(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017154
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】遺失物管理装置、サーバ装置、遺失物管理システム、遺失物管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240201BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119607
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】中村 純也
(72)【発明者】
【氏名】福田 直人
(72)【発明者】
【氏名】出口 貴也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】拾得者の遺失物の届出へのモチベーションを高める。
【解決手段】実施形態に係る遺失物管理装置1は、遺失物を収納する収納部101と、拾得者が遺失物を収納部101に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける入力部102と、前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する送信部103と、遺失物が収納された収納部101の施錠状態を制御する制御部104と、会員情報データベースに拾得者の会員情報が登録されている場合、拾得者が遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する出力部105とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺失物を収納する収納部と、
拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける入力部と、
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する送信部と、
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する制御部と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する出力部と、
を備える、遺失物管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合に前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御するか、又は、
前記会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されていない場合、前記入力部は、拾得者情報の入力をさらに受け付け、前記制御部は、拾得者情報が入力された場合に、前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する、
請求項1に記載の遺失物管理装置。
【請求項3】
遺失者が前記収納部に収納された前記遺失物を引き取る際に、前記入力部は、遺失者情報の入力を受け付け、
前記制御部は、前記遺失者情報を用いて、前記遺失物管理データベースの前記遺失物情報を更新するとともに、前記収納部から前記遺失物を取出し可能とする、
請求項1又は2に記載の遺失物管理装置。
【請求項4】
前記遺失者の生体情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された生体情報と、前記遺失者が前記収納部に収納された前記遺失物を引き取る際に所持する、本人確認証の認証情報とを照合して、本人認証を行う認証部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記認証部による本人認証が成功した場合に前記収納部からの前記遺失物の取出しを可能とする、
請求項3に記載の遺失物管理装置。
【請求項5】
前記遺失者の生体情報を取得する取得部と、
前記遺失物が認証情報を含む本人確認証である場合、前記取得部により取得された生体情報と、前記本人確認証の認証情報とを照合して本人認証を行う認証部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記認証部による本人認証が成功した場合に前記収納部からの前記遺失物の取出しを可能とする、
請求項3に記載の遺失物管理装置。
【請求項6】
前記遺失物の所定の保管期限が経過したことに応じて、警察に前記遺失物情報を通知する通知部をさらに備える、
請求項1に記載の遺失物管理装置。
【請求項7】
前記収納部は、異なる複数の場所に設置されており、
該拾得者によって入力された遺失物情報に応じて、該遺失物を収納するための収納部の場所を示す場所情報を出力する情報出力部をさらに備える、
請求項1に記載の遺失物管理装置。
【請求項8】
前記拾得者の拾得履歴を管理する履歴管理部をさらに備える、
請求項1に記載の遺失物管理装置。
【請求項9】
前記遺失物の画像を取得する撮像部をさらに備え、
前記画像は、遺失物情報として入力される、
請求項1に記載の遺失物管理装置。
【請求項10】
前記遺失物管理データベースは、前記遺失物情報を検索可能に格納する、
請求項1に記載の遺失物管理装置。
【請求項11】
コンピュータが、
拾得者が遺失物を収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付け、
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信し、
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御し、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する、
遺失物管理方法。
【請求項12】
拾得者が遺失物を収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける処理と、
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する処理と、
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する処理と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項13】
遺失物管理装置の収納部に遺失物を収納する拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する取得部と、
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する登録部と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者に特典情報を付与する特典付与部と、
を備える、サーバ装置。
【請求項14】
前記特典付与部は、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に前記会員情報を更新して、特典情報を付与する、
請求項13に記載のサーバ装置。
【請求項15】
コンピュータが、
遺失物管理装置の収納部に遺失物を収納する拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得し、
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録し、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者に特典情報を付与する、
遺失物管理方法。
【請求項16】
遺失物管理装置の収納部に遺失物を収納する拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する処理と、
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する処理と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者に特典情報を付与する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項17】
遺失物管理装置と、該遺失物管理装置と通信可能なサーバとを備え、
前記遺失物管理装置は、
遺失物を収納する収納部と、
拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける入力部と、
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する送信部と、
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する制御部と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する出力部と、
を有し、
前記サーバは、
前記拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する取得部と、
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する登録部と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記特典情報を付与する特典付与部と、
を有する、
遺失物管理システム。
【請求項18】
コンピュータが、
拾得者が遺失物を収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付け、
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信し、
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御し、
前記拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得し、
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録し、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、特典情報を付与し、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する、
遺失物管理方法。
【請求項19】
拾得者が遺失物を収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける処理と、
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する処理と、
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する処理と、
前記拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する処理と、
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する処理と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、特典情報を付与し、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遺失物管理装置、サーバ装置、遺失物管理システム、遺失物管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物品を拾得した拾得者が、拾得物を然るべき場所に届けやすくなる拾得物管理システムが開示されている。この拾得物管理システムでは、拾得者が拾得物を持って拾得物収納装置の前まで来て、拾得者からの拾得物収納要求があった場合に、拾得物収納装置が拾得者の本人認証を行い、本人認証の結果に基づいて、拾得物が収納される収納部の施錠状態を制御する。また、拾得物の外観上の特徴を示す特徴情報が、撮像部による撮影や拾得者による文字列の入力により取得される。この特徴情報と、拾得物が収納された収納部を識別するための特徴情報とが対応付けられて、拾得物データベースに登録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、拾得者自身が、拾得物を拾得物収納装置まで持っていく作業に加え、拾得者の本人認証に必要な情報の登録作業や、拾得物の特徴情報の入力作業等、拾得者に係る負担が大きい。このため、拾得者が忘れ物や落とし物等の遺失物を積極的に拾得して、届け出るモチベーションが上がり難いという問題がある。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、拾得者の遺失物の届出へのモチベーションを高めることが可能な遺失物管理装置、サーバ装置、遺失物管理システム、遺失物管理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る遺失物管理装置は、遺失物を収納する収納部、入力部、送信部、制御部、出力部を備える。入力部は、拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける。送信部は、前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する。制御部は、前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する。出力部は、会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する。
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが以下の処理を実行する。
拾得者が遺失物を収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける。
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する。
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する。
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、以下の処理をコンピュータに実行させるものである。
拾得者が遺失物を収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける処理。
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する処理。
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する処理。
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する処理。
【0009】
本開示の一態様に係るサーバは、取得部、登録部、特典付与部を含む。取得部は、遺失物管理装置の収納部に遺失物を収納する拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する。登録部は、前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する。特典付与部は、会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者に特典情報を付与する。
【0010】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが以下の処理を実行する。
遺失物管理装置の収納部に遺失物を収納する拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する。
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する。
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者に特典情報を付与する。
【0011】
本開示の一態様に係るプログラムは、以下の処理をコンピュータに実行させるものである。
遺失物管理装置の収納部に遺失物を収納する拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する処理。
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する処理。
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者に特典情報を付与する処理。
【0012】
本開示の一態様に係る遺失物管理システムは、遺失物管理装置と、該遺失物管理装置と通信可能なサーバとを備える。前記遺失物管理装置は、遺失物を収納する収納部、入力部、送信部、制御部、出力部を有する。入力部は、拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける。送信部は、前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する。制御部は、前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する。出力部は、会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する。サーバは、取得部、登録部、特典付与部を有する。取得部は、前記拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する。登録部は、前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する。特典付与部は、会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記特典情報を付与する。
【0013】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが以下の処理を実行する。
拾得者が遺失物を収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける。
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する。
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する。
前記拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する。
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する。
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、特典情報を付与し、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する。
【0014】
本開示の一態様に係るプログラムは、以下の処理をコンピュータに実行させるものである。
拾得者が遺失物を収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける処理。
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する処理。
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する処理。
前記拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する処理。
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する処理。
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、特典情報を付与し、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する処理。
【発明の効果】
【0015】
本開示により、拾得者の遺失物の届出へのモチベーションを高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態1に係る遺失物管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態1に係るサーバの動作を説明するフローチャートである。
【
図4】実施形態2に係る遺失物管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施形態2に係る遺失物管理方法の流れを説明するフローチャートである。
【
図6】実施形態3に係る遺失物管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図7】遺失物管理装置の構成の一例を示す図である。
【
図9】
図7の遺失物管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図11】顔情報登録処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】遺失者端末の構成を示すブロック図である。
【
図14】実施形態3に係る遺失物管理方法の流れを示すシーケンス図である。
【
図15】顔認証処理の流れを示すフローチャートである。
【
図17】遺失者が遺失物を引取りにきた際の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0018】
実施形態は、忘れ物や落とし物などの遺失物を管理する技術に関する。以下、ある人物が物品を遺失した場合、その物品を遺失物とし、その人物を遺失者とする。また、落ちていた物品が他の人物によって拾われた場合、その物品を拾得した人物を拾得者とする。また、遺失物を管理する実施形態に係る遺失物管理装置を利用する人物を、ユーザとする。拾得者は、実施形態に係る遺失物管理装置が設置された施設の会員として登録されるユーザである。以下、会員登録を行う際には「ユーザ」、遺失物を拾得した際には「拾得者」とわけて表記する場合がある。
【0019】
駅などの施設において遺失物が拾得された場合、その遺失物は、一定期間、施設に保管される。施設には、保管している遺失物に関する情報をデータベースで管理する管理システムが導入されている場合がある。施設職員は、拾得者から拾得日時、拾得場所、報労金を受ける権利及び所有権を取得する権利を留保するか否か等をヒアリングし、遺失物の種類、色、大きさ、貴重品であるか否か等の特徴とともに管理システムに入力する。また、施設職員は、一定期間保管しても遺失者が現れない場合、保管した遺失物の廃棄又は警察への引渡し等の作業を行う。
【0020】
遺失者が現れた場合、施設職員は、遺失者から遺失日時、遺失場所、遺失物の特徴をヒアリングして、聞き出した情報に基づき、管理システムを用いて遺失物を検索して特定する。そして、施設職員は、特定された遺失物を遺失者に引渡す作業を行う。遺失物の引渡しには、遺失者の送付先宛に発送する発送手続きを行う場合もある。このように、遺失物が拾得された場合、施設職員による目視、口頭での確認作業や入力作業等が必要となり、施設職員に掛る負担が大きくなっていた。
【0021】
また、特許文献1に記載されているように、拾得者自身が、遺失物を届ける際に遺失物に関する情報の入力等を行う場合、拾得者にかかる負担が大きくなり、拾得者の遺失物の届出に対するモチベーションが低下する。そこで、実施形態では、拾得者の遺失物の届出へのモチベーションを高めるため、以下の構成を備える。
【0022】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る遺失物管理装置1の構成を示すブロック図である。
図2は、実施形態1に係るサーバ200の構成を示すブロック図である。遺失物管理装置100とサーバ200とは、ネットワーク、又は、所定の無線通信により接続され、遺失物管理システムとして機能する。遺失物管理装置100は、サーバ200と協同することで、拾得者の遺失物の届出に対して特典情報(インセンティブ)を付与することで、遺失物を拾得するモチベーションを増大させることが可能な装置である。遺失物管理装置100は、駅や空港、ショッピングモール等の施設内に設置されることが想定される。遺失物管理装置100は、イベント会場に設置されていてもよい。
【0023】
図1に示すように、遺失物管理装置100は、収納部101、入力部102、送信部103、制御部104、出力部105を含む。遺失物管理装置100は、サーバ200により会員情報データベースに登録されたユーザの会員情報を利用する。管理対象となるユーザは、遺失物を拾得した際に付与される特典情報を利用可能な会員制度に登録した拾得者である。特典情報は、例えば、遺失物の拾得回数等に応じて付与されるポイントや、クーポン等であり得る。会員であるユーザは、例えば、累計ポイントに応じた所定のサービスや、クーポンによる対象商品の割引が得られる。
【0024】
ユーザは、例えば、氏名、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス等)、その他ユーザに関する所定の事項(ユーザ情報)を申込書に記載して、遺失物管理装置1が設置される施設に提出することで会員として登録される。なお、ユーザが所持する端末を用いて、会員登録用のウェブページから所定の事項を送信してもよい。また、ユーザは、端末にインストールされたアプリケーションプログラムを介して所定の事項を送信してもよい。また、ユーザは、遺失物を遺失物管理装置1まで持ってきた際に、遺失物管理装置1に設けられた入力部12から所定の事項を入力して、会員登録を行うことも可能である。
【0025】
なお、SUICA(登録商標)や、PASMO(登録商標)等の交通系ICカードの発行時には、所定の窓口への書類や身分証明書の提出等の手続きが求められる場合がある。この場合、ユーザは、交通系ICカードに紐づけられた情報を用いて、上述の会員登録を行うことも可能である。また、ユーザは、会員登録の際に、決済に使用できる電子マネー等の決済情報を予め登録することも可能である。このような決済情報もまた、ユーザ情報に含まれる。
【0026】
各会員には、固有の識別情報として、会員番号等のユーザIDが付与され得る。個々のユーザIDには、上述のユーザ情報に加えて、ユーザの遺失物の拾得履歴、獲得・使用した特典情報(ポイント、クーポン等)を含む各種属性情報が紐づけられる。すなわち、会員情報には、氏名、連絡先、決済情報を含むユーザ情報及び各種属性情報が含まれる。
【0027】
なお、ユーザは、会員登録の際に、自身の生体情報(顔、指紋など)を予め登録してもよい。生体情報を用いた生体認証として、撮影画像を利用した種々の技術を適用可能である。生体情報としては、顔、指紋、声紋、静脈、網膜、瞳の虹彩といった個人に固有の身体的特徴に基づくデータ(特徴量)を用いることができる。
【0028】
例えば、ユーザは、自身の拾得者端末に設けられているカメラで自身の顔画像を撮影し、生成された顔画像を生体情報(登録用)として遺失物管理装置1又は認証装置に送信することができる。なお、施設内に設置される遺失物管理装置1に、ユーザの顔画像を撮影する撮像部を設けていてもよい。
【0029】
収納部101は、拾得者が拾得した遺失物を収納する。遺失物管理装置1は、例えば、複数の納品庫を備えるロッカーであり得る。収納部101は、例えば、ロッカーの1つの納品庫に対応する。なお、収納部101は、複数の物品を一度に収納できる棚等を備える保管庫であってもよい。また、遺失物管理装置1は、例えば、傘を1本ずつ保持する複数個のホルダや、ワイヤーロックを有する傘立てであってもよい。収納部101は施錠可能であり、拾得者が遺失物を収納した後に施錠される。各収納部101には、収納部101をそれぞれ識別するための収納部識別情報が付与されている。
【0030】
入力部102は、拾得者が遺失物を収納部101に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するための情報と遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける。入力部102は、例えば、タッチパネルやキーボード等の入力デバイスであり得る。例えば、拾得者が会員IDを入力することで、会員情報が特定される。また、入力部102は、図示しない読取装置で交通系ICカードを読み取って、会員情報を取得することもできる。また、入力部102は、図示しない撮像部により撮影された拾得者の撮影画像を取得することも可能である。この場合、撮影画像に基づく本人認証を行うことで、会員情報が特定される。
【0031】
送信部103は、前記会員情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する。送信部103は、遺失物情報と、遺失物が収納された収納部101の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに送信することができる。なお、実施形態1では、送信部103は、これらの情報をサーバ200に送信する。後述するように、サーバ200は、遺失物情報と遺失物が収納された収納部101の情報とを紐付けて、遺失物データベースに登録する機能を備える。
【0032】
制御部104は遺失物が収納された収納部11の施錠状態を制御する。制御部104は、例えば、会員情報データベースに拾得者の会員情報が登録されている場合に遺失物が収納された収納部101の施錠状態を制御することができる。又は、会員情報データベースに拾得者の会員情報が登録されていない場合、入力部102は、拾得者情報の入力をさらに受け付ける。制御部104は、拾得者情報が入力された場合に、遺失物が収納された収納部101の施錠状態を制御することが可能である。このように、遺失物を収納部101に収納する際に、会員情報や拾得者情報が存在するか否かを確認することで、収納部101に収納するのにふさわしくない物が収納されるのを防止することができる。
【0033】
出力部105は、会員情報データベースに拾得者の会員情報が登録されている場合、拾得者が遺失物を収納部101に収納する際に特典情報を出力する。出力部105は、例えば表示装置であり、サーバ200から送信される、遺失物の届出の際に付与された特典情報を表示することができる。
【0034】
図2に示すように、サーバ200は、取得部201、登録部202、特典付与部203を含む。取得部201は、遺失物管理装置100の収納部101に遺失物を収納する拾得者の会員情報と、遺失物の遺失物情報と、遺失物が収納された収納部101の情報を取得する。取得部201は、遺失物管理装置100の収納部101から入力された拾得者の会員情報を特定するための情報を用いて、会員情報データベースから拾得者の会員情報を取得することができる。
【0035】
登録部202は、取得した情報のうち、遺失物情報と、遺失物が収納された収納部101の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する。登録部202は、取得した会員情報を拾得者情報として、遺失物情報と、遺失物が収納された収納部101の情報に紐づけて遺失物管理データベースに登録してもよい。特典付与部203は、会員情報データベースに拾得者の会員情報が登録されている場合、特典情報を付与する。特典付与部203は、会員情報を更新して特典情報を付与することができる。
【0036】
上述したように、特典情報には、遺失物の拾得回数等に応じて付与されるポイントや、クーポン等が含まれる。例えば、交通系ICカード紐づけられた会員情報に特典情報が付与された場合、該交通系ICカードにチャージされた電子マネーで決済処理を実行する際に、特典情報を自動的に適用して割引等を受けることができる。付与された特典情報は、会員情報として会員情報データベースに格納され得る。また、サーバ200は、出力部105による特典情報を遺失物管理装置100に送信してもよい。
【0037】
ここで、
図3を参照して、サーバ200の動作について説明する。
図3は、実施形態1に係るサーバ200の動作の流れを示すフローチャートである。まず、取得部201は、遺失物管理装置100の収納部101に遺失物を収納する拾得者の会員情報と、遺失物の遺失物情報と、遺失物が収納された収納部101の情報を取得する(S101)。次に、登録部202は、遺失物情報と、遺失物が収納された収納部101の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する(S102)。そして、特典付与部16は、拾得者が遺失物を収納部に収容する際に、特典情報を付与する(S103)。
【0038】
このように実施形態1に係る遺失物管理装置100とサーバ200とを含む遺失物管理システムでは、拾得者が拾得した遺失物を収納部11内に収納すると、拾得者に特典情報を付与することができる。このため、拾得者が、遺失物を積極的に拾得して届け出るモチベーションを高めることができる。
【0039】
<実施形態2>
図4は、実施形態2に係る遺失物管理装置1の構成を示すブロック図である。遺失物管理装置1は、拾得者の遺失物の届出に対して特典情報(インセンティブ)を付与することで、遺失物を拾得するモチベーションを増大させることが可能な装置である。遺失物管理装置1は、駅や空港、ショッピングモール等の施設内に設置されることが想定される。実施形態2は、実施形態1においてサーバ200が有する登録部や特典付与部の機能を、遺失物管理装置1が有する例である。遺失物管理装置1は、収納部11、入力部12、登録部13、判断部14、制御部15、特典付与部16を含む。
【0040】
遺失物管理装置1は、ネットワーク(不図示)、又は、所定の無線通信により、所定のサーバや端末と接続される。ネットワークは、有線か無線であるかを問わないし、通信プロトコルの種別を問わない。所定のサーバは、会員情報データベースや、遺失物管理データベースを含む。また、所定の端末は、拾得者が所持する拾得者端末、遺失者が所持する遺失者端末等を含む。
【0041】
遺失物管理装置1は、ユーザの会員情報をデータベース化して管理している。管理対象は、実施形態1と同様に、遺失物を拾得した際に付与される特典情報を利用可能な会員制度に登録した拾得者である。なお、収納部11は収納部101に対応し、入力部12は入力部102に対応し、制御部15は制御部104に対応する。また、登録部13は登録部202に対応し、特典付与部16は特典付与部203に対応する。以下、重複した説明は適宜省略する。
【0042】
判断部14は、会員情報データベースに拾得者の会員情報が登録されているか否かを判断する。特典付与部16は、判断部14の判断結果に応じて、会員情報データベースに拾得者の会員情報が登録されている場合、特典情報を付与することができる。
【0043】
図5は、実施形態2にかかる遺失物管理方法の流れを示すフローチャートである。まず、入力部12は、拾得者が遺失物を収納部に収容する際に、遺失物情報の入力を受け付ける(S11)。次に、登録部13は、遺失物情報と、遺失物が収容された収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する(S12)。
【0044】
そして、判断部14は、会員情報データベースに拾得者の会員情報が登録されているか否かを判断する(S13)。また、制御部15は、遺失物が収容された収納部11の施錠状態を制御する(S14)。そして、特典付与部16は、拾得者が遺失物を収納部に収容する際に会員情報を更新して、特典情報を付与する(S15)。
【0045】
このように実施形態2に係る遺失物管理装置1は、拾得者が拾得した遺失物を収納部11内に収納すると、拾得者の会員情報を更新して特典情報を付与する。このため、拾得者が、拾得物を拾得物収納装置まで持っていく作業や、拾得者の本人認証に必要な情報の登録作業や、拾得物の特徴情報の入力作業等があったとしても、遺失物を積極的に拾得して届け出るモチベーションを高めることができる。また、特典情報の付与が自動的に行われるため、施設職員の業務負担が増えることを抑制することができる。
【0046】
なお、遺失物管理装置1は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備える。当該記憶装置には、実施形態2に係る遺失物管理方法の各処理をコンピュータに実行させるプログラムが記憶されている。当該プロセッサは、記憶装置からプログラムをメモリへ読み込ませ、当該プログラムを実行する。これにより、プロセッサは、入力部12、登録部13、判断部14、制御部15、特典付与部16の各機能を実現する。
【0047】
又は、遺失物管理装置1の各構成要素は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用又は線用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0048】
また、遺失物管理装置1の各構成要素の一部又は全部が複数の装置や回路等により実現される場合には、複数の装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。複数の装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、遺失物管理装置1の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0049】
<実施形態3>
実施形態3は、上述した実施形態2の具体例である。
図6は、実施形態3にかかる遺失物管理システムMSの全体構成を示すブロック図である。遺失物管理システムMSは、サーバ10、拾得者端末20、遺失物管理装置30、認証装置40、遺失者端末500を含む。ここでは、サーバ10と遺失物管理装置30とが協同して、実施形態に係る遺失物管理方法を実現するものとする。
【0050】
サーバ10、遺失物管理装置30、拾得者端末20、認証装置40、遺失者端末50は、それぞれネットワークNを介して接続される。ここで、ネットワークNは、有線又は無線の通信回線、例えばインターネットである。サーバ10は、データベースを有し、拾得者の会員情報、遺失物に関する情報を管理する。サーバ10は、施設内に設置されている必要はなく、外部に設置されていてもよい。また、サーバ10は、クラウド上に構成された、いわゆるクラウドサーバであってもよい。
【0051】
なお、会員情報は、遺失物管理装置30が設置される施設の会員情報システムから取得することも可能である。例えば、鉄道会社の会員情報システムでは、上述した交通系ICカードに紐づけられて会員情報が管理される場合がある。この場合、サーバ10は、鉄道会社の会員情報システムにアクセスして、会員情報を取得することができる。
【0052】
拾得者端末20は、拾得者が所持するものであり、例えばスマートフォンやタブレット等の携帯端末が想定される。拾得者端末20には、拾得者によって、遺失物管理装置30が設置された施設に関連するアプリケーションプログラム(以下、施設用アプリとする)がインストールされていてもよい。この施設用アプリには、遺失物を拾得した際に用いられる機能が含まれる。なお、この施設用アプリは、施設内の配置や、施設において提供されるサービス等を案内するプログラムであり得る。
【0053】
図7は、遺失物管理装置30の構成の一例を示す図である。ここでは、遺失物管理装置30として、施設に設置されたロッカーが用いられる例について説明する。
図7に示す例では、遺失物管理装置30には、ロッカーの納品部である複数の収納部31が設けられている。遺失物管理装置30は、荷物を一時的に預ける一般的な収納装置(例えば、コインロッカー)と兼用であってもよいし、遺失物を収納するための専用の収納装置であってもよい。
【0054】
遺失物管理装置30は、拾得者が遺失物を届けやすいように、施設内外の複数の個所に設けられることが好ましい。また、遺失物管理装置30は、遺失物の種類によってそれぞれ異なる箇所に、異なる形態の収納装置が配置されていてもよい。例えば、遺失物管理装置30は、ロッカーではなく、傘を1つ1つ保持する複数のホルダが設けられた傘立てであってもよい。又は、複数の遺失物を収納可能な棚が設置された施錠可能な収納庫であってもよい。上述の拾得者端末20にインストールされる施設用アプリは、遺失物を拾得した際に用いられる機能として、拾得物の種類に応じてどこに届ければよいかを案内する機能(届出案内機能)を含む。遺失物管理装置30の前面には、タッチパネル等の入出力部32が設けられている。また、遺失物管理装置30は、カメラ等の撮像部33を含む。
【0055】
認証装置40は、会員登録した拾得者の顔特徴情報を管理する。拾得者が遺失物を収納部31に収納する際には、認証装置40は、撮像部33により撮影された拾得者の顔画像と、管理する顔特徴情報との照合を行い、本人認証を行う。本人認証は、遺失物を収納部31に収納する際に実行される。顔認証が成功した場合に、遺失物が収納された収納部31が施錠される。なお、認証装置40が拾得者の本人認証を行う方法として、顔画像を用いた顔認証以外にも、種々の方法を採用することができる。また、生体認証以外の方法、例えばパスワードを用いた認証方法が採用されてもよい。
【0056】
認証装置40により拾得者の本人認証を行うことで、遺失物を届け出た拾得者の会員情報が特定される。遺失物管理装置30は、該会員情報を更新して特典情報を付与することができる。また、拾得者の本人認証を行うことで拾得者が遺失物管理装置30に危険物等を収納することを抑止することができる。さらに、遺失者が遺失物を引き取った後に、遺失者から謝礼を拾得者に届けることも可能である。
【0057】
遺失者端末50は、遺失者が所持するものであり、例えばスマートフォンやタブレット等の携帯端末装置が想定される。遺失者端末50には、遺失者によって、遺失物管理装置30が設置された施設に関連するアプリケーションプログラムがインストールされていてもよい。このアプリには、遺失物を検出する際に用いられる機能(遺失物検出機能)が含まれる。このアプリは、拾得者端末20にインストールされる施設用アプリと同じものであってもよく、異なるものであってもよい。以下の説明では、遺失者端末50にインストールされるアプリケーションプログラムが、拾得者端末20にインストールされる施設用アプリと同じものである場合について説明する。すなわち、施設用アプリは、届出案内機能、及び、遺失物検出機能の両方の機能を有している。
【0058】
遺失物管理システムMSにおいて、施設内の遺失物は、拾得者によって遺失物管理装置30に収納されるとともに、その遺失物に関する情報がサーバ10に登録される。さらに、拾得者が遺失物を届け出て、遺失物管理装置30の収納部31に収納することで、会員情報データベースの会員情報を更新して特典情報が付与される。
【0059】
<拾得者端末20>
図8は、拾得者端末20の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、拾得者端末20は、撮像部21、記憶部22、メモリ23、通信部24、入出力部25、制御部26を備える。ここでは、拾得者が所持する拾得者端末20を用いて、遺失物管理装置30が設置された施設の会員登録を行う例について説明する。また、会員登録の際、拾得者自身の生体情報(登録用)の登録を行うものとする。
【0060】
なお、生体認証に用いられる生体情報とは、本人認証に用いる情報であり、本人を一意に特定(識別)するための情報である。実施形態3では、生体認証の一例である顔認証とし、生体情報を顔画像として説明する。すなわち、顔画像(登録用)は、会員として登録する拾得者を特定するための識別情報である。
【0061】
撮像部21は、制御部26の制御に応じて撮影を行う撮影装置である。撮像部21は、本人認証のために拾得者の顔画像を撮影したり、拾得者が拾得した拾得物の画像を撮影したりすることができる。記憶部22は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含む記憶装置の一例である。
【0062】
記憶部22は、顔画像やユーザ情報の登録処理、遺失物管理装置30に遺失物を収納した際に付与された特典情報の表示処理等を含む処理が実装された、上述の施設用アプリを記憶する。メモリ23は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、制御部26の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。
【0063】
通信部24は、ネットワークNとの通信インタフェースである。また、通信部24は、遺失物管理装置30との近距離無線通信の接続を確立し、通信を行ってもよい。ここで、近距離無線通信は、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)、UWB(Ultra Wide Band)等の様々な規格を適用可能である。
【0064】
入出力部25は、表示装置と入力装置とを含む、例えば、タッチパネルである。制御部26は、拾得者端末20の動作を制御する。特に、制御部26は、記憶部22からプログラムをメモリ23へ読み込ませ実行することで、登録部261、届出案内部262、表示制御部263の機能を実現する。
【0065】
登録部261は、会員登録に必要なユーザ情報及び顔画像の登録処理を行う。具体的には、登録部261は、ユーザにより入力されたユーザ情報及び顔画像を受け付ける。登録部261は、受け付けたユーザ情報及び顔画像の登録要求を、ネットワークNを介してサーバ10へ送信する。また、ユーザは、予め自身の決済情報を登録することができる。決済情報は、クレジットカード情報や、電子マネー決済情報、2次元コード(QRコード(登録商標))決済情報等であるが、これらは一例に過ぎない。
【0066】
後述するが、当該ユーザの顔特徴情報は、認証装置40の顔情報DB41に登録され、会員情報は、サーバ10の会員情報DB112に登録される。顔特徴情報と会員情報とは、ユーザ情報の登録時に発行されるユーザIDにより紐づけられる。これにより、ユーザの会員登録が完了する。なお、登録部261は、サーバ10からネットワークNを介してユーザIDを受信し、記憶部22に登録してもよい。
【0067】
届出案内部262は、遺失物を拾得したときの拾得者端末20の現在位置を示す現在位置情報等に基づいて、当該現在位置の近くに設置されている遺失物管理装置30の位置を案内する。また、拾得者により入力された遺失物の種類に対応する遺失物管理装置30の位置が案内されてもよい。例えば、拾得者が拾得した遺失物が傘である場合、表示制御部263は、遺失物管理装置30が傘立てである位置を案内することができる。
【0068】
なお、現在位置情報は、拾得者端末20が有するGPS(Global Positioning System)機能(不図示)等により取得され得る。遺失物管理装置30の設置位置及び種類(ロッカーや傘立て等)に関する情報は、例えば、サーバ10から取得され得る。これにより、拾得者は、拾得者端末20にインストールされた施設用アプリを用いて、遺失物をどこに届ければよいかを簡単にかつ速やかに知ることができる。
【0069】
表示制御部263は、施設の地図に、拾得者端末20の現在位置、遺失物管理装置30の設置位置を重ね合わせて表示することができる。また、表示制御部263は、サーバ10からネットワークNを介して送信される会員情報のうち、遺失物の届出の際に付与された特典情報を表示してもよい。また、表示制御部263は、取得した特典情報を決済処理に使用した場合には、適用された特典情報を表示してもよい。
【0070】
<遺失物管理装置30>
図9は、
図7の遺失物管理装置30の機能構成を示すブロック図である。
図9に示すように、遺失物管理装置30は、収納部31、入出力部32、撮像部33、記憶部34、メモリ35、通信部36、制御部37を含む。
【0071】
収納部31は、拾得者が拾得した遺失物を収納する、ロッカーの1つの納品庫に対応する。遺失物管理装置30には、複数の収納部31が設けられている。それぞれの収納部31には、各収納部31を識別するための収納部識別情報が付与されている。収納部31は、施錠可能であり、拾得者が遺失物を収納した後に、拾得者の本人認証が行われると施錠される。
【0072】
入出力部32は、画面等の表示装置(表示部)と入力装置(入力部)を含む、例えば、タッチパネルである。入出力部32は、拾得者による遺失物に関する情報(遺失物情報)の入力を受け付ける。拾得者により入力された入力情報には、拾得物の種類(バッグ、財布、傘等)、柄(無地、ストライプ、ロゴ等)、色等が含まれる。また、遺失物情報には、拾得者による遺失物の拾得日時、拾得場所、報労金を受ける権利及び所有権を取得する権利を留保するか否かを示す権利主張情報が含まれる。
【0073】
撮像部33は、制御部37の制御に応じて撮影を行う撮影装置である。撮像部33は、拾得者が遺失物管理装置30まで持ってきた拾得物を撮影して画像情報を生成する。画像情報もまた、遺失物情報に含まれる。なお、パターンマッチング等の画像認識技術により、画像情報に基づいて拾得物の種類や柄等が特定されてもよい。
【0074】
また、撮像部33は、遺失物を届け出た拾得者の本人認証のための画像を撮影したり、遺失物を引き取りに来た遺失者の本人認証のための画像を撮影することができる。本実施形態では、撮像部33が、拾得者、遺失者の生体情報を取得する取得部となる。拾得者の本人認証のためには、例えば、会員登録の際に登録された顔特徴情報と、遺失物管理装置30に遺失物を持ってきた拾得者自身の顔画像が用いられ得る。遺失者の本人確認のためには、例えば、遺失者が収納部31に収納された遺失物を引き取る際に所持する本人確認証の認証情報と、遺失者自身の顔画像から抽出された顔特徴情報とが用いられ得る。
【0075】
なお、遺失物を撮影する撮像部と、拾得者や遺失者を撮影する撮像部とが別々に設けられていてもよい。例えば、拾得者等を撮影する撮像部は、、遺失物管理装置30の外面に設けられていてもよい。また、遺失物を撮影する撮像部は、複数の収納部31の内部にそれぞれ設けられていてもよい。なお、遺失物管理装置30は、拾得物の大きさや形状、重さ等の少なくとも1つを測定する測定部をさらに備えていてもよい。測定部は、3Dスキャナ、レーザセンサ、重量計等があげられる。
【0076】
記憶部34は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含む記憶装置の一例である。記憶部34は、後述する遺失物を収納した収納部31の施錠処理を実行するための認証要求処理を含む各処理が実装されたプログラムを記憶する。メモリ35は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、制御部37の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部36は、ネットワークNとの通信インタフェースである。
【0077】
制御部37は、遺失物管理装置30が有するハードウェアの制御を行うプロセッサである。制御部37は、記憶部34からプログラムをメモリ35へ読み込ませ、実行する。これにより、制御部37は、表示制御部371、認証要求部372、収納制御部373、特典付与部374、通知部375の機能を実現する。
【0078】
表示制御部371は、プログラムの実行により生成された画面を入出力部32に表示させる。表示制御部371は、顔認証のための顔撮影を促すメッセージを表示してもよい。また、表示制御部371は、サーバ10から送信される会員情報のうち、遺失物を収納部31に収納した際に付与された特典情報を表示してもよい。
【0079】
認証要求部372は、撮像部33により拾得者が撮影された画像から人の顔領域を顔画像として抽出し、認証要求をサーバ10へ送信する。なお、認証要求部372は、顔画像を含めた認証要求を認証装置40へ送信してもよい。認証成功時には、サーバ10から、該顔画像に対応付けられた会員情報が収納制御部373、特典付与部374へ送信される。
【0080】
収納制御部373は、収納部31の解錠又は施錠を制御する。収納部31は、通常のコインロッカーと同様に、使用されていない場合(遺失物が収納されていない場合)解錠状態であり得る。なお、収納部31が通常施錠されており、拾得者が遺失物を収容しようとする収納部31を選択した場合に、選択された収納部31が解錠されるようにしてもよい。収納制御部373は、拾得者が拾得物を収納部31に入れた後に、拾得者の本人認証が成功すると、収納部31を施錠する。このとき、遺失物が収納された収納部31の収納部識別情報が特定される。
【0081】
また、収納制御部373は、外部からの要求があった場合に、収納部31に収納されている遺失物の取り出しを可能とする。収納制御部373は、例えば、遺失者が遺失物を受け取りに来た場合、又は、警察に拾得物を引き取りに来た場合に、収納部31を解錠し、収納された遺失物を取り出し可能とする。
【0082】
特典付与部374は、拾得者が遺失物を収納部31に収容した際に、特定された会員情報を更新して特典情報を付与する。また、特典付与部374は、サーバ10から、特典情報が付与されたことを示す通知情報を受信した場合、表示制御部371に当該通知情報を表示させてもよい。なお、特典付与部374は、サーバ10から、通知情報を受信した場合、拾得者端末20に当該通知情報を出力してもよい。なお、特典情報は、例えば、遺失物を届け出たことにより付与されたポイントや、所定の期間に付与されたポイントの累積値であり得る。また、会員情報に決済情報が含まれる場合、付与された特典情報は、当該決済情報を用いた決済処理を行う際に使用可能なクーポンや、電子マネーの残高であってもよい。
【0083】
通知部375は、収納部31に収納された遺失物の所定の保管期限が経過したことに応じて、警察に遺失物情報を通知する。警察は遺失物情報の通知を受けると、所定の保管期限が経過した遺失物を引き取りに行くことができる。これにより、遺失物管理装置30の収納部31が、すべて使用された状態を解消することができ、新たな遺失物の届出を受け付けることができるようになる。
【0084】
<認証装置40>
認証装置40は、ユーザの顔特徴情報を管理し、顔認証を行う。また、認証装置40は、外部から受信した認証要求に応じて、当該要求に含まれる顔画像(認証用)について、管理するユーザの顔特徴情報と照合を行い、照合結果(認証結果)を要求元へ返信する。
【0085】
認証装置40による拾得者の認証は、拾得者が遺失物を遺失物管理装置30まで運んできた後、拾得物を収納した収納部31を施錠する際に行われる。一方、認証装置40による遺失者の認証は、遺失者が、遺失物が収納された収納部31を解錠する際に行われる。なお、認証装置40の代わりに、拾得者端末20や遺失物管理装置30、遺失者端末50に認証部を設け、認証部により本人認証を行ってもよい。
【0086】
図10は、認証装置40の構成を示すブロック図である。認証装置40は、顔情報DB(DataBase)41、顔検出部42、特徴点抽出部43、登録部44、認証部45を備える。顔情報DB41は、顔画像(登録用)から抽出された特徴点の集合である顔特徴情報を記憶する。顔情報DB41は、後述するユーザIDと顔特徴情報とを対応付けて記憶する。なお、認証装置40は、顔特徴情報に対応するユーザ等からの要求に応じて、顔特徴DB41内の顔特徴情報を削除してもよい。又は、認証装置40は、登録から一定期間経過後に顔特徴情報を削除してもよい。
【0087】
顔検出部42は、顔特徴情報を登録するための顔画像(登録用)に含まれる顔領域を検出し、特徴点抽出部43に出力する。特徴点抽出部43は、拾得者端末20等から受信した顔画像(登録用)の顔領域から特徴点を抽出し、登録部44に顔特徴情報を出力する。登録部44は、顔特徴情報の登録に際して、ユーザIDを新規に発行する。登録部44は、発行したユーザIDと、顔画像(登録用)から抽出した顔特徴情報とを対応付けて顔情報DB41へ登録する。
【0088】
また、顔検出部42は、認証処理に用いる顔画像(認証用)に含まれる顔領域を検出し、特徴点抽出部43に出力する。また、特徴点抽出部43は、サーバ10等から受信した顔画像(認証用)に含まれる特徴点を抽出し、認証部45に顔特徴情報を出力する。
【0089】
認証部45は、顔特徴情報を用いた顔認証を行う。具体的には、認証部45は、顔画像(認証用)から抽出された顔特徴情報と、顔情報DB41内の顔特徴情報との照合を行う。認証部45は、顔特徴情報の一致の有無を顔認証結果として要求元へ返信する。顔特徴情報の一致の有無は、認証の成否に対応する。なお、顔特徴情報が一致するとは、一致度が閾値以上である場合をいうものとする。また、顔認証結果は、顔認証に成功した場合、特定されたユーザIDを含むものとする。
【0090】
例えば、サーバ10から、認証要求が送信された場合、認証部45は、該認証要求に含まれる顔画像について顔認証を行い、認証結果をサーバ10へ返信する。サーバ10は、認証が成功した場合、照合された顔特徴情報に対応付けられた会員情報を特定する。
【0091】
図11は、実施形態3に係る認証装置40による顔情報登録処理の流れを示すフローチャートである。認証装置40は、まず、拾得者端末20から送信された顔画像の登録要求を受信する(S21)。この例では、認証装置40は、拾得者端末20から送信された顔画像の登録要求を、サーバ10を介して受信する。次に、顔検出部42は、顔情報登録要求に含まれる顔画像から顔領域を検出する(S22)。そして、特徴点抽出部43は、ステップS22で検出した顔領域から特徴点(顔特徴情報)を抽出する(S23)。そして、登録部44は、ユーザIDを発行し(S24)、抽出した顔特徴情報と対応付けて顔情報DB41に登録する(S25)。
【0092】
その後、登録部44は、発行したユーザIDを要求元(例えば、サーバ10)へ返信する(S26)。なお、認証装置40は、任意の情報登録端末から受信した顔情報登録要求に応じて顔情報登録処理を行っても良い。情報登録端末は、例えば、拾得者端末20又は遺失物管理装置30であってもよい。
【0093】
また、認証装置40は、遺失物を引き取りに来た遺失者の本人認証を行う。遺失物管理装置30は、撮像部33により、遺失物を引き取りに来た遺失者が所持する顔画像を有する本人確認証を撮影することで、認証情報を取得することができる。本人確認証とは、例えば、顔画像を有する運転免許証やパスポート等があげられる。この場合、認証情報は、運転免許証等の顔画像から得られた顔特徴情報となる。
【0094】
また、遺失物管理装置30は、撮像部33により、遺失者自身の顔画像を撮影することができる。すなわち、遺失物管理装置30は、遺失者の生体情報を取得する。認証装置40は、遺失物管理装置30から送信される、遺失者自身の顔画像と本人確認証から得られた顔画像とを照合することで、本人認証を実行することができる。
【0095】
なお、遺失物が本人確認証である場合、遺失物管理装置30は、遺失物情報として本人確認証から認証情報を取得することも可能である。遺失物管理装置30は、遺失物情報に含まれる認証情報を認証装置40に送信することができる。この場合、認証装置40は、遺失物情報含まれる顔画像と、遺失者自身の顔画像とを照合することで、本人認証を実行することができる。
【0096】
なお、遺失物が、例えば運転免許証が入った財布である場合、貴重品である財布を開けて運転免許証を取り出すとトラブルとなりかねない。したがって、この場合は、遺失者は、財布内の運転免許証以外の本人確認証(パスポート等)を持参して、本人認証に用いることが好ましい。
【0097】
<サーバ10>
図12は、サーバ10の構成を示す図である。上述したように、実施形態3では、サーバ10と遺失物管理装置30とが協同して、遺失物管理処理を行う。なお、サーバ10は複数台のサーバで構成されていてもよく、各機能ブロックは複数台のコンピュータで実現されてもよい。
【0098】
図12に示すように、サーバ10は、記憶部110、メモリ120、通信部130、制御部140を備える。記憶部110は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置の一例である。記憶部110は、プログラム111、会員情報DB112、遺失物管理DB113を記憶する。プログラム111は、ユーザ情報の登録処理、顔認証処理及び収納制御処理等の一部が実装されたコンピュータプログラムである。
【0099】
会員情報DB112は、遺失物を拾得した際に付与される特典情報を利用可能な会員制度に登録したユーザの情報を管理するデータベースである。会員情報DB112では、ユーザIDと、会員情報とが対応付けて管理される。すなわち、実施形態3では、生体情報及び会員情報はユーザIDに紐づけられ、サーバ10の会員情報DB112と認証装置40の顔情報DB41とで管理される。生体情報は、ここでは顔画像である。また、上述したように会員情報は、ユーザ情報、特典情報等の各種属性情報、決済情報を含む。なお、上述したように、会員情報は、遺失物管理装置30が設置される施設、例えば鉄道会社の会員情報システムから取得することも可能である。
【0100】
遺失物管理DB113では、遺失物情報と収納部識別情報とが対応付けて管理される。上述したように、遺失物情報は、拾得者により入力された遺失物に関する情報(拾得物の種類、柄、色等)が含まれる。また、遺失物情報には、拾得者が遺失物管理装置30まで持ってきた拾得物を撮影して生成された画像情報が含まれていてもよい。
【0101】
メモリ120は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、制御部140の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部130は、ネットワークNとの通信インタフェースである。
【0102】
制御部140は、サーバ10の各構成を制御するプロセッサである。制御部140は、記憶部110からプログラム111をメモリ120へ読み込ませ、プログラム111を実行する。これにより、制御部140は、登録部141、認証制御部142、収納制御部143の機能を実現する。
【0103】
登録部141は、拾得者端末20から顔画像、会員登録に必要なユーザに関する所定の事項(ユーザ情報)を含む会員登録要求を受信し、顔画像及びユーザ情報の登録処理を行う。具体的には、登録部141は、会員登録要求から顔画像を取得し、取得した顔画像を含めた顔情報登録要求を認証装置40へ送信する。そして、登録部141は、認証装置40から顔情報の登録時に発行されたユーザIDを受信する。そして、登録部141は、会員登録要求からユーザ情報を取得し、受信したユーザIDとユーザ情報とを対応付けて会員情報DB112に登録する。
【0104】
認証制御部142は、遺失物管理装置30から拾得者の顔画像を含む認証要求を受信した場合、当該顔画像を含む認証要求を認証装置40へ送信する。そして認証制御部142は、認証装置40から顔認証結果を受信する。認証制御部142は、顔認証が成功した場合、照合された顔特徴情報に対応付けられた会員情報を特定する。特定された会員情報は、遺失物管理装置30に送信される。
【0105】
収納制御部143は、拾得者の本人認証が成功した場合、遺失物管理装置30に、遺失物が収納された収納部31を施錠する処理を実行させる。また、拾得者が遺失物を収容すると、遺失物管理装置30は当該拾得者に特典情報を付与する処理を実行する。登録部141は、遺失物管理装置30から送信される特典情報を用いて、会員情報DB112の会員情報を更新する。
【0106】
<遺失者端末50>
図13は、遺失者端末50の構成を示すブロック図である。
図13に示すように、遺失者端末50は、撮像部51、記憶部52、メモリ53、通信部54、入出力部55、制御部56を備える。ここでは、遺失者が所持する遺失者端末50を用いて、遺失物管理装置30に収納された遺失物を検索する例について説明する。
【0107】
撮像部51は、制御部56の制御に応じて撮影を行う撮影装置である。撮像部51は、本人認証のために遺失者の顔画像を撮影したり、顔画像付きの本人確認証を撮影して、サーバ10又は認証装置40に送信することができる。記憶部52は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含む記憶装置の一例である。
【0108】
記憶部52は、遺失物管理装置30に収納された遺失物を検索する処理が実装された、施設用アプリを記憶する。上述したように、この遺失者端末50にインストールされた施設用アプリは、拾得者端末20にインストールされる施設用アプリを同じものである。このメモリ53は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、制御部56の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。
【0109】
通信部54は、ネットワークNとの通信インタフェースである。また、通信部54は、遺失物管理装置30との近距離無線通信の接続を確立し、通信を行ってもよい。入出力部55は、表示装置と入力装置とを含む、例えば、タッチパネルである。制御部56は、遺失者端末50の動作を制御する。特に、制御部56は、記憶部52からプログラムをメモリ53へ読み込ませ実行することで、遺失物検索部561、表示制御部562の機能を実現する。
【0110】
遺失物検索部561は、入出力部5から遺失者により入力された遺失物に関する情報に基づいて、遺失物検索機能を実現する。例えば、遺失者が遺失物の特徴(種類、色、大きさ等)を入力すると、遺失物検索部561は、サーバ10の遺失物管理DB113にアクセスして、入力された遺失物の特徴に合致する遺失物を検索して、特定することができる。表示制御部562は、施設の地図に、遺失者端末50の現在位置、遺失物検索部561により特定された遺失物が収納された遺失物管理装置30の位置を重ね合わせて表示することができる。これにより、遺失者は、遺失物がどこに収納又は保管されているかを容易に知ることができる。
【0111】
<動作例>
図14は、遺失物管理処理の流れを示すシーケンス図である。このシーケンスは、拾得者が拾得した遺失物を遺失物管理装置30まで持ってくることから開始される。拾得者が遺失物を複数の収納部31の1つに入れると、遺失物管理装置30は拾得者に対して遺失物情報の入力を促す。拾得者からの遺失物情報の入力を受け付ける(S30「情報入力処理」)と、遺失物管理装置30は、入力された遺失物情報をサーバ10へ送信する。
【0112】
そして、遺失物管理装置30は、撮像部33によりユーザの顔を撮影し(S31「撮影処理」)、顔画像をサーバ10に出力する。なお、遺失物管理装置30は、撮像部33により遺失物を撮影して、遺失物の画像情報を生成してもよい。この場合、遺失物の画像情報もまた、遺失物情報としてサーバ10へ送信される。サーバ10は、取得した顔画像を含めた顔認証要求を、ネットワークNを介して認証装置40へ送信する。認証装置40は顔認証要求を受信すると顔認証処理を行う(S32「顔認証処理」)。
【0113】
S32における顔認証処理について、
図15を参照して説明する。
図15は、認証装置40による顔認証処理の流れを示すフローチャートである。まず、認証装置40は、サーバ10からネットワークNを介して、顔認証要求を受信する(S41)。なお、認証装置40は、遺失物管理装置30等から顔認証要求を受信してもよい。次に、認証装置40は、顔認証要求に含まれる顔画像から顔特徴情報を抽出する。そして、認証装置40の認証部45は、顔認証要求に含まれる顔画像から抽出した顔特徴情報を、顔情報DB41の顔特徴情報と照合し(S42)、一致度を算出する。
【0114】
そして、認証部45は、一致度が閾値以上か否かを判定する(S43)。顔特徴情報が一致した場合、つまり、顔特徴情報の一致度が閾値以上である場合、認証部45は、顔特徴情報に対応付けられたユーザIDを特定する(S44)。そして、認証部45は、顔認証に成功した旨と特定したユーザIDを含めた顔認証結果を、ネットワークNを介してサーバ10へ返信する(S45)。ステップS43で一致度が閾値未満である場合、認証部45は、顔認証に失敗した旨を含めた顔認証結果を、ネットワークNを介してサーバ10へ返信する(S46)。
【0115】
図13に戻ると、顔認証結果は、ネットワークNを介してサーバ10及び遺失物管理装置30へ送信される。遺失物管理装置30は、顔認証が成功した場合、遺失物が収納された収納部31を施錠する(S33「収納制御処理」)。なお、顔認証が失敗した場合は、遺失物管理装置30は、遺失物を受け付けられないとして、処理を終了することができる。なお、このとき、遺失物管理装置30は、遺失物の受付ができない旨を画面に表示してもよい。
【0116】
このように、拾得者の本人認証が成功した後に、遺失物を収納した収納部31を施錠するため、収納部31に収納するのにふさわしくない物品(例えば、危険物や汚損物)が収納されるのを抑制することができる。なお、遺失物管理装置30は、処理を終了する場合、施設職員による遺失物の受付先、施設職員の連絡先等を示す情報を画面に表示したり、拾得者端末20に送信したりしてもよい。
【0117】
そして、遺失物管理装置30は、施錠された収納部31の収納部識別情報をサーバ10へ送信する。サーバ10は、遺失物情報と収納部識別情報とを紐づけて、遺失物管理DB113に登録する(S34「情報登録処理」)。また、サーバ10は、顔認証結果に応じて、会員情報を特定する処理を実行する(S35「会員情報特定処理」)。
【0118】
遺失物管理装置30は、会員情報DB112に拾得者の会員情報が登録されている場合、拾得者により遺失物が収納部31に収納され、施錠された後に、特典付与処理を実行する(S36)。特典情報には、例えば、遺失物の拾得回数等に応じて付与されるポイントや、クーポン等が含まれる。そして、遺失物管理装置30は、特典情報をサーバ10に送信する。サーバ10は、受信した特典情報に基づいて、特定された会員情報を更新する(S37「会員情報更新処理」)。
【0119】
遺失物管理装置30は、付与した特典情報を、施設用アプリやメール等によりユーザ端末20へ通知してもよい。
図16は、拾得者端末20の表示の一例を示す図である。
図16に示すように、拾得者端末20の画面200には、施設表示201、獲得特典情報表示202、拾得履歴表示203を含む。
図16の例では、遺失物管理装置30が設置される施設が〇〇鉄道であることが示されている。また、獲得特典情報表示202として、拾得物を拾得した際に付与された特典情報として、商品購入の際に割引券として利用可能なクーポンが表示されている。
【0120】
なお、
図16は一例であって、ここに示された情報に加えて、又はここに示された情報に代えて、その他の情報が表示されてもよい。また、
図16に示す画面は、拾得者端末20だけでなく遺失物管理装置30の画面に表示されてもよい。
【0121】
付与された特典情報は、会員情報を用いた決済処理を行う際に自動的に適用することも可能である。例えば、拾得者端末20を用いて会員登録した施設において決済処理を実行する場合、会員の顔画像に紐づく会員情報に含まれる、クーポン等の条件(有効期限や適用条件等)を確認し、利用可能なすべてのクーポンを自動的に適用することができる。このように実施形態によれば、拾得者が遺失物を積極的に拾得して届け出るモチベーションを高めることができる。
【0122】
図17は、収納部31に収納された遺失物を遺失者が引き取りに来た際の処理の流れを示すシーケンス図である。このシーケンスは、遺失者が、自身の持ち物を遺失したことに気づき、遺失物管理DB113を検索して特定された、遺失物が収納されている遺失物管理装置30の前に来たところから開始される。なお、遺失者は遺失者端末50にインストールされた施設用アプリを用いて、遺失物管理DB113を検索して遺失物が収納された収納部31を特定することができる。また、遺失者は、遺失物管理装置30の入出力部32を介して、遺失物管理DB113を検索することも可能である。
【0123】
なお、遺失物の検索の前に、遺失者の本人確認を行ってもよい。例えば、遺失者端末50に、施設用アプリをインストールした後に、遺失者の認証情報を登録することができる。遺失者が、例えば花柄の傘を落としたことに気づいたとき、まず、遺失者端末50にインストールした施設用アプリで遺失物の検索機能を使用する前に、登録した認証情報と遺失者自身の認証所法とを照合して本人確認を行うことができる。これにより、第三者によって、遺失物が本来は自身のものではないにもかかわらず、奪い取ろうとするのを防ぐことができる。
【0124】
なお、事前に遺失者の認証情報を登録せずに、遺失者自身から取得した認証情報と、持参した本人確認証の認証情報とを照合することにより本人確認をしてもよい。検索の際には、遺失物の種類を「傘」とし、遺失物の柄を「花柄」とする検索条件で、遺失物管理DB113を検索することができる。多数の遺失物が検出された場合には、拾得者が拾得物を拾った場所や日時等により絞り込み検索を行うことも可能である。遺失物が特定された場合には、遺失物管理装置30は、特定された遺失物が収納された収納部31の場所を出力することができる。
【0125】
遺失物管理装置30は、遺失者からの遺失物の引取要求を受けると、撮像部33によりユーザの顔を撮影し(S41「撮影処理」)、顔画像をサーバ10に出力する。遺失者からの遺失物の引取要求は、例えば、遺失者が遺失者端末50を用いて行うことができる。又は、遺失者が入出力部32を操作して、遺失物の引取要求を入力してもよい。
【0126】
また、遺失物管理装置30は、撮像部33により、遺失者が所持する本人の顔画像を撮影する。サーバ10は、遺失者自身を撮影した顔画像と、本人確認証の顔画像を含めた顔認証要求を、ネットワークNを介して認証装置40へ送信する。認証装置40は顔認証要求を受信すると顔認証処理を行う(S42「顔認証処理」)。
【0127】
顔認証結果は、ネットワークNを介して遺失物管理装置30へ送信される。遺失物管理装置30は、顔認証が成功した場合、遺失物が収納された収納部31を解錠する(S43「収納制御処理」)。これにより、遺失者は、解錠された収納部31から遺失物を取り出すことができる。遺失物が遺失者により引き取られた場合、遺失物管理装置30は、遺失物管理DB113にアクセスして、引き取りが完了した遺失物に関する情報を更新することができる。
【0128】
また、遺失物が本人確認証である場合、遺失物管理装置30は、遺失物情報として本人確認証から認証情報を取得することも可能である。この場合、認証装置40は、撮影された遺失者自身の顔画像と、遺失物情報含まれる顔画像とを照合することで、本人認証を実行することができる。
【0129】
なお、顔認証が失敗した場合は、遺失物管理装置30は、遺失物を引き渡しができないとして、処理を終了することができる。なお、このとき、遺失物管理装置30は、遺失物の引き渡しができない旨を画面に表示する。遺失者の本人認証が失敗した場合、遺失物管理装置30は、本人認証に失敗した人物が遺失物の引き取りに現れた旨を施設職員に通知してもよい。
【0130】
以上説明したように、実施形態によれば、拾得者の遺失物の届出に対して特典情報(インセンティブ)を付与することで、遺失物を拾得するモチベーションを増大させることが可能となる。
【0131】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上述した実施形態において、遺失物管理装置30は、拾得者によって入力された遺失物情報に応じて、該遺失物を収納するための収納部の場所を示す場所情報を出力する情報出力部をさらに備えていてもよい。例えば、施設内に遺失物管理装置30として、ロッカーと傘立てとが設置されている場合に、遺失物が傘であるとき、情報出力部は傘立てである遺失物管理装置30の位置を表示することができる。
【0132】
また、拾得者の遺失物の拾得履歴を管理する履歴管理部が設けられていてもよい。例えば、拾得履歴は、会員情報として、会員情報DB112で管理され得る。拾得履歴には、例えば、拾得回数、拾得日時、遺失物の種類等があげられる。これにより、異常な頻度で遺失物の届出を繰り返したり、ゴミを収納部31に収納したりといった、遺失物管理装置30を悪用する拾得者を検出することができる。なお、上述した拾得履歴と併せて、施設内に設置された監視カメラ等の監視情報を用いて、不正に特典情報を得ようとする拾得者をより正確に検出することも可能である。
【0133】
なお、特典情報の付与や、拾得した遺失物についての権利主張が不要である場合には、会員登録を行わなくてもよい。この場合は、遺失物管理装置30の悪意のある届出を防ぐために、遺失物管理装置30の入出力部32から拾得者情報を入力された場合に、遺失物が収納された収納部31の施錠状態を制御することができる。なお、遺失物届出の際に、交通系ICカードや二次元コードを遺失物管理装置30に読み取らせることで、拾得者情報を簡便に入力することも可能である。
【0134】
また、上記の例では、遺失者の本人認証のために本人確認証の認証情報を用いたが、この例に限定されない。遺失者は、遺失物の引き取りのために、事前に顔画像の登録を行ってもよい。認証装置40は、登録された顔画像と撮影された遺失者の顔画像とを照合して、本人認証を行うことができる。
【0135】
また、収納部11に収納するのにふさわしくない物品(収納不可物品)をあらかじめ設定していてもよい。例えば、遺失物の届出時に、拾得者が遺失物の種類を複数の候補から選択して入力することができる。拾得者が選択した遺失物の種類が収納不可物品に該当する場合には、遺失物管理装置30は遺失物の受付を終了してもよい。また、この時、遺失物管理装置30は、収納部31を施錠した状態としてもよいし、警告を発してもよい。収納部11に収納するのにふさわしくない物品には、例えば、生ものや動物、危険物等があげられる。
【0136】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【0137】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記A1)
遺失物を収納する収納部と、
拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける入力部と、
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する送信部と、
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する制御部と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する出力部と、
を備える、遺失物管理装置。
(付記A2)
前記制御部は、前記会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合に前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御するか、又は、
前記会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されていない場合、前記入力部は、拾得者情報の入力をさらに受け付け、前記制御部は、拾得者情報が入力された場合に、前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する、
付記A1に記載の遺失物管理装置。
(付記A3)
遺失者が前記収納部に収納された前記遺失物を引き取る際に、前記入力部は、遺失者情報の入力を受け付け、
前記制御部は、前記遺失者情報を用いて、前記遺失物管理データベースの前記遺失物情報を更新するとともに、前記収納部から前記遺失物を取出し可能とする、
付記A1又はA2に記載の遺失物管理装置。
(付記A4)
前記遺失者の生体情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された生体情報と、前記遺失者が前記収納部に収納された前記遺失物を引き取る際に所持する、本人確認証の認証情報とを照合して、本人認証を行う認証部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記認証部による本人認証が成功した場合に前記収納部からの前記遺失物の取出しを可能とする、
付記A3に記載の遺失物管理装置。
(付記A5)
前記遺失者の生体情報を取得する取得部と、
前記遺失物が認証情報を含む本人確認証である場合、前記取得部により取得された生体情報と、前記本人確認証の認証情報とを照合して本人認証を行う認証部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記認証部による本人認証が成功した場合に前記収納部からの前記遺失物の取出しを可能とする、
付記A3に記載の遺失物管理装置。
(付記A6)
前記遺失物の所定の保管期限が経過したことに応じて、警察に前記遺失物情報を通知する通知部をさらに備える、
付記A1に記載の遺失物管理装置。
(付記A7)
前記収納部は、異なる複数の場所に設置されており、
該拾得者によって入力された遺失物情報に応じて、該遺失物を収納するための収納部の場所を示す場所情報を出力する情報出力部をさらに備える、
付記A1に記載の遺失物管理装置。
(付記A8)
前記拾得者の拾得履歴を管理する履歴管理部をさらに備える、
付記A1に記載の遺失物管理装置。
(付記A9)
前記遺失物の画像を取得する撮像部をさらに備え、
前記画像は、遺失物情報として入力される、
付記A1に記載の遺失物管理装置。
(付記A10)
前記遺失物管理データベースは、前記遺失物情報を検索可能に格納する、
付記A1に記載の遺失物管理装置。
(付記A11)
コンピュータが、
拾得者が遺失物を収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付け、
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信し、
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御し、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する、
遺失物管理方法。
(付記A12)
拾得者が遺失物を収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける処理と、
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する処理と、
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する処理と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
(付記B1)
遺失物管理装置の収納部に遺失物を収納する拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する取得部と、
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する登録部と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者に特典情報を付与する特典付与部と、
を備える、サーバ装置。
(付記B2)
前記特典付与部は、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に前記会員情報を更新して、特典情報を付与する、
付記B1に記載のサーバ装置。
(付記B3)
コンピュータが、
遺失物管理装置の収納部に遺失物を収納する拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得し、
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録し、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者に特典情報を付与する、
遺失物管理方法。
(付記B4)
遺失物管理装置の収納部に遺失物を収納する拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する処理と、
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する処理と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者に特典情報を付与する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
(付記C1)
遺失物管理装置と、該遺失物管理装置と通信可能なサーバとを備え、
前記遺失物管理装置は、
遺失物を収納する収納部と、
拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける入力部と、
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する送信部と、
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する制御部と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する出力部と、
を有し、
前記サーバは、
前記拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する取得部と、
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する登録部と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、前記特典情報を付与する特典付与部と、
を有する、
遺失物管理システム。
(付記C2)
コンピュータが、
拾得者が遺失物を収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付け、
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信し、
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御し、
前記拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得し、
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録し、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、特典情報を付与し、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する、
遺失物管理方法。
(付記C3)
拾得者が遺失物を収納部に収納する際に、該拾得者の会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物の遺失物情報の入力を受け付ける処理と、
前記会員情報を特定するために必要な情報と前記遺失物情報とを、会員情報データベースと遺失物管理データベースを含むサーバに送信する処理と、
前記遺失物が収納された収納部の施錠状態を制御する処理と、
前記拾得者の会員情報と、前記遺失物の遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報を取得する処理と、
前記遺失物情報と、前記遺失物が収納された前記収納部の情報とを紐づけて遺失物管理データベースに登録する処理と、
会員情報データベースに前記拾得者の会員情報が登録されている場合、特典情報を付与し、前記拾得者が前記遺失物を前記収納部に収納する際に特典情報を出力する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0138】
100 遺失物管理装置
101 収納部
102 入力部
103 送信部
104 制御部
105 出力部
200 サーバ
201 取得部
202 登録部
203 特典付与部
1 遺失物管理装置
10 サーバ
11 収納部
12 入力部
13 登録部
14 判断部
15 制御部
16 特典付与部
20 拾得者端末
21 撮像部
22 記憶部
23 メモリ
24 通信部
25 入出力部
26 制御部
261 登録部
262 届出案内部
263 表示制御部
30 遺失物管理装置
31 収納部
32 入出力部
33 撮像部
34 記憶部
35 メモリ
36 通信部
37 制御部
371 表示制御部
372 認証要求部
373 収納制御部
374 特典付与部
375 通知部
40 認証装置
41 顔情報DB41
42 顔検出部42
43 特徴点抽出部
44 登録部
45 認証部
50 遺失者端末
51 撮像部
52 記憶部
53 メモリ
54 通信部
55 入出力部
56 制御部
561 遺失物検索部
562 表示制御部
110 記憶部
111 プログラム
112 会員情報DB
113 遺失物管理DB
120 メモリ
130 通信部
140 制御部
141 登録部
142 認証制御部
143 収納制御部
MS 遺失物管理システム