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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171219
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】精米設備
(51)【国際特許分類】
   B02B 7/00 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
B02B7/00 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088179
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】391055025
【氏名又は名称】株式会社タイワ精機
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】成川 栄一
(72)【発明者】
【氏名】田中 敏晴
(72)【発明者】
【氏名】堀 武雄
(72)【発明者】
【氏名】川端 英臣
(72)【発明者】
【氏名】岩井 通和
(72)【発明者】
【氏名】越智 輝久
【テーマコード(参考)】
4D043
【Fターム(参考)】
4D043MA01
4D043MA07
4D043MA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】胚芽の削取を防止し、ユーザ所望の精白度による精米処理が可能な精米設備を提供する。
【解決手段】玄米を精米する精米部を備え、精米部は、玄米タンクと、精白室と、精白室へと玄米を繰り出して供給するロータリバルブと、圧力板とを備え、精白室内に、玄米を攪拌して精白する精白ロールと、攪拌された玄米と干渉して精米を行う精米スクリーンとを備え、玄米の供給量を調節する供給量調節部と、圧力板の圧力を調節する圧力調節部を制御する制御部とを備え、制御部は、供給量調節部による供給量及び圧力調節部による圧力の制御量に基づき精米処理を行う通常モードと、玄米の供給量を通常モードよりも低減すると共に圧力板の圧力を通常モードよりも増加して精米処理を行う無洗米モードと、玄米の供給量を前記無洗米モードと同等にすると共に圧力板の圧力を無洗米モードの圧力より低減させて精米処理する胚芽保護モードとを実行可能に構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された玄米を精米する精米部を備え、
前記精米部は、玄米を貯留する玄米タンクと、玄米を精白する精白室と、前記玄米タンクから前記精白室へと玄米を繰り出して供給するロータリバルブと、前記精白室の流出口に設けられた圧力板とを備え、
前記精白室内に、回転により玄米を攪拌して精白する精白ロールと、前記精白ロールを囲うようにして配設され、攪拌された玄米と干渉して精米を行う精米スクリーンとを備え、
前記精白室への玄米の供給量を調節する供給量調節部と、前記圧力板の圧力を調節する圧力調節部を制御する制御部とを備えた精米設備であって、
前記制御部は、複数の制御モードで精米処理を実行可能に構成されており、予め設定された前記供給量調節部による供給量及び前記圧力調節部による圧力の制御量に基づき精米処理を行う通常モードと、
前記供給量調節部で玄米の供給量を前記通常モードよりも低減すると共に前記圧力調節部で前記圧力板の圧力を前記通常モードよりも増加して精米処理を行う無洗米モードと、
前記供給量調節部で玄米の供給量を前記無洗米モードと同等にすると共に前記圧力調節部で前記圧力板の圧力を前記無洗米モードの圧力より低減させて精米処理する胚芽保護モードとを実行可能に構成されたことを特徴とする精米設備。
【請求項2】
投入された玄米を精米する精米部を備え、
前記精米部は、玄米を貯留する玄米タンクと、玄米を精白する精白室と、前記玄米タンクから前記精白室へと玄米を繰り出して供給するロータリバルブと、前記精白室の流出口に設けられた圧力板とを備え、
前記精白室内に、回転により玄米を攪拌して精白する精白ロールと、前記精白ロールを囲うようにして配設され、攪拌された玄米と干渉して精米を行う精米スクリーンを備え、
前記精白室への玄米の供給量を調節する供給量調節部と、前記圧力板の圧力を調節する圧力調節部を制御する制御部とを備えた精米設備であって、
前記制御部は、複数の制御モードで精米処理を実行可能に構成されており、予め設定された前記供給量調節部による供給量及び前記圧力調節部による圧力の制御量に基づき精米処理を行う通常モードと、
前記供給量調節部で玄米の供給量を前記通常モードよりも低減すると共に前記圧力調節部で前記圧力板の圧力を前記通常モードの圧力よりも増加して精米処理を行う無洗米モードと、
前記供給量調節部で玄米の供給量を前記無洗米モードよりも低減すると共に前記圧力調節部で前記圧力板の圧力を前記無洗米モードの圧力よりも低減して精米処理する胚芽保護モードとを実行可能に構成されたことを特徴とする精米設備。
【請求項3】
前記制御部は、選択スイッチの操作に応じて、前記通常モードと、前記無洗米モードと、前記胚芽保護モードとを選択して実行開始可能に構成され、かつ、前記通常モードによる精米処理の実行開始前または実行中、仕上げの精白度を、標準とするか分搗きとするか適宜選択可能に構成され、また、
前記無洗米モードまたは前記胚芽保護モードによる精米処理の実行中においては、他の制御モードへの切り替えを規制するよう構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の精米設備。
【請求項4】
前記制御部は、白米を再精米する再精米モードをさらに備え、選択スイッチの操作に応じて、前記通常モードと、前記無洗米モードと、前記胚芽保護モードと、前記再精米モードとを選択して実行開始可能に構成され、かつ、前記通常モードによる精米処理の実行開始前または実行中、仕上げの精白度を、標準とするか分搗きとするか適宜選択可能に構成され、かつ、前記再精米モードは、仕上げの精白度が、前記通常モードにおける分搗きの精白度と同等となるように精米処理するよう構成されており、
前記再精米モードによる精米処理の実行中においては、他の制御モードへの切り替えを規制するよう構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の精米設備。
【請求項5】
前記精白ロールの攪拌速度を調節する攪拌速度調節部を備え、
前記制御部は、前記胚芽保護モードによる精米処理の実行中においては、前記攪拌速度調節部による攪拌速度を増加して精米処理を実行するよう構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の精米設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精米設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の精米設備として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
この従来の精米設備は、屋根及び四方の側壁を備えた簡易的な建屋内に、玄米の投入を受ける玄米投入部と、玄米に含まれる異物を除去する異物除去部と、投入された玄米を精米する精米部と、白米を取り出すための白米取出部とを備えている。
【0003】
また、上記精米部として、例えば、特許文献2に記載のものが知られている。
この従来の精米部は、玄米を精白する精白室内にて、精白ロールを回転させて玄米を攪拌し、精白室内側に配設された網に干渉させて精米する仕組みとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-36961号公報
【特許文献2】特開平11-104504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで近年、コロナ禍による健康意識の高まりを受け、玄米の栄養素が再び着目を浴びている。とりわけ、玄米に含まれる胚芽は、微量栄養素(無機質、ビタミン)や食物繊維を多く含んでおり、多くの健康効果が期待されているところである。
【0006】
しかしながら、従来の精米設備によれば、精米処理の過程で、胚芽が削り取られてしまい、胚芽に含まれる栄養素が失われてしまう問題があった。また、胚芽を残そうと精米処理における精白度(単に、白度ともいう。)を下げると、精米が不十分となるおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題に鑑み、精米処理時における胚芽の削取を防止しつつ、ユーザ所望の精白度による精米処理が可能な精米設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、
投入された玄米を精米する精米部を備え、
前記精米部は、玄米を貯留する玄米タンクと、玄米を精白する精白室と、前記玄米タンクから前記精白室へと玄米を繰り出して供給するロータリバルブと、前記精白室の流出口に設けられた圧力板とを備え、
前記精白室内に、回転により玄米を攪拌して精白する精白ロールと、前記精白ロールを囲うようにして配設され、攪拌された玄米と干渉して精米を行う精米スクリーンとを備え、
前記精白室への玄米の供給量を調節する供給量調節部と、前記圧力板の圧力を調節する圧力調節部を制御する制御部とを備えた精米設備であって、
前記制御部は、複数の制御モードで精米処理を実行可能に構成されており、予め設定された前記供給量調節部による供給量及び前記圧力調節部による圧力の制御量に基づき精米処理を行う通常モードと、
前記供給量調節部で玄米の供給量を前記通常モードよりも低減すると共に前記圧力調節部で前記圧力板の圧力を前記通常モードよりも増加して精米処理を行う無洗米モードと、
前記供給量調節部で玄米の供給量を前記無洗米モードと同等にすると共に前記圧力調節部で前記圧力板の圧力を前記無洗米モードの圧力より低減させて精米処理する胚芽保護モードとを実行可能に構成されたことを特徴とする精米設備を提供する。
【0009】
上記第1の発明によれば、胚芽保護モードは、供給量調節部で玄米の供給量を前記無洗米モードと同等にすると共に圧力調節部で圧力板の圧力を無洗米モードの圧力より低減させて精米処理するため、精白室内の穀粒の密度を低減し(充填率を下げる)、穀粒の長手方向の向きが、進行方向(精白ロールに沿う方向)に揃いやすくなる。その結果、精米スクリーンへの穀粒の側面の接触や玄米同士の摩擦作用によりユーザ所望の精白度を実現しつつ、胚芽が存在する穀粒の先端が精米スクリーンに接触したり玄米同士で穀粒先端にある胚芽を除いてしまうことを防ぐことができる。したがって、胚芽の削取を防止した精米処理が可能となる。加えて、玄米同士の摩擦作用を低減させ、胚芽の削取の防止だけでなく、仕上げ米のうまみ層を残し、食味を良好に仕上げることができる。
【0010】
第2の発明は、
投入された玄米を精米する精米部を備え、
前記精米部は、玄米を貯留する玄米タンクと、玄米を精白する精白室と、前記玄米タンクから前記精白室へと玄米を繰り出して供給するロータリバルブと、前記精白室の流出口に設けられた圧力板とを備え、
前記精白室内に、回転により玄米を攪拌して精白する精白ロールと、前記精白ロールを囲うようにして配設され、攪拌された玄米と干渉して精米を行う精米スクリーンを備え、
前記精白室への玄米の供給量を調節する供給量調節部と、前記圧力板の圧力を調節する圧力調節部を制御する制御部とを備えた精米設備であって、
前記制御部は、複数の制御モードで精米処理を実行可能に構成されており、予め設定された前記供給量調節部による供給量及び前記圧力調節部による圧力の制御量に基づき精米処理を行う通常モードと、
前記供給量調節部で玄米の供給量を前記通常モードよりも低減すると共に前記圧力調節部で前記圧力板の圧力を前記通常モードの圧力よりも増加して精米処理を行う無洗米モードと、
前記供給量調節部で玄米の供給量を前記無洗米モードよりも低減すると共に前記圧力調節部で前記圧力板の圧力を前記無洗米モードの圧力よりも低減して精米処理する胚芽保護モードとを実行可能に構成されたことを特徴とする精米設備を提供する。
【0011】
上記第2の発明によれば、胚芽保護モードは、前記供給量調節部で玄米の供給量を前記無洗米モードよりも低減すると共に前記圧力調節部で前記圧力板の圧力を前記無洗米モードの圧力よりも低減して精米処理するため、精白室内の穀粒の密度を低減し(充填率を下げる)、穀粒の長手方向の向きが、進行方向(精白ロールに沿う方向)に揃いやすくなる。その結果、精米スクリーンへの穀粒の側面の接触や玄米同士の摩擦作用によりユーザ所望の精白度を実現しつつ、胚芽が存在する穀粒の先端が精米スクリーンに接触したり玄米同士で穀粒先端にある胚芽を除いてしまうことを防ぐことができる。したがって、胚芽の削取を防止した精米処理が可能となる。加えて、玄米同士の摩擦作用を低減させ、胚芽の削取の防止だけでなく、仕上げ米のうまみ層を残し、食味を良好に仕上げることができる。
【0012】
第3の発明は、上記第1の発明又は第2の発明の構成に加え、
前記制御部は、選択スイッチの操作に応じて、前記通常モードと、前記無洗米モードと、前記胚芽保護モードとを選択して実行開始可能に構成され、かつ、前記通常モードによる精米処理の実行開始前または実行中、仕上げの精白度を、標準とするか分搗きとするか適宜選択可能に構成され、また、
前記無洗米モードまたは前記胚芽保護モードによる精米処理の実行中においては、他の制御モードへの切り替えを規制するよう構成されたことを特徴とする精米設備を提供する。
【0013】
上記第3の発明によれば、通常モードの実行中においては、利用者が精米処理の状況を見ながら分搗きから標準にわたって好みの精白度に調節ができる。また、無洗米モードや胚芽保護モードといういわば特別なモードの実行中は精米処理の途中で誤操作での変更による精白米に大きな斑ができる等の品質の不具合を防止できる。
【0014】
第4の発明は、上記第1の発明又は第2の発明の構成に加え、
前記制御部は、白米を再精米する再精米モードをさらに備え、選択スイッチの操作に応じて、前記通常モードと、前記無洗米モードと、前記胚芽保護モードと、前記再精米モードとを選択して実行開始可能に構成され、かつ、前記通常モードによる精米処理の実行開始前または実行中、仕上げの精白度を、標準とするか分搗きとするか適宜選択可能に構成され、かつ、前記再精米モードは、仕上げの精白度が、前記通常モードにおける分搗きの精白度と同等となるように精米処理するよう構成されており、
前記再精米モードによる精米処理の実行中においては、他の制御モードへの切り替えを規制するよう構成されたことを特徴とする精米設備を提供する。
【0015】
上記第4の発明によれば、通常モードの実行中においては、利用者が精米処理の状況を見ながら分搗きから標準にわたって好みの精白度に調節ができ、再精米モードの実行中には、精米処理の途中で誤操作での変更による砕米の発生等による精白室内の詰まりを防止することができる。
【0016】
第5の発明は、前記精白ロールの攪拌速度を調節する攪拌速度調節部を備え、
前記制御部は、前記胚芽保護モードによる精米処理の実行中においては、前記攪拌速度調節部による攪拌速度を増加して精米処理を実行するよう構成されたことを特徴とする上記第1の発明又は第2の発明に記載の精米設備を提供する。
【0017】
上記第5の発明によれば、攪拌速度を増加させたことにより、精白室内を進む玄米の速度に対して、精白ロールの周速度の比率を高くし、かつ、穀粒の直進性を増加させることで、さらに良好に、穀粒の長手方向の向きを進行方向に揃えることができる。その結果、精米スクリーンへの穀粒の側面の接触や玄米同士の摩擦作用によりユーザ所望の白度を実現しつつ、胚芽が存在する穀粒の先端が精米スクリーンに接触したり玄米同士で胚芽を除いてしまうことを防ぐことができる。したがって、胚芽の削取を防止した精米処理が可能となる。加えて、玄米同士の摩擦作用を低減させ、胚芽の削取の防止だけでなく、仕上げ米のうまみ層を残し、食味を良好に仕上げることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、精米処理時における胚芽の削取を防止しつつ、ユーザ所望の精白度による精米処理が可能な精米設備を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施の形態にかかる精米設備の外観斜視図である。
図2図2は、図1の精米設備の精米処理に係る概略システム構成図である。
図3図3は、図1の精米設備の屋内平面図である。
図4図4は、図3の仕切壁を客室側から視た正面図である。
図5図5は、図2の精米部の要部の概略縦断面図である。
図6図6は、図5のA-A線断面図である。
図7図7は、図1の精米設備Aの精米部の制御系の構成を示すブロック図である。
図8図8は、制御部によって実行される各モードの制御量を纏めた一覧表を示す図である。
図9図9は、胚芽保護モードにおける精米処理時の図2の精米部の要部の概略縦断面図である。
図10図10は、図9のA-A線断面図である。
図11図11(a)は、通常モードにおける精白室9周辺の要部拡大断面図であり、図11(b)は、胚芽保護モードにおける精白室9周辺の要部拡大断面図である。
図12図12は、図4の操作盤周辺の要部拡大図である。
図13図13は、別実施例の制御部によって実行される各モードの制御量を纏めた一覧表を示す図である。
図14図14は、別実施例2の制御部によって実行される各モードの制御量を纏めた一覧表を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<1.精米設備の構成>
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について、以下に図面を参照しつつ説明する精米設備Aの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる精米設備Aの外観斜視図である。
【0021】
精米設備Aは、図1に示されるように、屋根及び四方の側壁を備えた簡易的な建屋として構成されており、建屋の正面にユーザが使用する正面口a1が設けられ、側方に作業者が使用する裏口a2が設けられている。
【0022】
図2は、精米設備Aの精米処理に係る概略システム構成図(側面視)である。
図2に示されるように、精米設備Aは、玄米の処理経路の上手側から順に、玄米の投入を受ける玄米投入部S1と、玄米に含まれる異物を除去する異物除去部S2と、投入された玄米を精米する精米部S3と、白米(精米された玄米、精白米ともいう。)を取り出すための白米取出部S4とを備えている。また、玄米投入部S1と異物除去部S2間には、第1昇穀機E1が、異物除去部S2と精米部S3間には、第2昇穀機E2がそれぞれ設けられており、玄米を上方へと搬送するよう構成されている。
【0023】
玄米投入部S1は、ユーザが持参した玄米を投入する略漏斗形状の投入ホッパ1を備え、投入ホッパ1に投入された玄米を第1昇穀機E1へと受け渡すよう構成されている。また、詳述しないが、投入ホッパ1の投入ホッパ1の投入面を閉鎖・開放する開閉扉1a、精米処理に必要な設定量(例えば、3kg)の穀物の有無を検出するための穀物有無センサ1b等を備えている。
【0024】
異物除去部S2は、玄米に混じる石を選別する石抜機2、玄米に混じる藁屑等の長尺異物を選別する異物除去装置3を備え、第1昇穀機E1から異物除去部S2に供給された玄米は、石抜機2から異物除去装置3を経て、第2昇穀機E2へと受け渡される。
【0025】
精米部S3は、玄米を一時貯留する玄米タンク4、玄米タンク4内の玄米を繰り出すロータリバルブ5、玄米を精米処理する精米機6、精米機6で精米処理して発生した糠を吸引する除糠ファン7を備えている。精米部S3について、詳細は、後述する。第2昇穀機E2から玄米タンク4へと供給された玄米は、ロータリバルブ5から繰り出されて、精米機6へと供給され、精米処理された後、白米取出部S4へ受け渡される。
【0026】
白米取出部S4は、精米部S3によって精米処理された白米を受ける略漏斗形状の白米タンク8を備え、この白米タンク8から白米を取り出し可能となっている。
【0027】
図3は、図1の精米設備Aの屋内平面図である。
精米設備Aの屋内は、図3に示されるように、仕切壁a3によって、ユーザが滞在する客室a4と、各種機器が配置される機械室a5に分けられている。客室a4は、正面口a1から、機械室a5は、裏口a2から出入り可能となっている。機械室a5側には、上述の投入ホッパ1、石抜機2、異物除去装置3、玄米タンク4、ロータリバルブ5、精米機6、除糠ファン7、白米タンク8等が配設されている。
【0028】
図4は、図3の仕切壁a3を客室a4側から視た正面図である。
この仕切壁a3には、開閉扉1aが配設されるとともに、白米タンク8に臨むように精白米の取出口a6が設けられ、ユーザが開閉扉1aから玄米を投入し、また、取出口a6から精白米を取り出せるよう構成されている。また、仕切壁a3の略中央部分には、ユーザの操作を受け付ける操作盤Sと、料金投入を受ける料金投入口Gが設けられている。詳細は、後述するが、操作盤Sには、ユーザの操作を受け付ける選択スイッチSWが設けられている。
【0029】
<2.精米部S3の構成>
図5は、図2の精米部S3の要部の概略縦断面図である。また、図6は、図5のA-A線断面図である。精米部S3は、図5に示されるように、玄米を精白する精白室9を備え、この精白室9と玄米タンク4を連通する供給路10内に、ロータリバルブ5が配設されている。
【0030】
このロータリバルブ5は、回動により、玄米タンク4内に貯留された玄米を、精白室9へと所定量ずつ繰り出すよう構成されている。したがって、ロータリバルブ5の回動速度に応じて、精白室9への単位時間当たりの玄米の供給量が決定される。このロータリバルブ5を回転駆動するバルブモータM1は、後述する制御部Cによって制御される。その結果、制御部Cは、バルブモータM1の制御によって、精米部S3(精白室9)への玄米の供給量をコントロール可能となっている。なお、上述のロータリバルブ5、バルブモータM1は、精白室9への玄米の供給量を調節する供給量調節部J1を構成する。
【0031】
精白室9は、駆動用モータM2によって回転駆動する回転軸11をその内部に備えており、この回転軸11上に、玄米の搬送方向F1の上手側から順に、ロータリバルブ5から落下供給された玄米を搬送して精白室9へと送出する搬送ロール12と、精白室9内の玄米を攪拌して精白する精白ロール13が設けられている。
【0032】
搬送ロール12は、螺条が設けられており、これにより、回転軸11が回転すると、軸の長手方向に沿って玄米を搬送するとともに、供給路10から精白室9内へと玄米を送出する仕組みとなっている。なお、搬送ロール12による玄米の搬送速度は、ロータリバルブ5による玄米の供給速度よりも十分に早いものとなっている。
【0033】
また、精白室9内には、板面に網目状にスリットが形成された精米スクリーン14が、精白ロール13を囲うようにして配設されている。この精米スクリーン14は、図6に示されるように、断面正六角形状に形成されている。また、本発明の好ましい実施形態における精米スクリーン14のサイズは、例えば、幅W1=100mm(ミリ)、高さW2=120mm(ミリ)、奥行きW3=400mm(ミリ)である。なお、本実施の形態における精白室9は、供給側を上位置とし、流出側を下位置とする傾斜姿勢となっている。
【0034】
精白ロール13には、玄米を攪拌するための攪拌羽根13aが、精白ロール13の長手方向に沿って、周面から突出するように形成されている。なお、図6中の矢線F2は、精白ロール13の回転方向を示している。また、精白ロール13の周速度(攪拌羽根13a先端の速度Vsを指す。以下同じ)は、後述する制御部Cによって、駆動用モータM2が駆動制御されることでコントロール可能となっている。その結果、制御部Cは、駆動用モータM2の制御によって、精白ロール13の攪拌速度をコントロール可能となっている。ここで、攪拌速度とは、精白ロール13の単位時間当たりの回転数(min-1)を指す。なお、精白ロール13の周速度及び攪拌速度が上昇すると、精白室9内の玄米の直進速度も上昇する。その結果、玄米の精白速度(精白される速さ)も向上する。なお、上述の回転軸11、精白ロール13、駆動用モータM2は、精白室9内における攪拌速度調節部J2を構成する。
【0035】
このように、精白ロール13が回転すると、精白室9の精米スクリーン14内の玄米が、攪拌されつつ直進しながら、精米スクリーン14の板面と干渉することで粒々摩擦により精白(精米)される仕組みとなっている。
【0036】
精白室9下部には、白米を流出させる開口である流出口9aが設けられ、この流出口9aには、蓋をするようにして、精白室9側に付勢された圧力板15が配設されている。この圧力板15は、圧力支軸16を支点として回動自在に設けられた圧力アーム17の一端側に固定されており、圧力アーム17の他端側は、弾性スプリング18によって付勢されている。また、この弾性スプリング18による押圧力は、圧力調節モータM3の駆動によって進退する圧力調節ヘッド19の位置により調節される。なお、圧力調節モータM3は、後述する制御部Cによって駆動制御される。その結果、制御部Cは、圧力板15の圧力をコントロール可能となっている。
【0037】
ここで、精白室9において精白された玄米は、圧力板15の不勢力に抗して流出口9aから流出し、白米取出部S4の白米タンク8に供給される。したがって、圧力板15の圧力を大きくするほど、精白室9内部の圧力が高くなり、精白度が高くなる。逆に、圧力板15の圧力を小さくするほど、精白室9内部の圧力が低くなり、精白度が低くなる。なお、上述の圧力調節モータM3、圧力支軸16、圧力アーム17、圧力板15は、精白室9内の圧力を調節する圧力調節部J3を構成する。
【0038】
なお、精白室9の下方には、精白室9で発生した糠を吸引する除糠ファン7が設けられ、除糠ファン7の駆動により、精米処理によって生じた糠を適宜吸引して除去するよう構成されている。なお、除糠ファン7を駆動するファンモータM4は、制御部Cによって駆動制御される。
【0039】
<3.制御部Cの構成>
図7は、図1の精米設備Aの精米部S3の制御系の構成を示すブロック図である。
制御部Cは、演算処理を行うCPUと、演算処理に必要な情報を読み書き可能なメモリとを備えて構成された情報処理装置であり、メモリに記憶された各種制御プログラムに従ってCPUが動作することにより、図7中に機能ブロックとして記載された構成が実現される。なお、制御部CはCPUに代えてシーケンス制御でも良い。
【0040】
制御部Cの入力側には、選択スイッチSWが接続されており、制御部Cは、選択スイッチSWの操作情報を取得可能となっている。また、制御部Cの出力側には、供給量調節部J1、攪拌速度調節部J2、圧力調節部J3、除糠ファン7が接続されている。これにより、制御部Cは、供給量調節部J1によって、精白室9への玄米の供給量を、攪拌速度調節部J2によって、精白ロール13の攪拌速度を、圧力調節部J3によって、圧力板15の圧力を、除糠ファン7によって、糠の除去を、それぞれコントロール可能となっている。
【0041】
制御部Cは、制御量の異なる複数の制御モードで精米処理を実行可能に構成されている。図7に示されるように、制御部Cは、「通常モード」を実行する通常モード実行部c1と、「無洗米モード」を実行する無洗米モード実行部c2と、「胚芽保護モード」を実行する胚芽保護モード実行部c3と、「再精米モード」を実行する再精米モード実行部c4とを備えており、これらのモードを選択して実行するよう構成されている。
【0042】
図8は、制御部Cによって実行される各モードの制御量を纏めた一覧表を示す図である。図8においては、制御モード、制御項目、制御量が一覧で纏められており、図中のX(kg/hr)、P(MPa)、R(min-1)は、精米部S3の規模に応じて、設定される設定値であって、精米処理の基準となる制御量が設定される。なお、係る設定値は、精米処理前に、作業者によって予め設定される。本発明の好ましい実施形態における、これらの設定値として、例えば、X=380、P=1、R=900の値が設定される。この設定値は、すなわち、制御量として、1時間当たりの玄米供給量380kg、圧力板14の圧力1MPa、精白ロール13の回転数900min-1となるように制御されることを意味する。
【0043】
通常モード実行部c1は、通常モードを実行するプログラムであり、通常モードとは、通常の精米処理を行うモードである。また、通常モードにおいては、ユーザのニーズに応じて、仕上げの精白度の異なる標準、分搗き、上白の3種類の状態を切り替え可能となっている。なお、係る切り替えは、選択スイッチSWの操作によって行われる。
【0044】
図中の通常モード(標準)は、通常の精米処理を行う際の基準となる制御量が設定された制御モードであり、ロータリバルブ5の玄米の供給量X、圧力P、攪拌速度Rによって精米処理を行う。通常モード(分搗き)では、通常モード(標準)よりも、圧力Pを30%程度減じる。これにより、仕上げの精白度を下げることができる。通常モード(上白)では、通常モード(標準)よりも、圧力Pを20%程度増加させる。これにより、仕上げの精白度を上げることができる。
【0045】
無洗米モード実行部c2は、無洗米モードを実行するプログラムであり、無洗米モードとは、玄米を無洗米として仕上げるための制御モードである。無洗米モードにおいては、通常モード(標準)よりも、玄米の供給量を20%程度減じ、圧力Pを40%程度増加させる。これにより、仕上げの精白度を上げ、無洗米として仕上げることができる。
【0046】
胚芽保護モード実行部c3は、胚芽保護モードを実行するプログラムであり、胚芽保護モードとは、玄米の胚芽の削取を防止しながら精米処理を行う制御モードである。胚芽保護モードにおいては、仕上げの精白度の異なる標準、分搗きの2種類の状態を切り替え可能となっている。なお、係る切り替えは、選択スイッチSWの操作によって行われる。
【0047】
胚芽保護モード(標準)は、通常モード(標準)よりも、玄米の供給量を20%程度減じる。また、胚芽保護モード(標準)では、圧力を通常モード程度とし、また、胚芽保護モード(分搗き)では、圧力Pを30%程度減じる。
【0048】
次に、図9図11を用いて、胚芽保護モードの効果について説明する。図9は、胚芽保護モードにおける精米処理時の図2の精米部S3の要部の概略縦断面図である。図10は、図9のA-A線断面図である。また、図11(a)は、通常モードにおける精白室9周辺の要部拡大断面図であり、図11(b)は、胚芽保護モードにおける精白室9周辺の要部拡大断面図である。
【0049】
図9及び図11に示されるように、胚芽保護モード(標準)による精米処理時において、玄米の穀粒brは、玄米タンク4から、精白室9に供給されるが、通常モード(標準)よりも、玄米の供給量を20%程度減じるよう構成されている。
【0050】
ここで、図11(a)の通常モードにおける精白室9周辺の要部拡大断面図に示されるように、通常モードにおいては、精白室9内の穀粒brの密度が高い(充填率が上がる)ことにより、穀粒br向きがバラバラとなり、胚芽が存在する穀粒brの先端が精米スクリーン14に接触して、胚芽が削れやすくなる。また、精米スクリーンとの接触のみならず、粒々摩擦において、穀粒同士の向きがバラバラの場合、穀粒同士でも胚芽を取ってしまう作用が発生する。これに対して、胚芽保護モードにおいては、通常モード(標準)よりも、玄米の供給量を20%程度減じたことで、精白室9内の穀粒brの密度を低減し(充填率を下げる)、穀粒brの長手方向の向きが、進行方向(精白ロール13に沿う方向)に揃いやすくなる。その結果、精米スクリーン14への穀粒brの側面の接触や玄米同士の摩擦作用によりユーザ所望の精白度を実現しつつ、胚芽が存在する穀粒brの先端が精米スクリーン14に接触したり玄米同士で胚芽を除いてしまうことを防ぐことができる。したがって、胚芽の削取を防止した精米処理が可能となる。加えて、玄米同士の摩擦作用を低減させ、胚芽の削取の防止だけでなく、均一に玄米の表面を削ることで仕上げ米のうまみ層を残し、食味を良好に仕上げることができる。
【0051】
図7図8に戻り、再精米モード実行部c4は、再精米モードを実行するプログラムであり、再精米モードとは、一旦精米された玄米(すなわち白米)を、再度精米するための制御モードである。すなわち、白米は、精米後に時間が経過すると、表面が酸化して風味が落ちるため、この再精米モードによって、再精米することで、風味の劣化を改善することができる。
【0052】
再精米モードにおいては、通常モード(標準)よりも、圧力Pを30%程度低減させる。これにより、時間の経過により脆くなった白米の破米を防止することができる。加えて、白米の表面の削り過ぎを防止できる。
【0053】
<4.選択スイッチSWの構成>
図12は、図4の操作盤S周辺の要部拡大図である。
操作盤Sは、図12に示されるように、選択スイッチSWとして、上述の各制御モードに対応した押圧式のスイッチ(sw1~sw7)を複数備えており、制御部Cは、選択スイッチSWの操作情報を取得して、操作された選択スイッチSWと対応する上述の各制御モードを実行するよう構成されている。
【0054】
第1スイッチsw1は、通常モード(標準)を、第2スイッチsw2は、通常モード(分搗き)を、第3スイッチsw3は、通常モード(上白)を実行するスイッチである。また、第4スイッチsw1は、無洗米モードを実行するスイッチである。
【0055】
第5スイッチsw1は、胚芽保護モード(標準)を、第6スイッチsw6は、胚芽保護モード(分搗き)を実行するスイッチである。また、第7スイッチsw7は、再精米モードを実行するスイッチである。なお、第8スイッチsw8は、投入された玄米をユーザに返却するためのスイッチである。本実施の形態においては、図12に示されるように、通常モードの分搗きは1種類となっているが、これに限らず、例えばさらに3分・5分・8分と、複数の精白度それぞれに対応した選択スイッチSWが設けられても良い。
【0056】
ここで、制御部Cは、通常モードの実行中、選択スイッチSWの操作に応じて、通常モード(標準)、通常モード(分搗き)、通常モード(上白)の種類を適宜切り替え可能に構成されている。これにより、ユーザが仕上がりの白米を見ながら、精米処理中の玄米の精白度の微調整を行うことが可能となる。
【0057】
他方で、胚芽保護モード、再精米モードは、精米処理中、他のモードへの切り替えが規制されるよう構成されている。胚芽保護モードは、誤操作防止のため、また、再精米モードは、他のモードに切り替えたことにより、破米が生じて、精白室9が詰まることを防止するためである。なお、再精米モードは、専用のスイッチを設けたことにより、ユーザの誤操作が生じにくいよう構成されている。
【0058】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、前記した実施形態にのみ限定されない。技術的思想の範囲内で、適宜変更であることは言うまでも無い。例えば、図8において説明した制御部Cの制御量を以下のように構成することもできる。
【0059】
図13は、別実施形態の制御部Cによって実行される各モードの制御量を纏めた一覧表を示す図である。別実施形態の制御部Cは、図13に示されるように、胚芽保護モード(標準)のとき、玄米の供給量を、無洗米モードのときよりも少なく、かつ、通常モード(標準)よりも40%程度減じている。
【0060】
図13のように、胚芽保護モード(標準)の場合に、通常モード(標準)よりも、玄米の供給量を40%程度減じると、図8の実施形態以上に、精白室9内の穀粒brの密度を低減し(充填率を下げる)、穀粒brの長手方向の向きが、進行方向(精白ロール13に沿う方向)に揃いやすくなる。一方、図8の実施形態の場合には、図13の実施形態の場合に比べて精米処理に要する時間が短くなるという効果を奏するもので、精米設備の管理者は利用者の需要に合わせて予め供給量を選択して設定することができる。なお、胚芽保護モードが分搗きの場合には、通常モードの分搗きと略同等の精米処理をする。具体的には、分搗きの中でも後述するように分搗きの種類が複数ある場合に最も低い精白度(例えば後述の3分程度)で行うのが望ましい。これにより、分搗きで胚芽部分を残す場合に、どの程度の精白度を選択すれば良いかわからない利用者でも分かり易い。
【0061】
次に、制御部Cに関する別実施形態2を、図14に基づいて説明する。
図14は、別実施形態2の制御部Cによって実行される各モードの制御量を纏めた一覧表を示す図である。この実施形態2の場合、胚芽保護モードにおける精米処理時において、玄米の穀粒brは、玄米タンク4から、精白室9に供給されるが、このとき、通常モード(標準)よりも、玄米の供給量を20%(又は40%)程度減じ、攪拌速度を10%程度増加させるよう構成されている。
【0062】
胚芽保護モードにおいては、通常モード(標準)よりも、玄米の供給量を20%(又は40%)程度減じたことで、精白室9内の穀粒brの密度を低減し(充填率を下げる)、穀粒brの長手方向の向きが、進行方向(精白ロール13に沿う方向)に揃いやすくなる。さらに、攪拌速度を10%程度増加させたことにより、精白室9内を進む玄米の速度に対して、周速度Vsの比率を高くし、かつ、穀粒brの直進性を増加させることで、これらの相乗効果によって、さらに良好に、穀粒brの長手方向の向きを進行方向に揃えることができる。その結果、精米スクリーン14への穀粒brの側面の接触や玄米同士の摩擦作用によりユーザ所望の精白度を実現しつつ、胚芽が存在する穀粒brの先端が精米スクリーン14に接触したり玄米同士で胚芽を除いてしまうことをさらに良好に防ぐことができる。したがって、さらに好適に、胚芽の削取を防止した精米処理が可能としつつ、玄米同士の摩擦作用を低減させ、胚芽の削取の防止だけでなく、仕上げ米のうまみ層を残し、食味を良好に仕上げることができる。
【0063】
さらに別の実施形態においては、投入ホッパ1に配設した水分値検出センサにより、投入された玄米の水分値を検出し、水分値が所定値を下回るときは、攪拌速度を10%増加するようにし、所定値以上のときは、破米が起きにくいと判断されるため、10%よりも大なる増加率(40~50%程度)とするように構成されてもよい。さらに、このとき、水分値が大きいほど、大なる増加率となるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 投入ホッパ
1a 開閉扉
1b 穀物有無センサ
2 石抜機
3 異物除去装置
4 玄米タンク
5 ロータリバルブ
6 精米機
7 除糠ファン
8 白米タンク
9 精白室
9a 流出口
10 供給路
11 回転軸
12 搬送ロール
13 精白ロール
14 精米スクリーン
15 圧力板
16 圧力支軸
17 圧力アーム
18 弾性スプリング
19 圧力調節ヘッド
A 精米設備
a1 正面口
a2 裏口
a3 仕切壁
br 穀粒
S1 玄米投入部
S2 異物除去部
S3 精米部
S4 白米取出部
E1 第1昇穀機
E2 第2昇穀機
M1 バルブモータ
M2 駆動用モータ
M3 圧力調節モータ
M4 ファンモータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14