(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171466
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】移動型放射線撮影装置、表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20241205BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20241205BHJP
【FI】
A61B6/00 330A
A61B6/00 360B
A61B6/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088486
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山村 拓也
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA18
4C093EC04
4C093FF09
4C093FF35
4C093FH06
(57)【要約】
【課題】移動型放射線撮影装置において、動画撮影中に被写体がどのように変化したのかを撮影完了後早期にユーザーが確認できるようにする。
【解決手段】移動型放射線撮影装置の制御部は、FPDから取得した動画像を構成する一連の複数フレームのうち前半の特定フレームと後半の特定フレームとを静止画像として表示部により表示する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に放射線を照射することにより一連の複数フレームで構成される動画像を撮影する撮影部から前記動画像を取得する画像取得部と、
前記動画像に基づく表示画像を表示する表示部と、
を有し、
前記表示部は、前記一連の複数フレームのうち前半の特定フレームと後半の特定フレームとを静止画像として表示する、移動型放射線撮影装置。
【請求項2】
前記前半の特定フレームは先頭からmフレーム目(mは自然数)のフレームであり、前記後半の特定フレームは最後からnフレーム目(nは自然数)のフレームである、請求項1に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項3】
m=1、n=1である、請求項2に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記前半の特定フレームと前記後半の特定フレームとを同一画面に表示する、請求項1に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記前半の特定フレームと前記後半の特定フレームとを切替えて表示する、請求項1に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記一連の複数のフレームのうち予め定められた条件を満たすフレームであるキー画像を更に表示する、請求項1に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記動画像の撮影完了後、前記前半の特定フレームと前記後半の特定フレームとを表示する、請求項1に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記動画像の撮影中は、1フレーム目から撮影順にフレームを表示し、前記動画像の撮影が完了したら、前記前半の特定フレームと前記後半の特定フレームとを表示する、請求項7に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項9】
前記撮影部は、前記動画像の撮影中は撮影順にフレームの画像を転送し、前記動画像の撮影完了に基づき、撮影順による画像の転送を停止し、前記後半の特定フレームの画像を転送する、請求項2に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項10】
前記撮影部は、前記後半の特定フレームの画像の転送完了後、前記撮影順の画像転送を再開する、請求項9に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項11】
前記撮影部から前記動画像を構成するフレームのうち未転送のフレームがあるか又は全フレームの転送が完了したかをユーザーに報知する報知部を備える、請求項1に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項12】
前記動画像のフレームレート、画像サイズ、又は使用する無線の通信速度の少なくとも一つに基づいて、前記前半の特定フレームと前記後半の特定フレームとを前記表示部に表示するか否かを切り替える制御部を備える、請求項1に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項13】
前記前半の特定フレームと前記後半の特定フレームとを前記表示部に表示する場合、前記動画像を前記表示部に表示するときに前記複数フレームに施す画像処理とは異なる画像処理を前記前半の特定フレームと前記後半の特定フレームに施す画像処理部を備える、請求項1に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項14】
移動型放射線撮影装置における表示方法であって、
被写体に放射線を照射することにより一連の複数フレームで構成される動画像を撮影する撮影部から前記動画像を取得する取得工程と、
前記動画像に基づく表示画像を表示部に表示する表示工程と、
を有し、
前記表示工程は、前記一連の複数フレームのうち前半の特定フレームと後半の特定フレームとを静止画像として前記表示部に表示する、表示方法。
【請求項15】
移動型放射線撮影装置のコンピューターを、
被写体に放射線を照射することにより一連の複数フレームで構成される動画像を撮影する撮影部から前記動画像を取得する画像取得部、
前記動画像に基づく表示画像を表示する表示部、
として機能させ、
前記表示部は、前記一連の複数フレームのうち前半の特定フレームと後半の特定フレームとを静止画像として表示するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動型放射線撮影装置、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院内の撮影室以外(病室や手術室等)で放射線撮影を行うことを目的とした移動型放射線撮影装置が知られている。また、近年では、動画像を撮影可能な移動型放射線撮影装置も実用化されている。
【0003】
本願発明者等は、動画像を撮影可能な移動型放射線撮影装置に表示されるプレビュー画像を、単なる再撮影の要否確認のためではなく他の用途に利用することにより新たな価値を提供できる可能性があることを見出した。例えば、被曝量が多く、撮影室へ移動して撮影を行う必要のある透視撮影の代わりに、被曝量が少なく、病室で撮影可能な移動型放射線撮影装置により動画撮影を行い、得られたプレビュー画像を表示し確認しながら処置を行う等が挙げられる。処置の確認としては、例えば、カテーテル・送管チューブが正しく挿入されたかの確認や、術後の残存物(ガーゼ)の有無の確認等が挙げられる。
【0004】
しかし、移動型放射線撮影装置で用いられるFPD(Flat Panel Detector)は、一般的な透視撮影装置とは異なり撮影画角が大きく、画像データ量が膨大である。感染症予防や使いやすさを加味すると、FPDからの画像転送は無線にする必要があるため、画像転送に時間がかかる。そのため、通信状態が良好であっても、リアルタイムに画像を表示することが難しい。
【0005】
例えば、特許文献1には、動画撮影で得られた各フレームの画像データが転送されてくると、プレビュー用の動画像を生成して表示する放射線画像表示装置が記載されている。プレビュー用の動画像は、本画像として表示する動画像よりも簡単な画像処理が行われた、動画撮影のフレームレートより低いフレームレートの画像である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1では、生成したプレビュー用の動画像を撮影順に従って表示するため、動画撮影が完了しても後半のフレームを直ちに表示することはできない。特に、FPDからの転送時間が長い場合には、後半のフレームが表示されるまでに相当の時間を要する。そのため、動画撮影が完了しても撮影中に被写体がどのように変化した(動いた)のかをユーザーが早期に確認することはできない。例えば、カテーテル挿入の処置を動画撮影した場合、正しい位置にカテーテルが挿入できたかを撮影完了後早期にユーザー確認することができない。
【0008】
本発明の課題は、移動型放射線撮影装置において、動画撮影中に被写体がどのように変化したのかを、撮影完了後早期にユーザーが確認できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の放射線画像撮影装置は、
被写体に放射線を照射することにより一連の複数フレームで構成される動画像を撮影する撮影部から前記動画像を取得する画像取得部と、
前記動画像に基づく表示画像を表示する表示部と、
を有し、
前記表示部は、前記一連の複数フレームのうち前半の特定フレームと後半の特定フレームとを静止画像として表示する。
【0010】
本発明の表示方法は、
移動型放射線撮影装置における表示方法であって、
被写体に放射線を照射することにより一連の複数フレームで構成される動画像を撮影する撮影部から前記動画像を取得する取得工程と、
前記動画像に基づく表示画像を表示部に表示する表示工程と、
を有し、
前記表示工程は、前記一連の複数フレームのうち前半の特定フレームと後半の特定フレームとを静止画像として前記表示部に表示する。
【0011】
本発明のプログラムは、
移動型放射線撮影装置のコンピューターを、
被写体に放射線を照射することにより一連の複数フレームで構成される動画像を撮影する撮影部から前記動画像を取得する画像取得部、
前記動画像に基づく表示画像を表示する表示部、
として機能させ、
前記表示部は、前記一連の複数フレームのうち前半の特定フレームと後半の特定フレームとを静止画像として表示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、移動型放射線撮影装置において、動画撮影中に被写体がどのように変化したのかを、撮影完了後早期にユーザーが確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】放射線画像撮影装置の全体構成例を示す図である。
【
図2】放射線画像撮影装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】FPDの機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】FPDの制御部により実行される動画転送処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】本体の制御部により実行される動画表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図6のステップS22における撮影画面の画像表示例を示す図である。
【
図8】
図6のステップS25における撮影画面の表示例を示す図である。
【
図9】
図6のステップS27における撮影画面の表示例を示す図である。
【
図10】1フレーム目のフレーム、キーフレーム、最後のフレームが並べて表示された撮影画面の一例を示す図である。
【
図11】変形例2における撮影画面の表示例を示す図である。
【
図12】変形例6における撮影画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0015】
[移動型放射線撮影装置の構成]
図1は、本実施形態における移動型放射線撮影装置10の全体構成例を示す図である。移動型放射線撮影装置10は、例えば、移動が困難な患者の放射線撮影を回診で行うための装置である。移動型放射線撮影装置10は、本体1と、放射線源2と、FPD3と、を備えている。移動型放射線撮影装置10は、本体1に車輪を有し、移動可能な回診車として構成されている。なお、移動型放射線撮影装置10は、車輪を有していないポータブルのものであってもよい。
【0016】
移動型放射線撮影装置10は、被写体Hを挟んで放射線源2と対向する位置にFPD3を配置した状態で放射線源2から放射線を照射して、被写体Hを静止画撮影又は動画撮影する。本実施形態において、静止画撮影とは、1回の撮影操作(曝射スイッチ102aの押下)に応じて一枚の被写体の画像を取得することをいう。動画撮影とは、1回の撮影操作に応じて、被写体に対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射(パルス照射)することで、被写体の複数の画像を取得することをいう。もしくは、動画撮影とは、放射線を低線量率にして途切れなく継続して照射(連続照射)して、被写体の複数の画像を取得することをいう。動画撮影により得られた一連の画像を動画像(動画)と呼ぶ。また、動画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレームと呼ぶ。動画撮影には、被写体の動態を示す複数のフレームからなる動態画像を取得する動態撮影が含まれる。
【0017】
図2は、移動型放射線撮影装置10の機能的構成を示すブロック図である。
移動型放射線撮影装置10の本体1は、コンソール(撮影制御装置)としての機能を有するものである。本体1は、
図2に示すように、制御部101、操作部102、表示部103、記憶部104、通信部105、駆動部106、バッテリー107等を備えて構成されている。本体1の各部はバスにより接続されている。
【0018】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部101のCPUは、記憶部104に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。制御部101は、後述する動画表示処理を実行することにより、本発明の制御部、画像処理部、報知部として機能する。
【0019】
操作部102は、表示部103の表面を覆うように透明電極を格子状に配置したタッチパネル等を有する。タッチパネルは、手指やタッチペン等で押下された位置を検出し、その位置情報を操作情報として制御部101に入力する。
また、操作部102は、曝射スイッチ102aを備える。曝射スイッチ102aは、ユーザーが放射線の曝射開始を指示するためのスイッチである。
【0020】
表示部103は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成される。表示部103は、制御部101から入力される表示信号の指示に従って、表示を行う。
【0021】
記憶部104は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部104は、制御部101で実行される各種プログラムやプログラムによる処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。
また、記憶部104には、検査オーダー情報が記憶されている。検査オーダー情報には、患者情報及び検査情報が含まれる。患者情報には、検査対象の患者の患者ID、氏名、性別、年齢、病室(病棟)等が含まれる。検査情報には、検査ID、検査日付、検査で行われる各撮影の撮影オーダーが含まれる。撮影オーダーには、撮影部位、撮影方向、静止画撮影/動画撮影の区分等が含まれる。
また、記憶部104には、FPD3から転送された画像や画像処理済みの画像を一時的に記憶する一時記憶領域が設けられている。
【0022】
通信部105は、FPD3又は外部機器とデータの送受信を行う。本実施形態では、通信部105は、アンテナを備え、図示しないアクセスポイントを介して無線通信によりFPD3等とデータ送受信を行う。なお、通信部105は、有線通信によりデータ送受信可能な構成であってもよい。通信部105は、画像取得部として機能する。
【0023】
駆動部106は、放射線源2の管球駆動を行う回路である。駆動部106と放射線源2とはケーブルを介して接続されている。
【0024】
バッテリー107は、本体1の各部及び放射線源2へ電力を供給する。バッテリー107は、ACケーブル111を介して外部から充電することが可能である。
【0025】
放射線源2は、駆動部106により駆動され、被写体Hに対し放射線(X線)を照射する。
【0026】
FPD3は、静止画撮影及び動画撮影に対応した撮影装置(撮影部)である。FPD3は、
図1に示すように、被写体Hを挟んで放射線源2に対向する位置に配置される。FPD3は、放射線源2から照射され、被写体Hを透過した放射線に応じた電荷を発生させ、発生した電荷を画像データとして読み出すことにより放射線画像を撮影する。
【0027】
図3は、FPD3の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、FPD3は、制御部301、記憶部302、操作部303、表示部304、放射線検出部305、通信部306、コネクター307、バッテリー308等を備えている。FPD3の各部はバスにより接続されている。
【0028】
制御部301は、CPU、RAM等により構成される。制御部301のCPUは、記憶部302に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従ってFPD3の各部を集中制御する。
【0029】
記憶部302は、不揮発性の半導体メモリー等により構成される。記憶部302は、制御部301で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。
また、記憶部302は、本体1への転送待ちの画像データ(フレーム)を一時的に保存する。
【0030】
操作部303は、電源スイッチ等の各種操作スイッチを備える。操作部303は、ユーザーによる各種スイッチの操作信号を制御部301に出力する。
【0031】
表示部304は、例えば、FPD3の筐体側面に設けられ、制御部301からの制御に従って各種情報を表示する。
【0032】
放射線検出部305は、例えば、ガラス基板上に二次元状に配列された放射線検出素子を備える。放射線検出素子は、フォトダイオード等の半導体イメージセンサーにより構成される。放射線検出素子は、放射線源2から照射されて少なくとも被写体Hを透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する。各放射線検出素子には、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部が接続されており、スイッチング部により電気信号の蓄積及び読み出しが制御され、画像データが取得される。なお、放射線検出部305は、放射線をシンチレータを介して光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型と放射線を直接的に電気信号に変換する直接変換型のいずれでもよい。
【0033】
通信部306は、アンテナを備え、無線通信により本体1とデータの送受信を行う。
【0034】
コネクター307は、外部機器と直接又はケーブルを介して接続するための接続部である。
【0035】
バッテリー308は、コネクター307を介して接続されたクレードルや撮影台等の外部機器から供給された電力を蓄積(充電)し、FPD3の各部に電力を供給する。
【0036】
(移動型放射線撮影装置の動作)
次に、移動型放射線撮影装置10の動作について説明する。
放射線撮影にあたり、ユーザーである撮影実施者は、本体1において、操作部102の操作により図示しない検査リスト画面を表示させて検査を選択する。制御部101は、選択された検査に対応する撮影画面130を表示部103に表示させる。
【0037】
図4は、撮影画面130の一例を示す図である。
図4に示すように、撮影画面130には、撮影オーダー一覧13a、画像表示欄13b、画像調整欄13c、再撮影ボタン13d、検査終了ボタン13e等が設けられている。
撮影オーダー一覧13aは、選択された検査の検査オーダー情報に含まれる撮影オーダーの一覧である。撮影オーダーには、撮影部位、撮影方向、静止画撮影/動画撮影の区分等が含まれる。
【0038】
ユーザーは、撮影オーダー一覧13aから次に行う撮影の撮影オーダーを選択し、被写体H、放射線源2、FPD3のポジショニングを行う。
【0039】
本体1において、操作部102の操作により撮影オーダーが選択されると、制御部101は、選択された撮影オーダーに応じた放射線照射条件を駆動部106に設定する。また、制御部101は、選択された撮影オーダーに応じた画像読取条件を通信部105によりFPD3に送信する。選択された撮影オーダーが動画撮影である場合、動画撮影用の放射線照射条件及び画像読取条件が設定される。
【0040】
撮影準備が完了すると、ユーザーは、曝射スイッチ102aを押下する。
本体1の制御部101は、曝射スイッチ102aの第1スイッチが押下されると、駆動部106により放射線源2をスタンバイ状態とさせる。また、制御部101は、通信部105を介してFPD3にリセットを開始させる。曝射スイッチ102aの第2スイッチが押下されると、制御部101は、リセットが完了したFPD3と同期をとって駆動部106により放射線源2に放射線照射を開始させ、FPD3に放射線画像の撮影を開始させる。
【0041】
図5は、動画撮影が開始された際にFPD3により実行される動画転送処理の流れを示すフローチャートである。
図5の処理は、制御部301と記憶部302に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0042】
動画撮影が開始されると、制御部301は、放射線検出部305において撮影されたフレームを通信部306により順次本体1に転送する(ステップS1)。
ステップS1において、制御部301は、放射線検出部305において撮影されたフレームを順次記憶部302の一時記憶領域に格納させる。そして、制御部301は、撮影順を示すフレーム番号を各フレームに付加して通信部306により本体1に転送する。
【0043】
次いで、制御部301は、動画撮影が完了したか否かを判断する(ステップS2)。
ここで、制御部301は、本体1から撮影完了が通知された場合、または撮影開始から所定時間が経過した場合、動画撮影が完了したと判断する。
動画撮影が完了していないと判断した場合(ステップS2;NO)、制御部301は、ステップS1に戻る。制御部301は、動画撮影が完了するまで、放射線検出部305において撮影されたフレームを通信部306により撮影順に本体1に転送する。本体1においては、FPD3から転送されたフレームを通信部105により順次受信して表示部103の撮影画面130上に表示させる。
【0044】
動画撮影が完了したと判断した場合(ステップS2;YES)、制御部301は、撮影順の画像転送を停止し、最後に撮影された最終フレームを先行して通信部306により本体1に転送する(ステップS3)。
ここで、動画撮影で撮影されたフレームを無線通信により転送した場合、一つの新たなフレームが撮影される速さの方が一つのフレームの転送に時間がかかる時間より速い場合がある。この場合、撮影完了の時点では、最終フレームよりも前に撮影されたフレームが未転送フレームとして記憶部302の一時記憶領域に残存している。ステップS3において、制御部301は、これらの未転送フレームよりも最終フレームを先行して通信部306により本体1に送信する。また、制御部301は、最終フレームを本体1に送信する際、最終フレームであることを示す情報を最終フレームに付加して転送する。
【0045】
次いで、制御部301は、記憶部302の一時記憶領域に記憶されている未転送フレームの通信部306による転送を再開し、順次本体1に転送する(ステップS4)。
動画撮影により撮影された全てのフレームの転送が完了すると(ステップS5;YES)、制御部301は、動画転送処理を終了する。
【0046】
図6は、動画撮影が開始された際に本体1により実行される動画表示処理の流れを示すフローチャートである。
図6の処理は、制御部101と記憶部104に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0047】
まず、制御部101は、FPD3から転送されたフレームを通信部105により受信(取得)し、記憶部104の一時記憶領域に順次記憶させる(ステップS21)。
【0048】
次いで、制御部101は、取得したフレームを撮影順に表示部103に表示させる(ステップS22)。
具体的に、制御部101は、取得したフレームを1フレーム目から撮影順に撮影画面130の画像表示欄13bに表示させる。その際、制御部101は、全てのフレームを表示するのではなく、所定フレーム間隔で間引いて表示することとしてもよい。
ここで、制御部101は、取得したフレームを撮影順に表示する際、全フレームの転送完了後に動画像を表示する場合に各フレームに施す画像処理よりも簡易な画像処理を施して表示する。例えば、制御部101は、動画表示する各フレームに対して実施する補正処理のうち、オフセット補正、ゲイン補正、階調補正等を行い、欠陥画素補正処理を省略する。また、制御部101は、画像処理時の処理効率を上げるため、取得したフレームの画素を間引いてから上記補正を行ってもよい。
【0049】
図7は、ステップS22における撮影画面130の画像表示例を示す図である。ステップS22においては、撮影され、転送されてきたフレームが順次画像表示欄13bに表示される。
図7は、カテーテルCaの挿入を動画撮影することにより取得されたフレームを表示している例を示している。
【0050】
次いで、制御部101は、動画撮影が完了したか否かを判断する(ステップ23)。
制御部101は、曝射スイッチ102aが解放された場合、または撮影開始から所定時間が経過した場合、動画撮影が完了したと判断する。
【0051】
動画撮影が完了していないと判断した場合(ステップS23;NO)、制御部101は、ステップS21に戻る。
動画撮影が完了したと判断した場合(ステップS23;YES)、制御部101は、通信部105により最終フレームが受信(取得)されるのを待機する(ステップS24)。
最終フレームが受信されると(ステップS24;YES)、制御部101は、1フレーム目のフレームと最終フレームとを表示部103に表示させる(ステップS25)。
具体的に、制御部101は、1フレーム目のフレームと最終フレームとを並べて静止画像として撮影画面130の画像表示欄13bに表示させる。または、制御部101は、1フレーム目のフレームと最終フレームとを所定時間ごとに又はユーザー操作に応じて切り替えて静止画像として撮影画面130の画像表示欄13bに表示させてもよい。
【0052】
ここで、制御部101は、1フレーム目と同様に、最終フレームに対し、全フレームの転送完了後に動画像を表示する場合に各フレームに施す画像処理よりも簡易な画像処理を施して表示する。例えば、制御部101は、最終フレームに対し、オフセット補正、ゲイン補正、階調補正等を行い、欠陥画素補正処理を省略する。また、制御部101は、画像処理時の処理効率を上げるため、最終フレームの画素を間引いてから上記補正を行ってもよい。
【0053】
図8は、ステップS25における撮影画面130の表示例を示す図である。
図8に示すように、撮影画面130の画像表示欄13bには、1フレーム目のフレーム(First)と最終フレーム(Last)とが並べて表示される。
図8においては、胸部におけるカテーテルCaの挿入の様子を動画撮影した際の1フレーム目のフレームと最終フレームが示されている。
上述のように、制御部101は、動画撮影により得られた最終フレームが受信されると、
図8に示すように、1フレーム目のフレームと最終フレームとを表示部103に表示させる。このように、制御部101は、他のフレームが表示されるのを待たずに最終フレームを表示させる。よって、動画撮影中に被写体Hがどのように変化したのかを撮影完了後早期にユーザーが確認できる。例えば、
図8に示す画面では、カテーテルCaがどこから挿入され、目的とする場所に到達したかどうかをユーザーが撮影完了後早期に確認することができる。また、FPD3において動画撮影が完了した際に最終フレームを他の未転送フレームに先立って転送することで、転送に時間がかかる場合であっても、1フレーム目のフレームと最終フレームとを早期に表示部103に表示させることができる。よって、転送に時間がかかる場合であっても、動画撮影中に被写体Hがどのように変化したのかを撮影完了後早期にユーザーが確認できる。
【0054】
なお、制御部101は、1フレーム目と最終フレームとを表示させる際、1フレーム目と最終フレームに対し、全フレームの転送完了後に動画像を表示するときに各フレームに施す画像処理とは異なる画像処理を施して表示してもよい。例えば、1フレーム目のフレームと最終フレームに対し、所定の構造物を強調する周波数強調処理を施してもよい。例えば、撮影された動画像がカテーテルCaの挿入の様子を撮影した動画像である場合、1フレーム目のフレームと最終フレームに対し、カテーテルCaの先端部分を強調する周波数強調処理を行ってもよい。これにより、注目すべき構造物を見易く表示することができる。
【0055】
次いで、制御部101は、全フレームの受信が完了したか否かを判断する(ステップ26)。全フレームの受信が完了していないと判断した場合(ステップS26;NO)、制御部101は、全フレームの受信完了を待機する。
全フレームの受信が完了したと判断した場合(ステップ26;YES)、制御部101は、動画撮影により得られた動画像を表示部103に表示する(ステップS27)。具体的に、制御部101は、撮影画面130の画像表示欄13bに、撮影により得られた動画像を表示させる。そして、制御部101は、動画表示処理を終了する。
【0056】
図9は、ステップS27における撮影画面130の表示例を示す図である。
図9に示すように、ステップS27において撮影画面130の画像表示欄13bには、動画像及び動画像を再生するための再生ツール131が表示される。再生ツール131には、動画再生ボタン13f、一次停止ボタン13g、停止ボタン13h、スライドバー13i等が表示される。また、画像調整欄13cは、自動的に再生制御欄13jに切り替えて表示される。再生制御欄13jには、早送りボタン、巻き戻しボタン、コマ送り、コマ戻し、リピート再生等の、再生ツール131にはない再生に関する機能ボタンが表示される。
【0057】
制御部101は、受信した各フレームに対し、動画表示用の画像処理を施して撮影画面130の画像表示欄13bに表示する。画像処理としては、オフセット補正、ゲイン補正、欠陥画素補正処理、階調補正、周波数強調処理等が挙げられる。なお、受信したフレームに対して動画表示用の画像処理を施すタイミングは、特に限定されない。
【0058】
ユーザーは、動画像の確認が必要であれば動画再生ボタン13fを押下して動画像を再生し確認することができる。ステップS25における1フレーム目のフレームと最終フレームの表示により被写体Hの変化が確認できれば、動画表示を省略して次の撮影に移行したり検査を終了させたりすることも可能である。
【0059】
以上のように、移動型放射線撮影装置10の本体1では、最終フレームを受信すると、1フレーム目のフレームと最終フレームとを並べて同一画面上に表示するか又は切り替えて表示する。よって、動画撮影中に被写体Hがどのように変化したのかを撮影完了後早期にユーザーが確認できる。
【0060】
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
【0061】
(変形例1)
上記実施形態では、制御部101は、1フレーム目のフレームと最終フレームとを並べて又は切り替えて表示することとしたが、キーフレーム(キー画像)を併せて表示してもよい。キーフレームは、撮影した動画像の予め定められた条件を満たすフレームである。キーフレームの条件としては、例えば、以下のいずれかが挙げられる。
(1)1フレーム目のフレームとの所定領域の信号値の差分が或る閾値以上のフレーム
(2)隣接するフレームとの所定領域の信号値の差分が閾値以上のフレーム
(3)所定の構造物を認識し、その構造物のフレーム間の動きが閾値以上のフレーム
(4)所定の構造物を認識し、1フレーム目のフレームに対するその構造物の移動量が閾値以上のフレーム
(5)撮影部位が胸部の場合、横隔膜が最も下がっている(上がっている)フレーム(最大呼気位のフレーム又は最大吸気位のフレーム)
なお、キーフレームの条件は、ユーザーによる操作部303の操作又は本体1から送信することにより設定することができる。また、上記の「所定領域」や「所定の構造物」についてもユーザー操作により設定可能である。
【0062】
例えば、制御部301は、放射線検出部305によりフレームが生成されると、そのフレームが予め定められたキーフレームの条件を満たすか否かを判断する。そして、制御部301は、キーフレームとしての条件を満たすフレームが撮影完了時に転送されていない場合、キーフレーム及び最終フレームを先行して転送する。このとき、制御部301は、キーフレームにキーフレームであることを示す情報を付加して転送する。なお、制御部301は、上記(5)については、撮影完了後にキーフレームの条件を満たすフレームを特定する。そして、制御部301は、キーフレームとしての条件を満たすフレームが撮影完了時に転送されていない場合、キーフレーム及び最終フレームを先行して転送する。本体1の制御部101は、ステップS25において、最初のフレーム、キーフレーム、最後のフレームを並べて表示する。
【0063】
図10は、1フレーム目のフレーム、キーフレーム、最後のフレームが並べて表示された撮影画面130の一例を示す図である。
図10に示すように、1フレーム目のフレーム、キーフレーム、最後のフレームを並べて表示することで、1フレーム目のフレームと最終フレームだけでなく、それら以外の注目すべきフレームについてもユーザーが早期に確認することが可能となる。
【0064】
なお、キーフレームは、FPD3において特定するのではなく、本体1の制御部101が特定してもよい。例えば、無線通信の環境が整備され、撮影完了後ほぼ遅滞なく最終フレームが本体1に転送される状況下では、本体1の制御部101がキーフレームを特定してもよい。そして、制御部101が、1フレーム目のフレーム、キーフレーム及び最終フレームに対して他のフレームに先行して画像処理を施して表示することで、ユーザーは、注目すべきフレームを早期に確認することが可能となる。
【0065】
(変形例2)
図11に示すように、制御部101は、上記実施形態のステップS27で動画像を表示する際、1フレーム目のフレーム及び最終フレームを動画像に並べて表示することとしてもよい。このようにすれば、ユーザーは、動画像が確認できる状態となった後も、1フレーム目のフレーム及び最終フレームを容易に確認することができる。なお、キーフレームも併せて表示することとしてもよい。
【0066】
(変形例3)
制御部101は、動画像のフレームレート、画像サイズ、又は通信部105の通信速度の少なくとも一つに基づいて、
図6のステップS25の表示をするか否かを切り替えてもよい。すなわち、制御部101は、動画像のフレームレート、画像サイズ、又は通信部105の通信速度の少なくとも一つに基づいて、1フレーム目のフレームと最終フレームとを表示部103に表示するか否かを切り替えてもよい。
例えば、FPD3からの実際の転送速度は、動画撮影時のフレームレート、画像サイズ、使用する無線の転送スピード(bps)等のパラメーターで変化する。そこで、制御部101は、これらのパラメーターに基づいて、ステップS25の表示をするか否かを切り替える。例えば、制御部101は、上記のパラメーターに基づいて実際の転送速度を推定し、推定した転送速度が所定の閾値より遅い場合、ステップS25の表示をONにする。すなわち、制御部101は、推定した転送速度が所定の閾値より遅い場合、転送遅延があると判断してステップS25の表示をONにする。推定した転送速度が所定の閾値以上である場合、制御部101は、転送遅延がないと判断してステップS25の表示をOFFにする。上記閾値は、操作部102の操作によりユーザーが設定することができる。
【0067】
(変形例4)
制御部101は、動画像を構成するフレームのうち、FPD3から未転送のフレームがあるか又は全フレームの転送が終了したかをユーザーに報知することとしてもよい。例えば、制御部101は、「転送中」、「転送完了」等の進捗状態を撮影画面130の所定の領域に表示させる。または、制御部101は、受信予定フレーム数に対する受信フレーム数を撮影画面130の所定の領域に表示させもよい。または、制御部101は、未転送のフレームがある場合には動画再生ボタン13fの押下を不可能とし、全フレームの転送が終了した場合、動画再生ボタン13fの押下を可能としてもよい。このようにすれば、現在転送中なのか転送が完了したのかをユーザーが容易に把握することができる。
【0068】
(変形例5)
制御部101は、同一検査における未撮影の撮影オーダーの有無によって、全フレームの転送終了時の表示部103における表示を切り替えてもよい。例えば、未撮影の撮影オーダーがない場合、制御部101は、全フレームの転送が完了したら動画表示に移行する。未撮影の撮影オーダーがある場合、制御部101は、撮影オーダー一覧13aの未撮影の撮影オーダーを強調表示し、画像表示欄13bに「撮影できます」等のメッセージを表示するなどして未撮影の撮影オーダーの撮影に遷移させる。全フレームの転送完了時にどのように画面遷移させるかは、撮影前にユーザーが操作部102の操作により設定可能としてもよい。
【0069】
(変形例6)
全フレームの転送が終了するまでは、次の撮影が行われることはない。そこで、
図12に示すように、ステップS25において、制御部101は、撮影オーダー一覧13aを非表示とし、撮影オーダー一覧13aの領域も含めた領域を画像表示欄13bとして、1フレーム目のフレームと最終フレームとを大きく表示させることとしてもよい。これにより、1フレーム目と最終フレームとを見易く表示することができる。全フレームの転送が完了すると、制御部101は、撮影オーダー一覧13aを表示させる。
【0070】
(変形例7)
上記実施形態においては、動画撮影が完了したら、
図6のステップS25において1フレーム目(先頭)のフレームと最終フレームとを並べて又は切り替えて撮影画面130の画像表示欄13bに表示させることとした。すなわち、ステップS25では、動画像を構成する一連のフレームのうち前半の特定フレームである先頭から1フレーム目のフレームと、後半の特定フレームである最後から1フレーム目のフレームとを撮影画面130の画像表示欄13bに表示させることとした。しかし、前半の特定フレームが先頭から2フレーム目や3フレーム目のフレームであり、後半の特定フレームが、最後から2フレーム目や3フレーム目であっても、動画撮影中に被写体Hがどのように変化したのかをユーザーが確認することはできる。そこで、ステップS25で表示する前半の特定フレームは、先頭からmフレーム目(mは自然数)のフレームとし、後半の特定フレームは、最後からnフレーム目(nは自然数)のフレームとしてもよい。なお、ここでいう前半後半とは全フレームを半分に割ったときの前半後半という意味に限らず、全フレームを任意のフレームで2分割したときの前半後半を意味する。任意のフレームは、例えば照射停止のタイミングで表示しているフレームから最終フレームまでを示す。
【0071】
以上説明したように、移動型放射線撮影装置10の制御部101は、FPD3から取得した動画像を構成する一連の複数フレームのうち前半の特定フレームと後半の特定フレームとを静止画像として表示部103により表示する。
したがって、動画撮影中に被写体Hがどのように変化したのかを、撮影完了後早期にユーザーが確認できる。
【0072】
例えば、制御部101は、先頭から1フレーム目と最後から1フレーム目を表示部103により表示させることで、動画撮影の最初と最後で被写体Hがどのように変化したのかを撮影完了後早期にユーザーが確認できる。
【0073】
また、例えば、制御部101は、表示部103により、前半の特定フレームと後半の特定フレームとを同一画面に表示するので、前半と後半のフレームの変化をユーザーが容易に確認することができる。
または、制御部101は、表示部103により、前半の特定フレームと後半の特定フレームとを切替えて表示するので、前半と後半のフレームの変化をユーザーが容易に確認することができる。
【0074】
また、制御部101は、表示部103により、動画像の一連の複数のフレームのうち予め定められた条件を満たすフレームであるキー画像を更に表示する。したがって、前半と後半のフレームの変化に加え、キー画像についてもユーザーが容易に確認することができる。
【0075】
また、制御部101は、動画像の撮影完了後、表示部103により、前半の特定フレームと後半の特定フレームとを表示する。例えば、制御部101は、動画像の撮影中は、1フレーム目から撮影順にフレームを表示し、撮影が完了したら、前半の特定フレームと後半の特定フレームとを表示する。したがって、ユーザーは、撮影中は、撮影により得られたフレームを確認し、撮影完了後、早期に前半の特定フレームと後半の特定フレームとを確認することができる。
【0076】
また、FPD3は、動画像の撮影中は撮影順にフレームの画像を転送し、動画像の撮影完了に基づき、撮影順による画像の転送を停止し、後半の特定フレームの画像を転送する。したがって、転送に時間がかかる場合であっても、撮影後早期に後半の特定フレームを表示することができる。
【0077】
また、制御部101は、動画像を構成するフレームのうち未転送のフレームがあるか又は全フレームの転送が完了したかをユーザーに報知する。したがって、動画像の全フレームの転送が完了したか否かをユーザーが容易に把握できる。
【0078】
また、制御部101は、動画像のフレームレート、画像サイズ、又は使用する無線の通信速度の少なくとも一つに基づいて、前半の特定フレームと後半の特定フレームとを表示部103に表示するか否かを切り替える。したがって、FPD3からの転送に遅延が生じていない場合には、前半の特定フレームと後半の特定フレームとの静止画表示を行わずに、動画像を表示することができる。
【0079】
また、制御部101は、前半の特定フレームと後半の特定フレームとを表示部103に表示する場合、動画像を表示部103に表示するときに一連の複数フレームに施す画像処理とは異なる画像処理を前半の特定フレームと後半の特定フレームに施す。したがって、例えば、ユーザーが注目すべき箇所を強調する等により、動画撮影中における注目箇所の変化をユーザーが容易に認識できるようにすることができる。
【0080】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0081】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0082】
その他、移動型放射線撮影装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0083】
10 移動型放射線撮影装置
1 本体
101 制御部
102 操作部
102a 曝射スイッチ
103 表示部
104 記憶部
105 通信部
106 駆動部
107 バッテリー
2 放射線源
3 FPD
301 制御部
302 記憶部
303 操作部
304 表示部
305 放射線検出部
306 通信部
307 コネクター
308 バッテリー