(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171168
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H05K 5/03 20060101AFI20241204BHJP
H05K 5/00 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
H05K5/03 B
H05K5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088093
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】海老根 崚
(72)【発明者】
【氏名】濱田 泰平
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AB33
4E360AB64
4E360BA08
4E360BA15
4E360BB22
4E360BD02
4E360BD05
4E360EA24
4E360EA25
4E360ED02
4E360GA42
4E360GA47
4E360GB99
4E360GC02
4E360GC12
4E360GC14
(57)【要約】
【課題】電気接続部品、第1電子部品及び第2電子部品を別々に容器から取り出せる電子機器を提供する。
【解決手段】容器と、前記容器内の空間を仕切る隔壁と、前記隔壁に設けられた貫通穴と、前記貫通穴に挿入される挿入部を有し、前記容器から取り出せるように前記隔壁に取り付けられる電気接続部品と、前記容器から取り出せるように前記隔壁の一方側で前記電気接続部品に着脱できる第1電子部品と、前記容器から取り出せるように前記隔壁の他方側で前記電気接続部品に着脱できる第2電子部品とを有し、前記第1電子部品及び前記第2電子部品は、それぞれ前記電気接続部品に装着されることにより、前記電気接続部品を介して互いに電気的に接続できる、電子機器。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、
前記容器内の空間を仕切る隔壁と、
前記隔壁に設けられた貫通穴と、
前記貫通穴に挿入される挿入部を有し、前記容器から取り出せるように前記隔壁に取り付けられる電気接続部品と、
前記容器から取り出せるように前記隔壁の一方側で前記電気接続部品に着脱できる第1電子部品と、
前記容器から取り出せるように前記隔壁の他方側で前記電気接続部品に着脱できる第2電子部品とを有し、
前記第1電子部品及び前記第2電子部品は、それぞれ前記電気接続部品に装着されることにより、前記電気接続部品を介して互いに電気的に接続できる、電子機器。
【請求項2】
前記容器は、前記隔壁の一方側において前記第1電子部品を通すことができる第1開口部を形成する容器本体と、
前記第1開口部を開くことができる第1蓋体とを有する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1開口部は、前記電気接続部品を通すことができる、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記容器本体は、前記隔壁の他方側において前記第2電子部品を通すことができる第2開口部を形成し、
前記容器は、前記第2開口部を開くことができる第2蓋体を有する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1電子部品と前記第2電子部品との一方はアンプ部品であり、前記第1電子部品と前記第2電子部品との他方は端子部品である、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1電子部品は、基板と前記基板に実装された第1コネクタとを有し、前記第1コネクタを介して前記電気接続部品に装着されることで前記隔壁に固定される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第2電子部品は、基板と前記基板に実装された第2コネクタとを有し、前記第2コネクタを介して前記電気接続部品に装着されることで前記隔壁に固定される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記隔壁と前記電気接続部品との間の隙間を塞ぐように前記電気接続部品の前記挿入部を包囲する隔壁用シール部材を有する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記容器は、前記隔壁の一方側において前記第1電子部品を通すことができる第1開口部と前記隔壁の他方側において前記第2電子部品を通すことができる第2開口部とを形成する容器本体と、前記第1開口部を開くことができる第1蓋体と、前記第2開口部を開くことができる第2蓋体とを有し、
前記容器本体は前記隔壁を有し、
前記容器本体、前記第1蓋体、前記第2蓋体及び前記電気接続部品によって防爆構造が形成される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
フィールド機器として構成される、請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器と、容器内の空間を仕切る隔壁と、隔壁に設けられた貫通穴と、貫通穴に挿入される挿入部を有し、隔壁に取り付けられる電気接続部品と、隔壁の一方側で電気接続部品に装着される第1電子部品と、隔壁の他方側で電気接続部品に装着される第2電子部品とを有し、第1電子部品及び第2電子部品は、それぞれ電気接続部品に装着されることにより、電気接続部品を介して互いに電気的に接続できる、電子機器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電子機器は、廃棄時やメンテナンス時などにおいて、電気接続部品、第1電子部品及び第2電子部品を別々に容器から取り出せると好ましい。
【0005】
そこで本発明の目的は、電気接続部品、第1電子部品及び第2電子部品を別々に容器から取り出せる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は以下のとおりである。
【0007】
[1]
容器と、
前記容器内の空間を仕切る隔壁と、
前記隔壁に設けられた貫通穴と、
前記貫通穴に挿入される挿入部を有し、前記容器から取り出せるように前記隔壁に取り付けられる電気接続部品と、
前記容器から取り出せるように前記隔壁の一方側で前記電気接続部品に着脱できる第1電子部品と、
前記容器から取り出せるように前記隔壁の他方側で前記電気接続部品に着脱できる第2電子部品とを有し、
前記第1電子部品及び前記第2電子部品は、それぞれ前記電気接続部品に装着されることにより、前記電気接続部品を介して互いに電気的に接続できる、電子機器。
【0008】
[2]
前記容器は、前記隔壁の一方側において前記第1電子部品を通すことができる第1開口部を形成する容器本体と、
前記第1開口部を開くことができる第1蓋体とを有する、[1]に記載の電子機器。
【0009】
[3]
前記第1開口部は、前記電気接続部品を通すことができる、[2]に記載の電子機器。
【0010】
[4]
前記容器本体は、前記隔壁の他方側において前記第2電子部品を通すことができる第2開口部を形成し、
前記容器は、前記第2開口部を開くことができる第2蓋体を有する、[2]又は[3]に記載の電子機器。
【0011】
[5]
前記第1電子部品と前記第2電子部品との一方はアンプ部品であり、前記第1電子部品と前記第2電子部品との他方は端子部品である、[1]~[4]の何れか1項に記載の電子機器。
【0012】
[6]
前記第1電子部品は、基板と前記基板に実装された第1コネクタとを有し、前記第1コネクタを介して前記電気接続部品に装着されることで前記隔壁に固定される、[1]~[5]の何れか1項に記載の電子機器。
【0013】
[7]
前記第2電子部品は、基板と前記基板に実装された第2コネクタとを有し、前記第2コネクタを介して前記電気接続部品に装着されることで前記隔壁に固定される、[1]~[6]の何れか1項に記載の電子機器。
【0014】
[8]
前記隔壁と前記電気接続部品との間の隙間を塞ぐように前記電気接続部品の前記挿入部を包囲する隔壁用シール部材を有する、[1]~[7]の何れか1項に記載の電子機器。
【0015】
[9]
前記容器は、前記隔壁の一方側において前記第1電子部品を通すことができる第1開口部と前記隔壁の他方側において前記第2電子部品を通すことができる第2開口部とを形成する容器本体と、前記第1開口部を開くことができる第1蓋体と、前記第2開口部を開くことができる第2蓋体とを有し、
前記容器本体は前記隔壁を有し、
前記容器本体、前記第1蓋体、前記第2蓋体及び前記電気接続部品によって防爆構造が形成される、[1]~[8]の何れか1項に記載の電子機器。
【0016】
[10]
フィールド機器として構成される、[1]~[9]の何れか1項に記載の電子機器。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電気接続部品、第1電子部品及び第2電子部品を別々に容器から取り出せる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態の電子機器を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0020】
図1に示すように、本発明の一実施形態において、電子機器1は、容器2と、容器2内の空間を仕切る隔壁2a1と、隔壁2a1に設けられた貫通穴2a2と、貫通穴2a2に挿入される挿入部3aを有し、容器2から取り出せるように隔壁2a1に取り付けられる電気接続部品3と、容器2から取り出せるように隔壁2a1の一方側で電気接続部品3に着脱できる第1電子部品4と、容器2から取り出せるように隔壁2a1の他方側で電気接続部品3に着脱できる第2電子部品5とを有し、第1電子部品4及び第2電子部品5は、それぞれ電気接続部品3に装着されることにより、電気接続部品3を介して互いに電気的に接続できる。
【0021】
上記構成によれば、隔壁2a1の一方側で第1電子部品4を電気接続部品3から取り外して容器2から取り出すことができ、隔壁2a1の他方側で第2電子部品5を電気接続部品3から取り外して容器2から取り出すことができ、隔壁2a1に取り付けられた電気接続部品3を容器2から取り出すことができる。したがって、電気接続部品3、第1電子部品4及び第2電子部品5を別々に容器2から取り出すことができる。その結果、例えば廃棄時に容器2、電気接続部品3、第1電子部品4及び第2電子部品5を材質に応じて分別でき、第1電子部品4及び第2電子部品5が異なる材質の場合には、第1電子部品4及び第2電子部品5を分別できる。また例えば、定期メンテナンス時又は修理時等に、電気接続部品3、第1電子部品4又は第2電子部品5を必要に応じて個別に容器2から取り出して修理又は交換することができる。
【0022】
電気接続部品3は、第1電子部品4と第2電子部品5との間の電気的接続により、第1電子部品4と第2電子部品5との間の、例えば電源供給、アナログ通信又はデジタル通信、あるいはこれらの任意の組み合わせを可能にする。
【0023】
容器2は、隔壁2a1の一方側において第1電子部品4を通すことができる第1開口部2a3を形成する金属製等の容器本体2aと、第1開口部2a3を開くことができる第1蓋体2bとを有する。上記構成によれば、第1蓋体2bによって容器本体2aの第1開口部2a3を閉鎖することで隔壁2a1の一方側に閉鎖した第1チャンバ6を形成でき、第1蓋体2bによる閉鎖を解除することで第1チャンバ6を開放し第1開口部2a3を通して第1電子部品4を容器2から取り出すことができる。
【0024】
電子機器1は、第1蓋体2bによって容器本体2aの第1開口部2a3を閉鎖することで第1チャンバ6を密封する例えば弾性材料によって形成される第1蓋体用シール部材7を有する。上記構成によれば、第1蓋体2bのシール性を向上できる。
【0025】
第1蓋体2bは金属製等の蓋本体部2b1と、透視性を有するガラス製等の窓部2b2を有する。上記構成によれば、第1チャンバ6を閉鎖したまま第1チャンバ6内を外部から透視できる。
【0026】
第1開口部2a3は、電気接続部品3を通すことができる。上記構成によれば、第1蓋体2bによる閉鎖を解除することで第1開口部2a3を通して電気接続部品3を容器2から取り出すことができる。
【0027】
容器本体2aは、隔壁2a1の他方側において第2電子部品5を通すことができる第2開口部2a4を形成し、容器2は、第2開口部2a4を開くことができる第2蓋体2cを有する。上記構成によれば、第2蓋体2cによって容器本体2aの第2開口部2a4を閉鎖することで隔壁2a1の他方側に閉鎖した第2チャンバ8を形成でき、第2蓋体2cによる閉鎖を解除することで第2チャンバ8を開放し第2開口部2a4を通して第2電子部品5を容器2から取り出すことができる。
【0028】
電子機器1は、第2蓋体2cによって容器本体2aの第2開口部2a4を閉鎖することで第2チャンバ8を密封する例えば弾性材料によって形成される第2蓋体用シール部材9を有する。上記構成によれば、第2蓋体2cのシール性を向上できる。
【0029】
第1電子部品4は、容器本体2aにネジ等の第1電子部品用固定部材によって着脱できる構成としてもよい。上記構成によれば、第1電子部品用固定部材によって第1電子部品4を容器本体2aに固定することができ、第1電子部品用固定部材による固定を解除し、第1電子部品4を容器本体2aから取り外して容器2から取り出すことができる。
【0030】
電気接続部品3は、容器本体2aにネジ等の電気接続部品用固定部材によって着脱できる構成としてもよい。上記構成によれば、電気接続部品用固定部材によって電気接続部品3を容器本体2aに固定することができ、電気接続部品用固定部材による固定を解除し、電気接続部品3を容器本体2aから取り外して容器2から取り出すことができる。
【0031】
第2電子部品5は、容器本体2aにネジ等の第2電子部品用固定部材によって着脱できる構成としてもよい。上記構成によれば、第2電子部品用固定部材によって第2電子部品5を容器本体2aに固定することができ、第2電子部品用固定部材による固定を解除し、第2電子部品5を容器本体2aから取り外して容器2から取り出すことができる。
【0032】
第1電子部品4と第2電子部品5との一方はアンプ部品であり、第1電子部品4と第2電子部品5との他方は端子部品である構成としてもよい。上記構成によれば、廃棄時にアンプ部品と端子部品を分別できる。アンプ部品は例えば、端子部品に電気信号を送る。端子部品は例えば、アンプ部品に電力を送る。
【0033】
第1電子部品4は、基板4aと基板4aに実装された第1コネクタ4bとを有し、第1コネクタ4bを介して電気接続部品3に装着されることで隔壁2a1に固定される。上記構成によれば、基板4aに実装された第1コネクタ4bを用いる簡単な構造によって、電気接続部品3に対する第1電子部品4の装着及び電気的な接続を実現できる。
【0034】
第2電子部品5は、基板5aと基板5aに実装された第2コネクタ5bとを有し、第2コネクタ5bを介して電気接続部品3に装着されることで隔壁2a1に固定される。上記構成によれば、基板5aに実装された第2コネクタ5bを用いる簡単な構造によって、電気接続部品3に対する第2電子部品5の装着及び電気的な接続を実現できる。
【0035】
電子機器1は、隔壁2a1と電気接続部品3との間の隙間を塞ぐように電気接続部品3の挿入部3aを包囲する例えば弾性材料によって形成される隔壁用シール部材10を有する。上記構成によれば、隔壁2a1のシール性を向上できる。
【0036】
容器2は、隔壁2a1の一方側において第1電子部品4を通すことができる第1開口部2a3と隔壁2a1の他方側において第2電子部品5を通すことができる第2開口部2a4とを形成する容器本体2aと、第1開口部2a3を開くことができる第1蓋体2bと、第2開口部2a4を開くことができる第2蓋体2cとを有し、容器本体2aは隔壁2a1を有し、容器本体2a、第1蓋体2b、第2蓋体2c及び電気接続部品3によって防爆構造が形成される。上記構成によれば、防爆規定を満たす電子機器1を実現できる。
【0037】
電子機器1は、例えば、差圧/圧力伝送器、温度伝送器、電磁・渦・コリオリ・超音波流量計等である。電子機器1の第1電子部品4と第2電子部品5との電気接続部品3を介した電気的な接続は、例えば2線式等であり、例えば商用電源等からの電源供給による、4-20mA電流出力等のアナログ通信又はFF若しくはProfi等のデジタル通信である。
【0038】
電子機器1は、フィールド機器として構成してもよい。上記構成によれば、電気接続部品3、第1電子部品4及び第2電子部品5を別々に容器2から取り出すことができるフィールド機器を実現できる。
【0039】
フィールド機器は、プラントで使用される電子機器1である。プラントとは、化学等の工業プラント、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント、或いは、その他のプラントである。
【0040】
フィールド機器は金属や樹脂などの異なった材料を使用した部品が組み合わされて構成されること多いが、それらを分解・分別し必要があれば回収して再利用することも可能である。フィールド機器は市場全体で年間数十~数百万台規模で生産されており、それと近しい数の台数が廃棄されていることが想定される。廃棄時に分別可能であるか否かは、地球環境に与える影響という観点では非常に大きいものとなる。
【0041】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 電子機器
2 容器
2a 容器本体
2a1 隔壁
2a2 貫通穴
2a3 第1開口部
2a4 第2開口部
2b 第1蓋体
2b1 蓋本体部
2b2 窓部
2c 第2蓋体
3 電気接続部品
3a 挿入部
4 第1電子部品
4a 基板
4b 第1コネクタ
5 第2電子部品
5a 基板
5b 第2コネクタ
6 第1チャンバ
7 第1蓋体用シール部材
8 第2チャンバ
9 第2蓋体用シール部材
10 隔壁用シール部材