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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171478
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20241205BHJP
   B41J 2/52 20060101ALI20241205BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20241205BHJP
   H04N 1/407 20060101ALI20241205BHJP
   G03G 15/01 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
G03G15/00 303
B41J2/52
B41J5/30 Z
H04N1/407 780
G03G15/01 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088506
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大川 三江子
【テーマコード(参考)】
2C187
2H270
2H300
5C077
【Fターム(参考)】
2C187AC06
2C187AD14
2C187AE01
2C187AE07
2C187BG03
2C187CC03
2C187CD05
2C187GA05
2H270KA54
2H270KA55
2H270LA19
2H270LA20
2H270LA22
2H270LA63
2H270LA67
2H270LA90
2H270LB02
2H270LB14
2H270LB15
2H270LC02
2H270LC07
2H270LD03
2H270LD08
2H270LD14
2H270MB11
2H270MB25
2H270MB27
2H270MB36
2H270MB43
2H270MB46
2H270ZC03
2H270ZC04
2H300EA05
2H300EB05
2H300EB12
2H300EC05
2H300EC11
2H300EH12
2H300EH33
2H300EH38
2H300FF05
2H300GG01
2H300GG02
2H300GG04
2H300GG12
2H300GG14
2H300GG16
2H300GG32
2H300GG48
2H300QQ28
5C077LL04
5C077MM27
5C077MP08
5C077PP06
5C077TT02
(57)【要約】
【課題】濃度ムラを高精度で補正する。
【解決手段】画像形成装置100は、制御部11と、制御部11の制御により、記録媒体上に測定用パターンを形成する画像形成部20と、測定用パターンを形成した記録媒体面を読み取った画像データを取得する取得部(制御部11)と、を備え、制御部11は、取得部により取得された画像データに基づいて記録媒体の搬送方向と直交する方向に沿って配置した補正点の位置における階調特性を算出し、当該階調特性に基づいて算出した補正点の位置における補正値により測定用パターンの搬送方向と直交する方向における濃度ムラを補正し、測定用パターンは、最大階調値である第1画像と、第1画像の搬送方向上流側に隣接し、階調値が段階的に且つ搬送方向において昇順に変化する第2画像と、第1画像の搬送方向下流側に隣接し、階調値が段階的に且つ搬送方向において降順に変化する第3画像とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、
前記制御部の制御により、記録媒体上に測定用パターンを形成する画像形成部と、
前記測定用パターンを形成した記録媒体面を読み取った画像データを取得する取得部と、
を備え、
前記制御部は、前記取得部により取得された画像データに基づいて前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に沿って配置した補正点の位置における階調特性を算出し、当該階調特性に基づいて算出した前記補正点の位置における補正値により前記測定用パターンの前記搬送方向と直交する方向における濃度ムラを補正し、
前記測定用パターンは、
最大階調値である第1画像と、
前記第1画像の前記搬送方向上流側に隣接し、階調値が段階的に且つ前記搬送方向において昇順に変化する第2画像と、
前記第1画像の前記搬送方向下流側に隣接し、階調値が段階的に且つ前記搬送方向において降順に変化する第3画像と、を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、一枚の前記記録媒体上に前記搬送方向に沿って複数の前記測定用パターンを形成する場合、複数の前記測定用パターン間に非画像形成領域を配置する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2画像及び前記第3画像のうちの最大階調値に最も近い階調値の部分を前記第1画像に隣接させ、前記第2画像及び前記第3画像のうちの前記非画像形成領域の階調値に最も近い階調値の部分を前記非画像形成領域に隣接させる請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2画像と前記第3画像において階調値における変化の度合いを異ならせる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記記録媒体の種別、坪量、印刷速度、及び印字色のうちの少なくともいずれか一つに基づいて、前記測定用パターンの前記搬送方向の幅を決定する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記記録媒体の種別、坪量、印刷速度、及び印字色のうちの少なくともいずれか一つに基づいて、前記第2画像及び前記第3画像の階調数を決定する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記画像データに含まれる前記測定用パターンにおける階調プロファイルデータに基づいて、前記補正点の位置における前記階調特性を算出する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、一枚の記録媒体上に前記搬送方向において同じ印字色により形成され、且つ同じ構成である2つ以上の前記測定用パターンを配置する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、第1の記録媒体上に、前記搬送方向に沿って複数色ごとに前記測定用パターンを配置した画像データと、第2の記録媒体上に、前記第1の記録媒体上に配置した複数の前記測定用パターンを前記搬送方向において逆の順番で配置した画像データと、に基づいて前記濃度ムラの補正をする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
記録媒体上に測定用パターンを形成する画像形成部を備える画像形成装置のコンピューターを、
前記測定用パターンを形成した記録媒体面を読み取った画像データを取得する取得部、
前記画像形成部を制御する制御部、
として機能させ、
前記制御部は、前記取得部により取得された画像データに基づいて前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に沿って配置した補正点の位置における階調特性を算出し、当該階調特性に基づいて算出した前記補正点の位置における補正値により前記測定用パターンの前記搬送方向と直交する方向における濃度ムラを補正し、
前記測定用パターンは、
最大階調値である第1画像と、
前記第1画像の前記搬送方向上流側に隣接し、階調値が段階的に且つ前記搬送方向において昇順に変化する第2画像と、
前記第1画像の前記搬送方向下流側に隣接し、階調値が段階的に且つ前記搬送方向において降順に変化する第3画像と、を備えるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンターや複写機等の画像形成装置は、パッチを用紙上に形成し、この用紙面を読み取ることにより生成した画像データからパッチの色の測定値を取得する。次に、画像形成装置は、この測定値を元に画像の色や濃度を一定に制御するキャリブレーションを行う(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-256764号公報
【特許文献2】特開2011-209355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置においてパッチを用紙に形成する際に、エッジ効果の影響等により濃度ムラ以外のノイズが発生する場合がある。当該エッジ効果は、トナー付着量が、画像内のトナー付着部分の端部で多くなり、中央部分で少なくなる現象である。
または、用紙に形成されたパッチを読み取る際に、フレアの影響等により濃度ムラ以外のノイズが発生する場合がある。当該フレアは、測定対象の周囲にある画像の影響を受けて、測定対象の色情報を正確に読み取れない現象である。
上記ノイズが重畳すると、正確な測定値を取得することができず、キャリブレーションの精度が低下する。
特許文献1、2に記載の発明では、上記問題は考慮されていないため、上記ノイズを除いた値を測定できない可能性があった。
【0005】
本発明の課題は、濃度ムラを高精度で補正できる画像形成装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の画像形成装置は、
制御部と、
前記制御部の制御により、記録媒体上に測定用パターンを形成する画像形成部と、
前記測定用パターンを形成した記録媒体面を読み取った画像データを取得する取得部と、
を備え、
前記制御部は、前記取得部により取得された画像データに基づいて前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に沿って配置した補正点の位置における階調特性を算出し、当該階調特性に基づいて算出した前記補正点の位置における補正値により前記測定用パターンの前記搬送方向と直交する方向における濃度ムラを補正し、
前記測定用パターンは、
最大階調値である第1画像と、
前記第1画像の前記搬送方向上流側に隣接し、階調値が段階的に且つ前記搬送方向において昇順に変化する第2画像と、
前記第1画像の前記搬送方向下流側に隣接し、階調値が段階的に且つ前記搬送方向において降順に変化する第3画像と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、一枚の前記記録媒体上に前記搬送方向に沿って複数の前記測定用パターンを形成する場合、複数の前記測定用パターン間に非画像形成領域を配置する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記第2画像及び前記第3画像のうちの最大階調値に最も近い階調値の部分を前記第1画像に隣接させ、前記第2画像及び前記第3画像のうちの前記非画像形成領域の階調値に最も近い階調値の部分を前記非画像形成領域に隣接させる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記第2画像と前記第3画像において階調値における変化の度合いを異ならせる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記記録媒体の種別、坪量、印刷速度、及び印字色のうちの少なくともいずれか一つに基づいて、前記測定用パターンの前記搬送方向の幅を決定する。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記記録媒体の種別、坪量、印刷速度、及び印字色のうちの少なくともいずれか一つに基づいて、前記第2画像及び前記第3画像の階調数を決定する。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記画像データに含まれる前記測定用パターンにおける階調プロファイルデータに基づいて、前記補正点の位置における前記階調特性を算出する。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、一枚の記録媒体上に前記搬送方向に沿って同じ印字色により形成され、且つ同じ構成である2つ以上の前記測定用パターンを配置する。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、第1の記録媒体上に、前記搬送方向に沿って複数色ごとに前記測定用パターンを配置した画像データと、第2の記録媒体上に、前記第1の記録媒体上に配置した複数の前記測定用パターンを前記搬送方向において逆の順番で配置した画像データと、に基づいて前記濃度ムラの補正をする。
【0015】
請求項10に記載のプログラムは、
記録媒体上に測定用パターンを形成する画像形成部を備える画像形成装置のコンピューターを、
前記測定用パターンを形成した記録媒体面を読み取った画像データを取得する取得部、
前記画像形成部を制御する制御部、
として機能させ、
前記制御部は、前記取得部により取得された画像データに基づいて前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に沿って配置した補正点の位置における階調特性を算出し、当該階調特性に基づいて算出した前記補正点の位置における補正値により前記測定用パターンの前記搬送方向と直交する方向における濃度ムラを補正し、
前記測定用パターンは、
最大階調値である第1画像と、
前記第1画像の前記搬送方向上流側に隣接し、階調値が段階的に且つ前記搬送方向において昇順に変化する第2画像と、
前記第1画像の前記搬送方向下流側に隣接し、階調値が段階的に且つ前記搬送方向において降順に変化する第3画像と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、濃度ムラを高精度で補正できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態の画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。
図2】本実施形態の画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3】測定用パターンの一例を示す図である。
図4】複数の測定用パターンが形成された用紙の一例を示す図である。
図5】複数の測定用パターンが形成された用紙の一例を示す図である。
図6】再度、用紙に複数の測定用パターンを形成する例を示す図である。
図7】補正処理のフローチャートである。
図8】設定されたウィンドウの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0019】
[1.画像形成装置の構成]
図1は、画像形成装置100の全体構成を示す概略断面図である。図2は、画像形成装置100の機能的構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、記録媒体上に複数色からなる画像を形成する。
記録媒体としては、特に限定されず、公知のものを使用できる。例えば、普通紙や塗工紙といった用紙の他、シート状の樹脂等、表面に付着した色材を定着させることが可能な種々の媒体が挙げられる。以下、記録媒体は、用紙であるとする。
【0020】
図2に示すように、画像形成装置100は、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、通信部15、画像生成部16、原稿読取部17、画像メモリー18、画像処理部19、画像形成部20、及び画像読取部30等を備える。
【0021】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備える。
制御部11は、記憶部12から各種プログラムを読み出して実行することにより、各部を制御する。
例えば、制御部11は、画像生成部16又は原稿読取部17により生成され、画像メモリー18に保持された画像データを、画像処理部19により画像処理させる。次に、制御部11は、画像処理後の画像データに基づいて、画像形成部20により用紙上に画像を形成させる。
【0022】
記憶部12は、制御部11等により読み取り可能なプログラム、プログラムの実行時に用いられるファイル等を記憶している。
記憶部12は、例えば、ハードディスク等の大容量メモリーである。
【0023】
操作部13は、ユーザーの操作に応じた操作信号を生成し、制御部11に出力する。
操作部13は、例えば、キーパッド、表示部14と一体に構成されたタッチパネル等である。
【0024】
表示部14は、制御部11の指示にしたがって操作画面等を表示する。
表示部14は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro Luminescence Display)等である。
【0025】
通信部15は、ネットワーク上の外部装置、例えばユーザー端末、サーバー、他の画像形成装置等と通信する。
通信部15は、ネットワークを介してユーザー端末等から、画像を形成する指示内容がページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたデータを受信する。以下、当該データをPDLデータという。
【0026】
画像生成部16は、通信部15により受信したPDLデータをラスタライズ処理し、ビットマップ形式の画像データを生成する。
画像生成部16は、各画素がC(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)の4色の画素値を有する画像データを生成することができる。
画像生成部16は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3色の画素値を有する画像データを生成する。その後、画像生成部16は、当該3色の画素値を有する画像データを色変換処理することにより、C、M、Y及びKの4色の画像データを得ることができる。
当該画素値は画像の濃淡を表すデータ値であり、例えば8ビット(bit)のデータ値は0~255階調の濃淡を表す。
【0027】
原稿読取部17は、手差しで設置された用紙面を読み取って、R、G及びBの各色の画素値を有するビットマップ形式の画像データを生成する。
制御部11または専用の色変換部等は、原稿読取部17により生成された画像データを、C、M、Y及びKの各色の画像データに変換する。
原稿読取部17は、例えば、プラテンガラス下に設けられたスキャナー等である。この場合、原稿読取部17は、自動原稿読取装置(ADF:Auto Document Feeder)を備え、スキャナーへ原稿を自動送りする。
【0028】
画像メモリー18は、画像生成部16又は原稿読取部17により生成された画像データを一時的に保持するバッファーメモリーである。
画像メモリー18は、例えば、DRAM(Dynamic RAM)等である。
【0029】
画像処理部19は、画像メモリー18から画像データを読み出して、濃度補正処理、色補正処理、中間調処理等の各種画像処理を施す。
濃度補正処理は、形成する画像の濃度特性が目的の濃度特性となるように画像データの各画素値を変換する処理である。
色補正処理は、画像の色が目的の色となるように、画像データの各色の画素値を変換する処理である。
中間調処理は、ディザ法を用いたスクリーン処理や誤差拡散処理等の疑似的な多階調を再現するための処理である。
【0030】
画像処理部19は、濃度補正処理及び色補正処理時において、ルックアップテーブル(LUT)を用いて、画素値の変換を行う。LUTは、目的の濃度特性又は色を再現できるように、入力値と出力値が対応付けられたテーブルである。
【0031】
画像形成部20は、画像処理部19から出力された画像データの各画素のC、M、Y及びKの4色の階調値に応じて、4色からなる画像を用紙上に形成する。
画像形成部20は、図1に示すように、四つの書込みユニット21、中間転写ベルト22、2次転写ローラー23、定着部24、給紙トレイ25、反転経路26を備える。
【0032】
四つの書込みユニット21は、中間転写ベルト22のベルト面に沿って直列(タンデム)に配置され、中間転写ベルト22上にCMYKの各色の画像を形成する。
各書込みユニット21は、形成する画像の色が異なるだけで構成は同じである。
各書込みユニット21は、図1に示すように、露光部2a、感光体2b、現像部2c、帯電部2d、クリーニング部2e及び1次転写ローラー2fを備える。
【0033】
画像形成部20は、画像形成時、各書込みユニット21において、帯電部2dにより感光体2bを帯電させる。次に、画像形成部20は、画像データに基づいて露光部2aにより出射した光束で感光体2b上を走査し、静電潜像を形成する。次に、画像形成部20は、現像部2cによりトナー等の色材を供給して画像を現像し、感光体2b上に画像を形成する。
次に、画像形成部20は、四つの感光体2b上にそれぞれ形成した画像を、それぞれの1次転写ローラー2fにより、中間転写ベルト22上に順次重ねて転写(1次転写)する。これにより、画像形成部20は、中間転写ベルト22上に各色からなる画像を形成する。画像形成部20は、1次転写後、クリーニング部2eにより感光体2b上に残留する色材を除去する。
【0034】
次に、画像形成部20は、給紙トレイ25から用紙を供給する。
次に、画像形成部20は、2次転写ローラー23により中間転写ベルト22から用紙上に画像を転写(2次転写)する。
次に、画像形成部20は、2次転写された用紙を定着部24により加熱及び加圧して、定着処理を施す。
【0035】
用紙の両面に画像を形成する場合、画像形成部20は、反転経路26に用紙を搬送してその表裏を反転した後、再度2次転写ローラー23に用紙を搬送する。
【0036】
画像読取部30は、図1に示すように、用紙の搬送路上に位置する。
画像読取部30は、画像形成部20により画像を形成した用紙面を読み取って、R、G及びBの各色の画素値を有するビットマップ形式の読取画像データを生成する。次に、画像読取部30は、生成した読取画像データを制御部11に出力する。
画像読取部30は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等のセンサーが1次元に配置されたラインセンサー、2次元に配置されたエリアセンサー等である。
【0037】
画像形成装置100において、制御部11は、画像形成部20により形成する画像の濃度ムラを補正する。
具体的には、制御部11は、画像形成部20により濃度ムラを補正するためのパッチ(測定用パターン)を用紙上に形成させる。次に、制御部11は、当該用紙面を画像読取部30により読み取らせて読取画像データを生成させる。次に、制御部11は、この読取画像データから測定用パターンの階調値を取得する。次に、制御部11は、取得した階調値に応じて、画像形成部20における画像形成条件を調整するか、画像データの画像処理条件を調整する。
【0038】
[2.測定用パターン]
図3に、測定用パターンPの一例を示す。図中の矢印は、用紙搬送方向を示す。
図3に示すように、測定用パターンPは、予め設定された濃度で主走査方向に延在する複数の帯状画像P1~P15を有する。図3に示す例においては帯状画像P1~P15の境界を見やすくするために黒の境界線を入れているが、実際は、帯状画像P1~P15間の境界線は存在しない。
【0039】
測定用パターンPは、昇順部Pa及び降順部Pbを有する。
昇順部Paは、用紙搬送方向上流側から下流側に向かって、最小階調値から最大階調値まで段階的に8段階の階調レベルで変化する帯状画像P8~P15を有する。
降順部Pbは、用紙搬送方向上流側から下流側に向かって、最大階調値から最小階調値まで段階的に8段階の階調レベルで変化する帯状画像P1~P8を有する。
帯状画像P1は、降順部Pbにおける最小階調値の画像である。
帯状画像P8は、昇順部Pa及び降順部Pbにおける最大階調値の画像である。
帯状画像P15は、昇順部Paにおける最小階調値の画像である。
【0040】
つまり、測定用パターンPは、最大階調値である第1画像(帯状画像P8)を備える。
測定用パターンPは、第1画像の用紙搬送方向上流側に隣接し、階調値が段階的に且つ用紙搬送方向において昇順に変化する第2画像(帯状画像P9~P15)を備える。
測定用パターンPは、第1画像の用紙搬送方向下流側に隣接し、階調値が段階的に且つ用紙搬送方向において降順に変化する第3画像(帯状画像P1~P7)を備える。
これにより、測定用パターンPを形成する際のエッジ効果の影響を抑制できる。
【0041】
図3に示す例において、帯状画像P1及び帯状画像P15は、同階調値の画像である。帯状画像P2及び帯状画像P14は、同階調値の画像である。帯状画像P3及び帯状画像P13は、同階調値の画像である。帯状画像P4及び帯状画像P12は、同階調値の画像である。帯状画像P5及び帯状画像P11は、同階調値の画像である。帯状画像P6及び帯状画像P10は、同階調値の画像である。帯状画像P7及び帯状画像P9は、同階調値の画像である。
【0042】
帯状画像P1及び帯状画像P15は、同階調値でない画像であってもよい。帯状画像P2及び帯状画像P14は、同階調値でない画像であってもよい。帯状画像P3及び帯状画像P13は、同階調値でない画像であってもよい。帯状画像P4及び帯状画像P12は、同階調値でない画像であってもよい。帯状画像P5及び帯状画像P11は、同階調値でない画像であってもよい。帯状画像P6及び帯状画像P10は、同階調値でない画像であってもよい。帯状画像P7及び帯状画像P9は、同階調値でない画像であってもよい。
つまり、制御部11は、第2画像(帯状画像P9~P15)と第3画像(帯状画像P1~P7)において階調値における変化の度合いを異ならせる。
上記構成の測定用パターンPを用いることにより、測定対象とする階調数を増やすことができる。且つ、昇順部Paと降順部Pbとにおける測定される階調値の差異の影響を軽減できる。
【0043】
帯状画像P7は、帯状画像P1~P7において、帯状画像P8の階調値(最大階調値)に最も近い階調値の画像である。
帯状画像P9は、帯状画像P9~P15において、帯状画像P8の階調値(最大階調値)に最も近い階調値の画像である。
つまり、帯状画像P8は、帯状画像P1~P7及び帯状画像P9~P15のうちの最大階調値に最も近い階調値の画像に隣接している。
【0044】
換言すれば、制御部11は、第2画像(帯状画像P9~P15)のうちの最大階調値に最も近い階調値の部分(帯状画像P9)を第1画像(帯状画像P8)に隣接させる。制御部11は、第3画像(帯状画像P1~P7)のうちの最大階調値に最も近い階調値の部分(帯状画像P7)を第1画像(帯状画像P8)に隣接させる。
これにより、測定用パターンPが形成された用紙を画像読取部30で読み取る際に、フレアの影響を最小限に抑えることができる。具体的には、帯状画像P8において、帯状画像P8より階調値が小さい画像からの光の回り込みの影響を抑えることができる。
【0045】
測定用パターンPが有する帯状画像の数、及びそれぞれの帯状画像の副走査方向における幅は、図3に示す例に限らない。
制御部11は、次の条件に応じて、測定用パターンPが有する帯状画像の数、及びそれぞれの帯状画像の副走査方向における幅を決定する。当該条件は、測定用パターンPを形成する用紙の種別、坪量、画像形成装置100の印刷速度、画像を形成するトナー色等である。
つまり、制御部11は、用紙の種別、坪量、印刷速度、及び印字色のうちの少なくともいずれか一つに基づいて、測定用パターンの用紙搬送方向の幅を決定する。
制御部11は、用紙の種別、坪量、印刷速度、及び印字色のうちの少なくともいずれか一つに基づいて、第2画像(帯状画像P9~P15)及び第3画像(帯状画像P1~P7)の階調数を決定する。
【0046】
例えば、用紙の種別がトナーの載りやすい紙である場合、制御部11は、それぞれの帯状画像の副走査方向における幅を所定値(基準値)より小さくする。当該トナーの載りやすい紙は、コート紙等である。
例えば、用紙の種別がトナーの載りにくい紙である場合、制御部11は、それぞれの帯状画像の副走査方向における幅を所定値(基準値)より大きくする。当該トナーの載りにくい紙は、平滑度が所定閾値より低い紙等である。
例えば、用紙の坪量が所定閾値より大きい場合、制御部11は、それぞれの帯状画像の副走査方向における幅を所定値(基準値)より小さくする。
例えば、用紙の坪量が所定閾値以下である場合、制御部11は、それぞれの帯状画像の副走査方向における幅を所定値(基準値)より大きくする。
例えば、画像形成装置100の印刷速度が所定閾値以下である場合、制御部11は、それぞれの帯状画像の副走査方向における幅を所定値(基準値)より小さくする。
例えば、画像形成装置100の印刷速度が所定閾値より速い場合、制御部11は、それぞれの帯状画像の副走査方向における幅を所定値(基準値)より大きくする。
例えば、画像を形成するトナー色が用紙に載りやすい色である場合、制御部11は、それぞれの帯状画像の副走査方向における幅を所定値(基準値)より小さくする。
例えば、画像を形成するトナー色が用紙に載りにくい色である場合、制御部11は、それぞれの帯状画像の副走査方向における幅を所定値(基準値)より大きくする。
【0047】
例えば、用紙の種別がトナーの載りやすい紙である場合、制御部11は、測定用パターンPが有する帯状画像の数を所定値(基準値)より多くする。当該トナーの載りやすい紙は、コート紙等である。
例えば、用紙の種別がトナーの載りにくい紙である場合、制御部11は、測定用パターンPが有する帯状画像の数を所定値(基準値)より少なくする。当該トナーの載りにくい紙は、平滑度が所定閾値より低い紙等である。
例えば、用紙の坪量が所定閾値より大きい場合、制御部11は、測定用パターンPが有する帯状画像の数を所定値(基準値)より多くする。
例えば、用紙の坪量が所定値以下である場合、制御部11は、測定用パターンPが有する帯状画像の数を所定値(基準値)より少なくする。
例えば、画像形成装置100の印刷速度が所定閾値以下である場合、制御部11は、測定用パターンPが有する帯状画像の数を所定値(基準値)より多くする。
例えば、画像形成装置100の印刷速度が所定閾値より速い場合、制御部11は、測定用パターンPが有する帯状画像の数を所定値(基準値)より少なくする。
例えば、画像を形成するトナー色が用紙に載りやすい色である場合、制御部11は、測定用パターンPが有する帯状画像の数を所定値(基準値)より多くする。
例えば、画像を形成するトナー色が用紙に載りにくい色である場合、制御部11は、測定用パターンPが有する帯状画像の数を所定値(基準値)より少なくする。
【0048】
図4に、複数の測定用パターンが形成された用紙の一例を示す。図中の矢印は、用紙搬送方向を示す。
図4に示す例において、制御部11は、画像形成部20により、一枚の用紙S1において用紙搬送方向上流側から測定用パターンPk,Pc,Pm,Pyを形成する。
測定用パターンPkは、ブラック(K)のトナーにより形成された測定用パターンである。
測定用パターンPcは、シアン(C)のトナーにより形成された測定用パターンである。
測定用パターンPmは、マゼンタ(M)のトナーにより形成された測定用パターンである。
測定用パターンPyは、イエロー(Y)のトナーにより形成された測定用パターンである。
【0049】
制御部11は、測定用パターンPk,Pc間に、印字率が0%である非画像形成領域R1を設ける。
制御部11は、測定用パターンPc,Pm間に、非画像形成領域R2を設ける。
制御部11は、測定用パターンPm,Py間に、非画像形成領域R3を設ける。
【0050】
つまり、制御部11は、一枚の用紙上に用紙搬送方向に沿って複数の測定用パターンを形成する場合、複数の測定用パターン間に非画像形成領域を配置する。
これにより、測定用パターン同士が隣接して形成されることを防ぐことができる。
したがって、測定用パターンPが形成された用紙を画像読取部30で読み取る際に、フレアの影響を最小限に抑えることができる。具体的には、隣り合う測定用パターン間における光の回り込みの影響を抑えることができる。
【0051】
図4に示すように、非画像形成領域R1~R3は、隣接する測定用パターンが有する最小階調値の帯状画像と隣接する。
具体的には、非画像形成領域R1は、測定用パターンPkが有する帯状画像P1、及び測定用パターンPcが有する帯状画像P15と隣接する。
非画像形成領域R2は、測定用パターンPcが有する帯状画像P1、及び測定用パターンPmが有する帯状画像P15と隣接する。
非画像形成領域R3は、測定用パターンPmが有する帯状画像P1、及び測定用パターンPyが有する帯状画像P15と隣接する。
つまり、非画像形成領域R1~R3は、測定用パターンが有する帯状画像P1~P15のうちの非画像形成領域R1~R3の階調値に最も近い階調値の画像に隣接している。
【0052】
換言すれば、制御部11は、第2画像(帯状画像P9~P15)のうちの非画像形成領域の階調値に最も近い階調値の部分(帯状画像P15)を非画像形成領域に隣接させる。制御部11は、第3画像(帯状画像P1~P7)のうちの非画像形成領域の階調値に最も近い階調値の部分(帯状画像P1)を非画像形成領域に隣接させる。
これにより、測定用パターンPが形成された用紙を画像読取部30で読み取る際に、フレアの影響を最小限に抑えることができる。具体的には、隣り合う測定用パターン間における光の回り込みの影響を抑えることができる。
【0053】
図4に示す例において、制御部11は、画像形成部20により用紙S1に測定用パターンPk,Pc,Pm,Pyである4つの測定用パターンを形成した。しかし、画像形成部20により一枚の用紙に形成する測定用パターンの色と数はこれに限らない。
つまり、制御部11は、一枚の用紙上に用紙搬送方向に沿って同じ印字色により形成され、且つ同じ構成である2つ以上の測定用パターンを配置してもよい。
図5に、一枚の用紙上に用紙搬送方向に沿って同じ印字色により形成され、且つ同じ構成である2つの測定用パターンの例を示す。図中の矢印は、用紙搬送方向を示す。
図5に示す例において、制御部11は、画像形成部20により、一枚の用紙S1aにおいて用紙搬送方向に沿って測定用パターンPkを2つ形成する。
制御部11は、2つの測定用パターンPk間に、非画像形成領域R1aを設ける。
これにより、副走査方向に沿って複数配置された測定用パターンから取得される階調値に基づいて、副走査方向における濃度ムラを補正することができる。
【0054】
制御部11が画像形成部20により図4に示す測定用パターンを形成して濃度ムラの補正をした後に、再度、一枚の用紙S2に複数色のトナーにより測定用パターンを形成する例を図6に示す。図中の矢印は、用紙搬送方向を示す。
図6に示す例において、制御部11は、画像形成部20により、一枚の用紙S2において用紙搬送方向上流側から測定用パターンPy,Pm,Pc,Pkを形成する。
つまり、制御部11は、用紙S2に、図4に示す用紙S1とは逆の順番で複数色のトナーにより測定用パターンを形成する。
【0055】
換言すれば、制御部11は、第1の記録媒体(用紙S1)上に、用紙搬送方向に沿って複数色ごとに測定用パターンを形成する。次に、制御部11は、当該第1の記録媒体に形成した測定用パターンに基づいて、用紙搬送方向と直交する方向における濃度ムラを補正する。次に、制御部11は、第2の記録媒体(用紙S2)上に、第1の記録媒体上に形成した複数の測定用パターンを含む画像を用紙搬送方向において逆にした画像を形成する。次に、制御部11は、当該第2の記録媒体に形成した測定用パターンに基づいて、用紙搬送方向と直交する方向における濃度ムラを補正する。
つまり、制御部11は、第1の記録媒体(用紙S1)上に、用紙搬送方向に沿って複数色ごとに測定用パターンを配置した画像データと、第2の記録媒体(用紙S2)上に、第1の記録媒体上に配置した複数の測定用パターンを用紙搬送方向において逆の順番で配置した画像データと、に基づいて濃度ムラを補正する。
これにより、第1の記録媒体(用紙S1)と第2の記録媒体(用紙S2)とで測定用パターンの副走査方向における形成位置を異ならせることができる。そのため、副走査方向における濃度ムラを補正することができる。
【0056】
図6に示すように、制御部11は、測定用パターンPy,Pm間に、印字率が0%である非画像形成領域R4を設ける。
制御部11は、測定用パターンPm,Pc間に、非画像形成領域R5を設ける。
制御部11は、測定用パターンPc,Pk間に、非画像形成領域R6を設ける。
【0057】
[3.画像形成装置の動作]
次に、画像形成装置100における動作について説明する。
画像形成装置100の制御部11は、例えば、操作部13を介してユーザーによる補正処理の実行指示を受け付けると、当該補正処理を実行する。
制御部11は、記憶部12に記憶されているプログラムと協働して補正処理を実行する。
図7に、補正処理のフローチャートを示す。
【0058】
(補正処理)
制御部11は、測定用パターンを形成する用紙の種別、坪量、画像形成装置100の印刷速度、及び画像を形成するトナー色の情報である色情報を取得する(ステップA1)。
制御部11は、例えば、操作部13を介したユーザーによる入力操作により上記情報を取得する。
上記情報が予め記憶部12に記憶されている場合、制御部11は、記憶部12から上記情報を取得してもよい。
制御部11が通信部15を介して受信した印刷ジョブの設定情報に上記情報が含まれている場合、制御部11は、当該設定情報から上記情報を取得してもよい。
【0059】
次に、制御部11は、ステップA1で取得した上記情報に基づいて、測定用パターンのデザインを決定する(ステップA2)。具体的には、制御部11は、測定用パターンが有する帯状画像の数、及びそれぞれの帯状画像の副走査方向における幅を決定する。
【0060】
次に、制御部11は、画像形成部20により、用紙にステップA2で決定した測定用パターンを形成する(ステップA3)。
次に、制御部11は、画像読取部30により、ステップA3で測定用パターンを形成した用紙面を読み取り、読取画像データを生成する(ステップA4)。
つまり、制御部11は、測定用パターンを形成した用紙面を読み取った画像データを取得する。制御部11は取得部として機能する。
【0061】
次に、制御部11は、測定用パターンのパターン情報を取得する(ステップA5)。
パターン情報は、各測定用パターンの用紙上の配置位置、サイズ、色等の情報を含む。
具体的には、制御部11は、測定用パターンの形成時に各測定用パターンを配置して生成した画像データから、当該パターン情報を取得する。
測定用パターンの配置位置の情報は、例えば、測定用パターンの始点の画素の座標位置、測定用パターンの四隅の画素の座標位置等である。画素の座標位置は、例えば、用紙の始点を原点とする主走査方向x及び副走査方向yの座標位置である。
測定用パターンのサイズの情報は、例えば、測定用パターンの主走査方向x及び副走査方向yにおける長さ(画素数)である。
測定用パターンの色の情報は、例えば、測定用パターンに設定されたC、M、Y及びKの各色の画素値である。
【0062】
次に、制御部11は、ステップA5で取得したパターン情報に基づいて、画像読取部30により生成した読取画像データに測定ウィンドウ及び補正点を設定する(ステップA6)。
具体的には、制御部11は、それぞれの測定用パターンに主走査方向xに沿って複数の測定ウィンドウを設定する。
図8に、図4に示す測定用パターンが形成された用紙を読み取った読取画像データに測定ウィンドウWを設定する一例を示す。
図8に示す例において、制御部11は、測定用パターンPk,Pc,Pm,Pyに、それぞれ測定ウィンドウWk,Wc,Wm,Wyを設定する。制御部11は、測定用パターンPk,Pc,Pm,Pyの主走査方向xにおける一端部から他端部まで複数の測定ウィンドウWk,Wc,Wm,Wyを設定する。
【0063】
測定ウィンドウWの主走査方向xの画素数をNと表す場合、N≧1である。
測定ウィンドウWの副走査方向yの画素数をMと表す場合、Mは、測定用パターンの副走査方向yの幅、及び非画像形成領域を含む画素数である。
例えば、測定ウィンドウWmは、副走査方向yにおいて、測定用パターンPmの全体、非画像形成領域R2の一部及び非画像形成領域R3の一部を含む。
【0064】
制御部11は、用紙S1内において、主走査方向xに沿って複数の補正点(画素)を配置した補正点列を一列設定する。
測定ウィンドウWの主走査方向xの画素数NがN=1である場合、主走査方向xにおいて測定ウィンドウWと補正点の位置は一致する。
測定ウィンドウWの主走査方向xの画素数NがN>1である場合、主走査方向xにおいて測定ウィンドウWの主走査方向xの幅における中心位置と補正点の位置は一致する。
【0065】
次に、制御部11は、ステップA6で設定した各測定ウィンドウ内の階調値を取得して、階調プロファイルデータを作成する(ステップA7)。
階調値が段階的に変化する画像(測定用パターン)の階調プロファイルデータを作成することで、制御部11は、スクリーンパターン干渉スジ(干渉縞)の影響を抑制できる。当該スクリーンパターン干渉スジは、感光体2bの表面に周期的に形成された切削凹凸の周期と、スクリーンパターンの周期との間の干渉に起因して生じる現象である。
【0066】
次に、制御部11は、ステップA7で作成した階調プロファイルデータに基づいて、ステップA6で設定した各補正点においてそれぞれの階調特性を算出する(ステップA8)。当該階調特性(γカーブ)は、入力階調と、出力画像の濃度との関係を示す。
【0067】
測定用パターンPが次の構成である場合、制御部11は、ステップA8において、同階調値である画像の階調値の平均値を算出する。具体的には、測定用パターンPの帯状画像P1及び帯状画像P15が同階調値の画像である構成である。且つ測定用パターンPの帯状画像P2及び帯状画像P14が同階調値の画像である構成である。且つ測定用パターンPの帯状画像P3及び帯状画像P13が同階調値の画像である構成である。且つ測定用パターンPの帯状画像P4及び帯状画像P12が同階調値の画像である構成である。且つ測定用パターンPの帯状画像P5及び帯状画像P11が同階調値の画像である構成である。且つ測定用パターンPの帯状画像P6及び帯状画像P10が同階調値の画像である構成である。且つ測定用パターンPの帯状画像P7及び帯状画像P9が同階調値の画像である構成である。
つまり、制御部11は、各測定ウィンドウ内の帯状画像P1と帯状画像P15との階調値の平均値を算出する。制御部11は、各測定ウィンドウ内の帯状画像P2と帯状画像P14との階調値の平均値を算出する。制御部11は、各測定ウィンドウ内の帯状画像P3と帯状画像P13との階調値の平均値を算出する。制御部11は、各測定ウィンドウ内の帯状画像P4と帯状画像P12との階調値の平均値を算出する。制御部11は、各測定ウィンドウ内の帯状画像P5と帯状画像P11との階調値の平均値を算出する。制御部11は、各測定ウィンドウ内の帯状画像P6と帯状画像P10との階調値の平均値を算出する。制御部11は、各測定ウィンドウ内の帯状画像P7と帯状画像P9との階調値の平均値を算出する。
【0068】
測定用パターンPが次の構成である場合、制御部11は、ステップA8において、取得した階調値を昇順または降順にソートする。具体的には、測定用パターンPの帯状画像P1及び帯状画像P15が同階調値の画像でない構成である。且つ測定用パターンPの帯状画像P2及び帯状画像P14が同階調値の画像でない構成である。且つ測定用パターンPの帯状画像P3及び帯状画像P13が同階調値の画像でない構成である。且つ測定用パターンPの帯状画像P4及び帯状画像P12が同階調値の画像でない構成である。且つ測定用パターンPの帯状画像P5及び帯状画像P11が同階調値の画像でない構成である。且つ測定用パターンPの帯状画像P6及び帯状画像P10が同階調値の画像でない構成である。且つ測定用パターンPの帯状画像P7及び帯状画像P9が同階調値の画像でない構成である。
つまり、制御部11は、ステップA8において、各測定ウィンドウ内の帯状画像P1~帯状画像P15の階調値を取得し、当該階調値を昇順または降順にソートする。
【0069】
次に、制御部11は、ステップA8で算出した各補正点における階調特性の平均値である目標値を算出する(ステップA9)。当該各補正点における階調特性の平均値は、各補正点においてそれぞれ算出された複数の階調特性の平均値である。
または、制御部11は、ステップA9において、予め設定された所定の階調特性を目標値としてもよい。
【0070】
次に、制御部11は、ステップA9で算出した目標値に基づいて補正値を算出し、当該補正値を記憶部12に保存する(ステップA10)。
ステップA10において、制御部11は、各補正点における階調特性がステップA9で算出した目標値に一致するように、補正点ごとに補正値を算出する。
【0071】
次に、制御部11は、ステップA6で設定した各補正点において、ステップA10で算出した補正点ごとの補正値により補正を行い(ステップA11)、本処理を終了する。具体的には、制御部11は、濃度補正処理や色補正処理に使用するLUTを更新することにより、画像処理条件を調整する。または、制御部11は、現像バイアス電位や露光時のレーザービームのレーザーパワー等である画像形成条件を調整する。
【0072】
[4.効果]
以上のように、本実施形態の画像形成装置100は、制御部11を備える。
本実施形態の画像形成装置100は、前記制御部11の制御により、記録媒体(用紙)上に測定用パターンを形成する画像形成部20を備える。
本実施形態の画像形成装置100は、前記測定用パターンを形成した記録媒体面を読み取った画像データを取得する取得部(制御部11)を備える。
前記制御部11は、前記取得部により取得された画像データに基づいて前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に沿って配置した補正点の位置における階調特性を算出する。前記制御部11は、当該階調特性に基づいて算出した前記補正点の位置における補正値により前記測定用パターンの前記搬送方向と直交する方向における濃度ムラを補正する。
本実施形態の前記測定用パターンは、最大階調値である第1画像を備える。
本実施形態の前記測定用パターンは、前記第1画像の前記搬送方向上流側に隣接し、階調値が段階的に且つ前記搬送方向において昇順に変化する第2画像を備える。
本実施形態の前記測定用パターンは、前記第1画像の前記搬送方向下流側に隣接し、階調値が段階的に且つ前記搬送方向において降順に変化する第3画像を備える。
これにより、測定用パターンを形成する際のエッジ効果の影響を抑制できる。測定用パターンが形成された用紙を画像読取部30で読み取る際に、フレアの影響を最小限に抑えることができる。つまり、濃度ムラ以外のノイズを抑制できる。さらに、用紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)における濃度ムラを補正できるため、濃度ムラを高精度で補正できる。
【0073】
本実施形態の画像形成装置100において、前記制御部11は、一枚の前記記録媒体上に前記搬送方向に沿って複数の前記測定用パターンを形成する場合、複数の前記測定用パターン間に非画像形成領域を配置する。
これにより、測定用パターン同士が隣接して形成されることを防ぐことができる。
したがって、測定用パターンが形成された用紙を画像読取部30で読み取る際に、フレアの影響を最小限に抑えることができる。
【0074】
本実施形態の画像形成装置100において、前記制御部11は、前記第2画像及び前記第3画像のうちの最大階調値に最も近い階調値の部分を前記第1画像に隣接させる。前記制御部11は、前記第2画像及び前記第3画像のうちの前記非画像形成領域の階調値に最も近い階調値の部分を前記非画像形成領域に隣接させる。
これにより、測定用パターンが形成された用紙を画像読取部30で読み取る際に、フレアの影響を最小限に抑えることができる。
【0075】
本実施形態の画像形成装置100において、前記制御部11は、前記第2画像と前記第3画像において階調値における変化の度合いを異ならせる。
これにより、測定対象とする階調数を増やすことができる。且つ、昇順部Paと降順部Pbとにおける測定される階調値の差異の影響を軽減できる。
【0076】
本実施形態の画像形成装置100において、前記制御部11は、前記記録媒体(用紙)の種別、坪量、印刷速度、及び印字色のうちの少なくともいずれか一つに基づいて、前記測定用パターンの前記搬送方向の幅を決定する。
これにより、用紙の種別、坪量、印刷速度及び印字色のうちの少なくともいずれか一つに応じた最適な測定用パターンの用紙搬送方向の幅を決定できる。したがって、測定用パターンのロバスト性を向上させることができる。
【0077】
本実施形態の画像形成装置100において、前記制御部11は、前記記録媒体(用紙)の種別、坪量、印刷速度、及び印字色のうちの少なくともいずれか一つに基づいて、前記第2画像及び前記第3画像の階調数を決定する。
これにより、用紙の種別、坪量、印刷速度及び印字色のうちの少なくともいずれか一つに応じた最適な測定用パターンの階調数を決定できる。したがって、測定用パターンにおける測定精度を向上させることができる。
【0078】
本実施形態の画像形成装置100において、前記制御部11は、前記画像データに含まれる前記測定用パターンにおける階調プロファイルデータに基づいて、前記補正点の位置における前記階調特性を算出する。
階調値が段階的に変化する画像(測定用パターン)の階調プロファイルデータを作成することで、制御部11は、スクリーンパターン干渉スジ(干渉縞)の影響を抑制できる。
【0079】
本実施形態の画像形成装置100において、前記制御部11は、一枚の記録媒体上に前記搬送方向に沿って同じ印字色により形成され、且つ同じ構成である2つ以上の前記測定用パターンを配置する。
これにより、副走査方向に沿って複数配置された測定用パターンから取得される階調値に基づいて、副走査方向における濃度ムラを補正することができる。
【0080】
本実施形態の画像形成装置100において、前記制御部11は、第1の記録媒体上に、前記搬送方向に沿って複数色ごとに前記測定用パターンを配置した画像データと、第2の記録媒体上に、前記第1の記録媒体上に配置した複数の前記測定用パターンを前記搬送方向において逆の順番で配置した画像データと、に基づいて前記濃度ムラの補正をする。
これにより、第1の記録媒体(用紙S1)と第2の記録媒体(用紙S2)とで測定用パターンの副走査方向における形成位置を異ならせることができる。したがって、副走査方向における濃度ムラを補正することができる。
【0081】
上記実施形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、画像形成装置100に限らず、汎用のPC等の画像処理装置が制御部を備えて、当該制御部が上記補正処理を実行してもよい。
【0082】
プログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としては、ROM、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。プログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【符号の説明】
【0083】
100 画像形成装置
11 制御部(取得部)
12 記憶部
13 操作部
14 表示部
15 通信部
16 画像生成部
17 原稿読取部
18 画像メモリー
19 画像処理部
20 画像形成部
21 書込みユニット
2a 露光部
2b 感光体
2c 現像部
2d 帯電部
2e クリーニング部
2f 1次転写ローラー
22 中間転写ベルト
23 2次転写ローラー
24 定着部
25 給紙トレイ
26 反転経路
30 画像読取部
T1,T2 排紙トレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8