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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171337
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】物流システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/06 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
B65G1/06 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024087092
(22)【出願日】2024-05-29
(31)【優先権主張番号】P 2023088194
(32)【優先日】2023-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003454
【氏名又は名称】弁理士法人友野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 恭矢
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022EE02
3F022EE09
3F022FF01
3F022JJ13
3F022JJ20
3F022LL07
3F022LL19
3F022LL31
3F022MM01
3F022MM03
3F022MM13
3F022MM17
3F022MM36
3F022MM37
(57)【要約】
【課題】
付加価値を生まない縦持ち工程を減らし経営効率を高めること。
【解決手段】
建屋の3階の床に床開口を設け、2階から3階の建床を貫いて順立シャトル機能を備える自動倉庫100が設置し、2階に行バラシ作業ステーション120-20と荷合わせ作業ステーション130-20、3階に行バラシ作業ステーション120-30と荷合わせ作業ステーション130-30を設置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
区分けごとに水平方向の位置が識別できる複数の段で構成される棚に、アイテムを所定の保管形態で複数保管する保管部であって、
前記保管部は、
前記棚と前記棚の間に、前記アイテムを水平方向に搬送するための走行部と、
入荷した前記アイテムを小分け作業する作業ステーションから前記アイテムを入庫するための搬送部と、
出荷先ごとに前記アイテムを集荷作業する作業ステーションに出庫するための搬送部と、
を前記複数の段にそれぞれ備えることを特徴とする物流システム。
【請求項2】
前記搬送部は、コンベヤを特徴とする請求項1に記載の物流システム。
【請求項3】
前記搬送部は、搬送ロボットであることを特徴とする請求項1に記載の物流システム。
【請求項4】
前記走行部は、前記アイテムを搬送するシャトル機構を有することを特徴とする請求項1に記載の物流システム。
【請求項5】
前記走行部は、前記アイテムを搬送する搬送ロボットによることを特徴とする請求項1に記載の物流システム。
【請求項6】
前記保管部は、前記アイテムを垂直方向に搬送する昇降部を備えることを特徴とする請求項1に記載の物流システム。
【請求項7】
前記保管部は、
前記アイテムを前記小分け作業する作業ステーションから搬送する搬送部から、前記アイテムを入庫する昇降部と、
前記アイテムを前記集荷作業する作業ステーションに搬送する搬送部に対し、前記アイテムを出庫する昇降部と、の2形態に分けて設置することを特徴とする請求項6に記載の物流システム。
【請求項8】
区分けごとに水平方向の位置が識別できる複数の段で構成される棚に、アイテムを所定の保管形態で複数保管する保管部であって、
前記保管部は、
前記棚と前記棚の間に、前記アイテムを水平方向に搬送するための走行部と、
入荷した前記アイテムを小分け作業する作業ステーションから前記アイテムを入庫するための搬送部と、
出荷先ごとに前記アイテムを集荷作業する作業ステーションに出庫するための搬送部と、
を前記複数の段にそれぞれ備える物流システムにおける物流システム制御方法であって、
前記アイテムを出荷先ごとに荷合わせ可能なように制御することを特徴とする物流システム制御方法。
【請求項9】
区分けごとに水平方向の位置が識別できる複数の段で構成される棚に、アイテムを所定の保管形態で複数保管する保管部であって、
前記保管部は、
前記棚と前記棚の間に、前記アイテムを水平方向に搬送するための走行部と、
入荷した前記アイテムを小分け作業する作業ステーションから前記アイテムを入庫するための搬送部と、
出荷先ごとに前記アイテムを集荷作業する作業ステーションに出庫するための搬送部と、
を前記複数の段にそれぞれ備える物流システムにおける制御プログラムであって、前記アイテムを出荷先ごとに荷合わせ可能なように制御することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記憶した記録媒体。






【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内の上下階間で商品を行き来させる縦持ち工程を減らす物流システムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流センターでは、従来からの店舗向け商品の配送だけでなく、通信販売などのECサイトからの注文にも対応するため、トラックによりパレット等で入荷した商品を、パレットごと建屋のトラックヤードに近接するフロアに一時保管したあと、通常はバッジ処理に従って、パレットをフォークリフトなどでピッキングエリアに搬送し、仕分け作業と出荷作業をおこなう。
【0003】
店舗の展示用棚位置に合わせて6輪台車などを配置して商品補充を行う店舗向けには、注文に合わせて商品を投入したオリコンを6輪台車に積んで出荷する。個人宅配向けには、段ボール箱を出荷箱として商品を出荷する。
【0004】
日本国内の物流センターは、一般的に敷地面積が小さい割には取り扱う物量が多いため、建屋が複層階で構成される場合が多く、たとえば1階が数日分の物量に対応できるパレットの保管場所となり、少なくとも前日に、1階から2階にフォークリフトでパレットを作業フロアに搬送、仮置きし、作業員が段ボールからECサイト向け商品を小分けして自動倉庫の保管用トレイに入れて自動倉庫に一時保存し、当日、注文に合わせて商品を自動倉庫から順立しながら出庫し、作業ステーションまで搬送し、作業員が商品を段ボール箱(出荷箱)に投入し、出荷箱はコンベヤによりトラックヤードに搬送される。
【0005】
店舗向け商品については、翌日のバッジ処理に向けて、少なくとも前日に。たとえば1階から3階にフォークリフトでパレットを作業フロアに搬送、仮置きし、当日、作業員が手元のオリコンを組立て、入荷用の段ボール箱から注文書の行単位に商品をピッキングして、オリコンに投入し6輪台車に積む。作業員は6輪台車をトラックヤードまで搬送する。
【0006】
トラックは、建屋のスロープを使いながら各階のトラックヤードで出荷箱、6輪台車の搬出を行っている。
【0007】
建物内の上下階間で商品を行き来させる上下移動させる搬送を意味する「縦持ち」を発生させ、倉庫スペースが余分に必要となる。拡大する物量に対応するためには、建屋の容積率と作業人数に対しての経営効率を高めることが求められる。
【0008】
特許文献1、特許文献2では、コンピュータ管理された大型自動倉庫において、一時入庫された多品種多数の商品を、顧客である出荷先別に、必要な時間に必要な数だけ的確に選択し、指定された出荷容器に正確に投入(ピッキング又はアソート)し、高速で出荷させることのできる経済効率も格段に高い入出庫完全自動の大型自動倉庫システムが提案されている。
【0009】
しかし、建屋が複層階で構成された物流センターでは、数日分の物量に該当する商品が建屋の下層、たとえば1階のトラックヤードに入荷され一時置きされた後に、顧客からのオーダーに合わせて、商品は、1階から上階にある行バラシ作業ラインの設置される階に移動され、行バラシ後に、行バラシ作業ラインと同じフロアに設置される自動倉庫にいったん一時保管のために入庫され、自動倉庫の順立機能により、顧客ごとに振り分けされ、荷合わせ作業ラインに出庫される。このため、1階から行バラシ作業ラインの設置された上階への移動、および荷合わせ作業ラインの設置された上階から出荷用のトラックヤードのある下階へ移動という縦持ち工程を発生させてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第6506368号公報
【特許文献2】特許第7268267号公報
【特許文献3】特許第6896720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述したこれまでの問題点の解決を企図したものであり、付加価値を生まない縦持ち工程を減らし経営効率を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、商品および出荷箱を異なる階へ移動させる間の待ちに該当する時間と、移動のための作業工数と、縦待ちに該当する商品および出荷箱のスペースが建屋と自動倉庫の両方に必要になるなど、多くの解決すべき課題が発生する。この課題を解決するために、物量、設備容積、生産性、それぞれの最適化を目的とし、順立機能を備えた自動倉庫を複数階に貫くように設置し、各階の行バラシ作業と荷合わせ作業と自動倉庫の順立機能を連動させることにより、縦待ち動線を短縮することを発案した。
【0013】
行バラシとは、たとえば段ボール箱に同じ商品が個装単位で複数入っている場合にその入荷した商品や出荷箱を、小分けする作業である。荷合わせとは、出荷指示に従って、内容や数量を確認しながら複数の顧客の商品を出荷先ごとに、出荷箱に集める作業である。
【0014】
そこで、上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る物流システムは、区分けごとに水平方向の位置が識別できる複数の段で構成される棚に、アイテムを所定の保管形態で複数保管する保管部であって、前記保管部は、前記棚と前記棚の間に、前記アイテムを水平方向に搬送するための走行部と、入荷した前記アイテムを小分け作業する作業ステーションから前記アイテムを入庫するための搬送部と、出荷先ごとに前記アイテムを集荷作業する作業ステーションに出庫するための搬送部と、を前記複数の段にそれぞれ備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記搬送部は、コンベヤであることとしてもよい。
【0016】
本発明の第3の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記搬送部は、搬送ロボットであることとしてもよい。
【0017】
本発明の第4の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記走行部は、前記アイテムを搬送するシャトル機構を有することとしてもよい。
【0018】
本発明の第5の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記走行部は、前記アイテムを搬送する搬送ロボットによることとしてもよい。
【0019】
本発明の第6の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記保管部は、前記アイテムを垂直方向に搬送する昇降部を備えることとしてもよい。
【0020】
本発明の第7の態様に係る物流システムとして、第6の態様において、前記保管部は、前記アイテムを前記小分け作業する作業ステーションから搬送する搬送部から、前記アイテムを入庫する昇降部と、前記アイテムを前記集荷作業する作業ステーションに搬送する搬送部にたいし、前記アイテムを出庫する昇降部と、の2形態に分けて設置することとしてもよい。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の第8の態様に係る物流システム制御方法は、区分けごとに水平方向の位置が識別できる複数の段で構成される棚に、アイテムを所定の保管形態で複数保管する保管部であって、前記保管部は、前記棚と前記棚の間に、前記アイテムを水平方向に搬送するための走行部と、入荷した前記アイテムを小分け作業する作業ステーションから前記アイテムを入庫するための搬送部と、出荷先ごとに前記アイテムを集荷作業する作業ステーションに出庫するための搬送部と、を前記複数の段にそれぞれ備える物流システムにおける物流システム制御方法であって、前記アイテムを出荷先ごとに荷合わせ可能なように制御することを特徴とする。
【0022】
さらに、上記課題を解決するために、本発明の第9の態様に係るプログラムは、区分けごとに水平方向の位置が識別できる複数の段で構成される棚に、アイテムを所定の保管形態で複数保管する保管部であって、前記保管部は、前記棚と前記棚の間に、前記アイテムを水平方向に搬送するための走行部と、入荷した前記アイテムを小分けする作業する作業ステーションから前記アイテムを入庫するための搬送部と、出荷先ごとに前記アイテムを集荷作業する作業ステーションに出庫するための搬送部と、を前記複数の段にそれぞれ備える物流システムにおける制御プログラムであって、前記アイテムを出荷先ごとに荷合わせ可能なように制御することを特徴とする。
【0023】
本発明の第10の態様として、第9の態様に係るプログラムを記憶した記録媒体として実現してもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の各態様によれば、物流センターにおける付加価値を生まない縦待ち工程を減らし、自動倉庫の平面容積率の削減と労務費の削減により経営効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態による物流センターにおける自動倉庫の配置図である。
図2】従来の一実施形態による物流センターにおける3階に自動倉庫と、同じ3階に設置した作業ステーションを説明するための側面視した模式図である。
図3】本発明の一実施形態による2階から3階の建床を貫いて設置した自動倉庫と、2階と3階のそれぞれの階に設置した作業ステーションを説明するための側面視した模式図である。
図4】本発明の一実施形態による図3の2階から3階の建床を貫いて設置した自動倉庫と、2階と3階のそれぞれの階に設置した作業ステーションの構成を斜視した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示したものであって、本発明の技術的思想は、下記のものに特定されるものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において、種々の変更を加えることができる。特に、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。既に公知の技術である部分は説明を省略している。
【0027】
後述する行バラシ、荷合わせ、階の移動は作業員による作業に限定はされず、自動機や、ロボットなどでもよい。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態による物流センターにおける高能率な自動倉庫の配置図である。図1に示すように、建屋の3階の床に床開口を設け、2階から3階の建床を貫いて順立シャトル機能を備える自動倉庫100が設置されている。2階に行バラシ作業ステーション120-20と荷合わせ作業ステーション130-20が設置されている。3階に行バラシ作業ステーション120-30と荷合わせ作業ステーション130-30が設置されている。
【0029】
本発明の一実施形態による自動倉庫100は、水平方向の単一フロアが垂直方向に構成される棚が走行面105(図から一部引き出し線を省略)を挟んで複数段に構成され、棚間の走行面105に走行部を備える高能率な自動倉庫であり、全体制御コンピュータに制御される。トラックヤードに入荷した商品10(図から一部引き出し線を省略)および出荷箱(図示せず)は、行バラシ作業ステーション120-20、120-30で行バラシされ、コンベヤ150により自動倉庫100に搬送され、昇降機110により垂直移動で指定された棚位置の層まで搬送され、走行部としての棚間の走行面105を走行する高能率なシャトル103(図から一部引き出し線を省略)により水平移動され、所定の棚位置に載置される。また、高能率なシャトル103により順立して取出しが行われ、昇降機110による高能率な垂直移動で、複数の階層に設置されている荷合わせ作業ステーション130-20、130-30に接続するコンベヤ150位置まで昇降され、コンベヤ150に移載され、荷合わせ作業ステーション130-20、130-30に商品10および出荷箱を搬送される。昇降機110は、シャトル103を垂直方向に搬送して、商品および出荷箱を建屋躯体床で待機する搬送ロボットに移載可能な構成を有することとしてもよい。昇降機の能力による縦待ちを削減するため、昇降機は、入庫機能と出庫機能の2つの機能に分けて、入庫用昇降機110-Inと出庫用昇降機110-Outとに入庫と出庫の機能に分けて、前記棚の長手方向の少なくても2カ所に配置する。ただし、2つの機能に分けることに限定はされない。
【0030】
特許文献3に記載の公知技術などを利用する。好適にはシャトル式自動倉庫だが、これには限定はされずスタッカクレーン式自動倉庫や、ロボット式自動倉庫などでもよい。
【0031】
自動倉庫100、コンベヤ150、入庫用昇降機110-In、出庫用昇降機110-Out、シャトル103(走行部)などの各装置の動作制御と、作業員への作業指示に係る表示などは、制御コンピュータの制御により、たとえば、特許文献1、特許文献2などの公知の技術を使用して制御されている。走行部は、好適にはシャトルであるが、限定はされず、スタッカクレーン、搬送ロボットなどでもよい。
【0032】
制御コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)と、CPU上で動作する制御プログラム等を格納したROM(Read- only Memory)と、各種データを一時的に格納するためのRAM、記憶装置を備えて構成されている。サーバであってもよい。
【0033】
制御コンピュータは、識別子検知部と、リセット部と、エラー検知部とを備えている。制御コンピュータの制御により、自動倉庫の棚位置、商品、出荷箱は識別子で識別され、公知の技術を使用して、商品、出荷箱(図示せず)の行バラシ、自動倉庫への入出庫、荷合わせ、出荷作業およびパレットの移動が、通信(有線、無線を含む)により制御される。制御の内容は、商品の入荷、顧客からの注文に合わせて予めスケジュールされている。
【0034】
入荷と出荷は、物流センターと外部との商品および出荷箱の入と出を、また、入庫と出庫は、自動倉庫と作業ステーション/コンベヤとの商品および出荷箱の入と出を、制御コンピュータにより制御される。
【0035】
図2は、従来の一実施形態による物流センターにおける3階に自動倉庫と、同じ3階に設置した作業ステーションを説明するための側面視した模式図である。図2に示すように、1階と2階と3階のそれぞれの階に商品10および出荷箱の入荷用トラックヤード51a、52a、53aと、出荷箱に荷合わせされた商品10の出荷用トラックヤード52b、53bと、3階に自動倉庫100と、行バラシ作業ステーション120-30と、荷合わせ作業ステーション130-30と、3階に行バラシ作業ステーション120-30、荷分け作業ステーション130-30、自動倉庫100を接続するコンベヤ150と、作業員が商品10および出荷箱を六輪台車やパレットごとフォークリフトなどで、各階から次の階に移送する、たとえばエレベータやロータリーなどによる縦待ち部200-10a、200-20a、200-20bが設けてある。従来技術の昇降機は、入庫機能と出庫機能の両方を一台で共有して使うことを前提に設置されている。
【0036】
縦待ち部200-10a、200-20a、200-20bは、上述したエレベータやロータリーなどの設置と稼働に要する費用、建屋に占める容積、移送に要する時間などを含む。
【0037】
図2の商品および出荷箱の移動および作業の流れに沿って説明する。ただし、後述するステップに限定されない。
【0038】
制御コンピュータからの制御により、1階の入荷用トラックヤード51aに入荷した商品10および出荷箱は、縦待ち部200-10aにより3階の行バラシ作業ステーション120-30に移動される。あるいは、2階の入荷用トラックヤード52aに入荷した商品10および出荷箱は、縦待ち部200-20aにより3階の行バラシ作業ステーション120-30に移動される。(ステップ1)。
【0039】
制御コンピュータからの制御により、3階の行バラシ作業ステーション120-30において、商品10および出荷箱は作業員により行バラシされ、3階のコンベヤ150により搬送され、自動倉庫100の昇降機に移載され、所定の棚位置高さまで昇降され、シャトル103に移載され、所定の棚位置に入庫され、一時保管される(ステップ2)。
【0040】
制御コンピュータからの制御により、3階の入荷用トラックヤード53aに入荷した商品10および出荷箱は、3階の行バラシ作業ステーション120-30で行バラシされ、3階のコンベヤ150により搬送され自動倉庫100の昇降機に移載され、所定の棚位置高さまで昇降され、シャトル103に移載され、所定の棚位置に入庫され、所定の棚位置に入庫され、一時保管される(ステップ3)。
【0041】
制御コンピュータからの制御により、顧客からの注文に合わせて、予めスケジュールにより、商品10および出荷箱は、自動倉庫100の所定の棚位置から、シャトル103に移載され、出庫用の昇降機に移載され、出庫され、3階のコンベヤ150に移載され、3階の荷合わせ作業ステーション130-30に搬送され、荷合わせが行われる(ステップ4)。
【0042】
制御コンピュータからの制御により、出荷箱に荷合わせされた商品10は、3階の出荷用トラックヤード53bから出荷される(ステップ5)
【0043】
あるいは、制御コンピュータからの制御により、3階の荷合わせ作業ステーション130-30で出荷箱に荷合わせされた商品10は、予めスケジュールにより、縦待ち部200-20bにより3階から2階に移動され、2階の出荷用トラックヤード52bから出荷される(ステップ6)。
【0044】
上述した従来の一実施形態では、行バラシ作業ステーション120-30と、自動倉庫100と、荷合わせ作業ステーショ130-30が3階に設置されているため、ステップ1とステップ6に、1階と2階から商品10および出荷箱を3階に移動させる、および3階から2階に移動させる必要がある。このため、移動による縦待ち時間という余分な時間と、移動のための余分な作業工数、縦待ち時間分に該当する商品10および出荷箱を保管しておく余分な容積が建屋と自動倉庫の両方に必要になるなど、多くの経営効率的な問題がある。
【0045】
図3は、本発明の一実施形態による2階から3階の建床を貫いて設置した自動倉庫と、2階と3階のそれぞれの階に設置した作業ステーションを説明するための側面視した模式図である。図3に示すように、1階と2階と3階のそれぞれの階に商品10および出荷箱の入荷用トラックヤード51a、52a、53aと、出荷箱に荷合わせされた商品10の出荷用トラックヤード52b、53bと、2階から3階の建床を貫いて設置した自動倉庫100と、2階に行バラシ作業ステーション120-20、荷合わせ作業ステーション130-20と、3階に行バラシ作業ステーション120-30、荷合わせ作業ステーション130-30と、2階と3階に行バラシ作業ステーション120-20/120-30、荷分け作業ステーション130-20/130-30と、自動倉庫100を接続するコンベヤ150と、作業員が商品10および出荷箱を六輪台車やパレットごとフォークリフトなどで、各階から次の階に移送するために利用するための、たとえばエレベータやロータリーなどの縦待ち部200-10aが設けてある。
【0046】
縦待ち部200-10aは、上述したエレベータやロータリーなどの設置と稼働に要する費用、建屋に占める容積、移送に要する時間などを含む。
【0047】
図4は、本発明の一実施形態による図3の2階から3階の建床を貫いて設置した自動倉庫と、2階と3階のそれぞれの階に設置した行バラシ作業ステーションと、荷合わせ作業ステーションの構成を斜視した模式図である。図4に示すように、自動倉庫100の走行面105(棚間)の2階および3階のそれぞれに対して、行バラシ作業ステーション120-20/120-21/120-2n、120-30/120-31/120-3n、荷合わせ作業ステーション130-20/130-21/130-2n、130-30/130-31/130-3n、コンベヤ150を設けてある。ただし、行バラシ作業ステーションと、荷合わせ作業ステーションを、すべての走行面105に設置することには限定されない。
【0048】
図3図4を使用して商品および出荷箱の移動および作業の流れを説明する。ただし、後述するステップに限定されない。
【0049】
制御コンピュータからの制御により、1階の入荷用トラックヤード51aに入荷した商品10および出荷箱は、縦待ち部200-10aを使って作業員により2階の行バラシ作業ステーション120-20に、あるいは、縦待ち部200-10aにより3階の行バラシ作業ステーション120-30に移動される(ステップ11)。
【0050】
制御コンピュータからの制御により、2階の行バラシ作業ステーション120-20において、あるいは、3階の行バラシ作業ステーション120-30において、商品10および出荷箱は作業員により行バラシされ、コンベヤ150により搬送され、自動倉庫100の入庫用昇降機110-Inに移載され、所定の棚位置高さまで昇降され、シャトル103に移載され、所定の棚位置に入庫され、一時保管される。(ステップ12)。
【0051】
制御コンピュータからの制御により、2階の入荷用トラックヤード52aに入荷した商品10および出荷箱は、2階の行バラシ作業ステーション120-20で行バラシされ、2階のコンベヤ150により搬送され、自動倉庫100の入庫用昇降機110-Inに移載され、所定の棚位置高さまで昇降され、シャトル103に移載され、所定の棚位置に入庫され、一時保管される(ステップ13)。
【0052】
制御コンピュータからの制御により、3階の入荷用トラックヤード53aに入荷した商品10および出荷箱は、3階の行バラシ作業ステーション120-30で行バラシされ、3階のコンベヤ150により搬送され自動倉庫100の入庫用昇降機110-Inに移載され、所定の棚位置高さまで昇降され、シャトル103に移載され、所定の棚位置に入庫され、一時保管される(ステップ14)。
【0053】
制御コンピュータからの制御により、顧客からの注文に合わせて、予めスケジュールにより、商品10および出荷箱は、自動倉庫100の所定の棚位置から、シャトル103に移載され、出庫用昇降機110-Outに移載され、出庫され、3階のコンベヤ150に移載され、3階の荷合わせ作業ステーション130-30に搬送され、荷合わせが行われる(ステップ15)。
【0054】
制御コンピュータからの制御により、出荷箱に荷合わせされた商品10は、3階の出荷用トラックヤード53bから出荷される(ステップ16)。
【0055】
制御コンピュータからの指示により、顧客からの注文に合わせて、予めスケジュールにより、商品10および出荷箱は、自動倉庫100の所定の棚位置からシャトル103に移載され、出庫用昇降機110-Outに移載され、出庫され、2階のコンベヤ150に移載され、2階の荷合わせ作業ステーション130-20に搬送され、荷合わせが行われる(ステップ17)。
【0056】
制御コンピュータからの指示により、出荷箱に荷合わせされた商品10は、2階の出荷用トラックヤード52bから出荷される(ステップ18)。
【0057】
上述したように、本発明は、2階に行バラシ作業ステーション120-20と、荷合わせ作業ステーション130-20を設け、自動倉庫100を2階から3階の建床を貫いて設置することによる縦待ち部200-20aと、200-20bの削減と、入庫用昇降機110-Inと出庫用昇降機110-Outの入庫機能と出庫機能に分けた垂直移動の高能率化により、商品および出荷箱の縦持ちを大幅に削減できる。
【0058】
ただし、2階と3階には限定されず、1階から2階、3階、4階の建床を貫いて設置されている自動倉庫100と、1階、2階、3階、4階に行バラシ作業ステーションと、荷合わせ作業ステーションを設置してもよいし、たとえば、1階を除いて2階、3階、4階に行バラシ作業ステーションと、荷合わせ作業ステーションを設置してもよい。
【0059】
また、他の一実施例として、上述した実施形態のコンベヤ、シャトル、昇降機に係る機能は、搬送ロボットに置き換えられてもよい。
【0060】
本発明は、上述した物流センターに限定されず、たとえば空港などにおいて、トランジットの乗り継ぎ時間に観光する旅客のキャリーケース等の荷物を一時預かりする荷物保管システムに利用されてもよい。
【0061】
付加価値を生まない縦持ち工程を減らし縦待ち時間が発生を削減させるだけではなく、設備能力を最大限まで引き出せることから、設備の稼働率UPと、縦持ち部に該当する建屋の容積の削減などから、経営効率を高めることに貢献できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の各態様に係る物流システムは、縦持ち動線の多・小は運営コストに直結し、建屋、設備の初期投資額を下げ、労務費の削減により経営効率を高めることから、物流産業をはじめ、各種製造業において大いなる利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0063】
10・・・商品
51a、52b、53b・・・入荷用トラックヤード
52b、53b・・・出荷用トラックヤード
100・・・自動倉庫
103・・・シャトル
105・・・走行面
110-In・・・入庫用昇降機
110-Out・・・出庫用昇降機
120-20,120-21,120-2n、120-30、120-31,120-3n・・・行バラシ作業ステーション
130-20,130-21,130-2n,130-30,130-31,130-3n・・・荷合わせ作業ステーション
150・・・コンベヤ
200-10a、200-20a、200-20b・・・縦待ち部


















図1
図2
図3
図4