表示領域DAに位置している。共通電極21は、複数の画素電極11と対向している。なお、本実施形態と異なり、共通電極21は、少なくとも1つの画素PX毎に区切られ、各々共通線に接続され、共通のコモン電圧が印加される構成でもよい。
【0027】
ゲート線Gの各々には、ゲートドライバGDからゲート信号が供給される。ソース線Sの各々には、ソースドライバSDから映像信号(画像信号)が供給される。共通電極21には、Vcom回路VCからコモン電圧Vcomが供給される。ソース線Sに供給された映像信号は、ゲート線Gに供給されたゲート信号に基づいてスイッチング素子SWが導通状態となった期間に、当該スイッチング素子SWに接続された画素電極11に印加される。以下の説明においては、画素電極11に映像信号を与えて画素電極11と共通電極21との間に電位差を形成することを、当該画素電極11を備える画素PXに映像信号を書き込む(或いは電圧を印加する)と記載することがある。
【0028】
第1光源ユニットLU1は、液晶層30に光を照射するように構成されている。本実施形態において、第1光源ユニットLU1は、液晶層30に無彩色以外の色の光を照射するように構成されている。第1光源ユニットLU1は、複数色の発光素子LSを備えている。例えば、第1光源ユニットLU1は、液晶層30に第1色の光を照射する発光素子(第1発光素子)LSRと、液晶層30に第2色の光を照射する発光素子(第2発光素子)LSGと、液晶層30に第3色の光を照射する発光素子(第3発光素子)LSBと、を備えている。上記の第1色、第2色、及び第3色が、互いに異なる色であることは言うまでもない。本実施形態において、第1色は赤色、第2色は緑色、第3色は青色である。
【0029】
光源ドライバLSDは、これらの発光素子LSR、LSG、LSBの点灯期間を制御する。後に詳述するが、1フレーム期間が複数のサブフレーム期間を有する駆動方式においては、各サブフレームにおいて3つの発光素子LSR、LSG、LSBのうちの少なくとも1つが点灯し、サブフレーム毎に照明光の色が切り替えられる。
【0030】
以下に、高分子分散液晶層である液晶層30を備えた表示装置の一構成例について説明する。
図4Aは、表示パネルPNLの一部を示す図であり、透明状態の液晶層30を模式的に示す図である。
【0031】
図4Aに示すように、液晶層30は、筋状のポリマである液晶性ポリマ31及び液晶性分子32を含んでいる。液晶性ポリマ31は、例えば、液晶性モノマが配向膜12及び22の配向規制力によって所定の方向に配向した状態で高分子化されることによって得られる。液晶性分子32は、液晶性モノマ内に分散されており、液晶性モノマが高分子化された際に、液晶性モノマの配向方向に依存して所定の方向に配向される。本実施形態において、配向膜12及び22は、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面に沿って液晶性モノマ及び液晶性分子32を初期配向させる水平配向膜である。液晶性分子32は、正の誘電率異方性を有するポジ型の液晶性分子である。
但し、本実施形態と異なり、配向膜12及び22は、第3方向Zに沿って液晶性モノマ及び液晶性分子32を初期配向させる垂直配向膜であってもよい。また、液晶性分子32は、負の誘電率異方性を有するネガ型の液晶性分子であってもよい。
【0032】
液晶性ポリマ31及び液晶性分子32は、それぞれ同等の光学異方性を有している。あるいは、液晶性ポリマ31及び液晶性分子32は、それぞれ略同等の屈折率異方性を有している。つまり、液晶性ポリマ31及び液晶性分子32の各々は、常光屈折率及び異常光屈折率が互いに略同等である。なお、常光屈折率及び異常光屈折率のいずれについても、液晶性ポリマ31及び液晶性分子32のそれぞれの値が完全に一致していなくてもよく、製造誤差などに起因したずれは許容される。また、液晶性ポリマ31及び液晶性分子32の各々の電界に対する応答性は異なる。すなわち、液晶性ポリマ31の電界に対する応答性は、液晶性分子32の電界に対する応答性より低い。
【0033】
図4Aに示した例は、例えば、液晶層30に電圧が印加されていない状態(画素電極11と共通電極21との間の電位差がゼロである状態)、あるいは、液晶層30に後述する第2透明電圧が印加された状態に相当する。
【0034】
図4Aに示すように、液晶性ポリマ31の光軸Ax1及び液晶性分子32の光軸Ax2は、互いに平行となる。図示した例では、光軸Ax1及び光軸Ax2は、いずれも第1方向Xに平行である。ここでの光軸とは、偏光方向によらず屈折率が1つの値になるような光線の進行方向と平行な線に相当する。
【0035】
上記の通り、液晶性ポリマ31及び液晶性分子32は略同等の屈折率異方性を有しており、しかも、光軸Ax1及びAx2は互いに平行であるため、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zを含むあらゆる方向において、液晶性ポリマ31と液晶性分子32との間にほとんど屈折率差がない。このため、第3方向Zにて液晶層30に入射した光L1は、液晶層30内で実質的に散乱されることなく透過する。液晶層30は、光L1の平行度を維持することができる。同様に、第3方向Zに対して傾斜した斜め方向に入射した光L2及びL3についても、液晶層30内でほとんど散乱されることはない。このため、高い透明性が得られる。図4Aに示した状態を『透明状態』と称する。
【0036】
図4Bは、表示パネルPNLの一部を示す図であり、散乱状態の液晶層30を模式的に示す図である。
図4Bに示すように、上記の通り、液晶性ポリマ31の電界に対する応答性は、液晶性分子32の電界に対する応答性より低い。このため、液晶層30に上記の第2透明電圧及び後述する第1透明電圧の各々より高い電圧(後述の散乱電圧)が印加された状態では、液晶性ポリマ31の配向方向がほとんど変化しないのに対して、液晶性分子32の配向方向は電界に応じて変化する。つまり、図示したように、光軸Ax1は第1方向Xとほとんど平行であるのに対して、光軸Ax2は第1方向Xに対して傾斜している。このため、光軸Ax1及びAx2は、互いに交差する。したがって、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zを含むあらゆる方向において、液晶性ポリマ31と液晶性分子32との間に大きな屈折率差が生ずる。これにより、液晶層30に入射した光L1乃至L3は、液晶層30内で散乱される。図4Bに示した状態を『散乱状態』と称する。
制御部CONは、液晶層30を透明状態及び散乱状態の少なくとも一方に切替える。
【0037】
図5Aは、液晶層30が透明状態である場合の表示パネルPNLと、第1透明基板ME1と、を展開して示す断面図であり、発光素子LSを併せて示す図である。図5Aに示すように、第1基材10は下面10Bを有し、第2基材20は上面20Tを有している。発光素子LSから出射された照明光は、第1透明基板ME1の側面Sb1及び第2基材20の側面Sc1からカバーパネルCO1及び表示パネルPNLに入射する。
【0038】
例えば、発光素子LSから出射され第1透明基板ME1の側面Sb1に入射した照明光L11は、第1透明基板ME1、第1粘着シートAD1、第2基材20、液晶層30、第1基材10等を伝播する。液晶層30が透明状態である場合、照明光L11は、液晶層30でほとんど散乱されないため、第1基材10の下面10B及び第1透明基板ME1の第2主面Sa2から外部に漏れ出すことはほとんどない。
【0039】
表示パネルPNLに入射する外部光L12は、液晶層30でほとんど散乱されることなく透過する。つまり、下面10Bから表示パネルPNLに入射した外部光は第1透明基板ME1の第2主面Sa2に透過され、第2主面Sa2から入射した外部光は下面10Bに透過される。このため、表示装置DSPを第2主面Sa2側から観察した場合には、ユーザは、表示パネルPNLを透かして下面10B側の背景を視認することができる。同様に、表示装置DSPを下面10B側から観察した場合には、表示パネルPNLを透かして第2主面Sa2側の背景を視認することができる。
【0040】
図5Bは、液晶層30が散乱状態である場合の表示パネルPNLと、第1透明基板ME1と、を展開して示す断面図であり、発光素子LSを併せて示す図である。図5Bに示すように、発光素子LSから出射された照明光は、第1透明基板ME1の側面Sb1及び第2基材20の側面Sc1からカバーパネルCO1及び表示パネルPNLに入射する。
【0041】
例えば、発光素子LSから出射され第1透明基板ME1の側面Sb1に入射した照明光L21は、第1透明基板ME1、第1粘着シートAD1、第2基材20、液晶層30、第1基材10等を伝播する。図示した例では、画素電極11αと共通電極21との間の液晶層30(画素電極11αと共通電極21との間に印加される電圧が印加される液晶層)は透明状態であるため、照明光L21は、液晶層30のうち画素電極11αと対向する領域でほとんど散乱されない。
【0042】
一方、画素電極11βと共通電極21との間の液晶層30(画素電極11βと共通電極21との間に印加される電圧が印加される液晶層)は散乱状態であるため、照明光L21は、液晶層30のうち画素電極11βと対向する領域で散乱される。照明光L21のうち、一部の散乱光L211は第2主面Sa2から外部に放出され、また、一部の散乱光L212は下面10Bから外部に放出される。
【0043】
画素電極11αと重なる位置では、表示パネルPNLに入射する外部光L22は、図5Aに示した外部光L12と同様に、液晶層30でほとんど散乱されることなく透過する。画素電極11βと重なる位置では、下面10Bから入射した外部光L23は、その一部の光L231が液晶層30で散乱された後に第2主面Sa2から透過される。また、第2主面Sa2から入射した外部光L24は、その一部の光L241が液晶層30で散乱された後に下面10Bから透過される。
【0044】
このため、表示装置DSPを第2主面Sa2側から観察した場合には、画素電極11βと重なる位置で照明光L21の色を視認することができる。加えて、一部の外部光L231が表示パネルPNLを透過するため、表示パネルPNLを透かして下面10B側の背景を視認することもできる。同様に、表示装置DSPを下面10B側から観察した場合には、画素電極11βと重なる位置で照明光L21の色を視認することができる。加えて、一部の外部光L241が表示パネルPNLを透過するため、表示パネルPNLを透かして第2主面Sa2側の背景を視認することもできる。なお、画素電極11αと重なる位置では、液晶層30が透明状態であるため、照明光L21の色はほとんど視認されず、表示パネルPNLを透かして背景を視認することができる。
【0045】
図6は、液晶層30の散乱特性を示すグラフであり、液晶層30に印加される電圧VLCと輝度との関係を表している。ここでの輝度は、例えば図5Bに示したように、発光素子LSから出射された照明光L21が液晶層30にて散乱した際に得られる散乱光L211の輝度に相当する。他の観点から言えば、この輝度は、液晶層30の散乱度を表している。
【0046】
図6に示すように、電圧VLCを0Vから上昇させていくと、輝度は8V程度から急峻に上昇し、20V程度で飽和する。なお、電圧VLCが0Vから8Vの間においても、輝度は僅かに上昇する。本実施形態では、2点鎖線で囲った領域、すなわち8Vから16Vの範囲の電圧を各画素PXの階調表現(例えば256階調)に用いる。以下、8V<VLC≦16Vの電圧を『散乱電圧』と呼ぶ。また、本実施形態では、一点鎖線で囲った領域、すなわち0V≦VLC≦8Vの電圧を『透明電圧』と呼ぶ。透明電圧VAは、上述した第1透明電圧VA1及び第2透明電圧VA2を含んでいる。なお、散乱電圧VB及び透明電圧VAの下限値及び上限値はこの例に限られず、液晶層30の散乱特性に応じて適宜に定め得る。
【0047】
ここで、液晶層30に散乱電圧VBを印加した際に液晶層30に入射される光の散乱度が最も高くなる場合の散乱度を100%とする。ここでは、16Vの散乱電圧VBを液晶層30に印加した際の散乱度を100%としている。例えば、透明電圧VAは、散乱度(輝度)が10%未満となる電圧VLCの範囲と定義することができる。あるいは、透明電圧VAは、最低階調に対応する電圧(図6の例では8V)以下の電圧VLCと定義することもできる。
また、透明電圧VA(第1透明電圧VA1及び第2透明電圧VA2)は、図6に示した例と異なっていてもよい。例えば、上記第1透明電圧VA1は、散乱度が10%以上50%以下の範囲となる電圧であってもよい。また、上記第2透明電圧VA2は、散乱度が10%未満の範囲となる電圧であってもよい。
【0048】
なお、図6に示したグラフは、液晶層30に印加する電圧の極性が正極性(+)の場合と、負極性(-)の場合とに適用可能である。後者の場合、電圧VLCは、負極性の電圧の絶対値である。
【0049】
表示装置DSPには、液晶層30に印加する電圧の極性を反転する極性反転駆動を適用することができる。図7A図7B、及び図7Cは、極性反転駆動の概要を示す図である。
図7Aは、1本のゲート線Gに接続された一群の画素PX(1ライン)ごとに、液晶層30に印加する電圧(画素PXに書き込む電圧)を正極性(+)と負極性(-)とで反転する1ライン反転駆動を表している。このような駆動方法においては、例えば、ゲートドライバGDがゲート線Gにゲート信号を供給する水平期間ごとに、共通電極21に供給されるコモン電圧の極性と、ソースドライバSDからソース線Sに供給される映像信号の極性(ソース線電圧の極性)とが反転される。同じ水平期間において、コモン電圧の極性と映像信号の極性は、例えば逆である。
【0050】
図7Bは、2ラインごとに液晶層30に印加する電圧を正極性(+)と負極性(-)とで反転する2ライン反転駆動を表している。図7A及び図7Bの例に限られず、3つ以上のラインごとに極性を反転してもよい。
【0051】
図7Cは、1つの画像データに応じた画像を表示するフレーム期間ごとに液晶層30に印加する電圧を正極性(+)と負極性(-)とで反転するフレーム反転駆動を表している。このような駆動方法においては、例えば、1フレーム期間ごとに、コモン電圧の極性と、映像信号の極性とが反転される。同じフレーム期間において、コモン電圧の極性と映像信号の極性は、例えば逆である。
【0052】
図8は、図7Aに示した1ライン反転駆動を適用した表示駆動において、共通電極21に供給されるコモン電圧Vcomと、ソース線S(あるいは画素電極11)に供給されるソース線電圧Vsigとの一例を示す図である。
【0053】
図8に示すように、ソース線電圧Vsigに関しては、階調の最大値(max)に相当する波形と、階調の最小値(min)に相当する波形とを示している。ここでは、ソース線電圧Vsig(min)の波形を実線で示し、コモン電圧Vcomの波形を二点鎖線で示し、ソース線電圧Vsig(max)の波形を破線で示している。この図の例において、コモン電圧Vcom及びソース線電圧Vsig(最大値の波形を参照)は、一フレーム期間Pfごとに極性反転している。基準電圧Vsig-cは、例えば8Vである。コモン電圧Vcom及びソース線電圧Vsigの各々において、下限値は0Vであり、上限値は16Vである。
但し、フレーム期間Pfが複数のサブフレーム期間を含んでいる場合、コモン電圧Vcomの極性と、ソース線電圧Vsigの極性とを、一フレーム期間Pf毎に反転してもよいが、一フィールド期間毎に反転してもよい。
【0054】
図8に示す例に限らず、後述する図9の例を含めた極性反転駆動に注目すると、液晶層30に印加する駆動電圧(画素PXに書き込む電圧)が正極性である場合、ソース線電圧Vsigとコモン電圧Vcomとの差(Vsig-Vcom)は0V又は正の電圧値となる。一方、液晶層30に印加する駆動電圧(画素PXに書き込む電圧)が負極性である場合、ソース線電圧Vsigとコモン電圧Vcomとの差(Vsig-Vcom)は0V又は負の電圧値となる。
【0055】
図8に示す極性反転駆動に注目すると、画素PXに正極性の電圧を書き込む期間において、コモン電圧Vcomは0Vとなり、ソース線電圧Vsigは8V以上かつ16V以下の範囲で画像データが示す階調に応じた電圧値となる。一方、画素PXに負極性の電圧を書き込む期間において、コモン電圧Vcomは16Vとなり、ソース線電圧Vsigは0V以上かつ8V以下の範囲で画像データが示す階調に応じた電圧値となる。すなわち、いずれの場合でも、共通電極21と画素電極11との間には、8V以上かつ16V以下の電圧が印加される。
【0056】
図6に示したように、液晶層30に印加される電圧VLCが8Vであっても、言い換えると液晶層30に第1透明電圧VA1が印加されても、液晶層30は0~10%程度の散乱度を有している。したがって、ソース線電圧Vsigを階調の最小値とした場合であっても、表示パネルPNLに入射する外部光は僅かに散乱され、表示パネルPNLの背景の視認性が低下し得る場合がある。
このため、画素電極11と共通電極21との間の電圧を例えば階調の下限値よりも小さくする透明駆動を画像表示のシーケンスに取り入れることで、表示パネルPNLの背景の視認性を向上させることができる。
【0057】
ここで、ソースドライバSDの出力と、コモン電圧Vcomとの関係について説明する。
ソースドライバSDの耐電圧が低い場合、液晶印加電圧を高くするためにコモン電圧Vcomを反転駆動させる。この時ソースドライバSDは、同時に、正極性のソース線電圧Vsig(例えば基準電圧Vsig-c~16V)、及び負極性のソース線電圧Vsig(例えば0V~基準電圧Vsig-c)の何れか一方しか、出力することができない。また、コモン電圧Vcomの極性は、ソースドライバSDの出力と反対の極性である。
【0058】
但し、高耐電圧のソースドライバSDを使用する場合、ソース線電圧Vsigとコモン電圧Vcomとの関係は、上述した関係であってもよいが、次の関係であってもよい。すなわち、コモン電圧Vcomは0Vに固定され、ソースドライバSDが出力するソース線電圧Vsigは、正極性時に0~+16Vとなり、負極性時に-16~0Vとなる。
【0059】
図9は、透明駆動におけるコモン電圧Vcomとソース線電圧Vsigの一例を示す図である。ここでは、ソース線電圧Vsigの波形を実線で示し、コモン電圧Vcomの波形を二点鎖線で示している。
図9に示すように、図8の例と同じく、コモン電圧Vcomは、一フレーム期間Pfごとに0Vと16Vとに交互に切替っている。透明駆動においては、フレーム期間Pfごとに、ソース線電圧Vsigの電圧値は、コモン電圧Vcomと一致している(Vsig=Vcom=0V又はVsig=Vcom=16V)。なお、図9においては、ソース線電圧Vsigとコモン電圧Vcomの図示の関係上、両者を僅かにずらして表している。このため、液晶層30には0Vが印加される。言い換えると、液晶層30には第2透明電圧VA2が印加される。
【0060】
但し、透明駆動におけるソース線電圧Vsigは、図9に示した例に限定されるものではない。例えば、コモン電圧Vcomが0Vとなる期間、ソース線電圧Vsigは0Vを超え8V未満となってもよい(0V<Vsig<8V)。コモン電圧Vcomが16Vとなる期間、ソース線電圧Vsigは8Vを超え16V未満となってもよい(8V<Vsig<16V)。何れにおいても、透明駆動によれば、ソース線電圧Vsigとコモン電圧Vcomとの差の絶対値が8V未満となり、液晶層30を透過する光の平行度が増す。言い換えると、第2透明電圧VA2は0Vに限らず、第2透明電圧VA2の絶対値は8V未満であってもよい。
【0061】
なお、透明駆動では、液晶層30に印加される電圧が階調の下限値(例えば8V)未満となればよく、ソース線電圧Vsigはコモン電圧Vcomと完全に一致しなくてもよい。上記のように、液晶層30に散乱電圧VBを印加した際に液晶層30に入射される光の散乱度が最も高くなる場合の散乱度を100%とする。例えば、第2透明電圧VA2は、散乱度が10%未満となる電圧である方が望ましい。
【0062】
図10は、透明駆動におけるコモン電圧Vcomとソース線電圧Vsigの他の例を示す図である。ここでは、ソース線電圧Vsigの波形を実線で示し、コモン電圧Vcomの波形を二点鎖線で示している。
図10に示すように、この例では、透明駆動において、コモン電圧Vcom及びソース線電圧Vsigの極性反転が停止されている。さらに、コモン電圧Vcom及びソース線電圧Vsigが8V(上述の基準電圧Vsig-c)で一致している。なお、コモン電圧Vcom及びソース線電圧Vsigは、0Vなど、基準電圧Vsig-c以外の電圧で一致してもよい。また、図9に示した場合と同様に、第2透明電圧VA2は、散乱度が10%未満となる電圧である方が望ましい。
以上、1ライン反転駆動を例に透明駆動を説明したが、2ライン以上のライン反転駆動やフレーム反転駆動にも同様の透明駆動を適用できる。
【0063】
次に、タイミングコントローラTCの一構成例について説明する。なお、ここでは、1フレーム期間が複数のサブフレーム(フィールド)期間を有する駆動方式を表示装置DSPに適用する。このような駆動方式は、例えばフィールドシーケンシャル方式と呼ばれる。各サブフレーム期間においては、赤色、緑色、及び青色の画像がそれぞれ表示される。このように時分割で表示された各色の画像が合わさって、多色表示の画像としてユーザに視認される。
【0064】
図11は、図3に示したタイミングコントローラTCの一構成例を示す図である。
図11に示すように、タイミングコントローラTCは、タイミング生成部50、フレームメモリ51、ラインメモリ52R、52G、52B、データ変換部53、光源制御部54、アドレス検出部である検出部55などを備えている。
【0065】
フレームメモリ51は、外部から入力される1フレーム分の画像データを記憶する。ラインメモリ52R、52G、52Bは、それぞれ赤色、緑色、及び青色のサブフレームデータを記憶する。各サブフレームデータは、各画素PXに時分割で表示させる赤色、緑色、及び青色の画像(例えば各画素PXの階調値)を表す。ラインメモリ52R、52G、52Bが記憶する各色のサブフレームデータは、フレームメモリ51が記憶する画像データの1つ前のフレームに相当する。
【0066】
データ変換部53は、ラインメモリ52R、52G、52Bが記憶する各色のサブフレームデータに対してガンマ補正などの各種のデータ変換処理を施して映像信号を生成し、上述のソースドライバSDに出力する。なお、フレームメモリ51にてRGBのデータに振り分けてデータ変換部53にRGBのデータを送るようにタイミングコントローラTCが構成されていてもよい。この場合、ラインメモリ52R、52G、52B無しに、タイミングコントローラTCを構成することも可能である。
【0067】
光源制御部54は、光源制御信号を上述の光源ドライバLSDに出力する。光源ドライバLSDは、光源制御信号に基づいて、発光素子LSR、LSG、LSBを駆動する。発光素子LSR、LSG、LSBは、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御により駆動することができる。すなわち、光源ドライバLSDは、発光素子LSR、LSG、LSBに出力する信号のデューティ比によって、発光素子LSR、LSG、LSBの各々の輝度を調整することができる。
【0068】
タイミング生成部50は、外部から入力される垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncに同期して、フレームメモリ51、ラインメモリ52R、52G、52B、データ変換部53、及び光源制御部54の動作タイミングを制御する。また、タイミング生成部50は、ソースドライバ制御信号を出力するによりソースドライバSDを制御するとともに、ゲートドライバ制御信号を出力することによりゲートドライバGDを制御し、Vcom制御信号を出力する。
【0069】
検出部55は、外部から入力される1フレーム分の画像データに画像のデータが含まれている場合、画像のデータのアドレスを検出するように構成されている。上記画像としては、表示領域DAの一部に表示されるキャラクタである。上記キャラクタとしては、文字を含む記号、図、アイコンなどが挙げられる。また、画像データにキャラクタのデータが含まれている場合とは、ディジタルデータの全てのビットの少なくとも1個所に0以外のデータを含んでいる場合である。画像のデータのアドレス情報は、データ変換部53に与えられる。このため、タイミングコントローラTCは、外部から入力される画像データに画像のデータが含まれている場合、画像を表示する領域以外の領域の散乱度(透明度)を調整するため、加工した映像信号を生成し、ソースドライバSDに出力することができる。加工した映像信号を生成する際は、データ変換部53による演算にて行ったり、タイミングコントローラTCのテーブル56に格納されたデータを利用して行ったり、することができる。
【0070】
次に、本実施形態の表示装置DSPの製造方法において、表示パネルPNLをカバーパネルCO1に粘着する工程について説明する。図12は、表示装置DSPの表示パネルPNLと、カバーパネルCO1と、を示す分解斜視図であり、表示パネルPNLをカバーパネルCO1に粘着する前の状態を示す図である。
【0071】
図12に示すように、カバーパネルCO1を用意する。カバーパネルCO1の第1透明基板ME1は、湾曲して形成されている。第1透明基板ME1は、第2主面Sa2側が凸となるように湾曲して形成されている。但し、第1透明基板ME1は、第1主面Sa1側が凸となるように湾曲して形成されてもよい。
【0072】
第1透明基板ME1は、側面Sb3及び側面Sb4をさらに備えている。側面Sb1及び側面Sb2は、それぞれ直線状に延在している。詳述すれば、側面Sb1の長辺SI1及び側面Sb2の長辺SI2は、直線である。一方、側面Sb3及び側面Sb4は、それぞれ湾曲して延在している。詳述すれば、側面Sb3の長辺SI3及び側面Sb4の長辺SI4は、曲線である。上述したことから、発光素子LSと対向する側面Sb1は、非湾曲の面である。Y-Z平面上における第1透明基板ME1の断面は湾曲していないが、X-Z平面上における第1透明基板ME1の断面は湾曲している。
【0073】
続いて、表示パネルPNLをカバーパネルCO1に粘着する。その際、第1粘着シートAD1を表示パネルPNL及びカバーパネルCO1の一方に粘着する。ここでは、第1粘着シートAD1を表示パネルPNLに粘着している。その後、表示パネルPNLとカバーパネルCO1とを対向配置する。表示パネルPNLをカバーパネルCO1に粘着する前の状態にて、表示パネルPNLは湾曲していない。その後、表示パネルPNLをカバーパネルCO1に押し付け、表示パネルPNLをカバーパネルCO1に粘着する。これにより、表示パネルPNLは、カバーパネルCO1に従って湾曲する。
【0074】
図13は、本実施形態に係る表示装置DSPを示す断面図である。図13において、表示パネルPNLのうち第1基材10及び第2基材20のみを示している。
図13に示すように、Y-Z平面に平行な仮想平面上における表示装置DSPの断面において、カバーパネルCO1(第1透明基板ME1)、第1粘着シートAD1、及び表示パネルPNLは、第2主面Sa2側が凸となるように湾曲して形成されている。
【0075】
発光素子LSは、発光ダイオードで形成されている。但し、発光素子LSは、レーザ、又はレーザダイオードでもよい。その場合、発光素子LSと側面Sb1,Sc1との間にレンズを設け、発光素子LSが照射する光をX-Y平面方向に広げてから側面Sb1,Sc1に入射させた方が望ましい。
【0076】
発光素子LSは、厚みTaを有する第1透明基板ME1の側面Sb1に光を照射することができる。側面Sb1に対向配置する発光素子LSのサイズを大きくすることができるため、上記サイズに比例して、発光素子LSが照射する光の輝度レベルを高くすることができる。そのため、ユーザは表示装置DSPの表示画像を良好に視認することができる。
【0077】
本実施形態において、側面Sb1と側面Sc1とは、同一平面上に位置している。また、発光素子LSは、第1透明基板ME1の側面Sb1だけではなく第2基材20の側面Sc1とも対向している。発光素子LSのサイズを一層大きくすることができ、発光素子LSが照射する光の輝度レベルを一層高くすることができる。そのため、ユーザは表示装置DSPの表示画像を更に良好に視認することができる。
【0078】
上記のように構成された第1の実施形態に係る表示装置DSPによれば、表示装置DSPは、第1透明基板ME1、表示パネルPNL、第1粘着シートAD1、及び第1光源ユニットLU1を備えている。表示パネルPNLに可撓性を持たせた場合、厚みTb1及び厚みTb2は小さくなる。例えば、第2基材20の側面Sc1のみに光を照射しても、光量が不十分となり、ユーザは、表示装置DSPに表示される画像(キャラクタ)を視認し難い。
【0079】
そこで、第1光源ユニットLU1は、第1透明基板ME1等に高い輝度レベルを持つ光を照射することができる。ユーザは、表示装置DSPに表示される画像(キャラクタ)を視認し易くなる。そのため、表示品位の向上が可能な表示装置DSPを得ることができる。以上の他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。
【0080】
(第1の実施形態の変形例1)
次に、上記第1の実施形態の変形例1について説明する。表示装置DSPは、本変形例1で説明する構成以外、上記第1の実施形態の表示装置DSPと同様に構成されている。図14は、本変形例1に係る表示装置DSPを示す断面図である。
【0081】
図14に示すように、表示装置DSPは、第2光源ユニットLU2をさらに備えている。第2光源ユニットLU2は、発光素子LSなどを備えている。第1透明基板ME1の側面Sb2は、側面(第1入光面)Sb1とは反対側の第2入光面である。第2基材20は、側面Sc1とは反対側に側面Sc2を有している。
【0082】
第2光源ユニットLU2の発光素子LSは、発光ダイオードで形成されている。発光素子LSは、側面Sb2と対向し、側面Sb2に光を照射する発光部(発光面)を有している。本変形例1において、発光素子LSは、第2基材20の側面Sc2とも対向している。発光素子LSから出射された照明光は、側面Sc2にも入射する。
【0083】
第2光源ユニットLU2の発光素子LSは、第1透明基板ME1の側面Sb2に光を照射することができる。側面Sb2に対向配置する発光素子LSのサイズを大きくすることができるため、上記サイズに比例して、発光素子LSが照射する光の輝度レベルを高くすることができる。そのため、ユーザは表示装置DSPの表示画像を良好に視認することができる。
【0084】
本変形例1において、側面Sb2と側面Sc2とは、同一平面上に位置している。また、第2光源ユニットLU2の発光素子LSは、第1透明基板ME1の側面Sb2だけではなく第2基材20の側面Sc2とも対向している。第2光源ユニットLU2の発光素子LSのサイズを一層大きくすることができ、第2光源ユニットLU2の発光素子LSが照射する光の輝度レベルを一層高くすることができる。そのため、ユーザは表示装置DSPの表示画像を更に良好に視認することができる。
【0085】
本変形例1においても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本変形例1において、第1透明基板ME1の両側面に光を照射することができる。そのため、ユーザは表示装置DSPの表示画像をより一層、良好に視認することができる。
【0086】
(第1の実施形態の変形例2)
次に、上記第1の実施形態の変形例2について説明する。表示装置DSPは、本変形例2で説明する構成以外、上記第1の実施形態の表示装置DSPと同様に構成されている。図15は、本変形例2に係る表示装置DSPを示す断面図である。
【0087】
図15に示すように、第1透明基板ME1の側面Sb1と第2基材20の側面Sc1とは、同一平面上に位置していない。本変形例2において、側面Sb1は側面Sc1より表示領域DA側に位置している。第1光源ユニットLU1の発光素子LSは、第1透明基板ME1の側面Sb1と対向しているが、第2基材20の側面Sc1と対向していない。
【0088】
第1光源ユニットLU1の発光素子LSは、第1透明基板ME1の側面Sb1に光を照射することができる。第2基材20の側面Sc1のみに光を照射する場合と比較し、発光素子LSが照射する光の輝度レベルを高くすることができる。そのため、ユーザは表示装置DSPの表示画像を良好に視認することができる。本変形例2においても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0089】
(第1の実施形態の変形例3)
次に、上記第1の実施形態の変形例3について説明する。表示装置DSPは、本変形例3で説明する構成以外、上記第1の実施形態の表示装置DSPと同様に構成されている。図16は、本変形例3に係る表示装置DSPを示す断面図である。
【0090】
図16に示すように、表示装置DSPは、カバーパネルCO2を備えている。カバーパネルCO2は、第2透明基板ME2を備えている。第2透明基板ME2は、カバーガラスであり、ガラスで形成されている。第2透明基板ME2は、非可撓性の基板である。第2透明基板ME2は、少なくとも表示領域DAの全体に重なっている。
【0091】
第2透明基板ME2は、第3主面Sa3と、第4主面Sa4と、側面Sd1と、側面Sd2と、を有している。第3主面Sa3は、表示パネルPNLと対向している。第4主面Sa4は、第3主面Sa3とは反対側に位置している。側面Sd1は、第3主面Sa3と第4主面Sa4との間に位置している。側面Sd2は、第3主面Sa3と第4主面Sa4との間に位置し、側面Sd1とは反対側に位置している。側面Sd2は、第3入光面である。本変形例3において、側面Sd1及び側面Sd2は非表示領域NDAに位置している。第2透明基板ME2は、第1透明基板ME1とともに表示パネルPNLを挟み、第1透明基板ME1に倣って湾曲して形成されている。
【0092】
第2粘着シートAD2(第2固定部材ともいう)は、第2透明基板ME2と表示パネルPNLとの間に位置し、表示パネルPNLを第2透明基板ME2に粘着している。第2粘着シートAD2は、一方で第2透明基板ME2に接触してくっつき、他方で表示パネルPNLに接触してくっついている。第2粘着シートAD2は、少なくとも表示領域DAの全体に重なっている。第2粘着シートAD2は、OCAで形成されているが、OCA以外の材料で形成されてもよい。
【0093】
第1基材10は、表示領域DAより側面Sd1側に位置する側面Se1と、表示領域DAより側面Sd2側に位置する側面Se2と、を有している。第1基材10において、側面Se2は側面Se1と反対側に位置している。
【0094】
表示装置DSPは、第2光源ユニットLU2を備えている。第2光源ユニットLU2は、非表示領域NDAに位置している。第2光源ユニットLU2は、発光素子LSなどを備えている。第2光源ユニットLU2の発光素子LSは、発光ダイオードで形成されている。発光素子LSは、側面Sd2と対向し、側面Sd2に光を照射する発光部(発光面)を有している。
【0095】
発光素子LSから出射された照明光は、側面Sd2に入射し、第2透明基板ME2(カバーパネルCO2)、第2粘着シートAD2、表示パネルPNL、第1粘着シートAD1、及び第1透明基板ME1(カバーパネルCO1)を伝播する。本変形例3において、第2光源ユニットLU2の発光素子LSは、第1基材10の側面Se2とも対向している。第2光源ユニットLU2の発光素子LSから出射された照明光は、側面Se2にも入射する。
【0096】
本変形例3のように、第1透明基板ME1及び第2透明基板ME2は、表示パネルPNLを挟んでいる。第1透明基板ME1だけではなく第2透明基板ME2も導光板として機能させることができる。
【0097】
第2光源ユニットLU2の発光素子LSは、第2透明基板ME2の側面Sd2に光を照射することができる。側面Sd2に対向配置する発光素子LSのサイズを大きくすることができるため、上記サイズに比例して、発光素子LSが照射する光の輝度レベルを高くすることができる。
【0098】
本変形例3において、側面Sd2と側面Se2とは、同一平面上に位置している。また、第2光源ユニットLU2の発光素子LSは、第2透明基板ME2の側面Sd2だけではなく第1基材10の側面Se2とも対向している。第2光源ユニットLU2の発光素子LSのサイズを一層大きくすることができ、第2光源ユニットLU2の発光素子LSが照射する光の輝度レベルを一層高くすることができる。そのため、ユーザは表示装置DSPの表示画像を更に良好に視認することができる。本変形例3においても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本変形例3において、側面Sd2、側面Se2、側面Sc2、及び側面Sb2は、同一平面上に位置している。そのため、第2光源ユニットLU2の発光素子LSは、側面Sd2、側面Se2、側面Sc2、及び側面Sb2と対向してもよい。第2光源ユニットLU2の発光素子LSのサイズを一層大きくすることができる。その場合、表示装置DSPは、第1光源ユニットLU1を必要に応じて備えていればよい。
【0099】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。表示装置DSPは、本第2の実施形態で説明する構成以外、上記第1の実施形態の表示装置DSPと同様に構成されている。図17は、本第2の実施形態に係る表示装置DSPを展開して示す断面図である。図18は、本第2の実施形態に係るカバーパネルCO1と、第1光源ユニットLU1と、を示す平面図であり、カバーパネルCO1を展開して示す図である。図18において、ドットパターンを付している部分が光学層60である。なお、実際の第1透明基板ME1、表示パネルPNL等は湾曲している。
【0100】
図17に示すように、表示装置DSPは、透明層である光学層60をさらに備えている。光学層60は、第1透明基板ME1と表示パネルPNLとの間に位置している。光学層60は、第1透明基板ME1の第1主面Sa1に接している。本実施形態において、カバーパネルCO1は、第1透明基板ME1及び光学層60を備えている。
【0101】
図17及び図18に示すように、光学層60は、第1主面Sa1の全体に接している。平面視において、光学層60は、表示領域DAの全体と、非表示領域NDAの全体とに重なっている。光学層60は、シロキサン系樹脂、フッ素系樹脂等の有機材料によって形成されている。光学層60の屈折率は実質的に1.0乃至1.4である。
【0102】
表示パネルPNLの第2基材20及び第1透明基板ME1は、それぞれガラスで形成されている。第2基材20の屈折率及び第1透明基板ME1の屈折率は、それぞれ1.51である。そのため、光学層60の屈折率は、第2基材20の屈折率より低い。さらに、光学層60の屈折率は、第1透明基板ME1の屈折率より低い。
【0103】
上記のように構成された第2の実施形態に係る表示装置DSPにおいても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、表示品位の向上が可能な表示装置DSPを得ることができる。第1透明基板ME1及び光学層60は、側面Sb1から入射した光を、第1透明基板ME1の内部にて側面Sb2側まで良好に伝播させることができる。表示装置DSPに光学層60を設けることで、第1透明基板ME1から第2基材20の上面20Tに抜ける光成分を抑制することができる。そのため、表示装置DSPが表示する画像の明るさが、側面Sb1側と側面Sb2側とで異なる事態を抑制することができる。光学層60はベタ状の膜で形成されてもよいし、ドット状の膜で形成されてもよい。さらに、発光素子LSが出射した光は、側面Sb1へ多く入射され、側面Sb2へ少なく入射されることが望ましい。発光素子LSが出射した光が、全て側面Sb1へ、あるいはほぼ全て側面Sb1へ入射されてもよい。発光素子LSは、あるいは発光素子LSの光出射部は、側面Sb1と対向する領域が側面Sb2とは対向する領域よりも大きい構造にしてもよい。発光素子LSが、あるいは発光素子LSの光出射部が、側面Sb1と対向し、側面Sb2とは対向しない構造にしてもよい。
【0104】
なお、上記第2の実施形態と異なり、第1粘着シートAD1が光学層60の機能を備えてもよい。その場合、表示装置DSPは光学層60無しに形成される。第1粘着シートAD1が光学層60の機能を備える場合、第1粘着シートAD1の屈折率は1.41乃至1.48である。そのため、第1粘着シートAD1の屈折率は、第2基材20の屈折率より低い。さらに、第1粘着シートAD1の屈折率は、第1透明基板ME1の屈折率より低い。
【0105】
(第2の実施形態の変形例1)
次に、上記第2の実施形態の変形例1について説明する。表示装置DSPは、本変形例1で説明する構成以外、上記第2の実施形態の表示装置DSPと同様に構成されている。図19は、本変形例1に係るカバーパネルCO1と、第1光源ユニットLU1と、を示す平面図であり、上記カバーパネルCO1を展開して示す図である。なお、図19において、ドットパターンを付している部分が光学層60である。
【0106】
図19に示すように、第1透明基板ME1の第1主面Sa1は、一又は複数の接触領域CAと、一又は複数の接触領域CA以外の非接触領域NCAと、を有している。光学層60は、一又は複数の接触領域CAの全体に接している。光学層60は、第1主面Sa1の一部に接している。第1主面Sa1における一又は複数の接触領域CAの面積の割合は、側面Sb1に近づくほど大きい。すなわち、光学層60は、ドットパターンで示すようにパターニングされている。
【0107】
光学層60は、複数の帯部61と、複数の帯部61を囲む枠部62と、を備えている。枠部62は、非表示領域NDAに位置している。帯部61と枠部62とは一体的に形成されている。各々の帯部61は、発光素子LSと対向する側の第1端部611と、第1端部611の反対側の第2端部612と、第1エッジ613と、第2エッジ614と、を備えている。第1方向Xにおいて、第1端部611の幅は、第2端部612の幅より大きい。
【0108】
第1エッジ613及び第2エッジ614は、第1端部611と第2端部612との間において、第1方向X及び第2方向Yとは異なる方向に延出している。時計回りにて第2方向Yに対して鋭角に交差する方向を方向D1と定義し、反時計回りにて第2方向Yに対して鋭角に交差する方向を方向D2と定義する。第1エッジ613は方向D1に延在し、第2エッジ614は方向D2に延在している。ここでは、各々の帯部61は三角形状に形成され、第1エッジ613及び第2エッジ614は、いずれも直線状に延出している但し、帯部61の形状は、三角形状に限定されるものではない。例えば、第1エッジ613及び第2エッジ614は、それぞれ曲線状に形成されていてもよい。
【0109】
本変形例1においても、上記第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、表示領域DAにおいて、光学層60が形成される面積の割合は、側面Sb1に近づくほど大きい。側面Sb1に近い程、第1透明基板ME1から第2基材20の上面20Tに光が抜け難い。一方、側面Sb2に近い程、第1透明基板ME1から第2基材20の上面20Tに光が抜け易い。そのため、表示装置DSPが表示する画像の明るさが、側面Sb1側と側面Sb2側とで異なる事態を更に抑制することができる。
第1エッジ613及び第2エッジ614は、第1方向Xに平行ではない。そのため、第1エッジ613及び第2エッジ614における光の散乱を抑制することができる。
【0110】
(第2の実施形態の変形例2)
次に、上記第2の実施形態の変形例2について説明する。表示装置DSPは、本変形例2で説明する構成以外、上記第2の実施形態の変形例1の表示装置DSPと同様に構成されている。図20は、本変形例2に係るカバーパネルCO1と、第1光源ユニットLU1と、第2光源ユニットLU2と、を示す平面図であり、カバーパネルCO1を展開して示す図である。なお、図20において、ドットパターンを付している部分が光学層60である。
【0111】
図20に示すように、表示装置DSPは第2光源ユニットLU2を備えている。第1光源ユニットLU1及び第2光源ユニットLU2は、第1透明基板ME1に両側から光を照射することができる。各々の帯部61は、第2方向Yにおける中間部615を有している。各々の帯部61の幅は、中間部615にて低減されている。第1方向Xにおいて、第1端部611の幅は中間部615の幅より大きく、第2端部612の幅は中間部615の幅より大きい。帯部61の幅は、第1端部611から中間部615にかけて次第に減少する。また、帯部61の幅は、第2端部612から中間部615にかけて次第に減少する。
【0112】
本変形例2においても、上記第2の実施形態の変形例1と同様の効果を得ることができる。さらに、帯部61の幅を中間部615で低減させることで、第1透明基板ME1の両側面に光が照射される場合に、より多くの光を表示パネルPNLの表示領域DAの中央まで到達させることができる。よって、表示装置DSPの中央の輝度レベルの低下を抑制することができる。
【0113】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。表示装置DSPは、本第3の実施形態で説明する構成以外、上記第1の実施形態の表示装置DSPと同様に構成されている。図21は、本第3の実施形態に係る表示装置DSPを展開して示す断面図である。図22は、本第3の実施形態に係る表示装置DSPのカバーパネルCO1と、第1光源ユニットLU1と、光学部材70と、を示す平面図であり、カバーパネルCO1を展開して示す図である。なお、実際の第1透明基板ME1、表示パネルPNL等は湾曲している。図23は、本第3の実施形態に係る光学部材70の一部を示す斜視図である。
【0114】
図21及び図22に示すように、表示装置DSPは、光学部材70をさらに備えている。光学部材70は、第1方向Xに延在し、第1透明基板ME1の側面Sb1と第1光源ユニットLU1(発光素子LS)との間に位置している。発光素子LSは、光学部材70に向けて光を照射する。光学部材70は、第1光源ユニットLU1から入射される光を集束させて側面Sb1側に透過させる機能を有している。Y-Z平面において、光学部材70は、第2方向Yに平行な方向に進む光の成分を増やして側面Sb1に光を透過させることができる。光学部材70は、厚み方向(第3方向Z)においても光を制限することができる。例えば、第1透明基板ME1に入射した光が第2主面Sa2から外側に漏れ難くなる。そのため、第1透明基板ME1の内部にて側面Sb2側まで光を良好に伝播させることができる。
【0115】
本実施形態において、光学部材70は、第2基材20の側面Sc1と第1光源ユニットLU1(発光素子LS)との間にも位置している。光学部材70は、第1光源ユニットLU1から入射される光を集束させて側面Sc1側に透過させることもできる。
【0116】
図23に示すように、光学部材70は、配列された複数のマイクロレンズ71と、板状の透明層72と、を有するマイクロレンズアレイである。複数のマイクロレンズ71と透明層72とは一体に形成されている。各々のマイクロレンズ71は、側面Sb1又は側面Sc1側に凸となるように隆起している。光学部材70を側面Sb1側からみた平面視において、マイクロレンズ71の形状は四角形である。但し、平面視において、マイクロレンズ71の形状は、六角形等の四角形以外の多角形でもよく、円形でもよい。
【0117】
上記のように構成された第3の実施形態に係る表示装置DSPにおいても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、表示品位の向上が可能な表示装置DSPを得ることができる。光学部材70を設けることにより、側面Sb1,Sc1に垂直に入射する光の成分を増やすことができる。発光素子LSが出射した光を効率良く第1透明基板ME1の内部及び第2基材20の内部に入力する(透過させる)ことができる。そのため、ユーザは表示装置DSPの表示画像を一層良好に視認することができる。又は、第1光源ユニットLU1の低消費電力化を図ることができる。なお、光学部材70は、レンチキュラーレンズであってもよい。
【0118】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。表示装置DSPは、本第4の実施形態で説明する構成以外、上記第1の実施形態の表示装置DSPと同様に構成されている。図24は、本第4の実施形態に係る表示装置DSPを展開して示す断面図である。図25は、本第4の実施形態に係るカバーパネルCO1と、第1光源ユニットLU1と、を示す平面図であり、カバーパネルCO1を展開して示す図である。なお、実際の第1透明基板ME1、表示パネルPNL等は湾曲している。
【0119】
図24及び図25に示すように、表示装置DSPは、第1光反射層LR1及び第2光反射層LR2をさらに備えている。本実施形態において、カバーパネルCO1は、第1透明基板ME1、第1光反射層LR1、及び第2光反射層LR2を備えている。第1透明基板ME1の第1主面Sa1は、第1反射領域RA1と、第1反射領域RA1より側面Sb1側に位置した第2反射領域RA2と、を有している。第1透明基板ME1の第2主面Sa2は、第3反射領域RA3と、第3反射領域RA3より側面Sb1側に位置した第4反射領域RA4と、を有している。第2反射領域RA2及び第4反射領域RA4は、それぞれ表示領域DAに重なっていない。
【0120】
第1光反射層LR1は、第1主面Sa1の第2反射領域RA2と対向し、第1反射領域RA1と対向していない。第1光反射層LR1は、第2反射領域RA2から第1透明基板ME1の外部に漏れ得る光を反射し、第1透明基板ME1の内部に戻すことができる。第2光反射層LR2は、第2主面Sa2の第4反射領域RA4と対向し、第3反射領域RA3と対向していない。第2光反射層LR2は、第4反射領域RA4から第1透明基板ME1の外部に漏れ得る光を反射し、第1透明基板ME1の内部に戻すことができる。
【0121】
上記のように構成された第4の実施形態に係る表示装置DSPにおいても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、表示品位の向上が可能な表示装置DSPを得ることができる。第1光反射層LR1及び第2光反射層LR2は、第1透明基板ME1の内部を伝播しない光の発生を抑制することができる。そのため、ユーザは表示装置DSPの表示画像を一層良好に視認することができる。又は、第1光源ユニットLU1の低消費電力化を図ることができる。
【0122】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。表示装置DSPは、本第5の実施形態で説明する構成以外、上記第1の実施形態の表示装置DSPと同様に構成されている。図26は、本第5の実施形態に係る表示装置DSPを示す断面図である。
【0123】
図26に示すように、第1主面Sa1と側面Sb1との間の角度θ1は、90°以外である。側面Sb1及び角度θ1は、第1透明基板ME1に研磨(機械的研磨)を施すことで調整されている。発光素子LS(発光部EM)は、側面Sb1と対向している。
【0124】
本実施形態において、角度θ1は鋭角であるが、鈍角であってもよい。但し、本実施形態において、角度θ1は鋭角である方が望ましい。何故なら、第1透明基板ME1は、第2主面Sa2側が凸となるように湾曲して形成されており、第1透明基板ME1に入射した光が第2主面Sa2から外側に漏れ難くなるためである。
【0125】
上記のように構成された第5の実施形態に係る表示装置DSPにおいても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、表示品位の向上が可能な表示装置DSPを得ることができる。角度θ1は90°以外であるため、表示パネルPNLの表示領域DAへの入光効率を高くすることができる。そのため、ユーザは表示装置DSPの表示画像を一層良好に視認することができる。又は、第1光源ユニットLU1の低消費電力化を図ることができる。
【0126】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。表示装置DSPは、本第6の実施形態で説明する構成以外、上記第1の実施形態の表示装置DSPと同様に構成されている。図27は、本第6の実施形態に係る表示装置DSPのカバーパネルCO1と、第1光源ユニットLU1と、を示す平面図であり、カバーパネルCO1を展開して示す図である。図28は、図27のXXVIII-XXVIII線に沿ってカバーパネルCO1及び発光素子LSを示す断面図である。なお、実際の第1透明基板ME1等は湾曲している。
【0127】
図27及び図28に示すように、第1入光面である側面Sb1は、ガラス基板にスクライブラインを引き、ガラス基板を割断して得られる面である。側面Sb1は、平坦な面である。第1透明基板ME1のうち、側面Sb1側の角の面取りは行っていない。また、側面Sb1にポリッシュを施していない。発光素子LSは側面Sb1に光を照射するため、第1透明基板ME1は、内部にて光を良好に伝播させることができる。例えば、第2主面Sa2に入射する光が全反射の条件を満たすようになるため、第1透明基板ME1に入射した光が第2主面Sa2から外側に漏れ難くなる。
【0128】
なお、第1透明基板ME1のうち、側面Sb1側の角の面取りを行ったり、側面Sb1にポリッシュを施したりした場合、第1透明基板ME1は、内部にて光を良好に伝播させることが困難となる。例えば、第2主面Sa2に入射する光に、第2主面Sa2に90°に近い角度で入射する光の成分が含まれるため、第1透明基板ME1に入射した光が第2主面Sa2から外側に漏れ易くなる。
【0129】
一方、側面Sb2、側面Sb3、及び側面Sb4は、側面Sb1と異なる。側面Sb2、側面Sb3、及び側面Sb4のそれぞれの構成は同一である。ここでは、側面Sb2、側面Sb3、及び側面Sb4を代表して側面Sb2について説明する。
【0130】
側面Sb2を得るため、まず、ガラス基板にスクライブラインを引き、ガラス基板を割断する。その後、第1透明基板ME1のうち、側面Sb2側の角の面取りを行う。また、側面Sb2にポリッシュを施している。側面Sb2に凹凸が形成されるため、側面Sb2は、側面Sb1より平坦ではない。
【0131】
上記のように構成された第6の実施形態に係る表示装置DSPにおいても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、表示品位の向上が可能な表示装置DSPを得ることができる。第1入光面である側面Sb1は平坦面であるため、表示パネルPNLの表示領域DAへの入光効率を高くすることができる。そのため、ユーザは表示装置DSPの表示画像を一層良好に視認することができる。又は、第1光源ユニットLU1の低消費電力化を図ることができる。
【0132】
第1透明基板ME1のうち側面Sb2、側面Sb3、及び側面Sb4には、面取り及びポリッシュが施されている。そのため、カバーパネルCO1の製造時や、カバーパネルCO1を用いてモジュールに組み立てる際のハンドリングによるチッピングの発生を抑制又は防止することができる。
【0133】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。必要に応じて、複数の実施形態及び複数の変形例の2以上を組合せることも可能である。
【0134】
第1色、第2色、及び第3色は、それぞれ赤色、緑色、青色に限られない。また、光源ユニットLUは、2種類以下の色の発光素子LSを備えてもよいし、4種類以上の色の発光素子LSを備えてもよい。又は、光源ユニットLUは、白色の発光素子LSを備えていてもよい。発光素子LSの種類数(色数)に応じて、ラインメモリ、サブフレームデータ、サブフレーム期間の数を増減させればよい。
【0135】
液晶層30は、ノーマル型高分子分散液晶を利用してもよい。上記の液晶層30は、印加される電圧が高い場合に入射される光の平行度を維持し、印加される電圧が低い場合に入射される光を散乱させる。
【0136】
表示パネルPNLの第1基材10及び第2基材20は、それぞれ樹脂で形成されてもよい。その場合、第1基材10及び第2基材20は、それぞれ非晶質の樹脂で形成されている方が望ましい。非晶質の樹脂としては、シクロオレフィンポリマ(COP:cyclo-olefin polymer)を挙げることができる。第1基材10及び第2基材20を非晶質の樹脂で形成することで、第1基材10及び第2基材20のそれぞれの内部における光の散乱を抑制し、良好に導光させることができる。
【0137】
なお、第1基材10及び第2基材20は、それぞれ結晶質の樹脂で形成されてもよい。結晶質の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET: polyethylene terephthalate)を挙げることができる。
【符号の説明】
【0138】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、
10…第1基材、20…第2基材、Sc1,Sc2,Se1,Se2…側面、
30…液晶層、31…液晶性ポリマ、32…液晶性分子、PX…画素、
SW…スイッチング素子、G…ゲート線、S…ソース線、11…画素電極、
21…共通電極、CO1,CO2…カバーパネル、ME1…第1透明基板、
ME2…第2透明基板、Sa1,Sa2,Sa3,Sa4…主面、
Sb1,Sb2,Sb3,Sb4,Sd1,Sd2…側面、LR1…第1光反射層、
LR2…第2光反射層、60…光学層、61…帯部、62…枠部、
AD1…第1粘着シート、AD2…第2粘着シート、LU1…第1光源ユニット、
LU2…第2光源ユニット、LS…発光素子、70…光学部材、71…マイクロレンズ、
72…透明層、Ta,Tb,Tb1,Tb2…厚み、DA…表示領域、
NDA…非表示領域、CA…接触領域、NCA…非接触領域、RA1…第1反射領域、
RA2…第2反射領域、RA3…第3反射領域、RA4…第4反射領域、X…第1方向、
Y…第2方向、Z…第3方向。
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図4B
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