(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171241
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E06B 1/32 20060101AFI20241204BHJP
E06B 1/36 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
E06B1/32
E06B1/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088212
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】油谷 祥太
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】柚木 一弥
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011CA01
2E011CB01
2E011CC02
2E011CC05
2E011DA04
2E011DA10
2E011DB04
2E011DC01
(57)【要約】
【課題】異なる窓を備えた段窓や連窓の断熱性能を向上させる。
【解決手段】縦枠14,15の下方の端部の間に引き違い窓WBが構成され、かつ縦枠14,15の上方の端部の間に縦すべり出し窓WAが構成された建具であって、2つの縦枠14,15は、引き違い窓WBから縦すべり出し窓WAまでの間に連続して延在した金属枠部30,31と、引き違い窓WBの範囲となる部分に設けられた樹脂枠部32,33とを有し、縦枠14,15の上方の端部には、縦すべり出し窓WAの範囲となる部分に可動障子PAが配設可能となる縦すべり出し窓用アタッチメント34が装着され、縦すべり出し窓用アタッチメント34は、金属アタッチメント35と、樹脂アタッチメント36とを有して構成され、樹脂枠部32,33及び2種用樹脂アタッチメント36には、それぞれ金属枠部30,31の樹脂枠嵌合部30f,31fに嵌合される嵌合ヒレ部36cが設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並設された基準枠形材の相互間に互いに窓種の異なる第1種窓及び第2種窓が構成された建具であって、
前記基準枠形材は、前記第1種窓から前記第2種窓までの間に連続して延在した基準金属枠部と、前記基準金属枠部において前記第1種窓の範囲となる部分に設けられた基準樹脂枠部とを有し、
前記基準枠形材において前記第2種窓の範囲となる部分には、前記第2種窓用の第2面材が配設可能となる2種用アタッチメントが装着され、
前記2種用アタッチメントは、金属によって成形された2種用金属アタッチメントと、樹脂によって成形された2種用樹脂アタッチメントとを有して構成され、
前記基準金属枠部には、室内側となる縁部に嵌合部が設けられ、
前記基準樹脂枠部及び前記2種用樹脂アタッチメントには、それぞれ前記基準金属枠部の嵌合部に嵌合される嵌合ヒレ部が設けられていることを特徴とする建具。
【請求項2】
前記2種用金属アタッチメントには、前記2種用樹脂アタッチメントが係合するアタッチメント係合部が設けられ、
前記アタッチメント係合部は、枠体の内部に前記第2面材のみを配設することによって構成する単一の第2種窓において樹脂枠部が係合する金属枠部の単一係合部と同一となる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記基準枠形材は、前記第1種窓用の第1面材が配設可能となる形状に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
【請求項4】
前記第1種窓は、前記第1面材として室外側の外障子と室内側の内障子とを備え、これら外障子及び内障子のそれぞれがスライド可能に配設されたものであり、
前記基準枠形材の一方には、前記外障子を閉じ位置に配置した際に戸先框に進入する室外側の外方ガイドヒレ部が設けられ、前記基準枠形材の他方には、前記内障子を閉じ位置に配置した際に戸先框に進入する室内側の内方ガイドヒレ部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の建具。
【請求項5】
並設された基準枠形材の相互間に互いに窓種の異なる第1種窓及び第2種窓が構成された建具であって、
前記基準枠形材は、前記第1種窓から前記第2種窓までの間に連続して延在し、前記第1種窓と前記第2種窓とで相互に共通となる部分が金属によって成形されたものであり、
前記第1種窓は、前記基準枠形材に前記第1種窓用の第1面材が配設可能となる1種用アタッチメントを装着することによって構成され、
前記第2種窓は、前記基準枠形材に前記第2種窓用の第2面材が配設可能となる2種用アタッチメントを装着することによって構成され、
前記1種用アタッチメントは、金属によって成形された1種用金属アタッチメントと、樹脂によって成形された1種用樹脂アタッチメントとを有して構成され、
前記2種用アタッチメントは、金属によって成形された2種用金属アタッチメントと、樹脂によって成形された2種用樹脂アタッチメントとを有して構成され、
前記基準枠形材には、室内側となる縁部に嵌合部が設けられ、
前記1種用樹脂アタッチメント及び前記2種用樹脂アタッチメントには、それぞれ前記基準枠形材の嵌合部に嵌合される嵌合ヒレ部が設けられていることを特徴とする建具。
【請求項6】
前記1種用金属アタッチメントには、前記1種用樹脂アタッチメントが係合する第1アタッチメント係合部が設けられ、
前記2種用金属アタッチメントには、前記2種用樹脂アタッチメントが係合する第2アタッチメント係合部が設けられ、
前記第1アタッチメント係合部は、枠体の内部に前記第1面材のみを配設することによって構成する単一の第1種窓において樹脂枠部が係合する金属枠部の単一係合部と同一となる位置に設けられ、
前記第2アタッチメント係合部は、枠体の内部に前記第2面材のみを配設することによって構成する単一の第2種窓において樹脂枠部が係合する金属枠部の単一係合部と同一となる位置に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる種類の窓を備えた段窓や連窓と称される建具に関する。
【背景技術】
【0002】
建具には、アルミニウム合金等の金属によって成形した縦枠の間に互いに種類の異なる第1種窓及び第2種窓を上下に設けた段窓と称されるものがある。この種の建具では、例えば縦枠として第1面材が配設可能となる断面形状を有したものを適用し、一方の端部間にそのまま第1面材を配設して第1種窓を構成している。第2種窓については、縦枠の他方の端部にそれぞれアタッチメントを装着することで、第2面材が配設可能となるように構成している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、昨今の建具では、断熱性の要求があり、枠体として金属と樹脂との複合化されたものを適用する場合が多い。すなわち、金属よって成形された室外側の金属枠部と、樹脂によって成形された室内側の樹脂枠部とを有して枠体を構成し、室内外の熱伝達を抑えることにより断熱性を向上させるようにしている。従って、上述の段窓においても枠体の複合化が望まれている。しかしながら、上述したように、縦枠についてはアタッチメントを設ける必要があり、未だ具現化されるに至っていない。また、上述の問題は、連窓についても同様である。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、異なる窓を備えた段窓や連窓の断熱性能を向上させることのできる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る建具は、並設された基準枠形材の相互間に互いに窓種の異なる第1種窓及び第2種窓が構成された建具であって、前記基準枠形材は、前記第1種窓から前記第2種窓までの間に連続して延在した基準金属枠部と、前記基準金属枠部において前記第1種窓の範囲となる部分に設けられた基準樹脂枠部とを有し、前記基準枠形材において前記第2種窓の範囲となる部分には、前記第2種窓用の第2面材が配設可能となる2種用アタッチメントが装着され、前記2種用アタッチメントは、金属によって成形された2種用金属アタッチメントと、樹脂によって成形された2種用樹脂アタッチメントとを有して構成され、前記基準金属枠部には、室内側となる縁部に嵌合部が設けられ、前記基準樹脂枠部及び前記2種用樹脂アタッチメントには、それぞれ前記基準金属枠部の嵌合部に嵌合される嵌合ヒレ部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る建具は、並設された基準枠形材の相互間に互いに窓種の異なる第1種窓及び第2種窓が構成された建具であって、前記基準枠形材は、前記第1種窓から前記第2種窓までの間に連続して延在し、前記第1種窓と前記第2種窓とで相互に共通となる部分が金属によって成形されたものであり、前記第1種窓は、前記基準枠形材に前記第1種窓用の第1面材が配設可能となる1種用アタッチメントを装着することによって構成され、前記第2種窓は、前記基準枠形材に前記第2種窓用の第2面材が配設可能となる2種用アタッチメントを装着することによって構成され、前記1種用アタッチメントは、金属によって成形された1種用金属アタッチメントと、樹脂によって成形された1種用樹脂アタッチメントとを有して構成され、前記2種用アタッチメントは、金属によって成形された2種用金属アタッチメントと、樹脂によって成形された2種用樹脂アタッチメントとを有して構成され、前記基準枠形材には、室内側となる縁部に嵌合部が設けられ、前記1種用樹脂アタッチメント及び前記2種用樹脂アタッチメントには、それぞれ前記基準枠形材の嵌合部に嵌合される嵌合ヒレ部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基準枠形材に金属枠部と樹脂枠部とを有した第1種窓を構成し、かつ基準枠形材に2種用金属アタッチメントと2種用樹脂アタッチメントとを有した第2種窓を構成するようにしているため、異なる窓を備えたものの断熱性能を向上させることが可能となる。しかも、金属枠部の室内側となる縁部に嵌合部を設け、基準樹脂枠部の嵌合ヒレ部及び2種用樹脂アタッチメントの嵌合ヒレ部をそれぞれ嵌合部に嵌合させるようにしているため、基準樹脂枠部の室内側に位置する縁部及び2種用樹脂アタッチメントの室内側に位置する縁部を共通の構成とすることができ、全体でデザインに一貫性を持たせることが可能となる等の利点がある。
【0009】
また本発明によれば、基準枠形材に1種用金属アタッチメント及び1種用樹脂アタッチメントとを有した第1種窓を構成し、かつ基準枠形材に2種用金属アタッチメントと2種用樹脂アタッチメントとを有した第2種窓を構成するようにしているため、異なる窓を備えたものの断熱性能を向上させることが可能となる。しかも、基準枠形材の室内側となる縁部に嵌合部を設け、1種用樹脂アタッチメントの嵌合ヒレ部及び2種用樹脂アタッチメントの嵌合ヒレ部をそれぞれ嵌合部に嵌合させるようにしているため、1種用樹脂アタッチメントの室内側に位置する縁部及び2種用樹脂アタッチメントの室内側に位置する縁部を共通の構成とすることができ、全体でデザインに一貫性を持たせることが可能となる等の利点がある。さらに、基準枠形材によって窓種が限定されることがなく、様々な窓種の段窓や連窓を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態1である建具の縦断面図である。
【
図4】
図1に示した建具に適用する縦枠を示すもので、(a)は左縦枠の横断面図、(b)は右縦枠の横断面図である。
【
図5】
図3に示した建具の縦枠を示すもので、(a)は左縦枠の横断面図、(b)は右縦枠の横断面図、(c)は左縦枠の分解横断面図、(d)は右縦枠の分解横断面図である。
【
図6】
図1に示した建具と同じ製品シリーズにラインアップされる縦すべり出し単窓の横断面図である。
【
図7】本発明の実施の形態2である建具の縦断面図である。
【
図9】
図8に示した建具に適用する縦枠を示すもので、(a)は左縦枠の横断面図、(b)は右縦枠の横断面図、(c)は左縦枠の分解横断面図、(d)は右縦枠の分解横断面図である。
【
図10】
図1及び
図7に示した建具と同じ製品シリーズにラインアップされるFIX単窓の横断面図である。
【
図11】本は通名の実施の形態3である建具の縦断面図である。
【
図14】
図12に示した建具に適用する縦枠を示すもので、(a)は左縦枠の横断面図、(b)は右縦枠の横断面図、(c)は左縦枠の分解横断面図、(d)は右縦枠の分解横断面図である。
【
図15】
図13に示した建具に適用する縦枠を示すもので、(a)は左縦枠の横断面図、(b)は右縦枠の横断面図、(c)は左縦枠の分解横断面図、(d)は右縦枠の分解横断面図である。
【
図16】実施の形態1~実施の形態3で示した建具の製品シリーズで適用する縦枠及びアタッチメントの一覧を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては便宜上、見込み方向及び見付け方向という用語を用いる場合がある。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った面については見込み面と称する場合がある。見付け方向とは、下枠等のように水平方向に沿って延在するものの場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦枠等のように上下方向に沿って延在するものの場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。
【0012】
(実施の形態1)
図1~
図3は、本発明の実施の形態1である建具を示すものである。ここで例示する建具は、一つの枠体10の内部に、上方の縦すべり出し窓(第2種窓)WAと下方の引き違い窓(第1種窓)WBとを構成した段窓と称されるものである。特に本実施の形態1では、単一の縦すべり出し窓(以下、縦すべり出し単窓WCという)及び単一の引き違い窓(以下、引き違い単窓WDという)を含む製品シリーズの中の1建具としてラインアップされる段窓を例示している。より具体的に説明すると、本実施の形態1の建具は、引き違い単窓WDに適用する縦枠(基準枠形材)14,15を流用して縦すべり出し窓WAと引き違い窓WBとの段窓を構成したものである。
【0013】
枠体10は、上枠11、無目12、下枠13、左右の縦枠14,15を備えて構成してある。すなわち、この枠体10には、上枠11、無目12、左右の縦枠14,15によって囲まれる部分に縦すべり出し窓WAを構成する可動障子(第2面材)PAが室外側に向けて開放可能となるように配設してあり、無目12、下枠13、左右の縦枠14,15によって囲まれる部分に引き違い窓WBを構成する室外側の外障子(第1面材)PB1及び室内側の内障子(第1面材)PB2がそれぞれ左右にスライド可能に配設してある。枠体10を構成する上枠11、無目12、下枠13、左右の縦枠14,15は、それぞれアルミニウム合金等の金属によって成形した金属枠部と、樹脂によって成形した樹脂枠部とを備えて構成したものである。
【0014】
(上枠11の構成)
上枠11の金属枠部21は、上金属枠本体21a、上戸当り壁部21b、上樹脂枠嵌合部21cを一体に成形したものである。上金属枠本体21aは、断面が横長となる略長方形の中空状を成すものである。上金属枠本体21aには、下面において室外側となる縁部に上シール部材21dが装着してある。上戸当り壁部21bは、上金属枠本体21aの室内側の下縁部から下方に向けて見付け方向に延在したものである。上戸当り壁部21bの下縁部において室外に臨む部分には、シール部材S1が装着してある。上戸当り壁部21bの下縁部において室内に臨む部分には、下方に開口した上カバー溝部21eが設けてある。上樹脂枠嵌合部21cは、上金属枠本体21aの室内側となる上縁部から室内側に向けて見込み方向に延在した後、下方に向けて屈曲したもので、下方となる縁部に下方に開口した上嵌合溝21fを有している。
【0015】
上枠11の樹脂枠部22は、金属枠部21の上金属枠本体21aから上戸当り壁部21bまでの下面及び室内に臨む見付け面を覆うためのもので、上樹脂枠本体22a、上枠カバー部22b、上嵌合ヒレ部22c、上取付板部22dを有している。上樹脂枠本体22aは、断面が縦長となる略長方形の中空状を成すものである。上枠カバー部22bは、上樹脂枠本体22aの室外側となる下縁部から室外に向けて見込み方向に延在したものである。上枠カバー部22bの上面には、上方に向けて見込み方向に延在した上カバー突部22eが設けてある。上嵌合ヒレ部22cは、上樹脂枠本体22aの室内側となる上縁部から上方に向けて見付け方向に延在したものである。上取付板部22dは、上樹脂枠本体22aの室内に臨む見付け面の上方部から室内に向けて見込み方向に延在したものである。この樹脂枠部22は、上カバー突部22eを上カバー溝部21eに嵌合するとともに、上嵌合ヒレ部22cを上樹脂枠嵌合部21cの上嵌合溝21fに嵌合させることによって金属枠部21に装着してある。図からも明らかなように、樹脂枠部22を装着した金属枠部21では、上戸当り壁部21bの下面及び室内に臨む見付け面が樹脂枠部22によって覆われた状態となっている。なお、上述の上枠11は、縦すべり出し単窓WCに適用するものと同一の構成を有したものである。
【0016】
(無目12の構成)
無目12の金属枠部23は、無目金属本体23a、無目戸当り壁部23b、上部樹脂枠嵌合部23c、上部網戸レール部23d、上部外方ガイド壁部23e、上部仕切ガイド壁部23f、上部内方ガイド壁部23gを一体に成形したものである。無目金属本体23aは、室外に臨む見付け面及び室内に臨む見付け面がほぼ鉛直に沿って延在した異形の中空状を成すものである。無目戸当り壁部23bは、無目金属本体23aの上面において室内側となる部分から上方に向けて見付け方向に延在したものである。無目戸当り壁部23bの上縁部において室外に臨む部分には、シール部材S1が装着してある。無目戸当り壁部23bの上縁部において室内に臨む部分には、上方に開口した上方カバー溝部23hが設けてある。上部樹脂枠嵌合部23cは、無目金属本体23aの上面において室内側となる縁部に設けたもので、上方に開口した上無目嵌合溝23iを有している。上部網戸レール部23dは、無目金属本体23aの下面において室外側となる縁部から下方に向けて見付け方向に延在したものである。上部外方ガイド壁部23e及び上部仕切ガイド壁部23fは、それぞれ無目金属本体23aの下面において上部網戸レール部23dよりも室内側となる部分から下方に向けて見付け方向に延在したものである。上部外方ガイド壁部23eは、上部仕切ガイド壁部23fとの間に隙間を確保し、かつ上部仕切ガイド壁部23fよりも室外側となる部分に設けてある。上部内方ガイド壁部23gは、無目金属本体23aの下面において室内側となる縁部から下方に向けて見付け方向に延在したものである。上部内方ガイド壁部23gと上部仕切ガイド壁部23fとの相互間隔は、上部外方ガイド壁部23eと上部仕切ガイド壁部23fとの相互間隔とほぼ等しい。上部内方ガイド壁部23gの室内に臨む見付け面には、無目金属本体23aに近接した部分に下方に開口した下無目嵌合溝23jが設けてある。上部仕切ガイド壁部23f及び上部内方ガイド壁部23gの延在縁部において室外に臨む部分には、それぞれシール部材S2が装着してある。
【0017】
無目12の樹脂枠部は、金属枠部23の上部において室内側となる部分に設けた上部樹脂枠部24と、金属枠部23の下部において室内側となる部分に設けた下部樹脂枠部25と、これら上部樹脂枠部24及び下部樹脂枠部25の間に設けたカバー樹脂枠部26との3分割構成となっている。
【0018】
上部樹脂枠部24は、上無目樹脂枠本体24a、上無目嵌合ヒレ部24bを一体に成形したものである。上無目樹脂枠本体24aは、見込み方向に沿ってほぼ水平に延在したもので、金属枠部23の上面において無目戸当り壁部23bから上部樹脂枠嵌合部23cを超えて室内に突出する寸法に形成してある。上無目樹脂枠本体24aの下面において室外側となる部分には、下方に向けて見込み方向に延在した上無目カバー突部24cが設けてある。上無目嵌合ヒレ部24bは、上無目樹脂枠本体24aの下面においてほぼ中間となる部分から下方に向けて見付け方向に延在したものである。この上部樹脂枠部24は、上無目カバー突部24cを上方カバー溝部23hに嵌合するとともに、上無目嵌合ヒレ部24bを上部樹脂枠嵌合部23cの上無目嵌合溝23iに嵌合させることによって金属枠部23に装着してある。図からも明らかなように、上部樹脂枠部24を装着した金属枠部23では、無目戸当り壁部23bの上縁面及びこれよりも室内に位置する部分の上面が上部樹脂枠部24によって覆われた状態となる。
【0019】
下部樹脂枠部25は、下無目樹脂枠本体25a、下無目嵌合ヒレ部25bを一体に成形したものである。下無目樹脂枠本体25aは、見込み方向に沿ってほぼ水平に延在したもので、上無目樹脂枠本体24aよりも短い寸法に形成してある。下無目嵌合ヒレ部25bは、下無目樹脂枠本体25aの上面において室外側に位置する部分から上方に向けて見付け方向に延在したものである。この下部樹脂枠部25は、下無目嵌合ヒレ部25bを下無目嵌合溝23jに嵌合させることによって金属枠部23に装着することにより、上部内方ガイド壁部23gの下縁面を覆い、かつ室内に向けて突出した状態となる。
【0020】
カバー樹脂枠部26は、上部樹脂枠部24の上無目樹脂枠本体24aと下部樹脂枠部25の下無目樹脂枠本体25aとの間に嵌合する高さを有した中空の平板状を成すものである。このカバー樹脂枠部26は、上無目樹脂枠本体24a及び下無目樹脂枠本体25aを介してネジ部材1を螺合することによってこれら上無目樹脂枠本体24a及び下無目樹脂枠本体25aの間に取り付けてあり、金属枠部23の室内に臨む見付け面を覆った状態となる。なお、図中の符号27Aは、金属枠部23において上部仕切ガイド壁部23fと上部内方ガイド壁部23gとの間に装着した樹脂製の上部レールカバーである。
【0021】
(下枠13の構成)
下枠13の金属枠部28は、下金属枠本体28a、下部外方レール部28b、下部内方レール部28c、レールカバー受部28d、下部内方ガイド壁部28e、下部網戸レール部28gを一体に成形したものである。下金属枠本体28aは、見込み方向に沿ってほぼ水平に延在した板状を成すものである。下部外方レール部28bは、下金属枠本体28aの上面において室外側となる部分から上方に向けて見付け方向に延在したもので、無目12の金属枠部23に設けた上部外方ガイド壁部23eと対向するように設けてある。下部内方レール部28cは、下金属枠本体28aの室内側に位置する縁部から上方に向けて漸次室内側に傾斜した後、上方に向けて見付け方向に延在したものである。この下部内方レール部28cは、上縁が下部外方レール部28bよりも上方に突出し、かつ無目12の金属枠部23に設けた上部仕切ガイド壁部23fと上部内方ガイド壁部23gとの間に位置している。レールカバー受部28dは、下部内方レール部28cにおいて見込み方向に延在する部分の室外に臨む見付け面から室外に向けてほぼ水平に延在した後、下方に向けて屈曲したものである。レールカバー受部28dの延在縁部は、無目12の金属枠部23に設けた上部仕切ガイド壁部23fに対向する位置まで延在している。レールカバー受部28dの延在縁部には、室外に向けてシール部材S2が装着してある。下部内方ガイド壁部28eは、下部内方レール部28cにおいて見込み方向に延在する部分の室内に臨む見付け面から室内に向けてほぼ水平に延在した後、上方に向けて見付け方向に延在したもので、無目12の金属枠部23に設けた上部内方ガイド壁部23gに対向している。下部内方ガイド壁部28eの室内に臨む見付け面には、上方に開口した下部嵌合溝28fが設けてある。下部内方ガイド壁部28eの上縁部において室外に臨む部分には、シール部材S2が装着してある。下部網戸レール部28gは、下金属枠本体28aの室外に位置する縁部から下方に延在した後に室外に向けて延在し、さらに上方に向けて突出したもので、上部網戸レール部23dに対向する位置に設けてある。
【0022】
下枠13の樹脂枠部29は、金属枠部28において下部内方ガイド壁部28eの上縁面から室内側となる部分の上面を覆うためのもので、下部樹脂枠本体29a、下部嵌合ヒレ部29bを有している。本実施の形態1では、無目12の下部樹脂枠部25と対称形状となる樹脂枠部29を適用している。この樹脂枠部29は、下部嵌合ヒレ部29bを下部嵌合溝28fに嵌合させることによって金属枠部28に装着することにより、下部内方ガイド壁部28eの上縁面を覆い、かつ室内に向けて突出した状態となる。なお、上述の下枠13は、引き違い単窓WDに適用するものと同一の構成を有したものである。また、図中の符号27Bは、レールカバー受部28dの上面に設けた樹脂製の下部外方レールカバー、符号27Cは、下部内方レール部28cと下部内方ガイド壁部28eとの間に設けた樹脂製の下部内方レールカバーである。
【0023】
(縦枠14,15の構成)
左右の縦枠14,15は、それぞれの金属枠部(基準金属枠部)30,31が上枠11から下枠13までの間にわたって一連となるように配設してある一方、樹脂枠部(基準樹脂枠部)32,33が無目12から下枠13までの間にのみ配設してある。上述したように、左右の縦枠14,15は、引き違い単窓WDを構成する場合にも適用するものである。この引き違い窓WB用の縦枠14,15を縦すべり出し窓WA用の縦枠としても使用できるようにするため、上枠11から無目12までの間に、縦すべり出し窓WAで必要となる構成要素が縦すべり出し窓用アタッチメント(2種用アタッチメント)34として装着してある。本実施の形態1の縦すべり出し窓用アタッチメント34は、後述するようにアルミニウム合金等の金属によって成形した金属アタッチメント(2種用金属アタッチメント)35と、樹脂によって成形した樹脂アタッチメント(2種用樹脂アタッチメント)36とを備えて構成してある。
【0024】
室内側から見て左側に配置される縦枠(以下、区別する場合に左縦枠14という)の金属枠部30は、
図2~
図4に示すように、左金属枠本体30a、左外方見付け壁部30b、左内方見付け壁部30c、左樹脂枠係合ヒレ部30d、外方ガイドヒレ部30eを有している。左金属枠本体30aは、見付け方向に沿ってほぼ鉛直に延在した平板状を成すものである。左外方見付け壁部30bは、左金属枠本体30aの室外側に位置する縁部において見込み方向に延在した平板状を成すものである。左内方見付け壁部30cは、左金属枠本体30aの室内側に位置する縁部において見込み方向に延在した平板状を成すものである。左内方見付け壁部30cには、室内側となる部分に左樹脂枠嵌合部30fが設けてある。左樹脂枠嵌合部30fは、左内方見付け壁部30cから室内に向けて延在した後、内周側に向けて屈曲したもので、内周側となる縁部に内周側に開口した左嵌合溝30gを有している。左樹脂枠係合ヒレ部30dは、左金属枠本体30aの内周側となる見込み面においてほぼ中間となる部分から内周側に向けて延在したものである。左樹脂枠係合ヒレ部30dの突出縁部において室外に臨む部分には、シール部材S2が装着してある。左樹脂枠係合ヒレ部30dの突出縁部において室内側に臨む部分には、左係合突起30hが設けてある。外方ガイドヒレ部30eは、左金属枠本体30aの内周側となる見込み面において左外方見付け壁部30bと左樹脂枠係合ヒレ部30dとの間に位置する部分から内周側に向けて延在したものである。
【0025】
左縦枠14の樹脂枠部32は、無目12から下枠13までの金属枠部30において左樹脂枠係合ヒレ部30dよりも室内側となる内周側の見込み面を覆うためのもので、左下樹脂枠本体32a、左下外方当接片部32b、左下内方嵌合ヒレ部32c、左下取付板部32dを有している。左下樹脂枠本体32aは、断面が見付け方向に長手となる略長方形の中空状を成すものである。左下樹脂枠本体32aには、室外側においてかつ外周側となる部分に室外に開口するように左下係合凹溝32eが設けてある。左下外方当接片部32bは、左下樹脂枠本体32aの外周側となる見込み面において室外側となる部分から外周に向けて見付け方向に延在したものである。左下内方嵌合ヒレ部32cは、左下樹脂枠本体32aの外周側、かつ室内側となる縁部から外周に向けて見付け方向に延在したものである。左下取付板部32dは、左下樹脂枠本体32aの内周側、かつ室内側となる縁部から室内に向けて延在したものである。この樹脂枠部32は、左下係合凹溝32eに左係合突起30hを係合させるとともに、左下内方嵌合ヒレ部32cを左嵌合溝30gに嵌合させることによって金属枠部30に装着してある。
【0026】
室内側から見て右側に配置される縦枠(以下、区別する場合に右縦枠15という)の金属枠部31は、左縦枠14の金属枠部30とはほぼ対称形状となるもので、右金属枠本体31a、右外方見付け壁部31b、右内方見付け壁部31c、内方ガイドヒレ部31d、右樹脂枠嵌合部31f、右嵌合溝31gを有している。すなわち、右縦枠15の金属枠部31は、右金属枠本体31a、右外方見付け壁部31b、右内方見付け壁部31c、右樹脂枠嵌合部31f、右嵌合溝31gがそれぞれ左縦枠14の金属枠部30に設けた左金属枠本体30a、左外方見付け壁部30b、左内方見付け壁部30c、左樹脂枠嵌合部30f、左嵌合溝30gと対称形状となるように構成してある。左金属枠本体30aの内周側となる見込み面には、室内側に位置する部分から内周側に向けて延在するように内方ガイドヒレ部31dのみが設けてある。また、右内方見付け壁部31cの突出縁部において室外に臨む部分には、シール部材S2が装着してある。
【0027】
右縦枠15の樹脂枠部33は、無目12から下枠13までの金属枠部31において右内方見付け壁部31cよりも室内側となる内周側の見込み面を覆うためのもので、右樹脂枠本体33a、右嵌合ヒレ部33bを有している。右樹脂枠本体33aは、見込み方向に沿ってほぼ鉛直に延在したものである。右嵌合ヒレ部33bは、右樹脂枠本体33aの室外側に位置する部分から外周に向けて見付け方向に延在したものである。この樹脂枠部33は、右嵌合ヒレ部33bを右嵌合溝31gに嵌合させることによって金属枠部31に装着することにより、右内方見付け壁部31cの内周面を覆い、かつ室内に向けて突出した状態となる。
【0028】
左縦枠14の金属アタッチメント35は、左縦枠14に設けた外方ガイドヒレ部30e及び左樹脂枠係合ヒレ部30dを覆い隠すとともに、左縦枠14の室内側となる部分に左戸当り壁部の機能を設けるものである。左縦枠14の樹脂アタッチメント36は、金属アタッチメント35の室内に臨む見付け面を覆うためのものである。同様に、右縦枠15の金属アタッチメント35は、右縦枠15に設けた内方ガイドヒレ部31dを覆い隠すとともに、右縦枠15の室内側となる部分に右戸当り壁部の機能を設けるものである。右縦枠15の樹脂アタッチメント36は、金属アタッチメント35の室内に臨む見付け面を覆うためのものである。参考までに、まず
図6を適用して縦すべり出し単窓WCの縦枠101,102について説明する。以下の説明では便宜上、縦すべり出し単窓WCにおいて室内側から見て左側に位置する縦枠を単窓左縦枠101、室内側から見て右側に位置する縦枠を単窓右縦枠102と称する。
【0029】
(縦すべり出し単窓WCの単窓縦枠101,102の構成)
単窓左縦枠101の金属枠部103は、左金属枠本体103a、左外方見付け壁部103b、左内方見付け壁部103c、左戸当り壁部103dを一体に成形したものである。左金属枠本体103aは、見込み方向に沿ってほぼ鉛直となるように延在した平板状を成すものである。左外方見付け壁部103bは、左金属枠本体103aの室外側に位置する縁部において見込み方向に延在したものである。左内方見付け壁部103cは、左金属枠本体103aの室内側に位置する縁部において見込み方向に延在した平板状を成すものである。左内方見付け壁部103cには、室内側となる部分に左樹脂枠嵌合部103eが設けてある。左樹脂枠嵌合部103eは、左内方見付け壁部103cから室内に向けて延在した後、内周側に向けて屈曲したもので、内周側となる縁部に内周側に開口した左嵌合溝103fを有している。左戸当り壁部103dは、左金属枠本体103aの内周側となる見込み面において室内側となる部分から内周側に向けて見付け方向に延在したものである。左戸当り壁部103dの内周側縁部において室外に臨む部分には、シール部材S1が装着してある。左戸当り壁部103dの内周側縁部において室内に臨む部分には、内周側に開口した左カバー溝部(単一係合部)103gが設けてある。図からも明らかなように、左金属枠本体103aの内周側となる見込み面には、左戸当り壁部103dよりも室外側となる部分に見込み方向に沿って長手となる断面長方形の左中空部103hが設けてある。
【0030】
単窓左縦枠101の樹脂枠部104は、左樹脂枠本体104a、左枠カバー部104b、左嵌合ヒレ部104c、左取付板部104dを一体に成形したものである。左樹脂枠本体104aは、断面が見付け方向に長手となる略長方形の中空状を成すものである。左枠カバー部104bは、左樹脂枠本体104aの内周側、かつ室外側となる縁部から室外に向けて見込み方向に延在したものである。左枠カバー部104bの外周側となる見込み面には、外周側に向けて見付け方向に延在した左カバー突部104eが設けてある。左嵌合ヒレ部104cは、左樹脂枠本体104aの外周側、かつ室内側となる縁部から外周に向けて見付け方向に延在したものである。左取付板部104dは、左樹脂枠本体104aの室内に臨む見付け面の外周側となる部分から室内に向けて見込み方向に延在したものである。この樹脂枠部104は、左カバー突部104eを左カバー溝部103gに嵌合するとともに、左嵌合ヒレ部104cを左樹脂枠嵌合部103eの左嵌合溝103fに嵌合させることによって金属枠部103に装着してある。図からも明らかなように、樹脂枠部104を装着した金属枠部103では、左戸当り壁部103dの内周側となる見込み面及び室内に臨む見付け面が樹脂枠部104によって覆われた状態となる。
【0031】
単窓右縦枠102の金属枠部105は、右金属枠本体105a、右外方見付け壁部105b、右内方見付け壁部105c、右樹脂枠嵌合部105d、右嵌合溝105e、右戸当り壁部105f、右カバー溝部105g、右中空部105hを一体に成形したもので、単窓左縦枠101の金属枠部103と対称となる形状を有するように構成してある。
【0032】
単窓右縦枠102の樹脂枠部106は、右樹脂枠本体106a、右枠カバー部106b、右嵌合ヒレ部106c、右取付板部106dを一体に成形したもので、単窓左縦枠101の樹脂枠部104と対称となる形状を有するように構成してある。単窓右縦枠102の樹脂枠部106についても、右カバー突部106eを右カバー溝部105gに嵌合するとともに、右嵌合ヒレ部106cを右樹脂枠嵌合部105dの右嵌合溝105eに嵌合させることによって金属枠部105に装着してある。樹脂枠部106を装着した金属枠部105では、右戸当り壁部105fの内周側となる見込み面及び室内に臨む見付け面が樹脂枠部106によって覆われた状態となる。
【0033】
(縦すべり出し窓用アタッチメント34の構成)
上述した縦すべり出し単窓WCを構成する単窓縦枠101,102に対して段窓の縦枠14,15に装着する縦すべり出し窓用アタッチメント34は、
図3、
図5に示すように、左縦枠14用のものと右縦枠15用のものとが互いに対称形状となるように構成してある。以下、左縦枠14用のアタッチメントについて説明し、右縦枠15用のアタッチメントについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
金属アタッチメント35は、金属アタッチメント本体35a、金属外方支持壁部35b、金属内方支持壁部35c、金属中間支持壁部35d、金属戸当り構成壁部35eを一体に成形したものである。金属アタッチメント本体35aは、見込み方向に沿って鉛直に延在する平板状を成すものである。金属アタッチメント本体35aの見込み方向に沿った長さは、段窓の左縦枠14を構成する左金属枠本体30aの見込み方向に沿った寸法よりも短く構成してある。右縦枠15を用いてより具体的に説明すると、金属アタッチメント本体35aは、右金属枠本体31aにおいて内方ガイドヒレ部31dから右外方見付け壁部31bまでの見込み方向に沿った寸法とほぼ等しい寸法を有している。金属外方支持壁部35bは、金属アタッチメント本体35aの室外側に位置する縁部から外周側に向けて見付け方向に延在したものである。金属内方支持壁部35cは、金属アタッチメント本体35aの室内側に位置する縁部から外周側に向けて見付け方向に延在したものである。金属内方支持壁部35cの延在縁部には、シール部材S3が装着してある。金属中間支持壁部35dは、金属アタッチメント本体35aの外周側となる見込み面においてほぼ中央となる位置から外周側に向けて見付け方向に延在した後、室内に向けて屈曲したものである。これら金属外方支持壁部35b、金属内方支持壁部35c、金属中間支持壁部35dの見付け方向に沿った長さは、互いにほぼ等しく、かつ外方ガイドヒレ部30e及び左樹脂枠係合ヒレ部30dよりも大きな寸法となるように形成してある。金属戸当り構成壁部35eは、金属アタッチメント本体35aの室内側に位置する縁部から内周側に向けて見付け方向に延在したものである。金属戸当り構成壁部35eの内周側縁部において室外に臨む部分には、シール部材S1が装着してある。このシール部材S1は、上枠11の上戸当り壁部21b及び無目12の無目戸当り壁部23bに装着したシール部材S1と一連となるものである。金属戸当り構成壁部35eの内周側縁部において室内に臨む部分には、内周側に開口したカバー溝部(アタッチメント係合部)35fが設けてある。このカバー溝部35fは、左金属枠本体30aを左金属枠本体103aと重ね合わせた場合に単窓左縦枠101の金属枠部103に設けた左カバー溝部103gと同一の位置となるように構成してある。金属内方支持壁部35cの延在縁部から金属戸当り構成壁部35eの延在縁部までの寸法は、単窓左縦枠101において左金属枠本体103aから左戸当り壁部103dの延在縁部までの寸法とほぼ等しい。
【0035】
樹脂アタッチメント36は、樹脂枠本体36a、枠カバー部36b、嵌合ヒレ部36c、取付板部36d、カバー突部36eを一体に成形したもので、単窓左縦枠101の樹脂枠部32と同一の形状となるように構成してある。
【0036】
上述の金属アタッチメント35は、金属外方支持壁部35b、金属内方支持壁部35c、金属中間支持壁部35dを介して左縦枠14を構成する左金属枠本体30aの内周側に装着し、金属外方支持壁部35bの室外に臨む見付け面が左外方見付け壁部30bの室内に臨む見付け面に当接した状態で左金属枠本体30aの外周側から金属中間支持壁部35dにdネジ部材2を螺合することによって左金属枠本体30aに取り付けてある。この状態においては、左縦枠14の外方ガイドヒレ部30e及び左樹脂枠係合ヒレ部30dが金属アタッチメント35によって覆い隠された状態となり、かつ左縦枠14の左金属枠本体30aから内周側に向けて金属戸当り構成壁部35eが延在した状態となる。しかも、金属内方支持壁部35cの延在縁部にシール部材S3が装着してあり、室内外方向の気密性及び水密性が確保されているため、左縦枠14の左金属枠本体30aと金属アタッチメント35の間を通じて室外の空気や水が室内に進入するおそれはない。樹脂アタッチメント36については、枠カバー部36bを金属アタッチメント35のカバー溝部35fに嵌合するとともに、嵌合ヒレ部36cを金属枠部30に設けた左樹脂枠嵌合部30fの左嵌合溝30gに嵌合させることによって金属枠部30及び金属アタッチメント35に装着してある。樹脂アタッチメント36を装着した金属枠部30及び金属アタッチメント35では、金属戸当り構成壁部35eの内周側となる見込み面及び室内に臨む見付け面が樹脂アタッチメント36によって覆われた状態となる。
【0037】
同様に、右縦枠15においては、内方ガイドヒレ部31dが金属アタッチメント35によって覆い隠された状態となり、かつ右縦枠15の右金属枠本体31aから内周側に向けて金属戸当り構成壁部35eが延在した状態となる。樹脂アタッチメント36については、枠カバー部36bを金属アタッチメント35のカバー溝部35fに嵌合するとともに、右嵌合ヒレ部33bを金属枠部31に設けた右樹脂枠嵌合部31fの右嵌合溝31gに嵌合させることによって金属枠部31及び金属アタッチメント35に装着してある。樹脂アタッチメント36を装着した金属枠部31及び金属アタッチメント35では、金属戸当り構成壁部35eの内周側となる見込み面及び室内に臨む見付け面が樹脂アタッチメント36によって覆われた状態となる。
【0038】
(段窓の構成)
上記のように構成した枠体10には、
図1~
図3に示すように、無目12、下枠13、左右の縦枠14,15の内部に外障子PB1及び内障子PB2を建て込めば、これら外障子PB1及び内障子PB2がそれぞれ左右にスライド可能となる引き違い窓WBを構成することができる。外障子PB1及び内障子PB2に対しては、それぞれを閉じ位置に配置した場合に、上部仕切ガイド壁部23f、上部内方ガイド壁部23g、レールカバー受部28d、下部内方ガイド壁部28e、左樹脂枠係合ヒレ部30d、右内方見付け壁部31cのそれぞれに設けたシール部材S2が圧接された状態となり、枠体10との間の気密性及び水密性が確保される。また、外障子PB1の戸先となる縦框B13に対して左縦枠14の外方ガイドヒレ部30eが進入するとともに、内障子PB2の戸先となる縦框B23に対して右縦枠15の内方ガイドヒレ部31dが進入し、それぞれの内部に設けた図示せぬ引き寄せ部材との協働により、外障子PB1及び内障子PB2が室内側に付勢された状態となる。
【0039】
上枠11、無目12及び縦すべり出し窓用アタッチメント34を装着した左右の縦枠14,15の内部には、上枠11と上框A11との間及び無目12と下框A12との間にそれぞれフリクションステーと称されるリンク機構Lを介して可動障子PAを配設すれば、可動障子PAが室内側に押し開くように開放する縦すべり出し窓WAを構成することができる。可動障子PAを閉じ位置に配置した状態においては、四周の框にシール部材S1が圧接された状態となり、枠体10との間の気密性及び水密性が確保される。図示の例では、外障子PB1よりも室外側となる部分にさらに網戸Nが取り付けてある。外障子PB1及び内障子PB2としては、それぞれ上框B11,B21、下框B12,B22、左右の縦框B13,B14,B23,B24の内部に複層ガラス等のパネルB15,B25を支持させたものを適用し、可動障子PAとしては、上框A11、下框A12、左右の縦框A13,A14の内部に複層ガラス等のパネルA15を支持させたものを適用している。それぞれの障子PB1,PB2,PAを構成する上框B11,B21,A11、下框B12,B22,A12、左右の縦框B13,B14,B23,B24,A13,A14は、いずれもアルミニウム合金等の金属によって成形した室外側の金属框部と、樹脂によって成形した室内側の樹脂框部とを備えて構成してある。
【0040】
この建具によれば、縦枠14,15において無目12よりも下方となる部分に金属枠部30,31と樹脂枠部32,33とを有した引き違い窓WBを構成し、かつ縦枠14,15において無目12よりも上方となる部分に金属アタッチメント35と樹脂アタッチメント36とを有した縦すべり出し窓WAを構成するようにしている。従って、上下に異なる窓を備えた段窓においても断熱性能を向上させることが可能となる。しかも、金属枠部30,31の室内側となる縁部に樹脂枠嵌合部30f,31fを設け、樹脂枠部32,33の嵌合ヒレ部32c,33b及び樹脂アタッチメント36の嵌合ヒレ部36cをそれぞれ嵌合溝30g,31gに嵌合させるようにしているため、樹脂枠部32,33の室内側に位置する縁部及び樹脂アタッチメント36の室内側に位置する縁部を共通の構成とすることができ、上下でデザインに一貫性を持たせることが可能となる等の利点がある。特に、本実施の形態1では、縦枠14,15として同じ製品シリーズの引き違い単窓WDに適用するものを適用しているため、部品の共用化から製造コストの低減を図ることが可能となる。加えて、外障子PB1及び内障子PB2として、引き違い単窓WDに適用するものと同一のものを適用することができるとともに、可動障子PAとして、縦すべり出し単窓WCに適用するものと同一のものを適用することが可能となる。従って、これら障子PB1,PB2,PAについても部品の共用化からさらに製造コストの低減を図ることが可能となる。さらに、樹脂アタッチメント36として同じ製品シリーズにおいて縦すべり出し単窓WCに適用する樹脂枠部104,106と同一構成のもの、つまり同一のものを適用することができるため、製造コストを一層低減することが可能となる。
【0041】
なお、上述した実施の形態1では、左右の縦枠の間の上端部間に縦すべり出し窓を構成し、下端部間に引き違い窓を構成した段窓を例示しているが、左右の縦枠の間の下端部間に縦すべり出し窓を構成し、上端部間に引き違い窓を構成しても良い。
【0042】
(実施の形態2)
図7、
図8は、本発明の実施の形態2である建具を示すものである。ここで例示する建具は、一つの枠体210の内部に、上方の引き違い窓(第1種窓)WBと下方のFIX窓(第2種窓)WEとを構成した段窓と称されるものである。特に本実施の形態2では、実施の形態1と同様、引き違い単窓WD及び単一のFIX窓(以下、FIX単窓WFという)を含む製品シリーズの中の1建具としてラインアップされる段窓を例示している。より具体的に説明すると、本実施の形態2の建具は、引き違い単窓WDに適用する縦枠14,15を利用して引き違い窓WBとFIX窓WEとの段窓を構成したものである。なお、実施の形態2の引き違い窓WBは、実施の形態1と同一の構成を有したものである。
【0043】
枠体210は、上枠211、無目212、下枠213、左右の縦枠14,15を備えて構成してある。すなわち、この枠体210には、上枠211、無目212、左右の縦枠14,15によって囲まれる部分に引き違い窓WBを構成する室外側の外障子(第1面材)PB1及び室内側の内障子(第1面材)PB2がそれぞれ左右にスライド可能に配設してあり、無目212、下枠213、左右の縦枠14,15によって囲まれる部分にFIX窓WEを構成する複層ガラス等のFIXパネル(第2面材)PCが配設してある。枠体210を構成する上枠211、無目212、下枠213、左右の縦枠14,15は、それぞれがアルミニウム合金等の金属によって成形した金属枠部と、樹脂によって成形した樹脂枠部とを備えて構成したものである。
【0044】
(上枠211の構成)
上枠211の金属枠部221は、上枠金属本体221a、上部網戸レール部221b、上部外方ガイド壁部221c、上部仕切ガイド壁部221d、上部内方ガイド壁部221eを一体に成形したものである。上枠金属本体221aは、見込み方向に向けてほぼ水平に延在したものである。上部網戸レール部221bは、上枠金属本体221aの室外側となる縁部から下方に向けて見付け方向に延在したものである。上部外方ガイド壁部221c及び上部仕切ガイド壁部221dは、それぞれ上枠金属本体221aの下面において上部網戸ガイド壁部よりも室内側となる部分から下方に向けて見付け方向に延在したものである。上部外方ガイド壁部221cは、上部仕切ガイド壁部221dとの間に隙間を確保し、かつ上部仕切ガイド壁部221dよりも室外側となる部分に設けてある。上部内方ガイド壁部221eは、上枠金属本体221aの室内側となる縁部から下方に向けて見付け方向に延在したものである。上部内方ガイド壁部221eと上部仕切ガイド壁部221dとの相互間隔は、上部外方ガイド壁部221cと上部仕切ガイド壁部221dとの相互間隔とほぼ等しい。上部内方ガイド壁部221eの室内に臨む見付け面には、上枠金属本体221aに近接した部分に下方に開口した上嵌合溝221fが設けてある。上部仕切ガイド壁部221d及び上部内方ガイド壁部221eの延在縁部において室外に臨む部分には、それぞれシール部材S2が装着してある。
【0045】
上枠211の樹脂枠部222は、金属枠部221において上部内方ガイド壁部221eの下縁面から室内側となる部分の下面を覆うためのもので、上樹脂枠本体222a、上嵌合ヒレ部222bが一体に成形してある。上樹脂枠本体222aは、見込み方向に沿ってほぼ水平に延在したものである。上嵌合ヒレ部222bは、上樹脂枠本体222aの上面において室外側に位置する部分から上方に向けて見付け方向に延在したものである。この樹脂枠部は、上嵌合ヒレ部222bを上嵌合溝221fに嵌合させることによって金属枠部に装着することにより、上部内方ガイド壁部221eの下縁面を覆い、かつ室内に向けて突出した状態となる。なお、上述の上枠211は、引き違い単窓WDに適用するものと同一の構成を有したものである。
【0046】
(無目212の構成)
無目212の金属枠部223は、無目金属本体223a、下部外方レール部223b、下部内方レール部223c、レールカバー受部223d、無目内方ガイド壁部223e、下部網戸レール部223f、無目外方パネル支持部223g、無目内方パネル支持部223h、無目樹脂枠嵌合部223iを一体に成形したものである。無目金属本体223aは、室外に臨む見付け面及び室内に臨む見付け面がほぼ鉛直に沿って延在した異形の中空状を成すものである。下部外方レール部223bは、無目金属本体223aの上面において室外側となる部分から上方に向けて見付け方向に延在したもので、上枠211の金属枠部221に設けた上部外方ガイド壁部221cと対向するように設けてある。下部内方レール部223cは、下部外方レール部223bよりも室内側に位置する部分から上方に向けて延在したもので、下部外方レール部223bよりも上方に突出している。下部外方レール部223bから下部内方レール部223cの間は、室内に向けてほぼ水平に延在した後、上方に向けて漸次室内側に傾斜することにより、下部内方レール部223cの下縁部に連続している。この下部内方レール部223cは、上枠211の金属枠部221に設けた上部仕切ガイド壁部221dと上部内方ガイド壁部221eとの間に位置している。レールカバー受部223dは、下部内方レール部223cにおいて見込み方向に延在する部分の室外に臨む見付け面から室外に向けてほぼ水平に延在した後、下方に向けて屈曲したものである。レールカバー受部223dの延在縁部は、上枠211の金属枠部221に設けた上部仕切ガイド壁部221dに対向する位置まで延在している。レールカバー受部223dの延在縁部には、室外に向けてシール部材S2が装着してある。無目内方ガイド壁部223eは、無目金属本体223aの上面において室内側に位置する部分から上方に向けて見付け方向に延在したもので、上枠211の金属枠部221に設けた上部内方ガイド壁部221eに対向している。無目内方ガイド壁部223eの室内に臨む見付け面には、上方に開口した無目嵌合溝223jが設けてある。無目内方ガイド壁部223eの上縁部において室外に臨む部分には、シール部材S2が装着してある。下部網戸レール部223fは、無目金属本体223aの上面において室外側となる縁部から上方に向けて見付け方向に延在したものである。無目金属本体223aの上面において下部網戸レール部223fよりも室内側となる部分には、上方に開口した凹溝が設けてある。無目外方パネル支持部223gは、無目金属本体223aの下面において室外側となる縁部から下方に向けて見付け方向に延在したものである。無目内方パネル支持部223hは、無目金属本体223aの下面において無目外方パネル支持部223gよりも室内側となる位置から下方に向けて見付け方向に延在したものである。これら無目外方パネル支持部223g及び無目内方パネル支持部223hは、互いの間にFIXパネルPCの板厚よりも大きな間隔が確保した状態で相互に対向するように設けてある。無目外方パネル支持部223gの延在縁部には、室内に臨む部分に外方ポケット部223kが突出するように設けてある。無目内方パネル支持部223hの延在縁部には、室外に臨む部分に内方ポケット部223mが設けてあるとともに、室内に臨む部分に下方に開口した上カバー溝部223nが設けてある。無目樹脂枠嵌合部223iは、無目金属本体223aの下面において室内側となる縁部に設けた溝状を成すもので、下方に向けて開口するように形成してある。
【0047】
無目212の樹脂枠部は、金属枠部223の上部において室内側となる部分に設けた上部樹脂枠部224と、金属枠部223の下部において室内側となる部分に設けた下部樹脂枠部225と、これら上部樹脂枠部224及び下部樹脂枠部225の間に設けたカバー樹脂枠部226との3分割構成となっている。
【0048】
上部樹脂枠部224は、上無目樹脂枠本体224a、上無目嵌合ヒレ部224bを一体に成形したものである。上無目樹脂枠本体224aは、見込み方向に沿ってほぼ水平に延在したものである。上無目嵌合ヒレ部224bは、上無目樹脂枠本体224aの下面において室外側となる部分から下方に向けて見付け方向に延在したものである。この上部樹脂枠部224は、上無目嵌合ヒレ部224bを無目嵌合溝223jに嵌合させることによって金属枠部223に装着してある。
【0049】
下部樹脂枠部225は、金属枠部223において無目内方パネル支持部223hよりも室内側となる部分を覆うもので、外方中空部225a、内方中空部225b、外方カバー片部225c、無目内方嵌合ヒレ部225d、無目取付板部225eを有している。外方中空部225a及び内方中空部225bは、それぞれ断面が長方形の中空状を成すものである。図示の例では、外方中空部225aの上方側となる部分から内方中空部225bが室内に向けて突出するように設けてある。外方カバー片部225cは、外方中空部225aの室外側、かつ下方となる隅部から室外に向けて見込み方向に延在したものである。この外方カバー片部225cの上面には、外方嵌合片部225fが設けてある。外方嵌合片部225fは、金属枠部223の上カバー溝部223nに嵌合するもので、上方に向けて見付け方向に延在している。無目内方嵌合ヒレ部225dは、金属枠部223の無目樹脂枠嵌合部223iに嵌合するもので、内方中空部225bの室内側、かつ上方となる隅部から上方に向けて延在している。無目取付板部225eは、内方中空部225bの室内側、かつ下方となる隅部から室内に設けて見込み方向に延在している。この下部樹脂枠部225は、外方嵌合片部225fを上カバー溝部223nに嵌合させるとともに、無目内方嵌合ヒレ部225dを無目樹脂枠嵌合部223iに嵌合させることにより、無目内方パネル支持部223hよりも室内側となる部分の下面を覆った状態となる。
【0050】
カバー樹脂枠部226は、上部樹脂枠部224の上無目樹脂枠本体224aと下部樹脂枠部225の無目取付板部225eとの間に嵌合する高さを有した中空の平板状を成すものである。このカバー樹脂枠部226は、上無目樹脂枠本体224a及び無目取付板部225eを介してネジ部材1を螺合することによってこれら上無目樹脂枠本体224a及び無目取付板部225eの間に取り付けてあり、金属枠部223の室内に臨む見付け面を覆った状態となる。
【0051】
(下枠213の構成)
下枠213の金属枠部227は、下枠基部227a、下外方パネル支持部227b、下内方パネル支持部227c、下樹脂枠嵌合部227dを一体に成形したものである。下枠基部227aは、見込み方向に沿って延在するものである。下外方パネル支持部227bは、下枠基部227aの室外側となる縁部から上方に向けて見付け方向に延在したものである。下内方パネル支持部227cは、下枠基部227aにおいて下外方パネル支持部227bよりも室内側となる位置から上方に向けて見付け方向に延在したものである。これら下外方パネル支持部227b及び下内方パネル支持部227cは、無目212の無目外方パネル支持部223g及び無目内方パネル支持部223hに対応した位置に設けてある。下外方パネル支持部227bの延在縁部には、室内に臨む部分に外方ポケット部227eが突出するように設けてある。下内方パネル支持部227cの延在縁部には、室外に臨む部分に内方ポケット部227fが設けてあるとともに、室内に臨む部分に下方に開口した下カバー溝部227gが設けてある。下樹脂枠嵌合部227dは、下枠基部227aの室内側となる縁部に設けた溝状を成すもので、内周に向けて開口するように形成してある。
【0052】
下枠213の樹脂枠部228は、金属枠部227において下内方パネル支持部227cよりも室内側となる部分の上面を覆うもので、下見込み板部228a、下外方嵌合部228b、下内方嵌合ヒレ部228cを有している。下見込み板部228aは、見込み方向に沿った寸法が無目212の下部樹脂枠部225とほぼ同じ長さの板状を成すものである。下外方嵌合部228bは、金属枠部227の下カバー溝部227gに嵌合するもので、下見込み板部228aの下面において室外側となる部分から下方に向けて延在している。下内方嵌合ヒレ部228cは、金属枠部227の下樹脂枠嵌合部227dに嵌合するもので、下見込み板部228aの下面において室内側となる部分から下方に向けて見付け方向に延在している。この樹脂枠部228は、下外方嵌合部228bを下カバー溝部227gに嵌合するとともに、下内方嵌合ヒレ部228cを下樹脂枠嵌合部227dに嵌合させることにより、下枠213の下内方パネル支持部227cよりも室内側となる部分の上面を覆った状態となる。なお、上述の下枠213は、FIX単窓WFに適用するものと同一の構成を有したものである。
【0053】
(縦枠14,15の構成)
左右の縦枠14,15は、それぞれの金属枠部30,31が上枠211から下枠213までの間にわたって一連となるように配設してある一方、樹脂枠部32,33が無目212から下枠213までの間に配設してある。上述したように、左右の縦枠14,15は、引き違い単窓WDを構成する場合にも適用するものである。この引き違い窓WB用の縦枠14,15をFIX窓WE用の縦枠としても使用できるようにするため、
図8、
図9に示すように、上枠211から無目212までの間に、FIX窓WEで必要となる構成要素がFIX窓用アタッチメント229として装着してある。本実施の形態2のFIX窓用アタッチメント229は、後述するようにアルミニウム合金等の金属によって成形した金属アタッチメント230と、樹脂によって成形した樹脂アタッチメント231とを備えて構成してある。左右の縦枠14,15は、上述したように実施の形態1と同一のものであり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
左縦枠14の金属アタッチメント230は、左縦枠14に設けた外方ガイドヒレ部30e及び左樹脂枠係合ヒレ部30dを覆い隠すとともに、内周側となる部分に押縁232を装着するための装着部を設けるものである。左縦枠14の樹脂アタッチメント231は、金属アタッチメント230の室内に臨む見付け面を覆うためのものである。同様に、右縦枠15の金属アタッチメント230は、右縦枠15に設けた内方ガイドヒレ部31dを覆い隠すとともに、内周側となる部分に押縁232を装着するための装着部を設けるものである。右縦枠15の樹脂アタッチメント231は、金属アタッチメント230の室内に臨む見付け面を覆うためのものである。参考までに、まず
図10を適用して単一のFIX窓(以下、FIX単窓WFという)の縦枠201,202について説明する。なお、FIX単窓WFの縦枠201,202は、左右で対称形状となるものであるため、左側の縦枠201についてのみ説明する。また以下の説明では便宜上、FIX単窓WFの縦枠を単窓縦枠201,202と称する。
【0055】
(FIX単窓WFの単窓縦枠201,202の構成)
単窓縦枠201の金属枠部203は、縦枠基部203a、外方パネル支持部203b、樹脂枠嵌合部203c、樹脂枠係止部203d、内方収容溝形成片203e、押縁係合部203fを一体に成形したものである。縦枠基部203aは、見込み方向に沿ってほぼ鉛直に延在するものである。外方パネル支持部203bは、縦枠基部203aの室外側となる縁部から内周側に向けて見付け方向に延在したものである。外方パネル支持部203bの延在縁部には、室内に臨む部分に外方ポケット部203gが突出するように設けてある。樹脂枠嵌合部203cは、縦枠基部203aの室内側となる縁部に設けた溝状を成すもので、内周に向けて開口するように形成してある。樹脂枠係止部203dは、縦枠基部203aの内周側となる見込み面において樹脂枠嵌合部203cよりも室外側となる部分から内周に向けて突出した後、室内に向けて屈曲したものである。内方収容溝形成片203eは、縦枠基部203aにおいて外方パネル支持部203bよりも室内側、かつ樹脂枠係止部203dよりも室外側となる位置から内周側に向けて見付け方向に延在した後、室外に向けて屈曲している。内方収容溝形成片203eの延在寸法は、外方パネル支持部203bの延在寸法よりも短く構成してある。押縁係合部203fは、縦枠基部203aの内周側となる見込み面において外方パネル支持部203bと内方収容溝形成片203eとの間となる位置から内周に向けて突出した後、室内に向けて屈曲したものである。押縁係合部203fと縦枠基部203aとの間には、縦枠基部203aの板厚寸法に対してほぼ2倍となる隙間が確保してある。
【0056】
単窓縦枠201の樹脂枠部204は、金属枠部203において樹脂枠係止部203dよりも室内側となる部分を覆うもので、縦枠中空部204a、外方係合ヒレ部204b、内方嵌合ヒレ部204c、取付板部204d、対向突出部204eを有している。縦枠中空部204aは、断面が長方形の中空状を成すものである。外方係合ヒレ部204bは、樹脂枠係止部203dに係合するもので、縦枠中空部204aの室外側、かつ外周側となる隅部から外周側に向けて見付け方向に延在している。外方係合ヒレ部204bの延在縁部には、位置決め係合部(単一係合部)204fが設けてある。位置決め係合部204fは、外方係合ヒレ部204bの室外に臨む見付け面に設けた凹所であり、金属枠部203の樹脂枠係止部203dに係合可能である。内方嵌合ヒレ部204cは、金属枠部203の樹脂枠嵌合部203cに挿入して嵌合するもので、縦枠中空部204aの室内側、かつ外周側となる隅部から外周に向けて延在している。取付板部204dは、縦枠中空部204aの室内側、かつ内周側となる隅部から室内に設けて見込み方向に延在している。対向突出部204eは、縦枠中空部204aの室外に臨む見付け面から室外に向けて突出したものである。図からも明らかなように、対向突出部204eは、縦枠中空部204aの隅部よりもわずかに外周側となる部分に設けてあり、対向突出部204eよりも内周側となる部分に見付け面を確保している。
【0057】
上記の構成を有した単窓縦枠201は、外方係合ヒレ部204b及び内方嵌合ヒレ部204cを介して樹脂枠部204が金属枠部203に装着された状態となる。縦枠中空部204aは、内周側となる見込み面が見込み方向に沿って配置される。縦枠中空部204aの内周側への突出寸法は、内方収容溝形成片203eとほぼ同じとなるように設定してある。金属枠部203に設けた外方パネル支持部203b及び内方収容溝形成片203eの間には、内方収容溝形成片203eに押縁232を装着した状態でそれぞれシール材S5を介してFIXパネルPCの縁部が支持してある。押縁232は、金属押縁部233及び樹脂押縁部234を有して構成してある。
【0058】
金属押縁部233は、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、パネル支持片233a、内周係合部233b、外周係合片233cを有して構成してある。パネル支持片233aは、見付け方向に沿って延在するものである。パネル支持片233aには、室内に臨む見付け面に樹脂装着部233dが設けてある。樹脂装着部233dは、樹脂押縁部234を装着するものである。内周係合部233bは、パネル支持片233aの外周側となる縁部から室外に向けて延在した後、外周側に向けて湾曲したものである。外周係合片233cは、内周係合部233bの外周側となる縁部から室外に向けて漸次外周側となるように傾斜延在した後に屈曲し、室外に向けて見込み方向に延在したものである。
【0059】
樹脂押縁部234は、樹脂によって成形した押し出し形材であり、押縁中空部234a、金属装着部234b、樹脂枠対向片部234cを有して構成してある。押縁中空部234aは、断面が長方形の中空状を成すものである。金属装着部234bは、上述の樹脂装着部233dとの協働によりパネル支持片233aの室内に臨む部分に樹脂押縁部234を装着するものである。樹脂枠対向片部234cは、押縁中空部234aの外周側、かつ室内側の縁部から外周側に延在したものである。
【0060】
上述の押縁232は、金属押縁部233に樹脂押縁部234を装着し、この状態から単窓縦枠201の内方収容溝形成片203eを内周係合部233bに挿入するとともに、外周係合片233cの室外側縁部を押縁係合部203fと縦枠基部203aとの間に挿入して係合させることにより金属枠部203に装着してある。このとき、樹脂押縁部234は、パネル支持片233aと樹脂枠部204との間において樹脂枠部204の室外に臨む見付け面よりも室外側に配置された状態となる。
【0061】
(FIX窓用アタッチメント229の構成)
上述した単窓縦枠201,202に対して段窓の縦枠14,15に装着するFIX窓用アタッチメント229は、
図8、
図9に示すように、左縦枠14用のものと右縦枠15用のものとが互いに対称形状となるように構成してある。以下、左縦枠14用のアタッチメントについて説明し、右縦枠15用のアタッチメントについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
金属アタッチメント230は、金属アタッチメント本体230a、押縁係合板部230b、金属外方パネル支持部230c、収容溝形成部230d、樹脂枠係合板部230eを一体に成形したものである。金属アタッチメント本体230aは、見込み方向に沿って鉛直に延在する平板状を成すものである。金属アタッチメント本体230aの見込み方向に沿った長さは、単窓縦枠201の金属枠部203において内方収容溝形成片203eから押縁係合部203fまでの寸法にほぼ等しい。押縁係合板部230bは、金属アタッチメント本体230aの室外側に位置する縁部から内周側に延在した後、室外に向けて見込み方向に延在したものである。押縁係合板部230bの室内に臨む見付け面には、押縁係合突起230fが設けてある。金属アタッチメント本体230aと押縁係合突起230fとの間には、押縁232の外周係合片233cが挿入可能となる隙間が確保してある。金属外方パネル支持部230cは、押縁係合板部230bの室外側に位置する縁部において内周側及び外周側に延在したものである。金属アタッチメント本体230aの室外側に位置する縁部から金属外方パネル支持部230cまでの見込み方向に沿った長さは、単窓縦枠201の金属枠部203において押縁係合部203fから外方パネル支持部203bまでの寸法にほぼ等しい。金属外方パネル支持部230cの延在縁部には、室内に臨む部分に外方ポケット部230jが突出するように設けてある。収容溝形成部230dは、金属アタッチメント本体230aの室内側に位置する縁部から内周側に向けて見付け方向に延在した後、室外側に向けて屈曲したものである。収容溝形成部230dの延在縁部と、押縁係合突起230fとの相対位置は、単窓縦枠201の金属枠部203において内方収容溝形成片203eの延在縁部と押縁係合部203fとの相対位置とほぼ等しい。収容溝形成部230dの基端部分には、室内に臨む部分にシール装着部230g及び連結板部230hが設けてある。シール装着部230gは、外周側に向けて開口した溝状を成すものである。シール装着部230gには、内部にシール部材S6が装着してある。連結板部230hは、シール装着部230gの室内側に位置する部分から室内側に向けて見込み方向に延在したものである。樹脂枠係合板部230eは、収容溝形成部230dの室内に臨む見付け面から室内に向けて見込み方向に延在した後、外周側に向けて屈曲したものである。樹脂枠係合板部230eの室内に臨む見付け面には、樹脂枠係止突起(アタッチメント係合部)230iが室内に向けて突出している。この樹脂枠係止突起230iは、金属外方パネル支持部230cを左縦枠14の金属枠部30に設けた左外方見付け壁部30bに当接させた場合に左樹脂枠嵌合部30fまでの寸法が、単窓縦枠201の金属枠部203において樹脂枠係止部203dから樹脂枠嵌合部203cまでの寸法とほぼ等しくなるように形成してある。
【0063】
樹脂アタッチメント231は、縦枠中空部231a、外方係合ヒレ部231b、内方嵌合ヒレ部231c、取付板部231d、対向突出部231e、位置決め係合部231fを一体に成形したもので、単窓縦枠201の樹脂枠部204と同一の形状を有している。
【0064】
上述の金属アタッチメント230は、金属アタッチメント本体230aを段窓の左縦枠14を構成する左金属枠本体30aの内周側に当接させるとともに、金属外方パネル支持部230cを左縦枠14の左外方見付け壁部30bに当接させた状態で左金属枠本体30aの外周側から連結板部230hにネジ部材2を螺合することによって左金属枠本体30aに取り付けてある。この状態においては、左縦枠14の外方ガイドヒレ部30e及び左樹脂枠係合ヒレ部30dが金属アタッチメント230によって覆い隠された状態となり、かつ内周側となる部分に押縁232を装着するための装着部、つまり収容溝形成部230d及び押縁係合板部230b、押縁係合突起230fが設けられることになる。しかも、収容溝形成部230dにシール部材S6が装着してあり、室内外方向の気密性及び水密性が確保されているため、左縦枠14の左金属枠本体30aと金属アタッチメント230の間を通じて室外の空気や水が室内に進入するおそれはない。樹脂アタッチメント231については、外方係合ヒレ部231bを樹脂枠係止突起230iに係合させるとともに、内方嵌合ヒレ部231cを金属枠部30の左樹脂枠嵌合部30fに挿入して嵌合させることによって金属枠部30及び金属アタッチメント230に装着してある。樹脂アタッチメント231を装着した金属枠部30及び金属アタッチメント230では、樹脂枠係合板部230eの内周側となる見込み面及び金属枠部30において樹脂枠係合板部230eよりも室内側となる部分が樹脂アタッチメント231によって覆われた状態となる。
【0065】
(段窓の構成)
上記のように構成した枠体210には、
図7、
図8及び
図2に示すように、上枠211、無目212、左右の縦枠14,15の内部に外障子PB1及び内障子PB2を建て込めば、これら外障子PB1及び内障子PB2がそれぞれ左右にスライド可能となる引き違い窓WBを構成することができる。外障子PB1及び内障子PB2に対しては、それぞれを閉じ位置に配置した場合に、上部仕切ガイド壁部221d、上部内方ガイド壁部221e、レールカバー受部223d、無目内方ガイド壁部223e、左樹脂枠係合ヒレ部30d、右内方見付け壁部31cのそれぞれに設けたシール部材S2が圧接された状態となり、気密性及び水密性が確保される。また、外障子PB1の戸先となる縦框B13に対して左縦枠14の外方ガイドヒレ部30eが進入するとともに、内障子PB2の戸先となる縦框B23に対して右縦枠15の内方ガイドヒレ部31dが進入し、それぞれの内部に設けた図示せぬ引き寄せ部材との協働により、外障子PB1及び内障子PB2が室内側に付勢された状態となる。
【0066】
無目212、下枠213及びFIX窓用アタッチメント229を装着した左右の縦枠14,15の内部には、FIX単窓WFと同様、金属アタッチメント230に設けた金属外方パネル支持部230c金属アタッチメント230の収容溝形成部230dに装着した押縁232との間にそれぞれシール材S5を介してFIXパネルPCの縁部を支持させることにより、FIX窓WEを構成することができる。押縁232としては、FIX単窓WFに適用するものを適用している。図示の例では、外障子PB1よりも室外側となる部分に上部網戸レール部221b及び下部網戸レール部223fを介して網戸Nが取り付けてある。外障子PB1及び内障子PB2としては、実施の形態1で適用したものを適用している。FIXパネルPCとしては、FIX単窓WFで適用するものを適用している。
【0067】
この建具によれば、縦枠14,15において無目212よりも上方となる部分に金属枠部30,31と樹脂枠部32,33とを有した引き違い窓WBを構成し、かつ縦枠14,15において無目212よりも下方となる部分に金属アタッチメント230と樹脂アタッチメント231とを有したFIX窓WEを構成するようにしている。従って、上下に異なる窓を備えた段窓においても断熱性能を向上させることが可能となる。しかも、金属枠部30,31の室内側となる縁部に樹脂枠嵌合部30f,31fを設け、樹脂枠部32,33の嵌合ヒレ部32c,33b及び樹脂アタッチメント231の内方嵌合ヒレ部231cをそれぞれ嵌合溝30g,31gに嵌合させるようにしているため、樹脂枠部32,33の室内側に位置する縁部及び樹脂アタッチメント231の室内側に位置する縁部を共通の構成とすることができ、上下でデザインに一貫性を持たせることが可能となる等の利点がある。特に、本実施の形態2では、縦枠14,15として同じ製品シリーズの引き違い単窓WDに適用するものを適用しているため、部品の共用化から製造コストの低減を図ることが可能となる。加えて、外障子PB1及び内障子PB2として、引き違い単窓WDに適用するものと同一のものを適用することができるとともに、FIXパネルPCとして、FIX単窓WFに適用するものと同一のものを適用することが可能となる。従って、これら障子についても部品の共用化からさらに製造コストの低減を図ることが可能となる。さらに、樹脂アタッチメント231として同じ製品シリーズにおいてFIX単窓WFに適用する樹脂枠部204と同一構成のもの、つまり同一のものを適用することができるため、製造コストを一層低減することが可能となる。
【0068】
なお、上述した実施の形態2では、左右の縦枠の間の上端部間に引き違い窓を構成し、下端部間にFIX窓を構成した段窓を例示しているが、左右の縦枠の間の下端部間に引き違い窓を構成し、上端部間にFIX窓を構成しても良い。
【0069】
(実施の形態3)
図11~
図13は、本発明の実施の形態3である建具を示すものである。ここで例示する建具は、一つの枠体310の内部に、上方の縦すべり出し窓(第1種窓)WGと下方のFIX窓(第2種窓)WHとを構成した段窓と称されるものである。特に本実施の形態3では、実施の形態1及び実施の形態2と同様、縦すべり出し単窓WC及びFIX単窓WFを含む製品シリーズの中の1建具としてラインアップされる段窓を例示している。
【0070】
枠体310は、上枠311、無目312、下枠313、左右の縦枠(基準枠形材)314,315を備えて構成してある。すなわち、この枠体310には、上枠311、無目312、左右の縦枠314,315によって囲まれる部分に縦すべり出し窓WGを構成する可動障子(面材)PAが室外側に向けて開放可能となるように配設してあり、無目312、下枠313、左右の縦枠314,315によって囲まれる部分にFIX窓WHを構成する複層ガラス等のFIXパネル(面材)PCが配設してある。枠体310を構成する上枠311、無目312、下枠313、左右の縦枠314,315は、それぞれアルミニウム合金等の金属によって成形した金属枠部と、樹脂によって成形した樹脂枠部とを備えて構成したものである。
【0071】
(上枠311の構成)
上枠311の金属枠部321は、上金属枠本体321a、上戸当り壁部321b、上樹脂枠嵌合部321c、上シール部材321d、上カバー溝部321eを備えたもので、実施の形態1のものと同一の構成を有している。同様に、上枠311の樹脂枠部322は、上樹脂枠本体322a、上枠カバー部322b、上嵌合ヒレ部322c、上取付板部322d、上カバー突部322eを一体に成形したもので、実施の形態1のものと同一の構成を有したものである。
【0072】
(無目312の構成)
無目312の金属枠部323は、無目金属本体323a、無目戸当り壁部323b、上部樹脂枠嵌合部323c、無目外方パネル支持部323d、無目内方パネル支持部323e、無目樹脂枠嵌合部323fを一体に成形したものである。無目金属本体323aは、室外に臨む見付け面及び室内に臨む見付け面がほぼ鉛直に沿って延在した異形の中空状を成すものである。無目戸当り壁部323bは、無目金属本体323aの上面において室内側となる部分から上方に向けて見付け方向に延在したものである。無目戸当り壁部323bの上縁部において室外に臨む部分には、シール部材S1が装着してある。無目戸当り壁部323bの上縁部において室内に臨む部分には、上方に開口した上方カバー溝部323gが設けてある。上部樹脂枠嵌合部323cは、無目金属本体323aの上面において室内側となる縁部に設けたもので、上方に開口した上無目嵌合溝323hを有している。無目外方パネル支持部323dは、無目金属本体323aの下面において室外側となる縁部から下方に向けて見付け方向に延在したものである。無目内方パネル支持部323eは、無目金属本体323aの下面において無目外方パネル支持部323dよりも室内側となる位置から下方に向けて見付け方向に延在したものである。これら無目外方パネル支持部323d及び無目内方パネル支持部323eは、互いの間にFIXパネルPCの板厚よりも大きな間隔が確保した状態で相互に対向するように設けてある。無目外方パネル支持部323dの延在縁部には、室内に臨む部分に外方ポケット部323iが突出するように設けてある。無目内方パネル支持部323eの延在縁部には、室外に臨む部分に内方ポケット部323jが設けてあるとともに、室内に臨む部分に下方に開口した上カバー溝部323kが設けてある。無目樹脂枠嵌合部323fは、無目金属本体323aの下面において室内側となる縁部に設けた溝状を成すもので、下方に向けて開口するように形成してある。
【0073】
無目312の樹脂枠部は、金属枠部321の上部において室内側となる部分に設けた上部樹脂枠部324と、金属枠部321の下部において室内側となる部分に設けた下部樹脂枠部325と、これら上部樹脂枠部324及び下部樹脂枠部325の間に設けたカバー樹脂枠部326との3分割構成となっている。
【0074】
上部樹脂枠部324は、上無目樹脂枠本体324a、上無目嵌合ヒレ部324bを一体に成形したものである。上無目樹脂枠本体324aは、見込み方向に沿ってほぼ水平に延在したもので、金属枠部321の上面において無目戸当り壁部323bから上部樹脂枠嵌合部323cを超えて室内に突出する寸法に形成してある。上無目樹脂枠本体324aの下面において室外側となる部分には、下方に向けて見込み方向に延在した上無目カバー突部324cが設けてある。上無目嵌合ヒレ部324bは、上無目樹脂枠本体324aの下面において室外側となる部分から下方に向けて見付け方向に延在したものである。この上部樹脂枠部324は、上無目カバー突部324cを上方カバー溝部323gに嵌合するとともに、上無目嵌合ヒレ部324bを上無目嵌合溝323hに嵌合させることによって金属枠部321に装着してある。図からも明らかなように、上部樹脂枠部324を装着した金属枠部321では、無目戸当り壁部323bの上縁面及びこれよりも室内に位置する部分の上面が上部樹脂枠部324によって覆われた状態となる。
【0075】
下部樹脂枠部325は、金属枠部321において無目内方パネル支持部323eよりも室内側となる部分を覆うもので、外方中空部325a、内方中空部325b、外方カバー片部325c、無目内方嵌合ヒレ部325d、無目取付板部325eを有している。外方中空部325a及び内方中空部325bは、それぞれ断面が長方形の中空状を成すものである。図示の例では、外方中空部325aの上方側となる部分から内方中空部325bが室内に向けて突出するように設けてある。外方カバー片部325cは、外方中空部325aの室外側、かつ下方となる隅部から室外に向けて見込み方向に延在したものである。この外方カバー片部325cの上面には、外方嵌合片部325fが設けてある。外方嵌合片部325fは、金属枠部321の上カバー溝部323kに嵌合するもので、上方に向けて見付け方向に延在している。無目内方嵌合ヒレ部325dは、金属枠部321の無目樹脂枠嵌合部323fに嵌合するもので、内方中空部325bの室内側、かつ上方となる隅部から上方に向けて延在している。無目取付板部325eは、内方中空部325bの室内側、かつ下方となる隅部から室内に設けて見込み方向に延在している。この下部樹脂枠部325は、外方嵌合片部325fを上カバー溝部323kに嵌合させるとともに、無目内方嵌合ヒレ部325dを無目樹脂枠嵌合部323fに嵌合させることにより、無目内方パネル支持部323eよりも室内側となる部分の下面を覆った状態となる。
【0076】
カバー樹脂枠部326は、上部樹脂枠部324の上無目樹脂枠本体324aと下部樹脂枠部325の無目取付板部325eとの間に嵌合する高さを有した中空の平板状を成すものである。このカバー樹脂枠部326は、上無目樹脂枠本体324a及び無目取付板部325eを介してネジ部材1を螺合することによってこれら上無目樹脂枠本体324a及び無目取付板部325eの間に取り付けてあり、金属枠部321の室内に臨む見付け面を覆った状態となる。
【0077】
(下枠313の構成)
下枠313の金属枠部327は、下枠基部327a、下外方パネル支持部327b、下内方パネル支持部327c、下樹脂枠嵌合部327d、外方ポケット部327e、内方ポケット部327f、下カバー溝部327gを一体に成形したもので、実施の形態2のものと同一の構成を有している。同様に、下枠313の樹脂枠部328は、見込み板部328a、外方嵌合部328b、下内方嵌合ヒレ部328cを一体に成形したもので、実施の形態2のものと同一の構成を有している。
【0078】
(縦枠314,315の概要)
左右の縦枠314,315は、それぞれアルミニウム合金等の金属によってのみ構成したもので、上枠311から下枠313までの間にわたって一連となるように配設してある。実施の形態3で適用する縦枠314,315は、
図13~
図15に示すように、縦すべり出し単窓WCの縦枠101,102に適用する単窓縦枠101,102の金属枠部103,105と、FIX単窓WFに適用する単窓縦枠201,202の金属枠部203とで互いに共通となる部分を有するように構成したものである。この縦枠(以下、汎用縦枠314,315という)を縦すべり出し窓WG用の縦枠及びFIX窓WH用の縦枠としても使用できるようにするため、それぞれに対応する部分に縦すべり出し窓用アタッチメント(1種用アタッチメント)331及びFIX窓用アタッチメント(2種用アタッチメント)332が装着してある。
【0079】
(縦すべり出し窓用アタッチメント331の構成)
縦すべり出し窓用アタッチメント331は、左右で互いに対称形状となるものである。縦すべり出し窓用アタッチメント331の金属アタッチメント(1種用金属アタッチメント)333としては、金属アタッチメント本体333a、金属外方支持壁部333b、金属内方支持壁部333c、金属中間支持壁部333d、金属戸当り構成壁部333e、カバー溝部(第1アタッチメント係合部)333fを一体に成形したものを適用している。樹脂アタッチメント(1種用樹脂アタッチメント)334としては、樹脂枠本体334a、枠カバー部334b、嵌合ヒレ部334c、取付板部334d、カバー突部334eを一体に成形したものを適用している。これら金属アタッチメント333及び樹脂アタッチメント334は、それぞれ実施の形態1で適用したものと同一の構成を有したものである。
【0080】
(FIX窓用アタッチメント332の構成)
FIX窓用アタッチメント332は、左右で互いに対称形状となるものである。FIX窓用アタッチメント332の金属アタッチメント(2種用金属アタッチメント)335としては、金属アタッチメント本体335a、押縁係合板部335b、金属外方パネル支持部335c、収容溝形成部335d、樹脂枠係合板部335e、押縁係合突起335f、シール装着部335g、連結板部335h、樹脂枠係止突起(第2アタッチメント係合部)335iを一体に成形したものを適用している。樹脂アタッチメント(2種用樹脂アタッチメント)336としては、縦枠中空部336a、外方係合ヒレ部336b、内方嵌合ヒレ部336c、取付板部336d、対向突出部336e、位置決め係合部336fを一体に成形したものを適用している。これら金属アタッチメント335及び樹脂アタッチメント334は、それぞれ実施の形態2で適用したものと同一の構成を有したものである。
【0081】
(汎用縦枠314,315の構成)
これらのアタッチメント331,332が適用される汎用縦枠314,315は、左右で対称形状となるもので、それぞれ金属枠本体314a,315a、外方見付け壁部314b,315b、内方見付け壁部314c,315cが一体に成形してある。金属枠本体314a,315aは、見付け方向に沿ってほぼ鉛直に延在した平板状を成すものである。外方見付け壁部314b,315bは、金属枠本体314a,315aの室外側に位置する縁部において見込み方向に延在した平板状を成すものである。内方見付け壁部314c,315cは、金属枠本体314a,315aの室内側に位置する縁部において見込み方向に延在した平板状を成すものである。内方見付け壁部314c,315cには、室内側となる部分に樹脂枠嵌合部314d,315dが設けてある。樹脂枠嵌合部314d,315dは、内方見付け壁部314c,315cから室内に向けて延在した後、内周側に向けて屈曲したもので、内周側となる縁部に内周側に開口した嵌合溝314e,315eを有している。
【0082】
上述の汎用縦枠314,315に対して縦すべり出し窓用アタッチメント331の金属アタッチメント333は、金属外方支持壁部333b、金属内方支持壁部333c、金属中間支持壁部333dを介して金属枠本体314a,315aの内周側に装着し、金属外方支持壁部333bの室外に臨む見付け面が外方見付け壁部314b,315bの室内に臨む見付け面に当接した状態で金属枠本体314a,315aの外周側から金属中間支持壁部333dにネジ部材2を螺合することによって金属枠本体314a,315aに取り付けてある。この状態においては、汎用縦枠314,315の金属枠本体314a,315aから内周側に向けて金属戸当り構成壁部333eが延在した状態となる。しかも、金属内方支持壁部333cの延在縁部にシール部材S3が装着してあり、室内外方向の気密性及び水密性が確保されているため、汎用縦枠314,315の金属枠本体314a,315aと金属アタッチメント333の間を通じて室外の空気や水が室内に進入するおそれはない。縦すべり出し窓用アタッチメント331の樹脂アタッチメント334については、カバー突部334eを金属アタッチメント333のカバー溝部333fに嵌合するとともに、嵌合ヒレ部334cを汎用縦枠314,315の嵌合溝314e,315eに嵌合させることによって汎用縦枠314,315及び金属アタッチメント333に装着してある。樹脂アタッチメント334を装着した汎用縦枠314,315及び金属アタッチメント333では、金属戸当り構成壁部333eの内周側となる見込み面及び室内に臨む見付け面が樹脂アタッチメント334によって覆われた状態となる。
【0083】
一方、上述の汎用縦枠314,315に対してFIX窓用アタッチメント332の金属アタッチメント335は、金属アタッチメント本体335aを金属枠本体314a,315aの内周側に当接させるとともに、金属外方パネル支持部335cを外方見付け壁部314b,315bに当接させた状態で金属枠本体314a,315aの外周側から連結板部335hにネジ部材2を螺合することによって金属枠本体314a,315aに取り付けてある。この状態においては、内周側となる部分に押縁232を装着するための装着部、つまり収容溝形成部335d及び押縁係合板部335b、押縁係合突起335fが設けられることになる。しかも、収容溝形成部335dにシール部材S3が装着してあり、室内外方向の気密性及び水密性が確保されているため、汎用縦枠314,315の金属枠本体314a,315aと金属アタッチメント335の間を通じて室外の空気や水が室内に進入するおそれはない。FIX窓用アタッチメント332の樹脂アタッチメント336については、外方係合ヒレ部336bを樹脂枠係止突起335iに係合させるとともに、内方嵌合ヒレ部336cを汎用縦枠314,315の嵌合溝314e,315eに挿入して嵌合させることによって汎用縦枠314,315及び金属アタッチメント335に装着してある。樹脂アタッチメント336を装着した汎用縦枠314,315及び金属アタッチメント335では、樹脂枠係合板部335eの内周側となる見込み面及び汎用縦枠314,315の樹脂枠係合板部335eよりも室内側となる部分が樹脂アタッチメント336によって覆われた状態となる。
【0084】
(段窓の構成)
上記のように構成した枠体310には、
図11~
図13に示すように、上枠311、無目312及び縦すべり出し窓用アタッチメント331を装着した左右の汎用縦枠314,315の内部に、上枠311と上框A11との間及び無目312と下框A12との間にそれぞれフリクションステーと称されるリンク機構Lを介して可動障子PAを配設すれば、可動障子PAが室内側に押し開くように開放する縦すべり出し窓WGを構成することができる。可動障子PAを閉じ位置に配置した状態においては、四周の框にシール部材S1が圧接された状態となり、気密性及び水密性が確保される。無目312、下枠313及びFIX窓用アタッチメント332を装着した左右の汎用縦枠314,315の内部には、FIX単窓WFと同様、金属アタッチメント335に設けた金属外方パネル支持部335cと金属アタッチメント335の収容溝形成部335dに装着した押縁232との間にそれぞれシール材S5を介してFIXパネルPCの縁部を支持させることにより、FIX窓WHを構成することができる。押縁232としては、FIX単窓WFに適用するものを適用している。可動障子PAとしては、縦すべり出し単窓WCで適用するものを適用している。FIXパネルPCとしては、FIX単窓WFで適用するものを適用している。
【0085】
この建具によれば、汎用縦枠314,315において無目312よりも上方となる部分に金属アタッチメント333と樹脂アタッチメント334とを有した縦すべり出し窓WGを構成し、かつ汎用縦枠314,315において無目312よりも下方となる部分に金属アタッチメント335と樹脂アタッチメント336とを有したFIX窓WHを構成するようにしている。従って、上下に異なる窓を備えた段窓においても断熱性能を向上させることが可能となる。しかも、汎用縦枠314,315の室内側となる縁部に樹脂枠嵌合部314d,315dを設け、樹脂アタッチメント334の嵌合ヒレ部334c及び樹脂アタッチメント336の内方嵌合ヒレ部336cをそれぞれ嵌合させるようにしている。このため、それぞれの樹脂アタッチメント334,336の室内側に位置する縁部を共通の構成とすることができ、上下でデザインに一貫性を持たせることが可能となる等の利点がある。加えて、可動障子PAとして、縦すべり出し単窓WCに適用するものと同一のものを適用することができるとともに、FIXパネルPCとして、FIX単窓WFに適用するものと同一のものを適用することが可能となる。従って、これら可動障子PAやFIXパネルPCについても部品の共用化ができ、製造コストのさらなる低減を図ることが可能となる。さらに、縦すべり出し窓用アタッチメント331及びFIX窓用アタッチメント332として、実施の形態1及び実施の形態2で示した同じ製品シリーズのものを適用しているため、製造コストを一層低減することが可能となる。
【0086】
なお、上述した実施の形態3では、段窓の縦枠314,315として、縦すべり出し単窓WCとFIX単窓WFとで互いに共通となる部分を有した左右対称形状の汎用縦枠314,315を適用しているため、部品点数の削減から製造コストの低減を図ることができるが、実施の形態1及び実施の形態2で例示した引き違い単窓WDの縦枠14,15を適用しても縦すべり出し窓WGとFIX窓WHとの段窓を構成することが可能である。
【0087】
また、上述した実施の形態3では、左右の縦枠の間の上端部間に縦すべり出し窓を構成し、下端部間にFIX窓を構成した段窓を例示しているが、左右の縦枠の間の下端部間に縦すべり出し窓を構成し、上端部間にFIX窓を構成しても良い。
【0088】
図16は、参考までに実施の形態1~実施の形態3で示した建具の製品シリーズで適用する縦枠及びアタッチメントについて一覧に示したものである。
【0089】
なお、上述した実施の形態では、いずれも段窓を例示しているが、連窓においても同様に適用することが可能である。また、2つの窓を並設したものを例示しているが、3以上の窓を並設したものにも適用することが可能である。
【0090】
以上のように、本発明に係る建具は、並設された基準枠形材の相互間に互いに窓種の異なる第1種窓及び第2種窓が構成された建具であって、前記基準枠形材は、前記第1種窓から前記第2種窓までの間に連続して延在した基準金属枠部と、前記基準金属枠部において前記第1種窓の範囲となる部分に設けられた基準樹脂枠部とを有し、前記基準枠形材において前記第2種窓の範囲となる部分には、前記第2種窓用の第2面材が配設可能となる2種用アタッチメントが装着され、前記2種用アタッチメントは、金属によって成形された2種用金属アタッチメントと、樹脂によって成形された2種用樹脂アタッチメントとを有して構成され、前記基準金属枠部には、室内側となる縁部に嵌合部が設けられ、前記基準樹脂枠部及び前記2種用樹脂アタッチメントには、それぞれ前記基準金属枠部の嵌合部に嵌合される嵌合ヒレ部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、基準枠形材に金属枠部と樹脂枠部とを有した第1種窓を構成し、かつ基準枠形材に2種用金属アタッチメントと2種用樹脂アタッチメントとを有した第2種窓を構成するようにしているため、異なる窓を備えたものの断熱性能を向上させることが可能となる。しかも、金属枠部の室内側となる縁部に嵌合部を設け、基準樹脂枠部の嵌合ヒレ部及び2種用樹脂アタッチメントの嵌合ヒレ部をそれぞれ嵌合部に嵌合させるようにしているため、基準樹脂枠部の室内側に位置する縁部及び2種用樹脂アタッチメントの室内側に位置する縁部を共通の構成とすることができ、全体でデザインに一貫性を持たせることが可能となる等の利点がある。
【0091】
また本発明は、上述した建具において、前記2種用金属アタッチメントには、前記2種用樹脂アタッチメントが係合するアタッチメント係合部が設けられ、前記アタッチメント係合部は、枠体の内部に前記第2面材のみを配設することによって構成する単一の第2種窓において樹脂枠部が係合する金属枠部の単一係合部と同一となる位置に設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、単一の第2種窓との間において樹脂枠部を共用化することができ、部品点数を削減することで製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0092】
また本発明は、上述した建具において、前記基準枠形材は、前記第1種窓用の第1面材が配設可能となる形状に構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、単一の第1種窓との間において基準枠形材を共用化することができ、部品点数を削減することで製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0093】
また本発明は、上述した建具において、前記第1種窓は、前記第1面材として室外側の外障子と室内側の内障子とを備え、これら外障子及び内障子のそれぞれがスライド可能に配設されたものであり、前記基準枠形材の一方には、前記外障子を閉じ位置に配置した際に戸先框に進入する室外側の外方ガイドヒレ部が設けられ、前記基準枠形材の他方には、前記内障子を閉じ位置に配置した際に戸先框に進入する室内側の内方ガイドヒレ部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、引き違い窓を備えた段窓や連窓を構成することができる。
【0094】
また本発明に係る建具は、並設された基準枠形材の相互間に互いに窓種の異なる第1種窓及び第2種窓が構成された建具であって、前記基準枠形材は、前記第1種窓から前記第2種窓までの間に連続して延在し、前記第1種窓と前記第2種窓とで相互に共通となる部分が金属によって成形されたものであり、前記第1種窓は、前記基準枠形材に前記第1種窓用の第1面材が配設可能となる1種用アタッチメントを装着することによって構成され、前記第2種窓は、前記基準枠形材に前記第2種窓用の第2面材が配設可能となる2種用アタッチメントを装着することによって構成され、前記1種用アタッチメントは、金属によって成形された1種用金属アタッチメントと、樹脂によって成形された1種用樹脂アタッチメントとを有して構成され、前記2種用アタッチメントは、金属によって成形された2種用金属アタッチメントと、樹脂によって成形された2種用樹脂アタッチメントとを有して構成され、前記基準枠形材には、室内側となる縁部に嵌合部が設けられ、前記1種用樹脂アタッチメント及び前記2種用樹脂アタッチメントには、それぞれ前記基準枠形材の嵌合部に嵌合される嵌合ヒレ部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、基準枠形材に1種用金属アタッチメント及び1種用樹脂アタッチメントとを有した第1種窓を構成し、かつ基準枠形材に2種用金属アタッチメントと2種用樹脂アタッチメントとを有した第2種窓を構成するようにしているため、異なる窓を備えたものの断熱性能を向上させることが可能となる。しかも、基準枠形材の室内側となる縁部に嵌合部を設け、1種用樹脂アタッチメントの嵌合ヒレ部及び2種用樹脂アタッチメントの嵌合ヒレ部をそれぞれ嵌合部に嵌合させるようにしているため、1種用樹脂アタッチメントの室内側に位置する縁部及び2種用樹脂アタッチメントの室内側に位置する縁部を共通の構成とすることができ、全体でデザインに一貫性を持たせることが可能となる等の利点がある。さらに、基準枠形材によって窓種が限定されることがなく、様々な窓種の段窓や連窓を構成することが可能となる。
【0095】
また本発明は、上述した建具において、前記1種用金属アタッチメントには、前記1種用樹脂アタッチメントが係合する第1アタッチメント係合部が設けられ、前記2種用金属アタッチメントには、前記2種用樹脂アタッチメントが係合する第2アタッチメント係合部が設けられ、前記第1アタッチメント係合部は、枠体の内部に前記第1面材のみを配設することによって構成する単一の第1種窓において樹脂枠部が係合する金属枠部の単一係合部と同一となる位置に設けられ、前記第2アタッチメント係合部は、枠体の内部に前記第2面材のみを配設することによって構成する単一の第2種窓において樹脂枠部が係合する金属枠部の単一係合部と同一となる位置に設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、単一の第1種窓との間において樹脂枠部を共用化することができ、かつ単一の第2種窓との間において樹脂枠部を共用化することができ、部品点数を削減することで製造コストの低減を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0096】
10,210,310 枠体、14 左縦枠、15 右縦枠、30,31,103,203 金属枠部、30f 左樹脂枠嵌合部、30e 外方ガイドヒレ部、31d 内方ガイドヒレ部、31f 右樹脂枠嵌合部、32,33,104,204 樹脂枠部、32c 左下内方嵌合ヒレ部、33b 右嵌合ヒレ部、34 縦すべり出し窓用アタッチメント、35 金属アタッチメント、35f カバー溝部、36 樹脂アタッチメント、36c 嵌合ヒレ部、103g 左カバー溝部、204f 位置決め係合部、229 FIX窓用アタッチメント、230 金属アタッチメント、230a 金属アタッチメント本体、230i 樹脂枠係止突起、231 樹脂アタッチメント、231c 内方嵌合ヒレ部、314,315 汎用縦枠、314d,315d 樹脂枠嵌合部、331 縦すべり出し窓用アタッチメント、332 FIX窓用アタッチメント、333 金属アタッチメント、333f カバー溝部、334 樹脂アタッチメント、334c 嵌合ヒレ部、335 金属アタッチメント、335i 樹脂枠係止突起、336 樹脂アタッチメント、336c 内方嵌合ヒレ部、B13,B23 縦框、PA 可動障子、PB1 外障子、PB2 内障子、PC FIXパネル、WA 縦すべり出し窓、WB 引き違い窓、WC 縦すべり出し単窓、WE FIX窓、WF FIX単窓、WG 縦すべり出し窓、WH FIX窓