(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171361
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】核融合炉用構造物の絶縁検査方法および絶縁検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 27/82 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
G01N27/82
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088314
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 太▲げん▼
【テーマコード(参考)】
2G053
【Fターム(参考)】
2G053AA11
2G053AB01
2G053BA03
2G053BA10
2G053BA21
2G053BC03
2G053BC16
2G053CA05
2G053CA06
2G053CB24
2G053DA01
(57)【要約】
【課題】核融合炉用構造物において、金属構造物の間に配置された絶縁物以外の経路に通電可能な経路があっても、様々な絶縁物の絶縁状態を判定できる核融合炉用構造物の絶縁検査方法および絶縁検査装置を提供する。
【解決手段】核融合炉および周辺設備において、金属構造物の間に配置された絶縁物の両側から直流電流を通電する通電手段と、通電手段による通電時に絶縁物の周囲の磁場を検出する磁場検出手段とを用いて、磁場検出手段からの出力に基づいて絶縁物の絶縁状態を判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核融合炉用構造物において、金属構造物の間に配置された絶縁物の両側から直流電流を通電する通電手段と、前記通電手段による通電時に前記絶縁物の周囲の磁場を検出する磁場検出手段とを用いて、前記磁場検出手段からの出力に基づいて前記絶縁物の絶縁状態を判定することを特徴とした核融合炉用構造物の絶縁検査方法。
【請求項2】
前記磁場検出手段は、前記金属構造物の隙間に挿入するように構成されたものであることを特徴とした請求項1に記載の核融合炉用構造物の絶縁検査方法。
【請求項3】
前記磁場検出手段は、ホール素子または磁気抵抗素子であることを特徴とした請求項2に記載の核融合炉用構造物の絶縁検査方法。
【請求項4】
前記磁場検出手段を用いて、前記絶縁物の周囲の磁場を積算した電流値に基づいて前記絶縁物の絶縁状態を判定することを特徴とした請求項1に記載の核融合炉用構造物の絶縁検査方法。
【請求項5】
前記磁場検出手段を用いて測定した磁場分布と、前記絶縁物に対する通電時の磁場を計算により求めた磁場分布とを比較して、前記絶縁物の絶縁状態を判定することを特徴とした請求項1に記載の核融合炉用構造物の絶縁検査方法。
【請求項6】
前記絶縁物に対する通電時の磁場を電磁界解析により求め、求められた磁界分布データを格納する磁場分布判定手段を用い、前記絶縁物に対する通電時の磁場を前記磁場検出手段により検出して、検出された測定データと、前記磁界分布データとを比較し、前記絶縁物の絶縁状態を判定することを特徴とした請求項1または請求項5に記載の核融合炉用構造物の絶縁検査方法。
【請求項7】
核融合炉用構造物において、金属構造物の間に配置された絶縁物の両側から直流電流を通電する通電手段と、前記通電手段を用いた通電時に前記絶縁物の周囲の磁場を検出する磁場検出手段と、前記絶縁物に対する通電時の磁場を電磁界解析により求めた磁界分布データおよび前記絶縁物に対する通電時の磁場を前記磁場検出手段により検出した測定データをそれぞれ格納する磁場分布判定手段とを備え、前記磁場分布判定手段は前記測定データと前記磁界分布データとを比較して、前記絶縁物の絶縁状態を判定することを特徴とした核融合炉用構造物の絶縁検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、核融合炉用構造物の絶縁検査方法および絶縁検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
核融合炉および周辺設備から構成される核融合炉用構造物には、核融合炉の運転中に核融合炉が発生する変動磁場が加わる。この変動磁場による起電力によって核融合炉および周辺設備の金属構造物には誘導電流が発生する。この誘導電流を抑制するために、金属構造物の間に絶縁物を配置して電気的に分離している部位がある。核融合炉および周辺設備は複雑な構造となっており、組立時または完成時には、誘導電流を抑制するために金属構造物の間に配置された絶縁物の絶縁状態が健全か否かを確認する必要がある。
係る絶縁物の絶縁状態が健全か否かを確認する方法として、電線の地絡を検出する方法を使用することが考えられる。金属構造物に直流磁界を検出するセンサを2個配置して、センサの間から通電することにより、通電電流による磁界を検出して、絶縁物の絶縁状態が不健全である方向を判断する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている検出方法および検出装置は、絶縁されたケーブルの地絡点の方向を識別するための手法である。通電開始点から地絡点までの電流による磁場を検出して、ケーブルの絶縁状態が不健全となっている地絡点までを走査して地絡点を同定することになる。
一方、核融合炉および周辺設備は誘導電流の抑制を目的とするため、金属構造物の一部のみ絶縁している。例えば、磁場が通過する部位で円環状の経路をとる金属構造物がある場合、円環状の経路の一か所を絶縁すれば、金属構造物の全体を周回する誘導電流を抑制できる。このため、絶縁の健全性有無を確認するために通電した場合でも、電流が流れるため、絶縁の健全性を判定できない。
また、金属構造物を絶縁する形態は一定ではなく、大型構造物の隙間に配置された絶縁物の場合、ケーブルに巻き付けるような磁場を検出するセンサは使用できない。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、金属構造物の間に配置された絶縁物以外の経路に通電可能な経路があっても、様々な絶縁物の絶縁状態を判定することができる核融合炉用構造物の絶縁検査方法および絶縁検査装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る核融合炉用構造物の絶縁検査方法は、核融合炉用構造物において、金属構造物の間に配置された絶縁物の両側から直流電流を通電する通電手段と、通電手段による通電時に絶縁物の周囲の磁場を検出する磁場検出手段とを用いて、磁場検出手段からの出力に基づいて絶縁物の絶縁状態を判定するものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、絶縁物の両側から直流電流を通電し、通電時に磁場検出手段を用いて絶縁物の周囲の磁場を検出するため、絶縁物以外の経路に通電可能な経路があっても、様々な絶縁物の絶縁状態を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る核融合炉用構造物の絶縁検査方法を示す概略図である。
【
図2】実施の形態1に係る核融合炉用構造物の絶縁検査方法であり、絶縁状態が健全でない絶縁物がある場合を示す概略図である。
【
図3】実施の形態2に係る核融合炉用構造物の絶縁検査方法および絶縁検査装置を示す概略図である
【
図4】実施の形態3に係る核融合炉用構造物の絶縁検査方法であり、通電手段による通電経路がある場合を示す概略図である
【
図5】実施の形態4に係る核融合炉用構造物の絶縁検査方法であり、絶縁物が金属構造物の隙間に配置された場合を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施の形態について図を参照して説明する。各図中、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。なお、
図1~
図5は一実施の形態に係るものであって、これらの図面によって本開示が限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る核融合炉用構造物の絶縁検査方法を示す概略図である。係る絶縁検査方法は、金属構造物の間に配置された絶縁物の両側から直流電流を通電する通電手段1と、絶縁物の周囲の磁場を検出する磁場検出手段2とを用いる。核融合炉の周辺設備である冷却配管3に対して、核融合炉の変動磁場の起電力により誘導電流が発生することを防止するために、複数の絶縁物4が配置されている。金属構造物の一例として、冷却配管3の構成は、実施の形態1に係る絶縁検査方法の原理を説明するための模式図である。
図1において、絶縁物4の両側から通電手段1を用いて、冷却配管3へ直流電流を通電しても、個々の絶縁物4の絶縁状態が全て健全であれば、電流が流れない。このため、磁場検出手段2を用いて検出する磁場が発生せず、絶縁状態が健全であると判定できる。
【0011】
図2は、実施の形態1に係る絶縁検査方法において、絶縁状態が健全でない絶縁物がある場合を示す概略図である。
図1の構成に対して、複数の絶縁物4の一つに絶縁不良がある場合を示し、絶縁物5が絶縁不良となった絶縁物である。絶縁物4の両側から通電手段1を用いて、冷却配管3へ直流電流を通電すると、絶縁物5の絶縁不良部を介して電流経路Aの電流が流れる。この電流経路Aの電流によって磁場が発生する。磁場検出手段2を用いて磁場を検出する場合は、絶縁物5の周囲を一周積算すると、アンペールの法則により電流値となるため、絶縁物5が絶縁不良であると判定できる。一方、他の絶縁物4について、磁場検出手段2を用いてそれぞれ周囲の磁場を一周積算した場合は、電流値がゼロとなるため、絶縁物4の絶縁状態は健全であると判定できる。
このように、実施の形態1によれば、磁場検出手段2を用いて絶縁物5の周囲の磁場を検出するため、絶縁物5の絶縁状態を判定することができ、さらに様々な形態の絶縁物であっても絶縁物の周囲の磁場を測定すればよく、絶縁状態の健全性を判定できる。
【0012】
また、通電手段1による電流以外の磁場が発生しない場合は、絶縁物4または絶縁物5の周囲を一周積算しなくても、絶縁物の絶縁状態を判定することができる。つまり、絶縁不良により電流が流れる絶縁物5の周囲は、絶縁物5を中心とした対称位置で必ず磁場が反転するのに対して、絶縁状態が健全であり電流が流れない絶縁物4の周囲では、絶縁物4を中心とした対称位置で磁場が反転しない面があるため、絶縁状態の健全性を確認できる。したがって、絶縁状態が健全でない絶縁物の部位を分解せずに特定できるため、多数ある絶縁物を分解することなく、健全でない絶縁物の部位のみを補修できることになる。係る作業時間を削減できれば、補修コストを大幅に低減できる。
【0013】
実施の形態2.
図3は、実施の形態2に係る核融合炉用構造物の絶縁検査方法および絶縁検査装置を示す概略図である。実施の形態2は実施の形態1と比較して、磁場分布判定手段6を備えた場合を示している。磁場分布判定手段6には、冷却配管3の間に配置された絶縁物4の絶縁状態が健全な場合の磁場として、絶縁物4に対する通電時の磁場をあらかじめ電磁界解析により求めた磁場分布データ7が格納されている。絶縁物4の両側から通電手段1を用いて、冷却配管3へ直流電流を通電すると、絶縁物5の絶縁不良部を介して電流経路Aの電流が流れて磁場が発生する。磁場検出手段2を用いて絶縁物5の周囲の磁場を検出することにより、検出された測定データを磁場分布判定手段6に格納して、磁場分布データ7と比較する。
【0014】
絶縁状態が健全でない絶縁物5の周囲の磁場は、絶縁物5を介して電流経路Aの電流が流れるため、電流経路Aの電流による磁場分布が磁場分布データ7の分布とは異なり、絶縁物5付近で大きくなる。このため、磁場分布判定手段6により、磁場検出手段2を用いて検出した測定データと磁場分布データ7と比較すれば、絶縁物5の絶縁状態が不良であると判定できる。つまり、絶縁状態が健全でない絶縁物5の部位を分解せずに特定できるため、多数ある絶縁物を分解せずに、健全でない絶縁物の部位のみを補修できることになる。従って、係る作業時間が削減でき、補修コストを大幅に低減できる。
このように、実施の形態2によれば、磁場検出手段2を用いて絶縁物5の周囲の磁場を検出した測定データと、あらかじめ解析により求めた磁場分布データ7とを比較して磁場分布の差異により絶縁状態を判定するため、絶縁物5の絶縁状態が不良であると判定することができ、様々な形態の絶縁物であっても絶縁物の周囲の磁場を測定すればよく、絶縁状態の健全性を判定できる。
【0015】
実施の形態1および実施の形態2において、冷却配管3の絶縁物4および絶縁物5に対して例示したが、冷却配管3と冷却配管3の支持構造物との間の絶縁物、その他の様々な金属構造物の間に配置された絶縁物に対して、本開示の絶縁検査方法および絶縁検査装置を使用できることは明らかである。
さらに、通電手段1は直流電源、電池などの電源を用いて構成され、磁場検出手段2はホール素子、磁気抵抗素子などを用いて構成されている。磁場分布判定手段6は磁場分布データ7を記憶できる電子計算機などを用いて構成される。
【0016】
実施の形態3.
図4は、実施の形態3に係る核融合炉用構造物の絶縁検査方法であり、通電手段による通電経路がある場合を示す概略図である。実施の形態3は実施の形態1と比較して、通電手段1により絶縁不良の絶縁物以外に電流が流れる通電経路8があることである。
図2の構成と同様に、絶縁物5が絶縁不良となった絶縁物である。絶縁物4の両側から通電手段1を用いて、冷却配管3へ直流電流を通電すると、絶縁物5の絶縁不良部を介して電流経路Aの電流が流れる。この電流経路Aの電流によって磁場が発生し、磁場検出手段2を用いて絶縁物5の周囲を一周積算するとアンペールの法則により電流値となるため、絶縁物5が絶縁不良であると判定できる。一方、絶縁物4について周囲の磁場を一周積算した場合は、電流値がゼロとなるため、絶縁物4の絶縁状態は健全であると判定できる。
【0017】
つまり、絶縁物以外の経路に通電可能な通電経路8があり、そこに流れる電流経路Bが形成されても、磁場検出手段2を用いて、絶縁物4および絶縁物5の周囲をそれぞれ一周積算した場合は、電流経路Aの有無による磁場を検出できるため、電流経路Bの電流による磁場に拘わらず、実施の形態1と同様な作用効果を得ることができる。
また、実施の形態2では、磁場分布判定手段6を用いた場合について説明しているが、実施の形態3でも同様な磁場分布判定手段6を用いて絶縁検査方法および絶縁検査装置を構成することができ、絶縁物の絶縁状態を判定できることは明らかである。
【0018】
実施の形態4.
図5は、実施の形態4に係る核融合炉用構造物の絶縁検査方法であり、絶縁物が金属構造物の隙間に配置された場合を示す概略図である。
図5において、複数の金属構造物9との隙間に絶縁物10が配置されている。複数の金属構造物9を電気的に接続する通電経路11が構成されている。
図5では、絶縁物の絶縁状態が健全でない事例を示すために、絶縁不良となった絶縁物12が配置されている状態を示している。
【0019】
絶縁物10の両側から通電手段1を用いて、金属構造物9へ直流電流を通電すると、電気的に接続された通電経路11によって電流が流れて磁場が発生する。また、絶縁不良となった絶縁物12にも電流が流れることによる磁場が発生する。磁場検出手段2は、絶縁物10が配置された金属構造物9の隙間に挿入できるように構成されている。磁場検出手段2を用いて絶縁物12の周囲の磁場を一周積算するとアンペールの法則により電流値となるため、絶縁物12が絶縁不良であることを判定できる。一方、磁場検出手段2を用いて絶縁物10の周囲の磁場を一周積算すると電流値はゼロとなり、絶縁物10の絶縁状態が健全であると判定できる。これらの積算値は、実施の形態3と同様に、電気的に接続された通電経路11を介して発生する磁場分布には依存しない。
【0020】
また、実施の形態2では,磁場分布判定手段6を用いた場合について説明しているが、実施の形態4でも同様な磁場分布判定手段6を用いて絶縁検査方法および絶縁検査装置を構成することができ、絶縁物の絶縁状態を判定できることは明らかである。
本開示に係る核融合炉用構造物の絶縁検査方法および絶縁検査装置では、金属構造物9の隙間に絶縁物を配置している場合でも、磁場検出手段2を容易に挿入して確認すべき対象である絶縁物の絶縁状態を評価できる。
【0021】
本開示は、核融合炉用構造物の絶縁検査方法および絶縁検査装置について記載したが、空間も絶縁物とみなせるため、思わぬところで短絡が発生していてもこれを検出できる。特に、磁場分布判定手段6を用いて、全体の磁場分布を観測して、測定データを比較することにより、絶縁物以外の短絡点を見出すことが容易となる。
【0022】
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【0023】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0024】
(付記1)
核融合炉用構造物において、金属構造物の間に配置された絶縁物の両側から直流電流を通電する通電手段と、前記通電手段による通電時に前記絶縁物の周囲の磁場を検出する磁場検出手段とを用いて、前記磁場検出手段からの出力に基づいて前記絶縁物の絶縁状態を判定することを特徴とした核融合炉用構造物の絶縁検査方法。
(付記2)
前記磁場検出手段は、前記金属構造物の隙間に挿入するように構成されたものであることを特徴とした付記1に記載の核融合炉用構造物の絶縁検査方法。
(付記3)
前記磁場検出手段は、ホール素子または磁気抵抗素子であることを特徴とした付記2に記載の核融合炉用構造物の絶縁検査方法。
(付記4)
前記磁場検出手段を用いて、前記絶縁物の周囲の磁場を積算した電流値に基づいて前記絶縁物の絶縁状態を判定することを特徴とした付記1から3のいずれか1項に記載の核融合炉用構造物の絶縁検査方法。
(付記5)
前記磁場検出手段を用いて測定した磁場分布と、前記絶縁物に対する通電時の磁場を計算により求めた磁場分布とを比較して、前記絶縁物の絶縁状態を判定することを特徴とした付記1から3のいずれか1項に記載の核融合炉用構造物の絶縁検査方法。
(付記6)
前記絶縁物に対する通電時の磁場を電磁界解析により求め、求められた磁界分布データを格納する磁場分布判定手段を用い、前記絶縁物に対する通電時の磁場を前記磁場検出手段により検出して、検出された測定データと、前記磁界分布データとを比較し、前記絶縁物の絶縁状態を判定することを特徴とした付記1から3および5のいずれか1項に記載の核融合炉用構造物の絶縁検査方法。
(付記7)
核融合炉用構造物において、金属構造物の間に配置された絶縁物の両側から直流電流を通電する通電手段と、前記通電手段を用いた通電時に前記絶縁物の周囲の磁場を検出する磁場検出手段と、前記絶縁物に対する通電時の磁場を電磁界解析により求めた磁界分布データおよび前記絶縁物に対する通電時の磁場を前記磁場検出手段により検出した測定データをそれぞれ格納する磁場分布判定手段とを備え、前記磁場分布判定手段は前記測定データと前記磁界分布データとを比較して、前記絶縁物の絶縁状態を判定することを特徴とした核融合炉用構造物の絶縁検査装置。
【符号の説明】
【0025】
1:通電手段、 2:磁場検出手段、 3:冷却配管、 4,5,10,12:絶縁物、 6:磁場分布判定手段、 7:磁場分布データ、 8,11:通電経路、 9:金属構造物、 A,B:電流経路