(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171278
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20241204BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088269
(22)【出願日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】507384939
【氏名又は名称】Sansan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】橋本 航
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 寛治
(72)【発明者】
【氏名】松尾 佳亮
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 遼太
(72)【発明者】
【氏名】西場 正浩
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L049AA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】立場情報で示される立場で要約された文書データの要約データを大規模言語モデルより受け取り、要約データを出力する情報処理方法、情報処理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】サーバー装置とクライアント装置が、ネットワークを介して通信可能に接続されている情報処理システムにおいて、サーバー装置は、クライアント装置からの要求に応じて選択又は指定された文書データを表示する画面を生成し、クライアント装置に送信する。クライアント装置は、受信した画面をクライアント装置の出力部に表示する。画面は、ボタンと、複数の表示領域を含む。クライアント装置は、ボタンの選択を示す情報をサーバー装置に送信する。サーバ装置は、他の情報処理システムの大規模言語モデルに入力する要求を生成し入力する。大規模言語モデルは、要求を入力データとして入力し、立場情報で示される立場で要約した文書データの要約データを出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
文書データと、立場に関する立場情報と、前記立場情報で示される立場で前記文書データを要約する旨の指示と、を含む要求を大規模言語モデルに対して入力し、
前記立場情報で示される立場で要約された前記文書データの要約データを前記大規模言語モデルより受け取り、
前記要約データを出力する、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記文書データに関する画面を表示するよう制御し、
前記画面には立場を指定する指定オブジェクトが含まれ、
前記文書データと、前記指定オブジェクトを介して指定された立場に関する立場情報と、前記立場情報で示される立場で前記文書データを要約する旨の指示と、を含む要求を大規模言語モデルに対して入力する、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記要約データは、立場に応じて前記要約データに含まれる専門用語の数が異なる、
情報処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記少なくとも1つ以上の制御部は、
前記文書データと前記文書データに関係する関係文書データとの差分を求め、
前記要約データと、前記差分に関する情報と、を出力する、
情報処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理方法において、
前記少なくとも1つ以上の制御部は、
前記文書データに関する画面を表示するよう制御し、
前記画面を介した所定の指示を受け取ると、記憶部に記憶されている複数の文書データより前記関係文書データを取得し、
前記文書データと取得した前記関係文書データとの差分を求める、
情報処理方法。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記文書データは、契約書データである、
情報処理方法。
【請求項7】
請求項4に記載の情報処理方法において、
前記文書データは、契約書データであり、
前記関係文書データは、前記契約書データに関する契約者の過去の契約書データである、
情報処理方法。
【請求項8】
請求項4に記載の情報処理方法において、
前記文書データは、契約書データであり、
前記関係文書データは、前記契約書データに関する契約者に類似する契約者の過去の契約書データである、
情報処理方法。
【請求項9】
情報処理システムであって、
少なくとも1つ以上の制御部を有し、
前記少なくとも1つ以上の制御部は、
文書データと、立場に関する立場情報と、前記立場情報で示される立場で前記文書データを要約する旨の指示と、を含む要求を大規模言語モデルに対して入力し、
前記立場情報で示される立場で要約された前記文書データの要約データを前記大規模言語モデルより受け取り、
前記要約データを出力する、
情報処理システム。
【請求項10】
プログラムであって、
コンピュータに、
請求項1から請求項8までの何れか1項に記載の情報処理方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には読みやすい要約を生成する要約生成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ある立場の人にとっては読みやすい要約もある立場の人にとっては難しい要約である可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが実行する情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、文書データと、立場に関する立場情報と、立場情報で示される立場で文書データを要約する旨の指示と、を含む要求を大規模言語モデルに対して入力する。立場情報で示される立場で要約された文書データの要約データを大規模言語モデルより受け取り、要約データを出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、クライアント装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、情報処理システム1000の情報処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、文書データを表示する画面500の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、要約データを表示する画面600の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、変形例2の情報処理システム1000の情報処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、差分に関する情報を表示する画面700の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0008】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバーからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0009】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0010】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0011】
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示されるように、情報処理システム1000は、システム構成として、サーバー装置100と、クライアント装置110と、を含む。サーバー装置100と、クライアント装置110とは、ネットワーク150を介して通信可能に接続されている。また、情報処理システム1000は、ネットワーク150を介して他の情報処理システム1100と通信可能に接続されている。
【0012】
サーバー装置100は、以下に示す変形例も含めて実施形態1に係る主な処理を実行する。クライアント装置110は、ユーザーが使用する装置であって、文書データを表示したり、文書データの要約を表示したりする。他の情報処理システム1100は、大規模言語モデルの機能を提供する。
【0013】
なお、
図1では、説明の簡略化のため、情報処理システム1000において、クライアント装置110は1台しか図示していないが、情報処理システム1000には複数のクライアント装置110が含まれていてもよい。また、
図1では、クライアント装置110の例としてPCを示しているが、PCに限定されるものではなく、タブレット型コンピュ-タ又はスマ-トフォン等であってもよい。すなわち、クライアント装置110は、後述する
図5、
図6、
図8に示されるような画面を表示させことができればどのような装置であってもよい。
【0014】
ここで、特許請求の範囲に記載の情報処理システムは、複数の装置で構成されてもよいし、一つの装置で構成されてもよい。特許請求の範囲に記載の情報処理システムが一つの装置で構成され場合、その装置の一例はサーバー装置100である。特許請求の範囲に記載の情報処理システムが複数の装置で構成される場合、複数の装置の一例は、サーバー装置100及びクライアント装置110、又はサーバー装置100の機能を提供する複数の装置で構成されるクラウドシステムである。
【0015】
2.ハードウェア構成
(1)サーバー装置100のハードウェア構成
図2は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバー装置100は、ハードウェア構成として、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、を含む。制御部210は、CPU(Central Processing Unit)等であって、サーバー装置100の全体を制御する。記憶部220は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの任意の組み合わせ等であって、プログラム及び制御部210がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部210が、記憶部220に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、サーバー装置100の機能等が実現される。通信部230は、NIC(Network Interface Card)等であって、サーバー装置100をネットワーク150に接続し、他の装置との通信を司る。記憶部220は、記憶媒体の一例である。
【0016】
ここで、特許請求の範囲に記載の情報処理システムが一つの装置、例えばサーバー装置100で構成され場合、少なくとも1つ以上の制御部の一例は、制御部210である。特許請求の範囲に記載の情報処理システムが複数の装置で構成される場合、少なくとも1つ以上の制御部の一例は、複数の装置それぞれの制御部である。
【0017】
(2)クライアント装置110のハードウェア構成
図3は、クライアント装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。クライアント装置110は、ハードウェア構成として、制御部310と、記憶部320と、入力部330と、出力部340と、通信部350と、を含む。制御部310は、CPU等であって、クライアント装置110の全体を制御する。記憶部320は、ROM、RAM、SSD、又はこれらの任意の組み合わせ等であって、プログラム及び制御部310がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部310が、記憶部320に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、クライアント装置110の機能が実現される。入力部330は、キーボード及び/又はマウス等であって、ユーザー操作に応じて、情報を入力する。出力部340は、ディスプレイ等であって、制御部310の制御に基づき、画面等を表示する。通信部350は、クライアント装置110をネットワーク150に接続し、他の装置との通信を司る。記憶部320は、記憶媒体の一例である。
【0018】
3.情報処理
(処理の概要)
サーバー装置100の制御部210は、選択、又は指定された文書データと、立場に関する立場情報と、立場情報で示される立場で文書データを要約する旨の指示と、を含む要求文(以下、単に要求ともいう。)を生成し、例えば、他の情報処理システム1100が提供するAPIを介して大規模言語モデルに対して入力する。サーバー装置100の制御部210は、立場情報で示される立場で要約された文書データの要約データを大規模言語モデルより受け取り、要約データを含む画面を要求元のクライアント装置110等に出力する。
このような処理を行うことによって、文書データの立場に応じた要約を出力することができる。
【0019】
(処理の詳細)
図4は、情報処理システム1000の情報処理の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスSQ401において、サーバー装置100の制御部210は、クライアント装置110からの要求に応じて、選択、又は指定された文書データを表示する画面を生成し、クライアント装置110に送信する。画面を生成し、クライアント装置110に送信することは、画面を表示させるよう制御する処理の一例である。なお、制御部210は、画面を表示するためのデータを生成し、クライアント装置110に送信する。そして、クライアント装置110が受信したデータに基づき画面を生成し、表示するようにしてもよい。このような場合、画面を表示するためのデータを生成し、クライアント装置110に送信する処理も画面を表示させるよう制御する処理の一例である。
なお、以下では説明の簡略化のため、制御部210が画面を生成し、クライアント装置110に送信するものとして説明を行う。
【0020】
シーケンスSQ402において、クライアント装置110の制御部310は、受信した画面をクライアント装置110の出力部340に表示する。
図5は、文書データを表示する画面500の一例を示す図である。画面500は、ボタン510と、表示領域520と、表示領域530と、を含む。ボタン510は、文書データの要約を指示するためのボタンである。ボタン510が選択されたことを検知すると、制御部210は、後述する
図6に示されるような要約データを含む画面がクライアント装置110に表示されるよう制御する。表示領域520は、選択、又は指定された文書データから抽出された情報が表示される領域である。なお、明細書では文書データの一例として契約書データを例に説明を行う。但し、文書データの他の例としては、請求書データであってもよいし、論文データであってもよいし、特許の出願書類データ等であってもよい。文書データは要約することができるような文書のデータであればどのようなものであってもよい。表示領域530は、選択、又は指定された文書データが表示される領域である。
【0021】
ボタン510が選択されたことを受け付けると、シーケンスSQ403において、クライアント装置110の制御部310は、ボタン510が選択されたことを示す情報をサーバー装置100に送信する。
【0022】
ボタン510が選択されたことを示す情報を受信すると、シーケンスSQ404において、制御部210は、他の情報処理システム1100の大規模言語モデルに入力する(又は送信する)要求を生成する。要求には、文書データと、立場情報と、立場情報で示される立場で文書データを要約する旨の指示と、が含まれる。文書データは、この例では
図5の表示領域530に表示されている文書データである。立場情報は、この例ではデフォルトの立場情報(例えば、法務関係者)が設定される。
【0023】
要求を生成すると、シーケンスSQ405において、制御部210は、要求を他の情報処理システム1100の大規模言語モデルに入力する(又は送信する)。
シーケンスSQ406において、大規模言語モデルは、要求を入力データとして入力し、立場情報で示される立場で要約した文書データの要約データを出力データとして出力する。
シーケンスSQ407において、大規模言語モデルは、生成した要約データをサーバー装置100に送信する。
【0024】
シーケンスSQ408において、制御部210は、受信した要約データを含む、後述する
図6に示すような画面を生成する。
シーケンスSQ409において、制御部210は、生成した画面を要求元のクライアント装置110に送信する。制御部210が
図6に示すような画面を生成し、クライアント装置110に送信する処理は、文書データに関する画面を表示するよう制御する処理の一例である。
【0025】
シーケンスSQ410において、クライアント装置110の制御部310は、受信した画面をクライアント装置110の出力部340に表示する。
図6は、要約データを表示する画面600の一例を示す図である。画面600は、選択ボックス610と、出力領域620と、を含む。選択ボックス610は、ユーザーが立場を選択するためのボックスである。
図6の例では、ユーザーは、立場として法務関係者、技術スタッフ、高校生を選択することができる。選択ボックス610は、立場を指定する指定オブジェクトの一例である。他の例として、画面600を、立場を自由記述で記述可能に構成してもよい。すなわち、画面600に入力領域を設け、この入力領域には立場を自由に記述できるようにしてもよい。このような構成の場合、入力領域は立場を指定する指定オブジェクトの他の例である。出力領域620は、要約が出力される領域である。
ここで、立場とは、要約データを読む人の立場であってもよい。より具体的には個人、又は法人、又は法人内の所属部署(法務担当、経理担当)であってもよい。
又は、立場とは、文書内記載の法人、個人の立場であってもよい。より具体的には契約書の甲や乙、請求書の請求元や請求先であってもよい。
又は、立場とは、要約データを読む人の立場及び文書内記載の法人、個人の立場の組み合わせによって決定されるものであってもよい。より具体的には、契約書の甲における法務担当、請求書の請求元における経理担当であってもよい。
【0026】
選択ボックス610において立場が変更されると、クライアント装置110の制御部310は、変更された立場を示す立場情報をサーバー装置100に送信する。すると、シーケンスSQ404からシーケンス410までの処理が実行され、選択された立場での文書データの要約が画面に表示される。すなわち、制御部210は、文書データと、指定オブジェクトを介して指定された立場に関する立場情報と、立場情報で示される立場で文書データを要約する旨の指示と、を含む要求を大規模言語モデルに対して入力する。そして、制御部210は、立場情報で示される立場で要約した文書データの要約データを出力データとして大規模言語モデルより受け取り、要約データを含む画面を生成し、要求元のクライアント装置110に送信する。クライアント装置110の制御部310は、受信した画面をクライアント装置110の出力部340に表示する。
【0027】
選択された立場に応じて、要約データに含まれる専門用語の数が異なる。
図6の例では、法務関係者が選択された場合より技術スタッフが選択された場合の方が要約データに含まれる専門用語(
図6の例では契約書に関する専門用語)が少なくなる。また、
図6の例では、技術スタッフが選択された場合より高校生が選択された場合の方が要約データに含まれる専門用語(
図6の例では契約書に関する専門用語)が少なくなる。このように立場に応じて、文書データに関する専門用語の数を変更させることによって、立場に応じた分かりやすい要約をユーザーに提示することができる。
【0028】
実施形態の処理によれば、文書データの立場に応じた要約を出力することができる。
【0029】
(変形例1)
実施形態1の変形例1を説明する。
実施形態1では選択ボックス610、又は立場を自由記述で入力可能な入力領域を
図6に設けるよう説明を行った。しかし、変形例1の制御部210は、
図5に示されるような画面の所定の位置(例えば、ボタン510の近傍等)に選択ボックス610、又は立場を自由記述で入力可能な入力領域を設けるようにしてもよい。
【0030】
変形例1によれば、立場を選択した(又は指定した)上で要約を作成することを指示するボタン等を選択することができる。
【0031】
(変形例2)
実施形態1の変形例2を説明する。
図7は、変形例2の情報処理システム1000の情報処理の一例を示すシーケンス図である。
図4のシーケンス図と同様の処理には同様の符号を付している。すなわち、変形例1の制御部210も、例えば
図5に示されるように文書データに関する画面を表示するよう制御する。制御部210は、例えばボタン510等が選択されたことに基づく所定の指示を受け取ると、シーケンスSQ404からシーケンスSQ407までの処理を行うと共に以下の処理を実行する。
【0032】
シーケンスSQ701において、制御部210は、記憶部に記憶されている複数の文書データより関係文書データを取得する。記憶部は、記憶部220であってもよいし、制御部210がアクセス可能な他のサーバー等の記憶部であってもよい。ここで、文書データの一例として契約書データを例に説明を行うと、関係文書データは、契約書データに関する契約者の過去の契約書データである。例えば、契約書データがAとBと契約の契約書データであった場合、関係文書データは、AとBとの過去の契約の契約書データである。なお、関係文書データの他の例としては、契約書データに関する契約者に類似する契約者の過去の契約書データであってもよい。例えば、契約書データがAとBと契約の契約書データであった場合、関係文書データは、Bと類似するCとAとの契約書データである。類似の例としては、取引の規模(取引量及び/又は取引金額)が類似していたり、業種が類似していたり、社員数が類似しているもの等がある。上述した記憶部には過去の文書データも記憶されているものとする。
【0033】
シーケンスSQ702において、制御部210は、文書データと文書データに関係する関係文書データとの差分を求める。
シーケンスSQ703において、制御部210は、要約データと、差分に関する情報と、を含む後述する
図8に示すような画面を生成する。
シーケンスSQ704において、制御部210は、生成した画面を要求元のクライアント装置110に送信する。要約データと、差分に関する情報と、を含む画面を生成し、生成した画面をクライアント装置110に送信する処理は、要約データと、差分に関する情報と、を出力する処理の一例である。
【0034】
図8は、差分に関する情報を表示する画面700の一例を示す図である。画面700は、出力領域710を含む。出力領域710には文書データと文書データに関係する関係文書データとの差分の情報が表示される。出力領域710に表示されている差分情報にうち文字フォントが他の文字と異なり、下線が付されている情報をユーザーが選択すると、制御部210は、文書データ(契約書データ)の該当する箇所を画面に表示するよう制御する。
【0035】
変形例2に示すように、要約と共に差分の情報も表示することによって、ユーザーは文書データの内容を適切に把握することができる。
【0036】
(変形例3)
実施形態1の変形例3を説明する。
変形例3の制御部210は、変形例2の態様において差分に関する情報も立場情報と合わせて大規模言語モデルに入力する。大規模言語モデルは、立場情報で示される立場で要約した文書データを要約した要約データと立場情報で示される立場で差分に関する情報を要約した要約差分情報とを出力データとして出力する。制御部210は、要約データと要約差分情報とを含む画面を生成し、クライアント装置110に送信する。
【0037】
変形例3の処理によれば、差分に関する情報も立場に応じて要約されて表示される。
【0038】
<付記>
発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0039】
(1)情報処理システムが実行する情報処理方法であって、文書データと、立場に関する立場情報と、前記立場情報で示される立場で前記文書データを要約する旨の指示と、を含む要求を大規模言語モデルに対して入力し、前記立場情報で示される立場で要約された前記文書データの要約データを前記大規模言語モデルより受け取り、前記要約データを出力する、情報処理方法。
【0040】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、前記文書データに関する画面を表示するよう制御し、前記画面には立場を指定する指定オブジェクトが含まれ、前記文書データと、前記指定オブジェクトを介して指定された立場に関する立場情報と、前記立場情報で示される立場で前記文書データを要約する旨の指示と、を含む要求を大規模言語モデルに対して入力する、情報処理方法。
【0041】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理方法において、前記要約データは、立場に応じて前記要約データに含まれる専門用語の数が異なる、情報処理方法。
【0042】
(4)上記(1)から(3)までの何れか1つに記載の情報処理方法において、前記少なくとも1つ以上の制御部は、前記文書データと前記文書データに関係する関係文書データとの差分を求め、前記要約データと、前記差分に関する情報と、を出力する、情報処理方法。
【0043】
(5)上記(4)に記載の情報処理方法において、前記少なくとも1つ以上の制御部は、前記文書データに関する画面を表示するよう制御し、前記画面を介した所定の指示を受け取ると、記憶部に記憶されている複数の文書データより前記関係文書データを取得し、前記文書データと取得した前記関係文書データとの差分を求める、情報処理方法。
【0044】
(6)上記(1)から(5)までの何れか1つに記載の情報処理方法において、前記文書データは、契約書データである、情報処理方法。
【0045】
(7)上記(4)から(6)までの何れか1つに記載の情報処理方法において、前記文書データは、契約書データであり、前記関係文書データは、前記契約書データに関する契約者の過去の契約書データである、情報処理方法。
【0046】
(8)上記(4)から(6)までの何れか1つに記載の情報処理方法において、前記文書データは、契約書データであり、前記関係文書データは、前記契約書データに関する契約者に類似する契約者の過去の契約書データである、情報処理方法。
【0047】
(9)情報処理システムであって、少なくとも1つ以上の制御部を有し、前記少なくとも1つ以上の制御部は、文書データと、立場に関する立場情報と、前記立場情報で示される立場で前記文書データを要約する旨の指示と、を含む要求を大規模言語モデルに対して入力し、前記立場情報で示される立場で要約された前記文書データの要約データを前記大規模言語モデルより受け取り、前記要約データを出力する、情報処理システム。
【0048】
(10)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)から(8)までの何れか1つに記載の情報処理方法を実行させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0049】
例えば、上述のプログラムを記憶させる、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0050】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0051】
100 :サーバー装置
110 :クライアント装置
150 :ネットワーク
210 :制御部
220 :記憶部
230 :通信部
310 :制御部
320 :記憶部
330 :入力部
340 :出力部
350 :通信部
500 :画面
510 :ボタン
520 :表示領域
530 :表示領域
600 :画面
610 :選択ボックス
620 :出力領域
700 :画面
710 :出力領域
1000 :情報処理システム
1100 :他の情報処理システム