(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171462
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】引出し後付け装置
(51)【国際特許分類】
A47B 88/413 20170101AFI20241205BHJP
A47B 88/41 20170101ALI20241205BHJP
【FI】
A47B88/413
A47B88/41
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088478
(22)【出願日】2023-05-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】521496397
【氏名又は名称】平岡 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】平岡 晴彦
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA08
3B160AB01
3B160BA01
3B160DA02
3B160DA28
3B160DA53
3B160DB23
3B160EA04
(57)【要約】
【課題】引出しの前方の空間を有効に利用する。
【解決手段】引出し後付け装置100は、最下段の袖箱12よりもさらに前方に引き出された状態で物を載置できる載置部110と、最下段の袖箱12に取り付けられ、載置部110を最下段の袖箱12に対して相対移動できる状態と相対移動できない状態とに切り替える切替部120とを備えたことを特徴とする。必要時に載置部110を最下段の袖箱12よりもさらに前方に引き出して、ゴミ箱やカバン等を載置部110に置くことができる。従来、引出しの前方にゴミ箱やカバン等を置いたときには、袖箱を引き出したときに当たって倒してしまうことや、床に置いて汚してしまうという問題があったが、この問題を解決することができる。このようにして、引出しの前方の空間を有効に利用することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は2以上の袖箱を有する引出しの前方から下方にかけて取り付けられる引出し後付け装置であって、
最下段の袖箱よりもさらに前方に引き出された状態で物を載置できる載置部と、
最下段の袖箱に取り付けられ、前記載置部を最下段の袖箱に対して相対移動できる状態と相対移動できない状態とに切り替える切替部と、
を備えたことを特徴とする、引出し後付け装置。
【請求項2】
前記切替部は、前記載置部を1又は2以上の引出し位置で、最下段の袖箱に対して相対移動できない状態にできることを特徴とする、請求項1に記載の引出し後付け装置。
【請求項3】
前記載置部と前記切替部の一方に設けられ、上下方向に移動する移動部と、
前記載置部と前記切替部の他方に設けられ、前記載置部の移動方向に沿って1又は2以上設けられ、前記移動部が嵌合する嵌合部と、
からなる分離連結機構を備え、
前記分離連結機構によって、前記載置部を最下段の袖箱に対して相対移動できる状態と相対移動できない状態とが切り替えられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の引出し後付け装置。
【請求項4】
複数の前記分離連結機構が、左右方向に並設されていることを特徴とする、請求項3に記載の引出し後付け装置。
【請求項5】
前記載置部の下面には、床面を走行するキャスターが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の引出し後付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引出しに後付けできる引出し後付け装置に関する。なお、本明細書において引出しとは、筐体に1又は2以上の袖箱を備え、筐体から袖箱を引き出せるものをいい、同様の構成を有するキャビネット、ワゴン、収納、箪笥なども含む。
【背景技術】
【0002】
従来の引出しとして、非特許文献1に開示されるものが知られている。同文献に開示される引出しは、事務机の下の空間に配置され、椅子に座って机で作業する者が必要時に引出しから物を出し入れすることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】インターネットURL(https://www.kagukuro.com/desk/single/white-w1000/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記非特許文献1に開示されるような従来の引出しでは、引出しの前方にゴミ箱やカバン等を置くと、引出しが開けづらく、またゴミ箱やカバン等を倒してしまうおそれがあった。このため、引出しの前方の空間を有効に利用することができなかった。
【0005】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、引出しの前方の空間を有効に利用することの可能な手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明によれば、1又は2以上の袖箱を有する引出しの前方から下方にかけて取り付けられる引出し後付け装置であって、最下段の袖箱よりもさらに前方に引き出された状態で物を載置できる載置部と、最下段の袖箱に取り付けられ(着脱可能に又は着脱不可能に取り付けられ)、前記載置部を最下段の袖箱に対して相対移動できる状態と相対移動できない状態とに切り替える切替部と、を備えたことを特徴とする、引出し後付け装置が提供される。
【0007】
かかる構成によれば、必要時に載置部を最下段の袖箱よりもさらに前方に引き出して、ゴミ箱やカバン等を載置部に置くことができる。従来、引出しの前方にゴミ箱やカバン等を置いたときには、袖箱を引き出したときに当たって倒してしまうことや、床に置いて汚してしまうという問題があったが、この問題を解決することができる。このようにして、引出しの前方の空間を有効に利用することができる。
【0008】
本発明は様々な応用が可能である。以下の応用例は、適宜組み合わせて実施できる。
例えば、前記切替部は、前記載置部を1又は2以上の引出し位置で、最下段の袖箱に対して相対移動できない状態にできるようにしてもよい。かかる構成によれば、載置部に置くものに応じて載置部を必要な位置まで引き出すことができるので、引出しの前方の空間を有効に利用することができる。
【0009】
また、前記載置部と前記切替部の一方に設けられ、上下方向に移動する移動部と、前記載置部と前記切替部の他方に設けられ、前記載置部の移動方向に沿って1又は2以上設けられ、前記移動部が嵌合する嵌合部と、からなる分離連結機構を備え、前記分離連結機構によって、前記載置部を最下段の袖箱に対して相対移動できる状態と相対移動できない状態とが切り替えられるようにしてもよい。かかる構成によれば、分離連結機構によって簡単に載置部を最下段の袖箱に対して相対移動可能状態と相対移動不可能状態に切り替えることができる。
【0010】
また、複数の前記分離連結機構が、左右方向に並設されているようにしてもよい。かかる構成によれば、左右方向の複数箇所で分離連結できるので、連結させた状態で移動するときに、載置部210が斜めに移動することなく、まっすぐに移動することができ、安定性が高まる。
【0011】
また、前記載置部の下面には、床面を走行するキャスターが設けられているようにしてもよい。かかる構成によれば、載置部を引き出す動作が容易になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、引出しの前方を有効に利用することの可能な引出し後付け装置が提供される。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態の引出し後付け装置100の構成を示す図である。
【
図2】引出し後付け装置100を引出しに取り付けた状態を示す図であり、(a)は載置部110が開いた状態を示し、(b)は載置部110が閉じた状態を示す。
【
図4】切替部120の構成を示す図であり、(a)は前面から見た状態を示し、(b)は背面から見た状態を示す。
【
図5】引出し後付け装置100の使用方法を示す図である。
【
図6】第2の実施形態の引出し後付け装置200を説明するための図である。
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の引出し後付け装置100について、
図1~
図5を参照しながら説明する。本実施形態の引出し後付け装置100は、筐体に1又は2以上の袖箱を備えた引出しに後付けされるものである。引出しの一例であるスチール製のオフィスキャビネットは、一般に、引出しと床との間に数センチほどの隙間がある。このような隙間を利用して引出し後付け装置100を設置する。本実施形態ではこのような引出しと床との間に隙間がある引出しで説明する。なお、引出し自体は一般的なものを用いることができるのでこれ以上の詳細な説明を割愛する。また、袖箱の説明については最下段の袖箱についてのみ説明することとし、最下段の袖箱を単に袖箱ともいう。
【0016】
まず引出し後付け装置100の全体構成について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は、引出し後付け装置100の構成を示す図である。
図2は、引出し後付け装置100を引出しに取り付けた状態を示す図であり、(a)は載置部110が開いた状態を示し、(b)は載置部110が閉じた状態を示す。
【0017】
引出し後付け装置100は、
図1及び
図2に示したように、袖箱12を有する引出し10の前方から下方にかけて取り付けられるものであって、最下段の袖箱12よりもさらに前方に引き出された状態で物を載置できる載置部110と、最下段の袖箱12に取り付けられ、載置部110を最下段の袖箱12に対して相対移動できる状態と相対移動できない状態とに切り替える切替部120と、を備えたことを特徴とする。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0018】
(載置部110)
載置部110の構成について、
図1~
図3を参照しながら説明する。
図3は、載置部110の構成を示す図である。載置部110は、
図1~
図3に示したように、最下段の袖箱12よりもさらに前方に引き出すことのできる板状の部材である。載置部110が引き出された状態で載置部110の上面である載置面110aにバッグやゴミ箱を置くことができる。載置部110は木板や樹脂や鋼板などで作ることができる。
【0019】
載置部110の下方にはキャスター112を備えている。キャスター112は、載置部110を引き出すときに便利であるとともに、載置部110の載置面110aに物を置いたときに荷重を支える役割がある。また、載置部110の前方にはプレート部114に取っ手116を備えている。取っ手116は、載置部110を引き出すときに用いることができる。
【0020】
最下段の袖箱12を引き出すと、最下段の袖箱12に固定されている切替部120の取付部122にプレート部114が当接して、載置部110が連動して引き出される。そして、取っ手116を引くことにより、載置部110を最下段の袖箱12よりもさらに前方に引き出すことができる。
【0021】
載置部110を奥に戻すときには、取っ手116を押すことができる。プレート部114のために載置部110が引出しの最下段の奥に入り込むことはない。なお、後述する切替部120によって、載置部110を最下段の袖箱12に連動させることもできる。この点についてはさらに後述する。
【0022】
なお、これらキャスター112、プレート部114及び取っ手116は必ずしも載置部110に備えなくてもよい。また、載置部110の形状は任意でよく、引出し10の底面の形状に合うようなオーダーメイドな形状にしてもよい。
【0023】
載置部110の載置面110aには、後述する切替部120が嵌合する穴118が設けられている。
図3に示したように、載置部110の左右方向の中央に、手前奥方向に所定間隔(例えば3cmおき)で一例として8個(穴118-1~118-8)設けられている。この穴118は後述する切替部120の移動部124とともに分離連結機構を構成する。なお、穴118は、載置部110を貫通していても貫通していなくてもよい。載置部110を引き出してその上に物を置いたとき、載置部110が意図せず移動しないようにしたい。そこで引出し後付け装置100は、載置部110を最下段の袖箱12に対して相対移動できる状態と相対移動できない状態とを切り替える切替部120を備えている。載置面110aは、例えば、網目格子板状であってもよい、この場合は、網目格子板状の複数の穴部分が穴118の代わりとできる。
【0024】
(切替部120)
切替部120の構成について、
図1~
図4を参照しながら説明する。
図4は、切替部120の構成を示す図であり、(a)は前面から見た状態を示し、(b)は背面から見た状態を示す。切替部120は、載置部110を最下段の袖箱12に対して相対移動できる状態と相対移動できない状態とを切り替えるためのものである。
【0025】
切替部120は、
図4(a)に示したように、最下段の袖箱12に取付けられる取付部122と、切替部120と載置部110との分離連結と切り替える分離連結機構の一部である移動部124と、を備えて構成される。取付部122は、直方体の板状に構成されている。移動部124は、取付部122の前面に設けられており、カンヌキのように構成されている。移動部124は、上下方向に移動できる棒状部124aと、棒状部124aを下方に移動しないようにする固定部124bを備える。固定部124bによって棒状部124aを上方に固定することで、載置部110を移動させるときに棒状部124aが邪魔にならない。取付部122は、直方体の板状に限定されず使用可能であれば自由な形状に設けてよい。
【0026】
取付部122の背面には、
図4(b)に示したように、磁石126を備える。この磁石126を用いて、切替部120を引出し10の袖箱12の前方に取り付けることができる。引出し10と床との隙間の高さは多少まちまちであるが、スチール製の袖箱12に磁石126で取り付けることで、高さ調整が可能となる。なお、袖箱12の材質が木製など磁石126で取り付けられない場合には、磁石や面ファスナーや吸盤によって固定可能な下地部分を張り付けてからそれぞれによって固定して使用することもできる。その他には、カンヌキのように構成されている移動部124を袖箱に接着剤等によって固定して使用してもよい。
【0027】
棒状部124aは、上述した載置部110の穴118-1~118-8に嵌合する棒状を有している。棒状部124aが載置部110の穴118-1~118-8のいずれかに嵌合することで、載置部110と切替部120が一体に動くようになる。切替部120は上述したように最下段の袖箱12に対して固定されている。このようにして切替部120は、載置部110を最下段の袖箱12に対して相対移動できる状態と相対移動できない状態とを切り替えることができる。
【0028】
以上、引出し後付け装置100の構成について説明した。次に、引出し後付け装置100を適用した引出し10の動作について、
図1~
図4に加えて
図5を参照しながら説明する。
【0029】
まず、引出し後付け装置100(
図1)を、
図2に示したように、引出し10に取り付ける。載置部110(
図3)を引出し10の下方の隙間に挿入するとともに、切替部120(
図4)を最下段の袖箱12の前方に磁石126によって取り付ける。この状態で、
図2(a)に示したように、載置部110を袖箱12の前方に引き出すことができる。磁石126は、趣旨を損なわず使用可能であれば強度や形状は自由にしてよい。
【0030】
切替部120の棒状部124aが固定部124bによって上方にあるときは、載置部110を引き出すことができる。棒状部124aが載置部110の穴118に嵌合しているときには、載置部110を引き出すことはできない。
【0031】
使用者が載置部110の上方に物を置きたいときには、載置部110を引き出す。まず、切替部120の棒状部124aを上方に移動させて固定部124bで上方に固定する。この状態では、棒状部124aは穴118から離間しており嵌合できないため、使用者は載置部110を引き出せる。そして、使用者は所望の位置で、切替部120の棒状部124aを、載置部110の穴118-1~118-8のいずれかに嵌合させる。これで、載置部110が切替部120に対して移動不可能な状態に固定される。
【0032】
使用者は、
図5(a)に示したように、載置部110を引き出してゴミ箱などを置くことができる。さらに袖箱12の中の物を出し入れするときには、
図5(b)に示したように、袖箱12を引き出すこともできる。このとき、ゴミ箱が置かれた載置部110も袖箱12に連動して前方に移動する。
【0033】
使用者は、載置部110の使用を終えるときには、上記と逆の手順で、載置部110を引出し10の下方に収容することができる。
図5(b)のように載置部110が引き出された状態で、使用者は、切替部120の棒状部124aを、載置部110の穴118-1~118-8から引き抜き、固定部124bの上方に固定する。これで棒状部124aは穴118から離間しており嵌合できないため、載置部110と切替部120の連結が解除されて、載置部110が袖箱12に対して相対移動可能な状態になる。使用者は、
図2(b)に示したように、載置部110を引出し10の下方に収容することができる。
【0034】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、必要時に載置部110を最下段の袖箱よりもさらに前方に引き出して、ゴミ箱やカバン等を載置部110に置くことができる。従来、引出し10の前方にゴミ箱やカバン等を置いたときには、袖箱12を引き出したときに当たって倒してしまうことや、床に置いてカバン(特にブランドバッグ)の底を汚してしまうという問題があったが、この問題を解決することができる。このようにして、引出し10の前方の空間を有効に利用することができる。
【0035】
また、切替部120は、載置部110を1又は2以上の引出し位置で、最下段の袖箱12に対して相対移動できない状態にできるようにしたので、載置部110に置くものに応じて載置部110を必要な位置まで引き出すことができ、引出し10の前方の空間を有効に利用することができる。
【0036】
また、分離連結機構(移動部124と穴118)によって、載置部110を最下段の袖箱12に対して相対移動できる状態と相対移動できない状態とが切り替えられるようにしたことで、分離連結機構(移動部124と穴118)によって簡単に載置部110を最下段の袖箱12に対して相対移動可能状態と相対移動不可能状態に切り替えることができる。
【0037】
また、載置部110の下面に、床面を走行するキャスター112が設けたので、載置部110を引き出す動作が容易になる。また、取付部122の移動部124は、上下方向に移動できる棒状部ではなく、上下方向に移動できない棒状部のみを設けてもよく、この場合は取付部122を持ち磁石126を袖箱面に滑らせて載置部110の穴118に棒状部が嵌合することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の引出し後付け装置200について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態の引出し後付け装置200を示す図である。なお、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明するものとし、上記第1の実施形態と同様に構成できる点については、同一の参照符号を付することにより重複説明を省略することがある。
【0039】
引出し後付け装置200は、
図6に示したように、袖箱12を有する引出しの前方から下方にかけて取り付けられるものであって、最下段の袖箱12よりもさらに前方に引き出された状態で物を載置できる載置部210と、最下段の袖箱12に固定され、載置部210を最下段の袖箱12に対して相対移動できる状態と相対移動できない状態とに切り替える切替部220と、を備えたことを特徴とする。本実施形態では、載置部210の穴218の構成と、切替部220の移動部224(棒状部224aと固定部224b)の構成が、上記第1の実施形態と異なる。以下、これらの点を中心に説明する。
【0040】
(載置部210)
上記第1の実施形態の載置部110では、穴118が前後方向に8つ設けられていた(
図1参照)。本実施形態の載置部210では、穴218が左右方向に8つずつ並設されている。
【0041】
切替部220の移動部224(棒状部224aと固定部224b)が、載置部210の穴218に対応するように左右方向に2つ並設されている。移動部224(棒状部224aと固定部224b)は上記第1の実施形態の移動部124(棒状部124a及び固定部124b)と同様である。なお、2列ではなく3列以上にしてもよい。また、切替部220の移動部224(棒状部224aと固定部224b)は並設ではなく、切替部220を並設されている穴218に対応するように分離して設けてもよい。
【0042】
以上、引出し後付け装置200の構成について説明した。引出し後付け装置200の動作は上記第1の実施形態とほぼ同じである。分離連結機構を2か所設けたので、連結させた状態で移動するときに、載置部210が斜めに移動することなく、まっすぐに移動することができる。さらに、棒状部においては、棒状以外に幅広の板状としてもよい、これによっても載置部210が斜めに移動することなく、まっすぐに移動することができる。
【0043】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、分離連結機構(移動部224と穴218)を2か所設けたことで、連結させた状態で移動するときに、載置部210が斜めに移動することなく、まっすぐに移動することができ、安定性が高まる。
【0044】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0045】
例えば、上記第1の実施形態では、分離連結機構の一例として、載置部110に穴118があり、切替部120に移動部124(棒状部124aと固定部124b)がある例について説明したが、本発明はこれに限定されない。切替部が、載置部を1又は2以上の引出し位置で、最下段の袖箱に対して相対移動できる状態と相対移動できない状態とに切り替えることができる構成であれば、任意の方法を採用することができる。例えば、載置部に移動部があり、切替部に穴があってもよい。また、移動部の棒状部の機能を有すれば、形状は棒状でなくてもよい。
【0046】
また、
図2(b)に示したように載置部110を引き出しの下方に収納したときに、載置部110を固定できるようにしてもよい。例えば
図2(b)の状態で、載置部110に棒状部124aが刺さるような穴があいていたり、プレート部の前面に棒状部を下げることで、棒状部がつっかえとなって載置部110が引き出せなくなったりするようにしてもよい。この場合、載置部を引き出しの下方に収納したとき、載置部のプレート部と切替部の取付部が面一になる。
【0047】
また、上記第1の実施形態では、載置部110の下面に、床面を走行するキャスター112を設けたが、本発明はこれに限定されない。載置部が最下段の袖箱から引き出されば、任意に設計することができる。例えば、滑らかな突出部を設けたり、載置部110の下面に滑りを促すテープを貼り付けたり、載置部110自体を滑りやすい素材で構成したりしてもよい。第2の実施形態も同様である。
【0048】
また、上記第2の実施形態では、分離連結機構(移動部224と穴218)を2か所設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。分離連結機構を3か所以上設けてもよい。
【0049】
以上説明した実施形態、応用例、変形例等は、任意に組み合わせて実施できる。
【符号の説明】
【0050】
10 引き出し
12 袖箱
100、200 引出し後付け装置
110、210 載置部
110a、210a 載置面
112 キャスター
114 プレート部
116 取っ手
118(118-1~118-8)、218 穴(嵌合部)
120、220 切替部
122 取付部
124、224 移動部
124a、224a 棒状部
124b、224b 固定部
126 磁石