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特開2024-171138生物情報提供支援装置、生物情報提供支援端末、生物情報提供支援システム、生物情報提供支援方法、プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171138
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】生物情報提供支援装置、生物情報提供支援端末、生物情報提供支援システム、生物情報提供支援方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241204BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088050
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】大嶋(徳永)久美子
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】 簡便に遭遇生物への対処方法を提供できる生物情報提供支援装置を提供する。
【解決手段】 本開示の生物情報提供支援装置は、生物情報提供部を含み、前記生物情報提供部は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物情報提供部を含み、
前記生物情報提供部は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供する、生物情報提供支援装置。
【請求項2】
前記生物情報提供部は、候補生物提示部、および選択情報取得部を含み、
前記候補生物提示部は、前記遭遇生物情報に基づいて、少なくとも一つの候補生物情報を提示し、
前記選択情報取得部は、前記候補生物情報に関し、ユーザが選択した選択情報を取得し、
前記生物情報提供部は、前記選択情報と前記遭遇位置情報とに基づいて、前記遭遇生物データベースから、前記遭遇生物対処情報を提供する、請求項1記載の生物情報提供支援装置。
【請求項3】
前記生物情報提供部は、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とに基づいて、前記遭遇生物データベースから、遭遇生物に関連する関連生物情報を提供する、請求項1または2記載の生物情報提供支援装置。
【請求項4】
生物データベース蓄積部を含み、
前記生物データベース蓄積部は、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とを紐づけて、前記遭遇生物データベースに蓄積する、請求項1から3のいずれか一項に記載の生物情報提供支援装置。
【請求項5】
前記生物データベース蓄積部は、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報に対処履歴情報を紐づけて前記遭遇生物データベースに蓄積する、請求項4記載の生物情報提供支援装置。
【請求項6】
生物情報取得部、遭遇位置情報取得部、通信部、および表示部を含み、
前記生物情報取得部は、遭遇生物情報を取得し、
前記遭遇位置情報取得部は、遭遇生物に遭遇した遭遇位置情報を取得し、
前記通信部は、生物情報提供支援装置と通信し、且つ、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報を前記生物情報提供支援装置に送信し、且つ、遭遇生物対処情報を受信し、
前記表示部は、前記遭遇生物対処情報を表示する、生物情報提供支援端末。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の生物情報提供支援装置と、請求項6記載の生物情報提供支援端末とを含む、生物情報提供支援システム。
【請求項8】
生物情報提供工程を含み、
前記生物情報提供工程は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供する、生物情報提供支援方法。
【請求項9】
生物情報提供手順を含み、
前記生物情報提供手順は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
生物情報取得手順、遭遇位置情報取得手順、通信手順、および表示手順を含み、
前記生物情報取得手順は、遭遇生物情報を取得し、
前記遭遇位置情報取得手順は、遭遇生物に遭遇した遭遇位置情報を取得し、
前記通信手順は、生物情報提供支援装置と通信し、且つ、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報を前記生物情報提供支援装置に送信し、且つ、遭遇生物対処情報を受信し、
前記表示手順は、前記遭遇生物対処情報を表示し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生物情報提供支援装置、生物情報提供支援端末、生物情報提供支援システム、生物情報提供支援方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
野外活動等を行うと、人は、昆虫等の節足動物およびその他の野生生物に遭遇することがある。このような野生生物は、毒を持っていたり、攻撃的であったり、農作物等へ被害などを与える等の性質を有するものもおり、人間の活動にとって有害である場合がある。このため、有害生物に遭遇した人は、例えば、非特許文献1のような辞典を用いてその種類を特定し、特定した生物への対処を行っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】日本家屋害虫学会,「家屋害虫事典」,井上書院、1995年2月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1のような辞典を用いて遭遇した生物を特定する方法は、辞典を用いて遭遇生物を特定した後、特定した遭遇生物への対処方法を調べるという多段階の工程が必要であり、手間がかかるという問題がある。
【0005】
そこで本開示は、簡便に遭遇生物への対処方法を提供できる生物情報提供支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本開示の生物情報提供支援装置は、
生物情報提供部を含み、
前記生物情報提供部は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供する。
【0007】
本開示の生物情報提供支援端末は、
生物情報取得部、遭遇位置情報取得部、通信部、および表示部を含み、
前記生物情報取得部は、遭遇生物情報を取得し、
前記遭遇位置情報取得部は、遭遇生物に遭遇した遭遇位置情報を取得し、
前記通信部は、生物情報提供支援装置と通信し、且つ、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報を前記生物情報提供支援装置に送信し、且つ、遭遇生物対処情報を受信し、
前記表示部は、前記遭遇生物対処情報を表示する。
【0008】
本開示の生物情報提供支援システムは、前記本開示の生物情報提供支援装置と、前記本開示の生物情報提供支援端末とを含む。
【0009】
本開示の生物情報提供支援方法は、
生物情報提供工程を含み、
前記生物情報提供工程は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供する。
【0010】
本開示の第1のプログラムは、
生物情報提供手順を含み、
前記生物情報提供手順は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0011】
本開示の第2のプログラムは、
生物情報取得手順、遭遇位置情報取得手順、通信手順、および表示手順を含み、
前記生物情報取得手順は、遭遇生物情報を取得し、
前記遭遇位置情報取得手順は、遭遇生物に遭遇した遭遇位置情報を取得し、
前記通信手順は、生物情報提供支援装置と通信し、且つ、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報を前記生物情報提供支援装置に送信し、且つ、遭遇生物対処情報を受信し、
前記表示手順は、前記遭遇生物対処情報を表示し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、簡便に遭遇生物への対処方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の生物情報提供支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
図2図2は、本開示の生物情報提供支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本開示の生物情報提供支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本開示の生物情報提供支援システムの一例の構成を示すブロック図である。
図5図5は、本開示の生物情報提供支援システムが含む生物情報提供支援用端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、本開示の生物情報提供支援システムが含む生物情報提供支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本開示の生物情報提供支援装置の利用例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本開示の実施形態について図を用いて説明する。本開示は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0015】
本開示において、「生物」は、特に制限されず、例えば、虫等の節足動物;爬虫類;両生類;魚類;鳥類;哺乳類;植物等があげられる。前記生物は、例えば、非ヒト動物であることが好ましい。前記生物は、例えば、ヒトの活動に有害な作用をもたらす生物であってもよいし、ヒトの活動に有益な作用をもたらす生物であってもよいし、ヒトとの関わりが不明な生物であってもよい。前記ヒトの活動に有害な作用もたらす生物は、例えば、農業害虫、貯穀害虫、衛生害虫、不快害虫、毒性を持つ虫等の害虫;害獣;害鳥;動物愛護管理法に定める特定動物;その他毒性を持つ生物(有毒生物);その他どう猛な生物;等があげられる。
【0016】
[実施形態1]
本実施形態の生物情報提供支援装置について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の生物情報提供支援装置10の一例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、生物情報提供支援装置10(以下、「本装置10」ともいう)は、生物情報提供部11を含む。図示していないが、生物情報提供部11は、例えば、候補生物提示部および選択情報取得部を含んでもよい。また、図示していないが、本装置10は、例えば、取得部、記憶部、入力部、及び出力部を含んでもよい。
【0017】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本開示のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。本装置10は、対象物を撮像可能な撮像端末(例えば、カメラ付きのスマートフォン、タブレット端末等)であってもよいし、前記撮像端末と通信可能な装置であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0018】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0019】
中央処理装置101は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本開示のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、生物情報提供部11として機能する。また、本装置10が前記取得部、前記出力部を含む場合、中央処理装置101は、前記取得部、前記出力部として機能してもよい。本装置10は、演算装置として、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、これらの組合せを備えてもよい。
【0020】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、後述する生物情報提供支援端末、外部の遭遇生物データベース、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、スピーカ等の音声出力装置、カメラ等の外部撮像装置、ならびに加速度センサ、地磁気センサ、方向センサ、赤外線センサ、動体センサ、および位置センサ等の各種センサ等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、ユーザの端末等の他の装置と接続することもできる。
【0021】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本開示のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0022】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本開示のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置10が、例えば、前記記憶部を含む場合、記憶装置104が前記記憶部として機能する。記憶装置104は、例えば、後述する遭遇生物データベースとして機能してもよい。
【0023】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0024】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、出力装置106を備える。入力装置105は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。出力装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等があげられる。本実施形態1において、入力装置105と出力装置106とは、別個に構成されているが、入力装置105と出力装置106とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0025】
つぎに、本実施形態の生物情報提供支援方法の一例を、図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の生物情報提供支援方法は、例えば、図1から図2に示す生物情報提供支援装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の生物情報提供支援方法は、図1から図2の生物情報提供支援装置10の使用には限定されない。
【0026】
まず、本装置10の処理に先立って、遭遇生物データベースを準備する。前記遭遇生物データベースは、例えば、生物ごとに、遭遇生物の情報と、位置情報と、遭遇生物への対処情報とが紐づけられているデータベースである。前記遭遇生物の情報は、特に制限されず、例えば、前記生物を特定可能な情報であり、生物の名称、種類、外見の特徴、画像、鳴き声、生物の巣の外見等からなる群から選択された少なくとも一つの情報を含む。前記位置情報は、例えば、各生物の生息場所の情報でもよいし、実際に遭遇したことを示す遭遇位置の情報でもよい。後者の場合、前記位置情報は、例えば、さらに遭遇日時の情報を含むことが好ましい。前記対処情報は、例えば、前記遭遇生物に対処するための情報である。前記「対処」とは、特に制限されず、例えば、駆除、防除、予防、忌避、駆逐等の、生物自体への対応でもよいし、生物による害を低減するための情報でもよい。前記対処情報の具体例としては、前記生物の危険度に関する情報、生物の駆除方法、生物発生の予防情報、防除に必要な道具および薬剤の情報、専門の駆除業者への連絡先等があげられる。前記対処情報は、例えば、ユーザにより登録された対処履歴情報であってもよい。前記対処情報は、例えば、さらに、対処用位置情報が紐づけられていてもよい。前記対処用位置情報は、例えば、前記駆除業者の住所、駆除に使用する薬剤等の販売場所の情報等があげられる。前記遭遇生物データベースは、例えば、本装置10の構成であってもよいし、本装置10外部のデータベースであってもよい。後者の場合、例えば、本装置10と前記外部のデータベース(遭遇生物データベース)とは、互いに通信が可能である。下記表1に、遭遇生物データベースの具体例を示すが、本開示は以下の例示にはなんら制限されない。下記表1においては、前記生物の具体例として、蜂類(ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチ、クマバチ)を例にあげて説明するが、本開示において、前記生物は、蜂類には限定されない。下記表1に示すように、遭遇生物データベースは、例えば、生物ID、生物名、外見の説明、生息地、遭遇日時(遭遇記録ともいう)、対処情報等の情報が格納されている。説明の便宜上、下記表1には記載していないが、前記遭遇生物データベースは、生物ごと(生物IDごと)に、別途、少なくとも一つの生物の画像を紐づけて記憶していることが好ましい。
【表1】
【0027】
生物情報提供部11は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供する(S1、生物情報提供工程)。
【0028】
前記遭遇生物情報は、例えば、ユーザが遭遇した生物について、本装置10が生物を特定するのに使用するための情報である。前記遭遇生物情報は、例えば、生物の画像(例えば、静止画でも動画でもよい)、鳴き声等の音声、遭遇した生物の特徴についてユーザが入力したテキスト、イラスト等があげられ、これらの組み合わせであってもよい。ユーザによる取得が簡便である観点から、前記遭遇生物情報は、例えば、生物の画像であることが好ましい。
【0029】
前記遭遇位置情報は、例えば、ユーザが前記生物と遭遇した位置の情報である。前記遭遇位置情報は、例えば、前記ユーザが所有する端末(例えば、後述する生物情報支援端末、ユーザのスマートフォン等)が測位したGPS(Global Positioning System)座標の情報であってもよいし、住所、郵便番号、地域名等でもよい。
【0030】
つぎに、生物情報提供部11による処理について、より具体的に説明する。まず、生物情報提供部11は、例えば、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報を取得する(情報取得工程)。前記取得は、例えば、本装置10の入力装置105を用いて、ユーザまたは本装置10の管理者が直接入力することによる取得でもよいし、通信デバイス107により、通信回線網を介して本装置10外部からの取得でもよい。後者の場合、生物情報提供部11は、例えば、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報を、前記ユーザが所有する端末から取得してもよいし、前記各情報を記憶した外部記憶装置(外部データベース)等から取得してもよい。生物情報提供部11は、例えば、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とを用いて、前記遭遇生物データベースを検索し、ユーザが遭遇した生物を特定する(生物特定工程)。前記特定の手法は、特に制限されず、例えば、入力された遭遇生物情報の種類に応じて適切な方法が採用できる。具体例として、前記遭遇生物情報が、例えば、画像情報を含む場合、生物情報提供部11は、前記画像をクエリーに、前記遭遇生物データベースを検索し、遭遇生物の候補となる候補生物を抽出する。そして、生物情報提供部11は、例えば、さらに、前記遭遇位置情報を用いて、前記候補生物から絞り込み検索を行い、ユーザが遭遇した生物を特定する。前記絞り込み検索は、例えば、前記遭遇生物データベースにおいて記録されている生物の生息地および/または遭遇日時(遭遇記録)として記録されている地域の少なくとも一方が、前記遭遇位置情報と整合するか否か等によって実施できる。なお、前記遭遇生物データベースにおいて、該当する生物の画像が存在しない場合、生物情報提供部11は、例えば、本装置10外部のサービスにアクセスし、前記画像に基づいて遭遇生物の名称を検索してもよい。前記外部のサービスは、例えば、Googleレンズ(商標)等があげられる。
【0031】
そして、生物情報提供部11は、例えば、特定した遭遇生物について、前記遭遇生物データベースに記録されている対処情報をユーザに提供することができる。前記対処情報は、例えば、前述の通りである。生物情報提供部11は、例えば、さらに、前記対処情報について、ユーザに適した情報を選択して提供可能であってもよい。具体的に、例えば、前記遭遇生物データベースにおける対処情報として、遭遇生物の防除に有効な薬剤の情報が記憶されている場合、生物情報提供部11は、例えば、前記遭遇位置情報に基づいて、ユーザの近隣で前記薬剤を購入可能な店舗の情報をあわせて提供できる。この他には、例えば、前記対処情報として、前記遭遇生物の駆除業者の情報が前記遭遇生物データベースに記録されている場合、生物情報提供部11は、例えば、前記遭遇位置情報に基づいて、ユーザの近隣の駆除業者を特定し、特定した駆除業者の連絡先を合わせて提供できる。生物情報提供部11は、例えば、本装置10の出力部106(例えば、ディスプレイ等)へ前記対処情報を出力することにより提供してもよいし、通信デバイス107により、通信回線網を介して本装置10外部のデバイスに前記対処情報を送信することにより提供してもよい。前記外部のデバイスは、特に制限されず、例えば、前記ユーザが所有する端末があげられる。
【0032】
生物情報提供部11が、例えば、前記候補生物提示部および前記選択情報取得部を含む場合の処理について説明する。前記生物特定工程において、生物情報提供部11は、前記遭遇生物情報をクエリーに前記遭遇生物データベースを検索し、遭遇生物の候補となる候補生物情報を少なくとも一つ抽出する。そして、前記候補生物提示部は、例えば、抽出された前記候補生物情報を、ユーザに提示する。前記候補生物提示部は、例えば、本装置10の出力部106(例えば、ディスプレイ等)へ前記候補生物情報を出力することにより提示してもよいし、通信デバイス107により、通信回線網を介して本装置10外部のデバイスに前記候補生物情報を送信することにより提示してもよい。前記外部のデバイスは、特に制限されず、例えば、前記ユーザが所有する端末があげられる。ユーザは、提示された前記候補生物情報を確認し、自身が遭遇した生物が前記候補生物情報に含まれる場合、当該候補生物情報を、自身が遭遇した生物であるとして、選択情報を入力する。そして、前記選択情報取得部は、前記選択情報を取得する。前記選択情報の入力は、本装置10の入力装置105によりユーザが直接入力してもよいし、前記ユーザの端末を用い、通信回線網を介して本装置10に間接的に入力してもよい。そして、生物情報提供部11は、前記選択情報と前記遭遇位置情報に基づいて、前記遭遇生物データベースから、前記遭遇生物対処情報を提供できる。
【0033】
また、生物情報提供部11は、例えば、さらに、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とに基づいて、前記遭遇生物データベースから、遭遇生物に関連する関連生物情報を提供してもよい。前記関連生物情報は、特に制限されず、例えば、前記遭遇位置において遭遇記録が存在する他の生物の情報、前記遭遇生物の近縁種の情報、前記遭遇生物と同様の対処が可能な生物の情報等があげられる。前記関連生物情報は、例えば、前記遭遇生物データベースにおいて、前記関連生物情報として予め記録されていてもよいし、前記遭遇位置情報に基づいて都度検索されてもよい。生物情報提供部11が、例えば、前記関連生物情報を提供することにより、例えば、ユーザは、前記遭遇位置において遭遇する可能性のある他の生物の情報、前記他の生物への対処方法の情報などをあらかじめ知ることが可能となる。このため、ユーザは、例えば、前記他の生物の遭遇前に遭遇に備えた予防策をとることも可能となる。
【0034】
本装置10は、生物情報提供部11により遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供できる。このため、本実施形態の生物情報提供支援装置10によれば、ユーザは、例えば、辞典等を用いて遭遇した生物を調べる等の手間をかけずに、遭遇生物の対処法を知ることができる。したがって、本装置10によれば、ユーザは、簡便に遭遇生物への対処が可能となる。
【0035】
[実施形態2]
実施形態2は、本開示の生物情報提供支援装置を含む生物情報提供支援システムの例である。
【0036】
本実施形態の生物情報提供支援システムについて、図4を用いて説明する。図4は、生物情報提供支援装置10A(以下、「本装置10A」ともいう)と生物情報提供支援端末20とを含む生物情報提供支援システム100の構成の一例を示す。生物情報提供支援システム100において、生物情報提供支援端末20は、例えば、1つでもよいし、2以上の複数でもよい。図4に示すように、生物情報提供支援装置10Aと、生物情報提供支援端末20とは、通信回線網30を介して接続可能である。通信回線網30は、例えば、前述の通信回線網があげられる。生物情報提供支援装置10Aと、生物情報提供支援端末20との接続は、例えば、有線でも無線でもよい。図4に示すように、生物情報提供支援装置10Aは、生物情報提供部11に加えて、生物データベース蓄積部12を含む。また、図4に示すように、生物情報提供支援端末20は、生物情報取得部21、遭遇位置情報取得部22、通信部23、表示部24、および、対処履歴情報入力部25を含む。なお、生物情報提供支援端末20において、対処履歴情報入力部25は、例えば、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。生物情報提供支援システム100において、生物情報提供支援装置10Aは、例えば、サーバ装置であってもよい。生物情報提供支援端末20は、例えば、特に制限されず、例えば、ユーザが所有する端末(スマートフォン、タブレット端末等)があげられる。
【0037】
本装置10Aのハードウェア構成は、図2の生物情報提供支援装置10のハードウェア構成において、中央処理装置101が、図1の生物情報提供支援装置10の構成に代えて、図4の生物情報提供支援装置10Aの構成を備える以外は同様である。
【0038】
以下、生物情報提供支援システム装置100が含む生物情報提供支援端末20について説明する。図4に示すように、生物情報提供支援端末20(以下、「本端末20」ともいう)は、生物情報取得部21、遭遇位置情報取得部22、通信部23、表示部24、および、対処履歴情報入力部25を含む。図示していないが、本端末20は、例えば、入力部、出力部、表示部及び/又は記憶部を含んでもよい。
【0039】
本端末20は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本端末20は、通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。通信回線網は、例えば、前述の通りである。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本端末20は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本端末20は、例えば、本開示のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、本端末20は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0040】
図5に、本端末20のハードウェア構成のブロック図を例示する。本端末20は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)201、メモリ202、バス203、記憶装置204、入力装置205、出力装置206、通信デバイス207等を含む。本端末20の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス203を介して相互に接続されている。
【0041】
中央処理装置201は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本端末20の全体の制御を担う。本端末20において、中央処理装置201により、例えば、本開示のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置201が、生物情報取得部21、遭遇位置情報取得部22、通信部23、表示部24、および、対処履歴情報入力部25として機能する。本端末20は、演算装置として、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、これらの組合せを備えてもよい。
【0042】
バス203は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、生物情報提供支援装置10(10A)、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等があげられる。本端末20は、例えば、バス203に接続された通信デバイス(通信部)207により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0043】
メモリ202は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置201が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置204に記憶されている本開示のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ202が読み込み、中央処理装置201は、メモリ202からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ202は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0044】
記憶装置204は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置204には、本開示のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置204は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置204は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本端末20が前記記憶部を含む場合、例えば、記憶装置204は、前記記憶部として機能する。
【0045】
本端末20において、メモリ202及び記憶装置204は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本端末20によって生成した情報、本端末20が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。この場合、メモリ202及び記憶装置204は、例えば、前述の本装置のユーザの情報等を記憶していてもよい。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ202及び記憶装置204以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0046】
本端末20は、例えば、さらに、入力装置205、出力装置206を備える。入力装置205は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。出力装置206は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等があげられる。本実施形態において、入力装置205と出力装置206とは、別個に構成されているが、入力装置205と出力装置206とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0047】
つぎに、本実施形態の生物情報提供支援方法の一例を、図6のフローチャートおよび図7の模式図を用いて説明する。本実施形態の生物情報提供支援方法は、例えば、図4に示す生物情報提供支援システム100を用いて、次のように実施できる。なお、本実施形態の生物情報提供支援方法は、図4の生物情報提供支援システム装置100の使用には限定されない。
【0048】
図7に示すように、遭遇生物40に遭遇したユーザ41は、例えば、自身のスマートフォン20(生物情報提供支援端末20)により、遭遇生物40の写真を撮影(遭遇生物情報を取得)する。生物情報提供支援端末20は、例えば、生物情報取得部21により、前記遭遇生物情報を取得すると、遭遇位置情報取得部22により、位置情報を測位し、遭遇生物40に遭遇した遭遇位置情報として取得する。つぎに、生物情報提供支援端末20は、例えば、通信部23により、通信回線網30を介して生物情報提供支援装置10Aと通信し、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報を生物情報提供支援装置10Aに送信する。なお、前述のように、遭遇生物情報は、生物の画像には限定されない。このため、生物情報取得部21は、例えば、前記遭遇生物の情報として、実施形態1で前述のような各種情報を取得できる種々の構成を有していてもよい。
【0049】
生物情報提供支援端末20から前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報を取得した生物情報提供支援装置10Aは、例えば、前記実施形態1のS1と同様にして、遭遇生物対処情報を生物情報提供支援端末20に出力し、前記遭遇生物対処情報をユーザ41に提供する。
【0050】
生物データベース蓄積部12は、例えば、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とを紐づけて、前記遭遇生物データベースに蓄積できる(S11、生物データベース蓄積工程)。生物データベース蓄積部12は、例えば、前記遭遇生物データベースが本装置10Aの記憶装置104である場合、生物データベース蓄積部12は、例えば、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とを紐づけて、記憶装置104に格納する。前記遭遇生物データベースが本装置10A外の外部データベースである場合、生物データベース蓄積部12は、例えば、前記外部データベースに前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とを送信し、前記外部データベースに情報を記憶させることにより、前記遭遇生物データベースを更新できる。
【0051】
遭遇生物対象情報の提供を受けたユーザ41は、例えば、生物情報提供支援端末20の対処履歴情報入力部25により、前記遭遇生物への対処履歴情報を入力できる。前記対処履歴情報は、例えば、ユーザ41が遭遇生物40に対して選択した対処方法の情報である。前記対処履歴情報は、例えば、前記S1工程で本装置10Aが提供した前記遭遇生物対処情報と同様の情報でもよいし、異なる情報でもよい。前記対処履歴情報が入力された生物情報提供支援端末20は、通信部23により、通信回線網30を介して生物情報提供支援装置10Aと通信し、前記対処履歴情報を生物情報提供支援装置10Aに送信する。
【0052】
生物情報提供支援端末20から前記対処履歴情報を取得した生物情報提供支援装置10Aは、生物データベース蓄積部12により、前記対処履歴情報を、対応する前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報に紐づけて前記遭遇生物データベースに蓄積できる。
【0053】
なお、図6のフローチャートにおいては、S1の後にS11を実行しているが、S1およびS11の実行順序は、これには限定されない。S1とS11とは、例えば、同時に実行してもよいし、順次実行してもよい。S1とS11とを順次実行する場合、その実行順序は、特に制限されず、任意の順序とできる。
【0054】
本装置10Aの利用例について、具体例をあげて説明する。まず、本装置10Aのユーザが、例えば、山間部のキャンプ場に出かけた場合を想定する。ユーザが、例えば、未知の生物(アシナガバチ)に遭遇し、遭遇した生物(アシナガバチ)の画像を自身のスマートフォン(生物情報提供支援端末20)により撮像する。そして、ユーザは、生物情報提供支援端末20により本装置10Aにアクセスし、遭遇生物情報(アシナガバチを撮像した画像)と遭遇位置情報(GPS情報)とを本装置10Aに送信する。本装置10Aは、生物情報提供部11により、取得した遭遇生物情報と遭遇位置情報と基づいて前記遭遇生物データベースを検索し、ユーザが遭遇した生物がアシナガバチであることを特定する。つぎに、本装置10Aは、前記遭遇生物データベースからアシナガバチの対処情報を抽出し、抽出した前記対処情報をユーザの生物情報提供支援端末20に送信する。本装置10は、生物データベース蓄積部12により、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とを紐づけて前記遭遇生物データベースに蓄積する。これにより、前記キャンプ場において、アシナガバチとの遭遇履歴情報が蓄積される。また、本装置10Aは、さらに、前記遭遇位置情報に基づいて前記キャンプ場を特定し、前記遭遇生物データベースを検索し、前記キャンプ場で遭遇履歴のある他の生物の情報(例えば、スズメバチ)を、前記関連生物情報として抽出し、抽出した前記関連生物情報を生物情報提供支援端末20に送信してもよい。これにより、例えば、ユーザは、前記キャンプ場において、自身が遭遇した生物が比較的危険度の低いアシナガバチであることを知ることができるだけでなく、当該キャンプ場に危険性の高いスズメバチとの遭遇履歴があること、並びにスズメバチに対する対処情報を知ることができる。
【0055】
本実施形態の生物情報提供支援システム100が含む生物情報提供支援装置10Aは、生物データベース蓄積部12により、例えば、生物情報提供支援端末20から取得した遭遇生物情報および遭遇位置情報を紐づけて遭遇生物データベースに蓄積できる。また、生物データベース蓄積部12は、さらに、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報に対処履歴情報を紐づけて前記遭遇生物データベースに蓄積することもできる。このため、本実施形態の生物情報提供支援装置10Aは、遭遇生物データベースの情報を更新でき、より適切な遭遇生物対処情報の提供が可能となる。
【0056】
[実施形態3]
本実施形態の第1のプログラムは、前述の生物情報提供支援方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態の第1のプログラムは、コンピュータに、生物情報提供手順を実行させるためのプログラムである。
【0057】
前記生物情報提供手順は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供する。
【0058】
また、本実施形態の第1のプログラムは、コンピュータを、生物情報提供手順として機能させるプログラムということもできる。
【0059】
本実施形態の第1のプログラムは、前記本開示の生物情報提供支援装置および生物情報提供支援方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態の第1のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリー(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリー、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態の第1のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0060】
[実施形態4]
本実施形態の第2のプログラムは、前述の生物情報提供支援システムにおける生物情報提供支援端末の処理の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、生物情報取得手順、遭遇位置情報取得手順、通信手順、および表示手順を実行させるためのプログラムである。
【0061】
前記生物情報取得手順は、遭遇生物情報を取得し、
前記遭遇位置情報取得手順は、遭遇生物に遭遇した遭遇位置情報を取得し、
前記通信手順は、生物情報提供支援装置と通信し、且つ、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報を前記生物情報提供支援装置に送信し、且つ、遭遇生物対処情報を受信し、
前記表示手順は、前記遭遇生物対処情報を表示する。
【0062】
また、本実施形態の第2のプログラムは、コンピュータを、生物情報取得手順、遭遇位置情報取得手順、通信手順、および表示手順として機能させるプログラムということもできる。
【0063】
本実施形態の第2のプログラムは、前記本開示の生物情報提供支援システムおよび生物情報提供支援端末における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリー(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリー、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0064】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0065】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
生物情報提供部を含み、
前記生物情報提供部は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供する、生物情報提供支援装置。
(付記2)
前記生物情報提供部は、候補生物提示部、および選択情報取得部を含み、
前記候補生物提示部は、前記遭遇生物情報に基づいて、少なくとも一つの候補生物情報を提示し、
前記選択情報取得部は、前記候補生物情報に関し、ユーザが選択した選択情報を取得し、
前記生物情報提供部は、前記選択情報と前記遭遇位置情報とに基づいて、前記遭遇生物データベースから、前記遭遇生物対処情報を提供する、付記1記載の生物情報提供支援装置。
(付記3)
前記生物情報提供部は、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とに基づいて、前記遭遇生物データベースから、遭遇生物に関連する関連生物情報を提供する、付記1または2記載の生物情報提供支援装置。
(付記4)
生物データベース蓄積部を含み、
前記生物データベース蓄積部は、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とを紐づけて、前記遭遇生物データベースに蓄積する、付記1から3のいずれかに記載の生物情報提供支援装置。
(付記5)
前記生物データベース蓄積部は、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報に対処履歴情報を紐づけて前記遭遇生物データベースに蓄積する、付記4記載の生物情報提供支援装置。
(付記6)
生物情報取得部、遭遇位置情報取得部、通信部、および表示部を含み、
前記生物情報取得部は、遭遇生物情報を取得し、
前記遭遇位置情報取得部は、遭遇生物に遭遇した遭遇位置情報を取得し、
前記通信部は、生物情報提供支援装置と通信し、且つ、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報を前記生物情報提供支援装置に送信し、且つ、遭遇生物対処情報を受信し、
前記表示部は、前記遭遇生物対処情報を表示する、生物情報提供支援端末。
(付記7)
対処履歴情報入力部を含み、
前記対処履歴情報入力部は、前記遭遇生物への対処履歴情報を入力し、
前記通信部は、前記生物情報提供支援装置に前記対処履歴情報を送信する、付記6記載の生物情報提供支援端末。
(付記8)
前記生物提供支援装置が、付記1から5のいずれかに記載の生物情報提供支援である、付記6または7記載の生物情報提供支援端末。
(付記9)
付記1から5のいずれかに記載の生物情報提供支援装置と、付記6から8のいずれかに記載の生物情報提供支援端末とを含む、生物情報提供支援システム。
(付記10)
生物情報提供工程を含み、
前記生物情報提供工程は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供する、生物情報提供支援方法。
(付記11)
前記生物情報提供工程は、候補生物提示工程、および選択情報取得工程を含み、
前記候補生物提示工程は、前記遭遇生物情報に基づいて、少なくとも一つの候補生物情報を提示し、
前記選択情報取得工程は、前記候補生物情報に関し、ユーザが選択した選択情報を取得し、
前記生物情報提供工程は、前記選択情報と前記遭遇位置情報とに基づいて、前記遭遇生物データベースから、前記遭遇生物対処情報を提供する、付記10記載の生物情報提供支援方法。
(付記12)
前記生物情報提供工程は、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とに基づいて、前記遭遇生物データベースから、遭遇生物に関連する関連生物情報を提供する、付記10または11記載の生物情報提供支援方法。
(付記13)
生物データベース蓄積工程を含み、
前記生物データベース蓄積工程は、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とを紐づけて、前記遭遇生物データベースに蓄積する、付記10から12のいずれかに記載の生物情報提供支援方法。
(付記14)
前記生物データベース蓄積工程は、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報に対処履歴情報を紐づけて前記遭遇生物データベースに蓄積する、付記13記載の生物情報提供支援方法。
(付記15)
生物情報提供手順を含み、
前記生物情報提供手順は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記16)
前記生物情報提供手順は、候補生物提示手順、および選択情報取得手順を含み、
前記候補生物提示手順は、前記遭遇生物情報に基づいて、少なくとも一つの候補生物情報を提示し、
前記選択情報取得手順は、前記候補生物情報に関し、ユーザが選択した選択情報を取得し、
前記生物情報提供手順は、前記選択情報と前記遭遇位置情報とに基づいて、前記遭遇生物データベースから、前記遭遇生物対処情報を提供する、付記15記載のプログラム。
(付記17)
前記生物情報提供手順は、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とに基づいて、前記遭遇生物データベースから、遭遇生物に関連する関連生物情報を提供する、付記15または16記載のプログラム。
(付記18)
生物データベース蓄積手順を含み、
前記生物データベース蓄積手順は、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とを紐づけて、前記遭遇生物データベースに蓄積する、付記15から17のいずれかに記載のプログラム。
(付記19)
前記生物データベース蓄積手順は、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報に対処履歴情報を紐づけて前記遭遇生物データベースに蓄積する、付記18記載のプログラム。
(付記20)
生物情報取得手順、遭遇位置情報取得手順、通信手順、および表示手順を含み、
前記生物情報取得手順は、遭遇生物情報を取得し、
前記遭遇位置情報取得手順は、遭遇生物に遭遇した遭遇位置情報を取得し、
前記通信手順は、生物情報提供支援装置と通信し、且つ、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報を前記生物情報提供支援装置に送信し、且つ、遭遇生物対処情報を受信し、
前記表示手順は、前記遭遇生物対処情報を表示し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記21)
対処履歴情報入力手順を含み、
前記対処履歴情報入力手順は、前記遭遇生物への対処履歴情報を入力し、
前記通信手順は、前記生物情報提供支援装置に前記対処履歴情報を送信する、付記20記載のプログラム。
(付記22)
前記生物提供支援装置が、付記1から5のいずれかに記載の生物情報提供支援である、付記20または21記載のプログラム。
(付記23)
生物情報提供手順を含み、
前記生物情報提供手順は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記24)
前記生物情報提供手順は、候補生物提示手順、および選択情報取得手順を含み、
前記候補生物提示手順は、前記遭遇生物情報に基づいて、少なくとも一つの候補生物情報を提示し、
前記選択情報取得手順は、前記候補生物情報に関し、ユーザが選択した選択情報を取得し、
前記生物情報提供手順は、前記選択情報と前記遭遇位置情報とに基づいて、前記遭遇生物データベースから、前記遭遇生物対処情報を提供する、付記23記載の記録媒体。
(付記25)
前記生物情報提供手順は、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とに基づいて、前記遭遇生物データベースから、遭遇生物に関連する関連生物情報を提供する、付記23または24記載の記録媒体。
(付記26)
生物データベース蓄積手順を含み、
前記生物データベース蓄積手順は、前記遭遇生物情報と前記遭遇位置情報とを紐づけて、前記遭遇生物データベースに蓄積する、付記23から25のいずれかに記載の記録媒体。
(付記27)
前記生物データベース蓄積手順は、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報に対処履歴情報を紐づけて前記遭遇生物データベースに蓄積する、付記26記載の記録媒体。
(付記28)
生物情報取得手順、遭遇位置情報取得手順、通信手順、および表示手順を含み、
前記生物情報取得手順は、遭遇生物情報を取得し、
前記遭遇位置情報取得手順は、遭遇生物に遭遇した遭遇位置情報を取得し、
前記通信手順は、生物情報提供支援装置と通信し、且つ、前記遭遇生物情報および前記遭遇位置情報を前記生物情報提供支援装置に送信し、且つ、遭遇生物対処情報を受信し、
前記表示手順は、前記遭遇生物対処情報を表示し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記29)
対処履歴情報入力手順を含み、
前記対処履歴情報入力手順は、前記遭遇生物への対処履歴情報を入力し、
前記通信手順は、前記生物情報提供支援装置に前記対処履歴情報を送信する、付記28記載の記録媒体。
(付記30)
前記生物提供支援装置が、付記1から5のいずれかに記載の生物情報提供支援である、付記28または29記載の記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本開示は、遭遇生物情報と遭遇位置情報とに基づいて、遭遇生物データベースから遭遇生物対処情報を提供できる。このため、本開示は、例えば、農業、観光業等の分野において有用である。
【符号の説明】
【0067】
10、10A 生物情報提供支援装置
11 生物情報提供部
12 生物データベース蓄積部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信デバイス
100 生物情報提供支援システム
20 生物情報提供支援端末
21 生物情報取得部
22 遭遇位置情報取得部
23 通信部
24 表示部
25 対処履歴情報入力部
201 中央処理装置
202 メモリ
203 バス
204 記憶装置
205 入力装置
206 出力装置
207 通信デバイス
30 通信回線網

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7