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特開2024-171165同梱広告サービス提供システム、同梱広告サービス提供方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171165
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】同梱広告サービス提供システム、同梱広告サービス提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20241204BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088090
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津江 靖久
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ターゲットとする適切な顧客に対して広告主が広告を出せるようにするとともに、広告チラシの同梱に要する手間を削減する同梱広告サービス提供システム、同梱広告サービス提供方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】同梱広告サービス提供システム100において、プラットフォーム提供サーバー4は、荷物の発送先の顧客の属性情報に基づいて、荷物に広告チラシの同梱を依頼する広告主がターゲットとする顧客の属性情報に対して設定した報酬が高い広告チラシを、同梱用の広告チラシとして選択する広告チラシ制作部412と、選択された広告チラシの原稿データの印刷指示を、印刷装置5に出力する印刷指示部413と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告チラシを荷物に同梱する同梱広告サービスのプラットフォームを荷主及び広告主に提供するプラットフォーム提供装置を備え、
前記プラットフォーム提供装置は、前記荷物の発送先の顧客の属性情報に基づいて、前記荷物に前記広告チラシの同梱を依頼する広告主がターゲットとする顧客の属性情報に対して設定した報酬が高い前記広告チラシを、同梱用の広告チラシとして選択する広告チラシ処理部と、
選択された前記広告チラシの原稿データの印刷指示を、印刷装置に出力する印刷指示部と、を備える
同梱広告サービス提供システム。
【請求項2】
前記荷物に同梱した前記広告チラシに設定された報酬に対応する金額の情報を、前記広告主の広告主端末装置に送信し、前記広告主から受け取った前記報酬に基づく金額を前記荷主によって指定された振込先に振り込む処理を行う報酬処理部をさらに備える
請求項1に記載の同梱広告サービス提供システム。
【請求項3】
発送予定の荷物及び前記荷物の発送先の顧客の属性情報と、前記広告チラシ処理部によって選択された前記広告チラシの原稿データとは、それぞれ、発送予定の前記荷物の管理番号と対応付けて管理され、
前記印刷指示部は、発送予定の前記荷物の管理番号と対応付けられた前記広告チラシの原稿データの印刷指示を、前記印刷装置に対して出力する
請求項2に記載の同梱広告サービス提供システム。
【請求項4】
前記広告チラシ処理部は、前記顧客に前記荷物を発送する前記荷主の荷主端末装置より予め送信された、前記荷物への同梱を許可する商材に関する情報、及び、荷物への同梱を許可しない商材に関する情報に基づいて、前記荷物への同梱用のチラシの選択対象となる前記広告チラシを選別する
請求項3に記載の同梱広告サービス提供システム。
【請求項5】
前記広告チラシ処理部は、前記広告主の広告主端末装置より予め送信された、同一の顧客に対する前記広告主による複数種類の広告チラシの同梱の可否の情報に基づいて、前記荷物への同梱用の前記広告チラシを選択する
請求項4に記載の同梱広告サービス提供システム。
【請求項6】
前記広告チラシ処理部は、前記広告主端末装置より予め送信された、前記広告主のランディングページのアドレスに、前記広告チラシの識別情報をパラメータとして付加したものを2次元コードに変換して前記原稿データに埋め込み、前記識別情報と、前記管理番号とを対応付けて管理し、前記顧客による前記ランディングページへのアクセスを検知した場合に、前記識別情報と、前記管理番号に対応付けられた顧客の属性情報との対応情報を、前記広告主端末装置に送信する
請求項5に記載の同梱広告サービス提供システム。
【請求項7】
前記広告チラシ処理部は、前記荷主の荷主端末装置から送信された、荷主用広告チラシの原稿データと、前記荷主用広告チラシのフォーマットの情報と、に基づいて、前記荷主の顧客に発送される荷物に同梱する前記荷主用広告チラシを生成する
請求項3に記載の同梱広告サービス提供システム。
【請求項8】
前記荷主用広告チラシの原稿データには、広告用の画像及び/又はテキストが含まれ、
前記広告チラシ処理部は、前記荷主端末装置から送信された、前記荷主用広告チラシのフォーマットに挿入する前記画像及び/又はテキストの選択用の論理式の情報に基づいて、前記荷主用広告チラシのフォーマットに挿入する前記画像及び/又はテキストを選択する
請求項7に記載の同梱広告サービス提供システム。
【請求項9】
前記論理式において、前記荷主が広告のターゲットとする顧客の属性情報と、前記顧客の属性情報に付与された重みづけの情報とが対応付けられており、前記論理式は、前記荷主用広告チラシのフォーマットにおける前記画像及び/又はテキストの割り当て位置の情報と対応付けられて管理される
請求項8に記載の同梱広告サービス提供システム。
【請求項10】
前記広告チラシ処理部は、発送予定の前記荷物の発送先の前記顧客の属性情報に基づいて、前記論理式を用いて前記画像及び/又はテキストを選択し、選択した前記画像及び/又はテキストを、前記荷主用広告チラシのフォーマットに割り当てることにより、前記荷主用広告チラシを生成する
請求項9に記載の同梱広告サービス提供システム。
【請求項11】
広告チラシを荷物に同梱する同梱広告サービスのプラットフォームを荷主及び広告主に提供するプラットフォーム提供装置を備えた同梱広告サービス提供システムによる同梱広告サービス提供方法であって、
前記プラットフォーム提供装置が、前記荷物の発送先の顧客の属性情報に基づいて、前記荷物に前記広告チラシの同梱を依頼する広告主がターゲットとする顧客の属性情報に対して設定した報酬が高い前記広告チラシを、同梱用の広告チラシとして選択する手順と、
選択された前記広告チラシの原稿データの印刷指示を、印刷装置に出力する手順と、を含む
同梱広告サービス提供方法。
【請求項12】
広告チラシを荷物に同梱する同梱広告サービスのプラットフォームを荷主及び広告主に提供するプラットフォーム提供装置を備えた同梱広告サービス提供システムによる同梱広告サービス提供方法を、コンピュータに実行させるプログラムであって、
前記プラットフォーム提供装置が、前記荷物の発送先の顧客の属性情報に基づいて、前記荷物に前記広告チラシの同梱を依頼する広告主がターゲットとする顧客の属性情報に対して設定した報酬が高い前記広告チラシを、同梱用の広告チラシとして選択する手順と、
選択された前記広告チラシの原稿データの印刷指示を、印刷装置に出力する手順と、を含む
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同梱広告サービス提供システム、同梱広告サービス提供方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品やサービスなどの宣伝広告方法としては、テレビやラジオ、新聞、折り込みチラシ、雑誌などの、不特定多数へ案内されるマス広告媒体を用いて、消費者のニーズを商品やサービスなどに誘導する手法が主に用いられていた。しかしながら、このようなマス広告媒体では、近年高まっている消費者のニーズに応じた高い広告効果を期待することが難しくなってきたため、より個々の顧客のニーズを重視したパーソナライズド広告が注目されてきている。
【0003】
パーソナライズド広告は、自社の商材に対してより高いニーズを有する顧客をターゲットとして宣伝広告を行うものである。パーソナライズド広告としては、同梱広告サービス等が知られている。同梱広告サービスは、自社の定期宅配会員に送る宅配物の中に他社(広告主)のチラシを同梱することにより、広告主から広告費をもらうサービスである。
【0004】
定期宅配会員を持つEC(Electronic Commerce)事業者は、あるセグメントに特化した顧客層をもっている。したがって、該EC事業者が取り扱っている商品と親和性の高い商品のチラシであれば、EC事業者の顧客層に対し訴求性が高い場合が多い。
【0005】
例えば、食材キットの定期宅配を行っているEC事業の顧客の特性の例には、以下のようなものがある。
・30~40代のワーキングマザーやDINKS(共働きで子供がいない夫婦)中心である。
・可処分所得の高い世帯の比率が高い。
・高品質な商品やサービスであれば、高額の商品に対しても消費意欲が高い傾向がある。
・化粧品の購買のレスポンス率が非常に高い。
【0006】
したがって、広告主は、自社がターゲットとする顧客層と同じ顧客層を持つEC事業者が、定期宅配会員に配達する商品又はカタログ等に、自社製品の広告チラシを同梱してもらうことにより、定期宅配会員による自社商品の購買活動も期待することができる。
【0007】
例えば、特許文献1には、自社顧客に対するダイレクトな販路又は広告宣伝経路を管理する顧客データベースを保有した複数のデータベース保有企業を、ニーズに合致した他社顧客への広告宣伝物の配布を希望する広告主企業に紹介する、同送広告ビジネスの仲介サービスシステムが開示されている。特許文献1に記載の仲介サービスシステムによれば、広告主企業は、広告のターゲットとして適した顧客に対して、自社のサービスの広告を届けることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002-197179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、同梱する広告チラシの種類(広告主)を定期宅配会員ごとに変更した場合、商品の発送時のオペレーションが複雑になることが想定される。したがって、EC事業者のすべての会員に対して、一律に同じ種類の広告チラシを同梱するオペレーションが行われることが一般的である。しかし、このようなオペレーションが行われる場合、広告主が同梱を依頼する広告チラシの最低部数は、EC事業者が発送する商品の発送先の数と同じ数になってしまう。したがって、EC事業者の会員の中に、広告主がターゲットとしていない会員がいる場合であっても、広告主は、該会員用の広告チラシも用意する必要がある。つまり、同梱広告サービス利用の最低料金も高くなってしまう。
【0010】
また、広告主は、同梱を依頼する広告チラシの印刷物を事前に用意しておき、EC事業者の物流拠点等に発送しておく必要がある。ところが、EC業者から会員に発送される商品等の発送量は常に一律ではなく、バラつきがあることが通常である。したがって、広告主は、広告チラシに不足が生じることを防ぐために、予備の分も含めた印刷物を多めに用意する等の対策をとる必要があった。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ターゲットとする適切な顧客に対して広告主が広告を出せるようにするとともに、広告チラシの同梱に要する手間を削減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様に係る同梱広告サービス提供システムは、広告チラシを荷物に同梱する同梱広告サービスのプラットフォームを荷主及び広告主に提供するプラットフォーム提供装置を備える。プラットフォーム提供装置は、荷物の発送先の顧客の属性情報に基づいて、荷物に広告チラシの同梱を依頼する広告主がターゲットとする顧客の属性情報に対して設定した報酬が高い広告チラシを、同梱用の広告チラシとして選択する広告チラシ処理部と、選択された広告チラシの原稿データの印刷指示を、印刷装置に出力する印刷指示部と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ターゲットとする適切な顧客に対して広告主が広告を出せるようになるとともに、広告チラシの同梱に要する手間も削減される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る同梱広告サービス提供システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る荷主情報の構成例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るパーソナライズドチラシ制作用フォーマットの例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るパーソナライズドチラシ制作用情報の構成例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る広告主情報の構成例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る広告情報の構成例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る荷物顧客対応情報の構成例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る広告チラシ制作部による同梱用の広告チラシ選択処理の例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る荷物広告対応情報の構成例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る荷主端末装置から送信された情報のプラットフォーム提供サーバーにおける登録処理の手順の例を示すシーケンス図である。
図11】本発明の一実施形態に係る広告主端末装置から送信された情報のプラットフォーム提供サーバーにおける登録処理の手順の例を示すシーケンス図である。
図12】本発明の一実施形態に係る同梱広告サービス提供システムによる同梱広告サービス提供処理の手順の例を示すシーケンス図である。
図13】本発明の一実施形態に係る同梱広告サービス提供処理において実施されるQRコード(登録商標)付加処理の手順の例を示すフローチャートである。
図14】本発明の変形例に係るイメージスケールの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書および図面において、実質的に同一の機能または構成を有する要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
<同梱広告サービス提供システムの構成>
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る同梱広告サービス提供システムの構成について説明する。図1は、同梱広告サービス提供システム100の構成例を示す図である。
【0017】
図1に示すように、同梱広告サービス提供システム100は、荷主端末装置1と、広告主端末装置2と、ロジシステム端末装置3と、プラットフォーム提供サーバー4(プラットフォーム提供装置の一例)と、印刷装置5と、を含む。同梱広告サービス提供システム100を構成するこれらの各装置は、ネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0018】
荷主端末装置1は、定期宅配会員を有するEC業者である荷主が使用する端末装置である。荷主は、広告主に対して、自社の顧客に発送する荷物に広告主の広告チラシを同梱する同梱広告サービスを提供する。また、荷主は、自社の定期宅配会員に送付する商品等に同梱するパーソナライズドチラシ(荷主用広告チラシの一例)の制作を、プラットフォーム提供サーバー4に依頼する。
【0019】
広告主端末装置2は、広告主が使用する端末装置である。広告主は、同梱広告サービスを利用することにより、荷主が会員に発送する荷物に、自社の広告チラシを同梱してもらう。広告主は、自社がターゲットとする顧客の属性情報に対して報酬の金額を設定する。そして、広告主は、報酬と対応付けられた属性情報を有する荷主の顧客に発送された荷物に、自社の広告チラシが同梱された場合に、属性情報に設定した報酬を荷主に支払う。
【0020】
ロジシステム端末装置3は、荷主の荷物、すなわち、定期宅配会員に対して送付される商品等の出荷及び配送を行うロジスティックシステム(以下、「ロジシステム」と称する)において用いられる端末装置である。ロジシステム端末装置3内には印刷装置5が配置されているが、図1ではロジシステム端末装置3と印刷装置5を離して記載する。印刷装置5は、荷主の荷物の発送時に、プラットフォーム提供サーバー4より送信される印刷指示に基づいて、荷主用のパーソナライズドチラシ、及び、荷物に同梱する広告主の広告チラシを印刷する。
【0021】
プラットフォーム提供サーバー4は、広告主及び荷主に対して同梱広告サービスのプラットフォームを提供する企業により運営されるサーバーである。プラットフォーム提供サーバー4は、サービスプラットフォームとして、同梱広告サービスの実施に必要な情報の入力用UI(User Interface)等を提供する。サービスプラットフォームは、例えば、クラウド環境等に設けられる。
【0022】
プラットフォーム提供サーバー4は、荷主用のパーソナライズドチラシを制作する。また、プラットフォーム提供サーバー4は、荷主から発送される荷物に同梱する広告主による広告チラシを選択する。より詳細には、プラットフォーム提供サーバー4は、発送予定の荷物の発送先の顧客の属性情報に基づいて、広告主によって設定された報酬の金額が最も高くなる広告チラシを、荷物への同梱用のチラシとして選択する。そして、プラットフォーム提供サーバー4は、荷主用のパーソナライズドチラシの原稿データ、及び、選択した広告主の広告チラシの原稿データを印刷装置5に送信して、印刷指示を行う。
【0023】
さらに、プラットフォーム提供サーバー4は、出荷した荷物に同梱した広告チラシに対応付けられた報酬に対応する金額を、広告主に請求する処理と、広告主から受け取った報酬に応じた金額を荷主に支払う処理も行う。
【0024】
[荷主端末]
荷主端末装置1は、操作表示部11と、制御部12と、記憶部13と、通信部14と、を含む。
操作表示部11は、液晶パネル等からなる表示部、及び、ボタン等からなる操作入力部で構成される。なお、表示部及び操作入力部は、タッチパネルとして一体に形成されてもよい。操作表示部11は、操作入力部に入力されたユーザからの操作の内容を表す操作信号を生成し、該操作信号を制御部12に供給する。
【0025】
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等(いずれも図示略)を含み、荷主端末装置1を構成する各部の動作を制御する。CPUは、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROMから読み出してRAMに展開することにより実行する。
【0026】
荷主端末装置1の制御部12は、例えば、荷主に関する情報や、パーソナライズドチラシ制作用フォーマットFm(図3参照)の情報や、パーソナライズドチラシに掲載する広告を選択するための論理式の情報などを登録するための画面を、操作表示部21に表示させる制御を行う。また、制御部22は、操作表示部11を介して入力された各種情報を、通信部14を介してプラットフォーム提供サーバー4に送信させる制御を行う。
【0027】
なお、制御部12は、CPUの代わりに、MPU(Micro-Processing Unit)等の処理装置を備えてもよい。RAMには、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。
【0028】
記憶部13は、不揮発性ストレージ等によって構成される。不揮発性ストレージとしては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。この不揮発性ストレージには、OS(Operating System)、各種のパラメータの他に、荷主端末装置1を機能させるためのプログラム等が記録される。なお、プログラムは、ROMに格納されてもよい。
【0029】
プログラムは、コンピュータが読取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。つまり、ROM又は記憶部13は、コンピュータによって実行されるプログラムを格納した、コンピュータ読取り可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。
【0030】
通信部14には、例えばNIC(Network Interface Card)等が用いられ、ネットワークNを介して、プラットフォーム提供サーバー4との間で各種のデータを送受信することが可能である。
【0031】
[広告主端末装置]
広告主端末装置2は、操作表示部21と、制御部22と、記憶部23と、通信部24と、を含む。操作表示部21、制御部22、記憶部23及び通信部24のハードウェア面における機能は、それぞれ、荷主端末装置1が有する操作表示部11、制御部12、記憶部13及び通信部14と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0032】
広告主端末装置2の制御部22は、例えば、広告主に関する情報や、広告チラシの原稿データ、広告の同梱条件、報酬情報等の各種情報を登録するための画面を、操作表示部11に表示させる制御を行う。また、制御部22は、操作表示部21を介して入力された各種情報を、通信部24を介してプラットフォーム提供サーバー4に送信させる制御を行う。
【0033】
[ロジシステム端末装置]
ロジシステム端末装置3は、操作表示部31と、制御部32と、記憶部33と、通信部34と、を含む。操作表示部31、制御部32、記憶部33及び通信部34のハードウェア面における機能は、それぞれ、荷主端末装置1が有する操作表示部11、制御部12、記憶部13及び通信部14と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0034】
ロジシステム端末装置3の制御部32は、出荷予定の荷物の管理番号等を入力する画面を操作表示部31に表示させる制御や、操作表示部31を介して入力された情報を、通信部34を介してプラットフォーム提供サーバー4に送信させる制御を行う。
【0035】
[プラットフォーム提供サーバー]
プラットフォーム提供サーバー4は、制御部41と、通信部42と、操作表示部43と、記憶部44と、を有する。制御部41、通信部42、操作表示部43及び記憶部44のハードウェア面における機能は、それぞれ、荷主端末装置1が有する制御部12、通信部14、操作表示部11及び記憶部13と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0036】
プラットフォーム提供サーバー4の制御部41は、情報登録部411と、広告チラシ制作部412と、印刷指示部413と、報酬処理部414と、を含む。
【0037】
情報登録部411は、広告主端末装置2から送信された広告主に関する情報を、広告主情報442として記憶部44に登録する処理を行う。また、情報登録部411は、広告主端末装置2から送信された、広告チラシの原稿データ、広告チラシの同梱条件、報酬情報等を、広告情報444として記憶部44に登録する処理を行う。広告主情報442については、後述の図5を参照して詳述し、広告情報444については、後述の図6を参照して詳述する。
【0038】
また、情報登録部411は、広告主端末装置2から送信された広告の原稿データの内容を解析し、広告対象とされた商品やサービスなどが適切であるか否かを判定する。そして、適切であると判定した場合には、情報登録部411は、原稿データを記憶部44に登録するとともに、登録完了の通知を、通信部42を介して広告主端末装置2に送信する。一方、適切でないと判定した場合には、情報登録部411は、原稿データの記憶部44への登録は行わず、登録不可の通知を、通信部42を介して広告主端末装置2に送信する。情報登録部411は、登録不可の通知において、登録が不可である理由を記載することができる。
【0039】
広告チラシ制作部412(広告チラシ処理部の一例)は、荷主端末装置1から送信される発送予定の荷物の管理番号と、荷物の発送先の顧客の属性情報とを対応付けたものを、荷物顧客対応情報445として記憶部44に記憶する。荷物顧客対応情報445においては、顧客の属性情報とともに、荷物に同梱する広告主の広告チラシを選定(フィルタ)するためのホワイトリスト、ブラックリストの情報も設定される。荷物顧客対応情報445については、後述の図7を参照して詳述する。
【0040】
また、広告チラシ制作部412は、荷物顧客対応情報445に記載のホワイトリスト及びブラックリストの情報に基づいて、荷物に同梱する広告主の広告チラシの候補を選別する。さらに、広告チラシ制作部412は、選別された候補の中から、記憶部44に記憶された広告情報444に設定された同梱条件に基づいて、報酬が最も高くなる広告チラシを、広告の同梱条件に記載された論理式を用いて選択する。
【0041】
そして、広告チラシ制作部412は、選択した広告チラシの原稿データと、広告の広告主の情報と、広告の報酬額の情報とを、荷物の管理番号と対応付けて、荷物広告対応情報446Bとして記憶部44に記憶する。荷物広告対応情報446Bについては、後述の図9を参照して詳述する。
【0042】
また、広告チラシ制作部412は、荷物顧客対応情報445において荷物の管理番号に対応付けられた顧客属性情報に基づいて、パーソナライズドチラシ制作用フォーマットFm(図3参照)の設定内容を用いて、荷主用のパーソナライズドチラシを制作する。そして、広告チラシ制作部412は、生成したパーソナライズドチラシの原稿データ(以下、「パーソナライズドチラシ原稿データ」とも称する)と、発送予定の荷物の管理番号とを対応付けて、荷物広告対応情報446Aとして記憶部44に記憶する。荷物広告対応情報446Aについては、後述の図9を参照して詳述する。以下の説明では、荷物広告対応情報446A,446Bを「荷物広告対応情報446」とも総称する。
【0043】
印刷指示部413は、発送予定の荷物の管理番号に対応付けられたパーソナライズドチラシ原稿データを、荷物広告対応情報446Aから抽出し、広告チラシ原稿データを、荷物広告対応情報446Bから抽出する。そして、印刷指示部413は、抽出した原稿データを、通信部42を介して印刷装置5に送信し、印刷装置5に印刷させる。
【0044】
報酬処理部414は、ロジシステムから出荷した荷物に同梱した広告チラシに対応付けられた報酬の情報を、広告主端末装置2に送信することにより、報酬に対応する金額を広告主に請求する処理を行う。また、報酬処理部414は、広告主から受け取った報酬に応じた金額を、荷主に支払う処理も行う。
【0045】
記憶部44には、荷主情報441、広告主情報442、パーソナライズドチラシ制作用情報443、広告情報444、荷物顧客対応情報445及び荷物広告対応情報446(荷物広告対応情報446A及び荷物広告対応情報446B)が記憶される。
【0046】
[印刷装置]
印刷装置5は、ロジシステム内に配置される画像形成装置であり、操作表示部51と、制御部52と、記憶部53と、画像形成部54と、通信部55と、を含む。操作表示部51、制御部52、記憶部53及び通信部55のハードウェア面における機能は、それぞれ、荷主端末装置1が有する操作表示部11、制御部12、記憶部13及び通信部14と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0047】
画像形成部54は、電子写真方式等の画像形成方式で用紙に画像を形成する。印刷装置5の通信部55が、プラットフォーム提供サーバー4から印刷指示及び原稿データを受信した場合、画像形成部54は、パーソナライズドチラシ又は広告チラシ原稿データに基づく画像を用紙に形成したもの、すなわち、パーソナライズドチラシ又は広告チラシを出力する。なお、画像形成部54の画像形成方式は電子写真方式に限定されず、インクジェット方式等の他の方式であってもよい。
【0048】
<荷主による登録情報>
次に、荷主端末装置1を介して荷主によってプラットフォーム提供サーバー4に登録される情報について説明する。荷主によってプラットフォーム提供サーバー4に登録される情報には、荷主情報441、パーソナライズドチラシ制作用フォーマットFm及びパーソナライズドチラシ制作用情報443がある。
【0049】
(荷主情報)
図2は、荷主情報441の構成例を示す図である。図2に示すように、荷主情報441は、「荷主No」、「会社名」、「業種」、「所在地」、「電話番号」、「印刷機情報」及び「報酬振込先情報」の各項目を有する。
【0050】
「荷主No」の項目には、各荷主に割り振られた識別子としての番号が格納される。「会社名」の項目には、荷主の会社名が格納される。「業種」の項目には、荷主の業種が格納される。「所在地」の項目には、荷主の会社の所在地の情報として、荷主の会社の住所等が格納される。「電話番号」の項目には、荷主の会社の電話番号が格納される。
【0051】
「印刷機情報」には、印刷機のアドレス等の情報が格納される。印刷機情報には、印刷機の機種名等の情報が格納されてもよい。「報酬振込先情報」には、広告主から支払われる報酬の振込先の口座番号等の情報が格納される。
【0052】
(パーソナライズドチラシ制作用フォーマット)
図3は、パーソナライズドチラシ制作用フォーマットFmの例を示す図である。パーソナライズドチラシは、荷主の顧客(定期宅配会員)に対する荷主の商材(商品又はサービス)の広告チラシである。図3に示す例では、パーソナライズドチラシ制作用フォーマットFmに、領域Ar1~領域Ar5の5つの領域が設けられている。
【0053】
領域Ar1は、メッセージ(テキスト)が格納される領域である。領域Ar1においては、例えば、テキストのフォントサイズ、フォントの種類、テキストデータが格納されたリスト(図示略)のフィールドの情報等が規定される。テキストデータや画像データは、フォーマットFmとは別に、不図示のリストに登録され、荷主端末装置1からプラットフォーム提供サーバー4に送信されることを想定している。
【0054】
領域Ar2~領域Ar5は、広告の画像データ(画像1~画像4のデータ)が格納される領域である。どの領域にどの広告(の画像データ)が埋め込まれるかは、荷主端末装置1から送信されるパーソナライズドチラシ制作用情報443に記載された内容に基づいて、広告チラシ制作部412によって決定される。
【0055】
(パーソナライズドチラシ制作用情報)
次に、図4を参照して、パーソナライズドチラシ制作用情報443について説明する。図4は、パーソナライズドチラシ制作用情報443の構成例を示す図である。
【0056】
図4に示すように、パーソナライズドチラシ制作用情報443は、「画像」、「性別」、「年代」、「家族構成」、「趣味」、「居住地域」及び「年収」の各項目を有する。
「画像」の項目は、パーソナライズドチラシ制作用フォーマットFm(図3参照)における画像1~画像4を識別する番号が格納される。パーソナライズドチラシ制作用情報443においては、広告チラシ制作用フォーマットFmの各領域Arに格納される各画像1~画像4の広告に対して、広告選択用の論理式等の情報が設定されている。図4に示す例では、広告選択用の論理式等として、広告がターゲットとする顧客の属性情報に対する重みづけの情報が設定されている。
【0057】
「性別」の項目には、顧客の性別の情報及び対応する重みづけの値(例えば、0.4)が格納され、「年代」の項目には、顧客の年代の情報及び対応する重みづけの値(例えば、0.1)が格納される。「家族構成」の情報には、“独身”や“共働き”などの顧客の家族構成の情報、及び対応する重みづけの値(例えば、0.1)が格納され、「趣味」の項目には、顧客の趣味の情報及び対応する重みづけの値(例えば、0.2)が格納される。「居住地域」の項目には、“関東”、“中部”等の顧客の居住地域の情報、及び、対応する重みづけの値(例えば、0.1)が格納され、「年収」の項目には、顧客の年収の情報及び対応する重みづけの値(例えば、0.1)が格納される。
【0058】
プラットフォーム提供サーバー4の広告チラシ制作部412は、パーソナライズドチラシ制作用情報443に設定された重みづけの値に基づいて、画像1~画像4に割り当てる広告を選択する。図4に示すパーソナライズドチラシ制作用情報443によれば、広告チラシ制作部412は、広告チラシ制作用フォーマットFmの“画像1”には、性別が女性であり、年代は30代であり、家族構成は独身であり、趣味はヨガであり、居住地域は関東であり、年収は400-800万円の属性情報を有する顧客をターゲットとした広告の画像を割り当てる。
【0059】
このようなパーソナライズドチラシ制作用情報443は、荷主の取り扱う商材毎、又は、顧客セグメント毎に設けられるものとする。そして、広告チラシ制作部412は、荷物の発送先の顧客の属性情報に応じて、適切なパーソナライズドチラシ制作用情報443を選択する。また、広告チラシ制作部412は、選択したパーソナライズドチラシ制作用情報443に基づいて、広告チラシ制作用フォーマットFmに割り当てる広告の画像を選択する。これにより、広告チラシ制作部412は、荷主の定期宅配会員である顧客にパーソナライズドされた広告を生成することが可能となる。
【0060】
なお、図4に示したパーソナライズドチラシ制作用情報443は、画像(領域)単位ではなく、ページ単位に設定されてもよい。ページ単位で設定された場合であって、ページ内に画像(広告)の埋め込み領域が複数存在する場合には、広告チラシ制作部412は、例えば、重みづけの加算値が最も高くなる広告から順に、領域の数に対応する広告の画像を選択することができる。
【0061】
また、図4に示すパーソナライズドチラシ制作用情報443の設定項目は一例であり、パーソナライズドチラシ制作用情報443には、これら以外の情報が含まれてもよい。
【0062】
また、広告チラシ制作部412は、画像(広告)選択用の論理式の代わりに、決定木やランダムフォレスト等の機械学習手法によって生成された学習モデル等を用いて、広告チラシ制作用フォーマットFmに割り当てる画像を選択してもよい。
【0063】
また、広告チラシ制作用フォーマットFmにおいては、荷主の希望に応じて、パーソナライズドチラシに対する顧客の反応率(効果)を測定するための個別のQRコードの情報が規定されてもよい。QRコードは2次元コードの一例である。
【0064】
個別QRコードの埋め込みを希望する場合、荷主は、広告チラシ制作用フォーマットFmにおいて、個別QRコードの埋め込み位置を指定する。顧客による反応の有無の情報のみを把握したい場合には、広告主は、固定的に使用するベースとなるURL(Uniform Resource Locator)を登録する。このURLには、ユーザがリンクを選択した場合に開かれるランディングページのURL(アドレスの一例)等が設定される。
【0065】
顧客毎に遷移先のURLを変更したい場合、荷主は、固定のURLに続く可変のパラメータを、顧客毎に変更することができる。例えば、下記の例1のURLにおいては、“http://example.com”が固定部分であるため、荷主は、顧客に応じて“&A0001”、“&A0002”等のパラメータを設定することができる。
【0066】
(例1)
http://example.com&A0001
http://example.com&A0002
【0067】
また、顧客毎に移動先のURL自体を変更したい場合には、荷主は、固定のURLを設定せず、別途プラットフォーム提供サーバー4に送付するリストにおいて、顧客に応じたURLを設定するか、広告チラシ制作用フォーマットFmにおいて、パラメータ部分のみを指定する。下記例2には、顧客に応じて設定される個別のURLの例を示す。下記の例2において、URLにおける“example1”の部分が顧客A用に設けられたパラメータであり、“example2”の部分が顧客B用に設けられたパラメータである。
【0068】
(例2)
http://example1.com
http://example2.com
【0069】
このような個別QRコードを設定し、顧客による個別QRコードの読み取り情報、すなわち、QRコード化されたライディングページへのアクセス情報を取得することにより、プラットフォーム提供サーバー4は、パーソナライズドチラシに対する荷主の顧客の反応に関する情報を取得できる。そして、プラットフォーム提供サーバー4は、把握した情報を、荷主に伝えることができる。つまり、プラットフォーム提供サーバー4は、荷主に対して、付加価値の高い同梱広告サービスを提供することが可能となる。これにより、同梱広告サービスを利用する既存顧客の満足度を高いレベルで維持できるとともに、新規の利用客の獲得も見込めるようになる。
【0070】
なお、本実施形態では、パーソナライズドチラシに対する顧客の反応率(効果)の測定用にQRコードを設ける例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。顧客が所持する携帯端末等による読み取りが可能であり、かつ、URL等の情報を埋め込むことが可能なものであれば、シール型のICタグ等の他の媒体又は情報が用いられてもよい。
【0071】
<広告主による登録情報>
次に、広告主端末装置2(図1参照)を介して広告主によってプラットフォーム提供サーバー4に登録される情報について説明する。広告主によってプラットフォーム提供サーバー4に登録される情報には、広告主情報442、広告情報444、荷物広告対応情報446Bがある。
【0072】
(広告主情報)
図5は、広告主情報442の構成例を示す図である。図5に示すように、広告主情報442は、「広告主No」、「会社名」、「業種」、「所在地」、「電話番号」、「会社規模」、「広告報酬の上限」及び「複数枚チラシ同梱可否情報」の各項目を有する。
【0073】
「広告主No」の項目には、各広告主に割り振られた識別子としての番号が格納される。「会社名」の項目には、広告主の会社名が格納される。「業種」の項目には、広告主の業種が格納される。「所在地」の項目には、広告主の会社の所在地の情報として、広告主の会社の住所等が格納される。「電話番号」の項目には、広告主の会社の電話番号が格納される。
【0074】
「会社規模」の項目には、広告主の会社の規模を示す情報として、従業員数の情報等が格納される。なお、会社規模の情報として、会社の売上額の情報等が格納されてもよい。「広告報酬の上限」の項目には、広告の報酬として荷主に支払う月単位の報酬額の上限の値が設定される。「広告報酬の上限」に設定された上限に報酬が到達した場合、その月においてはその広告主の原稿データは広告チラシの入札から外される。すなわち、広告チラシ制作部412によって選択される広告チラシの候補から外される。なお、広告報酬の上限が設定される単位は、月単位に限定されず、週単位や年単位などであってもよい。
【0075】
「複数枚チラシ同梱可否情報」には、同一の配送先(顧客)に対して、広告主が自社の異なる種類の商材の広告を複数枚同梱することを許可するか否かの情報が格納される。“可”が設定されている場合、一つの顧客に対して、一つの広告主から複数種類の広告が送られることになる。一方、“不可”が設定されている場合、一つの顧客に対しては、一つの広告主から、一種類の広告のみが送られることになる。取り扱う商材の数が多い広告主が、一つの顧客に対して多くの種類の広告チラシを同梱する場合、顧客が受ける印象が悪くなる可能性も想定される。したがって、広告主は、「複数枚チラシ同梱可否情報」を“不可”に設定することにより、そのような事態の発生を防ぐことができる。
【0076】
(広告情報)
図6は、広告情報444の構成例を示す図である。図6に示すように、広告情報444は、「広告No」、「原稿データ」、「同梱条件の顧客属性情報及び報酬」、「広告対象の種類」、「広告報酬の上限」、「個別QRコードの有無」及び「個別QRコード情報」の各項目を有する。
【0077】
「広告No」の項目には、各広告チラシに割り振られた識別子としての番号が格納される。「原稿データ」の項目には、広告主の広告チラシの原稿データのファイル名等の情報が格納される。「同梱条件の顧客属性情報及び報酬」の項目には、顧客属性情報に対応付けられた報酬の額の情報が格納される。
【0078】
図6に示す例では、「同梱条件の顧客属性情報及び報酬」の項目は、「性別」、「年代」、「家族構成」、「趣味」及び「年収」の中項目を有する。なお、これらの中項目は一例であり、「同梱条件の顧客属性情報及び報酬」の項目に含まれる中項目は、これら以外の情報で構成されてもよい。
【0079】
「性別」の項目には、その広告がターゲットとする顧客の「年代」の情報及び報酬の設定額の情報が格納され、「家族構成」の項目には、顧客の年代の情報及び報酬の設定額の情報が格納される。「趣味」の項目には、顧客の趣味の情報及び報酬の設定額の情報が格納され、「年収」の項目には、顧客の年収の情報及び報酬の設定額の情報が格納される。
【0080】
「広告対象の種類」の項目には、広告対象となる商材の種類の情報が格納される。「広告報酬の上限」の項目には、報酬の上限を個々の広告に対して設定する場合における、月単位の報酬の上限額の情報が格納される。「個別QRコードの有無」の項目には、その広告に対して、顧客の反応測定用の個別QRコードが設定されているか否かの情報が格納される。設定されている場合には“有り”、設定されていない場合には“無し”の情報が格納される。「QRコード情報」の項目には、個別QRコードが設定されている場合における、該個別QRコードのリンク先のURLの情報や、QRコードの広告チラシにおける埋め込み位置(座標)の情報などが格納される。
【0081】
例えば、広告情報444の「広告No」の“1”に対応付けて管理される広告情報には、広告チラシの原稿データのファイル名は“xxx.pdf”であることが示されている。また、「同梱条件の顧客属性情報及び報酬」の項目において、顧客属性の「性別」の“女性”にはr1円の報酬が設定され、「年代」の“30代”にはr2円の報酬が設定されている。また、「家族構成」の“独身”にはr3円の報酬が設定され、「趣味」の“料理”にはr4円の報酬が設定され、「年収」の“400-600万円”には、r5円の報酬が設定されている。
【0082】
「報酬」の額は、その広告がターゲットとする顧客に該広告が送付された場合に一番高くなるように設定される。そして、プラットフォーム提供サーバー4の広告チラシ制作部412は、「広告No」によって管理される複数の広告チラシの中から、この「報酬」の金額が一番高くなる顧客を対象とする広告チラシを、荷物に同梱するチラシとして選択する。これにより、広告主は、自社がターゲットとする荷主の顧客に対して、自社の広告チラシを送付することが可能となる。また、荷主は、より高い額の報酬を得ることが可能となる。
【0083】
「広告対象の種類」の項目には、広告対象の商材の種類が“自然食品”であることが示されており、「広告報酬の上限」の項目には、報酬の上限は“rmax1万円”であることが示されている。さらに、「個別QRコードの有無」の項目には、“有り”の情報が格納され、「QRコード情報」の項目には、個別QRコードのURLの情報(URL1)及び座標(x1,y1)の情報が格納されている。
【0084】
<荷物の発送段階においてプラットフォーム提供サーバーに登録される情報>
次に、荷物の発送段階においてプラットフォーム提供サーバーに登録される情報について説明する。荷物の発送段階においてプラットフォーム提供サーバーに登録される情報には、荷物顧客対応情報445、荷物広告対応情報446がある。
【0085】
(荷物顧客対応情報)
図7は、荷物顧客対応情報445の構成例を示す図である。荷物顧客対応情報445は、プラットフォーム提供サーバー4の広告チラシ制作部412が、荷物の出荷に先立って生成する情報である。荷物顧客対応情報445においては、出荷(発送)予定の各荷物に割り当てられた管理番号に対して、荷物の発送先の顧客の属性情報と、フィルタ情報とが対応付けて管理される。フィルタ情報とは、広告チラシ制作部412が、荷物に同梱する広告チラシを選別するための情報であり、「ホワイトリスト」及び「ブラックリスト」で構成される。
【0086】
図7に示すように、荷物顧客対応情報445は、「管理番号」、「性別」、「年代」、「地域」、「職業」、「URL」、「ホワイトリスト」、「ブラックリスト」及び「他社同梱許可枚数」の各項目を有する。
【0087】
「管理番号」の項目には、発送予定の各荷物に対して割り当てられた管理番号の情報が格納される。「性別」の項目には、荷物の発送先の顧客の性別の情報が格納される。「年代」の項目には、顧客の年代の情報が格納される。「地域」の項目には、顧客が居住している地域(都道府県)の情報が格納される。「職業」の項目には、顧客の職業の情報が格納される。
【0088】
「URL」の項目には、広告チラシに個別のQRコードを埋め込む設定がされている場合における、個別QRコードのリンク先のURLの、可変部分のパラメータが格納される。「ホワイトリスト」は、荷物への同梱を許可する広告チラシの条件として、広告チラシが広告する商材のカテゴリの情報を規定したリストである。「ブラックリスト」は、荷物への同梱を許可しない広告チラシの条件として、広告チラシが広告する商材のカテゴリの情報を規定したリストである。
【0089】
例えば、広告対象の商材のカテゴリと、広告チラシとが以下のように対応している場合を想定する。
「食品」のカテゴリ:広告チラシA、広告チラシD、広告チラシF
「エステティック」のカテゴリ:広告チラシB、広告チラシG、広告チラシI
「化粧品」のカテゴリ:広告チラシC、広告チラシE、広告チラシH
【0090】
そして、「ホワイトリスト」において“食品”のカテゴリが設定されており、「ブラックリスト」に“なし”が設定されているとする。この場合、荷主から発送される荷物に同梱する他社(広告主)の広告チラシの候補として、“食品”のカテゴリと対応付けられた広告チラシA、広告チラシD、広告チラシFが選択される。
【0091】
一方、「ホワイトリスト」に“なし”が設定され、「ブラックリスト」に“エステティック”が設定されているとする。この場合、荷主から発送される荷物に同梱される他社(広告主)の広告チラシの候補として、広告チラシA、広告チラシC、広告チラシD、広告チラシE、広告チラシF及び広告チラシHが選択される。つまり、ブラックリストのカテゴリに含まれる広告チラシB,G,Iは選択されない。
【0092】
そして、プラットフォーム提供サーバー4の広告チラシ制作部412は、ホワイトリスト及びブラックリストによるフィルタの結果、選択対象として残った広告チラシの中から、広告情報444(図6参照)において設定された報酬が最も高くなる広告チラシを、荷物に同梱するチラシとして選択する。
【0093】
荷主は、例えば、自社の商材のカテゴリと同一のカテゴリをブラックリストに登録することにより、自社の商材と競合する他社の商材の広告チラシが、自社の顧客に発送される荷物に同梱されてしまうことを防ぐことができる。
【0094】
「他社同梱許可枚数」の項目には、荷物への同梱を許可する他社(広告主)の広告チラシの枚数の情報が設定される。「他社同梱許可枚数」に、2枚以上が設定されている荷物に対しては、広告チラシ制作部412は、荷物に同梱する広告チラシを選択する処理を、選択された許可枚数分行う。
【0095】
例えば、広告主情報442(図5参照)の「複数枚チラシ同梱可否情報」において、「否」が設定されている場合を想定する。この場合、広告チラシ制作部412は、荷物に同梱する2枚目以降の広告チラシの選択対象から、1枚目として選択済みの広告チラシの広告主による広告チラシを外す。そして、広告チラシ制作部412は、選択済みの広告チラシの次に報酬が高くなる広告チラシを選択する。
【0096】
なお、図7に例示した荷物顧客対応情報445は、荷物が発送される前のタイミングにおいて、荷主端末装置1からプラットフォーム提供サーバー4に送信されるが、本発明はこれに限定されない。荷物顧客対応情報445における「ホワイトリスト」、「ブラックリスト」及び「他社同梱許可枚数」の各項目は、荷主情報の登録時等のタイミングにおいて事前に登録されてもよい。
【0097】
図8は、広告チラシ制作部412による同梱用の広告チラシ選択処理の例を示す図である。図8の左側には、ホワイトリスト及び/又はブラックリストに基づいてフィルタリングされた結果残った、広告チラシの例を示す。図8の左側に示す例では、フィルタリングの結果、荷物に同梱される広告チラシの候補として、広告主mによる広告チラシFa1~Fa3と、広告主nによる広告チラシFa11と、広告主oによる広告チラシFa21と、が残っている。そして、広告チラシ制作部412によって、この中から、まず広告主mによる広告チラシFa1が、荷物に同梱する広告チラシとして選択されたとする。
【0098】
広告主mによって設定された広告主情報442において、「複数枚チラシ同梱可否情報」が「可」に設定されている場合、図8の右上に示すように、広告主mによる、広告チラシFa1とは異なる種類の広告Fa2及び広告Fa3も、同梱のチラシの選択候補となる。また、他の広告主nによる広告チラシF11、及び、広告主oによる広告チラシFa21も、選択候補となる。
【0099】
一方、広告主mによって設定された広告主情報442において、「複数枚チラシ同梱可否情報」が「否」に設定されている場合、図8の右下に示すように、広告主mによる、広告チラシFa1とは異なる種類の広告Fa2及び広告Fa3は、同梱のチラシの選択候補から外れる。したがって、広告主情報442は、他の広告主nによる広告チラシF11、及び、広告主oによる広告チラシFa21の中から、報酬がより高くなる方の広告チラシの原稿データを選択する。
【0100】
(荷物広告対応情報)
図9は、荷物広告対応情報446の構成例を示す図である。図9Aは、荷物広告対応情報446Aの構成例を示し、図9Bは、荷物広告対応情報446Aの構成例を示す。
【0101】
図9Aに示すように、荷物広告対応情報446Aは、「管理番号」及び「パーソナライズドチラシ原稿データ」の各項目を有する。「管理番号」の項目には、発送予定の荷物の管理番号の情報が格納され、「パーソナライズドチラシ原稿データ」の項目には、荷物の管理番号と対応付けられた荷主のパーソナライズドチラシの原稿データのファイル名等が格納される。
【0102】
図9Bに示すように、荷物広告対応情報446Bは、「管理番号」、「広告チラシ原稿データ」、「広告主No」及び「報酬額」の各項目を有する。「管理番号」の項目には、発送予定の荷物の管理番号の情報が格納され、「広告チラシ原稿データ」の項目には、荷物の管理番号と対応付けられた広告チラシ原稿データのファイル名等が格納される。
【0103】
「広告主No」の項目には、広告チラシの製作元の広告主の広告Noが格納される。なお、広告主Noの代わりに、広告主の会社名等が格納されてもよい。「報酬額」の項目には、荷物に同梱される(荷物番号と対応付けて管理される)広告チラシに対応付けられた報酬の金額の情報が格納される。
【0104】
<同梱広告サービス提供方法>
次に、本実施形態に係る同梱広告サービス提供システム100による同梱広告サービス提供方法について説明する。
【0105】
[荷主による情報登録処理]
まず、図10を参照して、荷主による情報登録処理について説明する。図10は、荷主端末装置1から送信された情報のプラットフォーム提供サーバー4における登録処理の手順の例を示すシーケンス図である。
【0106】
まず、荷主は、荷主端末装置1の操作表示部11(図1参照)を操作することにより、自社のアカウント情報を、プラットフォーム提供サーバー4によって提供されるサービスプラットフォームに入力する(ステップS1)。つまり、操作表示部11を介して入力された荷主のアカウント情報が、荷主端末装置1の制御部12による制御に基づいて、通信部14を介してプラットフォーム提供サーバー4に送信される。
【0107】
次いで、プラットフォーム提供サーバー4の情報登録部411は、ステップS1で入力された荷主のアカウント情報を、荷主情報441(図2参照)として記憶部44に登録する(ステップS2)。次いで、プラットフォーム提供サーバー4の情報登録部411は、アカウント情報の登録の完了通知を、通信部42を介して荷主端末装置1に送信する(ステップS3)。
【0108】
次いで、荷主は、荷主端末装置1の操作表示部11を操作することにより、荷主のパーソナライズドチラシに関する情報を、プラットフォーム提供サーバー4によって提供されるサービスプラットフォームに入力する(ステップS4)。ステップS4で荷主端末装置1からプラットフォーム提供サーバー4に送信される情報には、パーソナライズドチラシ制作用フォーマットFm(図3参照)、広告用の画像及びメッセージ(テキスト)、パーソナライズドチラシ制作用フォーマットFmにおいて規定された領域に挿入する画像又はテキストを選択するための論理式の情報等がある。
【0109】
次いで、プラットフォーム提供サーバー4の情報登録部411は、ステップS4で入力された各種情報を記憶部44に登録する(ステップS5)。具体的には、プラットフォーム提供サーバー4の情報登録部411は、パーソナライズドチラシ制作用フォーマットFmを記憶部44に登録するとともに、パーソナライズドチラシに関する情報を、パーソナライズドチラシ制作用情報443として記憶部44に登録する。次いで、プラットフォーム提供サーバー4の情報登録部411は、パーソナライズドチラシに関する情報の登録の完了通知を、通信部42を介して荷主端末装置1に送信する(ステップS6)。ステップS6の処理後、荷主による情報登録処理は終了する。
【0110】
[広告主による情報登録処理]
次に、図11を参照して、広告主による情報登録処理について説明する。図11は、広告主端末装置2から送信された情報のプラットフォーム提供サーバー4における登録処理の手順の例を示すシーケンス図である。
【0111】
まず、広告主は、広告主端末装置2の操作表示部21(図1参照)を操作することにより、自社のアカウント情報を、プラットフォーム提供サーバー4によって提供されるサービスプラットフォームに入力する(ステップS11)。
【0112】
次いで、プラットフォーム提供サーバー4の情報登録部411は、ステップS11で入力された広告主のアカウント情報を、広告主情報442(図5参照)として登録する(ステップS12)。次いで、プラットフォーム提供サーバー4の情報登録部411は、アカウント情報の登録の完了通知を、通信部42を介して広告主端末装置2に送信する(ステップS13)。
【0113】
次いで、広告主は、広告主端末装置2の操作表示部21を操作することにより、広告主の広告に関する情報を、プラットフォーム提供サーバー4によって提供されるサービスプラットフォームに入力する(ステップS14)。ステップS14で広告主端末装置2からプラットフォーム提供サーバー4に送信される情報には、広告チラシ原稿データや、広告チラシの同梱条件と報酬との対応情報、広告報酬の上限の情報、個別QRコードの付加に関する情報などがある。
【0114】
次いで、プラットフォーム提供サーバー4の情報登録部411は、ステップS14で入力された広告チラシ原稿データを解析する(ステップS15)。次いで、情報登録部411は、解析の結果問題なしであったか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16で、問題なしと判定された場合(ステップS16がYES判定の場合)、情報登録部411は、ステップS14で入力された広告に関する情報を、広告情報444(図6参照)として記憶部44に登録する(ステップS17)。
【0115】
次いで、情報登録部411は、広告に関する情報の登録の完了通知を、通信部42を介して広告主端末装置2に送信する(ステップS18)。ステップS16で、解析結果に問題ありと判定された場合(ステップS16がNO判定の場合)、情報登録部411は、広告に関する情報の登録不可の通知を、通信部42を介して広告主端末装置2に送信する(ステップS19)。ステップS14~ステップS18又はステップS19までの処理は、製作が必要な広告チラシの種類の数だけ繰り返して行われる。
【0116】
[同梱広告サービス提供処理]
次に、図12及び図13を参照して、同梱広告サービス提供システム100による同梱広告サービス提供処理について説明する。図12は、同梱広告サービス提供システム100による同梱広告サービス提供処理の手順の例を示すシーケンス図である。図13は、同梱広告サービス提供処理において実施される個別QRコード付加処理の手順の例を示すフローチャートである。
【0117】
まず、荷主は、荷主端末装置1の操作表示部11(図1参照)を操作することにより、荷物顧客対応情報を、プラットフォーム提供サーバー4によって提供されるサービスプラットフォームに入力する(ステップS31)。荷物顧客対応情報は、発送予定の荷物の管理番号や、荷物の発送先の顧客の属性情報、パーソナライズドチラシにQRコードを付加する場合におけるQRコードのリンク先のURLの情報、ホワイトリスト及びブラックリストの情報、及び、他社同梱許可枚数の情報を含む。ステップS31で入力された情報は、荷物顧客対応情報445(図7参照)として記憶部44に記憶される。
【0118】
次いで、プラットフォーム提供サーバー4の広告チラシ制作部412は、荷物顧客対応情報445に記載の顧客属性情報、パーソナライズドチラシ制作用情報443の設定内容に基づいて、広告用の画像及びテキストを用いて、荷主用のパーソナライズドチラシ原稿データを作成する(ステップS32)。次いで、プラットフォーム提供サーバー4の広告チラシ制作部412は、ステップS32で作成したパーソナライズドチラシ原稿データと、発送予定の荷物の管理番号とを対応付ける(ステップS33)。そして、広告チラシ制作部412は、ステップS33で対応付けた内容を、荷物広告対応情報446A(図9参照)として記憶部44に記憶する。
【0119】
ステップS32及びステップS33の処理は、発送予定の荷物の数、すなわち、荷物と一対一で対応付けられた管理番号の数の分だけ繰り返して行われる。
【0120】
次いで、広告チラシ制作部412は、荷物に同梱する広告主の広告チラシのフィルタ処理を行う(ステップS34)。ステップS34のフィルタ処理は、ステップS31で入力された荷物顧客対応情報445に記載のブラックリスト、ホワイトリストに基づいて行われる。
【0121】
次いで、広告チラシ制作部412は、ステップS34でフィルタされた広告チラシの中から、荷物の発送先の顧客の属性情報に基づいて算出される報酬が最も高くなる広告チラシを、荷物に同梱する広告チラシとして選択する(ステップS35)。
【0122】
次いで、広告チラシ制作部412は、ステップS35で選択した広告チラシの原稿データと、荷物の管理番号と、広告チラシ製作元の広告主の情報と、広告チラシの報酬額の情報とを対応付ける(ステップS36)。そして、広告チラシ制作部412は、対応付けた情報を荷物広告対応情報446Bとして記憶部44に記憶する。
【0123】
次いで、広告チラシ制作部412は、広告チラシへの個別QRコードの付加が必要であるか否かを判定する(ステップS37)。広告チラシ制作部412は、広告情報444(図6参照)を参照することにより、個別QRコードの付加の要否の情報を確認できる。ステップS37で、個別QRコードの付加が必要であると判定された場合(ステップS37がYES判定の場合)、広告チラシ制作部412は、広告チラシ原稿データへのQRコード付加処理を行う(ステップS38)。
【0124】
一方、ステップS37で、個別QRコードの付加は不要であると判定された場合(ステップS37がNO判定の場合)、広告チラシ制作部412は、QRコード付加処理は実行しない。上述したステップS34からステップS38までの処理は、荷物に同梱する広告チラシが、荷物顧客対応情報445において規定された他社同梱許可枚数に到達するまでの間、繰り返し行われる。
【0125】
ここで、ステップS38で行われるQRコード付加処理について、図13を参照して説明する。まず、広告チラシ制作部412は、QRコードの生成に先立ち、各広告主内で用いる広告主用の個別QRコード用のシリアルNo(識別情報の一例)を生成する(ステップS51)。次いで、広告チラシ制作部412は、広告情報444に登録された個別QRコードのURLに、ステップS51で生成したシリアルNoを、パラメータとして付加する(ステップS52)。ステップS52でQRコードにパラメータとして付加されたシリアルNoは、プラットフォーム提供サーバー4において、発送される荷物の管理番号と対応付けて管理される。より詳細には、シリアルNoは、QRコード化されたURLと、管理番号と対応付けられた荷物の発送先の顧客の情報と、広告チラシの広告主の情報とを対応付けて管理するために用いられる。
【0126】
次いで、広告チラシ制作部412は、ステップS52で付加されたパラメータを含むURLを、QRコードに変換する(ステップS53)。次いで、ステップS53で生成したQRコードを、広告チラシデータ内における広告情報444内で指定された座標に付加する(ステップS54)。ステップS51~ステップS54の処理は、生成が必要な個別QRコードの数の分だけ繰り返し行われる。
【0127】
図13に示す処理が行われることにより、プラットフォーム提供サーバー4の制御部は、個別QRコードに付加したパラメータに基づいて、どのQRコードに対してどのような顧客がアクセスしたのかといった、広告チラシの効果に関する情報を把握できる。そして、広告チラシの効果に関する情報を、広告主にフィードバックすることができる。フィードバックを受けた広告主は、広告チラシに対してアクションを起こしてくれた顧客が、実際に広告のターゲットとしていた顧客層の顧客であるか等を判断することができる。これにより、広告主は、フィードバックの内容に基づいて、ターゲットとする顧客により訴求力のある広告チラシの再生成や、広告チラシの同梱条件の見直などの対策をとることが可能となる。
【0128】
図12に戻って説明を続ける。荷物の発送段階に入ると、ロジシステム端末装置3からプラットフォーム提供サーバー4に対して、発送が行われる荷物の管理番号の情報が送信される(ステップS39)。ステップS39の管理番号の送信は、例えば、ロジシステムのバーコードリーダーが、ロジシステムのベルトコンベア上を搬送される荷物の不図示のバーコード等を読み取った情報等に基づいて行われる。つまり、ロジシステムのバーコードリーダーによって読み取られたバーコードに対応付けられた荷物番号が、ロジシステム端末装置3からプラットフォーム提供サーバー4に送信される。なお、ロジシステム端末装置3から荷物の管理番号が送られるタイミングは、この例に限定されず、発送予定の荷物の管理番号が確定した時点等であってもよい。
【0129】
次いで、プラットフォーム提供サーバー4の印刷指示部413は、ステップS39でロジシステム端末装置3から送信された管理番号に対応付けられたパーソナライズドチラシ原稿データ、広告チラシ原稿データを取得する(ステップS40)。印刷指示部413は、管理番号に対応付けられたパーソナライズドチラシ原稿データを、荷物広告対応情報446A(図9参照)に記載の内容に基づいて取得する。また、印刷指示部413は、広告主の広告チラシ原稿データは、荷物広告対応情報446Bに記載の内容に基づいて取得する。
【0130】
次いで、印刷指示部413は、ステップS40で取得した原稿データ(パーソナライズドチラシ原稿データ、広告主の原稿データ)の印刷指示を、印刷装置5に対して行う(ステップS41)。次いで、印刷装置5の画像形成部54は、印刷指示された原稿データに基づく画像を用紙に形成することにより、パーソナライズドチラシ、広告チラシを印刷する(ステップS42)。
【0131】
次いで、プラットフォーム提供サーバー4の報酬処理部414は、荷物に同梱した広告チラシの広告主への請求額に、荷物に対応付けられた報酬額を加算する処理を行う(ステップS42)。広告主への請求額には、報酬額の他に、広告チラシの用紙代、印刷装置5による印刷1枚当たりに設定された課金額(クリックチャージ)、広告制作費等が含まれる。
【0132】
上述した実施形態では、プラットフォーム提供サーバー4の広告チラシ制作部412は、発送予定の荷物の発送先の顧客の属性情報に基づいて、広告主がターゲットとする顧客の属性情報に対して設定された報酬が最も高くなる広告チラシの原稿データを、荷物への同梱用のチラシとして選択する。また、プラットフォーム提供サーバー4の印刷指示部413は、広告チラシ制作部412によって選択された広告チラシの原稿データの印刷指示を、印刷装置5に対して出力する。
【0133】
これにより、広告主がターゲットとする顧客の属性情報と合致する属性情報を有する、荷主の顧客に発送される荷物に、広告主の広告チラシが同梱されるようになる。したがって、広告主は、自社がターゲットとする顧客に対して、ピンポイントで広告チラシを送付できるようになる。つまり、本実施形態によれば、ターゲットとする適切な顧客に対して、広告主が広告を出せるようになる。これにより、広告主による同梱広告サービス利用の費用対効果も向上させることができる。
【0134】
また、上述した実施形態では、発送予定の荷物に対応して広告チラシ制作部412によって選択された広告チラシの印刷指示が、印刷指示部413から印刷装置5に出力される。つまり、発送予定の荷物に対応付けられた広告チラシが印刷装置5によって印刷される。したがって、広告主は、広告チラシを予め印刷して用意したり、印刷した広告チラシを荷主に送付したりする必要がなくなる。また、本実施形態によれば、荷主も、広告主から送付された広告チラシと、該広告チラシの同梱対象となる荷物とを対応させる等の、煩雑な作業を行わずに済む。
【0135】
<変形例>
[変形例1]
なお、上述した実施形態では、広告主は、荷主の荷物の発送先の顧客の顧客属性に対して報酬の金額を設定する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。広告主は、荷主情報に対して報酬の金額を設定してもよい。荷主情報には、例えば、荷主の顧客セグメントの情報や、荷主の取り扱う商材の情報等がある。
【0136】
例えば、荷主は、荷主端末装置1(図1参照)を介して、荷主の顧客セグメントや商材などの印象を示すイメージスケールを、事前にプラットフォーム提供サーバー4に登録しておく。そして、広告主は、イメージスケールとして示される情報に対して、報酬の金額を設定する。イメージスケールとは、イメージのマッピングツールであり、イメージの判断基準としての座標軸上に単色、配色、言葉等を配置したものである。
【0137】
図14は、荷主がプラットフォーム提供サーバー4に登録したイメージスケールの例を示す図である。図14に示す図は、コニカミノルタ株式会社が提供する「EX感性」というサービスの概要説明資料(次のURLよりダウンロード可能(https://explainablekansei.konicaminolta.com/downloadlist))に掲載されているものである。
【0138】
図14Aは、多色のグラデーションにより荷主の提供する商材又は荷主の顧客セグメントのイメージを示したイメージスケールである。図14Bは、各イメージの強度の情報を示すレーダーチャートを用いて、荷主の提供する商材又は顧客セグメントのイメージを示したイメージスケールである。プラットフォーム提供サーバー4においては、荷主のイメージスケールに対して報酬の金額が設定されているものとする。
【0139】
広告主は、広告主端末装置2を介して、自社の広告のターゲットとしたいイメージに近いキーワード等を選択し、プラットフォーム提供サーバー4に送信する。そして、プラットフォーム提供サーバー4は、広告主端末装置2から送信されたキーワードと対応付けられた荷主を、広告主による広告チラシを同梱する荷主として選択する。そして、プラットフォーム提供サーバー4は、イメージスケールに対応付けられた報酬に対応する金額の支払いの通知を、広告主端末装置2に送信し、広告主より支払われた報酬に対応する金額を、荷主に支払う処理を行う。
【0140】
上述した変形例1によれば、広告主は、プラットフォーム提供サーバー4を介して荷主に報酬を支払うことによって、自社の広告のターゲットとしたいイメージと一致する商材を扱う荷主を、適切に選択できるようになる。また、荷主は、顧客の属性情報に対して設定された報酬だけでなく、荷主情報に対して設定された報酬も得ることができるようになる。
【0141】
また、プラットフォーム提供サーバー4は、広告主が生成した広告チラシの分析結果を、広告主にフィードバックする場合におけるツールとして、イメージスケールを使用してもよい。例えば、プラットフォーム提供サーバー4は、広告主端末装置2から送信された広告チラシの原稿データに含まれる色を分析し、分析結果をイメージスケールにプロットする。そして、プラットフォーム提供サーバー4は、分析結果がプロットされたイメージスケールを、広告主端末装置2に送信する。これにより、プラットフォーム提供サーバー4は、広告チラシが持つ(顧客に与える)イメージと、ターゲットとする顧客が分類されているイメージとが一致しているか否かの等のフィードバック情報を、広告主に伝えることができる。
【0142】
また、プラットフォーム提供サーバー4は、広告チラシが持つ(顧客に与える)イメージと、荷主がターゲットとする顧客セグメントが分類されているイメージとを一致させるためのアドバイス等を、広告主端末装置2に送信してもよい。具体的には、プラットフォーム提供サーバー4は、顧客セグメントが分類されているイメージがプロットされたイメージスケールにおける位置に、広告チラシが持つイメージのプロット位置を移動させるためのアドバイス等を、広告主端末装置2に送信することができる。
【0143】
また、プラットフォーム提供サーバー4は、広告主へのフィードバックとして、広告の中で目立ち、注目しやすいポイントのランキング情報等を、広告主端末装置2に送信してもよい。また、広告主が制作した広告チラシにおいて、目立つポイントや注目を集めやすいポイントに、顧客の注目を集めたい情報が掲載されていないと分析した場合、プラットフォーム提供サーバー4は、広告チラシの改善のアドバイス等を広告主端末装置2に送信してもよい。プラットフォーム提供サーバー4によってこのようなサービスが提供されることにより、プラットフォーム提供サーバー4を運営する企業の顧客の数も増加させることが可能となる。
【0144】
[変形例2]
また、プラットフォーム提供サーバー4は、パーソナライズドチラシに埋め込んだ個別QRコードへのアクセスログの解析結果等に基づいて、図4に示したパーソナライズドチラシ制作用情報443に示される論理式の改善を提案するサービスを、荷主に提供してもよい。
【0145】
例えば、プラットフォーム提供サーバー4は、サービスプラットフォームに、改善提案サービスの提供に当たって必要な情報の入力用のUIを設ける。改善提案サービスの提供に当たって必要な情報には、荷主の顧客の購買履歴情報、パーソナライズドチラシに個別QRコード化して埋め込まれる、広告のランディングページのURLの情報、URLのアクセスログの分析に必要な、URLに付与する識別子の情報等がある。
【0146】
プラットフォーム提供サーバー4の制御部41は、荷主によって荷主端末装置1を介して入力されたこれらの情報を、記憶部44内の不図示のデータベースに、顧客IDと対応付けて登録しておく。また、制御部41は、顧客の購買情報、及び/又は、顧客による広告のランディングページへのアクセス情報を、機械学習のデータベースに学習データとして蓄積する。そして、機械学習には、入力される顧客ID等の顧客情報に対して、顧客による購買行動、及び/又は、ランディングページへのアクセス数が最大となる論理式の情報を出力するアルゴリズムを学習させる。
【0147】
荷主より、荷主端末装置1を介して、論理式切り替えの提案等が行われたタイミングにおいて、プラットフォーム提供サーバー4の広告チラシ制作部412は、改善後の論理式の情報を、顧客セグメントの情報と対応付けて荷主端末装置1に送信する。変形例2によれば、荷主は、プラットフォーム提供サーバー4から改善提案された論理式を用いて、ターゲットとする顧客により訴求力のある広告チラシを生成できるようになり、顧客の購買行動を促進させることができる。また、変形例2によれば、プラットフォーム提供サーバー4により提供される同梱広告サービスの付加価値も向上させることができるため、同梱広告サービスの利用客(荷主、広告主)を増やすことも可能となる。
【0148】
なお、プラットフォーム提供サーバー4は、改善後の論理式を提案する際に、論理式に基づき生成したパーソナライズドチラシの原稿データも併せて荷主端末装置1に送信してもよい。このようなサービスが提供されることにより、荷主は、改善後の論理式に基づいて制作されたパーソナライズドチラシの内容を確認することができる。
【0149】
[変形例3]
また、図7に示した荷物顧客対応情報445の「ホワイトリスト」に設定されるカテゴリに、広告チラシにおけるクーポンの有無の情報などが設定されてもよい。このような設定が行われることにより、プラットフォーム提供サーバー4の広告チラシ制作部412が、クーポン付きの広告チラシを、同梱用のチラシとして選択する可能性を高めることができる。つまり、荷物の発送先の顧客に対して、クーポンによるメリットを提供することが可能となる。また、クーポン付きの広告チラシが同梱される確率を高めることにより、クーポンの獲得に魅力を感じる、荷主の顧客を増やすことも可能となる。
【0150】
なお、上述した各実施形態又は変形例は、本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0151】
また、図2において実線で示した制御線又は情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0152】
また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。
【符号の説明】
【0153】
1…荷主端末装置、2…広告主端末装置、3…ロジシステム端末装置、4…プラットフォーム提供サーバー、5…印刷装置、100…同梱広告サービス提供システム、411…情報登録部、412…広告チラシ制作部、413…印刷指示部、414…報酬処理部、441…荷主情報、442…広告主情報、443…パーソナライズドチラシ制作用情報、444…広告情報、445…荷物顧客対応情報、446…荷物広告対応情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14