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特開2024-171166情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171166
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241204BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088091
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸也
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049BB05
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザが受けたサービスに関連する追加のサービスを提示することにより、ユーザに提示する情報量を減らし、ユーザからユーザデータの利用の同意を得やすくする技術を実現する。
【解決手段】情報処理装置(1)は、ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する取得手段(11)と、サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する判定手段(12)と、付加価値サービスがあると判定された場合に、事業者が有するユーザデータを他の事業者に提供することへの同意要求と、ユーザが同意要求を許諾することによって受けられる付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する生成手段(13)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する取得手段と、
前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する判定手段と、
前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する生成手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することの同意が前記ユーザからすでに得られているか否かを更に判定し、前記生成手段は、当該同意が前記ユーザからまだ得られていないと判定された場合に、前記メッセージを生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記付加価値サービスのユーザ満足度を推定する推定手段を更に備える、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザ満足度は、前記ユーザが前記事業者からサービスを受けた場所と前記付加価値サービスが受けられる場所との地理的関係、又は前記ユーザの行動情報に基づいて推定される、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記メッセージに含める前記付加価値サービスを、前記ユーザ満足度に基づいて決定する決定手段を更に備える、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記他の事業者に提供する提供ユーザデータを、前記他の事業者ごとに前記ユーザデータのうちから選択する選択手段を更に備える、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記メッセージは、前記他の事業者に提供するユーザデータと前記受けられる付加価値サービスに関する情報とが1つの表示画面に表示されるように構成される、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサが、
ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得すること、
前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定すること、
前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成すること、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する取得手段と、
前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する判定手段と、
前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する生成手段と、
前記事業者に関する情報と、前記付加価値サービスに関する情報と、当該付加価値サービスを提供する前記他の事業者に関する情報と、当該他の事業者に提供する提供ユーザデータに関する情報と、を関連付けて記録する、付加価値サービステーブルを記憶する記憶部と、
を備える情報処理システム。
【請求項10】
ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する取得処理と、
前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する判定処理と、
前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する生成処理と、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが事業者のサービスを利用したときなどには、その利用に関するユーザデータ(以下、「UD」とも称する。)が生成され、そのサービスを提供する事業者が保持する。このユーザの動線に沿ってタッチポイント(ユーザが事業者のサービスを利用することができる場所)を構築する他の事業者とUDを共有することができれば、UDのデータ連携を行う事業者グループと連携しない事業者グループとの間で、ユーザに提供するサービスの差別化を図ることができる。UDのデータ連携を促進するためには、UDの所有者であるユーザに、会員登録時やユーザ情報(ID)連携登録時などのタイミングで、UD流通の同意を事前に取得し、UDを流通可能な状態としておくことが考えられる。しかし現状では、UD保持者であるユーザから、データ連携へのユーザの同意が得られにくく、データ連携が促進されないという問題がある。
【0003】
データ連携へのユーザの同意が得られにくい理由としては、次のようなことが考えられる。1つには、ユーザが同意を行うための規約内容が多く、それを理解するのが負担となってデータ連携に同意しないことが考えられる。また、ユーザが安易に同意すると、事業者側主導のデータ連携が行われ、意図しないUD流通が行われてしまうのではないかとの不安があることが考えられる。実際にそのような結果になると、レピュテーションリスク(事業者の信用が損なわれるリスク)が高まるなどの懸念も生じる。つまり、同意を行ったとしても、ユーザによるデータ連携の同意に関する規約の理解が不十分であったり、事業者のデータ連携がユーザにとって意図しない態様であったりすると、データ連携に対するユーザの不信感を生む。最終的にはデータ連携を解除したり、離脱したりすることになり、データ連携によるUD流通市場全体に対する忌避傾向を生じてしまう虞がある。
【0004】
特許文献1には、データ流通にユーザが同意し易いデータ項目、または、ユーザが同意し易いサービス項目に関するサービス連携を推定する推定部と、推定部が推定した同意し易いデータ項目、または推定部が推定した同意し易いサービス項目に関するサービス連携を、ユーザの端末に表示させて推奨する推奨部などを備えるデータ管理装置が開示されている。このような装置により、ユーザのデータを管理するとともに、そのデータを利用する事業者に提供するようにユーザに推薦することが可能となるとされている。
【0005】
特許文献2には、利用者から取得したサービスに対応する利活用レベルと、パーソナルデータの内容に基づいて利用者のリスクを算出するリスク評価部と、利用者から取得したサービスに対応する利活用レベルに基づいて、利用者が受けられる利潤を算出する利潤評価部などを備える利用者同意管理装置が開示されている。これによれば、利活用する情報の粒度に応じた利潤・リスクを個人が把握した上で、利活用に同意する情報の粒度を選択できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開WO2022/185471号公報
【特許文献2】特開第2015-141642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載のデータ管理装置においては、ユーザに多くの同意対象のサービス項目を提示してユーザに選択させるため、同意するか否かの判断が容易にはできない虞がある。また、特許文献2に記載の利用者同意管理装置においては、利活用に同意する情報の粒度の選択肢が多くなると、ユーザがどの程度の情報の利活用を同意するかの判断に迷う虞がある。そして、ユーザが判断に迷う場合は、同意しない可能性が高くなることが予想される。
【0008】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、ユーザからユーザデータの利用の同意を得やすくする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する取得手段と、前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する判定手段と、前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する生成手段と、を備える。
【0010】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、少なくとも1つのプロセッサが、ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得すること、前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定すること、前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成すること、を含む、を含む。
【0011】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する取得手段と、前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する判定手段と、前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する生成手段と、前記事業者に関する情報と、前記付加価値サービスに関する情報と、当該付加価値サービスを提供する前記他の事業者に関する情報と、当該他の事業者に提供する提供ユーザデータに関する情報と、を関連付けて記録する、付加価値サービステーブルを記憶する記憶部と、を備える。
【0012】
本発明の一態様に係る情報処理プログラムは、ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する取得処理と、前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する判定処理と、前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する生成処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、ユーザが受けたサービスに関連する追加のサービスを提示することにより、ユーザに提示する情報量を減らし、ユーザからユーザデータの利用の同意を得やすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の例示的実施形態1に係る情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
図2】例示的実施形態1に係る情報処理方法の流れを示すフローチャートである。
図3】例示的実施形態1に係る情報処理システム2の構成を示すブロック図である。
図4】情報処理装置1が実行する付加価値提供サービスの流れと各ステップの内容を示す模式図である。
図5】情報処理装置1の記憶部に記録されている各種テーブルの内容を示す模式図である。
図6】生成部がメッセージを生成する手順とそのメッセージの一例を示す模式図である。
図7】本発明の例示的実施形態2に係る情報処理装置1Aの構成を示すブロック図である。
図8】情報処理装置1Aが実行する付加価値提供サービスの流れと各ステップの内容を示す模式図である。
図9】本例示的実施形態に係る情報処理システム2Aの構成を示すブロック図である。
図10】ソフトウェアによって情報処理装置を実現するための構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0016】
(情報処理装置1の構成)
本例示的実施形態に係る情報処理装置1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理装置1は、取得部11、判定部12、生成部13を備える。
【0017】
情報処理装置1は、ユーザが経済的行動を行った場合に、その経済的行動に関連して受けられる付加価値サービスを提示するとともに、その経済的行動のユーザデータを他のサービス事業者へ提供すること(以下、これを「データ連携」とも称する。)の同意を求めるための装置である。情報処理装置1は、例えば、ある地域のユーザ(消費者)の経済的活動をより活発化させることにより、地域の経済活性化を促進することを目指す運営者によって運営される。情報処理装置1を運営する運営者は、ユーザがあるサービス事業者から受けたサービスのデータを他のサービス事業者に提供することについて、あらかじめ複数のサービス事業者と契約をしておく。以下では「サービス事業者」を単に「事業者」と称する。
【0018】
取得部11は、ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する。「サービス」とは、物品の販売、食事の提供、交通機関・遊興施設・貸出施設等の各種施設の提供など、事業者が不特定多数のユーザに提供することである。「サービスを受ける」とは、物品の購入、飲食店での飲食、交通機関・遊興施設・貸出施設等の各種施設の利用など、事業者から提供されるサービスをユーザが利用すること(経済的行動)である。ユーザがサービスを利用する態様は、サービスの種類によってさまざまである。「事業者」とは、ユーザに上記のサービスを提供する営利組織、又は非営利組織である。なお、上記のサービスは有償に限らず、無償であってもよい。取得部11は、特許請求の範囲に記載した取得手段の一形態である。
【0019】
「ユーザデータ」とは、ユーザが利用した上記サービスの具体的な内容を示す情報である。例えば、スーパーマーケットでユーザが各種カードを用いて買い物をした場合、そのユーザに関する情報と、買った物品とその価格がスーパーマーケットの例えばPOS(Point Of Sale)端末に記録される。POS端末は、購買の決裁機能とその購買情報(ユーザデータ)を生成する機能を有する端末である。取得部11は、このユーザデータをPOS端末から取得する。
【0020】
判定部12は、ユーザが受けたサービスに関連してそのユーザが他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する。「付加価値サービス」とは、ユーザが受けたサービス(これを1次サービスとも称する)に関連する2次サービスであって、ユーザにとって利用価値(付加価値)がある、つまりユーザに喜ばれるであろうと考えられる2次サービスを指す。判定部12は、特許請求の範囲に記載した判定手段の一形態である。
【0021】
例えば、スーパーマーケットでの買い物に関連する付加価値サービスとして、近くで利用可能なコインロッカーの案内、タクシー配車の手配、各種クーポンの提供などが考えられる。例えば、コインロッカーの案内やタクシー配車は、買い物により荷物が増えたユーザにとって、荷物を一時的に預けたり、あるいはタクシーで帰宅したりすることができ、タイムリーに情報の提示を受けることでユーザの満足感を増加させることができる。また、1次サービスによって得られる各種クーポンは、1次サービスを受けた場合にのみうけることができる経済的なメリットであり、ユーザの満足感を増加させることができる。つまり、付加価値サービスとは、1次サービスに伴って受けることでユーザの満足感を増加させることができるサービスである。なお、2次サービスを受けることによって受けることができる3次サービス、さらには4次サービス等も付加価値サービスである。
【0022】
情報処理装置1は、付加価値サービスに関する情報を記憶する記憶部を備えていてもよい。例えば、付加価値サービスに関する情報は、スーパーマーケットの近くにあるコインロッカーの情報、近くにあるタクシー会社の情報、近くにあるレストランのクーポン券情報又はメニューレシピ情報など、ユーザが利用したスーパーマーケットと関連付けた情報である。
【0023】
生成部13は、判定部12によってそのような付加価値サービスがあると判定された場合に、その事業者が有するユーザデータを他の事業者に提供することへの同意要求と、ユーザが同意要求を許諾することによって受けられる付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する。以下では、「同意要求を許諾する」ことを単に「同意する」ともいう。生成部13は、特許請求の範囲に記載した生成手段の一形態である。
【0024】
生成部13が生成したメッセージは、情報処理装置1からそのユーザの端末装置(スマートフォンなど)に送信される。ユーザは、そのメッセージから、自分の買い物データとしてのユーザデータがコインロッカーの運営業者に提供されることに同意するか否か、又はタクシー会社に提供されることに同意するか否か、又はレストランの経営者に提供されることに同意するか否か、を返信する。そして、ユーザがユーザデータを他の事業者に提供することに同意した場合は、それぞれの事業者からユーザの携帯端末に2次サービスの案内が届けられる。そしてユーザは、希望によりその2次サービスを容易に利用することができるため、満足感を得ることができる。
【0025】
(情報処理装置1の効果)
以上のように、例示的実施形態1に係る情報処理装置1においてはユーザがある事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する取得部11と、ユーザが受けたサービスに関連してそのユーザが他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する判定部12と、判定部12によってそのような付加価値サービスがあると判定された場合に、ある事業者が有するユーザデータを他の事業者に提供することへの同意要求と、ユーザが同意要求を許諾することによって受けられる付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する生成部13と、を備える構成が採用されている。このような構成においては、ユーザが受けた1次サービスに関連した、タイムリーでユーザに喜ばれるであろう付加価値サービスのみを探索してユーザに提示するため、データ連携を行う他の事業者の数と連携するユーザデータの内容が限定され、ユーザに提示する情報量を減らすことができる。そのため、例示的実施形態1に係る情報処理装置1によれば、ユーザが受けたサービスに関連する追加のサービスを提示することにより、ユーザに提示する情報量を減らし、ユーザからユーザデータの利用の同意を得やすくすることができるという効果が得られる。
【0026】
(情報処理方法の流れ)
次に、本例示的実施形態1に係る情報処理方法S1について、図面を参照して説明する。図2は、情報処理方法S1の流れを示すフローチャートである。図2に示すように、情報処理方法S1は、ステップS11からステップS13を含む。
【0027】
ステップS11において、取得部11は、ユーザがある事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する。「事業者」、「サービス」、「ユーザデータ」の意味については上述のとおりである。
【0028】
ステップS12において、判定部12は、サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する。「付加価値サービス」の意味については上述のとおりである。
【0029】
ステップS13において、生成部13は、付加価値サービスがあると判定された場合に、事業者が有するユーザデータを他の事業者に提供することへの同意要求と、ユーザが同意要求を許諾することによって受けられる付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する。生成されたメッセージは、情報処理装置1からそのユーザの携帯端末などに送信される。
【0030】
(情報処理方法S1の効果)
以上のように、例示的実施形態1に係る情報処理方法S1においては、取得部11が、ユーザがある事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得すること、判定部12が、サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定すること、生成部13が、付加価値サービスがあると判定された場合に、事業者が有するユーザデータを他の事業者に提供することへの同意要求と、ユーザが同意要求を許諾することによって受けられる付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成すること、を含む構成が採用されている。このような構成においては、ユーザが受けた1次サービスに関連した、タイムリーでユーザに喜ばれるであろう付加価値サービスのみを探索してユーザに提供するため、データを提供する他の事業者の数と提供するユーザデータの内容が限定される。このため、例示的実施形態1に係る情報処理方法S1によれば、ユーザが受けたサービスに関連する追加のサービスを提示することにより、ユーザに提示する情報量を減らし、ユーザからユーザデータの利用の同意を得やすくすることができるという効果が得られる。
【0031】
(情報処理システム2の構成)
次に、本例示的実施形態1に係る情報処理システム2について、図面を参照して説明する。図3は、情報処理システム2の構成を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理システム2は、取得部21、判定部22、生成部23及び記憶部30を備える。
【0032】
取得部21、判定部22及び生成部23の機能は、上述の情報処理装置1で説明した取得部11、判定部12、生成部13と同じ機能を有するので、ここでの説明は省略する。なお、情報処理システム2の各部は、1つの筐体に含まれている必要はなく、これらのうちの少なくとも一部が異なる場所に配置されていて、互いに情報通信可能に接続されていてもよい。また、情報処理システム2の各部の少なくとも一部は、クラウド上に配置されていてもよい。
【0033】
記憶部30は、取得部21が取得したユーザデータを記憶してもよい。また、記憶部30は、判定手段22が行う判定に用いる各種のデータテーブル、及び生成部23が生成するメッセージに必要な各種データを記憶してもよい。本例示的実施形態1では、記憶部30は、例えば付加価値サービステーブルを記憶する。記憶部30に記憶されてもよい各種テーブルの詳細については後述する。
【0034】
次に、情報処理装置1又は情報処理システム2(以下、本例示的実施形態では両者を併せて「情報処理装置1」と称する。)が実行する情報処理の具体例について、図面を参照して説明する。以下では、情報処理装置1が実行するサービスを「付加価値提供サービス」と名づける。この付加価値提供サービスの流れと内容について、図面を参照して説明する。図4は、情報処理装置1が実行する付加価値提供サービスの流れと各ステップの内容を示す模式図である。
【0035】
まず、情報処理装置1が付加価値提供サービスを行うにあたり、データ提供先事業者は、データ提供元事業者のデータを利用して提供する付加価値サービスを、利用するスコープとともに情報処理装置1に事前に登録しておく(ステップS0)。各事業者は、付加価値サービスを情報処理装置1に登録することで、他の事業者が提供したサービスに関連する付加価値サービスを提供する機会を得ることができる。つまり、ユーザが各事業者の付加価値サービスを利用する機会が増えることにより、各事業者は互いに経済的なメリットを受けることができる。
【0036】
この付加価値提供サービスを受けようとするユーザは、最初にユーザ端末を用いてユーザIDと氏名、メールアドレス等のユーザ属性を情報処理装置1に登録する(ステップS1)。情報処理装置1は、ユーザIDとユーザ属性を紐付けて記憶部30のユーザテーブル306(後述)に記録する。
【0037】
この登録ステップS1が完了すると、ユーザは付加価値提供サービスを受けることができる。ユーザは、まず1次サービスを受ける(ステップS2)。1次サービスの種類は問わないが、ここでは、あるスーパーマーケットで買い物をしたとする(購買要求)。購買料金はPOS端末からカードを用いて支払うものとする。1次サービスを受けた場所(スーパーマーケット)をサービス受領ポイントとする。購買料金をカードで支払うと、そのカード情報(ユーザ属性)が情報処理装置1に送信される(ステップS3)。また、購買物品の情報(購買履歴情報)とサービス受領ポイントを運営する事業者の情報(事業者ID)も併せて情報処理装置1に送信される。情報処理装置1の取得部11は、このような情報を取得する。
【0038】
次に、情報処理装置1の判定部12は、このユーザに対して提供できる付加価値サービスがあるか否かを判定する。判定部12は、記憶部30に記録されている付加価値サービステーブル301を参照して、このユーザに対して提供できる付加価値サービスがあるか否かを判定する(ステップS4)。具体的には、判定部12はまず、ステップS3で得られた事業者IDに対応付けられたデータ提供先事業者IDがあるか否かを判定する。データ提供先事業者IDがある場合は、提供できる付加価値サービスがあると判定される。
【0039】
このステップS4で、判定部12がこのユーザに対して提供できる付加価値サービスがないと判定した場合は、情報処理装置1は付加価値提供サービスを終了する。ここで、記憶部30に記録されている各種テーブルについて説明し、情報処理装置1がステップS4でこのユーザに対して提供できる付加価値サービスがあると判定した場合については後述する。
【0040】
図5は、情報処理装置1の記憶部30に記録されている各種テーブルの内容を示す模式図である。図5に示すように、記憶部30には、付加価値サービステーブル301、事業者IDテーブル302、スコープIDテーブル303、同意スコープテーブル304、リソーステーブル305、ユーザテーブル306が保存されている。これらのテーブルは更新可能である。
【0041】
付加価値サービステーブル301は、ユーザデータを提供する事業者を識別する情報(データ提供元事業者ID)、付加価値サービスを提供する他の事業者を識別する情報(データ提供先事業者ID)、当該他の事業者に提供する提供ユーザデータに関する情報(スコープID)、及び当該付加価値サービスに関する情報(付加価値サービス情報)を、関連付けたデータテーブルである。
【0042】
データ提供元事業者IDは、事業者IDの1つであり、ユーザが受けた1次サービスのデータを所有する事業者の識別情報である。図示の例では、AAスーパーマーケットを示す「client-001」という識別番号が記録されている。
【0043】
データ提供先事業者IDは、事業者IDの1つであり、1次サービスに関連して受けることができる2次サービスを提供する事業者の識別情報である。図示の例では、BBタウンサービス会社を示す「client-002」という識別番号が記録されている。
【0044】
スコープIDは、2次サービスを提供する事業者に提供する1次サービスのユーザデータである。図示の例では、BBタウンサービス会社向けの購買履歴データを示す「scope-001」という識別番号が記録されている。ただし、1次サービスのデータはそのすべてではなく、その一部であってもよい。それは、2次サービスを提供する事業者は必ずしもすべての1次サービスのデータを必要とはしないためである。また、2次サービスを提供する事業者に提供する1次サービスのデータは、少ないほうがユーザの同意を得やすいというメリットがあるためである。つまり、スコープIDは、ユーザデータのうち、当該他の事業者に提供するデータのみを選択したデータであってもよい。
【0045】
付加価値サービス情報は、ユーザに提供できる2次サービスの具体的な内容である。図示の例では、「AAスーパーマーケットに最寄りのコインロッカー」と「AAスーパーマーケットまでのタクシーの配車予約」という2つの付加価値サービス情報が記録されている。
【0046】
以上のデータ提供元ID、データ提供先ID、スコープID、付加価値サービス情報のデータセットは、互いに紐付けられて記憶部30に記録されている。以下では、テーブル形式で図示したデータセットは、互いに紐付けられて記憶部30に記録されていることを意味し、そのデータ構造の種類は問わない。
【0047】
また、図5の付加価値サービステーブル301には、もう1つのデータセットが記録されている。具体的には、同じAAスーパーマーケットを示すデータ提供元IDとしての「client-001」と、CCレストランを示すデータ提供先IDとしての「client-003」と、CCレストラン向け購買履歴データを示すスコープIDとしての「scope-002」と、「AAスーパーマーケットに最寄りのCCレストランクーポン」と「AAスーパーマーケットでの購入商品を使用した本格メニューレシピ」という付加価値サービス情報とが、紐付けられて記録されている。
【0048】
このように、付加価値サービステーブル301は、1次サービスを受けたユーザに喜ばれると予想される2次サービス情報が、データ提供元情報、データ提供先情報、データ提供範囲(スコープ情報)のデータセットが紐付けられて記録されている。このデータセットは複数であってもよい。
【0049】
付加価値サービステーブル301以外のテーブルは以下のとおりである。情報処理装置1の各部は、付加価値サービステーブル301と以下のテーブルを参照して各種のデータ処理を行う。
【0050】
事業者IDテーブル302は、サービスを提供する事業者IDとその事業者の事業者名とを紐付けて記録するテーブルである。
【0051】
スコープIDテーブル303は、データ提供先に対し、データ提供元からどのデータ項目を提供するかカタログ定義したものである。つまり、スコープIDテーブル303は、スコープIDとそれがどの事業者に向けて提供されるかを紐付けて記録するテーブルである。
【0052】
リソーステーブル305は、スコープID、それに含まれるリソース名(ユーザデータ項目)、及びデータ提供事業者IDを紐付けて記録するテーブルである。
【0053】
ユーザテーブル306は、ユーザIDとそのユーザの個人情報、特にメッセージの通知先であるメールアドレス又は電話番号とを紐付けて記録するテーブルである。
【0054】
同意スコープテーブル304は、ユーザIDと、そのユーザが提供を同意したスコープIDとを紐付けて記録するテーブルである。同意スコープテーブル304は、情報処理装置1から提示されたデータ連携同意要求に対するユーザの許諾結果をテーブルとして保持する。同意スコープテーブル304は、ユーザが同意したスコープIDのみを記録してもよく、ユーザが同意していないスコープIDを含めて記録してもよい。上述のステップS4において、情報処理装置1はこの同意スコープテーブル304を参照して提供できる付加価値サービスがあるか否かを判定する。
【0055】
図4に戻り、ステップS4で、判定部12がこのユーザに対して提供できる付加価値サービスがあると判定した場合を説明する。情報処理装置1は、付加価値サービステーブル301に、AAスーパーマーケットで買い物をしたユーザに提供できる付加価値サービス情報が存在するため、このユーザに対して提供できる付加価値サービスがあると判定する。次に、判定部12は、1次サービスの事業者(AAスーパーマーケット)が有するユーザデータであって、提供先の事業者が指定するデータ提供範囲(スコープ)のデータを他の事業者に提供することの同意がこのユーザからすでに得られているか否かを判定する(ステップS5)。図5の同意スコープテーブル304には、ユーザからデータ連携の同意を得ているユーザデータの内容が記録されている。情報処理装置1は、この同意スコープテーブル304を参照してステップS5の判定を行う。
【0056】
ステップS5で、そのデータ提供範囲を他の事業者に提供してよいという同意がすでにこのユーザから得られていると判定された場合は、情報処理装置1は、付加価値提供サービスを実行する。付加価値提供サービスは、後述するように、ユーザが利用できる2次サービスの内容をユーザに送信して提示することである。以下では、ステップS5で、情報処理装置1が、このユーザからそのデータ提供範囲を他の事業者に提供してよいという同意がまだ得られていないと判定した場合を説明する。
【0057】
ステップS5で、ユーザからまだ同意が得られていないと判定された場合、情報処理装置1の生成部13は、付加価値サービスに関する情報を含むメッセージを生成する。生成されたメッセージは、通信部40を介してユーザ端末に送信される(ステップS6)。送信されたメッセージは、ユーザ端末に表示される(ステップS7)。このような構成により、データ提携がまだ同意されていない場合にのみユーザに同意要求するため、ユーザが何度も同意を繰り返す必要をなくすことができる。
【0058】
次に、生成・表示されるメッセージの一例について、図面を参照して説明する。図6は、生成部23がメッセージを生成する手順とそのメッセージの一例を示す模式図である。生成部23は、付加価値サービステーブル301から、付加価値サービス情報「コインロッカーの予約、タクシー配車予約」を取得する。また、付加価値サービステーブル301の2行目では、ユーザが1次サービスを利用した事業者の事業者IDは「client-001」である。そこで、生成部23は、事業者IDテーブル302を参照して、「client-001」の事業者名である「AAスーパーマーケット」を取得する。また、2行目のデータ提供先の事業者IDは「client-002」である。そこで、生成部23は、事業者IDテーブル302を参照して、「client-002」の事業者名である「BBタウンサービス」を取得する。また、「BBタウンサービス」が要求する2行目のユーザデータのスコープは「scope-001」である。そこで、生成部23は、リソーステーブル305を参照して、「scope-001」のリソース名である「購入点数、購入日、購入店舗」の情報を取得する。
【0059】
生成部23は、上述のようにして取得した情報に基づいて、メッセージ(表示画面)310を生成する。メッセージ310は、ステップS7においてユーザ端末の画面に表示された状態を示す画像の模式図である。メッセージ310は、ユーザが1次サービスを受けた事業者(AAスーパーマーケット)、ユーザが受けることができる付加価値サービス(2次サービス)の内容(コインロッカーの予約、タクシーの配車予約)、その2次サービスを提供する事業者名(BBタウンサービス)、2次サービスを受けるために2次サービス事業者に提供を同意する1次サービスデータの内容が含まれている。例えば、「AAスーパーをご利用のお客様に便利なサービスのお知らせです。」、「AAスーパーご利用のお客様データをBBタウンサービスに連携することで下記サービスをご利用頂けます。(後略)」、「上記サービスをご利用になる場合、AAスーパーから以下のデータを連携頂く必要があります。(後略)」といった文章である。そして、ユーザが同意する場合に、同意手続きを行う画面に移動するハイパーリンク付き案内文が最後に表示される。
【0060】
なお、ステップS5において、そのデータ提供範囲を他の事業者に提供してよいという同意がすでにこのユーザから得られていると判定された場合は、生成部23は、2次サービスの案内だけを生成してもよい。つまり、生成部23は、2次サービスを提供する事業者名(BBタウンサービス)、2次サービスを受けるために2次サービス事業者に提供を同意する1次サービスデータの内容、ユーザが同意する場合に、同意手続きを行う画面に移動する案内文は生成しなくてもよい。
【0061】
上記のメッセージの生成については、付加価値サービステーブル301の2行目のデータについて説明したが、3行目のデータについても同様にして生成してもよい。その場合は、生成部23は、2種類の付加価値サービス情報を生成してユーザ端末に送信する。複数種類の付加価値サービス情報は、1つの画面に表示されてもよく、複数の画面に分けて表示されてもよい。
【0062】
図4に戻り、ユーザがユーザ端末からデータの提供に同意する操作を行う(ステップS8)と、ユーザ端末から情報処理装置1にデータ連携同意通知が送信される(ステップS9)。情報処理装置1は、同意済のデータ連携情報を、スコープIDとユーザIDに紐付けて同意スコープテーブル304を更新する(ステップS10)。
【0063】
同意を取得するデータ種別は、OAuth 2.0 [RFC6749] Section 3.3で使用されているScopeと呼ばれるデータセットで定義されてもよい。このデータセットによれば、消費者のニーズに応じて、きめ細かな設定ができる。例えば、商品購買データを定義する場合に、食料品購買データと医療品購買データを分けて定義する等が具体例として挙げられる。
【0064】
ユーザがデータ連携に同意すると、データ連携先の事業者が提供する付加価値サービスを受けることができるようになる。例えば、上述の例では、コインロッカーの使用予約及び/又はタクシーの配車予約をすることができるようになる。ユーザは、買い物の荷物をコインロッカーに預けたり、タクシーで帰宅したりするといった便利な選択肢を入手することができ、満足感を得ることができる。このような満足感が得られると、ユーザは他のユーザデータについてもデータ連携を前向きに考慮するようになる。したがって、ユーザデータ連携を促進することができる。
【0065】
(情報処理システム2の効果)
以上の構成を有する情報処理システム2においても、上述の情報処理装置1、及び情報処理方法S1において得られる効果と同様の効果が得られる。
【0066】
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0067】
(情報処理装置1Aの構成)
図7は、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aの構成を示すブロック図である。図4に示すように、情報処理装置1Aは、制御部10、記憶部30、通信部40を備える。また、情報処理装置1Aは、生体認証サーバ(顔体認証装置)60と情報通信可能に接続されている。
【0068】
制御部10は、取得部11、判定部12、生成部13、推定部14、決定部15、選択部16、制限部17、メモリ18を備える。
【0069】
制御部10は、情報処理装置1A全体の制御を行う。制御部10は、例えば、少なくとも1つのMPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサを用いて構成することができる。また、制御部10は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はPLD(Programmable Logic Device)等で構成される専用プロセッサを含んでいてもよい。メモリ18は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の複数種類のメモリを備えていてもよい。また、メモリ18は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の内蔵又は外付けのメモリを含んでいてもよい。一例として、制御部10は、メモリ18のROMに記録された各種の制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、取得部11、判定部12、生成部13、推定部14、決定部15、選択部16、制限部17としての機能を実現する。
【0070】
取得部11、判定部12及び生成部13の機能は、上述の情報処理装置1で説明した取得部11、判定部12及び生成部13の機能と同様であるので、ここでの説明は省略する。推定部14、決定部15、選択部16、制限部17の各部の機能については、以下の例示的実施形態において説明する。
【0071】
記憶部30は、取得部11が取得したユーザデータを記憶してもよい。また、記憶部30は、判定部12が行う判定に用いる各種のデータテーブル、及び生成部13が生成するメッセージに必要な各種データテーブルを記憶してもよい。上述の情報処理システム2において説明したように、記憶部30は、例えば付加価値サービステーブルを記憶する。記憶部30に記憶されてもよいその他の情報の詳細については、適宜以下に説明する。
【0072】
通信部40は、複数のユーザ端末50(50a、50b、50c…)と通信する、つまりデータの送受信を行うインタフェースである。ユーザ端末50は、事業者が備えるPOS端末などである。通信部40と複数のユーザ端末50との通信は、例えばインターネット100を介して行ってもよい。その場合、通信部40は、例えば、インターネット100の接続ポイントと無線で接続可能なWiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信装置を備えていてもよい。
【0073】
情報処理装置1Aは、インターネット100を介して生体認証サーバ60と情報通信可能に接続されている。生体認証サーバ60は、ユーザの生体情報を用いて、事前に登録されたユーザと同一人物であるか否かを認証するシステムである。生体認証サーバ60は、生体認証用センサと生体認証センサで取得したセンサ情報から特徴量を抽出し、その特徴量に対し識別情報として生体認証データIDを生成して、特徴量と関連付けて管理する。
【0074】
用いる生体情報は特に限定されないが、非接触で取得できること、簡易な装置で取得できること、比較的精度よく識別できること等のメリットがある顔認証であってもよい。顔認証を用いる場合は、生体認証サーバ60は、カメラ等で取得した顔画像から顔の特徴量を抽出して、顔IDを付加して、顔の特徴量と関連付けて管理する。顔IDを含む認証データを含むデータテーブルは顔IDテーブルと称する。顔認証システムを用いてユーザ認証を行うことにより、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0075】
情報処理装置1Aは、付加価値提供サービスを提供する装置である。この付加価値提供サービスの流れと内容について、図面を参照して説明する。図8は、情報処理装置1Aが実行する付加価値提供サービスの流れと各ステップの内容を示す模式図である。情報処理装置1Aが実行する付加価値提供サービスの流れは、例示的実施形態1で説明した付加価値提供サービスの流れと基本的に同じであり、以下では、本例示的実施形態で特徴的な部分を中心に説明し、それ以外の部分の説明は省略する。
【0076】
まず、情報処理装置1Aが付加価値提供サービスを行うにあたり、データ提供先事業者は、データ提供元事業者のデータを利用して提供する付加価値サービスを、利用するスコープとともに情報処理装置1Aに事前に登録しておく(ステップS0)。この理由は、例示的実施形態1で説明したとおりである。
【0077】
付加価値提供サービスを受けようとするユーザは、最初にユーザ端末を用いてユーザIDと氏名、メールアドレス等のユーザ属性を情報処理装置1Aに登録する(ステップS1)。ユーザ属性とその登録の方法は、例示的実施形態1で説明したとおりである。本例示的実施形態では、ユーザ情報には、ユーザの顔認証データ(顔情報)が含まれる。そこで、生体認証サーバ60に対してもユーザIDとユーザの顔情報を登録する(ステップS2)。
【0078】
例えば、情報処理装置1Aがカメラ付きのPOS端末又は登録専用端末と接続されていれば、情報処理装置1Aは、そのPOS端末が読み込んだカード情報と、カメラで取得した顔画像を取得する。情報処理装置1Aは、ユーザの顔画像をユーザIDとともに生体認証サーバ60に送信する。生体認証サーバ60は、顔情報とユーザIDを紐付けて、ユーザ登録を行う。以降は、情報処理装置1Aは、生体認証サーバ60が行うユーザ認証を用いて、付加価値提供サービスを行う。また、ユーザは、ユーザが受けたサービスの支払いを、顔認証を行ったうえで電子決済してもよい。これにより、ユーザは現金もカードも用いる必要なく各種のサービスを受けることができる。
【0079】
このステップS1とステップS2が完了すると、ユーザは付加価値提供サービスを受けることができる。ユーザは、まず1次サービスを受ける(ステップS3)。ここでは、あるスーパーマーケットで買い物をしたとする(購買要求)。
【0080】
ユーザは情報処理装置1Aに顔認証を要求する(ステップS4)。すると情報処理装置1Aから顔画像を撮影するように促されるので、ユーザがカメラの前に立つと、POS端末は、顔画像を撮影して(ステップS5)、事業者IDとユーザIDも併せて生体認証サーバ60に送信する(ステップS6)。生体認証サーバ60は、送信された顔画像を登録された顔情報と照合して、ユーザ認証を行う(ステップS7)。顔認証が成功した場合、生体認証サーバ60はその旨をユーザIDとともにPOS端末に送信する(ステップS8)。この際に、ユーザが購入した物品の電子決済も行われる。また、生体認証サーバ60は、顔認証が成功したことを、ユーザIDと事業者IDとともに情報処理装置1Aに送信する(ステップS9)。
【0081】
次に、情報処理装置1Aは、このユーザに対して提供できる付加価値サービスがあるか否かを確認する(ステップS10)。このステップS10以降、ステップS16までは、例示的実施形態1で説明した付加価値提供サービスのステップS4からステップS10までと同じであるので、ここでの説明は省略する。情報処理装置1Aの記憶部30に記録されている各種テーブルの構成も例示的実施形態1で説明した図5に示すテーブルと同様である。
【0082】
(推定部14)
図7に示すように、情報処理装置1Aは、付加価値サービスのユーザ満足度を推定する推定部14を備えていてもよい。2次サービスの種類が数多く登録されている場合、その全部の2次サービスの内容を含むメッセージをユーザに送信することは好ましくない。多くの情報が含まれるメッセージは、ユーザがそのメッセージを読もうという意欲を減退させる虞があるからである。推定部14は、複数の付加価値サービスのそれぞれに対するユーザの満足度を推定する。
【0083】
推定部14は、ユーザ満足度を、ユーザが事業者からサービスを受けた場所と付加価値サービスが受けられる場所との地理的関係に基づいて推定してもよい。ユーザはサービスを受けた場所で付加価値サービス情報を受け取ることが一般的である。そのため、例えば、サービスを受けた場所と付加価値サービスが受けられる場所とが遠く離れている場合、あるいは付加価値サービスが受けられる場所が地理的に行きにくく時間がかかる場所である場合などは、満足度は低いと考えられる。つまり、ユーザの満足度は付加価値サービスが受けられる場所の距離が近いほど、また地理的に行きやすいほど大きくなると考えられる。
【0084】
あるいは、情報処理装置1Aがユーザの行動情報を記録している場合は、推定部14は、ユーザ満足度を、ユーザの行動情報に基づいて推定してもよい。行動情報は、例えば、ユーザが受けたサービスの記録であってもよい。例えば、ユーザが行く頻度が大きい場所は、ユーザの好みが反映された場所である。そのような場所で付加価値サービスが受けられると、ユーザの満足度は高いと考えられる。逆に、ユーザがあまり行かない場所で受けられる付加価値サービスの満足度は低いと考えられる。このように、ユーザの行動履歴に基づいてユーザごとに適した付加価値サービスを提示することで、ユーザの満足感を向上させ、ひいてはユーザデータの連携を促進することが可能となる。
【0085】
(決定部15)
そのため、情報処理装置1Aは、メッセージに含める付加価値サービスを、ユーザ満足度に基づいて決定する決定部15を更に備えていてもよい。決定部15は、推定部14が推定した、ユーザに提供可能な付加価値サービスのうち、満足度の高いほうから予め定めた数の付加価値サービスを決定してもよい。そして、生成部13は、決定された付加価値サービスを含めたメッセージを生成する。このように、ユーザの満足度が高いと推定される付加価値サービスを優先的にユーザに紹介することが、ユーザがデータ連携に同意することの促進に役立つと考えられる。
【0086】
(選択部16)
情報処理装置1Aは、他の事業者に提供する提供ユーザデータ(リソース)を、他の事業者ごとにユーザデータのうちから選択する選択部16を更に備えていてもよい。選択部16は、事業者と、その事業者の業態によって必要とするユーザデータの種類との組み合わせパターンを複数含むパターンテーブルに基づいて、ある事業者が必要とすると考えられるユーザデータの種類を選択する。これによって、多数の事業者が登録された場合であっても、それぞれの事業者が必要とするリソーステーブルを用意することができる。あるいは、選択部16は、前述のOAuth 2.0 [RFC6749] Section 3.3で使用されているScopeと呼ばれるデータセットに準じて他の事業者に提供する提供ユーザデータを選択してもよい。
【0087】
また、生成部13は、生成するメッセージを、他の事業者に提供するユーザデータと受けられる付加価値サービスに関する情報とが1つの表示画面に表示されるように構成してもよい。1つの表示画面に表示されるとは、ユーザがスクロール又はページをめくることをしなくても、メッセージの主要部分を読んで判断することができることを指す。例えば、図6に示すメッセージ(表示画面)310は、他の事業者に提供するユーザデータ(BBタウンサービス向け購買履歴)と受けられる付加価値サービスに関する情報(最寄りのコインロッカー予約、AAスーパーマーケットまでのタクシー配車予約)とが1つの表示画面に表示されるように構成されている。
【0088】
ユーザは、あまり多くの情報がある事務的メッセージ、又は複数のページにわたる事務的メッセージには読もうとする意欲が減退する場合が多い。そのため、できるだけコンパクトで見やすいメッセージを構成することが好ましい。他の事業者に提供するユーザデータと受けられる付加価値サービスに関する情報とが1つの表示画面に表示されるようにメッセージを構成することで、ユーザにそのメッセージを読もうとする意欲を持たせることができる。
【0089】
(制限部17)
情報処理装置1Aは、メッセージに含まれる、受けられる付加価値サービスの数を制限する制限部17を更に備えてもよい。ユーザは、多くの情報が入った事務的メッセージには読もうとする意欲が減退する場合が多い。受けられる付加価値サービスの数を制限することで、ユーザにメッセージを読もうとする意欲を持たせることができる。表示する付加価値サービスの数は、1つあるいは2つ程度にすることが好ましい。制限された数の付加価値サービスを選定する方法は、決定部15が決定した付加価値サービスから選定する方法でもよい。
【0090】
(情報処理装置1Aの効果)
以上のように、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aにおいては、ユーザ認証を顔認証装置60を用いて行うという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aによれば、例示的実施形態1に係る情報処理装置1の奏する効果に加えて、ユーザの認証をカメラという簡易な構成で容易に実行することができ、ユーザの利便性が向上するという効果が得られる。
【0091】
また、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aにおいては、付加価値サービスのユーザ満足度を推定する推定部14を更に備えるという構成が採用されている。また、メッセージに含める付加価値サービスを、推定されたユーザ満足度に基づいて決定する決定部15を更に備えるという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aによれば、例示的実施形態1に係る情報処理装置1の奏する効果に加えて、ユーザの満足度が高い付加価値サービスを提案することができるという効果が得られる。
【0092】
また、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aにおいては、他の事業者に提供する提供ユーザデータ(リソース)を、他の事業者ごとにユーザデータのうちから選択する選択部16を更に備えるという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aによれば、例示的実施形態1に係る情報処理装置1の奏する効果に加えて、多数の事業者が登録された場合であっても、それぞれの事業者が必要とするリソーステーブルを用意することができるという効果が得られる。
【0093】
また、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aにおいては、生成部13は、生成するメッセージを、他の事業者に提供するユーザデータと受けられる付加価値サービスに関する情報とが1つの表示画面に表示されるように構成するという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る情報処理装置1Aによれば、例示的実施形態1に係る情報処理装置1の奏する効果に加えて、ユーザにそのメッセージを読もうとする意欲を持たせることができるという効果が得られる。
【0094】
図9は、本例示的実施形態に係る情報処理システム2Aの構成を示すブロック図である。図示するように、情報処理システム2Aは、取得部21、判定部22、生成部23、推定部24、決定部25、選択部26、制限部27、記憶部30を備える。これらの各部の少なくとも一部は、インターネット100を介して情報通信可能に接続されていてもよい。また、これらの各部の少なくとも一部は、クラウド上に配置されていてもよい。
【0095】
情報処理システム2Aは、インターネット100を介して複数のユーザ端末50(50a、50b、50c…)と情報通信可能である。情報処理システム2Aは、さらに生体認証サーバ60と情報通信可能であってもよい。
【0096】
上記の取得部21、判定部22、生成部23、推定部24、決定部25、選択部26、制限部27、記憶部30、生体認証サーバ60の機能は、情報処理装置1Aにおいて説明した取得部11、判定部12、生成部13、推定部14、決定部15、選択部16、制限部17、記憶部30、生体認証サーバ60の機能と同じであるので、説明は省略する。
【0097】
(情報処理システム2Aの効果)
本例示的実施形態に係る情報処理システム2Aによれば、情報処理装置1Aの奏する効果と同様の効果が得られる。
【0098】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置1,1A,情報処理システム2,2A(以下、「情報処理装置1等」という。)の一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0099】
後者の場合、情報処理装置1等は、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を図10に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを情報処理装置1等として動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、情報処理装置1等の各機能が実現される。
【0100】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0101】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0102】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0103】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0104】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0105】
(付記1)
ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する取得手段と、前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する判定手段と、前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する生成手段と、を備えていることを特徴とする情報処理装置。
【0106】
上記の構成によれば、ユーザが受けたサービスに関連する追加のサービスを提示することにより、ユーザに提示する情報量を減らし、ユーザからユーザデータの利用の同意を得やすくすることができる。
【0107】
(付記2)
前記判定手段は、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することの同意が前記ユーザからすでに得られているか否かを更に判定し、前記生成手段は、当該同意が前記ユーザからまだ得られていないと判定された場合に、前記メッセージを生成する、付記1に記載の情報処理装置。
【0108】
上記の構成によれば、データ提携がまだ同意されていない場合にのみユーザに同意要求するため、ユーザが何度も同意を繰り返す必要をなくすことができる。
【0109】
(付記3)
前記付加価値サービスのユーザ満足度を推定する推定手段を更に備えることを特徴とする付記1又は2に記載の情報処理装置。
【0110】
上記の構成によれば、ユーザ満足度の高い付加価値サービスを選択することができる。
【0111】
(付記4)
前記ユーザ満足度は、前記ユーザが前記事業者からサービスを受けた場所と前記付加価値サービスが受けられる場所との地理的関係、又は前記ユーザの行動情報に基づいて推定される、付記3に記載の情報処理装置。
【0112】
上記の構成によれば、距離的、又は時間的に近い場所で受けられる付加価値サービスを選択することができる。これにより、ユーザ満足度の高い付加価値サービスを選択することができる。
【0113】
(付記5)
前記メッセージに含める前記付加価値サービスを、前記ユーザ満足度に基づいて決定する決定手段を更に備える、付記3又は4に記載の情報処理装置。
【0114】
上記の構成によれば、ユーザに提示する付加価値サービスの数を限定することができる。これにより、ユーザがデータ連携をしやすくすることができる。
【0115】
(付記6)
前記他の事業者に提供する提供ユーザデータを、前記他の事業者ごとに前記ユーザデータのうちから選択する選択手段を更に備える、付記1から5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0116】
上記の構成によれば、他の事業者に提供するユーザデータを限定することができる。
【0117】
(付記7)
前記メッセージは、前記他の事業者に提供するユーザデータと前記受けられる付加価値サービスに関する情報とが1つの表示画面に表示されるように構成される、付記1から6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0118】
上記の構成によれば、提示された情報をユーザが判断しやすくなる。
【0119】
(付記8)
少なくとも1つのプロセッサが、ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得すること、前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定すること、前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成すること、を含む情報処理方法。
【0120】
上記の構成によれば、付記1の情報処理装置が奏する効果と同様の効果が得られる。
【0121】
(付記9)
ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する取得手段と、前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する判定手段と、前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する生成手段と、前記事業者に関する情報と、前記付加価値サービスに関する情報と、当該付加価値サービスを提供する前記他の事業者に関する情報と、当該他の事業者に提供する提供ユーザデータに関する情報と、を関連付けて記録する、付加価値サービステーブルを記憶する記憶部と、を備える情報処理システム。
【0122】
上記の構成によれば、付記1の情報処理装置が奏する効果と同様の効果が得られる。
【0123】
(付記10)
ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する取得処理と、前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する判定処理と、前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する生成処理と、をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【0124】
上記の構成によれば、付記1の情報処理装置が奏する効果と同様の効果が得られる。
【0125】
(付記11)
前記メッセージに含まれる前記受けられる付加価値サービスの数を制限する制限手段を更に備える、付記1から7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0126】
上記の構成によれば、提示された情報をユーザが判断しやすくなる。
【0127】
(付記12)
前記ユーザの認証を当該ユーザの顔画像を用いて行う顔認証装置を更に備える、付記1から7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0128】
上記の方法によれば、ユーザの利便性をさらに増加させることができる。
【0129】
(付記13)
前記事業者に関する情報と、前記付加価値サービスに関する情報と、当該付加価値サービスを提供する前記他の事業者に関する情報と、前記他の事業者に提供する提供ユーザデータに関する情報と、を関連付けて記録する、付加価値サービステーブルを記憶する記憶部を更に備える、付記1から7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0130】
(付記14)
前記記憶部は、ユーザIDと、当該ユーザが連携に同意した前記ユーザデータとを関連付けて記録する、同意スコープテーブルを備える、付記9に記載の情報処理システム。
【0131】
(付記15)
前記記憶部は、前記他の事業者に提供するための、前記ユーザデータのうちから選択された提供ユーザデータを記録する、スコープIDテーブルを記憶する、付記9に記載の情報処理システム。
【0132】
(付記16)
コンピュータを付記1から7の何れか一に記載の情報処理装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記各手段として機能させる、ことを特徴とする情報処理プログラム。
【0133】
〔付記事項3〕
上述した実施形態の一部又は全部は、更に、以下のように表現することもできる。
【0134】
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、ユーザが事業者から受けたサービスに関するユーザデータを取得する取得処理と、前記サービスに関連して他の事業者から受けることが可能な付加価値サービスがあるか否かを判定する判定処理と、前記付加価値サービスがあると判定された場合に、前記事業者が有する前記ユーザデータを前記他の事業者に提供することへの同意要求と、前記ユーザが前記同意要求を許諾することによって受けられる前記付加価値サービスに関する情報と、を含むメッセージを生成する生成処理と、を実行することを特徴とする情報処理装置。
なお、この情報処理装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記取得処理と、前記判定処理と、前記生成処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0135】
1,1A・・・情報処理装置
10・・・制御部
11,21・・・取得部
12,22・・・判定部
13,23・・・生成部
14,24・・・推定部
15,25・・・決定部
16,26・・・選択部
17,27・・・制限部
2,2A・・・情報処理システム
30・・・記憶部
40・・・通信部
50・・・ユーザ端末
60・・・生体認証サーバ
図1
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