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  • 特開-均し装置及び均し方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171248
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】均し装置及び均し方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/24 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
B65B61/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088220
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保田 皓是
【テーマコード(参考)】
3E056
【Fターム(参考)】
3E056AA05
3E056BA20
3E056CA01
3E056DA05
3E056FG03
3E056FG10
3E056HA01
(57)【要約】
【課題】内容物が詰め込まれた袋体を均す均し装置、及び当該均し装置による袋体の均し方法であって、当該内容物が、互いに絡まり易く分散させ難いものであっても、袋体を略平坦の状態に安定して均すことができる均し装置及び均し方法を提供する。
【解決手段】内容物が詰め込まれた袋体Wを均す均し装置1であって、前記袋体Wを載せる載置手段3と、前記載置手段3上における前記袋体Wの位置を保持する保持手段4と、前記載置手段3を上下方向に振動させる振動手段5とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が詰め込まれた袋体を均す均し装置であって、
前記袋体を載せる載置手段と、
前記載置手段上における前記袋体の位置を保持する保持手段と、
前記載置手段を上下方向に振動させる振動手段とを備える、
ことを特徴とする均し装置。
【請求項2】
前記振動手段は、
前記載置手段の一端部を中心にして他端部を上下方向に往復回動させることにより、前記載置手段を振動させる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の均し装置。
【請求項3】
前記載置手段は、
前記他端部から前記一端部に向かって、前記袋体を搬送可能な搬送装置からなる、
ことを特徴とする、請求項2に記載の均し装置。
【請求項4】
前記搬送装置は、無端状の搬送チェンを有する搬送コンベアからなり、
前記保持手段は、
前記搬送チェンの外周部より突出する、所定間隔で並んだ複数の突出部材により構成される、
ことを特徴とする、請求項3に記載の均し装置。
【請求項5】
前記振動手段は、
前記載置手段における載置面の、仮想水平面に対する鋭角側の角度θが40°となる上限位置と、当該角度θが20°となる下限位置との間で、
前記載置手段を往復回動させる、
ことを特徴とする、請求項2に記載の均し装置。
【請求項6】
前記内容物は、
3mm以上50mm以下の長さからなる、複数本のガラス繊維である、
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の均し装置。
【請求項7】
内容物が詰め込まれた袋体を均す均し方法であって、
前記袋体を所定の位置に保持した状態で、上下方向に振動させることにより、
前記内容物を移動させる、
ことを特徴とする均し方法。
【請求項8】
載置手段に前記袋体を載せる載置工程と、
保持手段によって前記載置手段上における前記袋体の位置を保持する保持工程と、
振動手段によって、前記載置手段の一端部を中心にして他端部を上下方向に往復回動させることにより、前記載置手段を振動させる振動工程とを備える、
ことを特徴とする、請求項7に記載の均し方法。
【請求項9】
前記内容物は、
3mm以上50mm以下の長さからなる、複数本のガラス繊維である、
ことを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の均し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物が詰め込まれた袋体を均す均し装置、及び当該均し装置による袋体の均し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の製品(内容物)が詰め込まれた袋体の形態を、略平坦に均すための均し装置が知られている。
上記均し装置は、主に内容物の製造ラインの最下流側に配置され、内容物が袋詰めされた袋体は、均し装置によって形態を均された後、所定の保管場所、或いは所定の出荷先へと運搬されるのが一般的である。
【0003】
即ち、この種の内容物の製造ラインにおいては、通常、開封された端部を上側に向けた状態で袋体が保持され、製造された内容物は、上方より落下させて当該袋体に投入される。従って、複数の内容物が袋詰めされた直後の袋体の形態については、当該内容物が一方側(下方側)に偏った状態で詰め込まれている場合が多い。
このような、複数の内容物が一方側に偏った状態で袋詰めされた袋体の形態では、当該袋体を所望の高さとなるよう安定して段積みすることが困難である。
従って、複数の内容物が袋詰めされた袋体は、均し装置によって一旦略平坦に均された後、所望の高さとなるように段積みした状態で、所定の保管場所、或いは所定の出荷先へと運搬されるのが一般的である。
【0004】
ここで、均し装置の構成については、従来より様々なものが知られている。
例えばその一例として、特許文献1においては、複数の物品(内容物)が詰め込まれた袋体を搬送コンベアによって一方向に搬送しながら、当該袋体に対して上方より回転ブラシを押圧させることにより、当該袋体を略平坦に均す物品供給装置(均し装置)が開示されている。
【0005】
また、特許文献2においては、一端において機枠に枢支された筒体を備え、複数の内容物が詰め込まれた小袋(袋体)を当該筒体の内部に投入した後、当該筒体の他端を上下方向に振動させることにより、当該袋体を略平坦に均す平坦化装置(均し装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-29276号公報
【特許文献2】実公昭48-18684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
袋体に詰め込まれる内容物が、例えば、所定の長さに切断された複数本のガラス繊維からなるガラスチョップドストランドのような、互いに絡まり易く、分散させ難い製品である場合、前述した特許文献1における均し装置のように、単に、袋体に対して上方より回転ブラシを押圧させるだけでは、当該袋体を略平坦に均すことは非常に困難である。
【0008】
一方、このような互いに絡まり易く、分散させ難い製品が、内容物として袋体に詰め込まれる場合、袋詰めされた袋体を略平坦に均すためには、比較的大きな衝撃を伴う振動を当該袋体に与えることが効果的である。
このことから、前述した特許文献2における均し装置によれば、当該袋体を略平坦に均すことが十分に可能であるとも思われる。
しかしながら、特許文献2における均し装置においては、筒体の内部に投入された袋体が一定の箇所に保持されていないため、当該袋体は、筒体の他端が上下方向に移動する度に任意の姿勢で飛び跳ねて筒体の内周面に衝突するだけであり、互いに絡まり合った内容物をほぐして所定の側(袋体内の空いたスペース側)に効率良く分散させて、当該袋体を略平坦に均すことは非常に困難である。
【0009】
本発明は、以上に示した現状の問題点に鑑みてなされたものであり、内容物が詰め込まれた袋体を均す均し装置、及び当該均し装置による袋体の均し方法であって、当該内容物が、互いに絡まり易く分散させ難いものであっても、袋体を略平坦の状態に安定して均すことができる均し装置及び均し方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、本発明の態様1に係る均し装置は、内容物が詰め込まれた袋体を均す均し装置であって、前記袋体を載せる載置手段と、前記載置手段上における前記袋体の位置を保持する保持手段と、前記載置手段を上下方向に振動させる振動手段とを備えることを特徴とする。
このような構成からなる本発明に係る均し装置によれば、保持手段によって袋体を保持した状態で当該袋体に対して確実に振動を与えることができるため、例えば、袋体に詰め込まれた内容物がガラス繊維のような絡まり易く分散させ難いものであっても、振動によって内容物の絡まり状態を十分にほぐして所定の側(袋体内の空いたスペース側)に効率良く分散させ、当該袋体を安定して均すことができる。
【0012】
また、本発明の態様2に係る均し装置は、上記態様1において、前記振動手段は、前記載置手段の一端部を中心にして他端部を上下方向に往復回動させることにより、前記載置手段を振動させることを特徴とする。
このような構成を有することにより、本発明に係る均し装置によれば、載置手段によって袋体を傾倒させた状態で、当該袋体に振動を与えることができ、袋体に詰め込まれた内容物は、振動による影響だけでなく自重による影響も加わることとなり、下方側に向かって分散され易く、当該袋体をより安定して均すことができる。
また、本発明に係る均し装置によれば、例えば、載置手段を垂直方向且つ上下方向に往復移動させて当該載置手段を振動させる場合に比べて、狭いスペースにて載置手段を可動させることができ、均し装置を設置するのに必要な設置スペースを、より狭く抑えることができる。
【0013】
また、本発明の態様3に係る均し装置は、上記態様2において、前記載置手段は、前記他端部から前記一端部に向かって、前記袋体を搬送可能な搬送装置からなることを特徴とする。
このような構成を有することにより、本発明に係る均し装置によれば、袋体の均し作業の終了後、作業者の人力等によることなく、搬送装置によって袋体を均し装置から搬出させることができるため、均し作業を行う際の作業者の負担を軽減することができる。
【0014】
また、本発明の態様4に係る均し装置は、上記態様3において、前記搬送装置は、無端状の搬送チェンを有する搬送コンベアからなり、前記保持手段は、前記搬送チェンの外周部より突出する、所定間隔で並んだ複数の突出部材により構成されることを特徴とする。
このような構成を有することにより、本発明に係る均し装置によれば、載置手段上に載置された袋体を、搬送チェンに設けられた複数の突起部材によって確実に保持し、振動手段によって載置手段が往復回動されることにより、当該袋体を確実に振動させることができる。
また、搬送コンベアを作動させることにより、袋体の均し作業の終了後、作業者の人力等によることなく、袋体を均し装置から搬出させることができるため、均し作業を行う際の作業者の負担を軽減することができる。
【0015】
また、本発明の態様5に係る均し装置は、上記態様2において、前記振動手段は、前記載置手段における載置面の、仮想水平面に対する鋭角側の角度θが40°となる上限位置と、当該角度θが20°となる下限位置との間で、前記載置手段を往復回動させることを特徴とする。
ここで、載置手段において、上限位置における載置面の上記角度θが40°を超える場合(θ>40°)、袋体に詰め込まれた内容物は、当該袋体の内部にて下方側に転がり落ちて偏り易く、均し装置によって袋体を均すことが困難である。
一方、載置手段において、下限位置における載置面の上記角度θが20°未満の場合(θ<20°)、たとえ載置手段を振動させたとしても、袋体に詰め込まれた内容物を下方側に分散させて、絡み合った状態を十分にほぐすことができず、均し装置によって袋体を均すことが困難である。
このようなことから、本発明に係る均し装置においては、載置手段が往復回動される場合の上限位置における載置面の上記角度θが40°に設定され、且つ下限位置における載置面の上記角度θが20°に設定されることから、上記のような問題が発生することもなく、均し装置によって袋体をより安定して均すことができる。
【0016】
また、本発明の態様6に係る均し装置は、上記態様1または上記態様2において、前記内容物は、3mm以上50mm以下の長さからなる、複数本のガラス繊維であることを特徴とする。
このような、互いに絡まり易く分散させ難いガラス繊維が内容物として詰め込まれた袋体であっても、本発明に係る均し機によれば、袋体に対して確実に振動を与えることができ、当該袋体の形態を、略平坦な状態に安定して均すことができる。
【0017】
さらに、本発明の態様7に係る均し方法は、内容物が詰め込まれた袋体を均す均し方法であって、前記袋体を所定の位置に保持した状態で、上下方向に振動させることにより、前記内容物を移動させることを特徴とする。
このような構成からなる本発明に係る均し方法によれば、袋体を保持した状態で当該袋体に対して確実に振動を与えることができるため、例えば、袋体に詰め込まれた内容物がガラス繊維のような絡まり易く分散させ難いものであっても、振動によって内容物の絡まり状態を十分にほぐして所定の側(袋体内の空いたスペース側)に効率良く分散させ、当該袋体を安定して均すことができる。
【0018】
また、本発明の態様8に係る均し方法は、上記態様7において、載置手段に前記袋体を載せる載置工程と、保持手段によって前記載置手段上における前記袋体の位置を保持する保持工程と、振動手段によって、前記載置手段の一端部を中心にして他端部を上下方向に往復回動させることにより、前記載置手段を振動させる振動工程とを備えることを特徴とする。
このような構成を有することにより、本発明に係る均し方法によれば、保持工程において袋体を傾倒させた状態で保持し、その後、振動工程において当該袋体に振動を与えることから、袋体に詰め込まれた内容物は、振動による影響だけでなく自重による影響も加わることととなり、下方側に向かって分散され易く、当該袋体をより安定して均すことができる。
また、本発明に係る均し方法によれば、例えば、載置手段を垂直方向且つ上下方向に往復移動させて当該載置手段を振動させる場合に比べて、狭いスペースにて載置手段を可動させることができ、より狭く抑えられたスペースにて、袋体の均し作業を行うことができる。
【0019】
また、本発明の態様9に係る均し方法は、上記態様7または上記態様8において、前記内容物は、3mm以上50mm以下の長さからなる、複数本のガラス繊維であることを特徴とする。
このような、互いに絡まり易く分散させ難いガラス繊維が内容物として詰め込まれた袋体であっても、本発明に係る均し方法によれば、袋体に対して確実に振動を与えることができ、当該袋体の形態を、略平坦な状態に安定して均すことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る均し装置及び均し方法によれば、袋体を略平坦の状態に安定して均すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る均し装置の全体的な構成を示した図であって、(a)はその側面図であり、(b)は図1(a)中の矢視Xの方向に見た部分背面図である。
図2】均し装置によって袋体の均し作業を行う場合の各工程を経時的に示した工程図である。
図3】袋体の均し作業を行う際の均し装置の各状態を示した図であって、(a)は載置手段に袋体が載置された直後の状態を示した側面図であり、(b)は振動手段によって載置手段を振動させている状態を示した側面図であり、(c)は均し作業が終了して均し機より袋体が排出された直後の状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の一実施形態について、図1乃至図3を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1及び図3中に示した矢印の方向によって、均し装置1の前後方向、左右方向、及び上下方向を規定して記述する。
【0023】
[均し装置1の全体構成]
先ず、本実施形態における均し装置1の全体構成について、図1(a)(b)を用いて説明する。
【0024】
均し装置1は、複数の内容物が詰め込まれた袋体Wの形態を、略平坦に均すための装置である。
【0025】
ここで、袋体Wに詰め込まれる複数の内容物については、特に限定されることはないが、例えば本実施形態においては、3mm以上50mm以下の長さに切断された、複数本のガラス繊維からなるガラスチョップドストランドが、内容物として袋体Wに詰め込まれている。
このような所定長さからなる複数本のガラス繊維は、一般的に互いに絡まり易く、袋体Wによって袋詰みされた状態において分散させ難いため、当該袋体Wの形態を略平坦に均すことは困難である。
【0026】
本実施形態における均し装置1は、このような、互いに絡まり易く分散させ難いガラス繊維が内容物として詰め込まれた袋体Wであっても、後述するように、確実に振動を与えることができ、当該袋体Wの形態を、略平坦な状態に安定して均すことができる。
【0027】
均し装置1は、主に、基体を構成するフレーム本体2と、当該フレーム本体2に設けられる載置手段3、保持手段4、及び振動手段5とを備える。
【0028】
載置手段3は、複数の内容物が詰め込まれた袋体Wを載せて(載置して)、当該袋体Wを振動させるものである。
載置手段3は、例えば本実施形態においては、一方向(図1(a)中の矢視Aの方向であって、本実施形態においては前方向且つ下方向)に向かって袋体Wを搬送可能な搬送装置31により構成されている。
【0029】
搬送装置31は、搬送コンベア31Aと、当該搬送コンベア31Aに設けられる一対のガイド部材31B・31Bとを備える。
【0030】
搬送コンベア31Aは、水平方向且つ一方向(本実施形態においては、左右方向)に延びる第1シャフト31A1と、第1シャフト31A1の一方側(本実施形態においては、後方側且つ上方側)において、当該第1シャフト31A1と平行に配置される第2シャフト31A2と、これら第1シャフト31A1及び第2シャフト31A2の両端部に各々貫設される複数のスプロケット31A3・31A3・31A3・31A3と、これら複数のスプロケット31A3・31A3・31A3・31A3を介して、第1シャフト31A1及び第2シャフト31A2に巻回される一対の無端状の搬送チェン31A4・31A4と、駆動モータ等からなり第1シャフト31A1に連結される駆動部(図示せず)とを有する。
なお、上記駆動部については、第2シャフト31A2に連結されていてもよい。
【0031】
また、搬送コンベア31Aは、フレーム本体2に対して、上記搬送方向(矢印Aの方向)の一端部(前側且つ下側端部)に設けられる第1シャフト31A1を中心にして、上下方向に回動可能に設けられている。
【0032】
そして、搬送コンベア31Aは、一対の搬送チェン31A4・31A4の上端部を載置面Lとし、当該載置面L上に載置された袋体Wを、上記搬送方向(矢印Aの方向)の他端部(後側且つ上側端部)から一端部(前側且つ下側端部)に向かって搬送可能に構成されている。
また、後述するように、搬送コンベア31Aは、振動手段5によって第1シャフト31A1を中心にして上記他端部(後側且つ上側端部)を上下方向に往復回動され、これにより、載置面L上に載置された袋体Wは、搬送コンベア31Aによって振動を加えられる。
【0033】
一対のガイド部材31B・31Bは、例えば一方向に延びる矩形帯板形状の部材によって各々構成される。
また、一対のガイド部材31B・31Bは、搬送コンベア31Aの幅方向(上記搬送方向との平面視直交方向であって、本実施形態においては左右方向)の両側、且つ一対の搬送チェン31A4・31A4の上方において、これら一対の搬送チェン31A4・31A4に沿って各々配置されている。
【0034】
そして、これら一対のガイド部材31B・31Bは、複数の第1支持部材31B1・31B1・・・を介して、搬送コンベア31Aにより支持されており、載置面Lに載置された袋体Wに対して、上記幅方向への移動を規制し、当該載置面Lからの脱落を防止する構成となっている。
【0035】
このように、本実施形態において、載置手段3は、上記他端部(後側且つ上側端部)から上記一端部(前側且つ下側端部)に向かって、袋体Wを搬送可能な搬送装置31(より具体的には、搬送コンベア31A)によって構成されている。
このような構成を有することにより、本実施形態における均し装置1によれば、後述するように、袋体Wの均し作業の終了後、作業者の人力等によることなく、搬送装置31によって当該袋体Wを均し装置1から搬出させることができるため、均し作業を行う際の作業者の負担を軽減することができる。
【0036】
なお、載置手段3の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、前方且つ下方に向かって傾斜した姿勢にて配置され、フレーム本体2に対して、前端部を中心にして後端部を上下方向に回動可能に設けられた、載置台等によって構成されていてもよい。
【0037】
保持手段4は、載置手段3に載置された袋体Wの位置を保持するものである。
保持手段4は、例えば本実施形態においては、長尺矩形状の部材からなる複数の突出部材41・41・・・により構成される。
【0038】
これら複数の突出部材41・41・・・は、一対の搬送チェン31A4・31A4の外周部に沿って、各々所定の等間隔を有して配置されている。
また、各突出部材41は、搬送コンベア31Aの幅方向(左右方向)に延びるように配置されており、当該幅方向の両端部において、一対の搬送チェン31A4・31A4と各々連結されている。
つまり、保持手段4は、一対の搬送チェン31A4・31A4の外周部より当該搬送チェン31A4・31A4の外周側に突出する、所定間隔(等間隔)で並んだ複数の突出部材41・41・・・により構成されている。
【0039】
そして、載置手段3(より具体的には、搬送装置31の載置面L上)に投入された袋体Wは、下側の面W1を複数の突出部材41・41・・・に食い込ませた状態で、当該載置面L上に載置される。
これにより、袋体Wは、複数の突出部材41・41・・・に掛止され、保持手段4によって、搬送手段3に投入された位置にて保持される。
【0040】
このように、本実施形態において、搬送装置31は、一対の無端状の搬送チェン31A4・31A4を有する搬送コンベア31Aからなり、保持手段4は、これら一対の搬送チェン31A4・34A4の外周部より突出する、所定間隔(等間隔)で並んだ複数の突出部材41・41・・・により構成されている。
【0041】
このような構成を有することにより、本実施形態における均し装置1によれば、振動手段5によって載置手段3が往復回動される際に、載置手段3の載置面L上に載置された袋体Wを、一対の搬送チェン31A4・31A4に設けられた複数の突起部材41・41・・・によって確実に保持し、袋体Wが載置面Lの前側且つ下側端部に向かって滑落するのを抑制することができる。
これにより、当該袋体Wを載置面L上に保持しながら確実に上下方向に振動させることができる。
【0042】
なお、保持手段4の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、載置手段3の載置面L上に投入された袋体Wの位置を保持可能な構成であれば、何れのような構成であってもよい。
【0043】
例えば、長尺の矩形板材からなる複数の連結部材によって、一対の搬送チェン31A4・31A4を互いに連結するとともに、当該連結部材の平面によって載置面Lを構成し、これら複数の連結部材と、当該複数の連結部材上に載置された袋体Wとの間に生じる摩擦力によって、当該袋体Wの位置を保持する構成であってもよい。
この場合、所望の摩擦力を得るための手段として、例えば、上記連結部材の平面における表面粗さを所定の粗さに設定したり、或いは、上記連結部材の平面に複数の微細な凸部を設けるなど、何れのような手段を採用してもよい。
【0044】
また、例えば、載置手段3を構成する搬送装置31に対して上記搬送方向の他端側(後方側且つ上方側)において、当該搬送装置31の載置面L上に投入された袋体Wの端部(後端部)を把持可能な把持装置を、別途設ける構成としてもよい。
【0045】
さらに、例えば、搬送装置31における上記搬送方向の中途部において、当該搬送装置31の幅方向(左右方向)に延びる延出部材を別途設け、当該延出部材によって袋体Wを支えることで、搬送装置31の載置面L上に投入された袋体Wが滑落するのを防止する構成であってもよい。
この場合、上記延出部材は、均し装置1による均し作業の状況に応じて、搬送装置31の載置面Lに対して、近接方向及び離間方向に移動可能に設けられる。
【0046】
振動手段5は、載置手段3を上下方向に振動させるものである。
振動手段5は、例えば本実施形態においては、本体部51aと、本体部51aに対して一方向に進退可能なロッド部51bと、ロッド部51bとの直交方向に突出する回動軸51cとを有するアクチュエータ51により構成されている。
【0047】
アクチュエータ51は、載置手段3を構成する搬送装置31の下方側、且つ当該搬送装置31の上記他端部側(本実施形態においては、後側)において、略起立させた状態で配置される。
また、アクチュエータ51は、フレーム本体2に対して、回動軸51cを中心にして前後方向に回動可能に設けられるとともに、ロッド部51bの先端部において、搬送装置31の下面より下方に突出する第2支持部材31Cと連結されている。
【0048】
一方、フレーム本体2には、搬送装置31の下方側から上記第2支持部材31Cに向かって延びる第3支持部材21が設けられており、当該第3支持部材21の先端部には、例えば樹脂製部材等からなる当接部材22が設けられている。
【0049】
そして、アクチュエータ51のロッド部51bが進行方向に移動すると、搬送装置31は、上記一端部(前側且つ下側端部)に設けられる第1シャフト31A1を中心にして、上記他端部(後側且つ上側端部)を上方側に回動され、当該搬送装置31(載置手段3)の載置面Lが、所定の上限位置P1に移動される。
また、アクチュエータ51のロッド部51bが退行方向に移動すると、搬送装置31は、上記一端部(前側且つ下側端部)に設けられる第1シャフト31A1を中心にして、上記他端部(後側且つ上側端部)を下方側に回動され、当該搬送装置31(載置手段3)の載置面Lが、所定の下限位置P2に移動される。
【0050】
ここで、フレーム本体2において、当接部材22の配置位置については、搬送装置31の載置面Lが下限位置P2に到達した状態で、第2支持部材31Cの下端部と当接する位置に予め設定されている。
【0051】
ロッド部51bの進退方向への移動が繰り返し行われ、上限位置P1と下限位置P2との間で、搬送装置31の載置面Lが往復移動される際、当該載置面Lが上限位置P1及び下限位置P2に到達する度に衝撃が加わることとなる。
その結果、搬送装置31の載置面L上に投入された袋体Wは、傾倒させた姿勢にて、当該搬送装置31によって確実に振動される。
【0052】
このように、本実施形態において、振動手段5は、搬送装置31からなる載置手段3の、上記一端部(前側且つ下側端部)に設けられる第1シャフト31A1を中心にして、他端部(後側且つ上側端部)を上下方向に往復回動させることにより、当該載置手段3を振動させる構成となっている。
【0053】
このような構成を有することにより、本実施形態における均し装置1によれば、載置手段3によって袋体Wを傾倒させた状態で、当該袋体Wに振動を与えることができ、袋体Wに詰め込まれた内容物は、振動による影響だけでなく自重による影響も加わることとなり、下方側に向かって分散され易く、当該袋体Wをより安定して均すことができる。
【0054】
また、本実施形態における均し装置1によれば、例えば、載置手段3を垂直方向且つ上下方向に往復移動させて当該載置手段3を振動させる場合に比べて、狭いスペースにて載置手段3を可動させることができ、均し装置1を設置するのに必要な設置スペースを、より狭く抑えることができる。
【0055】
ところで、上記上限位置P1については、搬送装置31の載置面Lが、仮想水平面Sに対して、鋭角側の角度θ1にて40°傾斜する位置に設定されている(θ1=40°)。
また、上記下限位置P2については、搬送装置31の載置面Lが、仮想水平面Sに対して、鋭角側の角度θ2にて20°傾斜する位置に設定されている(θ2=20°)。
【0056】
ここで、搬送装置31からなる載置手段3において、上限位置P1における載置面Lの角度θ1が40°を超える場合(θ1>40°)、袋体Wによって詰め込まれた内容物は、当該袋体Wの内部にて下方側に転がり落ちて偏り過ぎ、均し装置1によって袋体Wを均すことが困難である。
一方、搬送装置31からなる載置手段3において、下限位置P2における載置面Lの角度θ2が20°未満の場合(θ2<20°)、たとえ載置手段3を振動させたとしても、袋体Wによって詰め込まれた内容物を下方側に分散させて、絡み合った状態を十分にほぐすことができず、均し装置1によって袋体Wを均すことが困難である。
【0057】
このようなことから、本実施形態においては、搬送装置31からなる載置手段3において、載置面Lの仮想水平面Sに対する鋭角側の角度θ1が40°となる上限位置P1と、角度θ2が20°となる下限位置P1との間で、振動手段5は、当該載置手段3を往復回動させる構成となっている。
これにより、本実施形態における均し装置1によれば、上記のような問題が発生することもなく、より安定して袋体Wを均すことができる。
【0058】
なお、各角度θ1の好ましい値は30°であり、各角度θ2の好ましい値は24°である。
【0059】
また、振動手段5の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、アクチュエータ51のロッド部51bが上下にピストン運動することにより、搬送装置31の載置面Lが往復移動される構成にしてもよい。
それ以外にも、付勢部材や電磁式マグネット等により構成された振動装置、或いはカム機構により構成された振動装置など、上限位置P1と下限位置P2との間で、搬送装置31の載置面Lを往復移動させることが可能な構成であれば、何れのようなものであってもよい。
【0060】
[均し装置1の動作手順]
次に、本実施形態における均し装置1によって、複数の内容物が詰め込まれた袋体Wの形態の均し作業を行う場合の動作手順について、図2及び図3を用いて説明する。
【0061】
図2に示すように、均し装置1は、主に経時的に順に行われる載置工程S01、保持工程S02、振動工程S03、及び搬出工程S04からなる均し方法を実施することにより、袋体Wの形態の均し作業を実行する。
【0062】
ここで、上記均し方法において、載置工程S01は、搬送装置31からなる載置手段3の載置面Lに、袋体Wを載せる(載置する)工程である。
また、保持工程S02は、複数の突出部材41・41・・・からなる保持手段4によって、載置手段3上における袋体Wの位置を保持する工程である。
また、振動工程S03は、アクチュエータ51からなる振動手段5によって、載置手段3の一端部(より具体的には、搬送装置31の第1シャフト31A1)を中心にして他端部(後側且つ上側端部)を上下方向に往復回動させることにより、当該載置手段3を振動させる工程である。
さらに、搬出工程S04は、載置手段3(搬送装置31)の搬送チェン31A4を作動させて、均し装置1から袋体Wを搬出する工程である。
【0063】
そして、均し装置1は、以下に示す手順に従い順に動作することにより、上記均し方法を実施する。
【0064】
即ち、図3(a)において、先ず始めに、搬送装置31は、搬送チェン31A4を停止させた状態となっている。
また、アクチュエータ51は、搬送装置31の載置面Lを下限位置P2に位置させた状態で、当該搬送装置31を保持して停止している。
【0065】
このような状態からなる均し装置1に対して、作業者は、複数の内容物が詰め込まれた袋体Wを、図示せぬ運搬装置を用いて上方より吊下げた状態で運搬し、当該袋体Wを均し装置1に投入する。
【0066】
均し装置1に袋体Wを投入する際、作業者は、搬送装置31の他端部(後側且つ上側端部)付近において、運搬してきた袋体Wを略垂直方向に下降させながら、載置面L上に載置させる。
この際、袋体Wに詰め込まれた複数の内容物は、当該袋体Wの下部に位置する第1端部Waに偏った状態となっている。
【0067】
そして、袋体Wの第1端部Waが載置面Lに着地した時点で、上記運搬装置より当該袋体Wを開放し、当該袋体Wの上部に位置する第2端部Wbが搬送装置31の一端部(前側且つ下側端部)側に向くようにして、袋体Wを転倒させる。
これにより、搬送装置31の載置面L上において、袋体Wは、複数の内容物が偏って存在する第1端部Waを搬送装置31の他端部(後側且つ上側端部)側に向け、且つ、空いたスペースが存在する第2端部Wbを搬送装置31の一端部(前側且つ下側端部)側に向けた状態で載置される(載置工程S01)。
【0068】
載置面L上に載置された袋体Wは、下側の面W1(図1を参照)に複数の突出部材41・41・・・が食い込むことにより、当該載置面L上における現状の位置を保持される(保持工程S02)。
その後、作業者が所定の操作スイッチ(図示せず)を操作することにより、アクチュエータ51の動作が開始される。
【0069】
動作を開始したアクチュエータ51は、その後、ロッド部51bの進退動作(進行方向及び退行方向への往復移動動作)を、予め設定された所定回数(例えば、本実施形態においては、3往復)だけ繰り返し実行する。
これにより、図3(b)に示すように、搬送装置31は、載置面L上にて袋体Wを載置した状態で、第1シャフト31A1を中心にして、上記他端部(後側且つ上側端部)を上下方向に往復回動され、上限位置P1と下限位置P2との間において、当該載置面Lが往復移動される。
【0070】
そして、袋体Wが載置された載置面Lが上限位置P1及び下限位置P2に到達する度に、搬送装置31に衝撃が加わり、当該搬送装置31を介して袋体Wが振動される(振動工程S03)。
その結果、袋体Wの内部において、第1端部Waにて互いに絡まった状態で偏って存在していた複数の内容物は、徐々にほぐされて、空いたスペースが存在する第2端部Wbに向かって滑り落ちる。
これにより、袋体W内において内容物の偏りが解消され、袋体Wの形態は、略平坦に均される。
【0071】
ロッド部51bにおける所定回数分の進退動作が終了すると、アクチュエータ51は停止する。
アクチュエータ51が停止すると、搬送装置31は、搬送チェン31A4の動作を開始する。
これにより、図3(c)に示すように、略平坦に均された袋体Wは、均し装置1から搬出され、例えば、隣接して配置された作業台100へと送られる(搬出工程S04)。
【0072】
そして、袋体Wが均し装置1から完全に搬出された時点で、搬送装置31は、搬送チェン31A4の動作を停止する。
これにより、均し作業を行う場合の均し装置1における一連の動作は終了する。
【0073】
このように、本実施形態における、均し装置1によって実施される均し方法は、載置手段3(より具体的には、搬送装置31)に袋体Wを載せる載置工程S01と、保持手段4(より具体的には、複数の突出部材41・41・・・)によって載置手段3上における袋体Wの位置を保持する保持工程S02と、振動手段5(より具体的には、アクチュエータ51)によって、載置手段3の一端部(より具体的には、搬送装置31の第1シャフト31A1)を中心にして他端部(後側且つ上側端部)を上下方向に往復回動させることにより、載置手段3を振動させる振動工程S03とを備える構成となっている。
【0074】
このような構成を有することにより、本実施形態における均し方法によれば、保持工程S02において袋体Wを傾倒させた状態で保持し、その後、振動工程S03において当該袋体Wに振動を与えることから、袋体Wに詰め込まれた内容物は、振動による影響だけでなく自重による影響も加わることととなり、下方側に向かって分散され易く、当該袋体Wをより安定して均すことができる。
また、本実施形態における均し方法によれば、例えば、載置手段3を垂直方向且つ上下方向に往復移動させて当該載置手段3を振動させる場合に比べて、狭いスペースにて載置手段3を可動させることができ、より狭く抑えられたスペースにて、袋体Wの均し作業を行うことができる。
【0075】
以上のように、本実施形態における均し装置1は、内容物が詰め込まれた袋体Wを均す均し装置であって、袋体Wを載せる載置手段3(より具体的には、搬送装置31)と、載置手段3上における袋体Wの位置を保持する保持手段(より具体的には、複数の突出部材41・41・・・)と、載置手段3を上下方向に振動させる振動手段5(より具体的には、アクチュエータ51)とを備える構成となっている。
また、本実施形態における均し方法は、内容物が詰め込まれた袋体Wを均す均し方法であって、袋体Wを所定の位置に保持した状態で、上下方向に振動させることにより、内容物を移動させる構成となっている。
【0076】
このような構成からなる、本実施形態における均し装置1及び均し方法によれば、保持手段4によって袋体Wを保持した状態で当該袋体Wに対して確実に振動を与えることができるため、例えば、袋体Wに詰め込まれた内容物がガラス繊維のような絡まり易く分散させ難いものであっても、振動によって内容物の絡まり状態を十分にほぐして所定の側(袋体W内の空いたスペース側)に効率良く分散させ、当該袋体Wを安定して均すことができる。
【0077】
以上、本発明を具現化する一実施形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0078】
1 均し装置
3 載置手段
31 搬送装置
31A 搬送コンベア
31A4 搬送チェン
4 保持手段
41 突出部材
5 振動手段
L 載置面
P1 上限位置
P2 下限位置
S 仮想水平面
S01 載置工程
S02 保持工程
S03 振動工程
W 袋体
θ1、θ2 角度
図1
図2
図3