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特開2024-171256プリント回路板、電源装置及び照明器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171256
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】プリント回路板、電源装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20241204BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20241204BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241204BHJP
【FI】
H05K3/34 506B
F21V23/00 150
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088231
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関 圭介
【テーマコード(参考)】
3K014
5E319
【Fターム(参考)】
3K014AA01
5E319AA02
5E319AB01
5E319CC24
5E319GG09
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、回路部品の変位の抑制を図ることである。
【解決手段】プリント回路板1は、プリント配線板10と、第1の回路部品11及び第2の回路部品12を含む複数の回路部品と、を備える。プリント配線板10は、搭載面100、はんだ面101、及び複数の穴を有する。第1の回路部品11は、複数の面を有して回路素子を内部に収容するケース111と、ケース111の複数の面のうちの一つの面から突出し、複数の穴のいずれかに挿通される複数のリード線110と、を有する。第2の回路部品12は、ケース111よりも小さく、かつ、搭載面100の法線方向から見て、少なくとも一部がケース111に隠れるように搭載面100に搭載される。法線方向において、搭載面100とケース111の最短距離H1は、搭載面100から第2の回路部品12の少なくとも一部までの高さH2よりも短い。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載面と前記搭載面と反対側のはんだ面、及び前記搭載面から前記はんだ面に貫通する複数の穴を有するプリント配線板と、
前記プリント配線板の前記搭載面に搭載される複数の回路部品と、
を備え、
前記複数の回路部品は、第1の回路部品及び第2の回路部品を含み、
前記第1の回路部品は、
複数の面を有して回路素子を内部に収容するケースと、
前記ケースの前記複数の面のうちの一つの面から突出し、前記複数の穴のいずれかに挿通される複数のリード線と、
を有し、
前記第2の回路部品は、前記ケースよりも小さく、かつ、前記搭載面の法線方向から見て、少なくとも一部が前記ケースに隠れるように前記搭載面に搭載され、
前記法線方向において、前記搭載面と前記ケースの最短距離は、前記搭載面から前記第2の回路部品の前記少なくとも一部までの高さよりも短い、
プリント回路板。
【請求項2】
前記第1の回路部品は、円筒状の前記ケースを有するラジアルリード型のコンデンサである、
請求項1記載のプリント回路板。
【請求項3】
前記第1の回路部品は、有極性のラジアルリード型の電解コンデンサであり、
前記第2の回路部品の一方の端部は、前記第1の回路部品の負極側の前記リード線と、前記プリント配線板のプリント配線を介して電気的に接続される、
請求項1又は2記載のプリント回路板。
【請求項4】
前記第2の回路部品は、その両端部を異なる二つの前記穴に挿通する棒状の導体を有する、
請求項1又は2記載のプリント回路板。
【請求項5】
前記法線方向から見て、前記第1の回路部品から前記プリント配線板の縁までの最短距離は、前記第2の回路部品が前記搭載面に搭載されていない状態で変位可能な最大距離よりも短い、
請求項1又は2記載のプリント回路板。
【請求項6】
前記第2の回路部品の前記両端部は、前記プリント配線板に形成されたプリント配線を介して互いに電気的に接続される、
請求項4記載のプリント回路板。
【請求項7】
前記ケースは、前記搭載面に接着される、
請求項1又は2記載のプリント回路板。
【請求項8】
前記第1の回路部品の前記リード線は、フローはんだ付け工程により、前記はんだ面に形成されたプリント配線と電気的に接続される、
請求項1又は2記載のプリント回路板。
【請求項9】
請求項1又は2のプリント回路板を有する、
電源装置。
【請求項10】
請求項9の電源装置と、
前記電源装置から供給される電力で点灯する光源と、
前記電源装置及び前記光源を支持する器具本体と、
を備える、
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリント回路板、電源装置及び照明器具に関し、より詳細には、プリント配線板に種々の回路部品を実装して構成されるプリント回路板、当該プリント回路板を備える電源装置、及び当該電源装置を備える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、特許文献1記載の電源装置を例示する。特許文献1記載の従来例(以下、従来例と略す。)は、照明装置(照明器具)の光源部を点灯させる。従来例は、プリント配線板に電子部品が実装されて構成される電源回路(プリント回路板)と、電源回路を収容するケースと、を備える。
【0003】
プリント配線板は、長尺の長方形状に形成されている。電源回路は、一つの電子部品として平滑コンデンサを有する。平滑コンデンサは、いわゆるラジアルリード型の電解コンデンサであり、円筒形の金属ケースの一つの底面から一対のリード線が突出する構造を有する。この電解コンデンサ(平滑コンデンサ)は、一対のリード線が略直角に折り曲げられ、プリント配線板の部品搭載面に対してケースの軸方向が平行になるように寝かせた状態でプリント配線板に実装される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-21540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来例のようなプリント回路板(電源回路)は、プリント配線板に形成された貫通穴に、電解コンデンサのようなラジアルリード型の回路部品のリード線を挿通した後、フローはんだ付け工程でリード線をプリント配線にはんだ付けする。このとき、プリント配線板を搬送する搬送コンベアの振動によって、はんだ付け前の回路部品がプリント配線板に対して変位してしまい、プリント配線板から金属ケースの一部がはみ出した状態ではんだ付けされるおそれがあった。
【0006】
本開示の目的は、回路部品の変位の抑制を図ることができるプリント回路板、電源装置及び照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るプリント回路板は、搭載面と前記搭載面と反対側のはんだ面、及び前記搭載面から前記はんだ面に貫通する複数の穴を有するプリント配線板と、前記プリント配線板の前記搭載面に搭載される複数の回路部品と、を備える。前記複数の回路部品は、第1の回路部品及び第2の回路部品を含む。前記第1の回路部品は、複数の面を有して回路素子を内部に収容するケースと、前記ケースの前記複数の面のうちの一つの面から突出し、前記複数の穴のいずれかに挿通される複数のリード線と、を有する。前記第2の回路部品は、前記ケースよりも小さく、かつ、前記搭載面の法線方向から見て、少なくとも一部が前記ケースに隠れるように前記搭載面に搭載される。前記法線方向において、前記搭載面と前記ケースの最短距離は、前記搭載面から前記第2の回路部品の前記少なくとも一部までの高さよりも短い。
【0008】
本開示の一態様に係る電源装置は、前記プリント回路板を有する。
【0009】
本開示の一態様に係る照明器具は、前記電源装置と、前記電源装置から供給される電力で点灯する光源と、前記電源装置及び前記光源を支持する器具本体と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示のプリント回路板、電源装置及び照明器具は、回路部品の変位の抑制を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の実施形態に係る照明器具の斜視図である。
図2図2は、同上の照明器具の分解斜視図である。
図3図3は、同上の照明器具の断面図である。
図4図4は、本開示の実施形態に係る電源装置の分解斜視図である。
図5図5Aは、本開示の実施形態に係るプリント回路板の正面図である。図5Bは、同上のプリント回路板の側面図である。
図6図6は、同上の電源装置の回路ブロック図である。
図7図7は、同上のプリント回路板の側面図である。
図8図8は、同上のプリント回路板におけるフローはんだ付け工程の説明図である。
図9図9Aは、同上のプリント回路板の変形例を示す、一部省略した断面図である。図9Bは、同上の変形例を示す側面図である。
図10図10は、同上の変形例において、第2の回路部品を表面実装型の抵抗器とした側面図である。
図11図11は、同上の変形例における要部の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態に係るプリント回路板1、電源装置3及び照明器具A1について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(1)概要
実施形態に係るプリント回路板1は、図5A及び図5Bに示すように、プリント配線板10と、複数の回路部品と、を備える。
【0014】
プリント配線板10は、搭載面100と搭載面100と反対側のはんだ面101、及び搭載面100からはんだ面101に貫通する複数の穴102(図9A参照)を有する。
【0015】
複数の回路部品は、第1の回路部品11及び第2の回路部品12を含む。第1の回路部品11は、複数の面を有して回路素子を内部に収容するケース111と、ケース111の複数の面のうちの一つの面から突出し、複数の穴102のいずれかに挿通される複数のリード線110と、を有する。
【0016】
第2の回路部品12は、ケース111よりも小さく、かつ、搭載面100の法線方向(図5Aの紙面に垂直な方向)から見て、少なくとも一部がケース111に隠れるように搭載面100に搭載される(図5A参照)。
【0017】
搭載面100の法線方向において、搭載面100とケース111の最短距離H1は、搭載面100から第2の回路部品12の少なくとも一部までの高さH2よりも短い(図7参照)。
【0018】
実施形態に係るプリント回路板1において、第1の回路部品11は、穴102に挿通されたリード線110がプリント配線板10のはんだ面101ではんだ付けされるまでの間、穴102の穴径とリード線110の線径の差分に応じて変位する可能性がある。しかしながら、実施形態に係るプリント回路板1は、第1の回路部品11のケース111よりも小さい第2の回路部品12を、搭載面100の法線方向から見て、その少なくとも一部がケース111に隠れるように搭載面100に搭載している(図5A及び図7参照)。しかも、搭載面100の法線方向において、搭載面100とケース111の最短距離H1は、搭載面100から第2の回路部品12の少なくとも一部までの高さH2よりも短い。したがって、第1の回路部品11が変位しても第1の回路部品11のケース111が第2の回路部品12に当たる。その結果、実施形態に係るプリント回路板1は、第2の回路部品12によって第1の回路部品11の変位の抑制を図ることができる。
【0019】
また、実施形態に係る電源装置3は、図4に示すように、実施形態に係るプリント回路板1を有する。
【0020】
さらに、実施形態に係る照明器具A1は、図2及び図3に示すように、実施形態に係る電源装置3と、実施形態に係る電源装置3から供給される電力で点灯する光源(LEDモジュール20)と、実施形態に係る電源装置3及び光源を支持する器具本体4と、を備える。
【0021】
したがって、実施形態に係る電源装置3及び照明器具A1は、実施形態に係るプリント回路板1を備えているので、第2の回路部品12によって第1の回路部品11の変位の抑制を図ることができる。
【0022】
(2)詳細
実施形態に係るプリント回路板1(以下、プリント回路板1と略す。)は、実施形態に係る電源装置3(以下、電源装置3と略す。)の構成要素である。また、実施形態に係る照明器具A1は、電源装置3と、電源装置3から供給される電力で点灯する光源(LEDモジュール20)と、電源装置3及びLEDモジュール20を支持する器具本体4と、を備える(図1図4参照)。ただし、電源装置3とLEDモジュール20は、一つのユニット(以下、光源ユニット2と呼ぶ。)に含まれる(図2及び図3参照)。
【0023】
照明器具A1は、例えば、オフィスビルの執務室又は住宅の天井などに直付けされる。ただし、照明器具A1が設置される場所は、執務室又は住宅の天井に限定されず、執務室及び執務室以外の居室又は住宅などの壁面又は床面でも構わない。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、図2において矢印で示す上下、前後及び左右の各方向を照明器具A1の上下、前後及び左右の各方向と規定する。
【0024】
(2-1)器具本体
器具本体4は、底板40及び一対の側板41を有して角とい状に形成されている(図1図3参照)。底板40及び一対の側板41はそれぞれ、長尺の長方形状に形成されている。一対の側板41は、底板40の短手方向(前後方向)の両端から、底板40の長手方向(左右方向)の全長に渡って下向きに突出している。なお、底板40と一対の側板41は、長尺の金属板が曲げ加工されることで一体に形成される。
【0025】
一対の側板41は、それぞれ一対の引掛穴410を有する(図1図3参照)。一対の引掛穴410は、側板41を厚み方向(前後方向)に貫通する角穴である。
【0026】
(2-2)光源ユニット
光源ユニット2は、複数(図示例では三つ)のLEDモジュール20と、複数のLEDモジュール20及び電源装置3を支持する支持部材21と、支持部材21に支持されて複数のLEDモジュール20を覆うカバー22と、を有する。光源ユニット2は、支持部材21の長手方向の両端に取り付けられる一対のエンド部材23と、一対の取付ばね24と、を更に有する(図2及び図3参照)。なお、電源装置3は、光源ユニット2の支持部材21に支持される代わりに、器具本体4に支持されても構わない。
【0027】
(2-2-1)LEDモジュール
複数のLEDモジュール20はそれぞれ、長尺のLED基板201と、LED基板201の下面に実装される複数個のLED200と、を有する(図2及び図3参照)。複数個のLED200はそれぞれ、パッケージ型の照明用白色LEDであり、LED基板201の下面における短手方向(前後方向)の中央に、長手方向(左右方向)に沿って等間隔かつ1列に並ぶように実装される。ただし、光源は、LEDモジュールに限定されず、有機エレクトロルミネッセンス素子又はレーザダイオードなどの発光素子でも構わない。
【0028】
(2-2-2)支持部材
支持部材21は、長尺の板状に形成された底壁210と、底壁210の長手方向(左右方向)に沿った一対の側端(前端及び後端)から上向きに起立する一対の側壁211と、一対の係止片213と、一対のカバー取付片214と、を有している(図2及び図3参照)。なお、底壁210、一対の側壁211、一対の係止片213及び一対のカバー取付片214は、例えば、アルミダイカストによって一体に形成される。
【0029】
底壁210及び一対の側壁211は、それぞれ長尺の長方形状に形成されている。一対の係止片213は、底壁210の下面における前端部及び後端部から下向きに、底壁210の長手方向の全長に渡って突出するL字状に形成されている(図3参照)。一対の係止片213と底壁210の間の隙間に、LEDモジュール20のLED基板201が差し込まれ、一対の係止片213にLED基板201が係止される(図3参照)。
【0030】
一対のカバー取付片214はそれぞれ、L字状に形成され、かつ、一対の側壁211の各下端から下向きに突出している(図3参照)。各カバー取付片214には、後述するようにカバー22の一対の取付部221が引っ掛けられる。
【0031】
(2-2-3)カバー
カバー22は、カバー本体220と、一対の取付部221と、を有する(図2及び図3参照)。カバー本体220は、長尺の半円筒状に形成されている。一対の取付部221はそれぞれ、長尺のU字状に形成され、カバー本体220の前端及び後端から、カバー本体220の長手方向(左右方向)の全長に渡って内向きに突出している(図3参照)。ここで、カバー本体220及び一対の取付部221は、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂などの透光性を有する合成樹脂の押出成形によって一体に形成されることが好ましい。なお、カバー22は、LEDモジュール20から放射される光を拡散させるため、合成樹脂材料に充填材(フィラー)が混合されて乳白色に形成されることが好ましい。
【0032】
カバー22は、支持部材21の一対のカバー取付片214のそれぞれに、一対の取付部221を一つずつ引っ掛けることにより、支持部材21に取り付けられる(図3参照)。支持部材21に取り付けられたカバー22は、底壁210の下面に取り付けられたLEDモジュール20を覆っている(図3参照)。
【0033】
(2-2-4)エンド部材
一対のエンド部材23は同一の形状及び同一の寸法に形成されている。各エンド部材23は、電気絶縁性を有する材料(例えば、合成樹脂)によって平板状に形成される。各エンド部材23は、支持部材21の長手方向の両端に、固定ねじ230によってねじ止めされる(図2参照)。各エンド部材23は、支持部材21に固定された状態で、カバー22及び器具本体4のそれぞれの長手方向の端を塞いでいる(図1参照)。
【0034】
(2-2-5)取付ばね
一対の取付ばね24はそれぞれ、帯板状の金属板が曲げ加工されることによってU字状に形成されている(図3参照)。一対の取付ばね24における長手方向の両端部分がV字状に曲げ加工されている。一対の取付ばね24は、ねじ止めによって、支持部材21の底壁210の上面に固定される。各取付ばね24は、器具本体4の短手方向(前後方向)に沿って変形(たわみ)可能である。
【0035】
(2-2-6)電源装置の構造
電源装置3は、AC/DCブロック30と、DC/DCブロック31と、電源ケース32と、絶縁部材33と、を有する(図4及び図6参照)。なお、AC/DCブロック30は、プリント回路板1で構成されている。AC/DCブロック30は、後述するように交流電源9から供給される交流電圧を直流電圧に変換する。
【0036】
DC/DCブロック31は、後述するように、AC/DCブロック30から出力される直流電圧を、LEDモジュール20に好適な直流電圧に変換する。DC/DCブロック31もAC/DCブロック30と同様にプリント回路板で構成されている。
【0037】
電源ケース32は、金属板が曲げ加工されることで下面が開放された長尺の箱状に形成されている(図4参照)。
【0038】
絶縁部材33は、電気絶縁性を有する合成樹脂製の第1絶縁シート331及び第2絶縁シート332を有する。第1絶縁シート331は、下面が開口した長尺の箱状に形成されている。第2絶縁シート332は、上面及び長手方向両端面が開口した角とい状に形成されている。
【0039】
絶縁部材33は、AC/DCブロック30及びDC/DCブロック31を第1絶縁シート331の内部に収容し、第1絶縁シート331の下面を第2絶縁シート332で塞ぐ。そして、絶縁部材33に覆われたAC/DCブロック30とDC/DCブロック31が電源ケース32内に収容される。
【0040】
電源装置3の電源ケース32は、第2絶縁シート332で塞がれた下面を、支持部材21の上面に対向させるようにして、支持部材21に取り付けられる(図2及び図3参照)。電源ケース32は、ねじ止めによって支持部材21に固定される。
【0041】
(2-2-7)電源装置の回路構成
AC/DCブロック30は、ダイオードブリッジからなる全波整流器300と、昇降圧型のDC/DCコンバータ301と、DC/DCコンバータ301を制御する第1制御回路302と、を有する(図6参照)。なお、図6では図示していないが、AC/DCブロック30の前段(全波整流器300と交流電源9の間)には、AC/DCブロック30及びDC/DCブロック31で生じるノイズ(ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズ)を除去するためのフィルタが設けられる。
【0042】
DC/DCコンバータ301は、スイッチング素子Q1、二つのインダクタL1、L2、カップリングコンデンサC1、ダイオードD1、及び二つの平滑コンデンサC2、C3を有する、SEPIC(Single Ended Primary Inductor Converter)で構成される。ただし、DC/DCコンバータ301は、SEPIC以外のコンバータ、例えば、昇降圧チョッパ回路、昇圧チョッパ回路又は降圧チョッパ回路で構成されても構わない。
【0043】
二つのインダクタL1、L2は、同じ鉄心に巻き回されていてもよいし、それぞれ別の鉄心に巻き回されていてもよい。インダクタL1の第1端(巻き始め)が全波整流器300の高電位側の脈流出力端と電気的に接続され、インダクタL1の第2端がコンデンサC1の第1端と電気的に接続されている。コンデンサC1の第2端がダイオードD1のアノード及びインダクタL2の第2端と電気的に接続されている。ダイオードD1のカソードが二つの平滑コンデンサC2、C3の正極と電気的に接続されている。二つの平滑コンデンサC2、C3の負極及びインダクタL2の第1端(巻き始め)が全波整流器300の低電位側の脈流出力端と電気的に接続されている。
【0044】
スイッチング素子Q1は、エンハンスメント形のNチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。スイッチング素子Q1のドレインがインダクタL1の第2端及びコンデンサC1の第1端と電気的に接続されている。スイッチング素子Q1のソースが全波整流器300の低電位側の脈流出力端、インダクタL2の第1端及び二つの平滑コンデンサC2、C3の負極と電気的に接続されている。
【0045】
第1制御回路302は、スイッチング素子Q1のゲート・ソース間に駆動電圧を印加することにより、スイッチング素子Q1をスイッチングする。第1制御回路302は、スイッチング素子Q1のデューティ比を調整することにより、DC/DCコンバータ301の出力電圧を目標電圧に一致させる。なお、出力電圧の目標電圧は、LEDモジュール20の点灯開始電圧よりも高い電圧である。
【0046】
DC/DCブロック31は、降圧型のDC/DCコンバータ310と、DC/DCコンバータ310を制御する第2制御回路311と、を有する(図6参照)。
【0047】
DC/DCコンバータ310は、スイッチング素子Q2、ダイオードD2、インダクタL3及びコンデンサC4を有するバックコンバータ(降圧チョッパ)で構成される。ただし、DC/DCコンバータ310は、昇降圧コンバータなどの他のコンバータ、あるいは、MOSFETを用いた定電流回路などで構成されても構わない。
【0048】
スイッチング素子Q2は、エンハンスメント形のNチャネルMOSFETである。スイッチング素子Q2のドレインは、AC/DCブロック30の平滑コンデンサC2、C3の正極と電気的に接続される。スイッチング素子Q2のソースは、ダイオードD2のカソード及びインダクタL3の第1端と電気的に接続される。インダクタL3の第2端とコンデンサC4の第1端がLEDモジュール20の正極と電気的に接続される。ダイオードD2のアノードとコンデンサC4の第2端がLEDモジュール20の負極と電気的に接続される。
【0049】
第2制御回路311は、スイッチング素子Q2のゲート・ソース間に駆動電圧を印加することにより、スイッチング素子Q2をスイッチングする。第2制御回路311は、スイッチング素子Q2のデューティ比を調整することにより、DC/DCコンバータ310の出力電流(LEDモジュール20に流す負荷電流)を目標値に一致させる。
【0050】
しかして、電源装置3は、交流電源9から供給される交流を直流に変換してLEDモジュール20に供給し、LEDモジュール20に流す直流電流を定電流制御することでLEDモジュール20を点灯させるように構成される。
【0051】
(2-3)照明器具の設置
照明器具A1は、以下のような手順で設置される。
【0052】
設置作業を行う作業者(以下、作業者という。)は、底板40に設けられた複数の穴にそれぞれ木ねじを挿通し、それらの木ねじを天井パネルに締め込むことで器具本体4を天井パネルに取り付ける。ただし、天井につりボルトが設けられている場合、作業者は、底板40に設けられた複数の挿通穴にそれぞれつりボルトを挿通し、各つりボルトにナットを締め付けることで器具本体4を天井に取り付けても構わない。
【0053】
続いて、作業者は、器具本体4の一対の側板41の間に光源ユニット2の支持部材21から上の部分を収める。このとき、一対の取付ばね24の両端部分が一対の側板41に押されて内向きにたわむ。そして、作業者が光源ユニット2を器具本体4内に押し込むと、V字状に曲げ加工された各取付ばね24の両端部分が、各側板41の引掛穴410の下端に引っ掛かる(図3参照)。その結果、光源ユニット2は、一対の取付ばね24のばね力により、器具本体4に対して着脱可能に取り付けられる。
【0054】
以上の手順で照明器具A1が天井に設置される。
【0055】
(2-4)プリント回路板の詳細
次に、プリント回路板1について、図面を参照して詳細に説明する。上述したように、プリント回路板1は、電源装置3の構成要素、具体的にはAC/DCブロック30である。
【0056】
プリント回路板1は、プリント配線板10と、プリント配線板10の第1面(搭載面100)及び第2面(はんだ面101)に実装されてAC/DCブロック30を構成する複数の回路部品と、を備える。
【0057】
プリント配線板10は、長方形状の絶縁基板に複数の穴102及びプリント配線が印刷形成されて構成される。ただし、図5A及び図5Bでは、穴102及びプリント配線の図示を省略している。
【0058】
プリント配線板10の第2面(はんだ面101)に、複数の表面実装型の回路部品(以下、表面実装部品と呼ぶ。)、例えば、全波整流器300、スイッチング素子Q1、ダイオードD1、第1制御回路302などが表面実装される(図5B参照)。
【0059】
プリント配線板10の第1面(搭載面100)に、複数の挿入実装型の回路部品(以下、挿入実装部品と呼ぶ。)、例えば、入力端子台130、二つのラインフィルタ131、132、二つのインダクタL1、L2、二つの平滑コンデンサC2、C3(第1の回路部品11)、第2の回路部品12、出力コネクタ133などが挿入実装される(図5A及び図5B参照)。なお、挿入実装部品は、複数のリード線を有しており、それらのリード線を搭載面100から穴102に挿通し、はんだ面101から突出する、各リード線がはんだ面101のプリント配線にはんだ付けされる。
【0060】
入力端子台130は、プリント配線板10の長手方向の第1端に挿入実装され、交流電源9に電気的に接続される2本の電源線が差込接続される。出力コネクタ133は、プリント配線板10の長手方向の第2端に挿入実装され、DC/DCブロック31の入力コネクタ312(図4参照)に電線を介して電気的に接続される。
【0061】
プリント配線板10の搭載面100において、第1端(入力端子台130)から第2端(出力コネクタ133)に向かって、二つのラインフィルタ131、132、二つのインダクタL1、L2、第2の回路部品12、及び二つの平滑コンデンサC2、C3(第1の回路部品11)が順番に挿入実装される。
【0062】
第1の回路部品11である二つの平滑コンデンサC2、C3は、例えば、ラジアルリード型のアルミ電解コンデンサである。アルミ電解コンデンサは、陽極アルミ箔と陰極アルミ箔の間に誘電体と電解液を挟み込んだ回路素子を、金属製の円筒形のケースに収容して構成される。ただし、平滑コンデンサC2、C3は、アルミ電解コンデンサに限定されず、セラミックコンデンサ、導電性高分子固体電解コンデンサ、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサなどでも構わない。
【0063】
ラジアルリード型の搭載部品は、ケースが有する複数の面のうちの一つの面(例えば、片方の底面)から複数のリード線を突出させた回路部品である。したがって、二つの平滑コンデンサC2、C3は、円筒形のケース111の片方の底面から2本のリード線110を突出させている。ただし、二つの平滑コンデンサC2、C3は、他の搭載部品と比べて、ケース111の高さ(ケース111の二つの底面間の距離)が2倍程度であるため、2本のリード線110を略直角に折り曲げ、寝かせた状態で搭載面100に搭載実装される(図5B参照)。
【0064】
ここで、搭載面100の法線方向(図5Aの紙面に垂直な方向)から見て、第1の回路部品11(平滑コンデンサC2、C3)からプリント配線板10の縁までの最短距離X1は、第2の回路部品12がない場合の変位可能な最大距離X2よりも短い。例えば、穴102の直径R1を1mm、第1の回路部品11のリード線110の直径r1を0.8mm、2本のリード線110の間隔LL1を5mm、ケース111の高さ(全長)HH1を40.3mmとする。この場合、穴102内でリード線110が変位したときにケース111が回転する最大角度θ1は、下記の式で求められる。
【0065】
θ1=2×(R1-r1)/LL1
【0066】
ゆえに、穴102内でリード線110が変位したときのケース111の先端が変位する最大距離X2は、下記の式で求められる。
【0067】
X2=HH1×θ1
【0068】
上記二つの式に各値を代入して最大距離X2を求めると、X2≒3.2mmとなる。
【0069】
一方、第1の回路部品11が理想的な状態、すなわち、ケース111の軸方向をプリント配線板10の長手方向に一致させた状態でプリント配線板10に搭載実装されたときのケース111からプリント配線板10の縁までの最短距離X1は、0.5mmである。したがって、第1の回路部品11(平滑コンデンサC2、C3)が最大距離X2まで変位した場合、ケース111の先端部分がプリント配線板10の外にはみ出してしまう。ただし、ケース111の先端部分がプリント配線板10の外にはみ出す原因は、上述したリード線110と穴102の径の差に限らない。例えば、リード線110が穴102に挿入された状態でリード線110が変形した場合にも、ケース111の先端部分がプリント配線板10の外にはみ出す可能性がある。つまり、リード線110に比べて、ケース111の重量が大きく、かつ、リード線110の間隔LL1に対してケース111の全長HH1が長いため、搬送時の振動によってリード線110が変形するおそれがある。さらに、平滑コンデンサC2、C3のリード線110は、後述するようにプリント配線板10の穴102に人の手で挿入されるので、人の手が不用意にケース111に触れた際にリード線110が変形するおそれもある。
【0070】
そこで、プリント回路板1は、第1の回路部品11のケース111よりも小さい第2の回路部品12を、搭載面100の法線方向から見て、その少なくとも一部がケース111に隠れるように搭載面100に搭載する(図5A及び図5B参照)。実施形態における第2の回路部品12は、棒状の導体を逆U字状に曲げ加工して構成される(図5B参照)。第2の回路部品12は、プリント配線板10の二つの穴102に長手方向の端部を一つずつ挿通し、はんだ面101から突出する先端部分を曲げることでプリント配線板10に固定される。このとき、搭載面100の法線方向において、搭載面100とケース111の最短距離H1は、搭載面100から第2の回路部品12の少なくとも一部(搭載面100と平行に配置された中央部分)までの高さH2よりも短い(図7参照)。したがって、第1の回路部品11が変位しても第1の回路部品11のケース111が第2の回路部品12に当たり、ケース111の先端がプリント配線板10の外に飛び出さない。つまり、プリント回路板1は、第2の回路部品12によって第1の回路部品11の変位の抑制を図ることができる。
【0071】
また、プリント回路板1は、第2の回路部品12によって第1の回路部品11の変位の抑制を図ることにより、ケース111からプリント配線板10の縁までの最短距離X1を、第2の回路部品12が搭載されない状態でケース111の先端が変位する最大距離X2よりも短くできる。その結果、プリント回路板1は、プリント配線板10のスリム化を図ることができる。
【0072】
実施形態において、第1の回路部品11及び第2の回路部品12を含む複数の回路部品は、フローはんだ付け工程により、はんだ面101に形成されたプリント配線と電気的に接続される。
【0073】
まず、複数の表面実装部品がプリント配線板10のはんだ面101に接着される。次に、第1の回路部品11と第2の回路部品12を含む複数の挿入実装部品のリード線が、プリント配線板10の穴102に挿通される。なお、第1の回路部品11(平滑コンデンサC2、C3)のリード線110については、作業者が一つずつ手で穴102に挿通する。
【0074】
そして、プリント配線板10は、搭載面100を上に向けた状態で搬送コンベアによって搬送され、噴流式のフローはんだ付け装置によってフローはんだ付けされる。噴流式のフローはんだ付け装置は、図8に示すように、プリント配線板10を傾斜させた状態で斜め上向き(図8における矢印の向き)に搬送しながら、溶融はんだW1をプリント配線板10のはんだ面101に向けて噴出させる。噴出された溶融はんだW1は、表面実装部品の端子、プリント配線のパッド、リード線110の先端に付着する。さらに、フローはんだ付け装置は、表面実装部品の端子、プリント配線のパッド、リード線110の先端に付着した溶融はんだW1を冷やしてはんだフィレットを形成することにより、複数の表面実装部品及び複数の挿入実装部品をプリント配線板10のプリント配線にはんだ付けする。
【0075】
ここで、第2の回路部品12は、実装機を用いて穴102に挿通されるので、はんだ面101から突出する先端部分を実装機で曲げ加工することが可能である。これに対して、第1の回路部品11(平滑コンデンサC2、C3)は、作業者が手で穴102に挿通するので、はんだ面101から突出するリード線110の先端を曲げ加工することができない。そのため、第1の回路部品11(平滑コンデンサC2、C3)は、搬送コンベアで搬送される際の振動によって、プリント配線板10に対して変位する可能性がある。しかしながら、上述したように第2の回路部品12によって第1の回路部品11の変位が抑制されているので、第1の回路部品11がプリント配線板10の縁からはみ出した状態でフローはんだ付けされる可能性は低くなる。なお、第2の回路部品12は、プリント配線板10の短手方向の両端縁のうち、第1の回路部品11のケース111との距離が短い方の端縁とケース111の間に搭載されることが好ましい。つまり、実施形態における二つの第2の回路部品12は、プリント配線板10の短手方向に沿って2つの第1の回路部品11を前後方向から挟むように搭載面100に搭載される(図5A参照)。これにより、プリント回路板1は、二つの第1の回路部品11がプリント配線板10の外にはみ出すことを抑制できる。また、穴102を通してプリント配線板10のはんだ面101から突出する第2の回路部品12の長手方向の両端部のうち、少なくとも一方の端部がはんだ面101のランドにはんだ付けされることが望ましい。第2の回路部品12の長手方向の両端部がはんだ面101のランドにはんだ付けされる場合、プリント配線板10に対する第2の回路部品12の取付強度が向上することによって、第1の回路部品11の変位の更なる抑制を図ることができる。一方、第2の回路部品12の片方の端部のみがはんだ面101のランドにはんだ付けされる場合、第2の回路部品12のためにはんだ面101に形成するランドが一つで済むため、はんだ面101における表面実装部品の実装スペースの減少を抑えることができる。
【0076】
したがって、プリント回路板1は、第2の回路部品12をプリント配線板10に搭載しない場合に比べて、第1の回路部品11のはみ出しを抑制して、フローはんだ付け工程における歩留りの向上を図ることができる。
【0077】
なお、棒状の導体からなる第2の回路部品12は、はんだ面101に形成されたプリント配線を介して、第1の回路部品11(平滑コンデンサC2、C3)の負極側のリード線110と電気的に接続されることが好ましい。すなわち、第1の回路部品11のケース111は、回路素子(平滑コンデンサC2、C3)の負極と電気的に接続されているので、第2の回路部品12がケース111に接触した場合に第1の回路部品11の電気的な特性に影響を及ぼしにくい。
【0078】
また、プリント回路板1は、第2の回路部品12を棒状の導体で構成することにより、プリント回路板1に形成されるプリント回路に影響を及ぼしにくく、かつ、製造コストの増加を抑制できる。
【0079】
さらに、プリント回路板1は、フローはんだ付け工程の前に、第1の回路部品11(平滑コンデンサC2、C3)のケース111を搭載面100に接着しても構わない。第1の回路部品11のケース111を搭載面100に接着する場合においても、第2の回路部品12によって第1の回路部品11の変位を抑制できれば、接着剤が十分に固化する前にプリント回路板1をフローはんだ付けできる。その結果、プリント回路板1は、第1の回路部品11の変位の更なる抑制を図ることができる。
【0080】
なお、第1の回路部品11は、ラジアルリード型のコンデンサに限定されない。第1の回路部品11は、コンデンサ以外のラジアルリード型の回路部品、例えば、チョークコイル、水晶振動子などでも構わない。
【0081】
(3)実施形態の変形例
次に、実施形態に係るプリント回路板1の変形例を説明する。
【0082】
変形例のプリント回路板1は、第2の回路部品12の構成に特徴がある。なお、変形例における、第2の回路部品12以外の構成については、実施形態と共通である。したがって、実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
変形例における第2の回路部品12は、アキシャルリード型の抵抗器12Aである(図9A及び図9B参照)。抵抗器12Aは、二つのリード線120を有する。抵抗器12Aは、実装機によって二つのリード線120が穴102に挿通され、はんだ面101から突出する各リード線120の先端が曲げ加工される。また、抵抗器12Aは、片方のリード線120がケース111に隠れるように搭載面100に搭載される。
【0084】
あるいは、変形例における第2の回路部品12は、表面実装型の抵抗器12Bであっても構わない。表面実装型の抵抗器12Bは、図10に示すように、プリント配線板10の搭載面100において、搭載面100の法線方向から見て、少なくとも一部がケース111に隠れるように搭載面100に搭載される。
【0085】
しかして、変形例における第2の回路部品12(抵抗器12A、12B)は、実施形態と同様に、第2の回路部品12によって第1の回路部品11の変位の抑制を図ることができる。
【0086】
ここで、第2の回路部品12を抵抗器12A(又は12B)とする場合、第1の回路部品11の負極と電気的に接続されているプリント配線に対して、抵抗器12A(又は12B)を電気的に並列接続することが好ましい(図11参照)。すなわち、プリント回路板1は、抵抗器12A(又は12B)からなる第2の回路部品12を上述のように接続することにより、抵抗器12A(又は12B)が故障(短絡又は開放)した場合に、回路全体に影響が及ぶことを回避できる。
【0087】
(4)まとめ
本開示の第1の態様に係るプリント回路板(1)は、プリント配線板(10)と、複数の回路部品と、を備える。プリント配線板(10)は、搭載面(100)と搭載面(100)と反対側のはんだ面(101)、及び搭載面(100)からはんだ面(101)に貫通する複数の穴(102)を有する。複数の回路部品は、第1の回路部品(11)及び第2の回路部品(12)を含む。第1の回路部品(11)は、複数の面を有して回路素子を内部に収容するケース(111)と、ケース(111)の複数の面のうちの一つの面から突出し、複数の穴(102)のいずれかに挿通される複数のリード線(110)と、を有する。第2の回路部品(12)は、ケース(111)よりも小さく、かつ、搭載面(100)の法線方向から見て、少なくとも一部がケース(111)に隠れるように搭載面(100)に搭載される。(搭載面(100)の)法線方向において、搭載面(100)とケース(111)の最短距離(H1)は、搭載面(100)から第2の回路部品(12)の少なくとも一部までの高さ(H2)よりも短い。
【0088】
第1の態様に係るプリント回路板(1)は、第2の回路部品(12)によって第1の回路部品(11)の変位の抑制を図ることができる。
【0089】
本開示の第2の態様に係るプリント回路板(1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係るプリント回路板(1)において、第1の回路部品(11)は、円筒状のケース(111)を有するラジアルリード型のコンデンサ(平滑コンデンサC2、C3)であることが好ましい。
【0090】
第2の態様に係るプリント回路板(1)は、コンデンサの変位の抑制を図ることができる。
【0091】
本開示の第3の態様に係るプリント回路板(1)は、第1又は2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係るプリント回路板(1)において、第1の回路部品(11)は、有極性のラジアルリード型の電解コンデンサであることが好ましい。第2の回路部品(12)の一方の端部は、第1の回路部品(11)の負極側のリード線(110)と、プリント配線板(10)のプリント配線を介して電気的に接続されることが好ましい。
【0092】
第3の態様に係るプリント回路板(1)は、負極側のリード線(110)を回路素子の負極と電気的に接続しているので、第2の回路部品(12)がケース(111)に接触した場合に第1の回路部品(11)の電気的な特性に影響を及ぼしにくい。
【0093】
本開示の第4の態様に係るプリント回路板(1)は、第1-第3のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係るプリント回路板(1)において、第2の回路部品(12)は、その両端部を異なる二つの穴(102)に挿通する棒状の導体を有することが好ましい。
【0094】
第4の態様に係るプリント回路板(1)は、第2の回路部品(12)を棒状の導体で構成することにより、プリント回路に影響を及ぼしにくく、かつ、製造コストの増加を抑制できる。
【0095】
本開示の第5の態様に係るプリント回路板(1)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係るプリント回路板(1)において、(搭載面(100)の)法線方向から見て、第1の回路部品(11)からプリント配線板(10)の縁までの最短距離(X1)は、第2の回路部品(12)が搭載面(100)に搭載されていない状態で変位可能な最大距離(X2)よりも短いことが好ましい。
【0096】
第5の態様に係るプリント回路板(1)は、プリント配線板(10)のスリム化を図ることができる。
【0097】
本開示の第6の態様に係るプリント回路板(1)は、第4の態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係るプリント回路板(1)において、第2の回路部品(12)の両端部は、プリント配線板(10)に形成されたプリント配線を介して互いに電気的に接続されることが好ましい。
【0098】
第6の態様に係るプリント回路板(1)は、第2の回路部品(12)が故障(短絡又は開放)した場合に、回路全体に影響か及ぶことを回避できる。
【0099】
本開示の第7の態様に係るプリント回路板(1)は、第1-第6のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係るプリント回路板(1)において、ケース(111)は、搭載面(100)に接着されることが好ましい。
【0100】
第7の態様に係るプリント回路板(1)は、第1の回路部品(11)の変位の更なる抑制を図ることができる。
【0101】
本開示の第8の態様に係るプリント回路板(1)は、第1-第7のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係るプリント回路板(1)において、第1の回路部品(11)のリード線(110)は、フローはんだ付け工程により、はんだ面(101)に形成されたプリント配線と電気的に接続されることが好ましい。
【0102】
第8の態様に係るプリント回路板(1)は、第2の回路部品(12)をプリント配線板(10)に搭載しない場合に比べて、第1の回路部品(11)のはみ出しを抑制して、フローはんだ付け工程における歩留りの向上を図ることができる。
【0103】
本開示の第9の態様に係る電源装置(3)は、第1-第8のいずれかの態様に係るプリント回路板(1)を有する。
【0104】
第9の態様に係る電源装置(3)は、第2の回路部品(12)によって第1の回路部品(11)の変位の抑制を図ることができる。
【0105】
本開示の第10の態様に係る照明器具(A1)は、第9の態様に係る電源装置(3)と、第9の態様に係る電源装置(3)から供給される電力で点灯する光源(LEDモジュール20)と、第9の態様に係る電源装置(3)及び光源を支持する器具本体(4)と、を備える。
【0106】
第10の態様に係る照明器具(A1)は、第2の回路部品(12)によって第1の回路部品(11)の変位の抑制を図ることができる。
【符号の説明】
【0107】
A1 照明器具
C2、C3 電解コンデンサ(第1の回路部品)
1 プリント回路板
3 電源装置
4 器具本体
10 プリント配線板
11 第1の回路部品
12 第2の回路部品
20 LEDモジュール(光源)
100 搭載面
101 はんだ面
102 穴
110 リード線
111 ケース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11