(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171558
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】医用情報処理装置、医用情報処理システム、及び、医用情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 30/00 20180101AFI20241205BHJP
【FI】
G16H30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088628
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 優斗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 詩朗
(72)【発明者】
【氏名】野呂 恭平
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】オーダを迅速に実行して、被検体を早く処置すること。
【解決手段】実施形態に係る医用情報処理装置は、取得部と、生成部と、表示制御部とを備える。取得部は、被検体の属性を示す属性情報と、当該被検体の医用画像の解析結果を示す解析情報とを取得する。生成部は、属性情報と、解析情報とに基づいて、撮影オーダ及び治療オーダのうち少なくとも1つを含むプレオーダを生成する。表示制御部は、プレオーダを表示部に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の属性を示す属性情報と、当該被検体の医用画像の解析結果を示す解析情報とを取得する取得部と、
前記属性情報と、前記解析情報とに基づいて、撮影オーダ及び治療オーダのうち少なくとも1つを含むプレオーダを生成する生成部と、
前記プレオーダを表示部に表示させる表示制御部と、
を備える医用情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記属性情報と、前記解析情報とに基づいて、前記プレオーダを生成した根拠を示す根拠情報をさらに生成し、
前記表示制御部は、前記根拠情報を前記プレオーダと共に前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、
前記属性情報と、前記解析情報とに基づいて前記被検体の疾患候補を特定し、当該疾患候補の診断に必要な医用画像を撮影する指示である前記撮影オーダ、又は、当該疾患候補を治療する指示である前記治療オーダの履歴データを取得し、当該履歴データに基づいて前記プレオーダを生成する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記生成部は、複数の前記プレオーダを生成し、
前記表示制御部は、各プレオーダを実行した回数に応じて前記表示部に表示させる前記プレオーダを絞り込む、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記解析情報は、画像解析アプリケーションが前記医用画像を解析した解析結果、又は、読影医が当該解析結果から作成したレポートである、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記被検体の医用画像を解析し前記解析結果を出力する指示である解析オーダを前記医用情報処理装置に送信する解析オーダ部と、
前記被検体の病歴を示す病歴情報を取得する病歴取得部と、
前記プレオーダを取得し、前記病歴情報に基づいて当該プレオーダを絞り込んで表示部に表示させる表示制御部と、
ユーザの操作による前記プレオーダの承認を受け付ける受付部と、
当該承認を受け付けた前記プレオーダに基づいて、前記撮影オーダ又は前記治療オーダの少なくとも一方を発行する発行部と、
を備えた病院情報管理システムと連携して前記プレオーダを生成する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
医用情報処理装置と、病院情報管理システムとを備える医用情報処理システムであって、
前記医用情報処理装置は、
前記病院情報管理システムから受けた解析オーダに応じて被検体の医用画像を解析し解析結果を出力する解析部と、
前記被検体の属性を示す属性情報と、前記被検体の前記解析結果を示す解析情報とを取得する取得部と、
前記属性情報と、前記解析情報とに基づいて、撮影オーダ及び治療オーダのうち少なくとも1つを含むプレオーダを生成する生成部と、
を備え、
前記病院情報管理システムは、
前記被検体の医用画像を解析し前記解析結果を出力する指示である前記解析オーダを前記医用情報処理装置に送信する解析オーダ部と、
前記被検体の病歴を示す病歴情報を取得する病歴取得部と、
前記プレオーダを取得し、前記病歴情報に基づいて当該プレオーダを絞り込んで表示部に表示させる表示制御部と、
ユーザの操作による前記プレオーダの承認を受け付ける受付部と、
当該承認を受け付けた前記プレオーダに基づいて、前記撮影オーダ又は前記治療オーダの少なくとも一方を発行する発行部と、
を備える、
医用情報処理システム。
【請求項8】
医用画像処理装置による医用画像処理方法であって、
被検体の属性を示す属性情報と、当該被検体の医用画像の解析結果を示す解析情報とを取得し、
前記属性情報と、前記解析情報とに基づいて、撮影オーダ及び治療オーダのうち少なくとも1つを含むプレオーダを生成し、
前記プレオーダを表示部に表示させる、
医用画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理装置、医用情報処理システム、及び、医用情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体を撮影した医用画像の自動解析装置では、例えば、脳梗塞に関して、CT画像解析やMRI画像解析の各検査のワークフローとして「撮像(検査)->解析->結果提供」という流れをサポートしている。また、自動解析装置は、医用画像の解析結果について、解析完了や所見の有無を他システムに通知する機能を有する。
【0003】
しかしながら、各検査のワークフローとして上記の流れはサポートされているが、複数の検査をまたがったワークフローや撮像から治療に至るワークフローはサポートされていない。従って、担当医は、提供された解析結果を基に、次の処置を指示するためのオーダを一から作成する必要がある。そのオーダの作成時間がボトルネックとなることで、被検体に対してより早い検査や治療を提供できない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、オーダを迅速に実行して、被検体を早く処置することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限らない。後述する各実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る医用情報処理装置は、取得部と、生成部と、表示制御部とを備える。取得部は、被検体の属性を示す属性情報と、当該被検体の医用画像の解析結果を示す解析情報とを取得する。生成部は、属性情報と、解析情報とに基づいて、撮影オーダ及び治療オーダのうち少なくとも1つを含むプレオーダを生成する。表示制御部は、プレオーダを表示部に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る医用情報処理システムの構成例を示すブロック図。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る医用情報処理システムにおけるデータフローの例を示す図。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る医用情報処理システムの処理例を示すフローチャート。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るワークフローを提示する処理を説明するための図。
図4(A)は、被検体情報テーブル251の構成例を示す図。
図4(B)は、プレオーダ生成テーブル252の構成例を示す図。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るワークフローを提示する処理を説明するための図。
図5(A)は、禁忌テーブル253の構成例を示す図。
図5(B)は、プレオーダ生成テーブル252の構成例を示す図。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る複数のワークフローを提示する画面の例を示す図。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係るワークフローの根拠を提示する画面の例を示す図。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係るプレオーダ生成画面の例を示す図。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係るプレオーダ生成画面の例を示す図。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る胸痛を持つ被検体に関するワークフローの提案を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置、医用情報処理システム、及び、医用情報処理方法の実施形態について詳細に説明する。
【0009】
〔従来と実施形態〕
医用情報処理装置2は、被検体の画像入力を受け、解析サーバ内にある多数の画像解析アプリケーションの中から必要な解析アプリケーション(複数のアプリケーションでそれぞれ解析することが多い)に入力し、その解析結果を医療用画像管理システム(PACS、Picture Archiving and Communication Systems)のサーバに出力して、読影医が閲覧可能とするものである。
【0010】
従来は、被検体の画像入力があると、医師は被検体の診断目的やその画像種類を確認する。そして、医師が、確認結果に基づいて画像解析を行うアプリケーションをマニュアルで1つずつ選択し、アプリケーションでの解析処理を行っていた。
【0011】
本実施形態では、医用情報処理装置2にて、入力画像の種類、診断の種類と、解析すべき解析アプリケーション(アプリケーションのグループでもよい)との実行ルールを事前に指定しておく。ルールベースで画像解析アプリケーションの解析の工程を定義し、医用情報処理装置2に自動実行させる。
【0012】
これにより、医師は、画像を医用情報処理装置2に入力することで、解析アプリケーションの指定などを逐一行うことなく、必要となる解析アプリケーションの解析結果を受け取ることができる。
【0013】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る医用情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、医用情報処理システム1は、医用情報処理装置2、病院情報システム3、モダリティ4、治療部門PC5、携帯端末6、及び、HIS端末7を備えている。各機器は、ネットワーク8を介して相互に通信可能に構成される。以下、各機器間におけるデータの送受信はネットワーク8を介することを前提とし、データの送受信の説明時に「ネットワーク8を介して」は省略する。
【0014】
ここで、実施形態で用いる用語について説明する。ワークフローは、被検体に関する医療行為の手順であり、例えば、「検査->解析->治療」の一連の流れである。オーダは、医師が発行する、被検体に対して実施すべき医療行為の指示である。プレオーダは、オーダの候補である。プレオーダの内容がそのままで変更なくオーダとして発行される場合もあるし、プレオーダの内容が修正(追加、削除を含む)されてオーダとして発行される場合もある。
【0015】
オーダには、解析オーダ、撮影オーダ、及び、治療オーダがある。解析オーダは、被検体を撮影した医用画像の解析に関するオーダであり、例えば、モダリティから取得した医用画像を解析する解析アプリケーションの指定等を含む。撮影オーダは、被検体の撮影に関するオーダであり、例えば、造影剤注入等の、撮影時の処置の指示を含む。治療オーダは、被検体の治療に関するオーダであり、治療や症状対策のための薬剤用途を含む。
【0016】
次に、医用情報処理システム1の各構成要素について説明する。医用情報処理装置2は、病院情報システム3から被検体の属性を示す属性情報を受信し、モダリティ4から当該被検体を撮影した医用画像の解析結果を示す解析情報を受信する。医用情報処理装置2は、受信した、被検体の属性情報と、被検体の解析情報とに基づいてプレオーダを生成し、当該プレオーダを病院情報システム3に送信する。すなわち、医用情報処理装置2は、病院情報システム3と連携して、プレオーダを生成する。
【0017】
詳細には、医用情報処理装置2は、被検体の属性情報と、被検体の解析情報とを利用して、今後のワークフローを予測する。そして、医用情報処理装置2は、当該ワークフローに応じて必要なオーダの候補であるプレオーダを生成し、当該プレオーダを病院情報システム3に送信する。なお、医用情報処理装置2は、被検体の医用画像を取得し、当該医用画像を解析してもよい。
【0018】
病院情報システム3は、HIS(Hospital Information System)と呼ばれるシステムであり、電子カルテや各システムの院内データの操作、保存、閲覧等を可能とする。各システムには、医事会計システム(レセプトコンピュータ)、薬局管理システム、医療用画像管理システム、予約システム、入退院管理システム、給食・栄養管理システム等が含まれる。病院情報システム3は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション等の、複数の一般的な情報処理装置により構成される。病院情報システム3は、病院情報管理システムの一例である。
【0019】
詳細には、病院情報システム3は、プレオーダ生成及びオーダ発行の判断に必要な情報を記憶しており、当該情報を医用情報処理装置2に送信する。そして、病院情報システム3は、医用情報処理装置2からプレオーダを受信し、HIS端末7に当該プレオーダを表示させる。
【0020】
医師は、HIS端末7にて医用情報処理装置2が生成したプレオーダを確認し、承認することにより、オーダを発行する。この場合、病院情報システム3は、HIS端末7から医師により承認されたプレオーダを取得し、当該プレオーダを利用して、撮影オーダをモダリティ4に送信し、又は、治療オーダを治療部門PC5に送信する。
【0021】
モダリティ4は、検査室に設置されたCT(Computed Tomography)診断装置41、MRI(Magnetic Resonance Imaging)診断装置42(
図2参照)等の検査装置であり、被検体の検査画像を撮影し、当該検査画像を医用情報処理装置2に送信する。モダリティ4は、病院情報システム3から撮影オーダを受信すること、又は、他のトリガを受けることにより、オペレータに被検体撮影の操作を指示するための表示を行う。
治療部門PC5は、治療室に設置され、病院情報システム3から治療オーダを受信することにより、薬剤の処方や被検体の処置を指示するための表示を行う。
【0022】
携帯端末6は、医用情報処理装置2が生成したプレオーダを医師が確認し、承認するための端末である。携帯端末6は、医用情報処理装置2と通信するスマートフォン等の端末である。
HIS端末7は、医用情報処理装置2が生成したプレオーダを医師が確認し、承認するための端末である。HIS端末7は、病院情報システム3と通信する専用の端末である。
【0023】
医用情報処理装置2は、
図1に示すように、ディスプレイ21、入力インタフェース22、通信回路23、処理回路24、及び、記憶回路25を備えている。ディスプレイ21は、例えば、液晶ディスプレイ、OLEDディスプレイ等の一般的な表示出力装置により構成される。入力インタフェース22は、例えば、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、テンキー、タッチパネル等の一般的な入力装置により構成され、医師の操作に対応した操作入力信号を処理回路24に出力する。
【0024】
通信回路23は、ネットワーク8の形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。通信回路23は、この各種プロトコルに従ってネットワーク8を介して病院情報システム3、モダリティ4、及び、携帯端末6と通信可能に接続する。通信回路23は、送受信部の一例である。
【0025】
処理回路24は、医用情報処理装置2を統括制御する機能を実現する。また、処理回路24は、記憶回路25に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、医用画像を解析し、プレオーダを発行する処理を実行するプロセッサである。処理回路24のプロセッサは、記憶回路25、又は、処理回路24内のメモリに記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、医用画像解析機能241、情報取得機能242、プレオーダ生成機能243、及び、表示制御機能244を実現する。
【0026】
医用画像解析機能241は、病院情報システム3から受けた解析オーダに応じて被検体の医用画像を解析し、解析結果を出力する機能を含む。情報取得機能242は、病院情報システム3から被検体の属性を示す属性情報を取得し、医用画像解析機能241から当該被検体を撮影した医用画像の解析結果を示す解析情報を取得する機能を含む。プレオーダ生成機能243は、情報取得機能242が取得した、被検体の属性情報と、被検体の解析情報とに基づいて、撮影オーダ及び治療オーダのうち少なくとも1つを含むプレオーダを生成する機能を含む。表示制御機能244は、プレオーダ生成機能243が生成したプレオーダを携帯端末6に表示させる機能を含む。携帯端末6は、表示部の一例である。なお、解析情報は、画像解析アプリケーションが医用画像を解析した解析結果、又は、読影医が当該解析結果から作成したレポートである。
【0027】
記憶回路25は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、処理回路24が利用するプログラム、パラメータデータ等を記憶する。
【0028】
記憶回路25は、少なくとも、被検体情報テーブル251と、プレオーダ生成テーブル252と、禁忌テーブル253とを記憶する。被検体情報テーブル251は、病院情報システム3の情報と、プレオーダ生成テーブル252の過去の実行履歴とから構成される。プレオーダ生成テーブル252は、被検体情報テーブル251から生成され、実行可能性のある順にワークフローが配置される。禁忌テーブル253は、病院情報システム3の情報から生成され、被検体ごとに禁忌、アレルギー等に関する情報が含まれる。被検体情報テーブル251、プレオーダ生成テーブル252及び禁忌テーブル253の詳細は、別途、構成例を用いて説明する。
【0029】
病院情報システム3は、
図1に示すように、ディスプレイ31、入力インタフェース32、通信回路33、処理回路34、及び、記憶回路35を備えている。ディスプレイ31は、例えば、液晶ディスプレイ、OLEDディスプレイ等の一般的な表示出力装置により構成される。入力インタフェース32は、例えば、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、テンキー等の一般的な入力装置により構成され、医師の操作に対応した操作入力信号を処理回路34に出力する。通信回路33は、ネットワーク8の形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。通信回路33は、この各種プロトコルに従ってネットワーク8を介して医用情報処理装置2、モダリティ4、治療部門PC5、及び、HIS端末7と通信可能に接続する。通信回路33は、送受信部の一例である。
【0030】
処理回路34は、病院情報システム3を統括制御する機能を実現する。また、処理回路34は、記憶回路35に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、院内データを操作、保存、閲覧可能とするための処理を実行するプロセッサである。処理回路34のプロセッサは、記憶回路35、又は、処理回路34内のメモリに記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、解析オーダ機能341、病歴取得機能342、表示制御機能343、承認受付機能344、及び、オーダ発行機能345を実現する。
【0031】
解析オーダ機能341は、被検体の医用画像を解析し、解析結果を出力する指示である解析オーダを医用情報処理装置2に送信する機能を含む。病歴取得機能342は、記憶回路35から被検体の病歴を示す病歴情報を取得する機能を含む。表示制御機能343は、医用情報処理装置2からプレオーダを取得し、記憶回路35の病歴情報に基づいてプレオーダを絞り込んで、当該プレオーダをHIS端末7に表示させる機能を含む。HIS端末7は、表示部の一例である。承認受付機能344は、医師によるHIS端末7の操作によるプレオーダの承認を受け付ける機能を含む。医師は、ユーザの一例である。オーダ発行機能345は、承認受付機能344が承認を受け付けたプレオーダに基づいて、撮影オーダ又は治療オーダの少なくとも一方を発行する機能を含む。
【0032】
記憶回路35は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、処理回路34が利用するプログラムやパラメータデータやその他のデータを記憶する。
【0033】
記憶回路35は、少なくとも、属性情報351と、病歴情報352とを記憶する。属性情報351は、被検体のID、年齢、身長、体重、アレルギー、重複投薬、禁忌、被曝量、及び、既往歴を含む。病歴情報352は、被検体のアレルギー、重複投薬、禁忌、被曝量、及び、既往歴を含む。病歴情報352は、オーダ発行に関する判断(特に、被検体に有効なプレオーダの抽出)に用いられる。なお、属性情報351は、病歴情報352を包含する。換言すれば、病歴情報352は、属性情報351の一部である。
【0034】
図2は、第1実施形態に係る医用情報処理システム1におけるデータフローの例を示す図である。本データフローは、特に、脳梗塞における血栓溶解術(t-PA)の要否判定から処置までのデータの流れを示す。
前提として、「CT画像解析->MRI画像解析->t-PA静脈注射」の流れを1つのワークフローとして捉える。医用情報処理装置2は、CT画像解析、MRI画像解析の結果と、病院情報システム3からの被検体の属性情報とを利用して、プレオーダを発行する。これにより、医師のオーダ作成の手間を削減することができる。
【0035】
被検体の属性情報と、被検体の解析情報とから考えられるワークフローとして、[1]t-PA静脈注射、[2]MRI撮像->t-PA静脈注射が医師向けに提示される。医師が1つのワークフローを選択すると、選択したワークフローに応じたプレオーダが生成される。そして、医師がプレオーダを承認することにより、簡単に本オーダが発行される。以下、詳細に説明する。
【0036】
ステップS21で、CT診断装置41は、所定のトリガを受けて被検体のCT画像を撮影して、当該CT画像のデータを医用情報処理装置2に送信する。
【0037】
ステップS22で、医用情報処理装置2は、CT診断装置41から被検体のCT画像のデータを受信し、専用の解析アプリケーションを用いて当該CT画像を解析する。なお、解析アプリケーションは、AIを用いた解析を行ってもよいし、通常のプログラムによる解析を行ってもよい。
【0038】
ステップS23で、医用情報処理装置2は、CT画像の解析結果として、「脳梗塞の所見はあるが、t-PA静脈注射の要否が分からないので、MRI画像が必要」であることを取得する。そこで、医用情報処理装置2は、撮影オーダとしてMRIプレオーダを病院情報システム3に送信する。
【0039】
ステップS24で、病院情報システム3は、医用情報処理装置2からMRIプレオーダを受信し、当該MRIプレオーダをHIS端末7に送信する。そして、病院情報システム3は、HIS端末7から当該MRIプレオーダの承認を受け付けると、撮影オーダとしてMRIオーダをMRI診断装置42に送信する。
【0040】
ステップS25で、MRI診断装置42は、病院情報システム3からMRIオーダを受信して、被検体のMRI画像を撮影する。MRI診断装置42は、当該MRI画像のデータを医用情報処理装置2に送信する。
【0041】
ステップS26で、医用情報処理装置2は、MRI診断装置42から被検体のMRI画像のデータを受信し、専用の解析アプリケーションを用いて当該MRI画像を解析する。なお、解析アプリケーションは、AIを用いた解析を行ってもよいし、通常のプログラムによる解析を行ってもよい。
【0042】
ステップS27で、医用情報処理装置2は、MRI画像の解析結果として、「t-PA静脈注射が必要である」ことを取得する。そこで、医用情報処理装置2は、治療オーダとして薬剤・処方プレオーダを生成し、病院情報システム3に送信する。なお、薬剤の処方を行うには、被検体のアレルギー、重複投薬、禁忌等に関する情報が必要になる。
【0043】
ステップS28で、病院情報システム3は、医用情報処理装置2から薬剤・処方プレオーダを受信し、当該薬剤・処方プレオーダをHIS端末7に送信する。医師は、HIS端末7に表示された薬剤・処方プレオーダの内容を確認する。医師は、当該内容に問題がなければ、例えば、「承認」のボタンをクリックする。これにより、薬剤・処方プレオーダを承認するための操作が完了する。そして、病院情報システム3は、HIS端末7から当該薬剤・処方プレオーダの承認を受け付けると、治療オーダとして薬剤・処方オーダを治療部門PC5に送信する。
【0044】
ステップS29で、治療部門PC5は、病院情報システム3から薬剤・処方オーダを受信する。そして、治療部門PC5は、受信した薬剤・処方オーダに従って、被検体に対する処置としてp-TA静脈注射を行うように、例えば、当該薬剤・処方オーダの内容をディスプレイに表示させる。
【0045】
図3は、第1実施形態に係る医用情報処理システム1の処理例を示すフローチャートである。本フローチャートは、被検体の病気を特定せずに、医用情報処理システム1の一般的な処理の流れを示す。
【0046】
ステップS1で、医用情報処理システム1のモダリティ4は、所定のトリガを受けて、又は、病院情報システム3からの撮影オーダを受けて、被検体の医用画像を撮影する。モダリティ4は、当該医用画像のデータを医用情報処理装置2に送信する。
【0047】
ステップS2で、医用情報処理装置2の通信回路23は、モダリティ4から被検体の医用画像のデータを受信する。医用情報処理装置2の医用画像解析機能241は、当該医用画像のデータを解析する。
【0048】
ステップS3で、医用情報処理装置2の情報取得機能242は、病院情報システム3から通信回路23を介して、被検体の属性情報を取得する。
【0049】
ステップS4で、ステップS2における解析の結果、何等かの所見がある場合(ステップS4のYES)、医用情報処理装置2の処理回路24は、ステップS5に進む。一方、ステップS2における解析の結果、所見が全くない場合(ステップS4のNO)、処理回路24は、処理を終了する。
【0050】
ステップS5で、医用情報処理装置2の処理回路24は、記憶回路25からプレオーダ生成テーブル252を読み出して、複数のワークフローを携帯端末6に表示させる。医師は、携帯端末6に表示された複数のワークフローを参照して、そのうち1つのワークフローを選択する。携帯端末6は、医師によるワークフローの選択結果を医用情報処理装置2に送信する。選択結果には、何れのワークフローも選択されなかった場合も含まれる。
【0051】
ステップS6で、医用情報処理装置2の通信回路23は、携帯端末6からワークフローの選択結果を受信する。何れかのワークフローが選択された場合(ステップS6のYES)、処理回路24は、ステップS7に進む。一方、ワークフローが何れも選択されなかった場合(ステップS6のNO)、処理回路24は、処理を終了する。
【0052】
ステップS7で、医用情報処理装置2のプレオーダ生成機能243は、選択されたワークフローに従ってプレオーダを生成し、当該プレオーダにより記憶回路25のプレオーダ生成テーブル252を更新する。換言すれば、プレオーダ生成機能243は、被検体の属性情報と、被検体の解析情報とに基づいて当該被検体の疾患候補を特定し、当該疾患候補の診断に必要な医用画像を撮影する指示である撮影オーダ、又は、当該疾患候補を治療する指示である治療オーダのプレオーダ生成テーブル252を取得し、プレオーダ生成テーブル252に基づいてプレオーダを生成する。プレオーダ生成テーブル252は、履歴データの一例である。
【0053】
ステップS8で、医用情報処理装置2の処理回路24は、プレオーダを発行する。医用情報処理装置2の表示制御機能244は、プレオーダを携帯端末6に表示させてもよい。また、医用情報処理装置2の通信回路23はプレオーダを病院情報システム3に送信し、病院情報システム3の通信回路33は医用情報処理装置2からプレオーダを受信し、表示制御機能343は受信したプレオーダをHIS端末7に表示させてもよい。なお、プレオーダ発行の前後において、携帯端末6又はHIS端末7にて当該プレオーダを修正可能としてもよい。また、ステップS7、S8によれば、プレオーダは、生成され、発行される度に、履歴データとしてプレオーダ生成テーブル252に蓄積される。
【0054】
ステップS9で、病院情報システム3の承認受付機能344は、携帯端末6又はHIS端末7から医師によるプレオーダの承認を受け付ける。承認受付機能344は、医用情報処理装置2を介して携帯端末6から当該プレオーダの承認を受け付けてもよい。そして、病院情報システム3のオーダ発行機能345は、承認受付機能344が当該承認を受け付けたプレオーダに基づいて、本オーダを発行する。
【0055】
ステップS10で、本オーダが撮影オーダである場合(ステップS10のYES)、オーダ発行機能345は撮影オーダをモダリティ4に送信し、医用情報処理システム1はステップS1に戻る。本オーダが撮影オーダでない場合(ステップS10のNO)、オーダ発行機能345は治療オーダを治療部門PC5に送信し、医用情報処理システム1はステップS11に進む。
【0056】
ステップS11で、治療部門PC5は、病院情報システム3から受信した治療オーダに従って被検体の治療を実施するように、例えば、当該治療オーダの内容をディスプレイに表示させる。その後、医用情報処理システム1は、一連の処理を終了する。
【0057】
図4は、第1実施形態に係るワークフローを提示する処理を説明するための図である。
図4(A)は、被検体情報テーブル251の構成例を示す図である。
図4(A)に示すように、被検体情報テーブル251は、被検体ID、CT画像梗塞所見、MR画像梗塞所見、t-PA静脈注射、年齢、及び、身長を含む、複数のレコードから構成される。被検体IDは、被検体に固有の番号であり、被検体を特定するために用いられる。CT画像梗塞所見は、当該被検体のCT画像に梗塞の所見があるかないかを示す。MR画像梗塞所見は、当該被検体のMRI画像に梗塞の所見があるかないか、又は、MRI撮影を未実施かを示す。t-PA静脈注射は、当該注射を実施か未実施かを示す。年齢は、当該被検体の年齢[歳]を示す。身長は、当該被検体の身長[cm]を示す。
【0058】
図4(B)は、プレオーダ生成テーブル252の構成例を示す図である。
図4(B)に示すように、プレオーダ生成テーブル252は、ワークフロー番号、提案オーダ、実行済オーダ、所見情報、及び、実行回数を含む、複数のレコードから構成される。ワークフロー番号は、ワークフローに固有の番号であり、ワークフローを特定するために用いられる。提案オーダは、次に実行することを提案するオーダである。実行済オーダは、直近に実行されたオーダである。所見情報は、実行済オーダの実行結果(画像解析結果)に所見があったか、なかったかを示す。実行回数は、今までにワークフローが実行された回数を示す。
【0059】
医用情報処理装置2のプレオーダ生成機能243は、被検体情報テーブル251からプレオーダ生成テーブル252を生成し、実行回数が多い順にプレオーダ生成テーブル252内のレコードを並べ替える。これにより、実行可能性が高い順にワークフローを提示することができる。
【0060】
例えば、対象の被検体のCT画像に梗塞の所見があった場合、プレオーダ生成機能243は、プレオーダ生成テーブル252から、実行済オーダがCT画像解析であり、所見情報がありのレコードを抽出し、当該レコードを実行回数順に並べ替える。その結果が、
図4(B)の太線枠で示される2つのレコードである。
【0061】
図5は、第1実施形態に係るワークフローを提示する処理を説明するための図である。
図5(A)は、禁忌テーブル253の構成例を示す。禁忌テーブル253は、病院情報システム3の属性情報351から生成される。
図5(A)に示すように、禁忌テーブル253は、被検体ID、アレルギー、投薬、妊娠、及び、禁忌を含む、複数のレコードから構成される。被検体IDは、被検体に固有の番号であり、被検体を特定するために用いられる。アレルギーは、被検体にアレルギーがあるかないかを示す。投薬は、被検体に投薬があるかないかを示す。妊娠は、被検体が妊娠しているかいないかを示す。禁忌は、被検体が忌み嫌う事物、又は、医師から禁止されている事物を示し、そのような事物がなければ、「なし」が設定される。
図5(B)は、プレオーダ生成テーブル252の構成例を示す。その詳細は、
図4(B)で説明した通りである。
【0062】
医用情報処理装置2のプレオーダ生成機能243は、被検体情報テーブル251からプレオーダ生成テーブル252を生成し、実行回数が多い順にプレオーダ生成テーブル252内のレコードを並べ替える。そして、プレオーダ生成機能243は、禁忌テーブル253に基づいて、プレオーダ生成テーブル252内のレコードを絞り込む。
【0063】
例えば、
図5(A)の被検体IDが0007である被検体のCT画像に梗塞所見がある場合、プレオーダ生成機能243は、当該被検体がMRIを禁忌しているので、
図5(B)の太線破線枠(ワークフロー番号がWF-002)のレコードを抽出する。一方、
図5(A)の被検体IDが0008である被検体のCT画像に梗塞所見がある場合、プレオーダ生成機能243は、当該被検体が何も禁忌していないので、実行回数の多い順に、
図5(B)の太線実線枠(ワークフロー番号がWF-001)のレコードを抽出する。これにより、実行可能なワークフローを表示することができる。
【0064】
図6は、第1実施形態に係る複数のワークフローを提示する画面の例を示す図である。本画面は、Viewer等により携帯端末6又はHIS端末7に表示される(以下、同様)。
図6に示すように、2つのワークフローと、各ワークフローの根拠とが表示されている。換言すれば、医用情報処理装置2のプレオーダ生成機能243は、被検体の属性情報と、被検体の解析情報とに基づいて、ワークフローを生成した根拠をさらに生成する。そして、表示制御機能244は、生成した根拠をワークフローと共に携帯端末6又はHIS端末7に表示させる。ワークフローは、プレオーダの一例である。根拠は、ワークフローを生成した根拠を示す根拠情報の一例である。
【0065】
さらに、2つのワークフローともに選択されなかった場合に対応するために、任意検査が選択可能である。画面の最も右側にはチェックボックスが設けられ、選択されたことを示すチェック(レ点)が記入可能である。画面の下側には送信ボタンが設けられる。医師が送信ボタンをタッチ又はクリックすると、表示画面がプレオーダ生成画面に遷移する。
【0066】
ワークフローは、過去の実行回数に応じて提案順位が決定される。換言すれば、プレオーダ生成機能243は、複数のワークフローを生成する。表示制御機能244は、各ワークフローを実行した回数に応じて、携帯端末6又はHIS端末7に表示させるワークフローを絞り込む。ワークフローは、プレオーダの一例である。また、禁忌テーブル253を参照して、例えば、MRIが禁忌されている場合、「MRI->t-PA静脈注射」のワークフローは、選択肢から除外される。
【0067】
図7は、第1実施形態に係るワークフローの根拠を提示する画面の例を示す図である。
図7に示すように、根拠の文章中に下線の部分が含まれている。当該下線の部分に指先を接触させるか、カーソルを合わせると、画面下側の画像のうち、根拠となる梗塞領域が強調表示される。
【0068】
図8は、第1実施形態に係るプレオーダ生成画面の例を示す図である。本図は、特に、
図6のワークフローのうち[1]を選択した場合のプレオーダ生成画面の例を示す。
図8に示すように、画像検査毎に、チェックボックス、装置名称、撮像部位、撮影目的、及び、備考が示される。
【0069】
チェックボックスは、医師による装置の選択によりチェックが記入される。装置名称は、画像検査に使用される装置の名称であり、例えば、MRI診断装置、CT診断装置等が設定される。撮像部位は、撮像対象になる、被検体の部位であり、例えば、頭部、胸部、腹部等が設定される。撮影目的は、当該装置により当該部位を撮影する目的、理由等であり、例えば、「脳梗塞の疑いがあるため」等が設定される。備考は、例えば、注意事項等が設定される。
【0070】
さらに、画面下側には、予約・オーダに関する注意事項が表示されている。注意事項として、「造影剤注入の同意書の取得が終わっているか」等が含まれていてもよい。注意事項の右側に「確認しました」のチェックボックスが表示されている。医師は、このチェックボックスにチェックを入れない限り、送信ボタンをタッチできない。医師が送信ボタンをタッチすると、医用情報処理装置2から病院情報システム3にプレオーダが発行される。
【0071】
図9は、第1実施形態に係るプレオーダ生成画面の例を示す図である。本図は、特に、
図6のワークフローのうち[2]を選択した場合のプレオーダ生成画面の例を示す。
図9に示すように、薬剤毎に、チェックボックス、薬剤名称、数量、及び、備考が設定される。チェックボックスは、医師による薬剤の選択によりチェックが記入される。薬剤名称は、被検体に投与される薬剤の名称であり、例えば、血栓溶解剤、降圧剤、酸素等が設定される。数量は、薬剤の数量が設定される。備考は、例えば、注意事項等が設定される。さらに、被検体情報として、例えば、被検体ID、身長、体重、及び、年齢等が設定される。
【0072】
例えば、血栓溶解剤の数量は、被検体情報に基づいて自動算出される。酸素の数量は、空欄になっており、すなわち、自動算出できないので、医師により手入力可能である。医師は、被検体情報を参照しながら、適切な薬剤の数量を決めることができる。医師が必要な薬剤のチェックボックスにチェックを入れて送信ボタンをクリックすると、プレオーダが発行される。
【0073】
第1実施形態によれば、医師のオーダ作成の手間を削減することができる。詳細には、被検体の属性情報、及び、当該被検体の解析情報に基づいて根拠付けられた、後発の撮影オーダ又は治療オーダを所見画像と同時に提案することができる。医師は、医用情報処理装置2が生成したプレオーダを携帯端末6又はHIS端末7にてワンクリックで承認することにより、オーダが発行される。そのため、迅速にオーダが実行可能になるので、より早く被検体の検査及び処置を行うことができる。
なお、携帯端末6は、病院情報システム3に本オーダを送信してもよい。また、医用情報処理装置2は、病院情報システム3に本オーダを送信してもよい。
【0074】
〔第2実施形態〕
図10は、第2実施形態に係る胸痛を持つ被検体に関するワークフローの提案を示す図である。胸痛を持つ被検体に関する心電図、及び、血液検査の結果を受けて、医師は、初めに当該被検体の心筋梗塞を疑った。当該医師からの撮影オーダにより、CT診断装置41は、冠動脈造影CT撮像を実施し、被検体のCT画像を医用情報処理装置2に送信する。
【0075】
医用情報処理装置2は、CT診断装置41から被検体のCT画像を受信し、当該CT画像の解析、特に冠動脈解析を行う。冠動脈解析の結果、被検体の冠動脈に梗塞所見があった場合、医用情報処理装置2は、治療オーダとしての薬剤オーダを提案する。一方、冠動脈解析の結果、被検体の冠動脈に梗塞所見がなかった場合、大動脈解離又は肺塞栓症が疑われるので、医用情報処理装置2は、撮影オーダとしての胸部造影CT撮影オーダを提案する。さらに、医用情報処理装置2は、解析オーダとしてのCT画像解析オーダ、及び、治療オーダを提案してもよい。
【0076】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、オーダを迅速に実行して、被検体を早く処置することができる。
【0077】
なお、医用画像解析機能241は、解析部の一例である。情報取得機能242は、取得部の一例である。プレオーダ生成機能243は、生成部の一例である。表示制御機能244は、表示制御部の一例である。解析オーダ機能341は、解析オーダ部の一例である。病歴取得機能342は、病歴取得部の一例である。表示制御機能343は、表示制御部の一例である。承認受付機能344は、受付部の一例である。オーダ発行機能345は、発行部の一例である。
【0078】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0079】
1…医用情報処理システム
2…医用情報処理装置
241…医用画像解析機能
242…情報取得機能
243…プレオーダ生成機能
244…表示制御機能
251…被検体情報テーブル
252…プレオーダ生成テーブル
253…禁忌テーブル
3…病院情報システム
341…解析オーダ機能
342…病歴取得機能
343…表示制御機能
344…承認受付機能
345…オーダ発行機能
351…属性情報
352…病歴情報