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特開2024-171340固体酸化物形セル用電解質の製造方法および酸化物膜の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171340
(43)【公開日】2024-12-11
(54)【発明の名称】固体酸化物形セル用電解質の製造方法および酸化物膜の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/124 20160101AFI20241204BHJP
   H01M 8/1226 20160101ALI20241204BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20241204BHJP
【FI】
H01M8/124
H01M8/1226
H01M8/12 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024087414
(22)【出願日】2024-05-29
(31)【優先権主張番号】P 2023088051
(32)【優先日】2023-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023156454
(32)【優先日】2023-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、2022年度「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 和宏
(72)【発明者】
【氏名】岡 和揮
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英美
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA06
5H126AA15
5H126BB06
5H126GG02
5H126GG11
5H126HH01
5H126HH03
5H126HH04
5H126JJ01
5H126JJ03
5H126JJ05
5H126JJ08
(57)【要約】
【課題】金属支持体の許容温度以下の温度で焼成するものとしても、緻密な電解質層を容易に得ること。
【解決手段】金属支持体により支持される固体酸化物形セル用電解質の製造方法は、平均粒径が0.1~1μmのサブミクロン粒子のセラミック粉末の焼成体によりサブミクロン粒子層を形成するサブミクロン粒子層形成工程と、平均粒径が2~50nmのナノ粒子のセラミック粉末を溶媒中に分散させた分散液をサブミクロン粒子層に含浸する充填工程と、分散液が充填されたサブミクロン粒子層を金属支持体の許容温度以下の温度で焼成する焼成工程と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属支持体により支持される固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
平均粒径が0.1~1μmのサブミクロン粒子のセラミック粉末の焼成体によりサブミクロン粒子層を形成するサブミクロン粒子層形成工程と、
平均粒径が2~50nmのナノ粒子のセラミック粉末を溶媒中に分散させた分散液を前記サブミクロン粒子層に含浸する充填工程と、
前記分散液が含浸されたサブミクロン粒子層を前記金属支持体の許容温度以下の温度で焼成する焼成工程と、
を備える固体酸化物形セル用電解質の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
前記サブミクロン粒子層形成工程は、層の厚みが2~15μmとなるように前記サブミクロン粒子層を形成する、
固体酸化物形セル用電解質の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
前記充填工程を複数回繰り返し実行する、
固体酸化物形セル用電解質の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
前記サブミクロン粒子層形成工程または前記充填工程には、焼結助剤が適用される、
固体酸化物形セル用電解質の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか1項に記載の固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
前記サブミクロン粒子層形成工程は、前記サブミクロン粒子のセラミック粉末をスラリー濃度50%以上で分散させたペーストを作製して塗布し、
前記充填工程は、前記ナノ粒子のセラミック粉末をスラリー濃度40%以上で分散させた前記分散液を作製して前記サブミクロン粒子層に含浸する、
固体酸化物形セル用電解質の製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし3いずれか1項に記載の固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
前記充填工程は、前駆体と前記ナノ粒子のセラミック粉末とを混合した混合溶液を前記サブミクロン粒子層に含浸する、
固体酸化物形セル用電解質の製造方法。
【請求項7】
酸化物膜の製造方法であって、
前駆体と平均粒径が10nm以下の原料粒子とを混合して混合溶液を作製する第1工程と、
基材上に前記混合溶液を塗布して乾燥させることにより前記基材上に塗布層を形成する第2工程と、
前記塗布層を焼成して前記酸化物膜を得る第3工程と、
を備える酸化物膜の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の酸化物膜の製造方法であって、
前記原料粒子の平均粒径は、5nm以下である、
酸化物膜の製造方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の酸化物膜の製造方法であって、
前記第1工程は、前記前駆体を原料粒子換算した換算量と前記原料粒子の粒子量との和に対する前記原料粒子の粒子量の割合が50vol%以上となるように、前記前駆体と前記原料粒子とを混合する、
酸化物膜の製造方法。
【請求項10】
請求項7または8に記載の酸化物膜の製造方法であって、
前記第1工程は、ポリピニルピロリドン(PVP)を添加して前記混合溶液を作製する、
酸化物膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、固体酸化物形セル用電解質の製造方法および酸化物膜の製造方法について開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、固体酸化物形セルに用いられる電解質の製造方法が種々提案されている。例えば、特許文献1には、多孔質アノード層の一方の面側を平滑部材上に配置し、多孔質アノード層の一方の面側に開口する空孔を塞ぐように金属イオン溶液を充填し、これを乾燥させて多孔質アノード層の一方の面に金属イオンを含む膜を形成し、当該膜を焼成することで、多孔質アノード層に電解質を形成するものが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、多孔質体に前駆体水溶液を含浸させ、乾燥により前駆体水溶液中の水等の溶媒を除去した後、800℃以上850℃以下の焼成温度で多孔質体を焼成するものが開示されている。
【0004】
さらに、特許文献3には、金属支持体の一方の面に電極層を形成し、電極層の金属支持体とは反対側の面に電解質層を形成するものにおいて、電極層や電解質層を、1100℃以下の低温域で焼成処理を行なう湿式法などの低温焼成法や、スプレーコーティング法などにより形成するものが開示されている。
【0005】
また、特許文献4には、金属支持型固体酸化物形燃料電池用の電解質を形成するものにおいて、二峰性粒度分布、15~40cm2/gの範囲内のBET表面積、球状形態のド
ープセリア粉末を焼結助剤および溶媒と組み合わせてスラリーを形成し、スラリーをアノード層に適用し、乾燥させてグリーン電解質を形成し、グリーン電解質を焼成して焼結電解質を形成するものが開示されている。
【0006】
また、特許文献5には、金属またはセラミックの基板上に前駆体溶液を噴霧して堆積させる堆積ステップと、基板の表面に堆積された前駆体を乾燥させる乾燥ステップと、表面の前駆体を加熱する加熱ステップとを繰り返し実行することにより、基板上に酸化物膜を成膜するものが開示されている。
【0007】
また、非特許文献1には、前駆体溶液にポリビニルピロリドン(PVP)を添加することで、厚みの大きな酸化物膜を成膜するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2019-149275号公報
【特許文献2】特開2021-91578号公報
【特許文献3】特開2020-95984号公報
【特許文献4】特表2018-508953号公報
【特許文献5】GB2456445A
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Kozuka Hiromitsu, Kajimura Masahiro, "Achievement of Crack-Free BaTiO3 Films over 1μm in Thickness via Non-Repetitibe Dip-Coating", Chem. Lett. (1999) pp. 1029・1030
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載の方法において、金属イオン溶液が電解質として成膜される際、熱収縮により欠陥が発生するおそれがある。また、膜厚が3.5μmと薄く、電解質に必要なガスバリア性を十分に確保できないおそれもある。また、特許文献2に記載の方法において、多孔質支持体が有する細孔の内面にナノ粒子が配されるものであり、電解質に必要な緻密成膜を目的としたものではない。さらに、特許文献3に記載の方法において、単に低温焼成法を用いるだけでは緻密な膜を得ることは困難である。スプレーコーティング法を用いれば、緻密な膜を得ることは可能であるが、1回で得られる膜が非常に薄く、必要な膜厚を得るには繰り返し薄膜を積層する必要があり、コスト増を招く。また、特許文献4に記載の方法において、二峰性分布の粒径の粉末をスラリーとするが、粉末の粒径が0.1~0.4μmと比較的大きく、低温焼成では、緻密な膜を得ることは困難である。また、特許文献5に記載の方法では、前駆体溶液の噴霧による薄膜の形成と加熱による前駆体の分解とを繰り返すため、成膜時の割れを回避することはできるものの、成膜に手間と時間がかかり、コスト増を招く。また、非特許文献1に記載の方法では、前駆体溶液にポリビニルピロリドン(PVP)を添加することで、厚みの大きなセラミック層を成膜するものとされているが、PVP添加のみによる手法では、1回の成膜で得られる厚みには限界がある。
【0011】
本開示は、金属支持体の許容温度以下の温度で焼成するものとしても、緻密な電解質層を容易に得ることが可能な固体酸化物形セル用電解質の製造方法を提供することを主目的
とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の固体酸化物形セル用電解質の製造方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0013】
本開示の固体酸化物形セル用電解質の製造方法は、
金属支持体により支持される固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
平均粒径が0.1~1μmのサブミクロン粒子のセラミック粉末の焼成体によりサブミクロン粒子層を形成するサブミクロン粒子層形成工程と、
平均粒径が2~50nmのナノ粒子のセラミック粉末を溶媒中に分散させた分散液を前記サブミクロン粒子層に含浸する充填工程と、
前記分散液が含浸されたサブミクロン粒子層を前記金属支持体の許容温度以下の温度で焼成する焼成工程と、
を備えることを要旨とする。
【0014】
セラミック粉末としてサブミクロン粒子の粉末を用いて電解質を形成する場合、緻密成膜に必要な温度は1300℃以上であるが、金属支持体の耐熱温度は、1150℃程度と低いため、適用することができない。一方、セラミック粉末としてナノ粒子の粉末のみを用いて金属支持体の許容温度を超えないように低温焼成により電解質を形成する場合、焼成後の収縮によりクラックが発生するおそれがある。そこで、本開示の固体酸化物形セル用電解質の製造方法では、収縮が生じにくいサブミクロン粒子のセラミック粉末の焼成体によりサブミクロン粒子層を形成した上で、ナノ粒子のセラミック粉末を溶媒中に分散させた分散液を当該サブミクロン粒子層に含浸させる。これにより、サブミクロン粒子の粒界にナノ粒子が入り込むため、緻密性に優れた電解質を形成することができる。
【0015】
こうした本開示の固体酸化物形セル用電解質の製造方法において、前記サブミクロン粒子層形成工程は、層の厚みが2~15μmとなるように前記サブミクロン粒子層を形成してもよい。こうすれば、ガスバリア性に優れた固体電解質層とすることができる。
【0016】
また、本開示の固体酸化物形セル用電解質の製造方法において、前記充填工程を複数回繰り返し実行してもよい。こうすれば、サブミクロン粒子層へのナノ粒子の充填密度を容易に高めることができる。
【0017】
さらに、本開示の固体酸化物形セル用電解質の製造方法において、前記サブミクロン粒子層形成工程または前記充填工程には、焼結助剤が適用されてもよい。こうすれば、焼結助剤を適用しない場合に比べて、容易にガスバリア性を確保することができる。
【0018】
また、本開示の固体酸化物形セル用電解質の製造方法において、前記サブミクロン粒子層形成工程は、前記サブミクロン粒子のセラミック粉末をスラリー濃度50%以上で分散させたペーストを作製して塗布し、前記充填工程は、前記ナノ粒子のセラミック粉末をスラリー濃度40%以上で分散させた前記分散液を作製して前記サブミクロン粒子層に含浸してもよい。
【0019】
また、本開示の固体酸化物形セル用電解質の製造方法において、前記充填工程は、前駆体と前記ナノ粒子のセラミック粉末とを含む分散液を作製して前記サブミクロン粒子層に含浸してもよい。こうすれば、焼成工程を1150℃以下の低温で行なうものとしても、緻密性に優れ、且つ、高い開回路電圧の固体酸化物形セルを得ることができる。
【0020】
本開示の酸化物膜の製造方法は、
酸化物膜の製造方法であって、
前駆体と平均粒径が10nm以下の原料粒子とを混合して混合溶液を作製する第1工程と、
基材上に前記混合溶液を塗布して乾燥させることにより前記基材上に塗布層を形成する第2工程と、
前記塗布層を焼成して前記酸化物膜を得る第3工程と、
を備えることを要旨とする。
【0021】
この本開示の酸化物膜の製造方法では、前駆体と平均粒径が10nm以下の原料粒子とを混合した混合溶液を基材上に塗布して乾燥させることにより基材上に塗布層を形成し、塗布層を焼成して酸化物膜を得る。平均粒径が10nm以下の小さな原料粒子を混合することで、乾燥の際に溶媒の揮発によって生じる塗布層の体積収縮に原料粒子を良好に追従させることができると共に、塗布層中の原料粒子により焼成の際に前駆体の分解によって生じる体積収縮を低減することができる。これにより、割れがなく比較的大きな厚みの酸化物膜を成膜することができる。この結果、必要な厚みの酸化物膜を短時間かつ低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】固体酸化物形セルの概略構成図である。
図2】第1実施形態の製造方法を用いて形成された固体電解質層の模式図である。
図3】第1実施形態の製造方法を用いて形成された固体電解質層の断面写真である。
図4】比較例の製造方法を用いて形成された固体電解質層の模式図である。
図5】比較例の製造方法を用いて形成された固体電解質層の断面写真である。
図6】固体電解質層と電子リーク防止膜の断面写真である。
図7】第2実施形態の固体酸化物形セル用電解質(酸化物膜)の製造方法を示す工程図である。
図8】割れが確認されなかった酸化物膜の表面写真と断面写真である。
図9】割れが確認された酸化物膜の表面写真と断面写真である。
図10】割れを確認した最小の膜厚とナノ粒子混合比との関係と、割れを確認しなかった最大の膜厚とナノ粒子混合比との関係とを示す説明図である。
図11】第3実施形態の固体酸化物形セル用電解質の製造方法を示す工程図である。
図12】サブミクロン粒子層に前駆体ゾルとナノ粒子とが充填される様子を示す説明図である。
図13】Feを焼結助剤として用いて第1実施形態の製造方法により作製された固体酸化物形セル用電解質を含む固体酸化物形セルと第3実施形態の製造方法により作製された固体酸化物形セル用電解質を含む固体酸化物形セルの各発電出力を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、固体酸化物形セル10の概略構成図である。固体酸化物形セル10は、固体電解質層12と、固体電解質層12の一方の面側(図中、下側)に設けられた燃料極層14と、固体電解質層12の他方の面側(図中、上側)に設けられた空気極層16と、これらのセラミックス層を支持する金属支持体18と、を備える。本実施形態では、図1に示すように、燃料極層14は、金属支持体18の上に形成され、固体電解質層12は、燃料極層14の上に形成され、空気極層16は、固体電解質層12の上に形成される。
【0025】
固体酸化物形セル10の燃料極層14には、燃料ガスとして水素が導入され、固体酸化物形セル10の空気極層16には、空気が導入される。そして、空気極層16では、酸化物イオン(O2-)が生成され、当該酸化物イオンが固体電解質層11を透過して燃料極層14で水素と反応することにより電気エネルギが得られる。なお、固体酸化物形セル10は、燃料電池セルとして用いる他、電解セルとして用いることもできる。すなわち、固体酸化物形セル10を電解セルとして用いる場合、燃料極層14には、燃料ガスとして水蒸気が導入され、空気極層16には、空気が導入される。そして、図示しない電源により固体酸化物形セル10の端子間に所定電圧の電力が供給されると、燃料極層14に導入された水蒸気は、燃料極層14において電解作用により水素と酸素イオン(O2-)とに分解され、当該酸素イオンが固体電解質層12を透過することで空気極層16において酸素が生成される。
【0026】
固体電解質層12は、Y,Sc,Caなどの希土類元素から選ばれる1種または2種以上をドープした安定化ジルコニア(例えば、YSZやScSZ)、Gd,Y,Smなどの希土類元素から選ばれる1種または2種以上をドープしたセリア(例えば、GDC)、La,Sr,Ga,Mg,Coから選ばれる1種または2種以上をドープしたランタンガレート(例えば、LSGM)、などを用いることができる。特に、ジルコニア系のセラミックスが好適に用いられる。固体電解質層12の成膜は、一般的には、スクリーン印刷法が用いられるが、低温焼成法に適したエアロゾルデポジション法、溶射法などの乾式法、スプレーコート、ディップ法などの湿式法を用いることもできる。
【0027】
燃料極層14は、例えば、高い水素酸化活性を示すNiやFeなどの触媒金属とY,Sc,Caなどの希土類元素から選ばれる1種または2種以上をドープした安定化ジルコニアとの混合体(例えば、NiO-YSZやNi-YSZ、NiO-ScSZ、Ni-ScSZなど)、NiやFeなどの触媒金属とGd,Y,Smなどの希土類元素から選ばれる1種または2種以上をドープしたセリアとの混合体(例えば、NiO-GDCやNi-GDCなど)、NiやFeなどの触媒金属とLa,Sr,Ga,Mg,Coから選ばれる1種または2種以上をドープしたランタンガレートとの混合体、などを用いることができる。燃料極層14の成膜は、一般的には、スクリーン印刷法が用いられるが、エアロゾルデポジション法、溶射法などの乾式法、スプレーコート、ディップ法などの湿式法を用いることもできる。
【0028】
空気極層16は、FeやCoを含むペロブスカイト型酸化物を用いることができ、例えば、La1-xSrxCo1-yFey3-δ系酸化物(LSCF,x=0.4、y=0.8、δ=0等)を用いることができる。この他、低温作動時(例えば、600~700℃程度)でも触媒活性が高い等の観点から、La1-xSrxCoO3-δ系酸化物やSm1-xSrxCoO3-δ系酸化物等も好適である。空気極層16の成膜は、一般的には、スクリーン印刷法が用いられるが、エアロゾルデポジション法、溶射法などの乾式法、スプレーコート、ディップ法などの湿式法を用いることもできる。
【0029】
なお、固体電解質層12と燃料極層14との間や、固体電解質層12と空気極層16との間には、それぞれの材料間での相互反応を抑制する反応防止層が形成されてもよい。反応防止層としては、例えば、セリアCe(+4価)の一部を希土類カチオン(+3価)でドープ(置換)したセリア系材料(GDC)が用いられる。
【0030】
金属支持体18は、その上部に設置されるセラミックス層(燃料極層14や固体電解質層12、空気極層16等)の強度を保つための支持体としての役割を担う。金属支持体18としては、電子伝導性、耐熱性、耐酸化性および耐腐食性に優れた材料が用いられる。例えば、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、ニッケル合金などが用いられる。特に、マンガン、クロムを含むフェライト系ステンレス合金を用いることが好適である。これは、固体電解質層12や燃料極層14の材料として用いられるYSZやGDCと熱膨張係数が近く、600℃~1000℃で作動する固体酸化物形セル10において、セラミックス層との剥離が生じにくいためである。
【0031】
金属支持体18には、一方の面(燃料極層14側の面)と他方の面(燃料極層14とは反対側の面)とが貫通する複数の貫通孔18oが形成されている。貫通孔18oは、金属支持体18の他方の面から一方の面へ気体を透過させる機能を有し、燃料極層14には、金属支持体18の貫通孔18oを介して燃料ガスが供給される。貫通孔18oは、例えば、レーザや、化学エッチング加工などにより形成することができる。なお、金属支持体18は、気体透過性を有する多孔質金属を用いることもできる。
【0032】
燃料極層14や固体電解質層12、空気極層16等の金属支持体18の上に形成されるセラミック層は、本実施形態では、金属支持体18の耐熱温度である1150℃を超えないように例えば1100℃以下の焼成温度にて焼成することにより成膜される。
【0033】
次に、第1実施形態の固体電解質層12の作製方法について説明する。固体電解質層12は、金属支持体18の上に燃料極層14を形成した後、燃料極層14の上に形成される。固体電解質層12の作製は、以下のようにして行なう。
(1)サブミクロン粒子層形成工程
まず、平均粒径0.1~1.0μmのサブミクロン粒子のYSZ粉末をスラリー濃度50%以上、望ましくは70%以上で分散させてペーストを作製し、作製したペーストをスクリーン印刷法にて塗布し、900℃~1100℃で焼成することでサブミクロン粒子層を形成する。サブミクロン粒子層は、層の厚みが2~15μm、望ましくは、2~10μmとなるように形成する。
(2)充填工程
次に、平均粒径5~50nm、望ましくは、5~20nmのナノ粒子のYSZ粉末をスラリー濃度40%以上で分散させ、バインダーや可塑剤を適宜加えてナノ粒子分散液を作製し、作製したナノ粒子分散液を(1)で作製したサブミクロン粒子層に含浸させ、脱バインダーのため400~800℃にて仮焼成する。この作業を数回、繰り返すことで、サブミクロン粒子層へのナノ粒子分散液の充填密度を上げていく。
(3)焼成工程
緻密化のため、ナノ粒子分散液を充填したサブミクロン粒子層を1000~1150℃、望ましくは、1050~1150℃にて焼成して固体電解質層12を得る。なお、焼成時における金属支持体18の酸化が抑制される真空中や不活性ガス雰囲気においては、1250℃を上限とした焼成温度も許容される。
充填工程によってサブミクロン粒子層にナノ粒子分散液を含浸させることで、図2,3に示すように、サブミクロン粒子の粒界にナノ粒子が入り込み、緻密性に優れた固体電解
質層12を得ることができる。
【0034】
サブミクロン粒子層形成工程、充填工程および焼成工程の各工程を実行して得られた固体電解質層12を含む固体酸化物形セル10について発電試験を行なった。表1に示すように、1150℃以下の低温焼結にて良好なガスバリア性が得られ、発電が可能となった。
【0035】
【表1】
【0036】
なお、固体酸化物形セル10の作製は、以下のように行なった。
(1)金属支持体18の形成方法
薄膜のフェライト系ステンレスに代表される金属へ貫通孔11oをレーザー加工や化学エッチング法にて設け、燃料極層14との接合性を向上させるため800℃にて熱処理を行い金属表面に酸化被膜を形成した。
(2)燃料極層14の形成方法
燃料極層14の形成は、スクリーン印刷にて20μmに成膜し1000℃にて焼成を行なった。その際、燃料極層14は多孔質な層として形成され、その気孔率は40~70%程度となるよう調整する。
(3)固体電解質層12の形成方法
固体電解質層12の形成は、YSZを使用した。粒子径が0.1~1μmのサブミクロン粒子をスラリー化しスクリーン印刷後に1000℃で焼成して固体電解質層12を形成した。この段階でなるべくパッキングよく大きな欠陥なく成膜し、気孔率は20%以下にすることが好ましい。焼成した固体電解質層12の気孔率を10%未満とするためにナノ粒子を高分散させたスラリーをサブミクロン粒子層へ含浸させる。ナノ粒子の粒径は5nm~10nmのものを使用した。含浸後800℃にてスラリー中の樹脂分を取り除く作業を適宣実施後に1150℃で最終焼成を施して固体電解質層12内の気孔を取り除いてガスバリアを確保する。
(4)空気極層16の形成方法
空気極層16の形成は、スクリーン印刷にて印刷後、900℃にて焼成を行なった。空気を代表とする酸化雰囲気で焼成する場合、金属支持体18の劣化を抑制するため、1100℃以下の温度で行うことが望ましい。その際、空気極層16は多孔質な層として形成され、その気孔率は40~70%程度となるよう調整する。空気極層16の材料としてはLSCF、LSMなどの混合導電体が用いられる。なお、空気極層16と固体電解質層12の間にはGDCを代表する反応防止層を設けてもよい。
【0037】
また、焼成工程において、焼結を促進させるため、サブミクロン粒子層形成工程のペーストや充填工程のナノ粒子分散液に、FeやMnといった遷移金属を焼結助剤として混合することも好適である。Feを焼結助剤として適用した場合、表2に示すように、開回路電圧(OCV)が上昇した。
【0038】
【表2】
【0039】
さらに、図6に示すように、固体電解質層12と空気極層16との間に、電子リーク防止膜を挿入することにより、表3に示すように、理論値(1.1V)に近い開回路電圧(OCV)を得ることができた。電子リーク防止膜の作製は、サブミクロン粒子層と同様に、サブミクロン粒子のYSZ粉末をスラリー濃度50%以上、望ましくは70%以上で分散させたペーストをスクリーン印刷法にて塗布し、900℃~1100℃で焼成することにより行なった。なお、スクリーン印刷法で成膜する他、エアロゾルデポジション法、溶射法などの乾式法、スプレーコート、ディップ法などの湿式法を用いることもできる。
【0040】
【表3】
【0041】
なお、比較例として、サブミクロン粒子のYSZ粉末に代えて、平均粒径5~50nmのナノ粒子のYSZ粉末をスラリー濃度50%以上で分散させ、バインダーや可塑剤を適宜加えてペーストを作製し、作製したペーストをスクリーン印刷法にて塗布し、1050~1150℃で焼成することで固体電解質層を作製した。比較例の固体電解質層では、図4,5に示すように、焼成後の収縮によるクラックが発生した。これは、ナノ粒子のYSZ粉末を高濃度で分散させた場合、ペースト内における濃度にムラが生じているためと考えられる。
【0042】
以上説明した第1実施形態の固体酸化物形セル用電解質の製造方法では、収縮が生じにくい粒径0.1~1.0μmのサブミクロン粒子のセラミック粉末の焼成体によりサブミクロン粒子層を形成した上で、ナノ粒子のセラミック粉末を溶媒中に分散させたナノ粒子分散液を当該サブミクロン粒子層に含浸させる。これにより、サブミクロン粒子の粒界にナノ粒子が入り込み、緻密性に優れた固体電解質層12を形成することができる。
【0043】
次に、第2実施形態の固体酸化物形セル用電解質(酸化物膜)の製造方法について説明する。図7は、第2実施形態の製造方法の一例を示す工程図である。固体酸化物形セル用電解質(酸化物膜)の製造は、前駆体溶液作製工程(S100)と、ナノ粒子混合工程(S110)と、加熱撹拌工程(S120)と、ポリビニルピロリドン(PVP)添加工程(S130)と、希釈工程(S140)と、塗布乾燥工程(S150)と、焼成工程(S160)と、を順に実行することにより行なわれる。
【0044】
(1)前駆体溶液作製工程
前駆体溶液作製工程では、水(5mL)とエチレングリコール(8mL)の混合液に対してYSZ換算で例えば0.025molとなるようにイットリウム(Y)とジルコニウム(Zr)とを溶解させることで前駆体溶液を作製する。ここで、イットリウム(Y)とジルコニウム(Zr)の比率は、焼成工程後に(Y23x(ZrO21-xのxの範囲が0.03-0.12、より好ましくは0.07-0.10となるように調整することが望ましい。イットリウム(Y)の前駆体としては、塩化イットリウムや、酢酸イットリウム、硝酸イットリウム、炭酸イットリウム、シュウ酸イットリウム、イットリウムi-プロポキシド、トリス(アセチルアセトナト)イットリウム等を用いることができる。また、ジルコニウム(Zr)の前駆体としては、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムn-プロポキシド、ジルコニウムi-プロポキシド、ジルコニウムn-プトキシド、ジルコニウムt-プトキシド、2,4-ペンタンジオン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、酸化二硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム等を用いることができる。なお、金属塩のジエチレングリコール溶液を用いたゾルの他に、金属アルコキシドを用いて金属-酸素-金属の結合をもつゾルでも同様に適用することができる。
【0045】
(2)ナノ粒子混合工程
原料粒子として平均粒径が10nm以下、より好ましくは5nm以下のYSZナノ粒子を前駆体溶液作製工程で作製した前駆体溶液に混合する。YSZナノ粒子の混合比は、YSZナノ粒子量と前駆体をYSZ換算したYSZ換算量との和に対するYSZナノ粒子量の割合が50vol%以上、より好ましくは55vol%以上、さらに好ましくは60vol%(例えば、67vol%)となるように調整する。ここで、ナノ粒子を単一粒径の粒子の集合体とした場合、74.04804897vol%以上の密度とはなれないため、約74%程度の混合比が上限となる。この場合、YSZナノ粒子の混合比は、50-74vol%、より好ましくは55-74vol%、さらに好ましくは60-74vol%となる。一方、ナノ粒子を径が1/4以下のナノ粒子と組み合わせた二峰性粒径分布とした場合、74vol%以上の混合比も可能である。
【0046】
(3)加熱撹拌工程
YSZナノ粒子を混合した混合溶液を加熱(80℃で加熱)しながら撹拌する。
【0047】
(4)ポリビニルピロリドン(PVP)添加工程
塗布乾燥工程で厚み方向の乾燥収縮を助けるため、混合溶液に少量のポリビニルピロリドン(PVP)を添加する。
【0048】
(5)希釈工程
混合溶液を溶媒で希釈する。混合溶液の希釈は、次の塗布乾燥工程において、混合溶液を塗布(スピンコート)するのに適した粘性となるように行なう。
【0049】
(6)塗布乾燥工程
多孔質基材(燃料極層14)上に混合溶液を塗布し、塗布した混合溶液を乾燥させて、多孔質基材上に塗布層を形成する。塗布乾燥工程は、塗布層の厚みが所定の厚みとなるまで塗布と乾燥とを繰り返すことにより行なう。混合溶液の塗布は、スピンコートにより行なうことが好適であるが、ディップコートやスクリーン印刷等により行なってもよい。
【0050】
(7)焼成工程
多孔質基材(燃料極層14)上に形成された塗布層を焼成して前駆体を分解することにより成膜体(固体電解質層12)を得る。焼成工程は、400-600℃で行なうことができ、例えば、500℃で行なうことができる。
【0051】
第2実施形態の固体酸化物形セル用電解質(酸化物膜)の製造方法により、平均粒径が5nmのYSZナノ粒子を用いて異なるナノ粒子混合比および異なる膜厚の組み合わせで複数の成膜体を製造し、各成膜体について割れの有無を確認した。成膜体の厚みは、塗布乾燥工程による混合溶液の塗布回数によって調整した。また、焼成工程は、塗布乾燥工程により塗布を繰り返した後に1回だけ実施した。前駆体に67vol%の混合比でナノ粒子を混合した場合、製造した成膜体のうち、最大で約0.38μmの膜厚までは割れが確認されなかった(図8(a),(b)参照)。一方、0.49μmの膜厚で製造した成膜体には、割れが確認された(図9(a),(b)参照)。同様に、前駆体に50vol%の混合比でナノ粒子を混合した場合と、35vol%の混合比でナノ粒子を混合した場合についても、同様の実験を行なった。図10は、割れを確認した最小の厚みとナノ粒子混合比との関係と、割れを確認しなかった最大の厚みとナノ粒子混合比との関係とを示す説明図である。図示するように、ナノ粒子混合比が大きいほど、割れがなく成膜可能な厚みが大きくなる傾向を示すことがわかる。これは、前駆体と混合する原料粒子として粒径が小さなナノ粒子を用いることで、ナノ粒子混合比を大きくしても、塗布乾燥工程において溶媒の揮発に伴う塗布層の体積収縮にナノ粒子が良好に追従することができ、ナノ粒子混合比が大きいほど塗布層に占めるナノ粒子の体積が大きくなるため、焼成工程において前駆体ゾルの収縮量を低減することができるためと考えられる。以上から、前駆体に対して平均粒径が10nm以下、より好ましくは5nm以下のナノ粒子を50vol%以上、より好ましくは55vol%以上、更に好ましくは60vol%以上の混合比で混合することで、少ない成膜回数で割れがなく比較的大きな厚みの成膜体を得ることができる。この結果、必要な厚みの成膜体を短時間かつ低コストで製造することができる。
【0052】
上述した第2実施形態では、前駆体とYSZナノ粒子との混合溶液にポリビニルピロリドン(PVP)を添加するものとしたが、添加しないものとしてもよい。
【0053】
上述した第2実施形態では、本実施形態の酸化物膜の製造方法は、固体電解質層12の製造に適用されるものとしたが、反応防止層の製造に適用されてもよい。
【0054】
次に、第3実施形態の固体酸化物形セル用電解質の製造方法について説明する。図11は、第3実施形態の製造方法の一例を示す工程図である。固体酸化物形セル用電解質の製造は、サブミクロン粒子層形成工程(S200)と、前駆体溶液(前駆体ゾル)作製工程(S210)と、ナノ粒子混合工程(S220)と、充填工程(S230)と、焼成工程(S240)と、を順に実行することにより行なわれる。
【0055】
S200のサブミクロン粒子層形成工程は、第1実施形態のサブミクロン粒子層形成工程と同様の工程によりに行なわれる。
【0056】
S210の前駆体溶液作製工程およびS220のナノ粒子混合工程は、第2実施形態のS100の前駆体溶液作製工程およびS110のナノ粒子混合工程と同様の工程により行なわれる。ここで、第3実施形態の製造方法では、前駆体溶液とナノ粒子との混合溶液には、焼結助剤としてFeやMnといった遷移金属は混合されない。
【0057】
S230の充填工程では、S200で作製したサブミクロン粒子層にS210,S220で作製した前駆体溶液(前駆体ゾル)とナノ粒子との混合溶液を充填する工程である。この充填工程は、前駆体溶液とナノ粒子との混合溶液がサブミクロン粒子層の粒界の隙間に充填されるように、毛管吸収法や圧入法等の手法により混合溶液をサブミクロン粒子層に含浸させることにより行なわれる。充填工程は、本実施形態では、複数回、繰り返し実行されるが、1回だけ実行されてもよい。
【0058】
S240の焼成工程では、緻密化のため、前駆体ゾルとナノ粒子との混合溶液を充填したサブミクロン粒子層を1000~1100℃にて焼成して固体電解質層12を得る。サブミクロン粒子層に前駆体ゾルとナノ粒子との混合溶液を含浸させることで、図12に示すように、サブミクロン粒子の粒界に前駆体ゾルとナノ粒子が入り込み、緻密性に優れた固体電解質層12を得ることができる。
【0059】
第3実施形態の製造方法を用いて得られた固体電解質層12を含む固体酸化物形セル10について発電試験を行なった。S240の焼成工程は、1000℃で行なった。なお、固体酸化物形セル10の作製は、固体電解質層12の作製を除いて第1実施形態と同様に行なった。表4に示すように、1000℃の低温焼成によって、良好なガスバリア性を確保しながら、十分な大きさの開回路電圧(OCV)を得ることができた。上述した第1実施形態の製造方法では、焼成工程を1000~1100℃の低温で行なっても、良好なガスバリア性を確保するために、ナノ粒子分散液に焼結助剤としてFeやMnといった遷移金属を混合する必要がある。しかしながら、遷移金属を混合すると、遷移金属が電解質内で電子リークを引き起こし、開回路電圧が十分でなく(表2参照)、燃料電池として作動させたときには十分な発電出力を得ることができない(図13参照)。これに対して、第3実施形態では、前駆体ゾルとナノ粒子との混合溶液を用いることで、焼成工程を低温で行なうものとしても、遷移金属の焼結助剤を用いることなく、良好なガスバリア性を確保することができると共に開回路電圧をより向上させることができ、燃料電池として作動させたときには発電出力をより向上させることができる(図13参照)。
【0060】
【表4】
【0061】
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な
要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0062】
以上、本開示を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本開示は、固体酸化物形セル用電解質の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
10 固体酸化物形セル、12 固体電解質層、14 燃料極、16 空気極、18 金属支持体、18o 貫通孔。
図1
図2
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図5
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