(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171265
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】合成スラブ構造及び合成スラブ構造を施工する施工方法
(51)【国際特許分類】
E04B 5/32 20060101AFI20241204BHJP
E04B 5/40 20060101ALI20241204BHJP
E04B 1/16 20060101ALI20241204BHJP
E04C 5/18 20060101ALI20241204BHJP
【FI】
E04B5/32 D
E04B5/40 E
E04B1/16 C
E04C5/18 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088242
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】関 勝輝
(72)【発明者】
【氏名】米澤 泰人
(72)【発明者】
【氏名】片岡 春香
【テーマコード(参考)】
2E164
【Fターム(参考)】
2E164AA02
2E164BA02
(57)【要約】
【課題】デッキプレートが梁上で連続しない場合であっても、連続支持として合成スラブ構造を設計する。
【解決手段】梁(H)に載置される複数の板材部(10)と、梁(H)及び複数の板材部(10)上に打設されたコンクリート部(50)と、を備える合成スラブ構造(1)であって、板材部(10)は、少なくとも3つの梁(H1,H2,H3)のうち、中間梁(H3)を跨いで連続しないように端部梁(H1,H2)と中間梁(H3)の間又は隣り合う中間梁(H3)の間に架け渡されており、中間梁(H3)の上方にコンクリート部(50)との合成機構(20)が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁に載置される複数の板材部と、前記梁及び前記複数の板材部上に打設されたコンクリート部と、を備える合成スラブ構造であって、
前記板材部は、少なくとも3つの梁のうち、中間梁を跨いで連続しないように端部梁と前記中間梁の間又は隣り合う前記中間梁の間に架け渡されており、
前記中間梁の上方に前記コンクリート部との合成機構が設けられていることを特徴とする合成スラブ構造。
【請求項2】
前記合成機構は、連続支持とみなした際、前記中間梁近傍の負曲げモーメントが発生している範囲に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の合成スラブ構造。
【請求項3】
前記合成機構を構成する追加部材が負担する曲げモーメントMaは、前記負曲げモーメントをM2としたときに、
Ma≧M2
であることを特徴とする請求項2に記載の合成スラブ構造。
【請求項4】
前記追加部材の断面積atは、前記負曲げモーメントをM2、前記追加部材の許容応力度をft、前記追加部材の有効成dに7/8を乗じた応力中心間距離をJとしたときに、
at≧M2/(ft×J)
であることを特徴とする請求項3に記載の合成スラブ構造。
【請求項5】
前記板材部の延在方向に沿ったスラブスパンLxは、前記追加部材が負担する曲げモーメントをMa、合成スラブ構造による梁への等分布荷重をWとしたときに、
であることを特徴とする請求項3に記載の合成スラブ構造。
【請求項6】
前記合成機構が設けられる範囲Rは、前記板材部の延在方向に沿ったスラブスパンをLxとしたときに、
R≦Lx/4
であることを特徴とする請求項2に記載の合成スラブ構造。
【請求項7】
前記合成機構が設けられる範囲Rは、前記板材部の延在方向に沿ったスラブスパンをLxとしたときに、
R≦Lx/8
であることを特徴とする請求項2に記載の合成スラブ構造。
【請求項8】
前記追加部材は、鉄線又は鉄筋であることを特徴とする請求項3に記載の合成スラブ構造。
【請求項9】
前記コンクリート部に埋設される補強鉄筋を備え、
前記追加部材としての鉄筋は、前記補強鉄筋よりも多く設けられていることを特徴とする請求項8に記載の合成スラブ構造。
【請求項10】
前記コンクリート部に埋設される補強鉄筋を備え、
前記追加部材としての鉄筋の合計断面積は、前記補強鉄筋の合計断面積よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の合成スラブ構造。
【請求項11】
前記板材部は、デッキプレートであることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一項に記載の合成スラブ構造。
【請求項12】
少なくとも3つの梁上に合成スラブ構造を施工する施工方法であって、
少なくとも3つの梁のうち、中間梁を跨いで連続しないように端部梁と前記中間梁の間又は隣り合う中間梁の間に板材部を架け渡す工程と、
前記中間梁の上方にコンクリート部との合成機構を載置する工程と、
前記梁及び前記複数の板材部上にコンクリートを打設する工程と、
を有することを特徴とする合成スラブ構造を施工する施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成スラブ構造及び合成スラブ構造を施工する施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の床、天井、屋根等にはデッキプレート、コンクリート等を含む合成スラブ構造が使用されている。合成スラブ構造においてH形鋼により形成された大梁、小梁(鉄骨梁)の上にはデッキプレートが架け渡されて、大梁、小梁に固定されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、合成スラブ構造において、一枚のデッキプレートが、例えば、少なくとも3つの複数の梁にわたって架け渡されることもあるが、デッキプレートが少なくとも3つの複数の梁のうち、中間梁を跨いで連続しないように端部梁と中間梁の間に架け渡されることもある。この場合、合成スラブ構造を構成するコンクリートが少なくとも3つの複数の梁にわたって連続するように打設されていたとしても、中間梁の上方に発生する負曲げモーメントを負担することができる部材は存在しないことから、合成スラブ構造の構造設計基準上、連続支持とはみなされず、単純支持とみなされる。そのため、梁間のスパンを短くしたり、デッキプレートの高さを増やしたり、デッキプレートの板厚を厚くする必要があり、設計上のデメリットとなっている。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、デッキプレートが梁上で連続しない場合であっても、連続支持として合成スラブ構造を設計することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一態様は、梁に載置される複数の板材部と、前記梁及び前記複数の板材部上に打設されたコンクリート部と、を備える合成スラブ構造であって、前記板材部は、少なくとも3つの梁のうち、中間梁を跨いで連続しないように端部梁と前記中間梁の間又は隣り合う前記中間梁の間に架け渡されており、前記中間梁の上方に前記コンクリート部との合成機構が設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、前記合成機構は、連続支持とみなした際、前記中間梁近傍の負曲げモーメントが発生している範囲に設けられていることが好ましい。
【0008】
また、前記合成機構を構成する追加部材が負担する曲げモーメントMaは、前記負曲げモーメントをM2としたときに、Ma≧M2であることが好ましい。
【0009】
また、前記追加部材の断面積atは、前記負曲げモーメントをM2、前記追加部材の許容応力度をft、前記追加部材の有効成dに7/8を乗じた応力中心間距離をJとしたときに、at≧M2/(ft×J)であることが好ましい。
【0010】
【0011】
また、前記合成機構が設けられる範囲Rは、前記板材部の延在方向に沿ったスラブスパンをLxとしたときに、R≦Lx/4であることが好ましい。
【0012】
また、前記合成機構が設けられる範囲Rは、前記板材部の延在方向に沿ったスラブスパンをLxとしたときに、R≦Lx/8であることが好ましい。
【0013】
また、前記追加部材は、鉄線又は鉄筋であることが好ましい。
【0014】
また、前記コンクリート部に埋設される補強鉄筋を備え、前記追加部材としての鉄筋は、前記補強鉄筋よりも多く設けられていることが好ましい。
【0015】
また、前記コンクリート部に埋設される補強鉄筋を備え、前記追加部材としての鉄筋の合計断面積は、前記補強鉄筋の合計断面積よりも大きいことが好ましい。
【0016】
また、前記板材部は、デッキプレートであることが好ましい。
【0017】
本発明に係る一態様は、少なくとも3つの梁上に合成スラブ構造を施工する施工方法であって、少なくとも3つの梁のうち、中間梁を跨いで連続しないように端部梁と前記中間梁の間又は隣り合う中間梁の間に板材部を架け渡す工程と、前記中間梁の上方にコンクリート部との合成機構を載置する工程と、前記梁及び前記複数の板材部上にコンクリートを打設する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、デッキプレートが梁上で連続しない場合であっても、連続支持として合成スラブ構造を設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】合成スラブ構造を部分的に断面にして示す斜視図である。
【
図2】デッキプレートを部分的に断面にして示す斜視図である。
【
図3】中間梁上におけるコンクリート部の図示を省略した合成スラブ構造を示す斜視図である。
【
図4】合成スラブ構造を長さ方向Lに見た場合の概略的な断面図である。
【
図5】設計における単純支持及び連続支持とみなされた場合の曲げモーメントを比較した図である。
【
図6】追加部材に要求される断面積の大きさを算出するために必要なパラメータを示す図である。
【
図7】第2の実施の形態において、中間梁上におけるコンクリート部の図示を省略した合成スラブ構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率等が異なる部分が含まれている場合がある。また、以下に示す実施の形態は一例であり、本発明の範囲において、種々の実施の形態をとりうる。
【0021】
合成スラブ構造1は、梁Hに載置される複数の板材部としてのデッキプレート10と、梁H及び複数のデッキプレート10上に打設されたコンクリート部50と、を備えている。合成スラブ構造1は、長さ方向Lにおいて、デッキプレート10が少なくとも3つの梁Hのうち、間に位置する中間梁H3を跨いで連続しないように、端部梁H1,H2と中間梁H3の間又は隣り合う中間梁H3の間に架け渡されており、中間梁H3の上方にコンクリート部50との合成機構20が設けられている。
【0022】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る合成スラブ構造1を部分的に断面にして示す斜視図である。第1の実施の形態に係る合成スラブ構造1は、例えば、建築物の床、屋上又は天井等に用いられるものである。合成スラブ構造1は、例えば、H形鋼により形成された3つの梁H1,H2,H3、例えば鉄骨梁上に形成されている。
【0023】
図1に示すように、各梁H1,H2,H3は、互いの延在方向が並行になるように設けられている。3つの梁H1,H2,H3のうち、2つの梁H1,H2は、例えば、端部梁であり、2つの端部梁H1,H2の間に設けられている梁H3は、中間梁である。以下において梁H1,H2と梁H3とを区別しない場合には、単に、「梁H」と記載する。なお、2つの端部梁H1,H2の間に設けられている中間梁H3は、1つに限らず、複数の中間梁H3が設けられていてもよい。以下の説明において、長さ方向Lは、デッキプレート10が梁Hに架け渡される方向であり、幅方向Wは、梁Hの延在方向であり、デッキプレート10が梁Hに架け渡される方向に直交する方向である。また、厚さ方向(高さ方向)Dは、長さ方向L及び幅方向Wが形成する平面に対して直交する方向であり、合成スラブ構造1の厚さの方向である。
【0024】
図1に示すように、合成スラブ構造1は、主として、デッキプレート10と、合成機構20と、溶接金網30と、コンクリート部50と、を備える。
【0025】
デッキプレート10は、長さ方向Lにおいて、少なくとも3つの梁Hのうち間に位置する梁(中間梁)H3を跨いで連続しないように、端部梁H1と中間梁H3の間及び端部梁H2と中間梁H3の間に架け渡されていて、幅方向Wに沿って梁H上で敷き詰められている。すなわち、デッキプレート10は、延在方向における一端が隣り合う2つの梁Hの一方に載置され、延在方向における他端が隣り合う2つの梁Hの他方に載置される。デッキプレート10は、梁Hに載置されると共に梁Hにスポット溶接等により接合されていてもよい。なお、デッキプレート10は、
図2に示すような山部と谷部が連続するデッキプレートであってもよいし、平板部にリブが形成されたフラットデッキや平板部に鉄筋トラスが装着された鉄筋付きデッキプレートであってもよい。
【0026】
図2に示すように、デッキプレート10は、山頂部110と、谷底部120,130と、傾斜部140と、嵌合部(折返し部)150,160と、を有する。
【0027】
デッキプレート10は、山頂部110及び谷底部120,130が長さ方向Lに延びる傾斜部140を介して互いに幅方向Wに交互に連続して波形状をなしている。デッキプレート10のプレート単体では、2つの山頂部110と、3つの谷底部120,130と、2組の一対の傾斜部140とからなり、幅方向Wに沿った断面において波形に形成されている。なお、デッキプレート10は、長さ方向Lの両端部においてエンドクローズ加工が施されていてもよい。
【0028】
山頂部110は、例えば、スラブにおいて梁Hに架け渡された状態において、梁Hに対して離間して上側に位置する平坦に形成された部分であり、長さ方向Lに延在する板状の部分である。山頂部110は、溝111を有する。溝111は、谷底部120,130の側に向けて凹状に形成されている。溝111は、長さ方向Lに延在し、溝111が1つの場合には幅方向Wにおいて中央近傍に設けられている。
【0029】
谷底部120,130は、山頂部110に対して平行又は略平行であり、梁Hに架け渡された状態において、梁Hに載置される平坦に形成された部分である。谷底部120,130は、長さ方向Lに延在する平坦な板状の部分である。谷底部120,130は、幅方向Wにおいて山頂部110とは重ならない。
【0030】
3つの谷底部120,130のうち、谷底部120は、幅方向Wにおいて谷底部130に挟まれており、デッキプレート10の中央部分に設けられている。幅方向Wにおいて谷底部120の両側には傾斜部140が連続している。谷底部120は、谷底部130に対して幅方向Wにおいて広幅に形成されている。谷底部120は、幅方向Wにおいて中央又は略中央に設けられた複数のエンボス部121を有する。エンボス部121は、長さ方向Lに沿って等間隔に設けられ、山頂部110に向かって凸に形成されている。また、エンボス部121は、長さ方向Lに沿って延在し、山頂部110に向かって凸に形成された溝部として形成されていてもよい。エンボス部121や溝部により、デッキプレート10の剛性が高まると共に形状が安定する。
【0031】
谷底部130は、デッキプレート10の幅方向Wにおける両端に設けられている。幅方向Wにおいて各谷底部130の谷底部120の側には、傾斜部140が連続している。傾斜部140が連続している側とは反対の谷底部130の端部にはそれぞれ、嵌合部150,160が設けられている。
【0032】
傾斜部140は、山頂部110と谷底部120,130とを連結する部分であり、長さ方向Lに延在する平坦な板状の部分である。傾斜部140は、幅方向Wにおいて山頂部110の両端部の側から斜めに谷底部120,130に向かって延びている。幅方向Wにおいて互いに隣り合う傾斜部140は、それぞれ異なる方向に山頂部110から互いに離間するように延びている。傾斜部140は、山頂部110及び谷底部120,130に対して所定の角度、例えば、鈍角を形成するように傾斜している。
【0033】
傾斜部140には複数のエンボス部141が形成されている。各エンボス部141は、長さ方向Lに沿って所定の間隔をあけて設けられている。エンボス部141は、傾斜部140が連続する谷底部120,130に向かって凸に形成されている。エンボス部141により、デッキプレート10の剛性が高まると共に形状が安定する。
【0034】
谷底部120,130と傾斜部140との間の移行部には膨出部142が形成されている。膨出部142は、一の山頂部110における一対の傾斜部140において互いに反対の側に突出した部分である。谷底部120を挟んで対向する一対の傾斜部140において、膨出部142は対向するように形成されており、互いに近づく方向に膨出している。また、谷底部130それぞれの側に形成された膨出部142は、谷底部120とは反対の側に膨出している。
【0035】
膨出部142と谷底部120,130との間には長さ方向Lに沿って延在する蟻溝143が形成されている。幅方向Wに沿った蟻溝143の断面は、湾曲するように形成されている。谷底部120を挟んで対向する一対の傾斜部140において、蟻溝143は、対向するように形成されており、互いに離れる方向、つまり、谷底部130の側に向かって湾曲している。また、谷底部130それぞれの側に形成された蟻溝143は、谷底部120の側に向かって湾曲している。蟻溝143により、デッキプレート10の剛性が高まると共に形状が安定する。
【0036】
嵌合部150,160は、各谷底部130に連続して設けられている。嵌合部150,160は、スラブを構築する際、幅方向Wに隣合うデッキプレート10同士の連結の用に供されている。具体的には、一のデッキプレート10の嵌合部150と、他のデッキプレート10の嵌合部160とが互いに嵌合することにより、2枚のデッキプレート10は、幅方向Wにおいて連結される。嵌合部150,160は、互いに異なる側に折り返されている。
【0037】
嵌合部150は、一方の谷底部130に設けられていて、山頂部110とは反対の側に折り返されている。嵌合部160は、他方の谷底部130に設けられていて、山頂部110の側に折り返されている。デッキプレート10は、幅方向Wにおいて隣合う他のデッキプレート10と嵌合部150,160を介して互いに連結されている。
【0038】
図3、
図4に示すように、合成機構20は、梁H及びデッキプレート10上に打設されたコンクリート部と一体化されて、中間梁H3の上方においてコンクリート部50との合成体を形成する。合成機構20は、例えば、デッキプレート10とコンクリート部50を有する合成スラブに追加され、コンクリート部50に埋設される追加部材である。追加部材20は、例えば、金属から形成された棒部材、具体的には、複数の鉄筋21、22から形成されている。鉄筋21、22は、例えば、異形鉄筋であり、デッキプレート10の上方のうち、中間梁H3の上方の領域において溶接金網30に干渉しないように配置される。より具体的には、鉄筋21、22は、中間梁H3近傍の負曲げモーメントが発生している範囲に設けられている。鉄筋21、22は、中間梁H3上でコンクリート部50と係合して、長さ方向Lに並ぶ2つのデッキプレート10を構造上連結する。
【0039】
鉄筋21は、その延在方向が長さ方向Lに沿うと共に、中間梁H3のフランジ面に略平行となるように、中間梁H3近傍の負曲げモーメントが発生している範囲に設けられている。鉄筋21はそれぞれ、厚さ方向Dに所定の間隔をあけ、かつ、長さ方向Lに沿って所定の間隔をあけて少なくとも中間梁H3の上方に設けられている。鉄筋21は、中間梁H3に載置した状態において、中間梁H3のフランジ幅より長く形成されている。
鉄筋22は、その延在方向が幅方向Wに沿うと共に、中間梁H3のフランジ面に略平行となるように、中間梁H3近傍の負曲げモーメントが発生している範囲に設けられている。鉄筋22は、厚さ方向Dに所定の間隔をあけてそれぞれ設けられた複数の鉄筋21に交差するように設けられている。鉄筋22は、載置した状態において、梁H3の延在方向長さと同程度の長さを有している。
すなわち、鉄筋21と鉄筋22は、互いに直交して格子形状を形成するように中間梁H3の上方に設けられている。ここで、鉄筋21と鉄筋22は、接触していてもよいし、互いに離間していてもよい。
鉄筋21、22は、デッキプレート10に設けられたスペーサを介して、デッキプレート10の山頂部110よりも高く、溶接金網30よりも低い位置に設けられている。鉄筋21、22は、山頂部110より高い位置に設ける必要はないが、溶接金網30よりも低い位置(デッキプレート10側)に設けられている。
【0040】
図5に示すように、鉄筋21は、中間梁H3近傍に生じる負曲げモーメントM2が発生している範囲にわたる長さを有することが好ましい。特に、
図5において、中間梁H3近傍に生じる負曲げモーメントM2が発生している範囲Rとして、デッキプレート10の延在方向のうち、中間梁H3上の中心と端部梁H1、H2上の中心の間の距離をLxとしたときに、中間梁H3の中心からR≦Lx/4となる範囲に載置される鉄筋21の長さとなることが好ましい。これは、負曲げモーメントM2は中間梁H3の中心からLx/4の範囲内において発生することから、負曲げモーメントM2が発生する領域を鉄筋21、22全体でカバーし、鉄筋21、22とコンクリート部50との合成体で負曲げモーメントM2を負担できるようにするためである。また、強度上の問題がなければ、R≦Lx/8となる範囲に載置される鉄筋21の長さとすることで、鉄筋全体の使用量を減らしてもよい。また、ここでは例えばR≦Lx/4となる範囲をM2が発生する範囲としたが、M2が発生する範囲は実状に応じた論理式や解析などにより求めてもよい。
厚さ方向Dにおいて所定の間隔をあけて設けられている鉄筋21及び鉄筋22は、厚さ方向Dにおいて対向していていても、対向していなくてもよく、また、鉄筋21、22の数は、特に限定されず、例えば、1本でもよく、また、3本以上でもよい。また、鉄筋21のみで負曲げモーメントM2を負担できる場合には、鉄筋22は設けなくてもよい。すなわち、追加部材20は、鉄筋21のみから構成されていてもよい。
追加部材20は、工場等によりスペーサを用いるなどして予めデッキプレート10に取り付けられて合成スラブ構造1の施工現場に搬送されてもよいし、現場でスペーサを用いるなどしてデッキプレート10や梁Hに取り付けてもよいし、溶接金網30に取付けてもよい。なお、追加部材20は、異形鉄筋である鉄筋21、22により構成されていたが、追加部材20は、鉄筋21、22の代わりに、異形鉄線溶接金網や補強鋼板を用いてもよい。さらに、追加部材20は、樹脂製の棒部材等、他の材質の部材により構成されていてもよい。
【0041】
図1、
図3、
図4に示すように、溶接金網30は、コンクリート部50に埋設されており、コンクリート部50のひび割れ拡大を防止することを目的として、デッキプレート10の上方において、長さ方向L及び幅方向Wのそれぞれに延在するように配置されている。具体的に、溶接金網30は、例えば、鋼製の棒部材又は線材により格子状に形成されていて、デッキプレート10上に設置されたスペーサ上に載せられて、厚さ方向Dにおいて、追加部材20の上方に位置する。なお、溶接金網30は、設計上、合成スラブ構造1の構造としてはみなされない。
【0042】
コンクリート部50は、コンクリートをデッキプレート10の一方の面(上面)に打設して固化することにより形成されている。コンクリート部50は、デッキプレート10、鉄筋21、22及び溶接金網30を覆うように打設され、コンクリート部50の固化後、鉄筋21、22及び溶接金網30は、コンクリート部50内に埋設された状態にある。つまり、デッキプレート10は、中間梁H3上において、鉄筋21、22を介してコンクリート部50と合成体を形成している。
【0043】
図5は、設計上における単純支持及び連続支持とみなされた場合の曲げモーメントを比較した概略図である。
図5において、デッキプレート10の下側に生じるモーメントM1およびデッキプレート10の上側に生じるモーメントM2の大きさ及び方向は、それぞれデッキプレート10下面を中心線とした場合における、各モーメントM1、M2の曲線の中心線からの距離及び方向と一致している。例えば、合成機構としての鉄筋21、22が設けられていない合成スラブ構造100は、単純支持とみなされる。この場合、矢印の方向から合成スラブ構造100に負荷がかかった場合、中間梁H3に生じるモーメントを負担する構造が存在しないため、便宜的に中間梁H3上に生じるモーメントはゼロとみなして、本来、中間梁H3上に生じるモーメントについては、端部梁H1と中間梁H3との間、及び、端部梁H2と中間梁H3との間で下側に生じるモーメントM1と仮定して単純支持として設計する。連続支持としての設計に比べて、下側に生じるモーメントM1は大きく想定されるので、例えば、梁H間のスパンを狭くしたり、デッキプレート10の板厚を厚くしたり、コンクリート部50の量を増やすなどして、モーメントM1を負担する必要があった。
【0044】
これに対して、合成スラブ構造1は、全体として連続支持とみなすことができる。合成スラブ構造1においては、中間梁H3上に合成機構20となる鉄筋21、22(追加部材20)が設けられている。鉄筋21、22が中間梁H3の上側に生じるモーメントM2を負担することができる強度を有する場合、鉄筋21、22が、中間梁H3上でコンクリート部50と係合して、長さ方向Lに並ぶ2つのデッキプレート10と構造上連結されていることにより、合成スラブ構造1は、連続支持の構造とみなすことができる。したがって、中間梁H3の上側に生じるモーメント(負曲げモーメント)M2を鉄筋21、22により負担することができるので、端部梁H1,H2と中間梁H3とのスパンを、例えば、単純支持の場合よりも大きくすることや、デッキプレート10の高さを単純支持の場合よりも低くすることや、デッキプレート10の板厚を単純支持の場合よりも薄くしたり、コンクリート部50の量を減らすことなどにより、コストの削減を図ることができ、さらに、許容荷重を増加するなど合成スラブの性能向上を図ることができる。
【0045】
図6は、追加部材20に要求される断面積atの大きさを算出するために必要なパラメータを示す図である。
図6(a)は、合成スラブ構造1を長さ方向Lに見た場合の断面図であり、
図6(b)は、
図6(a)の中間梁H3周辺を拡大した場合の断面図である。
合成スラブ構造1が、端部梁H1、H2と中間梁H3に渡って延在するように設けられている一方で、デッキプレート10は中間梁H3を跨いで連続しないよう、端部梁H1と中間梁H3及び端部梁H2と中間梁H3の間にそれぞれ架け渡されており、端部梁H1と中間梁H3との間のスパンと端部梁H2と中間梁H3との間のスパンがそれぞれLxとなっている。合成スラブ構造1が端部梁H1、H2と中間梁H3の上に載置されることで、合成スラブ構造1自身の重量と合成スラブ構造に作用する積載等荷重等(例えば、自重、積載荷重、仕上げ材による荷重等)により発生する等分布荷重Wによって、モーメントM1及びモーメントM2が生じる。モーメントM1は、端部梁H1と中間梁H3との間、及び、端部梁H2と中間梁H3との間で下側に生じ、モーメントM2は、端部梁H1と中間梁H3との間、及び、端部梁H2と中間梁H3との間で上側に生じる。
端部梁H1と中間梁H3との間、及び、端部梁H2と中間梁H3との間で上側に生じるモーメント(負曲げモーメント)M2については、以下の式が成立する。
中間梁H3上に設けられる鉄筋21、22の断面積をat、許容応力度をft、応力中心間距離Jを圧縮縁からの距離、つまり有効成dに7/8を乗じたものとすると、鉄筋21、22が負担することが可能となる許容モーメントMaについては、以下の式が成立する。
Ma=at×ft×J ・・(2)
また、鉄筋21、22の許容モーメントMaの大きさは、構造上、端部梁H1と中間梁H3との間、及び、端部梁H2と中間梁H3との間で上側に生じるモーメントM2を上回る必要があることから、以下の式が成立する。
Ma≧M2 ・・(3)
上記式(2)、(3)から、鉄筋21、22の断面積atが満たすべき条件について、以下の式が成立することが分かる。
at≧M2/(ft×J)・・(4)
そのため、連続支持として合成スラブ構造1を設計する場合、追加部材20として採用する鉄筋21、22は、断面積atが上記式(4)を満たす必要がある。
なお、断面積atは、1本の鉄筋でなくとも、複数の鉄筋の合計断面積で上記式(4)を満たせばよいことに留意する必要がある。
【0046】
また、上記式(1)、(3)から、端部梁H1と中間梁H3との間のスパンあるいは端部梁H2と中間梁H3との間のスラブスパンLxが満たすべき条件について、以下の式が成立することが分かる。
そのため、本発明において、連続支持として合成スラブ構造を設計する場合、端部梁H1と中間梁H3との間のスラブスパンあるいは端部梁H2と中間梁H3との間のスラブスパンLxは、上記式(5)を満たす必要がある。
【0047】
また、鉄筋21、22の応力中心間距離Jは、追加部材20として採用する鉄筋21、22の圧縮縁からの距離、つまり有効成をdとすると、以下の式が成立する。
J=7×d/8 ・・(6)
上記式(4)、(6)から、鉄筋21、22の圧縮縁からの距離dが満たすべき条件について、以下の式が成立することが分かる。
d≧(8×M2)/(7×at×ft)・・(7)
そのため、連続支持として合成スラブ構造1を設計する場合、追加部材20として採用する鉄筋21、22の圧縮縁からの距離、ここでは例えば中間梁上部からの距離dは、上記式(7)を満たす必要がある。ただし、距離dの大きさを確保する際、スラブ表面と追加部材20として採用する鉄筋21、22の圧縮縁との間の距離は、各種法令により要求される大きさを下回ることがないように留意する必要がある。
また、ここでは上記式(1)によりM2を算定したが、M2は実状に応じた論理式や解析などにより求めてもよい。
【0048】
次に、合成スラブ構造1の施工方法について説明する。まず、梁Hにデッキプレート10を架け渡す。具体的には、デッキプレート10を、幅方向Wにおいて端部梁H1から、中間梁H3の領域まで敷き詰めていく(梁Hに架け渡す)。
【0049】
次いで、梁Hのうち、デッキプレート10が架け渡されていない側にデッキプレート10を載置して、デッキプレート10を所定の位置まで敷き詰めていく。具体的には、デッキプレート10を、幅方向Wにおいて端部梁H2から、中間梁H3の領域まで敷き詰めていく(梁Hに架け渡す)。
このように、少なくとも3つの梁のうち、中間梁H3を跨いで連続しないように端部梁H1,H2と中間梁H3の間又は隣り合う中間梁H3の間にデッキプレート10を架け渡す。デッキプレート10は、溶接等により、梁Hに固定することが好ましい。
【0050】
次いで、中間梁H3の上方で、中間梁H3近傍における負曲げモーメントM2が発生する範囲に合成機構を構成する追加部材20として鉄筋21、22を、例えば、スペーサを介して載置する。
次いで、デッキプレート10の上方において、かつ、鉄筋21、22よりも上方に溶接金網30を、例えば、スペーサを介して載置する。その際、鉄筋21、22に干渉しないように溶接金網30を載置する。
次いで、梁H及びデッキプレート10上にコンクリートを打設してコンクリート部50を形成する。ここで、コンクリート部50は、鉄筋21、22及び溶接金網30が所定の深さまで埋まるように打設する。この時、合成スラブと梁Hとは、頭付きスタッド、焼抜き栓溶接、打込み鋲、ボルト、その他溶接などによって構造的に接合されている。
以上により、合成スラブ構造1が施工される。
【0051】
以上のような合成スラブ構造1によれば、中間梁H3の上方にコンクリート部50との合成機構20が設けられているので、デッキプレート10が中間梁H3を跨いで連続するように設けられていなくても、全体として単純支持ではなく、連続支持として合成スラブの構造設計することができ、合成スラブ構造1は、全体として連続支持の合成スラブ構造1としてみなすことができる。これにより、端部梁H1,H2と中間梁H3とのスパンを、例えば、単純支持の場合よりも大きくすることや、デッキプレート10の高さを単純支持の場合よりも低くすることや、デッキプレート10の板厚を単純支持の場合よりも薄くしコストの削減を図ることや、コンクリート部50の量を減らすことができ、さらに、許容荷重を増加するなど合成スラブの性能向上を図ることができる。
また、中間梁H3近傍の負曲げモーメントM2が発生する領域に追加部材20を設けることにより、合成スラブ構造1は構造設計において、連続支持とみなすことができるのみならず、耐火設計においても連続支持とみなすことができるので、耐火性能を向上させることができる。また、耐火設計において、元々連続支持とみなせる合成スラブにおいては、追加部材20を設けることでさらに耐火性能を強化することができる。
【0052】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図7に示すように、第2の実施の形態は、デッキプレート10の谷底部120,130と傾斜部140によって形成される空間に補強鉄筋40を追加した合成スラブ構造1Aである。
補強鉄筋40は、コンクリート部50と一体化されて、コンクリート部50との合成体を形成する。補強鉄筋40は、例えば、デッキプレート10とコンクリート部50を有する合成スラブに追加され、コンクリート部50に埋設される。補強鉄筋40は、例えば、鉄筋41、42から形成されている。鉄筋41、42は、例えば、異形鉄筋であり、追加部材20や溶接金網30に干渉しないように配置される。より具体的には、鉄筋41、42は、梁H及びデッキプレート10上に設けられている。
【0053】
鉄筋41は、その延在方向が長さ方向Lに沿うと共に、デッキプレート10の谷底部120,130の上面に略平行となるように設けられている。鉄筋41はそれぞれ、厚さ方向Dに所定の間隔をあけ、かつ、長さ方向Lに沿って所定の間隔をあけて谷底部120,130の上方に設けられている。鉄筋41は、デッキプレート10の上方に限らず、梁Hの上方にも設けられている。
鉄筋42は、その延在方向が幅方向Wに沿うと共に、デッキプレート10の谷底部120,130の上面に略平行となるように設けられている。鉄筋42は、厚さ方向Dに所定の間隔をあけてそれぞれ設けられた複数の鉄筋41に交差するように設けられている。鉄筋42は、載置した状態において、デッキプレート10の対向する傾斜部140間に納まる長さに形成されている。
すなわち、鉄筋41と鉄筋42は、互いに直交して格子形状を形成するように谷底部120,130の上方に設けられている。ここで、鉄筋41と鉄筋42は、接触していてもよいし、互いに離間していてもよい。
鉄筋41、42は、デッキプレート10に設けられたスペーサを介して、溶接金網30よりも低い位置に設けられている。
なお、補強鉄筋40は、デッキプレート10を補強するものであるため、デッキプレート10の上方にのみ設けてもよい。この場合、追加部材20としての鉄筋21、22の本数は、補強鉄筋41,42の本数よりも多く設けるとよい。これにより、負曲げモーメントM2が発生する中間梁H3近傍を他の部分より強固に補強することができる。また、補強鉄筋40をデッキプレート10の上方にのみ設けた場合、追加部材20としての鉄筋21、22の合計断面積を、補強鉄筋41,42の合計断面積よりも大きくするとよい。これにより、負曲げモーメントM2が発生する中間梁H3近傍を他の部分より強固に補強することができる。
なお、補強鉄筋40として鉄筋41のみで補強が十分な場合には、鉄筋42は設けなくてもよい。これは、鉄筋41のみで負曲げモーメントM2を負担できるからである。また、鉄筋41をモーメントM1が作用する範囲に設けた場合、モーメントM1を負担できるため、例えば、デッキプレート10の高さを低くすることや、デッキプレート10の板厚を薄くしコストの削減を図ることや、コンクリート部50の量を減らすことができ、さらに、許容荷重を増加するなど合成スラブの性能向上を図ることができる。
【0054】
以上のような合成スラブ構造1Aによれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するほか、補強鉄筋40を設けることで合成スラブ構造1Aをより強化することができるので、第1の実施の形態における合成スラブ構造1よりも端部梁H1,H2と中間梁H3とのスパンを大きくすることや、デッキプレート10の高さを低くすることや、デッキプレート10の板厚を薄くしコストの削減を図ることができ、さらに、許容荷重を増加するなど合成スラブの性能向上を図ることができる。
【0055】
<その他>
なお、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更してもよい。例えば、追加部材20や補強鉄筋40による補強の代替として、溶接金網30単体での補強効果により、設計上などで必要な補強を十分に満たせる場合は追加部材20や補強鉄筋40は設けなくてもよい。また、梁が少なくとも2つの場合は中間梁が存在しない状態でデッキプレートが単純支持となるが、この時、端部梁上に追加部材20や補強鉄筋40を配することで、端部梁上で負曲げモーメントを負担する部材が存在し、かつ、デッキ合成スラブと梁との固定度が高まるため、端部梁の上にも負曲げモーメントM2が発生し、その比率に応じて、モーメントM1が低下するため、合成スラブのコスト削減や性能向上を図ることができる。また、ここにおいても、例えば、追加部材20や補強鉄筋40による補強の代替として、溶接金網30単体での補強効果により、設計上などで必要な補強を十分に満たせる場合は、追加部材20や補強鉄筋40は設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1、1A 合成スラブ構造
10 デッキプレート
20 追加部材
21 鉄筋(長さ方向Lに延在)
22 鉄筋(幅方向Wに延在)
30 溶接金網
40 補強鉄筋
50 コンクリート部