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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171425
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】検査装置、検査装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241205BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20241205BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G03G21/00 510
B41J29/393 105
G03G15/00 303
G03G21/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088409
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】新谷 洸士
【テーマコード(参考)】
2C061
2H134
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061BB08
2C061BB35
2C061CG02
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HH03
2C061HH07
2C061HJ07
2C061HJ10
2C061HK11
2C061KK03
2C061KK22
2C061KK25
2C061KK26
2C061KK27
2H134QA01
2H270KA04
2H270KA53
2H270KA59
2H270LA64
2H270LA67
2H270LA70
2H270LD03
2H270LD09
2H270MF17
2H270MH09
2H270PA83
2H270QB13
2H270RA27
2H270RB04
2H270RC11
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】 実際に印刷を実行し検査を行う過程で、予想よりも時間がかかってしまう場合がある。この場合、納期に間に合わせるために、ユーザは実行中の検査を中断し、検査レベルの設定を再度行った上で、再印刷を行う必要があり手間を要していた。
【解決手段】 本発明の検査装置(200)は、ジョブを実行することにより画像形成手段(100)から順次搬送されてくる画像が形成されたシートを読取手段(403)によって読み取り、形成された画像の検査処理を行う検査手段(405)と、前記検査手段での前記検査処理で用いる検査レベルを受け付ける受付手段(509)と、前記受付手段での検査レベルの変更は、前記ジョブの実行中にも受け付ける(S804)ことを特徴とする。
【選択図】 図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査装置であって、
ジョブを実行することにより画像形成手段から順次搬送されてくる画像が形成されたシートを読取手段によって読み取り、形成された画像の検査処理を行う検査手段と、
前記検査手段での前記検査処理で用いる検査レベルを受け付ける受付手段と、
前記受付手段での検査レベルの変更は、前記ジョブの実行中にも受け付け、前記検査手段は、前記受け付けた変更後の検査レベルで、前記ジョブにより形成された画像の検査処理を行う
ことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記検査装置は、
表示部を有し、
前記受付手段により設定された検査レベルに少なくとも基づいて算出した実行中のジョブの終了時間を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記変更前の検査レベルでの検査処理と、前記変更後の検査レベルでの検査処理は、同一のジョブの実行により画像形成手段で形成された画像に対しての検査である
ことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
前記ジョブの実行中に前記検査レベルが第1の検査レベルから第2の検査レベルに変更されると、
前記表示部に表示された前記第1の検査レベルに少なくとも基づいて算出された実行中のジョブの終了時間が、前記第2の検査レベルに少なくとも基づいて算出した実行中のジョブの終了時間に更新される
ことを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項5】
前記表示部に、前記検査レベルに少なくとも基づいて算出された実行中のジョブの終了時間が予め受け付けた前記実行中のジョブの終了予定時間を過ぎる場合に、警告表示を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項6】
前記表示部に表示される実行中のジョブの終了時間は、前記ジョブの実行に要する時間の記載と、前記ジョブの終了時刻とのいずれかまたはその両方である
ことを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項7】
前記表示部に表示される実行中のジョブの終了時間は、グラフィカルな表示である
ことを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項8】
検査装置であって、
ジョブを実行することにより画像形成手段から順次搬送されてくる画像が形成されたシートを読取手段によって読み取り、形成された画像の検査処理を行う検査手段と、
前記検査手段での前記検査処理で用いる検査レベルを制御する制御手段と、
前記制御手段により設定された第1の検査レベルに少なくとも基づいて算出した実行中のジョブの終了時間と、予め受け付けた前記実行中のジョブの終了予定時間とに基づいて、前記制御手段は、前記設定された第1検査レベルを第2検査レベルに変更する
ことを特徴とする検査装置。
【請求項9】
前記検査装置は、表示部を有し、
前記制御手段により前記第1の検査レベルから前記第2の検査レベルに変更されると、検査レベルの変更があった旨を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項8に記載の検査装置。
【請求項10】
前記検査装置は、
前記検査レベルと、前記検査レベルを満たす印刷物の生産性データとを対応づけて記憶する記憶部を有し、
前記検査レベルに少なくとも基づいて算出した実行中のジョブの終了時間は、前記憶部に記憶された前記印刷物の生産性データと印刷情報とに基づいて算出される
ことを特徴と請求項8に記載の検査装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記ジョブの実行開始前に前記第1検査レベルを決定する
ことを特徴と請求項8に記載の検査装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記ジョブの実行中に前記第1検査レベルから前記第2検査レベルに変更する
ことを特徴と請求項8に記載の検査装置。
【請求項13】
前記制御手段が制御する前記検査レベルの上限レベルと下限レベルとを受け付ける受付手段と、
前記第2検査レベルは、前記上限レベルと前記下限レベルの間で決定される
ことを特徴とする請求項8に記載の検査装置。
【請求項14】
検査装置の制御方法であって、
ジョブを実行することにより画像形成手段から順次搬送されてくる画像の検査処理で用いる検査レベルを受け付ける受付ステップと、
前記画像形成手段により形成されたシートを読取手段が読み取った読取画像を取得すると、前記検査処理を行う検査ステップと、
を有し、
前記受け付けステップでの検査レベルの変更は、前記ジョブの実行中にも受け付ける
ことを特徴とする検査装置の制御方法。
【請求項15】
検査装置の制御方法であって、
ジョブを実行することにより画像形成手段から順次搬送されてくる画像が形成されたシートを読取手段によって読み取り、形成された画像の検査処理を行う検査ステップと、
前記検査処理で用いる検査レベルを制御する制御ステップと、
設定された第1の検査レベルに少なくとも基づいて算出した実行中のジョブの終了時間と、予め受け付けた前記実行中のジョブの終了予定時間とに基づいて、前記設定された第1検査レベルを第2検査レベルに変更する
ことを特徴とする検査装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検査装置、検査装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置にて出力される印刷物において、インクやトナー等の色材が意図しない箇所に付着することで、汚れが発生する場合がある。あるいは、色材が付着し、画像を形成すべき箇所に必要十分な色材が付着せず、本来よりも色が薄くなってしまう色抜けが発生する場合がある。そこで近年、印刷物の品質を保証するため、印刷物が搬送経路を流れていくスピードに合わせて印刷物の欠陥を自動で検査をする検査システムが提案されている。
【0003】
自動で検査を行う検査システムにおいて、欠陥を検出するレベル(例えば検出する欠陥の色差や大きさの閾値)を調整可能とする方法がある。
【0004】
このような検査システムは、印刷会社などで使用されることが想定される。印刷会社では、ユーザの顧客要望により納期を優先するケースや、顧客了承のうえで価格を抑えるケースなどが発生する。特許文献1には、納期や予算を優先するために、検査開始するタイミングで、設定された欠陥を検出するレベルに基づいて終了時間を計算しユーザに通知することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-007025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、事前に終了時間や納期を計算の上で通知しても、実際に印刷を実行し検査を行う過程で、予想よりも検査NGとなる枚数が多く、そのリプリントに時間がかかってしまう場合がある。この場合、納期に間に合わせるために、ユーザは実行中の検査を中断し、検査レベルの設定を再度行うために別のジョブを投入して印刷を行う必要があり手間を要していた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の検査装置(200)は、ジョブを実行することにより画像形成手段(100)から順次搬送されてくる画像が形成されたシートを読取手段(403)によって読み取り、形成された画像の検査処理を行う検査手段(405)と、前記検査手段での前記検査処理で用いる検査レベルを受け付ける受付手段(509)と、前記受付手段での検査レベルの変更は、前記ジョブの実行中にも受け付ける(S804)ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検査を中断することなく検査レベルを変更することにより、納期を優先させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の画像形成装置からなるシステム構成の一例を示した図である。
図2】本実施形態における画像形成装置100の構成図である。
図3】画像形成装置100内のプリンタ部206の構成図である。
図4】(a)検品装置200の構成図である。(b)検品装置200における読取時の模式図である。
図5】検品装置制御部405の内部構成図である。
図6】検品装置200の制御フローチャートである。
図7】第1の実施例における終了予定時間算出処理のフローチャートである。
図8】第1の実施例における検査処理のフローチャートである。
図9】終了予定時間算出結果、ユーザへレベル変更を促す警告表示画面の一例である。
図10】(a)本発明における検査処理中のUI画面の一例である。(b)検査処理中のUI画面の他の一例である。
図11】第2の実施例における検査レベル範囲の設定画面の一例である。
図12】第2の実施例における終了予定時間算出処理のフローチャートである。
図13】第2の実施例における検査処理のフローチャートである。
図14】本発明におけるユーザへ検査レベルが変更されたことを通知するUIの一例である。
図15】第3の実施例における終了予定時間算出処理のフローチャートである。
図16】第3の実施例における検査処理のフローチャートである。
図17】(a)経過時間と成果物数の関係を表したグラフ。(b)成果物数と検査レベルの関係を表したグラフ。(c)予定成果物数と検査レベルの割合を示したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は本発明の実施形態にかかわる検品装置を含むシステム構成図である。
【0012】
画像形成装置100は各種の入力データを処理し、印刷用出力を行う。また、検品装置200は上記画像形成装置100から出力される印刷物を受け取って出力内容を検査する。フィニッシャ300は検品装置200で検査された出力用紙を受け取るフィニッシャである。画像形成装置100はネットワーク400を介して外部のプリントサーバやクライアントPCへと接続されている。検品装置200は通信ケーブルを介して画像形成装置100と1対1で接続されている。またフィニッシャ300も上記とは別の通信ケーブルを介して画像形成装置100と1対1で接続されている。また、検品装置200とフィニッシャ300についても別の通信ケーブルを介して相互に接続されている。本実施例においては画像形成、画像検品、フィニッシングまでを一貫して行うインライン検品機を示している。
【0013】
<画像形成装置の構成>
図2は、本実施形態における画像形成装置100の構成図である。
【0014】
本実施形態の画像形成装置100は、本発明の画像形成装置の一例であり、コントローラ21、プリンタ部206、UI部23を備える。なお、UI部23は、操作のための各種スイッチやLED表示器等を有する。
【0015】
ネットワーク上のクライアントPC又はプリントサーバ上の不図示のプリンタドライバ等のソフトウェアアプリケーションで作成された画像や文書は、PDLデータである。PDLデータは、ネットワーク400(例えばLocal Area Network)を介して画像形成装置100に送信される。画像形成装置100では、コントローラ21が、送信されたPDLデータを受け取る。
【0016】
コントローラ21は、プリンタ部206に接続され、クライアントPC又はプリントサーバからPDLデータを受け取り、プリンタ部206で処理可能な印刷データに変換し、その印刷データをプリンタ部206に出力する。
【0017】
プリンタ部206は、コントローラ21より出力された印刷データに基づいて、画像の印刷を行う。なお、本実施形態の説明におけるプリンタ部206は、電子写真方式の印刷エンジンとする。ただし、印刷方式は、これに限定するものではなく、IJ方式でもよい。
【0018】
UI部23は、ユーザにより操作され、種々の機能を選択、操作指示を行うために使用される。このUI部23は、表面にタッチパネルが設けられた液晶ディスプレイや、スタートキーやストップキー、テンキー等の各種キー等を配置したキーボード等を備えている。
【0019】
次に、コントローラ21の詳細について説明する。コントローラ21はネットワークI/F(インターフェース)部101、CPU102、RAM103、ROM104、画像処理部105、エンジンI/F部106、内部バス107を有する。
【0020】
ネットワークI/F部101は、クライアントPC又はプリントサーバから送信されたPDLデータを受け取るためのインターフェースである。
【0021】
CPU102は、RAM103やROM104に格納されているプログラムやデータを用いて画像形成装置100全体の制御を行うと共に、コントローラ21が行う後述の処理を実行する。
【0022】
RAM103は、CPU102が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを備えている。
【0023】
ROM104は、後述の各種処理をCPU102に実行させるためのプログラムやデータ、また、コントローラ21の設定データなどが格納されている。
【0024】
画像処理部105は、CPU102からの設定に応じて、ネットワークI/F部101が受け取ったPDLデータに対してプリント用画像処理を行い、プリンタ部206で処理可能な印刷データを生成する。画像処理部105は特に、受け取ったPDLデータに対してラスタライズを行うことで、1画素あたり複数の色成分を持つ画像データを生成する。複数の色成分とは、RGB(赤、緑、青)などの色空間において独立した色成分のことである。画像データは、画素毎に1つの色成分につき8ビット(256階調)の値を持つ。すなわち、画像データは多値の画素を含む、多値のビットマップデータである。また以上のラスタライズでは、画像データの他に、画像データの画素の属性を画素毎に示す属性データも生成される。この属性データは、画素がどの種類のオブジェクトに属するかを示し、例えば文字や線、グラフィック、イメージ、背景といったオブジェクトの種類を示す値である。画像処理部105は、生成された画像データおよび属性データを用いて、RGB色空間からCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)色空間への色変換やスクリーン処理などの画像処理を施すことで印刷データを生成する。
【0025】
エンジンI/F部106は、画像処理部105によって生成された印刷データを、プリンタ部206に送信するインターフェースである。
【0026】
内部バス107は、上述の各部を繋ぐシステムバスである。
【0027】
図3は上記画像形成装置100内のプリンタ部206の構成を説明する図である。
【0028】
画像形成装置100は、スキャナ部301、レーザ露光部302、感光ドラム303、作像部304、定着部305、給紙/搬送部306、及び、これらを制御するプリンタ制御部308から構成される。
【0029】
スキャナ部301は、原稿台に置かれた原稿に対して、照明を当てて原稿画像を光学的に読み取り、その像を電気信号に変換して画像データを作成する工程である。
【0030】
レーザ露光部302は、上記画像データに応じて変調されたレーザ光などの光線を等角速度で回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)307に入射させ、反射走査光として感光ドラム303に光を照射する。
【0031】
作像部304は、感光ドラム303を回転駆動し、帯電器によって帯電させ、上記レーザ露光部によって感光ドラム上に形成された潜像をトナーによって現像する。そのトナー像を記録シート(用紙)に転写し、その際に転写されずに感光ドラム上に残った微小トナーを回収するといった一連の電子写真プロセスの現像ユニット(現像ステーション)を4連持つことで実現している。
【0032】
シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に並べられた4連の現像ユニットは、シアンステーションの作像開始から所定時間経過後に、マゼンタ、イエロー、ブラックの作像動作を順次実行していく。
【0033】
定着部305は、ローラやベルトの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、上記作像部によってトナー像が転写された用紙上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。なお、厚紙用紙を印字する際には、紙が厚く、熱の伝導性が悪いため、定着部305を通す速度を例えば通常の半分の速度にする必要がある。これに起因して、厚紙用紙の印字の際には定着部305以外の各部の用紙搬送速度も半分になるため、画像形成装置100の印刷速度自体が半分となる。
【0034】
給紙/搬送部306は、用紙カセットやペーパーデッキに代表される用紙収納庫を一つ以上持っており、上記プリンタ制御部の指示に応じて用紙収納庫に収納された複数の用紙の中から一枚を分離し、作像部・定着部へ搬送する。用紙は順次搬送され、前述の現像ステーションによって、各色のトナー像が転写され、最終的にフルカラートナー像が用紙上に形成される。また、用紙の両面に画像形成する場合は、定着部を通過した用紙を再度作像部へ搬送する搬送経路を通るように制御する。
【0035】
プリンタ制御部308は、画像形成装置全体を制御するコントローラ21と通信して、その指示に応じて制御を実行する。また、プリンタ制御部308は、前述のスキャナ、レーザ露光、作像、定着、給紙/搬送の各部の状態を管理しながら、全体が調和を保って円滑に動作できるよう指示を行う。
【0036】
<検品装置の内部構成>
図4(a)は検品装置200の内部構成図の概略を示している。画像形成装置100から印刷出力された用紙(印刷物)は、給紙ローラ401によって検品装置200に引き込まれる。その後、印刷物は、搬送ベルト402によって搬送されながら、搬送ベルト402上にある検品センサー403で読み取られる。この検品センサー403で読み取られた画像(スキャン画像)を用いて、検品装置制御部405において検品処理を行う。また、検品装置制御部405は、検品装置200全体の制御も行っている。検品結果はフィニッシャ300に送られる。検品が行われた後に、印刷物は排紙ローラ404から出力される。ここでは図示しないが、検品センサー403は両面印刷物にも対応できるように搬送ベルト402の下側からも検品センサーで読み取る構造であってもよい。本実施例では、検品装置200全体の制御と、検品処理とを検品装置制御部405が行うように構成したが、限定しない。例えば、後述する検品処理部507が行う処理を検品装置と通信可能な情報処理装置(検品PC)などに行わせるよう構成してもよい。
【0037】
図4(b)は上記搬送ベルト402の部分を上面視した例を示す図であり、ここで、検品センサー403は図示したように搬送されてきた印刷出力用紙(印刷物)410の全面の画像をライン毎に読み取るラインセンサーである。画像読み取り用の用紙照射装置411は検品センサー403で読み取る際に印刷物に光を照射する装置である。斜行検知用用紙照射装置412は印刷物が搬送ベルト402上を搬送される際に用紙搬送方向に対して斜行しているかどうかを読み取るための装置である。搬送される用紙に対して斜め方向から光を照射することで、用紙の端部の影の画像を読み取り、斜行を検知する。本実施例では用紙端部の影画像の読み取りは検品センサー403で行う構成であるが、検品センサー403以外の別の読み取りセンサーを使用する構成でもよい。
【0038】
図5は、第1の実施形態に係る検品装置200の検品装置制御部405の機能構成を説明するブロック図である。
【0039】
検品装置制御部405の制御は、全て制御部503によって行われている。制御部503はCPU506を有し、このCPU506はメモリ部504に展開したプログラムを実行して、後述する各種処理を実行する。画像入力部501は、検品センサー403で読み取って得られた検査対象のスキャン画像データ(以下、スキャン画像或いは読取画像)を受信する。CPU506は、この受信したスキャン画像をメモリ部504に保存する。また通信部502は、画像形成装置100のコントローラ21と通信を行う。この通信は、スキャン画像に対応する用紙サイズや印刷枚数(以下印刷情報)の送受信である。また、印刷に利用した画像データおよび画像データに対応する印刷情報の受信(以下、RIP画像)を行う場合もある。CPU506はまた、スキャン画像またはRIP画像を検査の基準とする画像(以下、基準画像或いは正解画像)としてメモリ部504に保存する。
【0040】
検品処理部507ではメモリ504に保存された基準画像と読取画像にて検査処理を行う。検査処理は操作部/表示部505に表示した基準画像上でユーザにより設定された検査パラメータに合わせて処理を行う。本実施形態では検査レベルを設定する。検査レベルは1~5のように設定ができ、数値が大きくなると検出された汚れの内で欠陥とみなす色差は小さくなり、より厳しい検査が行える。数字が小さくなると、検出された汚れのうちで欠陥とみなす色差は大きくなり、許容される汚れが多くなる。なお、設定するのは、検査レベルでなくてもよく、例えば色差自体を設定するようにしてもよい。また、尚検査レベルは色差に限らず、検品において検査する項目に対して設定するものであればよい。検品において検査する項目には、例えば基準画像と読取画像を比較する際、印刷位置がずれていると判断されると、設定された位置ずれ量にて検査良否を判断するものなどがある。他に項目として代表的なものは、位置ずれや色味の差、紙の折れ、欠陥の数、欠陥の種類、紙の汚れなどが挙げられる。これらを1つ以上含んで検査処理を行う。
【0041】
検品処理部507は算出部508、設定部509を持ち、操作部/表示部505を介して通知された納期や印刷情報を用いて終了予定時間を算出する。ここでの終了予定時間の具体的な算出方法は後述する。
【0042】
尚、終了予定時間は算出せずに、事前に記憶部504に記憶した過去の統計値や機械学習による推定によって求めてもよい。
【0043】
終了予定時間に合わせて操作部/表示部505に警告の表示や検査レベルの変更する指示の受付を行う。
【0044】
フィニッシャ300との間でやり取りされる検品制御情報は、検品結果情報と、それに伴いフィニッシャ300の動作を制御する制御情報である。
【0045】
検品処理部507は、制御部503のCPU506によって動作が制御される。制御部503は対応している読取画像と基準画像のペアを、検品処理部507を利用して、順次、検品処理を実施する。検品処理部507の詳細は後述する。
【0046】
検品処理が終了すると、その判定結果は制御部503に送られて操作部/表示部505に表示される。この判定の結果、欠陥があるされた場合は、操作部/表示部505でユーザにより予め指定された方法で、通信部502を通して、画像形成装置100とフィニッシャ300の制御を切り替える。例えば、画像形成装置100による像形成処理を停止し、フィニッシャ300の排紙トレイをエスケープトレイに切り替える等の処理を行う。
【0047】
<検品処理部の処理概要>
次に検品処理部の処理概要について図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0048】
図6は、実施形態1に係る検品装置200による検品処理を説明するフローチャートである。このフローチャートで示す処理は、メモリ部504に保存されているプログラムを制御部503のCPU506が実行することで実現される。
【0049】
まずステップS601において検品処理部507は設定部509にて操作部/表示部505を介して取得したユーザからの操作などに基づき、検査レベルなどの検査パラメータを設定する。ここで検査レベルは操作部/表示部505にて後述するステップS605にて取得する基準画像を表示しながら設定してもよい。
【0050】
次にステップS602において検品処理部507は設定部509にて操作部/表示部505を介して取得したユーザからの操作などに基づき、納期を設定する。なお、納期の設定は、ユーザによりクライアントPC上のジョブプロパティで設定され、印刷情報の一部としてステップS603にて検品処理部507が受信するようにしてもよい。また、ここでも納期の設定は、終了時刻の設定方法でもよいし、要する時間の設定でもよく限定しない。
【0051】
次にステップS603において検品処理部507は設定部509にて画像形成装置から印刷情報を取得する。
【0052】
次にステップS604において検品処理部507は算出部508にて検査レベル及び印刷情報(用紙サイズや印刷枚数)から終了時間を算出する(詳細は後述)。
【0053】
次にステップS605において検品処理部507はメモリ部504に保存された基準画像を取得する。
【0054】
次にステップS606において、検品センサー403により取得された読取画像を受信する。あるいは、検品処理部507はメモリ部504に保存された読取画像を取得する。
【0055】
次にステップS607において検品処理部507は検査処理を実行する。
【0056】
次にステップS608にておいて検品処理部507は全ての印刷が終了したか判断する。終了する場合(Yes)は、フローを終了する。終了していない場合(No)はステップS606に戻り、次の検査対象画像を読み込む。
【0057】
<終了予定時間算出処理>
ステップS604にて算出部508が実施する終了予定時間算出処理を図7に示すフローチャートを用いて説明する。終了予定時間算出処理には、設定部509にて取得した検査レベル、納期、印刷情報を用いる。
【0058】
まず、ステップS701にて検品処理部507は検査レベルと用紙サイズの関係から生産性データをメモリ部504から取得する。例えば生産性データはメモリ部504にて表1のような形式で保存されているとする。ここで用紙サイズがA4で検査レベルが「5」の場合の生産性データは50page/minである。これは1分間に検査OKとなる成果物が何ページあるかを表している。このデータは事前にメモリ部504に格納されているものとする。
【0059】
表1では、同じ用紙サイズでも検査レベル「5」と「4」の生産性データは異なる。これは、検査レベル「5」の方が、より細かい汚れまで検査NGと判断するため、検査OKとなる成果物のページ数が少なくなるために、検査レベル「5」の生産性データの方が、小さい値になっている。また、同じ検査レベル「5」でも用紙サイズが異なると、生産性データは異なる。これは、用紙のサイズによって、1分間の印刷枚数ppm(Print per minutes)が異なるためである。用紙サイズが小さい方が、より多くの枚数を印刷可能なため、ppmは大きな値になる。1分間の印刷ページ数が多いほど、1分間の成果物のページ数も多くなる。
【0060】
【表1】
【0061】
次に、ステップS702にて検品処理部507は生産性データと成果物数から終了予定時間を算出する。例えば、A4サイズ1000ページの印刷データであるとした場合、生産性データから1000(ページ)/50(page/min)=20分となることがわかる。
【0062】
次にステップS703にて検品処理部507は終了予定時間と納期とを照らし合わせて、納期以内かどうか判定する。ここで納期以内でない場合、ステップS704に進み、表示部505に図9のような警告表示UI900を表示する。警告表示900ではテキストボックス901にて検査レベル、テキストボックス902にて納期をそれぞれ変更できる。入力方法は、数字の入力でもよいし、プルダウンリストからの選択でもよい。ここで表示部903に表示される終了予定時間を確認しながら検査レベルや納期を変更することができる。
【0063】
テキストボックス901あるいはテキストボックス902の操作が完了し、ユーザによってボタン904が押下され、検査レベルまたは納期(以下、検査設定)が変更された場合ステップS705に進む。
【0064】
次にステップS705にて検品処理部507は検査設定が変更されたかどうかを判定する。ユーザによってテキストボックス901及び902の値が変更された情報を基に検査設定の再設定を行うとし、ステップS706に進む。検査設定が変更されなかった場合はユーザが承認したため、そのままの検査設定で検査処理へ進むとし、ステップS707に進む。
【0065】
次にステップS706にて検品処理部507は設定部509にて検査レベルを再設定し、再度ステップS701に戻り、同様の終了予定時間算出を行う。
【0066】
尚、終了予定時間の算出タイミングは上記の限りではない。例えば、テキストボックス901及び902の値が変更されると終了時間の算出を行うようにしてもよい。ユーザに終了時間がわかりやすく通知できれば良い。
【0067】
ステップS703にて納期以内だった場合もしくは、ステップS705にてユーザが検査設定を変更しなかった場合、ステップS707に進み、表示部505に終了時間を表示する。ここで、図10(a)のように終了時間を表示してユーザに通知する。また図10(b)のように納期や時間を時刻へ変換し、現在時刻に終了時間を加算した時刻を表示してもよいし日付を加えてもよい。また、終了時刻と要する時間の両方を表示するような通知方法でもよい。
【0068】
<検査処理について>
ステップS607における検査処理について図8に示すフローチャートを用いて説明する。本フローチャートは、S606で読取画像を取得すると開始する。
【0069】
まず、ステップS801にて検品処理部507は一般的な位置合わせ処理方法を用いて、参照画像と検査対象画像との位置合わせを行う。
【0070】
次にステップS802にて検品処理部507は基準画像と検査対象画像との差分画像を算出する。
【0071】
次にステップS803にて検品処理部507は操作部505を介して、ユーザが検査設定を変更したか判断する。図10(a)の画面を例に説明する。本画面は検査実行中に操作部505に表示されるものである。テキストボックス1001は検査レベル、テキストボックス1002は納期を入力できる。表示部1003は経過時間、表示部1004は終了予定時間を表示することでユーザはジョブの進捗状況を検査レベルと合わせて把握できる。テキストボックス1001及びテキスト1002の値が変更されボタン1005が押下されるとステップS804実行時に検査設定内容が通知される。画面のレイアウトは限定せず、検査中の画面(付図示)の一部として表示する方法やポップアップ表示する方法であってもよい。検査設定が変更され決定が押下されると、S803にて、実行時に検査設定が変更されたと判断しS804に移行する。
【0072】
ステップS804にて検品処理部513は設定部509にて検査レベルの変更を行う。ここでの検査レベルの変更に伴うジョブの再投入は不要で、検査レベルの変更前と変更後で、同一のジョブが実行されているものとする。
【0073】
ステップS805にて検品処理部507は終了予定時間の再算出を行う。終了予定時間の再決定は前述した終了予定時間算出処理に従う。
【0074】
次にステップS806にて検品処理部507は差分画像に対し、差分値が閾値以上なら“1”、閾値以下なら“0”となるような、二値化処理を行う。ここで閾値は次の表2のように検査レベル毎に持つ。
【0075】
【表2】
【0076】
ステップS807では、二値化処理を行った画像において、閾値を越え“1”となった画素が存在するか否かを判断し、存在していれば、ステップS808に進む。存在しない場合はステップS809に進む。
【0077】
ステップS808にて検品処理部507は、検品処理結果を操作部/表示部505に表示する。単に最終判断結果画像を表示するだけでは、どのような画像障害であったかが把握しづらいので、スキャン画像に最終判断結果画像を合成して、操作部/表示部505に表示する。合成は、画像障害の場所が把握しやすい合成方法であれば、どのような合成方法でもよい。例えば、最終判断結果画像において“1”の部分が赤色でスキャン画像に表示されるようにする。
【0078】
ステップS809にて検品処理部507は、印刷し検査した画像が検査OKとし、成果物数を「1」加算する。成果物数と印刷予定枚数の関係を表示エリア1006のように表してもよい。
【0079】
ステップS810にて検品処理部507は終了予定時間の更新を行う。図10(a)、(b)のようなUI画面における印刷予定枚数や納期、終了予定時間などを更新しユーザに通知する。
【0080】
尚、表示方法は終了時間だけに限定しない。ユーザに納期までの時間と現在の進捗状況から検査レベルが最適か伝わればよい。そのため、図17(a),(b)及び(c)に示すようなグラフィカルな表示でもよい。現在の印刷状況や、レベル変更のタイミング、レベル毎の印刷枚数、残り印刷割合などを表示してもよい。
【0081】
印刷会社では、以下の理由で、検査ジョブの開始時に検査レベルを設定することに困難があった。まずは検査レベルを規定レベルよりも下げたにも関わらず生産性が上がらなかった場合である。この場合納期に遅れてしまうことがある。次に仮に、検査ジョブの開始時に、終了予定時刻が表示されたとしても、事前計算よりも生産性が下がり、納期に間に合わない場合が予想される。
【0082】
検査レベルを下げることにより検査OKとなる枚数が増えると、所望の検査OKの成果物数に達するまでの時間が短縮することにより、生産性を向上させることができる。別の言い方をすると、検査レベルを下げることにより検査OKとなる枚数が増えると、検査NGとなった枚数分のリプリントにかかる時間をより短縮することができ、生産性を向上させることができる。
【0083】
上述した方法によれば、ユーザが入力した納期に合わせて、実行中の検品において検査レベルを適切に変更することができる。これにより、検査レベルを変更するためのジョブの再投入を行うことなく、実行中のジョブの検査レベルを下げることにより、成果物の生産性を向上させることができる。
【0084】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に関わる画像処理を説明する。
【0085】
第1の実施形態では終了予定時間を算出し、納期に間に合うかどうかを表示する方法を示した。しかしながら、ユーザが検査レベルを切り替えるのは手間である場合がある。納期に合わせて自動で検査レベルが切り替わることで、ユーザはジョブの実行開始前に品質と納期に対して最適な検査レベルを設定することが可能となる。
【0086】
尚、以下では第1の実施例との差分についてのみ説明する。
【0087】
はじめに、図6を用いて第2の実施形態における検査処理部の処理概要について説明する。ステップS601にて検品処理部507は設定部509にて検査パラメータを設定する。ここで第1の実施例では検査レベルに代表される検出する欠陥の種類に応じたレベルを設定した。本実施形態においてレベルは自動で決定するため、検査実行中変わらない固定の検査レベルの設定を行わない。検査レベルの自動決定方法は後述する。一方で開始時の検査レベルを指定してもよい。ユーザは図11に示すUI画面1100にて、開始時の検査レベルや検査レベルの下限や上限を設定できるとする。テキストボックス1101~1103にてそれぞれ設定でき、ユーザは必要に応じて設定する値を入力する。検査レベルの下限を設定することでユーザは、納期を優先する一方で、最低限守りたい品質レベルを保つことができる。反対に検査レベルの上限を設定することでユーザは過剰品質にならず、生産性を保つことができる。ここで、必ずしも検査レベルの上限と下限とを設定する必要はなく、下限のみを設定するように構成してもよい。
【0088】
<終了予定時間算出処理>
ステップS604にて検品処理部507が実施する終了予定時間算出処理について図12のフローチャートを用いて説明する。
【0089】
尚、ステップS1202~S1203、S1207はそれぞれステップS702~703、S707に対応する。
【0090】
ステップS1201にて検品処理部507は設定部509にて検査レベルを仮決定する。ここで仮決定する検査レベルはステップS601にて決定した開始検査レベルとする。開始検査レベルが入力されなかった場合は上限検査レベルとする。上限検査レベルが設定されなかった場合は検査装置にて設定できる最も高いレベルとする。
【0091】
次にステップS1204にて終了予定時間が納期以内でないと判断された場合、ステップS1205に移行する。納期以内と判定された場合はステップS1207に移行する。
【0092】
ステップS1205にて検品処理部507は検査レベルを1つ下げる。
【0093】
そしてステップS1206にて検査レベルがステップS601にて決定した下限検査レベルと一致するかチェックする。一致する場合は下限レベルに到達したとし、ステップS1207へ移行する。一致していない場合はステップS1202へ移行し、検査レベルが先ほどより1下がった状態で生産性データを取得し、終了予定時間が納期以内か再度判断する。
【0094】
尚、品質を優先するため、開始検査レベルまたは検査レベル上限を仮決定し、レベルを1つずつ下げていく方法を示したがこれに限らない。検査レベル下限を仮決定し、レベルを1つずつ上げて納期以内であり続けるかを確認するようにしてもよい。
【0095】
<検査処理について>
図6のステップS607における検査処理について図13に示すフローチャートを用いて説明する。尚ステップS1301~S1307はステップS801~S806に対応する。
【0096】
ステップS1308にて検品処理部507は更新された終了予定時間が納期以内か判定する。納期以内である場合はステップS1311へ移行し、検査レベルが印刷状況に対して低く設定されていないか確認する。納期以内ではないと判断された場合、ステップS1309に移行し、検査レベルが印刷状況に対して高く設定されていないか確認する。検査レベルを1下げる。
【0097】
ステップS1309にて検品処理部507は検査レベルが下限レベルと一致するか判定する。一致する場合、検査レベルは印刷状況に対して適切に設定されていると判断し、ステップS1315に移行する。一致しない場合、ステップS1310に移行する。
【0098】
ステップS1310にて検品処理部507は検査レベルが印刷状況に対して高く設定されていると判断し、検査レベルを1下げる。
【0099】
ステップS1311にて検品処理部507は検査レベルが上限レベルと一致するか判定する。一致する場合、検査レベルは印刷状況に対して適切に設定されていると判断し、ステップS1315に移行する。一致しない場合、ステップS1312に移行する。
【0100】
ステップS1312にて検品処理部507は検査レベルを1上げた場合の終了予定時間を算出する。算出は先述した終了予定時間算出処理と同様であるため省略する。
【0101】
ステップS1313にて検品処理部507は検査レベルを1上げた場合の終了予定時間が納期以内か判定する。納期以内であれば検査レベルが印刷状況に対して低く設定されているとし、ステップS1314にて検査レベルを1上げる。納期以内でなければ検査レベルは印刷状況に対して適切に設定されていると判断しステップS1315に移行する。
【0102】
ステップS1315にて検品処理部507は終了予定時間の再決定を行う。終了予定時間の再決定は先述した終了予定時間算出処理と同様であるため省略する。
【0103】
終了予定時間の再決定を行った後ステップS1316にて検品処理部507は検査レベル変更の通知を行う。通知は図14のようにUI画面に表示し、ユーザへ通知する。
【0104】
尚通知方法はこれに限定されない。ユーザに通知できれば良いため、排紙時に仕切り紙となる紙を挟んだり、積載をシフトしたりしてもよい。
【0105】
尚、本実施形態では全印刷に対してS1311~1314で検査レベルが低く設定されていないか判定した。しかしながら、計算負荷を鑑みて変形してもよい。例えば、検査レベル毎に閾値を持ち、残り時間と閾値を比較して検査レベルを変化させるような構成を取ってもよい。
【0106】
尚、本実施形態では全印刷に対してS1311~1314で検査レベルが低く設定されていないか判定した。しかしながら、計算負荷を鑑みて変形してもよい。例えば、検査レベルが低く設定されていないかは判定しないとしてもよい。納期を重視する場合は検査レベルを上げ、生産性を落とす処理を省いてもよい。ユーザの使用形態に合わせて検査レベルが適切に設定できる構成であればよい。
【0107】
上記により検査レベルを自動で決定し、ユーザの手間を省く方法を示した。これによりユーザは、納期を優先する場合でもなるべく高い品質を顧客へ提供することが可能となる。
【0108】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に関わる画像処理を説明する。
【0109】
第2の実施形態では検査レベルを自動で決定する方法を示したが。しかしながら、生産性データは過去などの傾向から決定される推定時間であり、実際の必要時間とは異なる。そこで本実施形態では実検査レベルを設定することでリアルタイムの生産状況に合わせた検査レベルの自動設定を実現する方法を示す。具体的には第2の実施形態で示した納期以内かを判定しつつ、現在の生産性がどうなっているかに合わせてレベルを変更する。
【0110】
第3の実施形態では実際の印刷状況に合わせてレベルを変更させることで、品質と生産性の両立を行う方法を示す。
【0111】
以下では第2の実施形態との差分についてのみ説明する。
【0112】
図6のステップS604にて検品処理部507が実施する終了予定時間算出処理について図15のフローチャートを用いて説明する。
【0113】
尚、ステップS1502~1504はそれぞれS1202~S1203及びS1207と同様である。
【0114】
ステップS1501にて検品処理部507は設定部509にて検査レベルを仮決定する。図11のテキストボックス1101にてユーザによって入力された開始検査レベルを使用する。入力されない場合はデフォルトの値を使用するようにしてもよい。
【0115】
ステップS607にて検品処理部507が実施する検査処理について図16のフローチャートを用いて説明する。
【0116】
尚、ステップS1601~S1616はステップS1301~1316と同様であるため省略する。
【0117】
ステップS1617にて生産性データから現時点の生産値(page/min)を引いた値が閾値より大きいかを判定する。現時点の生産値(page/min)は成果物数を経過時間で割ったものから算出される。ここで閾値は想定される生産性データからどれだけ遅れていると生産性を上げたリカバリを行うかを判定するために用いる。ステップS1608にて終了予定時間が時間内でないと判断されても、本ステップで閾値を超えていないと判断された場合、現在の生産性でリカバリ可能と判断する。
【0118】
ステップS1618にて検品処理部507は現時点の生産値(page/min)の更新を行う。経過時間とS1606にて検査OKと判断された成果物数をカウント、それら用いて算出する。
【0119】
上記により実際の印刷状況に合わせてレベルを変更させ、品質と生産性の両立を行うことが可能となる。
【0120】
(その他の実施形態)
以上、本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるものではない。
【0121】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0122】
100 画像形成装置
200 検査装置
403 検品センサー
405 検査装置制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17