(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171422
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】決済装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
G07G1/12 321K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088406
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】福澤 一郎
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142DA08
3E142FA42
3E142GA41
(57)【要約】
【課題】取引の決済に必要な入金に関する操作を客自身に行わせつつ、決済前の客に関する情報を店員が確認できるようにする。
【解決手段】決済装置は、店員用表示部と、客用表示部と、取得手段と、決済手段と、制御手段とを備える。取得手段は、入力装置に対する店員の操作により入力された客との取引に係る情報を取得する。決済手段は、客の操作により入金された金額で取引を決済する。制御手段は、取得手段により取得した情報を基に決済前の客に関する情報を店員用表示部に表示させる。また制御手段は、客の操作により入金された金額については客用表示部に表示させる。制御手段は、客の操作により入金された金額については店員用表示部に表示させない。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店員に対して情報を表示する店員用表示部と、
客に対して情報を表示する客用表示部と、
入力装置に対する前記店員の操作により入力された客との取引に係る情報を取得する取得手段と、
前記客の操作により入金された金額で取引を決済する決済手段と、
前記取得手段により取得した情報を基に決済前の客に関する情報を前記店員用表示部に表示させ、前記客の操作により入金された金額については前記客用表示部に表示させ、前記店員用表示部には表示させない制御手段と、
を具備する決済装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記客の操作による入金が行われる前は、その客との取引の決済に必要な金額を前記店員用表示部及び前記客用表示部に表示させ、前記入金が行われた後は、その入金された金額を前記客用表示部に表示させる、請求項1記載の決済装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記客の操作により入金された金額が前記取引の決済に必要な金額未満の場合にはその差額を残額として前記客用表示部に表示させ、前記客の操作により入金された金額が前記取引の決済に必要な金額以上の場合にはその差額を釣銭額として前記客用表示部に表示させる、請求項1記載の決済装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記客用表示部に前記差額を表示させる際は、入金前の状態に戻すことを指示する操作子の操作を有効とし、前記客用表示部に前記釣銭額を表示させる際は、前記操作子の操作を無効にする、請求項3記載の決済装置。
【請求項5】
前記操作子は、前記客用表示部に表示されるソフトキーである、請求項4記載の決済装置。
【請求項6】
店員に対して情報を表示する店員用表示部と、客に対して情報を表示する客用表示部と、を備えた決済装置のコンピュータを、
入力装置に対する前記店員の操作により入力された客との取引に係る情報を取得する取得手段、
前記客の操作により入金された金額で前記取引を決済する決済手段、及び、
前記取得手段により取得した情報を基に決済前の客に関する情報を前記店員用表示部に表示させ、前記客の操作により入金された金額については前記客用表示部に表示させ、前記店員用表示部には表示させない制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット、ホームセンター等の大型小売店向けの商品販売システムとして、二人制のシステムがある。二人制の商品販売システムは、チェッカと称される店員が操作者となる入力装置と、キャッシャと呼ばれる店員が操作者となる決済装置とを備える。入力装置は、商品に付されたバーコード等の購買商品に係る情報を入力するための機器である。決済装置は、入力装置を介して入力された情報を基に購買商品の販売データを処理して客との取引を決済するための機器である。二人制の商品販売システムは、入力装置と決済装置とが分かれているため、決済装置で一人目の客の決済を処理している間に入力装置で二人目の客の購買商品に係る情報の入力を開始することができる。したがって、客を効率的に裁くことができる。
【0003】
一方、近年では、人件費の削減、感染症対策等の観点から、取引の決済に必要な入金に関する操作を客自身に行わせたいという要望がある。二人制の商品販売システムにおいても、決済装置に対しての入金に関する操作を客自身に行わせる。そうすることにより、キャッシャを担当する店員が不要となるので、人件費を削減できる。また、現金、キャッシュカード等に店員が触れないので、感染症対策にもなり得る。しかし、キャッシャを担当する店員が居なくなると、決済中の客からの問い合わせにチェッカを担当する店員が応対せざるを得ず、その際、決済前の客に関する情報を店員が確認できることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、入力装置と決済装置とを備えた商品販売システムにおいて、取引の決済に必要な入金に関する操作を客自身に行わせつつ、決済前の客に関する情報を店員が確認できる決済装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、決済装置は、店員用表示部と、客用表示部と、取得手段と、決済手段と、制御手段とを備える。取得手段は、入力装置に対する店員の操作により入力された客との取引に係る情報を取得する。決済手段は、客の操作により入金された金額で取引を決済する。制御手段は、取得手段により取得した情報を基に決済前の客に関する情報を店員用表示部に表示させる。また制御手段は、客の操作により入金された金額については客用表示部に表示させる。制御手段は、客の操作により入金された金額については店員用表示部に表示させない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る商品販売システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、決済装置の主要な回路構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、決済装置のメインメモリに形成される主要な記憶領域を示す模式図である。
【
図4】
図4は、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、決済装置のプロセッサが実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図6】
図6は、決済装置のプロセッサが実行する第2の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図7】
図7は、決済装置のプロセッサが実行する第2の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図8】
図8は、入力装置のタッチパネルに表示される登録画面の一例である。
【
図9】
図9は、入力装置のディスプレイに表示される登録画面の一例である。
【
図10】
図10は、入力装置のタッチパネルに表示される小計画面の一例である。
【
図11】
図11は、入力装置のディスプレイに表示される第1の報知画面の一例である。
【
図12】
図12は、入力装置のディスプレイに表示される第2の報知画面の一例である。
【
図13】
図13は、決済装置の第1のタッチパネルに表示される合計画面の一例である。
【
図14】
図14は、
図13に示す合計画面の第2客エリアに表示される情報の遷移例を示す模式図である。
【
図15】
図15は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図16】
図16は、決済装置の第1のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図17】
図17は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される店員操作中画面の一例である。
【
図18】
図18は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される現金支払い時の支払い支援画面の一例である。
【
図19】
図19は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される現金支払い時の支払い確認画面の一例である。
【
図20】
図20は、決済装置の第1のタッチパネルに表示される支払い完了画面の一例である。
【
図21】
図21は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される支払い完了画面の一例である。
【
図22】
図22は、決済装置の第2のタッチパネルに表示されるクレジットカード支払い時の支払い支援画面の一例である。
【
図23】
図23は、決済装置の第2のタッチパネルに表示されるクレジットカード支払い時の支払い確認画面の一例である。
【
図24】
図24は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される電子マネー支払い時の支払い支援画面の一例である。
【
図25】
図25は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される電子マネー支払い時の支払い確認画面の一例である。
【
図26】
図26は、客が代金の支払い操作をセルフで行う際に、第1のタッチパネルと第2のタッチパネルにそれぞれ表示される画面の遷移を示す図である。
【
図27】
図27は、店員が客に代わって代金支払い方法の選択操作を行う場合に、第1のタッチパネルと第2のタッチパネルにそれぞれ表示される画面の遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、入力装置と決済装置とを備えた商品販売システムにおいて、取引の決済に必要な入金に関する操作を客自身に行わせつつ、決済前の客に関する情報を店員が確認できる決済装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0009】
[商品販売システムの構成説明]
図1は、一実施形態に係る商品販売システム1の概略構成図である。商品販売システム1は、入力装置2と、決済装置3とを含む。入力装置2と決済装置3とは、LAN(Local Area Network)ケーブル等の伝送ケーブル6(
図2を参照)で接続されている。
【0010】
入力装置2は、チェックアウトカウンタ4に取り付けられている。チェックアウトカウンタ4は、購買者である客が図示矢印の方向に歩いて移動するチェックアウトレーンPAに沿って配置されている。チェックアウトカウンタ4は、天面のほぼ中央に入力装置2を取り付けている。そして、該入力装置2よりもチェックアウトレーンPAの上流側を、商品コードを入力する前の購買商品を載せるためのスペースとし、下流側を、商品コードを入力した後の購買商品を載せるためのスペースとしている。入力装置2は、購買商品に付された商品コード等を入力するための装置であり、決済装置3は、入力装置2により商品コード等が入力された購買商品の情報をメインメモリ62に記憶するための装置である。このように、購買商品の情報をメインメモリ62に記憶することを登録と称する。決済装置3は、メインメモリ62に登録された購買商品の情報に基づき取引の決済を行う。
【0011】
入力装置2は、入出力デバイスとして、定置式スキャナ21と、ハンディスキャナ22と、タッチパネル23と、キーボード24と、ディスプレイ25とを備える。入力装置2は、チェックアウトカウンタ4の天面から上方に突出するように定置式スキャナ21を配置し、この定置式スキャナ21の周囲にハンディスキャナ22、タッチパネル23、キーボード24及びディスプレイ25を配置している。
【0012】
詳しくは、入力装置2は、チェックアウトカウンタ4の天面に定置式スキャナ21を固定している。定置式スキャナ21は縦型であり、バーコードの読取窓がチェックアウトレーンPAとは反対側の面に位置するように固定されている。入力装置2は、ハンディスキャナ22を、定置式スキャナ21の一側部に係止している。またタッチパネル23を、その操作パネル面が定置式スキャナ21の読取窓と同一方向を向くように定置式スキャナ21の上部に取り付けている。またキーボード24を、そのキー面がタッチパネル23の操作パネル面と同一方向を向くようにタッチパネル23の一側部に取り付けている。さらにディスプレイ25を、その表示画面がチェックアウトレーンPAの側を向くように定置式スキャナ21の一側部に取り付けている。なお、ディスプレイ25は、タッチパネルであってもよい。
【0013】
このような入出力デバイスの配置により、チェックアウトカウンタ4を挟んでチェックアウトレーンPAとは反対側のスペースSPに立つ店員は、定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23又はキーボード24を操作して、客が買い入れる購買商品に係る情報、例えば商品コード、購買数量、値引額等を入力することができる。このとき店員は、タッチパネル23に表示される情報により、購買商品の商品名、単価等を確認することができる。客は、ディスプレイ25に表示される情報により、購買商品の商品名、単価等を確認することができる。また、客がスマートフォン等に表示された電子レシートIDのバーコードを提示した場合には、店員はそのバーコードをハンディスキャナ22で読み取る。そうすることにより、電子レシートIDのデータが入力されて、当該客との商取引の明細を示すレシートが電子レシートの形態で発行される。
【0014】
決済装置3は、装置本体30と一体になったデバイスとしてキーボード31と第1のタッチパネル32を備える。また決済装置3は、装置本体30に対して外付けされるデバイスとしてハンディスキャナ33、第2のタッチパネル34、プリンタ35、自動釣銭機36、キャッシュレス決済端末37等を備える。決済装置3は、チェックアウトカウンタ4における下流側端部近傍のチェックアウトレーンPAとは反対側に設置されたレジカウンタ5の天面に載置されている。
【0015】
詳しくは、決済装置3は、キーボード31のキー面と第1のタッチパネル32の操作パネル面とが店員の立つスペースSPの側を向くように装置本体30をレジカウンタ5に載置している。そしてこの装置本体30の周囲に、ハンディスキャナ33、第2のタッチパネル34、プリンタ35、自動釣銭機36及びキャッシュレス決済端末37を配置している。ハンディスキャナ33は、スペースSPに立つ店員が操作可能な位置に配置されている。第2のタッチパネル34は、その表示画面をチェックアウトレーンPAに立つ客が目視可能な位置に配置されている。プリンタ35は、チェックアウトレーンPAに立つ客がレシートを受け取りやすい位置に配置されている。
【0016】
自動釣銭機36は、投入口から投入された紙幣又は硬貨を計数して投入金額を算出する機能、投入された現金を金種別に選別して金庫に収容する機能、及び、釣銭額に相当する紙幣又は硬貨を金庫から抽出して払出口に払い出す機能を有した機器である。自動釣銭機36は、チェックアウトレーンPAに立つ客が貨幣を投入し、払い出された釣銭を取り出しやすい位置に配置されている。
【0017】
キャッシュレス決済端末37は、クレジットカード決済、電子マネー決済、コード決済等のキャッシュレス決済を処理するのに特化した機器である。キャッシュレス決済端末37は、チェックアウトレーンPAに立つ客がクレジットカード決済、電子マネー決済、コード決済等のキャッシュレス決済を行う際に操作しやすい位置に配置されている。
【0018】
このようなデバイスの配置により、キーボード31、第1のタッチパネル32及びハンディスキャナ33は、店員を操作者とする。第2のタッチパネル34、プリンタ35、自動釣銭機36及びキャッシュレス決済端末37は、客を操作者とする。すなわち第1のタッチパネル32は、店員に対して情報を表示する店員用表示部として機能する。第2のタッチパネル34は、客に対して情報を表示する客用表示部として機能する。
【0019】
かかる構成の商品販売システム1は、スーパーマーケット、ホームセンター等の大型小売店においては、商品が陳列される売場とは区分けされた会計場(レジ)に複数並列に設置するのが一般的である。一方、専門店等の小型小売店においては、店舗内に1つだけ商品販売システム1を設置する場合もある。
【0020】
[決済装置の構成説明]
図2は、決済装置3の主要な回路構成を示すブロック図である。図示するように決済装置3は、回路構成部品としてプロセッサ61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、時計64、通信インターフェース65、スキャナインターフェース66、タッチパネルインターフェース67、プリンタインターフェース68、釣銭機インターフェース69、決済端末インターフェース70、及び、入力装置インターフェース71を装置本体30に備える。プロセッサ61と、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、時計64、通信インターフェース65、スキャナインターフェース66、タッチパネルインターフェース67、プリンタインターフェース68、釣銭機インターフェース69、決済端末インターフェース70、及び、入力装置インターフェース71とは、システム伝送路72で接続される。システム伝送路72は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含んだ伝送路である。
【0021】
決済装置3は、プロセッサ61と、他の各部とをシステム伝送路72で接続することにより、コンピュータを構成する。そして決済装置3は、そのコンピュータに、システム伝送路72を介してキーボード31及び第1のタッチパネル32を接続する。
【0022】
プロセッサ61は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ61は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、決済装置3としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ61は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ61は、複数のプロセッサコアを含み、複数の処理を並行して実行することが可能なマルチコア・プロセッサである。
【0023】
メインメモリ62は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ62は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ62は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ62は、プロセッサ61が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ62は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ61によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0024】
補助記憶デバイス63は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス63となり得る。補助記憶デバイス63は、プロセッサ61が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ61での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス63は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0025】
時計64は、日付と時刻を計時する。プロセッサ61は、時計64によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0026】
通信インターフェース65は、通信ネットワークを介して接続されたストアサーバとの間でデータ通信を行うためのインターフェースである。ストアサーバは、店舗で販売される各商品の商品名、単価等の商品データを記憶した商品マスタを備え、決済装置3で処理された商品の販売データを収集し集計して、店舗全体の売上、在庫等を管理するためのコンピュータである。
【0027】
スキャナインターフェース66、タッチパネルインターフェース67、プリンタインターフェース68、釣銭機インターフェース69及び決済端末インターフェース70は、いずれも装置本体30に外付けされたデバイスとデータ通信を行うためのインターフェースである。すなわちスキャナインターフェース66は、ハンディスキャナ33との間でデータ通信を行う。タッチパネルインターフェース67は、第2のタッチパネル34との間でデータ通信を行う。プリンタインターフェース68、プリンタ35との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース69は、自動釣銭機36との間でデータ通信を行う。決済端末インターフェース70は、キャッシュレス決済端末37との間でデータ通信を行う。
【0028】
入力装置インターフェース71は、伝送ケーブル6で接続された入力装置2との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。すなわち入力装置インターフェース71は、定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23、キーボード24及びディスプレイ25との間でそれぞれデータ通信を行う。
【0029】
図3は、メインメモリ62に形成される主要な記憶領域を示す模式図である。決済装置3は、メインメモリ62における揮発性記憶領域の一部を第1取引ファイル81、第2取引ファイル82、フラグメモリ83及びステータスメモリ84の領域としている。第1取引ファイル81及び第2取引ファイル82は、いずれも一取引として処理する購買商品の販売データを記憶するための領域である。販売データは、購買商品の商品コード、商品名、単価、購買数量、販売金額等の項目を含む。販売金額は、単価に購買数量を乗算した金額である。第1取引ファイル81は、一取引として処理する購買商品の商品コード等の入力が開始されてから終了するまでの間、購買商品に係る販売データを記憶する。第2取引ファイル82は、購買商品の商品コード等の入力が終了してから取引が決済されるまでの間、販売データを記憶する。詳しくは、第1取引ファイル81及び第2取引ファイル82は、入力装置2の定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23もしくはキーボード24により入力された情報、例えば客が買い入れる購買商品に係る商品コード、購買数量、値引額等の情報、または決済装置3のキーボード31もしくは第1のタッチパネル32、により入力された情報、例えば客が買い入れる購買商品に係る商品コード、購買数量、値引額等の情報を記憶する。
【0030】
フラグメモリ83は、支払い中フラグFを記憶するための領域である。支払い中フラグFは、決済装置3において代金の支払い中であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、代金の支払い中であることを示す支払い中フラグFを“1”とし、代金の支払い中でないことを示す支払い中フラグFを“0”とする。
【0031】
ステータスメモリ84は、支払いステータスSTを記憶するための領域である。支払いステータスSTは、支払いモードを表す。支払いモードには、セルフモードとサポートモードとがある。セルフモードは、代金の支払い操作を客がセルフで行うモードである。サポートモードは、代金の支払い操作に店員が介在するモードである。本実施形態では、セルフモードを表す支払いステータスSTを“10”とし、サポートモードを表す支払いステータスSTを“20”とする。また、代金の支払い操作に入る前の支払いステータスSTを“00”とする。
【0032】
[決済装置の機能説明]
図4は、決済装置3のプロセッサ61が有する主要な機能構成を示すブロック図である。図示するようにプロセッサ61は、取得手段91、決済手段92及び制御手段93としての機能を有する。
【0033】
取得手段91は、入力装置2に対する店員の操作により入力された客との取引に係る情報を取得する機能である。取得手段91は、客が買い入れる購買商品に係る情報として、例えば商品コード、購買数量、値引額等を入力する。
【0034】
決済手段92は、客の操作により入金された金額で取引を決済する機能である。例えば自動釣銭機36に現金が投入された場合には、決済手段92は、現金による支払い金額が入金されたとみなして、現金決済処理を実行する。例えばキャッシュレス決済端末37でクレジットカードのデータが読み取られた場合には、決済手段92は、クレジットカードによる支払い金額が入金されたとみなして、クレジットカード決済処理を実行する。例えばキャッシュレス決済端末37で電子マネーが読み取られた場合には、決済手段92は、電子マネーによる支払い金額が入金されたとみなして、電子マネー決済処理を実行する。例えばキャッシュレス決済端末37でコード決済用のバーコード又は二次元コードが読み取られた場合には、決済手段92は、バーコード又は二次元コードで特定される残高が支払い金額として入金されたとみなして、コード決済処理を実行する。これらの現金決済処理、クレジットカード決済処理、電子マネー決済処理、コード決済処理等の決済処理は周知の処理であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0035】
制御手段93は、取得手段91により取得した情報を基に決済前の客に関する情報を店員用表示部である第1のタッチパネル32に表示させる機能である。また制御手段93は、客の操作により入金された金額については客用表示部である第2のタッチパネル34に表示させ、第1のタッチパネル32に表示させない機能でもある。詳しくは制御手段93は、客の操作による入金が行われる前は、その客との取引の決済に必要な金額を第1のタッチパネル32に及び第2のタッチパネル34に表示させ、入金が行われた後は、その入金された金額を第2のタッチパネル34に表示させる。また制御手段93は、客の操作により入金された金額が取引の決済に必要な金額未満の場合にはその差額を残額として第2のタッチパネル34に表示させ、客の操作により入金された金額が取引の決済に必要な金額以上の場合にはその差額を釣銭額として第2のタッチパネル34に表示させる。そして制御手段93は、第2のタッチパネル34に差額を表示させる際は、入金前の状態に戻すことを指令する操作子の操作を有効とし、第2のタッチパネル34に釣銭額を表示させる際は、上記操作子の操作を無効にする。
【0036】
かかる機能により、決済装置3のプロセッサ61は、以下の如く作用する。すなわちプロセッサ61は、入力装置2から客との取引に係る情報を取得すると、その情報を基に決済前の客に関する情報を店員用表示部である第1のタッチパネル32に表示させる。プロセッサ61は、客の操作により入金があると、その入金された金額を第2のタッチパネル34に表示させる。そしてプロセッサ61は、その入金された金額で取引を決済する。入金された金額は、第1のタッチパネル32には表示されない。したがって、入金された金額の情報によって、決済前の客に関する情報が隠されてしまうことはない。
【0037】
さて、上記取得手段91、決済手段92及び制御手段93としての機能は、プロセッサ61が業務プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。そこで次に、
図5乃至
図7の流れ図、及び、
図8乃至
図25の画面例を用いて、主要な情報処理の手順について説明する。なお、以下に説明する手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、手順を適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0038】
因みに、業務プログラムは、メインメモリ62又は補助記憶デバイス63に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。業務プログラムをメインメモリ62又は補助記憶デバイス63にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に入力プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により業務プログラムを配信して、メインメモリ62又は補助記憶デバイス63にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0039】
[決済装置の情報処理説明]
<第1の情報処理>
図5は、決済装置3のプロセッサ61が前記業務プログラムに従って実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。売場を回って購買商品を集めた客は、会計場へと移動する。そして客は、空いているチェックアウトレーンPAのチェックアウトカウンタ4に購買商品を置く。スペースSPに立つ店員は、客が会計場に来ると、例えばタッチパネル23のスタートボタンにタッチする。この操作は、入力装置2における入力開始の指令である。言い換えると、決済装置3における登録開始の指令となる。この指令を受けて、プロセッサ61は、
図5の流れ図に示す手順の第1の情報処理を開始する。プロセッサ61は、ACT1として入力装置2におけるタッチパネル23及びディスプレイ25の画面を登録画面とする。
【0040】
図8は、タッチパネル23に表示される登録画面SAaの一例である。登録画面SAaは、カレントエリアAAaと、明細エリアAAbと、合計エリアAAcとに区分される。カレントエリアAAaは、最新の購買商品の商品名、購買数量及び販売金額を表示するためのエリアである。明細エリアAAbは、一連の番号順に、一取引における購買商品の商品名、購買数量、単価、値割引額及び販売金額をリスト形式で表示するエリアである。合計エリアAAcは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計とを表示するエリアである。登録画面SAaは、小計ボタンBAaを含む。小計ボタンBAaは、ソフトウェアキーである。小計ボタンBAaは、一取引として決済装置3で登録された購買商品の小計出力を指令するための操作子である。
【0041】
図9は、ディスプレイ25に表示される登録画面SBaの一例である。登録画面SBaは、画面を複数の行(
図9の例では7つの行)に区分し、1行目から最終行の1つの前までの行を明細エリアABaの行とし、最終行を合計エリアABbの行とする。そして、明細エリアABaの行では、1行ずつ購買商品の商品名、単価、購買数量及び販売金額を表示する。合計エリアABbでは、1行に購買数量の合計と販売金額の合計とを表示する。
【0042】
登録画面SAaを確認した店員は、チェックアウトカウンタ4に置かれた購買商品の情報を入力装置2に入力する。すなわち店員は、購買商品に付されているバーコードを入力装置2の定置式スキャナ21又はハンディスキャナ22でスキャニングする。バーコードをスキャニングすることにより、入力装置インターフェース71を介して購買商品の商品コードが決済装置3に入力される。なお、購買商品にバーコードが付されていない場合には、店員は、入力装置2のタッチパネル23にバーコード無商品のリストを表示させる。そして店員は、そのリストの中から購買商品を選択する。このような操作により、バーコードのない購買商品の商品コードが入力装置インターフェース71を介して決済装置3に入力される。
【0043】
図5の説明に戻る。
タッチパネル23及びディスプレイ25の画面を登録画面SAa及び登録画面SBaとしたプロセッサ61は、ACT2へと進む。プロセッサ61は、ACT2として購買商品の登録に必要な情報が入力されるのを待ち受ける。入力装置インターフェース71を介して入力装置2から購買商品の情報である商品コードが入力されると、プロセッサ61は、購買商品の登録に必要な情報の入力有りと判断する。プロセッサ61は、ACT2からACT3へと進む。プロセッサ61は、ACT3として商品販売データ処理を実行する。この処理は、入力された商品コードで特定される商品の商品名、単価等を商品マスタから読込み、商品コード、商品名、単価、購買数量、販売金額等を含む購買商品の販売データを生成して、第1取引ファイル81に書き込む処理、すなわち登録する処理である。
【0044】
商品販売データ処理を終えたプロセッサ61は、ACT4へと進む。プロセッサ61は、ACT4として登録画面SAa及び登録画面SBaを更新する。
【0045】
登録画面SAaに関しては、プロセッサ61は、第1取引ファイル81に書き込んだ販売データの商品名、購買数量及び販売金額をカレントエリアAAaに表示する。このとき、1つ前に情報が入力された購買商品の販売データがカレントエリアAAaに表示されていた場合には、プロセッサ61は、その販売データの商品名、購買数量、単価、値割引額及び販売金額を明細エリアAAbに表示する。またプロセッサ61は、第1取引ファイル81に記憶した全ての販売データの購買数量及び販売金額の合計を合計エリアAAcに表示する。
【0046】
登録画面SBaに関しては、プロセッサ61は、第1取引ファイル81に書き込んだ販売データの商品名、単価、購買数量及び販売金額を明細エリアABaの1行目に表示する。このとき、明細エリアABaの1行目に販売データが表示されていた場合には、プロセッサ61は、1行目以降のデータを2行目以降に順次シフトしてから、第1取引ファイル81に書き込んだ販売データを1行目に表示する。またプロセッサ61は、第1取引ファイル81に記憶した全ての販売データの購買数量及び販売金額の合計を合計エリアABbに表示する。
【0047】
登録画面SAa及び登録画面SBaを更新したプロセッサ61は、ACT5へと進む。プロセッサ61は、ACT5として次の購買商品の情報が入力装置2に入力されたか否かを確認する。次の購買商品の情報が入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT6として小計ボタンBAaが入力されたか否かを確認する。小計ボタンBAaが入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT5へと戻る。このようにプロセッサ61は、ACT5及びACT6として次の購買商品の情報が入力されるか小計ボタンBAaが入力されるのを待ち受ける。
【0048】
ACT5及びACT6の待ち受け状態において、購買商品の情報が入力されると、プロセッサ61は、ACT3へと戻る。そしてプロセッサ61は、ACT3及びACT4の処理を前述したのと同様に実行する。
【0049】
したがって、店員が入力装置2の定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22又はタッチパネル23を操作して、チェックアウトカウンタ4に置かれた購買商品の情報を1品ずつ入力することによって、各購買商品の販売データが第1取引ファイル81に記憶される。また、登録画面SAa及び登録画面SBaが更新される。店員は、入力装置2に対して購買商品に係る情報の入力操作を終えると、小計ボタンBAaにタッチする。
【0050】
ACT5及びACT6の待ち受け状態において、小計ボタンBAaが店員のタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT7へと進む。プロセッサ61は、ACT7として入力装置2におけるタッチパネル23の画面を小計画面SAb(
図10を参照)とする。
【0051】
図10は、タッチパネル23に表示される小計画面SAbの一例である。小計画面SAbは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計が表示される合計エリアAAdを含む。また小計画面SAbは、小計値引ボタンBAb、小計割引ボタンBAc、会計ボタンBAd及び戻るボタンBAeを含む。各ボタンBAb,BAc,BAd,BAeはソフトウェアキーである。小計値引ボタンBAbは、合計金額の値引を指令するための操作子である。小計割引ボタンBAcは、合計金額の割引を指令するための操作子である。会計ボタンBAdは、購買商品の情報入力を終えたことを指令するための操作子である。戻るボタンBAeは、購買商品の情報入力に戻ることを指令するための操作子である。
【0052】
小計画面SAbを確認した店員は、未入力の購買商品がチェックアウトカウンタ4に残っているか否かを確認する。未入力の購買商品がある場合、店員は、戻るボタンBAeにタッチする。
【0053】
一方、未入力の購買商品がない場合には、店員は、小計値引対象又は小計割引対象の取引であるか否かを確認する。例えば客が小計値引のクーポン券を提示した場合には、小計値引対象の取引である。店員は、小計値引ボタンBAbを入力するとともにキーボード24のテンキーで値引額を入力する。このような操作により、合計金額が値引される。このような処理は小計値引処理と称される。同様に、例えば客が小計割引のクーポン券を提示した場合には、小計割引対象の取引である。店員は、小計割引ボタンBAcを入力するとともにキーボード24のテンキーで割引率を入力する。このような操作により、合計金額が割引される。このような処理は小計割引処理と称される。
【0054】
店員は、未入力の購買商品がなく、また小計値引又は小計割引の必要もないことを確認すると、会計ボタンBAdにタッチする。
【0055】
図5の説明に戻る。
タッチパネル23の画面を小計画面SAbとしたプロセッサ61は、ACT8へと進む。プロセッサ61は、ACT8として戻るボタンBAeが入力されたか否かを確認する。戻るボタンBAeが入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT9へと進む。プロセッサ61は、ACT9として会計ボタンBAdが入力されたか否かを確認する。会計ボタンBAdが入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT8へと戻る。このように、小計画面SAbを表示したプロセッサ61は、ACT8及びACT9として、戻るボタンBAdが入力されるか、会計ボタンBAdが入力されるのを待ち受ける。
【0056】
なお、ACT8及びACT9の待ち受け状態において、小計値引ボタンBAb又は小計割引ボタンBAcが入力された場合には、プロセッサ61は、前述した小計値引処理または小計割引処理を行う。その後、プロセッサ61は、ACT8及びACT9の待ち受け状態に戻る。
【0057】
ACT8及びACT9の待ち受け状態において、戻るボタンBAdが店員のタッチ操作により入力された場合には、プロセッサ61は、ACT8からACT10へと進む。プロセッサ61は、ACT10としてタッチパネル23の画面を直前の登録画面SAaに戻す。そしてプロセッサ61は、ACT5及びACT6の待ち受け状態となる。そこで店員は、入力装置2の定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22又はタッチパネル23を操作して、未入力であった購買商品の情報を入力すればよい。
【0058】
ACT8及びACT9の待ち受け状態において、会計ボタンBAdが店員のタッチ操作により入力された場合には、プロセッサ61は、ACT9からACT11へと進む。プロセッサ61は、ACT11として支払い中フラグFを調べる。決済装置3において代金の支払い操作が行われていない状態では、支払い中フラグFは“0”にリセットされている。支払い中フラグFが“0”にリセットされている場合には、プロセッサ61は、ACT11からACT12へと進む。プロセッサ61は、ACT12として、ディスプレイ25の画面を第1の報知画面SBb(
図11を参照)とする。
【0059】
図11は、ディスプレイ25に表示される第1の報知画面SBbの一例である。第1の報知画面SBbは、登録画面SBaにおける合計エリアABbの情報とともに、第1のテキストTXaを表示する。第1のテキストTXaは、代金の支払いが可能であるため支払い機へと移動することを客に指示する内容のテキストである。第1のテキストTXaを確認した客は、支払い機つまりは決済装置3が設置されている方へと移動し、代金の支払いを行うこととなる。
【0060】
図5の説明に戻る。
ディスプレイ25に第1の報知画面SBbを表示したプロセッサ61は、ACT13へと進む。プロセッサ61は、ACT13として第1取引ファイル81に記憶したデータ、つまりは一取引として登録された購買商品の販売データを第2取引ファイル82に複写する。またプロセッサ61は、ACT14としてフラグメモリ83の支払い中フラグFを“1”にセットする。以上でプロセッサ61は、一人目の客との取引に係る第1の情報処理を終了する。
【0061】
そして引き続きプロセッサ61は、二人目の客との取引に係る第1の情報処理を開始する。すなわちプロセッサ61は、ACT1以降の処理を前述したのと同様に実行する。このとき、一人目の客に対する第1の情報処理のACT14において“1”にセットされた支払い中フラグFが、二人目の客に対する第1の情報処理のACT11の時点において“0”にリセットされていない場合があり得る。
【0062】
ACT11において、支払い中フラグFが“1”にセットされていると、プロセッサ61は、ACT11からACT15へと進む。プロセッサ61は、ACT15としてディスプレイ25の画面を第2の報知画面SBc(
図12を参照)とする。
【0063】
図12は、ディスプレイ25に表示される第2の報知画面SBcの一例である。第2の報知画面SBcは、登録画面SBaにおける合計エリアABbの情報とともに、第2のテキストTXbを表示する。第2のテキストTXbは、代金の支払いが不可能であるため待機することを客に指示する内容のテキストである。第2のテキストTXbを確認した二人目の客は、代金の支払いが可能となるまで待機することとなる。
【0064】
図5の説明に戻る。
ディスプレイ25に第2の報知画面SBcを表示したプロセッサ61は、ACT11へと戻る。プロセッサ61は、ACT11として支払い中フラグFが“0”にリセットされるのを待ち受ける。支払い中フラグFは、後述する第2の情報処理において、決済処理を終えると“0”にリセットされる。支払い中フラグFが“0”にリセットされると、プロセッサ61は、ACT11からACT12へと進む。そしてプロセッサ61は、ACT12乃至ACT14の処理を前述したのと同様に実行する。すなわちプロセッサ61は、ディスプレイ25に第1の報知画面SBbを表示する。この表示により、二人目の客は、決済装置3が設置されている方へと移動し、代金の支払いを行うこととなる。
【0065】
プロセッサ61は、第1取引ファイル81に記憶したデータを第2取引ファイル82に複写する。またプロセッサ61は、支払い中フラグFを“1”にセットして、二人目の客に対する第1の情報処理を終了する。以後、プロセッサ61は、引き続き三人目、四人目、…の客に対する第1の情報処理を、上記の如く繰り返し実行する。
【0066】
ここにプロセッサ61は、入力装置インターフェース71と協働して、ACT2、ACT3、ACT5、ACT6、ACT8及びACT9の処理を実行することにより、取得手段91としての機能を実現する。
【0067】
<第2の情報処理>
図6及び
図7は、決済装置3のプロセッサ61が前記業務プログラムに従って実行する第2の情報処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ61は、前述した第1の情報処理と並行して第2の情報処理を実行する。
【0068】
プロセッサ61は、ACT21として支払い中フラグFが“1”にセットされるのを待ち受ける。なお、この待ち受け状態において、第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34には、初期画面が表示されている。初期画面の内容は、特に限定されない。例えば、第1のタッチパネル32に表示される初期画面は、後述する合計画面SCaと同一のレイアウトを有する画面とする。ただし、初期画面には、何も情報が表示されていない。第2のタッチパネル34に表示される初期画面は、例えば「いらっしゃいませ」というようなテキスト又は画像が表示されている画面とする。あるいは、何も表示されていなくてもよい。
【0069】
第1の情報処理のACT14において、支払い中フラグFが“1”にセットされると、プロセッサ61は、ACT21からACT22へと進む。プロセッサ61は、ACT22として支払いステータスSTを“10”とする。またプロセッサ61は、ACT23として店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCa(
図13を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を支払い方法選択画面SDa(
図15を参照)とする。
【0070】
図13は、第1のタッチパネル32に表示される合計画面SCaの一例である。合計画面SCaは、第1客エリアACaと第2客エリアACbとを有する。第1客エリアACaは、これから代金を支払う一人目の客に関する情報を表示するためのエリアである。第1客エリアACaには、一人目の客の合計点数と合計金額とが表示される。すなわち、第2取引ファイル82に記憶された購買商品の販売データを基に算出された購買数量の合計と販売金額の合計が第1客エリアACaに表示される。また、切替ボタンBCaが第1客エリアACaに表示されている。切替ボタンBCaは、ソフトウェアキーである。切替ボタンBCaは、代金の支払い操作を店員が介在することを宣言するための操作子である。
【0071】
第2客エリアACbは、二人目の客に関する情報を表示するためのエリアである。第2客エリアACbに表示される情報の一例を
図14に示す。
図14は、第2客エリアACbに表示される情報の遷移例を示す模式図である。
【0072】
入力装置2において二人目の客が購入する商品の情報入力がまだ開始されていない状態では、例えば第2客エリアACb-1に示すように、「待機中」が表示されている。二人目の客が購入する商品の情報入力が開始されると、例えば第2客エリアACb-2に示すように、「登録中」と表示される。また、二人目の客が購入する商品の情報入力が完了すると、例えば第2客エリアACb-3に示すように、「会計待ち」と表示される。その後、一人目の客の会計が完了して二人目の客の会計に移ると、第2客エリアACb-1に示すように、「待機中」に戻る。なお、第2客エリアACb-1においては、何も表示されていなくてもよい。
【0073】
このように、合計画面SCaの第1客エリアACaに表示される情報は、これから代金を支払う一人目の客に関する情報を表示するためのエリアである。また、合計画面SCaの第2客エリアACbに表示される情報は、第1客エリアACaに情報が表示されている一人目の次に代金を支払う二人目の客に関する情報を表示するためのエリアである。すなわち合計画面SCaは、決済前の客に関する情報を表示するための画面であると言える。
【0074】
図15は、第2のタッチパネル34に表示される支払い方法選択画面SDaの一例である。支払い方法選択画面SDaは、支払い方法選択ボタン群BDaを含む。支払い方法選択ボタン群BDaは、現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン、コード決済ボタン、プリペイドボタン及びポイントボタンを含む。現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン、コード決済ボタン、プリペイドボタン及びポイントボタンは、いずれもソフトウェアキーである。
【0075】
また、支払い方法選択画面SDaは、合計エリアADaを含む。合計エリアADaには、これから支払いを行う客の合計点数と合計金額とが表示される。すなわち、第2取引ファイル82に記憶された購買商品の販売データを基に算出された購買数量の合計と販売金額の合計が合計エリアADaに表示される。
【0076】
支払い方法選択画面SDaを確認した客は、支払い方法選択ボタン群BDaのなかから希望する支払い方法のボタンにタッチする。例えば、現金で支払うことを希望する客は、現金ボタンにタッチする。クレジットカードで支払うことを希望する客は、クレジットボタンにタッチする。電子マネーで支払うことを希望する客は、電子マネーボタンにタッチする。コード決済で支払うことを希望する客は、コード決済ボタンにタッチする。プリペイドカードで支払うことを希望する客は、プリペイドボタンにタッチする。累積ポイントで支払うことを希望する客は、ポイントボタンにタッチする。
【0077】
図6の説明に戻る。
第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCaとし、第2のタッチパネル34の画面を支払い方法選択画面SDaとしたプロセッサ61は、ACT24へと進む。プロセッサ61は、ACT24として支払い方法選択画面SDaに表示されている支払い方法選択ボタン群BDaのなかの1つのボタンが入力されたか否かを確認する。支払い方法選択ボタン群BDaのボタンが入力されていない場合、プロセッサ61は、ACT25へと進む。プロセッサ61は、ACT25として合計画面SCaに表示されている切替ボタンBCaが入力されたか否かを確認する。合計画面SCaの切替ボタンBCaも入力されていない場合、プロセッサ61は、ACT24へと戻る。このようにプロセッサ61は、ACT24及びACT25として支払い方法選択画面SDaにおける支払い方法選択ボタン群BDaのボタンが入力されるか、合計画面SCaの切替ボタンBCaが入力されるのを待ち受ける。
【0078】
ACT24及びACT25の待ち受け状態において、支払い方法選択ボタン群BDaのボタンが客のタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT24から
図7のACT30へと進む。ACT30以降の処理については後述する。
【0079】
一方、ACT24及びACT25の待ち受け状態において、切替ボタンBCaが店員のタッチ操作により入力された場合には、プロセッサ61は、ACT25からACT26へと進む。プロセッサ61は、ACT26として支払いステータスSTを“20”とする。またプロセッサ61は、ACT27として店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を支払い方法選択画面SCb(
図16を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を店員操作中画面SDb(
図17を参照)とする。
【0080】
図16は、第1のタッチパネル32に表示される支払い方法選択画面SCbの一例である。支払い方法選択画面SCbは、合計画面SCaの第1客エリアACaに、支払い方法選択ボタン群BCbと戻るボタンBCcとを配置したものである。合計画面SCaの第2客エリアACbについては、支払い方法選択画面SCbにおいても同様に表示されている。
【0081】
支払い方法選択ボタン群BCbは、前述した現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン、コード決済ボタン、プリペイドボタン及びポイントボタンに加えて、商品券ボタンを含む。商品券ボタンも、ソフトウェアキーである。代金を商品券で支払う場合には、その商品券の有効性を確認するために店員の介在が必要となる。このため、客が操作者である第2のタッチパネル34の支払い方法選択画面SDaには商品券ボタンは含まれていないが、店員が操作者である第1のタッチパネル32の支払い方法選択画面SCbには商品券ボタンが含まれる。戻るボタンBCcは、ソフトウェアキーである。戻るボタンBCcは、1つ前の画面、つまりは合計画面SCaに戻すことを宣言するための操作子である。
【0082】
図17は、第2のタッチパネル34に表示される店員操作中画面SDbの一例である。図示するように店員操作中画面SDbには、店員が操作中であることを客に通知するための第3のテキストTXcが表示される。なお、第3のテキストTXcに代えて店員が操作中であることを表す画像を表示してもよい。あるいは、第3のテキストTXcと画像とを併せて表示してもよい。要は、店員が操作中であることを客に通知できればよい。
【0083】
図6の説明に戻る。
第1のタッチパネル32の画面を支払い方法選択画面SCbとし、第2のタッチパネル34の画面を店員操作中画面SDbとしたプロセッサ61は、ACT28へと進む。プロセッサ61は、ACT28として支払い方法選択画面SCbに表示されている支払い方法選択ボタン群BCbのなかの1つのボタンが入力されたか否かを確認する。支払い方法選択ボタン群BCbのボタンが入力されていない場合、プロセッサ61は、ACT29へと進む。プロセッサ61は、ACT29として支払い方法選択画面SCbの戻るボタンBCcが入力されたか否かを確認する。戻るボタンBCcも入力されていない場合、プロセッサ61は、ACT28へと戻る。このようにプロセッサ61は、ACT28及びACT29として支払い方法選択ボタン群BCbのボタンが入力されるか、戻るボタンBCcが入力されるのを待ち受ける。
【0084】
ACT28及びACT29の待ち受け状態において、支払い方法選択ボタン群BCbのボタンが店員のタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT28から
図7のACT30へと進む。ACT30以降の処理については後述する。
【0085】
これに対し、ACT28及びACT29の待ち受け状態において、戻るボタンBCcが店員のタッチ操作により入力された場合には、プロセッサ61は、ACT29からACT22へと戻る。すなわちプロセッサ61は、支払いステータスSTを“10”とする。またプロセッサ61は、第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCaとし、第2のタッチパネル34の画面を支払い方法選択画面SDaとする。そしてプロセッサ61は、支払い方法選択画面SDaにおける支払い方法選択ボタン群BDaのボタンが入力されるか、合計画面SCaの切替ボタンBCaが入力されるのを待ち受ける。
【0086】
上述したように、ACT24において第2のタッチパネル34に表示された支払い方法選択ボタン群BDaのボタンが客のタッチ操作により入力されるか、ACT28において第1のタッチパネル32に表示された支払い方法選択ボタン群BCbのボタンが店員のタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、
図7のACT30へと進む。プロセッサ61は、ACT30として店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCa(
図13を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を支払い支援画面SDc(
図18を参照)とする。
【0087】
図18は、第2のタッチパネル34に表示される支払い支援画面SDcの一例である。
図18は、支払い方法選択ボタン群BDa又は支払い方法選択ボタン群BCbのなかの現金ボタンが入力された際の支払い支援画面SDcを示している。支払い支援画面SDcは、釣銭機情報エリアADbを含む。また支払い支援画面SDcは、戻るボタンBDbを配置する。
【0088】
釣銭機情報エリアADbには、合計金額と、投入金額すなわち自動釣銭機36に投入された現金の金額と、合計金額から投入金額を減額した残額とが表示される。戻るボタンBDbは、ソフトウェアキーである。戻るボタンBDbは、選択した支払い方法での支払いを中断し、支払い方法選択前の状態に戻すことを指示するための操作子である。
【0089】
図7の説明に戻る。
第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCaとし、第2のタッチパネル34の画面を支払い支援画面SDcとしたプロセッサ61は、ACT31へと進む。プロセッサ61は、ACT31として代金の入金があったか否かを確認する。代金の入金がない場合には、プロセッサ61は、ACT32へと進む。プロセッサ61は、ACT32として戻るボタンBDbが入力されたか否かを確認する。戻るボタンBDbが入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT31へと戻る。このようにプロセッサ61は、ACT31及びACT32として入金があるか、戻るボタンBDbが入力されるのを待ち受ける。
【0090】
代金支払い方法として現金支払いを選択した客は、自動釣銭機36に現金を投入する。クレジットカード支払いを選択した客は、キャッシュレス決済端末37のリーダでクレジットカードのデータを読み取らせる。電子マネー支払いを選択した客は、キャッシュレス決済端末37のリーダで電子マネー媒体のデータを読み取らせる。コード決済支払いを選択した客は、キャッシュレス決済端末37のスキャナでコード決済用のバーコードまたは二次元データコードを読み取らせる。プリペイドカード支払いを希望する客は、キャッシュレス決済端末37のリーダでプリペイドカードのデータを読み取らせる。ポイント支払いを希望する客は、キャッシュレス決済端末37のリーダでポイントカードのデータを読み取らせる。このような客の支払い操作があると、プロセッサ61は、ACT31において入金有りと判断する。
【0091】
入金有りと判断したプロセッサ61は、ACT31からACT33へと進む。プロセッサ61は、ACT33として支払い処理を実行する。例えば現金支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、合計金額から自動釣銭機36に投入された現金の金額を引き去る。クレジットカード支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、クレジットカードの認証を行う。電子マネー支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、電子マネーの残高から合計金額を引き去る。コード決済支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、コード決済の残高から合計金額を引き去る。プリペイドカード支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、プリペイドカードの残高から合計金額を引き去る。ポイント支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、累積ポイント相当の金額から合計金額を引き去る。
【0092】
支払い処理を実行したプロセッサ61は、ACT34へと進む。プロセッサ61は、ACT34として支払いが完了したか否かを判断する。例えば、自動釣銭機36に投入した現金の金額が合計金額に対して不足していた場合には、プロセッサ61は、支払いが未完と判断する。同じく、クレジットカードの認証に失敗した場合、あるいは電子マネー、コード決済、プリペイドカード、累積ポイント等の残高が合計金額に対して不足していた場合も、プロセッサ61は、支払いが未完と判断する。支払いが未完の場合、プロセッサ61は、ACT31へと戻る。プロセッサ61は、ACT31及びACT32として再び入金があるか、戻るボタンBDbが入力されるのを待ち受ける。
【0093】
支払いが未完である状態、すなわちACT31及びACT32の待ち受け状態においては、客は、支払い方法を別の方法に変更することができる。例えば、現金支払いを選択したが持ち合わせの現金が不足していた場合に、客は、現金以外の支払い方法に変更することができる。別の支払い方法に変更することを希望する客は、戻るボタンBDbにタッチする。
【0094】
ACT31及びACT32の待ち受け状態において、戻るボタンBDbが客のタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT32からACT35へと進む。プロセッサ61は、ACT35として自動釣銭機36に現金が投入された後に戻るボタンBDbが入力されたか否かを確認する。自動釣銭機36に現金が投入された後に戻るボタンBDbが入力された場合には、プロセッサ61は、ACT36へと進む。プロセッサ61は、ACT36として自動釣銭機36に投入された現金の金額、いわゆる入金額をメインメモリ62で記憶する。自動釣銭機36に現金が投入されることなく戻るボタンBDbが入力された場合には、プロセッサ61は、ACT36の処理をスキップする。
【0095】
ACT36の処理を実行するかスキップすると、プロセッサ61は、ACT37へと進む。プロセッサ61は、ACT37としてステータスSTを調べる。なお、この時点では、ステータスSTは“10”または“20”である。
【0096】
ステータスSTが“10”である場合、プロセッサ61は、
図6のACT23へと戻る。すなわちプロセッサ61は、店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCa(
図13を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を支払い方法選択画面SDa(
図15を参照)とする。このように、ステータスSTが“10”のときに客が戻るボタンBDbにタッチすると、第2のタッチパネル34に支払い方法選択画面SDaが表示される。したがって客は、再度、支払い方法選択ボタン群BDaのなかから希望する支払方法のボタンにタッチすればよい。
【0097】
これに対し、ステータスSTが“20”である場合には、プロセッサ61は、
図6のACT27へと戻る。すなわちプロセッサ61は、店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を支払い方法選択画面SCb(
図16を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を店員操作中画面SDb(
図17を参照)とする。このように、ステータスSTが“20”のときに客が戻るボタンBDbにタッチすると、第1のタッチパネル32に支払い方法選択画面SCbが表示される。したがって店員は、再度、支払い方法選択ボタン群BCbのなかから客が希望する支払方法のボタンにタッチすればよい。
【0098】
ACT34において支払いが完了したことを認識したプロセッサ61は、ACT38へと進む。プロセッサ61は、ACT38として店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCa(
図13を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を支払い確認画面SDd(
図19を参照)とする。
【0099】
図19は、第2のタッチパネル34に表示される支払い確認画面SDdの一例である。
図19は、支払い方法選択ボタン群BDa又は支払い方法選択ボタン群BCbのなかの現金ボタンが入力された際の支払い確認画面SDdを示している。支払い確認画面SDdは、釣銭機情報エリアADbを含む。釣銭機情報エリアADbは、支払い支援画面SDcでは合計金額から投入金額を減じた差額を残額として表示するが、支払い確認画面SDdでは投入金額から合計金額を減じた差額を釣銭額として表示する。また、支払い確認画面SDdは、支払いボタンBDcを配置する。支払い支援画面SDcに配置されていた戻るボタンBDbは、支払い支援画面SDcには配置されない。支払いボタンBDcは、支払いが完了したことを宣言するための操作子である。代金の支払いを終えた客は、支払いボタンBDcにタッチする。
【0100】
図7の説明に戻る。
第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCaとし、第2のタッチパネル34の画面を支払い確認画面SDdとしたプロセッサ61は、ACT39へと進む。プロセッサ61は、ACT39として支払いボタンBDcが入力されるのを待ち受ける。支払いボタンBDcが客のタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT40へと進む。プロセッサ61は、ACT40として入金額を記憶しているか否かを確認する。ACT36の処理において入金額を記憶していた場合には、プロセッサ61は、ACT41へと進む。プロセッサ61は、ACT41として入金額に相当する現金が払い出されるように自動釣銭機36を制御する。ACT36の処理において入金額を記憶していない場合には、プロセッサ61は、ACT41の処理をスキップする。
【0101】
ACT41の処理を実行するかスキップすると、プロセッサ61は、ACT42へと進む。プロセッサ61は、ACT42として釣銭があるか否かを確認する。支払い方法として現金支払いが選択され、自動釣銭機36に合計金額を超える金額の現金が投入されたために釣銭が生じている場合には、プロセッサ61は、ACT43へと進む。プロセッサ61は、ACT43として釣銭額に相当する現金が払い出されるように自動釣銭機36を制御する。釣銭が生じていない場合には、プロセッサ61は、ACT43の処理をスキップする。
【0102】
ACT43の処理を実行するかスキップすると、プロセッサ61は、ACT44へと進む。プロセッサ61は、ACT44としてレシートの出力を制御する。すなわちプロセッサ61は、第2取引ファイル82に記憶した販売データ等を基に商取引の明細を示すレシートデータを生成する。そしてプロセッサ61は、そのレシートデータをプリンタ56に出力する。かくして、プリンタ56が動作して紙レシートが印字され、発行される。なお、入力装置2において電子レシートIDが入力されていた場合には、プロセッサ61は、レシートデータをその電子レシートIDとともに電子レシートサーバへと送信する。かくして客は、スマートフォンを操作することにより、レシートを電子レシートの形態で入手することができる。
【0103】
レシートを出力したプロセッサ61は、ACT45へと進む。プロセッサ61は、ACT45として店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を支払い完了画面SCc(
図20を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を支払い完了画面SDe(
図21を参照)とする。
【0104】
図20は、第1のタッチパネル32に表示される支払い完了画面SCcの一例である。支払い完了画面SCcは、合計画面SCaに重ねて、支払いが完了したことを店員に通知するためのポップアップウィンドウPUaを表示する。店員は、このポップアップウィンドウPUaが表示されたことにより、決済装置3において客の支払いが完了したと認識する。
【0105】
図21は、第2のタッチパネル34に表示される支払い完了画面SDeの一例である。
図21は、支払い方法選択ボタン群BDa又は支払い方法選択ボタン群BCbのなかの現金ボタンが入力された際の支払い完了画面SDeを示している。支払い完了画面SDeは、釣銭機情報エリアADbとともに、レシートとお釣りの取り忘れがないことを客に案内する第4のテキストTXdを表示する。なお、レシートを電子レシートとして発行した場合には、第4のテキストTXdが例えば「お釣りをお取りください。レシートは電子レシートでご確認ください」というように変化する。支払い完了画面SDeに表示された内容を確認した客は、プリンタ35から紙レシートが発行された場合には、その紙レシートを受け取る。また、自動釣銭機36から入金額あるいは釣銭等の現金が払い出された場合には、その現金を受け取る。
【0106】
図7の説明に戻る。
第1のタッチパネル32の画面を支払い完了画面SCcとし、第2のタッチパネル34の画面を支払い完了画面SDeとしたプロセッサ61は、ACT46へと進む。プロセッサ61は、ACT46として第2取引ファイル82をクリアする。またプロセッサ61は、ACT47として支払い中フラグFを“0”にリセットする。さらにプロセッサ61は、ACT48として支払いステータスSTを“00”とする。以上でプロセッサ61は、第2の情報処理を終了する。かくして、一人目の客の代金支払いが決済装置3において処理される。そして再び、
図5のACT14において支払い中フラグFが“1”セットされると、プロセッサ61は、上述した第2の情報処理を繰り返し実行する。かくして、二人目の客の代金支払いが決済装置3において処理される。以後、同様にして、三人目,四人目、…の客の代金支払いが決済装置3において順番に処理される。
【0107】
ところで、
図18及び
図19においては、現金ボタンが入力された際の支払い支援画面SDc及び支払い確認画面SDdを例示した。すなわち支払い支援画面SDcは、自動釣銭機36に投入された現金の金額を合計金額及び残額とともに表示する内容の画面である。支払い確認画面SDdは、現金による代金の支払いを終えた後の投入金額及び釣銭額を合計金額とともに表示する内容の画面である。支払い支援画面及び支払い確認画面によって表示される内容は、支払い方法によって異なる。
【0108】
図22及び
図23は、クレジットボタンが入力された際の支払い支援画面SDf及び支払い確認画面SDgの一例を示す。支払い支援画面SDfは、キャッシュレス決済端末37にクレジットカードのデータを読み取らせるための客の操作方法を戻るボタンBDbとともに表示する。支払い確認画面SDgは、クレジットカード決済を終えた後の客の操作方法を支払いボタンBDcとともに表示する。
【0109】
図24及び
図25は、電子マネーボタンが入力された際の支払い支援画面SDh及び支払い確認画面SDiの一例を示す。支払い支援画面SDh及び支払い確認画面SDiは、電子マネー情報エリアADcを含む。電子マネー情報エリアADcは、合計金額と、電子マネー残高と、支払い後残高とを表示するエリアである。支払い支援画面SDhにおいては、電子マネーのデータが読み取られていないので、電子マネー残高は“0”であり、支払い後残高は合計金額である。支払い確認画面SDiにおいては、電子マネー残高は支払い前の残高であり、支払い後残高は代金支払い後の残高である。なお、支払い支援画面SDhに戻るボタンBCbが表示され、支払い確認画面SDiに支払いボタンBDcが表示される点は、他の画面と共通である。
【0110】
ここに、プロセッサ61は、ACT31、ACT33、ACT34、ACT39乃至ACT44の処理を実行することにより決済手段92としての機能を実現する。またプロセッサ61は、ACT23、ACT30及びACT38の処理を実行することにより、制御手段93としての機能を実現する。
【0111】
[決済装置の作用効果説明]
図26は、客が代金の支払い操作を全てセルフで行う際に、第1のタッチパネル32と第2のタッチパネル34にそれぞれ表示される画面の遷移を示している。
図26に示される画面の遷移は、プロセッサ61が第1のタッチパネル32、第2のタッチパネル34を制御することにより実行される。
先ず、支払い中フラグFが“0”、すなわち決済装置3において決済処理が行われていない状況では、第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34にはそれぞれ初期画面が表示されている。
【0112】
入力装置2のタッチパネル23に表示された小計画面SAbの会計ボタンBAdが店員の操作により入力されると、支払い中フラグFが“1”にセットされる。このとき、第1のタッチパネル32の画面は、初期画面から合計画面SCaへと遷移する。第2のタッチパネル34の画面は、初期画面から支払い方法選択画面SDaへと遷移する。そこで、決済装置3の傍へと移動した客は、支払い方法選択画面SDaに表示された支払い方法選択ボタン群BDaのなかから希望する支払方法のボタンを探す。そして客は、そのボタンにタッチする。
【0113】
支払い方法選択ボタン群BDaのボタンが入力されると、第2のタッチパネル34の画面は、支払い方法選択画面SDaから支払い支援画面SDc(SDf,SDh)へと遷移する。第1のタッチパネル32の画面は、合計画面SCaから遷移しない。支払い支援画面SDc(SDf,SDh)を確認した客は、その画面SDc(SDf,SDh)に表示された内容に従い、選択した支払い方法で代金の支払い操作を行う。例えば現金支払いを選択した場合には、客は、自動釣銭機36に現金を投入する。
【0114】
その結果、代金の支払いが完了すると、第2のタッチパネル34の画面は、支払い支援画面SDc(SDf,SDh)から支払い確認画面SDd(SDg,SDi)へと遷移する。第1のタッチパネル32の画面は、合計画面SCaから遷移しない。支払い確認画面SDd(SDg,SDi)を確認した客は、その画面SDd(SDg,SDi)の支払いボタンBDcにタッチする。一方、店員は、第1のタッチパネル32の画面が合計画面SCaから変わらないので、客がまだ代金の支払中であると認識し得る。店員は、次の客がいる場合には、その客が購入する商品の情報入力操作を入力装置2に対して行う。
【0115】
支払いボタンBDcが入力されると、第2のタッチパネル34の画面は、支払い確認画面SDd(SDg,SDi)から支払い完了画面SDeへと遷移する。第1のタッチパネル32の画面もまた、合計画面SCaから支払い完了画面SCcへと遷移する。支払い完了画面SCcを確認した店員は、客が代金の支払いを終えたことを認識し得る。
【0116】
図27は、店員が客に代わって代金支払い方法を選択する場合に、第1のタッチパネル32と第2のタッチパネル34の画面遷移を説明するための図である。
図27に示される画面の遷移もまた、プロセッサ61が第1のタッチパネル32、第2のタッチパネル34を制御することにより実行される。
第1のタッチパネル32の画面が初期画面から合計画面SCaへと遷移し、第2のタッチパネル34の画面が初期画面から支払い方法選択画面SDaへと遷移するまでは、
図26の場合と同様である。
【0117】
ここで、例えば客が支払い方法選択画面SDaの操作に手間取っていた場合、店員は、合計画面SCaの切替ボタンBCaにタッチする。そうすると、第1のタッチパネル32の画面は、合計画面SCaから支払い方法選択画面SCbへと遷移する。また、第2のタッチパネル34の画面は、支払い方法選択画面SDaから店員操作中画面SDbへと遷移する。店員は、客に代金の支払い方法を確認する。そして店員は、支払い方法選択画面SDaに表示された支払い方法選択ボタン群BDaのなかから、客が指定した支払方法のボタンにタッチする。
【0118】
店員が支払方法のボタンにタッチすると、第1のタッチパネル32の画面は、支払い方法選択画面SCbから合計画面SCaに遷移する。また、第2のタッチパネル34の画面は、店員操作中画面SDbから支払い支援画面SDcへと遷移する。したがって客は、支払い支援画面SDcに表示された内容に従い、希望した支払い方法で代金の支払い操作を行うこととなる。その後は、
図26と同様に、第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34の画面は遷移する。
【0119】
図26に示すように、決済前の一人目の客が、第2のタッチパネル34に表示された支払い方法選択画面SDaを操作して自らが希望する支払い方法を選択して代金を支払う場合には、第2のタッチパネル34の画面が支払い方法選択画面SDaから支払い支援画面SDc(SDf,SDh)へと遷移し、さらに支払い確認画面SDd(SDg,SDi)へと遷移する。したがって客は、第2のタッチパネル34に表示される画面の情報に従い、入金の操作を行えばよい。よって、取引の決済に必要な入金に関する操作を客自身に行わせることができる決済装置を提供することができる。
【0120】
しかも、第2のタッチパネル34の画面が支払い方法選択画面SDaから支払い支援画面SDc(SDf,SDh)、さらには支払い確認画面SDd(SDg,SDi)へと遷移している間は、第1のタッチパネル32の画面は合計画面SCaから変わらない。合計画面SCaは、決済前の一人目の客、及び二人目の客に関する情報を表示する画面である。したがって、例えば決済中の一人目の客からの問い合わせにチェッカを担当する店員が応対する場合でも、店員は合計画面SCaを目視することにより、決済前の客に関する情報を容易に確認できるメリットがある。
【0121】
また、
図27に示すように、店員が第1のタッチパネル32に表示された支払い方法選択画面SCbを操作して客が希望する支払い方法を選択する場合においても、その客が選択した支払い方法で代金を支払っている間は、第2のタッチパネル34の画面は支払い支援画面SDc(SDf,SDh)、さらには支払い確認画面SDd(SDg,SDi)へと遷移する。そしてその間は、第1のタッチパネル32には合計画面SCaが表示される。したがって、支払い方法を選択する操作を除き、取引の決済に必要な入金に関する操作を客自身に行わせることができる上、店員が決済前の客に関する情報を容易に確認できる決済装置を提供することができる。
【0122】
[他の実施形態]
合計画面SCaの第1客エリアACaに表示される情報は、一人目の客の合計点数と合計金額に限定されない。例えば、入力装置2のタッチパネル23に表示される登録画面SAaのカレントエリアAAa、明細エリアAAb及び合計エリアAAcに表示される情報を表示してもよい。そうすることにより、店員は決済前の一人目の客の詳細な情報を容易に確認することができる。また、第2客エリアACbに表示される情報も、
図14に示す情報に限定されない。例えば登録中のときには、現時点までの登録点数と合計金額とを表示し、会計待ちのときには合計点数と合計金額とを表示する。そうすることにより、店員は決済前の二人目の客についても、詳細な情報を確認することができる。
【0123】
前記実施形態では、合計画面SCaに切替ボタンBCaを配置したが、切替ボタンBCaを配置しないようにしてもよい。すなわち、支払い方法の選択操作を客に限定してもよい。その場合においても、前記実施形態と同様な作用効果を奏することは、言うまでもないことである。
【0124】
図1に示した決済装置3は、入力装置2により商品コード等が入力された購買商品の情報を基に購買商品の販売データを生成して登録するものである。他の決済装置としては、店員を操作者とするキーボード31、第1のタッチパネル32又はハンディスキャナ33を入力装置とする。そして、これらの入力装置を介して商品コード等の購買商品の情報を受け付け、その情報を基に購買商品の販売データを生成して登録する。一方、取引の決済に必要な代金の入金については、前記実施形態と同様に第2のタッチパネル34、プリンタ35、自動釣銭機36又はキャッシュレス決済端末37を客自身が操作して行う。すなわち、対面式POS端末等と称される決済装置であってもよい。
【0125】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0126】
1…商品販売システム、2…入力装置、3…決済装置、4…チェックアウトカウンタ、5…レジカウンタ、6…伝送ケーブル、21…定置式スキャナ、22…ハンディスキャナ、23…タッチパネル、24…キーボード、25…ディスプレイ、31…キーボード、32…第1のタッチパネル、33…ハンディスキャナ、34…第2のタッチパネル、35…プリンタ、36…自動釣銭機、37…キャッシュレス決済端末、61…プロセッサ、62…メインメモリ、63…補助記憶デバイス、64…時計、65…通信インターフェース、66…スキャナインターフェース、67…タッチパネルインターフェース、68…プリンタインターフェース、69…釣銭機インターフェース、70…決済端末インターフェース、71…入力装置インターフェース、72…システム伝送路、81…第1取引ファイル、82…第2取引ファイル、83…フラグメモリ、84…ステータスメモリ、91…取得手段、92…決済手段、93…制御手段、SCa…合計画面、SCb…支払い方法選択画面、SCc…支払い完了画面、SDa…支払い方法選択画面、SDb…店員操作中画面、SDc,SDf,SDh…支払い支援画面、SDd,SDg,SDi…支払い確認画面、SDe…支払い完了画面。