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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171555
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/241 20180101AFI20241205BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20241205BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20241205BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20241205BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20241205BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20241205BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20241205BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20241205BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20241205BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20241205BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241205BHJP
【ＦＩ】
F21S43/241
F21S43/14
F21S43/245
F21V8/00 320
F21W103:10
F21W103:00
F21W103:35
F21W103:45
F21W103:55
F21W103:20
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023088624
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】金徳 大地
【テーマコード（参考）】
3K244
【Ｆターム（参考）】
3K244AA05
3K244BA08
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA03
3K244EA12
3K244EB01
3K244EB02
(57)【要約】
【課題】光源から出射された光の光軸付近とその周辺との輝度差を解消し、より均一な光を導光体により導光させることを可能とした車両用灯具を提供する。
【解決手段】導光部５は、空間Ｋを形成する凹部１２と、空間Ｋを挟んで向かい合う導光出射部１３及び導光入射部１４とを有し、導光出射部１３は、導光部５の内部で導光される光Ｌを複数の出射カット１３ａから空間Ｋに向けて出射し、導光入射部１４は、空間Ｋに向けて出射された光Ｌを複数の入射カット１４ａから導光部５の内部へと入射し、複数の出射カット１３ａ及び複数の入射カット１４ａは、幅方向の中央部に位置する中央領域Ｅ１と、幅方向の中央領域Ｅ１を挟んだ両側に位置する周辺領域Ｅ２とのうち、中央領域Ｅ１を通過する光Ｌ１を拡散方向に屈折させ、周辺領域Ｅ２を通過する光Ｌ２を集光方向に屈折させる。
【選択図】図８
【解決手段】導光部５は、空間Ｋを形成する凹部１２と、空間Ｋを挟んで向かい合う導光出射部１３及び導光入射部１４とを有し、導光出射部１３は、導光部５の内部で導光される光Ｌを複数の出射カット１３ａから空間Ｋに向けて出射し、導光入射部１４は、空間Ｋに向けて出射された光Ｌを複数の入射カット１４ａから導光部５の内部へと入射し、複数の出射カット１３ａ及び複数の入射カット１４ａは、幅方向の中央部に位置する中央領域Ｅ１と、幅方向の中央領域Ｅ１を挟んだ両側に位置する周辺領域Ｅ２とのうち、中央領域Ｅ１を通過する光Ｌ１を拡散方向に屈折させ、周辺領域Ｅ２を通過する光Ｌ２を集光方向に屈折させる。
【選択図】図８
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源から出射された光が入射する入射部と、
前記入射部から入射した光を導光させる導光部とを有し、
前記入射部は、前記導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射し、
前記導光部は、空間を形成する凹部と、前記空間を挟んで向かい合う導光出射部及び導光入射部とを有し、
前記導光出射部は、その幅方向に並ぶ複数の出射カットを含み、前記導光部の内部で導光される光を前記複数の出射カットから前記空間に向けて出射し、
前記導光入射部は、その幅方向に並ぶ複数の入射カットを含み、前記空間に向けて出射された光を前記複数の入射カットから前記導光部の内部へと入射し、
前記複数の出射カット及び前記複数の入射カットは、前記幅方向の中央部に位置する中央領域と、前記幅方向の前記中央領域を挟んだ両側に位置する周辺領域とのうち、
前記中央領域を通過する光を拡散方向に屈折させ、前記周辺領域を通過する光を集光方向に屈折させることを特徴とする車両用灯具。
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源から出射された光が入射する入射部と、
前記入射部から入射した光を導光させる導光部とを有し、
前記入射部は、前記導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射し、
前記導光部は、空間を形成する凹部と、前記空間を挟んで向かい合う導光出射部及び導光入射部とを有し、
前記導光出射部は、その幅方向に並ぶ複数の出射カットを含み、前記導光部の内部で導光される光を前記複数の出射カットから前記空間に向けて出射し、
前記導光入射部は、その幅方向に並ぶ複数の入射カットを含み、前記空間に向けて出射された光を前記複数の入射カットから前記導光部の内部へと入射し、
前記複数の出射カット及び前記複数の入射カットは、前記幅方向の中央部に位置する中央領域と、前記幅方向の前記中央領域を挟んだ両側に位置する周辺領域とのうち、
前記中央領域を通過する光を拡散方向に屈折させ、前記周辺領域を通過する光を集光方向に屈折させることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源から出射された光が入射する入射部と、
前記入射部から入射した光を導光させる一方の導光部及び他方の導光部と、
前記一方の導光部と前記他方の導光部との間に位置して、前記一方の導光部の内部で導光される光を前記他方の導光部に向けて反射する反射部とを有し、
前記入射部は、前記一方の導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記一方の導光部の内部へと入射し、
前記反射部は、その幅方向の中央部に位置する中央反射面と、前記幅方向の前記中央反射面を挟んだ両側に位置する周辺反射面とを含み、
前記中央反射面に入射した光を前記幅方向において拡散しながら、前記他方の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記幅方向において拡散させずに、前記他方の導光部に向けて反射することを特徴とする車両用灯具。
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源から出射された光が入射する入射部と、
前記入射部から入射した光を導光させる一方の導光部及び他方の導光部と、
前記一方の導光部と前記他方の導光部との間に位置して、前記一方の導光部の内部で導光される光を前記他方の導光部に向けて反射する反射部とを有し、
前記入射部は、前記一方の導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記一方の導光部の内部へと入射し、
前記反射部は、その幅方向の中央部に位置する中央反射面と、前記幅方向の前記中央反射面を挟んだ両側に位置する周辺反射面とを含み、
前記中央反射面に入射した光を前記幅方向において拡散しながら、前記他方の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記幅方向において拡散させずに、前記他方の導光部に向けて反射することを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】
前記入射部は、前記光源から出射された光を前記導光体の厚み方向において集光しながら、前記一方の導光部の内部へと入射し、
前記反射部は、前記中央反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散しながら、前記他方の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散させずに、前記他方の導光部に向けて反射することを特徴とする請求項２に記載の車両用灯具。
前記反射部は、前記中央反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散しながら、前記他方の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散させずに、前記他方の導光部に向けて反射することを特徴とする請求項２に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記反射部は、前記厚み方向の内側に位置する内側反射面と、前記厚み方向の前記内側反射面を挟んだ両側に位置する外側反射面とを含み、
前記内側反射面に入射した光は、前記厚み方向において前記外側反射面に入射した光よりも大きく拡散しながら反射されることを特徴とする請求項３に記載の車両用灯具。
前記内側反射面に入射した光は、前記厚み方向において前記外側反射面に入射した光よりも大きく拡散しながら反射されることを特徴とする請求項３に記載の車両用灯具。
【請求項5】
光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源から出射された光が入射する入射部と、
前記入射部から入射した光を導光させる第１の導光部及び第２の導光部と、
前記第１の導光部と前記第２の導光部との間に位置して、前記第１の導光部の内部で導光される光を前記第２の導光部に向けて反射する第１の反射部とを有し、
前記入射部は、前記第１の導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記第１の導光部の内部へと入射し、
前記第１の導光部は、空間を形成する凹部と、前記空間を挟んで向かい合う導光出射部及び導光入射部とを有し、
前記導光出射部は、その幅方向に並ぶ複数の出射カットを含み、前記第１の導光部の内部で導光される光を前記複数の出射カットから前記空間に向けて出射し、
前記導光入射部は、その幅方向に並ぶ複数の入射カットを含み、前記空間に向けて出射された光を前記複数の入射カットから前記第１の導光部の内部へと入射し、
前記複数の出射カット及び前記複数の入射カットは、前記幅方向の中央部に位置する中央領域と、前記幅方向の前記中央領域を挟んだ両側に位置する周辺領域とのうち、
前記中央領域を通過する光を拡散方向に屈折させ、前記周辺領域を通過する光を集光方向に屈折させ、
前記第１の反射部は、その幅方向の中央部に位置する中央反射面と、前記幅方向の前記中央反射面を挟んだ両側に位置する周辺反射面とを含み、
前記中央反射面に入射した光を前記幅方向において拡散しながら、前記第２の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記幅方向において拡散させずに、前記第２の導光部に向けて反射することを特徴とする車両用灯具。
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源から出射された光が入射する入射部と、
前記入射部から入射した光を導光させる第１の導光部及び第２の導光部と、
前記第１の導光部と前記第２の導光部との間に位置して、前記第１の導光部の内部で導光される光を前記第２の導光部に向けて反射する第１の反射部とを有し、
前記入射部は、前記第１の導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記第１の導光部の内部へと入射し、
前記第１の導光部は、空間を形成する凹部と、前記空間を挟んで向かい合う導光出射部及び導光入射部とを有し、
前記導光出射部は、その幅方向に並ぶ複数の出射カットを含み、前記第１の導光部の内部で導光される光を前記複数の出射カットから前記空間に向けて出射し、
前記導光入射部は、その幅方向に並ぶ複数の入射カットを含み、前記空間に向けて出射された光を前記複数の入射カットから前記第１の導光部の内部へと入射し、
前記複数の出射カット及び前記複数の入射カットは、前記幅方向の中央部に位置する中央領域と、前記幅方向の前記中央領域を挟んだ両側に位置する周辺領域とのうち、
前記中央領域を通過する光を拡散方向に屈折させ、前記周辺領域を通過する光を集光方向に屈折させ、
前記第１の反射部は、その幅方向の中央部に位置する中央反射面と、前記幅方向の前記中央反射面を挟んだ両側に位置する周辺反射面とを含み、
前記中央反射面に入射した光を前記幅方向において拡散しながら、前記第２の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記幅方向において拡散させずに、前記第２の導光部に向けて反射することを特徴とする車両用灯具。
【請求項6】
前記入射部は、前記光源から出射された光を前記導光体の厚み方向において集光しながら、前記第１の導光部の内部へと入射し、
前記反射部は、前記中央反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散しながら、前記第２の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散させずに、前記第２の導光部に向けて反射することを特徴とする請求項５に記載の車両用灯具。
前記反射部は、前記中央反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散しながら、前記第２の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散させずに、前記第２の導光部に向けて反射することを特徴とする請求項５に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記反射部は、前記厚み方向の内側に位置する内側反射面と、前記厚み方向の前記内側反射面を挟んだ両側に位置する外側反射面とを含み、
前記内側反射面に入射した光は、前記厚み方向において前記外側反射面に入射した光よりも大きく拡散しながら反射されることを特徴とする請求項６に記載の車両用灯具。
前記内側反射面に入射した光は、前記厚み方向において前記外側反射面に入射した光よりも大きく拡散しながら反射されることを特徴とする請求項６に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記導光体は、前記入射部から入射した光を導光させる第３の導光部と、
前記第２の導光部と前記第３の導光部との間に位置して、前記第２の導光部の内部で導光される光を前記第３の導光部に向けて反射する第２の反射部とを有し、
前記第２の反射部は、前記第３の導光部に向けて反射される光を前記幅方向及び前記厚み方向において拡散させる複数の拡散カットを含むことを特徴とする請求項７に記載の車両用灯具。
前記第２の導光部と前記第３の導光部との間に位置して、前記第２の導光部の内部で導光される光を前記第３の導光部に向けて反射する第２の反射部とを有し、
前記第２の反射部は、前記第３の導光部に向けて反射される光を前記幅方向及び前記厚み方向において拡散させる複数の拡散カットを含むことを特徴とする請求項７に記載の車両用灯具。
【請求項9】
前記導光体は、前記第３の導光部の背面側に位置して、前記第３の導光部の基端側から先端側に向かって導光される光を前記第３の導光部の正面側に向けて反射する第３の反射部と、
前記第３の導光部の正面側に位置して、前記第３の反射部により反射された光を前記第３の導光部の外部へと出射する出射部とを有することを特徴とする請求項８に記載の車両用灯具。
前記第３の導光部の正面側に位置して、前記第３の反射部により反射された光を前記第３の導光部の外部へと出射する出射部とを有することを特徴とする請求項８に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載される車両用灯具として、発光ダイオード（ＬＥＤ）などの光源と、インナーレンズなどの導光体とを組み合わせたものが知られている（例えば、下記特許文献１を参照。）。
【0003】
このような車両用灯具では、光源から出射された光を導光体の入射面から導光体の内部へと入射し、導光体の内部で光を導光させながら、導光体の出射面から導光体の外部へと光を出射する。これにより、導光体の出射面を車両用灯具の発光面として発光させることが可能である。
【0004】
例えば、下記特許文献１に記載の車両用灯具では、光源から出射された光が、棒状導光部の光入射面から棒状導光部に入射し、棒状導光部から接続凸部を介して板状部に進入し、光拡散材によって板状部の主表面から出射されることで、導光体の表面を均一に発光させること行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開２０１９－３３０４４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したＬＥＤは、指向性（直進性）が高いといった反面、光が拡散し難いといった特性（ランバーシアン特性）を持ち合わせている。このため、車両用灯具では、光源から出射された光の光軸付近とその周辺との輝度差によって、導光体の出射面（発光面）のうちＬＥＤの光軸付近に対応した部分がその周辺部分よりも強く光って見える、いわゆる輝度（発光）ムラが発生し易くなっている。
【0007】
これに対して、従来の車両用灯具では、導光体に複数の反射面を設けて、これら複数の反射面で反射された光を出射面に向けて導光させる間に、反射面に設けられた光学カットにより光を拡散させることで、導光体の出射面において輝度（発光）ムラの少ない均一な発光を得ることが行われている。
【0008】
しかしながら、光源から出射された点発光の光を導光体の内部で導光させながら、導光体の出射面を面発光させる場合、導光体の反射面に設けられた光学カットのみで拡散させる構成では、上述した出射面における輝度（発光）ムラの発生を解消することは困難である。
【0009】
一方、光拡散部材のような別の部品を追加して輝度（発光）ムラの発生を解消する場合には、部品点数の増加によりコストが嵩むことになる。
【0010】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、光源から出射された光の光軸付近とその周辺との輝度差を解消し、より均一な光を導光体により導光させることを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔１〕 光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源から出射された光が入射する入射部と、
前記入射部から入射した光を導光させる導光部とを有し、
前記入射部は、前記導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射し、
前記導光部は、空間を形成する凹部と、前記空間を挟んで向かい合う導光出射部及び導光入射部とを有し、
前記導光出射部は、その幅方向に並ぶ複数の出射カットを含み、前記導光部の内部で導光される光を前記複数の出射カットから前記空間に向けて出射し、
前記導光入射部は、その幅方向に並ぶ複数の入射カットを含み、前記空間に向けて出射された光を前記複数の入射カットから前記導光部の内部へと入射し、
前記複数の出射カット及び前記複数の入射カットは、前記幅方向の中央部に位置する中央領域と、前記幅方向の前記中央領域を挟んだ両側に位置する周辺領域とのうち、
前記中央領域を通過する光を拡散方向に屈折させ、前記周辺領域を通過する光を集光方向に屈折させることを特徴とする車両用灯具。
〔２〕 光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源から出射された光が入射する入射部と、
前記入射部から入射した光を導光させる一方の導光部及び他方の導光部と、
前記一方の導光部と前記他方の導光部との間に位置して、前記一方の導光部の内部で導光される光を前記他方の導光部に向けて反射する反射部とを有し、
前記入射部は、前記一方の導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記一方の導光部の内部へと入射し、
前記反射部は、その幅方向の中央部に位置する中央反射面と、前記幅方向の前記中央反射面を挟んだ両側に位置する周辺反射面とを含み、
前記中央反射面に入射した光を前記幅方向において拡散しながら、前記他方の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記幅方向において拡散させずに、前記他方の導光部に向けて反射することを特徴とする車両用灯具。
〔３〕 前記入射部は、前記光源から出射された光を前記導光体の厚み方向において集光しながら、前記一方の導光部の内部へと入射し、
前記反射部は、前記中央反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散しながら、前記他方の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散させずに、前記他方の導光部に向けて反射することを特徴とする前記〔２〕に記載の車両用灯具。
〔４〕 前記中央反射面は、前記厚み方向の内側に位置する内側反射カットと、前記厚み方向の前記内側反射カットを挟んだ両側に位置する外側反射カットとを含み、
前記内側反射カットに入射した光は、前記厚み方向において前記外側反射カットに入射した光よりも大きく拡散しながら反射されることを特徴とする前記〔３〕に記載の車両用灯具。
〔５〕 光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源から出射された光が入射する入射部と、
前記入射部から入射した光を導光させる第１の導光部及び第２の導光部と、
前記第１の導光部と前記第２の導光部との間に位置して、前記第１の導光部の内部で導光される光を前記第２の導光部に向けて反射する第１の反射部とを有し、
前記入射部は、前記第１の導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記第１の導光部の内部へと入射し、
前記第１の導光部は、空間を形成する凹部と、前記空間を挟んで向かい合う導光出射部及び導光入射部とを有し、
前記導光出射部は、その幅方向に並ぶ複数の出射カットを含み、前記第１の導光部の内部で導光される光を前記複数の出射カットから前記空間に向けて出射し、
前記導光入射部は、その幅方向に並ぶ複数の入射カットを含み、前記空間に向けて出射された光を前記複数の入射カットから前記第１の導光部の内部へと入射し、
前記複数の出射カット及び前記複数の入射カットは、前記幅方向の中央部に位置する中央領域と、前記幅方向の前記中央領域を挟んだ両側に位置する周辺領域とのうち、
前記中央領域を通過する光を拡散方向に屈折させ、前記周辺領域を通過する光を集光方向に屈折させ、
前記第１の反射部は、その幅方向の中央部に位置する中央反射面と、前記幅方向の前記中央反射面を挟んだ両側に位置する周辺反射面とを含み、
前記中央反射面に入射した光を前記幅方向において拡散しながら、前記第２の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記幅方向において拡散させずに、前記第２の導光部に向けて反射することを特徴とする車両用灯具。
〔６〕 前記入射部は、前記光源から出射された光を前記導光体の厚み方向において集光しながら、前記第１の導光部の内部へと入射し、
前記反射部は、前記中央反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散しながら、前記第２の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散させずに、前記第２の導光部に向けて反射することを特徴とする前記〔５〕に記載の車両用灯具。
〔７〕 前記中央反射面は、前記厚み方向の内側に位置する内側反射カットと、前記厚み方向の前記内側反射カットを挟んだ両側に位置する外側反射カットとを含み、
前記内側反射カットに入射した光は、前記厚み方向において前記外側反射カットに入射した光よりも大きく拡散しながら反射されることを特徴とする前記〔６〕に記載の車両用灯具。
〔８〕 前記導光体は、前記入射部から入射した光を導光させる第３の導光部と、
前記第２の導光部と前記第３の導光部との間に位置して、前記第２の導光部の内部で導光される光を前記第３の導光部に向けて反射する第２の反射部とを有し、
前記第２の反射部は、前記第３の導光部に向けて反射される光を前記幅方向及び前記厚み方向において拡散させる複数の拡散カットを含むことを特徴とする前記〔７〕に記載の車両用灯具。
〔９〕 前記導光体は、前記第３の導光部の背面側に位置して、前記第３の導光部の基端側から先端側に向かって導光される光を前記第３の導光部の正面側に向けて反射する第３の反射部と、
前記第３の導光部の正面側に位置して、前記第３の反射部により反射された光を前記第３の導光部の外部へと出射する出射部とを有することを特徴とする前記〔８〕に記載の車両用灯具。
〔１〕 光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源から出射された光が入射する入射部と、
前記入射部から入射した光を導光させる導光部とを有し、
前記入射部は、前記導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射し、
前記導光部は、空間を形成する凹部と、前記空間を挟んで向かい合う導光出射部及び導光入射部とを有し、
前記導光出射部は、その幅方向に並ぶ複数の出射カットを含み、前記導光部の内部で導光される光を前記複数の出射カットから前記空間に向けて出射し、
前記導光入射部は、その幅方向に並ぶ複数の入射カットを含み、前記空間に向けて出射された光を前記複数の入射カットから前記導光部の内部へと入射し、
前記複数の出射カット及び前記複数の入射カットは、前記幅方向の中央部に位置する中央領域と、前記幅方向の前記中央領域を挟んだ両側に位置する周辺領域とのうち、
前記中央領域を通過する光を拡散方向に屈折させ、前記周辺領域を通過する光を集光方向に屈折させることを特徴とする車両用灯具。
〔２〕 光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源から出射された光が入射する入射部と、
前記入射部から入射した光を導光させる一方の導光部及び他方の導光部と、
前記一方の導光部と前記他方の導光部との間に位置して、前記一方の導光部の内部で導光される光を前記他方の導光部に向けて反射する反射部とを有し、
前記入射部は、前記一方の導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記一方の導光部の内部へと入射し、
前記反射部は、その幅方向の中央部に位置する中央反射面と、前記幅方向の前記中央反射面を挟んだ両側に位置する周辺反射面とを含み、
前記中央反射面に入射した光を前記幅方向において拡散しながら、前記他方の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記幅方向において拡散させずに、前記他方の導光部に向けて反射することを特徴とする車両用灯具。
〔３〕 前記入射部は、前記光源から出射された光を前記導光体の厚み方向において集光しながら、前記一方の導光部の内部へと入射し、
前記反射部は、前記中央反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散しながら、前記他方の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散させずに、前記他方の導光部に向けて反射することを特徴とする前記〔２〕に記載の車両用灯具。
〔４〕 前記中央反射面は、前記厚み方向の内側に位置する内側反射カットと、前記厚み方向の前記内側反射カットを挟んだ両側に位置する外側反射カットとを含み、
前記内側反射カットに入射した光は、前記厚み方向において前記外側反射カットに入射した光よりも大きく拡散しながら反射されることを特徴とする前記〔３〕に記載の車両用灯具。
〔５〕 光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源から出射された光が入射する入射部と、
前記入射部から入射した光を導光させる第１の導光部及び第２の導光部と、
前記第１の導光部と前記第２の導光部との間に位置して、前記第１の導光部の内部で導光される光を前記第２の導光部に向けて反射する第１の反射部とを有し、
前記入射部は、前記第１の導光部の前記光源と対向する側に位置して、前記光源から出射された光を前記第１の導光部の内部へと入射し、
前記第１の導光部は、空間を形成する凹部と、前記空間を挟んで向かい合う導光出射部及び導光入射部とを有し、
前記導光出射部は、その幅方向に並ぶ複数の出射カットを含み、前記第１の導光部の内部で導光される光を前記複数の出射カットから前記空間に向けて出射し、
前記導光入射部は、その幅方向に並ぶ複数の入射カットを含み、前記空間に向けて出射された光を前記複数の入射カットから前記第１の導光部の内部へと入射し、
前記複数の出射カット及び前記複数の入射カットは、前記幅方向の中央部に位置する中央領域と、前記幅方向の前記中央領域を挟んだ両側に位置する周辺領域とのうち、
前記中央領域を通過する光を拡散方向に屈折させ、前記周辺領域を通過する光を集光方向に屈折させ、
前記第１の反射部は、その幅方向の中央部に位置する中央反射面と、前記幅方向の前記中央反射面を挟んだ両側に位置する周辺反射面とを含み、
前記中央反射面に入射した光を前記幅方向において拡散しながら、前記第２の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記幅方向において拡散させずに、前記第２の導光部に向けて反射することを特徴とする車両用灯具。
〔６〕 前記入射部は、前記光源から出射された光を前記導光体の厚み方向において集光しながら、前記第１の導光部の内部へと入射し、
前記反射部は、前記中央反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散しながら、前記第２の導光部に向けて反射し、
前記周辺反射面に入射した光を前記厚み方向において拡散させずに、前記第２の導光部に向けて反射することを特徴とする前記〔５〕に記載の車両用灯具。
〔７〕 前記中央反射面は、前記厚み方向の内側に位置する内側反射カットと、前記厚み方向の前記内側反射カットを挟んだ両側に位置する外側反射カットとを含み、
前記内側反射カットに入射した光は、前記厚み方向において前記外側反射カットに入射した光よりも大きく拡散しながら反射されることを特徴とする前記〔６〕に記載の車両用灯具。
〔８〕 前記導光体は、前記入射部から入射した光を導光させる第３の導光部と、
前記第２の導光部と前記第３の導光部との間に位置して、前記第２の導光部の内部で導光される光を前記第３の導光部に向けて反射する第２の反射部とを有し、
前記第２の反射部は、前記第３の導光部に向けて反射される光を前記幅方向及び前記厚み方向において拡散させる複数の拡散カットを含むことを特徴とする前記〔７〕に記載の車両用灯具。
〔９〕 前記導光体は、前記第３の導光部の背面側に位置して、前記第３の導光部の基端側から先端側に向かって導光される光を前記第３の導光部の正面側に向けて反射する第３の反射部と、
前記第３の導光部の正面側に位置して、前記第３の反射部により反射された光を前記第３の導光部の外部へと出射する出射部とを有することを特徴とする前記〔８〕に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、光源から出射された光の光軸付近とその周辺との輝度差を解消し、より均一な光を導光体により導光させることを可能とした車両用灯具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具を正面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0015】
本発明の一実施形態として、例えば図１～図２０に示す車両用灯具１について説明する。
なお、図１は、車両用灯具１を正面側から見た斜視図である。図２は、車両用灯具１を背面側から見た斜視図である。図３は、車両用灯具１の正面図である。図４は、車両用灯具１の背面図である。図５は、車両用灯具１の側面図である。図６は、車両用灯具１の上面図である。図７は、車両用灯具１の下面図である。図８は、図７中に示す線分Ａ－Ａによる光源２及び導光体３の断面図である。図９は、図３中に示す線分Ｂ－Ｂによる光源２及び導光体３の断面図である。図１０は、図８中に示す囲み部分ａを拡大した導光体３の断面図である。図１１は、図９中に示す囲み部分ｂを拡大した導光体３の断面図である。図１２は、図８中に示す囲み部分ｃを拡大した導光体３の断面図である。図１３は、図８中に示す囲み部分ｄを拡大した導光体３の断面図である。図１４は、図８中に示す囲み部分ｅを拡大した導光体３の断面図である。図１５は、図８中に示す囲み部分ｆを拡大した導光体３の断面図である。図１６は、図９中に示す線分Ｃ－Ｃによる導光体３の断面図である。図１７は、図１６中に示す線分Ｄ－Ｄに沿った位置における導光体３の断面図である。図１８は、図１６中に示す線分Ｅ－Ｅに沿った位置における導光体３の断面図である。図１９は、図８中に示す囲み部分ｇを拡大した導光体３の断面図である。図２０は、図１９中に示す線分Ｆ－Ｆに沿った位置における導光体３の断面図である。
なお、図１は、車両用灯具１を正面側から見た斜視図である。図２は、車両用灯具１を背面側から見た斜視図である。図３は、車両用灯具１の正面図である。図４は、車両用灯具１の背面図である。図５は、車両用灯具１の側面図である。図６は、車両用灯具１の上面図である。図７は、車両用灯具１の下面図である。図８は、図７中に示す線分Ａ－Ａによる光源２及び導光体３の断面図である。図９は、図３中に示す線分Ｂ－Ｂによる光源２及び導光体３の断面図である。図１０は、図８中に示す囲み部分ａを拡大した導光体３の断面図である。図１１は、図９中に示す囲み部分ｂを拡大した導光体３の断面図である。図１２は、図８中に示す囲み部分ｃを拡大した導光体３の断面図である。図１３は、図８中に示す囲み部分ｄを拡大した導光体３の断面図である。図１４は、図８中に示す囲み部分ｅを拡大した導光体３の断面図である。図１５は、図８中に示す囲み部分ｆを拡大した導光体３の断面図である。図１６は、図９中に示す線分Ｃ－Ｃによる導光体３の断面図である。図１７は、図１６中に示す線分Ｄ－Ｄに沿った位置における導光体３の断面図である。図１８は、図１６中に示す線分Ｅ－Ｅに沿った位置における導光体３の断面図である。図１９は、図８中に示す囲み部分ｇを拡大した導光体３の断面図である。図２０は、図１９中に示す線分Ｆ－Ｆに沿った位置における導光体３の断面図である。
【0016】
また、以下に示す図面では、ＸＹＺ直交座標系を設定し、Ｘ軸方向を車両用灯具１の前後方向（長さ方向）、Ｙ軸方向を車両用灯具１の左右方向（幅方向）、Ｚ軸方向を車両用灯具１の上下方向（高さ方向）として、それぞれ示すものとする。
【0017】
【0018】
光源２は、例えばＬＥＤ等の光Ｌを放射状に出射する発光素子からなる。
【0019】
光源２は、実装基板（図示せず。）の一面（本実施形態では上面）側に実装されて、この実装基板の一面に対して垂直な方向（本実施形態では上方）に向かって光Ｌを放射状に出射する。
【0020】
導光体３は、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなどの光透過性部材からなる。
【0021】
導光体３は、光源２から出射された光Ｌが入射する入射部４と、入射部４から入射した光を導光させる第１の導光部５、第２の導光部６及び第３の導光部７と、第１の導光部５と第２の導光部６との間に位置して、第１の導光部５の内部で導光される光Ｌを第２の導光部６に向けて反射する第１の反射部８と、第２の導光部６と第３の導光部７との間に位置して、第２の導光部６の内部で導光される光Ｌを第３の導光部７に向けて反射する第２の反射部９と、第３の導光部７の背面側に位置して、第３の導光部７の基端側から先端側に向かって導光される光Ｌを第３の導光部７の正面側に向けて反射する第３の反射部１０と、第３の導光部７の正面側に位置して、第３の反射部１０により反射された光Ｌを第３の導光部７の外部へと出射する出射部１１とを有している。
【0022】
第１の導光部５は、その基端側（本実施形態では下端側）に位置する入射部４から、その先端側（本実施形態では上端側）に位置する第１の反射部８に向けて光Ｌを導光させる部分を構成している。
【0023】
第２の導光部６は、その基端側（本実施形態では後端側）に位置する第１の反射部８から、その先端側（本実施形態では前端側）に位置する第２の反射部９に向けて光Ｌを導光させる部分を構成している。
【0024】
第３の導光部７は、その基端側（本実施形態では下端側）に位置する第２の反射部９から、その背面側に位置する第３の反射部１０に向けて光Ｌを導光させた後、第３の反射部１０から、その正面側に位置する出射部１１に向けて光Ｌを導光させる部分を構成している。
【0025】
導光体３は、光源２から出射された光Ｌの光軸ＡＸと直交する一の方向（以下、「導光体３の幅方向」とする。）において、第１の導光部５、第２の導光部６及び第３の導光部７が同一の幅で形成されると共に、第１の導光部５と第２の導光部６と第３の導光部７との各間で屈曲した略平板形状を有している。
【0026】
【0027】
入射面４ａは、図８及び図１０に示すように、導光体３の幅方向に対して平行な方向且つ光源２から出射される光Ｌの光軸ＡＸに対して平行な方向の断面（以下、「水平断面」という。）において、凹状に湾曲したレンズ形状を有している。
【0028】
入射部４では、光源２から放射状に出射された光Ｌのうち、第１の導光部５の幅方向（水平断面）において、入射面４ａの中央部を通過する光Ｌ１を光軸ＡＸに対して離間する方向（以下、「拡散方向」という。）に屈折させながら又は屈折させずに、第１の導光部５の内部へと入射し、入射面４ａの周辺部を通過する光Ｌ２を光軸ＡＸに対して接近する方向（以下、「集光方向」という。）に屈折させながら、第１の導光部５の内部へと入射する。
【0029】
これにより、入射面４ａ（入射部４）の中央部から第１の導光部５の内部に入射した光Ｌ１は、第１の導光部５の幅方向において拡散し、入射面４ａ（入射部４）の周辺部から第１の導光部５の内部に入射した光Ｌ２は、第１の導光部５の幅方向において集光しながら、第１の反射部８に向けて導光されることになる。
【0030】
一方、入射面４ａは、図９及び図１１に示すように、導光体３の幅方向に対して直交する方向且つ光源２から出射される光の光軸ＡＸに対して平行な方向の断面（以下、「鉛直断面」という。）において、凸状に湾曲したレンズ形状を有している。
【0031】
入射部４では、この入射面４ａに入射した光Ｌを第１の導光部５の厚み方向において集光しながら、第１の導光部５の内部へと入射する。
【0032】
これにより、入射面４ａ（入射部４）から第１の導光部５の内部に入射した光Ｌは、第１の導光部５の厚み方向において平行化（コリメート）しながら、第１の反射部８に向けて導光されることになる。
【0033】
【0034】
また、第１の導光部５の下端部における入射部４を挟んだ幅方向の両側には、導光体３を支持する一対の脚部５ａが設けられている。導光体３は、これら一対の脚部５ａを介して他の部材に対してネジ止め等により固定することが可能である。
【0035】
凹部１２は、第１の導光部５の正面側を第１の導光部５の幅方向に亘って切り欠くように設けられている。第１の導光部５は、凹部１２の底面側（第１の導光部５の背面側）に位置する連結部５ｂを介して空間Ｋの間が連結された構造を有している。
【0036】
凹部１２の空間Ｋを挟んだ一方側（本実施形態では下側）の側面１２ａは、光軸ＡＸを挟んだ幅方向の一方側と他方側とにおいて互いに逆向きに空間Ｋが拡がる方向（本実施形態では下方）に向かって傾斜した面を形成している。
【0037】
一方、凹部１２の空間Ｋを挟んだ他方側（本実施形態では上側）の側面１２ｂは、光軸ＡＸを挟んだ幅方向の一方側と他方側とにおいて互いに平行な面を形成している。
【0038】
導光出射部１３は、凹部１２の一方側の側面１２ａに位置して、第１の導光部５の幅方向に並ぶ複数の出射カット１３ａを有している。本実施形態において、複数の出射カット１３ａは、凹部１２の一方側の側面１２ａを第１の導光部５の厚み方向に切り欠く断面略三角形状の溝部により構成されている。
【0039】
また、複数の出射カット１３ａは、光軸ＡＸを挟んだ幅方向の一方側と他方側とにおいて互いに対称に並んで配置されると共に、互いに逆向きに傾斜したカット形状を有している。
【0040】
導光出射部１３では、第１の導光部５の内部で導光される光Ｌを複数の出射カット１３ａから空間Ｋに向けて出射する。
【0041】
導光入射部１４は、凹部１２の他方側の側面１２ｂに位置して、第１の導光部５の幅方向に並ぶ複数の入射カット１４ａを有している。本実施形態において、複数の入射カット１４ａは、凹部１２の他方側の側面１２ｂを第１の導光部５の厚み方向に切り欠く断面略三角形状の溝部により構成されている。
【0042】
また、複数の入射カット１４ａは、光軸ＡＸを挟んだ幅方向の一方側と他方側とにおいて互いに対称に並んで配置されると共に、互いに逆向きに傾斜したカット形状を有している。
【0043】
導光入射部１４では、空間Ｋに向けて出射された光Ｌを複数の入射カット１４ａから第１の導光部５の内部へと入射する。
【0044】
複数の出射カット１３ａ及び複数の入射カット１４ａは、第１の導光部５の幅方向の中央部に位置する中央領域Ｅ１と、第１の導光部５の幅方向の中央領域Ｅ１を挟んだ両側に位置する周辺領域Ｅ２とのうち、中央領域Ｅ１を通過する光Ｌ１を光軸ＡＸに対して離間する方向（以下、「拡散方向」という。）に屈折させ、周辺領域Ｅ２を通過する光Ｌ２を光軸ＡＸに対して接近する方向（以下、「集光方向」という。）に屈折させる。
【0045】
具体的に、中央領域Ｅ１を通過する光Ｌ１は、図８、図１２及び図１３に示す第１の導光部５の幅方向（水平断面）において、出射カット１３ａから拡散方向に屈折しながら出射された後、入射カット１４ａから拡散方向に屈折しながら入射する。
【0046】
これにより、中央領域Ｅ１を通過する光Ｌ１は、第１の導光部５の幅方向において、入射部４から入射したときよりも拡散された状態で、第１の反射部８に向けて導光されることになる。
【0047】
一方、周辺領域Ｅ２を通過する光Ｌ２は、図８、図１４及び図１５に示す第１の導光部５の幅方向（水平断面）において、出射カット１３ａから集光方向に屈折しながら出射された後、入射カット１４ａを構成する一方のカット面１４ｂから入射し、その隣の他方のカット面１４ｃで反射されることによって、入射カット１４ａから集光方向に屈折しながら入射する。
【0048】
これにより、周辺領域Ｅ２を通過する光Ｌ２は、第１の導光部５の幅方向において、入射部４から入射したときよりも集光（平行化）された状態で、第１の反射部８に向けて導光されることになる。
【0049】
一方、中央領域Ｅ１及び周辺領域Ｅ２を通過する光Ｌ１，Ｌ２（Ｌ）は、図１１に示す第１の導光部５の厚み方向（鉛直断面）において、上述した導光出射部１３、空間Ｋ及び導光入射部１４の間で平行化した状態のまま、第１の反射部８に向けて導光されることになる。
【0050】
第１の反射部８は、図２、図４－図６、図９及び図１６－図１８に示すように、第１の導光部５と第２の導光部６との間において、その幅方向の中央部に位置する中央反射面８ａと、その幅方向の中央反射面８ａを挟んだ両側に位置する周辺反射面８ｂとを有している。
【0051】
中央反射面８ａは、第２の導光部６の幅方向に対して平行な方向且つ光源２から出射される光Ｌの光軸ＡＸに対して直交する方向の断面（以下、「水平断面」という。）において、凹状に湾曲したレンズ形状を有している。
【0052】
また、中央反射面は、第２の導光部６の幅方向に対して直交する方向且つ光源２から出射される光Ｌの光軸ＡＸに対して平行な方向の断面（以下、「鉛直断面」という。）において、厚み方向の内側に位置する内側反射カット８ｃと、厚み方向の内側反射カットを挟んだ両側に位置する外側反射カット８ｄとを有している。
【0053】
内側反射カット８ｃ及び外側反射カット８ｄは、凹状に湾曲したカット形状を有している。また、内側反射カット８ｃは、外側反射カット８ｄよりも湾曲の曲率が小さくなっている。
【0054】
周辺反射面８ｂは、第１の導光部５と第２の導光部６との間で所定の角度（本実施形態では光軸ＡＸに対して４５°）で傾斜した傾斜面により構成されている。
【0055】
第１の反射部８では、図１６に示す第２の導光部６の幅方向（水平断面）において、中央反射面８ａに入射した光Ｌ３を幅方向において拡散しながら、第２の導光部６に向けて反射する。
【0056】
これにより、中央反射面８ａ（第１の反射部８）から第２の導光部６の内部に入射した光Ｌ３は、第２の導光部６幅方向において拡散しながら、第２の反射部９に向けて導光されることになる。
【0057】
一方、第１の反射部８では、図１６に示す第２の導光部６の幅方向（水平断面）において、周辺反射面８ｂに入射した光Ｌ４を幅方向において拡散させずに、第２の導光部６に向けて反射する。
【0058】
これにより、周辺反射面８ｂ（第１の反射部８）から第２の導光部６の内部に入射した光Ｌ４は、第２の導光部６の幅方向において平行化（コリメート）した状態のまま、第２の反射部９に向けて導光されることになる。
【0059】
また、第１の反射部８では、図１７に示す第２の導光部６の厚み方向（鉛直断面）において、中央反射面８ａに入射した光Ｌ３を厚み方向において拡散しながら、第２の導光部６に向けて反射する。
【0060】
さらに、中央反射面８ａに入射した光Ｌ３のうち、内側反射カット８ｃに入射した光Ｌ３ａは、第２の導光部６の厚み方向において、外側反射カット８ｄに入射した光Ｌ３ｂよりも大きく拡散しながら反射される。
【0061】
これにより、中央反射面８ａ（第１の反射部８）から第２の導光部６の内部に入射した光Ｌ３は、第２の導光部６の厚み方向において拡散しながら、第２の反射部９に向けて導光されることになる。
【0062】
一方、第１の反射部８では、図１８に示す第２の導光部６の厚み方向（鉛直断面）において、周辺反射面８ｂに入射した光Ｌ４を厚み方向において拡散させずに、第２の導光部６に向けて反射する。
【0063】
これにより、周辺反射面８ｂ（第１の反射部８）から第２の導光部６の内部に入射した光Ｌ４は、第２の導光部６の厚み方向において平行化（コリメート）した状態のまま、第２の反射部９に向けて導光されることになる。
【0064】
【0065】
傾斜反射面９ａには、その全面に亘って複数の拡散カット９ｂが設けられている。拡散カット９ｂとしては、例えば、フルートカットや魚眼カットと呼ばれるレンズカットや、ローレット加工やシボ加工等を施すことによって形成された凹凸構造などを挙げることができる。また、この拡散カット９ｂの形状等を調整することによって、傾斜反射面９ａで反射される光Ｌの拡散度合いを制御することが可能である。
【0066】
本実施形態では、拡散カット９ｂとして、第３の導光部７に向けて反射される光Ｌを第３の導光部７の幅方向及び厚み方向において拡散させる魚眼カットが設けられている。
【0067】
第２の反射部９では、傾斜反射面９ａに入射した光Ｌを複数の拡散カット９ｂにより第３の導光部７の幅方向及び厚み方向において拡散させながら、第３の導光部７に向けて反射する。
【0068】
これにより、傾斜反射面９ａ（第２の反射部９）から第３の導光部７の内部に入射した光Ｌは、第３の導光部７の幅方向及び幅方向において拡散しながら、第３の反射部１０に向けて導光されることになる。
【0069】
【0070】
第３の導光部７の背面は、第３の導光部７の基端側（本実施形態では下端側）から先端側（本実施形態では上端側）に向かって漸次厚みが小さくなるように、第３の導光部７の正面側に向かって傾斜した面を形成している。
【0071】
複数の反射カット１０ａは、第３の導光部７の背面側に入射した光Ｌを第３の導光部７の正面側から外部へと出射（透過）する角度で反射させるものであればよく、その形状や大きさ、数等について、特に限定されるものではない。
【0072】
本実施形態において、複数の反射カット１０ａは、第３の導光部７の背面を第３の導光部７が延在する方向とは直交する方向（本実施形態では幅方向）に切り欠く断面略三角形状の溝部により構成されている。
【0073】
また、複数の反射カット１０ａは、第３の導光部７が延在する方向において、後述する出射部１１をより均一に発光させるため、第３の導光部７の基端側から先端側に向かって、この反射カット１０ａを形成する溝部の隣り合う間隔が漸次狭くなっていてもよい。若しくは、この反射カット１０ａを形成する溝部の深さが漸次深くなっていてもよい。
【0074】
第３の反射部１０では、第３の導光部７の基端側から先端側に向けて導光される光Ｌのうち、複数の反射カット１０ａに入射した光Ｌを第３の導光部７の正面側にある出射部１１に向けて反射する。
【0075】
出射部１１は、図１、図３、図５、図９及び図１９に示すように、第３の導光部７の正面により構成される出射面１１ａを有している。出射面１１ａは、第３の導光部７の幅方向に対して平行な方向且つ光源２から出射される光Ｌの光軸ＡＸに対して平行な平面により構成されている。
【0076】
出射部１１では、この出射面１１ａから光Ｌを第３の導光部７（導光体３）の外部へと出射する。これにより、出射面１１ａを車両用灯具１の発光面として発光させることが可能である。
【0077】
なお、出射面１１ａには、この出射面１１ａから外部に向けて出射される光Ｌを拡散させるための複数の拡散カット（図示せず。）が設けられた構成であってもよい。
【0078】
拡散カットとしては、例えば、フルートカットや魚眼カットと呼ばれるレンズカットや、ローレット加工やシボ加工等を施すことによって形成された凹凸構造などを挙げることができる。また、この拡散カットの形状等を調整することによって、出射面１１ａから出射される光Ｌの拡散度合いを制御することが可能である。
【0079】
以上のような構成を有する本実施形態の車両用灯具１では、上述した光源２から出射された光Ｌのうち、光軸ＡＸに近い中央の強い光Ｌ１が、複数の出射カット１３ａ及び複数の入射カット１４ａの中央領域Ｅ１を通過する間に拡散方向に屈折される。一方、光軸ＡＸから遠い周辺の弱い光Ｌ２が、複数の出射カット１３ａ及び複数の入射カット１４ａの周辺領域Ｅ２を通過する間に集光方向に屈折される。
【0080】
これにより、本実施形態の車両用灯具１では、光源２から出射された光Ｌの光軸付近とその周辺との輝度差を解消しながら、第１の導光部５の幅方向においてより均一な光Ｌを導光させることが可能である。
【0081】
また、本実施形態の車両用灯具１では、上述した光源２から出射された光Ｌのうち、光軸ＡＸに近い中央の強い光Ｌ３が、中央反射面８ａにより第２の導光部６の幅方向に拡散しながら反射される。一方、光軸ＡＸから遠い周辺の弱い光Ｌ４が、周辺反射面８ｂにより第２の導光部６の幅方向に拡散されずに反射される。
【0082】
これにより、本実施形態の車両用灯具１では、光源２から出射された光Ｌの光軸付近とその周辺との輝度差を解消しながら、第２の導光部６の幅方向においてより均一な光Ｌを導光させることが可能である。
【0083】
また、本実施形態の車両用灯具１では、上述した光源２から出射された光Ｌのうち、光軸ＡＸに近い中央の強い光Ｌ３が、中央反射面８ａにより第２の導光部６の幅方向に拡散しながら反射される。一方、光軸ＡＸから遠い周辺の弱い光Ｌ４が、周辺反射面８ｂにより第２の導光部６の幅方向に拡散されずに反射される。
【0084】
さらに、本実施形態の車両用灯具１では、上述した中央反射面８ａに入射した光Ｌ３のうち、内側反射カット８ｃに入射した光Ｌ３ａが、第２の導光部６の厚み方向において、外側反射カット８ｄに入射した光Ｌ３ｂよりも大きく拡散しながら反射される。
【0085】
これにより、本実施形態の車両用灯具１では、光源２から出射された光Ｌの光軸付近とその周辺との輝度差を解消しながら、第２の導光部６の幅方向及び厚み方向においてより均一な光Ｌを導光させることが可能である。
【0086】
以上のようにして、本実施形態の車両用灯具１では、光源２から出射された光Ｌの光軸付近とその周辺との輝度差を解消し、より均一な光Ｌを導光体３により導光させることが可能である。
【0087】
したがって、本実施形態の車両用灯具１では、導光体３の出射面１１ａをより均一に発光させることができ、この出射面１１ａの発光時の見栄えを良くすることが可能である。
【0088】
また、本実施形態の車両用灯具１では、部品点数の増加を招くことなく、１つの光源２から出射された光Ｌを１つの導光体３を用いて、輝度（発光）ムラの発生を解消することが可能である。
【0089】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0090】
例えば、上記車両用灯具１では、上述した光源２及び導光体３を含む複数の発光ユニットを幅方向に並べて配置した構成としてもよい。また、複数の発光ユニットを構成する導光体３の隣り合うもの同士を連結した構成としてもよい。
【0091】
また、上記車両用灯具１を配置する向きについても、特に限定されるものではなく、例えば、上記車両用灯具１の上下方向を逆向きとした配置や、上記車両用灯具１の上下方向を横方向とした配置とすることも可能である。
【0092】
なお、本発明が適用される車両用灯具については、特に限定されるものではなく、例えば、尾灯（テールランプ）や車幅灯（ポジションランプ）、ブレーキランプ、バックランプ、昼間点灯用ランプ（ＤＲＬ）、方向指示器（ウィンカーランプ）、サイドマーカーランプなど、本発明を幅広く適用することが可能である。
【0093】
また、光源２が発する光の色については、赤色光や白色光、橙色光など、その車両用灯具の用途に応じて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0094】
１…車両用灯具 ２…光源 ３…導光体 ４…入射部 ５…第１の導光部 ６…第２の導光部 ７…第３の導光部 ８…第１の反射部 ８ａ…中央反射面 ８ｂ…周辺反射面 ８ｃ…内側反射カット ８ｄ…外側反射カット ９…第２の反射部 ９ｂ…拡散カット １０…第３の反射部 １１…出射部 １２…凹部 １３…導光出射部 １３ａ…出射カット １４…導光入射部 １４ａ…入射カット Ｅ１…中央領域 Ｅ２…周辺領域 Ｋ…空間 Ｌ…光
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】