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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017116
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ロボットアーム、及び、飛行ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20240201BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B25J5/00 Z
B64C39/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119552
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】390029805
【氏名又は名称】THK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 純
(72)【発明者】
【氏名】岡田 典真
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 拓生
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS09
3C707CS08
3C707KS36
3C707KT01
3C707KT05
3C707KV11
3C707KX05
3C707WA26
(57)【要約】
【課題】飛行ロボット等への取付自由度を確保しつつ、正確且つ効率的な作業の実現に寄与することができるロボットアーム及びロボットアームを備えた飛行ロボットを提供する。
【解決手段】本発明では、ロボットアームの基端部が飛行ロボットに接続され、ロボットアームの先端部がエンドエフェクタに接続される。ロボットアームの基端部と先端部との間の複数箇所には、飛行ロボットのピッチ軸と平行な軸周りに回転する第1の関節部が設けられる。ロボットアームの基端部と先端部との間の少なくとも1箇所には、飛行ロボットのヨー軸と平行な軸周りに回転する第2の関節部が設けられる。ロボットアームは、第1の関節部と第2の関節部との各々を駆動する複数のアクチュエータを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端部が飛行ロボットに接続され、先端部がエンドエフェクタに接続されるロボットアームであって、
前記基端部と前記先端部との間の複数箇所に設けられ、前記飛行ロボットのピッチ軸と平行な軸周りに回転する複数の第1の関節部と、
前記基端部と前記先端部との間の少なくとも1箇所に設けられ、前記飛行ロボットのヨー軸と平行な軸周りに回転する第2の関節部と、
複数の前記第1の関節部と前記第2の関節部との各々を駆動する複数のアクチュエータと、
を備える、
ロボットアーム。
【請求項2】
前記第2の関節部は、複数の前記第1の関節部よりも、前記先端部側に設けられる、
請求項1に記載のロボットアーム。
【請求項3】
前記エンドエフェクタは、作業対象を検出するためのセンサを含む、
請求項2に記載のロボットアーム。
【請求項4】
前記飛行ロボットのヨー軸と平行な軸周りに前記基端部を回転させる、回転駆動部を更に備える、
請求項1に記載のロボットアーム。
【請求項5】
複数の前記第1の関節部は、3つ以上である、
請求項1に記載のロボットアーム。
【請求項6】
請求項1から4の何れか1項に記載のロボットアームが取り付けられる、飛行ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットアーム、及び、飛行ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高所等での作業に利用される、無人ヘリコプタ又はドローン等の無人飛行体の開発が進められている。このような無人飛行体には、先端部にエンドエフェクタを備えた作業用のロボットアームが取り付けられる場合がある。作業用のロボットアームとしては、無人飛行体のピッチ軸と平行な軸周りに回転する関節を複数備えたものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6371959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業用のロボットアームを備えた無人飛行体(以下、「飛行ロボット」と記す場合もある。)を利用して、高所等に設置されている機器等の作業対象に対する点検や保守等の作業を行う場合、飛行ロボットをホバリングさせつつ、エンドエフェクタを作業対象に接触させる必要がある。
【0005】
ところで、ホバリング状態の飛行ロボットに対しては、風や気流等の外乱が作用する。これにより、飛行ロボットの姿勢変化(例えば、ピッチング等)、およびまたは、飛行ロボットの位置変化(例えば、高度又は水平位置の変化等)が発生する可能性がある。
【0006】
しかしながら、上記した従来技術では、飛行ロボットの姿勢や位置の変化に起因する、作業対象に対するエンドエフェクタの相対的な姿勢や位置の変化を、ロボットアームで吸収しきれない可能性がある。特に、風等の影響による飛行ロボットの左右方向における水平位置の変化が発生した場合には、作業対象に対するエンドエフェクタの相対的な姿勢や位置の変化を、ロボットアームにより吸収することができない可能性がある。その結果、作業対象に対する作業を正確且つ効率的に行うことが難しくなる可能性がある。
【0007】
また、エンドエフェクタの作業には、作業対象と飛行ロボットとの相対位置、及びロボットアームの2つの要素が複合的に作用する。そのため、飛行ロボットの操縦者は、飛行ロボットの機体操作とロボットアームの操作との双方を適宜行う必要があり、従来のドローン操縦者よりも高度な技能が要求される。特に、鉄塔等の構造物近傍では、飛行ロボットの安定飛行に用いられるコンパスやGPS(Global Positioning System)等の利用が
困難な場合も多いため、操縦者に要求される技能がより一層高度になり、ロボットアームや飛行ロボットの普及の妨げになる可能性がある。
【0008】
これに対し、作業対象の周囲にある壁面等に吸着する機構を、飛行ロボットに取り付けることで、飛行ロボットの姿勢変化及び位置変化を抑制する方法が考えられる。或いは、作業対象の周囲にある壁面等に接触する機構を飛行ロボットに取り付けるとともに、当該機構を壁面等に押し付けるように飛行ロボットを制御する機構を飛行ロボットに取り付けることで、飛行ロボットの姿勢変化及び位置変化を抑制する方法も考えられる。これらの方法においては、飛行ロボットの姿勢変化及び位置変化を抑制するための機構を、飛行ロボットに追加する必要がある。その結果、ロボットアームを取り付けることができる飛行
ロボットが限定される可能性がある。
【0009】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、飛行ロボット等への取付自由度を確保しつつ、正確且つ効率的な作業の実現に寄与することができるロボットアーム及びロボットアームを備えた飛行ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様の一つは、基端部が飛行ロボットに接続され、先端部がエンドエフェクタに接続される、ロボットアームである。本発明に係るロボットアームは、例えば、前記基端部と前記先端部との間に設けられ、前記飛行ロボットのピッチ軸と平行な軸周りに回転する複数の第1の関節部と、
前記基端部と前記先端部との間に設けられ、前記飛行ロボットのヨー軸と平行な軸周りに回転する第2の関節部と、
前記第1の関節部と前記第2の関節部との各々を駆動する複数のアクチュエータと、を備えるようにしてもよい。
【0011】
なお、本発明は、上記のロボットアームが取り付けられる飛行ロボットとして捉えることもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、飛行ロボット等への取付自由度を確保しつつ、正確且つ効率的な作業の実現に寄与することができるロボットアーム及びロボットアームを備えた飛行ロボットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ドローンを用いて風力発電機の点検を行う態様の一例を示す図である。
図2】実施形態におけるドローンの概略構成の一例を示す図である。
図3】実施形態におけるロボットアームの構成の一例を示す上面図である。
図4】実施形態におけるロボットアームの構成の一例を示す左側面図である。
図5】実施形態におけるプローブ機構の構成の一例を示す斜視図である。
図6】実施形態において、プローブ機構の電極が風力発電機のレセプタに接触している状態でのロボットアームの動作例を示す第1の図である。
図7】実施形態において、プローブ機構の電極が風力発電機のレセプタに接触している状態でのロボットアームの動作例を示す第2の図である。
図8】実施形態において、プローブ機構の電極が風力発電機のレセプタに接触している状態でのロボットアームの動作例を示す第3の図である。
図9】実施形態において、プローブ機構の電極が風力発電機のレセプタに接触している状態でのロボットアームの動作例を示す第4の図である。
図10】実施形態において、プローブ機構の電極が風力発電機のレセプタに接触している状態でのロボットアームの動作例を示す第5の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の態様の1つであるロボットアームでは、ロボットアームの基端部がロボットと接続され、ロボットアームの先端部がエンドエフェクタと接続される。エンドエフェクタは、例えば、高所等に設置されている作業対象の保守や点検等を行う機器である。ロボットアームの基端部と先端部との間には、第1の関節部と第2の関節部とが設けられる。
【0015】
第1の関節部は、ロボットアームの基端部と先端部との間の複数箇所に設けられ、飛行ロボットのピッチ軸と平行な軸(以下、「第1の軸」と記す場合もある。)周りに回転する。各第1の関節部は、アクチュエータ(以下、「第1のアクチュエータ」と記す場合も
ある。)により回転駆動される。これにより、ロボットアームは、基端部と先端部との間の複数箇所において第1の軸周りに屈曲及び伸展することが可能になる。
【0016】
第2の関節部は、ロボットアームの基端部と先端部との間の少なくとも1箇所に設けられ、飛行ロボットのヨー軸と平行な軸(以下、「第2の軸」と記す場合もある。)周りに回転する。第1の関節部は、アクチュエータ(以下、「第2のアクチュエータ」と記す場合もある。)により回転駆動される。これにより、ロボットアームは、基端部と先端部との間の少なくとも1箇所において第2の軸周りに屈曲及び伸展することが可能になる。
【0017】
本開示に係るロボットアームによれば、第1のアクチュエータにより複数の第1の関節部を第1の軸周りに回転させることで、飛行ロボットのピッチングや高度変化(鉛直方向における位置変化)を吸収することが可能になる。これにより、飛行ロボットのピッチングや高度の変化が発生した場合に、エンドエフェクタの姿勢変化及び位置変化を抑制することができる。
【0018】
また、本開示に係るロボットアームによれば、第2のアクチュエータにより少なくとも1箇所の第2の関節部を回転させることで、飛行ロボットの左右方向における水平位置の変化を吸収することが可能になる。これにより、飛行ロボットの左右方向における水平位置の変化が発生した場合に、エンドエフェクタの姿勢変化及び位置変化を抑制することができる。
【0019】
したがって、高所等に設置されている機器等の作業対象に対する作業を開始する場合に、エンドエフェクタを適正な姿勢で速やかに作業対象に接触させることが可能になる。また、エンドエフェクタが作業対象に接触している途中で飛行ロボットのピッチング、高度の変化、及び、左右方向における水平位置の変化が発生した場合に、エンドエフェクタの姿勢及び位置を適正な姿勢及び位置に維持することが可能になる。その結果、対象機器に対する作業を正確且つ効率的に行うことが可能になる。また、飛行ロボットの姿勢変化や位置変化を抑制する機構を備えていない飛行ロボットに取り付けることも可能になる。
【0020】
ここで、第2の関節部は、複数の第1の関節部よりも、先端部側のロボットアームに設けられるようにしてもよい。その場合、第2の関節部からエンドエフェクタの先端部までの長さが短くなるため、第2の関節部からエンドエフェクタの先端部までの慣性重量を可能な限り小さく抑えることができる。これにより、第2の関節部の単位回転角度(例えば、1°CA)に対する、エンドエフェクタの先端部の移動量を少なくすることができる。また、第2の関節部を回転させた際の、エンドエフェクタの先端部の振動を可能な限り小さく抑えることもできる。その結果、作業対象に対する作業の開始にあたって、エンドエフェクタを作業対象に接触させる際に、エンドエフェクタの姿勢及び位置の調整を精度良く行うことができる。特に、作業対象を検出するためのセンサがエンドエフェクタに装備される場合等のように、エンドエフェクタの慣性重量が比較的大きくなる場合において、エンドエフェクタの姿勢及び位置の調整を精度良く行うことができる。また、第2の関節部からエンドエフェクタの先端部までの慣性重量が可能な限り小さく抑えられると、第2の関節部を駆動するアクチュエータの定格容量を小さく抑えることもできる。これにより、アクチュエータの小型化及び軽量化を図ることも可能になる。これに伴い、複数の第1のアクチュエータにかかる負荷を小さく抑えることもできるため、複数の第1のアクチュエータの小型化及び軽量化を図ることも可能になる。なお、ここでいう「センサ」は、例えば、作業対象の位置を検出するためのカメラ、及び、作業対象までの距離を検出する距離センサ等である。
【0021】
また、ロボットアームの基端部と飛行ロボットとの接続部分には、飛行ロボットのヨー軸と平行な軸周りに基端部を回転させる、回転駆動部が設けられるようにしてもよい。こ
れにより、飛行ロボットのヨーイングが発生した場合に、回転駆動部を回転させることで、飛行ロボットのヨーイングをロボットアームで吸収することが可能になる。その結果、飛行ロボットのヨーイングが発生した場合においても、エンドエフェクタの姿勢変化及び位置変化を抑制することができる。
【0022】
また、ロボットアームには、3つ以上の第1の関節部が設けられるようにしてもよい。3つ以上の第1の関節部がロボットアームに設けられると、飛行ロボットのピッチング及び高度変化に加え、飛行ロボットの前後方向における水平位置の変化も、ロボットアームで吸収することが可能になる。その結果、飛行ロボットの前後方向における水平位置の変化が発生した場合においても、エンドエフェクタの姿勢変化及び位置変化を抑制することができる。また、3つ以上の第1の関節部がロボットアームに設けられると、エンドエフェクタを作業対象に接触させる際における、飛行ロボットをホバリングさせる位置の自由度を高めることも可能になる。
【0023】
本発明の他の態様は、上記したように構成されるロボットアームを備えた飛行ロボットである。飛行ロボットは、高所等に設置されている作業対象に対し、上記ロボットアームを利用することができる。これにより、飛行ロボットは、飛行ロボットの姿勢変化及び位置変化を抑制するための機構を備えていなくても、エンドエフェクタの姿勢変化及び位置変化を抑制することができる。
【0024】
以下に図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の実施形態は可能な限り組み合わせることができる。
【0025】
<実施形態>
本実施形態では、本発明に係るロボットアームを、風力発電機20を点検するドローン1に適用する例について説明する。図1は、ドローン1を用いて風力発電機20を点検する態様の一例を示す図である。
【0026】
風力発電機20は、地上に直立するタワー21と、タワー21の上部に備わり風を受けて回転するブレード22を備える。ブレード22には、レセプタ23が設けられる。レセプタ23は、受雷時の雷電流を接地させるための機器であり、接地電極と電線等を介して接続されている。
【0027】
ドローン1は、風力発電機20の避雷機能を点検するための飛行ロボットである。本実施形態では、ドローン1は、レセプタ23と接地電極とが導通しているかを点検するために使用される。斯様な点検は、例えば、ドローン1によりレセプタ23に電圧を印加したときの接地電極に流れる電流値を検出する方法で行われる。そのため、ドローン1には、点検装置31からドローン1へ点検用の電力を供給するためのワイヤ30が接続される。点検装置31は、ドローン1を用いてレセプタ23に電圧を印加し、接地電極を流れる電流値を検出する。
【0028】
本実施形態のドローン1には、ロボットアーム100が取り付けられ、ロボットアーム100の先端部にはプローブ機構40が取り付けられる。プローブ機構40は、風力発電機20のレセプタ23と接触して、レセプタ23に電圧を印加するための機器である。そのため、プローブ機構40には、上記のワイヤ30が接続される。本実施形態においては、プローブ機構40が本発明に係るエンドエフェクタに相当する。ロボットアーム100は、ドローン1がレセプタ23の近傍でホバリングしているときに、レセプタ23に対してプローブ機構40を適正な角度(姿勢)で接触させるとともに、レセプタ23に対する
プローブ機構40の接触角度を適正な角度に維持する機能を有する。
【0029】
(ドローン)
ここで、本実施形態におけるドローン1の構成について図2に基づいて説明する。図2は、ロボットアーム100が取り付けられた状態のドローン1の概略構成例を示す図である。本実施形態におけるドローン1は、本体部11と、複数のブリッジ12と、複数のアクチュエータ13と、複数のプロペラ14と、を含んで構成される。
【0030】
ブリッジ12は、本体部11を中心にして放射状に延在するように形成される。各ブリッジ12の先端部には、アクチュエータ13とプロペラ14とが取り付けられる。プロペラ14は、アクチュエータ13により回転駆動されて、ドローン1の推進力と揚力とを発生させる。ブリッジ12は、複数のアクチュエータ13及びプロペラ14が本体部11の周囲に適切に配置されるように、構成される。
【0031】
図2に例示するドローン1は、ブリッジ12とアクチュエータ13とプロペラ14とを各々4つ備えているが、3つ以下でもよく又は5つ以上でもよい。また、図2に示す例では、複数のアクチュエータ13及びプロペラ14が等間隔に配置されているが、複数のアクチュエータ13及びプロペラ14が等間隔に配置される構成に限定されない。例えば、本体部11を作業対象であるレセプタ23により一層接近させることができるように、本体部11の前方に配置されるアクチュエータ13及びプロペラ14の位置を後方にシフトさせてもよい。また、4つのアクチュエータ13及びプロペラ14は、全て同種類の機器でなくてもよい。4つのアクチュエータ13は、互いに独立して制御可能である。これにより、4つのアクチュエータ13及びプロペラ14により得られる推進力及び揚力を、互いに独立して制御することが可能である。その結果、ドローン1の飛行姿勢や飛行速度等を適宜制御することが可能となる。
【0032】
なお、ドローン1がホバリング状態にあるときに、4つのプロペラ14の揚力が働く方向(鉛直方向における上向き(図2中における上方向))をドローン1の上方向と定義し、揚力が働く方向とは逆方向(鉛直方向における下向き(図2中における下方向))をドローン1の下方向と定義する。
【0033】
ドローン1の本体部11は、各アクチュエータ13に対して駆動電力を供給するためのバッテリ、バッテリから各アクチュエータ13への電力供給を制御する制御装置50、及び、各種センサ等を内蔵して構成される。制御装置50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、E
PROM(Erasable Programmable ROM)を備えるコンピュータ、及び、ドローン1の姿
勢や動作を制御するフライトコントローラ等を含む。コンピュータは、EPROMに格納されているプロセッサの実行を通じて、フライトコントローラへ指令を出力する。フライトコントローラは、コンピュータからの指令に従って、各アクチュエータ13を制御する。
【0034】
また、制御装置50のコンピュータは、外部と有線又は無線によって通信を行う通信部を備え、通信部を介して制御指令を受信して、その制御指令に応じて動作の内容を切り替えてもよい。例えば、制御装置50のコンピュータは、通常のドローンと同じように操作者が手動でコントローラーを操作することによる制御入力に従ってフライトコントローラに対する指令を出力したり、又は、EPROM等に予め格納されている飛行計画に従ってフライトコントローラに対する指令を出力したりしてもよい。また、制御装置50のコンピュータは、後述するセンサからの信号に基づくロボットアーム100の制御も行う。
【0035】
本体部11に内蔵されるセンサとしては、例えば、ドローン1の向きを検出するセンサ
、水平方向に対するドローン1の傾きを検出するセンサ、ドローン1の高度を検出するセンサ、及び、ドローン1と作業対象であるレセプタ23との相対位置を検出するセンサ等が挙げられる。
【0036】
本実施形態におけるドローン1には、ロボットアーム100が取り付けられる。ロボットアーム100は、ブラケット15を介してブリッジ12に固定される。その際、ブラケット15及びロボットアーム100は、4つのプロペラ14よりも下方に取り付けられる。また、ロボットアーム100は、4つのプロペラ14のうちの隣接する2つのプロペラ14の回転軸を結ぶ仮想直線に対して垂直に延在するように、ブリッジ12に取り付けられる。
【0037】
なお、以下の説明では、ドローン1がホバリング状態にあるときに、ロボットアーム100が取り付けられる側(図2中の斜め左下へ向かう方向)をドローン1の前方向と定義し、その逆側(図2中の斜め右上へ向かう方向)をドローン1の後方向と定義する。これにともない、図2中の斜め左上へ向かう方向をドローン1の右方向と定義し、図2中の斜め右下へ向かう方向をドローン1の左方向と定義する。
【0038】
(ロボットアーム)
本実施形態におけるロボットアーム100の構成について図3及び図4に基づいて説明する。図3は、プローブ機構40が取り付けられた状態のロボットアーム100の上面図である。図4は、プローブ機構40が取り付けられた状態のロボットアーム100の左側面図である。
【0039】
図3及び図4に示す例では、ロボットアーム100は、基端部から先端部にかけて配列される、ベース部101、第1アームリンク部102、第2アームリンク部103、第3アームリンク部104、及び、第4アームリンク部105を含んで構成される。
【0040】
ベース部101は、ドローン1のブラケット15に固定される。ベース部101は、ドローン1の下方へ延在する第1アームリンク部102の基端部を、ドローン1のヨー軸と平行な第2の軸周りに回転自在に支持する。ベース部101には、第1アームリンク部102の基端部を回転駆動するアクチュエータ111が内蔵される。アクチュエータ111は、本発明に係る「回転駆動部」の一例であり、ドローン1の制御装置50のコンピュータにより制御される。
【0041】
第1アームリンク部102の先端部は、第1の関節部106Aを介して、第2アームリンク部103の基端部と接続される。第1の関節部106Aは、ドローン1のピッチ軸と平行な第1の軸周りに回転する関節である。なお、ここでいう「第1の軸」とは、平面視における第2アームリンク部103の軸方向がドローン1の前後方向と平行になる状態にあるときに、ドローン1のピッチ軸と平行になる軸を示すものとする。これにより、第1アームリンク部102と第2アームリンク部103とは、第1の軸周りに屈曲及び伸展自在となる。第1の関節部106Aには、当該第1の関節部106Aを回転駆動する第1の電動モータ161Aが内蔵される。
【0042】
第2アームリンク部103の先端部は、第1の関節部106Bを介して、第3アームリンク部104の基端部と接続される。第1の関節部106Bは、第1の軸周りに回転する関節である。これにより、第2アームリンク部103と第3アームリンク部104とは、第1の軸周りに屈曲及び伸展自在となる。第1の関節部106Bには、当該第1の関節部106Bを回転駆動する第1の電動モータ161Bが内蔵される。なお、図3及び図4に示す例では、第2アームリンク部103は、ロボットアーム100を収納する際に真っ直ぐに折りたためるように、その途中でドローン1の上側へ向かって屈曲しているが、屈曲
していなくてもよい。
【0043】
第3アームリンク部104の先端部は、第1の関節部106Cを介して、第4アームリンク部105の基端部と接続される。第1の関節部106Cは、第1の軸周りに回転する関節である。これにより、第3アームリンク部104と第4アームリンク部105とは、第1の軸周りに屈曲及び伸展自在となる。第1の関節部106Cには、当該第1の関節部106Cを回転駆動する第1の電動モータ161Cが内蔵される。
【0044】
第4アームリンク部105の先端部には、第2の関節部107を介して、プローブ機構40が取り付けられる。第2の関節部107は、第2の軸周りに回転する関節である。なお、第2の関節部107についての「第2の軸」は、側面視における第4アームリンク部105の軸方向がドローン1の前後方向と平行になる状態にあるときに、ドローン1のヨー軸と平行になる軸を示すものとする。これにより、第4アームリンク部105とプローブ機構40とは、第2の軸周りに屈曲及び伸展自在となる。第2の関節部107には、当該第2の関節部107を回転駆動する第2の電動モータ171が内蔵される。
【0045】
ここで、第1の電動モータ161A-161C、及び、第2の電動モータ171は、本発明に係る「アクチュエータ」の一例であり、ドローン1の制御装置50により制御される。
【0046】
(プローブ機構)
次に、本実施形態におけるプローブ機構40の構成例について、図5に基づいて説明する。図5は、本実施形態におけるプローブ機構40の構成の一例を示す斜視図である。本実施形態におけるプローブ機構40は、ロッド401と、固定部材402と、シャフト403と、プローブヘッド404と、を含んで構成される。
【0047】
ロッド401は、棒状に形成され、その基端部がブラケット405を介してロボットアーム100の先端(第2の関節部107)に固定される。ロッド401の先端部には、固定部材402が取り付けられる。固定部材402は、シャフト403をロッド401の先端部に固定する。シャフト403は、棒状に形成され、その先端部にプローブヘッド404が取り付けられる。プローブヘッド404の先端部には、電極441が取り付けられる。電極441は、風力発電機20の避雷機能を点検する際にレセプタ23に接触されて、点検用の電圧をレセプタ23に印加する。そのため、プローブヘッド404の電極441には、前述したワイヤ30が接続される。なお、プローブヘッド404における電極441の周囲には、滑り止めの加工が施されてもよい。また、ロッド401及びシャフト403の断面形状は円形に限定されず、例えば、ロッド401及びシャフト403の回転留めのために断面形状が多角形に形成されてもよく、又は、ロッド401及びシャフト403に溝が設けられるようにしてもよい。
【0048】
また、本実施形態におけるプローブ機構40の固定部材402には、センサ420が搭載される。センサ420は、作業対象であるレセプタ23を検出するためのセンサである。本実施形態におけるセンサ420は、レセプタ23までの距離を測定する距離センサ421と、レセプタ23の位置を特定するためのカメラ422とを、を含む。距離センサ421は、例えば、LiDAR(Light Detection And Ranging)、RADAR(Radio Detection and Ranging)、ステレオカメラ、又は、レーザスキャナ等である。
【0049】
(実施形態の作用効果)
ここで、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態では、風力発電機20の避雷機能を点検する際に、プローブヘッド404の先端部に取り付けられた電極441をレセプタ23に接触させるように、ドローン1を飛行させる。例えば、カメラ422がレ
セプタ23を撮像可能になるまでは、ユーザによる目視でのドローン1の操縦が行われ、カメラ422がレセプタ23を撮像可能になると、カメラ422によって撮像される画像及び距離センサ421によって測定されるレセプタ23までの距離に基づいて、制御装置50がドローン1を自律飛行させる。そして、プローブヘッド404の電極441をレセプタ23に接触させることができる位置にドローン1が到達すると、制御装置50が、ドローン1をホバリングさせつつ、プローブヘッド404の電極441がレセプタ23に対して適正な角度(例えば、垂直)で接触するように、ロボットアーム100のアクチュエータ111と第1の電動モータ161A-161Cと第2の電動モータ171とを制御する。
【0050】
ここで、本実施形態におけるロボットアーム100では、ロボットアーム100の基端部(第1アームリンク部102の基端部)に設けられたアクチュエータ111により、ドローン1のヨー軸と平行な軸周りにロボットアーム100の向きを変更することができる。また、本実施形態におけるロボットアーム100では、ロボットアーム100の途中の3箇所に設けられた第1の関節部106A-106C及び第1の電動モータ161A-161Cにより、ドローン1の上下方向及び前後方向におけるロボットアーム100の先端部(プローブ機構40)の位置を変更することができる。さらに、本実施形態におけるロボットアーム100では、ロボットアーム100の先端部に設けられた第2の関節部107及び第2の電動モータ171により、第2の軸周りにロボットアーム100の先端部(プローブ機構40)の位置を変更することができる。
【0051】
したがって、プローブヘッド404の電極441をレセプタ23に接触させる際に、水平方向およびまたは鉛直方向におけるプローブヘッド404の電極441の位置がレセプタ23の正面から多少ずれていても、電極441を適正角度でレセプタ23に接触させることができる。
【0052】
また、本実施形態におけるロボットアーム100では、第2の関節部107がロボットアーム100の先端部(第4アームリンク部105の先端部)に配置されるため、第2の関節部107からプローブヘッド404の先端部までの慣性重量を可能な限り小さく抑えることができる。これにより、第2の関節部107の単位回転角度(例えば、1°CA)に対する、プローブヘッド404の先端部(電極441)の移動量を少なくすることができる。また、第2の関節部107を回転駆動させた際の、プローブヘッド404の先端部の振動を可能な限り小さく抑えることもできる。その結果、プローブヘッド404の電極441をレセプタ23に接触させる際に、レセプタ23に対する電極441の相対的な角度及び位置の調整を精度良く行うことができる。また、第2の関節部107からプローブヘッド404の先端部までの慣性重量が可能な限り小さく抑えられると、第2の電動モータ171の定格容量を小さく抑えることもできる。これにより、第2の電動モータ171の小型化及び軽量化を図ることも可能になる。これに伴い、第1の電動モータ161A-161Cにかかる負荷を小さく抑えることもできるため、第1の電動モータ161A-161Cの小型化及び軽量化を図ることも可能になる。
【0053】
次に、プローブヘッド404の電極441がレセプタ23に接触してから、点検装置31による点検作業が終了するまでの、ロボットアーム100の動作例について図6から図10に基づいて説明する。
【0054】
図6は、プローブヘッド404の電極441がレセプタ23に接触している状態で、気流又は風等の外乱によるドローン1のピッチングが発生した場合における、ロボットアーム100の動作例を示す図である。
【0055】
ドローン1のピッチングが発生した場合、制御装置50は、図6に示すように、ドロー
ン1のピッチングが第1の関節部106A-106Cにおけるロボットアーム100の屈曲およびまたは伸展によって吸収(相殺)されるように、第1の電動モータ161A-161Cを制御する。第1の関節部106A-106Cの各々の回転方向及び回転角度は、例えば、カメラ422により撮像された画像に対する画像認識処理を用いて決定されてもよく、又は、ドローン1の本体部11に内蔵されるセンサの出力信号等に基づいて決定されてもよい。これにより、点検装置31による点検作業の途中で、ドローン1のピッチングが発生しても、プローブヘッド404の電極441の位置とレセプタ23に対する電極441の接触角度とを、自動的に適正な位置と適正な角度とに各々維持することができる。これにより、ドローン1のピッチングに起因して電極441とレセプタ23との接触状態やドローン1の挙動が不安定になることが抑制され、点検装置31による点検作業を精度良く行うことができる。
【0056】
図7は、プローブヘッド404の電極441がレセプタ23に接触している状態で、気流等の外乱によるドローン1の高度変化(鉛直方向における位置変化)が発生した場合における、ロボットアーム100の動作例を示す図である。
【0057】
ドローン1の高度が変化した場合は、制御装置50は、図7に示すように、ドローン1の高度変化が第1の関節部106A-106Cにおけるロボットアーム100の屈曲およびまたは伸展によって吸収(相殺)されるように、第1の電動モータ161A-161Cを制御する。第1の関節部106A-106Cの各々の回転方向及び回転角度は、例えば、カメラ422により撮像された画像に対する画像認識処理を用いて決定されてもよく、又は、ドローン1の本体部11に内蔵されるセンサの出力信号等に基づいて決定されてもよい。これにより、点検装置31による点検作業の途中で、ドローン1の高度変化が発生しても、プローブヘッド404の電極441の位置とレセプタ23に対する電極441の接触角度とを、自動的に適正な位置と適正な角度とに各々維持することができる。これにより、ドローン1の高度変化に起因して電極441とレセプタ23との接触状態やドローン1の挙動が不安定になることが抑制され、点検装置31による点検作業を精度良く行うことができる。
【0058】
図8は、プローブヘッド404の電極441がレセプタ23に接触している状態で、風等の外乱によるドローン1の前後方向における水平位置の変化が発生した場合における、ロボットアーム100の動作例を示す図である。
【0059】
ドローン1の前後方向における水平位置の変化が発生した場合には、制御装置50は、図8に示すように、ドローン1の前後方向における水平位置の変化が第1の関節部106A-106Cにおけるロボットアーム100の屈曲およびまたは伸展によって吸収(相殺)されるように、第1の電動モータ161A-161Cを制御する。第1の関節部106A-106Cの各々の回転方向及び回転角度は、例えば、カメラ422により撮像された画像に対する画像認識処理を用いて決定されてもよく、又は、ドローン1の本体部11に内蔵されるセンサの出力信号等に基づいて決定されてもよい。これにより、点検装置31による点検作業の途中で、ドローン1の前後方向における水平位置の変化が発生しても、プローブヘッド404の電極441の位置とレセプタ23に対する電極441の接触角度とを、自動的に適正な位置と適正な角度とに各々維持することができる。これにより、ドローン1の前後方向における水平位置の変化に起因して電極441とレセプタ23との接触状態やドローン1の挙動が不安定になることが抑制され、点検装置31による点検作業を精度良く行うことができる。
【0060】
図9は、プローブヘッド404の電極441がレセプタ23に接触している状態で、風等の外乱によるドローン1のヨーイングが発生した場合における、ロボットアーム100の動作例を示す図である。
【0061】
ドローン1のヨーイングが発生した場合には、制御装置50は、図9に示すように、第1アームリンク部102の基端部の回転と、第1の関節部106A-106Cにおけるロボットアーム100の屈曲およびまたは伸展と、第2の関節部107におけるロボットアーム100の屈曲又は伸展とによってドローン1のヨーイングが相殺されるように、アクチュエータ111と第1の電動モータ161A-161Cと第2の電動モータ171とを制御する。第1アームリンク部102の基端部と、第1の関節部106A-106Cと、第2の関節部107との各々の回転方向及び回転角度は、例えば、カメラ422により撮像された画像に対する画像認識処理を用いて決定されてもよく、又は、ドローン1の本体部11に内蔵されるセンサの出力信号等に基づいて決定されてもよい。これにより、点検装置31による点検作業の途中で、ドローン1のヨーイングが発生しても、プローブヘッド404の電極441の位置とレセプタ23に対する電極441の接触角度とを、自動的に適正な位置と適正な角度とに各々維持することができる。これにより、ドローン1のヨーイングに起因して電極441とレセプタ23との接触状態やドローン1の挙動が不安定になることが抑制され、点検装置31による点検作業を精度良く行うことができる。
【0062】
図10は、プローブヘッド404の電極441がレセプタ23に接触している状態で、風等の外乱によるドローン1の左右方向における水平位置の変化が発生した場合における、ロボットアーム100の動作例を示す図である。
【0063】
ドローン1の左右方向における水平位置の変化が発生した場合には、制御装置50は、図10に示すように、第1アームリンク部102の基端部の回転と、第1の関節部106A-106Cにおけるロボットアーム100の屈曲およびまたは伸展と、第2の関節部107におけるロボットアーム100の屈曲又は伸展とによってドローン1の左右方向における位置変化が吸収(相殺)されるように、アクチュエータ111と第1の電動モータ161A-161Cと第2の電動モータ171とを制御する。第1アームリンク部102の基端部と、第1の関節部106A-106Cと、第2の関節部107との各々の回転方向及び回転角度は、例えば、カメラ422により撮像された画像に対する画像認識処理を用いて決定されてもよく、又は、ドローン1の本体部11に内蔵されるセンサの出力信号等に基づいて決定されてもよい。これにより、点検装置31による点検作業の途中で、ドローン1の左右方向における水平位置の変化が発生しても、プローブヘッド404の電極441の位置とレセプタ23に対する電極441の接触角度とを、自動的に適正な位置と適正な角度とに各々維持することができる。これにより、ドローン1の左右方向における水平位置の変化に起因して電極441とレセプタ23との接触状態やドローン1の挙動が不安定になることが抑制され、点検装置31による点検作業を精度良く行うことができる。
【0064】
以上述べた実施形態によれば、点検装置31による風力発電機20の避雷機能の点検作業が開始されるときに、プローブヘッド404の電極441を適正な角度で速やかにレセプタ23と接触させることができる。
【0065】
また、点検装置31による点検作業が行われている途中で、ドローン1のピッチング、ヨーイング、高度の変化、前後方向における水平位置の変化、及び、左右方向における水平位置の変化が発生した場合には、ドローン1の姿勢変化及び位置変化を、操縦者の操作入力無しで自動的にロボットアーム100に吸収(相殺)させることができる。これにより、ドローン1の操縦における操作入力や要求される技能等を大きく変えることなく、レセプタ23に対する電極441の接触角度、及び電極441の位置を、自動的に適正な角度、及び適正な位置に各々維持することが可能になる。
【0066】
したがって、点検装置31による点検作業を正確且つ効率的に行うことが可能になる。また、本実施形態におけるロボットアーム100は、ドローン1の姿勢変化や位置変化を
抑制する機構を備えていないドローン1に対しても取り付けることが可能になる。その結果、ロボットアーム100の取付自由度を高めることが可能になる。
【0067】
<他の実施形態>
前述した実施形態では、ロボットアームの先端部に、導通検査用のプローブ機構が取り付けられる例について述べたが、ロボットアームの先端部に取り付けられるエンドエフェクタは導通検査用のプローブ機構に限定されない。例えば、ロボットアームの先端部に取り付けられるエンドエフェクタは、導通検査以外の検査を目的としたプローブ機構でもよく、又は、マニピュレータ等でもよい。また、前述した実施形態では、本発明に係る飛行ロボットの一例としてドローンを挙げたが、飛行可能な移動体であれば、ドローンに限定されない。また、前述した実施形態では、3つの第1の関節部と1つの第2の関節部を備えるロボットアームを例示したが、第1の関節部が4つ以上でもよく、およびまたは、第2の関節部が2つ以上でもよい。また、本発明に係るロボットアームは、海中等で使用されるドローンに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1・・・ドローン、20・・・風力発電機、23・・・レセプタ、40・・・プローブ機構、100・・・ロボットアーム、106A-106C・・・第1の関節部、107・・・第2の関節部、111・・・アクチュエータ、161A-161C・・・第1の電動モータ、171・・・第2の電動モータ、421・・・距離センサ、422・・・カメラ
図1
図2
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図8
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図10