(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171139
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】紫外線殺菌装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20241204BHJP
C02F 1/32 20230101ALI20241204BHJP
H01L 23/473 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
A61L2/10
C02F1/32
H01L23/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088054
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】宇和川 智
(72)【発明者】
【氏名】松友 伸司
(72)【発明者】
【氏名】大崎 和隆
(72)【発明者】
【氏名】武内 誠
(72)【発明者】
【氏名】山岡 信也
(72)【発明者】
【氏名】村中 貴志
(72)【発明者】
【氏名】手嶋 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】笹尾 智浩
【テーマコード(参考)】
4C058
4D037
5F136
【Fターム(参考)】
4C058AA20
4C058BB06
4C058KK02
4C058KK14
4C058KK23
4D037AA01
4D037AB03
4D037BA18
5F136CB07
5F136DA33
(57)【要約】
【課題】紫外線発光ダイオードの過熱を防止できる紫外線殺菌装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る紫外線殺菌装置100は、内部に冷媒が流通する冷媒流路111を有する支持体110と、前記支持体110の外面に配設される1つ以上の紫外線発光ダイオード120と、前記紫外線発光ダイオード120および前記支持体110の外側を覆い、紫外線を透過する保護筒130と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に冷媒が流通する冷媒流路を有する支持体と、
前記支持体の外面に配設される1つ以上の紫外線発光ダイオードと、
前記紫外線発光ダイオードおよび前記支持体の外側を覆い、紫外線を透過する保護筒と、を備える紫外線殺菌装置。
【請求項2】
前記冷媒を折り返すことにより、前記支持体の内側と外側で向きが異なる前記冷媒の流れを形成するよう、前記支持体は少なくとも一部に開口を有する、請求項1に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項3】
前記支持体は、先端部が封止され、内部空間が前記冷媒流路とされる筒状であり、
前記支持体の内部に配設され、前記支持体の内部空間を、前記支持体の基端部に供給される前記冷媒を前記支持体の先端部に案内する往路と、前記冷媒を前記支持体の先端部から基端部に案内する復路と、に分割する分割部材をさらに備える、
請求項1に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項4】
前記保護筒の外側に配置され、前記支持体の内部を流れる前記冷媒の少なくとも一部を循環させる外側流路を形成する外側流路部材と、
前記冷媒を循環させる冷却ポンプを、
さらに備える、請求項1に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項5】
前記保護筒は、外側流路部材により支持される、請求項4に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項6】
前記保護筒の内側で前記紫外線発光ダイオードを覆い、紫外線を透過する内部保護部材と、
前記支持体の先端部において、前記支持体の内部空間と、前記保護筒と前記内部保護部材の間の空間とを連通させる連通流路と、
前記支持体の基端部において、前記支持体の内部空間と、前記保護筒と前記内部保護部材の間の空間とを、連通させる冷却流路と、
前記支持体の内部空間と、前記保護筒と前記内部保護部材の間の空間と、に封入される前記冷媒を前記連通流路および前記冷却流路を通して流動させる冷却ポンプと、
をさらに備える、請求項1に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項7】
前記支持体および前記保護筒は、それぞれ軸方向に連結可能な1以上のモジュールから形成される請求項1から6のいずれかに記載の紫外線殺菌装置。
【請求項8】
少なくとも1つの前記紫外線発光ダイオードは、出射される紫外光の少なくとも一部が前記保護筒の軸方向に照射されるように配設される、請求項1から6のいずれかに記載の紫外線殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タンク、流路等において、水に紫外線を照射して殺菌を行う紫外線殺菌装置が知られている。近年、紫外線を発する紫外線発光ダイオード(UV-LED)を光源とする紫外線殺菌装置の利用が検討されている。紫外線発光ダイオードは比較的発光効率が低いため、発熱により自身の温度を増大させ得る。紫外線発光ダイオードの温度が高くなり過ぎると、紫外線発光ダイオードが損傷したり、寿命が短くなったりするおそれがある。このため、紫外線発光ダイオードに、雰囲気中に熱を放散させる放熱部材(ヒートシンク)を設けることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
殺菌効率を高めるために、例えばタンクや流路の内部に突出するよう紫外線光源を配置する浸漬式の紫外線殺菌装置も知られている。浸漬式の紫外線殺菌装置では、液体の中に配置されるガラス管等の密閉容器の中に光源が配置されるために、雰囲気中に放熱するだけでは光源(紫外線発光ダイオード)の過熱を十分に抑制できないおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、紫外線発光ダイオードの過熱を防止できる紫外線殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る紫外線殺菌装置は、内部に冷媒が流通する冷媒流路を有する支持体と、前記支持体の外面に配設される1つ以上の紫外線発光ダイオードと、前記紫外線発光ダイオードおよび前記支持体の外側を覆い、紫外線を透過する保護筒と、を備える。
【0007】
上述の紫外線殺菌装置において、前記冷媒を折り返すことにより、前記支持体の内側と外側で向きが異なる前記冷媒の流れを形成するよう、前記支持体は少なくとも一部に開口を有してもよい。
【0008】
上述の紫外線殺菌装置において、前記支持体は、先端部が封止され、内部空間が前記冷媒流路とされる筒状であり、紫外線殺菌装置は、前記支持体の内部に配設され、前記支持体の内部空間を、前記支持体の基端部に供給される前記冷媒を前記支持体の先端部に案内する往路と、前記冷媒を前記支持体の先端部から基端部に案内する復路と、に分割する分割部材をさらに備えてもよい。
【0009】
上述の紫外線殺菌装置は、前記保護筒の外側に配置され、前記支持体の内部を流れる前記冷媒の少なくとも一部を循環させる外側流路を形成する外側流路部材と、前記冷媒を循環させる冷却ポンプを、さらに備えてもよい。
【0010】
上述の紫外線殺菌装置において、前記保護筒は、外側流路部材により支持されてもよい。
【0011】
上述の紫外線殺菌装置は、前記保護筒の内側で前記紫外線発光ダイオードを覆い、紫外線を透過する内部保護部材と、前記支持体の先端部において、前記支持体の内部空間と、前記保護筒と前記内部保護部材の間の空間とを連通させる連通流路と、前記支持体の基端部において、前記支持体の内部空間と、前記保護筒と前記内部保護部材の間の空間とを、連通させる冷却流路と、前記支持体の内部空間と、前記保護筒と前記内部保護部材の間の空間と、に封入される前記冷媒を前記連通流路および前記冷却流路を通して流動させる冷却ポンプと、をさらに備えてもよい。
【0012】
上述の紫外線殺菌装置において、前記支持体および前記保護筒は、それぞれ軸方向に連結可能な1以上のモジュールから形成されてもよい。
【0013】
上述の紫外線殺菌装置において、少なくとも1つの前記紫外線発光ダイオードは、出射される紫外光の少なくとも一部が前記保護筒の軸方向に照射されるように配設されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、紫外線発光ダイオードの過熱を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る紫外線殺菌装置を示す模式断面図である。
【
図2】本発明の第2実施形態に係る紫外線殺菌装置を示す模式断面図である。
【
図3】本発明の第3実施形態に係る紫外線殺菌装置を示す模式断面図である。
【
図4】本発明の第4実施形態に係る紫外線殺菌装置を示す模式断面図である。
【
図5】本発明の第5実施形態に係る紫外線殺菌装置を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されている。また、後から説明する実施形態については、先に説明した実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して重複する説明を省略することがある。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る紫外線殺菌装置100を示す模式断面図である。紫外線殺菌装置100は、流体を貯留するタンクまたは流体が流通する流路の開口に取り付けられ、タンクまたは流路の内部に紫外線を照射することにより、タンクまたは流路の中の流体を殺菌する装置である。紫外線殺菌装置100は、支持体110と、紫外線発光ダイオード120と、保護筒130と、ファン140と、フランジ150と、を備える。
【0018】
支持体110は、内部に冷媒として利用される空気、およびUV透過率の高い絶縁流体が流通する第1冷媒流路111を有する筒状体であり、第1冷媒流路111に突出する複数の冷却フィン112を有してもよい。支持体110は、外面に1以上の紫外線発光ダイオード120を支持する。支持体110は、比較的熱伝導率が高い例えばアルミニウム、ステンレス鋼等の金属から形成されることが好ましい。支持体110は、その外側、つまり保護筒130との間にも冷媒が流通する第2冷媒流路113を画定する。支持体110は、冷媒を折り返すことにより、支持体110の内側と外側で向きが異なる冷媒の流れを形成するよう、少なくとも一部に、典型的には図示するように先端に通気開口114を有する。通気開口114は、支持体110の周面に開口してもよい。
【0019】
紫外線発光ダイオード120は、支持体110の外面に配設され、流体を殺菌可能な紫外線を出射する。紫外線発光ダイオード120は、支持体110に熱を放出できるよう配設される。具体例として、紫外線発光ダイオード120は、プリント配線板に実装され、熱伝導性シートを介してプリント配線板を支持体110に取り付けることによって支持体110に配設され得る。
【0020】
保護筒130は、紫外線発光ダイオード120および支持体110の外側を覆う筒状体であり、先端(遠位端)を封止する端壁131を有する。保護筒130は、タンクまたは流路の中の流体が紫外線発光ダイオード120に接触することを防止する。保護筒130は、紫外線を透過するガラス、樹脂等から形成される。保護筒130は、第1冷媒流路111を通過して通気開口114から流出する冷媒を第2冷媒流路113に導入できるよう、支持体110の先端側に隙間を空けて端壁131を配置するよう配設される。保護筒130は、例えば径方向外側に平行に配設される支持棒などの不図示の支持体によって支持されてもよい。
【0021】
ファン140は、第1冷媒流路111および第2冷媒流路113を通して空気を流通させる。これにより、紫外線発光ダイオード120を冷却して、紫外線発光ダイオード120の過熱による発光効率の低下および寿命の短縮を防止する。
【0022】
フランジ150は、支持体110および保護筒130を保持し、タンクまたは流路に固定される。これにより、支持体110および保護筒130は、タンクまたは流路の中に突出するよう保持される。
【0023】
以上の構成を有する紫外線殺菌装置100は、外気を取り込んで紫外線発光ダイオード120を冷却するため、紫外線発光ダイオード120の過熱を防止できる。
【0024】
[第2実施形態]
図2は、本発明の第2実施形態に係る紫外線殺菌装置200を示す模式断面図である。紫外線殺菌装置200は、第1実施形態の紫外線殺菌装置100と同様にタンクまたは流路の中の流体を殺菌する装置である。紫外線殺菌装置200は、支持体210と、紫外線発光ダイオード120と、保護筒130と、フランジ250と、分割部材260と、を備える。
【0025】
支持体210は、内部空間が外部から供給される液状の冷媒が流通する冷媒流路211とされる筒状体である。支持体210の先端は、封止板212によって封止されている。支持体210は、外周面および先端面にそれぞれ紫外線発光ダイオード120が配設される。支持体210は、比較的熱伝導率が高い例えばアルミニウム、ステンレス鋼等の金属から形成されることが好ましい。
【0026】
紫外線発光ダイオード120は、支持体210の外面に配設され、流体を殺菌可能な紫外線を出射する。本実施形態において、少なくとも1つの紫外線発光ダイオード120は、出射される紫外光の少なくとも一部が支持体210および保護筒130の軸方向に照射されるよう配設される。具体的には、一部の紫外線発光ダイオード120は、支持体210の封止板212によって形成される先端面に配設される。一部の紫外線発光ダイオード120が軸方向に紫外光を出射することで、多様なタンク、流路等において効率的に流体を殺菌できる。
【0027】
フランジ250は、支持体210および保護筒130を保持し、タンクまたは流路に固定される。フランジ250は、支持体210と保護筒130の間の空間の基端側を封止する。
【0028】
分割部材260は、支持体210の内部に配設され、支持体210の内部空間、つまり冷媒流路211を、支持体210の基端部に供給される冷媒を支持体210の先端部に案内する 往路213と、冷媒を支持体210の先端部から基端部に案内する復路214と、に分割する。このように、分割部材260によって支持体210の内側で冷媒を往復させることで、冷媒を紫外線発光ダイオード120やその電気回路に接触させることなく、紫外線発光ダイオード120を冷却できる。
【0029】
以上の構成を有する紫外線殺菌装置200は、冷媒によって紫外線発光ダイオード120を効率よく冷却するため、紫外線発光ダイオード120の過熱を防止できる。
【0030】
[第3実施形態]
図3は、本発明の第3実施形態に係る紫外線殺菌装置300を示す模式断面図である。紫外線殺菌装置300は、他の実施形態の紫外線殺菌装置100,200と同様にタンクまたは流路の中の流体を殺菌する装置である。紫外線殺菌装置300は、支持体210と、紫外線発光ダイオード120と、保護筒130と、フランジ350と、分割部材260と、外側流路部材370と、冷却ポンプ380と、を備える。
【0031】
フランジ350は、支持体210、保護筒130および外側流路部材370を保持し、タンクまたは流路に固定される。
【0032】
外側流路部材370は、保護筒130の外側に配置され、支持体210の内部を流れる冷媒の少なくとも一部を循環させる外側流路371を形成する。外側流路部材370は、フランジ350を貫通してタンクまたは流路の内部に延出し、保護筒130の遠位側で折り返してフランジ350に戻るパイプ状の部材によって形成され得る。外側流路部材370の一端は、第1冷却流路372によって 往路213に接続され、外側流路部材370の一端は、第2冷却流路373によって復路214に接続される。外側流路部材370は、紫外線殺菌装置300の内部に封入される冷媒とタンクまたは流路の内部の流体と熱交換を行う。つまり、外側流路部材370は、紫外線殺菌装置300の内部に封入される冷媒の熱をタンクまたは流路の内部の流体に放出する。また、外側流路部材370は、保護筒130を支持する部材としても使用され得る。具体的には、外側流路部材370には、保護筒130を保持するサポートリング374が取付られてもよい。保護筒130を支持する部材として外側流路部材370を用いることで、構成を簡素化でき、紫外線を遮蔽し得る構成要素を減らすことができる。
【0033】
冷却ポンプ380は、紫外線殺菌装置300の内部に封入される冷媒を循環させる。つまり、冷却ポンプ380は、冷媒流路211および外側流路371を通して冷媒を循環させる。冷却ポンプ380が冷媒を循環させることによって、冷媒が冷媒流路211において紫外線発光ダイオード120から奪った熱は、外側流路371においてタンクまたは流路の内部の流体に放出される。
【0034】
以上の構成を有する紫外線殺菌装置300は、冷媒によって紫外線発光ダイオード120を効率よく冷却するため、紫外線発光ダイオード120の過熱を防止できる。また、紫外線殺菌装置300は、内部に封入した冷媒を循環させて、紫外線発光ダイオード120の熱をタンクまたは流路の内部の流体に放出するため、外部から継続的に冷媒を供給する必要がなく、冷媒の排水が生じない。
【0035】
[第4実施形態]
図4は、本発明の第4実施形態に係る紫外線殺菌装置400を示す模式断面図である。紫外線殺菌装置400は、他の実施形態の紫外線殺菌装置100,200,300と同様にタンクまたは流路の中の流体を殺菌する装置である。紫外線殺菌装置400は、支持体410と、紫外線発光ダイオード120と、保護筒130と、フランジ450と、冷却ポンプ480と、内部保護部材490と、を備える。
【0036】
支持体410は、内側の空間が冷媒が流通する第1冷媒流路411とされる筒状体である。つまり、支持体410の内部空間が第1冷媒流路411である。支持体410は、外面に1以上の紫外線発光ダイオード120を支持する。支持体410は、比較的熱伝導率が高い例えばアルミニウム、ステンレス鋼等の金属から形成されることが好ましい。支持体410は、少なくとも一部に、典型的には図示するように先端に冷媒を流出させ得る流通開口412を有する。流通開口412は、支持体410の周面に開口してもよい。
【0037】
内部保護部材490は、紫外線を透過する材料から形成され、保護筒130の内側で紫外線発光ダイオード120を気密に覆うよう配設される。内部保護部材490は、支持体410に嵌装され、先端に支持体410との間を封止するリブ491を有する筒状体とされ得る。また、内部保護部材490は、1以上の紫外線発光ダイオード120を覆うよう支持体410の外面に気密に取り付けられる複数のドーム状の部材であってもよく、支持体410の外面に紫外線発光ダイオード120を埋め込むよう盛り付けられた樹脂モールドであってもよい。保護筒130と内部保護部材490と間の空間は、冷媒が流通する第2冷媒流路492となる。また、支持体410および内部保護部材490の先端と保護筒130の端壁131との間の空間は、第1冷媒流路411と第2冷媒流路492とを連通させる連通流路493となる。
【0038】
フランジ450は、支持体410および保護筒130を保持し、タンクまたは流路に固定される。フランジ450は、保護筒130と内部保護部材490の間の空間、つまり第2冷媒流路492に開口する貫通流路451を有する。
【0039】
冷却ポンプ480は、紫外線殺菌装置300の内部に封入される冷媒を循環させる。つまり、冷却ポンプ480は、第1冷媒流路411および第2冷媒流路492を通して冷媒を循環させる。冷却ポンプ480は、貫通流路451を通して冷媒流路211と外側流路371を接続する冷却流路481に設けられ得る。
【0040】
以上の構成を有する紫外線殺菌装置400は、保護筒130を介して冷媒とタンクまたは流路の内部の流体との熱交換を行う。これにより、冷媒が冷媒流路211において紫外線発光ダイオード120から奪った熱は、タンクまたは流路の内部の殺菌対象である流体に放出される。このように、紫外線殺菌装置400は、少量の冷媒を循環させることにより、紫外線発光ダイオード120の過熱を防止できるので、冷媒の排水が生じない。
[第5実施形態]
図5は、本発明の第5実施形態に係る紫外線殺菌装置500を示す模式断面図である。紫外線殺菌装置500は、他の実施形態の紫外線殺菌装置100,200,300,400と同様にタンクまたは流路の中の流体を殺菌する装置である。紫外線殺菌装置500は、支持体510と、紫外線発光ダイオード120と、保護筒530と、フランジ550と、冷却ポンプ580と、を備える。
【0041】
支持体510は、内部に冷媒が流通する冷媒流路511を有する筒状体であり、外面に1以上の紫外線発光ダイオード120を支持する。支持体510は、軸方向に連結可能な1以上の支持体モジュール512から形成される。支持体モジュール512は、両端が開口している。支持体モジュール512は、互いに軸方向に接続するフランジ、フェルール、ネジ等の接続構造513を有する。
【0042】
保護筒530は、紫外線発光ダイオード120および支持体510の外側を覆う筒状体である。保護筒530と支持体510の間の空間の基端側はフランジ550によって封止され、保護筒530と支持体510の空間の先端側は、環状の封止部材531によって封止される。このため、冷媒流路511先端部は、タンクまたは流路の内部空間に開放される。また、保護筒530は、軸方向に連結可能な1以上の保護筒モジュール532から形成される。保護筒モジュール532は、互いに軸方向に接続するフランジ、フェルール、ネジ等の接続構造533を有する。
【0043】
フランジ550は、支持体510および保護筒530を保持し、タンクまたは流路に固定される。フランジ550は、保護筒130の外側に開口する貫通流路551を有する。
【0044】
冷却ポンプ580は、タンクまたは流路の中の流体を支持体510の冷媒流路511および貫通流路551を通過するよう流動させる。つまり、紫外線殺菌装置500では、紫外線発光ダイオード120を冷却するための冷媒としてタンクまたは流路の中の殺菌対象である流体を使用する。冷却ポンプ580は、貫通流路551を通して第1冷媒流路511とタンクまたは流路の内部空間と冷媒流路511とを接続する冷却流路581に設けられ得る。
【0045】
以上の構成を有する紫外線殺菌装置500は、タンクまたは流路の中の流体を冷媒として使用するため、冷媒の排水が生じない。また、紫外線殺菌装置500を長さ方向に接続される複数のモジュール512,532から構成されるため、タンクまたは流路の形状に応じて適切な長さを有するものとされ得る。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更および変形が可能である。
【符号の説明】
【0047】
100,200,300,400,500 紫外線殺菌装置
110,210,410,510 支持体
111,113,211,411,492,511 冷媒流路
112 冷却フィン
114 通気開口
120 紫外線発光ダイオード
130,530 保護筒
131 端壁
140 ファン
150,250,350,450,550 フランジ
212 封止板
213 往路
214 復路
260 分割部材
370 外側流路部材
371 外側流路
372,373 冷却流路
374 サポートリング
380,480,580 冷却ポンプ
412 流通開口
451,551 貫通流路
481,581 冷却流路
491 リブ
493 連通流路
512 支持体モジュール
513 接続構造
531 封止部材
532 保護筒モジュール
533 接続構造