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特開2024-171197生体画像取得支援装置および生体画像取得支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171197
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】生体画像取得支援装置および生体画像取得支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/60 20220101AFI20241204BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241204BHJP
   G06V 40/12 20220101ALI20241204BHJP
   A61B 5/1172 20160101ALI20241204BHJP
   A61B 5/107 20060101ALN20241204BHJP
【FI】
G06V40/60
G06T7/00 510B
G06V40/12
A61B5/1172
A61B5/107 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088149
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 里紗
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀幸
【テーマコード(参考)】
4C038
5B043
【Fターム(参考)】
4C038FF01
4C038FG01
4C038VA07
4C038VB12
4C038VB13
4C038VC05
5B043AA09
5B043BA02
5B043BA03
5B043HA09
(57)【要約】
【課題】非接触状態において、生体認証により適した生体データの取得を支援する。
【解決手段】生体画像取得支援装置は、被写体の生体部位が撮像された撮像画像を取得する取得部と、取得された撮像画像に基づいて、基準角度に対する生体部位の傾きを算出する算出部と、生体部位の傾きが基準角度に対して所定範囲内であるか否かを判定し、生体部位の傾きが所定範囲内である撮像画像を取得する制御部と、を備え、制御部は、生体部位の傾きが所定範囲内でないと判定した場合、生体部位の傾きに関する情報と撮像画像とを含む姿勢誘導画面を生成して、モニタに出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の生体部位が撮像された撮像画像を取得する取得部と、
取得された前記撮像画像に基づいて、基準角度に対する前記生体部位の傾きを算出する算出部と、
前記生体部位の傾きが前記基準角度に対して所定範囲内でないと判定した場合、前記生体部位の傾きに関する情報と前記撮像画像とを含む姿勢誘導画面を生成して、モニタに出力する制御部と、を備える、
生体画像取得支援装置。
【請求項2】
前記生体部位の傾きに関する情報は、前記生体部位の傾き方向を示す情報を含む、
請求項1に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項3】
前記生体部位の傾きに関する情報は、前記生体部位の傾き方向および傾きの大きさを示す情報を含む、
請求項2に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項4】
前記生体部位の傾きに関する情報は、前記被写体に前記生体部位を傾けさせる方向を示す情報を含む、
請求項1に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項5】
前記生体部位の傾きに関する情報は、前記被写体に前記生体部位を傾けさせる方向および大きさを示す情報を含む、
請求項4に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項6】
前記算出部は、前記撮像画像が撮像されたカメラのイメージセンサの受光面に対する前記生体部位の傾きを算出する、
請求項1に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記被写体の他の撮像画像に写る生体部位の傾きに関する情報を取得し、
前記算出部は、前記他の撮像画像に写る前記生体部位の傾きを基準角度に設定し、前記基準角度に対する前記生体部位の傾きを算出する、
請求項1に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項8】
前記所定範囲は、前記基準角度に対して-5°以上、+5°以下である、
請求項1に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項9】
取得された前記撮像画像から前記被写体の生体部位の複数の関節点を検出可能な検出部と、をさらに備え、
前記算出部は、検出された複数の関節点の位置に基づいて、前記基準角度に対する前記生体部位の傾きを算出する、
請求項1に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項10】
前記生体部位の傾きは、第1方向と、前記第1方向と略直交する第2方向とに基づいて、算出され、
前記算出部は、前記複数の関節点のうち前記第1方向に沿ういずれか2点の関節点の位置と、前記複数の関節点のうち前記第2方向に沿ういずれか2点の関節点の位置とに基づいて、前記生体部位の傾きを算出する、
請求項9に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項11】
前記算出部は、前記生体部位がいずれか1本の指である場合、前記1本の指のいずれか2点以上の関節点の位置と、いずれか2本の指の指先の関節点の位置とに基づいて、前記生体部位の傾きを算出する、
請求項9に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項12】
前記算出部は、前記生体部位がいずれか1本の指である場合、前記1本の指のいずれか2点以上の関節点の位置と、いずれか2本の指の第2関節の位置とに基づいて、前記生体部位の傾きを算出する、
請求項9に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項13】
前記算出部は、前記生体部位が掌である場合、手首の関節点の位置と、人差し指、中指または薬指のいずれかの関節点の位置と、小指の付け根の関節点の位置と、人差し指の付け根または親指のいずれかの関節点の位置とに基づいて、前記生体部位の傾きを算出する、
請求項9に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項14】
前記算出部は、前記生体部位のうち指の複数の関節点のうち隣り合う2点の関節点間の距離を前記指ごとに算出し、
前記制御部は、算出された前記2点の関節点間の距離に基づいて、前記指が曲がっているか否かを判定し、前記指が曲がっていると判定した場合、前記指を開くように指示する指示情報と、前記生体部位の傾きに関する情報と、前記撮像画像とを含む前記姿勢誘導画面を生成して、前記モニタに出力する、
請求項1に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記生体部位の傾きが前記基準角度に対して前記所定範囲内であると判定した場合、前記生体部位の傾きが前記所定範囲内である旨を通知する通知画面を生成して、前記モニタに出力する、
請求項1に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記生体部位の傾きが前記所定範囲内である撮像画像を取得し、記憶媒体に出力して格納する、
請求項1に記載の生体画像取得支援装置。
【請求項17】
コンピュータが行う生体画像取得支援方法であって、
被写体の生体部位が撮像された撮像画像を取得し、
取得された前記撮像画像に基づいて、基準角度に対する前記生体部位の傾きを算出し、
前記生体部位の傾きが前記基準角度に対して所定範囲内でないと判定した場合、前記生体部位の傾きに関する情報と前記撮像画像とを含む姿勢誘導画面を生成して、モニタに出力する、
生体画像取得支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体画像取得支援装置および生体画像取得支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モバイルデバイスを用いて、対象者の複数の指のそれぞれの特徴を抽出し、抽出された特徴を含むバイオメトリック識別子を生成してメモリに記憶する指紋認識を実施するための方法が開示されている。指紋認識を実施するための方法は、カメラ、記憶媒体、記憶媒体に記憶された命令、および命令の実行するモバイルデバイスによって、対象者の複数の指の画像をキャプチャし、指先検出アルゴリズムにより画像に描かれている複数の指を検出して、複数の指のそれぞれの指先セグメントを識別し、識別されたそれぞれの指先セグメントから複数の指の特徴を抽出し、抽出された特徴を含むバイオメトリック識別子を生成してメモリに記憶する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2020-501264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、ディスプレイ上に、ユーザに指の配置を指示するマーキングあるいはガイドを表示して、撮像されるユーザの指の配置を誘導する。しかし、例えば、性別,年齢等、ユーザのごとに指の大きさが異なるため、従来文献1の方法でキャプチャされた複数の指の画像は、指紋にピントが合っていない可能性があった。
【0005】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、非接触状態において、生体認証により適した生体データの取得を支援する生体画像取得支援装置および生体画像取得支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、被写体の生体部位が撮像された撮像画像を取得する取得部と、取得された前記撮像画像に基づいて、基準角度に対する前記生体部位の傾きを算出する算出部と、前記生体部位の傾きが前記基準角度に対して所定範囲内でないと判定した場合、前記生体部位の傾きに関する情報と前記撮像画像とを含む姿勢誘導画面を生成して、モニタに出力する制御部と、を備える、生体画像取得支援装置を提供する。
【0007】
また、本開示は、コンピュータが行う生体画像取得支援方法であって、被写体の生体部位が撮像された撮像画像を取得し、取得された前記撮像画像に基づいて、基準角度に対する前記生体部位の傾きを算出し、前記生体部位の傾きが前記基準角度に対して所定範囲内でないと判定した場合、前記生体部位の傾きに関する情報と前記撮像画像とを含む姿勢誘導画面を生成して、モニタに出力する、生体画像取得支援方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、非接触状態において、生体認証により適した生体データの取得を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る端末装置の内部構成例を示すブロック図
図2】実施の形態1に係る端末装置の動作手順例を示すフローチャート
図3】実施の形態1に係る端末装置の動作手順例を説明する図
図4】第1の表示例における第1フィードバック表示画面例を説明する図
図5】第1の表示例における第2フィードバック表示画面例を説明する図
図6】第2の表示例における第1フィードバック表示画面例および第2フィードバック表示画面例を説明する図
図7】第3の表示例における第1フィードバック表示画面例および第2フィードバック表示画面例を説明する図
図8】第4の表示例における第1フィードバック表示画面例および第2フィードバック表示画面例を説明する図
図9】第5,第6の表示例における第1フィードバック表示画面例および第2フィードバック表示画面例を説明する図
図10】第7,第8の表示例における第1フィードバック表示画面例および第2フィードバック表示画面例を説明する図
図11】実施の形態1の変形例に係る生体認証システムの内部構成例を示すブロック図
図12】実施の形態1の変形例に係る生体認証システムの動作手順例を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に至る経緯)
従来、指紋登録をユーザが所有する端末装置で行う指紋登録方法がある。しかし、ユーザ自身で指紋を撮像する場合、端末装置に対する手のかざし方、つまり、端末装置に対してかざされた手の姿勢は、撮像タイミングごとに変化する。よって、認証時に撮像された撮像画像に写る指紋の写り方、は、登録時の指紋の写り方と異なり、指紋を用いた生体認証精度が低下する可能性があった。
【0011】
そこで、従来、撮像された撮像画像に写る指先を拡大した拡大画像を端末装置の画面に表示することで、指先の指紋にピントが合っているか否かを確認可能な指紋画像の取得方法が考えられる。しかし、ユーザは、端末装置の画面に表示された拡大画像に基づいて、現在の手のかざし方が生体認証に適したかざし方であるか否かを判断したり、拡大画像を見ながら手のかざし方を調整したりすることは困難だった。
【0012】
よって、以下に示す各実施の形態においては、非接触状態において、生体認証により適した生体データの取得を支援できる生体画像取得支援装置および生体画像取得支援方法の例を説明する。
【0013】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る生体画像取得支援装置および生体画像取得支援方法の構成および作用を具体的に開示した各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0014】
(実施の形態1)
図1を参照して、実施の形態1に係る端末装置P1の内部構成例について説明する。図1は、実施の形態1に係る端末装置P1の内部構成例を示すブロック図である。
【0015】
生体画像取得支援装置の一例としての端末装置P1は、ユーザの手全体あるいは生体認証に用いられる部位(以降、「生体部位」と表記)を撮像し、撮像された撮像画像に写るユーザの生体部位の関節点を検出する。端末装置P1は、検出されたユーザの生体部位の関節点に基づいて、撮像画像に写るユーザの生体部位の姿勢(つまり、カメラ13のイメージセンサ(不図示)の受光面に対するユーザの生体部位の傾き)として、生体部位のピッチ角およびロール角をそれぞれ算出する。端末装置P1は、算出された生体部位のピッチ角およびロール角のそれぞれに基づいて、生体認証に適した生体データを取得可能な姿勢(傾き)に調整するための第2フィードバック表示画面(図5図10参照)を生成して出力する。
【0016】
なお、以降の説明では、指紋を用いた生体認証に用いられる生体データを取得する例について説明するが、これに限定されない。例えば、生体認証は、静脈あるいは掌紋等を用いた認証であってもよい。端末装置P1は、静脈を用いた生体認証の場合には生体部位として指先以外の少なくとも1つの関節を含む領域を撮像し、掌紋を用いた生体認証の場合には生体部位として掌を撮像し、生体部位の姿勢(傾き)を検出する。
【0017】
端末装置P1は、通信部10と、プロセッサ11と、メモリ12と、カメラ13と、モニタ14とを含む。なお、図1に示す端末装置P1は、指紋データベースDB1と別体で構成される例を示すが、これに限定されない。例えば、端末装置P1は、指紋データベースDB1と一体的に構成されてもよい。
【0018】
取得部の一例としての通信部10は、データの送受信を行うための通信インターフェース回路を用いて構成される。通信部10は、指紋データベースDB1との間で無線通信または有線通信可能に接続され、データの送受信を実行する。
【0019】
算出部、制御部、および検出部の一例としてのプロセッサ11は、例えばCentral Processing Unit(以降、「CPU」と称する)、Graphics Processing Unit(以降、「GPU」と称する)またはField Programmable Gate Array(以降、「FPGA」と称する)を用いて構成されて、メモリ12と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ11は、メモリ12に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、生体認証に適した生体データを取得するために実行される各種機能(例えば、生体部位の傾きを検出する機能、ユーザに生体部位の傾きを調整させるための支援機能等)を実現する。
【0020】
プロセッサ11は、生体認証に適していると判定された撮像画像(以降、「生体画像」と表記)または生体データと、ユーザ情報(例えば、ユーザの氏名、性別あるいは生年月日等)とを対応付けて、指紋データベースDB1に格納(登録)する。
【0021】
なお、ここでいう生体データは、生体画像から抽出された生体部位のパターン(例えば、指紋パターン、静脈パターンあるいは掌紋パターン等)、あるいは、生体画像から抽出されたユーザの個人性を示す特徴量等である。
【0022】
メモリ12は、例えばプロセッサ11の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRandom Access Memory(以降、「RAM」と称する)と、プロセッサ11の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するRead Only Memory(以降、「ROM」と称する)とを有する。RAMには、プロセッサ11により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、プロセッサ11の動作を規定するプログラムが書き込まれている。
【0023】
カメラ13は、少なくともレンズ(不図示)とイメージセンサ(不図示)とを有して構成される。イメージセンサは、例えばCharged-Coupled Device(以降、「CCD」と称する)またはComplementary Metal Oxide Semiconductor(以降、「CMOS」と称する)の固体撮像素子であり、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。
【0024】
モニタ14は、例えばLiquid Crystal Display(以降、「LCD」と称する)もしくは有機Electroluminescence(以降、「EL」と称する)を用いて構成される。モニタ14は、カメラ13によって撮像された撮像画像、あるいはプロセッサ11によって生成された各種画面(図4図10のそれぞれに示す第1~第8の表示例における第1フィードバック表示画面あるいは第2フィードバック表示画面等)を出力して、表示する。
【0025】
指紋データベースDB1は、所謂ストレージであって、例えばフラッシュメモリ、Hard Disk Drive(以降、「HDD」と称する)あるいはSolid State Drive(以降、「SSD」と称する)等の記憶媒体を用いて構成される。指紋データベースDB1は、プロセッサ11により生成された生体画像と、ユーザ情報とを対応付けて格納(登録)する。なお、指紋データベースDB1は、生体画像から抽出された生体データと、ユーザ情報とを対応付けて格納(登録)してもよい。さらに、指紋データベースDB1は、複数の生体画像のそれぞれを格納(登録)する場合、複数の生体画像のそれぞれと、生体画像のそれぞれに対応する生体部位の情報(例えば、中指および人差し指の指に関する情報)と、ユーザ情報とを対応付けて格納(登録)してもよい。
【0026】
次に、図2を参照して、端末装置P1の動作手順例について説明する。図2は、実施の形態1に係る端末装置P1の動作手順例を示すフローチャートである。なお、図2に示す端末装置P1の動作手順例において、ステップSt16およびステップSt19のそれぞれは、必須でなく省略されてよい。
【0027】
プロセッサ11は、カメラ13によって撮像され、ユーザの手全体あるいは生体部位が撮像された撮像画像Img(図3参照)を取得する(St11)。
【0028】
プロセッサ11は、取得された撮像画像Imgに基づいて、各関節点JNT(図3参照)の3次元座標をそれぞれ検出する(St12)。プロセッサ11は、算出された各関節点JNTのそれぞれに基づいて、ユーザの手指の骨格SL(図3参照)を推定する。なお、ここで検出される関節点は、少なくとも生体部位に対応する生体部位のみであってもよいし、手全体であってもよい。各生体認証(指紋認証、静脈認証あるいは掌紋認証等)で検出対象となる骨格部位については、後述する。
【0029】
プロセッサ11は、算出された各関節点JNTの3次元座標に基づいて、撮像画像Imgに写るユーザの手指(生体部位)のピッチ角θpおよびロール角θr(図3参照)をそれぞれ算出する(St13)。プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrに基づいて、ピッチ角θpと基準角度(例えば、0(ゼロ)°等)との間の角度差と、ロール角θrと基準角度との間の角度差とをそれぞれ算出する(St14)。
【0030】
プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれと、基準角度との間の角度差が、ともに所定範囲(例えば、-5°~+5°等)内であるか否かを判定する(St15)。つまり、プロセッサ11は、基準角度であるカメラ13のイメージセンサ(不図示)の受光面に対して、ピッチ角θpおよびロール角θrとして算出される生体部位の傾きが所定範囲内であるか否かを判定する。なお、ピッチ角θpは、ピッチ軸PLp(第1方向の一例,図3参照)を中心とする角度である。ロール角θrは、ロール軸PLr(第2方向の一例,図3参照)を中心とする角度である。ピッチ軸PLpおよびロール軸PLrのそれぞれは、撮像画像Imgに写るユーザの生体部位(手指)に対する基準角度、つまり、カメラ13のイメージセンサ(不図示)の受光面と並行な水平面を規定可能な2軸である。
【0031】
なお、ここでいう所定範囲は、生体認証に用いられる生体データとして利用可能な生体部位の傾きを示すピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差の範囲である。所定範囲は、生体認証に用いられる生体部位ごとにそれぞれ異なる範囲(値)が設定されてよい。
【0032】
プロセッサ11は、ステップSt15の処理において、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれと基準角度との間の角度差が、ともに所定範囲内であると判定した場合(St15,YES)、各指に対応する関節点のうち隣り合う2つの関節点間の距離を算出する。例えば、プロセッサ11は、中指の場合には関節点「9」~関節点「12」のそれぞれのうち例えば、関節点「12」と関節点「11」との間の距離、関節点「11」と関節点「10」との間の距離、関節点「10」と関節点「9」との間の距離をそれぞれ算出する。プロセッサ11は、算出された2つの関節点間の距離がすべて所定値(所定距離)以上であるか否かをさらに判定する(St16)。なお、プロセッサ11は、ステップSt16の処理において、距離の比率がすべて所定値以上であるか否かを判定してもよい。
【0033】
なお、ここでいう所定値は、指が曲がっているか否かを判定するための値であって、関節点間の最小距離、または、各関節点間の距離に対する比率を示す。所定値は、例えば中指あるいは人差し指等の指ごと、かつ、例えば第1関節あるいは第2関節等の関節ごとに同一または異なる値が設定される。
【0034】
具体的に、所定値は、例えば中指の指先の関節点「12」と関節点「11」と間の最小距離、中指の関節点「11」と関節点「10」との間の最小距離、人差し指の指先の関節点「8」と関節点「7」と間の最小距離、人差し指の関節点「16」と関節点「15」との間の最小距離等のように、指ごとに設定され、隣り合う2つの関節点間の最小距離であってもよい。また、所定値は、例えば中指の第1関節(関節点「12」と関節点「11」との間の距離)と、中指の第2関節(関節点「11」と関節点「10」との間の距離)との長さの比率等のように、指ごとに設定され、隣り合う2つの関節点間の距離(つまり、関節の長さ)の比率であってもよい。
【0035】
一方、プロセッサ11は、ステップSt15の処理において、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれと基準角度との間の角度差が、ともに所定範囲内でないと判定した場合(St15,NO)、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれが示す生体部位の傾きに基づいて、現在の生体部位の傾きを可視化し、ユーザによる生体部位の傾きの調整を支援する第2フィードバック表示画面Sc12,Sc13,Sc14,Sc15,Sc21,Sc31,Sc41,Sc42,Sc51,Sc61,Sc71,Sc81(姿勢誘導画面の一例,図5図10参照)を生成する。プロセッサ11は、生成された第2フィードバック表示画面Sc12,Sc13,Sc14,Sc15,Sc21,Sc31,Sc41,Sc42,Sc51,Sc61,Sc71,Sc81をモニタ14に出力して表示させる(St17)。
【0036】
また、プロセッサ11は、ステップSt16の処理において、算出された2つの関節点間の距離がすべて所定値以上であると判定した場合(St16,YES)、ユーザの指が曲がっていない(つまり、握りこまれた状態でない)と判定し、ユーザに現在の生体部位の傾きが生体認証に適した傾きである旨を通知する第1フィードバック表示画面Sc11,Sc22,Sc32,Sc43,Sc52,Sc62,Sc72,Sc82(通知画面の一例,図4図6図10参照)を生成する。プロセッサ11は、生成された第1フィードバック表示画面Sc11,Sc22,Sc32,Sc43,Sc52,Sc62,Sc72をモニタ14に出力して表示させる(St18)。なお、プロセッサ11は、第1フィードバック表示画面の代わりとして、ユーザに現在の生体部位の傾きが生体認証に適した傾きである旨を通知する音声信号を生成し、スピーカ(不図示)から出力してもよい。
【0037】
プロセッサ11は、ユーザの生体部位の傾きを示すピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれが所定範囲内である状態が3秒以上継続したか否かを判定する(St20)。
【0038】
一方、プロセッサ11は、ステップSt16の処理において、算出された2つの関節点間の距離がすべて所定値以上でないと判定した場合(St16,NO)、ユーザの指が曲がっている(つまり、握りこまれている状態である)と判定し、ユーザに手指を広げるように指示する制御指令あるいはメッセージ(例えば、「手,指を広げてください」等)を含む第2フィードバック表示画面を生成して、モニタ14に出力する(St19)。
【0039】
プロセッサ11は、ステップSt20の処理において、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれと基準角度との間の角度差が所定範囲内である状態が3秒以上継続したと判定した場合(St20,YES)、カメラ13により撮像された撮像画像Imgを、生体認証に用いられるユーザの生体画像として取得する(St21)。
【0040】
なお、継続時間「3秒」は、一例であって、これに限定されない。プロセッサ11は、ユーザに現在の生体部位の傾きが生体認証に適した傾きである旨を通知する間、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれが所定範囲内である、つまり、生体部位の傾きが維持されたままであるか否かを判定可能な時間であればよい。
【0041】
一方、プロセッサ11は、ステップSt20の処理において、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内である状態が3秒以上継続しないと判定した場合(St20,NO)、ステップSt11の処理に戻る。
【0042】
以上により、実施の形態1に係る端末装置P1は、ステップSt15の処理により、撮像画像に写るユーザの生体部位の傾き(角度差)が、生体認証に適した生体画像を取得可能であるか否かを判定できる。端末装置P1は、生体部位の傾き(角度差)が所定範囲以上であって、生体認証に適した生体画像を取得可能でないと判定した場合、算出された生体部位の傾きに関する情報と、生体部位が撮像された撮像画像Imgとを対応付けた第2フィードバック表示画面を生成することで、ユーザに生体部位の傾きを通知できるとともに、生体認証に適した生体画像を取得するための支援を実行できる。したがって、端末装置P1は、撮像画像に写る生体部位の写り方のばらつきを抑制し、生体認証により適した生体画像の取得をより効果的に支援できる。
【0043】
また、実施の形態1に係る端末装置P1は、ステップSt16の処理により、各指が握り込まれて曲がっているか否かを判定できる。これにより、端末装置P1は、指の曲がりを解消させることができ、指紋あるいは静脈を用いる生体認証により適した生体画像の取得をより効果的に支援できる。
【0044】
次に、図3を参照して、ピッチ角θpおよびロール角θrの算出方法について説明する。図3は、実施の形態1に係る端末装置P1の動作手順例を説明する図である。なお、図3では、図を見やすくするためにすべての関節点への符号の付与を省略している。
【0045】
プロセッサ11は、ユーザの手H全体が撮像された撮像画像Imgからユーザの手Hの複数の関節点JNT(21箇所の関節点「0」~関節点「20」のそれぞれ)の3次元座標を算出する。
【0046】
プロセッサ11は、算出された各関節点JNTの3次元座標に基づいて、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれを算出する。なお、図3に示すピッチ軸PLpは、ピッチ角θp=0(ゼロ)°であって、ピッチ角の基準角度を示す。ロール軸PLrは、ロール角θr=0(ゼロ)°であって、ロール角の基準角度を示す。
【0047】
例えば、プロセッサ11は、生体部位の一例として指紋認証に適した指先の撮像画像を撮像する場合、中指の付け根の関節点「9」~中指の指先の関節点「12」のそれぞれの3次元座標に基づいて、ユーザの手Hのピッチ角θpを算出する。また、例えば、指紋認証に適した撮像画像を撮像する場合、人差し指の指先の関節点「8」、および、薬指の指先の関節点「16」のそれぞれの3次元座標に基づいて、ユーザの手Hのロール角θrを算出する。
【0048】
ここで、ピッチ角θpおよびロール角θrの他の算出例について説明する。なお、以下で説明する各生体部位に対応するピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの算出方法は一例であって、これに限定されない。
【0049】
生体部位の一例として指紋認証に適した指の撮像画像を撮像する場合、例えば、プロセッサ11は、指紋の取得対象である指の指先の関節点の3次元座標と、この指の指先以外のいずれか1つの関節点の3次元座標とに基づいて、指紋の取得対象である指のピッチ角θpを算出する。具体的に、プロセッサ11は、例えば指紋の取得対象である指が中指である場合、中指の指先の関節点「12」の3次元座標と、中指の指先以外の関節点「9」~関節点「11」のうちいずれか1つの関節点の3次元座標とに基づいて、指紋の取得対象である指のピッチ角θpを算出する。
【0050】
また、例えば、プロセッサ11は、人差し指の指先の関節点「8」の3次元座標と、薬指の関節点「16」または小指の指先の関節点「20」の3次元座標とに基づいて、指紋の取得対象である指のロール角θrを算出する。
【0051】
また、生体部位の一例として静脈認証に適した指の撮像画像を撮像する場合、例えば、プロセッサ11は、静脈の取得対象である指の先端付近の関節点の3次元座標と、この指の付け根付近の関節点の3次元座標とに基づいて、静脈の取得対象である指のピッチ角θpを算出する。具体的に、プロセッサ11は、例えば静脈の取得対象である指が中指である場合、中指の先端付近の関節点「11」または関節点「12」の3次元座標と、中指の付け根付近の関節点「9」または関節点「10」の3次元座標とに基づいて、静脈の取得対象である中指のピッチ角θpを算出する。
【0052】
また、例えば、プロセッサ11は、人差し指の指先の第2の関節点「6」の3次元座標と、薬指の第2関節の関節点「14」の3次元座標とに基づいて、静脈の取得対象である指のロール角θrを算出する。
【0053】
また、生体部位の一例として掌紋認証に適した掌の撮像画像を撮像する場合、例えば、プロセッサ11は、手首の関節点「0」の3次元座標と、中指の関節点「9」~関節点「12」のうちいずれか1つの関節点の3次元座標とに基づいて、掌紋の取得対象である指のピッチ角θpを算出する。なお、プロセッサ11は、手首の関節点「0」の3次元座標と、薬指の関節点「13」~関節点「16」のうちいずれか1つの関節点の3次元座標とに基づいて、ピッチ角θpを算出してもよいし、人差し指の関節点「5」~関節点「8」のうちいずれか2つの関節点の3次元座標に基づいて、ピッチ角θpを算出してもよい。
【0054】
また、プロセッサ11は、小指の付け根の関節点「17」の3次元座標と、人差し指の付け根の関節点「5」の3次元座標とに基づいて、ロール角θrを算出する。なお、プロセッサ11は、小指の付け根の関節点「17」の3次元座標と、親指の関節点「1」~関節点「4」のうちいずれか1つの関節点の3次元座標とに基づいて、ロール角θrを算出してもよい。
【0055】
以上のように、端末装置P1は、生体認証で使用される生体部位に対応する関節点の3次元座標に基づいて、ユーザの生体部位の傾きを示すピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれを算出できる。これにより、端末装置P1は、生体部位の写り方のばらつきをより効果的に抑制し、生体認証により適した生体画像を取得できる。したがって、端末装置P1は、より高精度な生体認証を実現可能にする。
【0056】
<第1の表示例>
次に、図4および図5のそれぞれを参照して、第1の表示例について説明する。図4は、第1の表示例における第1フィードバック表示画面Sc11例を説明する図である。図5は、第2フィードバック表示画面Sc12~Sc15例を説明する図である。
【0057】
図4および図5のそれぞれに示す第1フィードバック表示画面例1および第2フィードバック表示画面例1は、円形水準器CLの描写によりユーザに現在の手指の傾きを可視化する例を示す。第1フィードバック表示画面Sc11および第2フィードバック表示画面Sc12~Sc15のそれぞれは、基準角度を示す水準器HL上に、水準器HLよりも小さく、ユーザの現在の手指の傾きを示す気泡ABを重畳した円形水準器CLを生成することで、ユーザに現在の手指の傾きを可視化する。
【0058】
なお、図4および図5のそれぞれでは、所定範囲=-5°~+5°である例について説明する。また、図5に示す第2フィードバック表示画面Sc12~Sc15のそれぞれは、水準器HLと気泡ABとの位置関係を見やすくするために、ピッチ基準線、ロール基準線、ピッチ軸およびロール軸のそれぞれへの符号の付与を省略している。なお、本開示では、ピッチ角θpおよびロール角θrは、図3に示すそれぞれの矢印先端の方向を+(正符号)、矢印先端の方向と逆方向を-(負符号)として定義する。
【0059】
プロセッサ11は、検出された関節点JNTと、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれに基づく円形水準器CLとが重畳された撮像画像Img11と、ユーザに現在の手指の傾きの維持を要求する旨のメッセージMsg1「手を止めてください」とを含む第1フィードバック表示画面Sc11を生成する。
【0060】
具体的に、プロセッサ11は、ピッチ軸PLpに対応するピッチ基準線LN11Aと、ロール軸PLrに対応するロール基準線LN12Aとの交点を中心点とする水準器HLを生成する。また、プロセッサ11は、ピッチ軸PLpに対応するピッチ軸LN11Bと、ロール軸PLrに対応するロール軸LN12Bとの交点を中心点とし、ユーザの手指の傾きを示す気泡ABを生成する。
【0061】
プロセッサ11は、基準角度に対するピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれに基づいて、水準器HL上に重畳される気泡ABの重畳位置を算出する。プロセッサ11は、算出された重畳位置に基づいて、水準器HL上に気泡ABを重畳し、円形水準器CLを生成する。プロセッサ11は、検出された関節点JNT(各関節点)と、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれに基づく円形水準器CLとを撮像画像Img1上に重畳する。
【0062】
なお、図4に示すメッセージMsg1は、ユーザに現在の手指の傾きの維持を要求する旨のメッセージ例を示すが、ユーザに現在の手指の傾きが生体認証に適した傾きであることを通知するメッセージであってもよい。また、メッセージMsg1は、第1フィードバック表示画面Sc11に含まれない代わりに音声出力されてもよい。
【0063】
これにより、第1の表示例における端末装置P1は、ユーザにユーザの手指の傾きが生体認証に適した傾きであって、調整不要である旨を通知できる。また、ユーザは、第1フィードバック表示画面Sc11に含まれるメッセージMsg1、または、水準器HLのピッチ基準線LN11Aおよびロール基準線LN12Aと、気泡ABのピッチ軸LN11Bおよびロール軸LN12Bとが略一致していることにより、現在の手指の傾きを維持すべきであることを直感的に把握できる。
【0064】
プロセッサ11は、撮像された撮像画像Img12,Img13,Img14,Img15に、検出された関節点JNT(各関節点)と、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれに基づく円形水準器CLとを重畳し、第2フィードバック表示画面Sc12~Sc15のそれぞれを生成する。
【0065】
図5に示す第2フィードバック表示画面Sc12は、算出されたピッチ角θpが+5°より大きく、ロール角θrが-5°未満である場合の水準器HLおよび気泡ABのそれぞれ位置を示す。第2フィードバック表示画面Sc13は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrがともに+5°より大きい場合の水準器HLおよび気泡ABのそれぞれ位置を示す。第2フィードバック表示画面Sc14は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrがともに-5°未満である場合の水準器HLおよび気泡ABのそれぞれ位置を示す。第2フィードバック表示画面Sc15は、算出されたピッチ角θpが-5°未満であって、ロール角θrが+5°より大きい場合の水準器HLおよび気泡ABのそれぞれ位置を示す。
【0066】
また、図5では図示を省略しているが、ユーザの手指の傾きが所定範囲内でないと判定した場合、プロセッサ11は、ユーザに手指の傾きの調整を要求する旨のメッセージ「気泡が円の中心にくるよう手を傾けてください」を含む第2フィードバック表示画面Sc12~Sc15を生成してよい。
【0067】
これにより、第1の表示例における端末装置P1は、円形水準器CLをユーザの手指の上に重畳した第2フィードバック表示画面Sc12~Sc15を生成して出力することで、ユーザの手指の傾きの調整を支援できる。ユーザは、第2フィードバック表示画面Sc12~Sc15に基づいて、水準器HLの中心点に対する気泡ABの中心点の位置、水準器HLのピッチ基準線あるいはロール基準線に対する気泡ABのピッチ軸あるいはロール軸の位置がそれぞれ一致するように手指の傾きを直感的に調整できる。
【0068】
なお、第1フィードバック表示画面Sc11および第2フィードバック表示画面Sc12~Sc15において、骨格SLおよび関節点JNT(各関節点)の重畳処理は、必須でなく、省略されてもよい。
【0069】
<第2の表示例>
次に、図6を参照して、第2の表示例について説明する。図6は、第2の表示例における第1フィードバック表示画面Sc22例および第2フィードバック表示画面Sc21例を説明する図である。
【0070】
また、図6では図示を省略しているが、プロセッサ11は、ユーザの手指の傾きが所定範囲内であるか否かの判定結果に基づいて、ユーザに手指の傾きの調整を要求する旨のメッセージを含む第2フィードバック表示画面Sc21を生成したり、ユーザに現在の手指の傾きの維持を要求する旨のメッセージを含む第1フィードバック表示画面Sc22を生成したりしてよい。
【0071】
第2の表示例は、ピッチ軸PLpとロール軸PLrとの交点を中心点とする球HS21,HS22を、ユーザの手指が撮像された撮像画像Img21,Img22上に重畳する。第2の表示例における第2フィードバック表示画面Sc21は、基準角度とピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの角度差に基づいて、球HS21のそれぞれを回転し、回転後の球HS21を撮像画像Img21上に重畳することで、ユーザの手指の傾きを可視化する。
【0072】
プロセッサ11は、撮像画像Img21,Img22からユーザの手指の関節点JNTを検出し、検出された関節点JNTに基づいて、生体部位に対応するピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれを算出する。
【0073】
プロセッサ11は、ピッチ軸PLpとロール軸PLrとの交点を中心点とする球HS21,HS22を生成し、ピッチ軸PLpを球HS21,HS22の表面に投影した曲線であって、ピッチ軸PLpと球との2点の交点を通る曲線LN21A,LN22Aと、球面に沿う曲線であって、ロール軸PLrと球との2点の交点を通る曲線LN21B,LN22Bとを生成する。プロセッサ11は、基準角度と、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの間の角度差を算出し、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であるか否かを判定する。
【0074】
プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内でないと判定した場合、算出された角度差に基づいて、球HS21を回転させる。プロセッサ11は、回転後の球HS21と、回転後の球HS21に対応する曲線LN21A,LN21Bのそれぞれと、骨格SLおよび関節点JNTのそれぞれとを撮像画像Img21に重畳し、第2フィードバック表示画面Sc21を生成する。プロセッサ11は、生成された第2フィードバック表示画面Sc21をモニタ14に出力して、表示させる。
【0075】
これにより、端末装置P1は、2本の曲線LN21A,LN21Bのそれぞれにより、基準角度に対するピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差、つまり、ユーザの手指の傾きの調整方向を可視化した第2フィードバック表示画面Sc21により、生体認証に適した生体画像の取得を支援できる。また、ユーザは、第2フィードバック表示画面Sc21の2本の曲線LN21A,LN21Bのそれぞれによりユーザの手指の傾きを直観的に把握できるとともに、どの方向に手指を傾ければよいかを直観的に把握できる。
【0076】
一方、プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であると判定した場合、球HS22の回転を省略する。プロセッサ11は、球HS22と、ピッチ軸PLpに沿う曲線LN22Aと、ロール軸PLrに沿う曲線LN22Bのそれぞれと、骨格SLおよび関節点JNTのそれぞれとを撮像画像Img22に重畳し、第1フィードバック表示画面Sc22を生成する。プロセッサ11は、生成された第1フィードバック表示画面Sc22をモニタ14に出力して、表示させる。
【0077】
なお、第1フィードバック表示画面Sc22は、所謂正面視における球HS22を示す。よって、第1フィードバック表示画面Sc22に表示された曲線LN22A,LN22Bのそれぞれは、球HS22の中心点で略十字に直交する直線のように表示される。
【0078】
これにより、端末装置P1は、2本の曲線LN22A,LN22Bのそれぞれが略直交して表示することで、現在のユーザの手指の傾きが生体認証に適していることをユーザに通知できる。また、ユーザは、第1フィードバック表示画面Sc22の2本の曲線LN22A,LN22Bのそれぞれにより、現在のユーザの手指の傾きを維持すればよいことを直観的に把握できる。したがって、端末装置P1は、生体認証により適した生体画像の取得を支援できる。
【0079】
なお、第2の表示例における第1フィードバック表示画面Sc22は、ユーザの現在の手指の傾きが生体認証に適した傾きであって、調整不要である旨を通知するメッセージを含んでいてもよい。また、プロセッサ11は、第1フィードバック表示画面Sc22で表示される球HS22の線種、線の太さあるいは線の色と、第2フィードバック表示画面Sc21で表示される球HS21の線種、線の太さあるいは線の色とを変更してもよい。
【0080】
<第3の表示例>
次に、図7を参照して、第3の表示例について説明する。図7は、第3の表示例における第1フィードバック表示画面Sc32例および第2フィードバック表示画面Sc31例を説明する図である。
【0081】
また、図7では図示を省略しているが、プロセッサ11は、ユーザの手指の傾きが所定範囲内であるか否かの判定結果に基づいて、ユーザに手指の傾きの調整を要求する旨のメッセージを含む第2フィードバック表示画面Sc31を生成したり、ユーザに現在の手指の傾きの維持を要求する旨のメッセージを含む第1フィードバック表示画面Sc32を生成したりしてよい。
【0082】
第3の表示例は、ピッチ軸PLpとロール軸PLrとの交点を中心点とする球HS31,HS32を、ユーザの手指が撮像された撮像画像Img31,Img32上に重畳する。第3の表示例における第2フィードバック表示画面Sc31は、基準角度とピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの角度差に基づいて、球HS31のそれぞれを回転し、回転後の球HS31と、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの角度差に対応するベクトルVT31A,VT31Bのそれぞれとを撮像画像Img31上に重畳することで、ユーザの手指の傾きの調整方向を可視化する。
【0083】
プロセッサ11は、撮像画像Img31,Img32からユーザの手指の関節点JNTを検出し、検出された関節点JNTに基づいて、生体部位に対応するピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれを算出する。
【0084】
プロセッサ11は、ピッチ軸PLpとロール軸PLrとの交点を中心点とする球HS31,HS32と、球HS31,HS32に重畳されるピッチ軸LN31A,LN32Aおよびロール軸LN31B,LN32Bのそれぞれを生成する。プロセッサ11は、基準角度と、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの間の角度差を算出し、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であるか否かを判定する。
【0085】
プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内でないと判定した場合、算出されたピッチ角θpの角度差に基づいて、ベクトルVT31Aを生成する。具体的に、プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpの角度差の符号(正数または負数)に基づいて、ユーザが手指の傾きを調整すべき(つまり、手指を傾けるべき)方向にベクトルVT31Aの向きを決定し、算出された角度差の大きさに基づいて、ベクトルVT31Aの長さを決定する。
【0086】
また、プロセッサ11は、算出されたロール角θrの角度差に基づいて、ベクトルVT31Bを生成する。具体的に、プロセッサ11は、算出されたロール角θrの角度差の符号に基づいて、ユーザが手指の傾きを調整すべき(つまり、手指を傾けるべき)方向にベクトルVT31Bの向きを決定し、算出された角度差の大きさに基づいて、ベクトルVT31Bの長さを決定する。
【0087】
プロセッサ11は、球HS31と、ピッチ軸LN31Aおよびロール軸LN31Bのそれぞれと、ベクトルVT31A,VT31Bと、骨格SLおよび関節点JNTのそれぞれとを撮像画像Img31に重畳し、第2フィードバック表示画面Sc21を生成する。プロセッサ11は、生成された第2フィードバック表示画面Sc21をモニタ14に出力して、表示させる。
【0088】
これにより、端末装置P1は、2本のベクトルVT31A,VT31Bのそれぞれにより、基準角度に対するピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差、つまり、ユーザの手指の傾きを、ピッチ軸PLpに沿う方向(すなわち、水平方向)およびロール軸PLrに沿う方向(垂直方向)で可視化した第2フィードバック表示画面Sc31により、生体認証に適した生体画像の取得を支援できる。また、ユーザは、第2フィードバック表示画面Sc31に表示されたベクトルVT31A,VT31Bの向きおよび長さによりユーザの手指の傾きを直観的に把握できるとともに、どの方向に手指を傾ければよいかを直観的に把握できる。
【0089】
一方、プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であると判定した場合、ベクトルの生成を省略する。プロセッサ11は、球HS32と、ピッチ軸LN32Aおよびロール軸LN32Bのそれぞれと、骨格SLおよび関節点JNTのそれぞれとを撮像画像Img32に重畳し、第1フィードバック表示画面Sc32を生成する。プロセッサ11は、生成された第1フィードバック表示画面Sc32をモニタ14に出力して、表示させる。
【0090】
これにより、端末装置P1は、ベクトルの生成および表示を省略することで、現在のユーザの手指の傾きが生体認証に適していることをユーザに通知できる。また、ユーザは、第1フィードバック表示画面Sc32の球HS32に重畳されたピッチ軸LN32Aおよびロール軸LN32Bのそれぞれにより、現在のユーザの手指の傾きを維持すればよいことを直観的に把握できる。したがって、端末装置P1は、生体認証により適した生体画像の取得を支援できる。
【0091】
なお、第3の表示例における第1フィードバック表示画面Sc32は、ユーザの現在の手指の傾きが生体認証に適した傾きであって、調整不要である旨を通知するメッセージを含んでいてもよい。また、プロセッサ11は、第1フィードバック表示画面Sc32で表示される球HS32の線種、線の太さあるいは線の色と、第2フィードバック表示画面Sc31で表示される球HS31の線種、線の太さあるいは線の色とを変更してもよい。
【0092】
<第4の表示例>
次に、図8を参照して、第4の表示例について説明する。図8は、第4の表示例における第1フィードバック表示画面Sc43例および第2フィードバック表示画面Sc41,Sc42例を説明する図である。
【0093】
また、図6では図示を省略しているが、プロセッサ11は、ユーザの手指の傾きが所定範囲内であるか否かの判定結果に基づいて、ユーザに手指の傾きの調整を要求する旨のメッセージを含む第2フィードバック表示画面Sc41,Sc42を生成したり、ユーザに現在の手指の傾きの維持を要求する旨のメッセージを含む第1フィードバック表示画面Sc43を生成したりしてよい。
【0094】
第4の表示例は、ピッチ軸PLpとロール軸PLrとの交点を中心点とする球HS41,HS42,HS43を、ユーザの手指が撮像された撮像画像Img41,Img42,Img43上に重畳する。第4の表示例における第2フィードバック表示画面Sc41,Sc42のそれぞれは、基準角度とピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの角度差に対応するベクトルのそれぞれとを撮像画像Img41,Img42上に重畳することで、ユーザの手指の傾きの調整方向を可視化する。
【0095】
プロセッサ11は、撮像画像Img41~Img43からユーザの手指の関節点JNTを検出し、検出された関節点JNTに基づいて、生体部位に対応するピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれを算出する。
【0096】
プロセッサ11は、ピッチ軸PLpとロール軸PLrとの交点を中心点とする球を生成し、ピッチ軸PLpを球HS41~HS43の表面に投影した曲線であるピッチ軸LN41A,LN42A,LN43Aと、ロール軸PLrを球HS41~HS43の表面に投影した曲線であるロール軸LN41B,LN42B,LN43Bとを生成する。プロセッサ11は、基準角度と、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの間の角度差を算出し、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であるか否かを判定する。
【0097】
プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpとピッチ軸PLp(すなわち、基準角度)との角度差をさらに算出し、算出された角度差の符号(正数または負数)および大きさのそれぞれに基づいて、ピッチ角θpの角度差を示すベクトルを生成する。
【0098】
ここで、プロセッサ11は、第2フィードバック表示画面Sc41に示す例において、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差と、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの符号とに基づいて、ユーザが手指を傾けるべき方向に沿ってベクトルVT41の向きを決定し、算出された角度差の大きさに基づいて、ベクトルVT41の長さを決定する。ここで、ベクトルVT41は、ピッチ角θpの角度差および符号に基づくベクトルと、ロール角θrの角度差および符号に基づくベクトルとの合成により生成されたベクトルに等しい。
【0099】
プロセッサ11は、骨格SLおよび関節点JNTと、球HS41と、ピッチ軸LN41Aおよびロール軸LN41Bのそれぞれと、ベクトルVT41とを撮像画像Img41に重畳して、第2フィードバック表示画面Sc41を生成し、モニタ14に出力して表示させる。なお、ここで、プロセッサ11は、ユーザの掌側(すなわち、紙面手前側)であって、球HS41の天頂位置にベクトルVT41の始点位置を重畳する。
【0100】
これにより、端末装置P1は、ベクトルVT41によりユーザの手指の傾きの調整方向を可視化した第2フィードバック表示画面Sc41により、生体認証に適した生体画像の取得を支援できる。また、ユーザは、第2フィードバック表示画面Sc41に表示されたベクトルVT41の向きおよび長さによりユーザの手指の傾きを直観的に把握できるとともに、どの方向に手指を傾ければよいかを直観的に把握できる。
【0101】
また、プロセッサ11は、第2フィードバック表示画面Sc42に示す例において、算出されたピッチ角θpの角度差および符号に基づいて、ユーザが手指を傾けるべき方向(すなわち、ピッチ角θpの符号が示す方向と逆方向)に沿ってベクトルVT42Aの向きを決定し、算出されたピッチ角θpの角度差の大きさに基づいて、ベクトルVT42Aの長さを決定する。
【0102】
プロセッサ11は、算出されたロール角θrの角度差および符号に基づいて、ユーザが手指を傾けるべき方向(すなわち、ロール角θrの符号が示す方向と逆方向)に沿ってベクトルVT42Bの向きを決定し、算出されたロール角θrの角度差の大きさに基づいて、ベクトルVT42Bの長さを決定する。
【0103】
プロセッサ11は、骨格SLおよび関節点JNTと、球HS42と、ピッチ軸LN42Aおよびロール軸LN42Bのそれぞれと、ベクトルVT42A,VT42Bのそれぞれとを撮像画像Img42に重畳して、第2フィードバック表示画面Sc42を生成し、モニタ14に出力して表示させる。なお、ここで、プロセッサ11は、ユーザの掌側(紙面手前側)であって、球HS42の天頂位置にベクトルVT42A,VT42Bのそれぞれの始点位置を重畳する。
【0104】
これにより、端末装置P1は、ベクトルVT42A,VT42Bのそれぞれによりユーザの手指の傾きの調整方向を可視化した第2フィードバック表示画面Sc42により、生体認証に適した生体画像の取得を支援できる。また、ユーザは、第2フィードバック表示画面Sc42に表示されたベクトルVT42A,ベクトルVT42Bのそれぞれの向きおよび長さによりユーザの手指の傾きを直観的に把握できるとともに、どの方向に手指を傾ければよいかを直観的に把握できる。
【0105】
一方、プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であると判定した場合、ベクトルの生成を省略する。プロセッサ11は、骨格SLおよび関節点JNTと、球HS43と、ピッチ軸LN43Aおよびロール軸LN43Bのそれぞれとを撮像画像Img43に重畳して、第1フィードバック表示画面Sc43を生成し、モニタ14に出力して表示させる。
【0106】
これにより、端末装置P1は、ベクトルの生成および表示を省略することで、現在のユーザの手指の傾きが生体認証に適していることをユーザに通知できる。また、ユーザは、第1フィードバック表示画面Sc43の球HS43に重畳されたピッチ軸LN43Aおよびロール軸LN43Bのそれぞれにより、現在のユーザの手指の傾きを維持すればよいことを直観的に把握できる。したがって、端末装置P1は、生体認証により適した生体画像の取得を支援できる。
【0107】
なお、第4の表示例における第1フィードバック表示画面Sc43は、ユーザの現在の手指の傾きが生体認証に適した傾きであって、調整不要である旨を通知するメッセージを含んでいてもよい。また、プロセッサ11は、第1フィードバック表示画面Sc43で表示される球HS43の線種、線の太さあるいは線の色と、第2フィードバック表示画面Sc41,Sc42で表示される球HS41,HS42の線種、線の太さあるいは線の色とを変更してもよい。
【0108】
次に、図9を参照して、第5の表示例および第6の表示例について説明する。図9は、第5,第6の表示例における第1フィードバック表示画面Sc52,Sc62例および第2フィードバック表示画面Sc51,Sc61例を説明する図である。
【0109】
また、図9では図示を省略しているが、プロセッサ11は、ユーザの手指の傾きが所定範囲内でない場合、ユーザに手指の傾きの調整を要求する旨のメッセージを含む第2フィードバック表示画面Sc51,Sc61を生成してよい。
【0110】
<第5の表示例>
第5の表示例は、ユーザの手指が撮像された撮像画像Img51,Img52に写るユーザの生体部位上に正方形LN51,LN52を重畳する。第5の表示例における第2フィードバック表示画面Sc51は、基準角度とピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの角度差に基づいて、正方形LN51を変形して撮像画像Img51上に重畳することで、ユーザの手指の傾きの調整方向を可視化する。
【0111】
プロセッサ11は、撮像画像Img51,Img52からユーザの手指の関節点JNTを検出し、検出された関節点JNTに基づいて、生体部位に対応するピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれを算出する。
【0112】
プロセッサ11は、基準角度と、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの間の角度差を算出し、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であるか否かを判定する。
【0113】
プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内でないと判定した場合、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrの角度差に基づいて、正方形の形状を変形させる。
【0114】
具体的に、プロセッサ11は、撮像画像Img51に写るユーザの生体部位(図9に示す例では、掌)の少なくとも一部を含む領域を検出する。プロセッサ11は、検出された領域でピッチ軸PLpとロール軸PLrとにより定義される水平面上に重畳される正方形を生成する。プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpとロール角θrとにより定義される水平面を形成する。プロセッサ11は、ピッチ軸PLpとロール軸PLrとにより定義される水平面上に重畳された正方形(不図示)を、ピッチ角θpとロール角θrとにより定義される水平面上に重畳するための変換式(変換行列)を算出する。プロセッサ11は、算出された変換式(変換行列)に基づいて、ピッチ軸PLpとロール軸PLrとにより定義される水平面上に重畳された正方形(不図示)を、ピッチ角θpとロール角θrとにより定義される水平面上に重畳可能な正方形LN51に変形する。
【0115】
プロセッサ11は、撮像画像Img51に写るユーザの生体部位(図9に示す例では、掌)の少なくとも一部を含む領域であって、ピッチ角θpとロール角θrとにより定義される水平面に変形後の正方形LN51を、撮像画像Img51に重畳して、第2フィードバック表示画面Sc51を生成する。プロセッサ11は、生成された第2フィードバック表示画面Sc51をモニタ14に出力して、表示させる。
【0116】
これにより、端末装置P1は、撮像画像Img51に写るユーザの生体部位に重畳された正方形LN51の形状でユーザの手指の傾きを可視化した第2フィードバック表示画面Sc51を生成できる。端末装置P1は、第2フィードバック表示画面Sc51の生成によって、生体認証に適した生体画像の取得を支援できる。また、ユーザは、第2フィードバック表示画面Sc51に表示された正方形LN51の形状によりユーザの手指の傾きを直観的に把握できるとともに、変形された正方形LN51を元の正方形に戻すために、どの方向に手指を傾ければよいかを直観的に把握できる。
【0117】
一方、プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であると判定した場合、正方形LN52の形状変形処理を省略する。
【0118】
プロセッサ11は、撮像画像Img52に写るユーザの生体部位(図9に示す例では、掌)の少なくとも一部を含む領域であって、ピッチ軸PLpとロール軸PLrとにより定義される水平面に変形後の正方形LN52を撮像画像Img52に重畳する。プロセッサ11は、正方形LN52が重畳された撮像画像Img52と、ユーザの現在の手指の傾きが生体認証に適した傾きである旨を通知するメッセージMsg2「OK!」とを含む第1フィードバック表示画面Sc52を生成する。プロセッサ11は、生成された第1フィードバック表示画面Sc52をモニタ14に出力して、表示させる。
【0119】
これにより、端末装置P1は、撮像画像Img52に写るユーザの生体部位に重畳された正方形LN52の形状あるいはメッセージMsg2により、現在のユーザの手指の傾きが生体認証に適していることをユーザに通知できる。また、ユーザは、正方形LN52の形状あるいはメッセージMsg2により、現在のユーザの手指の傾きを維持すればよいことを直観的に把握できる。したがって、端末装置P1は、生体認証により適した生体画像の取得を支援できる。
【0120】
なお、第5の表示例において、プロセッサ11は、第1フィードバック表示画面Sc52で表示される正方形LN52の線種、線の太さあるいは線の色と、第2フィードバック表示画面Sc51で表示される変形後の正方形LN51の線種、線の太さあるいは線の色とを変更してもよい。
【0121】
<第6の表示例>
第6の表示例は、ユーザの手指が撮像された撮像画像Img61,Img62に写るユーザの生体部位上に、Augmented Reality(AR)によって生成された球BLを重畳表示することで、ユーザの手指の傾きを可視化する。
【0122】
プロセッサ11は、撮像画像Img61,Img62からユーザの手指の関節点JNTを検出し、検出された関節点JNTに基づいて、生体部位に対応するピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれを算出する。
【0123】
プロセッサ11は、基準角度と、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの間の角度差を算出し、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であるか否かを判定する。
【0124】
プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内でないと判定した場合、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrの角度差に基づいて、ピッチ軸PLpおよびロール軸PLrのそれぞれを傾ける。また、プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrの角度差に基づいて、ピッチ軸PLpとロール軸PLrとの交点位置から球BLを転がした時の球BLの位置(座標)を算出する。プロセッサ11は、傾け処理後のピッチ軸LN61Aおよびロール軸LN61Bのそれぞれと、ユーザの掌上に仮想的に転がされた球BLとを撮像画像Img61に重畳して、第2フィードバック表示画面Sc61を生成する。プロセッサ11は、生成された第2フィードバック表示画面Sc61をモニタ14に出力して、表示させる。
【0125】
なお、ここで、プロセッサ11は、ピッチ軸PLpとロール軸PLrとの交点位置と球BLの位置との距離と、ピッチ軸PLpとロール軸PLrとの交点位置に対する球BLが位置する方向とに基づいて、撮像画像Img61に重畳される球BLの大きさを変更してよい。これにより、プロセッサ11は、球BLの大きさによって遠近感を表現できる。
【0126】
これにより、端末装置P1は、球BLの転がる方向、球BLの位置あるいは大きさ等に基づいて、ユーザの手指の傾きを可視化した第2フィードバック表示画面Sc61を生成できる。端末装置P1は、第2フィードバック表示画面Sc61の生成によって、生体認証に適した生体画像の取得を支援できる。また、ユーザは、第2フィードバック表示画面Sc61に表示されたユーザの手指の傾きを直観的に把握できるとともに、球BLの位置がピッチ軸PLpとロール軸PLrとの交点位置となるように、どの方向に手指を傾ければよいかを直観的に把握できる。
【0127】
一方、プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であると判定した場合、撮像画像Img62において、ピッチ軸PLpおよびロール軸PLrのそれぞれの交点位置(基準位置)に球BLを重畳する。プロセッサ11は、球BLが重畳された撮像画像Img62と、ユーザの現在の手指の傾きが生体認証に適した傾きである旨を通知するメッセージMsg3「OK!」とを含む第1フィードバック表示画面Sc62を生成する。プロセッサ11は、生成された第1フィードバック表示画面Sc62をモニタ14に出力して、表示させる。
【0128】
これにより、端末装置P1は、撮像画像Img62に写る球BLの位置、あるいはメッセージMsg3により、現在のユーザの手指の傾きが生体認証に適していることをユーザに通知できる。また、ユーザは、球BLの位置あるいはメッセージMsg3により、現在のユーザの手指の傾きを維持すればよいことを直観的に把握できる。したがって、端末装置P1は、生体認証により適した生体画像の取得を支援できる。
【0129】
なお、第6の表示例において、プロセッサ11は、第1フィードバック表示画面Sc62で表示される球BLの色と、第2フィードバック表示画面Sc61で表示される球BLの色とを変更してもよい。
【0130】
次に、図10を参照して、第7の表示例および第8の表示例について説明する。図10は、第7,第8の表示例における第1フィードバック表示画面Sc72,Sc82例および第2フィードバック表示画面Sc71,Sc81例を説明する図である。
【0131】
また、図10では図示を省略しているが、プロセッサ11は、ユーザの手指の傾きが所定範囲内でない場合、ユーザに手指の傾きの調整を要求する旨のメッセージを含む第2フィードバック表示画面Sc71,Sc81を生成してよい。
【0132】
<第7の表示例>
第7の表示例は、ユーザの手指が撮像された撮像画像Img71,Img72にリングRGを重畳する。第7の表示例における第2フィードバック表示画面Sc71は、リングRG上に、基準角度とピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの角度差に基づくリングバーRG71Aを重畳することで、ユーザの手指の傾きの調整方向を可視化する。
【0133】
プロセッサ11は、撮像画像Img71,Img72からユーザの手指の関節点JNTを検出し、検出された関節点JNTに基づいて、生体部位に対応するピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれを算出する。
【0134】
プロセッサ11は、基準角度と、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの間の角度差を算出し、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であるか否かを判定する。
【0135】
プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内でないと判定した場合、撮像画像Img71上に重畳されるリングRGを生成し、ピッチ角θpおよびロール角θrの角度差に基づいて、リングバーRG71Aを生成して、リングRG上に重畳する。
【0136】
具体的に、プロセッサ11は、リングRG上であって、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差に基づく方向(角度)に、リングバーRG71Aを重畳する。また、プロセッサ11は、重畳されるリングバーRG71Aにおける円周方向の円周長さを、ピッチ角θpおよびロール角θrの角度差のそれぞれの大きさに基づいて決定する。
【0137】
プロセッサ11は、リングバーRG71Aが重畳されたリングRGを撮像画像Img71に重畳して、第2フィードバック表示画面Sc71を生成する。プロセッサ11は、生成された第2フィードバック表示画面Sc71をモニタ14に出力して、表示させる。
【0138】
これにより、端末装置P1は、リングバーRG71Aでユーザの手指の傾きを可視化した第2フィードバック表示画面Sc71の生成によって、生体認証に適した生体画像の取得を支援できる。また、ユーザは、第2フィードバック表示画面Sc71に表示されたリングバーRG71Aの位置および円周長さによりユーザの手指の傾きを直観的に把握できるとともに、リングバーRG71Aを消すために、どの方向に手指を傾ければよいかを直観的に把握できる。
【0139】
一方、プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であると判定した場合、撮像画像Img72上に重畳されるリングRGを生成して、撮像画像Img72上に重畳する。プロセッサ11は、リングRGが重畳された撮像画像Img72と、ユーザの現在の手指の傾きが生体認証に適した傾きである旨を通知するメッセージMsg4「OK!」とを含む第1フィードバック表示画面Sc72を生成する。プロセッサ11は、生成された第1フィードバック表示画面Sc72をモニタ14に出力して、表示させる。
【0140】
これにより、端末装置P1は、撮像画像Img72に写るリングRGあるいはメッセージMsg4により、現在のユーザの手指の傾きが生体認証に適していることをユーザに通知できる。また、ユーザは、リングRGあるいはメッセージMsg4により、第1フィードバック表示画面Sc72に重畳された現在のユーザの手指の傾きを維持すればよいことを直観的に把握できる。したがって、端末装置P1は、生体認証により適した生体画像の取得を支援できる。
【0141】
なお、第7の表示例において、プロセッサ11は、第1フィードバック表示画面Sc72で表示されるリングRGの線種、線の太さあるいは線の色と、第2フィードバック表示画面Sc71で表示されるリングRGの線種、線の太さあるいは線の色とを変更してもよい。
【0142】
<第8の表示例>
第8の表示例は、ユーザの手指が撮像された撮像画像Img81,Img82の隣り合う2辺のそれぞれに沿ってピッチスライダSL81A,SL82Aと、ロールスライダSL81B,SL82Bとを表示する。第8の表示例における第2フィードバック表示画面Sc81は、ピッチスライダSL81AおよびロールスライダSL81Bのそれぞれに、基準角度とピッチ角θpとの角度差に基づくピッチポインタPT81A,PT82Aと、基準角度とロール角θrとの角度差に基づくロールポインタPT81B,PT82Bとを重畳することで、ユーザの手指の傾きの調整方向を可視化する。
【0143】
プロセッサ11は、撮像画像Img81,Img82からユーザの手指の関節点JNTを検出し、検出された関節点JNTに基づいて、生体部位に対応するピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれを算出する。
【0144】
プロセッサ11は、基準角度と、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれとの間の角度差を算出し、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であるか否かを判定する。
【0145】
プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内でないと判定した場合、算出された角度差に基づいて、ピッチスライダSL81Aと、ロールスライダSL81Bとを生成する。
【0146】
具体的に、プロセッサ11は、生体認証に適した傾きであって、所定範囲内を示すピッチエリアRG81Aと、算出されたピッチ角θpの角度差に基づいて、現在のピッチ角θpを示すピッチポインタPT81Aとを含むピッチスライダSL81Aを生成する。プロセッサ11は、生体認証に適した傾きであって、所定範囲内を示すロールエリアRG81Bと、算出されたロール角θrの角度差に基づいて、現在のロール角θrを示すロールポインタPT81Bとを含むロールスライダSL81Bを生成する。
【0147】
プロセッサ11は、生成されたピッチスライダSL81Aと、ロールスライダSL81Bと、撮像画像Img81とを含む第2フィードバック表示画面Sc81を生成する。プロセッサ11は、生成された第2フィードバック表示画面Sc81をモニタ14に出力して、表示させる。
【0148】
これにより、端末装置P1は、ピッチエリアRG81Aに対するピッチポインタPT81Aの位置と、ロールエリアRG81Bに対するロールポインタPT81Bの位置とに基づいて、ユーザの手指の傾きを可視化した第2フィードバック表示画面Sc81を生成できる。端末装置P1は、第2フィードバック表示画面Sc81の生成によって、生体認証に適した生体画像の取得を支援できる。また、ユーザは、第2フィードバック表示画面Sc81に表示されたピッチエリアRG81Aに対するピッチポインタPT81Aの位置と、ロールエリアRG81Bに対するロールポインタPT81Bの位置とによって、ユーザの手指の傾きを直観的に把握できるとともに、ピッチポインタPT81AがピッチエリアRG81Aに、ロールポインタPT81BがロールエリアRG81Bにそれぞれ含まれるように、どの方向に手指を傾ければよいかを直観的に把握できる。
【0149】
プロセッサ11は、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内であると判定した場合、算出された角度差に基づいて、ピッチスライダSL82Aと、ロールスライダSL82Bとを生成する。
【0150】
具体的に、プロセッサ11は、生体認証に適した傾きであって、所定範囲内を示すピッチエリアRG82Aと、算出されたピッチ角θpの角度差に基づいて、現在のピッチ角θpを示すピッチポインタPT82Aとを含むピッチスライダSL82Aを生成する。プロセッサ11は、生体認証に適した傾きであって、所定範囲内を示すロールエリアRG82Bと、算出されたロール角θrの角度差に基づいて、現在のロール角θrを示すロールポインタPT82Bとを含むロールスライダSL82Bを生成する。
【0151】
プロセッサ11は、ユーザの現在の手指の傾きが生体認証に適した傾きである旨を通知するメッセージMsg5「OK!」を生成する。プロセッサ11は、生成されたメッセージMsg5と、ピッチスライダSL82Aと、ロールスライダSL82Bと、撮像画像Img82とを含む第1フィードバック表示画面Sc82を生成する。プロセッサ11は、生成された第1フィードバック表示画面Sc82をモニタ14に出力して、表示させる。
【0152】
これにより、端末装置P1は、ピッチエリアRG82Aに対するピッチポインタPT82Aの位置と、ロールエリアRG82Bに対するロールポインタPT82Bの位置とに基づいて、あるいは、メッセージMsg5に基づいて、ユーザの手指の傾きが生体認証に適した傾きである旨を可視化した第1フィードバック表示画面Sc82を生成できる。端末装置P1は、第1フィードバック表示画面Sc82の生成によって、生体認証に適した生体画像の取得を支援できる。また、ユーザは、ピッチポインタPT82AおよびロールポインタPT82B、あるいはメッセージMsg5により、第1フィードバック表示画面Sc82に重畳された現在のユーザの手指の傾きを維持すればよいことを直観的に把握できる。したがって、端末装置P1は、生体認証により適した生体画像の取得を支援できる。
【0153】
なお、第8の表示例において、プロセッサ11は、第1フィードバック表示画面Sc82で表示されるピッチポインタPT82AおよびロールポインタPT82Bの色と、第2フィードバック表示画面Sc81で表示されるピッチポインタPT82AおよびロールポインタPT82Bの色とを変更してもよい。
【0154】
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1に係る端末装置P1は、生体認証に適した生体部位の傾きの判定において、ピッチ角θp=0(ゼロ)°およびロール角θr=0(ゼロ)°のそれぞれを基準角度に設定し、この基準角度に基づいて、生体認証に適した傾きであると判定された撮像画像を生体画像として取得する例を示した。実施の形態1の変形例に係る生体認証システム100は、事前に登録された生体画像または生体データが取得された時の生体部位の傾きを基準角度に設定し、この基準角度に基づいて、生体認証に適した傾きであると判定された撮像画像を生体画像として取得する例について説明する。
【0155】
なお、実施の形態1の変形例における端末装置P1Aは、実施の形態1における端末装置P1と同様の構成を有する。そこで、以下の実施の形態1の変形例に係る生体認証システム100の説明では、実施の形態1における端末装置P1と同様の構成には、同一の符号を付与して、説明を省略する。
【0156】
図11を参照して、実施の形態1の変形例に係る生体認証システム100の内部構成例について説明する。図11は、実施の形態1の変形例に係る生体認証システム100の内部構成例を示すブロック図である。
【0157】
なお、以下で説明する生体認証システム100は、一例としてユーザの顔画像に基づく顔認証と、ユーザの生体部位(例えば、指紋、静脈あるいは掌紋等)が撮像された生体画像とに基づくマルチモーダル生体認証により、ユーザ認証を実行する例を示すが、これに限定されない。生体認証システム100は、例えば、多要素認証等のように、2つ以上のユーザ認証処理を実行すればよい。
【0158】
実施の形態1の変形例に係る生体認証システム100は、1回目の任意の認証で事前にユーザ個人を特定した後に、特定されたユーザの生体画像または生体データに対応付けられた登録時の生体部位の傾き情報に基づいて、2回目の生体認証に用いられる生体画像を取得する。
【0159】
生体画像取得支援装置の一例としての端末装置P1Aは、1回目のユーザ認証に用いられるユーザの顔画像を撮像して、サーバS1に送信する。また、端末装置P1Aは、サーバS1から送信された顔認証結果に基づいて、2回目のユーザ認証に用いられるユーザの生体部位の撮像時の基準角度を決定し、ユーザの生体部位の撮像(取得)を実行する。なお、端末装置P1Aは、顔画像からユーザの特徴量を抽出し、抽出されたユーザの特徴量をサーバS1に送信してもよいし、同様に、生体画像からユーザの特徴量を抽出し、抽出されたユーザの特徴量をサーバS1に送信してもよい。
【0160】
端末装置P1Aは、通信部10Aと、プロセッサ11Aと、メモリ12Aと、カメラ13Aと、モニタ14Aとを含む。なお、端末装置P1Aは、多要素認証を利用する場合、多要素認証を実現可能にする任意の構成を有してもよい。
【0161】
取得部の一例としての通信部10Aは、サーバS1との間で、有線通信または無線通信によりデータの送受信を行うための通信インターフェース回路を用いて構成される。通信部10Aは、プロセッサ11Aから出力された顔画像あるいは生体画像をサーバS1に送信する。通信部10Aは、サーバS1から送信された顔認証結果の情報を取得して、プロセッサ11Aに出力する。なお、ここでいう無線通信は、例えばWi-Fi(登録商標)等の無線Local Area Network(LAN)を介した通信である。
【0162】
算出部、制御部、および検出部の一例としてのプロセッサ11Aは、例えばCPUまたはFPGAを用いて構成されて、メモリ12Aと協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ11Aは、メモリ12Aに保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、生体部位の撮像に関する各種機能を実現する。
【0163】
メモリ12Aは、例えばプロセッサ11Aの各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAMと、プロセッサ11Aの動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROMとを有する。RAMには、プロセッサ11Aにより生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、プロセッサ11Aの動作を規定するプログラムが書き込まれている。
【0164】
カメラ13Aは、少なくともレンズ(不図示)とイメージセンサ(不図示)とを有して構成される。イメージセンサは、例えばCCDまたはCMOSの固体撮像素子であり、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。
【0165】
モニタ14Aは、例えばLCDもしくは有機ELを用いて構成される。モニタ14Aは、カメラ13Aによって撮像された撮像画像、プロセッサ11Aによって生成された各種画面(図4図10のそれぞれに示す第1~第8の表示例における第1フィードバック表示画面,第2フィードバック表示画面等)、あるいは、サーバS1から送信された顔認証結果,生体認証結果等を含む画面を出力して、表示する。
【0166】
サーバS1は、端末装置P1Aから送信された顔画像に基づく、1回目のユーザ認証を実行する。サーバS1は、ユーザ認証の結果、特定されたユーザの生体部位の傾き情報を含む顔認証結果を生成して、端末装置P1Aに送信する。サーバS1は、端末装置P1Aから送信された生体画像に基づいて、2回目のユーザ認証を実行する。サーバS1は、通信部20と、プロセッサ21と、メモリ22と、生体データベースDB1Aと、顔画像データベースDB2とを含む。なお、生体データベースDB1Aおよび顔画像データベースDB2のそれぞれは、サーバS1と一体的に構成されてもよい。
【0167】
通信部20は、端末装置P1Aとの間で、有線通信または無線通信によりデータの送受信を行うための通信インターフェース回路を用いて構成される。通信部20は、プロセッサ21から出力された顔画像を用いた顔認証結果あるいは生体画像を用いた生体認証結果のそれぞれを端末装置P1Aに送信する。通信部20は、端末装置P1Aから送信された顔画像あるいは生体画像を取得して、プロセッサ21に出力する。
【0168】
プロセッサ21は、例えばCPUまたはFPGAを用いて構成されて、メモリ22と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ21は、メモリ22に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、生体部位の撮像に関する各種機能を実現する。
【0169】
メモリ22は、例えばプロセッサ21の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAMと、プロセッサ21の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROMとを有する。RAMには、プロセッサ21により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、プロセッサ21の動作を規定するプログラムが書き込まれている。
【0170】
生体データベースDB1Aは、所謂ストレージであって、例えばフラッシュメモリ、HDDあるいはSSD等の記憶媒体を用いて構成される。生体データベースDB1Aは、事前に登録された少なくとも1人の生体画像と、生体画像に写る生体部位の傾きに関する情報と、ユーザ情報とを対応付けて格納(登録)する。なお、生体データベースDB1Aは、生体画像から抽出された生体データと、ユーザ情報とを対応付けて格納(登録)してもよい。さらに、生体データベースDB1Aは、複数の生体画像のそれぞれを格納(登録)する場合、複数の生体画像のそれぞれと、生体画像のそれぞれに対応する生体部位の情報と、ユーザ情報とを対応付けて格納(登録)してもよい。
【0171】
顔画像データベースDB2は、所謂ストレージであって、例えばフラッシュメモリ、HDDあるいはSSD等の記憶媒体を用いて構成される。顔画像データベースDB2は、事前に登録された少なくとも1人の顔画像あるいは顔画像から抽出された特徴量と、ユーザ情報とを対応付けて格納(登録)する。
【0172】
次に、図12を参照して、実施の形態1の変形例に係る生体認証システム100の動作手順例について説明する。図12は、実施の形態1の変形例に係る生体認証システム100の動作手順例を示すシーケンス図である。
【0173】
なお、図12に示すシーケンス図において、破線で表示されたステップSt32~ステップSt33、ステップSt39~ステップSt40のそれぞれの処理は、必須でなく種雄略されてよい。
【0174】
端末装置P1Aのプロセッサ11Aは、顔画像および生体部位の撮像を実現可能なアプリケーションを起動させるユーザ操作を受け付ける(St31)。プロセッサ11Aは、ユーザ操作に基づいて、ユーザに顔画像の撮像操作を要求する操作指示画面(不図示)を生成し、モニタ14Aに出力する(St33)。ここで、操作指示画面は、例えば、「カメラに顔を向けてください」等のメッセージを含む(St32)。ユーザは、カメラ13Aに自身の顔を向ける(St34)。
【0175】
プロセッサ11Aは、カメラ13Aにユーザの顔を撮像させる制御指令を出力する。プロセッサ11Aは、カメラ13Aから出力された顔画像を取得する(St35)。プロセッサ11Aは、取得された顔画像を通信部10Aに出力し、サーバS1に送信させる(St36)。なお、プロセッサ11Aは、顔画像から取得されたユーザの生体データをサーバS1に送信させてもよい。
【0176】
サーバS1のプロセッサ21は、端末装置P1Aから送信された顔画像を取得し、取得された顔画像と、顔画像データベースDB2に登録された少なくとも1人の顔画像とを照合し、顔認証を実行する(St37)。
【0177】
プロセッサ21は、顔認証により認証(特定)されたユーザのユーザ情報に基づいて、生体データベースDB1Aからこのユーザ情報が対応付けられた生体部位の傾きに関する情報(例えば、登録された生体画像に対応する基準角度の情報、ピッチ角θp、ロール角θr等)を取得する。プロセッサ21は、生体部位の傾きに関する情報と、顔認証結果とを対応付けて通信部20に出力して、端末装置P1Aに送信させる(St38)。
【0178】
プロセッサ11Aは、サーバS1から送信された顔認証結果をモニタ14Aに出力する。また、プロセッサ11Aは、取得された顔認証結果がユーザ認証に成功した旨の結果である場合、ユーザに生体部位の撮像操作を要求する操作指示画面(不図示)を生成し、モニタ14Aに出力する(St40)。ここで、操作指示画面は、例えば、「カメラに手を向けてください」等のメッセージを含む(St39)。ユーザは、カメラ13Aに自身の手(生体部位)をかざす(St41)。
【0179】
プロセッサ11Aは、カメラ13Aにユーザの生体部位を撮像させる制御指令を出力する。プロセッサ11Aは、カメラ13Aから出力されたユーザの手全体あるいは生体部位が撮像された撮像画像Img(図3参照)を取得する(St42)。
【0180】
プロセッサ11Aは、取得された撮像画像Imgに基づいて、ユーザの手指の各関節点JNT(図3参照)の3次元座標をそれぞれ検出する。プロセッサ11Aは、検出された各関節点JNTの3次元座標に基づいて、撮像画像に写るユーザの手指(生体部位)のピッチ角θpおよびロール角θr(図3参照)をそれぞれ算出する。なお、ここで3次元座標が算出される関節は、少なくとも生体部位に対応する関節のみであってよい。
【0181】
プロセッサ11Aは、サーバS1から送信された生体部位の傾きに関する情報に基づいて、基準角度を設定する。プロセッサ11Aは、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれと、設定された基準角度との間の角度差をそれぞれ算出する(St43)。
【0182】
プロセッサ11Aは、算出されたピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれと、基準角度との間の角度差が、ともに所定範囲(例えば、-5°~+5°等)内であるか否かを判定する(St44)。なお、ここでいう所定範囲は、生体認証に用いられる生体データとして適した生体部位の傾きを示すピッチ角θpおよびロール角θrの範囲である。所定範囲は、生体認証に用いられる生体部位ごとにそれぞれ異なる範囲(値)が設定されてよい。
【0183】
プロセッサ11Aは、ステップSt44の処理において、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれと、基準角度との間の角度差が、ともに所定範囲(例えば、-5°~+5°等)内であると判定した場合(St44,YES)、ユーザに現在の生体部位の傾きが生体認証に適した傾きである旨を通知する第1フィードバック表示画面Sc11,Sc22,Sc32,Sc43,Sc52,Sc62,Sc72,Sc82(図4図6図10参照)を生成する。プロセッサ11Aは、生成された第1フィードバック表示画面Sc11,Sc22,Sc32,Sc43,Sc52,Sc62,Sc72,Sc82をモニタ14Aに出力して表示させる(St45)。なお、プロセッサ11Aは、第1フィードバック表示画面の代わりとして、ユーザに現在の生体部位の傾きが生体認証に適した傾きである旨を通知する音声信号を生成し、スピーカ(不図示)から出力してもよい。
【0184】
一方、プロセッサ11Aは、ステップSt44の処理において、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれと、基準角度との間の角度差が、ともに所定範囲(例えば、-5°~+5°等)内でないと判定した場合(St44,NO)、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれに対応する角度差に基づいて、現在の生体部位の傾きの調整を支援する第2フィードバック表示画面Sc12,Sc13,Sc14,Sc15,Sc21,Sc31,Sc41,Sc42,Sc51,Sc61,Sc71,Sc81(図5図10参照)を生成する。プロセッサ11Aは、生成された第2フィードバック表示画面Sc12,Sc13,Sc14,Sc15,Sc21,Sc31,Sc41,Sc42,Sc51,Sc61,Sc71,Sc81をモニタ14Aに出力して表示させる(St46)。
【0185】
プロセッサ11Aは、カメラ13Aから出力された撮像画像に基づいて、ユーザの生体部位の傾きであるピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれが所定範囲内である状態が3秒以上継続したか否かを判定する(St47)。
【0186】
なお、継続時間「3秒」は、一例であって、これに限定されない。プロセッサ11Aは、ユーザに現在の生体部位の傾きが生体認証に適した傾きである旨を通知する間、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれが所定範囲内である、つまり、生体部位の傾きが維持されたままであるか否かを判定可能な時間であればよい。また、プロセッサ11Aは、ステップSt47の処理において、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれが所定範囲内であるか否かの判定処理を、任意の間隔(例えば、1秒ごと等)で実行してよい。
【0187】
プロセッサ11Aは、ステップSt47の処理において、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内である状態が3秒以上継続したと判定した場合(St47,YES)、カメラ13Aにより撮像された撮像画像のうちいずれか生体認証に用いられる生体画像を取得する(St48)。
【0188】
なお、生体画像として取得される撮像画像は、ステップSt42~ステップSt47の処理において撮像された撮像画像であってもよいし、ステップSt47の処理の後に撮像された撮像画像であってもよい。また、生体画像として取得される撮像画像は、撮像された撮像画像のうちピッチ角θpと基準角度との間の角度差、および、ロール角θrと基準角度との間の角度差のそれぞれが最も小さい撮像画像、撮像画像に写る指紋等の生体部位に最もピントが合っている撮像画像等であってよい。
【0189】
一方、プロセッサ11Aは、ステップSt47の処理において、ピッチ角θpおよびロール角θrのそれぞれの角度差が所定範囲内である状態が3秒以上継続しないと判定した場合(St47,NO)、ステップSt41の処理に戻る。
【0190】
プロセッサ11Aは、取得された生体画像を通信部10Aに出力し、サーバS1に送信させる(St49)。なお、プロセッサ11Aは、生体画像の代わりに生体画像から抽出された生体データを送信してもよい。
【0191】
プロセッサ21は、端末装置P1Aから送信された生体画像を用いて、生体認証(ユーザ認証)を実行する(St50)。プロセッサ21は、取得された生体画像と、生体データベースDB1Aに登録された少なくとも1人の生体画像とを照合して生体認証を実行し、生体認証結果を生成し、端末装置P1Aに送信する。なお、プロセッサ21は、端末装置P1Aから送信された生体データと、生体データベースDB1Aに登録された生体データとを用いて、生体認証を実行してもよい。
【0192】
以上により、実施の形態1の変形例に係る生体認証システム100は、ピッチ角=0(ゼロ)°、ロール角=0(ゼロ)°を基準角度に設定していない状態、つまり、カメラ13のイメージセンサ(不図示)の受光面と略平行な状態で取得されていない生体画像が事前に登録されている場合であっても、生体画像の取得に用いられる基準角度を登録済みの生体画像に対応する基準角度に設定することで、登録済みの生体画像との生体認証に適した生体画像の取得を支援できる。これにより、生体認証システム100は、生体認証精度の低下をより効果的に抑制できる。
【0193】
以上により、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1A(生体画像取得支援装置,コンピュータの一例)は、ユーザ(被写体の一例)の生体部位(例えば、指先、指あるいは掌等)が撮像された撮像画像Imgを取得する通信部10,10A(取得部の一例)と、取得された撮像画像Imgに基づいて、基準角度に対する生体部位の傾きを算出するプロセッサ11,11A(算出部の一例)と、生体部位の傾きが基準角度に対して所定範囲内でないと判定した場合、生体部位の傾きに関する情報と撮像画像Imgとを含む第2フィードバック表示画面(姿勢誘導画面の一例)を生成して、モニタ14,14Aに出力するプロセッサ11,11A(制御部の一例)と、を備える。
【0194】
これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体認証に用いられる生体部位を撮像した生体画像の取得において生体認証に適した生体画像を取得するための基準角度に対する生体部位の傾き(角度差)が、生体認証に利用可能な所定範囲内でないと判定した場合、算出された生体部位の傾きに関する情報と、生体部位が撮像された撮像画像Imgとを対応付けた第2フィードバック表示画面を生成することで、ユーザに生体部位の傾きを通知できるとともに、生体認証に適した生体画像を取得するための支援を実行できる。
【0195】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおける生体部位の傾きに関する情報は、生体部位の傾き方向を示す情報を含む。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体部位が傾いている方向をユーザに可視化して通知し、生体認証に適した生体画像を取得するための支援を実行できる。
【0196】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおける生体部位の傾きに関する情報は、生体部位の傾き方向および傾きの大きさの情報を含む。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体部位が傾いている方向と、傾いている角度の大きさとをユーザに可視化して通知し、生体認証に適した生体画像を取得するための支援を実行できる。
【0197】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおける生体部位の傾きに関する情報は、ユーザに生体部位を傾けさせる方向を示す情報を含む。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体部位を傾けるべき方向をユーザに可視化して通知し、生体認証に適した生体画像を取得するための支援を実行できる。
【0198】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおける生体部位の傾きに関する情報は、ユーザに生体部位を傾けさせる方向および大きさを示す情報を含む。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体部位を傾けるべき方向と、傾けるべき角度の大きさとをユーザに可視化して通知し、生体認証に適した生体画像を取得するための支援を実行できる。
【0199】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおけるプロセッサ11,11Aは、撮像画像Imgが撮像されたカメラ13のイメージセンサの受光面に対する生体部位の傾きを算出する。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体認証に用いられる生体部位とイメージセンサの受光面との角度差が所定範囲内である生体画像を取得可能に支援できる。
【0200】
また、実施の形態1の変形例に係る端末装置P1Aにおける通信部10Aは、ユーザの他の撮像画像(例えば、顔画像データベースDB2に登録されたユーザの撮像画像)に写る生体部位の傾きに関する情報を取得する。プロセッサ11,11Aは、他の撮像画像に写る生体部位の傾きを基準角度に設定し、基準角度に対する生体部位の傾きを算出する。これにより、実施の形態1の変形例に係る端末装置P1Aは、生体部位が傾いた状態で撮像され、既に登録済みの生体画像がある場合には、この登録済みの生体画像に写る生体部位の傾きを基準角度に設定することで、登録済みの生体画像に写る生体部位との生体認証精度を向上可能な生体画像の取得を支援できる。
【0201】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおける所定範囲は、基準角度に対して-5°以上、+5°以下である。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、イメージセンサの受光面と生体部位とが略平行な状態で撮像され、生体認証により適した生体画像の取得を支援できる。
【0202】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおける取得された撮像画像Imgからユーザの生体部位の複数の関節点JNTを検出可能なプロセッサ11,11A(検出部の一例)と、をさらに備える。プロセッサ11,11Aは、検出された複数の関節点JNTの位置に基づいて、基準角度に対する生体部位の傾きを算出する。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体部位の傾きをより高精度に算出できる。
【0203】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおける生体部位の傾きは、ピッチ軸PLp(第1方向の一例)と、ピッチ軸PLpと略直交するロール軸PLr(第2方向の一例)とに基づいて、算出される。プロセッサ11,11Aは、複数の関節点のうちピッチ軸PLpに沿ういずれか2点の関節点の位置と、複数の関節点のうちロール軸PLrに沿ういずれか2点の関節点の位置とに基づいて、生体部位の傾きを算出する。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、撮像画像に写る生体部位の写り方としての生体部位の傾きを算出できる。
【0204】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおけるプロセッサ11,11Aは、生体部位がいずれか1本の指(例えば、指紋)である場合、この1本の指のいずれか2点以上の関節点の位置と、いずれか2本の指の指先の関節点の位置とに基づいて、生体部位の傾きを算出する。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体認証の対象であるいずれかの指の傾きが生体認証に適した生体画像を取得可能な傾きであるかを判定できる。
【0205】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおけるプロセッサ11,11Aは、生体部位がいずれか1本の指(例えば、静脈)である場合、この1本の指のいずれか2点以上の関節点の位置と、いずれか2本の指の第2関節の位置とに基づいて、生体部位の傾きを算出する。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体認証の対象であるいずれかの指の傾きが生体認証に適した生体画像を取得可能な傾きであるかを判定できる。
【0206】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおけるプロセッサ11,11Aは、生体部位が掌(例えば、掌紋)である場合、手首の関節点の位置と、人差し指、中指または薬指のいずれかの関節点の位置と、小指の付け根の関節点の位置と、人差し指の付け根または親指のいずれかの関節点の位置とに基づいて、生体部位の傾きを算出する。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体認証の対象である掌の傾きが生体認証に適した生体画像を取得可能な傾きであるかを判定できる。
【0207】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおけるプロセッサ11,11Aは、生体部位のうち指の複数の関節点のうち隣り合う2点の関節点間の距離を指ごとに算出する。プロセッサ11,11Aは、算出された2点の関節点間の距離に基づいて、指が曲がっているか否かを判定し、指が曲がっていると判定した場合、指を開くように指示する指示情報と、生体部位の傾きに関する情報と、撮像画像Imgとを含む第2フィードバック表示画面を生成して、モニタ14,14Aに出力する。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体部位の傾きだけでなく、生体部位の指の曲がりを検出でき、生体認証により適した生体画像の取得を支援できる。
【0208】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおけるプロセッサ11,11Aは、生体部位の傾きが基準角度に対して所定範囲内であると判定した場合、生体部位の傾きが所定範囲内である旨を通知する第1フィードバック表示画面(通知画面の一例)を生成して、モニタ14,14Aに出力する。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体部位の傾きが生体認証に適していることをユーザに通知できる。
【0209】
また、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aにおけるプロセッサ11,11Aは、生体部位の傾きが所定範囲内である撮像画像Imgを取得し、指紋データベースDB1(記憶媒体の一例)に出力して格納する。これにより、実施の形態1および実施の形態1の変形例に係る端末装置P1,P1Aは、生体認証に適した生体画像のみを取得し、生体認証に用いられる生体画像として登録することができる。
【0210】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0211】
本開示は、非接触状態において、非接触状態において、生体認証により適した生体データの取得を支援する生体画像取得支援装置および生体画像取得支援方法の提示として有用である。
【符号の説明】
【0212】
10,10A,20 通信部
11,11A,21 プロセッサ
12,12A,22 メモリ
13,13A カメラ
14,14A モニタ
15 操作部
100 生体認証システム
DB1 指紋データベース
DB1A 生体データベース
DB2 顔画像データベース
P1,P1A 端末装置
S1 サーバ
Sc11,Sc22,Sc32,Sc43,Sc52,Sc62,Sc72,Sc82 第1フィードバック表示画面
Sc12,Sc13,Sc14,Sc15,Sc21,Sc31,Sc41,Sc42,Sc51,Sc61,Sc71,Sc81 第2フィードバック表示画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12