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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171400
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241205BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20241205BHJP
【FI】
G06Q30/0601 338
G06Q10/08
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088376
(22)【出願日】2023-05-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】茂木 信二
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 綱太
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L030BB65
5L049AA16
5L049BB65
(57)【要約】      (修正有)
【課題】実際に近接する複数の店舗に対応する複数の仮想店舗において購入した商品をまとめて配送させる情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、第1仮想店舗において販売される第1商品の購入要求と、第2仮想店舗とにおいて販売される第2商品の購入要求とをユーザ端末2から取得する購入要求取得部133、第1仮想店舗に対応する第1実店舗の位置と、第2仮想店舗に対応する第2実店舗の位置とを特定する位置特定部134、特定した第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とが、第1実店舗と第2実店舗とが近接していることを示す場合に、ユーザが選択可能な第1商品と第2商品との受渡方法を、第1商品と第2商品とをまとめて配送することにより受け渡す所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定する受渡方法特定部135及び特定した一以上の受渡方法をユーザ端末2に提示し、受渡方法の選択を受け付ける選択受付部136を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間上に設けられている第1仮想店舗において販売される第1商品の購入要求と、前記第1仮想店舗と異なる第2仮想店舗とにおいて販売される第2商品の購入要求とをユーザの端末から取得する取得部と、
前記第1仮想店舗に対応して実際に存在する第1実店舗が存在するとともに、前記第2仮想店舗に対応して実際に存在する第2実店舗が存在する場合、前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とを特定する位置特定部と、
前記位置特定部が特定した前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とが、前記第1実店舗と前記第2実店舗とが近接していることを示す場合に、前記ユーザが選択可能な前記第1商品と前記第2商品との受渡方法を、前記第1商品と前記第2商品とをまとめて配送することにより受け渡す所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定する受渡方法特定部と、
前記受渡方法特定部が特定した一以上の受渡方法を前記端末に提示し、当該一以上の受渡方法のいずれかの選択を前記端末から受け付ける選択受付部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記受渡方法特定部は、前記所定受渡方法に係る料金を特定し、
前記選択受付部は、前記受渡方法特定部が特定した前記所定受渡方法に係る料金を前記ユーザの端末に提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受渡方法特定部は、前記第1実店舗における前記第1商品の在庫と、前記第2実店舗における前記第2商品の在庫とを特定し、前記位置特定部が特定した前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とが、前記第1実店舗と前記第2実店舗とが近接していることを示すとともに、前記第1商品及び前記第2商品の在庫がある場合に、前記所定受渡方法を含む一以上の受渡方法を、前記ユーザが選択可能な受渡方法として特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受渡方法特定部は、前記位置特定部が特定した前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とが、前記第1実店舗と前記第2実店舗とが近接していることを示す場合において、前記第1商品及び前記第2商品のいずれかの在庫がない場合に、前記ユーザが選択可能な受渡方法を、前記所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定し、在庫がない商品を前記第1実店舗又は前記第2実店舗が入手する期間を推定し、当該期間に基づいて、前記所定受渡方法により前記第1商品及び前記第2商品を前記ユーザに受け渡す場合に前記第1商品及び前記第2商品がユーザに配送される配送予定日を特定し、
前記選択受付部は、前記受渡方法特定部が特定した一以上の受渡方法を前記端末に提示するとともに、前記所定受渡方法に対応する前記配送予定日を前記端末に提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記選択受付部が前記端末から前記所定受渡方法の選択を受け付けた場合に、前記ユーザに特典を付与する特典付与部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記選択受付部が受け付けた受渡方法が商品を配送することにより受け渡す方法である場合に、当該受け渡し方法を、商品の配送を行う配送業者に通知する通知部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通知部は、前記第1商品及び前記第2商品を前記第1実店舗及び前記第2実店舗から前記配送業者の店舗に配送するための配送情報を、商品の配送を行う配送ロボットを管理する装置に通知する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
仮想空間上に設けられており、実店舗が存在する複数の仮想店舗であって、前記複数の仮想店舗それぞれで購入した複数の商品をまとめて受渡可能な前記複数の仮想店舗を示す情報を、前記取得部が購入要求を取得する前に前記ユーザの端末に提示する提示部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記受渡方法特定部は、前記位置特定部が特定した前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とが、所定のエリア内の位置である場合に、前記ユーザが選択可能な前記第1商品と前記第2商品との受渡方法を、前記所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する、
仮想空間上に設けられている第1仮想店舗において販売される第1商品の購入要求と、前記第1仮想店舗と異なる第2仮想店舗とにおいて販売される第2商品の購入要求とをユーザの端末から取得するステップと、
前記第1仮想店舗に対応して実際に存在する第1実店舗が存在するとともに、前記第2仮想店舗に対応して実際に存在する第2実店舗が存在する場合、前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とを特定するステップと、
特定した前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とが、前記第1実店舗と前記第2実店舗とが近接していることを示す場合に、前記ユーザが選択可能な前記第1商品と前記第2商品との受渡方法を、前記第1商品と前記第2商品とをまとめて配送することにより受け渡す所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定するステップと、
特定した一以上の受渡方法を前記端末に提示し、当該一以上の受渡方法のいずれかの選択を前記端末から受け付けるステップと、
を有する情報処理方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、現実世界のデータを用いて、仮想空間上に現実世界のコピー環境を再現する技術であるデジタルツインが提案されている。例えば、特許文献1には、デジタルツイン技術を利用して仮想空間上に仮想店舗を設け、当該仮想店舗において商品を購入可能にする装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-25257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮想空間上に設けられた複数の仮想店舗のそれぞれにおいて商品を購入する場合には、複数の店舗それぞれにおいて個別に商品が配送される。これに対し、仮想空間上に、実際に近接する複数の店舗に対応して複数の仮想店舗を再現した場合、これら複数の仮想店舗において購入した商品をまとめて配送することが効率的である。しかしながら、従来の技術では、実際に近接する複数の店舗に対応する複数の仮想店舗において購入した商品をまとめて配送することに対応していないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、実際に近接する複数の店舗に対応する複数の仮想店舗において購入した商品をまとめて配送可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、仮想空間上に設けられている第1仮想店舗において販売される第1商品の購入要求と、前記第1仮想店舗と異なる第2仮想店舗とにおいて販売される第2商品の購入要求とをユーザの端末から取得する取得部と、前記第1仮想店舗に対応して実際に存在する第1実店舗が存在するとともに、前記第2仮想店舗に対応して実際に存在する第2実店舗が存在する場合、前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とを特定する位置特定部と、前記位置特定部が特定した前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とが、前記第1実店舗と前記第2実店舗とが近接していることを示す場合に、前記ユーザが選択可能な前記第1商品と前記第2商品との受渡方法を、前記第1商品と前記第2商品とをまとめて配送することにより受け渡す所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定する受渡方法特定部と、前記受渡方法特定部が特定した一以上の受渡方法を前記端末に提示し、当該一以上の受渡方法のいずれかの選択を前記端末から受け付ける選択受付部と、を有する。
【0007】
前記受渡方法特定部は、前記所定受渡方法に係る料金を特定し、前記選択受付部は、前記受渡方法特定部が特定した前記所定受渡方法に係る料金を前記ユーザの端末に提示してもよい。
【0008】
前記受渡方法特定部は、前記第1実店舗における前記第1商品の在庫と、前記第2実店舗における前記第2商品の在庫とを特定し、前記位置特定部が特定した前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とが、前記第1実店舗と前記第2実店舗とが近接していることを示すとともに、前記第1商品及び前記第2商品の在庫がある場合に、前記所定受渡方法を含む一以上の受渡方法を、前記ユーザが選択可能な受渡方法として特定してもよい。
【0009】
前記受渡方法特定部は、前記位置特定部が特定した前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とが、前記第1実店舗と前記第2実店舗とが近接していることを示す場合において、前記第1商品及び前記第2商品のいずれかの在庫がない場合に、前記ユーザが選択可能な受渡方法を、前記所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定し、在庫がない商品を前記第1実店舗又は前記第2実店舗が入手する期間を推定し、当該期間に基づいて、前記所定受渡方法により前記第1商品及び前記第2商品を前記ユーザに受け渡す場合に前記第1商品及び前記第2商品がユーザに配送される配送予定日を特定し、前記選択受付部は、前記受渡方法特定部が特定した一以上の受渡方法を前記端末に提示するとともに、前記所定受渡方法に対応する前記配送予定日を前記端末に提示してもよい。
【0010】
前記情報処理装置は、前記選択受付部が前記端末から前記所定受渡方法の選択を受け付けた場合に、前記ユーザに特典を付与する特典付与部をさらに有してもよい。
前記情報処理装置は、前記選択受付部が受け付けた受渡方法が商品を配送することにより受け渡す方法である場合に、当該受け渡し方法を、商品の配送を行う配送業者に通知する通知部をさらに有してもよい。
前記通知部は、前記第1商品及び前記第2商品を前記第1実店舗及び前記第2実店舗から前記配送業者の店舗に配送するための配送情報を、商品の配送を行う配送ロボットを管理する装置に通知してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、仮想空間上に設けられており、実店舗が存在する複数の仮想店舗であって、前記複数の仮想店舗それぞれで購入した複数の商品をまとめて受渡可能な前記複数の仮想店舗を示す情報を、前記取得部が購入要求を取得する前に前記ユーザの端末に提示する提示部をさらに有してもよい。
【0012】
前記受渡方法特定部は、前記位置特定部が特定した前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とが、所定のエリア内の位置である場合に、前記ユーザが選択可能な前記第1商品と前記第2商品との受渡方法を、前記所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、仮想空間上に設けられている第1仮想店舗において販売される第1商品の購入要求と、前記第1仮想店舗と異なる第2仮想店舗とにおいて販売される第2商品の購入要求とをユーザの端末から取得するステップと、前記第1仮想店舗に対応して実際に存在する第1実店舗が存在するとともに、前記第2仮想店舗に対応して実際に存在する第2実店舗が存在する場合、前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とを特定するステップと、特定した前記第1実店舗の位置と前記第2実店舗の位置とが、前記第1実店舗と前記第2実店舗とが近接していることを示す場合に、前記ユーザが選択可能な前記第1商品と前記第2商品との受渡方法を、前記第1商品と前記第2商品とをまとめて配送することにより受け渡す所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定するステップと、特定した一以上の受渡方法を前記端末に提示し、当該一以上の受渡方法のいずれかの選択を前記端末から受け付けるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、実際に近接する複数の店舗に対応する複数の仮想店舗において購入した商品をまとめて配送可能にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】情報処理装置の概要を説明する図である。
図2】情報処理装置の機能構成を示す図である。
図3】店舗情報の一例を示す図である。
図4】選択受付画面の一例を示す図である。
図5】ユーザ端末に仮想空間が表示された例を示す図である。
図6】確認画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1の概要を説明する図である。情報処理装置1は、実空間に存在する施設である実空間施設に対応する仮想空間上の施設である仮想施設のエリアをユーザが使用するユーザ端末2等に表示させ、実空間施設が提供するサービスを仮想空間上においても提供するためのコンピュータである。
【0017】
実空間施設は、例えばアパレルショップ等の店舗であり、実空間施設が提供するサービスは、例えば商品の販売サービスである。また、仮想施設のエリアは、例えば実空間施設の内部空間を模したエリアである。なお、実空間施設は、店舗に限らず、役所等の公共施設やイベント施設等であってもよい。以下、実空間施設は実際に存在する実店舗であり、仮想空間施設は当該実店舗に対応する仮想店舗であるものとして説明を進める。
【0018】
まず、情報処理装置1は、仮想店舗のエリアをユーザ端末2に表示させる(図1における(1))。例えば、情報処理装置1は、複数の仮想店舗のいずれかの選択を受け付けるための選択受付画面をユーザ端末2に表示させ、ユーザ端末2から、複数の仮想店舗のいずれかの選択を受け付ける。情報処理装置1は、選択受付画面において選択された仮想店舗に対応する仮想空間上のエリアをユーザ端末2に表示させる。
【0019】
ユーザ端末2のユーザは、ユーザ端末2を操作することにより、ユーザ端末2にエリアが表示されている仮想店舗において販売されている商品のうち、自身が購入を希望する商品を選択することができる。例えば、ユーザ端末2は、ユーザから、商品をカートに入れる操作を受け付けることにより、ユーザが購入する商品の選択を受け付ける。
【0020】
例えば、ユーザ端末2は、第1仮想店舗の仮想空間上のエリアを表示させ、ユーザから第1仮想店舗において販売されている第1商品の選択を受け付けるとともに、第2仮想店舗の仮想空間上のエリアを表示させ、ユーザから、第2仮想店舗において販売されている第2商品の選択を受け付ける。その後、ユーザ端末2は、ユーザから選択された商品の購入操作を受け付けると、選択された第1商品の購入要求と、第2商品の購入要求とを情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、ユーザ端末2から、第1商品の購入要求と、第2商品の購入要求とを取得する(図1における(2))。
【0021】
情報処理装置1は、第1仮想店舗に対応する第1実店舗が存在するとともに、第2仮想店舗に対応する第2実店舗が存在する場合、第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とを特定する(図1における(3))。
【0022】
そして、情報処理装置1は、第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とに基づいて、ユーザが選択可能な第1商品と第2商品との受渡方法を特定する(図1における(4))。情報処理装置1は、第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とが、第1実店舗と第2実店舗とが近接していることを示す場合に、第1商品と第2商品との受渡方法を、第1商品と第2商品とをまとめて配送することにより受け渡す受渡方法である所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定する。
【0023】
情報処理装置1は、特定した受渡方法をユーザ端末2に提示し(図1における(5))、ユーザ端末2から受渡方法の選択を受け付ける(図1における(6))。このように、情報処理装置1は、複数の仮想店舗に対応する複数の実店舗が近接している場合に、第1商品と第2商品との受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定するので、これら複数の仮想店舗において購入した商品をまとめて配送可能にすることができる。
【0024】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の機能構成について説明する。図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0025】
通信部11は、例えばユーザ端末2とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、受付部131、仮想空間制御部132、購入要求取得部133、位置特定部134、受渡方法特定部135、選択受付部136、決済処理部137及び通知部138として機能させるプログラムを記憶する。
【0026】
記憶部12は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザのアバターとを関連付けて記憶する。また、記憶部12は、複数の仮想店舗それぞれを識別する店舗IDと、仮想店舗名と、仮想店舗に対応する実店舗に関する情報としての実店舗関連情報と、仮想空間に対応する仮想空間IDとを関連付けて店舗情報として記憶する。また、記憶部12は、仮想店舗の仮想空間に対応する仮想空間IDと、当該仮想空間を示す仮想店舗モデルとを関連付けて記憶する。
【0027】
図3は、店舗情報の一例を示す図である。図3に示すように、店舗情報において、店舗IDと、仮想店舗名と、実店舗関連情報と、仮想空間IDとが関連付けて記憶されていることが確認できる。実店舗関連情報は、例えば、実店舗が所在する場所に関する情報、実店舗の業種、実店舗が販売する商品又はサービスに対応する情報である。実店舗が所在する場所に関する情報は、例えば、実店舗の住所、実店舗が所在する国や地域を示す情報、及び、実店舗が所在する商店街やモール、モール内のエリア等の商業施設を示す情報の少なくともいずれかである。実店舗が販売する商品又はサービスに対応する情報は、例えば、実店舗が販売する商品等のカテゴリである。図3に示す例では、実店舗関連情報として、実店舗が所在するエリアと、実店舗が販売する商品等のカテゴリとが含まれていることが確認できる。
【0028】
仮想空間モデルは、例えば、仮想店舗に対応する実店舗の三次元スキャンを行うことにより生成される、実店舗と同じ空間構成を有する三次元空間情報である。なお、図3に示す例では、全ての仮想店舗が実店舗を有していることとしたが、これに限らず、実店舗を有していない仮想店舗が存在してもよい。この場合、実店舗を有していない仮想店舗の店舗IDには実店舗関連情報が関連付けられていなくてもよい。
【0029】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部131、仮想空間制御部132、購入要求取得部133、位置特定部134、受渡方法特定部135、選択受付部136、決済処理部137及び通知部138として機能する。
【0030】
[仮想空間の表示]
まず、仮想店舗の表示に係る処理について説明する。受付部131は、複数の仮想店舗を示す仮想店舗情報をユーザが使用するユーザ端末2に表示させ、複数の仮想店舗のいずれかの選択を受け付ける。仮想店舗は、実空間に存在する店舗である実店舗に対応する仮想空間上の店舗である。
【0031】
例えば、受付部131は、ユーザ端末2から選択受付画面の表示要求を受け付けると、複数の仮想店舗それぞれを示すオブジェクトを、複数の実店舗が所在する場所に関する情報に基づいて配置した選択受付画面を仮想店舗情報としてユーザ端末2に表示させる。具体的には、まず、受付部131は、ユーザ端末2から選択受付画面の表示要求を受け付ける。受付部131は、表示要求を受け付けると、記憶部12に記憶されている店舗情報を参照し、実店舗関連情報に含まれる実店舗が所在するエリアごとに仮想店舗名を配置した選択受付画面を生成し、生成した選択受付画面を仮想店舗情報としてユーザ端末2に表示させる。図4は、選択受付画面の一例を示す図である。選択受付画面には、エリアごとに仮想店舗名が表示されているとともに、「絞り込み」と表示され、エリアを絞り込むためのボタンが表示されていることが確認できる。
【0032】
受付部131は、選択受付画面における仮想店舗の絞り込み情報として、仮想店舗の名称、仮想店舗に対応するカテゴリ、仮想店舗に対応する実店舗の場所のうち、少なくともいずれかを受け付けることにより仮想店舗の絞り込みを行い、絞り込まれた仮想店舗を示す情報を選択受付画面に表示させる。
【0033】
なお、選択受付画面は、実店舗関連情報に含まれる実店舗が所在するエリアごとに仮想店舗名を配置したものであることとしたが、これに限らない。選択受付画面は、複数の実店舗が販売する商品又はサービスに対応する情報に基づいて配置した画面等の、複数の仮想店舗を複数の実店舗に関する情報に基づいて分類して表示した画面であってもよい。
【0034】
[仮想空間の表示]
続いて、仮想空間の表示に係る処理について説明する。まず、受付部131は、ユーザ端末2において仮想店舗の選択を受け付けると、ユーザ端末2から、仮想店舗を識別する店舗IDと、ユーザ端末2のユーザを識別するためのユーザIDとを取得する。
【0035】
仮想空間制御部132は、受付部131が選択を受け付けた仮想店舗に対応する仮想空間上のエリアであって、仮想店舗に対応する実店舗の内部空間を示すエリアをユーザ端末2に表示させるとともに、受付部131が取得したユーザIDに対応するアバターを当該エリアに表示させる。まず、仮想空間制御部132は、受付部131が仮想店舗の店舗IDと、ユーザ端末2のユーザIDとを取得すると、記憶部12に記憶されている店舗情報を参照し、店舗IDに関連付けられている仮想空間IDを特定する。
【0036】
記憶部12には、仮想空間IDに対して、当該仮想空間IDに関連付けられている仮想空間にアバターとして存在している他のユーザ、すなわち、現時点において仮想空間を表示させている端末のユーザのユーザIDと、当該ユーザIDに対応するアバターの当該仮想空間内における位置及び向きとが関連付けて記憶されている。仮想空間制御部132は、特定した仮想空間IDに関連付けられている他のユーザのユーザIDを特定するとともに、当該ユーザIDに対応する他のユーザのアバターの仮想空間内の位置及び向きを特定する。
【0037】
そして、仮想空間制御部132は、特定した仮想空間IDに関連付けられている仮想空間モデルが示す仮想空間に対し、特定した他のユーザのアバターの位置及び向きに基づいて当該アバターを配置する。また、仮想空間制御部132は、受付部131が取得したユーザIDに対応するアバターを当該エリアの所定位置に所定の向きで配置する。所定位置は、例えば、仮想空間に対して予め定められた仮想空間の入口に対応する位置であり、所定の向きは、例えば、当該入口に対応する位置から仮想空間の中心を視認する向きである。
【0038】
仮想空間制御部132は、受付部131が取得したユーザIDに対応するアバターに対応する位置(例えば、当該アバターの頭部後方の上部)に仮想カメラを設置し、当該仮想カメラから当該アバターが向いている方向を撮像して得られる仮想空間内のエリアを示す画像をユーザ端末2に表示させる。図5は、ユーザ端末2に仮想空間が表示された例を示す図である。図5に示すように、仮想店舗に対応するエリア内にユーザ端末2のアバターAが表示されていることが確認できる。
【0039】
仮想空間制御部132は、ユーザ端末2からアバターの移動操作を受け付けることにより、当該アバターと、当該アバターに対応する仮想カメラを移動させ、仮想カメラが撮像した仮想空間内のエリアを示す画像をユーザ端末2に表示させる。これにより、情報処理装置1は、ユーザによるアバターの移動操作に応じて、ユーザ端末2に表示させる仮想空間内のエリアの表示領域を変化させることができる。
【0040】
また、仮想空間制御部132は、特定した仮想空間IDに関連付けられている仮想空間を既に表示させている端末に対し、受付部131が取得したユーザIDに関連付けられているアバターを表示させる。例えば、特定した仮想空間IDに関連付けられている仮想空間モデルが示す仮想空間を既に表示させている端末は店舗端末3であり、仮想空間制御部132は、店舗端末3に表示されている仮想空間に対し、受付部131が取得したユーザIDに対応するアバターを表示させる。これにより、店舗端末3を使用する仮想店舗の店員は、ユーザに対応するアバターが仮想店舗の仮想空間に表示されたことを確認し、ユーザに対して接客を開始することができる。
【0041】
[商品の購入に係る処理]
続いて、ユーザによる商品の購入に係る処理について説明する。仮想空間制御部132は、ユーザ端末2から、仮想店舗の仮想空間内に設けられており、仮想店舗で販売されている商品アバターの選択を受け付けると、商品に関する情報を含む商品画面をユーザ端末2に表示させる。商品に関する情報は、例えば、商品の画像、サイズ、説明文、価格である。ユーザ端末2は、商品画面において商品を、ユーザが購入を希望する商品をまとめるための仮想カートに入れる操作を受け付けることにより、ユーザが購入する商品の選択を受け付ける。選択された商品は、仮想カートに格納される。
【0042】
そして、ユーザ端末2は、選択された商品の購入操作を受け付けることにより、選択された商品、すなわち仮想カートに格納された商品の購入要求を情報処理装置1に送信する。購入要求取得部133は、選択された商品の購入要求をユーザ端末2から取得する。購入要求には、商品を販売する店舗の店舗IDと、商品の商品IDと、ユーザIDとが含まれている。
【0043】
本実施の形態において、ユーザ端末2は、複数の仮想店舗それぞれで販売されている商品のユーザへの配送をまとめて行うことを可能とするために、複数の仮想店舗それぞれで販売されている商品の購入要求をまとめて情報処理装置1に送信することができる。例えば、ユーザ端末2は、仮想空間上に設けられている第1仮想店舗で販売されている第1商品が選択されているとともに、仮想空間上に設けられている第2仮想店舗で販売されている第2商品が選択されている場合に、選択された商品の購入操作を受け付けると、第1商品の購入要求と、第2商品の購入要求とを情報処理装置1に送信する。購入要求取得部133は、第1商品の購入要求と、第2商品の購入要求とをユーザ端末2から一度に取得する。
【0044】
位置特定部134は、購入要求取得部133が第1商品の購入要求と第2商品の購入要求とを取得した場合、第1仮想店舗に対応して実際に存在する第1実店舗が存在するとともに、第2仮想店舗に対応して実際に存在する第2実店舗が存在する場合、第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とを特定する。例えば、まず、位置特定部134は、購入要求取得部133が第1商品の購入要求と第2商品の購入要求とを取得した場合、第1商品の購入要求に含まれる店舗IDと、第2商品の購入要求に含まれる店舗IDとを特定する。
【0045】
続いて、位置特定部134は、記憶部12に記憶されている店舗情報を参照し、特定した店舗IDに実店舗関連情報が関連付けられているか否かを判定することにより、特定した店舗IDが示す仮想店舗に対応する実店舗が存在するか否かを判定する。そして、位置特定部134は、第1仮想店舗に対応する第1実店舗が存在するとともに、第2仮想店舗に対応する第2実店舗が存在すると判定すると、実店舗関連情報に基づいて第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とを特定する。例えば、位置特定部134は、実店舗関連情報に含まれる住所又はエリアを特定することにより、第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とを特定する。
【0046】
受渡方法特定部135は、購入要求を送信したユーザ端末2のユーザに提示する、当該購入要求に対応する商品の受け渡し方法を特定する。受渡方法特定部135は、購入要求取得部133が、第1商品の購入要求と、第2商品の購入要求とをユーザ端末2から一度に取得した場合、ユーザに提示する第1商品と第2商品との受渡方法を特定する。
【0047】
具体的には、受渡方法特定部135は、位置特定部134が特定した第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とが、第1実店舗と第2実店舗とが近接していることを示す場合に、ユーザが選択可能な第1商品と第2商品との受渡方法を、第1商品と第2商品とをまとめて配送することにより受け渡す所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定する。
【0048】
例えば、受渡方法特定部135は、第1実店舗の位置を示す住所と第2実店舗の位置を示す住所とに基づく第1実店舗と第2実店舗の距離が所定距離以内である場合、又は第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とが所定のエリア内の位置である場合に、第1実店舗と第2実店舗とが近接していると判定する。受渡方法特定部135は、第1実店舗と第2実店舗とが近接していると判定すると、ユーザが選択可能な第1商品と第2商品との受渡方法を、所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定する。
【0049】
また、受渡方法特定部135は、所定受渡方法とは異なる、ユーザが選択可能な第1商品と第2商品との受渡方法として、第1商品と第2商品とを別々に配送する個別受渡方法と、第1商品と第2商品とを店舗においてユーザに直接受け渡す直接受渡方法とを特定する。
【0050】
なお、受渡方法特定部135は、第1実店舗と第2実店舗の距離が所定距離以内である場合、又は第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とが所定のエリア内の位置である場合に、第1実店舗と第2実店舗とが近接していると判定したが、これに限らない。例えば、実店舗関連情報には、実店舗が所在する施設の名称や実店舗の位置に対応する配送業者の集配エリアが含まれていてもよい。そして、受渡方法特定部135は、第1実店舗が所在する施設と、第2実店舗が所在する施設とが同じである場合、又は第1実店舗に対応する集配エリアと第2実店舗に対応する集配エリアとが同じである場合に、第1実店舗と第2実店舗とが近接していると判定してもよい。
【0051】
受渡方法特定部135は、ユーザが選択可能な第1商品と第2商品との受渡方法を特定する場合に、第1実店舗における第1商品の在庫と、第2実店舗における第2商品の在庫とを特定してもよい。この場合、第1実店舗において販売されている商品の商品IDと、当該商品の在庫とを関連付けて記憶し、商品の在庫を管理する第1外部装置と、第2実店舗において販売されている商品の商品IDと、当該商品の在庫とを関連付けて記憶し、商品の在庫を管理する第2外部装置とが存在するものとする。受渡方法特定部135は、第1外部装置と第2外部装置とにアクセスし、第1実店舗における第1商品の在庫と、第2実店舗における第2商品の在庫とを特定する。
【0052】
そして、受渡方法特定部135は、第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とが近接条件を満たし、第1実店舗と第2実店舗とが近接していることを示すとともに、第1商品及び第2商品の在庫がある場合に、ユーザが選択可能な受渡方法に、所定受渡方法を含める。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザが所定受渡方法を選択した場合に、第1商品と第2商品とを速やかに配送させることができる。
【0053】
また、受渡方法特定部135は、第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とが、第1実店舗と第2実店舗とが近接していることを示す場合において、第1商品及び第2商品のいずれかの在庫がない場合に、在庫がない商品を第1実店舗又は第2実店舗が入手する期間を推定してもよい。
【0054】
例えば、受渡方法特定部135は、第1商品の在庫がない場合には、第1実店舗において販売されている商品を管理する第1外部装置に、第1商品を第1実店舗が入手する日時を問い合わせることにより、第1商品を第1実店舗が入手する期間である商品取寄期間を推定する。同様に、受渡方法特定部135は、第2商品の在庫がない場合には、第2実店舗において販売されている商品を管理する第2外部装置に、第2商品を第2実店舗が入手する日時を問い合わせることにより、第2商品を第2実店舗が入手する期間である商品取寄期間を推定する。
【0055】
また、受渡方法特定部135は、第1商品の在庫がない場合には、第1実店舗の系列店であって、第1実店舗から所定距離以内に存在する系列店舗における第1商品の在庫状況に基づいて、第1商品の商品取寄期間を推定してもよい。同様に、受渡方法特定部135は、第2商品の在庫がない場合に、第2実店舗から所定距離以内に存在する系列店舗における第2商品の在庫状況に基づいて、第2商品の商品取寄期間を推定してもよい。
【0056】
また、受渡方法特定部135は、商品の購入要求に含まれているユーザIDに基づいて、ユーザが予め指定する商品の配送先を特定する。例えば、記憶部12には、ユーザのユーザIDと、当該ユーザの住所、氏名を含む商品の配送先を示す配送先情報とが予め関連付けて記憶されている。受渡方法特定部135は、記憶部12を参照し、商品の購入要求に含まれているユーザIDに関連付けられている配送先情報を特定する。受渡方法特定部135は、第1実店舗及び第2実店舗の位置と、特定した配送先情報が示す配送先の住所とに基づいて、第1商品及び第2商品の配送が開始されてから、第1商品及び第2商品がユーザに到着するまでの期間である商品配送期間を推定する。
【0057】
また、受渡方法特定部135は、第1実店舗及び第2実店舗の位置と、特定した配送先情報が示す配送先の住所とに基づいて、所定受渡方法に係る料金を特定する。例えば、受渡方法特定部135は、第1実店舗及び第2実店舗の位置と、特定した配送先情報が示す配送先の住所が示す位置との距離を算出し、算出した距離に基づいて所定受渡方法に係る料金を特定する。
【0058】
そして、受渡方法特定部135は、推定した商品取寄期間と商品配送期間とに基づいて、所定受渡方法により第1商品及び第2商品をユーザに受け渡す場合に、第1商品及び第2商品がユーザに配送される配送予定日を特定する。このようにすることで、情報処理装置1は、所定受渡方法を選択した場合に第1商品及び第2商品がユーザに配送される配送予定日をユーザに把握させることができる。
【0059】
また、受渡方法特定部135は、位置特定部134が特定した第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とが、第1実店舗と第2実店舗とが近接していないことを示す場合に、ユーザが選択可能な第1商品と第2商品との受渡方法として、第1商品と第2商品とを別々に配送する個別受渡方法と、第1商品と第2商品とを店舗においてユーザに直接受け渡す直接受渡方法とを特定する。
【0060】
選択受付部136は、受渡方法特定部135が特定した一以上の受渡方法をユーザ端末2に提示するとともに、受渡方法特定部135が特定した所定受渡方法に対応する配送予定日及び所定受渡方法に係る料金をユーザ端末2に提示する。例えば、選択受付部136は、受渡方法特定部135が特定した一以上の受渡方法の選択及び支払手段の選択を受け付けるとともに商品の購入の確定を受け付ける確認画面を生成し、生成した確認画面をユーザ端末2に表示させる。
【0061】
図6は、確認画面の一例を示す図である。図6に示す例では、ユーザが第1店舗としての店舗Aにおいて販売されている商品Xと、第2店舗としての店舗Bにおいて販売されている商品Yとを購入し、商品の受渡方法として、「まとめて配送」と表示され、商品Xと商品Yとをまとめて配送する所定受渡方法が選択可能に表示されていることが確認できる。また、所定受渡方法の料金と、2つの商品の配送予定日とが表示されていることが確認できる。
【0062】
選択受付部136は、図6に示す確認画面を介して、ユーザ端末2から、ユーザに提示した一以上の受渡方法のうち、いずれかの受渡方法の選択と、支払手段の選択とを受け付ける。なお、図6に示す確認画面には、支払手段としてクレジットカード決済が示されているが、クレジットカード決済の他に、電子マネー決済、キャリア決済及びコード決済の少なくともいずれかが含まれていてもよい。選択受付部136は、図6に示す確認画面において「注文を確定する」と表示され、商品の購入を確定させる確定ボタンが押下されると、注文の確定を受け付ける。
【0063】
決済処理部137は、選択受付部136が、注文の確定を受け付けると決済処理を行う。決済処理部137は、例えば、支払い手段として、クレジットカード決済の選択を受け付けた場合、クレジットカード会社に、ユーザにより指定されたクレジットカードの決済要求を送信することにより支払処理を実行する。
【0064】
また、決済処理部137は、購入要求に含まれている店舗IDで特定される第1仮想店舗の口座に、第1商品に対応する金額を入金する処理を実行するとともに、購入要求に含まれている店舗IDで特定される第2仮想店舗の口座に、第2商品に対応する金額を入金する処理を実行する。また、決済処理部137は、第1商品及び第2商品の受渡方法として、所定受渡方法又は個別受渡方法が選択された場合、選択された受渡方法に対応する料金を、配送業者の口座に入金する処理を実行する。
【0065】
なお、決済処理部137は、仮想店舗の口座に商品の金額を入金する場合、及び配送業者の口座に配送料金を入金する場合に、これらの金額から、情報処理装置1を運用する事業者に支払う手数料を差し引き、手数料が差し引かれた後の金額を、仮想店舗の口座及び配送業者の口座に入金してもよい。また、決済処理部137は、所定時間(例えば1カ月)おきに、所定期間(例えば1カ月間)において店舗が受け取る金額を合計し、店舗受取金額の合計額を、店舗IDで特定される店舗の口座にまとめて入金するようにしてもよい。同様に、決済処理部137は、配送業者に対しても、所定期間において配送業者が受け取る金額をまとめて入金するようにしてもよい。
【0066】
通知部138は、選択受付部136が受け付けた受渡方法が商品を配送することにより受け渡す方法である場合に、当該受け渡し方法を、商品の配送を行う配送業者に通知する。具体的には、通知部138は、選択受付部136が受け付けた受渡方法が所定受渡方法又は個別受渡方法である場合、受け付けた受渡方法と、ユーザの配送先情報と、商品の配送元である第1実店舗及び第2実店舗を示す情報とを配送業者に通知する。また、通知部138は、第1商品が購入されたことを第1実店舗の店舗端末に通知し、第2商品が購入されたことを第2実店舗の店舗端末に通知する。
【0067】
通知部138は、選択受付部136が第1商品又は第2商品の在庫がないと判定した場合、選択受付部136により推定された第1商品又は第2商品の商品取寄期間に基づいて、配送業者が第1実店舗及び第2実店舗から荷物(第1商品及び第2商品)を引き取る引取日を特定し、当該引取日を配送業者に通知してもよい。
【0068】
なお、上述の説明では、配送業者が第1実店舗と第2実店舗とに訪問し、第1商品及び第2商品を引き取ることとしたが、これに限らない。例えば、店舗側において商品を配送業者の店舗に配送する配送ロボットが設けられている場合、配送業者に商品の引取日を通知しなくてもよい。この場合、通知部138は、第1商品及び第2商品を第1実店舗及び第2実店舗から配送業者の店舗に配送するための配送情報を、商品の配送を行う配送ロボットを管理する装置に通知してもよい。この場合、配送情報には、第1実店舗を示す情報と、第1商品を配送業者に配送する配送日である第1配送日と、第2実店舗を示す情報と、第2商品を配送業者に配送する配送日である第2配送日とが含まれる。
【0069】
[変形例1]
上述の実施の形態では、受渡方法特定部135は、購入要求取得部133が第1商品の購入要求と第2商品の購入要求とをユーザ端末2から一度に取得した場合に、ユーザに提示する第1商品と第2商品との受渡方法に、第1商品と第2商品とをまとめて配送することにより受け渡す所定受渡方法を含めることとしたが、これに限らない。受渡方法特定部135は、購入要求取得部133が第1商品の購入要求と第2商品の購入要求とをユーザ端末2から所定時間内(例えば10分以内)に取得した場合に、ユーザに提示する第1商品と第2商品との受渡方法に所定受渡方法を含めるようにしてもよい。
【0070】
[変形例2]
また、情報処理装置1は、選択受付部136がユーザ端末2から所定受渡方法の選択を受け付けた場合に、ユーザに特典を付与する特典付与部を有してもよい。特典は、例えば、第1仮想店舗や第2仮想店舗で使用可能なポイントやクーポン等である。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザが自身に特典が付与されることを所望して所定受渡方法を選択する確率を高めることができるので、所定受渡方法が利用されることを促進することができる。
【0071】
[変形例3]
また、情報処理装置1は、第1仮想店舗において販売される第1商品の購入要求と、第2仮想店舗とにおいて販売される第2商品の購入要求とを受け付けたことに応じて、第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とを特定し、第1実店舗と第2実店舗とが近接しているかを判定したが、これに限らない。受付部131は、提示部として機能し、仮想空間上に設けられており、実店舗が存在する複数の仮想店舗であって、複数の仮想店舗それぞれで購入した複数の商品をまとめて受渡可能な複数の仮想店舗を示す情報を、購入要求取得部133が購入要求を取得する前にユーザ端末2に通知してもよい。
【0072】
この場合、記憶部12に、例えば、商品をまとめて配送可能な複数の仮想店舗の店舗IDを示す共同配送可能情報を記憶させておく。そして、受付部131は、ユーザ端末2から、商品をまとめて配送可能な複数の仮想店舗を示す選択受付画面を表示させる表示操作を受け付けると、共同配送可能情報に基づいて、商品をまとめて配送可能な複数の仮想店舗をまとめた選択受付画面をユーザ端末2に表示させるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザは、商品をまとめて配送可能な複数の仮想店舗を把握して商品の購入を進めることができる。
【0073】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、仮想空間上に設けられている第1仮想店舗において販売される第1商品の購入要求と、第2仮想店舗とにおいて販売される第2商品の購入要求とをユーザ端末2から取得し、第1仮想店舗に対応して実際に存在する第1実店舗が存在するとともに、第2仮想店舗に対応して実際に存在する第2実店舗が存在する場合、第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とを特定する。そして、情報処理装置1は、特定した第1実店舗の位置と第2実店舗の位置とが、第1実店舗と第2実店舗とが近接していることを示す場合に、ユーザが選択可能な第1商品と第2商品との受渡方法を、第1商品と第2商品とをまとめて配送することにより受け渡す所定受渡方法を含む一以上の受渡方法に特定し、特定した一以上の受渡方法をユーザ端末2に提示し、当該一以上の受渡方法のいずれかの選択をユーザ端末2から受け付ける。このようにすることで、情報処理装置1は、実際に近接する複数の店舗に対応する複数の仮想店舗において購入した商品をまとめて配送可能にすることができる。
【0074】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0075】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0076】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 仮想空間制御部
133 購入要求取得部
134 位置特定部
135 受渡方法特定部
136 選択受付部
137 決済処理部
138 通知部
2 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6