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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171389
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/12 20060101AFI20241205BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G03G21/12
G03G21/00 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088359
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】田代 雅也
【テーマコード(参考)】
2H134
2H270
【Fターム(参考)】
2H134JB01
2H134JB07
2H134KA25
2H134KB12
2H270LA88
2H270LA90
2H270LD03
2H270MB04
2H270MC33
2H270MC48
2H270MC50
2H270MC52
2H270MC53
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】 廃トナー容器が廃トナーで満杯になったことを正確に検知する画像形成装置を得る。
【解決手段】 廃トナーフル検知部51は、光学センサー21の出力信号が所定の検知条件を満たすか否かに基づいて廃トナー容器12が廃トナーで満杯であるか否かを判定し、廃トナー容器12が廃トナーで満杯であることを検知する。そして、廃トナーフル検知部51は、滞留トナー吐出し動作によって吐き出された現像装置の滞留トナーが廃トナーとして廃トナー容器12に収容される際に、上述の検知条件を、滞留トナー吐出し動作によって吐き出されるトナーのトナー色に対応して設定する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムと、
トナーを収容し前記トナーを前記感光体ドラムに付着させることでトナー画像の現像を行う現像装置と、
前記トナー画像の転写後の残留トナーを廃トナーとして収容する廃トナー容器の所定部位を透過する光を検知する光学センサーと、
前記光学センサーの出力信号が所定の検知条件を満たすか否かに基づいて前記廃トナー容器が廃トナーで満杯であるか否かを判定し、前記廃トナー容器が廃トナーで満杯であることを検知する廃トナーフル検知部とを備え、
前記廃トナーフル検知部は、前記現像装置内に所定時間以上滞留した滞留トナーを前記現像装置から吐き出す滞留トナー吐出し動作によって吐き出された滞留トナーが廃トナーとして前記廃トナー容器に収容される際に、前記検知条件を、前記滞留トナー吐出し動作によって吐き出されるトナーのトナー色に対応して設定すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記廃トナーフル検知部は、収容される前記滞留トナーの光透過率が高いほど前記廃トナー容器が廃トナーで満杯であることが検知されやすくなるように、前記検知条件を設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記廃トナーフル検知部は、(a)プリント動作の際には前記検知条件を基準条件とし、(b)前記滞留トナー吐出し動作の際には前記検知条件を、前記滞留トナー吐出し動作によって吐き出されたトナーのトナー色に対応して変更し、(c)前記滞留トナー吐出し動作によって吐き出されたトナーが前記廃トナー容器に収容され前記廃トナー容器が廃トナーで満杯であるか否かを判定した後に、前記検知条件を前記基準条件に戻すこと、

を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検知条件は、前記光学センサーの出力信号と比較すべき閾値であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像形成装置は、像担持体から回収された残留トナー(廃トナー)を収容する廃トナーボトルを備えており、廃トナーボトルに上端部に設けられた光学センサーで、廃トナーボトルが廃トナーで満杯になったことを検知している。さらに、そのような画像形成装置は、プリントに使用される複数トナー色のトナーの光透過率が互いに異なるため、プリントに使用される複数トナー色のトナーについてそれぞれ廃トナー量を特定し、それらのトナー色の廃トナー量の割合に基づいて、廃トナーボトルが廃トナーで満杯になったことを検知するための閾値を調整している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-56794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カラー画像形成装置の場合、複数トナー色の廃トナーが1つの廃トナー容器に収容され、複数トナー色の廃トナーが廃トナー容器に混在することになる。そのため、上述の画像形成装置では、プリントに使用された各トナー色のトナー量の割合に基づいて閾値が調整される。しかしながら、滞留トナー吐出し動作(現像装置内に所定時間以上滞留し劣化した滞留トナーを現像装置から吐き出しプリントに使用せずに廃トナーとして回収する動作)によって吐き出された滞留トナーが廃トナーとして廃トナー容器に収容されるとき、光学センサー付近において特定のトナー色の廃トナーが相対的に多くなるため、そのようなときに、プリントに使用された各トナー色のトナー量の割合に基づいて閾値で、廃トナーボトルが廃トナーで満杯になったことを検知すると、誤検知が発生する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、廃トナー容器が廃トナーで満杯になったことを正確に検知する画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、感光体ドラムと、トナーを収容し前記トナーを前記感光体ドラムに付着させることでトナー画像の現像を行う現像装置と、前記トナー画像の転写後の残留トナーを廃トナーとして収容する廃トナー容器の所定部位を透過する光を検知する光学センサーと、前記光学センサーの出力信号が所定の検知条件を満たすか否かに基づいて前記廃トナー容器が廃トナーで満杯であるか否かを判定し、前記廃トナー容器が廃トナーで満杯であることを検知する廃トナーフル検知部とを備える。そして、前記廃トナーフル検知部は、前記現像装置内に所定時間以上滞留した滞留トナーを前記現像装置から吐き出す滞留トナー吐出し動作によって吐き出された滞留トナーが廃トナーとして前記廃トナー容器に収容される際に、前記検知条件を、前記滞留トナー吐出し動作によって吐き出されるトナーのトナー色に対応して設定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、廃トナー容器が廃トナーで満杯になったことを正確に検知する画像形成装置が得られる。
【0008】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるプリントエンジンの構成を示す側面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
図3図3は、図2における廃トナー容器12および光学センサー21の一例を示す側面図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図5図5は、図3に示す画像形成装置1の動作について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置におけるプリントエンジンの構成を示す側面図である。この画像形成装置は、プリンター、ファクシミリ装置、複写機、複合機などといった電子写真方式のプリント機能を有するカラーの画像形成装置である。
【0012】
図1に示すプリントエンジン10は、タンデム方式のプリントエンジンであり、複数の感光体ドラム1a~1d、露光装置2a~2d、および複数の現像装置3a~3dを備える。感光体ドラム1a~1dは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色の感光体である。
【0013】
露光装置2a~2dは、感光体ドラム1a~1dへレーザー光を走査しつつ照射して静電潜像を形成する装置である。レーザー光は、感光体ドラム1a~1dの回転方向(副走査方向)に垂直な方向(主走査方向)に走査される。露光装置2a~2dは、レーザー光の光源であるレーザーダイオード、およびそのレーザー光を感光体ドラム1a~1dへ導く光学素子(レンズ、ミラー、ポリゴンミラーなど)を含むレーザースキャニングユニットを有する。
【0014】
さらに、感光体ドラム1a~1dの周囲には、スコロトロン等の帯電器、クリーニング装置、除電器などが配置されている。クリーニング装置は、1次転写後に、感光体ドラム1a~1d上の残留トナーを除去し、除電器は、1次転写後に、感光体ドラム1a~1dを除電する。
【0015】
現像装置3a~3dは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のトナーがそれぞれ充填されるトナーカートリッジと、トナーカートリッジ内のトナーホッパーから搬送されてくるトナーを収容しそのトナーを感光体ドラム1a~1dへ付着させる現像器とを有し、そのトナーを感光体ドラム1a~1d上の静電潜像に付着させてトナー画像を形成する。
【0016】
感光体ドラム1aおよび現像装置3aにより、マゼンタの現像が行われ、感光体ドラム1bおよび現像装置3bにより、シアンの現像が行われ、感光体ドラム1cおよび現像装置3cにより、イエローの現像が行われ、感光体ドラム1dおよび現像装置3dにより、ブラックの現像が行われる。
【0017】
中間転写ベルト4は、感光体ドラム1a~1dに接触し、感光体ドラム1a~1d上のトナー画像を1次転写される環状の像担持体(中間転写体)である。中間転写ベルト4は、駆動ローラー5に張架され、駆動ローラー5からの駆動力によって、感光体ドラム1dとの接触位置から感光体ドラム1aとの接触位置への方向へ周回していく。
【0018】
転写ローラー6は、搬送されてくるプリント用紙を中間転写ベルト4に接触させ、中間転写ベルト4上のトナー画像をプリント用紙に2次転写する。なお、トナー画像を転写されたプリント用紙は、定着器9へ搬送され、トナー画像がプリント用紙へ定着される。
【0019】
ローラー7は、クリーニングブラシを有し、クリーニングブラシを中間転写ベルト4に接触させ、プリント用紙へのトナー画像の転写後に中間転写ベルト4に残ったトナーを除去する。
【0020】
濃度センサー8は、中間転写ベルト4に光線を照射し、中間転写ベルト4の表面またはその表面上のトナーパターンからの反射光を検出する光学式センサーである。例えば、濃度センサー8は、トナー濃度調整の際に、中間転写ベルト4の所定の領域に光線を照射し光線の反射光を検出し、その光量に応じた電気信号を出力する。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。上述のように中間転写ベルト4などといった像担持体に(直接転写方式の場合は感光体ドラム1a~1dに)残留したトナーは、上述のクリーニングブラシを含むクリーニング装置で回収される。図2に示す画像形成装置1は、筐体11内部に廃トナー容器12を着脱可能となっており、回収されたトナーが廃トナー容器12に搬送され収容される。図2に示す画像形成装置1では、筐体11の側面パネルにおける開閉パネル11a内に、廃トナー容器12が装着されている。
【0022】
さらに、画像形成装置1は、操作パネル13を備える。操作パネル13は、筐体11の上面(あるいは前面)に設置され、ユーザーに対して各種情報を表示する表示装置(図4における表示装置13a)およびユーザー操作を受け付ける入力装置(図4における入力装置13b)を備える。
【0023】
図3は、図2における廃トナー容器12および光学センサー21の一例を示す側面図である。さらに、画像形成装置1は、図2に示すように、廃トナー容器12(の所定部位)を所定位置で支持する一対の支持部31、廃トナー排出口32、並びに支持部31内に配置された光学センサー21を備える。
【0024】
廃トナー容器12は、透明または半透明な樹脂やガラスなどを成形した部材であり、その内部に廃トナー(トナー画像の転写後の残留トナーなど)を収容する。廃トナーは、廃トナー排出口32から落下し、その所定部位を通過して、廃トナー容器12内に堆積していく。そして、発光部31は、電力を使用して、廃トナー容器12の所定部位(例えば上方に突出した円筒状の首部12a)を通過するように光を出射する。
【0025】
光学センサー21は、廃トナー容器12の所定部位を透過する光を検知する。ここでは、光学センサー21は、PIセンサーであって、発光ダイオードなどといった発光部21aと、例えばフォトダイオード、フォトトランジスターなどといった受光部21bとを備える。受光部21bは、廃トナー容器12の所定部位を通過してきた光を受光し、受光した光の光量に応じた電気信号を出力する。受光部21bから出力される電気信号(出力信号)は、(必要に応じてアンプやADコンバーターを介して)コントローラー42に供給される。
【0026】
上述の所定部位まで廃トナーが堆積していない場合には、発光部21aから出射した光は受光部21bに入射し、受光部21bの受光光量が比較的多くなり、上述の所定部位まで廃トナーが堆積している場合には、発光部21aから出射した光のうち、所定部位に堆積している廃トナーの光透過率に応じた光量の光が受光部21bに入射する。
【0027】
ここでは、CMYKの4色のトナーが現像装置3a~3dで使用されており、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の順で光透過率が小さくなる。
【0028】
図4は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。図4に示すように、画像形成装置1は、さらに、駆動回路41、およびコントローラー42を備える。
【0029】
駆動回路41は、発光部31を駆動する電子回路である。コントローラー42は、マイクロコンピューター、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などであって、各種処理を実行する。
【0030】
ここでは、コントローラー42は、プリントエンジン10を制御して、プリント動作や滞留トナー吐出し動作などをプリントエンジン10に実行させる。また、コントローラー42は、廃トナーフル検知部51として動作する。
【0031】
廃トナーフル検知部51は、光学センサー21(受光部21b)の出力信号が所定の検知条件を満たすか否かに基づいて廃トナー容器12が廃トナーで満杯であるか否かを判定し、廃トナー容器12が廃トナーで満杯であることを検知する。ここでは、出力信号のレベルは、受光部21bの受光光量が多いほど低くなる。
【0032】
さらに、廃トナーフル検知部51は、滞留トナー吐出し動作によって吐き出された滞留トナーが廃トナーとして廃トナー容器12に収容される際に、上述の検知条件を、滞留トナー吐出し動作によって吐き出されるトナーのトナー色に対応して設定する。
【0033】
滞留トナー吐出し動作は、現像装置3a~3d内に所定時間以上滞留し劣化した滞留トナーを現像装置3a~3dから吐き出しプリントに使用せずに廃トナーとして回収する動作である。ここで、滞留トナーは、感光体ドラム1a~1dに付着され、(間接転写方式の場合には)感光体ドラム1a~1dから中間転写ベルト4への転写の後に中間転写ベルト4から回収されて廃トナー容器12に収容される。なお、直接転写方式の場合には滞留トナーは、感光体ドラム1a~1dから回収されて廃トナー容器12に収容される。
【0034】
具体的には、廃トナーフル検知部51は、収容される滞留トナーの光透過率が高いほど廃トナー容器12が廃トナーで満杯であることが検知されやすくなるように、上述の検知条件を設定する。
【0035】
つまり、滞留トナー吐出し動作によって単色トナーが廃トナーとして廃トナー容器12に収容されるため、滞留トナー吐出し動作によって収容されたトナーによって廃トナー容器12が満杯に達した場合、上述の所定部位における廃トナーには、その単色トナーが相対的に多く含まれる。そのため、その単色トナーのトナー色(の光透過率)に応じて、検知条件が調整される。
【0036】
また、廃トナーフル検知部51は、(a)プリント動作の際には上述の検知条件を基準条件(例えば直近のプリントで使用されたトナーのトナー色における各トナー色の残留トナー量の割合に基づいて設定される条件)とし、(b)滞留トナー吐出し動作の際には上述の検知条件を、滞留トナー吐出し動作によって吐き出されたトナーのトナー色に対応して変更し、(c)滞留トナー吐出し動作によって吐き出されたトナーが廃トナー容器12に収容され廃トナー容器12が廃トナーで満杯であるか否かを判定した後に、上述の検知条件を上述の基準条件に戻す。
【0037】
ここでは、上述の検知条件は、光学センサー21の出力信号と比較すべき閾値である。具体的には、ここでは、光学センサー21の出力信号のレベルがその閾値以上である場合に、廃トナー容器12が廃トナーで満杯であると判定され、そうではない場合には、廃トナー容器12が廃トナーで満杯ではないと判定される。そして、廃トナーとして回収された滞留トナーの光透過率が高いおど、この閾値は低く設定される。
【0038】
次に、上記画像形成装置1の動作について説明する。図5は、図3に示す画像形成装置1の動作について説明するフローチャートである。
【0039】
コントローラー42は、ユーザーによる要求に応じて、プリントエンジン10を制御して、ユーザーにより指定された画像のプリントを実行する。その際、中間転写ベルト4などに残留したトナーが回収され廃トナーとして廃トナー容器12に収容される。プリント時の残留トナーは、プリントに使用された1または複数のトナー色のトナーが混合したものとなっている。仮に、プリント時の残留トナーが最後に廃トナー容器12に収容されて廃トナー容器12が満杯になった場合、上述の所定部位には、直近のプリントに使用された1または複数のトナー色のトナーが混合した廃トナーが堆積している。そのため、プリント時には、廃トナーフル検知部51は、上述の基準条件としての閾値を、その廃トナーにおける1または複数のトナー色のトナーの割合に応じて、1または複数のトナー色のトナーの光透過率に基づく基準値に設定している。このとき、廃トナーフル検知部51は、光学センサー21の出力信号のレベルがこの基準値以上であるか否かを判定し、光学センサー21の出力信号のレベルがこの基準値以上である場合には、廃トナー容器12が廃トナーで満杯であると判定し、そうではない場合には、廃トナー容器12が廃トナーで満杯ではないと判定する。廃トナー容器12が廃トナーで満杯であると判定された場合、コントローラー42は、エラー処理(実行中のプリントの中止、操作パネル13へのエラーメッセージの表示など)を実行する。
【0040】
また、コントローラー42は、トナー色ごとに、滞留トナー吐出し動作が必要であるか否かを監視している(ステップS1)。具体的には、コントローラー42は、トナー色ごとに、現像装置3a~3d内のトナーの滞留時間(トナーカートリッジから供給された時点からの経過時間)を監視しており、その滞留時間が所定値を超えたトナー色があれば、そのトナー色についての滞留トナー吐出し動作が必要であると判定する。
【0041】
そして、あるトナー色についての滞留トナー吐出し動作が必要であると判定した場合、コントローラー42は、そのトナー色についての感光体ドラム、露光装置、現像装置などを制御して、そのトナー色についての滞留トナー吐出し動作を実行する。このとき、滞留トナーは、プリント用紙には転写されず、クリーニング装置によって回収され、廃トナー容器12に収容される。
【0042】
そして、廃トナーフル検知部51は、その滞留トナーが廃トナー容器12に収容されるまで(所定時間)待機し(ステップS3)、廃トナーフル検知部51は、滞留トナー吐出し動作の滞留トナーのトナー色を特定し、上述のように、特定したトナー色に対応して閾値を設定し(ステップS4)、その後、光学センサー21の出力信号レベル(検出レベル)がその閾値以上であるか否かを判定する(ステップS5)。
【0043】
そして、このときの光学センサー21の出力信号レベル(検出レベル)がその閾値以上ではなければ、廃トナーフル検知部51は、廃トナー容器12が満杯になったと判定し、エラー処理を実行する(ステップS6)。
【0044】
一方、このときの光学センサー21の出力信号レベル(検出レベル)がその閾値以上ではなければ、廃トナーフル検知部51は、この閾値を上述の基準値に戻し(ステップS7)、ステップS1に戻り、トナー色ごとに、滞留トナー吐出し動作が必要であるか否かの監視を再開する。
【0045】
以上のように、上記実施の形態によれば、光学センサー21は、廃トナー容器12の所定部位を透過する光を検知する。廃トナーフル検知部51は、光学センサー21の出力信号が所定の検知条件を満たすか否かに基づいて廃トナー容器12が廃トナーで満杯であるか否かを判定し、廃トナー容器12が廃トナーで満杯であることを検知する。そして、廃トナーフル検知部51は、滞留トナー吐出し動作によって吐き出された滞留トナーが廃トナーとして廃トナー容器12に収容される際に、上述の検知条件を、滞留トナー吐出し動作によって吐き出されるトナーのトナー色に対応して設定する。
【0046】
これにより、滞留トナー吐出し動作の際に光学センサー21の検知対象となる所定部位に多くなる滞留トナーのトナー色に応じて検知条件(上述の閾値)が設定されるため、使用されるトナー色の光透過率の違いに起因した誤検出が抑制され、廃トナー容器12が廃トナーで満杯になったことが正確に検知される。
【0047】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0048】
例えば、上記実施の形態では、上述の基準値を、直近の全トナー色での所定の残留トナー量についての各トナー色の残留トナー量の割合に基づいて設定しているが、その代わりに、一定の固定値としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、例えば、電子写真方式の画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 画像形成装置
1a~1d 感光体ドラム
3a~3d 現像装置
12 廃トナー容器
21 光学センサー
51 廃トナーフル検知部
図1
図2
図3
図4
図5