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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171452
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ルアー用ブレード及びルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
A01K85/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088463
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】500411212
【氏名又は名称】株式会社デプス
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】奥村 和正
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA47
2B307BA49
2B307BA69
(57)【要約】
【課題】 ラインから取り外すことなく、動きを変えられるルアーを得る。
【解決手段】 ルアー本体に連結されるルアー用ブレードにおいて、板状をなす水受け部材と、前記水受け部材の一方面に設けられ、前記水受け部材を前記ルアー本体に連結させる連結部材と、前記水受け部材と前記連結部材との間に介在し、前記水受け部材を、その一方面と交差する方向へ延びる回転軸周りに回転させ、前記水受け部材の一端が前記回転軸を中心として所定方向を向く第1状態と前記所定方向と異なる方向を向く第2状態との間で切り替える切替機構とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルアー本体に連結されるルアー用ブレードであって、
板状をなす水受け部材と、
前記水受け部材の一方面に設けられ、前記水受け部材を前記ルアー本体に連結させる連結部材と、
前記水受け部材と前記連結部材との間に介在し、前記水受け部材を、その一方面と交差する方向へ延びる回転軸周りに回転させ、前記水受け部材の一端が前記回転軸を中心として所定方向を向く第1状態と前記所定方向と異なる方向を向く第2状態との間で切り替える切替機構とを備えていることを特徴とするルアー用ブレード。
【請求項2】
前記水受け部材が、前記回転軸から前記一端までの長さが他端までの長さよりも長くなっており、
前記切替機構が、前記第1状態と前記第2状態とで、前記水受け部材の一端が向く方向を180度切り替える請求項1記載のルアー用ブレード。
【請求項3】
前記水受け部材が、長尺状をなすものであり、
前記切替機構が、前記第1状態と前記第2状態とで、前記水受け部材の長手方向の前記一端が向く方向を90度切り替える請求項1記載のルアー用ブレード。
【請求項4】
前記水受け部材が、前記回転軸方向に見て略長方形状又は略楕円形状である請求項1記載のルアー用ブレード。
【請求項5】
前記連結部材が、前記回転軸と直交する方向に開口するものであり、
前記切替機構が、前記第1状態と前記第2状態とで、前記水受け部材の一端が向く方向を前記連結部材の開口方向又はその直交方向のいずれかに切り替える請求項1記載のルアー用ブレード。
【請求項6】
前記請求項1乃至5に記載されたブレードと、
前記ブレードが連結されたルアー本体とを備えることを特徴とするルアー。
【請求項7】
前部にライン止めが設けられたルアー本体と、
前記ルアー本体に設けられ、そのルアー本体の前後方向に延びる中心軸を挟んで一方向へ突出する第1水受け部材及び前記一方と反対の他方へ突出する第2水受け部材を備えた水受け部材と、
前記水受け部材を、前記前後方向へ延びる回転軸周りに回転させ、前記第1水受け部材及び前記第2水受け部材の先端が前記中心軸に対して所定方向を向く第1状態と前記所定方向と異なる方向を向く第2状態との間で切り替える切替機構とを備えていることを特徴とするルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルアー用ブレード及びルアーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
釣りに使用されるルアーは、それぞれ水中で引っ張った際の動きや進み方が異なる。このため、釣り人は、釣り場の状況に合ったものを選択して使用する。
【0003】
例えば、特許文献1の図1のように、長尺状の揺動部材が、その長手方向を上下方向に向けてルアー本体に連結されたものが開示されている。このルアーは、水中で引っ張ると、揺動部材の下部よりも上部に生じる抵抗が大きくなると下方へ振られ、揺動部材の上部よりも下部に生じる抵抗が大きくなると上方へ振られ、これを繰り返して上下に揺動する。
【0004】
しかしながら、釣り場の状況は刻々と変化するため、頻繁にルアーを変更する必要があるが、前記従来のルアーのように一つの動きや進み方しかできないと、一旦ラインから取り外して別のルアーに付け替える必要があり、非常に面倒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第7189608号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、ラインから取り外すことなく、動きや進み方を変えられるルアーを得ることその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るルアー用ブレードは、ルアー本体に連結されるルアー用ブレードであって、板状をなす水受け部材と、前記水受け部材の一方面に設けられ、前記水受け部材を前記ルアー本体に連結させる連結部材と、前記水受け部材と前記連結部材との間に介在し、前記水受け部材を、その一方面と交差する方向へ延びる回転軸周りに回転させ、前記水受け部材の一端が前記回転軸を中心として所定方向を向く第1状態と前記所定方向と異なる方向を向く第2状態との間で切り替える切替機構とを備えていることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成のルアー用ブレードによれば、水受け部材を連結部材に対して回転させるだけで、水受け部材の向きを切り替えられる。これにより、切替前後で、水中で引っ張った場合に、水受け部材で受ける水の抵抗が変化する。その結果、ラインからルアーを取り外すことなく、ルアーの動きや進み方を変更できる。
【0009】
また、前記水受け部材が、前記回転軸から前記一端までの長さが他端までの長さよりも長くなっており、前記切替機構が、前記第1状態と前記第2状態とで、前記水受け部材の一端が向く方向を180度切り替えるものであってもよい。
【0010】
このような構成によれば、例えばルアーに対し、水受け部材の一端が上方を向く第1状態と下方に向く第2状態との間で切り替わるように連結すれば、ルアーの動きを次のように変更できる。つまり、第1状態では、水受け部材の下部よりも上部に受ける抵抗が大きくなり、ブレードが、下部から上部に向かって後方へ傾いた状態となる。これにより、ルアー本体が、後部よりも前部が持ち上がった姿勢となる。その結果、ルアーが浮上するように移動する。一方、第2状態では、水受け部材の上部よりも下部に受ける抵抗が大きくなり、ブレードが、上部から下部に向かって後方へ傾いた状態となる。これにより、ルアー本体が、前部が後部よりも持ち上がった姿勢となる。その結果、ルアーが沈降するように移動する。
【0011】
また、前記水受け部材が、長尺状をなすものであり、前記切替機構が、前記第1状態と前記第2状態とで、前記水受け部材の長手方向の前記一端が向く方向を90度切り替えるものであってもよい。
【0012】
このような構成によれば、例えばルアーに対し、水受け部材の長手方向の一端が上方を向く第1状態と左右を向く第2状態との間で切り替わるように連結すれば、ルアーの動きを次のように変更できる。つまり、第1状態では、前述したとおり、ルアーは上下に揺動するように動く。一方、第2状態では、水受け部材の左部よりも右部に生じる抵抗が大きくなると右方へ振られ、水受け部材の右部よりも左部に生じる抵抗が大きくなると左方へ振られる。ルアーは、これを繰り返して左右に揺動する。
【0013】
前記水受け部材の具体的な実施態様としては、前記水受け部材が、前記回転軸方向に見て略長方形状又は略楕円形状のものが挙げられる。
【0014】
ルアーを水中で引っ張った際に、斜めに動くと、ルアーが回転してラインが捩れる可能性がある。このため、ルアーは、上下又は左右に動くようにすることが好ましい。
【0015】
そこで、前記連結部材が、前記回転軸と直交する方向に開口するものであり、前記切替機構が、前記第1状態と前記第2状態とで、前記水受け部材の一端が向く方向を前記連結部材の開口方向又はその直交方向のいずれかに切り替えるものであってもよい。
【0016】
このような構成によれば、市販されている多くのルアーに設けられているリング状のアイに対し、水受け部材の一端が上下又は左右に向くように連結できる。
【0017】
また、本発明に係るルアーは、前記ブレードと、前記ブレードが連結されたルアー本体とを備えるものである。
【0018】
また、本発明に係るルアーは、前部にライン止めが設けられたルアー本体と、前記ルアー本体に設けられ、そのルアー本体の前後方向に延びる中心軸を挟んで一方向へ突出する第1水受け部材及び前記一方と反対の他方へ突出する第2水受け部材を備えた水受け部材と、前記水受け部材を、前記前後方向へ延びる回転軸周りに回転させ、前記第1水受け部材及び前記第2水受け部材の先端が前記中心軸に対して所定方向を向く第1状態と前記所定方向と異なる方向を向く第2状態との間で切り替える切替機構とを備えていることを特徴とするものである。
【0019】
このような構成のルアーによれば、水受け部材をルアー本体に対して回転させるだけで、水受け部材の向きを切り替えられる。これにより、切替前後で、水中で引っ張った場合に、水受け部材で受ける水の抵抗が変化する。その結果、ラインからルアーを取り外すことなく、ルアーの動きを変更できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ラインから取り外すことなく、ルアーの水中における動きを変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態に係るブレードを模式的に示す斜視図である。
図2】第1の実施形態に係るブレードを模式的に示す断面図である。
図3】第1の実施形態に係るブレードを連結した状態のルアーを模式的に示す斜視図である。
図4】第1の実施形態に係るブレードを連結した状態のルアーを模式的に示す斜視図である。
図5】第2の実施形態に係るルアーを模式的に示す側面図である。
図6】その他の実施形態に係るブレードを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係るブレードは、ルアー(疑似餌)に連結して使用されるものである。具体的には、ルアーを構成するルアー本体に連結して使用されるものである。なお、ルアー本体は、例えば小魚やエビなどフィッシュイーターと呼ばれる対象魚が捕食する生き物を模した形状に形成されている。なお、本発明において、前方とは、水中で引っ張った際に、ルアーが進む方向である。上下方向とは、ルアーを水に浮かべた状態で、そのルアーのルアー本体の上面が向く方向を上方、下面が下を向く方向が下方である。したがって、仮にルアー本体が小魚を模した形状である場合、そのルアー本体の背面が向く方向が上方、腹面が向く方向が下方となる。
【0023】
<第1の実施形態> 本実施形態に係るブレード100は、水中で抵抗となるものである。本実施形態のブレード100は、図1に示すように、水受け部材10と、連結部材20と、切替機構30とを備えており、ルアー200を構成するルアー本体210に連結して使用される。
【0024】
前記水受け部材10は、長尺板状のものである。具体的には、水受け部材10は、略長方形状や略楕円形状の板材である。本実施形態の水受け部材10は、略長方形状のものであり、その中央部分が弾性体11で形成されており、その他の部分が硬質樹脂で形成されている。なお、水受け部材10は、ルアー本体210に連結された状態で、一方面10aが前方を向くように構成されている。つまり、水受け部材10は、その一方面10aが水受け面となる。
【0025】
前記連結部材20は、ルアー本体210に連結されるものである。本実施形態の連結部材20は、リング状のものであり、市販されている多くのルアー200に取り付けられているアイ220に鎖状に連結できるようになっている。連結部材20は、水受け部材10の一方面10a(水受け面)に設けられ、ルアー本体210に連結された状態で、そのルアー本体210と連結部材20の一方面10aとの間に介在する。具体的には、連結部材20は、一方面10a中央付近に設けられている。そして、連結部材20は、その開口が水受け部材10の一方面10aが向く方向と直交方向を向いている。
【0026】
前記切替機構30は、水受け部材10と連結部材20との間に介在し、水受け部材10を、その一方面10aと交差する方向へ延びる回転軸a周りに回転させ、水受け部材10aの一端10xが回転軸aを中心として所定方向を向く第1状態と所定方向と異なる方向を向く第2状態との間で切り替えるものである。本実施形態の切替機構30は、水受け部材10の長手方向一端10xの向きを切り替えるように構成されている。具体的には、切替機構30は、水受け部材10を貫通する軸孔31と、連結部材20から延伸し軸孔31に差し込まれる軸体32と、水受け部材10の軸体32を回転軸aとする回転を規制する回転規制構造33とを備えている。
【0027】
前記軸孔31は、水受け部材10を貫通しており、その水受け部材10の一方面10a及び他方面10bに開口している。本実施形態の軸孔31は、水受け部材10の中央部に形成されており、弾性体11を貫通している。したがって、水受け部材10は、軸孔31を中心として長手方向及び短手方向に対称形状になっている。なお、軸孔31は、その直径が連結部材20の直径よりも短くなっている。これにより、連結部材20により、水受け部材10の連結部材20から遠ざかる方向への移動が規制される。
【0028】
前記軸体32は、連結部材20外周面からその連結部材20の開口方向と直交方向へ延伸している。つまり、軸体32の一端に連結部材20が設けられている。そして、軸体32は、軸孔31に差し込まれる。つまり、水受け部材10は、この軸体32を回転軸aとして回転できるようになっている。軸体32は、軸孔31の全長よりも長い全長を有しており、また、軸孔31の直径よりも長い幅を有している。これにより、軸体32は、軸孔31による摩擦の抵抗によって所定以上の力を加えないと移動できないようになっている。
【0029】
前記回転規制構造33は、水受け部材10の回転軸周りの回転を規制するものであり、具体的には、軸体32又は水受け部材10のいずれか一方に形成された篏合部33aと他方に形成された篏合受け部33bとを備えた篏合構造である。
【0030】
前記篏合部33aは、本実施形態では軸体32に形成されている。本実施形態の篏合部33aは、軸体32の他端に設けられている。具体的には、篏合部33aは、軸体32の他端から軸方向と直交方向へ突出するピン状のものである。そして、軸体32の全長が軸孔31の全長よりも長くなっていることから、篏合部33aは、水受け部材10を連結部材20から遠ざける方向(水受け部材10の他方面10Bが向く後方)へ移動させると、水受け部材10の他方面10bに引っ掛かり、水受け部材10を連結部材20へ近づける方向(水受け部材10の一方面10aが向く前方)へ移動させると、水受け部材10の他方面10bから離間する。
【0031】
前記篏合受け部33bは、本実施形態では水受け部材10に形成されている。本実施形形態の篏合受け部33bは、水受け部材10の他方面10bに形成されている。具体的には、篏合受け部33bは、水受け部材10を切り欠いて形成された溝状のものであり、軸孔31から放射状に広がるように複数形成されている。各篏合受け部33bは、軸孔31の周方向に等角度毎に形成されている。より具体的には、篏合受け部33bは、水受け部材10の長手方向へ延びる第1篏合溝Xと水受け部材10の短手方向へ延びる第2篏合溝Yとを有し、第1篏合溝X及び第2篏合溝Yは、いずれも軸孔31を挟んで対をなしている。したがって、各篏合溝X,Yは、軸孔31の周方向に所定角度毎(本実施形態では90度毎)に形成されている。
【0032】
次に、本実施形態に係るブレード100の動作を図2に基づき説明する。
【0033】
図2(a)に示すように、篏合部33aを第1篏合溝Xに嵌め込むことにより、水受け部材10は、その長手方向一端10xが連結部材20の開口方向と直交方向に向き、その軸体32周りの回転が規制された第1状態となる。
【0034】
次に、この状態から、水受け部材10を、その長手方向一端が連結部材20の開口方向に向いた第2状態に切り替える場合、先ず、図2(b)に示すように、水受け部材10を連結部材20に近づける方向へ所定以上の力(軸孔31と軸体32との間に生じる摩擦力に抗する力)で移動させ、第1篏合溝Xから篏合部33aを外す。これにより、水受け部材10は、軸体31を回転軸aとして回転自在となる。次に、図2(c)に示すように、水受け部材10を軸体31周りに90度回転させ、篏合部33aを第2篏合溝Yの位置に合わせる。そして、図2(d)に示すように、水受け部材10を連結部材20から遠ざける方向へ移動させ、篏合部33aを第2篏合溝Yに嵌め込む。これにより、水受け部材10は、その長手方向一端10xが連結部材20の開口方向に向き、その軸体32周りの回転が規制された第2状態に切り替わる。
【0035】
次に、本実施形態に係るブレード100をルアー本体210に連結した状態を図3及び図4に基づいて説明する。このルアー本体210には、後端部にアイ220が開口を上下方向に向けて固定されている。
【0036】
アイ220に対し、第1状態のブレードを連結すると、図3に示すように、水受け部材10は、ルアー本体210に対し、その長手方向一端10xを上方(又は下方)に向けた状態となる。これにより、水中で引っ張ると、ルアー200は上下へ動く。次に、ブレード100を前述した手順で第2状態に切り替えると、図4に示すように、水受け部材10は、ルアー本体210に対し、その長手方向一端10xを左方(又は右方)に向けた状態となる。これにより、水中で引っ張ると、ルアー200は左右へ動くようになる。
【0037】
なお、ルアー本体210にアイ220が開口を左右方向に向けて固定されている場合、そのルアー本体210に対し、第1状態のブレード100を連結すると、水受け部材10は、ルアー本体210に対し、その長手方向一端を左方(又は右方)に向けた状態となる。これにより、水中で引っ張ると、ルアー200は左右へ動く。次に、ブレード100を第2状態に切り替えると、水受け部材10は、ルアー本体210に対し、その長手方向を上方(又は下方)に向けた状態となる。これにより、水中で引っ張ると、ルアー200は上下へ動くようになる。
【0038】
本実施形態に係るブレード100によれば、水受け部材10を回転させるだけで、連結部材20に対する水受け部材10の長手方向の向きを切り替えることができる。このため、ルアー200をラインから取り外すことなく、ルアー本体210に対する水受け部材10の長手方向の向きを切り替え、ルアーの動きを変更できる。
【0039】
また、連結部材20が、リング状であるため、市販されている多くのルアー200に固定されているアイ220に連結できる。
【0040】
<第2の実施形態> 本実施形態に係るルアー300は、図5に示すように、ルアー本体310と、第1水受け部材321と、第2水受け部材322と、切替機構330とを備えている。
【0041】
前記ルアー本体310は、前本体311と後本体312とに二分されている。前本体311には、前部にライン止め313が固定されており、下部にフック止め314が固定されている。また、後本体312には、後部にフック止め315が固定されている。そして、各フック止め314,315に、フックFが取り付けられている。
【0042】
前記第1水受け部材321は、ルアー本体310の前後方向に延びる中心軸を挟んで一方へ突出している。この中心軸は、ルアー本体310が湾曲している場合、そのルアー本体と一緒に湾曲するように延びる。また、前記第2水受け部材322は、前記一方と反対の他方へ突出している。つまり、第1水受け部材321及び第2水受け部材322は、ルアー本体310の側面から外方へ向かって互いに反対方向へ突出している。そして、第1水受け部材321及び第2水受け部材322は、ルアー本体310(中心軸)を挟んで対称状になっている。
【0043】
前記切替機構330は、前本体311と後本体312との間に介在する軸体331と、軸体331を回転軸として回転する回転体332と、回転体332の軸体331周りの回転を規制する回転規制構造333とを備えている。
【0044】
前記軸体331は、一端が前本体311の端面311aに差し込まれるとともに、他端が後本体312の端面312aに差し込まれている。そして、軸体331は、前本体311と後本体312とを互いの端面311a,312aを離間させて連結する。
【0045】
前記回転体332は、中央部に軸孔332aが形成されており、その軸孔332aに通された軸体331に回転可能に軸止めされている。この回転体332の側周面から第1水受け部材321及び第2水受け部材322が互いに反対方向へ延びるように突出している。回転体332は、その厚みが両端面311a,312aの間の隙間よりも短くなっている。したがって、回転体332は、軸体331に対して軸方向(前後方向)へ移動可能になっている。
【0046】
前記回転規制構造333は、具体的には、回転体332又はルアー本体310のいずれか一方に設けられた篏合部333aと他方に設けられた篏合受け部333bとを備えている。
【0047】
本実施形態の篏合部333aは、ルアー本体310の後本体312に形成されている。具体的には、篏合部333aは、後本体312の端面312aから回転体332に向かって突出する凸状のものである。
【0048】
本実施形態の篏合受け部333bは、回転体332に形成されている。具体的には、篏合受け部333bは、回転体332の後本体312の端面312aとの対向面に形成された溝状のものであり、軸孔332aを中心として放射状に広がるように複数形成されている。各篏合受け部333bは、軸孔332aの周方向に等角度毎に形成されている。より具体的には、篏合受け部333bは、水受け部材321,322の突出方向(ルアー本体310の上下方向)へ延びる第1篏合溝Xと、その突出方向と直交方向ルアー本体310の左右方向)へ延びる第2篏合溝Yとを有し、第1篏合溝X及び第2篏合溝Yは、いずれも軸孔332aを挟んで対をなしている。したがって、篏合溝X,Yは、軸孔332aの周方向に所定角度毎(本実施形態では、90度毎)に形成されている。
【0049】
次に、本実施形態に係るルアー300の動作を説明する。
【0050】
篏合部333aを第1篏合溝Xに嵌め込むことにより、両水受け部材321,322は、ルアー本体310に対してその突出方向が上下方向を向き、その軸体331周りの回転が規制された状態となる。また、この状態から、両水受け部材321,322を、ルアー本体310に対してその突出方向が左右方向に向いた状態に切り替える場合、先ず、回転体332を前本体311に近づく方向(前方)へ移動させ、第1篏合溝Xから篏合部333aを外す。これにより、回転体332は、軸体331に対して回転自在となる。次に、回転体332を軸体331周りに90度回転し、篏合部333aを第2篏合溝Yの位置に合わせる。そして、回転体332を後本体へ近づく方向(後方)へ移動させ、篏合部333aを第2篏合溝Yに嵌め込む。これにより、両水受け部材321,322は、ルアー本体310に対する突出方向が左右方向を向き、その軸体331周りの回転が規制された状態に切り替わる。
【0051】
本実施形態に係るルアー300によれば、両水受け部材321,322を回転させるだけで、両水受け部材321,322のルアー本体310に対する突出方向を切り替えることができる。このため、ルアー300をラインから取り外すことなく、ルアー本体310に対する両水受け部材321,322の向きを切り替え、ルアー300の動きを変更できる。
【0052】
<その他の実施形態> その他の実施形態としては、次のようなものを挙げることができる。図6に示すように、水受け部材10は、回転軸aから一端10xまでの長さが他端10yまでの長さよりも長いものであってもよい。この場合、切替機構30は、水受け部材10の一端10xが向く方向を180度切り替えるものであることが好ましい。これにより、例えば水受け部材10を一端10xが、上方を向く第1状態に切り替えると、ルアーは沈降するように動き、一方、下方を向く第2状態に切り替えると、ルアーは浮上するように動く。このような水受け部材10は、例えば正方形状のものであってもよく、第1の実施形態と同様に長尺状のものであってもよい。
【0053】
また、前記第1の実施形態では、水受け部材が長手方向に対称形状になっているが、非対称形状のものであってもよい。つまり、水受け部材は、回転軸を中心として長手方向に非対称形状になっているものであってもよい。
【0054】
また、前記第1の実施形態では、各篏合受け部を軸孔の周方向に90度毎に形成したが、例えば90度以外の角度毎に形成してもよい。この場合、水受け部材の長尺方向の向きをその角度毎に変更できるようになる。
【0055】
また、前記第2の実施形態では、第1水受け部材及び第2水受け部材を切替機構を構成する回転体を介してルアー本体に間接的に設けたが、これに限定されず、ルアー本体に直接設けてもよい。具体的には、例えば、後本体の外周面から突出するように設けてもよい。この場合、前本体と後本体との間に切替機構を設ければよい。つまり、前本体に対して後本体が回転するように軸止めし、かつ、前本体と後本体との間に回転規制構造となる篏合部及び篏合溝を設ければよい。
【0056】
また、前記第1の実施形態では、ルアー本体のアイに対して連結部材を直接連結しているが、例えばスプリットリングを間に介在させて間接的に連結してもよい。
【0057】
また、前記第1の実施形態では、ルアー本体の後端部に設けられたアイに取り付けているが、ルアー本体の前端部に設けられたアイ、つまり、ライン用のアイに取り付けるようにしてもよい。この場合、水受け部材の他方面にライン用の連結部材を設ける必要がある。
【0058】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0059】
100 ブレード
10 水受け部材
10a 一方面
10x 一端
20 連結部材
30 切替機構
200 ルアー
210 ルアー本体
220 アイ
300 ルアー
310 ルアー本体
321 第1水受け部材
322 第2水受け部材
330 切替機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6