(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017145
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】教育支援システム、教育支援方法、及び教育支援プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/2343 20110101AFI20240201BHJP
H04N 21/4728 20110101ALI20240201BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240201BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20240201BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H04N21/2343
H04N21/4728
G09G5/00 510A
G09G5/36 520M
G09G5/36 530Y
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119596
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中尾 竹伸
(72)【発明者】
【氏名】鵜澤 潔
【テーマコード(参考)】
5C164
5C182
【Fターム(参考)】
5C164FA26
5C164PA31
5C164SB02P
5C164SB29S
5C164UD44P
5C182AA05
5C182AA26
5C182AA31
5C182AB13
5C182AB33
5C182AC03
5C182AC39
5C182AC46
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA29
5C182BA64
5C182BB02
5C182BB26
5C182BC26
5C182CB45
5C182CB47
5C182CB54
5C182CC22
(57)【要約】
【課題】学習者の視線を注目させたい映像に容易に誘導すること。
【解決手段】教育支援システム1は、学習者が装着し、学習者の頭部の動きに連動して映像が変化するように構成されたHMD62に表示させる映像コンテンツを制御可能とされている。教育支援システム1は、HMD62に表示されている映像コンテンツにおいて、学習者に注視させたい注目領域の情報を取得する情報取得部22と、注目領域の情報に基づいて、映像コンテンツにおける注目領域を特定する注目領域特定部23と、映像コンテンツにおいて、注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳させるフィルタ制御部24とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習者が装着し、前記学習者の頭部の動きに連動して映像が変化するように構成された頭部装着型ディスプレイに表示させる映像コンテンツを制御可能な教育支援システムであって、
前記頭部装着型ディスプレイに表示されている前記映像コンテンツにおいて、学習者に注視させたい注目領域の情報を取得する情報取得部と、
前記注目領域の情報に基づいて、前記映像コンテンツにおける注目領域を特定する注目領域特定部と、
前記映像コンテンツにおいて、前記注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳させるフィルタ制御部と
を備える教育支援システム。
【請求項2】
教育者が装着し、教育者の頭部の動きに連動して映像が変化するように構成された頭部装着型ディスプレイと、
教育者が入力操作を行うための入力部と
を備え、
前記情報取得部は、前記入力部から注目領域を指定するための注目領域指定指示が入力された場合に、教育者が装着する前記頭部装着型ディスプレイに表示されている前記映像コンテンツの表示領域の情報を前記注目領域に関する情報として取得する請求項1に記載の教育支援システム。
【請求項3】
教育者が入力操作を行うための入力部と、
前記映像コンテンツを表示可能な表示部と
を備え、
前記情報取得部は、前記入力部が操作されることにより、前記表示部に表示されている前記映像コンテンツの一部の画像領域が指定された場合に、指定された前記画像領域を前記注目領域の情報として取得する請求項1に記載の教育支援システム。
【請求項4】
前記映像コンテンツは、所定の空間の全周方向又は周方向の一部を撮影したパノラマ映像を含む請求項1に記載の教育支援システム。
【請求項5】
前記映像コンテンツは、複数の静止画像を横方向につなぎ合わせた合成画像を含む請求項1に記載の教育支援システム。
【請求項6】
学習者が装着する前記頭部装着型ディスプレイにフィルタが重畳された前記映像コンテンツが表示されている場合において、前記学習者の頭部の動きに連動して前記注目領域の全域が該頭部装着型ディスプレイに表示されか否かを判定する判定部と、
前記注目領域の全域が前記頭部装着型ディスプレイに表示された場合に、前記フィルタを解除するフィルタ解除部と
を備える請求項1に記載の教育支援システム。
【請求項7】
学習者が装着する前記頭部装着型ディスプレイにフィルタが重畳された前記映像コンテンツが表示されている場合において、前記学習者の頭部の動きに連動して前記フィルタ上に前記フィルタを解除するための解除入力部を表示させるとともに、前記解除入力部が操作された場合に、一部の又は全領域の前記フィルタを解除するフィルタ解除部を備える請求項1に記載の教育支援システム。
【請求項8】
学習者が装着し、前記学習者の頭部の動きに連動して映像が変化するように構成された頭部装着型ディスプレイに表示させる映像コンテンツを制御可能な教育支援方法であって、
前記頭部装着型ディスプレイに表示されている前記映像コンテンツにおいて、学習者に注視させたい注目領域の情報を取得するステップと、
前記注目領域の情報に基づいて、前記映像コンテンツにおける注目領域を特定するステップと、
前記映像コンテンツにおいて、前記注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳させるステップと
を備える教育支援方法。
【請求項9】
請求項8に記載の教育支援方法をコンピュータに実行させるための教育支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教育支援システム、教育支援方法、及び教育支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、360°のパノラマ映像などを大画面に投影し、臨場感のある映像を視聴者に提供する広域映像システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、近年、仮想現実(Vertual Reality)や拡張現実(Augmented Reality)の技術も普及しつつあり、これらの技術を学校等の教育機関に応用するシステムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-352539号公報
【特許文献2】特開2021-087128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮想現実等を用いた授業では、例えば、各生徒はヘッドマウントディスプレイ等の専用デバイスを装着し、頭部を見たい方向に向けて動かすことにより、異なる視線での映像を見ることができる。
【0005】
ところで、授業などの教育の場では、仮想空間における特定の視線からの映像に注目して授業を行いたい場合がある。従来は、教育者が注目してもらいたい視線からの映像を口頭で伝えることにより、生徒の視線を誘導していた。しかしながら、口頭で伝える従来の方法では、生徒によっては教育者の指示を無視して異なる視線からの映像を見続ける場合もあり、全ての生徒に同じ視線からの映像を見せることが難しいという問題があった。また、このような問題は、仮想現実や拡張現実を用いた場合に限らず、ヘッドマウントディスプレイにパノラマ映像などの2次元の映像を表示させ、生徒に鑑賞させる場合でも同様に生じる問題である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、注目させたい映像に学習者の視線を容易に誘導することのできる教育支援システム、教育支援方法、及び教育支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様は、学習者が装着し、前記学習者の頭部の動きに連動して映像が変化するように構成された頭部装着型ディスプレイに表示させる映像コンテンツを制御可能な教育支援システムであって、前記頭部装着型ディスプレイに表示されている前記映像コンテンツにおいて、学習者に注視させたい注目領域の情報を取得する情報取得部と、前記注目領域の情報に基づいて、前記映像コンテンツにおける注目領域を特定する注目領域特定部と、前記映像コンテンツにおいて、前記注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳させるフィルタ制御部とを備える教育支援システムである。
【0008】
本発明の第二態様は、学習者が装着し、前記学習者の頭部の動きに連動して映像が変化するように構成された頭部装着型ディスプレイに表示させる映像コンテンツを制御可能な教育支援方法であって、前記頭部装着型ディスプレイに表示されている前記映像コンテンツにおいて、学習者に注視させたい注目領域の情報を取得するステップと、前記注目領域の情報に基づいて、前記映像コンテンツにおける注目領域を特定するステップと、前記映像コンテンツにおいて、前記注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳させるステップとを備える教育支援方法である。
【0009】
本発明の第三態様は、上記教育支援方法をコンピュータに実行させるための教育支援プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、注目させたい映像に学習者の視線を容易に誘導することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る教育支援システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る教育支援装置のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る教育支援システムが備える機能の一例を示した機能構成図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る映像コンテンツについて説明するための図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る教育者装置によって実行される処理の一例を示したフローチャートである。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る教育支援装置によって実行される処理の一例を示したフローチャートである。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る映像コンテンツにおける注目領域の指定について説明するための図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る映像コンテンツにおいて、フィルタが重畳された状態の映像コンテンツの一例を示した図である。
【
図9】本発明の他の実施形態において、学習者装置の情報処理装置が備える表示部に表示される表示画面の一例を示した図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る教育支援システムが備える機能の一例を示した機能構成図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る教育支援システムが備える機能の一例を示した機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態に係る教育支援システム、教育支援方法、教育支援プログラムについて、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る教育支援システム1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、教育支援システム1は、教育支援装置10、教育者によって使用される教育者装置50、及び学習者によって使用される学習者装置60を備えている。教育支援装置10は、教育者装置50及び学習者装置60とネットワークを介して通信可能とされ、相互に情報の送受信が可能な構成とされている。ネットワークの一例として、Wi-Fi、移動通信システム(3G、4G、5G、6G、LTE等)、Bluetooth(登録商標)、無線LAN、有線LAN(Local Area Network)などが挙げられる。
【0014】
図1では、2台の学習者装置60を例示しているが、教育支援装置10に接続される学習者装置60の台数は、この例に限定されず、1台以上の学習者装置60が教育支援装置10に接続されることが可能である。
また、
図1では、同じネットワークによって、教育支援装置10、教育者装置50、学習者装置60が互いに接続されているが、この例に限られない。例えば、教育支援装置10と教育者装置50が接続されるネットワークと、教育支援装置10と学習者装置60とが接続されるネットワークとは異なっていてもよい。
【0015】
図2は、教育支援装置10のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。教育支援装置10は、いわゆるサーバ(情報処理装置)であり、
図2に一例を示すように、CPU(プロセッサ)11、CPU11が実行するプログラム(例えば、教育支援プログラム)等を記憶するための補助記憶装置12、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ13、ネットワークに接続するための通信デバイス14を主な構成として備え、これら各部はバス18を介して接続されている。また、教育支援装置10は、キーボード等の入力部15や表示部16等を更に備えていてもよい。補助記憶装置には、例えば、教育支援装置全体の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、当該教育支援装置を実現するためのアプリケーション及び各種データやファイル等が格納されている。上記補助記憶装置12の一例として、半導体メモリ、磁気ディスク、光磁気ディスク等が挙げられる。
【0016】
教育者装置50は、教師などの教育者が利用するための装置である。教育者装置50は、
図1に示すように、例えば、情報処理装置51と、教育者が頭部に装着するための頭部装着型ディスプレイとを備えている。本実施形態では、頭部装着型ディスプレイとして、VR用のヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)52を採用する場合を例示して説明する。
【0017】
情報処理装置51は、例えば、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、タブレット端末、携帯電話端末、スマートフォン等である。情報処理装置51の構成は公知であるため、詳細な説明は省略するが、上述した教育支援装置10と同様に、CPU、補助記憶装置、メインメモリ、通信デバイス、入力部を備えている。更に、情報処理装置51は、表示部(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等)を備えていてもよい。補助記憶装置には、例えば、Windows(登録商標),iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の教育者装置全体の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、後述する教育者装置50の機能を実現するためのアプリケーション及び各種データやファイル等が格納されている。
【0018】
HMD52は、頭部の姿勢を検出するセンサを備えている。センサによって検出された頭部の姿勢は、情報処理装置51に出力される。情報処理装置51は、頭部の姿勢に基づいてHMD52に表示させる映像を変化させる。より具体的には、情報処理装置51は、後述するように、教育支援装置10から受信した映像コンテンツの表示領域を頭部の姿勢に応じて表示させる。これにより、HMD52を装着している教育者は、頭部の姿勢を変化させることにより、仮想空間における視線を移動させることができ、例えば、パノラマ映像の一部を切り取った映像が目の前に投影されることとなる。なお、HMD52の構成は、公知であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0019】
なお、本実施形態では、例えば、情報処理装置51とHMD52とが別体とされている構成を例示して説明するが、この例に限られない。例えば、情報処理装置51が備える全て又は一部の機能が、HMD52に搭載されていてもよい。例えば、情報処理装置51の入力部以外の機能がHMD52に搭載され、入力部が、リモートコントローラとしてHMD52とは別体として設けられていてもよい。また、教育者装置50は、マイクロホン、スピーカを更に備えていてもよい。
【0020】
学習者装置60は、生徒などの学習者が利用するための装置である。学習者装置60は、
図1に示すように、例えば、情報処理装置61と、学習者が頭部に装着するための頭部装着型ディスプレイとを備えている。本実施形態では、頭部装着型ディスプレイとして、VR用のヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)62を採用する場合を例示して説明する。
【0021】
情報処理装置61は、例えば、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、タブレット端末、携帯電話端末、スマートフォン等である。情報処理装置61の構成は公知であるため、詳細な説明は省略するが、上述した教育支援装置10や情報処理装置51と同様に、CPU、補助記憶装置、メインメモリ、通信デバイスを備えている。また、情報処理装置61は、入力部、表示部等を備えていてもよい。補助記憶装置には、例えば、Windows(登録商標),iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の学習者装置60全体の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、後述する学習者装置60の機能を実現するためのアプリケーション及び各種データやファイル等が格納されている。
【0022】
HMD62は、頭部の姿勢を検出するセンサを備えている。センサによって検出された頭部の姿勢は、情報処理装置61に出力される。情報処理装置61は、頭部の姿勢に基づいてHMD62に表示させる映像を変化させる。より具体的には、情報処理装置61は、後述するように、教育支援装置10から受信した映像コンテンツの表示領域を頭部の姿勢に応じて表示させる。これにより、HMD62を装着している学習者は、頭部の姿勢を変化させることにより、仮想空間における視線を移動させることができ、例えば、パノラマ映像の一部を切り取った映像が目の前に投影されることとなる。なお、HMD62の構成は、公知であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0023】
なお、本実施形態では、例えば、情報処理装置61とHMD62とが別体とされている構成を例示して説明するが、この例に限られない。例えば、情報処理装置61が備える全て又は一部の機能が、HMD62に搭載されていてもよい。例えば、情報処理装置61の入力部以外の機能がHMD62に搭載され、入力部が、リモートコントローラとしてHMD62とは別体として設けられていてもよい。また、学習者装置60は、マイクロホン、スピーカを更に備えていてもよい。
【0024】
次に、本実施形態に係る教育支援システム1の機能について説明する。
図3は、本実施形態に係る教育支援システム1が備える機能の一例を示した機能構成図である。以下に示す各機能を実現するための一連の処理は、一例としてプログラム(例えば、教育支援プログラム)として、教育支援装置10、教育者装置50、学習者装置60がそれぞれ備える補助記憶装置(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納されており、このプログラムをCPUが読み出して実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、教育支援装置10、教育者装置50、学習者装置60がそれぞれ備える補助記憶装置に予めインストールされている形態、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0025】
図3に示すように、教育者装置50の情報処理装置51は、HMD52、通信部53、制御部54、入力部55を備えている。このうち、通信部53、制御部54、入力部55については、例えば、情報処理装置51が備える機能である。
通信部53は、教育支援装置10との間の通信を制御する。例えば、通信部53は、教育支援装置10から映像コンテンツを受信するとともに、入力部55から入力された情報を教育支援装置10に送信する。
【0026】
制御部54は、教育支援装置10から受信した映像コンテンツをHMD52に表示させる。このとき、制御部54は、HMD52が備えるセンサによって検出された教育者の頭部の動きに応じて、HMD52に表示させる映像コンテンツの表示領域を移動させる。これにより、教育者は、頭部を自由に移動させることにより、所望の視線からの映像を見ることができる。
【0027】
入力部55は、教育者が入力操作を行うためのマンマシンインターフェースである。例えば、教育者は、入力部55を操作することにより、ログイン情報、学習者に配信させたい映像コンテンツの選定及び送信指示、学習者に注視させたい注目領域を特定するための入力指示等の各種情報を入力することができる。
【0028】
教育支援装置10は、記憶部20、通信部21、注目領域特定部23、フィルタ制御部24を備えている。
記憶部20には、複数の映像コンテンツが格納されている。映像コンテンツは、例えば、所定の空間の全周方向(0°~360°)又は周方向の一部を撮影したパノラマ映像を含んでいる。映像コンテンツは、静止映像であっても、動映像であってもよい。また、映像コンテンツは、2次元の映像であっても、3次元の映像であってもよい。また、映像コンテンツは、複数の静止映像を周方向(例えば、0°~360°)につなぎ合わせた合成映像であってもよい。また、映像コンテンツは、リアルタイムで撮影されている映像であってもよいし、予め撮影された映像であってもよい。
本実施形態では、一例として、
図4に示すように、所定の空間の全周方向(0°~360°)を撮影したVR映像を映像コンテンツとして用いる場合を例示して説明する。
【0029】
通信部21は、教育者装置50及び学習者装置60との間の通信を制御する。例えば、通信部21は、教育者装置50及び学習者装置60からログイン情報や各種情報を受信するとともに、教育者装置50及び学習者装置60に映像コンテンツを送信する。また、通信部21は、教育者装置50と学習者装置60との情報のやり取りを仲介する。例えば、通信部21は、学習者装置60から挙手を知らせる情報、回答情報等を受信し、これらの情報を教育者装置50へ送信する。
【0030】
情報取得部22は、学習者装置60のHMD62に表示されている映像コンテンツにおいて、学習者に注視させたい注目領域の情報を教育者装置50から受信することにより取得する。
注目領域特定部23は、注目領域に関する情報を受信した場合に、注目領域に関する情報に基づいて映像コンテンツにおける注目領域を特定する。なお、注目領域の特定についての詳細は後述する。
【0031】
フィルタ制御部24は、映像コンテンツにおいて、注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳させる。フィルタの種類は、特に限定されない。フィルタの一例として、塗りつぶしフィルタ、輝度変化フィルタ、網掛けフィルタ、ぼかしフィルタ等が挙げられる。フィルタは、公知の各種フィルタを採用することができ、また、複数のフィルタが準備され、これらのうちの一つを教育者が選択できる構成とされていてもよい。
【0032】
学習者装置60は、HMD62、通信部63、制御部64、入力部65を備えている。このうち、通信部63、制御部64、入力部65については、例えば、情報処理装置61が備える機能である。
通信部63は、教育支援装置10との間の通信を制御する。例えば、通信部63は、教育支援装置10から映像コンテンツを受信する。
【0033】
制御部64は、教育支援装置10から受信した映像コンテンツをHMD62に表示させる。このとき、制御部64は、HMD62が備えるセンサによって検出された学習者の頭部の動きに応じて、HMD62に表示させる映像コンテンツの表示領域を移動させる。これにより、学習者は、頭部を自由に移動させることにより、所望の視線からの映像を見ることができる。
【0034】
入力部65は、学習者が入力操作を行うためのマンマシンインターフェースである。例えば、学習者は、入力部65を操作することにより、例えば、ログイン情報、挙手情報、問題回答情報等の各種情報を入力することができる。
【0035】
次に、本実施形態に係る教育支援システム1を構成する教育者装置50、教育支援装置10、及び学習者装置60によって実行される教育支援処理について、
図5及び
図6を参照して説明する。
【0036】
図5は、教育者装置50によって実行される処理の一例を示したフローチャートである。以下に示す処理は、プログラム(例えば、教育支援プログラム)として教育者装置50が備える補助記憶装置に格納されており、このプログラムをCPUが読み出して実行する。以下の処理は、例えば、教育者が入力部55を操作してログインを行い、これから授業で使用する映像コンテンツを指定して、配信開始指示を入力することにより実行される。
【0037】
まず、教育者装置50は、映像コンテンツを教育支援装置10から受信すると、映像コンテンツをHMD52に表示させる(SA1)。このとき、HMD52に表示させるのは、映像コンテンツの一部に設定された表示領域HRに対応する映像である(
図4参照)。すなわち、HMD52には、映像コンテンツの一部の表示領域HRに対応する映像が表示される。教育者が頭部を移動させると、その頭部の動きに合わせて表示領域HRが移動することにより、仮想空間における視線を移動させることができる。
【0038】
続いて、教育者装置50は、注目領域を指定するための注目領域指定指示が入力されたか否かを判定する(SA2)。例えば、教育者は、授業を行うにあたり、学習者に注目してもらいたい映像がある場合には、頭部を移動させることにより、目的の映像をHMD52に表示させ、その状態で入力部55を操作することにより、注目領域を指定する。教育者装置50は、このようにして注目領域が指定された場合には(SA2:YES)、指定された表示領域の情報を注目領域に関する情報として教育支援装置10に送信する(SA3)。例えば、
図7に示すように、θ1~θ2の映像がHMD52に表示されている状態で注目領域が指定された場合には、教育者装置50は、θ1~θ2の情報を注目領域に関する情報として教育支援装置10に送信する。
【0039】
また、ステップSA2において、上述した注目領域指定指示が入力されていない場合には(SA2:NO)、ステップSA4に移行する。
【0040】
ステップSA4では、注目領域解除指示が入力されたか否かを判定する。例えば、教育者は、注目領域として指定した映像における説明が完了し、注目領域を指定し続ける必要がなくなった場合には、入力部55から注目領域を解除する解除指示を入力する。このようにして、注目領域解除指示が入力された場合には(SA4:YES)、教育者装置50は、解除指示を教育支援装置10に送信する(SA5)。また、ステップSA4において、上述した解除指示が入力されていない場合には(SA4:NO)、ステップSA6に移行する。
ステップSA6では、配信終了指示が入力されたか否かを判定する(SA6)。この結果、配信終了指示が入力されていなければ(SA6:NO)、ステップSA2に戻り、上述した処理を繰り返し行う。一方、配信終了指示が入力された場合には(SA6:YES)、配信終了指示を教育支援装置10に送信し(SA7)、本処理を終了する。
【0041】
次に、教育支援装置10によって実行される処理について
図6を参照して説明する。
図6は、教育支援装置10によって実行される処理の一例を示したフローチャートである。
以下に示す処理は、プログラム(例えば、教育支援プログラム)として補助記憶装置12(
図2参照)に格納されており、このプログラムをCPU11が読み出して実行する。教育支援装置10は、例えば、教育者装置50から配信開始指示を受信したときに、
図6に示した処理を実行する。
【0042】
教育支援装置10は、教育者装置50から配信開始指示を受信すると、指定された映像コンテンツを記憶部20から読み出し、教育者装置50及び学習者装置60に送信する(SB1)。これにより、教育者装置50のHMD52及び学習者装置60のHMD62には、教育者や学習者の頭部の動きに応じた視線からの映像が表示されることとなる。
【0043】
続いて、教育者装置50から注目領域の情報を取得(受信)したか否かを判定する(SB2)。この結果、注目領域の情報を取得していない場合には、ステップSB6に移行する。一方、注目領域の情報を取得している場合には(SB2:YES)、注目領域の情報に基づいて注目領域を特定し(SB3)、配信中の映像コンテンツにおいて注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳する(SB4)。例えば、上述したように、注目領域の情報として、θ1~θ2の情報を受信した場合には、θ1~θ2の角度範囲以外の領域にフィルタを重畳する。これにより、例えば、黒塗りのフィルタが設定されている場合には、
図8に示すように、θ1~θ2以外の領域が黒塗りされた映像コンテンツとなる。
【0044】
続いて、フィルタが重畳された映像コンテンツ(
図8参照)を学習者装置60に送信する(SB5)。これにより、学習者装置60のHMD62には、教育者装置50において指定された注目領域以外の映像が黒塗りとされた映像コンテンツに基づく表示が行われる。この結果、例えば、θ1~θ2以外の領域を見ていた学習者においては、視界の映像が真っ黒に映し出されることとなる。このようにして、黒い画面が表示された場合には、学習者は頭部を移動(回転)させることにより、映像が表示される領域を探すこととなる。これにより、学習者の視線を注目領域として指定された映像に誘導することが可能となる。
【0045】
なお、教育者装置50には、フィルタが重畳されていない映像コンテンツが引き続き送信されることから、教育者は、授業の進行に合わせて自由に注目領域を指定及び解除することができる。
【0046】
続いて、教育支援装置10は、解除指示を受信したか否かを判定する(SB6)。この結果、解除指示を受信していない場合には(SB6:NO)、ステップSB8に移行する。一方、解除指示を受信した場合には(SB6:YES)、フィルタの重畳を解除し、フィルタが重畳されていない映像コンテンツを学習者装置60に送信する(SB7)。これにより、学習者装置60のHMD62には、フィルタが重畳されていない元の映像コンテンツに基づく映像が表示されることとなる。
【0047】
続いて、教育支援装置10は、配信終了指示を受信したか否かを判定する(SB8)。この結果、配信終了指示を受信していない場合には(SB8:NO)、ステップSB2に戻り、上述の処理を繰り返し行う。一方、配信終了指示を受信した場合には(SB8:YES)、映像コンテンツの送信を終了し、本処理を終了する。
【0048】
以上、説明してきたように、本実施形態に係る教育支援システム1、教育支援方法、及び教育支援プログラムによれば、教育者によって注目領域が指定された場合には、その注目領域以外の領域にフィルタが重畳された映像コンテンツが学習者装置60に送信されることとなる。これにより、授業の進行に合わせて、教育者が学習者に注目してもらいたい視線からの映像がある場合には、その映像に学習者の視線を誘導することが可能となる。これにより、各学習者が注目領域として指定された映像を見ている状態で授業を進行することが可能となる。
【0049】
また、教育支援装置10は、注目領域を解除する解除指示を受信した場合には、フィルタの重畳を解除した映像コンテンツを学習者装置60に送信する。これにより、教育者が特に注目させたい映像がない場合には、学習者は頭部を自由に移動させることにより、自らが見たい視線からの映像を楽しむことができる。
【0050】
また、教育者は、自身が装着しているHMD52に注目させたい映像を表示させた状態で入力部55を操作することにより注目領域を設定することができる。これにより、入力ボタンを押下するなどの簡易な操作で注目領域の設定を行うことが可能となる。また、注目領域の解除指示の入力についても同様に、簡単な操作により行うことができる。
【0051】
なお、上述した実施形態では、教育者がHMD52を装着し、HMD52の映像を見ながら注目領域を指定していたが、この例に限られない。例えば、教育者はHMD52を装着せずに、情報処理装置51が備える表示部に表示された映像コンテンツを確認しながら、注目領域の指定を行うこととしてもよい。
図9に表示部に表示される表示画面の一例を示す。例えば、表示部には、
図9に示すように、映像コンテンツと、映像コンテンツ上において注目領域を指定するための指定枠W、注目領域を決定するための決定ボタンBT1、注目領域を解除するための解除ボタンBT2等が表示される。教育者は、表示部に表示された映像コンテンツを確認しながら指定枠Wを注目領域に移動させ、決定ボタンBT1を押下する。これにより、注目領域指定指示が入力される。また、教育者は、注目領域の解除を行う場合には、解除ボタンBT2を押下する。これにより、解除指示が入力される。
【0052】
このような方法であれば、教育者はHMD52を装着する必要がないため、生徒などの様子を確認しながら、注目領域指定指示及び解除指示を容易に入力することが可能となる。なお、注目領域の指定手法や解除手法については上記例に限られず、公知の手法を適宜採用すればよい。
【0053】
また、上述した実施形態では、教育者が注目領域の解除を行うこととしたが、この例に限られない。例えば、学習者装置60の情報処理装置61がフィルタの重畳された映像コンテンツをHMD62に表示させている場合に、所定の条件を満たした場合には、学習者装置60においてフィルタを解除することとしてもよい。例えば、注目領域でない映像を見ていた学習者は、フィルタが重畳されることにより視点を移動させ、注目領域の映像をHMD62に表示させた場合を考える。
【0054】
この場合、学習者装置60の制御部64は、HDM62に注目領域の全体が表示されたことを判定すると(判定部)、フィルタを解除することとしてもよい(フィルタ解除部)。また、注目領域の全域がHDM62に表示されただけではなく、表示された状態が所定の期間維持された場合に、フィルタを解除することとしてもよい。このように、学習者装置60側でフィルタを解除することにより、フィルタの重畳に学習者の意思や行動を反映させることができる。これにより、全ての学習者に注目領域への視聴を強制する場合に比べて、学習の自由度を与えることができる。
【0055】
また、フィルタを解除する態様として、HMD62にフィルタが重畳された映像コンテンツが表示されている場合において、学習者の頭部の動きに連動してフィルタが重畳されているフィルタ領域に、フィルタを解除するための解除入力部(例えば、解除ボタン等)を表示させることとしてもよい。そして、この解除入力部が操作された場合に、一部の又は全部のフィルタを解除することとしてもよい。
【0056】
例えば、学習者が表示領域の右側領域を更に見たいと考えた場合、学習者は頭部を右に回転させる。頭部が右側に回転したことが検知されると、表示領域の右側に解除ボタンを表示させる。そして、この解除ボタンが操作された場合に、表示領域の右側のフィルタを所定領域だけ解除することとしてもよい。ここで、解除入力部の操作方法としては、例えば、解除入力部を一定期間凝視するなどの入力操作が一例として挙げられる。また、解除入力部が操作された場合に、フィルタ全体を解除するのか、一部のフィルタを解除するのか、また、一部のフィルタを解除する場合に、どの程度解除するのかについては、運用に応じて適宜適切に設計すればよい。
【0057】
また、上記のようなフィルタの解除については、学習者装置60において行う態様に代えて、教育支援装置10において解除するような構成としてもよい。例えば、学習者装置60は、注目領域の全体がHDM62に表示されたと判定した場合には、教育支援装置10に対して当該学習者装置60を特定するための識別情報とフィルタ解除要求を送信することにより、教育支援装置10において特定の学習者装置60においてはフィルタを解除した映像コンテンツを送信させるような構成としてもよい。
【0058】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る教育支援システムについて説明する。上述した第1実施形態では、教育支援装置10を設け、教育支援装置10が情報取得部22、注目領域特定部23、フィルタ制御部24を備えていた。本実施形態に係る教育支援システム1aは、教育支援装置10の機能を教育者装置50に設け、教育支援装置10からフィルタ制御等を行う点が異なる。
以下、上述した第1実施形態と異なる構成については同一の符号を付して説明を省略し、このなる部分について主に説明する。
【0059】
図10は、本実施形態に係る教育支援システム1aが備える機能の一例を示した図である。
図10に示すように、教育者装置50aが上述した記憶部20、情報取得部22、注目領域特定部23、及びフィルタ制御部24を備えている。
【0060】
教育者装置50aの制御部54は、入力部55から映像コンテンツが指定され、更に、配信開始指示が入力されると、指定された映像コンテンツを記憶部20から読み出し、HMD52に表示させるとともに、学習者装置60に送信する。
これにより、教育者装置50のHMD52及び学習者装置60のHMD62には、教育者や学習者の頭部の動きに応じた視線からの映像が表示されることとなる。
【0061】
続いて、教育者が入力部55を操作することにより、注目領域を指定するための注目領域指定指示が入力されると、指定された表示領域の情報を注目領域に関する情報として取得し、この情報に基づいて注目領域を特定し、配信中の映像コンテンツにおいて注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳する。フィルタが重畳された映像コンテンツ(
図8参照)は学習者装置60に送信される。これにより、学習者装置60のHMD62には、フィルタが重畳された映像コンテンツに基づく表示が行われる。
なお、注目領域の解除については、上述した第1実施形態と同様の手法を採用できるとともに、上記他の態様として説明した手法を適宜採用することが可能である。
【0062】
このように、教育支援装置10が備えていた機能を教育者装置50aに搭載することにより、教育支援装置10を省略することができる。これにより、システム全体の装置構成を簡素化することができる。
【0063】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係る教育支援システムについて説明する。上述した第2実施形態では、教育者装置50aが教育支援装置10の機能を備えていたが、本実施形態では、教育支援装置10の機能の一部を教育者装置50bに、残りの機能を学習者装置60に設け、学習者装置60においてフィルタ制御等を行う点が異なる。
以下、上述した第2実施形態と異なる構成については同一の符号を付して説明を省略し、このなる部分について主に説明する。
【0064】
図11は、本実施形態に係る教育支援システム1bが備える機能の一例を示した図である。
図11に示すように、教育者装置50bは記憶部20を備え、学習者装置60bが情報取得部22、注目領域特定部23、及びフィルタ制御部24を備えている。
【0065】
教育者装置50aの制御部54は、入力部55から映像コンテンツが指定され、更に、配信開始指示が入力されると、指定された映像コンテンツを記憶部20から読み出し、HMD52に表示させるとともに、学習者装置60に送信する。
これにより、教育者装置50のHMD52及び学習者装置60のHMD62には、教育者や学習者の頭部の動きに応じた視線からの映像が表示されることとなる。
【0066】
続いて、教育者が入力部55を操作することにより、注目領域を指定するための注目領域指定指示が入力されると、指定された表示領域の情報が注目領域に関する情報として教育者装置50bから学習者装置60bに送信される。学習者装置60bは、注目領域に関する情報を取得すると、この情報に基づいて注目領域を特定し、配信中の映像コンテンツにおいて注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳する。これにより、学習者装置60のHMD62には、フィルタが重畳された映像コンテンツに基づく表示が行われる。
なお、注目領域の解除については、上述した第1実施形態と同様の手法を採用できるとともに、上記他の態様として説明した手法を適宜採用することが可能である。
【0067】
このように、教育支援装置10が備えていた機能を教育者装置50b及び学習者装置60bに設けることにより、教育支援装置10を省略することができる。これにより、システム全体の装置構成を簡素化することができる。
【0068】
以上、本発明について各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、上記実施形態で説明した教育支援処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0069】
例えば、上述した実施形態では、教育支援装置10又は教育者装置50a、50bが映像コンテンツを学習者装置60、60bに配信する態様としたが、これに限られない。例えば、教育者装置及び学習者装置のそれぞれが、予め共通の映像コンテンツを所定のコンテンツ配信サーバからダウンロードしてそれぞれ保有していることとしてもよい。そして、自身が備える記憶装置に格納されている映像コンテンツを同時刻に再生することで、上述と同様の効果を奏することが可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 :教育支援システム
10 :教育支援装置
11 :CPU
12 :補助記憶装置
13 :メインメモリ
14 :通信デバイス
15 :入力部
16 :表示部
20 :記憶部
21 :通信部
22 :情報取得部
23 :注目領域特定部
24 :フィルタ制御部
50,50a,50b :教育者装置
51 :情報処理装置
52 :HMD(頭部装着型ディスプレイ)
53 :通信部
54 :制御部
55 :入力部
60,60b :学習者装置
61 :情報処理装置
62 :HMD(頭部装着型ディスプレイ)
63 :通信部
64 :制御部
65 :入力部
【手続補正書】
【提出日】2023-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習者が装着し、前記学習者の頭部の動きに連動して映像が変化するように構成された頭部装着型ディスプレイに表示させる映像コンテンツを制御可能な教育支援システムであって、
前記頭部装着型ディスプレイに表示されている前記映像コンテンツにおいて、学習者に注視させたい注目領域の情報を取得する情報取得部と、
前記注目領域の情報に基づいて、前記映像コンテンツにおける注目領域を特定する注目領域特定部と、
前記映像コンテンツにおいて、前記注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳させるフィルタ制御部と、
所定の条件を満たした場合に、前記フィルタを解除するフィルタ解除部と
を備える教育支援システム。
【請求項2】
教育者が装着し、教育者の頭部の動きに連動して映像が変化するように構成された頭部装着型ディスプレイと、
教育者が入力操作を行うための入力部と
を備え、
前記情報取得部は、前記入力部から注目領域を指定するための注目領域指定指示が入力された場合に、教育者が装着する前記頭部装着型ディスプレイに表示されている前記映像コンテンツの表示領域の情報を前記注目領域に関する情報として取得する請求項1に記載の教育支援システム。
【請求項3】
教育者が入力操作を行うための入力部と、
前記映像コンテンツを表示可能な表示部と
を備え、
前記情報取得部は、前記入力部が操作されることにより、前記表示部に表示されている前記映像コンテンツの一部の画像領域が指定された場合に、指定された前記画像領域を前記注目領域の情報として取得する請求項1に記載の教育支援システム。
【請求項4】
前記映像コンテンツは、所定の空間の全周方向又は周方向の一部を撮影したパノラマ映像を含む請求項1に記載の教育支援システム。
【請求項5】
前記映像コンテンツは、複数の静止画像を横方向につなぎ合わせた合成画像を含む請求項1に記載の教育支援システム。
【請求項6】
学習者が装着する前記頭部装着型ディスプレイにフィルタが重畳された前記映像コンテンツが表示されている場合において、前記学習者の頭部の動きに連動して前記注目領域の全域が該頭部装着型ディスプレイに表示されか否かを判定する判定部を備え、
前記フィルタ解除部は、前記注目領域の全域が前記頭部装着型ディスプレイに表示された場合に、前記フィルタを解除する請求項1に記載の教育支援システム。
【請求項7】
前記フィルタ解除部は、学習者が装着する前記頭部装着型ディスプレイにフィルタが重畳された前記映像コンテンツが表示されている場合において、前記学習者の頭部の動きに連動して前記フィルタ上に前記フィルタを解除するための解除入力部を表示させるとともに、前記解除入力部が操作された場合に、一部の又は全領域の前記フィルタを解除する請求項1に記載の教育支援システム。
【請求項8】
学習者が装着し、前記学習者の頭部の動きに連動して映像が変化するように構成された頭部装着型ディスプレイに表示させる映像コンテンツを制御可能な教育支援方法であって、
前記頭部装着型ディスプレイに表示されている前記映像コンテンツにおいて、学習者に注視させたい注目領域の情報を取得するステップと、
前記注目領域の情報に基づいて、前記映像コンテンツにおける注目領域を特定するステップと、
前記映像コンテンツにおいて、前記注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳させるステップと、
所定の条件を満たした場合に、前記フィルタを解除するステップと
を備える教育支援方法。
【請求項9】
請求項8に記載の教育支援方法をコンピュータに実行させるための教育支援プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の第一態様は、学習者が装着し、前記学習者の頭部の動きに連動して映像が変化するように構成された頭部装着型ディスプレイに表示させる映像コンテンツを制御可能な教育支援システムであって、前記頭部装着型ディスプレイに表示されている前記映像コンテンツにおいて、学習者に注視させたい注目領域の情報を取得する情報取得部と、前記注目領域の情報に基づいて、前記映像コンテンツにおける注目領域を特定する注目領域特定部と、前記映像コンテンツにおいて、前記注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳させるフィルタ制御部と、所定の条件を満たした場合に、前記フィルタを解除するフィルタ解除部とを備える教育支援システムである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の第二態様は、学習者が装着し、前記学習者の頭部の動きに連動して映像が変化するように構成された頭部装着型ディスプレイに表示させる映像コンテンツを制御可能な教育支援方法であって、前記頭部装着型ディスプレイに表示されている前記映像コンテンツにおいて、学習者に注視させたい注目領域の情報を取得するステップと、前記注目領域の情報に基づいて、前記映像コンテンツにおける注目領域を特定するステップと、前記映像コンテンツにおいて、前記注目領域以外の領域に予め設定されたフィルタを重畳させるステップと、所定の条件を満たした場合に、前記フィルタを解除するステップとを備える教育支援方法である。