(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171428
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】設計支援プラットフォーム生成方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20241205BHJP
G06F 30/12 20200101ALI20241205BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20241205BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20241205BHJP
G06F 111/20 20200101ALN20241205BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F30/12
G06T19/00 A
G06F3/048
G06F111:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088414
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】523202255
【氏名又は名称】フローワークス合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(72)【発明者】
【氏名】横関 浩
【テーマコード(参考)】
5B050
5B146
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA06
5B050BA09
5B050CA01
5B050EA19
5B050EA26
5B050FA02
5B146AA04
5B146DE06
5B146DG01
5B146DL07
5E555AA79
5E555BA02
5E555BA70
5E555BB02
5E555BE16
5E555CA02
5E555CA18
5E555CB02
5E555CB45
5E555CB46
5E555CC03
5E555CC24
5E555CC25
5E555DB53
5E555DB56
5E555DC13
5E555DC26
5E555DC27
5E555DC43
5E555DD05
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンピュータによる仮想空間を利用した設計支援プラットフォームの生成方法を提供する。
【解決手段】パレット形成部、第1エリア特性付与部、第2エリア特性付与部及び合成部を備える設計支援プラットフォーム生成装置を用いる設計支援プラットフォーム生成方法であって、パレット形成部に、仮想空間に、少なくとも第1エリアと第2エリアを備えるパレットを形成させ、第1エリア特性付与部に、建物などの設計対象の複数をパレットの第1エリアに配列可能とさせ、第2エリア特性付与部に、設計対象の適用環境をパレットの第2エリアに表示させ、合成部に、第1エリアに配列された設計対象を第2エリアの適用環境内に嵌め込ませる。第1エリアには、設計者による設計対象の設計履歴が配列される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット形成部、第1エリア特性付与部、第2エリア特性付与部及び合成部を備える設計支援プラットフォーム生成装置を用いる設計支援プラットフォーム生成方法であって、
前記パレット形成部に、仮想空間に、少なくとも第1エリアと第2エリアを備えるパレットを形成させ、
前記第1エリア特性付与部に、建物など設計対象の複数を前記パレットの第1エリアに配列可能とさせ、
前記第2エリア特性付与部に、前記設計対象の適用環境を前記パレットの第2エリアに表示させ、
前記合成部に、前記第1エリアに配列された前記設計対象を前記第2エリアの適用環境内に嵌め込ませ、
前記第1エリアには、設計者による前記設計対象の設計履歴が配列される、設計支援プラットフォーム生成方法。
【請求項2】
前記設計支援プラットフォーム生成装置は第3エリア特性付与部及び設計資料適合部を更に備え、
前記パレット形成部に、前記パレットに第3エリアを形成させ、
前記第3エリア特性付与部に前記設計対象の設計資料の複数を、前記パレットの第3エリアに配列可能とさせ、該第3エリアには、前記設計者による、前記設計対象に対する前記設計資料の適合履歴が配列される、
前記設計資料適合部に、前記第3エリアに配列された設計資料を前記第1エリアの設計対象に適合させる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1に記載の設計支援プラットフォーム生成方法により生成された設計支援プラットフォームを利用する設計支援方法であって、設計支援装置を備え、該設計支援装置は設計対象入力部及び設計対象選択部を備えて前記設計対象プラットフォーム生成装置と協働し、
前記設計対象入力部に、設計対象の入力を許容させて該設計対象を前記第1エリアに表示させ、
前記設計対象選択部に、前記第1エリアに表示された設計対象から第1設計対象を選択させて、前記設計対象プラットフォーム生成装置の合成部に、前記第1設計対象を前記第2フレームの前記適用環境に嵌め込ませる、設計支援方法。
【請求項4】
請求項2に記載の設計支援プラットフォーム生成方法により生成された設計支援プラットフォームを利用する設計支援方法であって、設計支援プラットフォーム生成装置を備え、該設計支援プラットフォーム生成装置は設計対象入力部、設計対象選択部、設計資料入力部及び設計資料選択部を備えて前記設計対象プラットフォーム生成装置と協働し、
前記設計対象入力部に、設計対象の入力を許容させて該設計対象を前記第1エリアに表示させ、
前記設計資料入力部に、設計資料の入力を許容させて該設計資料を前記第3エリアに表示させ、
前記設計対象選択部に、前記第1エリアに表示された設計対象から第1設計対象を選択させて、前記設計対象プラットフォーム生成装置の合成部に、前記第1設計対象を前記第2フレームの前記適用環境に嵌め込ませ、
前記設計資料選択部に、前記第3エリアに表示された設計資料から第1設計資料を選択させて、前記設計対象プラットフォーム生成装置の設計資料適合部に、選択された第1設計資料を前記設計対象選択部で選択された前記第1設計対象に適合させる、設計支援方法。
【請求項5】
パレット形成部、第1エリア特性付与部、第2エリア特性付与部及び合成部を備える設計支援プラットフォーム生成装置であって、
前記パレット形成部に、仮想空間に、少なくとも第1エリアと第2エリアを備えるパレットを形成させ、
前記第1エリア特性付与部に、建物など設計対象の複数を前記パレットの第1エリアに配列可能とさせ、
前記第2エリア特性付与部に、前記設計対象の適用環境を前記パレットの第2エリアに表示させ、
前記合成部に、前記第1エリアに配列された前記設計対象を前記第2エリアの適用環境内に嵌め込ませ、
前記第1エリアには、設計者による前記設計対象の設計履歴が配列される、設計支援プラットフォーム生成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の設計支援プラットフォーム生成方法により生成された設計支援プラットフォームを利用する設計支援装置であって、該設計支援装置は設計対象入力部及び設計対象選択部を備えて前記設計対象プラットフォーム生成装置と協働し、
前記設計対象入力部に、設計対象の入力を許容させて該設計対象を前記第1エリアに表示させ、
前記設計対象選択部に、前記第1エリアに表示された設計対象から第1設計対象を選択させて、前記設計対象プラットフォーム生成装置の合成部に、前記第1設計対象を前記第2フレームの前記適用環境に嵌め込ませる、設計支援装置。
【請求項7】
パレット形成部、第1エリア特性付与部、第2エリア特性付与部及び合成部を備える設計支援プラットフォーム生成装置に適用されるコンピュータ用のプログラムであって、
前記パレット形成部に、仮想空間に、少なくとも第1エリアと第2エリアを備えるパレットを形成させ、
前記第1エリア特性付与部に、建物など設計対象の複数を前記パレットの第1エリアに配列可能とさせ、
前記第2エリア特性付与部に、前記設計対象の適用環境を前記パレットの第2エリアに表示させ、
前記合成部に、前記第1エリアに配列された前記設計対象を前記第2エリアの適用環境内に嵌め込ませ、
前記第1エリアには、設計者による前記設計対象の設計履歴が配列される、コンピュータ用プログラム。
【請求項8】
請求項1に記載の設計支援プラットフォーム生成方法により生成された設計支援プラットフォームを利用する設計支援装置に適用されるコンピュータ用のプログラムであって、該設計支援装置は設計対象入力部及び設計対象選択部を備えて前記設計対象プラットフォーム生成装置と協働し、
前記設計対象入力部に、設計対象の入力を許容させて該設計対象を前記第1エリアに表示させ、
前記設計対象選択部に、前記第1エリアに表示された設計対象から第1設計対象を選択させて、前記設計対象プラットフォーム生成装置の合成部に、前記第1設計対象を前記第2フレームの前記適用環境に嵌め込ませる、コンピュータ用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンピュータにより形成される仮想空間を利用し、設計教育に適する設計支援プラットフォームを生成する方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物等の設計対象の設計を支援する際に、パースなどの図面が用いられてきたところ、CAD等のコンピュータシステムの発展にともない仮想空間を利用した設計支援方法が提案されている。
特許文献1に記載の設計支援方法では、仮想空間を表示するためマルチウインドウが用意され、第1ウインドウに設計対象となる環境が表示される。第2ウインドウには、インターネット環境を用いて検索されたオブジェクト(空間要素)の複数が表示され、第2ウインドウにおいて選択されたオブジェクトが第1ウインドウに表示された環境の任意の部位へ嵌め込まれる(合成される)。
その他、この発明に関連する技術を開示する文献として、特許文献2及び特許文献3を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-101259号公報
【特許文献2】特開2020-077198号公報
【特許文献3】特開2001-325609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の例では、オブジェクトの適用環境を第1ウインドウに表示しつつ、第2ウインドウに複数のオブジェクトを表示することにより、適切なオブジェクトの選択支援、ひいては適用環境の設計支援がなされる。
このような仮想空間を利用した設計支援方法は、専門家にとっては使い勝手の良いものである。
本発明者は、かかる設計支援方法を教育の場で使用することにつき検討をしてきた。その結果、教育の場ではオブジェクトの選択過程の考察や検証が必要であるところ、そのための機能が十分でないことに気が付いた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その第1局面は次のように規定される。即ち、
パレット形成部、第1エリア特性付与部、第2エリア特性付与部及び合成部を備える設計支援プラットフォーム生成装置を用いる設計支援プラットフォーム生成方法であって、
前記パレット形成部に、仮想空間に、少なくとも第1エリアと第2エリアを備えるパレットを形成させ、
前記第1エリア特性付与部に、建物など設計対象の複数を前記パレットの第1エリアに配列可能とさせ、
前記第2エリア特性付与部に、前記設計対象の適用環境を前記パレットの第2エリアに表示させ、
前記合成部に、前記第1エリアに配列された前記設計対象を前記第2エリアの適用環境内に嵌め込ませ、
前記第1エリアには、設計者による前記設計対象の設計履歴が配列される、設計支援プラットフォーム生成方法。
【0006】
このように規定される第1局面の設計支援プラットフォーム生成方法によれば、第1エリアに、設計者による設計対象の設計履歴が配列可能となるので、設計対象の設計過程の考察の検証が容易になる。
例えば、特定の適用環境(ランドスケープ)に適合する建物の設計を課題として与えられた学生は設計した建物を設計した順に第1エリアに配列しておく。その中で、最適と考えた建物を選択して、これを第2エリアのランドスケープに嵌め込んで課題の完成とする。教官は完成した課題を評価する一方、第1エリアに配列された建物(検討過程のもの)を見ながら、更にはそれを第1エリアのランドスケープに嵌め込みながら、建物を設計した過程の学生の考え方を検証し、更にそれに対する指導をすることができる。
第1エリアにおいて、設計者が設計した順番に設計対象を配列させることができる。また、設計した順番や日付を、たとえば、タグの形式で表示させることができる。
【0007】
この発明の第2局面は次の様に規定される。即ち、
第1局面に規定の設計支援プラットフォーム生成方法において、前記設計支援プラットフォーム生成装置は第3エリア特性付与部及び設計資料適合部を更に備え、
前記パレット形成部に、前記パレットに第3エリアを形成させ、
前記第3エリア特性付与部に、前記設計対象の設計資料の複数を前記パレットの第3エリアに配列可能とさせ、該第3エリアには、前記設計者による、前記設計対象に対する前記設計資料の適合履歴が配列される、
前記設計資料適合部に、前記第3エリアに配列された設計資料を前記第1エリアの設計対象に適合させる。
【0008】
このように規定される第2局面の設計支援プラットフォーム生成方法によれば、第3エリアに、設計者が設計対象を設計する際に、該設計対象に適合させた設計資料の履歴が配列されるので、更に詳しく、設計の段階の考察を検証できる。
なお、ここで設計資料とは、設計対象を規定する各種の要素であり、例えば建物の場合、構造、意匠及び設備などが関係し、BIM(Building Information Modeling)を実行するときの、シミュレーション&アナリシスに用いる各種の要素を対象とすることもできる。
更に、生成AIを利用するならば、見本となる標準意匠やそれから生成される意匠を設計資料とすることもできる。
【0009】
この発明の第3局面は次の様に規定される。即ち、
第1局面に規定の設計支援プラットフォーム生成方法により生成された設計支援プラットフォームを利用する設計支援方法であって、設計支援装置を備え、該設計支援装置は設計対象入力部及び設計対象選択部を備えて前記設計対象プラットフォーム生成装置と協働し、
前記設計対象入力部に、設計対象の入力を許容させて該設計対象を前記第1エリアに表示させ、
前記設計対象選択部に、前記第1エリアに表示された設計対象から第1設計対象を選択させて、前記設計対象プラットフォーム生成装置の合成部に、前記第1設計対象を前記第2フレームの前記適用環境に嵌め込ませる。
【0010】
このように規定される第3局面の設計支援方法によれば、第1局面の設計支援プラットフォーム生成方法により生成された設計支援プラットフォームに対して、設計対象入力部により任意の設計対象が入力可能となる。入力された設計対象は第1エリアに配列される。第1エリアに配列された設計対象の中から設計対象選択部により選択された一つの設計対象(第1設計対象)が第2エリアの適用環境に嵌め込まれる。
かかる第3局面の設計支援方法を実行することにより、即ち、第1エリアに配列された設計対象を適宜選択して、これを第2エリアの適用環境に嵌め込むことにより、設計対象毎にその検証をすることができ、もって、設計過程での考え方の検証が可能となる。
【0011】
この発明の第4局面は次のように規定される。即ち、
第2局面に規定の設計支援プラットフォーム生成方法により生成された設計支援プラットフォームを利用する設計支援方法であって、設計支援装置を備え、該設計支援装置は設計対象入力部、設計対象選択部、設計資料入力部及び設計資料選択部を備えて前記設計対象プラットフォーム生成装置と協働し、
前記設計対象入力部に、設計対象の入力を許容させて該設計対象を前記第1エリアに表示させ、
前記設計資料入力部に、設計資料の入力を許容させて該設計資料を前記第3エリアに表示させ、
前記設計対象選択部に、前記第1エリアに表示された設計対象から第1設計対象を選択させて、前記設計対象プラットフォーム生成装置の合成部に、前記第1設計対象を前記第2フレームの前記適用環境に嵌め込ませ、
前記設計資料選択部に、前記第3エリアに表示された設計資料から第1設計資料を選択させて、前記設計対象プラットフォーム生成装置の設計資料適合部に、選択された第1設計資料を前記設計対象選択部で選択された前記第1設計対象に適合させる、設計支援方法。
【0012】
このように規定される第4局面の設計支援方法によれば、第2局面の設計支援プラットフォーム生成方法により生成された設計支援プラットフォームに対して、設計資料入力部により任意の設計資料が入力可能となる。入力された設計資料は第3エリアに配列される。第3エリアに配列された設計資料の中から設計資料選択部により選択された設計資料(第1設計資料)が、設計対象選択部で選択された第1設計対象に適合される。そして、第1設計資料が適合された第1設計対象が第2エリアの適用環境に嵌め込まれる。
かかる第4局面の設計支援方法を実行することにより、即ち、第3エリアに配列された設計資料及び第1エリアに配列された設計対象を適宜選択して、これを第2エリアの適用環境に嵌め込むことにより、設計資料をも考慮しつつ、設計対象毎にその検証をすることができ、もって、設計過程での考え方の検証が可能となる。
【0013】
この発明の第5局面は第1局面で規定した設計支援プラットフォーム生成方法を実行する装置であって、次の様に規定される。
パレット形成部、第1エリア特性付与部、第2エリア特性付与部及び合成部を備える設計支援プラットフォーム生成装置であって、
前記パレット形成部に、仮想空間に、少なくとも第1エリアと第2エリアを備えるパレットを形成させ、
前記第1エリア特性付与部に、建物など設計対象の複数を前記パレットの第1エリアに配列可能とさせ、
前記第2エリア特性付与部に、前記設計対象の適用環境を前記パレットの第2エリアに表示させ、
前記合成部に、前記第1エリアに配列された前記設計対象を前記第2エリアの適用環境内に嵌め込ませ、
前記第1エリアには、設計者による前記設計対象の設計履歴が配列される、設計支援プラットフォーム生成装置。
【0014】
この発明の第6局面は第3局面で規定した設計支援方法を実行する装置であって、次の様に規定される。
第1局面に規定の設計支援プラットフォーム生成方法により生成された設計支援プラットフォームを利用する設計支援装置であって、該設計支援装置は設計対象入力部及び設計対象選択部を備えて前記設計対象プラットフォーム生成装置と協働し、
前記設計対象入力部に、設計対象の入力を許容させて該設計対象を前記第1エリアに表示させ、
前記設計対象選択部に、前記第1エリアに表示された設計対象から第1設計対象を選択させて、前記設計対象プラットフォーム生成装置の合成部に、前記第1設計対象を前記第2フレームの前記適用環境に嵌め込ませる、設計支援装置。
【0015】
この発明の第7局面は第5局面で規定した設計支援プラットフォーム生成装置に適用されるコンピュータ用プログラムであって、次のように規定される。
パレット形成部、第1エリア特性付与部、第2エリア特性付与部及び合成部を備える設計支援プラットフォーム生成装置に適用されるコンピュータ用のプログラムであって、
前記パレット形成部に、仮想空間に、少なくとも第1エリアと第2エリアを備えるパレットを形成させ、
前記第1エリア特性付与部に、建物など設計対象の複数を前記パレットの第1エリアに配列可能とさせ、
前記第2エリア特性付与部に、前記設計対象の適用環境を前記パレットの第2エリアに表示させ、
前記合成部に、前記第1エリアに配列された前記設計対象を前記第2エリアの適用環境内に嵌め込ませ、
前記第1エリアには、設計者による前記設計対象の設計履歴が配列される、コンピュータ用プログラム。
【0016】
この発明の第8局面は第6局面で規定した設計支援装置に適用されるコンピュータ用プログラムであって、次のように規定される。
第1局面に規定の設計支援プラットフォーム生成方法により生成された設計支援プラットフォームを利用する設計支援装置に適用されるコンピュータ用のプログラムであって、該設計支援装置は設計対象入力部及び設計対象選択部を備えて前記設計対象プラットフォーム生成装置と協働し、
前記設計対象入力部に、設計対象の入力を許容させて該設計対象を前記第1エリアに表示させ、
前記設計対象選択部に、前記第1エリアに表示された設計対象から第1設計対象を選択させて、前記設計対象プラットフォーム生成装置の合成部に、前記第1設計対象を前記第2フレームの前記適用環境に嵌め込ませる、コンピュータ用プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1はこの発明の実施の形態の設計支援プラットフォーム生成装置及びこれを利用する設計支援装置を示す模式図である。
【
図2】
図2はこの発明の実施形態の設計支援プラットフォームを示す。
【
図3】
図3は設計支援プラットフォーム生成装置に適用されるコンピュータ装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1はこの発明の実施形態の設計支援プラットフォーム生成装置1、これにより生成される設計支援プラットフォームP(以下、単にプラットフォームということがある)及びこのプラットフォームを利用する設計支援装置100を示す。
設計支援プラットフォーム生成装置1は、パレット形成部3、第1エリア特性付与部10、第2エリア特性付与部20、第3エリア特性付与部30、合成部40及び設計資料適合部50を備える。
パレット形成部3は、コンピュータによる仮想空間にパレットPを作成し、このパレットPに少なくとも第1エリアAR1、第2エリアAR2及び第3エリアAR3を形成する。この例では、
図2に示すように、第4エリアAR4、第5エリアAR5、一時エリアARTも形成されている。
【0019】
コンピュータによるパレットPの作成は、汎用的なソフトの利用が可能であり、例えばマルチウインドウを形成して第1ウインドウを第1エリアAR1とし、第2ウインドウを第2エリアAR2とし、第3ウインドウを第3エリアAR3とすることができる。また、オンラインホワイトボードツールが提供する仮想ホワイトボードをパレットとし、仮想ホワイトボートの任意の位置に任意の広さのエリアを規定し、このように規定されたエリアを第1~第3エリアとすることもできる。
【0020】
第1エリア特性付与部10は、第1エリアAR1に設計対象の複数を配列可能とする。
図2の例では、第1エリアAR1に、設計対象として、左から右上へ向けて、3つの建物101-1a、101-1b及び101-1cが設計した日付順に配列されている。
なお、第5エリアAR5には、第1エリアAR1に配列する建物を設計するときの基礎となる3つのベースモデル101-1、101-2、101-3が準備されている。
設計者はパラメータを調整することで、これらベースモデルを設計変更することができる。
第1エリアAR1には、ベースモデル101-1の設計変更の結果としての建物101-1a、101-1b及び101-1cが配列されている。
【0021】
第2エリアAR2には、設計した建物が適用される適用環境(ランドスケープ)が三次元的に表示される。
この適用環境はCAD等を用いて描画したものでもよいし、現実の地形や建物へレーザ照射を実施して得られる点群データから形成したものでもよい。
第1エリアAR1に配列された建物の中から選択された第1建物101-1cが第2エリアAR2のランドスケープ内に嵌め込まれる。即ち、第2エリアのランドスケープを構成する三次元データへ第1建物101-1cを構成する三次元データを合成部40の機能により合成する。
この例では、選択された第1建物101―1cは一時エリアARTにも表示させている。
【0022】
第3エリアAR3には、建物に適合させる設計資料が配列される。この例では、第3エリアAR3に配列された構造111a~111eから第1構造111aが選択されて、第1建物101-1cに適合されている。
その結果、第2エリアAR2のランドスケープには、当該第1構造111aの構造が適用された第1建物111-1cが嵌め込まれている。
【0023】
設計支援装置100は、設計対象入力部101、設計対象選択部103、設計資料入力部111及び設計資料選択部113を備えている。
設計対象入力部101は設計対象としての建物の入力を許容し、入力された建物を第1エリアAR1に配列して表示する。
図2の例において、設計者は、第5エリアAR5にあるベースモデル101-1を選択し、設計対象入力部101から、必要なパラメータを入力することで建物を設計することができる。設計された建物は第1エリアに設計された日付順に配列される。
【0024】
設計資料入力部111は構造などの設計資料の入力を許容し、入力された設計資料を第3エリアAR3に配列して表示する。
図2の例において、設計者は、設計資料入力部111を介して、任意の方法で、入力対象101-1cに適合する各種の構造を作成する。作成された構造111a-111eは作成された日付順に左から右上へ向けて配列される。
建物に適合すべき、設備や意匠などの他の設計資料についても、構造と同様に入力して第3エリアへ配列することができる。
【0025】
設計者やその評価者等の設計支援装置100のオペレータは、設計対象選択部103を用い、第1エリアAR1に配列された建物の中から、任意の建物を選択することができる。選択された建物は一時エリアARTに、一時的に表示される。
設計者やその評価者等の設計支援装置100のオペレータは、設計資料選択部113を用い、第3エリアAR3に配列された設計資料の中から、一時エリアARTに表示されている建物に適合させる任意の設計資料を選択することができる。選択された設計資料は、設計資料適合部50により、選択された建物に適合される。
設計資料が適合された建物は、合成部40により、第2エリアAR2のランドスケープに嵌め込まれる。
【0026】
設計資料選択部113により第3エリアAR3に配列されている構造の選択の如何、及び/又は設計対象選択部103により第1エリアAR1に配列されている建物の選択の如何によって、第2エリアAR2のランドスケープに嵌め込まれる建物は変化する。
第1エリアAR1には設計者(学生)が設計した複数の建物が配列され、第3エリアAR3には設計者(学生)が選択した複数の構造が配列されている。設計者(学生)の設計を評価する評価者(先生)は、第1エリアAR1に配列されている建物から任意の1つを選択し、同様に第3エリアAR3に配列されている設計資料から任意の1つを選択して、設計者(学生)に対して設計及び選択の経緯を質問し、かつ議論することができる。
【0027】
第4エリアには、他の設計資料として、生成AIが参照する、見本となる建物の画像を配列することができる。見本となる建物の画像と生成AIが生成した建物の画像とを併記することができる。
生成AIが生成した建物の画像は、任意の方法で、一時エリアARTに表示されている建物101-1cに反映することができる。
【0028】
図3に設計支援プラットフォーム生成装置1に適用するコンピュータ装置の構成を示す。
演算部300はCPU301、ROM303及びRAM305を備え、システム全体の制御をつかさどる。それとともに、パレット形成部3、第1エリア特性付与部10、第2エリア特性付与部20、合成部40及び設計資料適合部50として機能する。ROM303は、演算部300を制御する制御プログラム等が格納された不揮発性メモリである。RAM305は、キーボード、ポインタ等の入力装置330を介してオペレータにより予め設定された各種設定値を読み出し可能に格納したり、CPU301に対してワーキングエリアを提供したりする。演算部300を制御する制御プログラムはROM303に限らずRAM305や第1、第2記憶装置340及び350に格納されていてもよい。出力装置320としてのディスプレイにパレットPを表示することができる。
なお、パレットPとしてホワイトボードタイプを用いたとき、その全域をディスプレイ上に表示可能とすることが好ましい。勿論、その一部を拡大/縮小できるようにする。
【0029】
第1記憶装置340には各エリアに表示される、設計者により生成された各種データが保存される。第2記憶装置450には、第5エリアに予め設定されているベースモデルが不揮発的に保存されている。
第1、第2記憶装置はハードメモリやフラッシュメモリなど、サーバシステムのメモリ装置の一部の領域を利用することが好ましい。
一時的に保存されるデータ用保存部としての、いわゆるバッファメモリには、演算部のRAMの一部領域を利用できる。外部の通信ネットワークには通信インターフェース13でつながれる。
コンピュータを構成する各装置はシステムバス370で連結されている。
【0030】
設計支援装置100は、
図3に示した設計支援プラットフォーム生成装置のコンピュータ装置の入力装置330を用いて、設計対象の入力及び選択、設計資料の入力/選択をすることができる。
【0031】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0032】
1 設計支援プラットフォーム生成装置
3 パレット形成部
10 第1エリア特性付与部
20 第2エリア特性付与部
30 第3エリア特性付与部
40 合成部
50 設計資料適合部
100 設計支援装置
101 設計対象入力部
103 設計対象選択部
111 設計資料入力部
113 設計資料選択部
P パレット
AR1 第1エリア
AR2 第2エリア
AR3 第3エリア