(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171542
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】推定方法、及び推定装置
(51)【国際特許分類】
G01M 3/20 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
G01M3/20 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088607
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】594123387
【氏名又は名称】ヤマハファインテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【弁理士】
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 楓佳
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA14
2G067BB12
2G067BB26
2G067CC04
2G067DD17
2G067EE08
2G067EE11
(57)【要約】
【課題】漏れ検査における漏れの傾向を容易に推定する。
【解決手段】取得部が、検査箇所を含む検査対象物を撮像した撮像画像を取得し、推定部が、検査対象物を撮像した撮像画像と、前記検査対象物から流出するガスを検知する検査を行った結果である検知結果とを用いて前記撮像画像と前記検知結果との関係を学習した学習済モデルに、前記取得された撮像画像を入力することで、前記入力された撮像画像に含まれる検査箇所を検査した検知結果を推定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが行う推定方法であって、
取得部が、検査箇所を含む検査対象物を撮像した撮像画像を取得し、
推定部が、検査対象物を撮像した撮像画像と、前記検査対象物から流出するガスを検知する検査を行った結果である検知結果とを用いて前記撮像画像と前記検知結果との関係を学習した学習済モデルに、前記取得された撮像画像を入力することで、前記入力された撮像画像に含まれる検査箇所を検査した検知結果を推定する、
推定方法。
【請求項2】
前記取得部は、端末装置に搭載されたカメラによって撮像された撮像画像を取得し、
前記推定部は、前記カメラによって撮像された撮像画像を前記学習済モデルに入力することで、検知結果を推定し、
出力部が、前記推定部によって推定された検知結果を、前記端末装置に出力する
請求項1に記載の推定方法。
【請求項3】
前記取得部は、前記検査対象物が撮像された撮像画像を記憶する記憶部に記憶された撮像画像のなかから指定された判定対象の撮像画像を取得し、
前記推定部は、前記指定された撮像画像を、前記学習済モデルに入力することで、検知結果を推定し、
出力部が、前記推定部によって推定された検知結果を端末装置に出力する、
請求項1に記載の推定方法。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記検査箇所を対象として検査した結果である検知結果を、前記検査箇所とともに記憶する検査履歴記憶部を有し、
前記出力部は、前記検知結果が推定された検査箇所に対応する過去の検知結果を前記検査履歴記憶部から読み出し、読み出された過去の検知結果とともに、前記推定された検知結果を出力する、
請求項2または請求項3に記載の推定方法。
【請求項5】
前記学習済モデルは、
検査対象物を撮像した撮像画像と前記検査対象物から流出するガスを検知する検査を行った結果である検知結果と検査対象物に関する検査対象データとを用いて、前記撮像画像と前記検知結果と検査対象データとの関係を学習した学習済モデルであり、
前記推定部は、前記撮像画像と前記検査対象データとを、前記学習済モデルに入力することで、前記入力された撮像画像に含まれる検査箇所を検査した検知結果を推定する、
請求項4に記載の推定方法。
【請求項6】
検査箇所を含む検査対象物を撮像した撮像画像を取得する取得部と、
検査対象物を撮像した撮像画像と、前記検査対象物から流出するガスを検知する検査を行った結果である検知結果とを用いて、前記撮像画像と前記検知結果との関係を学習した学習済モデルに、前記取得された撮像画像を入力することで、前記入力された撮像画像に含まれる検査箇所を検査した検知結果を推定する推定部と、
を有する推定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推定方法、及び推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスを吸い込む吸い込みノズルを検査対象物に当てながらガス漏れ検査を行う検査装置がある(例えば、特許文献1)。ガス漏れが生じ易い箇所を予め把握しておくことで、ガス漏れが生じやすい箇所を重点的に検査し、ガス漏れを見逃さないようにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ガス漏れが生じ易い箇所がどのような検査箇所であるかについては、検査員の経験や知識に依存している。そのため、経験や知識が浅い検査員は、ガス漏れが生じ易い箇所やガス漏れが生じ難い箇所を把握することが難しい。また、ガス漏れが生じ易い箇所あるいは生じ難い箇所を、経験や知識が豊富な検査員から、他の検査員に伝えようとすると、文章化する手間、或いは会話によって伝達する手間等がかかるため負担が大きく、また、時間もかかってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的は、漏れ検査における漏れの傾向を容易に推定することができる推定方法、学習方法、推定装置、及び学習装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、コンピュータが行う推定方法であって、取得部が、検査箇所を含む検査対象物を撮像した撮像画像を取得し、推定部が、検査対象物を撮像した撮像画像と、前記検査対象物から流出するガスを検知する検査を行った結果である検知結果とを用いて前記撮像画像と前記検知結果との関係を学習した学習済モデルに、前記取得された撮像画像を入力することで、前記入力された撮像画像に含まれる検査箇所を検査した検知結果を推定する、推定方法である。
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、検査箇所を含む検査対象物を撮像した撮像画像を取得する取得部と、検査対象物を撮像した撮像画像と、前記検査対象物から流出するガスを検知する検査を行った結果である検知結果とを用いて、前記撮像画像と前記検知結果との関係を学習した学習済モデルに、前記取得された撮像画像を入力することで、前記入力された撮像画像に含まれる検査箇所を検査した検知結果を推定する推定部と、を有する推定装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、漏れ検査における漏れの傾向を容易に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態における検査支援システム1の構成の例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態の検査支援システム1において表示される画像の例を示す図である。
【
図3】実施形態の検査支援システム1において表示される画像の例を示す図である。
【
図4】実施形態の検査履歴記憶部27に記憶される情報の例を示す図である。
【
図5】実施形態の検査支援システム1において表示される画像の例を示す図である。
【
図6】実施形態の検査支援システム1が適用される例を示す図である。
【
図7】実施形態の検査支援システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
(検査支援システム1について)
図1は、実施形態における検査支援システム1の構成の例を示すブロック図である。検査支援システム1は、検査対象物T(
図2参照)におけるガス漏れ検査を支援する。本実施形態における検査対象物Tは、ガス漏れが生じ得る構造物であり、例えばガスが供給される配管である。検査支援システム1は、例えば、端末装置10と、推定装置20とを備える。端末装置10と推定装置20とは通信ネットワークNWを介して通信可能に接続される。
【0012】
(端末装置10について)
端末装置10は、コンピュータである。端末装置10として、撮像機能が付いた通信機器、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末機能、PC(パーソナルコンピュータ)などを適用することができる。端末装置10は、例えば、通信部11と、検査アプリ実行部12と、撮像部13と、表示部14とを備える。
【0013】
通信部11は、汎用の通信用IC(Integrated Circuit)によって実現されており、インターネット等の外部ネットワーク、ここでは通信ネットワークNWとの通信を行う機能を有する。通信部11は、推定装置20と通信を行う。
【0014】
検査アプリ実行部12は、CPU(Central Processing Unit)であり、端末装置10が備える記憶部(不図示)に記憶されるプログラムを実行することにより、検査アプリ実行部12の機能を実行する。端末装置10の記憶部は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。端末装置10の記憶部は、端末装置10における各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0015】
検査アプリ実行部12は、検査アプリの機能を実行する。検査アプリは、後述するガス検知器を用いた検査対象物Tにおけるガス漏れ検査を支援するためのアプリケーションプログラムである。検査アプリは、例えば、検査対象物Tを管理する事業者などによって提供される。検査を行う作業員などによって、端末装置10に検査アプリがインストールされることによって、検査アプリ実行部12による漏れ検査を支援する機能が実行可能となる。
【0016】
検査アプリ実行部12は、ガス漏れ検査を支援する。例えば、検査アプリ実行部12は、検査員Uが検査対象物Tに、端末装置10のカメラをかざすと、過去の検査データを学習したAI(Artificial Intelligence、人工知能)が漏れの傾向を推定し、その推定結果を示す情報が、表示部14の画面に表示されるように制御する。これにより、検査員Uは、検査対象物Tにおける漏れの傾向を把握することができ、例えば、検査員Uは、漏れの傾向に従って、検査対象物Tにおいて特にガス漏れが発生し易い検査箇所Eを重点的に検査することが可能となる。
【0017】
例えば、検査アプリ実行部12は、検査対象物Tを撮像するように促すメッセージを、表示部14に表示させる。検査員Uは、表示部14に表示されたメッセージに従って撮像部13を操作し、検査対象物Tを撮像する。検査アプリ実行部12は、検査対象物Tが撮像された画像である撮像画像G(
図2参照)を、推定装置20に送信する。推定装置20は、端末装置10から受信した撮像画像Gから、過去の検査データを学習したAIが漏れの傾向を推定し、その推定結果を端末装置10に送信する。検査アプリ実行部12は、推定装置20により推定された漏れの傾向を示す推定結果を、通信部11を介して取得する。検査アプリ実行部12は、取得した推定結果を表示部14に表示する。
【0018】
撮像部13は、カメラモジュール等を含んで構成され、検査アプリ実行部12による制御及び検査員Uによる操作に応じて撮像を行う。例えば、撮像部13は、検査アプリの制御に応じて起動され、検査員Uの操作に応じて検査対象物Tを撮像する。撮像部13は、撮像した画像を検査アプリ実行部12に出力する。
【0019】
表示部14は、液晶ディスプレイ等を含んで構成され、検査アプリ実行部12による制御に応じた画像を表示する。例えば、表示部14は、検査アプリの制御に応じて、検査対象物Tを撮像するように促すメッセージを表示する。また、表示部14は、検査アプリの制御に応じて、推定装置20により推定された漏れの傾向を表示する。
【0020】
(推定装置20について)
推定装置20は、コンピュータである。推定装置20として、クラウドサーバなどを適用することができる。推定装置20は、例えば、通信部21と、取得部22と、学習部23と、推定部24と、出力部25と、撮像画像記憶部26と、検査履歴記憶部27と、学習済モデル記憶部28と、を備える。
【0021】
通信部21は、汎用の通信用ICによって実現されており、インターネット等の外部ネットワーク、ここでは通信ネットワークNWとの通信を行う機能を有する。通信部21は、端末装置10と通信を行う。
【0022】
取得部22は、検査箇所を含む検査対象物Tを撮像した撮像画像Gを取得する。取得部22は、端末装置10から推定装置20に送信された撮像画像Gを、通信部21を介して取得する。取得部22は、取得した撮像画像Gを、推定部24に出力する。
【0023】
学習部23は、学習モデルに学習データセットを学習させることによって、学習済モデルを生成する。学習部23は、生成した学習済モデルを学習済モデル記憶部28に記憶させる。本実施形態における学習データセットは、入力としての学習用の撮像画像Gに、出力としての検知結果を組(セット)にした情報である。検知結果は、検査対象物Tから流出するガスを検知する検査を行った結果である。ここでの学習用の撮像画像Gは、例えば、検知結果が既知の検査対象物Tが撮像された画像である。例えば、過去に行われた検査において、検査対象物Tが撮像された撮像画像G、及び検知結果などを示す情報が検査データとして蓄積される。学習部23は、通信部21を介して取得した検査データを学習データセットとして用いる。このような過去に行われた検査において蓄積された情報を用いて、検査時に撮像された撮像画像Gに、その検知結果を対応づけることによって、学習データセットを生成することが可能である。
【0024】
推定部24は、学習済モデルに、取得部22から取得した撮像画像Gを入力することで、その入力された撮像画像Gに含まれる検査箇所Eを検査した検知結果を推定する。推定部24は、学習済モデル記憶部28を参照することによって読み出した学習済モデルに、取得部22から取得した撮像画像Gを入力する。学習済モデルは、入力された撮像画像Gから、その撮像画像Gに含まれる検査箇所Eを検査した検知結果を推定し、その推定結果を出力する。推定部24は、学習済モデルから出力された推定結果を取得し、取得した推定結果を出力部25に出力する。
【0025】
推定部24は、撮像画像記憶部26に記憶された撮像画像Gを用いて、その撮像画像Gに含まれる検査箇所Eを検査した検知結果を推定するようにしてもよい。この場合、検査員Uなどによって検査対象物Tが事前に撮像され、その撮像された撮像画像Gが撮像画像記憶部26に記憶される。例えば、検査員Uの操作によって、端末装置10の撮像部13を用いて検査対象物Tの撮像が行われ、撮像された撮像画像Gが推定装置20に送信される。推定装置20は、端末装置10から受信した撮像画像Gを、撮像画像記憶部26に記憶させる。
【0026】
その後、撮像画像記憶部26に記憶された撮像画像Gから、検査員Uなどによって対象とする画像が指定される。この場合、例えば、端末装置10は、検査アプリを介して、推定装置20に、撮像画像記憶部26に記憶された撮像画像Gのリスト又はサムネイルを要求し、要求に応じて推定装置20から通知されたリスト又はサムネイルを、「画像を選択して下さい」などのメッセージとともに表示部14に表示する。検査員Uは、表示部14に表示されたリスト又はサムネイルから、漏れの傾向を推定してほしい撮像画像Gを選択する操作を行う。端末装置10は、検査員Uの操作に応じて、選択された撮像画像Gを示す情報を取得し、取得した情報を推定装置20に送信する。推定装置20は、検査員Uによって選択された撮像画像Gを示す情報を受信する。通信部21は、端末装置10から受信した情報を、推定部24に出力する。推定部24は、通信部21を介して取得した、検査員Uによって選択された撮像画像Gを示す情報に基づいて撮像画像記憶部26を参照し、検査員Uによって選択された撮像画像Gを読み出す。推定部24は、撮像画像記憶部26から読み出した撮像画像Gを用いて、その撮像画像Gに含まれる検査箇所Eを検査した検知結果を推定する。
【0027】
出力部25は、推定部24によって推定された検知結果を、端末装置10に出力する。出力部25は、推定部24によって推定された検知結果を、通信部21を介して端末装置10に送信する。
【0028】
出力部25は、検知結果が推定された検査箇所に対応する過去の検知結果を、検査履歴記憶部27から読み出し、読み出された過去の検知結果とともに、前記推定された検知結果を出力するようにしてもよい。この場合、検査員Uなどによって過去に行われた検査の実績が、検査履歴記憶部27に記憶される。例えば、検査員Uは、検査対象物Tにおけるガス漏れ検査を行うと、その検知結果を、端末装置10を介して推定装置20に送信する。推定装置20は、端末装置10から受信した検知結果を、検査履歴記憶部27に記憶させる。
【0029】
そして、出力部25は、推定部24によって推定された検知結果に基づいて、検査履歴記憶部27を参照することによって、検知結果が推定された検査箇所に対応する過去の検知結果を、検査履歴記憶部27から読み出す。出力部25は、読み出した過去の検知結果とともに、推定部24によって推定された検知結果を出力する。
【0030】
撮像画像記憶部26は、撮像画像Gを記憶する。撮像画像記憶部26は、例えば、検査員Uのカメラ(端末装置10)などによって撮像された撮像画像Gを、記憶する。
検査履歴記憶部27は、過去に行われた検査の履歴を記憶する。検査履歴記憶部27は、検査員Uによって既に行われたガス漏れ検査に関する情報、例えば、検査対象物、検査日時、及び検知結果などを示す情報を記憶する。
学習済モデル記憶部28は、学習済モデルを構築するための情報、例えば、学習済モデルにおける内部パラメータの設定値などを示す情報を記憶する。
【0031】
推定装置20が備える記憶部(撮像画像記憶部26、検査履歴記憶部27、及び学習済モデル記憶部28)は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROMなどの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。推定装置20が備える記憶部は、推定装置20における各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0032】
また、推定装置20が備える機能部(取得部22、学習部23、推定部24、及び出力部25)は、推定装置20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
【0033】
ここで、
図2及び
図3を用いて、端末装置10に表示される画像の例について説明する。
図2及び
図3は、実施形態の検査支援システム1において表示される画像の例を示す図である。
【0034】
図2には、検査員Uが検査対象物Tを撮像する際に、端末装置10に表示される画像の例が示されている。
図2に示すように、検査員Uが検査対象物Tを撮像部13により撮像する際、例えば、表示部14には、撮像フレームFと、操作ボタンB1及びB2が表示される。撮像フレームFには、撮像部13を通して被写体が表示される。検査員Uは、撮像フレームFに、検査対象物Tが含まれるように端末装置10を操作し、撮像ボタンBTを押下する等して撮像を行う。これにより、撮像フレームFに、検査員Uが撮像した撮像画像Gが表示される。検査員Uは、撮像画像Gを視認し、その撮像画像Gを漏れの傾向を推定させる画像として用いる場合には、「送信する」と示されたボタンB1をタップ操作する。一方、撮像画像Gを撮像し直す場合には、「撮り直す」と示されたボタンB2をタップ操作する。ボタンB1が操作された場合、端末装置10は、撮像画像Gを推定装置20に送信する。
【0035】
図3には、推定装置20によって推定された漏れの傾向として、撮像画像Gに含まれる検査箇所E(検査箇所E1、E2、E3)を検査した検知結果を推定した結果が表示された例が示されている。
図3に示すように、検知結果を推定した結果として、表示部14には、例えば、撮像画像G、マーカM、及びコメントCが表示される。例えば、撮像画像Gに含まれる検査箇所に、マーカMが付され、そのマーカMが付された検査箇所について特に注意するように示す表示がなされる。また、マーカMが付された検査箇所について、例えば、「検査でNGになる可能性が高い箇所です」などのようなコメントCが表示されてもよい。
【0036】
ここで、
図4を用いて、検査履歴記憶部27に記憶される情報の例について説明する。検査履歴記憶部27には、検査員Uなどによって過去に行われた検査の実績が記憶される。検査員Uが、検査の実績を検査履歴記憶部27に記憶させる方法は任意であってよいが、例えば、検査員Uが端末装置10を操作して検査の実績を入力する。端末装置10は、入力された検査の実績を、ネットワークを介して推定装置20に送信する。推定装置20は、端末装置10から受信した検査の実績を、検査履歴記憶部27に記憶させる。これにより、検査の実績が検査履歴記憶部27に記憶される。
図4は、実施形態の検査履歴記憶部27に記憶される情報の例を示す図である。
図4に示すように、検査履歴記憶部27には、例えば、検査対象物、検査対象データ、検査実績などの項目に対応する情報が記憶される。検査対象物の項目には、例えば、検査対象物Tを一意に識別する識別番号が記憶される。検査対象データの項目には、検査対象物Tに関する情報、例えば、製品名、ロット番号、製品型式、及び組み立て担当者などを示す情報が記憶される。検査実績の項目には、過去に行われた検査の結果などの実績に関する情報、例えば、検査箇所ごとの検査日、検知結果などを示す情報が記憶される。
【0037】
図4に示すように、検査履歴記憶部27として、検査対象物Tに関する検査対象データ、例えば、検査対象物の製品型式、組み立て担当者などを示す情報が含まれていてもよい。例えば、学習部23は、このような、検査対象物Tにおける製造に関する情報を、学習モデルに学習させるようにしてもよい。
【0038】
この場合、学習部23は、例えば、撮像画像Gと、検知結果と、検査対象データと、を対応づけた学習データセットを生成する。例えば、学習部23は、学習データセットを生成する際に、検査履歴記憶部27を参照し、過去に行われた検査における検知結果と、その検知結果に対応づけられた検査対象物Tにおける検査対象データと、を読み出す。学習部23は、過去に行われた検査における撮像画像Gと、その検知結果と、読出した検査対象データと、を対応づけることによって学習データセットを生成する。学習部23が、学習モデルに、学習データセットを学習させる方法については、上述した方法と同様であるため、ここではその説明を省略する。学習を繰り返すことによって、学習モデルは、入力された撮像画像Gと、検査対象物Tに関する検査対象データから、新たに入力される撮像画像Gに含まれる検査対象物Tに対する検知結果を推定する精度が高まるようになる。これにより、検査対象物Tの画像(撮像画像G)だけでなく、検査対象物Tに関するデータ(検査対象物の製品型式、組み立て担当者等)も考慮した上で、検知結果を推定することができる。従って、撮像画像Gには含まれない情報も踏まえて、検知結果を推定することができる。
【0039】
ここで、
図5を用いて、端末装置10に表示される画像の例について説明する。
図5は、実施形態の検査支援システム1において表示される画像の例を示す図である。
図5には、推定装置20によって推定された漏れの傾向と共に、推定された検査箇所に対応する過去の検知結果が表示された例が示されている。例えば、検査員Uは、検査を行う前に検査対象物Tを撮像し、撮像した画像(撮像画像G)を推定装置20に送信する。推定装置20は、撮像画像Gに基づいて、撮像画像Gに含まれる検査箇所Eを検査する場合の検知結果などを推定し、推定した結果を示す情報として、
図5に示すような画像を端末装置10に送信する。端末装置10は、推定装置20から受信した画像を表示する。これにより、
図5に示すような画像が端末装置10に表示される。
【0040】
図5に示すように、表示部14には、例えば、検査対象データR、撮像画像G、検査箇所E(検査箇所E1~E5)、マーカM(マーカM1~M3)、及び検査実績J(検査実績J1、J2)が表示される。
【0041】
表示部14には、例えば、検査対象物Tに関する製品名、ロット番号などの検査対象データRが画面の左上などの所定の箇所に表示される。また、撮像画像Gに含まれる複数の検査箇所Eのそれぞれに検査箇所を示す印が付されて表示される。また、マーカMが付された検査箇所Eについて特に注意するように示す表示がなされる。また、マーカMが付された検査箇所における過去の検知結果として、例えば、検査回数、NG回数、NG発生率、製造工程、組立者などを示す情報が表示される。ここでのNG回数とは、検査を行った結果、ガスが漏れていると判定された回数である。NG発生率とは、検査を行った総数に対して、ガスが漏れていると判定された数の比率である。
【0042】
図5に示すような画像が表示されることにより、検査員Uは、漏れやすい箇所を簡単に把握すると共に、漏れの傾向を製品の製造工程にフィードバックすることができる。例えば、漏れやすい箇所を製造する工程や、漏れやすい箇所を組み立てた組立者が判れば、その工程の責任者や、組立者に、漏れやすい箇所であることを報告することができる。漏れの傾向を製品の製造工程にフィードバックすることで、漏れにくい製品を作ることに生かすことが可能である。
【0043】
また、
図5に示すような画像が表示されることにより、漏れやすい箇所が簡単にわかるため、漏れの原因を、迅速に特定することができる。例えば、継手の部分が漏れやすい箇所であれば、継手部分における結合のゆるみなどが漏れの原因であることが特定できる。配管部分が漏れやすい箇所であれば、配管に微細な穴があいていることが漏れの原因であることが特定できる。
【0044】
ここで、
図6を用いて、検査支援システム1が適用される例について説明する。
図6は、実施形態の検査支援システム1が適用される例を示す図である。
図6に示すように、例えば、検査員Uは、一方の手にガス検知器Dを持ち、他方の手に端末装置10を携帯してガス漏れの検査を行う。ガス検知器Dは、ガス漏れの有無を検知する機器である。ガス検知器Dは、例えば、端末装置10と通信可能に接続され、ガス漏れの有無を検知した検知結果を端末装置10に送信する。端末装置10は、ガス検知器Dから受信した検知結果を、推定装置20に送信する。これにより、検知結果が、推定装置20に集約され、例えば、検査履歴記憶部27に蓄積される。
検査員Uは、検査を行う前に、検査アプリを介して検査対象物Tを撮像し、撮像画像Gから推定される漏れの傾向を表示させておく。より具体的には、検査員Uにより検査対象物Tが撮像されることにより端末装置10は撮像画像Gを取得し、取得した撮像画像Gを推定装置20に送信する。推定装置20は、端末装置10から受信した撮像画像Gに基づいて撮像画像Gから推定される漏れの傾向を推定し、推定した結果を示す画像(例えば、
図5に示される画像)を端末装置10に送信する。端末装置10は、推定装置20から受信した画像を表示する。これにより、端末装置10に撮像画像Gから推定される漏れの傾向を表示される。
検査員Uは、端末装置10の表示を視認し、検査対象物Tにおいて特にガス漏れが発生し易い検査箇所Eを把握する。検査員Uは、把握した検査箇所Eを重点的に検査する。
【0045】
なお、本実施形態では、推定装置20が、取得部22と推定部24とを備え、漏れの傾向を推定する機能を有する場合を例示して説明したが、これに限定されない。端末装置10に、漏れの傾向を推定する機能(取得部22と推定部24)が搭載されていてもよいし、ガス検知器Dと端末装置10とに、漏れの傾向を推定する機能(取得部22と推定部24)が分散して搭載されていてもよい。また、ガス検知器Dに、漏れの傾向を推定する機能(取得部22と推定部24)が搭載されていてもよい。
【0046】
例えば、漏れの傾向を推定する機能(取得部22と推定部24)が端末装置10に搭載される場合、端末装置10は、推定部24に相当する機能部を有する。端末装置10は、撮像部13によって撮像した撮像画像Gに含まれる検査箇所Eを検査した検知結果を推定し、推定した結果を表示部14に表示する。この場合、表示部14は、「出力部」の一例である。これにより、検査支援システム1において推定装置20における取得部22と推定部24を省略することが可能である。
【0047】
また、漏れの傾向を推定する機能(取得部22と推定部24)が、ガス検知器Dと端末装置10とに分散して搭載される場合、例えば、ガス検知器Dはカメラ(撮像部13に相当)を備え、端末装置10は推定部24に相当する機能部を備える。ガス検知器Dと端末装置10とは、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信等によって通信可能に接続される。ガス検知器Dはカメラよって撮像した撮像画像Gを端末装置10に送信する。端末装置10は、撮像画像Gに含まれる検査箇所Eを検査した検知結果を推定し、推定した結果を表示部14に表示する。この場合、表示部14は、「出力部」の一例である。これにより、例えば、ガス漏れ検査において、撮像画像Gとその検知結果を検査データとして蓄積するような場合、検査時に撮像する撮像画像Gを用いて、事前に、漏れの傾向を把握することが可能となる。検査後、その検知結果と、推定に用いた撮像画像Gを検査データとすることができ、同じ撮像画像Gを、漏れの傾向の予測と、検査データの生成との両方に利用することができる。
【0048】
また、漏れの傾向を推定する機能(取得部22と推定部24)がガス検知器Dに搭載される場合、ガス検知器Dは、カメラ(撮像部13に相当)と、ディプレイ(表示部14に相当)と、推定部24に相当する機能部とを有する。ガス検知器Dは、カメラによって撮像画像Gを撮像し、撮像した撮像画像Gに含まれる検査箇所Eを検査した検知結果を推定し、推定した結果を、ディプレイに表示する。この場合、ディプレイは、「出力部」の一例である。これにより、検査支援システム1において、端末装置10と推定装置20とを省略することができる。また、ガス検知器Dのみを用いて、漏れの傾向を把握すると共に、ガス漏れ検査を実施することが可能となる。
【0049】
ここで、
図7を用いて、検査支援システム1が行う処理の流れについて説明する。
図7は、実施形態における検査支援システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、学習済モデルが生成済であることを前提とする。
【0050】
端末装置10は、撮像画像Gを取得する(ステップS10)。端末装置10は、撮像画像Gを推定装置20に送信する(ステップS11)。推定装置20は、端末装置10から送信された、撮像画像Gを受信する(ステップS12)。推定装置20は、検知結果を推定する(ステップS13)。推定装置20は、端末装置10から受信した撮像画像Gを学習済モデルに入力することによって、その学習済モデルから出力される、撮像画像Gに含まれる検査箇所Eを検査した検知結果を推定した結果を取得する。推定装置20は、推定結果を端末装置10に送信する(ステップS14)。端末装置10は、推定装置20から送信された、推定結果を受信し(ステップS15)、その推定結果を画面に表示させる(ステップS16)。
【0051】
以上説明したように、実施形態における検査支援システム1では、取得部22が、検査箇所Eを含む検査対象物Tを撮像した撮像画像Gを取得し、推定部24が、学習済モデルに、取得部22によって取得された撮像画像Gを入力することで、その入力された撮像画像Gに含まれる検査箇所Eを検査した検知結果を推定する。学習済モデルは、検査対象物Tを撮像した撮像画像Gと、検査対象物Tから流出するガスを検知する検査を行った結果である検知結果とを用いて、撮像画像Gと検知結果との関係を学習したモデルである。これにより、実施形態における検査支援システム1では、検査対象物が撮像された画像を入力することで、学習済みモデルから、推定された検知結果を得ることができる。これにより、経験や知識が豊富ではない検査員であっても、推定された結果に基づいて、ガスが流出しているか否かの傾向を容易に把握することができる。従って、ガス漏れが生じ易い箇所あるいは生じ難い箇所を、検査員に対して伝達する手間や時間を削減することができる。したがって、漏れ検査における漏れの傾向を容易に推定することができる。
【0052】
また、実施形態における検査支援システム1では、前記取得部22は、端末装置10に搭載されたカメラ(撮像部13)によって撮像された撮像画像Gを取得する。推定部24は、端末装置10のカメラによって撮像された撮像画像Gを、学習済モデルに入力することで、検知結果を推定する。出力部25は、推定部24によって推定された検知結果を、端末装置10に出力する。これにより、実施形態における検査支援システム1では、端末装置によって検査箇所を撮像することで、その撮像された検査箇所に対する推定された検知結果を出力させることができる。これにより、検査員は、推定された検知結果を把握したい検査箇所を端末装置によって撮像すれば、簡単に、推定された検知結果を把握することができる。
【0053】
また、実施形態における検査支援システム1では、取得部22は、撮像画像記憶部26(検査対象物Tが撮像された撮像画像Gを記憶する記憶部)に記憶された撮像画像Gのなかから指定された判定対象の撮像画像Gを取得する。例えば、端末装置10に、撮像画像記憶部26に記憶された撮像画像をリスト又はサムネイルなどを用いて一覧で表示させる。検査員Uは、表示されたリスト又はサムネイルから、漏れの傾向を推定してほしい検査対象物Tが撮像された撮像画像Gを選択する。端末装置10は、検査員Uの操作に応じて、選択された撮像画像Gを推定装置20に送信する。推定装置20は、端末装置10から通知された撮像画像Gを示す情報を、推定部24に出力する。推定部24は、端末装置10から通知された撮像画像Gを示す情報に基づいて撮像画像記憶部26を参照し、対応する撮像画像Gを取得するように、取得部22に依頼する。取得部22は、撮像画像記憶部26に記憶された撮像画像Gのなかから、端末装置10から通知された撮像画像Gに対応する画像を、「指定された判定対象の撮像画像G」として取得する。推定部24は、指定された撮像画像Gを入力することで、検知結果を推定する。出力部25は、推定部24によって推定された検知結果を端末装置10に出力する。これにより、実施形態における検査支援システム1では、検査対象物を事前に撮像しておき、その撮像結果のなかから対象の撮像画像を指定することで、その撮像画像に含まれる検査箇所を対象として、推定された検知結果を得ることができる。これにより、検知結果を把握する対象の撮像画像を準備すれば、その撮像画像に含まれる検査箇所を検査した場合の結果を推定することができる。
【0054】
また、実施形態における検査支援システム1では、推定装置20(コンピュータ)が検査履歴記憶部27を有する。検査履歴記憶部27は、検査箇所Eを対象として検査した結果である検知結果を、その検査箇所Eとともに記憶する。出力部25は、検知結果が推定された検査箇所に対応する過去の検知結果を、検査履歴記憶部27から読み出し、読み出された過去の検知結果とともに、その推定された検知結果を、通信部21を介して端末装置10に出力する。これにより、実施形態における検査支援システム1では、推定された検知結果だけでなく、実際に過去に検査が行われた履歴に応じた情報も出力される。これにより、検査員は、推定結果と、過去の実績との両方を手がかりにして、検査箇所において漏れがあるか否かの傾向を把握することができる。なお、出力部25は、推定された検知結果を、通信部21と通信ネットワークNWを介して他の端末装置(パーソナルコンピュータ等)に出力してもよい。
【0055】
また、実施形態における検査支援システム1では、学習済みモデルは、検査対象物Tを撮像した撮像画像Gと、その検査対象物Tから流出するガスを検知する検査を行った結果である検知結果と、検査対象物Tに関する検査対象データと、を用いて、撮像画像Gと検知結果と検査対象データとの関係を学習した学習済みモデルであってもよい。推定部24は、撮像画像Gと検査対象データとを、学習済モデルに入力することで、入力された撮像画像Gに含まれる検査箇所Eを検査した検知結果を推定する。これにより、実施形態における検査支援システム1では、検査対象物の画像だけでなく、検査対象物に関するデータ(検査対象物の製品型式、組み立て担当者等)も考慮した上で、検知結果を推定することができる。これにより、撮像画像には含まれない情報も踏まえて、検知結果を推定することができる。
【0056】
上述した実施形態における検査支援システム1の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
1…検査支援システム、10…端末装置、13…撮像部(カメラ)、14…表示部(出力部)、20…推定装置、21…通信部、22…取得部、23…学習部、24…推定部、25…出力部、26…撮像画像記憶部、27…検査履歴記憶部、28…学習済モデル記憶部