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特開2024-171178発光性微生物を用いた抗菌性能の情報提示方法、及び、情報提示装置
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  • 特開-発光性微生物を用いた抗菌性能の情報提示方法、及び、情報提示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171178
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】発光性微生物を用いた抗菌性能の情報提示方法、及び、情報提示装置
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/02 20060101AFI20241204BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
C12Q1/02
C12M1/34 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088111
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河畑 早貴
(72)【発明者】
【氏名】大江 純平
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB02
4B029CC01
4B029CC02
4B029FA15
4B029GB06
4B063QA01
4B063QA05
4B063QQ05
4B063QS39
4B063QX02
(57)【要約】
【課題】発光性微生物を用いて示される抗菌性能を、提示対象者に対して迅速かつ明確に提示可能にする。
【解決手段】発光性微生物を用いた抗菌性能の情報提示方法では、発光性微生物を含む、第1サンプル及び第2サンプルを用い、少なくとも1つの暗室内に、評価対象物の抗菌作用が及ぶように第1サンプルを配置すると共に、第1サンプルに比べて評価対象物の抗菌作用が及ばないように第2サンプルを配置した状態で、第1サンプル及び第2サンプルの発光量の変化より取得される、評価対象物の発光性微生物に与える影響についての発光関連情報を提示することにより、評価対象物の抗菌性能を提示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光性微生物を含む、第1サンプル及び第2サンプルを用い、少なくとも1つの暗室内に、評価対象物の抗菌作用が及ぶように前記第1サンプルを配置すると共に、前記第1サンプルに比べて前記評価対象物の抗菌作用が及ばないように前記第2サンプルを配置した状態で、前記第1サンプル及び前記第2サンプルの発光量の変化より取得される、前記評価対象物の前記発光性微生物に与える影響についての発光関連情報を提示することにより、前記評価対象物の抗菌性能を提示する、発光性微生物を用いた抗菌性能の情報提示方法。
【請求項2】
前記発光関連情報を画像として外部に出力することにより、前記発光関連情報を提示する、請求項1に記載の情報提示方法。
【請求項3】
前記画像は、少なくとも前記第1サンプルの前記発光性微生物の発光量の変化を示す動画を含む、請求項2に記載の情報提示方法。
【請求項4】
前記第1サンプル及び前記第2サンプルの各々は、前記発光性微生物を分散した分散液を含む、請求項1に記載の情報提示方法。
【請求項5】
前記発光性微生物は、発光細菌を含み、
前記評価対象物に接触させる直前の前記分散液の細菌濃度が、1.0×10CFU/mL以上の範囲の値である、請求項4に記載の情報提示方法。
【請求項6】
前記発光性微生物は、発光細菌を含み、
前記分散液が塗布された担持体を有し、且つ、前記評価対象物に接触させる直前の微生物計算盤、光電比色計、又は吸光度計により測定される前記担持体の表面上の前記分散液の細菌密度が、2.0×10個/cm以上の範囲の値である、前記第1サンプル及び前記第2サンプルを用いる、請求項4に記載の情報提示方法。
【請求項7】
前記分散液の微生物濃度は、エネルギー変換効率が15%の太陽電池を用いて、前記分散液5.0mL当たり、前記太陽電池において発光増幅せずに受光面積80cmで0.05mV以上の範囲の値の電力を発電可能な範囲の値である、請求項4に記載の情報提示方法。
【請求項8】
前記発光性微生物が分散された分散原液の発光強度を測定することにより、前記発光強度についての測定データを得、
前記測定データに基づいて微生物濃度を調整した前記分散原液を、前記分散液として用いる、請求項4に記載の情報提示方法。
【請求項9】
前記評価対象物に前記発光性微生物を接触させてから前記発光性微生物の発光強度が一定値に減光するまでに要する時間である減光時間が所定の許容時間内に収まるように、前記分散原液の前記微生物濃度を調整する、請求項8に記載の情報提示方法。
【請求項10】
前記減光時間と、前記発光性微生物の発光強度との関係を示す基準データを、前記測定データと比較することにより、前記評価対象物に前記分散原液を接触させたときの前記分散原液の前記減光時間を算出し、前記算出した前記分散原液の前記減光時間が前記所定の許容時間内に収まるように、前記分散原液の前記微生物濃度を調整する、請求項9に記載の情報提示方法。
【請求項11】
前記発光性微生物は、発光タンパク質により発光する微生物を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の情報提示方法。
【請求項12】
発光性微生物を含む、第1サンプル及び第2サンプルを用いて、情報を提示する情報提示装置であって、
評価対象物の抗菌作用が及ぶように前記第1サンプルが配置されると共に、前記第1サンプルに比べて前記評価対象物の抗菌作用が及ばないように前記第2サンプルが配置される少なくとも1つの暗室と、
前記少なくとも1つの暗室に配置された前記第1サンプル及び前記第2サンプルの発光量の変化より取得される、前記評価対象物の前記発光性微生物に与える影響についての発光関連情報を取得する、情報取得装置と、
取得された前記発光関連情報を、画像として外部に出力する出力装置と、を備える、前記評価対象物の抗菌性能を提示する情報提示装置。
【請求項13】
前記情報取得装置は、前記少なくとも1つの暗室の内部での前記発光性微生物の発光量の変化を示す動画を前記画像として撮影する撮影装置を有する、請求項12に記載の情報提示装置。
【請求項14】
請求項12に記載の情報提示装置と、
前記情報提示装置に用いられる測定装置と、を備え、
前記第1サンプル及び前記第2サンプルの各々は、前記発光性微生物を分散した分散液を含み、
前記測定装置は、
前記分散液を保持する、少なくとも一部が透明な保持体と、
遮光状態で前記保持体が収容される内部空間を有するケースと、
前記ケースに収容されて、前記保持体を通じて、前記保持体に保持された前記分散液の前記発光性微生物の発光に応じた電力を発電する太陽電池と、を備える、情報提示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光性微生物を用いた抗菌性能の情報提示方法、及び、情報提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下に示す「微生物」は、真菌、細菌、及び、ウイルスを指す。また「抗菌」には、真菌、細菌、又はウイルスを殺す「殺菌」、真菌、細菌、又はウイルスの数を減少させる「除菌」、真菌、細菌、又はウイルスの数をゼロに近づける「滅菌」、及び、真菌、細菌、又はウイルスの増殖を抑制する「菌抑制」が含まれる。真菌には、カビ及び酵母が含まれる。また、以下に示す「発光」は、蛍光発光、及び、蛍光発光以外の発光を指す。
【0003】
特許文献1には、発光細菌の発光量が有機物により変化する特性に基づき、発光細菌の発光により太陽電池で起電力を発生させ、起電力の変化により有機物を検知する検知方法か開示されている。また特許文献2には、被検査菌を塗抹した寒天培地に被評価繊維を貼付して被評価繊維の抗菌効果を評価する、抗菌繊維製品の抗菌効果の評価方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-25777号公報
【特許文献2】特開平7-270401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に記載の方法では、検知結果や評価結果が得られるまでにかなりの時間を要する。このため、検知結果や評価結果を、提示対象者に対して迅速かつ明確に提示するのが困難である。
【0006】
そこで本開示は、発光性微生物を用いて示される抗菌性能を、提示対象者に対して迅速かつ明確に提示可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、発光性微生物を用いた抗菌性能の情報提示方法であって、発光性微生物を含む、第1サンプル及び第2サンプルを用い、少なくとも1つの暗室内に、評価対象物の抗菌作用が及ぶように前記第1サンプルを配置すると共に、前記第1サンプルに比べて前記評価対象物の抗菌作用が及ばないように前記第2サンプルを配置した状態で、前記第1サンプル及び前記第2サンプルの発光量の変化より取得される、前記評価対象物の前記発光性微生物に与える影響についての発光関連情報を提示することにより、前記評価対象物の抗菌性能を提示する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、発光性微生物を用いて示される抗菌性能を、提示対象者に対して迅速かつ明確に提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る情報提示システムの概要図である。
図2図2は、図1の測定装置の内部構造を示す断面図である。
図3図3は、サンプルの希釈倍率と発光強度との関係を示すグラフである。
図4図4は、サンプルの発光強度と消光までの時間との関係を示すグラフである。
図5図5は、第1サンプル及び第2サンプルの発光量の変化を示す図である。
図6図6は、第4設定例に係る暗室とその周辺を示す概要図である。
図7図7は、第5設定例に係る暗室とその周辺を示す概要図である。
図8図8は、第6設定例に係る暗室とその周辺を示す概要図である。
図9図9は、第7設定例に係る暗室とその周辺を示す概要図である。
図10図10は、第2実施形態に係る情報提示システムの概要図である。
図11図11は、第3実施形態に係る暗室の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、評価対象物が有する抗菌性能を、発光性微生物の発光の変化に基づいて、情報提示者が提示対象者に対して迅速かつ明確に提示可能にするための方法、システム、及び装置に関連する。発光性微生物としては、例えば、Photobacterium属、Vibrio属、Aliivibrio属、Schwanella属等の発光細菌を例示できるが、これらのものに限定されず、例えば蛍光タンパク質等の発光タンパク質により発光する微生物であってもよい。蛍光タンパク質には、例えばGFP(Green fluorescent protein)が含まれる。発光性微生物は、活性時に発光し、不活性時に減光或いは消光する特性を有する。例えば、評価対象物の抗菌作用が高いほど、当該作用を受けた発光性微生物の発光は、減光速度が速くなる。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る情報提示システム1(以下、単にシステム1とも称する。)の概要図である。情報提示システム1は、評価対象物Pの抗菌性能を提示対象者に提示するためのデモンストレーションで用いられる。本実施形態のシステム1は、情報提示装置2、及び、情報提示装置2において用いられる、発光性微生物B1を共に含む第1サンプル70及び第2サンプル71を予め調整するための測定装置3を備える。情報提示装置2は、少なくとも1つの暗室4、情報取得装置5、及び、出力装置6を備える。
【0012】
暗室4の内部空間40には、サンプル70、71が配置される。第1サンプル70は、評価対象物Pの抗菌作用が及ぶように配置される。第2サンプルは、第1サンプル70に比べて評価対象物Pの抗菌作用が及ばないように配置される。一例として、サンプル70、71は、シャーレ等の容器Sに個別に配置されている。暗室4には、サンプル70、71以外のサンプルが配置されていてもよい。またサンプル70、71は、複数の暗室4に個別に配置されていてもよい。
【0013】
本実施形態のシステム1は、一例として、単一の暗室4を備える。この単一の暗室4が有する同一の内部空間40には、サンプル70、71が並べて配置される。暗室4は、サンプル70、71を個別に並べて配置できる十分な容積と、後述する撮影装置11によりサンプル70、71を撮影する際に実質的な支障がない程度の遮光性を有する。一例として、暗室4は、100lx以下の範囲の値となる照度を有する。暗室4がこのような照度を有する場合、撮影装置11により、サンプル70、71の発光を適切に撮影し易くできる。具体的構成例として、暗室4は、開閉可能な布状の黒色部材と、前記部材を支持するフレームとを含む卓上型暗室である。暗室4の底面には、光の反射を防止するため、布又は紙を含む黒色シートが敷かれている。一例として、暗室4の暗幕は、面ファスナー等の開閉部材により隙間なく閉じられる。
【0014】
情報取得装置5は、暗室4に配置された第1サンプル70及び第2サンプル71の発光量の変化より取得される、評価対象物Pの発光性微生物B1に与える影響についての発光関連情報ILを取得する。発光関連情報ILは、画像から視認される、発光性微生物B1の発光量の変化についての情報を含む。
【0015】
本実施形態の情報取得装置5は、情報処理装置10と、情報処理装置10に有線又は無線で接続された少なくとも1つの撮影装置11とを有する。本実施形態の情報処理装置10は、記憶装置、及び、プロセッサを含むパーソナルコンピュータである。一例として、記憶装置は、ROM及びRAMを含む。記憶装置には、制御プログラムが格納されている。記憶装置は、所定情報を格納する。この所定情報には、情報処理装置10が受信した撮影装置11からの情報が含まれる。プロセッサは、当該情報の一部を出力装置6に送信する。
【0016】
撮影装置11は、暗室4の内部でのサンプル70、71の発光性微生物B1の発光量の時間変化を示す画像を撮影する。一例として、撮像装置11は、暗室4の内部での発光性微生物B1の発光量の変化を示す動画を前記画像として撮影する。具体的構成として、撮影装置11は、少なくとも1つのCCDセンサを含む。撮影装置11は、発光関連情報ILとして、CCDセンサより撮影した画像情報を取得する。本実施形態の撮影装置11は、暗室4の内部空間40においてサンプル70、71を撮影可能に、支持スタンド7に取り付けられている。サンプル70、71を撮影する場合には、例えば、複数のCCDセンサが用いられてもよい。サンプル70、71を適切に撮影するため、情報取得装置5は、複数の撮影装置11を有していてもよい。複数の撮影装置11は、個別の暗室4に配置されたサンプル70、71を個別に撮影するように配置されていてもよい。
【0017】
出力装置6は、情報取得装置5により取得された発光関連情報ILを、画像として外部に出力する。このため、本実施形態の出力装置6は、ディスプレイ60を有する。本実施形態の出力装置6は、発光関連情報ILである前記画像をディスプレイ60に表示する。発光関連情報ILは、ディスプレイ60を通じて、少なくとも1人の提示対象者に提示される。本実施形態では、撮影装置11により取得された画像情報は、情報処理装置10を介して、出力装置6のディスプレイにほぼ同時刻に表示される。
【0018】
発光関連情報ILは、情報処理装置10の記憶装置に一旦格納された後、所定のタイミングで、出力装置6から出力されてもよい。また、情報取得装置5と出力装置6とは、一体的に構成されていてもよいし、別個に構成されていてもよい。例えば、情報取得装置5と出力装置6とは、撮影装置11と、タブレットPC等の情報端末とにより構成されてもよい。また情報取得装置5は、情報処理装置10が組み込まれた撮影装置11を有していてもよい。この場合、情報取得装置5の全体が、暗室4の内部空間40に配置されてもよい。
【0019】
測定装置3は、情報提示装置2とは別個に用いられる。図2は、図1の測定装置3の内部構造を示す断面図である。図2に示されるように、測定装置3は、保持体30、ケース31、及び、太陽電池32を備える。保持体30は、サンプル70、71に用いられる発光性微生物B1を分散した分散液75、又は、分散液75の材料である後述する分散原液74を保持する。保持体30は、少なくとも一部が透明である。本実施形態の保持体30は、透明部材で構成されている。透明部材は、透明度の高いガラス又は樹脂を含む。保持体30中の発光性微生物B1の発光は、保持体30の透明部分を通じて外部から視認可能である。一例として、保持体30は、試験管を含む。
【0020】
ケース31は、遮光状態で保持体30が収容される内部空間を有する。本実施形態のケース31は、保持体30を支持する支持部35aと、太陽電池32を保持する保持部35bとを有するケース本体35、及び、保持体30を支持する支持部36aを有し、ケース本体35に取り付けられる蓋36を含む。太陽電池32は、ケース31に収容される。
【0021】
太陽電池32は、受光面が保持体30の透明部分に向けられる状態で、ケース31の内部に配置されている。太陽電池32は、保持体30を通じて、保持体30に保持された液の発光性微生物B1の発光(発光強度、或いは、発光量)に応じた電力を発電する。一例として、太陽電池32は、所定の測定装置に接続される。これにより、太陽電池32の電力は、所定の測定器により測定される。測定器は、一例として電圧計を含むが、電流計を含んでいてもよい。
【0022】
一例として、分散液75の細菌濃度が所定範囲の値に設定された状態において、太陽電池32は、エネルギー変換効率が15%のとき、分散液5.0mL当たり、発光増幅せずに受光面積80cmで0.05mV以上の範囲の値の起電力を発電する。太陽電池32の発電性能は、これに限定されない。
【0023】
次に、システム1を用いた本実施形態の情報提示方法(デモンストレーション)について説明する。当該方法は、サンプル70、71を準備する準備ステップと、サンプル70、71を暗室4に配置する配置ステップと、暗室4に配置したサンプル70、71から取得された発光関連情報ILを画像として外部に出力する出力ステップとを含む。
【0024】
まず準備ステップにおいて、情報提示者である操作者は、発光性微生物B1が分散された分散原液74を用いる。分散原液74は、一例として、発光性微生物B1である発光細菌を含み、暗室内で培養された培養液である。操作者は、所定量の分散原液74を保持体30に入れて撹拌し、発光性微生物B1を発光状態とする。
【0025】
次に操作者は、保持体30をケース31の内部に収容し、ケース本体35と蓋36を組み合わせて、ケース31の内部空間を外部から遮光する。これにより、ケース31内の太陽電池32が、保持体30を介して受光する発光性微生物B1の発光により発電する。操作者は、発光性微生物B1が分散された分散原液74の発光強度を測定する。これにより、分散原液74の発光強度についての測定データを得る。ここで、太陽電池32の発電量は、分散原液74の発光性微生物B1の発光強度と相関関係を有する。操作者は、太陽電池32の電力を測定し、当該測定値から換算した発光強度についての測定データを得る。
【0026】
次に操作者は、評価対象物Pに発光性微生物B1を接触させてから発光性微生物B1の発光強度が一定値に減光するまでに要する時間である減光時間と、発光性微生物B1の発光強度との関係を示す基準データを、測定データと比較する。これにより操作者は、評価対象物Pに分散原液74を接触させたときの分散原液74の減光時間を算出する。操作者は、算出した分散原液74の減光時間が、デモンストレーションの許容時間内に収まるように、分散原液74の微生物濃度を調整する。
【0027】
分散原液74の微生物濃度を調整する具体的方法について、更に例示する。図3は、分散原液74の希釈倍率と発光性微生物の発光強度との関係を示すグラフである。図4は、サンプルの発光強度と減光時間との関係を示すグラフである。図4には、一例として、情報提示に用いられる複数候補の評価対象物A~Dについてのデータが示されている。
【0028】
操作者は、測定データにおいて十分な発光強度が得られているか否かを確認する。操作者は、測定データにおいて十分な発光強度が得られていないと判定した場合、図3のグラフを参照して、所望の発光強度が得られるように、分散原液74の微生物濃度を調整する。通常、微生物濃度を増大させると発光強度は増大し、微生物濃度を減少させると発光強度は減少する。
【0029】
また操作者は、測定データを図4のグラフのデータと比較し、評価対象物A~Dのうち、使用予定の評価対象物Pである評価対象物について、測定データが示す発光強度の減光時間を算出する。操作者は、当該減光時間が、許容時間内に収まるか否かを判定する。操作者は、減光時間が、許容時間内に収まらないと判定した場合、発光強度をある程度維持しながら、分散原液74の微生物濃度を調整する。これにより操作者は、測定データが示す発光強度での減光時間が、許容時間内に収まるように分散原液74の微生物濃度を調整する。以上により、測定データに基づいて微生物濃度を調整した分散原液74から、サンプル70、71の各々に用いられる分散液75が得られる。
【0030】
次に操作者は、分散液75を用いて、第1サンプル70及び第2サンプル71を作成する。一例として操作者は、分散液75を個別に含むサンプル70、71を作成する。以上により、準備ステップが行われる。次に操作者は、準備したサンプル70、71を暗室4の内部空間40に配置する。このとき操作者は、サンプル70、71を並べた状態で、暗室4の内部空間40に配置する。以上により、配置ステップが行われる。
【0031】
操作者は、暗室4の内部に外光が入らないように暗室4の暗幕を閉じる。この状態で、操作者は、情報取得装置5を操作して、暗室4内のサンプル70、71の発光関連情報ILを取得する。また操作者は、発光関連情報ILを出力装置6から外部に出力させる。以上により、出力ステップが行われる。本実施形態では、出力装置6のディスプレイ60から、サンプル70、71について発光量の変化を示す画像が、発光関連情報ILとして出力される。これにより、サンプル70、71の発光関連情報ILが、提示対象者に提示される。
【0032】
提示対象者は、画像として提示された発光関連情報ILにより、第1サンプル70と第2サンプル71との抗菌性能の違いを目視で確認できる。ここで図5は、第1サンプル70及び第2サンプル71の発光量の変化を示す図である。図5は、出力装置6により出力された発光関連情報ILの推移を示す。図5には、初期状態を示す図5(a)と、中期状態を示す図5(b)と、終期状態を示す図5(c)とが図示されている。図5の例では、実施例である第1サンプル70が示す発光性微生物B1の発光量が、時間経過と共に減少する様子が、比較例である第2サンプル71が示す発光性微生物B1の発光量との対比により、明確に示されている。
【0033】
図5に示されるように、提示対象者は、出力装置6により出力される発光関連情報ILを通じて、第1サンプル70と第2サンプル71との抗菌性能の違いを視覚により迅速且つ明確に確認できる。これにより提示対象者は、評価対象物Pが有する抗菌性能を、短時間で容易に把握できる。
【0034】
なお、発光関連情報ILが含む情報としては、例えば、発光性微生物B1の発光量についての情報に加え、更に、発光性微生物B1の発光により発電する太陽電池の出力量が含まれていてもよい。
【0035】
このように、本実施形態の発光性微生物B1を用いた抗菌性能の情報提示方法は、発光性微生物B1を含む、第1サンプル70及び第2サンプル71を用い、少なくとも1つの暗室4内に、評価対象物Pの抗菌作用が及ぶように第1サンプル70を配置すると共に、第1サンプル70に比べて評価対象物Pの抗菌作用が及ばないように第2サンプル71を配置した状態で、第1サンプル70及び第2サンプル71の発光量の変化より取得される、評価対象物Pの発光性微生物B1に与える影響についての発光関連情報ILを、画像として外部に出力することにより、評価対象物Pの抗菌性能を提示する方法である。
【0036】
この方法によれば、少なくとも1つの暗室4内にサンプル70、71が配置された状態で、発光関連情報ILが出力される。このため提示対象者は、出力されたサンプル70、71の発光関連情報ILを同時に並べて確認でき、評価対象物Pが発光性微生物B1の発光に与える影響を容易に比較検討できる。従って情報提示者は、発光性微生物B1を用いて示される抗菌性能を、提示対象者に対して迅速(例えば、デモンストレーションの当日中)に、かつ、明確に提示できる。
【0037】
また本実施形態の情報提示方法で用いられる画像は、一例として、少なくとも第1サンプル70の発光性微生物B1の発光量の変化を示す動画を含む。この方法によれば、発光性微生物B1の発光量の経時的な変化を容易に確認できる。これにより、サンプル70、71の各々の発光性微生物B1の発光量の経時的な変化により、発光性微生物B1の発光に対して評価対象物Pが与える影響を示す発光関連情報ILを、より一層明確に提示対象者に提示できる。
【0038】
なお、測定装置3は必須ではなく、省略されてもよい。また第2サンプル71は、例えば、評価対象物Pを含む第1比較例と、評価対象物Pを含まない第2比較例とを個別に含んでいてもよい。この場合、第2比較例は、発光性微生物B1が評価対象物Pに接触されることなく保持された基準例である。第2比較例は、例えば、分散液75のみを含む。第2比較例を用いた場合、発光関連情報ILには、例えば、第1サンプル70、及び、第1比較例についての各情報に加え、発光性微生物B1自体の情報が含まれる。この方法によれば、提示対象者に対して、評価対象物Pの抗菌性能を、基準例との対比により更に明確に提示できる。
【0039】
本実施形態の情報提示方法では、評価対象物Pの形態や種類等に対応して、デモンストレーションに際し、第1サンプル70及び第2サンプル71を設定できる。以下、第1サンプル70及び第2サンプル71の設定例について説明する。しかしながら本開示は、これらの例に限定されない。
【0040】
(分散液及び撮影装置の設定例)
評価対象物Pが発光性微生物B1と直接接触することにより抗菌性能を奏する場合、準備ステップで準備される第1サンプル70は、例えば、評価対象物Pと、評価対象物Pに滴下した分散液75とを含む。第2サンプル71は、第1サンプル70に比べて評価対象物Pの抗菌作用が及ばないように保持されればよい。一例として、第2サンプル71は、評価対象物Pを含まない。この場合、第2サンプル71は、評価対象物Pに対応する比較用対象物を含んでいてもよい。例えば分散液75は、発光細菌を含む。
【0041】
サンプル70、71の準備にあたり、操作者は、暗室内で発光細菌を液体培養し、分散液75を得る。操作者は、評価対象物Pに接触させる直前の分散液75の細菌濃度を、例えば、1.0×10CFU/mL以上(但し、“CFU”は、Colony Forming Unitを指す。)に設定する。分散液75の細菌濃度は、言い換えると、エネルギー変換効率が15%の太陽電池(例えば太陽電池32)を用いて、分散液5.0mL当たり、前記太陽電池において発光増幅せずに受光面積80cmで0.05mV以上の範囲の値の電力を発電可能な範囲の値である。分散液75の細菌濃度の上限値は、限定されない。この細菌密度は、例えば、微生物計算盤、光電比色計、又は吸光度計により測定される。
【0042】
また分散液75の細菌濃度としては、例えば1.0×10CFU/mL以上1.0×1010CFU/mL以下の範囲の値であるが、これに限定されない。また例えば、分散液75が塗布された担持体を有し、且つ、評価対象物Pに接触させる直前の微生物計算盤、光電比色計、又は吸光度計により測定される前記担持体の表面上の分散液75の細菌密度が、2.0×10個/cm以上の範囲の値であるサンプル70、71が用いられてもよい。
【0043】
暗室4内に配置されたサンプル70、71を撮影するときの撮影装置11は、例えば、以下の条件に基づいて設定される。
露光時間(シャッタースピード):500[ms]以上
Gain(コンバージョンファクター):0.2[e-/ADU]以上
ISO感度:600以上
撮影装置11としては、例えば、Gainが1.5倍以上に設定されるものが好適である。撮影装置11の設定条件は、これに限定されない。
【0044】
(第1設定例)
第1設定例の評価対象物Pは、一例として、抗菌材が練り込まれた樹脂等の部材である。一例として、第1サンプル70は、発光性微生物B1と、評価対象物Pとを含むように設定される。また一例として、第2サンプル71は、発光性微生物B1と、抗菌材が練り込まれていない部材を比較対象物として含むように設定される。以下、評価対象物P及び比較対象物を単に「対象物」とも称する。準備ステップにおいて操作者は、暗室4内で、容器Sに配置した対象物に対して所定量の分散液75を滴下する。これにより、対象物に分散液75中の発光細菌を接触させる。操作者は、操作中、暗室4の暗幕を閉じた状態に維持する。
【0045】
第1設定例の変形例として、操作者は、対象物に分散液75を滴下した後、透明板材により、滴下した分散液75を対象物との間で挟むようにしてもよい。これにより、透明板材を介して、外部からサンプル70、71の様子を確認できる。また対象物が透明である場合、一対の対象物の間に分散液75を配置してもよい。また一対の対象物のうち、一方の対象物に分散液75を滴下した後、他方の対象物により、滴下した分散液75を挟むようにしてもよい。
【0046】
次に操作者は、出力ステップの第1出力例として、暗室4内に並べて配置されたサンプル70、71を撮影装置11により撮影する。操作者は、撮影した画像を出力装置6のディスプレイ60に表示する。これにより提示対象者には、発光関連情報ILが、ほぼリアルタイムで提示される。例えば、細菌濃度が1×10CFU/mLの分散液75が用いられることで、提示対象者は、数分間(一例として約5分間)のデモンストレーションにおいて、評価対象物Pの抗菌性能により第1サンプル70の発光が減光又は消光する過程を確認できる。
【0047】
或いは操作者は、出力ステップの第2出力例として、暗室4内に並べて配置されたサンプル70、71を、撮影装置11により撮影し、撮影により得られた画像データを情報処理装置10が備える記憶装置に記憶させる。操作者は、所定のタイミングで、記憶装置に記憶された画像データの画像を出力装置6のディスプレイ60に表示する。この情報提示方法によっても、提示対象者に発光関連情報ILが提示される。例えば操作者は、発光関連情報ILとして出力装置6に動画を出力させる場合、動画の再生速度を調整してもよい。これにより、許容時間内で、第1サンプル70が発光状態から消光状態に至る過程の動画を再生して提示対象者に提示し易くできる。
【0048】
(第2設定例)
第2設定例の評価対象物Pは、一例として、抗菌フィルター材である。一例として、第1サンプル70は、発光性微生物B1と、評価対象物Pとを含むように設定される。また一例として、第2サンプル71は、発光性微生物B1と、評価対象物Pではないフィルター材を比較対象物として含むように設定される。第2サンプル71は、分散液75のみを含むように設定されてもよい。
【0049】
準備ステップにおいて操作者は、暗室4内で、容器Sに配置した対象物に対して所定量の分散液75を滴下する。本設定例では、ピンセット等のツールを用いて、分散液75を対象物のフィルター材に馴染ませてもよい。出力例は、第1設定例と同様である。また、サンプル70、71の対象物の表面に透明部材を配置し、透明部材を介して、発光性微生物B1の発光を撮影装置11により撮影してもよい。
【0050】
(第3設定例)
第3設定例の評価対象物Pは、一例として薬剤である。薬剤としては、例えば、防カビ剤、抗ウイルス剤、抗菌剤等を例示できるが、これに限定されない。薬剤は、例えば、無定形であってもよい。当該薬剤は、例えば、所定の対象物品の表面に塗布されて用いられる。一例として、第1サンプル70は、発光性微生物B1と、評価対象物Pとを含むように設定される。また一例として、第2サンプル71は、発光性微生物B1を含み、且つ、評価対象物Pを含まないように設定される。
【0051】
具体的に第1サンプル70は、薬剤と分散液75との混合物を含むように設定される。この場合、薬剤と分散液75のうち、一方に対して他方を滴下することで、前記混合物を形成できる。或いは第1サンプル70は、薬剤と分散液75との混合物を担持体に担持させて設定される。この場合、容器Sに配置した担持体に対し、薬剤と分散液75を個別に又は混合して滴下できる。
【0052】
或いは第1サンプル70は、分散液75を濾過して得られる、高濃度の発光細菌が付着したフィルターを前記担持体として用い、当該担持体に対して薬剤を滴下することにより設定される。フィルターとしては、例えば、シリンジの先端に装着されるシリンジフィルターを例示できる。当該フィルターを用いることで、提示対象者が視認し易いように、サンプル70、71の発光性微生物B1濃度を高めて発光量を向上できる。当該フィルターは、例えばガラス繊維等の無機繊維を含む。当該フィルターとしては、アドバンテック東洋(株)製「GA-100」を例示できる。当該フィルターの構成は、これに限定されない。
【0053】
或いは第1サンプル70は、担持体を分散液75に曝して担持体に分散液75を吸着させた後、当該担持体に対して薬剤を滴下することにより設定される。第2サンプル71は、分散液75に薬剤を添加しないこと以外は、第1サンプル70と同様の設定方法により設定される。出力例は、第1設定例と同様である。また、サンプル70、71の前記混合物又は前記担持体の上面に透明部材を配置し、透明部材を介して、発光性微生物B1の発光を撮影装置11により撮影してもよい。
【0054】
(第4設定例)
第4設定例の評価対象物Pは、一例として、放電デバイス12である。放電デバイス12は、例えば、気体中で放電を発生させて抗菌作用を奏する気中放電デバイス、又は、液体中で放電を発生させて抗菌作用を奏する液中放電デバイスである。気中放電デバイスとしては、例えば、イオン発生器、オゾン発生器、又は帯電微粒子水発生装置等を例示できる。ここで言う帯電微粒子水には、例えば、OHラジカルが含まれる。液中放電デバイスとしては、例えば、次亜塩素酸水発生器、オゾン水発生器等を例示できる。放電デバイス12は、これらに限定されない。
【0055】
図6は、第4設定例に係る暗室4とその周辺を示す概要図である。図6、及び、後述する図7図10では、暗室4の内部空間40の一部領域を一点鎖線で示している。図6に示すように、第4設定例では、暗室4内に、内部空間40を区画する透明ケース13が配置される。透明ケース13の内部空間には、放電デバイス12と、分散液75を含む第1サンプル70を入れた容器Sとが配置される。第1サンプル70は、放電デバイス12の排出口の近傍に配置される。暗室4内の透明ケース13の外部には、分散液75を含む第2サンプル71を入れた容器Sが配置される。出力例は、第1設定例と同様である。
【0056】
サンプル70、71において、発光性微生物B1は、分散液75に分散された状態で用いられてもよい。或いは、発光性微生物B1は、分散液75が担持体で担持された状態で用いられてもよい。後者の場合、容器Sに入れた前記担持体に対し、分散液75が滴下されたものを利用できる。或いは後者の場合、分散液75を濾過して得られる、高濃度の発光細菌が付着したフィルターを利用できる。フィルターとしては、例えば、シリンジフィルターを利用できる。或いは後者の場合、分散液75に曝して分散液75を吸着させた前記担持体を利用できる。撮影装置11は、サンプル70、71を撮影可能に配置されている。出力例は、第1設定例と同様である。
【0057】
放電デバイス12が気体放電デバイスである場合、透明ケース13の内部の気体は、気体放電の作用を受ける。放電デバイス12が液中放電デバイスである場合、放電デバイス12の排出口から、オゾン水又は次亜塩素酸水等を含む液体(電解水)が、透明ケース13の内部空間に噴霧される。放電デバイス12の駆動中、放電デバイス12による抗菌作用は、透明ケース13内の第1サンプル70には及ぶが、透明ケース13外の第2サンプル71には及ばない。操作者は、暗室4内に並べて配置されたサンプル70、71を、撮影装置11により撮影する。操作者は、撮影した画像を出力装置6のディスプレイ60に表示する。これにより提示対象者は、評価対象物Pの抗菌性能を良好に確認できる。
【0058】
(第5設定例)
第5設定例の評価対象物Pは、放電デバイス12であり、具体的には液中放電デバイスである。第5設定例では、第4設定例とは異なる方法で、サンプル70、71が設定される。
【0059】
図7は、第5設定例に係る暗室4とその周辺を示す概要図である。図7に示すように、第5設定例では、第4設定例と同様、暗室4内に、暗室4の内部空間40を区画する透明ケース13が配置される。放電デバイス12は、放電により生成した電解水が付着するエレメント14を備える。エレメント14は、一例として繊維部材である。
【0060】
透明ケース13の内部空間には、放電デバイス12が、エレメント14を露出させた状態で配置される。一例として、第5設定例の第1サンプル70は、分散液75と、分散液75が塗布されたエレメント14とを含むように設定される。暗室4内の透明ケース13の外部には、分散液75を含む第2サンプル71を入れた容器Sが配置される。一例として、第2サンプル71は、分散液75と、エレメント14に対応し且つ分散液75が塗布された繊維部材を含むように設定される。第2サンプル71は、分散液75のみを含むように設定されてもよい。
【0061】
出力例は、第1設定例と同様である。また、サンプル70、71のエレメント14又は繊維部材の上面に透明部材を配置し、透明部材を介して、発光性微生物B1の発光を撮影装置11により撮影してもよい。
【0062】
放電デバイス12の駆動中、エレメント14には、液中放電により生成される電解水(例えば、オゾン水又は次亜塩素酸水)が付着する。放電デバイス12による抗菌作用は、透明ケース13内の第1サンプル70には及ぶが、透明ケース13外の第2サンプル71には及ばない。操作者は、暗室4内に並べて配置されたサンプル70、71を、撮影装置11により撮影する。操作者は、撮影した画像を出力装置6のディスプレイ60に表示する。これにより提示対象者は、評価対象物Pの抗菌性能を良好に確認できる。
【0063】
また、第5設定例の第1サンプル70は、分散液75と、放電デバイス12の液中放電により生成される電解水との混合物を含むように設定されてもよい。この場合、第2サンプル71は、分散液75と、前記電解水とは異なる液(例えば水)との混合物を含むように設定されてもよい。混合物を調整する際、一方の成分を他方の成分に対して滴下してもよい。
【0064】
(第6設定例)
第6設定例の評価対象物Pは、一例として、通常運転後、室内機の気体流路を構成する少なくとも一部領域を加熱し又は送風乾燥することにより、気体流路に付着した微生物に対して抗菌作用を奏するクリーンモード(内部クリーンモードとも称する。)を有する空調装置15である。本設定例のクリーンモードは、一例として、加熱により微生物に対して抗菌作用を奏する。
【0065】
図8は、第6設定例に係る暗室4とその周辺を示す概要図である。図8に示すように、第6設定例では、第4設定例と同様、暗室4内に、内部空間40を区画する透明ケース13が配置される。サンプル70、71が発光性微生物B1を含む態様は、第4設定例と同様である。
【0066】
透明ケース13の内部空間には、空調装置15の少なくとも一部(一例として室内機)と、第1サンプル70が配置される。第1サンプル70は、空調装置15と接触するように配置される。第1サンプル70は、例えば、室内機の気体流路の途中に配置される。暗室4内の透明ケース13の外部には、第2サンプル71が配置される。第2サンプル71は、透明ケース13内の室内機の熱が伝わらないように配置されている。出力例は、第1設定例と同様である。また、サンプル70、71の分散液75又は担持体の上面に透明部材を配置し、透明部材を介して、発光性微生物B1の発光を撮影装置11により撮影してもよい。
【0067】
クリーンモードでの空調装置15の駆動中、本設定例の第1サンプル70は、空調装置15により加熱される。これにより、第1サンプル70の発光性微生物B1の発光量が減少し、空調装置15の抗菌性能が提示される。空調装置15の熱は、透明ケース13内の第1サンプル70には及ぶが、透明ケース13外の第2サンプル71には及ばない。操作者は、暗室4内に並べて配置されたサンプル70、71を、撮影装置11により撮影する。操作者は、撮影した画像を出力装置6のディスプレイ60に表示する。これにより提示対象者は、評価対象物Pの抗菌性能を良好に確認できる。
【0068】
なお、第6設定例の変形例として、透明ケース13の内部空間には、分散液75を含む第1サンプル70と、第1サンプル70を加熱する加熱装置とを配置してもよい。この場合、加熱装置は、空調装置15のクリーンモードにおける加熱温度と同様の温度で、第1サンプル70を加熱する。本変形例によれば、第1サンプル70が、評価対象物Pである空調装置15と同様の温度で加熱される。このため、空調装置15の実機を暗室4に配置しなくても、暗室4の内部で、空調装置15のクリーンモードを再現できる。よって、限られたスペースで空調装置15の抗菌性能についての情報提示を行える。なお、クリーンモードで送風乾燥を行う場合、加熱装置の代わりに送風装置を用いることができる。
【0069】
(第7設定例)
第7設定例の評価対象物Pは、一例として、紫外線を照射することにより、微生物に対して抗菌作用を奏する照射装置16である。図9は、第7設定例に係る暗室4とその周辺を示す概要図である。図9に示す例では、暗室4内に、内部空間40を区画する透明ケース13が配置される。サンプル70、71が発光性微生物B1を含む態様は、第4設定例と同様である。
【0070】
透明ケース13の内部空間には、分散液75を含む第1サンプル70を入れた容器Sと、第1サンプル70に紫外線を照射する照射装置16とが配置される。暗室4内の透明ケース13の外部には、分散液75を含む第2サンプル71を入れた容器Sが配置される。第2サンプル71は、透明ケース13内の照射装置16からの紫外線が照射されないように配置されている。出力例は、第1設定例と同様である。
【0071】
照射装置16の駆動中、第1サンプル70は、紫外線が照射される。これにより、第1サンプル70の発光性微生物B1の発光量が減少し、照射装置16の抗菌性能が提示される。照射装置16からの紫外線は、透明ケース13内の第1サンプル70には及ぶが、透明ケース13外の第2サンプル71には及ばない。操作者は、暗室4内に並べて配置されたサンプル70、71を、撮影装置11により撮影する。操作者は、撮影した画像を出力装置6のディスプレイ60に表示する。これにより提示対象者は、評価対象物Pの抗菌性能を良好に確認できる。以下、本開示の第2実施形態について、第1実施形態との差異を中心に説明する。
【0072】
(第2実施形態)
第2実施形態の発光性微生物は、発光タンパク質により発光する発光性微生物B2を含む。この微生物B2は、例えば、GFP遺伝子を導入された微生物である。この微生物B2は、一例として細菌であるが、これに限定されない。また微生物B2としては、例えばカビである、Penicillium Citrinumを例示できる。この場合、分散液75の細菌濃度は、例えば、1μg/mL以上10μg/mL以下の範囲の値に設定される。
【0073】
図10は、第2実施形態に係る情報提示システム101の概要図である。図10は、システム101が備える暗室4の内部を示している。図10に示すように、システム101は、暗室4の内部に配置された励起装置21を更に備える。励起装置21は、微生物B2に対して所定波長(例えば約395nm)の光を照射することにより、微生物B2の発光を励起する。操作者は、準備ステップにおいて、励起装置21を駆動させて、微生物B2の発光を励起する。これにより、微生物B2は発光状態となる。例えば、評価対象物Pの抗菌作用が高いほど、微生物B2の発光が減光する速度は速くなる。評価対象物P、第1サンプル70、及び第2サンプル71については、第1実施形態と同様に設定できる。第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。本開示では、発光性微生物B1の代わりに、このような発光性微生物B2を用いてもよい。
【0074】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態に係る暗室4の概要図である。第3実施形態の情報提示方法は、情報取得装置5及び出力装置6を用いないで発光関連情報ILを提示対象者に提示する。図11に示すように、第3実施形態の情報提示方法では、第1実施形態と同様に、発光性微生物B1を含む、第1サンプル70及び第2サンプル71を用いる。当該方法では、少なくとも1つの暗室4内に、評価対象物Pの抗菌作用が及ぶように第1サンプル70を配置すると共に、第1サンプル70に比べて評価対象物Pの抗菌作用が及ばないように第2サンプル71を配置する。この状態で、発光関連情報ILを提示することにより、評価対象物Pの抗菌性能を提示する。暗室4の遮光性及び照度は、提示対象者が第1サンプル70及び第2サンプル71の発光量を目視で確認できる程度の暗さであればよい。
【0075】
第3実施形態では、提示対象者は、例えば、暗室4内に配置された第1サンプル70及び第2サンプル71を目視で確認する。提示対象者は、第1サンプル70及び第2サンプル71の発光量を目視で比較することにより、評価対象物Pの抗菌性能を短時間で確認できる。これにより、第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が奏される。なお、第3実施形態の暗室4は、第1サンプル70及び第2サンプル71等のサンプルのみを配置する室に限定されず、例えば、各サンプルと共に提示対象者がいる暗室であってもよい。
【0076】
(開示項目)
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
[項目1]
発光性微生物を含む、第1サンプル及び第2サンプルを用い、少なくとも1つの暗室内に、評価対象物の抗菌作用が及ぶように前記第1サンプルを配置すると共に、前記第1サンプルに比べて前記評価対象物の抗菌作用が及ばないように前記第2サンプルを配置した状態で、前記第1サンプル及び前記第2サンプルの発光量の変化より取得される、前記評価対象物の前記発光性微生物に与える影響についての発光関連情報を提示することにより、前記評価対象物の抗菌性能を提示する、発光性微生物を用いた抗菌性能の情報提示方法。
【0077】
上記方法によれば、少なくとも1つの暗室内に第1サンプル及び第2サンプルを配置した状態で、発光性微生物を用いて得られる前記発光関連情報が提示される。これにより、当該情報の提示を受けた提示対象者は、第1サンプル及び第2サンプルの発光量を比較することにより、評価対象物の抗菌性能を短時間で確認できる。従って、発光性微生物を用いて示される抗菌性能を、提示対象者に対して迅速かつ明確に提示できる。その結果、提示対象者に対して評価対象物の抗菌性能を有効にアピールできる。
【0078】
[項目2]
前記発光関連情報を画像として外部に出力することにより、前記発光関連情報を提示する、項目1に記載の情報提示方法。
【0079】
上記方法によれば、発光関連情報が、画像として外部に提示される。これにより、例えば暗室より遠い位置にいる提示対象者に対しても、画像を通じて評価対象物の抗菌性能を有効にアピールできる。また例えば、画像を拡大することで、第1サンプル及び第2サンプルの発光量を比較し易くできる。
【0080】
[項目3]
前記画像は、少なくとも前記第1サンプルの前記発光性微生物の発光量の変化を示す動画を含む、項目2に記載の情報提示方法。
【0081】
上記方法によれば、提示対象者は、微生物の発光量の経時的な変化を動画により容易に確認できる。これにより、発光性微生物を用いて示される評価対象物の抗菌性能を、提示対象者に対してより一層迅速かつ明確に提示できる。
【0082】
[項目4]
前記第1サンプル及び前記第2サンプルの各々は、前記発光性微生物を分散した分散液を含む、項目1~3のいずれか1項に記載の情報提示方法。
【0083】
上記方法によれば、情報提示を行う者は、例えば、前記分散液の濃度や量を調整することにより、情報提示に最適な発光量を有する第1サンプル及び第2サンプルを準備し易くできる。
【0084】
[項目5]
前記発光性微生物は、発光細菌を含み、
前記評価対象物に接触させる直前の前記分散液の細菌濃度が、1.0×10CFU/mL以上の範囲の値である、項目4に記載の情報提示方法。
【0085】
上記方法によれば、発光細菌を用い、且つ分散液の細菌濃度を前記範囲の値に設定することで、例えば、撮影装置により発光性微生物の発光を撮影するために必要な発光性微生物の発光量を十分に得ることができる。これにより、発光性微生物を用いて示される抗菌性能を、提示対象者に対して迅速かつ明確に提示できる。
【0086】
[項目6]
前記発光性微生物は、発光細菌を含み、
前記分散液が塗布された担持体を有し、且つ、前記評価対象物に接触させる直前の微生物計算盤、光電比色計、又は吸光度計により測定される前記担持体の表面上の前記分散液の細菌密度が、2.0×10個/cm以上の範囲の値である、前記第1サンプル及び前記第2サンプルを用いる、項目4又は5に記載の情報提示方法。
【0087】
上記方法によれば、発光細菌を用い、且つ担持体に塗布される分散液の細菌密度を適切に設定することで、担持体で発光性微生物を支持しつつ、発光性微生物の十分な発光量を得ることができる。これにより、発光性微生物を用いて示される抗菌性能を、提示対象者に対して迅速かつ明確に提示できる。
【0088】
[項目7]
前記分散液の微生物濃度は、エネルギー変換効率が15%の太陽電池を用いて、前記分散液5.0mL当たり、前記太陽電池において発光増幅せずに受光面積80cmで0.05mV以上の範囲の値の電力を発電可能な範囲の値である、項目4~6のいずれか1項に記載の情報提示方法。
【0089】
上記方法によれば、前記エネルギー変換効率を有する太陽電池を用い、当該太陽電池の電力の前記範囲の値に基づいて分散液の細菌濃度を設定することで、例えば、撮影装置により発光性微生物の発光を撮影するために必要な発光性微生物の発光量を十分に得ることができる。従って、発光性微生物を用いて示される評価対象物の抗菌性能を、提示対象者に対して迅速かつ明確に提示できる。
【0090】
[項目8]
前記発光性微生物が分散された分散原液の発光強度を測定することにより、前記発光強度についての測定データを得、
前記測定データに基づいて微生物濃度を調整した前記分散原液を、前記分散液として用いる、項目4~7のいずれか1項に記載の情報提示方法。
【0091】
[項目9]
前記評価対象物に前記発光性微生物を接触させてから前記発光性微生物の発光強度が一定値に減光するまでに要する時間である減光時間が所定の許容時間内に収まるように、前記分散原液の前記微生物濃度を調整する、項目8に記載の情報提示方法。
【0092】
[項目10]
前記減光時間と、前記発光性微生物の発光強度との関係を示す基準データを、前記測定データと比較することにより、前記評価対象物に前記分散原液を接触させたときの前記分散原液の前記減光時間を算出し、前記算出した前記分散原液の前記減光時間が前記所定の許容時間内に収まるように、前記分散原液の前記微生物濃度を調整する、項目9に記載の情報提示方法。
【0093】
上記項目8~10に係る方法によれば、例えば、提示対象者に対する情報提示時間として許容される許容時間内において、発光性微生物を用いた評価対象物の抗菌性能の情報提示を適切に行えるように、分散液の微生物濃度を調整できる。
【0094】
[項目11]
前記発光性微生物は、発光タンパク質により発光する微生物を含む、項目1~10のいずれか1項に記載の情報提示方法。
【0095】
上記方法によれば、例えば、GFP等の発光タンパク質により発光する微生物を発光性微生物として利用できる。従って、発光性微生物の選択自由度を向上できる。
【0096】
[項目12]
発光性微生物を含む、第1サンプル及び第2サンプルを用いて、情報を提示する情報提示装置であって、
評価対象物の抗菌作用が及ぶように前記第1サンプルが配置されると共に、前記第1サンプルに比べて前記評価対象物の抗菌作用が及ばないように前記第2サンプルが配置される少なくとも1つの暗室と、
前記少なくとも1つの暗室に配置された前記第1サンプル及び前記第2サンプルの発光量の変化より取得される、前記評価対象物の前記発光性微生物に与える影響についての発光関連情報を取得する、情報取得装置と、
取得された前記発光関連情報を、画像として外部に出力する出力装置と、を備える、前記評価対象物の抗菌性能を提示する情報提示装置。
【0097】
上記構成によれば、少なくとも1つの暗室に第1サンプル及び第2サンプルを配置した状態で、発光性微生物を用いて得られる前記発光関連情報が、情報取得装置により取得され、当該情報が、出力装置により、画像として外部に提示される。これにより提示対象者は、評価対象物の抗菌性能を、第1サンプル及び第2サンプルの発光量を比較することにより短時間で確認できる。従って、発光性微生物を用いて示される抗菌性能を、提示対象者に対して迅速かつ明確に提示できる。その結果、提示対象者に対して評価対象物の抗菌性能を有効にアピールできる。
【0098】
[項目13]
前記情報取得装置は、前記少なくとも1つの暗室の内部での前記発光性微生物の発光量の変化を示す動画を前記画像として撮影する撮影装置を有する、項目12に記載の情報提示装置。
【0099】
上記構成によれば、提示対象者は、微生物の発光量の経時的な変化を動画により容易に確認できる。これにより、発光性微生物を用いて示される評価対象物の抗菌性能を、提示対象者に対してより一層迅速かつ明確に提示できる。
【0100】
[項目14]
項目12又は13に記載の情報提示装置と、
前記情報提示装置に用いられる測定装置と、を備え、
前記第1サンプル及び前記第2サンプルの各々は、前記発光性微生物を分散した分散液を含み、
前記測定装置は、
前記分散液を保持する、少なくとも一部が透明な保持体と、
遮光状態で前記保持体が収容される内部空間を有するケースと、
前記ケースに収容されて、前記保持体を通じて、前記保持体に保持された前記分散液の前記発光性微生物の発光に応じた電力を発電する太陽電池と、を備える、情報提示システム。
【0101】
上記構成によれば、前記測定装置のケース内において、保持体に保持された分散液中の発光性微生物が発光することで、太陽電池が発電する。太陽電池の発電量は、分散液の発光性微生物の発光強度と相関関係を有する。このため、太陽電池の出力を参照することで、分散液中の微生物濃度を測定できる。これにより、所定の許容時間内で適切に情報提示を行えるように、分散液の微生物濃度を調整できる。
【0102】
本開示は、上記各実施形態及び上記変形例に限定されず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、その構成及び方法を、変更、追加、組み合わせ、又は削除できる。出力装置6からサンプル70、71の画像を出力する場合、サンプル70、71の各画像は、異なるタイミングで撮影され且つ記録された画像であってもよい。
【0103】
また例えば、情報取得装置5は、図3に示される分散原液74の希釈倍率と発光性微生物の発光強度との関係に基づいて、測定装置3で測定された測定データから、分散原液74又は分散液75の微生物濃度を算出してもよい。また情報取得装置5は、測定データと、図4に示される発光強度と減光時間との関係に基づいて、所定の評価対象物Pを用いた場合の減光時間を算出してもよい。図3及び図4に示される各関係についてのデータは、情報取得装置5の記憶装置に予め記憶されていてもよい。
【0104】
また例えば、サンプル70、71は、気体中に分散された発光性微生物B1を含むように設定されてもよい。この場合、例えばサンプル70、71では、各々の発光性微生物B1が飛散しないように、少なくとも一部が透明な容器Sの中に、気体と発光性微生物B1とが収容されていてもよい。
【0105】
またサンプル70、71は、必ずしも容器Sに収容されなくてもよい。また例えば、サンプル70、71の発光性微生物B1を、個別の暗室4の気体中に噴霧等により分散して配置してもよい。これにより発光性微生物B1は、一定期間、暗室4の気体中に浮遊した状態となる。この場合、例えば、各暗室4の状況を撮影装置11により撮影した画像である発光関連情報ILを、提示対象者に提示してもよい。或いは例えば、各暗室4の状況を提示対象者に直接的又は透明な窓を介して間接的に見せることにより、発光関連情報ILを提示対象者に提示してもよい。また、サンプル70、71の発光性微生物B1を個別の暗室4の気体中に分散して配置し、且つ、発光関連情報ILとして画像を用いる場合、当該画像として、少なくとも第1サンプル70の発光性微生物B1の発光量の変化を示す動画を用いてもよい。いずれの方法であっても、提示対象者は、各暗室4に直接配置された第1サンプル70と第2サンプル71との抗菌性能の違いを容易に確認できる。
【符号の説明】
【0106】
B1 発光性微生物
B2 発光性微生物(発光タンパク質により発光する微生物)
A~D、P 評価対象物
IL 発光関連情報
1、101 情報提示システム
2 情報提示装置
3 測定装置
4 暗室
5 情報取得装置
6 出力装置
11 撮影装置
30 保持体
31 ケース
32 太陽電池
70 第1サンプル
71 第2サンプル
74 分散原液
75 分散液
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11