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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171235
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】部品実装装置及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/08 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088200
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 康一
(72)【発明者】
【氏名】郡司 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】森 秀雄
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353BC03
5E353EE29
5E353EE51
5E353GG01
5E353HH11
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353KK02
5E353KK03
5E353KK11
5E353KK21
5E353KK25
5E353QQ21
(57)【要約】
【課題】小型化が可能であり、電子部品の実装速度を高速化できる部品実装装置を提供する。
【解決手段】装着ヘッドが部品供給部から部品を取り出し、基板搬送路を基板搬送方向に搬送される第1の基板に部品を装着する部品実装装置であって、基板搬送方向と直交する直交方向に沿って部品供給部と基板搬送路との間に配置され、装着ヘッドで取り出された部品を下方から撮像する部品撮像カメラを有し、部品撮像カメラは、装着ヘッドで取り出された部品を照明する照明ユニットを有し、照明ユニットは、部品撮像カメラの光軸を包囲する環状に配置された少なくとも1つの第2の基板と、少なくとも1つの第2の基板において環状に実装された複数の発光素子と、第2の基板の直交方向に沿う部分のみに取り付けられた、複数の発光素子に電源を供給するための配線部品と、を有する、部品装着装置である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着ヘッドが部品供給部から部品を取り出し、基板搬送路を基板搬送方向に搬送される第1の基板に前記部品を装着する部品実装装置であって、
前記基板搬送方向と直交する直交方向に沿って前記部品供給部と前記基板搬送路との間に配置され、前記装着ヘッドで取り出された前記部品を下方から撮像する部品撮像カメラを有し、
前記部品撮像カメラは、前記装着ヘッドで取り出された前記部品を照明する照明ユニットを有し、
前記照明ユニットは、
前記部品撮像カメラの光軸を包囲する環状に配置された少なくとも1つの第2の基板と、
少なくとも1つの前記第2の基板において前記環状に実装された複数の発光素子と、
前記第2の基板の前記直交方向に沿う部分のみに取り付けられた、前記複数の発光素子に電源を供給するための配線部品と、を有する、
部品実装装置。
【請求項2】
前記第2の基板は、フレキシブル基板である、
請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記第2の基板は、リジッド部分とフレキシブル部分とを有するリジッドフレキシブル基板であり、
前記リジッドフレキシブル基板の前記リジッド部分に前記複数の発光素子が実装された、
請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記第2の基板は、リジッド部分とフレキシブル部分とを有するリジッドフレキシブル基板であり、
前記リジッドフレキシブル基板の前記リジッド部分に前記配線部品が取り付けられた、
請求項1又は3に記載の部品実装装置。
【請求項5】
前記第2の基板は、前記部品撮像カメラの前記光軸に略平行に配置された、
請求項1又は3に記載の部品実装装置。
【請求項6】
前記照明ユニットは、前記直交方向に沿う長さが前記基板搬送方向に沿う長さよりも短い、
請求項1又は3に記載の部品実装装置。
【請求項7】
装着ヘッドにより部品供給部から取り出され、基板搬送路を基板搬送方向に搬送される第1の基板に装着される部品を撮像する撮像装置であって、
前記基板搬送方向と直交する直交方向に沿って前記部品供給部と前記基板搬送路との間に配置され、
前記装着ヘッドで取り出された前記部品を下方から撮像し、
前記装着ヘッドで取り出された前記部品を照明する照明ユニットを有し、
前記照明ユニットは、
前記撮像装置の光軸を包囲する環状に配置された少なくとも1つの第2の基板と、
少なくとも1つの前記第2の基板において前記環状に実装された複数の発光素子と、
前記第2の基板の前記直交方向に沿う部分のみに取り付けられた、前記複数の発光素子に電源を供給するための配線部品と、を有する、
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品実装装置及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品を基板に装着(実装)する部品装着装置(部品実装装置)が知られている。また、部品装着装置により部品を装着する際に、電子部品の認識を行う部品認識方法が知られている。部品認識方法として、電子部品をノズルの吸着面に吸着・保持した状態で、電子部品に光を照射して撮像し、電子部品の画像を画像認識処理して装着する電子部品搭載装置の部品認識方法において、電子部品が部品認識装置の撮像部の視野内を横切る間に、数回にわたって電子部品を撮像して画像データを部品認識装置に取込み、複数の画像データを位置補正して合成し、合成によって得られた画像データを画像認識処理することが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-108563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の部品装着装置は、光を照射する照明手段を有し、照明手段の下方に撮像部を有する。この部品装着装置は、電子部品が部品認識装置の撮像部の視野内を横切る間につまり照明手段を横切る間に、光が照射された電子部品を撮像し、横切った後に所定の装着位置に電子部品が装着される。よって、照明手段における電子部品が横切る方向の長さを短縮できると、部品装着装置自体を小型化でき、電子部品を高速に認識して実装し得る。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、小型化が可能であり、電子部品の実装速度を高速化できる部品実装装置及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、装着ヘッドが部品供給部から部品を取り出し、基板搬送路を基板搬送方向に搬送される第1の基板に前記部品を装着する部品実装装置であって、前記基板搬送方向と直交する直交方向に沿って前記部品供給部と前記基板搬送路との間に配置され、前記装着ヘッドで取り出された前記部品を下方から撮像する部品撮像カメラを有し、前記部品撮像カメラは、前記装着ヘッドで取り出された前記部品を照明する照明ユニットを有し、前記照明ユニットは、前記部品撮像カメラの光軸を包囲する環状に配置された少なくとも1つの第2の基板と、少なくとも1つの前記第2の基板において前記環状に実装された複数の発光素子と、前記第2の基板の前記直交方向に沿う部分のみに取り付けられた、前記複数の発光素子に電源を供給するための配線部品と、を有する、部品装着装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、小型化が可能であり、電子部品の実装速度を高速化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態に係る部品装着装置の機械的構成を例示する上面図
図2】部品装着装置の機械的構成を例示する側面図
図3】移動ヘッド及び部品保持ノズルの動作を例示する斜視図
図4】部品認識カメラ及びヘッドユニットの機械的構成を例示する側面図
図5】部品認識カメラの側方照明部付近の機械的構成を模式的に例示する上面図
図6】発光素子の広指向角特性を説明するための図
図7】部品装着装置の制御部の機能的構成を例示するブロック図
図8】部品装着装置による動作例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0010】
例えば、実施の形態でいう「部」又は「装置」とは単にハードウェアによって機械的に実現される物理的構成に限らず、その構成が有する機能をプログラムなどのソフトウェアにより実現されるものも含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、又は2つ以上の構成の機能が例えば1つの物理的構成によって実現されていてもかまわない。
【0011】
(実施の形態1)
<部品実装装置の機械的構成について>
先ず、図1及び図2を参照しながら、部品実装装置1の機械的構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る部品実装装置1の機械的構成を例示する上面図である。図2は、図1に示す部品実装装置1の機械的構成を例示する側面図である。
【0012】
なお、説明の便宜上、部品実装装置1が設置される床面から高さ方向に延びる軸をZ軸とする。Z軸に対して垂直(つまり水平方向、床面に平行)かつ部品実装装置1の正面(図1の紙面の下側)から部品実装装置1の裏面(図1の紙面の上側)に向かう軸をY軸とする。Y軸及びZ軸に対して垂直な軸をX軸とする。また、説明の便宜上、Z軸の正方向を「上」、Z軸の負方向を「下」、Y軸の負方向を「前」、Y軸の正方向を「後」、と称する場合がある。なお、これらの方向に係る表現は、説明の便宜上用いられるものであって、当該構造の実使用時における姿勢を限定する意図ではない。
【0013】
部品実装装置1は、基板Wに各種の部品Pを取り付けて製造するための実装基板製造ラインに1つ又は複数配置されており、実装基板製造ラインの上流から搬送される基板Wに部品Pを所定の位置及び姿勢で装着(実装)する。
【0014】
図1及び図2に示すように、部品実装装置1は、主に各部機構の動作によって基板Wに部品P(例えば、IC(Integrated Circuit)、トランジスタ、コンデンサなどの電子部品、リード部品、チップ部品、又はBGA(Ball Grid Array)部品)などを実装する本体機構部10と、その動作を制御する制御部40と、を含んで構成される。本体機構部10は、基台12などから構成される実装機本体11と、実装機本体11に対し移動可能に構成されるヘッドユニット23と、を有する。なお、制御部40は、部品実装装置1の基台12(下述参照)の内部に収納されており、実装機本体11及びヘッドユニット23などの各種の機構を制御する。
【0015】
実装機本体11の基台12の中央部には、図1に示すX方向(基板Wの搬送方向)に沿って基板搬送機構13が配設される。基板搬送機構13は、X方向に沿って延設される一対のコンベア部14を有し、その一対のコンベア部14の上に載置される基板Wを搬送して所定の装着作業位置で位置決めして保持する。コンベア部14によって基板搬送路が形成される。
【0016】
基板搬送機構13の前後両側(図1の紙面で上下両側、図2の紙面で左右両側)には、前後一対の部品供給機構15のそれぞれが対向して配設される。この一対の部品供給機構15のそれぞれはスロット17が設けられるフィーダベース16を有しており、スロット17にはパーツフィーダとして複数のテープフィーダ18が並列に装着される。
【0017】
また、部品実装装置1は、フィーダカート19をさらに有する。フィーダカート19は、その下側に複数の車輪が配設される台車部20と、台車部20の上側に配設される複数のリールストック部(不図示)と、を含んで構成される。複数のリールストック部のそれぞれには、リール21が収容される。リール21のそれぞれから、部品Pが収容されるキャリアテープ22が引き出されて部品供給機構15のテープフィーダ18に部品Pが供給される。これにより、部品供給機構15のテープフィーダ18は、キャリアテープ22をテープ送り方向にピッチ送りすることにより、下述するヘッドユニット23の移動ヘッド26によって部品Pの取り出し(ピックアップ)が実行される取出位置に部品Pを供給する。
【0018】
ヘッドユニット23は、基台12の上方に配設されており、部品供給機構15と基板Wとが配置される装着作業位置及び取出位置とに亘って移動可能に構成される。具体的には、ヘッドユニット23は、基板Wの表面と略平行する平面上で互いに直交配置されるX軸テーブル機構25及びY軸テーブル機構24とによってX方向及びY方向に沿って直動移動可能である。
【0019】
基台12の上面には、Y軸テーブル機構24がY方向に沿って配設される。また、前後一対のX軸テーブル機構25がX方向に沿って配設されており、Y方向に沿ってスライド移動可能にY軸テーブル機構24のそれぞれに取り付けられる。また、前後一対のX軸テーブル機構25のそれぞれの先端部には、移動ヘッド26がX方向に沿ってスライド移動可能に取り付けられる。すなわち、実施の形態1では、ヘッドユニット23に移動ヘッド26が搭載されており、移動ヘッド26はX軸テーブル機構25及びY軸テーブル機構24によって互いに独立に移動可能に設けられる。これにより、移動ヘッド26は基板Wの表面と略平行する平面上、つまり水平面(XY平面)において任意に位置決めされる。なお、X軸テーブル機構25及びY軸テーブル機構24はいずれもリニアガイド駆動機構により構成される。
【0020】
前後一対の部品供給機構15と基板搬送機構13との間には、部品認識カメラ28が配設される。部品供給機構15から部品Pを取り出して保持した状態で移動ヘッド26に装着される部品保持ノズル27(下述参照)が部品認識カメラ28の上方を移動して通過する。このとき、部品認識カメラ28は、その通過する部品保持ノズル27に吸着保持された部品Pを所定のタイミングで照明して1回以上撮像する。この撮像結果を認識処理することにより、部品Pの識別及び位置検出が精度良く実行される。
【0021】
また、前後一対の部品供給機構15と基板搬送機構13との間には、ノズルホルダ38及び廃棄ボックス37がさらに配設される。ノズルホルダ38は、移動ヘッド26の部品保持ノズル27を保持対象の部品Pに対応して複数種類収納する。移動ヘッド26をノズルホルダ38にアクセスさせて所定のノズル交換動作を実行させることにより、移動ヘッド26には保持対象に適した部品保持ノズル27(下述)が装着される。廃棄ボックス37は箱状に形成されて内部空間を有し、その内部空間には、部品認識カメラ28によって撮像結果を認識した結果、不良と判定された部品Pなどが廃棄される。
【0022】
<移動ヘッドの構成及び動作について>
次に、図3を参照しながら、移動ヘッド26の構成及びその動作について説明する。図3は、図2に示す移動ヘッド26の動作を例示する斜視図である。
【0023】
移動ヘッド26は、1つの移動ヘッド又は複数の移動ヘッドを有する多連型ヘッドであり、それぞれの移動ヘッド26の下端部には複数の部品保持ノズル27が並設される。例えば、移動ヘッド26では、部品保持ノズル27が複数列(例えば2列)に複数個(例えば8個)ずつ設けられてよい。なお、移動ヘッド26では、部品保持ノズル27が一列に複数個(例えば8個)設けられてもよい。また、移動ヘッド26には、透過照明部34(下述参照)から照射される照明光を反射させるための反射板(不図示)が固設される。反射板は、保持された部品Pの上方に配置される。
【0024】
部品保持ノズル27のそれぞれは、例えば空気圧を利用して部品供給機構15のテープフィーダ18から部品Pを真空吸着して保持し個別に昇降する。また、移動ヘッド26は、部品保持ノズル27のそれぞれを個別に昇降させるZ軸昇降機構(不図示)と、部品保持ノズル27のそれぞれをノズル軸回りに個別に回転させるθ軸回転機構(不図示)と、をさらに有する。Y軸テーブル機構24及びX軸テーブル機構25が駆動することにより、移動ヘッド26は水平面(XY平面)において任意に位置決めされる。この移動により、移動ヘッド26は、部品供給機構15のテープフィーダ18の取出位置から部品Pを部品保持ノズル27によって吸着して取り出す。
【0025】
移動ヘッド26には、X軸テーブル機構25の下面側に配設され、移動ヘッド26と一体に移動する基板認識カメラ36(図1参照)が固設される。移動ヘッド26が移動することにより、基板認識カメラ36は、基板搬送機構13によって位置決めされた基板Wの上方を通過し基板Wを撮像する。この撮像結果(撮像情報)が同様に認識処理されることにより、基板Wの位置及び姿勢が検出される。
【0026】
基板Wの位置の検出結果、移動ヘッド26は、制御部40の指示に従ってその部品保持ノズル27によって部品Pをその装着点(例えば、基板W上における部品Pが装着されるべき装着位置及び装着姿勢)それぞれに装着する。この部品Pの1回あたりの装着は、移動ヘッド26の部品保持ノズル27のそれぞれによって吸着保持された部品Pがすべて基板W上に装着されるまで実行される。このようにして、部品Pは、取出位置から装着作業位置までの間を移動ヘッド26の部品保持ノズル27によって保持されて移動され、そして最終的に基板W上に装着される。
【0027】
部品実装装置1は、基板W上の複数の装着点での装着がすべて完了するまで、移動ヘッド26の部品保持ノズル27による複数の部品Pの取出、装着そして取出位置への戻り移動の一連の作業を繰り返し実行する。この作業の繰り返しにより、順次搬送される基板Wのそれぞれには多数の部品Pが順次装着され、装着後、部品Pが全部装着された基板Wは下流工程に搬送される。このように、実装機本体11とヘッドユニット23とは協調して動作しており、この協調動作は制御部40の指示によって実行される。
【0028】
また、実施の形態1では、部品Pの取出位置での取出から装着作業位置での部品Pの装着までの行きの移動と、その後の取出位置への戻りの移動とからなる一連の作業単位を「1ターン」の作業単位ともいう。そして、その1ターンにおける取出位置から装着作業位置での行きの移動を、以下単に「1ターンにおける行きの移動」ともいう。
【0029】
<部品認識カメラの構成>
次に、図4図6を参照しながら、部品認識カメラ28の構成について説明する。図4は、図2に示す部品認識カメラ28及びヘッドユニット23の機械的構成を例示する側面図である。図5は、部品認識カメラ28の側方照明部35付近の機械的構成を模式的に例示する上面図である。図6は、発光素子の広指向角特性を説明するための図である。
【0030】
図4に示すように、部品認識カメラ28は、撮像センサ部29及び照明ユニット部31を備える。図4では、部品認識カメラ28の照明ユニット部31の内部の様子を透過して示している。
【0031】
撮像センサ部29は、光軸OCが垂直方向(Z方向)に沿うように配設され、部品認識カメラ28の上方を移動する部品Pを下方から撮像する。撮像センサ部29は、略筒状の筐体30と、筐体30に内蔵されるレンズ71及び撮像素子72と、を備える。レンズ71は1つであってもよいし、複数であってもよい。撮像素子72は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)により構成されてよい。撮像センサ部29は、シャッタ機能を有し、制御部40の撮像処理部47(下述参照)の指令に従って所定のタイミングで露光し、撮像を行う。撮像センサ部29は、撮像素子72によって撮像された結果(撮像画像)を、制御部40に送信する。
【0032】
部品認識カメラ28は、スキャン撮像方式に従って撮像可能であり、エリアセンサを用いたROI(Region Of Interest)機能を有してよい。部品認識カメラ28は、ROI機能により、撮像センサ部29に対してROI範囲を複数設定し、これらのROI範囲を連続的に切り替えて撮像可能である。ROI範囲は、撮像センサ部29による撮像範囲CAに相当する。設定されるROI範囲は、位置又はサイズ等が異なってよい。
【0033】
照明ユニット部31は、箱状の筐体32、複数の反射照明部33、複数の透過照明部34、複数の側方照明部35、及び、同軸照明部39を備える。なお、反射照明部33は、斜方照明部、部品照明部、又は、第1照明部と称されてもよい。反射照明部33、透過照明部34、側方照明部35、及び、同軸照明部39は、筐体32の内部に配置される。照明ユニット部31の筐体32は、撮像センサ部29の筐体30の上側に積み重ねた状態で連結して配置される。
【0034】
なお、複数の照明部(例えば反射照明部33、複数の透過照明部34、複数の側方照明部35)とは、例えば各照明部が複数の照明基板を有しており、照明基板毎に照明部を構成していることを示しているが、これに限られない。照明部において照明基板が複数存在する場合には、照明基板毎に1つの照明部を構成している(全体としては複数の照明部を有している)として扱ってもよいし、複数の照明基板の全体で1つの照明部を構成しているとして扱ってもよい。
【0035】
ここで、側方照明部35について詳細に説明する。
【0036】
図5に示すように、側方照明部35は、水平方向(XY平面)に沿って環状に配置される。側方照明部35は、部品認識カメラ28の光軸OCを包囲する環状に配置された少なくとも1つの照明基板35Kを有する。側方照明部35は、少なくとも1つの照明基板35Kにおいて上記と同様の環状に実装された複数の発光素子355を有する。側方照明部35は、照明基板35KのY方向に沿う部分に取り付けられた、複数の発光素子355に電源を供給するための配線部品353を有する。環状に配置された少なくとも1つの照明基板35Kは、その外周を支持部材356によって支持される。
【0037】
照明基板35Kは、照明ユニット部31の筐体32の側壁に対し略平行に配置され、つまりZ方向に沿って配置される。照明基板35Kは、例えば、発光素子355による光の照射方向が撮像センサ部29の光軸OCに対し垂直になるように設けられる。また、側方照明部35は、反射照明部33及び透過照明部34よりも上方に配置される。
【0038】
発光素子355は、例えばレンズを内蔵しており、指向特性として広指向角(例えば120°)を有する。また、従来よりも発光素子355による発光量が多く、発光素子355の光軸を撮像対象(例えば部品P)の方向に向けなくても、撮像対象を明るく照らすことができる。発光素子355は、例えばLEDであるが、他の発光素子であってもよい。配線部品353は、例えば、外部と電気的に接続可能な端子、リード、ワイヤ、又はケーブル等を含んでよい。発光素子355が少なくとも1つの照明基板35Kのそれぞれに実装されることで、複数の発光素子355が環状に配置される。また、複数の発光素子355は、例えば、照明基板35KのX方向に沿う部分からY方向に沿う部分に亘って環状に配置される。
【0039】
図5では、複数(例えば8個)の照明基板35Kが上面視で多角形(例えば八角形)の環状に配置されている。照明基板35Kには、複数の発光素子355が、Z方向に1列又は複数列で、XY平面上の所定の方向に並んで配置されている。つまり、側方照明部35は、面実装タイプの照明部である。
【0040】
照明基板35Kは、リジッドフレキシブル基板350により形成されてよい。リジッドフレキシブル基板350は、フレキシブル基板351(つまりフレキシブル部分)と、リジッド基板352(つまりリジッド部分)と、を含む。複数のリジッドフレキシブル基板350が設けられる場合には、隣り合うリジッドフレキシブル基板350のフレキシブル基板351(フレキシブル部分)が電気的に接続される。フレキシブル基板351は、可撓性を有するので、隣り合うフレキシブル基板351同士の接続も容易である。また、フレキシブル基板351は、図5に示すように、環状の1つのフレキシブル基板351によって形成されてもよいし、複数のフレキシブル基板351が電気的に接続されて環状に形成されてもよい。
【0041】
リジッドフレキシブル基板350のリジッド基板352(リジッド部分)には、複数の発光素子355及び配線部品353が実装される。リジッド基板352は、可撓性を有しないので、照明基板35Kの位置及び形状は固定される(変化しない)。よって、リジッド基板352に実装された発光素子355及び配線部品353の位置及び形状は固定される(変化しない)。よって、発光素子355による照明位置や照明方向は安定しており、部品Pを好適に照明できる。なお、発光素子355及び配線部品353は、その実装位置はリジッド基板352上であるが、そのリジッド基板352を含むリジッドフレキシブル基板350に含まれるフレキシブル基板351に電気的に接続されている。
【0042】
配線部品353は、X方向に向かい合う照明基板35K、言い換えるとY方向に沿っている照明基板35K、の少なくとも1つに配置される。図5の例では、8個の照明基板35K(35K1~35K8)のうちの2個の照明基板35K1,35K5が、X方向で向かい合って配置されている。図5では、2つの照明基板35K1,35K5に、各照明基板35K上の電子部品(例えば発光素子355)に給電する配線部品353が取り付けられている。よって、側方照明部35においてX方向に長く配線部品353の設置スペースを確保する必要がある。一方、照明基板35K1,35K5以外の照明基板35K(照明基板35K2~35K4,35K5~35K7)には配線部品353が取り付けられない。よって、側方照明部35においてX方向以外の方向(例えばY方向)には配線部品353の設置スペースの確保が不要であるので、側方照明部35のY方向の長さを短くできる。
【0043】
側方照明部35は、配線部品353を介して外部から給電を受け、各照明基板35Kの各フレキシブル基板351を介して照明基板35K1,35K5から他の各照明基板35Kへ給電を行う。よって、そのため、側方照明部35のY方向の長さを短縮でき、側方照明部35及び照明ユニット部31を小型化でき、側方照明部35の各照明基板35Kの発光素子355を発光できる。また、部品実装装置1は、側方照明部35のY方向の長さが短縮可能であることで、Y方向に沿う部品供給機構15と基板搬送機構13との間の長さを短縮できる。よって、部品実装装置1は、部品Pの取出位置と装着作業位置との距離を短縮でき、1ターンにおける行きの移動距離を短縮できるので、基板Wへの部品Pの実装速度を向上でき、生産性を向上できる。
【0044】
側方照明部35は、部品保持ノズル27に保持された部品Pが部品認識カメラ28の上方を移動しているタイミングt3にて発光する。これにより、部品保持ノズル27に保持された部品Pの側方は、側方照明部35から照射された光によって照らされる。このタイミングt3に対応して、撮像センサ部29は、その部品Pを撮像する。
【0045】
なお、側方照明部35は、側方照明チャネルを構成してよい。制御部40は、側方照明チャネルの単位で発光制御を行ってよい。また、照明基板35Kに実装される複数の発光素子355のZ方向の列毎に、異なるチャネルが形成されてもよい。
【0046】
なお、照明基板35Kは、例えばフレキシブル基板351により形成され、リジッド基板352を含まなくてもよい。この場合、隣り合うフレキシブル基板351が電気的に接続され、X方向に向かい合う少なくとも1つのフレキシブル基板351に配線部品353が取り付けられ、配線部品353から各フレキシブル基板351に実装された各発光素子355に対して給電可能に構成されてもよい。
【0047】
また、図6に示すように、発光素子355は、発光素子355の光軸の方向よりも広がって光を照射可能な広指向角(広指向性)を有する。よって、照明基板35KがZ方向に沿って配置され、発光素子355の光軸の方向がXY平面に沿う方向であったとしても、発光素子355よりも上方に位置し得る基板Wや部品Pに光を照射可能である。よって、照明ユニット部31は、照明基板35KのXY平面に沿う長さを短くでき、XY平面の方向に照明基板35Kを薄型化できる)。つまり、部品実装装置1は、面実装によって垂直配置(Z方向に沿う配置)が可能となり、配線材や固定するための構造物を含めてX方向及びY方向に必要なスペースを低減でき、側方照明部35及び照明ユニット部31を小型化できる。
【0048】
また、発光素子355は、従来よりも発光量の多い発光素子であってよい。この場合、部品実装装置1は、部品認識カメラ28が部品Pを移動中に撮像し、部品認識カメラ28の露光時間を長く取れない場合でも、部品Pを好適に撮像して認識できる。
【0049】
なお、図5では、複数の照明基板35Kが上面視で八角形の形状に配置されることを例示したが、これに限られない。例えば、複数の照明基板35Kが上面視で円形に近づくような多角形の環状に配置されてもよい。この場合、側方照明部35の上方の各位置への照明量が均一になり易い。なお、例えば、複数の照明基板35Kが上面視で四角形の環状に配置されてもよい。
【0050】
次に、照明ユニット部31における側方照明部35以外の各照明部について説明する。
【0051】
複数の反射照明部33は、側方照明部35よりも下方、かつ、複数の側方照明部35によって構成される環状の内側において、中央に空間が形成されるように、当該中央を囲んで配置される。また、複数の透過照明部34は、反射照明部33と側方照明部35との間に配置される。また、同軸照明部39及び反射板Cは、反射照明部33よりも下方に配置される。
【0052】
反射照明部33は、照明ユニット部31の筐体32の底壁(つまりXY平面、水平面)に対し略平行に配置される。反射照明部33は、光の照射方向が撮像センサ部29の光軸に沿うように設けられる。反射照明部33は、発光すると、略垂直方向(Z方向)に沿って光を照射する。部品保持ノズル27に保持される部品Pと反射照明部33との間に、透過ガラス(不図示)が水平方向に沿って配置されてよい。
【0053】
反射照明部33は、部品保持ノズル27に保持された部品Pが部品認識カメラ28の上方を移動しているタイミングt1にて発光する。これにより、部品保持ノズル27に保持された部品Pの下面は、反射照明部33から照射され、透過ガラスを通過した光によって、照らされる。このタイミングt1に対応して、撮像センサ部29は、その部品Pを撮像する。
【0054】
なお、複数の反射照明部33は、反射照明チャネルを構成してよい。制御部40は、反射照明チャネルの単位で発光制御を行ってよい。
【0055】
透過照明部34は、筐体32の底壁及び側壁(つまりZ方向)に対し斜めに配置される。透過照明部34は、光の照射方向が撮像センサ部29の光軸に対し斜めになるように設けられる。反射照明部33と透過照明部34との間に、遮蔽板Bが配置される。遮蔽板Bは、透過照明部34と同様に、筐体32の底壁及び側壁の両方に対し斜めになるように配置される。
【0056】
透過照明部34は、発光すると、垂直方向(Z方向)及び水平方向(XY平面)に対して斜めに光を照射する。透過照明部34は、部品保持ノズル27に保持された部品Pが部品認識カメラ28の上方を移動しているタイミングt2にて発光する。これにより、部品保持ノズル27に保持された部品Pは、透過照明部34から照射され移動ヘッド26の反射板にて反射された光によって照らされる。このタイミングt2に対応して、撮像センサ部29は、その部品Pを撮像する。
【0057】
なお、複数の透過照明部34は、透過照明チャネルを構成してよい。制御部40は、透過照明チャネルの単位で発光制御を行ってよい。
【0058】
同軸照明部39は、照明ユニット部31の筐体32の側壁に対し略平行に配置される。同軸照明部39は、光の照射方向が撮像センサ部29の光軸に対し垂直になるように設けられる。同軸照明部39は、反射照明部33の下方に配置される。同軸照明部39は、発光すると、水平面に沿って光を照射する。また、部品認識カメラ28に含まれる反射板C(例えばミラー)は、同軸照明部39からXY平面に沿った方向に離間した位置に配設される。同軸照明部39から照射された光は、反射板Cにて上方に反射され、反射板Cの上方を照らす。
【0059】
同軸照明部39は、部品保持ノズル27に保持された部品Pが部品認識カメラ28の上方を移動しているタイミングt4にて発光する。これにより、部品保持ノズル27に保持された部品Pの下部は、同軸照明部39から照射され、反射板Cにて上方に反射され、複数の反射照明部33に囲まれた中央の空間及び透過ガラスを通過した光によって照らされる。このタイミングt4に対応して、撮像センサ部29は、その部品Pを撮像する。
【0060】
なお、同軸照明部39は、同軸照明チャネルを構成してよい。制御部40は、同軸照明チャネルの単位で発光制御を行ってよい。
【0061】
なお、各照明部33、34、35、39の発光のタイミングt1~t4は、1ターンにおける行きの移動の時間内における複数の撮像タイミングのうちのいずれかのタイミングであってよい。また、各照明部33、34、35、39の発光タイミングは重複してもよい。例えば、複数の照明部33、34、35、39の少なくとも2つが同時に発光し、部品Pを照らしてもよい。
【0062】
次に、部品認識カメラ28により撮像される撮像範囲CAについて説明する。
【0063】
撮像範囲CAは、例えば、部品Pの全体が収まる程度のサイズであってもよいし、部品Pの全体が収まらず、部品Pの一部のみが撮像範囲CAに含まれる程度のサイズであってもよい。部品Pの全体が収まる場合には、部品実装装置1は、その撮像画像に基づいて部品Pを認識可能である。また、部品Pの全体が収まらない場合でも、部品実装装置1は、例えば、1ターンにおける行きの移動により移動する部品Pが複数回撮像し、複数の撮像画像が結合されることで、部品Pの全体を把握することが可能である。
【0064】
ヘッドユニット23は、X方向に沿って移動しながら部品認識カメラ28により撮像範囲CAが撮像される。よって、順次撮像される各撮像範囲CAには、異なる部品P、又は同じ部品Pにおける異なる一部が順番に映り込むことになる。
【0065】
<部品実装装置のソフトウェア構成>
次に、図7を参照しながら、部品実装装置1の制御部40のソフトウェア構成(機能的構成)について説明する。図7は、部品実装装置1の制御部40の機能的構成を例示するブロック図である。
【0066】
部品実装装置1の制御部40は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)に代表される記憶装置と、CPU(Central Processing Unit)に代表される演算装置とを備える汎用のコンピュータにより構成されてよい。演算装置は、記憶装置に保持されるコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、図7に示すソフトウェア構成(機能的構成)を実現する。すなわち、図7の制御部40内に図示する各ブロックは、ソフトウェアにより実現される機能を表す。ただし、ブロックとして表現される機能の少なくとも一部は、ソフトウェアに限られず、「装置」の物理的構成(ハードウェア)によって実現されてもよい。
【0067】
制御部40は、記憶部41と、機構駆動部46と、撮像処理部47と、を含んで構成される。機構駆動部46は、本体機構部10の駆動を制御する。例えば、機構駆動部46は、基板搬送機構13、部品供給機構15及びヘッドユニット23の駆動を制御し、基板搬送機構13、部品供給機構15及びヘッドユニット23を協調動作させる。
【0068】
記憶部41は、実装情報42と、部品情報43と、撮像タイミング情報45と、を少なくとも保持する。実装情報42は、基板Wのそれぞれに実装されるべき部品Pの種類、その基板W上の部品Pの取付位置及び取付姿勢(例えば向き)、部品Pの実装順序、及び部品Pの実装タイミング、などの情報を含む。部品情報43は、部品Pの種類毎の外形、サイズ、及び、電極の有無又はその本数などの情報を含んでよい。
【0069】
撮像タイミング情報45は、照明チャネルの発光タイミングを示す情報、及び、部品Pの撮像タイミングを示す情報を含んでよい。撮像タイミングの回数は、1回でも複数回でもよい。撮像タイミングは、シャッタタイミングと読み替えられてもよい。また、発光タイミングの回数は、1回でも複数回でもよい。例えば、撮像タイミング情報45は、1ターンにおける行きの移動内での照明チャネルの発光タイミングを示す情報及び撮像センサ部29の撮像タイミングを示す情報を含んでよい。
【0070】
撮像処理部47は、カメラ制御部48及び部品認識部50を含む。
【0071】
カメラ制御部48は、撮像センサ部29の撮像と、その撮像タイミングにおける照明ユニット部31の発光と、を制御する。例えば、カメラ制御部48は、記憶部41の撮像タイミング情報45を読み込み、撮像タイミング情報45が示す各撮像タイミングで照明チャネルを発光させ、撮像センサ部29に部品Pが映る画像を撮像させる。
【0072】
部品認識部50は、撮像センサ部29により撮像された撮像画像に基づいて、撮像画像に含まれる部品Pの特徴を認識する。部品Pの特徴は、部品Pの位置、部品Pの姿勢、部品Pの極性、部品Pの3次元形状、部品Pの外形、及び、部品Pに付加された文字等の少なくとも1つを含んでよい。移動ヘッド26及び部品保持ノズル27は、部品認識部50による認識結果に基づいて、部品Pを基板Wの装着点に装着する。
【0073】
なお、基板認識カメラ36の撮像情報も撮像処理部47に送信されてよい。撮像処理部47は、部品認識部50と同様、その撮像情報(画像)から基板Wの位置及び姿勢を認識し、その認識結果を機構駆動部46に送信してよい。
【0074】
<部品実装装置の動作>
図11は、部品実装装置1による動作例を示すフローチャートである。部品実装装置1は、生産開始が指示された場合、以下の処理を開始する。なお、図11では、ヘッドユニット23を単にヘッドとも記載する。また、部品保持ノズル27を単にノズルとも記載する。
【0075】
機構駆動部46は、ヘッドユニット23に移動ヘッド26で取出位置から部品Pを吸着して取り出すよう指示を送信する(S11)。ヘッドユニット23は、取出位置から部品Pを取り出す。機構駆動部46は、ステップS11の送信の時点から1ターンにおける行きの移動(ヘッド移動)を開始し、ヘッドユニット23の移動ヘッド26で部品Pを保持させた状態で部品認識カメラ28の上方を移動させる(S12)。
【0076】
カメラ制御部48は、記憶部41に保持された情報(例えば実装情報42、部品情報43、撮像タイミング情報45)等に基づいて、ヘッドユニット23の移動中に、所定の照明条件(所定の照明タイミングや所定の照明の強さ)で、撮像対象となる部品保持ノズル27に保持された部品Pを照明し、撮像するよう制御する(S13)。そして、カメラ制御部48の制御に従って、照明ユニット部31(少なくとも1つの照明チャネル)が、部品Pの撮像タイミングに対応する発光タイミングで、所定の部品保持ノズル27に保持された部品Pを照明する。そして、カメラ制御部48の制御に従って、部品認識カメラ28が、撮像タイミングで、上方を通過する部品Pを撮像する(S14)。
【0077】
ステップS13,S14の処理は、ヘッドユニット23の移動中に繰り返される。つまり、照明対象及び撮像対象である部品Pが順次変更されながら、照明及び撮像が繰り返される。
【0078】
部品認識部50は、撮像画像に対して画像認識する(S15)。この場合、部品認識部50は、撮像画像に含まれる1つ以上の部品Pを認識し、この部品Pに関する認識情報を取得する。ここでの部品Pに関する認識情報は、例えば、部品Pの位置情報及び姿勢情報、部品Pの極性の判別情報、部品Pの3D計測の計測結果の情報、部品Pの外形の認識結果の情報、部品Pに付された文字の認識結果の情報、又は部品Pのアライメントの認識結果の情報を含んでよい。部品認識部50は、画像認識の認識結果を機構駆動部46に送る。
【0079】
ヘッドユニット23は、各部品保持ノズル27が部品認識カメラ28の上方を通過すると間もなく、各部品Pの実装位置の周辺に到達する。そして、機構駆動部46は、部品認識カメラ28の上方での移動ヘッド26の移動を終了させる(S16)。機構駆動部46は、部品認識部50による認識結果に基づいて、ヘッドユニット23の移動ヘッド26で各部品Pを基板W上の所定の位置及び姿勢で実装するように指令する。ヘッドユニット23は、機構駆動部46の指令に従って、移動ヘッド26で各部品Pを基板Wに実装する(S17)。
【0080】
このように、本実施の形態の部品実装装置1によれば、側方照明部35の照明基板35Kを部品認識カメラ28の光軸OCの方向と平行となる配置とすることで、側方照明部35、照明ユニット部31及び部品認識カメラ28を小型化できる。よって、部品実装装置1は、部品Pの実装速度を向上でき、生産性を向上できる。また、発光素子355が広指向角特性を有することで、発光素子の光軸をワーク(例えば部品P)に向けることなく、ワークを照射可能である。また、照明基板35Kの配線部品353をX方向に沿って配置し、言い換えるとX方向に向かい合う照明基板35Kの少なくとも1つのみに配置し、他の照明基板35Kには配線部品353を配置しない。これにより、部品実装装置1は、側方照明部35のY方向の長さを短くでき、つまり側方照明部35を薄型化できる。この場合でも、照明基板35Kのフレキシブル部分を介して各照明基板35Kが電気的に接続されることで、各照明基板35Kに実装された各発光素子355は、給電を受けることができ、部品Pを照射可能である。また、照明基板35Kとしてリジッドフレキシブル基板350を用いることで、側方照明部35の組立性を向上できる。また、部品実装装置1は、ヘッドユニット23の移動中に部品Pの撮像や認識等の各処理を進行できるので、リアルタイム性を向上でき、部品認識に要する時間を短縮できる。
【0081】
(実施の形態の概要)
以上により、本開示には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を例示しているが、これに限定されるものではない。
【0082】
[項目1]
装着ヘッド(移動ヘッド26)が部品供給部(部品供給機構15)から部品Pを取り出し、基板搬送路を基板搬送方向(X方向)に搬送される第1の基板(基板W)に前記部品を装着する部品実装装置(部品実装装置)であって、
前記基板搬送方向と直交する直交方向(Y方向)に沿って前記部品供給部と前記基板搬送路との間に配置され、前記装着ヘッドで取り出された前記部品を下方から撮像する部品撮像カメラ(部品認識カメラ28)を有し、
前記部品撮像カメラは、前記装着ヘッドで取り出された前記部品を照明する照明ユニット(照明ユニット部31)を有し、
前記照明ユニットは、
前記部品撮像カメラの光軸OCを包囲する環状に配置された少なくとも1つの第2の基板(照明基板35K)と、
少なくとも1つの前記第2の基板において前記環状に実装された複数の発光素子(発光素子355)と、
前記第2の基板の前記直交方向に沿う部分のみに取り付けられた、前記複数の発光素子に電源を供給するための配線部品(配線部品353)と、を有する、
部品実装装置。
【0083】
これにより、部品実装装置は、第2の基板の上記直交方向に沿う部分のみに配線部材が取り付けられることで、照明ユニットの上記直交方向の長さを短縮できる。よって、部品実装装置は、1ターンにおける移動の長さを短縮でき、部品の実装速度を向上できる。また、部品実装装置は、部品撮像カメラの光軸を中心と各方向から照明でき、部品の下方を各方向から照明できる。よって、部品実装装置は、部品の一部の領域への照明不足を抑制でき、撮像画像に基づいて安定して部品認識できる。
【0084】
[項目2]
前記第2の基板は、フレキシブル基板(フレキシブル基板351)であり、
項目1の部品実装装置。
【0085】
これにより、部品実装装置は、第2の基板の形状を容易に変形して、環状に第2の基板を配置できる。部品実装装置は、また、第2の基板を介して各発光素子に給電できる。
【0086】
[項目3]
前記第2の基板は、リジッド部分(リジッド基板352)とフレキシブル部分(フレキシブル基板351)とを有するリジッドフレキシブル基板(リジッドフレキシブル基板350)であり、
前記リジッドフレキシブル基板の前記リジッド部分に前記複数の発光素子が実装された、
項目1の部品実装装置。
【0087】
これにより、部品実装装置は、フレキシブル部分を介して各発光素子に給電できる。また、部品実装装置は、リジッド部分により各発光素子の位置が安定するので、各発光素子により光が照射される照射方向も安定し、部品を安定して照明できる。
【0088】
[項目4]
前記第2の基板は、リジッド部分とフレキシブル部分とを有するリジッドフレキシブル基板であり、
前記リジッドフレキシブル基板の前記リジッド部分に前記配線部品が取り付けられた、
項目1又は3の部品実装装置。
【0089】
これにより、部品実装装置は、フレキシブル部分を介して各発光素子に給電できる。また、部品実装装置は、リジッド部分により配線部材の位置が安定するので、照明ユニットの上記直交方向の長さを確実に短縮できる。
【0090】
[項目5]
前記第2の基板は、前記部品撮像カメラの前記光軸に略平行に配置された、
項目1、3、4のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【0091】
これにより、基板搬送方向とその直交方向とで定まる平面(XY平面)に対して垂直に第2の基板が配置されるので、第2の基板の上記平面に沿う長さ(つまり第2の基板の厚み方向の長さ)が短くなる。よって、照明ユニットの上記直交方向の長さを一層短縮でき、1ターンにおける移動距離を短くでき、部品の実装速度を向上できる。また、照明ユニットが小型化可能である。
【0092】
[項目6]
前記照明ユニットは、前記直交方向に沿う長さが前記基板搬送方向に沿う長さよりも短い、
項目1、3、4、5のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【0093】
これにより、部品実装装置は、1ターンにおける移動距離を短くして部品の実装速度を向上しつつ、基板搬送方向に必要なスペース(例えば配線部品の配置スペース)を確保できる。
【0094】
[項目7]
装着ヘッドにより部品供給部から取り出され、基板搬送路を基板搬送方向に搬送される第1の基板に装着される部品を撮像する撮像装置(部品認識カメラ28)であって、
前記基板搬送方向と直交する直交方向に沿って前記部品供給部と前記基板搬送路との間に配置され、
前記装着ヘッドで取り出された前記部品を下方から撮像し、
前記装着ヘッドで取り出された前記部品を照明する照明ユニットを有し、
前記照明ユニットは、
前記撮像装置の光軸を包囲する環状に配置された少なくとも1つの第2の基板と、
少なくとも1つの前記第2の基板において前記環状に実装された複数の発光素子と、
前記第2の基板の前記直交方向に沿う部分のみに取り付けられた、前記複数の発光素子に電源を供給するための配線部品と、を有する、
撮像装置。
【0095】
これにより、撮像装置は、第2の基板の上記直交方向に沿う部分のみに配線部材が取り付けられることで、照明ユニットの上記直交方向の長さを短縮できる。よって、撮像装置は、1ターンにおける移動の長さを短縮でき、部品の実装速度を向上できる。また、撮像装置は、部品撮像カメラの光軸を中心と各方向から照明でき、部品Pの下方を各方向から照明できる。よって、撮像装置は、部品の一部の領域への照明不足を抑制でき、安定して部品認識可能な撮像画像を得ることができる。
【0096】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本開示は、小型化が可能であり、電子部品の実装速度を高速化できる部品実装装置及び撮像装置等に有用である。
【符号の説明】
【0098】
1 部品実装装置
10 本体機構部
11 実装機本体
12 基台
13 基板搬送機構
14 コンベア部
15 部品供給機構
16 フィーダベース
17 スロット
18 テープフィーダ
19 フィーダカート
20 台車部
21 リール
22 キャリアテープ
23 ヘッドユニット
24 Y軸テーブル機構
25 X軸テーブル機構
26 移動ヘッド
27 部品保持ノズル
28 部品認識カメラ
29 撮像センサ部
30 筐体
31 照明ユニット部
32 筐体
33 反射照明部
34 透過照明部
35 側方照明部
35K 照明基板
350 リジッドフレキシブル基板
351 フレキシブル基板
352 リジッド基板
353 配線部品
355 発光素子
36 基板認識カメラ
37 廃棄ボックス
38 ノズルホルダ
39 同軸照明部
40 制御部
41 記憶部
42 実装情報
43 部品情報
45 撮像タイミング情報
46 機構駆動部
47 撮像処理部
48 カメラ制御部
50 部品認識部
71 レンズ
72 撮像素子
B 遮蔽板
C 反射板
P 部品
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8