(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171488
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
H04N 21/24 20110101AFI20241205BHJP
H04N 21/238 20110101ALI20241205BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20241205BHJP
H04N 21/462 20110101ALI20241205BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20241205BHJP
A63F 13/212 20140101ALI20241205BHJP
A63F 13/75 20140101ALI20241205BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20241205BHJP
【FI】
H04N21/24
H04N21/238
H04N21/442
H04N21/462
A63F13/35
A63F13/212
A63F13/75
A63F13/795
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088522
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】高橋 誠治
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA22
5C164SB21P
5C164SB41P
5C164SC05S
5C164SD12S
5C164UB41P
5C164UC21P
5C164YA11
5C164YA12
(57)【要約】
【課題】 動画等のコンテンツのオンライン配信サービスにおいて、視聴者が不快になるような不適切な投稿に対して、ユーザは手動で通報操作を行わなければならなかったり、マルチプレイのオンラインゲームにおいて、ストレス等に起因して他のプレイヤに迷惑をかける悪質なプレイヤがいた場合、被害を受けたプレイヤは手動で通報操作を行わなければならない。
【解決手段】 通信装置であって、コンテンツを複数のクライアント端末に配信する配信手段、各クライアント端末のユーザの生体情報に基づいて当該コンテンツの配信を制御する配信制御手段を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
コンテンツを複数のクライアント端末に配信する配信手段と、
各クライアント端末のユーザの生体情報に基づいて当該コンテンツの配信を制御する配信制御手段を有する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記配信制御手段とは、コンテンツの配信を停止する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
各クライアント端末のユーザの生体情報に基づいて前記コンテンツに対する不快度を取得する不快度取得手段、を有し、
各クライアント端末に対応する不快度に基づいて前記コンテンツの配信を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記不快度取得手段は、クライアント端末から受信した生体情報に基づいて不快度を算出する
ことを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記不快度取得手段は、クライアント端末から生体情報に基づいた不快度を受信する
ことを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項6】
前記不快度取得手段で取得した不快度が所定値以上か判定する不快度閾値判定手段、
を有することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項7】
クライアント端末のユーザが前記コンテンツを視聴中であること判定する視聴判定手段、
を有することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記不快度閾値判定手段および前記視聴判定手段の結果に応じてコンテンツの配信を制御する
ことを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
各クライアント端末から前記コンテンツに対して手動の操作による配信制御要求を受信する手動配信制御要求受信手段、を有し、
前記配信制御要求および各クライアント端末のユーザの生体情報に基づいて前記コンテンツの配信を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項10】
クライアント端末のユーザの生体情報に基づいて前記配信制御要求の重み付けを行う配信制御要求重み付け手段
を有することを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
通信装置であって、
サーバ装置から受信したコンテンツを再生する再生手段と、
ユーザの生体情報に基づいてサーバ装置に当該コンテンツの配信の制御要求を送信する配信制御要求送信手段
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項12】
前記配信制御要求送信手段とは、コンテンツの配信停止要求を送信する
ことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
ユーザの生体情報に基づいて前記コンテンツに対する不快度を取得する不快度取得手段、を有し、
前記不快度に基づいてサーバ装置にコンテンツ配信の制御要求を送信する
ことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項14】
前記不快度取得手段で取得した不快度が所定値以上か判定する不快度閾値判定手段、
を有することを特徴とする請求項13に記載の通信装置。
【請求項15】
ユーザが前記コンテンツを視聴中であること判定する視聴判定手段、
を有することを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
【請求項16】
前記不快度閾値判定手段および前記視聴判定手段の結果に応じてコンテンツの配信制御要求を送信する
ことを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
【請求項17】
ユーザから前記コンテンツに対して手動の操作による配信制御要求を受け付ける配信制御要求操作手段、
前記操作に応じてサーバ装置に当該コンテンツの配信の制御要求を送信する手動配信要求送信手段、
を有することを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項18】
ユーザの生体情報に基づいて前記手動による配信制御要求の重み付けを行う手動配信制御要求重み付け手段
を有することを特徴とする請求項17に記載の通信装置。
【請求項19】
通信装置であって、
ネットワーク上でクライアント端末のユーザ同士をマッチングさせるマッチング手段、
クライアント端末のユーザの生体情報に基づいてマッチングを制御するマッチング制御手段、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項20】
クライアント端末のユーザの生体情報に基づいて不快度を取得する不快度取得手段
を有し、
不快を示したユーザのマッチングを抑制する
ことを特徴とする請求項19に記載の通信装置。
【請求項21】
前記不快度取得手段は、クライアント端末から受信した生体情報に基づいて不快度を算出する
ことを特徴とする請求項20に記載の通信装置。
【請求項22】
前記不快度取得手段は、クライアント端末から生体情報に基づいた不快度を受信する
ことを特徴とする請求項20に記載の通信装置。
【請求項23】
不快を示したユーザをマッチングから除外する
ことを特徴とする請求項20に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインサービスにおいてユーザの生体情報に基づいて各種制御を行う通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、腕時計や眼鏡、指輪などに生体センサを搭載してユーザの生体情報を取得できるウェアラブル端末が普及している。例えば特許文献1では、ウェアラブル端末で取得した生体情報に基づいて、ユーザのストレス状態を算出する技術が開示されている。
【0003】
また、一般ユーザが投稿した動画等のコンテンツを不特定多数の第三者が閲覧できるオンライン配信サービスが普及している。このような配信サービスにおいて、視聴ユーザは多様なコンテンツを享受して楽しむことができる。一方で、公序良俗に反する内容を含む不適切なコンテンツを投稿するユーザも存在しており問題となっている。この問題に対して、例えば特許文献2では、視聴ユーザの通報によって不適切なコンテンツの配信を停止する技術が提案されている。
【0004】
また、面識のないプレイヤとマッチングして協力プレイ(いわゆる、マルチプレイ)するオンラインゲームが普及している。このようなゲームシステムにおいて、暴言などを口にする、非協力的なプレイをする、といった悪質なプレイヤとマッチングしてしまう場合があり、健全なプレイヤの楽しみを阻害してしまう要因になっている。このような問題に対して、例えば特許文献3では、オンラインゲームにおいて通信を意図的に切断した悪質なプレイヤについて、制限期間が経過するまで他のプレイヤと対戦できないようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-195427号公報
【特許文献2】特開2003-085092号公報
【特許文献3】特開2009-50323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、ユーザの生体情報に基づいてオンラインサービスにおける各種制御を行う技術については開示されていない。例えば、動画等のコンテンツのオンライン配信サービスにおいて、視聴者が不快になるような不適切な投稿に対して、ユーザは手動で通報操作を行わなければならない。また、マルチプレイのオンラインゲームにおいて、ストレス等に起因して他のプレイヤに迷惑をかける悪質なプレイヤがいた場合、被害を受けたプレイヤは手動で通報操作を行わなければならない。
【0007】
また、引用文献2では、通報のための操作が煩雑なため、視聴ユーザが通報を躊躇ってしまう場合がある。また通報という行為自体が他者に対して罰則を与え得るものであるため、例え不適切なコンテンツであったとしても通報するユーザの心理的負担は少なくない。
【0008】
また、引用文献3では、プレイヤの振る舞いに応じてマッチングを除外する場合、ユーザが悪質な振る舞いをした後で前記判定を行うため、前記の悪質な振る舞いによる被害を未然に防ぐことができない。また、悪質な振る舞いをアカウントに紐付けてマッチング除外する場合、悪質なユーザが別アカウントを作成することで前記マッチング除外を回避できてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本願に係る発明の1つは、通信装置であって、コンテンツを複数のクライアント端末に配信する配信手段、各クライアント端末のユーザの生体情報に基づいて当該コンテンツの配信を制御する配信制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの生体情報に基づいて各種判定を行うことで、オンライン配信サービスにおける不適切なコンテンツや、オンラインゲームにおける悪質なプレイヤに対して、ユーザに煩雑な通報操作をさせることなく、適切な制御を行うことができる。
【0011】
そして、本発明によれば、クライアント端末のユーザの生体情報に基づいてコンテンツを配信停止すべきか判定することで、ユーザに煩雑な通報操作をさせることなく、不適切なコンテンツを配信停止できる。
【0012】
そして、本発明によれば、クライアント端末のユーザの不快度に基づいてマッチングすべきか判定する。これにより、他のユーザに害を与え得る悪質なユーザをマッチングから除外し、健全なユーザの楽しみが阻害される事態を未然に防ぐことができる。また、不快度に基づいて動的にマッチング除外判定を行うため、別アカウント作成でマッチング除外を回避される恐れがないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施例1におけるサーバ装置、クライアント端末およびウェアラブル端末のブロック図である。
【
図2】実施例1におけるサーバ装置にて保持される情報の一例を示す概念図である。
【
図3】実施例1におけるサーバ装置とクライアント端末との通信手順の概要を説明するためのシーケンス図である。
【
図4】実施例1におけるクライアント端末の動作を示すフローチャートである。
【
図5】実施例1におけるサーバ装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】実施例2におけるサーバ装置、クライアント端末およびコントローラのブロック図である。
【
図7】実施例2におけるクライアント端末にて表示されるGUIの一例を示す概念図である。
【
図8】実施例2におけるサーバ装置とクライアント端末との通信手順の概要を説明するためのシーケンス図である。
【
図9】実施例2におけるクライアント端末の動作を示すフローチャートである。
【
図10】実施例2におけるサーバ装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
(第1の実施形態)
<各装置の構成>
図1は本実施形態のシステム全体の構成を示すブロック図である。
【0016】
図1において、A100は本実施形態におけるサーバ装置である。サーバ装置A100は、例えばパーソナルコンピュータ等である。B100は本実施形態におけるクライアント端末である。クライアント端末B100は、例えばスマートフォンやノートPC、ゲーム機等である。C100は本実施形態におけるウェアラブル端末である。ウェアラブル端末C100は、例えばスマートウォッチやマウス、ゲームコントローラ等である。
【0017】
まず、サーバ装置A100について説明する。
【0018】
制御部A101は、入力された信号や、プログラムに従ってサーバ装置A100の各部を制御する。なお、制御部A101が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0019】
メモリA102は、各種データを一時的に保持するバッファメモリや、制御部A101の作業領域等として使用される。
【0020】
不揮発性メモリA103は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリであり、制御部A101で実行されるプログラム等が格納される。
【0021】
操作部A104は、サーバ装置A100に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。操作部A104は例えば、ユーザがサーバ装置A100の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンを含む。
【0022】
記録媒体A106は各種データを記録することができる。記録媒体A106は、サーバ装置A100に着脱可能なように構成してもよいし、サーバ装置A100に内蔵されていてもよい。すなわち、サーバ装置A100は少なくとも記録媒体A106にアクセスする手段を有していればよい。
【0023】
通信部A111は、有線通信を実現するための通信ユニットであり、Local Area Network(LAN)に従った通信を実現する。制御部A101は、通信部A111を制御し、公衆網D100および無線LANアクセスポイントE100を介して、クライアント端末B100との通信を実現する。本実施形態のサーバ装置A100は、通信部A111を介して、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)プロトコルに従って、クライアント端末B100に動画データを送信する。
【0024】
以上がサーバ装置A100の説明である。
【0025】
次に、クライアント端末B100について説明する。
【0026】
制御部B101は、入力された信号や、プログラムに従ってクライアント端末B100の各部を制御する。なお、制御部B101が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0027】
メモリB102は、各種データを一時的に保持するバッファメモリや、制御部B101の作業領域等として使用される。
【0028】
不揮発性メモリB103は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリであり、制御部B101で実行されるプログラム等が格納される。
【0029】
操作部B104は、クライアント端末B100に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。操作部B104は例えば、ユーザがクライアント端末B100の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、画面遷移を指示するための操作ボタンを含む。また、後述する表示部B105に形成されるタッチパネルも操作部B104に含まれる。
【0030】
表示部B105は、対話的な操作のためのGUI(Graphical User Interface)表示を行う。なお、表示部B105は必ずしもクライアント端末B100が内蔵する必要はない。クライアント端末B100は表示内容を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
【0031】
記録媒体B106は各種データを記録することができる。記録媒体A106は、クライアント端末B100に着脱可能なように構成してもよいし、クライアント端末B100に内蔵されていてもよい。すなわち、クライアント端末B100は少なくとも記録媒体B106にアクセスする手段を有していればよい。
【0032】
無線LAN部B112は、無線通信を実現するための通信ユニットである。無線LAN部B112は、無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するための通信コントローラから構成され、IEEE802.11規格に従った無線通信を実現する。制御部B101は、無線LAN部B112を制御し、無線LANアクセスポイントE100および公衆網D100を介して、サーバ装置A100との通信を実現する。本実施形態のクライアント端末B100は、無線LAN部B111を介して、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)プロトコルに従って、サーバ装置A100から動画データを受信する。
【0033】
近距離無線通信部B113は、例えば無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するため変復調回路や通信コントローラから構成される。近距離無線通信部B113は、変調した無線信号をアンテナから出力し、またアンテナで受信した無線信号を復調することによりIEEE802.15の規格(いわゆるBluetooth(登録商標))に従った近距離無線通信を実現する。制御部B101は、近距離無線通信部B113を制御し、ウェアラブル端末C100との通信を実現する。本実施形態のクライアント端末B100は、近距離無線通信部B113を介して、ウェアラブル端末C100から生体情報データを受信する。
【0034】
以上がクライアント端末B100の説明である。
【0035】
次に、ウェアラブル端末C100について説明する。
【0036】
制御部C101は、入力された信号や、プログラムに従ってウェアラブル端末C100の各部を制御する。なお、制御部C101が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0037】
生体センサC107は、血圧、心拍、発汗等の生体情報を取得するセンサである。
【0038】
近距離無線通信部C113は、例えば無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するため変復調回路や通信コントローラから構成される。近距離無線通信部C113は、変調した無線信号をアンテナから出力し、またアンテナで受信した無線信号を復調することによりIEEE802.15の規格(いわゆるBluetooth(登録商標))に従った近距離無線通信を実現する。制御部C101は、近距離無線通信部C113を制御し、クライアント端末B100との通信を実現する。本実施形態のウェアラブル端末C100は、近距離無線通信部C113を介して、クライアント端末B100に生体情報データを送信する。
【0039】
以上がウェアラブル端末C100の説明である。
【0040】
図2は、本実施例に係るシステムを実現するために、サーバ装置A100がメモリA102に記憶する情報の一例である。
【0041】
図2に示す視聴情報管理テーブル200は、配信中の各動画について複数のクライアント端末から受信した視聴情報を管理するテーブルである。視聴情報管理テーブル200は、少なくとも、アカウント201、不快度202、視聴中フラグ203、配信停止要求フラグ204、配信停止スコア205の組み合わせで構成される。
【0042】
アカウント201は、クライアント端末のユーザを一意に特定するための情報である。
【0043】
不快度202は、クライアント端末のユーザが配信中の動画を視聴したことで感じた不快度を示す情報である。
【0044】
視聴中フラグ203は、クライアント端末のユーザが配信中の動画を視聴中であることを示すフラグである。
【0045】
配信停止要求フラグ204は、クライアント端末から、配信中の動画に対する配信停止要求を受信したか否かを示すフラグである。
【0046】
配信停止スコア205は、サーバ装置A100が動画の配信を停止するか否かを判定するための情報である。
【0047】
視聴情報管理テーブル200の更新手順については、後述の
図3および
図5において詳細を説明する。
【0048】
<システムの概要>
次に、
図3を参照しながら、本実施例におけるシステムの概要を説明する。
【0049】
図3は、本実施形態に係る代表的なシステムの処理の流れを示したシーケンス図である。
図3に示すクライアント端末B100aおよびクライアント端末B100bは、
図1のクライアント端末B100と同等の構成を持つ。
【0050】
クライアント端末B100aは、操作部B104を介してS301の動画再生操作を受け付けると、無線LAN部B112を介してサーバ装置A100に動画要求S302を送信する。
【0051】
サーバ装置A100は、通信部A111を介して、クライアント端末B100aから前記動画要求S302を受信すると、通信部A111を介して、クライアント端末B100aに動画応答S303を送信する。サーバ装置A100は、前記動画応答S303に、少なくとも動画データを含める。
【0052】
クライアント端末B100aは、ステップS304にて、前記動画応答S303で受信した動画データの再生を開始する。
【0053】
クライアント端末B100aは、ステップS305にて、近距離無線通信部B113を介して、ウェアラブル端末C100から生体情報を受信する。
【0054】
クライアント端末B100aは、ステップS306にて、ステップS305で受信した生体情報に基づいてユーザの不快度を算出する。なお、生体情報に基づく不快度の算出方法については既知のアルゴリズムを適用することとし、ここでは説明を省略する。
【0055】
クライアント端末B100aは、ステップS307にて、ステップS304で再生した動画をユーザが視聴中か否か判定する。クライアント端末B100aは、例えば、動画再生アプリケーションがアクティブ状態の場合に、ユーザが動画を視聴中であると判定する。
【0056】
クライアント端末B100aは、ステップS308にて、無線LAN部B112を介して、サーバ装置A100に視聴情報を送信する。クライアント端末B100aは、前記視聴情報S308に、少なくとも、ユーザのアカウント情報、ステップS306で算出した不快度、および、ステップS307で判定した視聴中フラグを含める。
【0057】
サーバ装置A100は、通信部A111を介して、クライアント端末B100aから前記視聴情報S308を受信すると、ステップS309にて、メモリA102の視聴情報管理テーブル200を更新する。サーバ装置A100は、前記視聴情報S308に含まれるアカウント情報と一致するアカウント201について、不快度202および視聴中フラグ203を上書きして記憶する。また、サーバ装置A100は、不快度202および視聴中フラグ203に基づいて配信停止スコア205を算出して記憶する。例えば、サーバ装置A100は、不快度202が80%以上、かつ、視聴中フラグ203が有効の場合に、配信停止スコア205を1と算出する。また、サーバ装置A100は、不快度202が80%未満、または、視聴中フラグ203が無効の場合に、配信停止スコア205を0と算出する。
【0058】
クライアント端末B100aは、操作部B104を介してS310の通報操作を受け付けると、ステップS311およびS312にて、ステップS305およびS306と同様の処理を行う。
【0059】
クライアント端末B100aは、ステップS313にて、無線LAN部B112を介してサーバ装置A100に動画配信停止要求を送信する。クライアント端末B100aは、前記動画配信停止要求S313に、少なくとも、アカウント情報、および、配信停止要求フラグを含める。
【0060】
クライアント端末B100aは、ステップS314にて、ステップS304で再生した動画を停止する。
【0061】
サーバ装置A100は、通信部A111を介して、クライアント端末B100aから前記動画配信停止要求S313を受信すると、ステップS315にて、メモリA102の視聴情報管理テーブル200を更新する。サーバ装置A100は、前記動画配信停止要求S313に含まれるアカウント情報と一致するアカウント201について、配信停止要求フラグ204を上書きして記憶する。また、サーバ装置A100は、不快度202および配信停止要求フラグ204に基づいて配信停止スコア205を算出して記憶する。例えば、サーバ装置A100は、不快度202が20%以上、かつ、配信停止要求フラグ204が有効の場合に、配信停止スコア205を1と算出する。また、サーバ装置A100は、不快度202が20%未満、または、視聴中フラグ204が無効の場合に、配信停止スコア205を0.2と算出する。
【0062】
続いて、クライアント端末B100bおよびサーバ装置A100は、ステップS316~S324において、ステップS301~S309と同等の処理を行う。
【0063】
サーバ装置A100は、動画配信停止条件を満たしたと判定した場合に、ステップS325にて、動画配信停止処理(動画ファイルの削除など)を行う。サーバ装置A100は、例えば、視聴情報管理テーブル200を参照し、配信停止スコア205の合算値が所定値以上の場合、または、全視聴者数に対する配信停止スコア205の合算値の割合が所定値以上の場合に、動画配信停止条件を満たしたと判定する。
【0064】
このように、本実施形態のサーバ装置A100は、各クライアント端末B100のユーザの不快度に基づいて動画を配信停止すべきか判定することで、ユーザに煩雑な通報操作をさせることなく、不適切な動画を配信停止できる。また、サーバ装置A100は、クライアント端末B100のユーザが動画を視聴中でない場合には配信停止スコアを0にすることで、動画視聴以外の要因でユーザが不快になった場合を除外して判定できる。また、サーバ装置A100は、クライアント端末B100から配信停止要求を受信した場合であっても、当該クライアント端末のユーザの不快度が所定値未満であれば配信停止スコアの重みを下げる。これにより、悪戯目的の通報によって健全な動画配信を停止してしまう問題を回避できる。
【0065】
<各装置の動作>
続いて、上記の動作を実現するためのクライアント端末の詳細な動作について、
図4を参照しながら説明する。
【0066】
図4は、本実施形態のクライアント端末B100の動作を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに示す処理は、クライアント端末B100の制御部B101が入力信号やプログラムに従い、クライアント端末B100の各部を制御することにより実現される。
【0067】
制御部B101は、ステップS401にて、操作部B104を介して、ユーザから動画再生操作を受け付けたか判定する。制御部B101は、動画再生操作を受け付けたと判定した場合は処理をステップS402に移行し、受け付けていないと判定した場合は再びステップS401の処理を繰り返す。
【0068】
制御部B101は、ステップS402にて、無線LAN部B112を介して、サーバ装置A100に動画要求を送信する。本ステップの処理は、
図3のステップS302およびS316の処理に相当する。
【0069】
制御部B101は、ステップS403にて、無線LAN部B112を介して、サーバ装置A100から動画応答を受信したか判定する。制御部B101は、動画応答を受信したと判定した場合は処理をステップS404に移行し、受信していないと判定した場合は再びステップS403の処理を繰り返す。
【0070】
制御部B101は、ステップS404にて、ステップS403で受信した動画応答に含まれる動画の再生を開始する。本ステップの処理は、
図3のステップS304およびS319の処理に相当する(再生手段)。
【0071】
制御部B101は、ステップS405にて、操作部B104を介して、ユーザから動画停止操作を受け付けたか判定する。制御部B101は、動画停止操作を受け付けたと判定した場合は処理をステップS414に移行し、受け付けていないと判定した場合は処理をステップS406に移行する。
【0072】
制御部B101は、ステップS406にて、近距離無線通信部B113を介して、ウェアラブル端末C100から生体情報を受信する。本ステップの処理は、
図3のステップS305およびS320の処理に相当する。
【0073】
制御部B101は、ステップS407にて、ステップS406で受信した生体情報に基づいてユーザの不快度を算出する。なお、生体情報に基づく不快度の算出方法については既知のアルゴリズムを適用することとし、ここでは説明を省略する。本ステップの処理は、
図3のステップS306およびS321の処理に相当する(不快度取得手段)。
【0074】
制御部B101は、ステップS408にて、ステップS404で再生した動画をユーザが視聴中か否か判定する。制御部B101は、例えば、動画再生アプリケーションがアクティブ状態の場合に、ユーザが動画を視聴中であると判定する。本ステップの処理は、
図3のステップS307およびS322の処理に相当する。
【0075】
制御部B101は、ステップS409にて、無線LAN部B112を介して、サーバ装置A100に視聴情報を送信する。制御部B101は、前記視聴情報に、少なくとも、ユーザのアカウント情報、ステップS407で算出した不快度、および、ステップS408で判定した視聴中フラグを含める。本ステップの処理は、
図3のステップS308およびS323の処理に相当する。
【0076】
制御部B101は、ステップS410にて、操作部B104を介して、ユーザから再生中の動画に対する通報操作を受け付けたか否かを判定する。制御部B101は、通報操作を受け付けたと判定した場合は処理をステップS411に移行し、受け付けていないと判定した場合は処理をステップS405に移行する(配信制御要求操作手段)。
【0077】
制御部B101は、ステップS411にて、ステップS406と同様の処理を行う。本ステップの処理は、
図3のステップS311の処理に相当する。
【0078】
制御部B101は、ステップS412にて、ステップS407と同様の処理を行う。本ステップの処理は、
図3のステップS312の処理に相当する。
【0079】
制御部B101は、ステップS413にて、無線LAN部B112を介して、サーバ装置A100に動画配信停止要求を送信する。制御部B101は、前記動画配信停止要求に、少なくとも、ユーザのアカウント情報、ステップS412で算出した不快度、および、配信停止要求フラグを含める。本ステップの処理は、
図3のステップS313の処理に相当する(手動配信要求送信手段)。
【0080】
制御部B101は、ステップS414にて、ステップS404で再生した動画を停止する。本ステップの処理は、
図3のステップS314の処理に相当する。
【0081】
以上のように、本実施形態のクライアント端末B100は、ユーザの生体情報に基づいて判定した不快度や、動画を視聴中か否かの情報をサーバ装置A100に送信する。また、クライアント端末B100は、ユーザから手動で通報操作を受け付けた場合には、配信停止要求をサーバ装置A100に送信する。
【0082】
続いて、上記の動作を実現するためのサーバ装置の詳細な動作について、
図5を参照しながら説明する。
【0083】
図5は、本実施形態のサーバ装置A100の動作を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに示す処理は、サーバ装置A100の制御部A101が入力信号やプログラムに従い、サーバ装置A100の各部を制御することにより実現される。
【0084】
制御部A101は、ステップS501にて、通信部A111を介して、クライアント端末B100から動画要求を受信したか判定する。制御部A101は、動画要求を受信したと判定した場合は処理をステップS502に移行し、受信していないと判定した場合は処理をステップS503に移行する。
【0085】
制御部A101は、ステップS502にて、通信部A111を介して、クライアント端末B100に動画応答を送信する。サーバ装置A100は、前記動画応答に、少なくとも動画データを含める。本ステップの処理は、
図3のステップS303およびS315の処理に相当する(配信手段)。
【0086】
制御部A101は、ステップS503にて、通信部A111を介して、クライアント端末B100から視聴情報を受信したか判定する。制御部A101は、視聴情報を受信したと判定した場合は処理をステップS504に移行し、受信していないと判定した場合は処理をステップS505に移行する(不快度取得手段)(視聴判定手段)。
【0087】
制御部A101は、ステップS504にて、ステップS503で受信した視聴情報に基づいて、メモリA102の視聴情報管理テーブル200を更新する。制御部A101は、前記視聴情報に含まれるアカウント情報と一致するアカウント201について、不快度202および視聴中フラグ203を上書きして記憶する。また、制御部A101は、不快度202および視聴中フラグ203に基づいて配信停止スコア205を算出して記憶する。例えば、制御部A101は、不快度202が80%以上、かつ、視聴中フラグ203が有効の場合に、配信停止スコア205を1と算出する。また、制御部A101は、不快度202が80%未満、または、視聴中フラグ203が無効の場合に、配信停止スコア205を0と算出する。本ステップの処理は、
図3のステップS309およびS321の処理に相当する(不快度閾値判定手段)。
【0088】
制御部A101は、ステップS505にて、通信部A111を介して、クライアント端末B100から配信停止要求を受信したか判定する。制御部A101は、配信停止要求を受信したと判定した場合は処理をステップS506に移行し、受信していないと判定した場合は処理をステップS501に移行する(手動配信制御要求受信手段)。
【0089】
制御部A101は、ステップS506にて、ステップS505で受信した配信停止要求に基づいて、メモリA102の視聴情報管理テーブル200を更新する。制御部A101は、前記動画配信停止要求に含まれるアカウント情報と一致するアカウント201について、配信停止要求フラグ204を上書きして記憶する。また、制御部A101は、不快度202および配信停止要求フラグ204に基づいて配信停止スコア205を算出して記憶する。例えば、制御部A101は、不快度202が20%以上、かつ、配信停止要求フラグ204が有効の場合に、配信停止スコア205を1と算出する。また、制御部A101は、不快度202が20%未満、または、視聴中フラグ204が無効の場合に、配信停止スコア205を0.2と算出する。本ステップの処理は、
図3のステップS312の処理に相当する(配信制御要求重み付け手段)。
【0090】
制御部A101は、ステップS507にて、動画配信停止条件を満たした否かを判定する。制御部A101は、例えば、視聴情報管理テーブル200を参照し、配信停止スコア205の合算値が所定値以上の場合、または、全視聴者数に対する配信停止スコア205の合算値の割合が所定値以上の場合に、動画配信停止条件を満たしたと判定する。
【0091】
制御部A101は、ステップS508にて、動画配信停止処理(動画ファイルの削除など)を行う(配信制御手段)。
【0092】
このように、本実施形態のサーバ装置A100は、各クライアント端末B100のユーザの不快度に基づいて動画を配信停止すべきか判定することで、ユーザに煩雑な通報操作をさせることなく、不適切な動画を配信停止できる。また、サーバ装置A100は、クライアント端末B100のユーザが動画を視聴中でない場合には配信停止スコアを0にすることで、動画視聴以外の要因でユーザが不快になった場合を除外して判定できる。また、サーバ装置A100は、クライアント端末B100から配信停止要求を受信した場合であっても、当該クライアント端末のユーザの不快度が所定値未満であれば配信停止スコアの重みを下げる。これにより、悪戯目的の通報によって健全な動画配信を停止してしまう問題を回避できる。
【0093】
上述の第1の実施形態では、クライアント端末が不快度を算出してサーバ装置に送信する構成を例に説明したが、クライアント端末からサーバ装置に生体情報を送信し、サーバ装置が不快度を算出する構成でも良い(請求項4)。
【0094】
あるいは、クライアント端末が、ユーザがコンテンツを視聴中かつ不快度が所定値以上の場合に、サーバ装置にコンテンツ配信停止要求を送信する構成でも良い(請求項11~16)(配信制御要求送信手段)。また、クライアント端末は、ユーザの不快度に応じて前記配信停止要求に重み付けを行う構成でも良い。(手動配信制御要求重み付け手段)例えば、クライアント端末は、ユーザの不快度が20%以上の場合は配信停止スコアを1、20%未満の場合は配信停止スコアを0.2、として前記配信停止要求に含める構成でも良い。
【0095】
上述の実施形態では、コンテンツとして動画を例に説明したが、静止画や音声データなどその他のコンテンツであっても良い。
【0096】
(第2の実施形態)
<各装置の構成>
図6は本実施形態のシステム全体の構成を示すブロック図である。
【0097】
図6において、A600は本実施形態におけるサーバ装置である。サーバ装置A600は、例えばパーソナルコンピュータ等である。B600は本実施形態におけるクライアント端末である。クライアント端末B600は、例えばゲーム機やスマートフォン、パーソナルコンピュータ等である。C600は本実施形態におけるコントローラである。コントローラC600は、例えばゲームパッドやマウス、キーボード等である。
【0098】
まず、サーバ装置A600について説明する。
【0099】
制御部A601は、入力された信号や、プログラムに従ってサーバ装置A600の各部を制御する。なお、制御部A601が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0100】
メモリA602は、各種データを一時的に保持するバッファメモリや、制御部A601の作業領域等として使用される。
【0101】
不揮発性メモリA603は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリであり、制御部A601で実行されるプログラム等が格納される。
【0102】
操作部A604は、サーバ装置A600に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。操作部A604は例えば、ユーザがサーバ装置A600の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンを含む。
【0103】
記録媒体A606は各種データを記録することができる。記録媒体A606は、サーバ装置A600に着脱可能なように構成してもよいし、サーバ装置A600に内蔵されていてもよい。すなわち、サーバ装置A600は少なくとも記録媒体A606にアクセスする手段を有していればよい。
【0104】
通信部A611は、有線通信を実現するための通信ユニットであり、Local Area Network(LAN)に従った通信を実現する。制御部A601は、通信部A611を制御し、公衆網D600および無線LANアクセスポイントE600を介して、クライアント端末B600との通信を実現する。
【0105】
以上がサーバ装置A600の説明である。
【0106】
次に、クライアント端末B600について説明する。
【0107】
制御部B601は、入力された信号や、プログラムに従ってクライアント端末B600の各部を制御する。なお、制御部B601が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0108】
メモリB602は、各種データを一時的に保持するバッファメモリや、制御部B601の作業領域等として使用される。
【0109】
不揮発性メモリB603は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリであり、制御部B601で実行されるプログラム等が格納される。
【0110】
操作部B604は、クライアント端末B600に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。操作部B604は例えば、ユーザがクライアント端末B600の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、画面遷移を指示するための操作ボタンを含む。また操作部B604は、後述の近距離無線通信部B613を介してコントローラC600から操作コマンドを受け付ける構成も含む。
【0111】
表示部B605は、対話的な操作のためのGUI(Graphical User Interface)表示を行う。なお、表示部B605は必ずしもクライアント端末B600が内蔵する必要はない。クライアント端末B600は表示内容を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
【0112】
記録媒体B606は各種データを記録することができる。記録媒体A606は、クライアント端末B600に着脱可能なように構成してもよいし、クライアント端末B600に内蔵されていてもよい。すなわち、クライアント端末B600は少なくとも記録媒体B606にアクセスする手段を有していればよい。
【0113】
無線LAN部B612は、無線通信を実現するための通信ユニットである。無線LAN部B612は、無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するための通信コントローラから構成され、IEEE802.11規格に従った無線通信を実現する。制御部B601は、無線LAN部B612を制御し、無線LANアクセスポイントE600および公衆網D600を介して、サーバ装置A600との通信を実現する。
【0114】
近距離無線通信部B613は、例えば無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するため変復調回路や通信コントローラから構成される。近距離無線通信部B613は、変調した無線信号をアンテナから出力し、またアンテナで受信した無線信号を復調することによりIEEE802.15の規格(いわゆるBluetooth(登録商標))に従った近距離無線通信を実現する。制御部B601は、近距離無線通信部B613を制御し、コントローラC600との通信を実現する。本実施形態のクライアント端末B600は、近距離無線通信部B613を介して、コントローラC600から操作コマンドや生体情報データを受信する。
【0115】
以上がクライアント端末B600の説明である。
【0116】
次に、コントローラC600について説明する。
【0117】
制御部C601は、入力された信号や、プログラムに従ってコントローラC600の各部を制御する。なお、制御部C601が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0118】
操作部C604は、コントローラC600に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。操作部C604は例えば、ユーザがコントローラC600の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、ゲーム内での操作を指示するためのボタンやジョイスティックなどを含む。
【0119】
生体センサC607は、血圧、心拍、発汗等の生体情報を取得するセンサである。
【0120】
近距離無線通信部C613は、例えば無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するため変復調回路や通信コントローラから構成される。近距離無線通信部C613は、変調した無線信号をアンテナから出力し、またアンテナで受信した無線信号を復調することによりIEEE802.15の規格(いわゆるBluetooth(登録商標))に従った近距離無線通信を実現する。制御部C601は、近距離無線通信部C613を制御し、クライアント端末B600との通信を実現する。本実施形態のコントローラC600は、近距離無線通信部C613を介して、クライアント端末B600に操作コマンドや生体情報データを送信する。
【0121】
以上がコントローラC600の説明である。
【0122】
図7は、本実施形態に係るシステムを実現するために、クライアント端末B600の表示部B606に表示されるGUIの一例である。
【0123】
ゲーム開始画面700は、ユーザからゲームの開始または終了を受け付けるための画面であり、少なくとも、マッチング開始アイコン701、および、ゲーム終了アイコン702を含む。
【0124】
マッチング開始アイコン701は、ゲームを開始してネットワーク上でマッチングを開始するためのアイコンである。
【0125】
ゲーム終了アイコン702は、ゲームを終了するためのアイコンである。
【0126】
生体情報取得エラー画面710は、生体情報の取得に失敗した旨をユーザに通知するための画面であり、少なくとも、生体情報取得エラーメッセージ711、および、戻るアイコン712を含む。
【0127】
生体情報取得エラーメッセージ711は、生体情報の取得に失敗した旨をユーザに通知するためのテキストメッセージである。
【0128】
戻るアイコン712は、ゲーム開始画面に戻るためのアイコンである。
【0129】
マッチング結果画面720は、マッチング結果をユーザに通知するための画面である。
【0130】
マッチングエラー画面730は、マッチングに失敗した旨をユーザに通知するための画面であり、少なくとも、マッチングエラーメッセージ731、および、戻るアイコン712を含む。
【0131】
マッチングエラーメッセージ731は、マッチングに失敗した旨をユーザに通知するためのテキストメッセージである。
【0132】
<システムの概要>
次に、
図8を参照しながら、本実施例におけるシステムの概要を説明する。
【0133】
図8は、本実施形態に係る代表的なシステムの処理の流れを示したシーケンス図である。
図8に示すクライアント端末B600aおよびクライアント端末B600bは、
図1のクライアント端末B600と同等の構成を持つ。
【0134】
クライアント端末B600aは、操作部B604を介してS801のマッチング開始操作を受け付けると、ステップS802にて、近距離無線通信部B613を介して、コントローラC600から生体情報を受信する。
【0135】
クライアント端末B600aは、ステップS803にて、ステップS802で受信した生体情報に基づいてユーザの不快度を算出する。なお、生体情報に基づく不快度の算出方法については既知のアルゴリズムを適用することとし、ここでは説明を省略する。
【0136】
クライアント端末B600aは、ステップS804にて、無線LAN部B612を介してサーバ装置A600にマッチング要求を送信する。クライアント端末B600aは、前記マッチング要求S804に、少なくとも、ユーザのアカウント情報、および、ステップS803で算出した不快度を含める。
【0137】
ここでは、前記マッチング要求S804に含まれる不快度が所定値以上であった場合を例に説明する。
【0138】
サーバ装置A600は、通信部A611を介して、クライアント端末B600aから前記マッチング要求S802を受信すると、ステップS805にて、通信部A611を介して、クライアント端末B600aにマッチング拒否応答を送信する。
【0139】
クライアント端末B600aは、無線LAN部B612を介して前記マッチング拒否応答S805を受信すると、ステップS806にて、表示部B606にマッチングエラー画面730を表示する。
【0140】
続いて、クライアント端末B600bは、ステップS807~S810において、ステップS801~S804と同等の処理を行う。
【0141】
ここでは、マッチング要求S810に含まれる不快度が所定値未満であった場合を例に説明する。
【0142】
サーバ装置A600は、不快度が所定値未満のマッチング要求を受信した数が所定値に到達したと判定すると、ステップS811にて、マッチング処理を行う。サーバ装置A600は、不快度が所定値未満のマッチング要求を受信した全てのアカウントの中から、所定人数で構成されるチームの組み合わせを決定する。
【0143】
サーバ装置A600は、ステップS812にて、通信部A611を介して、クライアント端末B600bにマッチング応答を送信する。サーバ装置A600は、前記マッチング応答S812に、少なくとも、ステップS811の結果としてクライアント端末B600bのユーザと同じチームになったアカウントに関する情報(例えば、ユーザ名など)を含める。なお、サーバ装置A600は、ステップS811のマッチング対象となった全てのアカウントに対応するクライアント端末に対して、マッチング応答S812を送信する。
【0144】
クライアント端末B600bは、無線LAN部B612を介して前記マッチング応答S812を受信すると、ステップS813にて、表示部B606にマッチング結果画面720を表示する。クライアント端末B600bは、少なくとも、前記マッチング応答S812に含まれるアカウントに関する情報(例えば、ユーザ名など)をマッチング結果画面720に表示する。
【0145】
このように、本実施形態のサーバ装置A600は、クライアント端末のユーザの不快度に基づいてマッチングすべきか判定する。これにより、他のユーザに害を与え得る悪質なユーザをマッチングから除外し、マッチングを抑制することで、健全なユーザの楽しみが阻害される事態を未然に防ぐことができる。また、サーバ装置A600は、不快度に基づいて動的にマッチング除外判定を行うため、別アカウント作成でマッチング除外を回避される恐れがない。
【0146】
<各装置の動作>
続いて、上記の動作を実現するためのクライアント端末の詳細な動作について、
図9を参照しながら説明する。
【0147】
図9は、本実施形態のクライアント端末B600の動作を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに示す処理は、クライアント端末B600の制御部B601が入力信号やプログラムに従い、クライアント端末B600の各部を制御することにより実現される。
【0148】
制御部B601は、ステップS901にて、操作部B604を介して、ユーザからゲームを終了する旨の操作を受け付けたか判定する。制御部B601は、例えば、ゲーム終了アイコン702が選択された場合に、ゲーム終了操作を受け付けたと判定する。制御部B601は、ゲーム終了操作を受け付けたと判定した場合は本シーケンスを終了し、受け付けていないと判定した場合は処理をステップS902に移行する。
【0149】
制御部B601は、ステップS902にて、操作部B604を介して、ユーザからマッチングを開始する旨の操作を受け付けたか判定する。制御部B601は、例えば、マッチング開始アイコン701が選択された場合に、ゲーム終了操作を受け付けたと判定する。制御部B601は、マッチング開始操作を受け付けたと判定した場合は処理をステップS903に移行し、受け付けていないと判定した場合は処理をステップS901に移行する。
【0150】
制御部B601は、ステップS903にて、近距離無線通信部B613を介して、所定時間内にコントローラC600から生体情報を受信したか判定する。制御部B601は、生体情報を受信したと判定した場合は処理をステップS904に移行し、受信しなかったと判定した場合は処理をステップS910に移行する。
【0151】
制御部B601は、ステップS904にて、ステップS903で受信した生体情報に基づいてユーザの不快度を算出する。なお、生体情報に基づく不快度の算出方法については既知のアルゴリズムを適用することとし、ここでは説明を省略する。本ステップの処理は、
図8のステップS803およびS809の処理に相当する。
【0152】
制御部B601は、ステップS905にて、無線LAN部B612を介して、サーバ装置A600にマッチング要求を送信する。制御部B601は、前記マッチング要求に、少なくとも、ユーザのアカウント情報、および、ステップS904で算出した不快度を含める。本ステップの処理は、
図8のステップS804およびS810の処理に相当する。
【0153】
制御部B601は、ステップS906にて、無線LAN部B612を介して、サーバ装置A600からマッチング応答を受信したか判定する。制御部B601は、マッチング応答を受信したと判定した場合は処理をS907に移行し、受信していないと判定した場合は処理をステップS908に移行する。
【0154】
制御部B601は、ステップS907にて、表示部B606にマッチング結果画面720を表示する。制御部B601は、少なくとも、ステップS906で受信したマッチング応答に含まれるアカウントに関する情報(例えば、ユーザ名など)をマッチング結果画面720に表示する。本ステップの処理は、
図8のステップS813の処理に相当する。
【0155】
制御部B601は、ステップS908にて、無線LAN部B612を介して、サーバ装置A600からマッチング拒否応答を受信したか判定する。制御部B601は、マッチング拒否応答を受信したと判定した場合は処理をS909に移行し、受信していないと判定した場合は処理をステップS906に移行する。
【0156】
制御部B601は、ステップS909にて、表示部B606にマッチングエラー画面730を表示する。本ステップの処理は、
図8のステップS806の処理に相当する。
【0157】
制御部B601は、ステップS910にて、表示部B606に生体情報取得エラー画面710を表示する。
【0158】
以上のように、本実施形態のクライアント端末B600は、ユーザの生体情報に基づいて判定した不快度をサーバ装置A600に送信する。
【0159】
続いて、上記の動作を実現するためのサーバ装置の詳細な動作について、
図10を参照しながら説明する。
【0160】
図10は、本実施形態のサーバ装置A600の動作を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに示す処理は、サーバ装置A600の制御部A601が入力信号やプログラムに従い、サーバ装置A600の各部を制御することにより実現される。
【0161】
制御部A601は、ステップS1001にて、通信部A611を介して、クライアント端末B600からマッチング要求を受信したか判定する。制御部A601は、マッチング要求を受信したと判定した場合は処理をステップS1002に移行し、受信していないと判定した場合は再びステップS1001の処理を繰り返す(不快度取得手段)。
【0162】
制御部A601は、ステップS1002にて、ステップS1001で受信したマッチング要求に含まれる不快度が所定値以上か否かを判定する。制御部A601は、前記不快度が所定値以上と判定した場合は処理をステップS1003に移行し、所定値未満と判定した場合は処理をステップS1004に移行する(マッチング制御手段)。
【0163】
制御部A601は、ステップS1003にて、通信部A611を介して、クライアント端末B600にマッチング拒否応答を送信する。本ステップの処理は、
図8のステップS805の処理に相当する。
【0164】
制御部A601は、ステップS1004にて、不快度が所定値未満のマッチング要求を受信した数が所定値に到達したか否か判定する。制御部A601は、前記到達したと判定した場合は処理をステップS1005に移行し、到達していないと判定した場合は処理をステップS1001に移行する。
【0165】
制御部A601は、ステップS1005にて、マッチング処理を行う。制御部A601は、不快度が所定値未満のマッチング要求を受信した全てのアカウントの中から、所定人数で構成されるチームの組み合わせを決定する。本ステップの処理は、
図8のステップS811の処理に相当する(マッチング手段)。
【0166】
制御部A601は、ステップS1006にて、ステップS1005のマッチング対象となった全てのアカウントに対応するクライアント端末に対して、通信部A611を介して、マッチング応答を送信する。サーバ装置A600は、前記マッチング応答に、少なくとも、ステップS1005の結果として各クライアント端末のユーザと同じチームになったアカウントに関する情報(例えば、ユーザ名など)を含める。本ステップの処理は、
図8のステップS812の処理に相当する。
【0167】
以上のように、本実施形態のサーバ装置A600は、クライアント端末のユーザの不快度に基づいてマッチングすべきか判定する。これにより、他のユーザに害を与え得る悪質なユーザをマッチングから除外し、健全なユーザの楽しみが阻害される事態を未然に防ぐことができる。また、サーバ装置A600は、不快度に基づいて動的にマッチング除外判定を行うため、別アカウント作成でマッチング除外を回避される恐れがない。
【0168】
上述の第2の実施形態は、クライアント端末が不快度を算出してサーバ装置に送信する構成を例に説明したが、クライアント端末からサーバ装置に生体情報を送信し、サーバ装置が不快度を算出する構成でも良い(請求項21)。あるいは、クライアント端末において不快度が所定値以上の場合には、サーバ装置にマッチング要求を送信しないようにする構成でも良い。
【0169】
上述の実施形態では、不快を示したユーザをマッチングから除外する場合を例に説明したが、不快を示したユーザ同士をマッチングする構成でも良い。あるいは、不快を示したユーザとのマッチングを許容する旨の設定操作をしたユーザと、不快を示したユーザとをマッチングする構成でも良い。
【0170】
上述の実施形態では、ゲームにおけるユーザ同士のマッチングを例に説明したが、出会い系サービスなどオンライン上でリアルタイムにユーザ同士をマッチングするユースケースに適用しても良い。
【0171】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。