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特開2024-171485情報処理装置、情報処理方法、物品の製造方法、プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171485
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、物品の製造方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/48 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
G06F9/48 300Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088519
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】大村 浩彰
(72)【発明者】
【氏名】村川 圭介
(57)【要約】      (修正有)
【課題】装置に実行させる動作(作業)に対応するデータを入れ換えることで、装置が動作(作業)を実行できなくなってしまう可能性を低減する。
【解決手段】ロボットシステム1において、情報処理装置100は、データに基づいて制御される装置(カメラ111、吸着ハンド112、センサデバイス113、ロボット114)において実行される作業に対応してデータにグループを設定し、グループ毎にデータが格納部(RAM153)に保持されるように格納部の記憶状態を制御し、新たなデータを格納部に保持させる場合、グループに所定の数のデータが保持されるように、格納部の記憶状態を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データにグループを設定して格納部に保持されるように前記格納部の記憶状態を制御し、
新たなデータを前記格納部に保持させる場合、グループに所定の数のデータが保持されるように、前記格納部の記憶状態を制御する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
グループは、データに基づいて制御される装置において実行される作業に対応して設定されている、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置において、
ユーザの操作に応じて、グループに所定の数のデータが保持されるように記憶状態を制御する場合と、グループにおけるデータを保持しないように記憶状態を制御する場合と、を実行する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置において、
ユーザにより、グループに保持されるデータの所定の数を設定できる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置において、
新たなデータを前記格納部に保持させる場合、新たなデータに関連するグループにおいて保持されているデータの優先度に基づき、新たなデータに関連するグループに所定の数のデータが保持されるように、前記格納部の記憶状態を制御する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置において、
新たなデータを前記格納部に保持させる場合、新たなデータに関連するグループにおいて保持されているデータの優先度に基づき、新たなデータに関連するグループに保持されているデータの一部を保持しないように前記格納部の記憶状態を制御すると共に、新たなデータを新たなデータに関連するグループに保持するように前記格納部の記憶状態を制御する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記格納部においてグループが使用する領域に閾値を設定できる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置において、
新たなデータを前記格納部に保持させる場合、新たなデータに関連するグループが使用している領域が前記閾値の範囲外である場合、新たなデータに関連するグループにおいて保持されているデータの優先度に基づき、新たなデータに関連するグループに保持されているデータの一部を保持しないように前記格納部の記憶状態を制御すると共に、新たなデータを新たなデータに関連するグループに保持するように前記格納部の記憶状態を制御する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項7に記載の情報処理装置において、
新たなデータを前記格納部に保持させる場合、新たなデータに関連するグループが使用している領域が前記閾値の範囲内である場合、新たなデータに関連するグループにおいて保持されているデータの優先度とは関係なく、新たなデータを新たなデータに関連するグループに保持するように前記格納部の記憶状態を制御する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記閾値として、前記格納部においてグループが使用する領域の容量、またはグループに保持されるデータの数、を設定できる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記閾値をユーザにより設定できる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項1に記載に情報処理装置において、
グループ、またはグループにおいて保持されているデータの優先度、を設定できる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
請求項1に記載の情報処理装置において、
グループにおいて保持されているデータの優先度が自動で設定される、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
請求項13に記載の情報処理装置において、
グループにおいて、データが前記格納部に保持された順番が優先度として設定される、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理装置において、
前記格納部に格納されたデータを使用する場合に、使用するデータの優先度を前記順番に基づき変更する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
請求項1に記載の情報処理装置において、
グループにおいて常に保持するデータを設定するための優先度を設定可能である、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項17】
請求項1に記載の情報処理装置において、
外部に接続した機器から、グループ、またはグループにおいて保持されているデータの優先度、を設定できる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項18】
請求項1に記載の情報処理装置において、
外部に接続した機器から、データをグループに保持させることが可能である、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項19】
請求項1に記載の情報処理装置において、
外部に接続した機器から、グループに保持されたデータを実行させることができる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項20】
請求項18に記載の情報処理装置において、
グループにデータを保持させている最中に、グループに保持させたデータを実行させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項21】
請求項18に記載の情報処理装置において、
グループに保持させたデータを実行させている最中に、グループにデータを保持させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に記載の情報処理装置に基づいて装置を制御し、物品の製造を行うことを特徴とする物品の製造方法。
【請求項23】
データにグループを設定して格納部に保持されるように前記格納部の記憶状態を制御し、
新たなデータを前記格納部に保持させる場合、グループに所定の数のデータが保持されるように、前記格納部の記憶状態を制御する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項24】
請求項23に記載の情報処理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項25】
請求項24に記載のプログラムを格納した、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、加工機などの装置を使用する場合、装置によって実行する所望の動作(作業)を実現するために、装置に対する指令情報やモデル情報、画像情報といった動作(作業)に必要なデータを含む設定ファイルを作成して実行している。このような場合、メモリにロードされた設定ファイルをCPU(Central Processing Unit)が処理することで、所望の動作(作業)を実現することができる。このように作成された設定ファイルは、ジョブ情報と呼ばれる。装置に連続して多様な動作(作業)を実行させる場合、複数のジョブ情報をメモリにロードして実行する必要がある。しかし、メモリには容量の上限が存在しており、装置に実行させたい動作(作業の)種類によっては、ジョブ情報が3Dモデルなどのデータを含んでいるため、ジョブ情報のデータ容量が大きくなる場合がある。そのため、メモリにロードできるジョブ情報の数には制限があった。
【0003】
これに対して特許文献1では、ジョブ情報に設定した優先度に基づいてメモリにロードされているジョブ情報を入れ換える手法が記載されている。これにより、メモリにロードできるジョブの数の制限の撤廃に成功している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-61751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで装置に実行させる動作(作業)として、例えば、部品加工、部品洗浄、部品着脱という3つの工程を実行させる場合を考える。この場合、部品加工ジョブ、部品洗浄ジョブ、部品着脱ジョブ、の3種類のジョブ情報が存在し、部品が複数存在すれば、部品に対応して3種類のジョブ情報が存在する。そして特許文献1に基づくと、これらジョブ情報をメモリにロードし、メモリ内のジョブ情報を優先度に基づき入れ換えながら順次実行していくことになる。その場合、例えば、部品加工を実行し、部品洗浄を実行している際に、新たな部品加工ジョブをロードしたとする。その際に、単に優先度だけで入れ換えている場合、例えば部品着脱ジョブがメモリから無くなってしまう可能性がある。この場合、部品着脱工程を遂行できなくなり、装置が止まってしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、装置に実行させる動作(作業)に対応するデータの処理によって、装置が動作(作業)を実行できなくなってしまう可能性を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、データにグループを設定して格納部に保持されるように前記格納部の記憶状態を制御し、新たなデータを前記格納部に保持させる場合、グループに所定の数のデータが保持されるように、前記格納部の記憶状態を制御する、ことを特徴とする情報処理装置を採用した。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、装置に実行させる動作(作業)に対応するデータの処理によって、装置が動作(作業)を実行できなくなってしまう可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態におけるロボットシステム1の概略構成を示した図である。
図2】実施形態におけるロボットシステム1のブロック図である。
図3】実施形態におけるジョブ情報101の一例を示した図である。
図4】実施形態におけるメイン画面300を示した例図である。
図5】実施形態における情報処理部100のメモリの使用について説明するための図である。
図6】実施形態におけるジョブ情報をグループにロードする場合の処理のフローチャートである。
図7】実施形態におけるジョブ情報に設定するジョブグループ設定画面600の例図である。
図8】実施形態におけるグループに閾値を設定した場合のメモリの使用を説明するための図である。
図9】実施形態における情報処理部100によって表示されるジョブ設定画面800の例図である。
図10】実施形態におけるジョブ情報の優先度が未設定の場合におけるメモリの使用を説明するための図である。
図11】実施形態におけるジョブ情報の優先度が未設定の場合の処理のフローチャートである。
図12】実施形態における外部の機器からの情報処理装置100を制御する場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に示す実施例を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す実施例はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。なお以下の図面において、図中の矢印X、Y、Zはロボットシステムの全体の座標系を示す。一般に、XYZ3次元座標系は、設置環境全体のワールド座標系を示す。その他、制御の都合などによって、ロボットハンド、指部、関節などに関して適宜ローカル座標系を用いる場合がある。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係るシステムの一例であるロボットシステム1を示す概略図である。ロボットシステム1は、情報処理装置100と、自動生産に用いられる複数のFA機器と、を備える。ロボットシステム1は、物品の製造に用いられる。
【0012】
ロボットシステム1は、FA機器として、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)110を備える。さらに、カメラ111、吸着ハンド112、センサデバイス113、ロボット114、画像処理装置115、AI(Artificial Intelligence)装置116、及びコントローラ121~124を備える。
【0013】
ロボット114は、例えば産業用のロボットアームである。吸着ハンド112は、エンドエフェクタの一例であり、ロボット114に取り付けられる。吸着ハンド112は、ワークを保持可能に構成されている。センサデバイス113は、吸着ハンド112に内蔵されている。カメラ111は、撮像装置の一例であり、ワーク、例えば部品を撮像するのに用いられる。
【0014】
PLC110は、カメラコントローラ121、ハンドコントローラ122、センサコントローラ123、ロボットコントローラ124、画像処理装置115、及びAI装置116を連携させるための各装置の実行タイミングなどの制御を実行する。
【0015】
カメラコントローラ121は、カメラ111を制御するコントローラである。ハンドコントローラ122は、吸着ハンド112を制御するコントローラである。センサコントローラ123は、センサデバイス113を制御するコントローラである。ロボットコントローラ124は、ロボット114を制御するコントローラである。画像処理装置115及びAI装置116は、それぞれコンピュータで構成されている。
【0016】
PLC110、カメラコントローラ121、ハンドコントローラ122、センサコントローラ123、ロボットコントローラ124、画像処理装置115、及びAI装置116は、情報処理装置100に所定の規格に準拠した接続方式で接続されている。
【0017】
以上の構成のロボットシステム1において、物品を製造する際に、例えばロボット114によってワークである部品をピッキングする制御について説明する。カメラコントローラ121は、カメラ111にワークである部品を撮像させて、撮像画像を画像処理装置115に出力する。画像処理装置115は、撮像画像から部品の位置情報を求める。ロボットコントローラ124は、画像処理装置115から部品の位置情報を取得して、ロボット114を部品の位置へ移動させる。ハンドコントローラ122は、吸着ハンド112を動作させて吸着ハンド112に部品を保持させる。その際、センサコントローラ123は、センサデバイス113のセンシング結果に基づき、吸着ハンド112が部品を保持したかどうか判定する。そして保持した部品を別の部品に組付けることで物品の製造を行う。
【0018】
情報処理装置100は、コンピュータで構成されている。情報処理装置100は、プロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)151を備える。CPU151は、プログラム161を実行することにより情報処理部として機能する。また、情報処理装置100は、記憶部として、ROM(Read Only Memory)152、RAM(Random Access Memory)153、及びSSD(Solid State Drive)154を備える。また、情報処理装置100は、入出力インタフェースであるI/O155を備える。また、情報処理装置100は、表示部の一例であるディスプレイ156と、入力部の一例であるキーボード158及びマウス157と、を有する。CPU151、ROM152、RAM153、SSD154、I/O155、ディスプレイ156、キーボード158、及びマウス157は、バスを介して互いにデータ通信可能に接続されている。
【0019】
ROM152には、コンピュータの動作に関する基本プログラムが格納されている。RAM153は、CPU151の演算処理結果等、各種データを一時的に記憶する記憶装置である。SSD154には、CPU151の演算処理結果や外部から取得した各種データ等が記録されると共に、CPU151に、各種処理を実行させるためのプログラム161が記録されている。プログラム161は、CPU151が実行可能なアプリケーションソフトウェアである。本実施形態では、後述するジョブ情報101をRAM153にロードし、展開してジョブ情報101を実行するが、ジョブ情報101のロード及び展開先は、適宜別のメモリなどの格納部に設定されて構わない。なお、RAM153は格納部の一例である。
【0020】
I/O155は、外部機器とのインタフェースである。また、I/O155には、記録ディスクや記憶デバイス等のリムーバブルメモリ162が接続可能であり、I/O155は、リムーバブルメモリ162に記録された各種データやプログラム等を読み出すことができる。
【0021】
情報処理装置100は、記憶デバイスとして、SSD154を備えるが、これに限定されるものではない。情報処理装置100が備える記憶デバイスは、例えばHDDであってもよい。
【0022】
また、本実施形態では、コンピュータによって読み取り可能な非一時的な記録媒体がSSD154であり、SSD154にプログラム161が記録されているが、これに限定されるものではない。プログラム161は、コンピュータによって読み取り可能な非一時的な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。プログラム161をコンピュータに供給するための記録媒体としては、リムーバブルメモリ162、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性メモリ等を用いることができる。
【0023】
図2は、本実施形態に係るロボットシステム1の制御ブロック図である。情報処理装置100のCPU151は、プログラム161を実行することにより、情報処理部50として機能する。情報処理部50は、変換部102、104を含む。情報処理部50は、ユーザが情報処理装置100のシステム制御を行うためのものであり、メモリに保持させるデータであるジョブ情報101をGUI(Graphical User Interface)ベースで任意に作成できる機能を持つ。ジョブ情報101は、後述する、ユーザが処理タスク103から選択したタスクをフローチャート形式で任意に組み合わせ、選択したタスクの実行条件を設定することで作成される。
【0024】
PLC110、カメラコントローラ121、ハンドコントローラ122、センサコントローラ123、ロボットコントローラ124、画像処理装置115、及びAI装置116のそれぞれは、互いに異なる仕様の指令に基づいて処理を実行する処理部である。
【0025】
例えば、PLC110には、ラダープログラムを実行するソフトウェア130がインストールされている。PLC110は、専用のプログラミング言語で作成された指令COM0に基づいて、システム全体の制御処理を実行する。
【0026】
カメラコントローラ121には、カメラコントロール専用のソフトウェア131がインストールされている。カメラコントローラ121は、専用のプログラミング言語で作成された指令COM1に基づいて、カメラ111の制御処理を実行する。またカメラ111の制御処理の例として、専用のプログラミング言語により、I/О指令のような単純指令によりカメラ111の制御を実行しても構わない。
【0027】
ハンドコントローラ122には、ハンドコントロール専用のソフトウェア132がインストールされている。ハンドコントローラ122は、専用のプログラミング言語で作成された指令COM2に基づいて、吸着ハンド112の制御処理を実行する。
【0028】
センサコントローラ123には、センサコントロール専用のソフトウェア133がインストールされている。センサコントローラ123は、専用のプログラミング言語で作成された指令COM3に基づいて、センサデバイス113の制御処理を実行する。
【0029】
ロボットコントローラ124は、ロボットコントロール専用のソフトウェア134がインストールされている。ロボットコントローラ124は、専用のプログラミング言語で作成された指令COM4に基づいて、ロボット114の制御処理を実行する。
【0030】
画像処理装置115には、画像処理専用の画像処理ライブラリ135がインストールされている。画像処理装置115は、専用のプログラミング言語で作成された指令COM5に基づいて、画像処理を実行する。画像処理は、例えば二値化処理又はパターンマッチング処理である。
【0031】
AI装置116には、AI専用のAIライブラリ136がインストールされている。AI装置116は、専用のプログラミング言語で作成された指令COM6に基づいて、AI処理を実行する。AI処理は、例えば学習済みモデルを用いて入力データに対して出力データを出力する処理である。
【0032】
記憶デバイス、例えばSSD154には、処理タスク103が記憶されている。処理タスク103は、複数種類のタスクを含む。ジョブ情報101を構成する処理タスク103には、FA機器107を制御する機能が備わっている。これらのFA機器107は、機器制御に使用されるソフトウェア106を通じて制御される。各ソフトウェア130~136は、例えばソフトウェア開発キット(SDK)で構成される。そのため、処理タスク103は、通信管理部105を介して機器制御に使用されるソフトウェア106とデータの受け渡しを行う。なお、受け渡し可能なデータ形式は、機器制御に使用されるソフトウェア(106ごとに異なるため、データ形式変換部104で受け渡し可能なデータ形式に変換している。タスク間のデータの受け渡しは、変換部102を介して行われる。
【0033】
変換部104は、図1及び図2の機器110、121、122、123、124、115、116と、対応する通信規格の方式で通信管理部105を介してデータ通信する。変換部104は、各指令COM0~COM6を、対応する通信規格で対応する機器と通信可能な形式で作成する。
【0034】
例えば、変換部104とPLC110との間の通信規格は、TCP/IPである。また例えば、変換部104とカメラコントローラ121との間の通信規格は、USB3である。また例えば、変換部104とハンドコントローラ122との間の通信規格は、Ethernetである。また例えば、変換部104とセンサコントローラ123との間の通信規格は、CC-Linkである。また例えば、変換部104とロボットコントローラ124との間の通信規格は、TCP/IPである。
【0035】
なお、通信規格の一例について説明したが、通信規格はこれらに限定されるものではない。例えば、センサコントローラ123の通信インタフェースは、CC-Linkインタフェースであるが、IOインタフェースであっても、他のフィールドバスであってもよい。
【0036】
また、センサコントローラ123は、情報処理装置100と直接接続することもできるが、例えばPLC110を介して情報処理装置100と接続してもよい。
【0037】
なお、本実施形態では、FA機器107の例として、PLC110、カメラ111、吸着ハンド112、センサデバイス113、ロボット114、画像処理装置115、AI装置116を挙げたが、これに限られない。その他にもコンベアやリニアアクチュエータ、エアシリンダー、3次元測距が可能な機器等、外部から通信指令を受けられる機器等であれば接続することができる。同様に処理タスク103も、PLC制御、カメラ制御、ハンド制御、センサ制御、ロボット制御、画像処理、AI制御のタスク以外であっても構わない。例えば、その他FA機器の制御、四則演算、論理演算、行列演算、PC環境情報取得、画像等のデータをログに保存するタスクなどを実行できる。また、センサデバイス113は通信管理部105にCC-Linkインターフェイスを有しているが、これはIOインターフェイスであっても他のフィールドバスであっても構わない。センサデバイス113は情報処理部50と直接接続することもできるが、PLC110を介して情報処理部50と接続する形式であっても構わない。
【0038】
図3は、本実施形態におけるジョブ情報101の一例を示した図である。なお、図3のジョブ情報は、部品をピッキングするジョブ情報を例図している。情報処理部50で作成するジョブ情報の構成は、大別すると制御フローチャート情報200とタスクの詳細設定情報201とに分けることができる。制御フローチャート情報200には、ジョブ情報を起動すると行われる一連の処理タスクが保存されている。この一連の処理タスクは、処理タスク103の中からユーザが任意に組み合わせて作成したものである。
【0039】
本実施形態では、カメラ制御タスク210で撮影し、画像処理タスク211で取得した画像の画像処理を行って部品を検出する。そして、部品検出の有無で分岐する条件分岐212で、部品が検出された場合はYesとなり、ロボット制御タスク213、ハンド制御タスク214を実行し、部品のピッキングを行う。検出されなかった場合はNoとなり、エラーを出力するエラー処理タスク215が実行されるフローチャートとなっている。
【0040】
タスクの詳細設定情報201には、制御フローチャート情報200で選定されたタスクの実行条件が保存されている。保存される実行条件は、数値、ON・OFF、文字列などの情報を持つパラメータ220、画像230、モデル240など多岐にわたる。例えば、カメラ制御タスク210の場合、露光時間221とゲイン222とを有するパラメータ220を設定する。これは露光時間221とゲイン222の値で、取得できる画像の鮮明度が決まるため、ユーザが調節できるようにするためである。
【0041】
また、画像処理タスク211の例では、処理する画像230とマッチングなどに使用するモデル240を設定している。こうすることで、モデル240の形状に近い箇所を画像230から検出することができるようになる。このようなタスクの詳細設定情報201を、制御フローチャート情報200で選定しているタスクに設定する。
【0042】
図4は情報処理装置100により表示されるメイン画面300を示した例図である。作成したジョブ情報は、このメイン画面300により確認することができる。処理タスク103の一覧表示部301には、ジョブ選択欄320で選択したジョブに属する処理タスク103の情報が一覧形式で表示される。例えば、カメラ制御タスク表示部310には、取得した画像が表示されるカメラ制御タスク取得画像確認部311と、タスク名表示部312、処理時間表示部313によって構成される。
【0043】
他のタスクも同様に、画像処理タスク表示部314には、画像処理タスク結果確認部315に検出された部品の輪郭や検出数が表示される。ロボット制御表示部316には、ロボット制御確認部317にロボットの移動先となる座標が表示される。ハンド制御表示部318には、ハンド制御確認部319に、部品吸着時(保持時)における吸着ハンドと検出された部品の位置関係や吸着ON・OFFなどの情報が表示される。
【0044】
フローチャート設定画面遷移ボタン330を押すと、ジョブ選択欄320で選択しているジョブ情報のフローチャートを編集する画面へ遷移することができる。フローチャートを編集する画面は、図3で示した制御フローチャート情報200を編集できるようにした画面である。ジョブ設定画面遷移ボタン333を押すと、後述する、ジョブ設定画面800に遷移することができる。1サイクル実行ボタン331を押すと、ジョブ選択欄320で選択しているジョブ情報を起動することができる。また、ステップ実行ボタン332を押すと、ジョブ選択欄320で選択したジョブ情報に属するタスクを1つずつ起動することができる。
【0045】
図5は情報処理装置100のメモリの使用について説明するための図である。なお図5の例では、生産現場でロボットが部品を自動でピッキングするシステムを例にしており、ピッキングジョブと、ピッキングした部品をトレイに配置する配置ジョブと、を順次複数回実行する場合を想定している。
【0046】
図5(a)は、ピッキングを行う前のメモリの初期状態を示している。情報処理装置100で使用可能なメモリ容量400には、また何もロードされていない状態である。
【0047】
図5(b)は、2つのグループを設定したときのメモリの状態を示している。自動ピッキングはピッキングジョブと配置ジョブを順次実行することで成立するため、どちらかのジョブ情報がメモリから全て破棄されてしまうと自動ピッキングが成立しなくなってしまう。そのような状態を避けるために、メモリ領域に常に保持しておきたいピッキングジョブと配置ジョブのグループである、ピッキンググループ410と配置グループ420を設定している。なお、ピッキンググループの使用可能容量411と配置グループの使用可能容量421は自動で動的に割り当てることも可能であり、ユーザが指定することも可能である。また、作成するグループは任意に変更することができる。
【0048】
図5(c)は、自動ピッキングを複数回実行したときのメモリの状態を示している。ピッキンググループ410には、ピッキングジョブA431、ピッキングジョブB432、ピッキングジョブC433、ピッキングジョブD434がロードされており、既に実行されている状態である。配置グループ420も同様に、配置ジョブX451、配置ジョブY452がロードされており、既に実行されている状態である。これらのジョブ情報には、優先度としてピッキングジョブAの優先度441、ピッキングジョブBの優先度442、ピッキングジョブCの優先度443、ピッキングジョブDの優先度444が割り当てられている。同様に、配置ジョブXの優先度461、配置ジョブYの優先度462が割り当てられている。なお、この状態での両グループの空き容量は、ピッキンググループの空き容量430、配置グループ空き容量450に示した通りである。
【0049】
図5(d)は、ステップS403の状態からグループに入りきらないジョブ情報をロードするときの挙動を示している。図5(c)の状態では、ピッキンググループの空き容量430より容量の大きなピッキングジョブE435を、ピッキンググループ410にロードすることができない。このような場合、ピッキンググループ410にロードされているジョブ情報の中から優先度が最低のジョブ情報を破棄する。
【0050】
図5(c)の状態で優先度が最も低いジョブ情報は、ピッキングジョブB432になるので、ピッキングジョブB432を破棄してピッキンググループの空き容量430を増やす。なお本実施形態では最低優先度として、数字が大きい優先度としているが、場合によっては、数字が小さい優先度を最低優先度して実施しても構わない。そして、ピッキンググループの空き容量430がピッキングジョブE435の容量を上回ったときは、ピッキングジョブE435をピッキンググループ410にロードする。上回らなかった場合は、ピッキンググループ410にロードされているジョブ情報の中から、次に優先度が最低のジョブ情報をもう一度破棄し、新しいジョブ情報がロードできるようにする。
【0051】
また、図5(d)の状態からピッキンググループ410に新しいジョブ情報をロードする場合を説明する。この場合、ピッキンググループ410にロードされているジョブ情報の中で最低優先度となるピッキングジョブEの優先度445が割り当てられたピッキングジョブE435が破棄対象となる。なお、本機能は配置グループ420も有している。配置グループ420の空き容量450より容量の大きなジョブ情報を配置グループ420にロードしようとすると、配置グループ420にロードされている最低優先度の配置ジョブX451を破棄してから新しいジョブ情報をロードする。上述したように、本実施形態では、設定したグループに、少なくとも1つのジョブ情報が保持されるように、メモリの記憶状態を制御する。
【0052】
図6図5で示したジョブ情報をグループにロードする場合の処理のフローチャートを示している。図6で示すフローチャートは、CPU151により実行されるものとする。図6より、まずステップS501でジョブ情報のロード先となる(ジョブ情報に関連する)グループを確認する。そして、ステップS502からステップS506で示したループ処理を実行することで、グループの空き容量を確保し、ジョブ情報をグループにロードできる状態を構築する。
【0053】
図6より、ループ冒頭のステップS503では、ジョブ情報をグループにロードできる状態か確認している。ロードできる場合、Yesとなり、グループの空き容量を新たに確保する必要がないため、ループを抜けてステップS507でジョブ情報をグループにロードする。なお、この処理が複数回行われると、図5のステップS403のようなグループに複数個のジョブ情報がロードされている状態になる。
【0054】
グループに複数個のジョブ情報がロードされ、ステップS503でグループにジョブ情報をロードできないと判定されると、Noとなり、図5のS404で説明した処理が行われる。具体的には、まずステップS504でグループにロードされているジョブ情報の優先度を確認する。そして、ステップS505でグループ内の最低優先度のジョブ情報を破棄する。
【0055】
上述の処理を終えると、再びステップS503でジョブ情報をグループにロードできる状態かをステップS503で確認する。ロードできる場合、Yesとなり、ループを抜けてステップS507でジョブ情報をグループにロードする。ロードできない場合、Noとなり、ステップS504とステップS505の処理を再び行う。このような処理を行うことで、各グループで1つ以上のジョブ情報を残しながら、新たなジョブ情報を入れ換えることができる。
【0056】
図7は本実施形態におけるジョブ情報に設定するジョブグループ設定画面600の例図である。ジョブグループ設定画面600のジョブグループ一覧表示部610には、ジョブ情報101に設定するグループの情報が一覧形式で表示される。表示される情報はグループ起動可否620、グループ番号621、グループ名622、閾値設定部623である。
【0057】
グループ起動可否620にチェックを入れると、チェックを入れたグループを使用できるようになる。グループ番号621には、他のグループ番号で使用されていない任意の数値を設定する。この番号は、ジョブ情報にグループを指定する際の番号として使用することができる。グループ名622には、他のグループと重複しない任意の名称を設定する。こうすることで、グループの用途などをユーザが把握しやすくなる。
【0058】
閾値設定部623では、図5(d)で説明した機能が発動する条件を指定することができ、グループの使用容量やロードされているジョブ数を指定することができる。図7の例では、ピッキンググループにおいては、グループが使用する領域における空き容量が全体の30%以下(空き容量として残り30%以下)となれば、図5(d)で説明した機能が実行されることになる。配置グループにおいては、ロードされたジョブ情報の数が3つとなれば、図5(d)で説明した機能が実行されることになる。なお、作成するグループの数は、メモリに保持しておきたいジョブ情報の種類の数だけ、すなわち装置に実行させたい動作(作業)の種類の数だけ作成するのが好ましい。また、ジョブグループ設定画面600は、他のアプリケーションの画面から到達する画面のため、画面遷移ボタン630を押下すると、直前に表示していた画面に遷移することができる。
【0059】
図8は、グループに閾値を設定した場合のメモリの使用を説明するための図である。図8(a)は、閾値設定部623でグループの使用容量の閾値を設けたグループに2つのジョブ情報をロードした状態を示している。閾値700を設定したグループ710に、ジョブA711とジョブB712をロードしている。なお、ジョブA711にはジョブAの優先度721、ジョブB712にはジョブBの優先度722が設定されている。ステップS701では、グループ710のメモリの使用量は閾値700を下回っている(範囲内となっている)状態となっている。
【0060】
図8(b)は、閾値を下回っている状態で新しいジョブ情報をロードしたときの挙動を示している。ロードするジョブ情報はジョブC713で、ジョブC713には優先度723が付与されている。グループ710のメモリの使用量が閾値700を下回っているときは、ジョブ情報の破棄は実行されない。そのため、ステップS702のように、ジョブC713をそのままグループ710にロードする。
【0061】
図8(c)は、閾値を上回っている状態で新しいジョブ情報をロードしたときの挙動を示している。ロードするジョブ情報はジョブD714で、ジョブD714には、優先度724が付与されている。グループ710のメモリ使用量が閾値700を上回っている場合は、グループ710内のジョブ情報の破棄が実行される。そのため、図8(c)のように、グループ710の中で優先度が最低のジョブB712を破棄し、ジョブD714をロードすることになる。
【0062】
なお、図8(c)では閾値700にグループ710の使用容量を使用している。閾値設定部623でグループにロードされているジョブ情報の数を閾値700に指定した場合は、ジョブ情報の数が閾値700に達した状態で新しいジョブ情報をグループにロードしようとした場合に、ジョブ情報の破棄が実行される。なお、閾値を設定したとしても、図6で示したフローチャートに大きく変化はない。ステップS503の判定基準が空き容量から閾値700に変化するだけである。
【0063】
図9は情報処理装置100によって表示されるジョブ設定画面800の例図である。ジョブ設定画面800のジョブ一覧表示部801には、作成したジョブ情報が一覧形式で表示される。表示される項目はジョブ起動可否810、ジョブ番号811、ジョブ名称812、設定グループ813、優先度814、データ容量815である。
【0064】
ジョブ起動可否810のチェックを外すと、チェックを外したジョブ情報は一時的に使用できなくなる。この機能は、想定外のジョブ情報が誤って起動されるのを防ぐために設けられている。ジョブ番号811には、他のジョブ番号で使用されていない任意の数値を設定する。この番号は、ジョブ情報の起動番号となる。ジョブ名称812には、重複していない任意の名称を設定する。そうすることで、ジョブ情報の用途や目的などをユーザが把握しやすくなる。
【0065】
設定グループ813では、ジョブグループ設定画面600で設定したグループをジョブ情報に設定することができる。自動でピッキングを行うシステムを例とするならば、部品をピッキングするピッキングジョブはグループ1、ピッキングした部品をトレイに配置する配置ジョブはグループ2、その他のジョブ情報をグループ3に設定する。
【0066】
優先度814は、設定グループ813の中で使用されるジョブ情報の優先度を設定することができる。優先度814には、数値だけでなく優先度として「最高」を意味する項目も設定することができる。例えば図8(d)に示すように、優先度として「最高」を意味する項目をジョブA711の優先度712に選定している。この場合、ジョブA711は常にグループ710に残存することになる。なお、図8(d)においてグループ710に閾値700を設定していないが、図8(d)において閾値700を設定しても構わない。
【0067】
新規ジョブ作成ボタン830を押下すると、新しいジョブ情報を作成することができる。また、ジョブ情報の一覧表示部801のジョブ情報を押下すると、当該ジョブ情報が選択中のジョブ情報820になる。図9の例では、選択中のジョブ802をグレースケールで表示している。その状態でジョブ複製ボタン831を押下すると、選択中のジョブ情報820を複製することができる。ジョブ削除ボタン832を押下すると同列に表示されているジョブ情報を削除することができる。メイン画面遷移ボタン833を押下すると、メイン画面300に遷移することができる。
【0068】
以上本実施形態では、グループ内のジョブ情報の優先度に基づいてジョブ情報を破棄してから新しいジョブ情報をロードする機能を持たせたグループを複数設けている。これにより、各グループでは、ジョブ情報を1つ以上、保持することができる。その結果、各動作(作業)において、対応する(関連する)ジョブ情報を保持することができるので、ジョブ情報の入れ換えにおいて、各動作(作業)を実行できなくなる可能性を低減することができる。また、閾値によるジョブ情報の入れ換え、破棄を行うことで、メモリ容量において、ある程度の空き容量を確保しておくことができるので、メモリに負荷がかることを低減することができる。
【0069】
なお、本実施形形態では、グループにジョブ情報を1つは保持するようにする形態を例に取り説明した。しかしこれに限られない。例えば、グループにおいてジョブ情報を入れ換える場合に、入れ換え先のグループにジョブ情報が1つしかない場合は、入れ換えを行わず、そのままジョブ情報を保持させる。そして、グループに2つ以上のジョブ情報が存在する場合に入れ換えを行わせることで、グループに2つ以上のジョブが保持されるようにしても良い。同様に、グループにおいてジョブ情報を入れ換える場合に、入れ換え先のグループにジョブ情報が2つしかない場合は、入れ換えを行わず、そのままジョブ情報を保持させる。そして、グループに3つ以上のジョブ情報が存在する場合に入れ換えを行わせることで、グループに3つ以上のジョブが保持されるようにしても良い。すなわち、グループにおいて、所定の数のジョブ情報が保持されるようにすればよい。なお、保持するジョブ情報の数をユーザにより設定できるようにしても構わない。
【0070】
なお本実施形態では、ジョブ情報を入れ換える場合に、優先度に基づきジョブ情報を破棄したが、これに限られない。例えば、装置に実行させる動作(作業)が必要なくなり、それに対応するグループをユーザにより削除する場合には、対応するグループに保持されているジョブ情報をまとめて削除するようにしても構わない。このようにユーザの操作に応じて、グループに所定の数のジョブ情報が保持されるように制御する場合と、グループごとジョブ情報をまとめて保持されないように制御する場合と、を選択的に実行することで、メモリの容量を効率的に使用することが可能となる。
【0071】
(第2の実施形態)
上述の実施形態では、ユーザにより優先度を設定する場合を例に取り説明したが、これに限られない。例えば、優先度を自動で設定する場合においても実行することができる。以下で詳述する。以下では、上述の実施形態とハードウェア的な構成、および表示画面の構成などのうち基本的な部分は同じであるものとし、その詳細な説明は省略する。また、以下の実施形態において、同一ないし実質的に同一となる部材には同一の参照符号を用い、その詳細な説明は省略するものとする。
【0072】
図10は、ジョブ情報の優先度が未設定の場合におけるメモリの使用を説明するための図である。ジョブ設定画面800で優先度814を未設定にした場合は、本実施形態では、グループにロードされた順番が一時的なジョブ情報の優先度としている。
【0073】
図10(a)は、グループ910に1つ目のジョブ情報がロードされた状態を示している。なお、ロードするジョブ情報はジョブA911である。この場合、グループ910のジョブ情報のロード数900は1になるので、ロードされたジョブA911の優先度921には1が設定される。
【0074】
図10(b)は、グループ910に2つ目のジョブ情報がロードされた状態を示している。なお、ロードするジョブ情報はジョブB912である。この場合、グループ910のジョブのロード数900は2になるので、ロードされたジョブB912の優先度922には2が設定される。
【0075】
図10(c)は、グループ910にロード済みのジョブA911を再び実行した状態である。この場合、ジョブA911には擬似的な再ロードが行われたとみなし、ジョブ情報のロード数900をカウントアップする。そして、ジョブA911の優先度に現時点のジョブのロード数900を反映し、優先度を変更する。このような仕組みを持つことで、各グループで1つのジョブ情報を保持しておけば問題ない状況において、ジョブ情報の優先度設定の手間を省くことができる。
【0076】
図11図10で示したジョブ情報の優先度が未設定の場合の処理のフローチャートを示している。図10(a)の状態や図10(b)で示す処理を実行する場合は、図6で示すフローチャートの処理に、優先度の設定に関する追加処理を施せばよい。そのため図11に示すフローチャートは、図6で示すステップS501からステップS507の処理に、ステップS1001とステップS1002の処理を追加している。
【0077】
図11より、ステップS501からステップS507の処理でジョブ情報をグループにロードした後、ステップS1001でグループにロードしたジョブ情報の数をカウントアップする。そして、ステップS1002でロードしたジョブ情報の優先度に、グループにロードしたジョブ情報の数を設定している。なお、図10(c)で示す処理は新しいジョブ情報をグループにロードするわけではないため、ステップS1001とステップS1002を実施している。このような処理を行うことで、図10で説明した機能を実現することができる。
【0078】
以上本実施形態によれば、グループ内のジョブ情報を自動で優先度を付し、優先度に基づいてジョブ情報を破棄してから新しいジョブ情報をロードする機能を持たせたグループを複数設けている。これにより、各グループでは、ジョブ情報を1つ以上、保持することができる。その結果、各動作(作業)において、対応するジョブ情報を少なくとも1つ保持することができるので、ジョブ情報の入れ換えにおいて、各動作(作業)を実行できなくなる可能性を低減することができる。また、優先度を自動で設定するので、ユーザの負荷を低減することも可能である。また、上述の種々の実施形態および変形例を本実施形態およびまたは本変形例と組み合わせて実施しても構わない。
【0079】
(第3の実施形態)
上述の実施形態では、情報処理装置100によりジョブ情報を入れ換える場合を例に取り説明したが、これに限られない。例えば、外部機器を用いる場合においても実行することができる。以下で詳述する。以下では、上述の実施形態とハードウェア的な構成、および表示画面の構成などのうち基本的な部分は同じであるものとし、その詳細な説明は省略する。また、以下の実施形態において、同一ないし実質的に同一となる部材には同一の参照符号を用い、その詳細な説明は省略するものとする。
【0080】
図12は、外部の機器からの情報処理装置100を制御する場合を示している。情報処理装置100は、TCP/IPなどの通信方式1101を用いて、様々な機器と接続することができる。情報処理装置100に接続した外部接続機器1100から、制御指令データ1102を送信すると、情報処理装置100の一部の機能を使用することができる。
【0081】
図12より、使用可能な機能は3つある。1つ目は、ジョブ情報に対するグループ・優先度設定機能1110である。これはジョブ設定画面800で実施したジョブ情報にグループと優先度を設定する機能であり、本機能を示すコード番号、設定したいジョブ情報の番号、設定したいグループ、設定したい優先度を含んだ制御指令データ1102を送信することで実行できる。
【0082】
2つ目は、ジョブ情報のロード機能1120である。これはジョブ情報に設定したグループにジョブ情報をロードする機能であり、本機能を示すコード番号、ロードしたいジョブ情報の番号を含んだ制御指令データ1102を送信することで、設定したグループにジョブ情報をロードすることができる。
【0083】
3つ目は、ジョブ情報の起動機能1130である。これは、グループにロードしたジョブ情報を起動する機能であり、本機能を示すコード番号、起動したいジョブ番号を含んだ制御指令データ1102を送信することで、ジョブ情報を起動することができる。
【0084】
なお、上述したジョブ情報のロード機能1120とジョブの起動機能1130は同時に実行することができる。この機能は生産を効率的に行うために実装された機能である。生産装置は複数のジョブ情報を順次実行していくことで生産を行うが、次のジョブ情報が必要になった場合にジョブ情報のロードを始めると、ロードが完了するまで待機する必要が生じる。よって、さらに効率を向上するため、本実施形態では2つの機能を実装している。1つ目は、ジョブ情報をロードしている最中にロード済みのジョブ情報を起動する機能である。2つ目は、ジョブ情報を起動している最中にジョブ情報をロードできる機能である。
【0085】
以上本実施形態によれば、今後必要になるジョブ情報をロードしながら、ロード済みのジョブ情報を順次実行することができる。その結果、ジョブ情報のロード完了を待たずに装置の動作(作業)を実行できるようになり、装置により実行する作業の効率化につながる。また、上述の種々の実施形態および変形例を本実施形態およびまたは本変形例と組み合わせて実施しても構わない。
【0086】
(その他の実施形態)
以上述べた実施形態の処理手順は具体的には各CPUにより実行されるものである。従って上述した機能を実行可能なソフトウェアのプログラムを記録した記録媒体を読み出して実行するように構成することもできる。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した各実施形態の機能を実現することになり、プログラム自体およびそのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0087】
また、各実施形態では、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が各ROM或いは各RAM或いは各フラッシュROMであり、ROM或いはRAM或いはフラッシュROMにプログラムが格納される場合について説明した。しかしながら本発明はこのような形態に限定されるものではない。本発明を実施するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。また画像処理装置115の機能を搭載した撮像装置により実施しても構わない。
【0088】
また上述した種々の実施形態では、ロボット114が複数の関節を有する多関節ロボットアームを用いた場合を説明したが、関節の数はこれに限定されるものではない。ロボットアームの形式として、垂直多軸構成を示したが、水平多関節型、パラレルリンク型、直交ロボットなど異なる形式の関節においても上記と同等の構成を実施することができる。
【0089】
また上述した種々の実施形態は、制御装置に設けられる記憶装置の情報に基づき、伸縮、屈伸、上下移動、左右移動もしくは旋回の動作またはこれらの複合動作を自動的に行うことができる機械に適用可能である。
【0090】
なお本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。また、上述の種々の実施形態および変形例を組み合わせて実施しても構わない。
【0091】
また本実施形態の開示は、以下の構成および方法を含む。
【0092】
(構成1)
データにグループを設定して格納部に保持されるように前記格納部の記憶状態を制御し、
新たなデータを前記格納部に保持させる場合、グループに所定の数のデータが保持されるように、前記格納部の記憶状態を制御する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0093】
(構成2)
構成1に記載の情報処理装置において、
グループは、データに基づいて制御される装置において実行される作業に対応して設定されている、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0094】
(構成3)
構成1または2に記載の情報処理装置において、
ユーザの操作に応じて、グループに所定の数のデータが保持されるように記憶状態を制御する場合と、グループにおけるデータを保持しないように記憶状態を制御する場合と、を実行する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0095】
(構成4)
構成1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
ユーザにより、グループに保持されるデータの所定の数を設定できる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0096】
(構成5)
構成1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
新たなデータを前記格納部に保持させる場合、新たなデータに関連するグループにおいて保持されているデータの優先度に基づき、新たなデータに関連するグループに所定の数のデータが保持されるように、前記格納部の記憶状態を制御する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0097】
(構成6)
構成1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
新たなデータを前記格納部に保持させる場合、新たなデータに関連するグループにおいて保持されているデータの優先度に基づき、新たなデータに関連するグループに保持されているデータの一部を保持しないように前記格納部の記憶状態を制御すると共に、新たなデータを新たなデータに関連するグループに保持するように前記格納部の記憶状態を制御する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0098】
(構成7)
構成1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記格納部においてグループが使用する領域に閾値を設定できる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0099】
(構成8)
構成7に記載の情報処理装置において、
新たなデータを前記格納部に保持させる場合、新たなデータに関連するグループが使用している領域が前記閾値の範囲外である場合、新たなデータに関連するグループにおいて保持されているデータの優先度に基づき、新たなデータに関連するグループに保持されているデータの一部を保持しないように前記格納部の記憶状態を制御すると共に、新たなデータを新たなデータに関連するグループに保持するように前記格納部の記憶状態を制御する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0100】
(構成9)
構成7または8に記載の情報処理装置において、
新たなデータを前記格納部に保持させる場合、新たなデータに関連するグループが使用している領域が前記閾値の範囲内である場合、新たなデータに関連するグループにおいて保持されているデータの優先度とは関係なく、新たなデータを新たなデータに関連するグループに保持するように前記格納部の記憶状態を制御する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0101】
(構成10)
構成7から9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記閾値として、前記格納部においてグループが使用する領域の容量、またはグループに保持されるデータの数、を設定できる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0102】
(構成11)
構成7から10のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記閾値をユーザにより設定できる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0103】
(構成12)
構成1から11のいずれか1項に記載に情報処理装置において、
グループ、またはグループにおいて保持されているデータの優先度、を設定できる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0104】
(構成13)
構成1から12のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
グループにおいて保持されているデータの優先度が自動で設定される、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0105】
(構成14)
構成13に記載の情報処理装置において、
グループにおいて、データが前記格納部に保持された順番が優先度として設定される、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0106】
(構成15)
構成14に記載の情報処理装置において、
前記格納部に格納されたデータを使用する場合に、使用するデータの優先度を前記順番に基づき変更する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0107】
(構成16)
構成1から15のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
グループにおいて常に保持するデータを設定するための優先度を設定可能である、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0108】
(構成17)
構成1から16のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
外部に接続した機器から、グループ、またはグループにおいて保持されているデータの優先度、を設定できる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0109】
(構成18)
構成1から17のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
外部に接続した機器から、データをグループに保持させることが可能である、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0110】
(構成19)
構成1から18のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
外部に接続した機器から、グループに保持されたデータを実行させることができる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0111】
(構成20)
構成18または19に記載の情報処理装置において、
グループにデータを保持させている最中に、グループに保持させたデータを実行させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0112】
(構成21)
構成18または19に記載の情報処理装置において、
グループに保持させたデータを実行させている最中に、グループにデータを保持させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0113】
(方法22)
構成1から21のいずれか1項に記載の情報処理装置に基づいて装置を制御し、物品の製造を行うことを特徴とする物品の製造方法。
【0114】
(方法23)
データにグループを設定して格納部に保持されるように前記格納部の記憶状態を制御し、
新たなデータを前記格納部に保持させる場合、グループに所定の数のデータが保持されるように、前記格納部の記憶状態を制御する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【0115】
(構成24)
方法23に記載の情報処理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【0116】
(構成25)
構成24に記載のプログラムを格納した、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0117】
1 ロボットシステム
100 情報処理装置
101 ジョブ情報
153 RAM
410 ピッキンググループ
420 配置グループ
710 グループ
910 グループ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12