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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171182
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】プリンタ装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/32 20060101AFI20241204BHJP
   B41J 2/325 20060101ALI20241204BHJP
   B41J 25/304 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
B41J2/32 C
B41J2/325 A
B41J25/304 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088124
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】390034223
【氏名又は名称】イーデーエム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】何川 和弘
【テーマコード(参考)】
2C064
2C065
【Fターム(参考)】
2C064CC02
2C064CC06
2C064CC11
2C064EE05
2C064EE06
2C064EE15
2C064FF07
2C065AA01
2C065DA03
2C065DA16
(57)【要約】
【課題】印字動作中に、インクリボンカセットをプリンタ本体から容易に取り外すことができないプリンタ装置を提供すること。
【解決手段】プリンタ装置1は、プリンタ本体20と、プリンタ本体20に着脱可能に取り付けられるインクリボンカセット30と、を備え、プリンタ本体20は、プリントヘッド21を有するヘッド機構部22と、ヘッド機構部22の移動をガイドする本体側ガイド部231と、を有し、ヘッド機構部22を本体側ガイド部231に沿って移動させ、インクリボンカセット30は、ヘッド機構部22が印字可能位置P2に位置した場合に、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す際に、プリンタ本体20に係合することで、プリンタ本体20から取り外すことができず、ヘッド機構部22が着脱位置P1に位置した場合に、プリンタ本体20に係合せずに、プリンタ本体20から取り外すことが可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタ本体と、
前記プリンタ本体に着脱可能に取り付けられるインクリボンカセットと、を備え、
前記プリンタ本体は、プリントヘッドを有するヘッド機構部と、前記ヘッド機構部の移動をガイドする本体側ガイド部と、を有し、
前記本体側ガイド部は、前記プリンタ本体に前記インクリボンカセットが取り付けられた状態において、前記ヘッド機構部を、前記プリンタ本体に対して前記インクリボンカセットを着脱可能な着脱位置と、印字可能な印字可能位置と、に移動可能にガイドさせ、
前記プリンタ本体に前記インクリボンカセットが取り付けられた状態において、前記インクリボンカセットは、前記ヘッド機構部が前記印字可能位置に位置した場合に、前記プリンタ本体から前記インクリボンカセットを取り外す際に、前記プリンタ本体に係合することで、前記プリンタ本体から取り外すことができず、前記ヘッド機構部が前記着脱位置に位置した場合に、前記プリンタ本体から前記インクリボンカセットを取り外す際に、前記プリンタ本体に係合せずに、前記プリンタ本体から取り外すことが可能である、プリンタ装置。
【請求項2】
前記ヘッド機構部は、前記インクリボンカセット側に突出するヘッド機構部カセット側突出部を有し、
前記インクリボンカセットは、前記プリンタ本体に取り付けられた状態において、前記本体側ガイド部が前記ヘッド機構部の移動をガイドする際に前記ヘッド機構部カセット側突出部の移動をガイドするカセット側ガイド部を有し、
前記ヘッド機構部が前記印字可能位置に位置する場合に、前記プリンタ本体から前記インクリボンカセットを取り外す際に、前記カセット側ガイド部が前記ヘッド機構部カセット側突出部に係合して、前記プリンタ本体から前記インクリボンカセットを取り外すことができず、前記ヘッド機構部が前記着脱位置に位置する場合に、前記カセット側ガイド部が前記ヘッド機構部カセット側突出部に係合せずに、前記プリンタ本体から前記インクリボンカセットを取り外すことが可能である、請求項1に記載のプリンタ装置。
【請求項3】
前記プリントヘッドに対向して配置される印字受け部を備え、
前記ヘッド機構部は、前記本体側ガイド部にガイドされて移動するヘッド機構部本体側突出部を有し、
前記本体側ガイド部は、前記ヘッド機構部本体側突出部を前記印字可能位置に位置するようにガイドする印字可能位置ガイド部と、前記印字可能位置ガイド部に連続して形成され前記ヘッド機構部本体側突出部を前記印字可能位置から前記インクリボンカセットの前記着脱位置に導くようにガイドする着脱位置ガイド部と、を有し、
前記着脱位置ガイド部は、前記印字受け部から離れる側に傾斜して延びる、請求項1又は2に記載のプリンタ装置。
【請求項4】
前記プリンタ本体は、前記ヘッド機構部を前記本体側ガイド部に沿って移動させる第1ヘッド移動機構部を有し、
前記第1ヘッド移動機構部は、前記プリンタ本体に前記インクリボンカセットが取り付けられた状態において、前記ヘッド機構部を前記本体側ガイド部に沿って移動させることで、前記ヘッド機構部を、前記本体側ガイド部において、前記プリンタ本体に対して前記インクリボンカセットを着脱可能な着脱位置と、印字可能な印字可能位置と、に移動させる、請求項1又は2に記載のプリンタ装置。
【請求項5】
前記プリントヘッドに対向して配置される印字受け部を備え、
前記プリンタ本体は、前記ヘッド機構部が前記本体側ガイド部にガイドされて前記印字可能位置に位置する場合に、前記ヘッド機構部を前記印字受け部に近づく側又は前記印字受け部から離れる側に移動させる第2ヘッド移動機構部を有する、請求項1又は2に記載のプリンタ装置。
【請求項6】
前記第2ヘッド移動機構部は、前記本体側ガイド部が形成された板状のプレート部と、前記プレート部を前記印字受け部に近づく側又は前記印字受け部から離れる側に移動させるプレート移動部と、を有する、請求項5に記載のプリンタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクリボンカセットが着脱可能に取り付けられるプリンタ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-36425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクリボンカセットが着脱可能に取り付けられるプリンタ装置においては、プリンタ装置の印字動作中に、インクリボンカセットをプリンタ本体から容易に取り外すことができないように、ロック機構が設けられる。インクリボンカセットをプリンタ本体から容易に取り外すことができないロック機構について、更なる改善が求められている。
【0005】
本発明は、印字動作中に、インクリボンカセットをプリンタ本体から容易に取り外すことができないプリンタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、プリンタ本体と、前記プリンタ本体に着脱可能に取り付けられるインクリボンカセットと、を備え、前記プリンタ本体は、プリントヘッドを有するヘッド機構部と、前記ヘッド機構部の移動をガイドする本体側ガイド部と、を有し、前記本体側ガイド部は、前記プリンタ本体に前記インクリボンカセットが取り付けられた状態において、前記ヘッド機構部を、前記プリンタ本体に対して前記インクリボンカセットを着脱可能な着脱位置と、印字可能な印字可能位置と、に移動可能にガイドさせ、前記プリンタ本体に前記インクリボンカセットが取り付けられた状態において、前記インクリボンカセットは、前記ヘッド機構部が前記印字可能位置に位置した場合に、前記プリンタ本体から前記インクリボンカセットを取り外す際に、前記プリンタ本体に係合することで、前記プリンタ本体から取り外すことができず、前記ヘッド機構部が前記着脱位置に位置した場合に、前記プリンタ本体から前記インクリボンカセットを取り外す際に、前記プリンタ本体に係合せずに、前記プリンタ本体から取り外すことが可能である、プリンタ装置に関する。
【0007】
また、前記ヘッド機構部は、前記インクリボンカセット側に突出するヘッド機構部カセット側突出部を有し、前記インクリボンカセットは、前記プリンタ本体に取り付けられた状態において、前記本体側ガイド部が前記ヘッド機構部の移動をガイドする際に前記ヘッド機構部カセット側突出部の移動をガイドするカセット側ガイド部を有し、前記ヘッド機構部が前記印字可能位置に位置する場合に、前記プリンタ本体から前記インクリボンカセットを取り外す際に、前記カセット側ガイド部が前記ヘッド機構部カセット側突出部に係合して、前記プリンタ本体から前記インクリボンカセットを取り外すことができず、前記ヘッド機構部が前記着脱位置に位置する場合に、前記カセット側ガイド部が前記ヘッド機構部カセット側突出部に係合せずに、前記プリンタ本体から前記インクリボンカセットを取り外すことが可能であることが好ましい。
【0008】
また、前記プリントヘッドに対向して配置される印字受け部を備え、前記ヘッド機構部は、前記本体側ガイド部にガイドされて移動するヘッド機構部本体側突出部を有し、前記本体側ガイド部は、前記ヘッド機構部本体側突出部を前記印字可能位置に位置するようにガイドする印字可能位置ガイド部と、前記印字可能位置ガイド部に連続して形成され前記ヘッド機構部本体側突出部を前記印字可能位置から前記インクリボンカセットの前記着脱位置に導くようにガイドする着脱位置ガイド部と、を有し、前記着脱位置ガイド部は、前記印字受け部から離れる側に傾斜して延びることが好ましい。
【0009】
また、前記プリンタ本体は、前記ヘッド機構部を前記本体側ガイド部に沿って移動させる第1ヘッド移動機構部を有し、前記第1ヘッド移動機構部は、前記プリンタ本体に前記インクリボンカセットが取り付けられた状態において、前記ヘッド機構部を前記本体側ガイド部に沿って移動させることで、前記ヘッド機構部を、前記本体側ガイド部において、前記プリンタ本体に対して前記インクリボンカセットを着脱可能な着脱位置と、印字可能な印字可能位置と、に移動させることが好ましい。
【0010】
また、前記プリントヘッドに対向して配置される印字受け部を備え、前記プリンタ本体は、前記ヘッド機構部が前記本体側ガイド部にガイドされて前記印字可能位置に位置する場合に、前記ヘッド機構部を前記印字受け部に近づく側又は前記印字受け部から離れる側に移動させる第2ヘッド移動機構部を有することが好ましい。
【0011】
また、前記第2ヘッド移動機構部は、前記本体側ガイド部が形成された板状のプレート部と、前記プレート部を前記印字受け部に近づく側又は前記印字受け部から離れる側に移動させるプレート移動部と、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、印字動作中に、インクリボンカセットをプリンタ本体から容易に取り外すことができないプリンタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】プリンタ本体にインクリボンカセットを装着したサーマルプリンタを示す斜視図である。
図2】プリンタ本体からインクリボンカセットを取り外した状態のサーマルプリンタを示す斜視図である。
図3】サーマルプリンタの主な構成を示す図である。
図4】プリンタ本体のヘッド機構部周辺の構成を示す斜視図である。
図5】第2ヘッド移動機構部によりプレート部を上下移動させる場合を示す図である。
図6】ヘッド機構部のヘッド機構部カセット側突出部の先端がインクリボンカセットのカセット側ガイド溝に挿入されて移動する状態を示す斜視図である。
図7図6のA-A線断面図である。
図8】ヘッド機構部が着脱位置に位置した状態を示す図である。
図9】ヘッド機構部が印字可能位置における印字待機位置に位置した状態を示す図である。
図10】ヘッド機構部が印字可能位置における印字待機位置から下方側に移動して印字開始位置に位置した状態を示す図である。
図11】ヘッド機構部が印字可能位置における印字開始位置からY方向のY1側に移動して印字終了位置に位置した状態を示す図である。
図12】ヘッド機構部が印字可能位置における印字終了位置から上方側に移動して印字退避位置に位置した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態においては、以下の説明及び図面において、インクリボンカセット30の着脱方向(図2において着脱ガイドシャフト34,35等の軸部材が延びる方向)をX方向という。X方向における一方側(図1のサーマルプリンタ1を正面から見た場合の奥側)をX1側といい、X方向における他方側(図1のサーマルプリンタ1を正面から見た場合の手前側)をX2側という。図1のサーマルプリンタ1の正面に対面した場合における左右方向をY方向という。Y方向における一方側(図1の右側)をY1側といい、Y方向における他方側(図1の左側)をY2側という。サーマルプリンタ1における上下方向を上下方向Zという。X方向、Y方向及び上下方向Zは、それぞれに対して直交する。長尺フィルムFの移送方向は、例えば、Y方向において、Y1側(図3の右側)からY2側(図3の左側)に向かう方向である。
【0015】
本実施形態のサーマルプリンタ1(プリンタ装置)は、図1及び図2に示すように、プリンタ本体20に対して、インクリボンカセット30を着脱可能な、いわゆるカセット式のサーマルプリンタを構成する。
【0016】
サーマルプリンタ1は、例えば、移送と停止とを繰り返して間欠的に移送される長尺フィルムF(図3参照)の停止時に印字動作を実行する間欠式のプリンタである。なお、サーマルプリンタ1は、間欠式のプリンタに限定されず、長尺フィルムF(被印字物)の移動中にプラテンプレート等の印字受け部側に押圧することで印字を行う連続式のプリンタでもよい。
【0017】
プリンタ本体20にインクリボンカセット30を装着した場合について説明する。図3に示すように、サーマルプリンタ1は、プリンタ本体20と、プラテンプレート4(印字受け部)と、プリンタ本体20に着脱可能に取り付けられるインクリボンカセット30と、を備える。インクリボンカセット30は、図2に示すように、プリンタ本体20に対して着脱可能に構成されている。
【0018】
インクリボンカセット30は、図1及び図2に示すように、正面板31と、把持部32と、リボン搬送機構33と、2つの着脱ガイドシャフト34,35と、解除操作部36と、を備える。
【0019】
正面板31は、X方向に厚みを有し、Y方向及び上下方向Zに延びる板状に形成される。正面板31には、プリンタ本体20に設けられたスイッチ部224が配置される開口31aが形成されている。正面板31は、正面化粧板311と、正面裏面板312と、を有する。
【0020】
正面化粧板311は、正面板31の正面において、薄板状に形成される。正面裏面板312は、正面化粧板311の裏面に取り付けられ、正面化粧板311の厚みよりも厚い厚みの板状に形成される。正面裏面板312には、上下方向Zの下方側において、Y方向に延びるカセット側ガイド溝313(カセット側ガイド部)が形成される。カセット側ガイド溝313は、正面裏面板312を貫通する溝状に形成され、Y方向に延びる。カセット側ガイド溝313は、図6に示すように、正面裏面板312が正面化粧板311の裏面に取り付けられた正面板31において、正面板31の正面裏面板312のX1側の面からX2側に向けて凹む溝状に形成され、Y方向に延びる。カセット側ガイド溝313は、図6及び図7に示すように、正面板31のX2側の面が閉鎖されると共に正面板31のX1側の面がX1側に向けて開口する凹溝状に形成される。
【0021】
カセット側ガイド溝313には、プリンタ本体20にインクリボンカセット30が取り付けられた状態において、ヘッド機構部22からX2側(インクリボンカセット30側)に突出するヘッド機構部カセット側突出部222(後述)の先端が挿入される(図6参照)。カセット側ガイド溝313は、インクリボンカセット30がプリンタ本体20に取り付けられた状態において、ヘッド機構部22から突出するヘッド機構部カセット側突出部222(後述)の移動をガイドする。カセット側ガイド溝313の詳細については後述する。
【0022】
把持部32は、図1に示すように、正面板31のX2側の外面に設けられる。把持部32は、プリンタ本体20に対してインクリボンカセット30を着脱する際に人の手に把持される。解除操作部36は、正面板31を貫通して配置される。解除操作部36は、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す場合に、操作されることで、プリンタ本体20とインクリボンカセット30との係合が解除される。
【0023】
リボン搬送機構33は、図2に示すように、正面板31のX1側の面に配置される。リボン搬送機構33は、インクリボンRと、巻回された未使用のインクリボンRを保持する原反側リボンホルダ331と、インクリボンRを巻き取る巻取側リボンホルダ332と、複数のガイドローラ333と、を備える。
【0024】
リボン搬送機構33は、図3に示すように、インクリボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、原反側リボンホルダ331に巻回された未使用のインクリボンRをサーマルヘッド21へ向けて搬送すると共に、サーマルヘッド21に向けて搬送されたインクリボンRを巻取側リボンホルダ332へ向けて搬送する。複数のガイドローラ333は、原反側リボンホルダ331から巻取側リボンホルダ332に向かって搬送されるインクリボンRをガイドするローラである。
【0025】
2つの着脱ガイドシャフト34,35は、正面板31のX方向のX1側の面からX1側に突出する。2つの着脱ガイドシャフト34,35は、上下方向Zに離間して配置される。着脱ガイドシャフト34は、正面板31の裏面の上端側に配置され、着脱ガイドシャフト35は、着脱ガイドシャフト34よりも下方側において正面板31の裏面の上下方向の中央付近に配置される。2つの着脱ガイドシャフト34,35は、プリンタ本体20にインクリボンカセット30を装着する場合に、プリンタ本体20に設けられる2つのガイド筒264,265に挿入されて、インクリボンカセット30をプリンタ本体20に着脱する場合に、インクリボンカセット30の着脱をガイドする。
【0026】
プリンタ本体20には、図2に示すように、インクリボンカセット30が着脱可能に取り付けられる。プリンタ本体20は、図2図4に示すように、サーマルヘッド21(プリントヘッド)を有するヘッド機構部22と、本体側ガイド部231が設けられたプレート部23と、第1ヘッド移動機構部24と、第2ヘッド移動機構部25と、背部ケース体261と、保持板262と、外壁板部263と、2つのガイド筒264,265と、を備える。背部ケース体261の内部には、保持板262の背面側に設けられる各種モータや各種機構等が収容される。
【0027】
図2に示すように、保持板262は、背部ケース体261のX方向のX2側に取り付けられている。プレート部23、第1ヘッド移動機構部24、第2ヘッド移動機構部25、外壁板部263及び2つのガイド筒264,265は、保持板262に保持されている。外壁板部263は、保持板262の上端部近傍及びY方向の両端部近傍の三方を囲うように、保持板262のX2側の面からX2側に壁状に立設されている。
【0028】
図4に示すように、ヘッド機構部22は、上部が第1ヘッド移動機構部24に支持された状態で、保持板262のX2側の面に保持されたプレート部23のX2側に配置される。ヘッド機構部22は、第1ヘッド移動機構部24によりY方向に移動可能に構成されると共に、ヘッド機構部22の上部が、回転軸J1を中心に回転可能な状態で支持されることにより、上下方向Zに移動可能に構成される。
【0029】
ヘッド機構部22は、サーマルヘッド21と、インクリボンカセット30側に突出するヘッド機構部カセット側突出部222と、保持板262側に突出するヘッド機構部本体側突出部223と、スイッチ部224と、を有する。スイッチ部224は、プリンタ本体20にインクリボンカセット30を取り付けた場合に、インクリボンカセット30の正面板31の開口31a(図1参照)に配置される。
【0030】
ヘッド機構部本体側突出部223は、保持板262側に突出して、図5に示すように、保持板262のX2側の面に取り付けられたプレート部23の本体側ガイド部231(後述)に挿入される。ヘッド機構部本体側突出部223は、ヘッド機構部22が第1ヘッド移動機構部24によりY方向に移動された場合に、プレート部23の本体側ガイド部231に沿って移動される。
【0031】
プレート部23は、図3図5に示すように、上下方向Zに移動可能に、保持板262のX2側の面に取り付けられる。プレート部23は、保持板262の下方側において、X方向に厚みを有する板状に形成され、上下方向Zに幅を有して、Y方向に延びる。プレート部23は、Y方向の両端部において、上下方向Zに移動可能に、一対の2組のローラ部材23aに保持される。
【0032】
プレート部23には、本体側ガイド部231が形成される。本体側ガイド部231は、プレート部23をX方向に貫通した溝状に形成され、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223の移動をガイドする。本体側ガイド部231は、ヘッド機構部本体側突出部223を印字可能位置P2(図5図9図12参照)に位置するようにガイドする印字可能位置ガイド部232と、ヘッド機構部本体側突出部223を印字可能位置からインクリボンカセット30の着脱位置P1(図5図8参照)に導くようにガイドする着脱位置ガイド部233と、を有する。
【0033】
これにより、図5に示すように、本体側ガイド部231は、プリンタ本体20にインクリボンカセット30が取り付けられた状態において、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223を、プリンタ本体20に対してインクリボンカセット30を着脱可能な着脱位置P1(図5図8参照)と、印字可能な印字可能位置P2(図5図9図12参照)と、に移動可能にガイドさせる。
【0034】
図3図5に示すように、印字可能位置ガイド部232は、ヘッド機構部22のY方向に移動可能な範囲において、Y方向に直線状に延びる。着脱位置ガイド部233は、印字可能位置ガイド部232のY方向のY2側の端部側に形成される。着脱位置ガイド部233は、印字可能位置ガイド部232のY方向のY2側の端部に連続して形成され、印字可能位置ガイド部232のY方向のY2側の端部から、Y1側からY2側に向かうに従ってプラテンプレート4から離れる側に傾斜して直線状に延びる。
【0035】
ヘッド機構部カセット側突出部222は、図2に示すように、ヘッド機構部22からインクリボンカセット30側に突出する。ヘッド機構部カセット側突出部222は、図6及び図7に示すように、ヘッド機構部22からX方向のX2側に突出する突出軸222aと、突出軸222aの先端に設けられる円板部222bと、を有する。
【0036】
ヘッド機構部カセット側突出部222の突出軸222aの先端部分と円板部222bとは、インクリボンカセット30がプリンタ本体20に取り付けられた状態において、インクリボンカセット30の正面板31の正面裏面板312に形成されるY方向に延びるカセット側ガイド溝313に、Y方向に移動可能に挿入される。
【0037】
これにより、インクリボンカセット30がプリンタ本体20に取り付けられた状態において、プリンタ本体20のプレート部23に設けられた本体側ガイド部231がヘッド機構部22の移動をガイドする際には、ヘッド機構部22がY方向に移動することで、ヘッド機構部22からインクリボンカセット30側に突出するヘッド機構部カセット側突出部222は、インクリボンカセット30の正面板31の正面裏面板312に形成されるカセット側ガイド溝313に沿ってY方向に移動する。
【0038】
インクリボンカセット30の正面板31の正面裏面板312に形成されるカセット側ガイド溝313は、図6及び図7に示すように、Y方向のY2側の端部に形成されヘッド機構部カセット側突出部222の円板部222bを挿通可能な挿通可能開口部314と、挿通可能開口部314からY方向のY1側に延びる直線状係合ガイド溝315と、を有する。
【0039】
挿通可能開口部314は、正面裏面板312をX1側から見た場合に、僅かに横長の横長円形状に形成される。挿通可能開口部314は、正面裏面板312の奥側から手前側に同じ開口面積で開口して形成され、ヘッド機構部カセット側突出部222の突出軸222a及び円板部222bを挿通可能に開口する。
【0040】
直線状係合ガイド溝315は、正面裏面板312をX1側から見た場合に、挿通可能開口部314よりも上下方向Zの幅が狭く形成され、Y方向に延びる溝状に形成される。直線状係合ガイド溝315は、正面裏面板312の奥側においてヘッド機構部カセット側突出部222の円板部222bをY方向に移動させることが可能な開口幅を有する幅広開口溝315aと、正面裏面板312の手前側において奥側の幅広開口溝315aの開口幅よりも小さい開口幅で形成されヘッド機構部カセット側突出部222の円板部222bを挿通させることができず且つ突出軸222aを挿通可能な開口幅を有する幅狭開口溝315bと、を有する。
【0041】
このように構成されるインクリボンカセット30の正面板31の正面裏面板312に形成されるカセット側ガイド溝313は、インクリボンカセット30がプリンタ本体20に取り付けられた状態において、ヘッド機構部22のX1側に突出するヘッド機構部カセット側突出部222が、プリンタ本体20のプレート部23に設けられた本体側ガイド部231に沿ってガイドされて移動される際に、ヘッド機構部22のX2側に突出するヘッド機構部カセット側突出部222の移動をガイドする。
【0042】
ヘッド機構部22のヘッド機構部カセット側突出部222は、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が着脱位置P1(図5図8参照)に位置した場合に、カセット側ガイド溝313において、挿通可能開口部314に配置される。そのため、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が着脱位置P1(図5図8参照)に位置した場合には、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す際に、ヘッド機構部カセット側突出部222がカセット側ガイド溝313の挿通可能開口部314に係合せずに、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外すことが可能である。
【0043】
一方で、ヘッド機構部22のヘッド機構部カセット側突出部222は、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が印字可能位置P2(図5図9図12参照)に位置した場合に、カセット側ガイド溝313において、直線状係合ガイド溝315に配置される。そのため、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が印字可能位置P2(図5図9図12参照)に位置した場合には、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す際に、ヘッド機構部カセット側突出部222がカセット側ガイド溝313の直線状係合ガイド溝315に係合して、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外すことができない。
【0044】
図3及び図4に示すように、ヘッド機構部22は、第1ヘッド移動機構部24により、Y方向に移動される。ヘッド機構部22が第1ヘッド移動機構部24によりY方向に移動された場合に、保持板262側に突出するヘッド機構部本体側突出部223は、保持板262に保持されたプレート部23の本体側ガイド部231にガイドされて移動する。
【0045】
第1ヘッド移動機構部24(Y方向移動機構部)は、図3及び図4に示すように、ヘッド機構部22をY方向に移動させる。第1ヘッド移動機構部24は、ガイド機構241と、ヘッド直線移動駆動部242と、を有する。
【0046】
ガイド機構241は、ガイドレール241aを有する。ガイドレール241aは、ヘッド機構部22の上部をY方向に移動可能に支持し、ヘッド機構部22のY方向へ移動をガイドする。
【0047】
ヘッド直線移動駆動部242は、Y方向に離れて配置される一対の回転体243と、一対の回転体243に掛け渡される駆動ベルト244と、一対の回転体243の一方の回転体243を回転駆動する駆動モータ(図示せず)と、を有する。駆動ベルト244の下方側部分には、ヘッド機構部22の上部が接続されている。
【0048】
以上の第1ヘッド移動機構部24においては、駆動モータ(図示せず)が駆動されることで、一対の回転体243及び駆動ベルト244が回転されて、駆動ベルト244の下方側部分がY方向に移動する。これにより、駆動ベルト244の下方側部分に接続されたヘッド機構部22は、Y方向に移動する。
【0049】
このように、第1ヘッド移動機構部24は、ヘッド機構部22をY方向に移動させることで、ヘッド機構部22を本体側ガイド部231に沿って移動させる。第1ヘッド移動機構部24は、プリンタ本体20にインクリボンカセット30が取り付けられた状態において、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223を本体側ガイド部231に沿って移動させることで、ヘッド機構部22を、本体側ガイド部231において、プリンタ本体20に対してインクリボンカセット30を着脱可能な着脱位置P1(図5図8参照)と、印字可能な印字可能位置P2(図5図9図12参照)と、に移動させる。
【0050】
また、ヘッド機構部22は、第2ヘッド移動機構部25によりプレート部23が上下方向Zに移動されることで、上下方向Zに移動される。具体的には、ヘッド機構部22は、保持板262側に突出するヘッド機構部本体側突出部223がプレート部23の本体側ガイド部231に挿入されて配置されているため、第2ヘッド移動機構部25によりプレート部23が上下方向Zに移動された場合に、回転軸J1を中心に回転して、上下方向Zに移動する。
【0051】
第2ヘッド移動機構部25は、ヘッド機構部22を上下方向Zに移動させる。第2ヘッド移動機構部25は、本体側ガイド部231が形成された板状のプレート部23と、プレート部23をプラテンプレート4に近づく側又はプラテンプレート4から離れる側に移動させる回転カム部251(プレート移動部)と、を有する。回転カム部251には、回転駆動部(図示せず)が接続される。回転駆動部は、例えば、本実施形態においては、ソレノイドを用いた駆動部が使用されている。なお、回転駆動部は、ソレノイドを用いた駆動部に限定されず、例えば、モータやエアシリンダを用いた駆動部でもよい。
【0052】
以上の第2ヘッド移動機構部25においては、回転駆動部(図示せず)が駆動されることで、図5に示すように、回転カム部251が回転軸J2を中心に回転されて、プレート部23のカム溝234において、回転カム部251に固定された円板部材252が、プレート部23を押し上げ又は押し下げることで、プレート部23は、上下方向Zに移動する。ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223がプレート部23の本体側ガイド部231に挿入されているため、ヘッド機構部22は、プレート部23の上下方向Zの移動に連動して、上下方向Zに移動する。
【0053】
このように、第2ヘッド移動機構部25(上下方向移動機構部)は、ヘッド機構部22が本体側ガイド部231にガイドされて印字可能位置P2に位置する場合に、ヘッド機構部22を上下方向Zに移動させることで、ヘッド機構部22を、上下方向Zに移動させて、プラテンプレート4に近づく側又はプラテンプレート4から離れる側に移動させる。
【0054】
以上のように、第1ヘッド移動機構部24は、ヘッド機構部22を、本体側ガイド部231において、プリンタ本体20に対してインクリボンカセット30を着脱可能な着脱位置P1と、印字可能な印字可能位置P2と、に移動させる。また、第2ヘッド移動機構部25は、ヘッド機構部22が本体側ガイド部231にガイドされて印字可能位置P2に位置する場合に、ヘッド機構部22を上下方向Zに移動させる。
【0055】
ヘッド機構部22の着脱位置P1及び印字可能位置P2について更に説明する。
図5に示すように、ヘッド機構部22の着脱位置P1は、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を着脱する場合に、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が、プレート部23の本体側ガイド部231における傾斜して延びる着脱位置ガイド部233のY2側の端部233aに位置する位置である(図5図8参照)。ヘッド機構部22が着脱位置P1に位置される場合には、傾斜して延びる着脱位置ガイド部233に沿ってヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が移動されるため、図8に示すように、ヘッド機構部22は、インクリボンRの上方側に退避される。
【0056】
また、ヘッド機構部22の印字可能位置P2は、ヘッド機構部22のサーマルヘッド21により印字動作を実行する場合に、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が、プレート部23の本体側ガイド部231におけるY方向に直線状に延びる印字可能位置ガイド部232に位置する位置である(図5図9図12参照)。
【0057】
ヘッド機構部22が着脱位置P1に位置する場合には、図8に示すように、ヘッド機構部22のヘッド機構部カセット側突出部222がカセット側ガイド溝313の挿通可能開口部314に位置しており、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す際に、インクリボンカセット30の正面板31に形成されるカセット側ガイド溝313が、ヘッド機構部22のヘッド機構部カセット側突出部222に係合していない。そのため、インクリボンカセット30をプリンタ本体20に対して取り外すことができる。
【0058】
ヘッド機構部22が印字可能位置P2に位置する場合には、図9図12に示すように、ヘッド機構部22のヘッド機構部カセット側突出部222がカセット側ガイド溝313の直線状係合ガイド溝315に位置しており、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す際に、インクリボンカセット30の正面板31に形成されるカセット側ガイド溝313が、ヘッド機構部22のヘッド機構部カセット側突出部222に係合している。そのため、プリンタ本体20から、インクリボンカセット30を取り外すことができない。
【0059】
ヘッド機構部22が印字可能位置P2に位置する場合において、プレート部23が上方側に位置する場合には、プレート部23の印字可能位置ガイド部232がY方向に直線状に延びる範囲において、ヘッド機構部22は、印字待機位置P21(図5の上図、図9参照)と、印字終了退避位置P24(図5の上図、図12参照)と、に移動される。また、ヘッド機構部22が印字可能位置P2に位置する場合において、プレート部23が下方側に位置する場合には、プレート部23の印字可能位置ガイド部232がY方向に直線状に延びる範囲において、ヘッド機構部22は、印字開始位置P22(図5の下図、図10参照)と、印字終了位置P23(図5の下図、図11参照)と、に移動される。
【0060】
印字待機位置P21は、図9に示すように、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が、プレート部23の本体側ガイド部231におけるY方向に直線状に延びる印字可能位置ガイド部232のY2側の端部側に配置された位置であって、プレート部23が上方側に位置することで、ヘッド機構部22を上方側に位置させて、印字動作を待機する位置である。
【0061】
印字開始位置P22は、図10に示すように、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が、プレート部23の本体側ガイド部231におけるY方向に直線状に延びる印字可能位置ガイド部232のY2側の端部側に配置された位置であって、印字待機位置P21から、プレート部23を下方側に移動させることで、ヘッド機構部22を下方側に位置させて、印字動作を開始する位置である。
【0062】
印字終了位置P23は、図11に示すように、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が、プレート部23の本体側ガイド部231におけるY方向に直線状に延びる印字可能位置ガイド部232のY1側の端部側に配置された位置であって、印字開始位置P22から、ヘッド機構部22がY2側からY1側に移動されて、Y1側の端部側に達して、印字動作が終了する位置である。
【0063】
印字終了退避位置P24は、図12に示すように、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が、プレート部23の本体側ガイド部231におけるY方向に直線状に延びる印字可能位置ガイド部232のY1側の端部側に配置された位置であって、印字終了位置P23から、プレート部23を上方側に移動させることで、ヘッド機構部22を上方側に退避させた位置である。ヘッド機構部22は、印字終了退避位置P24に移動した後に、Y1側からY2側に移動されて、図9に示す印字待機位置P21に位置することで、次の印字動作に備えて待機する。
【0064】
図3及び図4に示すように、ヘッド機構部22に設けられるサーマルヘッド21は、ヘッド機構部22の下部に配置される。サーマルヘッド21は、ヘッド機構部22が移動されることで移動される。
【0065】
サーマルヘッド21は、プリンタ本体20にインクリボンカセット30が装着された状態において、印字動作が開始されると、上流側から下流側に向けて移動される長尺フィルムF(被印字物)に、印字パターン(不図示)を印字する。サーマルヘッド21は、図3に示すように、リボン搬送機構33のインクリボンR及び長尺フィルムFを挟んで、プラテンプレート4に対向して配置される。
【0066】
サーマルヘッド21は、先端21a側において下方側に突出するように配置される。サーマルヘッド21は、その先端21aに複数の発熱素子(不図示)を備える。複数の発熱素子は、長尺フィルムFの移動方向に直交するX方向に並んで配置される。
【0067】
プラテンプレート4は、図3に示すように、プリンタ本体20にインクリボンカセット30が装着された場合に、インクリボンR及び長尺フィルムFを挟んでサーマルヘッド21に対向して配置される。
【0068】
サーマルヘッド21は、第2ヘッド移動機構部25(上下方向移動機構部)により、上下方向Zに移動可能に構成され、プラテンプレート4に対して、プラテンプレート4から離間する待機位置又はプラテンプレート4を押圧する押圧位置に移動可能に構成される。
また、サーマルヘッド21は、第1ヘッド移動機構部24(Y方向移動機構部)により、長尺フィルムFが延びるY方向に移動可能に構成される。
【0069】
具体的には、サーマルヘッド21を、第2ヘッド移動機構部25(上下方向移動機構部)により、上下方向Zにおいて、印字待機位置P21(図9参照)から、印字開始位置P22(押圧位置)(図10参照)に向かうように移動させることで、インクリボンRを、長尺フィルムF及びプラテンプレート4側に押圧する。そして、第1ヘッド移動機構部24(Y方向移動機構部)によりサーマルヘッド21をY方向に移動させて、印字開始位置P22(図10参照)から印字終了位置P23(図11参照)までに移動させることで、プラテンプレート4の表面において、発熱した所望の発熱素子と接触したインクリボンRが長尺フィルムFに接触した状態で移動される。これにより、サーマルプリンタ1は、インクリボンRに塗布されたインクを長尺フィルムFに接着させて、印字パターン(不図示)を印字する。
【0070】
次に、サーマルプリンタ1において、プリンタ本体20から、インクリボンカセット30を取り外す場合と、プリンタ本体20にインクリボンカセット30を取り付けて印字動作を行う場合と、について説明する。
【0071】
プリンタ本体20にインクリボンカセット30を取り付けている状態から、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す場合には、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223を、第1ヘッド移動機構部24(Y方向移動機構部)により、図9に示す印字可能位置P2(印字待機位置P21)から、図8に示す着脱位置P1に移動させる。
【0072】
これにより、図8に示す着脱位置P1に位置した場合には、ヘッド機構部22のヘッド機構部カセット側突出部222がカセット側ガイド溝313の挿通可能開口部314に位置しており、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す際に、インクリボンカセット30の正面板31に形成されるカセット側ガイド溝313が、ヘッド機構部22のヘッド機構部カセット側突出部222に係合しない。
【0073】
そのため、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が、図8示す着脱位置P1に位置する場合には、インクリボンカセット30をプリンタ本体20に対して取り外すことができる。ここで、着脱位置ガイド部233が傾斜しており、ヘッド機構部22がインクリボンRから上方側に退避しているため、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を容易に取り外すことができる。
【0074】
一方、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外している状態から、インクリボンカセット30をプリンタ本体20に取り付けて印字動作を行う場合には、図8に示すように、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223を着脱位置P1に移動させた状態で、プリンタ本体20にインクリボンカセット30を取り付ける。
【0075】
続けて、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223を、第1ヘッド移動機構部24(Y方向移動機構部)により、図8に示す着脱位置P1から、図9に示す印字可能位置P2における印字待機位置P21に移動させる。
【0076】
ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が、図9図12に示す印字可能位置P2(印字待機位置P21、印字開始位置P22、印字終了位置P23、印字終了退避位置P24)に位置する場合には、ヘッド機構部22のヘッド機構部カセット側突出部222がカセット側ガイド溝313の直線状係合ガイド溝315に位置しており、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す際に、インクリボンカセット30の正面板31に形成されるカセット側ガイド溝313が、ヘッド機構部22のヘッド機構部カセット側突出部222に係合するため、プリンタ本体20から、インクリボンカセット30を取り外すことができない。
【0077】
そして、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223が、図9に示す印字待機位置P21に位置している状態において、印字信号が入力されることで、図10に示すように、長尺フィルムFを停止させた状態で、第2ヘッド移動機構部25により、プレート部23を下方側に移動させる。これにより、ヘッド機構部22のサーマルヘッド21を、上下方向Zにおいて、印字待機位置P21(図9参照)から、印字開始位置P22(押圧位置)(図10参照)に向かうように移動させることで、インクリボンRを、長尺フィルムF及びプラテンプレート4側に押圧する。
【0078】
続けて、第1ヘッド移動機構部24によりヘッド機構部22をY方向に移動させて、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223を、図10に示す印字開始位置P22から、図11に示す印字終了位置P23まで移動させる。これにより、ヘッド機構部22のサーマルヘッド21は、プラテンプレート4の表面において、発熱した所望の発熱素子と接触したインクリボンRが長尺フィルムFに接触した状態で移動される。これにより、サーマルプリンタ1は、インクリボンRに塗布されたインクを長尺フィルムFに接着させて、印字パターン(不図示)を印字する。
【0079】
その後、ヘッド機構部22を上方側に移動させて、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223を、図11に示す印字終了位置P23から、上方側に移動させて、図12に示す印字終了退避位置P24に移動させる。その後、第1ヘッド移動機構部24によりヘッド機構部22をY方向に移動させて、ヘッド機構部22のヘッド機構部本体側突出部223を、図12に示す印字終了退避位置P24から、図9に示す印字待機位置P21に移動させて、次の印字動作に備えて待機する。
【0080】
以上のサーマルプリンタ1において、プリンタ本体20にインクリボンカセット30が取り付けられた状態において、ヘッド機構部22が印字可能位置P2(印字待機位置P21、印字開始位置P22、印字終了位置P23、印字終了退避位置P24)(図9図12参照)に位置する場合には、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す際に、インクリボンカセット30の正面板31に形成されるカセット側ガイド溝313が、プリンタ本体20のヘッド機構部22のヘッド機構部カセット側突出部222に係合して、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外すことができない。一方で、ヘッド機構部22が着脱位置P1(図8参照)に位置する場合に、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す際には、インクリボンカセット30の正面板31に形成されるカセット側ガイド溝313が、プリンタ本体20のヘッド機構部22のヘッド機構部カセット側突出部222に係合しないため、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外すことが可能である。
【0081】
本実施形態のサーマルプリンタ1によれば、例えば、以下の効果が奏される。
【0082】
本実施形態のサーマルプリンタ1は、プリンタ本体20と、プリンタ本体20に着脱可能に取り付けられるインクリボンカセット30と、を備え、プリンタ本体20は、サーマルヘッド21を有するヘッド機構部22と、ヘッド機構部22の移動をガイドする本体側ガイド部231と、を有し、本体側ガイド部231は、ヘッド機構部22を、プリンタ本体20に対してインクリボンカセット30を着脱可能な着脱位置P1と、印字可能な印字可能位置P2と、に移動可能にガイドさせ、プリンタ本体20にインクリボンカセット30が取り付けられた状態において、インクリボンカセット30は、ヘッド機構部22が印字可能位置P2に位置した場合に、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す際に、プリンタ本体20に係合することで、プリンタ本体20から取り外すことができず、ヘッド機構部22が着脱位置P1に位置した場合に、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す際に、プリンタ本体20に係合せずに、プリンタ本体20から取り外すことが可能である。これにより、印字動作中には、インクリボンカセット30をプリンタ本体20から取り外すことができずに、ヘッド機構部22が着脱位置P1に位置した場合にのみ、インクリボンカセット30を取り外すことができる。よって、印字動作中にインクリボンカセット30をプリンタ本体20から容易に取り外すことができない。
【0083】
また、本実施形態においては、ヘッド機構部22が印字可能位置P2に位置する場合に、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外す際に、カセット側ガイド溝313がヘッド機構部カセット側突出部222に係合して、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外すことができず、ヘッド機構部22が着脱位置P1に位置する場合に、カセット側ガイド溝313がヘッド機構部カセット側突出部222に係合せずに、プリンタ本体20からインクリボンカセット30を取り外すことが可能である。これにより、簡易な構成で、印字動作中にインクリボンカセット30をプリンタ本体20から容易に取り外すことができない構成とすることができる。
【0084】
また、本実施形態においては、ヘッド機構部22は、本体側ガイド部231にガイドされて移動するヘッド機構部本体側突出部223を有し、本体側ガイド部231は、ヘッド機構部本体側突出部223を印字可能位置P2に位置するようにガイドする印字可能位置ガイド部232と、印字可能位置ガイド部232に連続して形成されヘッド機構部本体側突出部223を印字可能位置からインクリボンカセット30の着脱位置P1に導くようにガイドする着脱位置ガイド部233と、を有し、着脱位置ガイド部233は、プラテンプレート4から離れる側に傾斜して延びる。これにより、インクリボンカセット30の着脱位置P1に位置させる場合に、ヘッド機構部22をインクリボンRから退避させることできる。よって、プリンタ本体20に対して、インクリボンカセット30を容易に着脱することができる。
【0085】
また、本実施形態においては、プリンタ本体20は、ヘッド機構部22を本体側ガイド部231に沿って移動させる第1ヘッド移動機構部24を有し、第1ヘッド移動機構部24は、プリンタ本体20にインクリボンカセット30が取り付けられた状態において、ヘッド機構部22を本体側ガイド部231に沿って移動させることで、ヘッド機構部22を、本体側ガイド部231において、プリンタ本体20に対してインクリボンカセット30を着脱可能な着脱位置P1と、印字可能な印字可能位置P2と、に移動させる。これにより、ヘッド機構部22を、第1ヘッド移動機構部24により、本体側ガイド部231に沿って移動させることができる。よって、ヘッド機構部22を着脱位置P1に容易に移動させて、プリンタ本体20に対して、インクリボンカセット30を容易に着脱することができる。
【0086】
また、本実施形態においては、プリンタ本体20は、ヘッド機構部22が本体側ガイド部231にガイドされて印字可能位置P2に位置する場合に、ヘッド機構部22をプラテンプレート4に近づく側又はプラテンプレート4から離れる側に移動させる第2ヘッド移動機構部25を有する。これにより、第2ヘッド移動機構部25により、ヘッド機構部22をプラテンプレート4に近づく側又はプラテンプレート4から離れる側に容易に移動させることができる。
【0087】
また、本実施形態においては、第2ヘッド移動機構部25は、本体側ガイド部231が形成された板状のプレート部23と、プレート部23をプラテンプレート4に近づく側又はプラテンプレート4から離れる側に移動させる回転カム部251と、を有する。これにより、プレート部23を移動させるだけの簡易な構成で、ヘッド機構部22をプラテンプレート4に近づく側又はプラテンプレート4から離れる側に移動させることができる。
【0088】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
【0089】
例えば、前記実施形態においては、ヘッド機構部22を第1ヘッド移動機構部24により着脱位置に移動させる構成としたが、これに限定されず、ヘッド機構部22を手動により着脱位置に移動させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 サーマルプリンタ(プリンタ装置)
4 プラテンプレート(印字受け部)
20 プリンタ本体
21 サーマルヘッド(プリントヘッド)
22 ヘッド機構部
23 プレート部
24 第1ヘッド移動機構部
25 第2ヘッド移動機構部
30 インクリボンカセット
222 ヘッド機構部カセット側突出部
223 ヘッド機構部本体側突出部
231 本体側ガイド部
232 印字可能位置ガイド部
233 着脱位置ガイド部
251 回転カム部(プレート移動部)
313 カセット側ガイド溝(カセット側ガイド部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12