(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171421
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】罠情報共有支援装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241205BHJP
A01K 29/00 20060101ALI20241205BHJP
A01M 23/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/10
A01K29/00 A
A01M23/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088405
(22)【出願日】2023-05-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】523202233
【氏名又は名称】合同会社040
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】池谷 成人
【テーマコード(参考)】
2B121
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2B121AA01
2B121BA58
2B121EA21
2B121FA15
2B121FA20
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】他のユーザの意図しない罠への接近の抑制が可能でありながらも、特定のユーザのみに罠の設置位置を把握させ得る罠情報共有支援装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】罠情報共有支援装置1は、動物を捕獲する罠7の位置情報の取得レベルとして設置位置情報を取得可能な第1取得レベルと該第1取得レベルよりも制限された所定の情報を取得可能な第2取得レベルとを含む複数の取得レベルのうちからユーザ毎に設定された取得レベル及び前記罠の位置情報を記憶し、前記ユーザがそれぞれに所持するユーザ端末3に、前記取得レベルに応じた情報を送信する制御部6aを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物を捕獲する罠の位置情報の取得レベルとして設置位置情報を取得可能な第1取得レベルと該第1取得レベルよりも制限された所定の情報を取得可能な第2取得レベルとを含む複数の取得レベルのうちからユーザ毎に設定された取得レベル及び前記罠の位置情報を記憶し、前記ユーザがそれぞれに所持するユーザ端末に、前記取得レベルに応じた情報を送信する制御部を備えていることを特徴とする罠情報共有支援装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御部は、前記第1取得レベルのユーザが所持するユーザ端末の位置情報を取得し、該ユーザ端末の位置と前記罠の設置位置とを該ユーザ端末の表示部において表示させる情報を送信することを特徴とする罠情報共有支援装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記制御部は、前記第2取得レベルのユーザが所持するユーザ端末の位置情報を取得し、該ユーザ端末の位置と前記所定の情報を構成する前記罠の設置位置を含んだ所定範囲とを該ユーザ端末の表示部において表示させる情報を送信することを特徴とする罠情報共有支援装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記制御部は、前記第2取得レベルのユーザが所持するユーザ端末の位置情報を取得し、該ユーザ端末が前記罠の設置位置を含んだ所定範囲内であれば、前記所定の情報を構成する、該ユーザ端末に警告動作させる情報を送信することを特徴とする罠情報共有支援装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記制御部は、前記罠の位置情報を発信する罠発信機の電源部の残量低下を検知する電源検知部からの残量低下情報を、予め設定されたユーザ端末に送信することを特徴とする罠情報共有支援装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記制御部は、前記罠の状態を検知する罠状態検知部からの罠状態情報を、予め設定されたユーザ端末に送信することを特徴とする罠情報共有支援装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記第1取得レベルのユーザが所持するユーザ端末から入力された前記罠の見回り情報が読み出し可能に記憶されることを特徴とする罠情報共有支援装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記制御部は、猟犬に装着された猟犬発信機の位置情報及び予め設定されたユーザ端末の位置情報を取得し、該ユーザ端末の位置と前記猟犬発信機の位置とを該ユーザ端末の表示部において表示させる情報を送信することを特徴とする罠情報共有支援装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記制御部は、猟犬に装着された猟犬発信機の位置情報を取得し、該猟犬発信機が前記罠の設置位置を含んだ所定範囲内であれば、予め設定されたユーザ端末に警告動作させる情報を送信することを特徴とする罠情報共有支援装置。
【請求項10】
動物を捕獲する罠の位置情報の取得レベルとして設置位置情報を取得可能な第1取得レベルと該第1取得レベルよりも制限された所定の情報を取得可能な第2取得レベルとを含む複数の取得レベルのうちからユーザ毎に設定された取得レベル及び前記罠の位置情報を記憶する処理と、前記ユーザがそれぞれに所持するユーザ端末に前記取得レベルに応じた情報を送信する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、罠情報共有支援装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、有害動物等の動物を狩猟する方法としては、罠猟が知られている。このような罠猟においては、見回り等の際の作業負担を軽減するためや、他の狩猟者の罠への不用意な接近等を防止する観点等から罠の設置位置を把握することが望まれる。
例えば、下記特許文献1には、複数の狩猟者から送信される全てのワナの設置位置情報を情報管理局において記憶し、複数の狩猟者が所持する個々の通信端末機器の表示器において現在地周辺のワナの設置位置を表示する管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された管理システムにおいては、全てのワナの設置位置が各狩猟者の通信端末機器において把握可能となる。そのため、ワナの正確な設置位置を知られたくないような他の狩猟者にもワナの設置位置を知られてしまう。
【0005】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、他のユーザの意図しない罠への接近の抑制が可能でありながらも、特定のユーザのみに罠の設置位置を把握させ得る罠情報共有支援装置及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の罠情報共有支援装置は、動物を捕獲する罠の位置情報の取得レベルとして設置位置情報を取得可能な第1取得レベルと該第1取得レベルよりも制限された所定の情報を取得可能な第2取得レベルとを含む複数の取得レベルのうちからユーザ毎に設定された取得レベル及び前記罠の位置情報を記憶し、前記ユーザがそれぞれに所持するユーザ端末に、前記取得レベルに応じた情報を送信する制御部を備えていることを特徴とする。
【0007】
上記罠情報共有支援装置において、前記制御部は、前記第1取得レベルのユーザが所持するユーザ端末の位置情報を取得し、該ユーザ端末の位置と前記罠の設置位置とを該ユーザ端末の表示部において表示させる情報を送信してもよい。
【0008】
また、上記罠情報共有支援装置において、前記制御部は、前記第2取得レベルのユーザが所持するユーザ端末の位置情報を取得し、該ユーザ端末の位置と前記所定の情報を構成する前記罠の設置位置を含んだ所定範囲とを該ユーザ端末の表示部において表示させる情報を送信してもよい。
【0009】
また、上記罠情報共有支援装置において、前記制御部は、前記第2取得レベルのユーザが所持するユーザ端末の位置情報を取得し、該ユーザ端末が前記罠の設置位置を含んだ所定範囲内であれば、前記所定の情報を構成する、該ユーザ端末に警告動作させる情報を送信してもよい。
【0010】
また、上記罠情報共有支援装置において、前記制御部は、前記罠の位置情報を発信する罠発信機の電源部の残量低下を検知する電源検知部からの残量低下情報を、予め設定されたユーザ端末に送信してもよい。
【0011】
また、上記罠情報共有支援装置において、前記罠の状態を検知する罠状態検知部を備えており、前記制御部は、前記罠の状態を検知する罠状態検知部からの罠状態情報を、予め設定されたユーザ端末に送信してもよい。
【0012】
また、上記罠情報共有支援装置において、前記第1取得レベルのユーザが所持するユーザ端末から入力された前記罠の見回り情報が読み出し可能に記憶されてもよい。
【0013】
また、上記罠情報共有支援装置において、前記制御部は、猟犬に装着された猟犬発信機の位置情報及び予め設定されたユーザ端末の位置情報を取得し、該ユーザ端末の位置と前記猟犬発信機の位置とを該ユーザ端末の表示部において表示させる情報を送信してもよい。
【0014】
また、上記罠情報共有支援装置において、前記制御部は、猟犬に装着された猟犬発信機の位置情報を取得し、該猟犬発信機が前記罠の設置位置を含んだ所定範囲内であれば、予め設定されたユーザ端末に警告動作させる情報を送信してもよい。
【0015】
上記目的を達成するために、本開示のプログラムは、動物を捕獲する罠の位置情報の取得レベルとして設置位置情報を取得可能な第1取得レベルと該第1取得レベルよりも制限された所定の情報を取得可能な第2取得レベルとを含む複数の取得レベルのうちからユーザ毎に設定された取得レベル及び前記罠の位置情報を記憶する処理と、前記ユーザがそれぞれに所持するユーザ端末に前記取得レベルに応じた情報を送信する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本開示の罠情報共有支援装置及びプログラムは、上述した構成とされているため、他のユーザの意図しない罠への接近の抑制が可能でありながらも、特定のユーザのみに罠の設置位置を把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の一実施形態における罠情報共有支援装置を含むシステムの構成図の一例を模式的に示す図である。
【
図2】(a)は、同罠情報共有支援装置を構成するサーバの一例を模式的に示すブロック図、(b)は、同罠情報共有支援装置に接続されるユーザ端末の一例を模式的に示すブロック図、(c)は、同罠情報共有支援装置に接続される罠端末の一例を模式的に示すブロック図である。
【
図3】(a)は、同罠情報共有支援装置を利用する際の初期登録の一例を模式的に示すフローチャート、(b)~(d)は、同初期登録によって登録されるデータの一例を模式的に示す図である。
【
図4】(a)は、同罠情報共有支援装置において実行される処理の一例を模式的に示すフローチャート、(b)は、同ユーザ端末の表示部の一例を模式的に示す図である。
【
図5】(a)は、同罠情報共有支援装置において実行される処理の一例を模式的に示すフローチャート、(b)は、同ユーザ端末の表示部の一例を模式的に示す図である。
【
図6】(a)は、同罠情報共有支援装置に接続される猟犬発信機の一例を模式的に示すブロック図、(b)は、同ユーザ端末の表示部の一例を模式的に示す図である。
【
図7】(a)、(b)は、同罠情報共有支援装置において実行される処理の一例を模式的に示すフローチャートである。
【
図8】(a)、(b)は、同ユーザ端末の表示部の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態の罠情報共有支援装置1(以下「共有支援装置1」という。)は、動物を捕獲する罠7の位置情報の取得レベルとして設置位置情報を取得可能な第1取得レベルと第1取得レベルよりも制限された所定の情報を取得可能な第2取得レベルとを含む複数の取得レベルのうちからユーザ毎に設定された取得レベル及び罠7の位置情報を記憶する制御部(6a)を備えている。制御部(6a)は、ユーザがそれぞれに所持するユーザ端末3に、取得レベルに応じた情報を送信する。
本実施形態のプログラム(罠情報共有支援プログラム)は、第1取得レベルと第2取得レベルとを含む複数の取得レベルのうちからユーザ毎に設定された取得レベル及び罠7の位置情報を記憶する処理をコンピュータ(1)に実行させる。また、罠情報共有支援プログラムは、ユーザがそれぞれに所持するユーザ端末3に取得レベルに応じた情報を送信する処理をコンピュータ(1)に実行させる。本実施形態では、この罠情報共有支援プログラムを、コンピュータを構成する共有支援装置1を用いて実行させる例を示している。
【0019】
罠情報共有支援プログラムを利用するユーザとしては狩猟者、特に罠猟や猟犬を伴って銃猟を行う狩猟者等が想定される。上記のような罠情報共有支援プログラムを利用する第1取得レベルのユーザが所持するユーザ端末3においては、罠7の位置情報として設置位置情報を取得することができる。これにより、罠7の見回り時等において、山林や山野等で罠7を発見し難いような場合にも容易に罠7を発見することができ、罠7の見回り時における作業負担を軽減することができる。第1取得レベルのユーザとしては罠7の設置者の他に共同作業者等についても第1取得レベルに設定されることで、罠7の位置情報を共有することができ、罠7の設置者以外の共同作業者に罠7の見回り作業等を依頼することも可能となる。罠7としては、ワイヤー等で環状に構成されて動物の足を締め付けて捕獲するくくり罠や、箱状の檻内に動物が侵入すると扉を閉じて捕獲する箱罠等であってもよく、罠7の種類は特に限定されることはない。
【0020】
また、罠情報共有支援プログラムを利用する第2取得レベルのユーザが所持するユーザ端末3においては、罠7の位置情報として第1取得レベルよりも制限された所定の情報を取得することができる。これにより、第2取得レベルのユーザが所持するユーザ端末3には、罠7の正確な設置位置が送信されることはないが、第1取得レベルよりも制限された所定の情報が送信されるので、第2取得レベルのユーザの意図しない罠7への接近等を抑制することができる。第2取得レベルのユーザとしては、共同作業者以外の狩猟者である他のグループの狩猟者や罠7が設置される猟区の近隣に住む住民等であってもよい。また、罠情報共有支援プログラムを利用するユーザのうち、各罠7に対して第1取得レベルに設定されたユーザ以外のユーザについては、第2取得レベルに設定されてもよい。
【0021】
制御部(6a)は、第1取得レベルのユーザが所持するユーザ端末3の位置情報を取得し、そのユーザ端末3の位置と罠7の設置位置とをユーザ端末3の表示部3fにおいて表示させる情報を送信する構成であってもよい。このような構成であれば、罠7に対して第1取得レベルに設定されたユーザが所持するユーザ端末3の表示部3fに、ユーザ端末3の位置と、その罠7の設置位置と、を表示させることができる。ユーザは、自身の位置と罠7の設置位置とを視覚的に把握することができ、罠7の見回り時における作業負担をより軽減することができる。表示部3fに表示されるユーザ端末3の位置及び罠7の設置位置としては、特に限定されることはなく、例えば住所や緯度・経度等の文字情報として表示されるものであってもよい。また、ユーザ端末3の表示部3fに地
図30が表示されるものであれば、表示された地
図30上にユーザ端末3の位置と罠7の設置位置とが示されるものであってもよい。
【0022】
罠7に対して第2取得レベルに設定されたユーザが取得可能な所定の情報としては、例えば、ユーザ端末3の位置と所定の情報を構成する罠7の設置位置を含んだ所定範囲とをユーザ端末3の表示部3fにおいて表示させる情報であってもよい。制御部(6a)は、第2取得レベルのユーザが所持するユーザ端末3の位置情報を取得し、ユーザ端末3の位置と所定の情報を構成する罠7の設置位置を含んだ所定範囲とをユーザ端末3の表示部3fにおいて表示させる情報を送信してもよい。このような構成であれば、罠7に対して第2取得レベルに設定されたユーザが所持するユーザ端末3の表示部3fに、ユーザ端末3の位置と、その罠7の設置位置を含んだ所定範囲と、を表示させることができ、罠7が設置されたエリアへの立ち入りを効果的に抑制することができる。また、罠7の設置位置を含んだ所定範囲は、表示部3fに表示された地
図30上に表示されるものであってもよい。例えば、表示部3fに表示された地
図30上に所定範囲を表す円等が示されていれば、ユーザはその範囲内に罠7が設置されていることを把握できるので、そのエリアを避けて行動することができる。
【0023】
共有支援装置1の具体例について説明する。
図1は、本実施形態に係る共有支援装置1を含むシステムの構成を示す図である。
図1に示すように、共有支援装置1は、通信ネットワーク2を介して、ユーザ端末3等と通信を行うことが可能となっている。通信ネットワーク2としては、インターネット等の公衆のネットワークやローカルネットワーク等であってもよい。ユーザ端末3等は、通信事業者の基地局を介して通信ネットワーク2に接続されるものであってもよく、この基地局に対してセルラー方式やLPWA(Low Power Wide Area)等の無線通信の通信規格で接続されてもよく、その他の通信規格で接続されてもよい。また、無線通信の電波が届きにくい地域では、罠情報共有支援プログラム提供事業者またはユーザによって設置されたゲートウェイ機器を介して通信ネットワーク2に接続されてもよい。共有支援装置1としては、例えば、コンピュータ等の情報処理装置によって構成されたサーバ6であってもよい。サーバ6は、単一のハードウェアで構成されてもよく、複数のハードウェアによって構成されてもよい。本実施形態では、共有支援装置1はサーバ6によって構成されているものとして説明する。
【0024】
サーバ6は、
図2(a)に示すように、共有支援装置1の制御部(6a)を構成するサーバ制御部6aを備えている。サーバ制御部6aは、CPUやMPU等の種々のプロセッサを含んで構成されてもよい。また、サーバ制御部6aは、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)等の不揮発性のメモリによって構成されたサーバ側記憶部6bと、通信ネットワーク2と通信可能に接続するサーバ側通信部6cと、を備えていてもよい。サーバ制御部6aは、サーバ側記憶部6bに記憶されている罠情報共有支援プログラムを含む各種プログラム及び各種データに基づいてサーバ6全体を制御して、各種処理の実行が可能なものであってもよい。また、サーバ側通信部6cは、有線接続により通信ネットワーク2と通信可能とされていてもよい。サーバ側通信部6cが受信したデータは、サーバ側記憶部6bに記憶されるものであってもよい。また、サーバ側記憶部6bやサーバ側通信部6cは、サーバ制御部6aを備えているハードウェアとは別のハードウェアが備えているものであってもよい。本実施形態の共有支援装置1は、サーバ側記憶部6bにユーザや罠7等の各種情報が記憶されることで、各種情報を登録することができる。
【0025】
共有支援装置1と通信を行うユーザ端末3としては、例えば通信事業者の基地局や無線LANルータ(Local Area Network)に代表されるアクセスポイント、上記したゲートウェイ機器等を介して通信ネットワーク2と無線通信が可能な携帯情報端末(スマートフォン端末等)であってもよい。また、ユーザ端末3は、通信ネットワーク2を介して共有支援装置1と通信できるものであれば、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末等であってもよい。
【0026】
図2(b)に示すように、ユーザ端末3は、端末全体を制御する端末制御部3aを備えている。端末制御部3aは、サーバ制御部6aと同様の種々のプロセッサを含んで構成されるものであってもよい。また、ユーザ端末3は、自身の位置情報を取得する端末側位置情報取得部3bを備えていてもよい。端末側位置情報取得部3bとしては、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信することで測位するものであってもよい。なお、端末側位置情報取得部3bとしては、GPS衛星からの信号のみでユーザ端末3の位置を測位するものに限定されることはない。例えば、GPS衛星からの信号とユーザ端末3に搭載されている移動距離及び移動方向を検出可能なセンサの情報とを組み合わせて位置情報が取得できるものであってもよい。このような構成とすれば、GPS衛星からの信号が受信できない場所であっても、最後にGPS信号を受信した位置からのユーザ端末3の移動距離及び移動方向をセンサが検出して、ユーザ端末3の現在位置を端末制御部3aが推測することが可能となる。また、端末側位置情報取得部3bは、GPS衛星からの信号を用いないものであってもよい。また、端末側位置情報取得部3bは、ユーザ端末3に内蔵されているものであってもよく、外付けのアンテナ等によって構成されてもよい。
【0027】
端末側位置情報取得部3bが取得した位置情報は、通信ネットワーク2を介して共有支援装置1と相互に通信可能な端末側通信部3cによって送信される。なお、ユーザ端末3がパーソナルコンピュータ等の通信ネットワーク2に対して有線接続可能なものであれば、端末側通信部3cは有線接続によって通信ネットワーク2を介して共有支援装置1と通信するものであってもよい。また、ユーザ端末3は、各種データを記憶する端末側記憶部3dを備えているものであってもよい。端末側記憶部3dは、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ等によって構成され、各種プログラムや各種データ等を記憶することができる。なお、端末側記憶部3dは、ユーザ端末3に内蔵されているものではなく、ユーザ端末3に外付けされる記憶媒体であってもよい。また、ユーザ端末3は、情報を入力するためのボタンやキーボード等を含む操作部3eを備えているものであってもよい。また、所謂タッチパネルとして構成された表示部3fが操作部3eとして機能するものであってもよい。
【0028】
共有支援装置1は、罠7が備える罠発信機が発信した位置情報を受信し、その位置情報を罠7の設置位置情報として自動的に登録するものであってもよい。このような罠発信機としては、
図1に示すように、通信ネットワーク2を介して共有支援装置1に接続可能な罠端末4であってもよい。罠端末4は、罠7に外付けされるものであってもよく、罠7に内蔵されているものであってもよい。また、罠端末4は、罠7の作動の際の衝撃や捕獲された動物が暴れる等によって破損することを抑制するために罠7から一定距離離れた位置に設けられるものであってもよく、例えば、設置された罠7に近接する樹木等に設置されるものであってもよい。
【0029】
罠端末4は、
図2(c)に示すように、罠側通信部4bによって罠側位置情報取得部4cが取得した罠7の位置情報を共有支援装置1に送信する制御を行う罠制御部4aを備えている構成であってもよい。罠制御部4aは、サーバ制御部6aと同様の種々のプロセッサを含んで構成されるものであってもよい。また、罠側通信部4bは、ユーザ端末3の端末側通信部3cと同様、無線通信を行い、通信ネットワーク2を介して共有支援装置1と通信可能であればよく、共有支援装置1に対して単方向通信を行うものであってもよく、共有支援装置1と双方向通信を行うものであってもよい。また、罠側位置情報取得部4cは、罠端末4の位置情報を取得できるものであれば特に限定されることはなく、例えば、GPS衛星からの信号を受信して位置を測位するようなものであってもよい。
【0030】
次に、罠情報共有支援プログラムを利用するユーザの初期登録の一例について、
図3を参照しながら説明する。
まず、ユーザ端末3に、罠情報共有支援プログラムを利用するためのアプリケーションプログラム(以下「アプリ」という。)がインストールされてもよい。そして、アプリを介してユーザの初期登録が行われることで、ユーザの情報が共有支援装置1に登録されてもよい。ユーザ端末3から共有支援装置1に送信されたデータ等は、罠情報共有支援プログラムによって共有支援装置1に記憶(登録)される。
【0031】
図3(a)のステップS100では、ユーザ端末3を介して入力されたユーザの名称であるユーザ名やユーザの識別子であるユーザID等の各種データが、ユーザと紐づけられてサーバ側記憶部6bに記憶される処理が実行される。なお、ユーザIDは、ユーザが指定した任意の文字列の代わりに、サーバ制御部6aがユーザに対して自動的に生成した文字列であってもよい。また、ユーザIDに紐づけられるパスワード等の認証情報が設定されて、複数のユーザ端末3間で同一のユーザIDが用いられて共有支援装置1にアクセス可能な態様であってもよい。また、ユーザIDは、ユーザが所持するメールアドレスや電話番号、他のWebサービスのアカウント等と紐づけられて登録されてもよい。なお、認証情報はパスワードに代えて又は加えて、指紋等の生体情報を照合する生体認証を用いたものであってもよい。
【0032】
ステップS100において、複数のユーザが所属するグループを登録する処理が実行されてもよい。この場合、共有支援装置1においては、ユーザ端末3から送信されたグループの名称であるグループ名や、グループの識別子であるグループID等を登録する処理が実行されてもよい。また、グループIDに加えてグループのパスワード等の認証情報が設定されてもよい。また、ユーザは、複数のグループに所属可能とされていてもよい。グループが登録されることで、
図3(b)に示すようなグループテーブルT1を生成する態様であってもよい。
図3(b)に示すグループテーブルT1では、ユーザA、ユーザB、ユーザCがグループAに登録され、ユーザC、ユーザD、ユーザE、ユーザFがグループBに登録され、ユーザG、ユーザH、ユーザIがグループCに登録されている例を示している。つまり、図例では、ユーザCは、グループA及びグループBに所属している例を示しているが、あくまでも一例である。なお、共有支援装置1は、グループに所属するユーザからのグループへの招待メッセージを他のユーザに送信可能な態様であってもよい。また、共有支援装置1は、登録済みのグループに参加を希望する他のユーザからのグループへの参加申請を送信可能な態様であってもよい。この場合、共有支援装置1は、グループの管理者が参加希望の他のユーザの参加の可否を決定可能な態様であってもよい。また、共有支援装置1は、グループに参加希望の他のユーザが、グループIDやパスワード等の認証情報を用いてそのグループに参加可能な態様であってもよい。
【0033】
次に、ステップS101では、罠7や猟犬等の情報を登録する処理が実行され、罠7の名称や罠端末4のIPアドレス等の識別情報が登録される。これにより、罠端末4と共有支援装置1との間で位置情報等のデータの通信が可能となる。この罠7の登録は、罠7が設置される前に行われてもよく、罠7が設置された後に行われてもよい。罠7が設置される前に登録が行われたとしても、罠側位置情報取得部4cから位置情報が定期的に送信されることによって、罠7の現在位置を取得することができる。
【0034】
また、ステップS101において、猟犬の登録を行う場合、猟犬の名称の登録や猟犬に装着される後述の猟犬発信機5のIPアドレス等の識別情報等が登録されてもよい。これにより、
図3(d)の猟犬テーブルT3に示すように、各ユーザが所有する猟犬が登録される。
図3(d)の猟犬テーブルT3では、猟犬AはユーザG、猟犬BはユーザH、猟犬CはユーザIが所有している例を示しているが、あくまでも一例である。
【0035】
また、初期登録済のユーザが新たな罠7や猟犬の追加登録が可能な態様であってもよい。また、罠7や猟犬の登録を行わずにユーザ登録が可能に構成されてもよい。このようにすれば、例えば、新たな罠7を設置しない共同作業者を後述のステップS103において第1取得レベルのユーザとして登録することができる。同様に罠7が設置される猟区の近隣に住む住民を後述のステップS103において第2取得レベルのユーザとして登録することができる。
【0036】
なお、罠端末4が罠側位置情報取得部4cを備えていないものであれば、ステップS102において罠7の位置情報が登録されてもよい。ステップS102では、罠7が設置された位置や設置予定位置がユーザ端末3によって入力されることで、罠7の位置情報が登録されてもよい。また、罠7が設置されている場所においてユーザ端末3によってステップS102の位置情報登録が行われる場合には、そのユーザ端末3の位置情報を取得して罠7の位置情報として登録されてもよい。
【0037】
ステップS103では、各罠7に対してユーザ毎(グループ毎)の取得レベルが登録される処理が実行される。罠7を登録したユーザとそのユーザが所属するグループに属する他のユーザとを第1取得レベルに登録する処理を実行する態様であってもよい。また、その罠7に対して第1取得レベルに登録されていない他のユーザを第2取得レベルに登録する処理を実行する態様であってもよい。また、罠7を登録したユーザを罠7の管理者として登録し、罠7の管理者に他のユーザの取得レベルを登録する権限が付与される態様であってもよい。この場合、登録されている罠7に対して取得レベルの割り当ての要求信号を他のユーザのユーザ端末3が送信可能な態様であってもよい。取得レベルの割り当ての要求信号を受けた場合、罠7の管理者は、要求信号を送信したユーザに対していずれかの取得レベルを設定してもよく、また取得レベルの割り当てを拒否してもよい。また、共有支援装置1は、
図3(b)のグループテーブルT1に示すような各グループに対して、各罠7の取得レベルをグループ毎に設定する処理を実行する態様であってもよい。この場合、複数のグループに所属しているユーザが存在し、その所属するグループ毎に罠7の取得レベルが異なる場合には、その罠7に対して高い取得レベルを設定する処理を実行してもよい。
【0038】
図3(c)の罠テーブルT2に示すように、各罠7に対してユーザ毎(及び/またはグループ毎)に第1取得レベル及び第2取得レベルが登録されてもよい。罠テーブルT2では、罠A、罠Bに対して、グループA(ユーザA、ユーザB、ユーザC)が第1取得レベルのグループ(ユーザ)として登録され、高い取得レベルとなるグループAに所属するユーザCを除いたグループBのユーザ(ユーザD、ユーザE、ユーザF)及びグループC(ユーザG、ユーザH、ユーザI)が第2取得レベルのグループ(ユーザ)として登録されている例を示している。また、罠C、罠Dに対して、グループB(ユーザC、ユーザD、ユーザE、ユーザF)が第1取得レベルのグループ(ユーザ)として登録され、高い取得レベルとなるグループBに所属するユーザCを除いたグループAのユーザ(ユーザA、ユーザB)及びグループC(ユーザG、ユーザH、ユーザI)が第2取得レベルのグループ(ユーザ)として登録されている例を示している。なお、この罠テーブルT2は、あくまでも一例である。
なお、ユーザの初期登録後に特定のグループに所属するユーザによって新たな罠7が追加登録された場合には、同グループに所属する他のユーザを、その罠7に対して第1取得レベルのユーザとして自動的に登録する態様でもよい。この場合、他のグループに所属するユーザを、その罠7に対して第2取得レベルのユーザとして自動的に登録する態様でもよい。また、新たに罠7を追加登録したユーザによって、他のユーザの取得レベルの割り当てが可能な態様であってもよい。
【0039】
次に、罠情報共有支援プログラムの動作例について、
図4(a)のフローチャートに沿って説明する。ユーザ端末3は、共有支援装置1に対して罠7の位置情報の要求信号を送信する。この要求信号は、ユーザ端末3の起動やアプリの起動によって自動的に送信される態様であってもよく、また、ユーザが手動で送信可能な態様であってもよい。この要求信号は、一部の罠7の位置情報について要求するものであってもよく、全ての罠7の位置情報について要求するものであってもよい。
【0040】
サーバ制御部6aは、ユーザ端末3からの要求信号を受信すれば、そのユーザ端末3のログイン認証を行う(ステップS200)。そのユーザ端末3がログインしていればそのユーザの罠7毎の取得レベルを判定する(ステップS200のYES、ステップS201)。なお、ユーザ端末3が一度ログインすれば、ログアウト処理が行われない限りユーザ端末3のログイン状態が維持され続ける態様であってもよい。一方、ユーザ端末3がログインしていなければ、要求信号を拒絶する(ステップS200のNO)。なお、ステップS200においてログインしていないユーザ端末3に対して、ログインを要求する態様であってもよく、ユーザ登録を行っていなければユーザ登録を要求する態様であってもよい
【0041】
ユーザ端末3のログインを認証すれば、そのユーザ端末3のユーザが第1取得レベルとして登録されている罠7については、設置位置情報をユーザ端末3に送信する(ステップS202)。一方、そのユーザが第2取得レベルとして登録されている罠7については、範囲情報をユーザ端末3に送信する(ステップS204)。本実施形態では、ステップS201,S202,S204の処理による設置位置情報や範囲情報の送信は、ユーザ端末3がログアウトするまでの間、一定周期で実行する態様となっている(ステップS203のNO)。つまり、ユーザ端末3側において後記するように表示される設置位置情報や範囲情報が一定周期で更新される。ユーザ端末3のログアウト処理が実行されれば、設置位置情報や範囲情報の送信を終了する(ステップS203のYES)。
【0042】
図4(b)は
図4(a)のステップS200~ステップS204の一連の処理によって生成された、ユーザAが所持するユーザ端末3の表示部3fの画面の一例を示している。ユーザAのユーザ端末3の表示部3fには、ユーザAが位置する周辺の地
図30が表示されている。この地
図30上には、ユーザAの現在位置を示すユーザアイコン31、罠A及び罠Bが設置された位置を示す罠アイコン32,32、罠C及び罠Dの設置位置を含んだ所定範囲を示す円状の範囲アイコン33,33が表示されている。この範囲アイコン33は、例えば、地
図30上において半径約50m~200mの範囲を表すものであってもよい。また、範囲アイコン33は、地
図30上において半径50m未満や半径200m以上を表すものであってもよく、アイコンの形状が矩形等の他の図形や記号等で表示されてもよい。また、表示部3fには、罠A及び罠Bが設置されている緯度・経度を示す座標情報等を示すメッセージ表示部34を表示する態様であってもよい。また、表示部3fには、各アイコンが示す対象の名称を表示する名称表示部35が表示されてもよい。なお、メッセージ表示部34や名称表示部35は、ユーザの操作によって表示のON/OFFが切り替えられるものであってもよい。
【0043】
ユーザAは、ユーザ端末3の表示部3fの地
図30上に表示された罠アイコン32を確認することによって、第1取得レベルに設定されている罠A及び罠Bの詳細な位置情報を視覚的に把握することができる。また、見通しの悪い場所であっても、メッセージ表示部34に表示された緯度・経度とユーザの現在位置とを照らし合わせることで、罠7の設置位置を把握することができる。これにより、罠7の見回り時等において、山林や山野等で罠を発見し難いような場合にも容易に罠を発見することができ、罠7の見回り時における作業負担を軽減することができる。また、ユーザB及びユーザCも、罠A及び罠Bに対して第1取得レベルに設定されているため、罠A及び罠Bの設置位置情報を取得することができる。このように、共有支援装置1によって複数のユーザで罠7の位置情報を共有することが可能となる。
【0044】
また、ユーザAは、ユーザ端末3の表示部3fに表示された円状の範囲アイコン33を確認することによって、第2取得レベルに設定されている罠C及び罠Dが設置されている範囲情報を視覚的に把握することができる。これにより、ユーザAは、罠C及び罠Dへの意図しない接近を回避することができる。なお、罠7を円心とする円状の範囲アイコン33が表示されていれば、第2取得レベルのユーザが容易に罠7の設置位置を推測できる懸念があるので、罠7を円心からずらした範囲アイコン33とする態様であってもよい。範囲アイコン33の範囲や形状は、その罠7の登録者が設定するものであってもよく、共有支援装置1において予め設定されているものであってもよい。また、範囲アイコン33の範囲や形状は、罠7の設置位置等の各種条件に応じて自動的に生成されるものであってもよい。
【0045】
次に、罠情報共有支援プログラムの他の動作例について、
図5(a)のフローチャートに沿って説明する。本動作例では、サーバ制御部6aは、第2取得レベルのユーザが所持するユーザ端末3の位置情報を取得し、このユーザ端末3が罠7の設置位置を含んだ所定範囲36内であれば、所定の情報を構成する、ユーザ端末3に警告動作させる情報を送信する態様となっている。これにより、ユーザ端末3が罠7の設置位置を含んだ所定範囲36内であれば警告することができ、罠7が設置されたエリアへの第2取得レベルに登録されているユーザの立ち入りをより効果的に抑制することができる。
【0046】
図5(a)のステップS300~ステップS303では、
図4(a)のステップS200~ステップS203と同様の処理が実行される。第2取得レベルの罠7に対しては、ユーザ端末3が罠7の所定範囲36内であるか否かを判定する処理が行われる(ステップS304)。ユーザ端末3が第2取得レベルの罠7の所定範囲36内であれば、警告情報がそのユーザ端末3に送信される(ステップS304のYES、ステップS305)。一方、ユーザ端末3が第2取得レベルの罠7の所定範囲36内にない場合には、警告情報を送信することはない(ステップS304のNO)。ステップS301,S302,S304,S305の処理は、ユーザ端末3がログアウトするまでの間、一定周期で実行する態様となっている(ステップS303のNO)。ユーザ端末3のログアウト処理が実行されれば、ステップS301,S302,S304,S305の処理を終了する(ステップS303のYES)。
【0047】
図5(b)は、
図5(a)のステップS300~ステップS305の一連の処理によって生成された、ユーザAが所持するユーザ端末3の表示部3fの画面の一例を示している。ユーザAのユーザ端末3の表示部3fには、地
図30上にユーザAの現在位置を示すユーザアイコン31、罠A及び罠Bが設置された位置を示す罠アイコン32,32が表示されている。一方、第2取得レベルに設定されている罠C及び罠Dについては、表示部3fに表示されない態様となっている。そして、共有支援装置1は、ユーザAのユーザ端末3が罠C及び罠Dの所定範囲36内にある場合、ユーザ端末3に警告動作させる情報を送信する。なお、所定範囲36としては、例えば、各罠7の設置位置を中心として半径約50m~約200m内として設定されてもよい。
図5(b)では、説明のために表示部3fに二点鎖線の円によって所定範囲36を示しているが、第2取得レベルのユーザのユーザ端末3には所定範囲36は当然表示されていない。また、所定範囲36は、上述したものに限定されることはない。
【0048】
ユーザ端末3は、警告動作を行いユーザに警告を報知するための報知部3gを備えていてもよい。このような報知部3gとしては、例えば警告音や合成音声等の音情報を出力するスピーカ等や点滅等の光出力によって報知するLED、ユーザ端末3を振動させて報知するモータ等の加振部であってもよい。また、ユーザ端末3において、報知部3gに代えて又は加えて、表示部3fに「罠Dに接近しています。」といった警告のメッセージや画像等による警告を表示させる構成であってもよい。なお、端末制御部3aは、複数の警告動作を組み合わせてユーザ端末3に実行させるものでもよく、また、罠7の所定範囲36が複数段階的に設定され、近づくに従い異なる警告動作をユーザ端末3に実行させるものでもよい。また、警告動作の例は上述したものに限定されることはない。警告を受けたユーザは、その場から立ち去ることによって罠7が設置されているエリアから離れることができ、意図しない罠7への接近を回避することができる。
【0049】
次に、
図1に示すように、共有支援装置1が通信ネットワーク2を介して猟犬発信機5と通信可能となっている場合について説明する。この場合、サーバ制御部6aは、猟犬に装着された猟犬発信機5の位置情報及び予め設定されたユーザ端末3の位置情報を取得する。そして、サーバ制御部6aは、ユーザ端末3の位置と猟犬発信機5の位置とを予め設定されたユーザ端末3の表示部3fにおいて表示させる情報を送信する。これにより、予め設定されたユーザ端末3の表示部3fをユーザが確認することによって猟犬の位置を視覚的に把握することができる。なお、予め設定されたユーザ端末3は、猟犬を所有しているユーザのユーザ端末3に限定されることはなく、そのユーザが所属するグループのユーザ全員のユーザ端末3であってもよく、そのグループのうちの一部のユーザのユーザ端末3であってもよい。
【0050】
図6(a)の猟犬発信機5は、それを装着している猟犬の位置情報をユーザが取得可能となる発信機である。
図6(a)に示すように、猟犬発信機5は、猟犬側通信部5aを備えている。また、猟犬発信機5は、自身の位置情報を取得する猟犬側位置情報取得部5bを備えている。猟犬発信機5は、猟犬の首に取り付けられる首輪に設けられてもよく、その場合は首輪に内蔵されているものであってもよく、首輪に外付けされるものであってもよい。また、猟犬発信機5は、首輪に取り付けられることに限定されることはなく、例えば犬用の衣服等に猟犬発信機5が設けられてもよい。
【0051】
猟犬側通信部5aは、ユーザ端末3の端末側通信部3cと同様、無線通信を行い、通信ネットワーク2を介して猟犬側位置情報取得部5bが取得した位置情報を共有支援装置1に送信するものであってもよい。この猟犬側通信部5aと共有支援装置1との通信は、猟犬側通信部5aから共有支援装置1への単方向通信を行うものであってもよく、双方向通信を行うものであってもよい。また、猟犬側位置情報取得部5bは、猟犬発信機5の位置情報を取得できるものであれば特に限定されることはなく、本実施形態ではGPS衛星からの信号を受信して猟犬発信機5の位置を測位することが可能に構成されている。
【0052】
図6(b)は、ユーザGが所持するユーザ端末3の表示部3fの一例を示している。
図6(b)では、ユーザGの表示部3fにユーザGの他にグループCに所属するユーザH、ユーザIの現在位置を示すユーザアイコン31,31を表示する一例を示している。また、第2取得レベルに設定されている罠C及び罠Dが設置されている範囲を示す円状の範囲アイコン33,33を表示部3fに表示する一例を示している。また、罠A及び罠Bについては所定範囲36,36内にある第2取得レベルに設定されているユーザ端末3に対して警告動作を送信する態様となっている。このようにすれば、
図6(b)に示すように、第2取得レベルに設定されているユーザGのユーザ端末3の表示部3fに罠A及び罠Bが表示されない態様となる。また、ユーザGの表示部3fには、ユーザGが所有している猟犬Aの現在位置を示す猟犬アイコン37が表示されている。また、ユーザGの表示部3fは、猟犬Aの他に、同じグループCに所属しているユーザHが所有している猟犬B及びユーザIが所有している猟犬Cのそれぞれの現在位置を示す猟犬アイコン37,37が表示される態様であってもよい。
【0053】
サーバ制御部6aは、猟犬に装着された猟犬発信機5の位置情報を取得し、猟犬発信機5が罠7の設置位置を含んだ所定範囲36内であれば、予め設定されたユーザ端末3に警告動作させる情報を送信する態様であってもよい。これにより、警告を受けたユーザ端末3を所持するユーザに猟犬をエリア外に誘導するように促すことができ、罠7が設置されたエリアへの猟犬の立ち入りを効果的に抑制することができる。
図6(b)に示すように、猟犬Aが罠Bの所定範囲36内にいれば、サーバ制御部6aは猟犬Aの所有者であるユーザGのユーザ端末3に警告動作させる情報を送信する。警告動作させる情報を受信したユーザGのユーザ端末3においては、警告動作が実行される。警告動作の例としては、上記と概ね同様、報知部3gを用いてスピーカ等から警告音を発する、LED等の点滅、ユーザ端末3の振動、「猟犬Aが罠Bに接近しています。」といった警告のメッセージを表示部3fのメッセージ表示部34に表示させる等であってもよい。また、複数の警告動作を組み合わせてユーザ端末3において実行させてもよい。
【0054】
上述した罠端末4には、罠7の状態を検知する罠状態検知部4fが設けられていてもよい。この場合、サーバ制御部6aは、罠状態検知部4fから受信した罠状態情報を、予め設定されたユーザ端末3に送信してもよい。これにより、罠状態情報を予め設定されたユーザ端末3に送信することができ、ユーザによる罠7の見回り負担を軽減することができる。この罠状態検知部4fが検知する罠7の状態としては、例えば動物の捕獲の有無や、動物を誘い込むための餌の有無、罠7の作動の有無等であってもよい。また、罠状態検知部4fは、罠側位置情報取得部4cによって検知された罠端末4の移動を動物の捕獲と検知してもよい。また、罠状態検知部4fとしては、赤外線センサや振動センサ、加速度センサ、カメラ等を用いたものであってもよい。また、予め設定されたユーザ端末3は、第1取得レベルに設定されている各ユーザのそれぞれのユーザ端末3であってもよく、第1取得レベルのユーザのうちの特定のユーザ(例えば、罠の管理担当のユーザ)のユーザ端末3であってもよい。
【0055】
図7(a)のフローチャートは、罠状態検知部4fによって動物の捕獲を検知した場合に罠状態情報が共有支援装置1を介してユーザ端末3に送信される罠情報共有支援プログラムの動作の一例を示している。この動作の一例では、予め設定されたユーザ端末3を第1取得レベルに設定されているユーザのユーザ端末3としている。予め設定されたユーザ端末3である第1取得レベルのユーザのユーザ端末3がログインしている状態で罠状態検知部4fが動物の捕獲を検知した場合、罠制御部4aは、罠側通信部4bを介して罠状態情報を共有支援装置1に送信する(ステップS400のYES)。罠状態情報を受信した共有支援装置1は、第1取得レベルのユーザのユーザ端末3に動物の捕獲の通知を送信する(ステップS401)。この捕獲の通知は、ユーザによってリセットされるまで一定周期で継続して行われる(ステップS402のNO)。このリセットは、ユーザが捕獲の通知を確認した際に行われるものであってもよく、罠7が動物の再捕獲可能なように整備された際に行われるものであってもよい。ユーザによってリセットされれば、捕獲の通知を終了する(ステップS402のYES)。
【0056】
なお、罠制御部4aは、罠状態検知部4fが検知した動物の捕獲の通知を、共有支援装置1に送信する態様に代えて、共有支援装置1を介さずにユーザ端末3に送信する態様であってもよい。また、罠状態情報としては、罠状態検知部4fによる動物の捕獲以外の餌の有無等の情報であってもよく、罠状態検知部4fが変化を検出しなくとも一定時間ごとに罠状態検知部4fが検出している情報をユーザ端末3に送信する態様であってもよい。
【0057】
上述した罠端末4には、罠端末4の各部に向けて電源を供給する電源部4dが設けられていてもよい。電源部4dとしては、充電池や乾電池、ソーラーパネル等、特に限定されることはない。この場合、サーバ制御部6aは、電源部4dの残量低下を検知する電源検知部4eからの残量低下情報を、予め設定されたユーザ端末3に送信する態様であってもよい。これにより、共有支援装置1は、電源部4dの残量低下情報を予め設定されたユーザ端末3に送信することができるので、電源部4dの形態に応じたメンテナンス、例えば、再充電、電池交換、パネル交換等をユーザに促すことができる。予め設定されたユーザ端末3は、第1取得レベルに設定されている各ユーザのそれぞれのユーザ端末3であってもよく、第1取得レベルのユーザのうちの特定のユーザ(例えば、罠7の管理担当のユーザ)のユーザ端末3であってもよい。
【0058】
図7(b)のフローチャートは、残量低下情報が共有支援装置1を介してユーザ端末3に送信される罠情報共有支援プログラムの動作の一例を示している。この動作の一例では、予め設定されたユーザ端末3を第1取得レベルに設定されているユーザのユーザ端末3としている。予め設定されたユーザ端末3である第1取得レベルのユーザのユーザ端末3がログインしている状態で電源検知部4eが電源部4dの残量低下を検知した場合、例えば、満容量に対して残量が所定値を下回れば、罠制御部4aは、残量低下の通知を共有支援装置1に送信する(ステップS500のYES)。残量低下の通知を受信したサーバ制御部6aは、第1取得レベルのユーザのユーザ端末3に電源部4dの残量低下の通知を送信する(ステップS501)。この残量低下の通知は、ユーザによってリセットされるまで一定周期で継続して行われる(ステップS502のNO)。このリセットは、ユーザが残量低下の通知を確認した際に行われるものであってもよく、罠端末4の電源部4dをメンテナンスした際に行われるものであってもよい。ユーザによってリセットされれば、残量低下の通知を終了する(ステップS502のYES)。なお、電源検知部4eを用いた動作はこれに限定されることはなく、例えば、電源部4dの満容量に対する残量に関わらず一定周期で電源検知部4eが検知した電源部4eの残量低下情報をユーザ端末3に送信するものであってもよい。また、罠制御部4aは、電源検知部4eが検知した残量低下の通知を、共有支援装置1に送信する態様に代えて、共有支援装置1を介さずにユーザ端末3に送信する態様であってもよい。
【0059】
また、上述の罠端末4には、罠7の周囲の温度や湿度、気圧等の環境値を検出するセンサ4gが設けられていてもよい。この場合、罠端末4は、センサ4gによって検出された情報を罠側通信部4bによって共有支援装置1に送信する態様であってもよい。そして、共有支援装置1は、センサ4gが検出した環境値を受信して、予め設定されたユーザ端末3に送信する態様であってもよい。これにより、予め設定されたユーザが罠7の周囲の環境値を把握することが可能となる。環境値を検出するセンサ4gとしては、例えば、周囲の温度を検知する温度センサや周囲の湿度を検知する湿度センサ、周囲の気圧を検知する気圧センサ、周囲の明るさを検知する照度センサ、振動を検知する振動センサ、音を検知する音センサ等であってもよい。罠端末4は、センサ4gが検出した環境値の情報を一定周期で共有支援装置1に送信する態様であってもよい。また、罠端末4は、上記した罠状態検知部4fや罠側位置情報取得部4c、電源検知部4e等が変化を検出した際に共有支援装置1に送信する態様であってもよく、その際にセンサ4gが検出した環境値を同時に送信する態様であってもよい。
【0060】
また、共有支援装置1は、
図8(a)に示すように各罠7の見回りの履歴を複数のユーザで共有可能な態様であってもよい。例えば、共有支援装置1は、第1取得レベルのユーザが所持するユーザ端末3から入力された罠7の見回り情報が、例えば、サーバ側記憶部6bに読み出し可能に記憶される態様であってもよい。これにより、第1取得レベルのユーザが履歴表示部38を確認することで、ユーザ間において罠7の見回り情報を共有することができ、罠7を効率的に見回ることができる。
図8(a)に示すユーザ端末3の表示部3fには、履歴表示部38及び送信フォーム39が表示されている。なお、
図8(a)に示す表示部3fにおける履歴表示部38及び送信フォーム39の画面構成は一例であり、これに限定されることはない。
【0061】
履歴表示部38には、見回りを行った日時が表示される日時欄38a、見回りを行ったユーザが表示されるユーザ名表示部38b、送信フォーム39の記入欄39aに入力されたメッセージが表示されるメッセージ部38cが表示されてもよい。送信フォーム39の記入欄39aに入力したメッセージを共有支援装置1に送信する送信ボタン39bを操作した日時が自動的に日時欄38aに入力されるように構成されてもよい。また、送信フォーム39で見回り履歴を記入したユーザ端末3を所有するユーザ名がユーザ名表示部38bに自動的に入力される態様であってもよい。
【0062】
例えば、2023年〇月△日の朝8時にユーザAが罠Aを見回りしたところ「異常なし」だったことが、見回り履歴の履歴表示部38を介して各ユーザ間で共有することができる。また、2023年〇月×日の朝8時20分にユーザAが罠Aを見回りした際には動物を誘導するための餌を補充したことを、履歴表示部38を介して各ユーザ間で共有することができる。そのため、他のユーザが罠Aに対して重複して餌を補充することを回避することができる。また、2023年〇月□日の朝7時50分にユーザBが罠Aを見回りしたところ「異常なし」、2023年〇月▽日の朝8時10分にユーザAが罠Aを見回りしたところ「異常なし」だったことを、各ユーザで共有することができる。
【0063】
また、サーバ制御部6aは、
図8(b)に示すように、上述の表示部3fに表示された地
図30上にユーザが入力した情報を、他のユーザ端末3の表示部3fの地
図30上に表示させる情報を送信可能とされていてもよい。これにより、地
図30上に入力した情報を、他のユーザと共有することができる。例えば、グループ内で巻き狩り(銃猟)を行う指示役のユーザが入力したユーザの合流地点40aと、獲物である動物を追い込む方向である追い込み方向40bとを、他のユーザの表示部3fに表示させて共有する態様であってもよい。また、各ユーザの位置を示すユーザアイコン31、各猟犬の位置を示す猟犬アイコン37、罠7が設置されている範囲を示す範囲アイコン33、合流地点40a、矢印で表示された追い込み方向40bが表示部3fに表示されてもよい。これにより、各ユーザは、表示部3fを確認することで罠7やユーザ、猟犬の位置関係だけでなく、合流地点40a及び追い込み方向40bを視覚的に把握しながら巻き狩りを行うことができる。また、指示役となるユーザは、視覚的に表示された合流地点40aや追い込み方向40bにより、離れた位置にいるユーザに行動指示を的確に伝えることが可能となる。また、表示部3fに罠7の位置が表示されていれば、罠7が設置されている方向とは異なる方向に獲物を追い込むことができる。なお、
図8(b)に示すように、各アイコン等の名称を示す名称表示部35が表示されない態様であってもよく、表示部3fの下部に設けられたメッセージ表示部34に各アイコンが示すものを表示する態様であってもよい。
【0064】
共有支援装置1及び罠情報共有支援プログラムは、上述したものに限定されることはない。例えば、各ユーザ端末3が送信したメッセージを読み出し可能にサーバ側記憶部6bに記憶して、同グループ内のユーザ端末3にメッセージを送信する態様であってもよい。これにより、グループ内でメッセージを共有して罠7の見回りのスケジュール等を確認することができる。つまり、アプリ上において特定のユーザ同士がチャット可能とされていてもよい。また、上述の罠情報共有支援プログラムの動作例では、第1取得レベルと第2取得レベルとの2つの取得レベルが設定される構成となっているが、さらに他の取得レベルが設定されてもよい。例えば、第3取得レベルまでが設定されて、第2取得レベルのユーザに対しては罠7の範囲情報をユーザ端末3に送信し、第3取得レベルのユーザに対しては罠7の所定範囲36内にユーザ端末3がある場合に警告情報をユーザ端末3に送信する態様であってもよい。
【0065】
また、上記した動作例において、第2取得レベルのユーザ端末3に対して、罠7の範囲情報を送信する態様と、罠7の所定範囲内にユーザ端末3がある場合に警告情報を送信する態様と、を例示したが、これらに限定されることはない。例えば、第2取得レベルのユーザ端末3に対して、罠7の範囲情報を送信するだけでなく、罠7の所定範囲内にユーザ端末3がある場合には、警告情報を送信する構成であってもよい。また、ユーザ端末3、罠端末4、猟犬発信機5、サーバ6の構成は上述したものに限定されることはない。また、共有支援装置1を含むシステムは、上述したものに加えて他の装置等を含んで構成されてもよい。
【0066】
また、共有支援装置1は、サーバ制御部6a、サーバ側記憶部6b及びサーバ側通信部6cを備えているサーバ6によって構成された態様に限定されることはない。例えば、サーバ6と記憶部や通信部を備える他のハードウェアとが協働して、共有支援装置1を構成するものであってもよい。また、共有支援装置1は、各罠7に設けられている罠端末4によって構成されてもよく、その場合は各罠7に設けられている罠端末4とユーザ端末3とが通信ネットワーク2を介して相互に通信を行う構成としてもよい。この場合、罠端末4は、罠7毎及びユーザ毎に設定された取得レベル並びに罠の位置情報を記憶する記憶部を備えているものとしてもよい。罠7の情報の要求信号を受信した罠端末4の罠制御部4aは、記憶部を参照して要求信号を送信したユーザの取得レベルを取得し、ユーザの取得レベルに応じた罠7の情報を罠側通信部4bによってユーザ端末3に送信する態様であってもよい。
【0067】
また、罠情報共有支援プログラムは、ユーザ端末3にインストールされたアプリではなく、Webブラウザによって実行可能なものであってもよい。このような場合は、ユーザ端末3は、Webブラウザがインストール可能なものであればよい。また、罠情報共有支援プログラムの動作は、上述したフローチャートに限定されることはない。
【符号の説明】
【0068】
1 罠情報共有支援装置(共有支援装置)
3 ユーザ端末
3f 表示部
4 罠端末(罠発信機)
4d 電源部
4e 電源検知部
4f 罠状態検知部
4g センサ
5 猟犬発信機
6a サーバ制御部(制御部)
7 罠