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特開2024-171579シート貼付装置およびシート貼付方法
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  • 特開-シート貼付装置およびシート貼付方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171579
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】シート貼付装置およびシート貼付方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088660
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】木村 浩二
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA13
5F131AA15
5F131AA21
5F131AA22
5F131AA23
5F131BA53
5F131CA18
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB72
5F131DC23
5F131EA07
5F131EA23
5F131EB01
5F131EB11
5F131EB31
5F131EB41
5F131EB42
5F131EB46
5F131EB81
5F131EB82
5F131EC32
5F131EC33
5F131EC34
5F131EC35
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC64
5F131EC65
5F131EC66
(57)【要約】
【課題】接着シートの先着き現象が発生することを防止することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供する。
【解決手段】弾性変形可能なシート保持部材11で接着シートASを保持するシート保持手段10と、シート保持部材11を変形させ、当該シート保持部材11で保持している接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する押圧手段20とを備えたシート貼付装置EAにおいて、シート保持部材11が垂れ下がることを防止する垂下防止手段30を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性変形可能なシート保持部材で接着シートを保持するシート保持手段と、
前記シート保持部材を変形させ、当該シート保持部材で保持している前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧手段とを備えたシート貼付装置において、
前記シート保持部材が垂れ下がることを防止する垂下防止手段を備えていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記シート保持手段は、前記シート保持部材を支持する支持体を備え、
前記垂下防止手段は、前記シート保持部材と前記支持体とを磁着させて当該シート保持部材が垂れ下がることを防止する磁着手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
【請求項3】
前記垂下防止手段は、所定のエネルギーを付与することで前記シート保持部材を縮小させ、当該シート保持部材が垂れ下がることを防止するエネルギー付与手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項4】
前記垂下防止手段は、前記シート保持部材に張力を付与して当該シート保持部材が垂れ下がることを防止する張力付与手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項5】
弾性変形可能なシート保持部材で接着シートを保持するシート保持工程と、
前記シート保持部材を変形させ、当該シート保持部材で保持している前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧工程とを実施するシート貼付方法において、
前記シート保持部材が垂れ下がることを防止する垂下防止工程を実施することを特徴とするシート貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置およびシート貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性変形可能なシート保持部材で保持した接着シートを、被着体に貼付するシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-183169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたシート貼付装置1(シート貼付装置)では、保持部材21(シート保持部材)の外周部のみが上ケース32に支持される構成となっているため、例えば、シート保持部材の弾性復元力が弱まると、シート保持部材が弛むようになる。そのため、シート保持部材を膨らませるように変形させてウエハWF(被着体)に接着シートAS(接着シート)を貼付する前に、接着シートを保持したシート保持部材が自重によって垂れ下がり、接着シートの貼付動作前に接着シートが被着体に接着してしまう接着シートの先着き現象が発生する。
【0005】
本発明の目的は、接着シートの先着き現象が発生することを防止することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シート保持部材が垂れ下がることを防止することができるので、接着シートの先着き現象が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(A)、(B)は、本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の説明図。(C)、(D)は、本発明の変形例に係るシート貼付装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1(A)の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1(A)中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
シート貼付装置EAは、弾性変形可能なシート保持部材11で接着シートASを保持するシート保持工程を実施するシート保持手段10と、シート保持部材11を変形させ、当該シート保持部材11で保持している接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する押圧工程を実施する押圧手段20と、シート保持部材11が垂れ下がることを防止する垂下防止工程を実施する垂下防止手段30とを備え、被着体WKを支持する被着体支持工程を実施する被着体支持手段40と、接着シートASと被着体WKとの接着を減圧下で行う減圧工程を実施する減圧手段50との近傍に配置さている。
【0011】
シート保持手段10は、下面が保持面11Aとされたシート保持部材11と、シート保持部材11の内部に設けられた静電チャック12と、下部が開口した箱状とされ、シート保持部材11を支持する支持体としての上ケース13とを備えている。
シート保持部材11は、ゴムや樹脂等の弾性部材で形成され、外周部が上ケース13に支持されて、当該上ケース13とで第1密閉空間SP1(図1(B)参照)を形成するようになっている。
【0012】
押圧手段20は、配管22を介して第1密閉空間SP1内の圧力を加圧または減圧可能な加減圧ポンプ、真空エジェクタ、タービン等の第1圧力制御手段21を備えている。
第1圧力制御手段21は、圧力センサやロードセル等の図示しない第1圧力検知手段の検知結果を基にして、第1密閉空間SP1内の圧力を所定の圧力にすることができるようになっている。
【0013】
垂下防止手段30は、シート保持部材11と上ケース13とを磁着させて当該シート保持部材11が垂れ下がることを防止する磁着手段31を備えている。
磁着手段31は、上ケース13の内部に設けられた永久磁石や電磁石等の磁石で構成され、静電チャック12延いてはシート保持部材11を磁力によって上ケース13に引き付け、当該シート保持部材11が垂れ下がることを防止するようになっている。
【0014】
被着体支持手段40は、支持面41Aで被着体WKを支持する支持テーブル41を備えている。
【0015】
減圧手段50は、出力軸51Aで上ケース13を支持する駆動機器としての直動モータ51と、上部が開口した箱形状とされ、上ケース13とで支持テーブル41を内包する第2密閉空間SP2を形成可能な下ケース52と、配管54を介して第2密閉空間SP2内の圧力を加圧または減圧可能な加減圧ポンプ、真空エジェクタ、タービン等の第2圧力制御手段53とを備えている。
第2圧力制御手段53は、圧力センサやロードセル等の図示しない第2圧力検知手段の検知結果を基にして、第2密閉空間SP2内の圧力を所定の圧力にすることができるようになっている。
【0016】
以上のシート貼付装置EAの動作を説明する。
先ず、図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EAに対し、当該シート貼付装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。なお、シート保持部材11は、初期位置に配置された時点で、垂下防止手段30によって上ケース13に引き付けられている。次いで、使用者または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、被着体WKを支持面41A上の所定の位置に載置する。その後、使用者または図示しない搬送手段が、接着シートASを保持面11Aに当接させると、シート保持手段10が静電チャック12を駆動し、保持面11Aでの静電保持を開始する。
【0017】
次に、減圧手段50が直動モータ51を駆動し、図1(A)中二点鎖線で示すように、上ケース13を下降させて下ケース52とで第2密閉空間SP2を形成する。この際、垂下防止手段30がシート保持部材11を上ケース13に引き付けているので、接着シートASの貼付動作前に、当該接着シートASが被着体WKに接着してしまう接着シートASの先着き現象の発生が抑制される。そして、押圧手段20および減圧手段50が第1、第2圧力制御手段21、53を駆動し、図示しない第1、第2圧力検知手段の検知結果を基に、第1、第2密閉空間SP1、SP2が同じ圧力となるようにしながら、密閉空間SP1、SP2を減圧する。次いで、第1密閉空間SP1と第2密閉空間SP2とが所定の圧力になるまで減圧されると、押圧手段20および減圧手段50が第1、第2圧力制御手段21、53の駆動を停止した後、押圧手段20が第1圧力制御手段21を駆動し、第2密閉空間SP2の圧力に対する第1密閉空間SP1の圧力を徐々に高める。これにより、シート保持部材11が磁着手段31の磁力に抗して上ケース13から離間し、図1(B)に示すように、下方に凸な状態となって膨張し、接着シートASを中央部から外周部に向けて被着体WKに押圧して貼付していく。
【0018】
その後、図1(B)中二点鎖線で示すように、接着シートAS全体が被着体WKに貼付されると、シート保持手段10が静電チャック12の駆動を停止し、静電保持を解除する。次に、減圧手段50が第2圧力制御手段53を駆動し、図示しない第2圧力検知手段の検知結果を基にして、第1密閉空間SP1の圧力と同じになるまで第2密閉空間SP2の圧力を高める。これにより、シート保持部材11は、弾性復元して初期位置に復帰し、再び垂下防止手段30によって上ケース13に引き付けられる。なお、シート保持部材11は、長期間使用されると弾性復元力が弱まるため、第1密閉空間SP1の圧力と第2密閉空間SP2の圧力とが同じになっただけでは、上ケース13に接近し難くなり、垂下防止手段30によって上ケース13に引き付けられないことがある。そのため、シート保持部材11を確実に上ケース13に接近させるために、減圧手段50は、第1密閉空間SP1の圧力よりも高い圧力になるまで第2密閉空間SP2の圧力を高めるとよい。そして、シート保持部材11が垂下防止手段30によって上ケース13に引き付けられると、押圧手段20および減圧手段50が第1、第2圧力制御手段21、53を駆動し、図示しない第1、第2圧力検知手段の検知結果を基に、第1、第2密閉空間SP1、SP2の圧力差を維持しながら、第1、第2密閉空間SP1、SP2の圧力を大気圧にまで高める。次いで、減圧手段50が直動モータ51を駆動し、上ケース13を初期位置に復帰させると、使用者または図示しない搬送手段が、接着シートASが貼付された被着体WKを次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0019】
以上のような実施形態によれば、シート保持部材11が垂れ下がることを防止することができるので、接着シートASの先着き現象が発生することを防止することができる。
【0020】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
また、本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、シート保持手段は、弾性変形可能なシート保持部材で接着シートを保持可能なものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0021】
シート保持手段10は、上ケース13に支持された環状の基台を備え、シート保持部材11の外周部が当該基台を介して上ケース13に支持されていてもよいし、シート保持部材11の形状が三角形以上の多角形、円形、楕円形等、どのような形状であってもよいし、上ケース13の下部が開口していなくてもよいし、支持体として平坦な板状部材や網状部材等が採用されてもよい。
シート保持手段10は、支持体がなく、シート保持部材11のみで構成されていてもよく、この場合、例えば、シート保持部材11を中空構造等にしてシート保持部材11のみで第1密閉空間SP1を形成する構成とし、垂下防止手段30は、下側に位置するシート保持部材11部分を、上側に位置するシート保持部材11部分に引き付ける例えば磁着手段31等が採用されればよい。
【0022】
押圧手段20は、第1密閉空間SP1の圧力に対する第2密閉空間SP2の圧力を低めることでシート保持部材11を膨張させ、接着シートASを被着体WKに押圧して貼付してもよいし、第2密閉空間SP2の圧力と同じになるまで第1密閉空間SP1の圧力を低め、シート保持部材11を初期位置に復帰させてもよいし、駆動機器としての直動モータの出力軸で支持テーブル41を支持し、被着体WKに接着シートASを貼付する際に、支持テーブル41を上昇させてもよいし、駆動機器としての直動モータの出力軸でシート保持部材11を支持し、被着体WKに接着シートASを貼付する際に、シート保持部材11を下降させてもよい。
【0023】
垂下防止手段30は、図1(C)に示すように、所定のエネルギーとしての冷却エネルギーを付与することでシート保持部材11を縮小させ、当該シート保持部材11が垂れ下がることを防止するエネルギー付与手段32を備えていてもよい。このようなエネルギー付与手段32は、磁着手段31に代えてまたは併用して、上ケース13の内部にペルチェ素子やヒートパイプの冷却側等の冷却手段を採用し、シート保持部材11を冷却して当該シート保持部材11を縮小させて垂れ下がりを防止すればよい。なお、シート保持部材11が所定のエネルギーとしての加熱エネルギーによって縮小するものが採用された場合、エネルギー付与手段32は、コイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を採用すればよい。
エネルギー付与手段32は、所定のエネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波を付与するものや、熱湯や熱風等の加熱媒体を付与するものや、冷水や冷風等の冷却媒体を付与するもの等どのようなものであってもよく、シート保持部材11の特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して任意の構成のものを採用することができる。
垂下防止手段30は、図1(D)に示すように、シート保持部材11に張力を付与して当該シート保持部材11が垂れ下がることを防止する張力付与手段33を備えていてもよい。このような張力付与手段33は、磁着手段31やエネルギー付与手段32に代えてまたは併用して、上ケース13に形成された環状の凹部13A内に支持された駆動機器としての直動モータ33Aと、直動モータ33Aの出力軸33Bに支持された環状の押付部材33Cとを採用し、上ケース13の下面から押付部材33Cを突き出すことで、シート保持部材11に張力を付与して当該シート保持部材11の垂れ下がりを防止すればよい。
垂下防止手段30は、第1圧力制御手段21で第1密閉空間SP1を第2密閉空間SP2の圧力よりも低くなるように減圧したり、上ケース13に形成した吸引孔でシート保持部材11を吸引したり、シート保持部材11に下方から気体を吹き付けたりすることで、シート保持部材11が垂れ下がることを防止する構成とされてもよい。
垂下防止工程は、シート保持工程の前に実施してもよいし、シート保持工程の後に実施してもよく、シート保持工程の前に垂下防止工程を実施する場合、被着体WKを支持面41A上の所定の位置に載置する被着体支持工程をシート保持工程の後に実施してもよいし、シート保持工程の後に垂下防止工程を実施する場合、垂下防止工程を実施した後に被着体支持工程を実施すればよい。
【0024】
被着体支持手段40は、被着体WKを吸着保持したり、静電保持したりする被着体保持器機が支持テーブル41に備わっていてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、本発明のシート貼付装置EAに備わっていない場合、他の装置で被着体WKを支持したり、台座で被着体WKを支持したりすればよい。
【0025】
減圧手段50は、下ケース52の上部が開口していなくてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、本発明のシート貼付装置EAに備わっていない場合、接着シートASと被着体WKとの接着を大気圧下で行ったり、他の装置を用いて減圧状態や加圧状態を形成し、当該減圧下や加圧下で接着シートASと被着体WKとの接着を行ったりしてもよい。
【0026】
本発明における接着シートASおよび被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASおよび被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0027】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた所謂多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等が単体で採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等が直接的又は間接的に組み合わされたものが採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等の出力部に対するトルク制御や速度制御等が可能なものや不能なものが採用されてもよい。
【0028】
前記実施形態において、何らかの物体(以下「物体A」という)および当該物体Aに対して移動する物体(以下「物体B」という)すなわち、相対移動する物体Aおよび物体Bは、移動することのない物体Aに対して物体Bが移動してもよいし、移動することのない物体Bに対して物体Aが移動してもよいし、物体Aおよび物体Bの両方が移動してもよいく、移動によって達成される結果が同じであれば、物体Aおよび物体Bの何れが移動してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0029】
EA…シート貼付装置
10…シート保持手段
11…シート保持部材
13…上ケース(支持体)
20…押圧手段
30…垂下防止手段
31…磁着手段
32…エネルギー付与手段
33…張力付与手段
AS…接着シート
WK…被着体
図1