(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171353
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】表示灯カバー
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
G08B17/00 G
G08B17/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088286
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127845
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 壽彦
(72)【発明者】
【氏名】大上 佳一郎
【テーマコード(参考)】
5G405
【Fターム(参考)】
5G405CA21
5G405FA03
(57)【要約】
【課題】表示灯としての機能を十分に発揮しつつ人や物がぶつかっても破損しにくい表示灯カバーを提供する。
【解決手段】本発明に係る表示灯カバー1は、表示灯設置面3に固定されたベース4に取り付けるための取付部5と、取付部5から取付状態で前方に膨出する略円錐形の本体部7と、を備えたものであって、本体部7は、先端部9が透光性の樹脂で形成され、先端部9と取付部5との間に少なくとも1か所、全周に亘って可撓性部材からなる変形可能部11が形成され、本体部7が外力を受けたときに、変形可能部11が変形することを特徴とするものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示灯設置面に固定されたベースに取り付けるための取付部と、該取付部から取付状態で前方に膨出する略円錐形の本体部と、を備えた表示灯カバーであって、
前記本体部は、先端部が透光性の樹脂で形成され、該先端部と前記取付部との間に少なくとも1か所、全周に亘って可撓性部材からなる変形可能部が形成され、
前記本体部が外力を受けたときに、前記変形可能部が変形することを特徴とする表示灯カバー。
【請求項2】
前記先端部を前記取付部側に押し込んだ折り畳み状態を維持可能に構成され、かつ前記本体部における取付部に隣接する部分が透光性の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1記載の表示灯カバー。
【請求項3】
前記変形可能部が、前記本体部の高さ方向で複数段形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示灯カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発信機や消火栓の位置を知らせるための表示灯に関し、特に表示灯の前面を覆う表示灯カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
表示灯は、「取付面と15度以上の角度となる方向に沿って10m離れたところから点灯していることが容易に識別できること」と設置基準が定められている。
このような表示灯のカバーとしては、例えば特許文献1に開示されたように円錐型の表示灯グローブが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
円錐型の表示灯グローブは設置面から突出するため、例えば表示灯が廊下の壁面に設置された消火栓に設けられた場合、廊下の通行幅が狭くなるという問題がある。
また、突出する表示灯グローブに人や物がぶつかって表示灯グローブが破損するという問題もある。
【0005】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、表示灯としての機能を十分に発揮しつつ人や物がぶつかっても破損しにくい表示灯カバーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る表示灯カバーは、表示灯設置面に固定されたベースに取り付けるための取付部と、該取付部から取付状態で前方に膨出する略円錐形の本体部と、を備えたものであって、
前記本体部は、先端部が透光性の樹脂で形成され、該先端部と前記取付部との間に少なくとも1か所、全周に亘って可撓性部材からなる変形可能部が形成され、
前記本体部が外力を受けたときに、前記変形可能部が変形することを特徴とするものである。
【0007】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記先端部を前記取付部側に押し込んだ折り畳み状態を維持可能に構成され、かつ前記本体部における取付部に隣接する部分が透光性の樹脂で形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記変形可能部が、前記本体部の高さ方向で複数段形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る表示灯カバーは、本体部の先端部が透光性の樹脂で形成され、該先端と取付け部との間に少なくとも1か所、全周に亘って可撓性部材からなる変形可能部が形成されていることで、本体部が外力を受けたときに、前記変形可能部が変形することで破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態に係る表示灯カバーの設置状態における側面図である。
【
図2】本実施の形態に係る表示灯カバーの正面図である。
【
図3】本実施の形態に係る表示灯カバーの作用を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施の形態に係る表示灯カバー1は、
図1、
図2に示すように、表示灯設置面3に固定されたベース4に取り付けるための取付部5と、取付部5から取付状態で前方に膨出する略円錐形の本体部7と、を備えている。
なお、ベース4にはLEDを備えた基板が収納され、この基板は背面側で電源線に配線されるため、表示灯設置面3に穴をあけて取り付けられている。また、ベース4の表面側の外周には、取付部5を取り付けるための雄ネジが形成されている。
以下、各構成を詳細に説明する。
【0012】
<取付部>
取付部5は、表示灯を設置する表示灯設置面3、例えば消火栓箱の表面に露出して固定されたベース4に、本体部7を取り付けるための部材である。
取付部5は内面に雌ネジが形成されたリング状をしており、ベース4に形成された雄ネジに螺合することで、本体部7をベース4に取り付ける。
【0013】
<本体部>
本体部7は、先端部9が透光性の樹脂で形成され、先端部9と取付部5との間に少なくとも1か所(本実施の形態では2箇所)、全周に亘って可撓性部材からなる変形可能部11が形成されている。
図1、
図2において、斜線で示した箇所が変形可能部11で、先端部9を含む白抜きの箇所が透光性の樹脂によって形成された透光性樹脂部13である。
したがって、本実施の形態では、透光性樹脂部13が3段で、変形可能部11が2段である。もっとも、変形可能部11は少なくとも1段あればよく、1段でも3段以上でもよい。例えば変形可能部11が1段の場合、透光性樹脂部13は、先端部9と変形可能部11を挟んだ基端部の2段となる。
【0014】
以上のように、本実施の形態においては、本体部7に可撓性部材からなる変形可能部11を形成したことで、例えば先端部9に物が当たる等で本体部7が外力を受けた場合に、変形可能部11が変形することにより衝撃を吸収できる。これにより、本体部7が破損するのを防止することができる。
【0015】
変形可能部11は、本体部7の全周に亘って形成されており、
図3に示すように、先端部9を基端側に向かって押すと(
図3(a)参照)、1段目の変形可能部11が裏返るように変形して先端部9が陥没するように折り畳まれる(
図3(b)参照)。
図3(b)の状態から、先端部9をさらに押すと、2段目の変形可能部11が裏返るように変形して、先端部9と2段目の樹脂の部位が本体内部に収納されるように折り畳まれる(
図3(c)参照)。
【0016】
上記のように、先端部9を押し込んで折り畳んだときに、折り畳み状態を維持できるようにすれば、
図3(b)又は
図3(c)に示す状態を維持することができる。表示灯が出っ張るのが好ましくない場所に設置する場合には、折り畳んだ状態で使用することができ、設置場所の多様化が図られる。
もっとも、
図3(c)の状態では、外部から見えるのは取付部5と取付部5に隣接する透光性樹脂部13と、変形可能部11である。
このため、
図3(c)の状態において表示灯として機能するには、取付部5に隣接する部位が、変形可能部11ではなく透光性樹脂部13である必要がある。
【0017】
以上のように、
図3に示すように、先端部9を取付部5側に押し込んだ折り畳み状態を維持可能に構成し、かつ本体部7における取付部5に隣接する部分が透光性の樹脂で形成されていることで、折り畳み状態で表示灯として機能させることができる。このため、
図3(a)の状態で使用すれば、物がぶつかったときに変形によって破損を防止でき、
図3(b)(c)の状態で使用すれば、そもそも物がぶつかりにくい形状となるので、物のぶつかりによる破損を防止できる。
【0018】
なお、本発明に係る表示灯カバーは、上述したもののように折り畳み状態を維持するものに限られず、折り畳み状態を維持しない構成としてもよい。その場合であっても本体部7への衝撃を吸収することができ、本体部7の破損を防止することができる。
【0019】
また、ベース4や取付部5を従来の表示灯と互換性を持たせておけば、従来の表示灯グローブを本願発明の本体部7に交換することができる。これによって、最近普及しているいわゆるリング型の表示灯のように突出しないタイプと同様に物のぶつかりによる破損を防止できる表示灯に容易に変更が可能となる。
【符号の説明】
【0020】
1 表示灯カバー
3 表示灯設置面
4 ベース
5 取付部
7 本体部
9 先端部
11 変形可能部
13 透光性樹脂部