(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171136
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】制御信号生成装置、制御システム及び制御信号生成方法
(51)【国際特許分類】
G05D 3/12 20060101AFI20241204BHJP
G01B 21/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
G05D3/12 305Z
G01B21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088044
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】星 譲
【テーマコード(参考)】
2F069
5H303
【Fターム(参考)】
2F069AA02
2F069AA93
2F069BB01
2F069DD19
2F069GG04
2F069GG07
2F069GG62
2F069HH09
2F069JJ02
2F069JJ13
5H303AA01
5H303AA20
5H303BB01
5H303BB06
5H303BB11
5H303CC01
5H303FF03
5H303FF11
5H303GG04
5H303GG11
5H303HH01
5H303KK11
5H303MM05
(57)【要約】
【課題】円滑な作業を維持しつつ、作用点を容易にかつ高精度に位置決めできる制御信号生成装置、制御システム及び制御信号生成方法を提供する。
【解決手段】可動部13の位置及び姿勢を検出する検出部25と、可動部13の作用点Qを指定位置P(x)に向かって移動させた際に検出部25が検出した可動部13の位置及び姿勢の情報から、可動部13の作用点Qの位置と指定位置P(x)とのずれの特性を求めるずれ特性抽出部31と、ずれの特性に基づいて可動部13の作用点Qの位置を算出する演算式を生成する演算式生成部33と、演算式に可動部13の作用点Qの目標位置の情報、及び可動部13の原点位置から作用点Qの位置までの距離情報を代入して、作用点Qを目標位置Q
0に移動させるための可動部13の移動目標位置を求める移動目標位置設定部35と、可動部13を移動目標位置に移動させる制御信号を出力する制御信号出力部37とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一軸方向に延びる案内レールと、前記案内レールに相対移動可能に設けた可動部と、前記可動部を前記案内レールに沿って移動させる駆動部と、前記可動部の移動を検出するエンコーダと、を備える直動案内装置の制御信号生成装置であって、
前記可動部の位置及び姿勢を検出する検出部と、
前記可動部の作用点を指定位置に向かって移動させた際に前記検出部が検出した前記可動部の位置及び姿勢の情報から、前記可動部の前記作用点の位置と前記指定位置とのずれの特性を求めるずれ特性抽出部と、
前記ずれの特性に基づいて前記可動部の前記作用点の位置を算出する演算式を生成する演算式生成部と、
前記演算式に前記可動部の前記作用点の目標位置の情報、及び前記可動部の原点位置から前記作用点の位置までの距離情報を代入して、前記作用点を前記目標位置に移動させるための前記可動部の移動目標位置を求める移動目標位置設定部と、
前記可動部を前記移動目標位置に移動させる制御信号を出力する制御信号出力部と、
を備える制御信号生成装置。
【請求項2】
前記ずれ特性抽出部は、前記可動部の前記一軸方向の移動量と、前記可動部の位置及び姿勢の情報とを関数近似した近似式を生成する、
請求項1に記載の制御信号生成装置。
【請求項3】
前記ずれ特性抽出部は、前記可動部の絶対座標系において、前記可動部の各軸方向の誤差及び各軸回りの回転角度から求められる誤差を抽出し、
前記演算式生成部は、前記誤差に基づいて前記可動部の前記作用点の位置を算出する演算式を生成する、
請求項1に記載の制御信号生成装置。
【請求項4】
前記ずれ特性抽出部は、温度変化によって生じる前記一軸方向の誤差を含んだずれの特性を求める、
請求項1に記載の制御信号生成装置。
【請求項5】
前記駆動部は、サーボモータを駆動源とする、
請求項1に記載の制御信号生成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の制御信号生成装置と、
作用点を有する可動部が一軸方向に延びる案内レールに相対移動可能に設けられ、前記可動部が駆動部によって前記案内レールに沿って移動される直動案内装置と、
前記直動案内装置の前記可動部を、前記制御信号生成装置から出力される制御信号により駆動する制御部と、
を備える制御システム。
【請求項7】
一軸方向に延びる案内レールと、前記案内レールに相対移動可能に設けた可動部と、前記可動部を前記案内レールに沿って移動させる駆動部と、前記可動部の移動を検出するエンコーダと、を備える直動案内装置の制御信号生成方法であって、
前記可動部の位置及び姿勢を検出部によって検出し、
前記可動部の作用点を指定位置に移動させた際に前記検出部が検出した前記可動部の位置及び姿勢の情報から、前記可動部の前記作用点の位置と前記指定位置とのずれの特性を求め、
前記ずれの特性に基づいて前記可動部の前記作用点の位置を算出する演算式を生成し、
前記演算式に前記可動部の前記作用点の目標位置の情報、及び前記可動部の原点位置から前記作用点の位置までの距離情報を代入して、前記作用点を前記目標位置に移動させるための前記可動部の移動目標位置を求め、
前記可動部を、前記移動目標位置に移動させる制御信号を出力する、
制御信号生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御信号生成装置、制御システム及び制御信号生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一軸方向に移動可能なスライダを有する直動案内装置が知られている。この直動案内装置が搭載された装置例として、例えば特許文献1に記載された液滴吐出装置がある。この液滴吐出装置は、ワークを載置するワークテーブル(スライダ)と、ワークテーブルに載置されたワークに液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、ワークテーブルを主走査方向及び種走査方向に直交する副走査方向に移動させるリニアモータ等の移動機構を備えている。この装置の制御部は、主走査方向に延伸し、副走査方向に複数並べて設定される走査ラインに沿ってワークテーブルを移動させながら、ワークテーブルに載置されたワークの位置を検出し、この検出結果を用いて、移動機構の位置とワークテーブルの位置の補正量との相関を示す補正テーブルを作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の液滴吐出装置では、補正テーブルを作成するために、CCDカメラやレーザ干渉計またはレーザ変位計等の測定系によって、ワークの位置を検出する必要がある。
【0005】
しかし、液滴吐出装置では、補正テーブルを作成するために、ワークと液滴吐出ヘッドを主走査方向とこれに直交する副走査方向に移動させながら、ワークの位置を検出しているので、モータ駆動時に生じる振動が測定系に影響を与えてしまい、正しい補正データが取得できないおそれがある。
【0006】
そして、例えば直動案内装置により工具を移動させながら材料を加工するような場合には、工具等の変更によって加工の作用点位置が変化する。そのため、工具等の条件を変更するごとに検出データを取得して、補正テーブルを新たに作成しなければならず、多くの手間を要することになる。
【0007】
そこで本発明は、円滑な作業を維持しつつ、作用点を容易にかつ高精度に位置決めできる制御信号生成装置、制御システム及び制御信号生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は下記の構成からなる。
(1) 一軸方向に延びる案内レールと、前記案内レールに相対移動可能に設けた可動部と、前記可動部を前記案内レールに沿って移動させる駆動部と、前記可動部の移動を検出するエンコーダと、を備える直動案内装置の制御信号生成装置であって、
前記可動部の位置及び姿勢を検出する検出部と、
前記可動部の作用点を指定位置に向かって移動させた際に前記検出部が検出した前記可動部の位置及び姿勢の情報から、前記可動部の前記作用点の位置と前記指定位置とのずれの特性を求めるずれ特性抽出部と、
前記ずれの特性に基づいて前記可動部の前記作用点の位置を算出する演算式を生成する演算式生成部と、
前記演算式に前記可動部の前記作用点の目標位置の情報、及び前記可動部の原点位置から前記作用点の位置までの距離情報を代入して、前記作用点を前記目標位置に移動させるための前記可動部の移動目標位置を求める移動目標位置設定部と、
前記可動部を前記移動目標位置に移動させる制御信号を出力する制御信号出力部と、
を備える制御信号生成装置。
(2) (1)に記載の制御信号生成装置と、
作用点を有する可動部が一軸方向に延びる案内レールに相対移動可能に設けられ、前記可動部が駆動部によって前記案内レールに沿って移動される直動案内装置と、
前記直動案内装置の前記可動部を、前記制御信号生成装置から出力される制御信号により駆動する制御部と、
を備える制御システム。
(3) 一軸方向に延びる案内レールと、前記案内レールに相対移動可能に設けた可動部と、前記可動部を前記案内レールに沿って移動させる駆動部と、前記可動部の移動を検出するエンコーダと、を備える直動案内装置の制御信号生成方法であって、
前記可動部の位置及び姿勢を検出部によって検出し、
前記可動部の作用点を指定位置に移動させた際に前記検出部が検出した前記可動部の位置及び姿勢の情報から、前記可動部の前記作用点の位置と前記指定位置とのずれの特性を求め、
前記ずれの特性に基づいて前記可動部の前記作用点の位置を算出する演算式を生成し、
前記演算式に前記可動部の前記作用点の目標位置の情報、及び前記可動部の原点位置から前記作用点の位置までの距離情報を代入して、前記作用点を前記目標位置に移動させるための前記可動部の移動目標位置を求め、
前記可動部を、前記移動目標位置に移動させる制御信号を出力する、
制御信号生成方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、円滑な作業を維持しつつ、作用点を容易にかつ高精度に位置決めできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本構成例に係る直動案内装置を備えた制御システムの全体構成図である。
【
図2】
図2は、制御信号生成装置の機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、直動案内装置における誤差の発生の様子を示す説明図である。
【
図4】
図4は、直動案内装置における絶対座標系と局所座標系及び発生する誤差を概略的に示す説明図である。
【
図5A】
図5Aは、可動部をX軸方向に移動させたときの可動部に生じるロール誤差の一例を示すグラフである。
【
図5B】
図5Bは、可動部をX軸方向に移動させたときの可動部に生じるピッチ誤差の一例を示すグラフである。
【
図5C】
図5Cは、可動部をX軸方向に移動させたときの可動部に生じるヨー誤差の一例を示すグラフである。
【
図6A】
図6Aは、可動部に生じるX軸に沿った真直度水平誤差e
yの分布特性の一例を示すグラフである。
【
図6B】
図6Bは、可動部に生じるX軸に沿った真直度垂直誤差e
zの分布特性の一例を示すグラフである。
【
図7A】
図7Aは、補正手法の適用前における絶対誤差の一例を示すグラフである。
【
図7B】
図7Bは、補正手法の適用後における絶対誤差の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本構成例に係る直動案内装置10を備えた制御システム200の全体構成図である。ここで示す直動案内装置10の構成は一例であって、これに限らない。
【0012】
図1に示す制御システム200は、直動案内装置10と、直動案内装置10に接続された制御部21と、制御部21に接続される入力部23と、検出部25とを備える。制御部21は、制御信号生成装置100を含んで構成されるが、制御信号生成装置100は、制御部21とは別体に設けられた構成であってもよい。
【0013】
直動案内装置10は、案内レール11と、可動部13と、駆動部15と、エンコーダ17と、を備える。案内レール11は、X軸(一軸)方向に延在され、可動部13は、案内レール11に相対移動可能に設けられている。駆動部15は、案内レール11に沿って可動部13を移動させる駆動源であり、例えば、サーボモータを使用できる。エンコーダ17は、例えば、駆動部15のモータ軸に設けられたロータリーエンコーダでもよく、案内レール11に沿って配置されたリニアエンコーダであってもよい。いずれの場合でもエンコーダ17は、可動部13の案内レール11に沿った移動量を検出する。
【0014】
可動部13には、作業目的に応じた装置が搭載される。ここでは、作業装置として接触子19が搭載された例を示すが、これに限らず、不図示の材料に各種の加工を行うドリルやエンドミル等の工具、又は対象物の位置を計測するカメラやセンサ等の測定機器等であってもよい。本構成では、可動部13に搭載された接触子19の先端部を作用点Qとする。
【0015】
制御部21は、直動案内装置10の駆動部15の動作を制御する。制御部21には、入力部23が接続され、この入力部23から各種のプログラムや接触子19に関するデータ等が入力される。制御部21にはエンコーダ17が接続されており、エンコーダ17からの検出信号が制御部21に入力される。
【0016】
また、制御部21には検出部25が接続される。検出部25は、例えば、カメラやレーザ干渉計又はレーザ変位計等のセンサであって、可動部13の位置及び姿勢を検出する。検出部25は、可動部13の位置及び姿勢の検出時には直動案内装置10の近傍に配置されるが、検出終了後は退避させる等、撤去して構わない。つまり、検出部25は後述する制御信号生成装置100によって制御信号を生成するときにのみ設置されていればよい。
【0017】
図2は、制御信号生成装置100の機能ブロック図である。制御信号生成装置100は、詳細は後述するずれ特性抽出部31と、演算式生成部33と、移動目標位置設定部35と、制御信号出力部37とを備える。
【0018】
ずれ特性抽出部31は、可動部13の作用点Qの位置を指定位置P(x)に向かって移動させた際に検出部25が検出した可動部13の位置及び姿勢の情報から、可動部13の作用点Qの位置と指定位置P(x)とのずれの特性を求める。
【0019】
演算式生成部33は、求めたずれの特性に基づいて、可動部13の作用点Qの位置を算出する演算式(変換方程式)を生成する。
【0020】
移動目標位置設定部35は、生成した演算式に、可動部13の作用点Qの情報、及び可動部13における作用点Qまでの距離情報を代入し、作用点Qの位置を目標位置Q0に移動させるための可動部13の移動目標位置を求める。
【0021】
制御信号出力部37は、求めた移動目標位置に可動部13を移動させるための制御信号を生成して、制御部21に出力する。
【0022】
図3は、直動案内装置10における誤差の発生の様子を示す説明図である。
図4は、直動案内装置10における絶対座標系と局所座標系及び発生する誤差を概略的に示す説明図である。
【0023】
図3及び
図4に示す直動案内装置10は、直進方向に可動部13が移動可能な1軸の自由度を有する駆動部を有する。この駆動部としては、例えばリニアモータ等のサーボモータが使用できる。このような直動案内装置10の構成では、可動部13をX軸(一軸)方向に移動(x
1→x
2)させることができるが、可動部13の位置を精密に観測すると、真直度水平(Y軸)方向と真直度垂直(Z軸)方向とに微小に歪んだ動きをしていることがわかる。つまり、可動部13には、真直度水平(Y軸)方向にずれ(真直度水平誤差e
y)が生じ、真直度垂直(Z軸)方向にずれ(真直度垂直誤差e
z)が生じている。さらに、可動部13は、温度変化等の影響によって真直度延伸(X軸)方向にずれ(真直度延伸誤差e
x)が生じることもある。
【0024】
また、可動部13の姿勢を観測すると、可動部13は、案内レール11に沿って移動する際に、X軸回りの回転方向であるロール(Roll)方向、Y軸回りの回転方向であるピッチ(Pitch)方向、Z軸回りの回転方向であるヨー(Yaw)方向に対して、それぞれ微小な回転を伴うことがわかる。つまり、可動部13は、ロール方向の回転によってロール誤差erollが生じ、ピッチ方向の回転によってピッチ誤差epitchが生じ、さらに、ヨー方向の回転によってヨー誤差eyawが生じている。
【0025】
このように、可動部13は案内レール11上を移動する際に、XYZ軸の並進方向(3自由度)と、XYZ軸回りの回転方向(3自由度)の合計6自由度で運動し、目標位置Q
0と作用点Qとの間には、ずれ量δの位置誤差が生じる(
図3参照)。このため、直動案内装置10における可動部13の6自由度の運動による位置誤差を把握できれば、可動部13に設置した作業装置である接触子19の先端の作用点Qの位置を、発生する位置誤差が補正されるようにして、目標位置Q
0へ高精度に位置決めすることが可能である。つまり、可動部13の作用点Qの絶対位置を求めることにより、この作用点Qの位置ずれを補正し、作用点Qを目標位置Q
0へ精密に位置決めできることとなる。
【0026】
次に、本発明の補正手法である制御信号生成装置100の制御について説明する。
(座標系の設定)
図1に示すように、可動部13の位置及び姿勢を検出する検出部25を設置する。また、
図4に示す絶対座標系(X
ABS,Y
ABS,Z
ABS)の原点O
ABSを設定する。さらに、可動部13の特定箇所を原点O
incとする相対座標系(X
inc,Y
inc,Z
inc)を設定する。なお、可動部13が案内レール11の一端側である始点に配置された状態の原点O
incの位置を直動案内装置10の原点O
0とするのが好ましい。絶対座標系(X
ABS,Y
ABS,Z
ABS)のX
ABS軸、Y
ABS軸、Z
ABS軸は、以降、単にX軸、Y軸、Z軸ともいう。さらに、ここでは説明を簡単にするため、絶対座標系のX軸、Y軸、Z軸の各軸は、相対座標系の対応する軸と平行であるものとする。
【0027】
ここで、式(1)は、絶対座標系(XABS,YABS,ZABS)における原点OABSから作用点Qまでの位置ベクトルを示し、式(2)は、相対座標系(Xinc,Yinc,Zinc)における原点Oincから作用点Qまでの位置ベクトルを示している。
【0028】
【0029】
なお、可動部13が原点O0から指定位置P(x)へX軸方向に移動した距離をxとする。この距離xは、エンコーダ17が検出した距離である。ただし、距離xが位置指令値xrefと同一(x=xref)となる場合においては、この距離xは、位置指令値に相当するものとなる。
【0030】
(可動部13の位置及び回転角度の検出)
可動部13を原点O0から指定位置P(x)へ向かってX軸方向に移動させる。このとき、可動部13をX軸方向に移動させる際の全ストローク中の可動部13の位置及び姿勢を検出部25により検出して、検出結果を高次関数で最小二乗法により近似する。可動部13の位置及び姿勢は、例えば、リニアモータのストローク端を原点に置き、ここからフルストロークまでの途中位置で一時停止させて、ロール方向、ピッチ方向、ヨー方向の各変位をレーザ干渉計により測定することで得られる。そして、得られた各変位のデータをn次関数で近似するには、例えばX軸方向に沿って近似したい高次関数が(3)であるとすると、取得したロール方向のデータriとf(x)との差分を表す(4)式の評価関数Jが最小となるように係数akを求めればよい。ここで、m、Nは定数である。
【0031】
【0032】
ピッチ方向とヨー方向についても上記と同様にn次関数で近似できる。このようにして、可動部13のX軸方向の位置と、可動部13のXYZ軸の各軸回りの回転角度θroll、θpitch、θyawとの関係を求めておく。
【0033】
図5Aは、可動部13をX軸方向に移動させたときのX軸回りの回転角度θ
rollの変動(ロール誤差)の一例を示すグラフである。
図5Bは、可動部13をX軸方向に移動させたときの可動部13のY軸回りの回転角度θ
pitchの変動(ピッチ誤差)の一例を示すグラフである。
図5Cは、可動部13をX軸方向に移動させたときの可動部13のZ軸回りの回転角度θ
yawの変動(ヨー誤差)の一例を示すグラフである。
【0034】
(X軸方向の絶対位置)
検出部25による検出値に基づいて、移動後の可動部13のX軸方向の絶対位置fx(x)を求める。式(5)は、絶対座標系(XABS,YABS,ZABS)における可動部13のX軸方向の絶対位置fx(X)を示している。
【0035】
【0036】
式(5)における係数は、以下の通りである。
x:エンコーダの検出値(=位置指令値)[m]
ex(x):基準温度時におけるエンコーダの機械的な歪み誤差[m]
Tx(x):エンコーダの現在温度[℃]
Tx0:エンコーダの基準温度[℃]
γ:エンコーダの熱膨張係数[m/℃]
x0:絶対座標系の原点OABSから原点O0までのX軸方向の距離[m]
【0037】
(真直度水平誤差及び真直度垂直誤差)
検出部25により検出したZ軸回りの回転角度θyaw及びY軸回りの回転角度θpitchから、Y軸方向の絶対位置誤差である真直度水平誤差ey及びZ軸方向の絶対位置誤差である真直度垂直誤差ezを算出する。具体的には、検出された回転角度θyaw及び回転角度θpitchをそれぞれ積分することで、真直度水平誤差ey及び真直度垂直誤差ezを算出する。そして、可動部13のX軸方向の位置と真直度水平誤差eyとの関係であるY軸方向の位置fy(x)との関係式、及び可動部13のX軸方向の位置と真直度垂直誤差ezとの関係であるZ軸方向の位置fz(x)との関係式を、それぞれ高次関数で最小二乗法により近似して求める。
【0038】
式(6)は、Y軸方向の位置fy(x)とX軸方向の位置との関係式であり、式(7)は、Z軸方向の位置fz(x)とX軸方向の位置との関係式である。
【0039】
【0040】
y0:絶対座標系の原点OABSから原点O0までのY軸方向の距離[m]
z0:絶対座標系の原点OABSから原点O0までのZ軸方向の距離[m]
【0041】
図6Aは、可動部13に生じるX軸に沿った真直度水平誤差e
yの分布特性の一例を示すグラフである。
図6Bは、可動部13に生じるX軸に沿った真直度垂直誤差e
zの分布特性の一例を示すグラフである。
【0042】
(可動部13の位置)
式(8)に、可動部13の原点Oincの位置を求める変換行列Mを4×4同次座標変換行列で示した。
【0043】
【0044】
変換行列Mは、入力部23から位置指令Xrefを入力して、この位置指令Xrefで可動部13を指定位置P(x)へ移動させる場合の可動部13の位置を求めるものであり、真直度水平誤差ey及び真直度垂直誤差ezが加味されている。
【0045】
(可動部13の姿勢)
式(9)、(10)、(11)は、可動部13のロール誤差eroll、ピッチ誤差epitch、ヨー誤差eyawを4×4同次座標変換行列で表現したものである。
【0046】
【0047】
これらの誤差eroll、epitch、eyawは、入力部23から位置指令Xrefを入力し、この位置指令Xrefで指定位置P(x)へ可動部13を移動させたときに生じる可動部13の誤差であり、X軸回りのロール誤差、Y軸回りのピッチ誤差、Z軸回りのヨー誤差に応じた誤差である。
【0048】
(可動部13の位置及び姿勢)
式(12)は、可動部13の各位置と各誤差とを含んだ特性T(x)を、4×4の行列で表現したものである。
【0049】
【0050】
この特性T(x)は、入力部23から位置指令Xrefを入力し、この位置指令Xrefで指定位置P(x)へ可動部13を移動させたときの可動部13の位置と姿勢の特性を表している。つまり、特性T(x)は、移動により真直度延伸誤差ex、真直度水平誤差ey及び真直度垂直誤差ezが生じ、さらに、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りにおいて、ロール誤差eroll、ピッチ誤差epitch、ヨー誤差eyawが生じた場合を表す、位置ずれの特性である。この特性T(x)は、制御部21のずれ特性抽出部31によって求められる。
【0051】
ただし、式(12)では、式(13)のように、回転角度θroll、θpitch、θyawが微小である場合は、ロール誤差eroll、ピッチ誤差epitch、ヨー誤差eyawも微小であると仮定している。
【0052】
【0053】
(作用点Qの位置)
式(14)は、絶対座標系(XABS,YABS,ZABS)における可動部13の特性T(x)から相対座標系(Xinc,Yinc,Zinc)における作用点Qの絶対位置xABSを求めた式である。式(14)を絶対座標系(XABS,YABS,ZABS)からみた作用点Qの位置ベクトルとすると、絶対座標系での作用点Qの位置は式(15)で表せる。
【0054】
【0055】
(順運動学上の作用点Qの絶対位置)
順運動学上において、エンコーダ17の検出値がxの場合、作用点Qの絶対位置xABSは、式(15)に基づき、式(16)で表せる。式(16)は、作用点Qの絶対位置を算出する演算式であり、制御部21の演算式生成部33によって生成される。
【0056】
【0057】
式(16)において、各項の意味は以下の通りである。
・左辺:絶対座標系からみた作用点QのX軸方向の位置
・右辺第1項:直動案内装置10の原点O0から作用点QまでのX軸方向の長さ
・右辺第2項:直動案内装置10の原点O0から作用点QまでのY軸方向の長さとヨー誤差との積
・右辺第3項:直動案内装置10の原点O0から作用点QまでのZ軸方向の長さとピッチ誤差との積
・右辺第4項:エンコーダ17の検出値、歪み誤差及び熱膨張誤差の和(X軸方向の絶対位置)
【0058】
(逆運動学上の作用点Qの絶対位置)
順運動学で導出したdx(x)にxを代入した位置と、X軸方向の絶対位置とは、式(17)に示すように同じである筈だが、実際には誤差が生じる。つまり、式(18)に示すように、xにxiを代入すると誤差eiが生じる。この式(18)を誤差方程式ともいう。
【0059】
【0060】
式(18)におけるxiにxi+δxiを代入して、誤差eiを0にする。さらに、テイラー展開を施して式(19)を導く。
【0061】
【0062】
式(19)に、式(18)の誤差方程式を代入して式(20)を導き出し、さらに、式(20)をδxiについて展開して、式(21)、(22)を求める。
【0063】
【0064】
その後、式(23)のように、誤差eiが許容値ε(ei≦ε)以下になるまでδxiを加算する。
【0065】
【0066】
式(23)の加算過程においては、順運動学のx成分の式と微分式を用いた式(24)及び式(25)を使用した。
【0067】
【0068】
(逆運動学の式の導出)
作用点Qの絶対位置xABSが目標位置Qになるエンコーダ17の検出値xの式(26)を求めるとともに、誤差方程式である式(27)を導出する。そして、これらの式(26)、(27)に基づいて、エンコーダ17の検出値xの近似式からなる式(28)を求める。なお、式(26)を求める際には、ei≦εの場合、xの加算を停止して解とする。
【0069】
【0070】
このようにして導出した式(28)の位置xに可動部13を移動させることが出来れば、作用点Qの絶対位置xABSを目標位置Q0へ精密に位置決めすることが可能となる。
【0071】
次に、上記した位置決め手順をシミュレーションで実施した結果について説明する。
(原点Oincから作用点Qまでの距離の設定)
まず、可動部13の原点Oincから作用点Qまでの位置を設定する。式(29)は、原点Oincに対して、Y軸方向に0.01m、Z軸方向に0.1mの位置に作用点Qを配置した場合を例示している。
【0072】
【0073】
(X軸方向の絶対位置の設定)
次に、可動部13の移動先の位置であるX軸方向の絶対位置を設定する。式(30)は、エンコーダ17からの検出値fx(x)をx、エンコーダ17の歪み誤差ex(x)を0、エンコーダ17の熱膨張Tx(x)を0とした場合を例示している。
【0074】
【0075】
(ピッチ誤差及びヨー誤差の設定)
可動部13のY軸回りの回転角度θ
pitch及びZ軸回りの回転角度θ
yawを設定する(
図5B及び
図5C参照)。なお、式(31)のように、回転角度θ
pitch、θ
yawが微小量である場合、その変化量も微小とみなす。
【0076】
【0077】
次に、エンコーダ17の検出値xを近似させた逆運動学の式(26)、(28)に基づいた式(32)から絶対誤差(xABS-x)を求める。そして、入力部23から、作用点Qの目標位置Q0の情報、及び可動部13における作用点Qまでの距離情報が入力されることにより、制御部21の移動目標位置設定部35は、絶対誤差(xABS-x)の式(32)に基づいて、可動部13の移動目標位置を求める。
【0078】
【0079】
図7Aは、本発明の補正手法の適用前におけるX方向の絶対誤差の一例を示し、
図7Bは、本補正手法の適用後におけるX方向の絶対誤差の一例を示している。
図7Aに示すように、本補正手法の適用前では、案内レール11に沿って可動部13を移動させた際に、その移動に伴って作用点Qの位置に誤差が発生している。これに対して、本補正手法を適用することにより、案内レール11に沿って可動部13を移動させた際、作用点Qの誤差の発生が抑えられる。つまり、本補正手法を適用することにより、可動部13の作用点Qを、指定した目標位置Q
0へ位置誤差を補正して移動させることが可能である。
【0080】
以上、説明したように、本構成例によれば、検出部25によって検出した可動部13の位置及び姿勢に基づいて、可動部13の作用点Qを目標位置Q0に移動させるための移動目標位置を求めることができる。つまり、作業前に移動目標位置を求め、この移動目標位置に基づいて可動部13を移動させることにより、作業中に可動部13の位置を検出して補正するフィードバック制御を不要にできる。したがって、作業中における検出部25の設置が不要となり、検出部25による装置周辺のスペースの占有をなくすことができる。また、可動部13における作用点Qの距離情報を入力することにより、生成された演算式に基づいて位置の補正量が簡単かつ適切に求めることができる。そのため、接触子19(工具でもよい)を変更して、可動部13における作用点Qの位置が変化しても、その都度、可動部の位置及び姿勢の特性を検出する必要がなく、種々の条件変更に対して柔軟に対応できる。
【0081】
つまり、可動部13の原点Oincの位置から作用点Qの位置までの距離情報を変数項として演算させるので、作用点Qの位置が移動しても、この作用点Qの位置の移動先を容易に求め、その結果、作用点Qの位置を高精度に位置決めできる。
【0082】
また、可動部13のX軸(一軸)方向の移動量と、可動部13の位置及び姿勢の情報とを関数近似した近似式を生成するので、可動部13のX軸(一軸)方向の移動量と、可動部13の位置及び姿勢の情報とを考慮して高精度に位置決めできる。
【0083】
しかも、可動部13の絶対座標系(XABS,YABS,ZABS)において、可動部13の各軸方向の誤差及び各軸回りの回転角度から求められる誤差を抽出し、演算式生成部33が求めた誤差に基づいて可動部13の作用点Qの位置を算出する演算式を生成する。したがって、絶対座標系(XABS,YABS,ZABS)における可動部13の各軸方向の誤差及び各軸回りの回転角度から求められる誤差を考慮して移動目標位置を求めて作用点Qを高精度に位置決めできる。
【0084】
また、温度変化によって生じるX軸(一軸)方向の誤差を含んだずれの特性を求めるので、この温度変化によって生じる誤差を考慮した高精度な位置決めが可能となる。
【0085】
また、直動案内装置10は、駆動部15がサーボモータを駆動源とするので、このサーボモータからなる駆動源の制御により高精度な位置決め制御が可能となる。
【0086】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0087】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 一軸方向に延びる案内レールと、前記案内レールに相対移動可能に設けた可動部と、前記可動部を前記案内レールに沿って移動させる駆動部と、前記可動部の移動を検出するエンコーダと、を備える直動案内装置の制御信号生成装置であって、
前記可動部の位置及び姿勢を検出する検出部と、
前記可動部の作用点を指定位置に向かって移動させた際に前記検出部が検出した前記可動部の位置及び姿勢の情報から、前記可動部の前記作用点の位置と前記指定位置とのずれの特性を求めるずれ特性抽出部と、
前記ずれの特性に基づいて前記可動部の前記作用点の位置を算出する演算式を生成する演算式生成部と、
前記演算式に前記可動部の前記作用点の目標位置の情報、及び前記可動部の原点位置から前記作用点の位置までの距離情報を代入して、前記作用点を前記目標位置に移動させるための前記可動部の移動目標位置を求める移動目標位置設定部と、
前記可動部を前記移動目標位置に移動させる制御信号を出力する制御信号出力部と、
を備える制御信号生成装置。
この制御信号生成装置によれば、検出部によって検出した可動部の位置及び姿勢に基づいて、可動部の作用点を目標位置に移動させるための移動目標位置を求めることができる。つまり、作業前に移動目標位置を求め、この移動目標位置に基づいて可動部を移動させることにより、作業中に可動部の位置を検出しながら補正するフィードバック制御を不要にできる。したがって、作業中における検出部の設置が不要となり、検出部による装置周辺のスペースの占有をなくすことができる。また、可動部における作用点の距離情報を入力することにより、生成された演算式に基づいて位置の補正量が簡単かつ適切に求まるため、種々の条件変更に対して工数の増加を抑えて柔軟な対応が可能となる。
【0088】
(2) 前記ずれ特性抽出部は、前記可動部の前記一軸方向の移動量と、前記可動部の位置及び姿勢の情報とを関数近似した近似式を生成する、(1)又は(2)に記載の制御信号生成装置。
この制御信号生成装置によれば、可動部の一軸方向の移動量と、可動部の位置及び姿勢の情報とを考慮して高精度に位置決めできる。
【0089】
(3) 前記ずれ特性抽出部は、前記可動部の絶対座標系において、前記可動部の各軸方向の誤差及び各軸回りの回転角度から求められる誤差を抽出し、
前記演算式生成部は、前記誤差に基づいて前記可動部の前記作用点の位置を算出する演算式を生成する、(1)又は(2)に記載の制御信号生成装置。
この制御信号生成装置によれば、絶対座標系における可動部の各軸方向の誤差及び各軸回りの回転角度から求められる誤差を考慮した移動目標位置を求めることで、作用点を高精度に位置決めできる。
【0090】
(4) 前記ずれ特性抽出部は、温度変化によって生じる前記一軸方向の誤差を含んだずれの特性を求める、(1)から(3)のいずれか1つに記載の制御信号生成装置。
この制御信号生成装置によれば、温度変化によって生じる誤差を考慮して高精度に位置決めできる。
【0091】
(5) 前記駆動部は、サーボモータを駆動源とする、(1)から(4)のいずれか1つに記載の制御信号生成装置。
この制御信号生成装置によれば、サーボモータからなる駆動源を制御することで高精度に位置決め制御できる。
【0092】
(6) (1)から(5)のいずれか1つに記載の制御信号生成装置と、
作用点を有する可動部が一軸方向に延びる案内レールに相対移動可能に設けられ、前記可動部が駆動部によって前記案内レールに沿って移動される直動案内装置と、
前記直動案内装置の前記可動部を、前記制御信号生成装置から出力される制御信号により駆動する制御部と、
を備える、制御システム。
この制御システムによれば、作業前に移動目標位置を求め、この移動目標位置に基づいて可動部を移動させることにより、作業中に可動部の位置を検出しながら補正するフィードバック制御を不要にできる。したがって、作業中における検出部の設置が不要となり、検出部による装置周辺のスペースの占有をなくすことができる。また、可動部における作用点の距離情報を入力することにより、生成された演算式に基づいて位置の補正量が簡単かつ適切に求まるため、種々の条件変更に対して工数の増加を抑えて柔軟な対応が可能となる。
【0093】
(7) 一軸方向に延びる案内レールと、前記案内レールに相対移動可能に設けた可動部と、前記可動部を前記案内レールに沿って移動させる駆動部と、前記可動部の移動を検出するエンコーダと、を備える直動案内装置の制御信号生成方法であって、
前記可動部の位置及び姿勢を検出部によって検出し、
前記可動部の作用点を指定位置に移動させた際に前記検出部が検出した前記可動部の位置及び姿勢の情報から、前記可動部の前記作用点の位置と前記指定位置とのずれの特性を求め、
前記ずれの特性に基づいて前記可動部の前記作用点の位置を算出する演算式を生成し、
前記演算式に前記可動部の前記作用点の目標位置の情報、及び前記可動部の原点位置から前記作用点の位置までの距離情報を代入して、前記作用点を前記目標位置に移動させるための前記可動部の移動目標位置を求め、
前記可動部を前記移動目標位置に移動させる制御信号を出力する、
制御信号生成方法。
この制御信号生成方法によれば、検出部によって検出した可動部の位置及び姿勢に基づいて、可動部の作用点を目標位置に移動させるための移動目標位置を求めることができる。つまり、作業前に移動目標位置を求め、この移動目標位置に基づいて可動部を移動させることにより、作業中に可動部の位置を検出して補正するフィードバック制御を不要にできる。したがって、作業中における検出部の設置が不要となり、検出部による装置周辺のスペースの占有をなくすことができる。また、可動部における作用点の距離情報を入力することにより、生成された演算式に基づいて位置の補正量が簡単かつ適切に求まるため、種々の条件変更に対して工数の増加を抑えて柔軟な対応が可能となる。
【符号の説明】
【0094】
10 直動案内装置
11 案内レール
13 可動部
15 駆動部
17 エンコーダ
25 検出部
31 ずれ特性抽出部
33 演算式生成部
35 移動目標位置設定部
100 制御信号生成装置
200 制御システム
Q 作用点
Q0 目標位置
P(x) 指定位置