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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171181
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】鉄筋移動具
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/12 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
E04G21/12 105D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088122
(22)【出願日】2023-05-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2023年3月20日より、栄光マシーンセンター株式会社が、ER250、ER100の販売を開始した。
(71)【出願人】
【識別番号】503153160
【氏名又は名称】栄光マシーンセンター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101535
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 好道
(74)【代理人】
【識別番号】100161104
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 浩康
(72)【発明者】
【氏名】伊地知 英太郎
(57)【要約】
【課題】鉄筋の移動を補助し、労力の削減と、作業の効率化を図ることが出来る鉄筋移動具を提供する。
【解決手段】
配設された複数本の鉄筋の上に載置できる載置部20と、該載置部20の端部に形成された、鉄筋や鋼管等に引っ掛けることができる引っ掛け部21を有し、前記載置部20において、前記引っ掛け部21と反対側に第1脚部5を形成し、前記引っ掛け部21の前記載置部20と反対側に第2脚部6を設け、前記載置部20に、回転可能な回転部23を設けた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配設された複数本の鉄筋の上に載置できる載置部と、該載置部の端部に形成された、鉄筋や鋼管等に引っ掛けることができる引っ掛け部を有し、
前記載置部において、前記引っ掛け部と反対側に第1脚部を形成し、
前記引っ掛け部の前記載置部と反対側に第2脚部を設け、
前記載置部に、回転可能な回転部を設けたことを特徴とする鉄筋移動具。
【請求項2】
前記載置部に、2つの側取付板を固設し、両側取付板の間に前記回転部を回転可能に設け、各側取付板にガイド部を設け、
該ガイド部の内側端は、前記回転部の軸方向の外側端より内側に位置し、
前記ガイド部は、前記鉄筋移動具を設置した状態において、前記回転部より上方に位置することを特徴とする請求項1記載の鉄筋移動具。
【請求項3】
前記側取付板の傾斜部側端における前記第1脚部と反対側部を、前記第1脚部と反対側に向かう程、第2脚部側に位置するように形成し、前記側取付板の前記傾斜部側端における前記第1脚部と反対側部と前記引っ掛け部により係合部を形成したことを特徴とする請求項2記載の鉄筋移動具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋移動具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設現場等において、複数の作業員の手作業により、鉄筋を所定の位置まで移動させて配筋を行っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
作業員の手作業により、鉄筋を移動させて配筋を行っていたため、多くの人員が必要である。また、鉄筋が重いとともに、既に配筋された鉄筋と接触等すると移動させづらくなるため、干渉しないようにする必要があり手間がかかるという問題があった。
【0004】
そこで、鉄筋の移動を補助し、労力の削減と、作業の効率化を図ることが出来る鉄筋移動具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するために、本願発明は、配設された複数本の鉄筋の上に載置できる載置部と、該載置部の端部に形成された、鉄筋や鋼管等に引っ掛けることができる引っ掛け部を有し、
前記載置部において、前記引っ掛け部と反対側に第1脚部を形成し、
前記引っ掛け部の前記載置部と反対側に第2脚部を設け、
前記載置部に、回転可能な回転部を設けたことを特徴とするものである。
【0006】
また、前記載置部に、2つの側取付板を固設し、両側取付板の間に前記回転部を回転可能に設け、各側取付板にガイド部を設け、
該ガイド部の内側端は、前記回転部の軸方向の外側端より内側に位置し、
前記ガイド部は、前記鉄筋移動具を設置した状態において、前記回転部より上方に位置するようにしてもよい。
【0007】
また、前記側取付板の傾斜部側端における前記第1脚部と反対側部を、前記第1脚部と反対側に向かう程、第2脚部側に位置するように形成し、前記側取付板の前記傾斜部側端における前記第1脚部と反対側部と前記引っ掛け部により係合部を形成してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、配設された複数本の鉄筋の上に載置できる載置部と、載置部の端部に形成された、鉄筋又は鋼管等に引っ掛けることができる引っ掛け部を有し、載置部において、引っ掛け部と反対側に第1脚部を形成し、引っ掛け部の載置部と反対側に第2脚部を設け、載置部に、回転可能な回転部を設けたことにより、鉄筋移動具を、建設現場や工場において、鉄筋等に対し様々な取付方法で取付けることが出来る。
【0009】
また、設置後、鉄筋等の一部を回転部の上に載置させた後に、回転部を回転するように鉄筋等を押すことで、容易に、鉄筋等を所定の位置まで移動させることができ、配筋作業における労力の削減と、作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例に係る鉄筋移動具の斜視図。
図2図1の側面図。
図3図1の正面図。
図4】本発明の実施例に係る鉄筋移動具の取付例を説明する図。
図5】本発明の実施例に係る鉄筋移動具の取付例を説明する図。
図6】本発明の実施例に係る鉄筋移動具の取付例を説明する図。
図7】本発明の実施例に係る鉄筋移動具の使用例を説明する図。
図8図1の鉄筋移動具における引っ掛け部の取付方法を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施例1に係る鉄筋移動具1の斜視図である。
【0013】
鉄筋移動具1は、左右1対の側部材2,2を有する。各側部材2,2は、その軸方向の一端に第1脚部5が形成され、他端に第2脚部6が形成されている。一方の側部材2と、他方の側部材2間の距離は、任意に設定することが出来、図6に示すように、平行に配設された隣接する2本の主筋等の鉄筋10A,10A間の距離より大きくすることが好ましい。
【0014】
図1に示すように、鉄筋移動具1を地面の上に載置した際に、第1脚部5,5と第2脚部6,6の計4カ所が、地面に当接するように形成されている。
【0015】
各側部材2,2の一端側には、図2に示すように、第1脚部5側端部から第2脚部6側に向かう程、第1脚部5側端から離間する傾斜部11が形成されている。図2に示すように、傾斜部11の一端側を曲折されて第1脚部5が形成されている。傾斜部11と第1脚部5により第1係合部14が形成される。
【0016】
各側部材2,2における傾斜部11の他端側には、円弧状に形成された円弧部12が、円弧の中心が第1脚部5側に位置するように形成されている。円弧部12の他端側には、傾斜部11から離間するように形成された離間部13が形成されている。離間部13の他端側を、第1脚部5と反対側方向に曲折して、第2脚部6が形成されている。
【0017】
第1脚部5、傾斜部11、円弧部12、離間部13、第2脚部6は、図1図3に示すように、1本の丸棒や鉄筋等の棒状部材を曲折して、一体に形成されている。
【0018】
一方の側部材2の傾斜部11と、他方の側部材2の傾斜部11は、連結棒15により連結されている。一方の側部材2の傾斜部11と、他方の側部材2の傾斜部11と、連結棒15により載置部20が構成される。また、左右の円弧部12,12により、引っ掛け部21が構成される。
【0019】
引っ掛け部21は、鉄筋10A,10Bや、図8に示すように、断面が円形や四角形等の鋼管30a,30b,30c等などに引っ掛けることができるようになっている。
【0020】
各離間部13の傾斜部11側には、2本の円筒状の引掛り部22a,22bが、平行に設けられている。傾斜部11と引掛り部22a間の距離より、傾斜部11と引掛り部22b間の距離が大きくなるようになっている。
【0021】
図8(b)に示すように、引っ掛け部21を、□50の断面四角の鋼管30bに引っ掛けた際に、載置部20側の引掛り部22aと、載置部20が、鋼管30bの外側に当接し、鉄筋移動具1の移動が抑制されるようになっている。
【0022】
また、図8(c)に示すように、引っ掛け部21を、□60の断面四角の鋼管30bに引っ掛けた際に、第2脚部6側の引掛り部22bと、傾斜部11が、鋼管30bの外側に当接し、鉄筋移動具1の移動が抑制されるようになっている。
【0023】
一方の側部材2の傾斜部11の他端側部と、他方の側部材2の傾斜部11の他端側部との間には、取付板18が架設され、取付板18の両端部には、第1脚部5側と反対側方向に突出する側取付板19,19が設けられている。なお。側取付板19,19の第2脚部6側端部には、図6に示すように、取付板18が架設されていない。
【0024】
側取付板19の傾斜部11側における、前記第1脚部と反対側部である他端側端部19aは、図2図8に示すように、他端側に向かう程、後述する回転部23と反対側である第2脚部6側に位置するテーパ状に形成されている。他端側端19aと引っ掛け部21との間に第2係合部28が形成される。
【0025】
側取付板19,19間には、回転軸23aを中心として回転可能な回転部23が設けられている。本実施例では、回転部23として、円筒状のローラで構成した。回転部23の外周部を、ゴム等で構成して、回転部23の外周面に滑り止めを施すことが好ましい。
【0026】
回転部23の全周に亘って、側取付板19,19が、回転部23の外周面よりも外側に位置するように形成されていることが好ましい。側取付板19,19を、回転部23の外周面に対し、載置部20と反対側の外側方向への突出量が大きくなるように形成することが好ましい。取付板18と側取付板19により、取付部24が構成される。
【0027】
図1図4に示すように、鉄筋移動具1を、第1脚部5,5と第2脚部6,6の計4カ所が、地面に当接するように配置した場合において、各側取付板19の上端部に第1ガイド部25が形成されている。第1ガイド部25の内側端が、回転部23の軸方向の外側端より、内側に位置するようになっている。
【0028】
また、図1に示すように、鉄筋移動具1を、載置部20が、上下方向に配設された鉄筋10A,10Bと当接するとともに、引っ掛け部21を、鉄筋10A,10Bや鋼管等に引っ掛けるように配置した場合において、各側取付板19の上端部に第2ガイド部26が形成されている。第2ガイド部26の内側端が、回転部23の軸方向の外側端より、内側に位置するようになっている。
【0029】
上記のように、各側取付板19には、2つのガイド部25,26が固設されている。本実施例では、ガイド部25,26を、ボルトとナットで構成したが、任意の部材で構成することが出来る。なお、ガイド部25,26は設けなくてもよい。
【0030】
図1図4に示すように、鉄筋移動具1を、第1脚部5,5と第2脚部6,6の計4カ所が、地面に当接するように配置した場合、載置部20と地面との間に、空間30が形成されるようになっている。
【0031】
図4に示すように、地中梁の最下端に位置するあばら筋10B等が、空間30内に位置し、第1脚部5,5と第2脚部6,6の計4カ所が、地面に当接するとともに、回転部23が、配設された鉄筋10A,10B等と干渉することなく設置することが出来る。この際、回転部23の上端は、載置部20と引っ掛け部21より上方に位置するとともに、第1ガイド部25が回転部23より上方に位置するようになっている。
【0032】
図5に示すように、鉄筋移動具1を、載置部20が、上下方向に配設された鉄筋10A,10Bと当接するとともに、引っ掛け部21を、鉄筋10A,10Bや鋼管30a,30b,30cなどに対し、取り外し可能に取り付けることが出来る。取り付けた際に、回転部23が、配設された鉄筋10A,10B等と干渉することなく設置することが出来る。ここの際、回転部23の上端は、載置部20と引っ掛け部21より上方に位置するとともに、第2ガイド部26が回転部23より上方に位置するようになっている。
【0033】
図6に示すように、載置部20が、水平方向に配設された複数の鉄筋10A,10B上に載置するとともに、第2係合部28を、鉄筋10A,10Bに係合させることで、複数の鉄筋10A,10Bの上に、取り外し可能に取り付けることが出来るとともに、取り付けた際に、回転部23が、配設された鉄筋10A,10B等と干渉することなく設置することが出来る。第2係合部28が、鉄筋10A,10Bに係合させるとともに、載置部20が、水平方向に配設された複数の鉄筋10A,10B上に載置させることで、使用時に鉄筋移動具1が傾くことなく、安定して鉄筋10A,10Bに取付けることが出来る。
【0034】
図6に示すように、載置部20は、水平方向に配設された複数の鉄筋10A,10B上に載置することができるようになっている。鉄筋移動具1は、第2係合部28により、使用時における移動が抑制される。この際、回転部23の上端は、載置部20と引っ掛け部21より上方に位置するとともに、第1ガイド部25が回転部23より上方に位置するようになっている。
【0035】
このように、本発明の鉄筋移動具1は、建設現場や工場において、配設された鉄筋10A,10Bや鋼管30a,30b,30c等に対し、3種類の方法により、様々な場所に設置することが出来、設置した際に、回転部23の上端は、載置部20と引っ掛け部21より上方に位置するようになっている。
【0036】
上記のように取り外し可能に鉄筋移動具1を、1個、又は、所定間隔で複数適宜位置に設置した後に、図7に示すように、鉄筋35等の一部を回転部23の上に載置させた後に、回転部23を回転するように鉄筋35等を押すことで、容易に、鉄筋35等を所定の位置まで移動させることができる。回転部23を利用して鉄筋35等を移動するため、他の鉄筋10A,10Bとの干渉を減らすとともに、鉄筋35等を移動させる際の摩擦を低減し、作業性が向上するとともに、作業者への負荷を低減できる。また、鉄筋移動具1を使用しない場合よりも、少ない人数で、鉄筋35等を所定の位置に移動させ、配筋することが出来る。
【0037】
鉄筋移動具1を取り付けた際に、第1ガイド部25又は第2ガイド部26が、回転部23より上方に位置するとともに、ガイド部25,26の内側端が、回転部23の軸方向の外側端より内側に位置することにより、鉄筋移動具1により鉄筋35等を移動させる際に、ガイド部25,26により、鉄筋35等が回転部23から脱落することを抑制できるとともに、鉄筋35等が側取付板19と接触することを防止できる。
【0038】
また、鉄筋移動具1を適宜位置に配置することで、配設された鉄筋10A,10Bの間に、鉄筋35等を通す際にも、鉄筋移動具1を使用しない場合よりも、他の鉄筋10A,10Bとの干渉を容易に避けることが出来、配筋作業がスムーズに、効率よく行うことが出来る。
【0039】
上記実施例の鉄筋移動具1においては、回転部23と取付部24以外の部材を、棒状部材を曲折等して形成したが、板材を曲折等して形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 鉄筋移動具
5 第1脚部
6 第2脚部
19 側取付板
20 載置部
21 引っ掛け部
23 回転部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8