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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171535
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】照明装置、及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/17 20200101AFI20241205BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20241205BHJP
   H05B 47/185 20200101ALI20241205BHJP
【FI】
H05B47/17
H05B47/105
H05B47/185
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088593
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】冨山 賢司
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA01
3K273QA07
3K273QA29
3K273RA02
3K273RA12
3K273SA03
3K273SA12
3K273SA32
3K273SA35
3K273SA45
3K273SA46
3K273TA03
3K273TA08
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA41
3K273TA45
3K273TA49
3K273TA53
3K273TA62
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA24
3K273UA27
(57)【要約】
【課題】簡素化された構成で、動作モードを変更できる照明装置などを提供する。
【解決手段】照明装置12は、交流電圧が供給され、光源80を発光させる装置であって、照明装置12の動作モードを制御するモード制御回路70と、動作モードに基づいて、光源80に供給する電流を制御する電流制御回路60とを備え、モード制御回路70は、交流電圧の周波数を検知し、交流電圧の周波数が第一周波数帯域に含まれる場合に、動作モードを第一モードに設定し、交流電圧の周波数が第一周波数帯域に含まれない場合に、動作モードを第一モードと異なる第二モードに設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧が供給されることによって、光源を発光させる照明装置であって、
前記照明装置の動作モードを制御するモード制御回路と、
前記動作モードに基づいて、前記光源に供給する電流を制御する電流制御回路とを備え、
前記モード制御回路は、
所定のタイミングにおいて前記交流電圧の周波数を検知し、
前記交流電圧の周波数が第一周波数帯域に含まれる場合に、前記動作モードを第一モードに設定し、
前記交流電圧の周波数が前記第一周波数帯域に含まれない場合に、前記動作モードを前記第一モードと異なる第二モードに設定する
照明装置。
【請求項2】
前記電流制御回路は、前記第一モードにおいて、前記光源の所定の発光特性を時間に対して変動させる
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記電流制御回路は、前記第二モードにおいて、所定の検査期間にわたって、前記光源の所定の発光特性を一定に維持する
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記モード制御回路は、前記交流電圧の周波数が、前記第一周波数帯域とは異なる第二周波数帯域に含まれる場合に、前記動作モードを前記第二モードに設定する
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第二モードは、第三モードと、前記第三モードと異なる第四モードとを含み、
前記第二周波数帯域は、第三周波数帯域と、前記第三周波数帯域と異なる第四周波数帯域とを含み、
前記モード制御回路は、
前記交流電圧の周波数が、前記第三周波数帯域に含まれる場合に、前記動作モードを前記第三モードに設定し、
前記交流電圧の周波数が、前記第四周波数帯域に含まれる場合に、前記動作モードを前記第四モードに設定する
請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記照明装置は、
前記交流電圧を整流する整流回路と、
前記整流回路の出力電圧を平滑化する平滑回路とを備え、
前記モード制御回路は、前記平滑回路の出力電圧又は出力電流に基づいて前記交流電圧の周波数を検知する
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記照明装置は、
前記平滑回路の出力電圧を微分して前記モード制御回路に出力する微分回路を備える
請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記モード制御回路は、前記交流電圧が入力され、入力された前記交流電圧に基づいて前記交流電圧の周波数を検知する
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項9】
前記電流制御回路は、前記第二モードでは、所定の識別期間において、前記光源に、前記照明装置の種類に対応する発光を行わせる
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項10】
前記電流制御回路は、前記第二モードでは、所定の識別期間において、前記光源に、前記照明装置の種類に対応する発光動作を行わせた後に、所定の検査期間にわたって、前記光源の所定の発光特性を一定に維持する
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の照明装置と、
前記光源とを備える
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子を有する光源を点灯する照明装置が知られている(例えば、特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-160553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような照明装置は、交流電圧を供給するための二つの電圧入力端子以外の信号入力端子を備えない場合がある。この場合、照明装置の動作モードを変更するための信号入力端子がないため、照明装置の動作モードを変更するのが困難である。また、例えば、特許文献1に記載された照明装置において、動作モードを追加し、当該動作モードに変更するための信号を入力する端子を追加することで、動作モードを変更することは可能であるが、照明装置の構成が複雑となる。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、簡素化された構成で、動作モードを変更できる照明装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る照明装置の一態様は、交流電圧が供給されることによって、光源を発光させる照明装置であって、前記照明装置の動作モードを制御するモード制御回路と、前記動作モードに基づいて、前記光源に供給する電流を制御する電流制御回路とを備え、前記モード制御回路は、所定のタイミングにおいて前記交流電圧の周波数を検知し、前記交流電圧の周波数が第一周波数帯域に含まれる場合に、前記動作モードを第一モードに設定し、前記交流電圧の周波数が前記第一周波数帯域に含まれない場合に、前記動作モードを前記第一モードと異なる第二モードに設定する。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る照明器具の一態様は、上記照明装置と、上記光源とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡素化された構成で、動作モードを変更できる照明装置などを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る照明器具の構成を示す回路図である。
図2】実施の形態に係る照明装置における交流電圧の時間波形の一例を示すグラフである。
図3】平滑コンデンサによって平滑化された電圧の時間波形を示すグラフである。
図4】実施の形態に係る微分回路の出力電圧の時間波形を示すグラフである。
図5】実施の形態に係る照明装置の第一モードの一例を説明する模式的なグラフである。
図6】実施の形態に係る照明装置の第二モードの一例を説明する模式的なグラフである。
図7】実施の形態に係る照明装置の第二モードの他の一例を説明する模式的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
実施の形態に係る照明装置及び照明器具について説明する。
【0013】
[構成]
本実施の形態に係る照明装置及び照明器具の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る照明器具10の構成を示す回路図である。図1には、照明器具10と併せて、照明器具10に電力を供給する交流電源14も示されている。
【0014】
交流電源14は、交流電圧を照明器具10に供給する電源である。交流電源14は、例えば、AC100Vの電圧を照明器具10に供給する。交流電源14は、外部商用電源などの系統電源であってもよい。本実施の形態では、交流電圧の周波数は、第一周波数帯域、又は第二周波数帯域に含まれる。第一周波数帯域は、例えば、商用電源周波数を含む周波数帯域である。本実施の形態では、第一周波数帯域は、50Hz及び60Hzの少なくとも一方を含む。第一周波数帯域は、例えば、45Hz以上、65Hz以下である。第二周波数帯域は、第一周波数帯域とは異なる周波数帯域である。本実施の形態では、第二周波数帯域は、第一周波数帯域より高い周波数帯域を含む。第二周波数帯域は、例えば、70Hz以上、100Hz以下である。なお、第二周波数帯域は、第一周波数帯域以外の全周波数帯域であってもよい。
【0015】
また、第二周波数帯域は、互いに異なる複数の周波数帯域を含んでもよい。例えば、第二周波数帯域は、第三周波数帯域と、第三周波数帯域と異なる第四周波数帯域とを含んでもよい。例えば、第三周波数帯域は、70Hz以上、80Hz以下であり、第四周波数帯域は、90Hz以上、100Hz以下であってもよい。
【0016】
照明器具10は、交流電圧が供給されることによって、照明光を発する器具であり、照明装置12と、光源80とを備える。
【0017】
光源80は、照明装置12から電流が供給されることによって発光する。光源80が発する光が照明器具10の照明光である。本実施の形態では、光源80は、1以上の発光素子を含む。発光素子として、例えば、LED、有機EL(Electro Luminescence)素子などの固体発光素子を用いることができる。
【0018】
照明装置12は、交流電圧が供給されることによって、光源80を発光させる装置である。本実施の形態では、照明装置12は、交流電圧が入力される入力端子T1、T2を有し、入力端子T1、T2以外の信号入力端子を有さない。また、照明装置12は、光源80に電流を供給するための出力端子T3、T4を有する。照明装置12は、電流制御回路60と、モード制御回路70とを備える。本実施の形態では、照明装置12は、整流回路20と、平滑コンデンサ30と、微分回路40と、電源回路50とをさらに備える。
【0019】
整流回路20は、照明装置12に供給される交流電圧を整流する回路である。整流回路20は、例えば、ダイオードブリッジ回路などを有する。
【0020】
平滑コンデンサ30は、整流回路20の出力電圧を平滑化する平滑回路の一例である。平滑コンデンサ30の一方及び他方の電極は、それぞれ、整流回路20の二つの出力端子のうち一方及び他方に接続される。
【0021】
微分回路40は、平滑回路の出力電圧を微分してモード制御回路70に出力する回路である。本実施の形態では、微分回路40は、直列接続されたコンデンサ42及び抵抗44を有する。コンデンサ42の一方の電極が平滑コンデンサ30の一方の電極に接続され、他方の電極が抵抗44の一方の電極に接続される。抵抗44の他方の電極は、平滑コンデンサ30の他方の電極に接続される。コンデンサ42と抵抗44との接続点における電圧が、モード制御回路70へ出力される。
【0022】
電源回路50は、モード制御回路70の駆動用電圧を出力する回路である。電源回路50は、平滑コンデンサ30の出力電圧を、モード制御回路70の駆動用電圧に変換して出力する。電源回路50として、任意の電圧変換回路を用いることができる。電源回路50として、例えば、IPD(Intelligent Power Device)などを用いることができる。IPDは、スイッチ素子と、当該スイッチ素子を制御する制御用ICとを有し、電圧を変換する回路である。
【0023】
モード制御回路70は、照明装置12の動作モードを制御する回路である。モード制御回路70は、所定のタイミングにおいて照明装置12に供給される交流電圧の周波数を検知する。モード制御回路70は、例えば、交流電圧の供給が開始された時点から所定の時間内において交流電圧の周波数を検知し、それ以降、交流電圧の供給が停止されるまで検知しなくてもよい。また、モード制御回路70は、例えば、所定の時間間隔で周期的に交流電圧の周波数を検知してもよい。モード制御回路70は、平滑回路の出力電圧又は出力電流に基づいて交流電圧の周波数を検知してもよい。本実施の形態では、モード制御回路70は、平滑コンデンサ30の出力電圧(つまり、平滑コンデンサ30の両電極間の電圧)に基づいて交流電圧の周波数を検知する。より具体的には、モード制御回路70は、平滑コンデンサ30の出力電圧を微分する微分回路40の出力電圧に基づいて交流電圧の周波数を検知する。なお、モード制御回路70は、例えば、交流電源14が供給する交流電圧から直接、周波数を検知してもよい。モード制御回路70による交流電圧の周波数の検知方法の詳細については後述する。
【0024】
モード制御回路70は、交流電圧の周波数が第一周波数帯域に含まれる場合に、動作モードを第一モードに設定し、交流電圧の周波数が第一周波数帯域に含まれない場合に、動作モードを第一モードと異なる第二モードに設定する。本実施の形態では、交流電圧の周波数が、第一周波数帯域とは異なる第二周波数帯域に含まれる場合に、動作モードを第二モードに設定する。これにより、交流電圧が、第一周波数帯域及び第二周波数帯域以外の周波数である場合に、動作モードが第二モードに設定されることを抑制できる。例えば、交流電源の故障などに起因して、交流電圧の周波数が、第一周波数帯域及び第二周波数帯域以外の周波数となる場合に、動作モードが第二モードに設定されることを抑制できる。
【0025】
また、第二モードは、互いに異なる複数の動作モードを含んでもよい。例えば、第二モードは、第三モードと、第三モードと異なる第四モードとを含んでもよい。モード制御回路70は、交流電圧の周波数が、第三周波数帯域に含まれる場合に、動作モードを第三モードに設定し、交流電圧の周波数が、第四周波数帯域に含まれる場合に、動作モードを第四モードに設定してもよい。
【0026】
また、本実施の形態では、照明装置12は、第一モードにおいては、光源80の所定の発光特性を時間に対して変動させる。より具体的には、照明装置12は、第一モードにおいては、光源80の発光強度を時間に対して変動させる。つまり、照明装置12は、光源80に供給する電流量を時間に応じて変動させる。照明装置12は、例えば、周期的に光源80に供給する電流量を変動させてもよいし、不規則に(つまりランダムに)変動させてもよいし、1/f揺らぎの特性にしたがって変動させてもよい。また照明装置12は、第一モードにおいて、所定の時間にわたって光源80に点灯したのち、消灯してもよい。
【0027】
モード制御回路70は、例えば、マイコンによって実現できる。マイコンは、プログラムが格納されたROM、RAMなどのメモリと、プログラムを実行するプロセッサ(CPU)と、タイマと、A/D変換器、D/A変換器などを含む入出力回路とを有する1チップの半導体集積回路である。なお、モード制御回路70は、マイコン以外の電気回路などを用いて実現されてもよい。
【0028】
電流制御回路60は、モード制御回路70によって設定された動作モードに基づいて、光源80に供給する電流を制御する回路である。電流制御回路60には、平滑コンデンサ30の出力電圧が供給され、動作モードに基づいて光源80に電流を供給する。本実施の形態では、電流制御回路60は、第一モードにおいて、光源80の所定の発光特性を時間に対して変動させる。電流制御回路60は、第二モードにおいて、所定の検査期間にわたって、光源80の所定の発光特性を一定に維持する。このような第二モードでは、光源80の発光特性を検査しやすくなる。つまり、照明装置12によって、意図的に光源80の発光特性が変動させられないため、光源80が所定の発光特性で発光しているか否かを容易に検査できる。また、光源80の発光特性が変動している場合には、照明装置12による意図的な変動でなく、照明装置12又は光源80の異常に基づく変動であることを容易に検知できる。
【0029】
電流制御回路60は、例えば、出力電流を制御する制御回路を有するDC-DCコンバータなどによって実現できる。DC-DCコンバータとして、例えば、降圧チョッパ回路、昇降圧チョッパ回路などを用いることができる。制御回路は、例えば、マイコン、又はマイコン以外の電気回路などを用いて実現できる。なお、制御回路は、モード制御回路70に含まれていてもよい。
【0030】
[周波数検知方法]
本実施の形態に係る照明装置12における交流電圧の周波数検知方法について、図2図4を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係る照明装置12における交流電圧の時間波形の一例を示すグラフである。図2には、交流電圧の周波数が第二周波数帯域から第一周波数帯域に変化する場合の交流電圧の時間波形が示されている。図3は、平滑コンデンサ30によって平滑化された電圧の時間波形を示すグラフである。図4は、本実施の形態に係る微分回路40の出力電圧の時間波形を示すグラフである。
【0031】
本実施の形態に係る照明装置12に供給される交流電圧の周波数は、図2に示されるように、第一周波数帯域、又は第二周波数帯域に含まれる。本実施の形態では、第一周波数帯域は、商用電源周波数を含む周波数帯域である。図2に示される例では、交流電圧の周波数は、交流電圧の供給開始から所定の時間にわたって第二周波数帯域に含まれる100Hzであり、所定の時間経過後に第一周波数帯域に含まれる60Hzに変化している。
【0032】
図2に示されるように周波数が変化する交流電圧が照明装置12に供給される場合における、モード制御回路70の動作例の概要について説明する。
【0033】
まず、モード制御回路70が、交流電圧の供給が開始された時点から所定の時間内において交流電圧の周波数を検知し、それ以降、交流電圧の供給が停止されるまで検知しない場合について説明する。このような場合には、図2に示されるような交流電圧が照明装置12に供給される際、モード制御回路70は、交流電圧の周波数帯域を第二周波数帯域と検知し、動作モードを第二モードに設定する。モード制御回路70は、それ以降、交流電圧の供給が停止されるまで交流電圧の周波数を検知しない。このため、交流電圧の周波数が第一周波数帯域に含まれる60Hzに変化しても、モード制御回路70は、動作モードを第二モードに維持する。モード制御回路70がこのようなタイミングで交流電圧の周波数を検知することにより、動作モードが第二モードに設定された後、交流電圧の供給が停止されるまで、動作モードが変更されないため、照明装置12に第二周波数帯域以外の周波数の交流電圧を供給している状態で、第二モードで動作させることができる。つまり、任意の周波数の交流電圧を供給している状態で、第二モードで動作させることができる。これにより、例えば、商用電源周波数の交流電圧を供給する場合における照明装置12の第二モードでの動作状態を検査することが可能となる。
【0034】
次に、モード制御回路70が、所定の時間間隔で周期的に交流電圧の周波数を検知する場合について説明する。このような場合には、図2に示されるような交流電圧が供給される際、モード制御回路70は、まず、交流電圧の周波数帯域を第二周波数帯域と検知し、動作モードを第二モードに設定する。モード制御回路70は、それ以降、周期的に交流電圧の周波数を検知する。このため、交流電圧の周波数が第一周波数帯域に含まれる60Hzに変化した後、モード制御回路70は、交流電圧の周波数が第一周波数帯域であることを検知し、動作モードを第一モードに設定する。このようにモード制御回路70が周期的に交流電圧の周波数を検知することにより、交流電圧の周波数を変化させることで、動作モードを速やかに変化させることができる。
【0035】
以下、周波数検知方法の具体例について説明する。照明装置12に供給される交流電圧は、整流回路20によって、図3の破線のグラフで示されるように、整流される。このように整流回路20によって整流された電圧は、交流電圧の周波数の2倍の周波数を有する電圧信号となる。このように整流された電圧は、平滑コンデンサ30によって、図3の実線のグラフで示されるように平滑化される。平滑化された電圧は、図3に示されるように、リップルを有する。図3に示される例では、リップルの大きさがΔVで示されている。なお、リップルの大きさΔVは、平滑コンデンサ30の容量によって定まる時定数に応じて変化するが、通常の平滑回路では、リップルの大きさΔVはゼロより大きい。
【0036】
このように、平滑コンデンサ30の出力電圧には、リップルが含まれるため、当該出力電圧が印加された微分回路40の出力電圧の波形には、図4に示されるように、パルス状の信号が含まれる。パルス状の信号は、リップルが発生する周期毎に発生する。図4のグラフに示される波形は、交流電圧の周波数が60Hzである場合の波形であり、60Hzの2倍の120Hzの周波数に対応する周期毎に発生するパルス状の信号が含まれる。微分回路40から図4に示されるような出力電圧が入力されたモード制御回路70は、電圧波形に含まれるパルス状の信号の周波数を検出することで、交流電圧の周波数を検知する。
【0037】
以上のように、モード制御回路70は、交流電圧の周波数を検知できる。また、図4に示されるように、モード制御回路70に入力される微分回路40の出力電圧を数V程度に低減することが可能となるため、モード制御回路70の信号入力部の耐電圧を低減できる。
【0038】
本実施の形態では、以上のようにモード制御回路70が交流電圧の周波数を検知したが、周波数検知方法は、これに限定されない。例えば、モード制御回路70は、上述したように、交流電圧が整流回路20などを介することなく直接入力されて、入力された交流電圧に基づいて交流電圧の周波数を検知してもよい。モード制御回路70は、例えば、内部に整流回路、微分回路などを有し、入力された100V程度の交流電圧に基づいて周波数を検知してもよい。これにより、交流電圧の周波数を検知するための、交流電源14からモード制御回路70までの構成を簡素化することができる。
【0039】
[動作モード]
本実施の形態に係る照明装置12の動作モードについて図5図7を用いて説明する。図5は、本実施の形態に係る照明装置12の第一モードの一例を説明する模式的なグラフである。図6及び図7は、それぞれ、本実施の形態に係る照明装置12の第二モードの一例及び他の一例を説明する模式的なグラフである。
【0040】
本実施の形態に係るモード制御回路70は、検知した交流電圧の周波数が第一周波数帯域に含まれる場合に、動作モードを第一モードに設定し、検知した交流電圧の周波数が第二周波数帯域に含まれる場合に、動作モードを第二モードに設定する。モード制御回路70は、設定した動作モードに対応する信号を電流制御回路60に送信する。
【0041】
電流制御回路60は、モード制御回路70によって設定された動作モードに基づいて光源80に供給する電流を制御する。本実施の形態では、電流制御回路60は、第一モードにおいて、光源80の所定の発光特性を時間に対して変動させる。例えば、電流制御回路60は、光源80に供給する電流量を変動させることで、光源80の発光強度を変動させる。図5に示される例では、電流制御回路60は、光源80に供給する電流量を周期Taで周期的に変動させる。なお、電流制御回路60は、光源80に供給する電流量を周期的に変動させてもよいし、変動させる周期Taも所定の期間毎に変動させてもよい。また、電流制御回路60は、光源80に供給する電流量を、不規則に変動させてもよいし、1/f揺らぎの特性にしたがって変動させてもよい。また、電流制御回路60は、タイマを有し、タイマに基づいて、所定の点灯時間にわたって光源80を点灯した後、消灯してもよい。また、電流制御回路60は、発光強度以外の発光特性を変動させてもよい。例えば、光源80の発光色を変えられる場合には、電流制御回路60は、光源80の発光色を時間に対して変動させてもよい。この場合、光源80は、例えば、複数の発光色にそれぞれ対応する複数の発光素子を有し、電流制御回路60は、発光素子の発光色に応じて、供給する電流量を異ならせてもよい。
【0042】
電流制御回路60は、第二モードにおいて、所定の検査期間にわたって、光源80の所定の発光特性を一定に維持する。例えば、図6に示されるように、電流制御回路60は、光源80に供給する電流量を一定に維持することで、光源80の発光強度を一定に維持してもよい。これにより、第二モードにおける光源80の発光強度を検出することで、照明装置12の供給電流量、及び、光源80の発光強度特性を検査できる。なお、所定の検査期間にわたって一定に維持される発光特性は、発光強度に限定されない。例えば、電流制御回路60は、所定の検査期間にわたって、光源80の発光色を一定に維持してもよい。検査期間の長さは、光源80の発光特性を検査できる期間であれば特に限定されない。検査期間の長さは、例えば、1秒以上、60秒以下であってもよい。
【0043】
また、電流制御回路60は、第二モードでは、所定の識別期間において、光源80に、照明装置12の種類に対応する発光を行わせてもよい。例えば、電流制御回路60は、図7に示されるように、識別期間において、断続的に電流を供給することで、所定の回数だけ光源80を点滅させてもよい。例えば、識別期間に光源80が点滅する回数と、照明装置12の種類、型番などとを対応付けることで、識別期間に光源80が点滅する回数に基づいて、照明装置12の種類、型番などを識別できる。これにより、照明装置12に記載された型番などを確認することなく、容易に、照明装置12の種類、型番などを識別できる。
【0044】
また、電流制御回路60は、第二モードでは、所定の識別期間において、光源80に、照明装置12の種類に対応する発光動作を行わせた後に、所定の検査期間にわたって、光源80の所定の発光特性を一定に維持してもよい。例えば、図7に示されるように、電流制御回路60は、所定の識別期間において、光源80に、照明装置12の種類に対応する発光動作(つまり、所定回数の点滅)を行わせた後に、所定の検査期間にわたって、光源80の発光強度を一定に維持してもよい。これにより、識別期間において、照明装置12の種類、型番などを検知でき、かつ、検査期間において照明装置12の供給電流量、及び、光源80の発光強度特性を検査できる。なお、電流制御回路60は、識別期間における照明装置12に対応する光源80の発光は、点滅に限定されない。例えば、電流制御回路60は、照明装置12の種類に対応する回数だけ光源80の発光色を変化させてもよいし、照明装置12の種類に対応する発光色で光源80を発光させてもよい。
【0045】
また、第二モードは、互いに異なる複数の動作モードを含んでもよい。例えば、第二モードは、第三モード及び第四モードを含んでもよい。つまり、モード制御回路70が交流電圧の周波数を第三周波数帯域と検知した場合に、モード制御回路70は動作モードを第三モードに設定し、モード制御回路70が交流電圧の周波数を第四周波数帯域と検知した場合に、モード制御回路70は動作モードを第四モードに設定してもよい。例えば、電流制御回路60は、第三モードにおいて、所定の検査期間にわたって、光源80の所定の発光特性を一定に維持し、第四モードにおいて、光源80の発光色を一定に維持してもよい。
【0046】
以上のように、本実施の形態に係る照明装置12では、照明装置12に供給する交流電圧の周波数を変更するだけで、照明装置12の動作モードを変更できる。したがって、照明装置12に、動作モードを変更するための信号を入力するための信号入力端子を追加することなく、簡素化された構成で、動作モードを変更できる照明装置12を実現できる。
【0047】
[効果など]
以下、本明細書の開示内容から得られる発明を例示し、当該発明から得られる効果などについて説明する。
【0048】
第1の態様に係る照明装置12は、交流電圧が供給されることによって、光源80を発光させる装置であって、照明装置12の動作モードを制御するモード制御回路70と、動作モードに基づいて、光源80に供給する電流を制御する電流制御回路60とを備え、モード制御回路70は、所定のタイミングにおいて交流電圧の周波数を検知し、交流電圧の周波数が第一周波数帯域に含まれる場合に、動作モードを第一モードに設定し、交流電圧の周波数が第一周波数帯域に含まれない場合に、動作モードを第一モードと異なる第二モードに設定する。
【0049】
このような照明装置12によれば、照明装置12に供給する交流電圧の周波数を変更するだけで、照明装置12の動作モードを変更できる。したがって、照明装置12に、動作モードを変更するための信号を入力するための信号入力端子を追加することなく、簡素化された構成で、動作モードを変更できる照明装置12を実現できる。
【0050】
第2の態様に係る照明装置12では、第1の態様において、電流制御回路60は、第一モードにおいて、光源80の所定の発光特性を時間に対して変動させる。
【0051】
このように、第一モードにおいて光源80の発光特性を時間に対して変動させる照明装置12において、動作モードを第一モードと異なる第二モードに容易に変更できる。したがって、照明装置12の動作モードを、例えば、光源80の発光特性を時間に対して変化させない第二モードなどに容易に変更できる。
【0052】
第3の態様に係る照明装置12では、第1又は第2の態様において、電流制御回路60は、第二モードにおいて、所定の検査期間にわたって、光源80の所定の発光特性を一定に維持する。
【0053】
これにより、光源80の発光特性を検査しやすくなる。つまり、照明装置12によって、意図的に光源80の発光特性が変動させられないため、光源80が所定の発光特性で発光しているか否かを容易に検査できる。また、光源80の発光特性が変動している場合に、照明装置12による意図的な変動でなく、照明装置12又は光源80の異常に基づく変動であることを容易に検知できる。
【0054】
第4の態様に係る照明装置12では、第1~第3のいずれか一つの態様において、モード制御回路70は、交流電圧の周波数が、第一周波数帯域とは異なる第二周波数帯域に含まれる場合に、動作モードを第二モードに設定する。
【0055】
これにより、交流電圧が、第一周波数帯域及び第二周波数帯域以外の周波数である場合に、動作モードが第二モードに設定されることを抑制できる。例えば、交流電源の故障などに起因して、交流電圧の周波数が、第一周波数帯域及び第二周波数帯域以外の周波数となる場合に、動作モードが第二モードに設定されることを抑制できる。
【0056】
第5の態様に係る照明装置12では、、第1~第4のいずれか一つの態様において、第二モードは、第三モードと、第三モードと異なる第四モードとを含み、第二周波数帯域は、第三周波数帯域と、第三周波数帯域と異なる第四周波数帯域とを含み、モード制御回路70は、交流電圧の周波数が、第三周波数帯域に含まれる場合に、動作モードを第三モードに設定し、交流電圧の周波数が、第四周波数帯域に含まれる場合に、動作モードを第四モードに設定する。
【0057】
これにより、第一モードと異なる複数のモードで照明装置12を動作させることができる。
【0058】
第6の態様に係る照明装置12では、第1~第5のいずれか一つの態様において、交流電圧を整流する整流回路20と、整流回路20の出力電圧を平滑化する平滑回路(例えば、平滑コンデンサ30)とを備え、モード制御回路70は、平滑回路の出力電圧又は出力電流に基づいて交流電圧の周波数を検知する。
【0059】
これにより、平滑回路の出力電圧又は出力電流に含まれるリップルなどを利用して、交流電圧の周波数を検知できる。
【0060】
第7の態様に係る照明装置12では、第1~第6のいずれか一つの態様において、照明装置12は、平滑回路の出力電圧を微分してモード制御回路70に出力する微分回路40を備える。
【0061】
これにより、微分回路40から、平滑回路の出力電圧に含まれるリップルが発生する周波数に対応するパルス状の信号を出力することができる。したがって、当該パルス状の信号の周波数を検出することで、交流電圧の周波数を検知できる。
【0062】
第8の態様に係る照明装置12では、第1~第5のいずれか一つの態様において、モード制御回路70は、交流電圧が入力され、入力された交流電圧に基づいて交流電圧の周波数を検知する。
【0063】
これにより、交流電圧の周波数を検知するための、交流電源14からモード制御回路70までの構成を簡素化することができる。
【0064】
第9の態様に係る照明装置12では、第1~第8のいずれか一つの態様において、電流制御回路60は、第二モードでは、所定の識別期間において、光源80に、照明装置12の種類に対応する発光を行わせる。
【0065】
これにより、照明装置12に記載された型番などを確認することなく、容易に、照明装置12の種類、型番などを識別できる。
【0066】
第10の態様に係る照明装置12では、第1~第8のいずれか一つの態様において、電流制御回路60は、第二モードでは、所定の識別期間において、光源80に、照明装置12の種類に対応する発光動作を行わせた後に、所定の検査期間にわたって、光源80の所定の発光特性を一定に維持する。
【0067】
これにより、識別期間において、照明装置12に記載された型番などを確認することなく、容易に、照明装置12の種類、型番などを識別でき、かつ、検査期間において、光源80の発光特性を容易に検査できる。
【0068】
第11の態様に係る照明器具10は、第1~第10のいずれか一つの態様に係る照明装置12と、光源80とを備える。
【0069】
これにより、照明装置12と同様の効果が奏される。
【0070】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0071】
例えば、上記実施の形態においては、第一モードにおいて、光源80の所定の発光特性を時間に対して変動させ、第二モードにおいて、所定の検査期間にわたって、光源80の所定の発光特性を一定に維持したが、各動作モードの構成はこれらに限定されない。例えば、第一モードにおいて、光源80の所定の発光特性を一定に維持し、第二モードにおいて、光源80の所定の発光特性を時間に対して変動させてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態に係る電流制御回路60は、第二モードでは、所定の識別期間において、光源80に、照明装置12の種類に対応する発光動作を行わせた後に、所定の検査期間にわたって、光源80の所定の発光特性を一定に維持したが、第二モードの構成はこれに限定されない。例えば、電流制御回路60は、第二モードにおいて、所定の検査期間にわたって、光源80の所定の発光特性を一定に維持した後に、所定の識別期間において、光源80に、照明装置12の種類に対応する発光動作を行わせてもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、光源80がLEDなどの固体発光素子を含んだが、光源80の構成はこれに限定されない。例えば、光源80は白熱ランプなどであってもよい。
【0074】
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
10 照明器具
12 照明装置
14 交流電源
20 整流回路
30 平滑コンデンサ
40 微分回路
42 コンデンサ
44 抵抗
50 電源回路
60 電流制御回路
70 モード制御回路
80 光源
T1、T2 入力端子
T3、T4 出力端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7