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特開2024-171431情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171431
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 5/02 20060101AFI20241205BHJP
   B08B 1/20 20240101ALI20241205BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B08B5/02 A
B08B1/02
B08B3/02 A
B08B3/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088423
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003768
【氏名又は名称】東洋製罐グループホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100214248
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 純
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】柏原 賢
(72)【発明者】
【氏名】兼森 伸兒
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA26
3B116AA46
3B116AB14
3B116BA02
3B116BA12
3B116BB22
3B116BB34
3B116BB62
3B116BB82
3B116BB88
3B116BB90
3B116CC03
3B201AA26
3B201AA46
3B201AB14
3B201BA02
3B201BA12
3B201BB22
3B201BB34
3B201BB82
3B201BB88
3B201BB90
3B201BB98
3B201CB15
3B201CC11
3B201CC12
3B201CD43
(57)【要約】
【課題】パレットに対する洗浄処理を適切に実施することを可能とする情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置2は、荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置2による洗浄処理が行われる前のパレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報を取得する情報取得部400と、情報取得部400により取得されたパレット情報に対してデータ処理を行うことにより、パレット処理装置2がパレットに対して洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報を生成する情報生成部401と、を備える。
【選択図】 図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記パレット情報に対してデータ処理を行うことにより、前記パレット処理装置が前記パレットに対して前記洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報を生成する情報生成部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記パレット情報は、前記状態データとして、
前記洗浄処理が行われる前の前記パレットの外観を1又は複数の撮像方向から撮像した1又は複数の画像データを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記パレット情報は、前記画像データとして、
前記パレットの天面を撮像した天面画像データ、
前記パレットの地面を撮像した地面画像データ、
前記パレットの側面を撮像した側面画像データ、及び、
前記パレットに形成された凹部の内部を撮像した内部画像データのうち、少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記パレット情報は、
前記洗浄処理が行われる前の前記パレットの形状を1又は複数の計測方向から計測した1又は複数の形状データを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記パレット情報は、前記形状データとして、
前記パレットの天面を計測した天面形状データ、
前記パレットの地面を計測した地面形状データ、
前記パレットの側面を計測した側面形状データ、及び、
前記パレットに形成された凹部の内部を計測した内部形状データのうち、少なくとも1つを含む、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記パレット処理装置は、
前記パレットを洗浄水で水洗する水洗モジュールと、
前記パレットを脱水する脱水モジュールと、
前記パレットを乾燥する乾燥モジュールのうち、少なくとも1つのモジュールを備え、
前記洗浄条件情報は、
前記水洗モジュールが前記パレットを水洗するときの水洗条件と、
前記脱水モジュールが前記パレットを脱水するときの脱水条件と、
前記乾燥モジュールが前記パレットを乾燥するときの乾燥条件のうち、少なくとも1つを含む、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記水洗モジュールは、
前記パレットを洗浄水で水洗する水圧洗浄モジュール、又は、ブラシを回転させなが
ら前記パレットに接触させて、前記パレットを洗浄水で水洗するブラシ洗浄モジュールであり、
前記水洗条件は、
前記水圧洗浄モジュールが前記パレットを水洗するときの水圧洗浄条件、又は、前記ブラシ洗浄モジュールが前記パレットを水洗するときのブラシ洗浄条件であり、
前記水圧洗浄条件は、
前記水圧洗浄モジュールによる前記パレットの水洗時間、
前記水圧洗浄モジュールが供給する前記洗浄水の供給量、
前記水圧洗浄モジュールが前記洗浄水とともに供給する洗剤の供給量、
前記水圧洗浄モジュールが前記洗浄水とともに供給する前記洗剤の種類、及び、
前記パレットの範囲を複数の区域に区分したときの前記水圧洗浄モジュールによる前記区域毎の洗浄レベルのうち、少なくとも1つを含み、
前記ブラシ洗浄条件は、
前記ブラシ洗浄モジュールによる前記パレットの水洗時間、
前記ブラシ洗浄モジュールが供給する前記洗浄水の供給量、
前記ブラシ洗浄モジュールが前記洗浄水とともに供給する洗剤の供給量、
前記ブラシ洗浄モジュールが前記洗浄水とともに供給する前記洗剤の種類、
前記パレットの範囲を複数の区域に区分したときの前記ブラシ洗浄モジュールによる前記区域毎の洗浄レベル、
前記ブラシ洗浄モジュールによる前記ブラシの回転数、
前記ブラシ洗浄モジュールによる前記ブラシの押圧力、及び、
前記ブラシ洗浄モジュールが前記ブラシを移動させるときの前記ブラシの移動速度のうち、少なくとも1つを含み、
前記脱水条件は、
前記脱水モジュールによる前記パレットの脱水時間、及び、
前記脱水モジュールによる前記パレットの回転数のうち、少なくとも1つを含み、
前記乾燥条件は、
前記乾燥モジュールによる前記パレットの乾燥時間、
前記乾燥モジュールによる温風の温度、及び、
前記乾燥モジュールによる前記温風の風量のうち、少なくとも1つを含む、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報生成部は、前記データ処理として、
前記パレット情報と前記洗浄条件情報との相関関係を機械学習により学習させた学習モデルに、前記情報取得部により取得された前記パレット情報を入力することで、当該パレット情報に対する前記洗浄条件情報を生成する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記情報生成部は、
前記パレット情報に対して第1のデータ処理を行うことにより、前記パレットの汚れを示す汚れ情報を生成し、
その生成した前記汚れ情報に対して第2のデータ処理を行うことにより、前記洗浄条件情報を生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記汚れ情報は、
前記汚れの程度、
前記汚れの種類、
前記汚れの場所、
前記汚れの範囲、及び、
前記汚れの濃淡のうち、少なくとも1つを含む、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記情報生成部は、前記第1のデータ処理として、
前記パレット情報と前記汚れ情報との相関関係を機械学習により学習させた第1の学習モデルに、前記情報取得部により取得された前記パレット情報を入力することで、当該パレット情報に対する前記汚れ情報を生成する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記情報生成部は、前記第2のデータ処理として、
前記汚れ情報と前記洗浄条件情報との相関関係を機械学習により学習させた第2の学習モデルに、前記第1のデータ処理で生成した前記汚れ情報を入力することで、当該汚れ情報に対する前記洗浄条件情報を生成する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項13】
メモリと、プロセッサとを備える推論装置であって、
前記プロセッサは、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報を取得する情報取得処理と、
前記情報取得処理により前記パレット情報を取得すると、当該パレット情報に対してデータ処理を行うことにより、前記パレット処理装置が前記パレットに対して前記洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報を推論する推論処理と、を実行する、
推論装置。
【請求項14】
メモリと、プロセッサとを備える推論装置であって、
前記プロセッサは、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報を取得する情報取得処理と、
前記情報取得処理により前記パレット情報を取得すると、当該パレット情報に対してデータ処理を行うことにより、前記パレットの汚れを示す汚れ情報を推論する推論処理と、を実行する、
推論装置。
【請求項15】
メモリと、プロセッサとを備える推論装置であって、
前記プロセッサは、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの汚れを示す汚れ情報を取得する情報取得処理と、
前記情報取得処理により前記汚れ情報を取得すると、当該汚れ情報に対してデータ処理を行うことにより、前記パレット処理装置が前記パレットに対して前記洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報を推論する推論処理と、を実行する、
推論装置。
【請求項16】
入力データと出力データとで構成される学習用データを複数組記憶する学習用データ記憶部と、
複数組の前記学習用データを学習モデルに入力することで、前記入力データと前記出力データとの相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習部と、
前記機械学習部により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを記憶する学習済みモデル記憶部と、を備え、
前記入力データは、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報であり、
前記出力データは、
前記パレット処理装置が前記パレットに対して前記洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報である、
機械学習装置。
【請求項17】
入力データと出力データとで構成される学習用データを複数組記憶する学習用データ記憶部と、
複数組の前記学習用データを学習モデルに入力することで、前記入力データと前記出力データとの相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習部と、
前記機械学習部により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを記憶する学習済みモデル記憶部と、を備え、
前記入力データは、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報であり、
前記出力データは、
前記パレットの汚れを示す汚れ情報である、
機械学習装置。
【請求項18】
入力データと出力データとで構成される学習用データを複数組記憶する学習用データ記憶部と、
複数組の前記学習用データを学習モデルに入力することで、前記入力データと前記出力データとの相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習部と、
前記機械学習部により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを記憶する学習済みモデル記憶部と、を備え、
前記入力データは、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの汚れを示す汚れ情報であり、
前記出力データは、
前記パレット処理装置が前記パレットに対して前記洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報である、
機械学習装置。
【請求項19】
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報を取得する情報取得工程と、
前記情報取得工程により取得された前記パレット情報に対してデータ処理を行うことにより、前記パレット処理装置が前記パレットに対して前記洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報を生成する情報生成工程と、を備える、
情報処理方法。
【請求項20】
メモリと、プロセッサとを備える推論装置により実行される推論方法であって、
前記プロセッサは、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報を取得する情報取得工程と、
前記情報取得工程により前記パレット情報を取得すると、当該パレット情報に対してデータ処理を行うことにより、前記パレット処理装置が前記パレットに対して前記洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報を推論する推論工程と、を実行する、
推論方法。
【請求項21】
メモリと、プロセッサとを備える推論装置により実行される推論方法であって、
前記プロセッサは、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報を取得する情報取得工程と、
前記情報取得工程により前記パレット情報を取得すると、当該パレット情報に対してデータ処理を行うことにより、前記パレットの汚れを示す汚れ情報を推論する推論工程と、を実行する、
推論方法。
【請求項22】
メモリと、プロセッサとを備える推論装置により実行される推論方法であって、
前記プロセッサは、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの汚れを示す汚れ情報を取得する情報取得工程と、
前記情報取得工程により前記汚れ情報を取得すると、当該汚れ情報に対してデータ処理を行うことにより、前記パレット処理装置が前記パレットに対して前記洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報を推論する推論工程と、を実行する、
推論方法。
【請求項23】
入力データと出力データとで構成される学習用データを学習用データ記憶部に複数組記憶する学習用データ記憶工程と、
複数組の前記学習用データを学習モデルに入力することで、前記入力データと前記出力データとの相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習工程と、
前記機械学習工程により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを学習済みモデル記憶部に記憶する学習済みモデル記憶工程と、を備え、
前記入力データは、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報であり、
前記出力データは、
前記パレット処理装置が前記パレットに対して前記洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報である、
機械学習方法。
【請求項24】
入力データと出力データとで構成される学習用データを学習用データ記憶部に複数組記憶する学習用データ記憶工程と、
複数組の前記学習用データを学習モデルに入力することで、前記入力データと前記出力データとの相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習工程と、
前記機械学習工程により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを学習済みモデル記憶部に記憶する学習済みモデル記憶工程と、を備え、
前記入力データは、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報であり、
前記出力データは、
前記パレットの汚れを示す汚れ情報である、
機械学習方法。
【請求項25】
入力データと出力データとで構成される学習用データを学習用データ記憶部に複数組記憶する学習用データ記憶工程と、
複数組の前記学習用データを学習モデルに入力することで、前記入力データと前記出力データとの相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習工程と、
前記機械学習工程により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを学習済みモデル記憶部に記憶する学習済みモデル記憶工程と、を備え、
前記入力データは、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの汚れを示す汚れ情報であり、
前記出力データは、
前記パレット処理装置が前記パレットに対して前記洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報である、
機械学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォークリフト等の運搬機器にて荷物を運搬する際、荷物を載置可能なパレットが使用される。パレットは、様々な使用環境で繰り返し使用されることでその表面に各種の汚れが付着する。そのようなパレットを再利用品として使用可能にするため、パレットの洗浄処理を行うパレット処理装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-170576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたパレット処理装置は、パレットの状態に応じてパレットの洗浄処理を行うときの洗浄条件を変更するものではなく、パレットの汚れの種類や分布によってはその汚れを十分に落とすことが困難な場合もあった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、パレットに対する洗浄処理を適切に実施することを可能とする情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記パレット情報に対してデータ処理を行うことにより、前記パレット処理装置が前記パレットに対して前記洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報を生成する情報生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置によれば、パレット処理装置による洗浄処理が行われる前のパレットの状態を記録した状態データを含むパレット情報に基づいて、パレット処理装置がそのパレットに対して洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報が生成される。したがって、パレット処理装置は、パレットに対する洗浄処理を適切に実施することができる。
【0008】
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係るパレット再利用管理システム1の一例を示す全体構成図である。
図2】パレット10の一例を示す概略図である。
図3】パレット処理装置2の一例を示すブロック図である。
図4】動作履歴データベース275を構成する各テーブル275A~275Cの一例を示すデータ構成図である。
図5】動作履歴データベース275を構成する各テーブル275D~275Hの一例を示すデータ構成図である。
図6】動作履歴データベース275を構成する各テーブル275I、275Jの一例を示すデータ構成図である。
図7】コンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。
図8】第1の実施形態に係る機械学習装置3の一例を示すブロック図である。
図9】学習モデル12及び学習用データ11の一例を示す図である。
図10】第1の実施形態に係る機械学習装置3による機械学習方法の一例を示すフローチャートである。
図11】第1の実施形態に係る情報処理装置4の一例を示すブロック図である。
図12】第1の実施形態に係る情報処理装置4の一例を示す機能説明図である。
図13】第1の実施形態に係る情報処理装置4による情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
図14】第2の実施形態に係る機械学習装置3aの一例を示すブロック図である。
図15】第1の学習モデル12A及び第1の学習用データ11Aの一例を示す図である。
図16】第2の学習モデル12B及び第2の学習用データ11Bの一例を示す図である。
図17】第2の実施形態に係る情報処理装置4aの一例を示すブロック図である。
図18】第2の実施形態に係る情報処理装置4aの一例を示す機能説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。以下では、本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るパレット再利用管理システム1の一例を示す全体構成図である。図2は、パレット10の一例を示す概略図である。
【0012】
パレット再利用管理システム1は、荷物を載置可能な使用済みのパレット10に対して、処理前状態記録処理、メンテナンス処理、及び、処理後状態記録処理等の複数の処理を行うことにより、パレット10を再利用品として使用可能とするシステムである。また、パレット再利用管理システム1は、上記の各処理で得られる各種の情報を管理するシステムである。
【0013】
パレット10は、図2に示すように、天面100、地面101及び側面102を有するとともに、側面102から内側に向かう横穴状に形成された複数の凹部103を有する。パレット10は、例えば、樹脂材料により成形されて、工場や倉庫にて繰り返し使用される。凹部103は、例えば、フォークリフト、ハンドリフタ、無人搬送装置等の運搬機器が備える爪部を挿入するために用いられる。
【0014】
パレット10は、所定の位置(例えば、側面102等)に、パレット10の識別子を示すパレットIDを記録した識別部材104を備える。パレットIDは、例えば、文字、数字、記号等の文字列により定められる。識別部材104としては、例えば、RFIDタグ
等の電子タグ、一次元コードや二次元バーコード等の光学コードが用いられる。なお、パレットIDは、パレット10の側面102に文字列として印字されていてもよい。
【0015】
パレット再利用管理システム1は、その主要な構成として、図1に示すように、パレット処理装置2と、機械学習装置3と、情報処理装置4と、作業者端末装置5とを備える。各装置2~5は、例えば、汎用又は専用のコンピュータ(後述の図7参照)で構成されるとともに、有線又は無線のネットワーク6に接続されて、各種のデータを相互に送受信可能に構成される。なお、各装置2~5の数やネットワーク6の接続構成は、図1の例に限られず、適宜変更してもよい。
【0016】
パレット処理装置2は、処理前状態記録処理、メンテナンス処理、処理後状態記録処理等を行う複数のモジュールを備える。
【0017】
メンテナンス処理には、大きく分けて、洗浄処理と、仕上げ処理とが含まれる。洗浄処理は、水圧洗浄による水洗、ブラシ洗浄による水洗、遠心脱水、温風乾燥等である。洗浄処理は、パレット10に付着した汚れを除去する処理であれば、上記の洗浄処理に限られない。仕上げ処理は、バリ取り、付着物除去等である。仕上げ処理は、洗浄モジュールで除去できないパレット10の汚れを除去したり、パレット10の不備や不良等を解消したりするような処理であれば、上記の仕上げ処理に限られない。
【0018】
処理前状態記録処理には、洗浄処理が行われる前の状態記録処理(洗浄前状態記録処理)と、仕上げ処理が行われる前の状態記録処理(仕上げ前状態記録処理)とが含まれる。処理後状態記録処理には、洗浄処理が行われた後の状態記録処理(洗浄後状態記録処理)と、仕上げ処理が行われた後の状態記録処理(仕上げ後状態記録処理)とが含まれる。
【0019】
本実施形態に係るパレット処理装置2は、パレット10を搬送方向210に沿って搬送する搬送モジュール21を備える。また、パレット処理装置2は、搬送方向210の上流側から下流側に沿って、上流載置台20Aと、上流パレット取扱モジュール22Aと、識別子読取モジュール23と、第1の状態記録モジュール24Aと、洗浄モジュール25と、第2の状態記録モジュール24Bと、仕上げモジュール26と、第3の状態記録モジュール24Cと、下流パレット取扱モジュール22Bと、下流載置台20Bとを備える。さらに、パレット処理装置2は、各モジュール21~26を制御するとともに、各種の情報を動作履歴データベース275に蓄積する制御モジュール27を備える。
【0020】
上流載置台20Aは、メンテナンス処理前のパレット10が複数段に積み重ねられたパレット積層体10Aを一時的に載置するための台である。下流載置台20Bは、メンテナンス処理後のパレット10が複数段に積み重ねられたパレット積層体10Aを一時的に載置するための台である。
【0021】
搬送モジュール21は、パレット10を搬送方向210に沿って順次搬送するための搬送機構(不図示)を備える。搬送機構は、例えば、複数の駆動ローラ及び複数の従動ローラにより構成されている。
【0022】
上流パレット取扱モジュール22Aは、上流載置台20Aから搬入されたパレット積層体10Aからパレット10を1枚ずつ取り出して、搬送方向210に沿って搬出する装置である。下流パレット取扱モジュール22Bは、パレット10を1枚ずつ回収し、規定の段数になるまでパレット10を積み重ねて、パレット積層体10Aとして下流載置台20Bに搬出する装置である。
【0023】
識別子読取モジュール23は、パレット10の識別部材104に記録されたパレットI
Dを読み取る装置である。識別部材104が電子タグである場合、識別子読取モジュール23は、RFIDリーダで構成される。識別部材104が光学コードである場合、識別子読取モジュール23は、光学コードリーダで構成される。パレットIDが文字列としてパレット10に印字されている場合、識別子読取モジュール23は、エリアカメラやラインカメラで構成される。識別子読取モジュール23は、識別部材104又はパレット10から読み取ったパレットIDを含む読取データを制御モジュール27に送信する。なお、パレットIDが文字列として印字されている場合には、識別子読取モジュール23又は制御モジュール27は、その読み取られた文字列の向きに基づいて、パレット10の天地面の向きを判定してもよい。
【0024】
洗浄モジュール25は、水洗モジュール250と、脱水モジュール251と、乾燥モジュール252とのうち、少なくとも1つのモジュールを備える。なお、洗浄モジュール25は、水洗モジュール250、脱水モジュール251及び乾燥モジュール252とは異なる洗浄処理を行うモジュールで構成されていてもよい。
【0025】
水洗モジュール250は、パレット10の汚れを洗浄水(洗剤を含むものでもよい)で水洗する装置である。水洗モジュール250は、パレット10を洗浄水で水洗する水圧洗浄モジュール250A、又は、ブラシを回転させながらパレット10に接触させて、パレット10を洗浄水で水洗するブラシ洗浄モジュール250Bとして構成される。
【0026】
水圧洗浄モジュール250Aは、洗浄水を供給する洗浄水供給ノズルと、洗浄水とともに洗剤を供給する洗剤供給ノズルと、洗浄水の供給量を調節する洗浄水供給調整機構と、洗浄水供給ノズルの向きを調節する洗浄水ノズル調整機構と、洗浄水の温度を調整する温調ヒータと、洗剤の供給量や種類を調節する洗剤供給調整機構と、洗剤を補充可能な洗剤タンクとを備える。
【0027】
ブラシ洗浄モジュール250Bは、上記の水圧洗浄モジュール250Aが備える構成の他に、交換可能なブラシと、ブラシの回転数を調整するブラシ回転機構と、ブラシを移動させるときの移動速度、ブラシをパレット10に接触させるときの向きや押圧力を調整するブラシ移動機構とをさらに備える。
【0028】
脱水モジュール251は、パレット10を回転させてパレット10に付着している洗浄水を遠心力で脱水する装置である。脱水モジュール251は、パレット10を回転可能に支持する回転支持機構を備える。回転支持機構は、パレット10を水平回転させるときの回転数を調整可能に構成される。なお、脱水モジュール251は、パレット10を脱水する装置であればよく、上記の例に限られない。
【0029】
乾燥モジュール252は、パレット10に温風を吹き付けて、パレット10を温風で乾燥する装置である。乾燥モジュール252は、温風を供給する温風供給ノズルと、温風の風量を調整する風量機構、温風供給ノズルの向きを調節する温風ノズル調整機構と、温風の温度を調整する温調ヒータとを備える。なお、乾燥モジュール252は、パレット10を乾燥する装置であればよく、上記の例に限られない。
【0030】
仕上げモジュール26は、バリ取りモジュール260、及び、付着物除去モジュール261のうち、少なくとも1つのモジュールを備える。なお、仕上げモジュール26は、バリ取りモジュール260及び付着物除去モジュール261とは異なる仕上げ処理を行うモジュールで構成されていてもよい。
【0031】
バリ取りモジュール260は、研磨部材を回転させながらパレット10に接触させて、パレット10に生じたバリを除去する装置である。バリ取りモジュール260は、交換可
能な研磨部材と、研磨部材の回転数を調整するバリ取り回転機構と、研磨部材を移動させるときの移動速度、研磨部材をパレット10に接触させるときの向きや押圧力を調整するバリ取り移動機構とを備える。
【0032】
付着物除去モジュール261は、研磨部材を回転させながらパレット10に接触させて、又は、付着物を吸着するための吸着部材をパレット10に接触させて、パレット10に付着した付着物(例えば、シールやテープ等)を除去する装置である。付着物除去モジュール261は、交換可能な研磨部材又は吸着部材と、研磨部材の回転数を調整する付着物除去回転機構と、研磨部材又は吸着部材を移動させるときの移動速度、研磨部材又は吸着部材をパレット10に接触させるときの向きや押圧力を調整する付着物除去移動機構とを備える。
【0033】
第1の状態記録モジュール24Aは、洗浄前状態記録処理として、洗浄処理が行われる前のパレット10の状態を1又は複数の記録方向から記録する装置である。第2の状態記録モジュール24Bは、洗浄後状態記録処理として、洗浄処理が行われた後のパレット10の状態を1又は複数の記録方向から記録するとともに、仕上げ前状態記録処理として、仕上げ処理が行われる前のパレット10の状態を1又は複数の記録方向から記録する。第3の状態記録モジュール24Cは、仕上げ後状態記録処理として、仕上げ処理が行われた後のパレット10の状態を1又は複数の記録方向から記録する装置である。
【0034】
本実施形態では、第1乃至第3の状態記録モジュール24A~24Cの各々は、パレット10の外観を1又は複数の撮像方向から撮像する画像撮像部240と、パレット10の形状を1又は複数の撮像方向から計測する形状計測部241とを備える。なお、第1乃至第3の状態記録モジュール24A~24Cの各々は、画像撮像部240及び形状計測部241の一方を備えるものでもよい。
【0035】
画像撮像部240は、撮像対象物であるパレット10の外観(凹部103の内部も含む)を撮像し、パレット10の濃淡や色の情報を各画素に記録した画像データ(状態データの一例)を生成する。画像撮像部240は、例えば、エリアカメラで構成される。画像撮像部240は、カラーカメラが好ましいが、グレースケールカメラでもよい。
【0036】
画像撮像部240は、図2に示すように、パレット10の上方から天面100を撮像する天面撮像部240Aと、パレット10の下方から地面101を撮像する地面撮像部240Bと、パレット10の側方から側面102を撮像する側面撮像部240Cと、パレット10に形成された凹部103の内部を撮像する内部撮像部240Dとを備える。なお、側面撮像部240Cは、4方向の側面102のうち少なくとも1方向の側面102を撮像するものであればよいが、4方向の側面102のそれぞれ撮像可能に構成されていてもよい。その場合、側面撮像部240Cは、複数のエリアカメラで構成されていてもよい。また、内部撮像部240Dは、複数の凹部103のうち少なくとも1つの凹部103を撮像するものでもよいが、複数の凹部103の全てを撮像可能に構成されるのが好ましい。その場合、内部撮像部240Dは、複数のエリアカメラで構成されていてもよい。
【0037】
画像撮像部240による画像データとして、天面撮像部240Aによりパレット10の天面100を撮像した天面画像データと、地面撮像部240Bによりパレット10の地面101を撮像した地面画像データと、側面撮像部240Cによりパレット10の側面102を撮像した側面画像データと、内部撮像部240Dによりパレット10に形成された凹部103の内部を撮像した内部画像データとがそれぞれ生成される。
【0038】
形状計測部241は、計測対象物であるパレット10に対してレーザ光又はパターン光を照射し、パレット10からの反射光を検出し、パレット10の各位置までの距離を非接
触で計測することで、パレット10の三次元形状(凹部103の内部も含む)を点群として記録した形状データ(状態データの一例)を生成する。形状計測部241は、三次元形状センサで構成される。三次元形状センサは、例えば、三角法方式、タイム・オブ・フライト方式、位相差方式(フェイズ・シフト)等の任意の計測方式を用いることができる。
【0039】
形状計測部241は、図2に示すように、パレット10の上方から天面100を計測する天面計測部241Aと、パレット10の下方から地面101を計測する地面計測部241Bと、パレット10の側方から側面102を計測する側面計測部241Cと、パレット10に形成された凹部103の内部を計測する内部計測部241Dとを備える。なお、側面計測部241Cは、4方向の側面102のうち少なくとも1方向の側面102を計測するものであればよいが、4方向の側面102のそれぞれ計測可能に構成されていてもよい。その場合、側面計測部241Cは、複数の三次元形状センサで構成されていてもよい。また、内部計測部241Dは、複数の凹部103のうち少なくとも1つの凹部103を計測するものでもよいが、複数の凹部103の全てを計測可能に構成されるのが好ましい。その場合、内部撮像部240Dは、複数の三次元形状センサで構成されていてもよい。
【0040】
形状計測部241による形状データとして、天面計測部241Aによりパレット10の天面100を計測した天面形状データと、地面計測部241Bによりパレット10の地面101を計測した地面形状データと、側面計測部241Cによりパレット10の側面102を計測した側面形状データと、内部計測部241Dによりパレット10に形成された凹部103の内部を計測した内部形状データとがそれぞれ生成される。
【0041】
なお、第1乃至第3の状態記録モジュール24A~24Cの各々が備える画像撮像部240及び形状計測部241の構成は異なるものでもよい。また、画像撮像部240及び形状計測部241が設置される設置場所は適宜変更してもよい。例えば、第1の状態記録モジュール24Aの一部又は全部が、上流パレット取扱モジュール22Aのフレーム等に設置されていてもよいし、第3の状態記録モジュール24Bの一部又は全部が、下流パレット取扱モジュール22Bのフレーム等に設置されていてもよい。さらに、第1乃至第3の状態記録モジュール24A~24Cの各々は、画像撮像部240及び形状計測部241の少なくとも一方を可動させるための可動機構(ロボットアーム等)を備えていてもよい。また、パレット処理装置2が、パレット10の天地面を反転する反転モジュールを備える場合には、反転モジュールと組み合わせることで、天面撮像部240A及び地面撮像部240Bのいずれかを備えるようにしてもよいし、天面計測部241A及び地面計測部241Bのいずれかを備えるようにしてもよい。
【0042】
機械学習装置3は、機械学習の学習フェーズの主体として動作する装置である。機械学習装置3は、例えば、動作履歴データベース275に登録された各種の情報を学習用データ11として取得し、その学習用データ11に基づいて、情報処理装置4にて用いられる学習モデル12を機械学習により生成する。学習済みの学習モデル12は、ネットワーク6や記録媒体等を介して情報処理装置4に提供される。
【0043】
情報処理装置4は、機械学習の推論フェーズの主体として動作する装置である。情報処理装置4は、機械学習装置3により生成された学習モデル12を用いて、洗浄処理前のパレット10の状態を示すパレット情報に基づいて、パレット処理装置2がパレット10に対して洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報を生成する。その際、情報処理装置4は、パレット処理装置2から画像データや形状データを含むパレット情報を受信し、そのパレット情報に対してデータ処理を行うことにより、洗浄条件情報を生成する。情報処理装置4により生成された洗浄条件情報は、例えば、パレット処理装置2や作業者端末装置5に送信されて、その洗浄条件情報に従ってパレット処理装置2による洗浄処理が行われる。
【0044】
作業者端末装置5は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、パレット処理装置2の作業者により使用される。作業者端末装置5は、アプリケーションプログラム、ウェブブラウザ等のプログラムがインストールされて、各種の入力操作を受け付けるとともに、表示画面や音声を介して各種の情報を出力する。作業者端末装置5は、作業者がパレット処理装置2に対する作業指示やパレット処理装置2での作業内容等を入力したり、動作履歴データベース275の内容等を表示したりするときに使用される。
【0045】
図3は、パレット処理装置2の一例を示すブロック図である。制御モジュール27は、各モジュール21~26と電気的に接続されて、各モジュール21~26を統括的に制御する制御部として機能する。
【0046】
制御モジュール27は、組込型コンピュータで構成される。制御モジュール27は、制御部270、通信部271、入力部272、出力部273、及び、記憶部274を備える。
【0047】
通信部271は、ネットワーク6に接続され、各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。入力部272は、各種の入力操作を受け付けるとともに、出力部273は、表示画面、シグナルタワー点灯、ブザー音を介して各種の情報を出力することで、作業者インターフェースとして機能する。
【0048】
記憶部274は、パレット処理装置2の動作で使用される各種のプログラム(オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム、ウェブブラウザ等)やデータ(動作履歴データベース275等)を記憶する。
【0049】
制御部270は、上記の各モジュール21~26を連携して動作させることにより、パレット処理装置2全体として、上流載置台20Aに載置された使用済みのパレット10に対し、識別子読取処理、処理前状態記録処理、メンテナンス処理、及び、処理後状態記録処理等を行い、再利用可能なパレット10を下流載置台20Bに搬出する。
【0050】
その際、制御部270は、各モジュール21~26から検出信号を受信するとともに、各モジュール21~26に命令信号を送信する。検出信号は、各モジュール21~26に設けられた各種のセンサの検出値を示す信号である。命令信号は、各モジュール21~26に設けられた各種のアクチュエータ(モータ、流体圧シリンダ等)への命令値を示す信号である。また、制御モジュール27は、識別子読取モジュール23から読取データを受信するとともに、第1乃至第3の状態記録モジュール24A~24Cから画像データや形状データを受信し、記憶部274の動作履歴データベース275に登録する。
【0051】
なお、各モジュール21~26が、組込型コンピュータで構成される制御ユニットをそれぞれ備えて構成されてもよい。その場合には、制御モジュール27が、各モジュール21~26の制御ユニットと連携することで、パレット処理装置2全体を制御してもよい。また、入力部272及び出力部273は、各モジュール21~26に分散して設置されてもよい。
【0052】
(動作履歴データベース275)
図4乃至図6は、動作履歴データベース275を構成する各テーブル275A~275Jの一例を示すデータ構成図である。動作履歴データベース275には、パレット処理装置2が動作したときの各種の情報が分類されて登録される。その際、各種の情報は、識別子読取モジュール23により読み取られたパレット10毎のパレットIDにより関連付けられた状態で登録される。
【0053】
本実施形態に係る動作履歴データベース275は、第1の状態記録テーブル275Aと、第2の状態記録テーブル275Bと、第3の状態記録テーブル275Cと、水洗テーブル275Dと、遠心脱水テーブル275Eと、温風乾燥テーブル275Fと、バリ取りテーブル275Gと、付着物除去テーブル275Hと、イベント履歴テーブル275Iと、作業テーブル275Jとから構成される。なお、各テーブル275A~275Jには、各種のデータが取得されたときの日時も合わせて登録されるが、図4乃至図6では、日時に関するフィールドを省略している。
【0054】
第1の状態記録テーブル275Aの各レコードには、第1の状態記録モジュール24Aによる状態データとして、画像データ及び形状データが登録される。第1の状態記録テーブル275Aに登録される画像データ及び形状データは、メンテナンス処理前(洗浄処理前、かつ、仕上げ処理前)のパレット10が撮像又は計測されたものである。
【0055】
第2の状態記録テーブル275Bの各レコードには、第2の状態記録モジュール24Bによる状態データとして、画像データ及び形状データが登録される。第2の状態記録テーブル275Bに登録される画像データ及び形状データは、洗浄処理後、かつ、仕上げ処理前のパレット10が撮像又は計測されたものである。
【0056】
第3の状態記録テーブル275Cの各レコードには、第3の状態記録モジュール24Cによる状態データとして、画像データ及び形状データが登録される。第3の状態記録テーブル275Cに登録される画像データ及び形状データは、メンテナンス処理後(洗浄処理後、かつ、仕上げ処理後)のパレット10が撮像又は計測されたものである。
【0057】
水洗テーブル275Dの各レコードには、水洗モジュール250の動作状態が登録される。動作状態としては、例えば、水洗モジュール250の水洗条件(詳細は後述)が含まれる。水洗条件には、パレット10の水洗時間、洗浄水の供給量、洗剤の供給量、洗剤の種類、区域毎の洗浄レベル等が含まれる。水洗モジュール250がブラシ洗浄モジュール250Bで構成される場合、ブラシの回転数、ブラシの押圧力、ブラシの移動速度等がさらに含まれる。また、水洗モジュール250がブラシ洗浄モジュール250Bで構成される場合、動作状態としては、ブラシの使用累積値(使用累積時間又は使用累積回数)が含まれる。
【0058】
遠心脱水テーブル275Eの各レコードには、脱水モジュール251の動作状態が登録される。動作状態としては、例えば、遠心脱水テーブル275Eの脱水条件が含まれる。脱水条件には、パレット10の脱水時間、パレット10の回転数等が含まれる。
【0059】
温風乾燥テーブル275Fの各レコードには、乾燥モジュール252の動作状態が登録される。動作状態としては、例えば、乾燥モジュール252の乾燥条件が含まれる。乾燥条件には、パレット10の乾燥時間、温風の温度、温風の風量等が含まれる。
【0060】
バリ取りテーブル275Gの各レコードには、バリ取りモジュール260の動作状態が登録される。例えば、バリ取りモジュール260のバリ取り条件、研磨部材の使用累積値が含まれる。バリ取り条件には、研磨部材の回転数、研磨部材の押圧力、研磨部材の移動速度等が含まれる。
【0061】
付着物除去テーブル275Hの各レコードには、付着物除去モジュール261の動作状態が登録される。例えば、付着物除去モジュール261の付着物除去条件、研磨部材の使用累積値、吸着部材の使用累積値が含まれる。付着物除去条件には、研磨部材の回転数、研磨部材又は吸着部材の押圧力、研磨部材又は吸着部材の移動速度等が含まれる。
【0062】
イベント履歴テーブル275Iの各レコードには、パレット処理装置2で発生したイベントを特定するイベントID、パレットID、イベント内容が登録される。イベントIDは、パレット処理装置2にて発生したイベントを特定する情報である。パレットIDは、パレット処理装置2にて発生したイベントが特定のパレット10に関連する場合に登録される。イベント内容は、イベントの詳細を特定する情報であり、例えば、異常停止のイベントが発生したときには、その異常停止の発生箇所等が含まれる。
【0063】
作業テーブル275Jの各レコードには、作業者を特定する作業者ID、パレットID、作業者による操作内容や作業内容が登録される。パレットIDは、作業者による作業や操作が特定のパレット10に関連する場合に登録される。操作内容としては、作業者が、入力部272や作業者端末装置5を介して入力操作を行ったときに、その操作内容が登録される。入力操作としては、洗浄モジュール25に対して洗浄条件(水洗条件、脱水条件、乾燥条件)を設定するための入力操作や仕上げモジュール26に対して仕上げ条件(バリ取り条件、付着物除去条件)を設定するための入力操作等が挙げられる。作業内容としては、作業者が、例えば、洗剤の補充、ブラシの交換、研磨部材の交換、吸着部材の交換等の保全作業を行ったときに、その作業内容が登録される。また、作業内容としては、例えば、メンテナンス処理後のパレット10に対して目視検査を行ったときに、その検査結果(合格/不合格)が登録される。目視検査は、洗浄処理後、かつ、仕上げ処理前に行われてもよいし、洗浄処理後、かつ、仕上げ処理後に行われてもよい。
【0064】
(各装置のハードウエア構成)
図7は、コンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。パレット再利用管理システム1の各装置2~5は、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。
【0065】
コンピュータ900は、図7に示すように、その主要な構成要素として、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信I/F(インターフェース)部922、外部機器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、コンピュータ900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
【0066】
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等)で構成され、コンピュータ900全体を統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等とで構成される。
【0067】
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン、マイク等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD、SSD等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
【0068】
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940(図1のネットワーク6と同じであってもよい)に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデータの送受信を行う通信部として機能する。I/OデバイスI/F部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVDドライブ、CDドライブ等のドライブ装置で構成され、DVD、CD等のメディア(非一時的な記憶媒体)970に対してデータの読み書きを行う。
【0069】
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、ストレージ装置920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム930は、通信I/F部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによりコンピュータ900に提供されてもよい。また、コンピュータ900は、プロセッサ912がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA、ASIC等のハードウエアで実現するものでもよい。
【0070】
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、クライアント型コンピュータでもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよいし、例えば、制御盤、コントローラ(マイコン、プログラマブルロジックコントローラ、シーケンサを含む)等と呼ばれる組込型コンピュータでもよい。
【0071】
(機械学習装置3)
図8は、第1の実施形態に係る機械学習装置3の一例を示すブロック図である。機械学習装置3は、制御部30、通信部31、学習用データ記憶部32、及び、学習済みモデル記憶部33を備える。
【0072】
制御部30は、学習用データ取得部300及び機械学習部301として機能する。通信部31は、ネットワーク6を介して外部装置と接続され、各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。
【0073】
学習用データ取得部300は、通信部31及びネットワーク6を介して外部装置(例えば、パレット処理装置2、作業者端末装置5等)と接続され、パレット情報と洗浄条件情報とで構成される学習用データ11を取得する。学習用データ11は、教師あり学習における教師データ(トレーニングデータ)、検証データ及びテストデータとして用いられるデータである。また、洗浄条件情報は、教師あり学習における正解ラベルとして用いられるデータである。
【0074】
学習用データ記憶部32は、学習用データ取得部300で取得した学習用データ11を複数組記憶するデータベースである。なお、学習用データ記憶部32を構成するデータベースの具体的な構成は適宜設計すればよい。
【0075】
機械学習部301は、学習用データ記憶部32に記憶された複数組の学習用データ11を用いて機械学習を実施する。すなわち、機械学習部301は、学習モデル12に学習用データ11を複数組入力し、学習用データ11に含まれるパレット情報と洗浄条件情報との相関関係を学習モデル12に学習させることで、学習済みの学習モデル12を生成する。機械学習部301は、機械学習を実施する際、例えば、オンライン学習、バッチ学習、ミニバッチ学習等の任意の手法を採用することができる。なお、機械学習部301は、学習モデル12に入力する入力データ(パレット情報)に対して所定の前処理を行うようにしてもよいし、学習モデル12から出力される出力データ(洗浄条件情報)に対して所定の後処理を行うようにしてもよい。
【0076】
学習済みモデル記憶部33は、機械学習部301により生成された学習済みの学習モデル12(具体的には、調整済みの重みパラメータ群やアーキテクチャ)を記憶するデータベースである。学習済みモデル記憶部33に記憶された学習済みの学習モデル12は、ネットワーク6や記録媒体等を介して実システム(例えば、情報処理装置4)に提供される。なお、図8では、学習用データ記憶部32と、学習済みモデル記憶部33とが別々の記憶部として示されているが、これらは単一の記憶部で構成されてもよい。
【0077】
図9は、学習モデル12及び学習用データ11の一例を示す図である。学習モデル12の機械学習に用いられる学習用データ11は、洗浄処理前のパレット10の状態を記録した状態データを含むパレット情報と、洗浄条件情報とで構成される。
【0078】
学習用データ11の入力データを構成するパレット情報は、パレット処理装置2による洗浄処理前のパレット10の外観を1又は複数の撮像方向から撮像した1又は複数の画像データ(状態データの一例)を含む。パレット情報は、上記の画像データとして、天面画像データ、地面画像データ、側面画像データ、及び、内部画像データのうち、少なくとも1つを含む。側面画像データは、4方向の側面102のそれぞれを撮像したものでもよいし、内部画像データは、複数の凹部103のそれぞれを撮像したものでもよい。本実施形態では、パレット情報に含まれる画像データは、洗浄処理前のパレット10が、第1の状態記録モジュール24Aの画像撮像部240により撮像されたものである。
【0079】
また、パレット情報は、パレット処理装置2による洗浄処理前のパレット10の形状を1又は複数の計測方向から計測した1又は複数の形状データ(状態データの一例)を含む。
【0080】
パレット情報は、上記の形状データとして、天面形状データ、地面形状データ、側面形状データ、及び、内部形状データのうち、少なくとも1つを含む。側面形状データは、4方向の側面102のそれぞれを計測したものでもよいし、内部形状データは、複数の凹部103のそれぞれを計測したものでもよい。本実施形態では、パレット情報に含まれる形状データは、洗浄処理前のパレット10が、第1の状態記録モジュール24Aの形状計測部241により計測されたものである。
【0081】
学習用データ11の出力データを構成する洗浄条件情報は、パレット処理装置2の洗浄モジュール25がパレット10に対して洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す情報である。
【0082】
具体的には、洗浄条件情報は、水洗モジュール250がパレット10を水洗するときの水洗条件と、脱水モジュール251がパレット10を脱水するときの脱水条件と、乾燥モジュール252がパレット10を乾燥するときの乾燥条件とのうち、少なくとも1つを含む。水洗モジュール250が水圧洗浄モジュール250Aである場合には、水洗条件は、水圧洗浄モジュール250Aがパレット10を水洗するときの水圧洗浄条件である。水洗
モジュール250がブラシ洗浄モジュール250Bである場合には、水洗条件は、ブラシ洗浄モジュール250Bがパレット10を水洗するときのブラシ洗浄条件である。なお、本実施形態では、洗浄条件情報は、図9に示すように、ブラシ洗浄条件、脱水条件、及び、乾燥条件を含む場合を中心に説明する。
【0083】
水圧洗浄条件は、水圧洗浄モジュール250Aによるパレット10の水洗時間、水圧洗浄モジュール250Aが供給する洗浄水の供給量、水圧洗浄モジュール250Aが洗浄水とともに供給する洗剤の供給量、水圧洗浄モジュール250Aが洗浄水とともに供給する洗剤の種類、及び、パレット10の範囲を複数の区域に区分したときの水圧洗浄モジュール250Aによる区域毎の洗浄レベルのうち、少なくとも1つを含む。
【0084】
ブラシ洗浄条件は、ブラシ洗浄モジュール250Bによるパレット10の水洗時間、ブラシ洗浄モジュール250Bが供給する洗浄水の供給量、ブラシ洗浄モジュール250Bが洗浄水とともに供給する洗剤の供給量、ブラシ洗浄モジュール250Bが洗浄水とともに供給する洗剤の種類、パレット10の範囲を複数の区域に区分したときのブラシ洗浄モジュール250Bによる区域毎の洗浄レベル、ブラシ洗浄モジュール250Bによるブラシの回転数、ブラシ洗浄モジュール250Bによるブラシの押圧力、及び、ブラシ洗浄モジュール250Bがブラシを移動させるときのブラシの移動速度のうち、少なくとも1つを含む。
【0085】
水圧洗浄条件及びブラシ洗浄条件に含まれる洗浄レベルは、パレット10を洗浄するときの強度が複数の段階(例えば、弱、中、強)で指定される。パレット10の区域は、例えば、天面100を縦方向に3等分、横方向に3等分のようにして、全体として9等分することで区分される。そのため、区域毎の洗浄レベルでは、各区域のうちのいずれの区域を強く洗浄するかが指定される。また、洗剤の種類は、アルカリ性、中性、酸性等により指定される。
【0086】
脱水条件は、脱水モジュール251によるパレット10の脱水時間、及び、脱水モジュール251によるパレット10の回転数のうち、少なくとも1つを含む。
【0087】
乾燥条件は、乾燥モジュール252によるパレット10の乾燥時間、乾燥モジュール252による温風の温度、及び、乾燥モジュール252による温風の風量のうち、少なくとも1つを含む。
【0088】
学習用データ取得部300は、動作履歴データベース275に登録された各種の情報を参照したり、作業者端末装置5から作業者の入力操作を受け付けたりすることにより、学習用データ11を取得する。例えば、学習用データ取得部300は、作業テーブル275Jにおいて、目視検査の検査結果として「合格」と登録されているパレットIDを抽出し、その抽出した特定のパレットIDに関連付けられた画像データ、形状データ、及び、洗浄条件情報を第1の状態記録テーブル275A及び水洗テーブル275Dから取得することにより、学習用データ11を取得する。
【0089】
学習モデル12は、例えば、ニューラルネットワークの構造を採用したものであり、入力層120、中間層121、及び、出力層122を備える。各層の間には、各ニューロンをそれぞれ接続するシナプス(不図示)が張られており、各シナプスには、重みがそれぞれ対応付けられている。各シナプスの重みからなる重みパラメータ群が、機械学習により調整される。なお、学習モデル12のアーキテクチャとして、ニューラルネットワークの層構造が機械学習により調整されてもよい。
【0090】
入力層120は、入力データとしてのパレット情報に対応する数のニューロンを有し、
パレット情報の各値が各ニューロンにそれぞれ入力される。出力層122は、出力データとしての洗浄条件情報に対応する数のニューロンを有し、パレット情報に対する洗浄条件情報の予測結果(推論結果)が、出力データとして出力される。
【0091】
学習モデル12として分類モデルを用いる場合には、洗浄条件情報に含まれるパラメータは、複数のクラスに対するスコア(確度)として、所定の範囲(例えば、0~1)に正規化された数値でそれぞれ出力される。例えば、水洗時間に対する複数のクラスが、「0%」、「20%」、「40%」、「60%」、「80%」、「100%」で定義された場合には、クラス「100%」のスコアが最も高いとき、水洗モジュール250に予め定められた最大の水洗時間に対応し、クラス「0%」のスコアが最も高いとき、水洗モジュール250にてパレット10を水洗する処理をスキップすることに対応する。また、脱水時間及び乾燥時間についても水洗時間と同様に扱われる。
【0092】
学習モデル12として回帰モデルを用いる場合には、洗浄条件情報に含まれるパラメータは、所定の範囲(例えば、0~1)に正規化された数値で出力される。例えば、水洗時間の出力値が「1」である場合には、水洗モジュール250に予め定められた最大の水洗時間に対応し、水洗時間の出力値が「0」であるとき、水洗モジュール250にてパレット10を水洗する処理をスキップすることに対応する。また、脱水時間及び乾燥時間についても水洗時間と同様に扱われる。
【0093】
なお、本実施形態では、学習モデル12及び学習用データ11のデータ構成は、図9で示すように構成される場合について説明したが、例えば、機械学習の手法、パレット10の種類、パレット処理装置2の構成、パレット情報に含まれるデータの種類、洗浄条件情報に含まれるデータの種類等のように、条件が異なる複数のデータ構成を採用してもよい。その場合には、学習用データ取得部300は、条件が異なる複数のデータ構成にそれぞれ対応する複数種類の学習用データ11を取得するとともに、機械学習部301は、それらの学習用データ11をそれぞれ用いて機械学習を実施するようにすればよい。データの種類が異なる例として、パレット情報は、画像データだけを含むものでもよいし、形状データだけを含むものでもよい。
【0094】
(機械学習方法)
図10は、第1の実施形態に係る機械学習装置3による機械学習方法の一例を示すフローチャートである。
【0095】
まず、ステップS100において、学習用データ取得部300は、機械学習を開始するための事前準備として、所望の数の学習用データ11を取得し、その取得した学習用データ11を学習用データ記憶部32に記憶する。ここで準備する学習用データ11の数については、最終的に得られる学習モデル12に求められる推論精度を考慮して設定すればよい。
【0096】
次に、ステップS110において、機械学習部301は、機械学習を開始すべく、学習前の学習モデル12を準備する。ここで準備する学習前の学習モデル12は、図9に例示したニューラルネットワークモデルで構成されており、各シナプスの重みが初期値に設定されている。
【0097】
次に、ステップS120において、機械学習部301は、学習用データ記憶部32に記憶された複数組の学習用データ11から、例えば、ランダムに1組の学習用データ11を取得する。
【0098】
次に、ステップS130において、機械学習部301は、1組の学習用データ11に含
まれるパレット情報(入力データ)を、準備された学習前(又は学習中)の学習モデル12の入力層120に入力する。その結果、学習モデル12の出力層122から推論結果として洗浄条件情報(出力データ)が出力されるが、当該出力データは、学習前(又は学習中)の学習モデル12によって生成されたものである。そのため、学習前(又は学習中)の状態では、推論結果として出力された出力データは、学習用データ11に含まれる洗浄条件情報(正解ラベル)とは異なる情報を示す。
【0099】
次に、ステップS140において、機械学習部301は、ステップS120において取得された1組の学習用データ11に含まれる洗浄条件情報(正解ラベル)と、ステップS130において出力層122から推論結果として出力された洗浄条件情報(出力データ)とを比較し、各シナプスの重みを調整する処理(バックプロパゲーション)を実施することで、機械学習を実施する。これにより、機械学習部301は、パレット情報と洗浄条件情報との相関関係を学習モデル12に学習させる。
【0100】
次に、ステップS150において、機械学習部301は、所定の学習終了条件が満たされたか否かを、例えば、学習用データ11に含まれる洗浄条件情報(正解ラベル)と、推論結果として出力された洗浄条件情報(出力データ)とに基づく誤差関数の評価値や、学習用データ記憶部32内に記憶された未学習の学習用データ11の残数に基づいて判定する。
【0101】
ステップS150において、機械学習部301が、学習終了条件が満たされておらず、機械学習を継続すると判定した場合(ステップS150でNo)、ステップS120に戻り、学習中の学習モデル12に対してステップS120~S140の工程を未学習の学習用データ11を用いて複数回実施する。一方、ステップS150において、機械学習部301が、学習終了条件が満たされて、機械学習を終了すると判定した場合(ステップS150でYes)、ステップS160に進む。
【0102】
そして、ステップS160において、機械学習部301は、各シナプスに対応付けられた重みを調整することで生成された学習済みの学習モデル12(調整済みの重みパラメータ群やアーキテクチャ)を学習済みモデル記憶部33に記憶し、図10に示す一連の機械学習方法を終了する。機械学習方法において、ステップS100が学習用データ記憶工程、ステップS110~S150が機械学習工程、ステップS160が学習済みモデル記憶工程に相当する。
【0103】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置4及び情報処理方法によれば、パレット処理装置2による洗浄処理前のパレット10の外観を撮像した画像データ、及び、パレット10の形状を計測した形状データを含むパレット情報から、当該パレット情報に対する洗浄条件情報を予測(推論)することが可能な学習モデル12を提供することができる。
【0104】
(情報処理装置4)
図11は、第1の実施形態に係る情報処理装置4の一例を示すブロック図である。図12は、第1の実施形態に係る情報処理装置4の一例を示す機能説明図である。情報処理装置4は、制御部40、通信部41、及び、学習済みモデル記憶部42を備える。
【0105】
制御部40は、情報取得部400、情報生成部401及び出力処理部402として機能する。通信部41は、ネットワーク6を介して外部装置と接続され、各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。
【0106】
情報取得部400は、通信部41及びネットワーク6を介して外部装置(例えば、パレット処理装置2等)と接続され、パレット処理装置2による洗浄処理前のパレット10の
外観を撮像した画像データを少なくとも含むパレット情報を取得する。その際、パレット情報は、パレット処理装置2による洗浄処理前のパレット10の形状を計測した形状データをさらに含むものでもよい。情報取得部400は、学習モデル12における入力データのデータ構成に合わせてパレット情報を取得する。
【0107】
例えば、情報取得部400は、図11に示すように、第1の状態記録モジュール24Aから、洗浄処理前のパレット10の外観が画像撮像部240により撮像された画像データとして、天面画像データ、地面画像データ、側面画像データ及び内部画像データを取得するとともに、洗浄処理前のパレット10の形状が形状計測部241により計測された形状データとして、天面形状データと、地面形状データ、側面形状データ、内部形状データを取得する。これにより、情報取得部400は、画像データ及び形状データを含むパレット情報を取得する。
【0108】
その際、情報取得部400は、パレット情報をパレット処理装置2の制御モジュール27を介して取得(受信)してもよいし、第1の状態記録モジュール24Aから直接取得(受信)してもよい。また、情報取得部400は、動作履歴データベース275の第1の状態記録テーブル275Aに登録された画像データ及び形状データを参照することで、パレット情報を取得してもよい。
【0109】
情報生成部401は、上記のように、情報取得部400により取得されたパレット情報に対してデータ処理を行うことにより、パレット処理装置2がパレット10に対して洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報を生成する。
【0110】
本実施形態では、情報生成部401は、情報取得部400により取得されたパレット情報を入力データとして学習モデル12に入力することで、当該パレット情報に対する洗浄条件情報を生成する。なお、情報生成部401は、学習モデル12に入力する入力データ(パレット情報)に対して所定の前処理を行うようにしてもよいし、学習モデル12から出力される出力データ(洗浄条件情報)に対して所定の後処理を行うようにしてもよい。
【0111】
学習済みモデル記憶部42は、情報生成部401にて用いられる学習済みの学習モデル12を記憶するデータベースである。なお、学習済みモデル記憶部42に記憶される学習モデル12の数は上記の例に限定されず、例えば、機械学習の手法、パレット10の種類、パレット処理装置2の構成、パレット情報に含まれるデータの種類、洗浄条件情報に含まれるデータの種類等のように、条件が異なる複数の学習済みモデルが記憶され、選択的又は並列的に利用可能としてもよい。データの種類が異なる例として、パレット情報は、画像データだけを含むものでもよいし、形状データだけを含むものでもよい。また、学習済みモデル記憶部42は、外部コンピュータ(例えば、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータ)の記憶部で代用されてもよく、その場合には、情報生成部401は、当該外部コンピュータにアクセスすればよい。
【0112】
出力処理部402は、情報生成部401により生成された洗浄条件情報を出力するための出力処理を行う。
【0113】
例えば、出力処理部402は、洗浄条件情報をパレット処理装置2に送信することで、パレット処理装置2は、その洗浄条件情報に従って、その洗浄条件情報を生成したときのパレット情報が取得されたパレット10に対して洗浄処理を行う。具体的には、水洗モジュール250が水圧洗浄モジュール250Aであり、洗浄条件情報として、水圧洗浄条件が含まれている場合には、水圧洗浄モジュール250Aは、その水圧洗浄条件に従ってパレット10を水洗する。水洗モジュール250が、図12に示すように、ブラシ洗浄モジュール250Bであり、洗浄条件情報として、ブラシ洗浄条件が含まれている場合には、
ブラシ洗浄モジュール250Bは、そのブラシ洗浄条件に従ってパレット10を水洗する。洗浄条件情報として、脱水条件が含まれている場合には、脱水モジュール251は、その脱水条件に従ってパレット10を脱水する。洗浄条件情報として、乾燥条件が含まれている場合には、乾燥モジュール252は、その乾燥条件に従ってパレット10を乾燥する。なお、出力処理部402は、洗浄条件情報を作業者端末装置5に送信することで、作業者端末装置5は、その洗浄条件情報に基づく表示画面を出力するようにしてもよい。
【0114】
(情報処理方法)
図13は、第1の実施形態に係る情報処理装置4による情報処理方法の一例を示すフローチャートである。以下では、上流載置台20Aに置かれたメンテナンス処理前(洗浄処理前、かつ、仕上げ処理前)のパレット積層体10Aが搬送モジュール21により上流パレット取扱モジュール22Aに搬入されてから、下流パレット取扱モジュール22Bによりメンテナンス処理後(洗浄処理後、かつ、仕上げ処理後)のパレット積層体10Aとして積み重ねられて下流載置台20Bに搬出されるまでの各モジュールの動作について説明する。
【0115】
まず、ステップS200において、上流パレット取扱モジュール22Aが、段ばらし動作を行うことにより、パレット積層体10Aからメンテナンス処理前(洗浄処理前、かつ、仕上げ処理前)の1枚のパレット10を取り出す。
【0116】
次に、ステップS210において、メンテナンス処理前のパレット10が搬送されて、識別子読取モジュール23に到達すると、識別子読取モジュール23は、そのパレット10の識別部材104からパレットIDを読み取る。そして、そのパレットIDの読取データを制御モジュール27に送信すると、制御モジュール27は、記憶部274に一時記憶する。
【0117】
次に、ステップS220において、メンテナンス処理前のパレット10が搬送されて、第1の状態記録モジュール24Aに到達すると、第1の状態記録モジュール24Aの画像撮像部240(240A~240D)は、そのパレット10の外観を撮像し、画像データ(天面画像データ、地面画像データ、側面画像データ、内部画像データ)を取得する。また、第1の状態記録モジュール24Aの形状計測部241(241A~241D)は、そのパレット10の形状を計測し、形状データ(天面形状データ、地面形状データ、側面形状データ、内部形状データ)を取得する。
【0118】
そして、第1の状態記録モジュール24Aは、その画像データ及び形状データを制御モジュール27に送信すると、制御モジュール27は、その画像データ及び形状データをステップS200で一時記憶したパレットIDに関連付けて、動作履歴データベース275に登録する。続けて、制御モジュール27は、その画像データ及び形状データを含むパレット情報を情報処理装置4に送信する。
【0119】
次に、ステップS230において、情報処理装置4の情報取得部400は、ステップS220にて送信されたパレット情報を受信(取得)する。
【0120】
次に、ステップS231において、情報生成部401は、ステップS230にて取得されたパレット情報を入力データとして学習モデル12に入力することで、当該パレット情報に対する洗浄条件情報を出力データとして生成する。
【0121】
次に、ステップS232において、出力処理部402は、ステップS231にて生成された洗浄条件情報を出力するための出力処理として、その洗浄条件情報をパレット処理装置2に送信する。
【0122】
次に、ステップS240において、パレット処理装置2の制御モジュール27が、ステップS232にて送信された洗浄条件情報を受信すると、その洗浄条件情報を洗浄モジュール25に送信することで、洗浄モジュール25が搬送中のパレット10に対して洗浄処理を行うときの洗浄条件を設定する。
【0123】
次に、ステップS250において、メンテナンス処理前のパレット10が搬送されて、洗浄モジュール25に到達すると、洗浄モジュール25は、ステップS240にて設定された洗浄条件に従って、そのパレット10に対して洗浄処理(ブラシ洗浄による水洗、遠心脱水、温風乾燥)を行う。そのときの洗浄条件(水洗条件、脱水条件、乾燥条件)は、動作履歴データベース275に登録される。
【0124】
次に、ステップS260において、洗浄処理後、かつ、仕上げ処理前のパレット10が搬送されて、第2の状態記録モジュール24Bに到達すると、第2の状態記録モジュール24Bの画像撮像部240(240A~240D)は、そのパレット10の外観を撮像し、画像データ(天面画像データ、地面画像データ、側面画像データ、内部画像データ)を取得する。また、第2の状態記録モジュール24Bの形状計測部241(241A~241D)は、そのパレット10の形状を計測し、形状データ(天面形状データ、地面形状データ、側面形状データ、内部形状データ)を取得する。
【0125】
そして、第2の状態記録モジュール24Bは、その画像データ及び形状データを制御モジュール27に送信すると、制御モジュール27は、その画像データ及び形状データをステップS200で一時記憶したパレットIDに関連付けて、動作履歴データベース275に登録する。
【0126】
次に、ステップS270において、洗浄処理後、かつ、仕上げ処理前のパレット10が搬送されて、仕上げモジュール26に到達すると、仕上げモジュール26は、そのパレット10に対して仕上げ処理(バリ取り、付着物除去)を行う。そのときの仕上げ条件(バリ取り条件、付着物除去条件)は、動作履歴データベース275に登録される。
【0127】
次に、ステップS280において、メンテナンス処理後(洗浄処理後、かつ、仕上げ処理後)のパレット10が搬送されて、第3の状態記録モジュール24Cに到達すると、第3の状態記録モジュール24Cの画像撮像部240(240A~240D)は、仕上げ処理が行われた後のパレット10の外観を撮像し、画像データ(天面画像データ、地面画像データ、側面画像データ、内部画像データ)を取得する。また、第3の状態記録モジュール24Cの形状計測部241(241A~241D)は、仕上げ処理が行われた後のパレット10の形状を計測し、形状データ(天面形状データ、地面形状データ、側面形状データ、内部形状データ)を取得する。
【0128】
そして、第3の状態記録モジュール24Cは、その画像データ及び形状データを制御モジュール27に送信すると、制御モジュール27は、その画像データ及び形状データをステップS200で一時記憶したパレットIDに関連付けて、動作履歴データベース275に登録する。
【0129】
次に、ステップS290において、メンテナンス処理後のパレット10が搬送されて、下流パレット取扱モジュール22Bに到達すると、下流パレット取扱モジュール22Bは、段積み動作を行うことにより、そのパレット10をパレット積層体10Aとして積み重ねる。なお、規定の段数まで積み重ねられたパレット積層体10Aは、搬送モジュール21により下流載置台20Bに搬出される。
【0130】
上記の一連の動作が、パレット積層体10Aから順次取り出される各パレット10に対してそれぞれ行われる。なお、上記の一連の動作のうち、ステップS230が情報取得工程、ステップS231が情報生成工程、ステップS232が出力処理工程に相当する。
【0131】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置4及び情報処理方法によれば、洗浄処理前のパレット10の状態を記録した状態データ(本実施形態では、画像データ及び形状データ)を含むパレット情報を学習モデル12に入力することで、その洗浄処理前のパレット10に対する洗浄条件情報が生成される。したがって、パレット処理装置2は、パレット10に対する洗浄処理を適切に実施することができる。
【0132】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、学習モデル12が、第1の学習モデル12Aと、第2の学習モデル12Bとで構成される点で第1の実施形態と相違する。以下では、第2の実施形態に係る機械学習装置3a及び情報処理装置4aについて、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0133】
図14は、第2の実施形態に係る機械学習装置3aの一例を示すブロック図である。図15は、第1の学習モデル12A及び第1の学習用データ11Aの一例を示す図である。図16は、第2の学習モデル12B及び第2の学習用データ11Bの一例を示す図である。
【0134】
学習モデル12は、第1の学習モデル12A(図15)と、第2の学習モデル12B(図16)とで構成される。第1の学習モデル12Aの機械学習に用いられる第1の学習用データ11Aは、図15に示すように、入力データとしてのパレット情報と、出力データとしての汚れ情報とで構成される。第2の学習モデル12Bの機械学習に用いられる第2の学習用データ11Bは、図16に示すように、入力データとしての汚れ情報と、出力データとしての洗浄条件情報とで構成される。
【0135】
汚れ情報は、洗浄処理前のパレット10の汚れを示す情報である。汚れ情報は、汚れの程度、汚れの種類、汚れの場所、汚れの範囲、及び、汚れの濃淡のうち、少なくとも1つを含む。
【0136】
汚れの程度は、パレット10全体としての汚れのレベルや度合いを示すものであり、複数の段階(例えば、軽度、中度、重度等)で指定される。汚れの種類は、砂、土、埃、油、インク、接着剤、テープ、シール、異物(瓶、缶、石等)の挟み込み等により分類されて特定される。汚れの場所は、汚れが付着した位置を、例えば、パレット10の天面100、地面101、側面102、及び、凹部103のそれぞれにおける位置座標等で特定される。汚れの範囲は、汚れの場所が特定されたときに、例えば、その場所を中心として汚れが付着した範囲を、例えば、面積値や面積比により特定される。汚れの濃淡は、例えば、油等の汚れの付着量の多少(厚薄)を示すものであり、複数の段階(例えば、少、中、多等)で指定される。パレット10に複数の汚れが付着していることを示す場合には、それぞれの汚れに対して、種類、場所、範囲、及び、濃淡が特定される。
【0137】
なお、第1の学習用データ11Aを構成するパレット情報は、学習用データ11を構成するパレット情報と同様であるため、説明を省略する。また、第2の学習用データ11Bを構成する洗浄条件情報は、学習用データ11を構成する洗浄条件情報と同様であるため、説明を省略する。
【0138】
学習用データ取得部300は、動作履歴データベース275を参照するとともに、必要に応じて作業者端末装置5による作業者の入力操作を受け付けることで、パレット情報と
汚れ情報とで構成される第1の学習用データ11Aと、汚れ情報と洗浄条件情報とで構成される第2の学習用データ11Bとを取得する。汚れ情報は、例えば、作業者が、パレット10を目視確認したときの確認結果が作業者端末装置5を介して入力されたものでもよいし、画像データや形状データを作業者端末装置5の表示画面に表示し、作業者がその表示画面を確認することで入力されたものでもよい。
【0139】
機械学習部301は、第1の学習モデル12Aに第1の学習用データ11Aをそれぞれ複数組入力し、第1の学習用データ11Aに含まれるパレット情報と汚れ情報との相関関係を第1の学習モデル12Aに学習させることで、学習済みの第1の学習モデル12Aを生成する。また、機械学習部301は、第2の学習モデル12Bに第2の学習用データ11Bをそれぞれ複数組入力し、第2の学習用データ11Bに含まれる汚れ情報と洗浄条件情報との相関関係を第2の学習モデル12Bに学習させることで、学習済みの第2の学習モデル12Bを生成する。
【0140】
図17は、第2の実施形態に係る情報処理装置4aの一例を示すブロック図である。図18は、第2の実施形態に係る情報処理装置4aの一例を示す機能説明図である。
【0141】
情報取得部400は、第1の実施形態と同様に、洗浄処理前のパレット10のパレット情報を取得する。
【0142】
情報生成部401は、上記のように、情報取得部400により取得されたパレット情報に対して第1のデータ処理を行うことにより、パレット10の汚れを示す汚れ情報を生成し、その生成した汚れ情報に対して第2のデータ処理を行うことにより、パレット処理装置2がパレット10に対して洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報を生成する。
【0143】
本実施形態では、情報生成部401は、第1のデータ処理として、情報取得部400により取得されたパレット情報を入力データとして第1の学習モデル12Aに入力することで、当該パレット情報に対する汚れ情報を生成する。また、情報生成部401は、第2のデータ処理として、第1のデータ処理で生成した汚れ情報を入力データとして第2の学習モデル12Bに入力することで、当該汚れ情報に対する洗浄条件情報を生成する。なお、情報生成部401は、第1の学習モデル12Aに入力する入力データ(パレット情報)に対して所定の前処理を行うようにしてもよいし、第2の学習モデル12Bから出力される出力データ(洗浄条件情報)に対して所定の後処理を行うようにしてもよい。
【0144】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置4a及び情報処理方法によれば、洗浄処理前のパレット10の状態を示すパレット情報を学習モデル12(第1及び第2の学習モデル12A、12B)に入力することで、その洗浄処理前のパレット10に対する洗浄条件情報が生成される。したがって、パレット処理装置2は、パレット10に対する洗浄処理を適切に実施することができる。
【0145】
(他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【0146】
上記実施形態では、パレット処理装置2は、搬送モジュール21の搬送方向210に沿って、複数のモジュールを備えるものとして説明したが、これに限られない。パレット処理装置2におけるモジュールの並び順は適宜入れ替えてもよいし、一部のモジュールが省略されてもよいし、他のモジュールが追加されてもよい。例えば、パレット処理装置2は
、第2の状態記録モジュール24B、仕上げモジュール26、及び、第3の状態記録モジュール24Cのうち、一部又は全てのモジュールを備えずに省略されたものでもよい。
【0147】
上記実施形態では、機械学習装置3、3a及び情報処理装置4、4aは、別々の装置で構成されたものとして説明したが、それら2つの装置が、単一の装置で構成されていてもよい。また、機械学習装置3、3a及び情報処理装置4、4aの少なくとも一方は、パレット処理装置2(例えば、制御モジュール27)又は作業者端末装置5に組み込まれていてもよい。
【0148】
上記実施形態では、パレット再利用管理システム1は、パレット処理装置2、機械学習装置3及び情報処理装置4で構成される場合について説明した。その際、各装置2~4は、特定の管理者により管理されていてもよいし、そうでなくてもよい。また、各装置2~4は、特定の工場に設置されていてもよいし、そうでなくてもよい。第1の例として、機械学習装置3が、パレット処理装置2の製造メーカにより管理されて、情報処理装置4が、パレット処理装置2の装置ユーザにより管理されていてもよい。第2の例として、機械学習装置3及び情報処理装置4が、パレット処理装置2の製造メーカにより管理されていてもよい。その際、学習用データ11は、製造メーカの試験工場に設置されたパレット処理装置2から取得されてもよいし、それに代えて又は加えて装置ユーザの実工場に設置されたパレット処理装置2から取得されてもよい。
【0149】
上記実施形態では、学習用データ取得部300は、動作履歴データベース275から学習用データ11を取得する場合について説明したが、他の手法を採用してもよい。例えば、パレット処理装置2の動作を模擬した試験装置やシミュレーション装置により、様々な汚れが付着したパレット10に対して様々な洗浄条件にて洗浄処理を行い、その試験結果やシミュレーション結果を試験データベースやシミュレーションデータベースに蓄積する。そして、学習用データ取得部300は、試験データベースやシミュレーションデータベースから学習用データ11を取得してもよい。また、学習用データ取得部300は、動作履歴データベース275、試験データベース、及び、シミュレーションデータベースを任意に組み合わせて、学習用データ11を取得してもよい。
【0150】
上記実施形態では、機械学習部301による機械学習を実現する学習モデル12として、ニューラルネットワークを採用した場合について説明したが、他の機械学習のモデルを採用してもよい。他の機械学習のモデルとしては、例えば、決定木、回帰木等のツリー型、バギング、ブースティング等のアンサンブル学習、再帰型ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、LSTM等のニューラルネット型(ディープラーニング
を含む)、階層型クラスタリング、非階層型クラスタリング、k近傍法、k平均法等のク
ラスタリング型、主成分分析、因子分析、ロジスティク回帰等の多変量解析、サポートベクターマシン等が挙げられる。
【0151】
上記第1の実施形態では、情報処理装置4、4aの情報生成部401は、情報取得部400により取得されたパレット情報に基づいて洗浄条件情報を生成する際、学習済みの学習モデル12を用いる場合について説明したが、他の手法を採用してもよい。また、上記第2の実施形態では、情報生成部401は、パレット情報に基づいて汚れ情報を生成する際、学習済みの第1の学習モデル12Aを用いる場合について説明したが、他の手法を採用してもよい。他の手法としては、例えば、画像データに対して2次元画像処理を適用した処理手法や形状データに対して3次元画像処理を適用した処理手法が挙げられる。例えば、情報生成部401は、パレット情報に含まれる画像データに対して2次元画像処理を行うことにより、その2次元画像処理の処理結果に基づいて洗浄条件情報や汚れ情報を生成してもよい。また、パレット情報に形状データが含まれる場合には、情報生成部401は、パレット情報に含まれる形状データに対して3次元画像処理を行うことにより、2次
元画像処理及び3次元画像処理の処理結果に基づいて洗浄条件情報や汚れ情報を生成してもよい。2次元画像処理結果及び3次元画像処理として、例えば、エッジ処理、二値化処理、鮮鋭化処理、平滑化処理、パターンマッチング処理等を適宜組み合わせて行うことができる。
【0152】
上記第2の実施形態では、情報生成部401は、汚れ情報に基づいて洗浄条件情報を生成する際、学習済みの第2の学習モデル12Bを用いる場合について説明したが、他の手法を採用してもよい。他の手法としては、例えば、汚れ情報に対してルールベースを適用した処理手法が挙げられる。例えば、情報生成部401は、汚れ情報に含まれる汚れの程度が軽度、中度、重度と上がるにつれて、例えば、水洗時間を長く、かつ、洗浄水の供給量を多くするように設定した洗浄条件情報を生成する。情報生成部401は、汚れ情報に含まれる汚れの種類が油の場合には、洗剤の種類をアルカリ性に設定した洗浄条件情報を生成する。情報生成部401は、汚れ情報に含まれる汚れの場所及び範囲が地面101の中央付近を示す場合には、区域毎の洗浄レベルとして、地面101の中央付近を含む区域の洗浄レベルを「強」に設定した洗浄条件情報を生成する。
【0153】
(機械学習プログラム及び情報処理プログラム)
本発明は、機械学習装置3、3aが備える各部としてコンピュータ900を機能させるプログラム(機械学習プログラム)や、機械学習方法が備える各工程をコンピュータ900に実行させるためのプログラム(機械学習プログラム)の態様で提供することもできる。また、本発明は、情報処理装置4、4aが備える各部としてコンピュータ900を機能させるためのプログラム(情報処理プログラム)や、上記実施形態に係る情報処理方法が備える各工程をコンピュータ900に実行させるためのプログラム(情報処理プログラム)の態様で提供することもできる。
【0154】
(推論装置、推論方法及び推論プログラム)
本発明は、上記実施形態に係る情報処理装置4、4a(情報処理方法又は情報処理プログラム)の態様によるもののみならず、洗浄条件情報や汚れ情報を推論するために用いられる推論装置(推論方法又は推論プログラム)の態様で提供することもできる。その場合、推論装置(推論方法又は推論プログラム)としては、メモリと、プロセッサとを含み、このうちのプロセッサが、一連の処理を実行するものとすることができる。当該一連の処理とは、洗浄処理前のパレット10の外観を1又は複数の撮像方向から撮像した1又は複数の画像データを少なくとも含むパレット情報を取得する情報取得処理(情報取得工程)と、情報取得処理にてパレット情報を取得すると、当該パレット情報に対する洗浄条件情報を推論する推論処理(推論工程)とを含む。また、当該一連の処理とは、洗浄処理前のパレット10の外観を1又は複数の撮像方向から撮像した1又は複数の画像データを含むパレット情報を取得する情報取得処理(情報取得工程)と、情報取得処理にてパレット情報を取得すると、当該パレット情報に対する汚れ情報を推論する推論処理(推論工程)とを含む。さらに、当該一連の処理とは、洗浄処理前のパレット10の汚れを示す汚れ情報を取得する情報取得処理(情報取得工程)と、情報取得処理にてパレット情報を取得すると、当該パレット情報に対する汚れ情報を推論する推論処理(推論工程)とを含む。
【0155】
推論装置(推論方法又は推論プログラム)の態様で提供することで、情報処理装置を実装する場合に比して簡単に種々の装置への適用が可能となる。推論装置(推論方法又は推論プログラム)が洗浄条件情報や汚れ情報を推論する際、上記実施形態に係る機械学習装置及び機械学習方法により生成された学習済みの学習モデルを用いて、情報生成部が実施する推論手法を適用してもよいことは、当業者にとって当然に理解され得るものである。
【0156】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0157】
(付記1)
荷物を載置可能なパレットに対してパレット処理装置による洗浄処理が行われる前の前記パレットの状態を1又は複数の記録方向から記録した1又は複数の状態データを含むパレット情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記パレット情報に対してデータ処理を行うことにより、前記パレット処理装置が前記パレットに対して前記洗浄処理を行うときの洗浄条件を示す洗浄条件情報を生成する情報生成部と、を備える、
情報処理装置。
(付記2)
前記パレット情報は、前記状態データとして、
前記洗浄処理が行われる前の前記パレットの外観を1又は複数の撮像方向から撮像した1又は複数の画像データを含む、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記パレット情報は、前記画像データとして、
前記パレットの天面を撮像した天面画像データ、
前記パレットの地面を撮像した地面画像データ、
前記パレットの側面を撮像した側面画像データ、及び、
前記パレットに形成された凹部の内部を撮像した内部画像データのうち、少なくとも1つを含む、
付記1又は付記2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記パレット情報は、
前記洗浄処理が行われる前の前記パレットの形状を1又は複数の計測方向から計測した1又は複数の形状データを含む、
付記1乃至付記3のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
(付記5)
前記パレット情報は、前記形状データとして、
前記パレットの天面を計測した天面形状データ、
前記パレットの地面を計測した地面形状データ、
前記パレットの側面を計測した側面形状データ、及び、
前記パレットに形成された凹部の内部を計測した内部形状データのうち、少なくとも1つを含む、
付記1乃至付記5のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
(付記6)
前記パレット処理装置は、
前記パレットを洗浄水で水洗する水洗モジュールと、
前記パレットを脱水する脱水モジュールと、
前記パレットを乾燥する乾燥モジュールのうち、少なくとも1つのモジュールを備え、
前記洗浄条件情報は、
前記水洗モジュールが前記パレットを水洗するときの水洗条件と、
前記脱水モジュールが前記パレットを脱水するときの脱水条件と、
前記乾燥モジュールが前記パレットを乾燥するときの乾燥条件のうち、少なくとも1つを含む、
付記1乃至付記5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記水洗モジュールは、
前記パレットを洗浄水で水洗する水圧洗浄モジュール、又は、ブラシを回転させながら前記パレットに接触させて、前記パレットを洗浄水で水洗するブラシ洗浄モジュールで
あり、
前記水洗条件は、
前記水圧洗浄モジュールが前記パレットを水洗するときの水圧洗浄条件、又は、前記ブラシ洗浄モジュールが前記パレットを水洗するときのブラシ洗浄条件であり、
前記水圧洗浄条件は、
前記水圧洗浄モジュールによる前記パレットの水洗時間、
前記水圧洗浄モジュールが供給する前記洗浄水の供給量、
前記水圧洗浄モジュールが前記洗浄水とともに供給する洗剤の供給量、
前記水圧洗浄モジュールが前記洗浄水とともに供給する前記洗剤の種類、及び、
前記パレットの範囲を複数の区域に区分したときの前記水圧洗浄モジュールによる前記区域毎の洗浄レベルのうち、少なくとも1つを含み、
前記ブラシ洗浄条件は、
前記ブラシ洗浄モジュールによる前記パレットの水洗時間、
前記ブラシ洗浄モジュールが供給する前記洗浄水の供給量、
前記ブラシ洗浄モジュールが前記洗浄水とともに供給する洗剤の供給量、
前記ブラシ洗浄モジュールが前記洗浄水とともに供給する前記洗剤の種類、
前記パレットの範囲を複数の区域に区分したときの前記ブラシ洗浄モジュールによる前記区域毎の洗浄レベル、
前記ブラシ洗浄モジュールによる前記ブラシの回転数、
前記ブラシ洗浄モジュールによる前記ブラシの押圧力、及び、
前記ブラシ洗浄モジュールが前記ブラシを移動させるときの前記ブラシの移動速度のうち、少なくとも1つを含み、
前記脱水条件は、
前記脱水モジュールによる前記パレットの脱水時間、及び、
前記脱水モジュールによる前記パレットの回転数のうち、少なくとも1つを含み、
前記乾燥条件は、
前記乾燥モジュールによる前記パレットの乾燥時間、
前記乾燥モジュールによる温風の温度、及び、
前記乾燥モジュールによる前記温風の風量のうち、少なくとも1つを含む、
付記1乃至付記6のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
(付記8)
前記情報生成部は、前記データ処理として、
前記パレット情報と前記洗浄条件情報との相関関係を機械学習により学習させた学習モデルに、前記情報取得部により取得された前記パレット情報を入力することで、当該パレット情報に対する前記洗浄条件情報を生成する、
付記1乃至付記7のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
(付記9)
前記情報生成部は、
前記パレット情報に対して第1のデータ処理を行うことにより、前記パレットの汚れを示す汚れ情報を生成し、
その生成した前記汚れ情報に対して第2のデータ処理を行うことにより、前記洗浄条件情報を生成する、
付記1乃至付記8のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
(付記10)
前記汚れ情報は、
前記汚れの程度、
前記汚れの種類、
前記汚れの場所、
前記汚れの範囲、及び、
前記汚れの濃淡のうち、少なくとも1つを含む、
付記1乃至付記9のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
(付記11)
前記情報生成部は、前記第1のデータ処理として、
前記パレット情報と前記汚れ情報との相関関係を機械学習により学習させた第1の学習モデルに、前記情報取得部により取得された前記パレット情報を入力することで、当該パレット情報に対する前記汚れ情報を生成する、
付記1乃至付記10のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
(付記12)
前記情報生成部は、前記第2のデータ処理として、
前記汚れ情報と前記洗浄条件情報との相関関係を機械学習により学習させた第2の学習モデルに、前記第1のデータ処理で生成した前記汚れ情報を入力することで、当該汚れ情報に対する前記洗浄条件情報を生成する、
付記1乃至付記11のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0158】
1…パレット再利用管理システム、2…パレット処理装置、3、3a…機械学習装置、
4、4a…情報処理装置、5…作業者端末装置、6…ネットワーク、
10…パレット、11…学習用データ
11A…第1の学習用データ、11B…第2の学習用データ、12…学習モデル、
12A…第1の学習モデル、12B…第2の学習モデル
20A…上流載置台、20B…下流載置台、21…搬送モジュール、
22A…上流パレット取扱モジュール、22B…下流パレット取扱モジュール、
23…識別子読取モジュール、24A…第1の状態記録モジュール、
24B…第2の状態記録モジュール、24C…第3の状態記録モジュール、
25…洗浄モジュール、26…仕上げモジュール、27…制御モジュール、
30…制御部、31…通信部、32…学習用データ記憶部、
33…学習済みモデル記憶部、
40…制御部、41…通信部、42…学習済みモデル記憶部、
250…水洗モジュール、250A…水圧洗浄モジュール、
250B…ブラシ洗浄モジュール、251…脱水モジュール、
252…乾燥モジュール、260…バリ取りモジュール、
261…付着物除去モジュール、275…動作履歴データベース
300…学習用データ取得部、301…機械学習部、
400…情報取得部、401…情報生成部、402…出力処理部
図1
図2
図3
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図5
図6
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