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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171522
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】コンベヤスケール
(51)【国際特許分類】
   G01G 11/00 20060101AFI20241205BHJP
   G01G 11/14 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G01G11/00 B
G01G11/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088575
(22)【出願日】2023-05-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】390000011
【氏名又は名称】JFEアドバンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】中代 龍児
(72)【発明者】
【氏名】岩本 学
(72)【発明者】
【氏名】古瀬 大規
(57)【要約】
【課題】コンベヤスケールの生産性を向上する。
【解決手段】コンベヤスケール20が、計量ローラユニット14のキャリアスタンド15の一端部に支持され、第1コンベヤフレーム2と対向配置される第1計量台フレーム30と、第1コンベヤフレーム2に取り付けられ、第1計量台フレーム30に入力される荷重を検出する第1ロードセル35と、キャリアスタンド15の他端部に支持され、第2コンベヤフレーム3と対向配置される第2計量台フレーム50と、第2コンベヤフレーム3に取り付けられ、第2計量台フレーム50に入力される荷重を検出する第2ロードセル55とを備える。第1計量台フレーム30と第2計量台フレーム50とは、キャリアスタンド15のみを介してベルト10の幅方向に連結された状態にある。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に延在する第1及び第2コンベヤフレームと、
前記第1及び第2コンベヤフレームに架け渡されるキャリアスタンド、及び前記キャリアスタンドに回転可能に支持されるローラをそれぞれ有する複数のローラユニットと、
その幅方向を前記第1及び第2コンベヤフレームの対向方向に向けて前記複数のローラユニットに支持されるベルトと、
を備えるベルトコンベヤに搭載されるコンベヤスケールであって、
前記複数のローラユニットの1つである計量ローラユニットの前記キャリアスタンドの一端部に支持され、前記第1コンベヤフレームと対向配置される第1計量台フレームと、
前記第1コンベヤフレームに取り付けられ、前記計量ローラユニットを介して前記第1計量台フレームに入力される荷重を検出する第1ロードセルと、
前記計量ローラユニットの前記キャリアスタンドの他端部に支持され、前記第2コンベヤフレームと対向配置される第2計量台フレームと、
前記第2コンベヤフレームに取り付けられ、前記計量ローラユニットから前記第2計量台フレームに入力される荷重を検出する第2ロードセルと、を備え、
前記第1計量台フレームと前記第2計量台フレームとは、前記計量ローラユニットの前記キャリアスタンドのみを介して前記ベルトの前記幅方向に連結された状態にある、
コンベヤスケール。
【請求項2】
前記第1計量台フレームに片持ち支持された第1検錘棒と、前記第2計量台フレームに片持ち支持された第2検錘棒とを更に備える、
請求項1に記載のコンベヤスケール。
【請求項3】
前記第1ロードセルと前記第2ロードセルとが、前記計量ローラユニットを基準として対称に配置されている、
請求項1に記載のコンベヤスケール。
【請求項4】
前記第1計量台フレームが、前記第1及び第2コンベヤフレームの間で前記第1コンベヤフレームに隣接して配置され、前記第2計量台フレームが前記第1及び第2コンベヤフレームの間で前記第2コンベヤフレームに隣接して配置される、
請求項1に記載のコンベヤスケール。
【請求項5】
前記第1コンベヤフレームに取り付けられ、前記第1計量台フレームを揺動可能に支持する第1軸受と、前記第1計量台フレームの揺動に応じて前記第1ロードセルに荷重を伝達する第1伝達アームと、前記第2コンベヤフレームに取り付けられ、前記第2計量台フレームを揺動可能に支持する第2軸受と、前記第2計量台フレームの揺動に応じて前記第2ロードセルに荷重を伝達する第2伝達アームと、を更に備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載のコンベヤスケール。
【請求項6】
前記第1及び前記第2計量台フレームが、前記キャリアスタンドを基準にして前記コンベヤフレームの延在方向の両側に延び、
前記第1ロードセルが、前記第1計量台フレームの両端部それぞれと対向する一対の第1ロードセルによって構成され、前記第2ロードセルが、前記第2計量台フレームの両端部それぞれと対向する一対の第2ロードセルによって構成され、
前記第1計量台フレームの両端部それぞれに、前記一対の第1ロードセルそれぞれに荷重を伝達する一対の第1伝達アームが設けられ、前記第2計量台フレームの両端部それぞれに、前記一対の第2ロードセルそれぞれに荷重を伝達する一対の第2伝達アームが設けられる、
請求項1から4のいずれか1項に記載のコンベヤスケール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤスケールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、矩形枠状の計量台を備えたコンベヤスケールを開示する。計量台は、ベルト搬送方向に延在する一対の側方部と、ベルト幅方向に延在して一対の側方部を接続する連結部と、ベルト幅方向に延在して一対の側方部に支持される検錘棒とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-047303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
連結部及び検錘棒は、ベルトコンベヤの幅方向の寸法に応じて必要とされる長さを有するように、ベルト幅に応じて設計及び製造される。その結果、コンベヤスケールは、適用されるベルトコンベヤのベルト幅に応じて都度製作される必要がある。コンベヤスケールの生産効率に改善の余地がある。
【0005】
本発明は、コンベヤスケールの生産性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、平行に延在する第1及び第2コンベヤフレームと、前記第1及び第2コンベヤフレームに架け渡されるキャリアスタンド、及び前記キャリアスタンドに回転可能に支持されるローラをそれぞれ有する複数のローラユニットと、その幅方向を前記第1及び第2コンベヤフレームの対向方向に向けて前記複数のローラユニットに支持されるベルトと、を備えるベルトコンベヤに搭載されるコンベヤスケールであって、前記複数のローラユニットの1つである計量ローラユニットの前記キャリアスタンドの一端部に支持され、前記第1コンベヤフレームと対向配置される第1計量台フレームと、前記第1コンベヤフレームに取り付けられ、前記計量ローラユニットを介して前記第1計量台フレームに入力される荷重を検出する第1ロードセルと、前記計量ローラユニットの前記キャリアスタンドの他端部に支持され、前記第2コンベヤフレームと対向配置される第2計量台フレームと、前記第2コンベヤフレームに取り付けられ、前記計量ローラユニットから前記第2計量台フレームに入力される荷重を検出する第2ロードセルと、を備え、前記第1計量台フレームと前記第2計量台フレームとは、前記計量ローラユニットの前記キャリアスタンドのみを介して前記ベルトの前記幅方向に連結された状態にある、コンベヤスケールを提供する。
【0007】
上記構成によれば、被輸送物の重量に基づく荷重は、キャリアスタンドを介して第1計量台フレーム及び第2計量台フレームに伝達され、第1及び第2コンベヤフレームそれぞれに取り付けられた第1及び第2ロードセルにより検出される。第1計量台フレームと第2計量台フレームとは、キャリアスタンドのみを介して連結された状態にある。ベルトコンベヤを構成する計量ローラユニットのキャリアスタンドが、第1及び第2計量台フレームを繋ぎ、計量台の強度部材としての役割を果たす。そのため、コンベヤスケールからベルトの幅方向に延在する部材を省略できる。これにより、コンベヤスケールをベルト幅の制約なしに構成できる。ベルト幅に応じた専用部品の製造及び管理が不要となるため、コンベヤスケールの製造コストを削減でき製造期間を短縮できる。第1及び第2計量台フレームは、キャリアスタンドを除けば互いに連結されていない分離状態であるため、ベルトコンベヤの設置現場への運搬作業の便宜が図られる。コンベヤスケールが軽量且つ小型になるため、コンベヤスケールのベルトコンベヤへの据付作業の便宜が図られる。
【0008】
前記第1計量台フレームに片持ち支持された第1検錘棒と、前記第2計量台フレームに片持ち支持された第2検錘棒とを更に備えてもよい。
【0009】
上記構成によれば、検錘棒が、対応する計量台フレームに片持ち支持され、2つの計量台フレームを連結していない。第1計量台フレームと第2計量台フレームとが分離状態となり、上述の作用が得られる。
【0010】
前記第1ロードセルと前記第2ロードセルとが、前記計量ローラユニットを基準として対称に配置されていてもよい。
【0011】
上記構成によれば、ローラ面に働く力に基づき荷重が発生する場合に、第1ロードセルにより検出される荷重の向きと、第2ロードセルにより検出される荷重の向きとが、上下方向において互いに逆になる。そのため、検出結果の足し合わせによって当該荷重を打ち消すことができる。従来、2基のコンベヤスケールを背中合わせに配置しなければこのような相殺効果を得ることが困難であったが、上記構成では、分離状態の第1及び第2計量台フレーム、及びこれらと相互作用する第1及び第2ロードセルによって相殺効果を得ることができる。コンベヤスケールの小型化と荷重検出精度の維持とを両立できる。
【0012】
前記第1計量台フレームが、前記第1及び第2コンベヤフレームの間で前記第1コンベヤフレームに隣接して配置され、前記第2計量台フレームが、前記第1及び第2コンベヤフレームの間で前記第2コンベヤフレームに隣接して配置されてもよい。
【0013】
上記構成によれば、計量台が一対のコンベヤフレーム間に収まり、コンベヤスケールがコンパクトになる。第1及び第2ロードセルは、第1及び第2計量台フレームに対して外側に配置される。作業員が、第1及び第2ロードセルに容易にアクセス可能であり、コンベヤスケールのメンテナンス作業を簡便に行える。
【0014】
前記第1コンベヤフレームに取り付けられ、前記第1計量台フレームを揺動可能に支持する第1軸受と、前記第1計量台フレームの揺動に応じて前記第1ロードセルに荷重を伝達する第1伝達アームと、前記第2コンベヤフレームに取り付けられ、前記第2計量台フレームを揺動可能に支持する第2軸受と、前記第2計量台フレームの揺動に応じて前記第2ロードセルに荷重を伝達する第2伝達アームと、を更に備えてもよい。
【0015】
上記構成によれば、被輸送物の重量に基づく荷重を、レバーとして機能する2つの計量台フレームを介し、第1及び第2ロードセルで検出できる。
【0016】
前記第1及び前記第2計量台フレームが、前記キャリアスタンドを基準にして前記コンベヤフレームの延在方向の両側に延び、前記第1ロードセルが、前記第1計量台フレームの両端部それぞれと対向する一対の第1ロードセルによって構成され、前記第2ロードセルが、前記第2計量台フレームの両端部それぞれと対向する一対の第2ロードセルによって構成され、前記第1計量台フレームの両端部それぞれに、前記一対の第1ロードセルそれぞれに荷重を伝達する一対の第1伝達アームが設けられ、前記第2計量台フレームの両端部それぞれに、前記一対の第2ロードセルそれぞれに荷重を伝達する一対の第2伝達アームが設けられてもよい。
【0017】
上記構成によれば、延在方向及び幅方向に離れた4点にロードセルが設けられる。被輸送物の重量に基づく荷重を、2つの計量台フレームを介し、4つのロードセルで検出できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、コンベヤスケールの生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係るコンベヤスケールを搭載したベルトコンベヤの斜視図。
図2図1に示すベルトコンベヤの平面図。
図3】第1及び第2コンベヤフレームを省略して示すコンベヤスケールの斜視図。
図4】計量ローラユニット及び第1取付ブラケットを省略して示す第1計量台ユニットの斜視図。
図5図2のV矢視図。
図6図2のVI-VI断面図。
図7】第2実施形態に係るコンベヤスケールを搭載したベルトコンベヤの平面図。
図8図7のVIII-VIII矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、同一の又は対応する要素には全図を通じて同一の符号を付し、詳細な説明の重複を省略する。
【0021】
(第1実施形態)
図1及び図2を参照して、第1実施形態に係るコンベヤスケール20は、ベルトコンベヤ1に搭載され、ベルトコンベヤ1によって輸送される被輸送物(図示せず)の輸送量を測定する。被輸送物は、例えば、コークスあるいは石灰石等のバルク材である。輸送量とは、例えば、単位時間当たり輸送重量、あるいは単位輸送距離当たり輸送重量である。
【0022】
ベルトコンベヤ1は、第1及び第2コンベヤフレーム2,3、複数のローラユニット4、及びベルト10を備える。
【0023】
図中に矢印で示される第1方向Xは、第1及び第2コンベヤフレーム2,3の長手方向及び延在方向、ベルト10の長手方向、延在方向及び走行方向、並びに被輸送物の輸送方向と対応する。第2方向Yは、第1及び第2コンベヤフレーム2,3の対向方向、並びにベルト10の幅方向と対応する。第3方向Zは、ベルトコンベヤ1の高さ方向と対応する。第1方向X及び第2方向Yは、互いに直交し、典型的には水平である。第3方向Zは、典型的には鉛直であり、典型的には第1方向Xにも第2方向Yにも直交する。ただし、第1方向X及び第2方向Yは、ベルトコンベヤ1の設置環境などに応じて、水平に対して傾斜していてもよい。同様に、第3方向Zは、鉛直に対して傾斜していてもよく、必ずしも第1方向X又は第2方向Yに直交していなくてもよい。
【0024】
以下では説明の便宜上、第1方向Xを、単に「長手方向」又は「延在方向」と称する場合がある。第1方向Xに関し、被輸送物の輸送方向下流側を「前側」、上流側を「後側」と称する場合がある。また、第2方向Yを、単に「幅方向」と称する場合がある。幅方向(第2方向Y)に関し、ベルトコンベヤ1の幅方向中央に近づく側を「内側」、幅方向中央から遠ざかる側を「外側」と称する場合がある。幅方向(第2方向Y)に関し、第1コンベヤフレーム2側を「一方側」、第2コンベヤフレーム3側を「他方側」と称する場合がある。また、第3方向Zを「上下方向」と称する場合がある。
【0025】
第1及び第2コンベヤフレーム2,3は、第1方向Xに互いに平行に延在し、第2方向Yに対向し、同じ高さに配置される。なお、第1及び第2コンベヤフレーム2,3は、幾何学的に厳密な意味で平行に延びる構成に限られず、第1コンベヤフレーム2が第2コンベヤフレーム3に対して僅かに傾斜する方向に延びていてもよい。第1コンベヤフレーム2は、一例として、溝形鋼によって構成される。第1コンベヤフレーム2は、上下方向に延びる側壁2aと、側壁2aの上端部及び下端部それぞれから幅方向の外側に延びる上壁2b及び下壁2cとを有する。第2コンベヤフレーム3も、これと同様にして、側壁3a、上壁3b、及び下壁3cを有する。
【0026】
複数のローラユニット4は、長手方向に間隔をあけて配置される。各ローラユニット4は、第1及び第2コンベヤフレーム2,3に架け渡されるキャリアスタンド5と、キャリアスタンド5に回転可能に支持される複数のローラ9a,9b,9cとを有する。キャリアスタンド5は、水平フレーム6と、水平フレーム6に立設される複数の垂直フレーム7a,7b,7c,7dとを有する。
【0027】
水平フレーム6は、幅方向に延在する。水平フレーム6は、一例として、等辺山形鋼によって構成され、コーナーを上に向けた逆V字型に配置される。水平フレーム6の一端部は、第1コンベヤフレーム2の上面に載置されるブラケット8aを介し、第1コンベヤフレーム2に連結される。他端部は、第2コンベヤフレーム3の上面に載置されるブラケット8bを介し、第2コンベヤフレーム3に連結される。ブラケット8a,8bは、水平フレーム6の一対のフランジの下端同士を接続している。
【0028】
複数の垂直フレーム7a,7b,7c,7dは、水平フレーム6の幅方向両端部それぞれから上方へ延びる一対の第1垂直フレーム7a,7bと、幅方向Yにおいて一対の第1垂直フレーム7a,7bの間に位置する一対の第2垂直フレーム7c,7dとを含む。第2垂直フレーム7c,7dは、第1垂直フレーム7a,7bよりも低背である。
【0029】
各ローラ9a,9b,9cは、円筒状であり、その中心軸周りに回転可能に垂直フレーム7a,7b,7c,7dに支持される。複数のローラ9a,9b,9cは、第1及び第2傾斜ローラ9a,9bと、水平ローラ9cとを含む。水平ローラ9cは、一対の第2垂直フレーム7c,7dにより回転可能に支持され、その中心軸が幅方向に向けられる。第1傾斜ローラ9aは、一方側の第1及び第2垂直フレーム7a,7cにより回転可能に支持され、その中心軸が幅方向の中心側に向かって下傾している。第2傾斜ローラ9bは、他方側の第1及び第2垂直フレーム7b,7dにより回転可能に支持され、その中心軸が幅方向の中心側に向かって下傾している。水平ローラ9cは、幅方向において第1及び第2傾斜ローラ9a,9bの間に挟まれている。3つのローラ9a,9b,9cは、長手方向に見て、下に窪んだ凹状のローラ面を形成する。なお、ベルトコンベヤ1は、ローラ9a,9b,9cを回転駆動する不図示のアクチュエータを備える。
【0030】
ベルト10は、長手方向に延在し、複数のローラユニット4のローラ面上に支持される。ローラ9a,9b,9cが回転駆動されると、ベルト10が、ローラ面によって引きずられ、長手方向の一方側(前側)に向かって走行するように駆動される。ベルト10は、可撓性を有しており、ローラ面に倣って下に窪んだ形状で走行する。被輸送物は、ベルト10内に受容された状態で輸送される。
【0031】
詳細図示を省略するが、ベルト10は、無端状である。ベルト10は、前末端のローラユニットから下に向かいつつ後方へ折り返し、第1及び第2コンベヤフレーム2,3よりも下方で長手方向の他方側(後側)に向かって走行し、上に向かいつつ前方へ再び折り返し、後末端のローラユニットに支持される。本書では、単に「ベルト」という場合、特段断らなければ、いわゆる「キャリア側ベルト」を指す。キャリア側ベルトとは、無端状のベルトの一部であって、ローラ面上で長手方向の一方側(前側)に走行する部分、被輸送物が載置される部分、且つ被輸送物を輸送している部分である。
【0032】
コンベヤスケール20がベルトコンベヤ1に組み付けられるに際して、複数のローラユニット4のうち少なくとも1つが、計量ローラユニット14として選択される。コンベヤスケール20は、選択された計量ローラユニット14に作用する荷重に基づいて、被輸送物の重量を測定し、測定された重量に基づいて輸送量を測定する。
【0033】
計量ローラユニット14は、上述同様にして、キャリアスタンド15及び複数のローラ19a,19b,19cを備える。キャリアスタンド15は、上述同様にして、水平フレーム16及び複数の垂直フレーム17a,17b,17c,17dを備える。複数のローラ19a,19b,19cは、上述同様にして、第1及び第2傾斜ローラ19a,19b及び水平ローラ19cを含む。
【0034】
図2及び図3を参照して、コンベヤスケール20は、第1コンベヤフレーム2と水平フレーム16の一端部とに組み付けられる第1計量台ユニット21と、第2コンベヤフレーム3と水平フレーム16の他端部とに組み付けられる第2計量台ユニット22とを備える。第1計量台ユニット21と第2計量台ユニット22とは「分離状態」にある。分離状態とは、水平フレーム16を除き、幅方向に互いに連結されていない状態(水平フレーム16をのみを介して幅方向に互いに連結されている状態)である。コンベヤスケール20は、第1計量台ユニット21と第2計量台ユニット22とを幅方向に連結する部材を特に備えていない。
【0035】
第1及び第2計量台ユニット21,22は、互いに同様の構造を有する。第1及び第2計量台ユニット21,22は、計量ローラユニット14の幅方向(第2方向Y)中央且つ長手方向(第1方向X)中央を上下方向(第3方向Z)に通過する中心軸C周りに、点対称に配置される。そのため、第1及び第2計量台ユニット21,22の構成部品は互いに共用可能である。また、この点対称配置によって、後述のとおり、ローラ面に働く力W(図5及び図6を参照)に基づく荷重を相殺する相殺効果が得られる。
【0036】
第1計量台ユニット21は、第1計量台フレーム30及び第1取付ブラケット31を有する。第2計量台ユニット22は、第2計量台フレーム50及び第2取付ブラケット51を有する。
【0037】
第1計量台フレーム30は、第1コンベヤフレーム2の幅方向内側で、第1コンベヤフレーム2と平行に長手方向に延在する。第1計量台フレーム30は、一例として、溝形鋼によって構成され、側壁30a、上壁30b、及び下壁30cを有する。側壁30aは、上下方向に延在し、上壁30b及び下壁30cは、側壁30aの上端部及び下端部それぞれから幅方向外側へ延在する。
【0038】
第1計量台フレーム30の上壁30bは、第1取付ブラケット31を介し、水平フレーム16の一端部の下部に連結される。第1取付ブラケット31は、水平フレーム16の一端部の下部に溶接される。第1取付ブラケット31は、平板状であり、水平フレーム16に対して延在方向の両側に突出する。第1取付ブラケット31の板厚方向は、上壁30bと同じく上下方向に向けられている。第1計量台フレーム30は、第1取付ブラケット31の両端部それぞれに上方から挿し込まれるボルト(図示せず)により、水平フレーム16に締結される。第1計量台フレーム30は、水平フレーム16に対して長手方向(第1方向X)の両側に延在している。
【0039】
第2計量台フレーム50も、上記同様である。第2計量台フレーム50は、第2コンベヤフレーム3の幅方向内側で長手方向に延在し、側壁50a、上壁50b、及び下壁50cを有する。第2計量台フレーム50の上壁50bは、第2取付ブラケット51を介し、水平フレーム16の他端部の下部に連結される。第2計量台フレーム50は、水平フレーム16に対して長手方向(第1方向X)の両側に延在している。
【0040】
上述したローラユニット4の一般的説明では、水平フレーム6の両端部は、ブラケット8a,8bを介して第1及び第2コンベヤフレーム2,3に連結されるとしている。計量ローラユニット14に関しては、ブラケット8a,8bの取付位置が幅方向内側へ変更される。別の言い方では、ブラケット8a,8bに代わり、第1及び第2取付ブラケット31,51が設けられる。水平フレーム16は、第1及び第2コンベヤフレーム2,3に直接的には連結されていない。
【0041】
図3及び図4を参照して、第1計量台ユニット21は、第1支軸部32、第1軸受33、第1ステー34、第1ロードセル35、第1保護カバー36、第1伝達アーム37、第1検錘係止部38、及び第1検錘39を更に備える。
【0042】
第1支軸部32は、第1計量台フレーム30の長手方向の一端部(前端部)に設けられている。第1支軸部32は、軸固定板32a、シャフト部32b、及びリブ部32cを有する。軸固定板32aは、第1計量台フレーム30の側壁30aに固着され、第1計量台フレーム30よりも上方に突出する。シャフト部32bは、軸固定板32aの幅方向外側面から幅方向外側へ延在し、第1計量台フレーム30の上壁30bの上面よりも上方に位置付けられる。リブ部32cは、シャフト部32bの周面下部を上壁30bの上面に連結し、これによりシャフト部32bの曲げに対する剛性が高くなる。
【0043】
シャフト部32bの先端部は、第1コンベヤフレーム2に第1ステー34を介して取り付けられた第1軸受33によって回転可能に支持される。これにより、第1計量台フレーム30が、第1軸受33によって、シャフト部32bの中心軸周りに揺動可能に支持される。
【0044】
第1軸受33は、例えば、自動調心性を有した転がり軸受によって構成される。第1ステー34は、平板状であり、その板厚方向が第1コンベヤフレーム2の上壁2bと同じく上下方向に向けられ且つその長手方向が第1コンベヤフレーム2の延在方向に向けられた姿勢で上壁2bに載置される。第1ステー34は、長手方向に間隔をあけて配置された複数のボルト挿通孔34aを有する。第1ステー34は、複数のボルト挿通孔34aそれぞれに上方から挿し込まれる複数本のボルト(図示せず)により第1コンベヤフレーム2に締結される。第1軸受33を保持する軸受ホルダ33aが第1ステー34の長手方向の一端部(前端部)に締結されることにより、第1軸受33が第1コンベヤフレーム2に取り付けられる。
【0045】
第1ロードセル35は、第1ステー34を介して第1コンベヤフレーム2に取り付けられ、第1軸受33よりも長手方向の他端側(後側)に配置される。図5に最も良く示されるとおり、第1ロードセル35は、第1ステー34上に締結されたブロック35aに片持ち支持されており、ブロック35aの上面から長手方向の他端側に突出する。第1ロードセル35は、逆U字状の第1保護カバー36によって上側及び幅方向両側が覆われる。第1ロードセル35の先端部は、第1保護カバー36から長手方向の他端側に突出し、露出される。なお、第1保護カバー36は、不図示のボルトを使用してブロック35aに締結される。
【0046】
第1伝達アーム37は、長手方向において第1取付ブラケット31と第1支軸部32との間で、第1計量台フレーム30に取り付けられている。第1伝達アーム37は、第1計量台フレーム30の揺動に応じて第1ロードセル35の先端部を押圧し、それにより第1ロードセル35に荷重を伝達する。第1ロードセル35は、この荷重、すなわち計量ローラユニット14を介して第1計量台フレーム30に入力される荷重を検出する。
【0047】
第1伝達アーム37は、アーム固定板37a、アーム部37b、及び押圧子37cを有する。アーム固定板37aは、第1計量台フレーム30の側壁30aに固着され、第1計量台フレーム30よりも上方に突出する。アーム部37bは、アーム固定板37aの幅方向外側面から幅方向外側へ延在する。アーム部37bの基端部は、上壁30bの上面にも連続しており、それによりアーム部37bの上下方向の曲げに対する剛性が高くなる。押圧子37cは、アーム部37bの下面に取り付けられる。アーム部37bの先端部及びこれに取り付けられた押圧子37cは、平面視において第1ロードセル35の先端部と重なると共に、第1ロードセル35の先端部よりも上方に位置付けられる。第1計量台フレーム30が揺動すると、押圧子37cが第1ロードセル35の先端部の上面を押圧する。
【0048】
第1伝達アーム37は、水平板37d及びボルト挿通孔37eを更に有する。水平板37dは、その板厚方向を上下方向に向けた姿勢で、アーム部37bの側面に取り付けられており、アーム部37bと同様にしてアーム固定板37aの幅方向外側面から幅方向外側に延在している。ボルト挿通孔37eは、水平板37dの先端部を貫通している。ボルト40がボルト挿通孔37eに上方から挿し込まれ、その先端は、上壁30bの上面に突き当てられる。ボルト40は、上下方向における押圧子37cと第1ロードセル35との間のクリアランスを調整するための部材である。ボルト40を締め回すことで、クリアランスが広がり、メンテナンス作業時に第1ロードセル35に過負荷が作用することを回避できる。コンベヤスケール20の使用時には、ボルト40を緩めることでクリアランスが詰まり、第1ロードセル35で荷重を検出するために適切な状態を得ることができる。
【0049】
第1検錘係止部38は、第1計量台フレーム30に設けられ、第1検錘39は、この第1検錘係止部38に支持される。第1検錘係止部38は、第1取付ブラケット31を基準として、第1支軸部32とは長手方向において反対側の端部に配置される。第1検錘係止部38は、第1計量台フレーム30に片持ち支持されており、第2計量台ユニット22(及びその第2計量台フレーム50)とは連結されていない。
【0050】
第1検錘係止部38は、検錘棒固定板38a及び第1検錘棒38bを有する。検錘棒固定板38aは、第1計量台フレーム30の側壁30aに固着され、第1計量台フレーム30よりも上方に突出する。第1検錘棒38bは、ロッド状又はシャフト状であり、検錘棒固定板38aの幅方向内側面から幅方向内側に延在する。第1検錘棒38bの先端は、計量ローラユニット14の中心軸Cよりも幅方向一方側にあり、更には、一方側の第2垂直フレーム7cよりも幅方向一方側にある。検錘棒が計量台の矩形枠を構成する従来型の検錘棒と対比して、第1検錘棒38bは非常に短縮されている。第1検錘39は、第1検錘棒38bに取外し可能に係止される。第1検錘棒38bの先端は拡径されており、第1検錘39が幅方向に変位して第1検錘係止部38から脱落するのを阻止する。
【0051】
図2及び図3を参照して、第2計量台ユニット22も、第1計量台ユニット21に対して点対称に配置されている点を除けば、上記同様である。第2計量台ユニット22は、第2支軸部52、第2軸受53、第2ステー54、第2ロードセル55、第2保護カバー56、第2伝達アーム57、第2検錘係止部58、及び第2検錘59を更に備える。
【0052】
第2支軸部52は、第2計量台フレーム50の長手方向の他端部(後端部)に設けられている一方、第2検錘係止部58は、長手方向の一端部(前端部)に設けられている。第2支軸部52のシャフト部52bは、第2軸受53に回転可能に支持され、第2軸受53は、第2ステー54を介して第2コンベヤフレーム3の上壁3bに締結されている。これにより、第2計量台フレーム50が、第2軸受53によって、シャフト部52bの中心軸周りに揺動可能に支持される。第2検錘係止部58は、第2計量台フレーム50に片持ち支持されており、第1計量台ユニット21とは連結されていない。第2検錘棒58bも、従来型の検錘棒と対比して、非常に短縮されている。第2検錘59は、この第2検錘棒58bに取外し可能に係止される。
【0053】
第2ロードセル55は、第2ステー54を介して第2計量台フレーム50に取り付けられ、第2保護カバー56で上側及び幅方向両側を覆われる。第2伝達アーム57は、長手方向において第2取付ブラケット51と第2支軸部52との間に配置され、第2計量台フレーム50に取り付けられる。第2伝達アーム57のアーム部57bの先端部は、第2ロードセル55の先端部の上方に位置付けられる。第2伝達アーム57は、第2計量台フレーム50の揺動に応じて第2ロードセル55の先端部を押圧し、それにより第2ロードセル55に荷重を伝達する。第2ロードセル55は、この荷重、すなわち計量ローラユニット14を介して第2計量台フレーム50に入力される荷重を検出する。
【0054】
なお、符号52a,52cは、第2支軸部52の軸固定板52a及びリブ部52cをそれぞれ示す。符号53a,55aは、軸受ホルダ53a及びブロック55aをそれぞれ示す。符号54aは、第2ステー54のボルト挿通孔54aを示す。符号57a,57d,57eは、第2伝達アーム57のアーム固定板57a、水平板57d、及びロッド挿通孔57eをそれぞれ示す。符号58aは、第2検錘係止部58の検錘棒固定板58aを示す。符号60は、ボルト60を示す。これらは、第1実施形態の第1計量台ユニット21に備わる対応する要素と同様に構成されている。
【0055】
図5及び図6を参照して、ベルト10に被輸送物(図示せず)が積載されていると、計量ローラユニット14には、その重力に基づいて下向きの荷重が作用する。この荷重は、キャリアスタンド15を介して第1計量台フレーム30及び第2計量台フレーム50に流れる。第1計量台フレーム30に入力された下向きの荷重は、第1伝達アーム37の押圧子37cを介して第1ロードセル35の先端部に伝達され、第1ロードセル35がこの荷重を検出する。また、第2計量台フレーム50に入力された下向きの荷重は、第2伝達アーム57の押圧子57cを介して第2ロードセル55の先端部に伝達され、第2ロードセル55がこの荷重を検出する。
【0056】
なお、コンベヤスケール20は、第1ロードセル35及び第2ロードセル55と接続された不図示の信号処理部を有する。信号処理部は、第1ロードセル35から出力される検出信号、及び第2ロードセル55から出力される検出信号に基づいて、被輸送物の重量を測定する。信号処理部は、更に測定された重量と、ベルト10の走行速度とに基づいて、被輸送物の輸送量を測定する。
【0057】
ベルト10の走行中には、ベルト10から計量ローラユニット14のローラ面の上部(ベルト10との接触部)に、ベルト10の走行方向に向けられた力Wが働く。この力Wにより、計量ローラユニット14には、上側から前側、前側から下側、下側から後側、及び後側から上側に向かう回転モーメントが発生する。この回転モーメントに基づく荷重は、第1ロードセル35及び第2ロードセル55の検出値に含まれ、重量に基づく荷重を検出するに際して外乱となる。
【0058】
本実施形態では、第1計量台ユニット21と第2計量台ユニット22とが点対称に配置されている。このため、第1ロードセル35に入力される回転モーメントに基づく荷重W1(図5を参照)と、第2ロードセル55に入力される回転モーメントに基づく荷重W1(図6を参照)とは、互いに反対に向けられ且つその大きさ(絶対値)が等しい。そのため、信号処理部は、第1ロードセル35の検出値と、第2ロードセル55の検出値とを単純に加算するだけで、回転モーメントに基づく外乱情報を打ち消すことができ、被輸送物の重量を精度よく測定できる。
【0059】
上記のとおり、本実施形態に係るコンベヤスケール20は、計量ローラユニット14のキャリアスタンド15の一端部に支持され、第1コンベヤフレーム2と対向配置される第1計量台フレーム30と、第1コンベヤフレーム2に取り付けられ、計量ローラユニット14を介して第1計量台フレーム30に入力される荷重を検出する第1ロードセル35と、計量ローラユニット14のキャリアスタンド15の他端部に支持され、第2コンベヤフレーム3と対向配置される第2計量台フレーム50と、第2コンベヤフレーム3に取り付けられ、計量ローラユニット14から第2計量台フレーム50に入力される荷重を検出する第2ロードセル55と、を備える。第1計量台フレーム30と第2計量台フレーム50とは、計量ローラユニット14のキャリアスタンド15のみを介してベルト10の幅方向(第2方向Y)に連結された状態にある。以下、説明の便宜上、第1計量台フレーム30と第2計量台フレーム50とが、計量ローラユニット14のキャリアスタンド15を除けばベルト10の幅方向(第2方向Y)に互いに連結されていないこの状態を、「分離状態」と称する場合がある。
【0060】
この場合に、被輸送物の重量に基づく荷重は、キャリアスタンド15を介して第1計量台フレーム30及び第2計量台フレーム50に伝達され、第1及び第2コンベヤフレーム2,3それぞれに取り付けられた第1及び第2ロードセル35,55により検出される。第1計量台フレーム30と第2計量台フレーム50とは分離状態にある。ベルトコンベヤ1を構成する計量ローラユニット14のキャリアスタンド15が、第1及び第2計量台フレーム30,50を繋ぎ、計量台の強度部材としての役割を果たす。そのため、コンベヤスケール20からベルト10の幅方向に延在する部材を省略できる。これにより、コンベヤスケール20をベルト幅の制約なしに構成できる。ベルト幅に応じた専用部品の製造及び管理が不要となるため、コンベヤスケール20の製造コストを削減でき製造期間を短縮できる。第1及び第2計量台フレーム30,50が分離状態であるため、ベルトコンベヤ1の設置現場にコンベヤスケール20を運搬する作業の便宜が図られる。コンベヤスケール20が軽量且つ小型になるため、コンベヤスケール20のベルトコンベヤ1への据付作業の便宜が図られる。このように、コンベヤスケール20の生産性が大きく向上する。
【0061】
コンベヤスケール20が、第1計量台フレーム30に片持ち支持された第1検錘棒38bと、第2計量台フレーム50に片持ち支持された第2検錘棒58bとを備える。すなわち、第1及び第2検錘棒38b,58bは、第1及び第2計量台フレーム30,50同士を連結していない。第1計量台フレーム30と第2計量台フレーム50との分離状態が実現され、上述の作用が得られる。
【0062】
第1ロードセル35と第2ロードセル55とが、計量ローラユニット14を基準として対称に配置される。ローラ面に働く力Wに基づき第1ロードセル35に入力される荷重W1の向きと、当該力Wに基づき第2ロードセル55に入力される荷重W1の向きとが、上下方向において互いに逆になる。そのため、ローラ面に働く力Wに基づく荷重を相殺できる。従来、2基のコンベヤスケールを背中合わせに配置しなければこのような相殺効果を得ることが困難であったが、上記構成では、分離状態の第1及び第2計量台フレーム30,50、及びこれらと相互作用する第1及び第2ロードセル35,55によって相殺効果を得ることができる。したがって、コンベヤスケール20の小型化と荷重検出精度の維持とを両立できる。
【0063】
第1計量台フレーム30及び第2計量台フレーム50が、第1及び第2コンベヤフレーム2,3の間に配置される。第1及び第2計量台ユニット21,22が一対のコンベヤフレーム2,3間に収まり、コンベヤスケール20がコンパクトになる。第1及び第2ロードセル35,55は、第1及び第2計量台フレーム30,50に対して外側に配置される。作業員が、第1及び第2ロードセル35,55に容易にアクセス可能であり、コンベヤスケール20のメンテナンス作業を簡便に行える。
【0064】
コンベヤスケール20は、第1コンベヤフレーム2に取り付けられ、第1計量台フレーム30を揺動可能に支持する第1軸受33と、第1計量台フレーム30の揺動に応じて第1ロードセル35に荷重を伝達する第1伝達アーム37と、第2コンベヤフレーム3に取り付けられ、第2計量台フレーム50を揺動可能に支持する第2軸受53と、第2計量台フレーム50の揺動に応じて第2ロードセル55に荷重を伝達する第2伝達アーム57とを備える。被輸送物の重量に基づく荷重を、レバーとして機能する2つの計量台フレーム30,50を介し、第1及び第2ロードセル35,55で検出できる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、図7及び図8を参照して、第1実施形態との相違を中心に、第2実施形態に係るコンベヤスケール20について説明する。
【0066】
図7を参照して、第1実施形態では、第1及び第2計量台フレーム30,50が、揺動可能なレバー型であったが、本実施形態では、第1及び第2計量台フレーム30,50は、第1及び第2コンベヤフレーム2,3に対して揺動不能な固定型である。ただし、第1計量台フレーム30と第2計量台フレーム50とが、分離状態にある点において、本実施形態は、第1実施形態と同様である。
【0067】
第1計量台ユニット21は、第1実施形態と同様の第1計量台フレーム30及び第1取付ブラケット31を有する。第1計量台ユニット21は、第1実施形態とは異なり、第1支軸部32及び第1軸受33(図3を参照)を有さない。第1実施形態とは異なり、第1ステー34、第1ロードセル35、第1保護カバー36、第1伝達アーム37、第1検錘係止部38、及び第1検錘39は、対を成している。
【0068】
第1計量台フレーム30は、計量ローラユニット14を基準として、長手方向の両側に延在している。一対の第1ステー34、一対の第1ロードセル35、一対の第1保護カバー36、一対の第1伝達アーム37、一対の第1検錘係止部38、及び一対の第1検錘39は、第1計量台フレーム30の両端部それぞれに分かれて設けられ、計量ローラユニット14の幅方向中心線を基準として線対称に配置されている。
【0069】
長手方向の一方側において、第1ステー34は、第1コンベヤフレーム2の上面に締結され、第1ロードセル35が、第1ステー34を介して第1コンベヤフレーム2に片持ち支持されている。第1保護カバー36は、第1ロードセル35の先端部を露出させた状態で第1ロードセル35を覆う。第1検錘係止部38は、第1計量台フレーム30の端部に設けられており、第1検錘39が、第1検錘係止部38に取外し可能に係止されている。長手方向の他方側においても、第1ステー34、第1ロードセル35、第1保護カバー36、第1伝達アーム37、第1検錘係止部38、及び第1検錘39が、これと同様に配置されている。
【0070】
第1実施形態と同様にして、第2計量台ユニット22は、第1計量台ユニット21と点対称に配置されている。そのため、第2計量台ユニット22は、第1実施形態と同様の第2計量台フレーム50及び第2取付ブラケット51を有する。第2計量台ユニット22は、第1実施形態とは異なり、第2支軸部52及び第2軸受53(図3を参照)を有さない。本実施形態の第1計量台ユニット21と同様にして、第2ステー54、第2ロードセル55、第2保護カバー56、第2伝達アーム57、第2検錘係止部58、及び第2検錘59は、対を成している。
【0071】
第2計量台フレーム50は、計量ローラユニット14を基準として、長手方向の両側に延在している。一対の第2ステー54、一対の第2ロードセル55、一対の第2保護カバー56、一対の第2伝達アーム57、一対の第2検錘係止部58、及び一対の第2検錘59は、本実施形態の第1計量台ユニット21と同様にして、第2計量台フレーム50の両端部それぞれに分かれて設けられ、計量ローラユニット14の幅方向中心線を基準として線対称に配置されている。
【0072】
長手方向の一方側において、第2ステー54は、第2コンベヤフレーム3の上面に締結され、第2ロードセル55が、第2ステー54を介して第2コンベヤフレーム3に片持ち支持されている。第2保護カバー56は、第2ロードセル55の先端部を露出させた状態で第2ロードセル55を覆う。第2検錘係止部58は、第2計量台フレーム50の端部に設けられており、第2検錘59が、第2検錘係止部58に取外し可能に係止されている。長手方向の他方側においても、第2ステー54、第2ロードセル55、第2保護カバー56、第2伝達アーム57、第2検錘係止部58、及び第2検錘59が、これと同様に配置されている。
【0073】
一対の第1ロードセル35は、第1計量台フレーム30の両端部それぞれと幅方向に対向する。一対の第1伝達アーム37が、第1計量台フレーム30の両端部それぞれに設けられ、一対の第1ロードセル35それぞれに荷重を伝達する。一対の第2ロードセル55は、第2計量台フレーム50の両端部それぞれと幅方向に対向する。一対の第2伝達アーム57は、第2計量台フレーム50の両端部それぞれに設けられ、一対の第2ロードセル55それぞれに荷重を伝達する。なお、本実施形態においても、コンベヤスケール20は、合計4つのロードセル35,55と接続される不図示の信号処理部を有する。信号処理部は、各ロードセル35,55から出力される検出信号に基づいて、被輸送物の重量ひいては輸送量を測定する。
【0074】
図8を参照して、本実施形態においても、ベルト10の走行中に、ベルト10から計量ローラユニット14のローラ面の上部に、ベルト10の走行方向に向けられた力Wが働く。この力Wにより、計量ローラユニット14には第1実施形態と同様の回転モーメントが作用する。この回転モーメントに基づく荷重が、第1ロードセル35及び第2ロードセル55の検出結果に含まれ、重量に基づく荷重の検出に際し外乱となる。
【0075】
本実施形態においては、第1計量台ユニット21と第2計量台ユニット22とは点対称に配置され、第1計量台ユニット21及び第2計量台ユニット22のどちらもキャリアスタンド15を基準にして線対称に配置されている。そのため、長手方向の一方側(図8右側)の第1ロードセル35及び第2ロードセル55に入力された回転モーメントに基づく荷重W1と、長手方向の他方側(図8左側)の第1ロードセル35及び第2ロードセル55に入力された回転モーメントに基づく荷重W1とは、互いに反対に向けられ且つその大きさ(絶対値)が等しい。そのため、第1実施形態と同様の相殺効果が得られ、被輸送物の重量ひいては輸送量を精度よく測定できる。
【0076】
(変形例)
これまで実施形態について説明したが、上記の構成は、本発明の範囲内で適宜変更、追加、又は削除可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 ベルトコンベヤ
2 第1コンベヤフレーム
2a 側壁
2b 上壁
2c 下壁
3 第2コンベヤフレーム
3a 側壁
3b 上壁
3c 下壁
4 ローラユニット
5 キャリアスタンド
6 水平フレーム
7a,7b 第1垂直フレーム
7c,7d 第2垂直フレーム
8a,8b ブラケット
9a,9b 傾斜ローラ
9c 水平ローラ
10 ベルト
14 計量ローラユニット
15 キャリアスタンド
16 水平フレーム
17a,17b 第1垂直フレーム
17c,17d 第2垂直フレーム
19a,19b 傾斜ローラ
19c 水平ローラ
20 コンベヤスケール
21 第1計量台ユニット
22 第2計量台ユニット
30 第1計量台フレーム
31 第1取付ブラケット
32 第1支軸部
32a 軸固定板
32b シャフト部
32c リブ部
33 第1軸受
33a 軸受ホルダ
34 第1ステー
34a ボルト挿通孔
35 第1ロードセル
35a ブロック
36 第1保護カバー
37 第1伝達アーム
37a アーム固定板
37b アーム部
37c 押圧子
37d 水平板
37e ボルト挿通孔
38 第1検錘係止部
38a 検錘棒固定板
38b 第1検錘棒
39 第1検錘
40 ボルト
50 第2計量台フレーム
51 第2取付ブラケット
52 第2支軸部
52a 軸固定板
52b シャフト部
52c リブ部
53 第2軸受
53a 軸受ホルダ
54 第2ステー
54a ボルト挿通孔
55 第2ロードセル
55a ブロック
56 第2保護カバー
57 第2伝達アーム
57a アーム固定板
57b アーム部
57c 押圧子
57d 水平板
57e ボルト挿通孔
58 第2検錘係止部
58a 検錘棒固定板
58b 第2検錘棒
59 第2検錘
60 ボルト
C 中心軸
X 第1方向(延在方向)
Y 第2方向(対向方向、幅方向)
Z 第3方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に延在する第1及び第2コンベヤフレームと、
前記第1及び第2コンベヤフレームに架け渡されるキャリアスタンド、及び前記キャリアスタンドに回転可能に支持されるローラをそれぞれ有する複数のローラユニットと、
その幅方向を前記第1及び第2コンベヤフレームの対向方向に向けて前記複数のローラユニットに支持されるベルトと、
を備えるベルトコンベヤに搭載されるコンベヤスケールであって、
前記第1及び第2コンベヤフレームの間で前記対向方向に延在する計量キャリアスタンド、及び前記計量キャリアスタンドに支持されて前記ベルトを支持する計量ローラを有する計量ローラユニットと、
前記第1コンベヤフレームと前記計量キャリアスタンドの一端部とに組み付けられる第1計量台ユニットと、
前記第2コンベヤフレームと前記計量キャリアスタンドの他端部とに組み付けられる第2計量台ユニットと、を備え、
前記第1計量台ユニットが、
前記計量キャリアスタンドの前記一端部に支持され、前記第1コンベヤフレームと対向配置される第1計量台フレームと、
前記第1コンベヤフレームに取り付けられ、前記計量ローラユニットを介して前記第1計量台フレームに入力される荷重を検出する第1ロードセルと、を備え、
前記第2計量台ユニットが、
前記計量キャリアスタンドの前記他端部に支持され、前記第2コンベヤフレームと対向配置される第2計量台フレームと、
前記第2コンベヤフレームに取り付けられ、前記計量ローラユニットを介して前記第2計量台フレームに入力される荷重を検出する第2ロードセルと、を備え、
前記第1計量台ユニットと前記第2計量台ユニットとは、計量キャリアスタンドのみを介して前記ベルトの前記幅方向に連結された状態にあり且つ前記計量ローラユニットを基準として点対称に配置されている、
コンベヤスケール。
【請求項2】
前記第1計量台ユニットが、前記第1計量台フレームに片持ち支持された第1検錘棒を更に備え前記第2計量台ユニットが、前記第2計量台フレームに片持ち支持された第2検錘棒更に備える、
請求項1に記載のコンベヤスケール。
【請求項3】
前記第1ロードセルと前記第2ロードセルとが、前記計量ローラユニットを基準として対称に配置されている、
請求項1に記載のコンベヤスケール。
【請求項4】
前記第1計量台フレームが、前記第1及び第2コンベヤフレームの間で前記第1コンベヤフレームに隣接して配置され、前記第2計量台フレームが前記第1及び第2コンベヤフレームの間で前記第2コンベヤフレームに隣接して配置される、
請求項1に記載のコンベヤスケール。
【請求項5】
前記第1計量台ユニットが、前記第1コンベヤフレームに取り付けられ、前記第1計量台フレームを揺動可能に支持する第1軸受と、前記第1計量台フレームの揺動に応じて前記第1ロードセルに荷重を伝達する第1伝達アームと、を更に備え、
前記第2計量台ユニットが、前記第2コンベヤフレームに取り付けられ、前記第2計量台フレームを揺動可能に支持する第2軸受と、前記第2計量台フレームの揺動に応じて前記第2ロードセルに荷重を伝達する第2伝達アームと、を更に備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載のコンベヤスケール。
【請求項6】
前記第1及び前記第2計量台フレームが、前記計量キャリアスタンドを基準にして前記コンベヤフレームの延在方向の両側に延び、
前記第1ロードセルが、前記第1計量台フレームの両端部それぞれと対向する一対の第1ロードセルによって構成され、前記第2ロードセルが、前記第2計量台フレームの両端部それぞれと対向する一対の第2ロードセルによって構成され、
前記第1計量台ユニットが、前記第1計量台フレームの両端部それぞれに設けられ、前記一対の第1ロードセルそれぞれに荷重を伝達する一対の第1伝達アームを更に備え
前記第2計量台ユニットが、前記第2計量台フレームの両端部それぞれに設けられ、前記一対の第2ロードセルそれぞれに荷重を伝達する一対の第2伝達アームを更に備える
請求項1から4のいずれか1項に記載のコンベヤスケール。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に延在する第1及び第2コンベヤフレームと、
前記第1及び第2コンベヤフレームに架け渡されるキャリアスタンド、及び前記キャリアスタンドに回転可能に支持されるローラをそれぞれ有する複数のローラユニットと、
その幅方向を前記第1及び第2コンベヤフレームの対向方向に向けて前記複数のローラユニットに支持されるベルトと、
を備えるベルトコンベヤに搭載されるコンベヤスケールであって、
前記第1及び第2コンベヤフレームの間で前記対向方向に延在する計量キャリアスタンド、及び前記計量キャリアスタンドに支持されて前記ベルトを支持する計量ローラを有する計量ローラユニットと、
前記第1コンベヤフレームと前記計量キャリアスタンドの一端部とに組み付けられる第1計量台ユニットと、
前記第2コンベヤフレームと前記計量キャリアスタンドの他端部とに組み付けられる第2計量台ユニットと、を備え、
前記第1計量台ユニットが、
前記計量キャリアスタンドの前記一端部に支持され、前記第1コンベヤフレームと対向配置される第1計量台フレームと、
前記第1コンベヤフレームに取り付けられ、前記計量ローラユニットを介して前記第1計量台フレームに入力される荷重を検出する第1ロードセルと、を備え、
前記第2計量台ユニットが、
前記計量キャリアスタンドの前記他端部に支持され、前記第2コンベヤフレームと対向配置される第2計量台フレームと、
前記第2コンベヤフレームに取り付けられ、前記計量ローラユニットを介して前記第2計量台フレームに入力される荷重を検出する第2ロードセルと、を備え、
前記第1計量台ユニットと前記第2計量台ユニットとは、前記計量キャリアスタンドのみを介して前記ベルトの前記幅方向に連結された状態にあり且つ前記計量ローラユニットを基準として、線対称には配置されず、点対称に配置されている、
コンベヤスケール。
【請求項2】
前記第1計量台ユニットが、前記第1計量台フレームに片持ち支持された第1検錘棒を更に備え、前記第2計量台ユニットが、前記第2計量台フレームに片持ち支持された第2検錘棒を更に備える、
請求項1に記載のコンベヤスケール。
【請求項3】
前記第1ロードセルと前記第2ロードセルとが、前記計量ローラユニットを基準として対称に配置されている、
請求項1に記載のコンベヤスケール。
【請求項4】
前記第1計量台フレームが、前記第1及び第2コンベヤフレームの間で前記第1コンベヤフレームに隣接して配置され、前記第2計量台フレームが前記第1及び第2コンベヤフレームの間で前記第2コンベヤフレームに隣接して配置される、
請求項1に記載のコンベヤスケール。
【請求項5】
前記第1計量台ユニットが、前記第1コンベヤフレームに取り付けられ、前記第1計量台フレームを揺動可能に支持する第1軸受と、前記第1計量台フレームの揺動に応じて前記第1ロードセルに荷重を伝達する第1伝達アームと、を更に備え、
前記第2計量台ユニットが、前記第2コンベヤフレームに取り付けられ、前記第2計量台フレームを揺動可能に支持する第2軸受と、前記第2計量台フレームの揺動に応じて前記第2ロードセルに荷重を伝達する第2伝達アームと、を更に備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載のコンベヤスケール。