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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171592
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 45/22 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
A01D45/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088678
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(71)【出願人】
【識別番号】599118768
【氏名又は名称】株式会社斎藤農機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】木下 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】村上 健太
(72)【発明者】
【氏名】岩切 雅也
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 満
(72)【発明者】
【氏名】高橋 草太
【テーマコード(参考)】
2B075
【Fターム(参考)】
2B075AA01
2B075AB10
2B075FA03
2B075FA04
(57)【要約】
【課題】収穫機において、シートが敷かれた圃場の作物を無理なく収穫することができるように構成する。
【解決手段】シートSが敷かれた圃場Gの作物を保持し収穫して、保持した作物を圃場Gから持ち上げ斜め後方上方に向けて搬送する収穫部3が備えられる。圃場Gの作物の保持を開始する収穫部3の保持開始部分11aに対して下側で、保持開始部分11aに対して横側に配置され、シートSに接地追従してシートSを上方から押圧可能な接地体20が備えられる。接地体20に取り付けられ、前端部が保持開始部分11aに対して前側に配置されたデバイダ35が備えられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置が設けられた機体と、
前記機体の前部に設けられ、シートが敷かれた圃場の作物を保持し収穫して、保持した作物を圃場から持ち上げ斜め後方上方に向けて搬送する収穫部と、
圃場の作物の保持を開始する前記収穫部の保持開始部分に対して下側で、前記保持開始部分に対して横側に配置され、前記シートに接地追従して前記シートを上方から押圧可能な接地体と、
前記接地体に取り付けられ、前端部が前記保持開始部分に対して前側に配置されたデバイダとが備えられている収穫機。
【請求項2】
前記接地体が、前記保持開始部分に対して右側及び左側に配置され、
前記デバイダが、右及び左の前記接地体に取り付けられている請求項1に記載の収穫機。
【請求項3】
前記デバイダは、後端部が前端部よりも高い後上がり姿勢に設定されている請求項1又は2に記載の収穫機。
【請求項4】
後端部が前端部よりも高い後上がり姿勢に設定された右及び左の第1案内部材が、前記デバイダの前端部に対して後側に配置されて、前記収穫部に設けられている請求項1又は2に記載の収穫機。
【請求項5】
作物を左右方向で前記保持開始部分に向けて案内する右及び左の第2案内部材が、前記デバイダの前端部に対して後側に配置されて、前記収穫部に設けられている請求項1又は2に記載の収穫機。
【請求項6】
前記収穫部が、前記機体の前部の右部及び左部のうちの一方に設けられ、
作業者が搭乗する運転部が、前記機体の前部の右部及び左部のうちの他方に設けられ、
前記運転部から目視可能な目印部が、前記収穫部の前部における右部及び左部のうちの前記運転部の側に設けられている請求項2に記載の収穫機。
【請求項7】
前記目印部が、右及び左の前記デバイダのうちの前記運転部の側の前記デバイダに対して、右側及び左側のうちの前記運転部の側に隣接して設けられている請求項6に記載の収穫機。
【請求項8】
前記接地体の前端部が、前記保持開始部分に対して前側に配置され、
前記接地体の後端部が、前記保持開始部分に対して後側に配置されている請求項1又は2に記載の収穫機。
【請求項9】
前記収穫部は、前記収穫部の前部に設けられ、圃場の作物を保持し収穫して、保持した作物を圃場から持ち上げる第1搬送部と、作物を前記第1搬送部の後部から受け取って斜め後方上方に向けて搬送する第2搬送部とを有しており、
前記接地体の前端部が、前記保持開始部分に対して前側に配置され、
前記接地体の後端部が、前記第1搬送部から前記第2搬送部への作物の受け渡し部分に対して後側に配置されている請求項1又は2に記載の収穫機。
【請求項10】
前記接地体を昇降可能に前記収穫部に取り付ける接地体昇降機構が備えられ、
前記接地体昇降機構は、
上下揺動可能に前記収穫部に接続され、前記収穫部から斜め後方下方に向けて延出されて、前記接地体の前部に接続された前リンクと、
上下揺動可能に前記収穫部に接続され、前記収穫部から斜め後方下方に向けて延出されて、前記接地体の後部に接続された後リンクとを有している請求項1又は2に記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場の作物を収穫する収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、収穫部が機体の前部に設けられ、機体の前進に伴って、収穫部が、圃場の作物を保持し収穫して、保持した作物を圃場から持ち上げ、斜め後方上方に向けて搬送するように構成された収穫機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-2497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圃場の保温及び雑草防止等の為に、シートが圃場に敷かれ、シートの開口部に、種が播かれたり、苗が植え付けられたりして、作物の生育が行われることがある。
このような圃場において、収穫機の収穫部が、シートが敷かれた圃場の作物を保持し収穫して、保持した作物を圃場から持ち上げ斜め後方上方に向けて搬送する場合、シートが作物と一緒に持ち上げられて、シートの一部と作物とが収穫部により一緒に搬送される状態が懸念される。
【0005】
本発明は、圃場の作物を保持し収穫して、保持した作物を圃場から持ち上げ斜め後方上方に向けて搬送する収穫部が備えられた収穫機において、シートが敷かれた圃場の作物を無理なく収穫することができるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の収穫機は、走行装置が設けられた機体と、前記機体の前部に設けられ、シートが敷かれた圃場の作物を保持し収穫して、保持した作物を圃場から持ち上げ斜め後方上方に向けて搬送する収穫部と、圃場の作物の保持を開始する前記収穫部の保持開始部分に対して下側で、前記保持開始部分に対して横側に配置され、前記シートに接地追従して前記シートを上方から押圧可能な接地体と、前記接地体に取り付けられ、前端部が前記保持開始部分に対して前側に配置されたデバイダとが備えられている。
【0007】
本発明によると、収穫機の収穫部が、シートが敷かれた圃場の作物を保持し収穫して、保持した作物を圃場から持ち上げ斜め後方上方に向けて搬送する場合、シートにおいて収穫部の保持開始部分に対して横側の部分が、接地体により押圧されている。
【0008】
本発明によると、収穫部により保持された作物が圃場から持ち上げられる際、シートが作物と一緒に持ち上げられようとしても、接地体によりシートが押圧されることにより、シートは持ち上げられ難い。
【0009】
これにより、シートの一部と作物とが収穫部により一緒に搬送されることによる収穫部での搬送詰まり等を少なくすることができ、収穫された作物へのシートの混入を少なくすることができて、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能を向上させることができる。
【0010】
本発明によると、圃場の作物がデバイダにより分けられ案内されて、収穫部の保持開始部分に達するので、収穫部の保持開始部分による圃場の作物の保持が安定して行われるようになって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能を向上させることができる。
デバイダが接地体に取り付けられることにより、接地体がデバイダの支持部材に兼用されるので、デバイダの支持構造の簡素化を図ることができる。
【0011】
本発明において、前記接地体が、前記保持開始部分に対して右側及び左側に配置され、前記デバイダが、右及び左の前記接地体に取り付けられていると好適である。
【0012】
本発明によると、シートにおいて収穫部の保持開始部分に対して右及び左の横側の部分が、右及び左の接地体により押圧される。これにより、収穫部により保持された作物が圃場から持ち上げられる際、シートがさらに持ち上げられ難い状態となって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0013】
本発明によると、右のデバイダが右の接地体に取り付けられ、左のデバイダが左の接地体に取り付けられており、圃場の作物がデバイダにより安定して分けられ案内されて収穫部の保持開始部分に達するようになるので、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0014】
本発明において、前記デバイダは、後端部が前端部よりも高い後上がり姿勢に設定されていると好適である。
【0015】
本発明によると、圃場の作物がデバイダにより分けられ収穫部の保持開始部分に案内されることに加えて、圃場の倒れた作物がデバイダにより起こされるようになるので、収穫部の保持開始部分による圃場の作物の保持が安定して行われるようになって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0016】
本発明において、後端部が前端部よりも高い後上がり姿勢に設定された右及び左の第1案内部材が、前記デバイダの前端部に対して後側に配置されて、前記収穫部に設けられていると好適である。
【0017】
本発明によると、右及び左の第1案内部材が設けられることにより、圃場の倒れた作物がデバイダにより案内されて収穫部の保持開始部分に接近すると、第1案内部材により作物が起こされるようになるので、収穫部の保持開始部分による圃場の作物の保持が安定して行われるようになって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0018】
本発明によると、第1案内部材は収穫部に設けられているので、収穫部の保持開始部分と第1案内部材との間に位置関係の変化は無い。
これにより、圃場の倒れた作物が第1案内部材により起こされながら収穫部の保持開始部分に達する際、収穫部の保持開始部分と第1案内部材との間に位置関係の変化が無いことにより、収穫部の保持開始部分による圃場の作物の保持が安定して行われるようになって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0019】
本発明において、作物を左右方向で前記保持開始部分に向けて案内する右及び左の第2案内部材が、前記デバイダの前端部に対して後側に配置されて、前記収穫部に設けられていると好適である。
【0020】
本発明によると、圃場の作物が、デバイダにより案内され、第2案内部材により収穫部の保持開始部分に案内されるので、収穫部の保持開始部分による圃場の作物の保持が安定して行われるようになって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0021】
本発明によると、第2案内部材は収穫部に設けられているので、収穫部の保持開始部分と第2案内部材との間に位置関係の変化は無い。
これにより、圃場の作物が第2案内部材により案内されながら収穫部の保持開始部分に達する際、収穫部の保持開始部分と第2案内部材との間に位置関係の変化が無いことにより、収穫部の保持開始部分による圃場の作物の保持が安定して行われるようになって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0022】
本発明において、前記収穫部が、前記機体の前部の右部及び左部のうちの一方に設けられ、作業者が搭乗する運転部が、前記機体の前部の右部及び左部のうちの他方に設けられ、前記運転部から目視可能な目印部が、前記収穫部の前部における右部及び左部のうちの前記運転部の側に設けられていると好適である。
【0023】
収穫機では、収穫部が機体の前部の右部(左部)に設けられ、運転部が機体の前部の左部(右部)に設けられたものがあり、運転部の作業者は斜め前方に位置する収穫部の前部を目視しながら、機体の操縦を行う。
【0024】
本発明によると、運転部から目視可能な目印部が、収穫部の前部における運転部の側である右部(左部)に設けられている。
これにより、運転部の作業者は、目印部を目視することにより、収穫部の前部と圃場の作物との位置関係が把握し易くなるので、圃場の作物がデバイダにより案内されるように機体を操縦することが行い易くなって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0025】
本発明において、前記目印部が、右及び左の前記デバイダのうちの前記運転部の側の前記デバイダに対して、右側及び左側のうちの前記運転部の側に隣接して設けられていると好適である。
【0026】
本発明によると、目印がデバイダに隣接する状態となり、運転部の作業者は、目印部を目視することにより、収穫部の前部と圃場の作物との位置関係が把握し易くなることに加えて、デバイダの位置も把握し易くなるので、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0027】
本発明において、前記接地体の前端部が、前記保持開始部分に対して前側に配置され、前記接地体の後端部が、前記保持開始部分に対して後側に配置されていると好適である。
【0028】
本発明によると、接地体が比較的前後に長いものになり、シートが収穫部の保持開始部分の前後に亘って接地体により保持される。これにより、収穫部による作物の圃場からの持ち上げに対して、シートが接地体により安定して保持されるようになって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0029】
本発明において、前記収穫部は、前記収穫部の前部に設けられ、圃場の作物を保持し収穫して、保持した作物を圃場から持ち上げる第1搬送部と、作物を前記第1搬送部の後部から受け取って斜め後方上方に向けて搬送する第2搬送部とを有しており、前記接地体の前端部が、前記保持開始部分に対して前側に配置され、前記接地体の後端部が、前記第1搬送部から前記第2搬送部への作物の受け渡し部分に対して後側に配置されていると好適である。
【0030】
収穫機の収穫部には、圃場の作物を保持し収穫して持ち上げる第1搬送部と、作物を第1搬送部の後部から受け取って斜め後方上方に向けて搬送する第2搬送部とが設けられたものがある。
【0031】
本発明によると、接地体が比較的前後に長いものになり、シートが収穫部の保持開始部分の前後に亘って接地体により保持され、収穫部の第1搬送部から第2搬送部への作物の受け渡し部分の前後に亘って接地体により保持される。これにより、収穫部の第1搬送部による作物の圃場からの持ち上げ、及び、収穫部の第1搬送部から第2搬送部への作物の受け渡しに対して、シートが接地体により安定して保持されるようになって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0032】
本発明において、前記接地体を昇降可能に前記収穫部に取り付ける接地体昇降機構が備えられ、前記接地体昇降機構は、上下揺動可能に前記収穫部に接続され、前記収穫部から斜め後方下方に向けて延出されて、前記接地体の前部に接続された前リンクと、上下揺動可能に前記収穫部に接続され、前記収穫部から斜め後方下方に向けて延出されて、前記接地体の後部に接続された後リンクとを有していると好適である。
【0033】
本発明によると、接地体が接地体昇降機構により昇降可能に収穫部に取り付けられているので、圃場に凹凸が存在したり、収穫部が圃場に対して上下動したりしても、接地体は圃場に無理なく追従しながらシートを押圧する。これにより、シートが接地体により安定して保持される。
【0034】
本発明によると、デバイダが接地体に取り付けられているので、圃場に凹凸が存在したり、収穫部が圃場に対して上下動したりしても、デバイダは接地体と一体で圃場に無理なく追従するようになって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0035】
本発明によると、接地体昇降機構の前リンクにより接待体の前部が支持され、接地体昇降機構の後リンクにより接待体の後部が支持されており、接地体が前後に長いものであっても、接地体の左右方向での振れが抑えられる。これにより、シートが接地体により安定して保持されるようになって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【0036】
本発明によると、収穫部が下降して圃場に接近した場合、接地体昇降機構の前リンク及び後リンクが収穫部に対して上昇するのであり、接地体昇降機構の前リンク及び後リンクと接地体との接続部分が後方に少し移動して、接地体が収穫部に対して後方に少し移動する。
【0037】
収穫部が下降して、収穫部の保持開始部分が圃場に接近し接地体に接近した場合、接地体が後方に少し移動することにより、収穫部の保持開始部分により圃場の作物が保持されることに対して、接地体が影響を及ぼすことが少なくなる。これにより、収穫部の保持開始部分による圃場の作物の保持が安定して行われるようになって、シートが敷かれた圃場の作物の収穫性能の向上の面で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】枝豆収穫機の左側面図である。
図2】枝豆収穫機の平面図である。
図3】収穫部の前部における接地体の付近の左側面図である。
図4】収穫部の前部における接地体の付近の平面図である。
図5】収穫部の前部における接地体の付近の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1図5に、収穫機の一例である枝豆収穫機が示されており、図1図5において、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示し、Rは右方向を示し、Lは左方向を示している。
【0040】
(枝豆収穫機の全体構成)
図1及び図2に示すように、右及び左のクローラ型式の走行装置2が、機体1に設けられており、機体1の前部の左部に収穫部3が設けられ、機体1の前部の右部に運転部4が設けられている。機体1の後部に分離部5が設けられ、機体1の右部に回収部6が設けられている。
【0041】
機体1の前進に伴って、収穫部3により圃場Gの作物Aが、保持され持ち上げられて、圃場Gから引き抜かれて収穫される。収穫された作物Aは、収穫部3に保持されながら斜め後方上方に向けて搬送される。作物Aは、収穫部3の終端部で横倒れ姿勢に変更されて、搬送チェーン7に受け渡される。
【0042】
分離部5において、作物Aが搬送チェーン7により横倒れ姿勢で搬送されながら、回転体8により作物Aから実A1が分離される。分離した実A1は、搬送ベルト9に落下して後方に搬送され、搬送ベルト9から搬送ベルト10に受け渡され、右方に搬送されて、回収部6に回収される。
【0043】
図3及び図5に示すように、ビニール製のシートSが圃場Gに敷かれている。移植機(図示せず)により、シートSに開口部が形成されながら、シートSの開口部に作物Aの苗が移植されて、作物Aの生育が行われている。
【0044】
(収穫部の構成)
図1,2,3に示すように、収穫部3は、収穫部3の前部が下側で、収穫部3の後部が上側となるように、側面視で斜めの姿勢で、機体1の前部の左部に前後方向に沿って設けられている。
【0045】
収穫部3の骨格としての右及び左のフレーム19が、側面視で後上がりの斜めの姿勢で配置され、フレーム19の後部が、左右方向に沿った軸芯P1周りに上下揺動可能に、機体1の前部の左部の上部に取り付けられている。油圧シリンダ14が、機体1の前部とフレーム19とに亘って接続されており、油圧シリンダ14により収穫部3が昇降操作される。
【0046】
右及び左の従動プーリー15が、回転可能にフレーム19の前部に設けられている。右及び左の従動プーリー16,17が、上下に配置されて、従動プーリー15に対して上側の位置に、一体で回転可能にフレーム19に設けられている。
【0047】
右及び左の駆動プーリー18が、回転可能にフレーム19の後部に設けられている。ゴム製(スポンジ製)の右及び左の搬送ベルト11(第1搬送部に相当)が、従動プーリー15,16に亘って取り付けられ、ゴム製(スポンジ製)の右及び左の搬送ベルト12(第2搬送部に相当)が、従動プーリー17と駆動プーリー18とに亘って取り付けられている。
【0048】
右及び左の搬送ベルト11、右及び左の搬送ベルト12が、収穫部3の全長に亘って合わせられている。多数のローラー13がフレーム19に回転可能に設けられており、ローラー13により、搬送ベルト11の合わせ部分の反対側、及び、搬送ベルト12の合わせ部分の反対側が支えられている。右及び左の搬送ベルト11と、右及び左の搬送ベルト12とは、捩じられることなく、直線的に斜め上方の後方に向けて延出されている。
【0049】
図2及び図4に示すように、右及び左の従動プーリー15において、左(未収穫領域の側)の従動プーリー15が、右(既収穫領域の側)の従動プーリー15よりも、小径に構成され、且つ、前側に配置されている。これにより、左の搬送ベルト11の前端部が、右の搬送ベルト11の前端部よりも前側に位置している。
【0050】
図1及び図2に示すように、駆動プーリー18により従動プーリー15,16,17及び搬送ベルト11,12が回転駆動される。機体1の前進に伴って、圃場Gの作物Aが、右及び左の搬送ベルト11が合わさり始める部分である保持開始部分11a(図3及び図4参照)に入り込み、右及び左の搬送ベルト11の保持開始部分11aから挟持されて保持される。
【0051】
作物Aは、搬送ベルト11により圃場Gから持ち上げられ引き抜かれて収穫されるのであり、搬送ベルト11から搬送ベルト12に受け渡され、搬送ベルト12により起立姿勢に維持されながら。収穫部3に沿って斜め後方上方に向けて搬送される。作物Aは、搬送ベルト12の終端部で横倒れ姿勢に変更されて、搬送チェーン7に受け渡される。
【0052】
以上の構成により、走行装置2が設けられた機体1と、機体1の前部に設けられ、シートSが敷かれた圃場Gの作物Aを保持し収穫して、保持した作物Aを圃場Gから持ち上げ斜め後方上方に向けて搬送する収穫部3とが備えられている。
収穫部3が、機体1の前部の右部及び左部のうちの一方に設けられ、作業者が搭乗する運転部4が、機体1の前部の右部及び左部のうちの他方に設けられている。
【0053】
収穫部3は、収穫部3の前部に設けられ、圃場Gの作物Aを保持し収穫して、保持した作物Aを圃場Gから持ち上げる第1搬送部(搬送ベルト11)と、作物Aを第1搬送部(搬送ベルト11)の後部から受け取って斜め後方上方に向けて搬送する第2搬送部(搬送ベルト12)とを有している。
【0054】
(接地体の構成)
図1及び図2に示すように、右及び左の接地体20が、収穫部3の前部の右部及び左部に、互いに独立に昇降可能に取り付けられている。
【0055】
図3,4,5に示すように、接地体20は、細長い平板によりソリ状に構成されて、前後方向に沿って配置されている。前リンク25及び後リンク26、バネ27を有する右及び左の接地体昇降機構24が設けられている。右の接地体20が、右の接地体昇降機構24により右のフレーム19の前部に昇降可能に取り付けられ、左の接地体20が、左の接地体昇降機構24により左のフレーム19の前部に昇降可能に取り付けられている。
【0056】
右及び左のブラケット21が、フレーム19の前端部に連結されている。右及び左のフレーム22,23が、フレーム19におけるブラケット21に対して後側の部分に連結され、フレーム19から下方に向けて延出されている。
【0057】
接地体昇降機構24において、前リンク25が、左右方向に沿った軸芯P2周りに上下揺動可能にブラケット21に取り付けられ、ブラケット21から斜め後方下方に向けて延出されており、前リンク25の後部が接地体20の前部に揺動可能に接続されている。
【0058】
後リンク26が、左右方向に沿った軸芯P3周りに上下揺動可能にフレーム22に取り付けられ、フレーム22から斜め後方下方に向けて延出されており、後リンク26の後部が接地体20の後部に揺動可能に接続されている。
【0059】
後リンク26の上部とフレーム23とに亘って、バネ27が接続されている。バネ27により後リンク26が図3の時計方向に付勢され、バネ27により接地体20が下方に向けて付勢されており、右及び左の接地体20により圃場GのシートSが上方から押圧される。
【0060】
以上の構成により、圃場Gの作物Aの保持を開始する収穫部3の保持開始部分11aに対して下側で、保持開始部分11aに対して右側及び左側に配置され、シートSに接地追従してシートSを上方から押圧可能な右及び左の接地体20が備えられている。
【0061】
圃場Gの作物Aの保持を開始する収穫部3の保持開始部分11aに対して下側で、保持開始部分11aに対して横側に配置され、シートSに接地追従してシートSを上方から押圧可能な接地体20が備えられている。接地体20が、保持開始部分11aに対して右側及び左側に配置されている。
【0062】
接地体20の前端部が、保持開始部分11aに対して前側に配置され、接地体20の後端部が、保持開始部分11aに対して後側に配置されている。
接地体20の前端部が、保持開始部分11aに対して前側に配置され、接地体20の後端部が、第1搬送部(搬送ベルト11)から第2搬送部(搬送ベルト12)への作物Aの受け渡し部分11bに対して後側に配置されている。
【0063】
接地体20を昇降可能に収穫部3に取り付ける接地体昇降機構24が備えられている。接地体昇降機構24は、上下揺動可能に収穫部3に接続され、収穫部3から斜め後方下方に向けて延出されて、接地体20の前部に接続された前リンク25と、上下揺動可能に収穫部3に接続され、収穫部3から斜め後方下方に向けて延出されて、接地体20の後部に接続された後リンク26とを有している。
【0064】
(円板カッターの構成)―1
図3,4,5に示すように、円板カッター28(シート処理部に相当)が、左の従動プーリー15の下方に配置され、左の搬送ベルト11の始端部に対して後側に配置されており、平面視で右及び左の接地体20の間に配置されている。
【0065】
円板カッター28は、平面視で、搬送ベルト11の保持開始部分11aを前後方向に沿って通る収穫部3の左右中央線L1に対して、左の接地体20の側に偏移して配置されている。これにより、円板カッター28は、左の接地体20に対して右側(収穫部3の左右中央線L1の側)の横隣に設けられている。
【0066】
アーム29(カッター昇降機構に相当)が、左右方向に沿った軸芯P4周りに上下揺動可能に左のフレーム22に取り付けられ、左のフレーム22から斜め前方下方に向けて延出されている。円板カッター28が、左右方向に沿った軸芯P5周りに自由回転可能に、アーム29の前部に取り付けられている。
【0067】
円板カッター28の外周部の前端部が、搬送ベルト11の保持開始部分11aに対して後側に配置され、円板カッター28の外周部の後端部が、搬送ベルト11から搬送ベルト12への作物Aの受け渡し部分11bに対して前側に配置されている。
【0068】
円板カッター28よりも小径で左右幅の大きな円筒状の回転体38が、円板カッター28とアーム29の前部との間に配置されており、円板カッター28と一体で回転するように、円板カッター28に連結されている。
【0069】
アーム29の後部と左のフレーム19とに亘って、バネ30(カッター付勢機構に相当)が接続されている。バネ30によりアーム29が図3の反時計方向に付勢されて、バネ30により円板カッター28が下方に向けて付勢されている。
【0070】
これにより、回転体38がシートSに上方から押圧され、円板カッター28がシートSを下方に突き破って圃場Gに入り込んでいる。機体1の前進に伴って、回転体38が図3の反時計方向に回転しながらシートSを押圧し、円板カッター28は図3の反時計方向に回転しながらシートSを切断して破る。作物Aの屑等の巻き付きが、回転体38によって防止される。
【0071】
(円板カッターの構成)―2
図3,4,5に示すように、ピン31(上下間隔維持部に相当)が、アーム29の前部の下部に連結され、アーム29から左方に向けて延出されている。
【0072】
アーム29が左の接地体20に対して下降、又は左の接地体20が円板カッター28に対して上昇して、ピン31と左の接地体20とが当たると、アーム29の左の接地体20に対する下降がピン31により止められる。アーム29の左の接地体20に対する上昇、及び、左の接地体20の円板カッター28に対する下降は、ピン31と左の接地体20とが互いに離れる方向であるので許容される。
【0073】
ピン31と左の接地体20とが当たる状態が、円板カッター28の軸芯P5が左の接地体20の接地面に対して所定の高さだけ上側に位置する状態であり、円板カッター28と左の接地体20との間が所定の上下間隔に設定された状態である。
【0074】
(円板カッターの構成)―3
図3,4,5に示すように、ブラケット32がアーム29の前部に連結されている。ガード部材33がブラケット32の前部に連結され、スクレーパ34がブラケット32の後部に連結されている。
【0075】
ガード部材33は、棒材により構成されて、円板カッター28に対して前側に配置されて、左の従動プーリー15の下方に配置されており、平面視で左の接地体20から収穫部3の左右中央線L1に向けて、後側ほど収穫部3の左右中央線L1に近づくように傾斜して配置されている。
【0076】
ガード部材33の前端部が、平面視で、左の接地体20に近接するように、左の接地体20の上方に配置されている。ガード部材33の後端部が、平面視で、円板カッター28と収穫部3の左右中央線L1との間に配置されている。
円板カッター28や回転体38に付着する作物Aの屑やシートSの屑等が、円板カッター28及び回転体38の回転に伴って、スクレーパ34によって落とされる。
【0077】
以上の構成により、右及び左の接地体20の間に配置され、シートSを破るシート処理部(円板カッター28)が備えられている。
シート処理部(円板カッター28)が、保持開始部分11aに対して右及び左の接地体20の一方側に偏移して配置されている。
シート処理部(円板カッター28)が、保持開始部分11aに対して後側に配置されている。
【0078】
作物Aのシート処理部(円板カッター28)への接触を回避するガード部材33が、シート処理部(円板カッター28)に対して前側に設けられている。
ガード部材33は、機体1の前進に伴って、作物Aを左右方向で保持開始部分11aの側に向けて案内する。
【0079】
シート処理部が、左右方向に沿った軸芯P5周りに回転しながらシートSを切断する円板カッター28である。
円板カッター28を昇降可能に収穫部3に取り付けるカッター昇降機構(アーム29)と、円板カッター28を下方に向けて付勢するカッター付勢機構(バネ30)とが備えられている。
【0080】
軸芯P5が接地体20の接地面に対して所定の高さだけ上側に位置する円板カッター28と接地体20との間の上下間隔が設定されている。
上下間隔を越えての円板カッター28と接地体20との上下方向での接近を阻止し、且つ、上下間隔を越えての円板カッター28と接地体20との上下方向での離間を許容する上下間隔維持部(ピン31)が備えられている。
【0081】
カッター昇降機構(アーム29)が、上下揺動可能に収穫部3に接続され、収穫部3から斜め前方下方に向けて延出されたアーム29であり、円板カッター28がアーム29の前部に取り付けられている。
【0082】
(デバイダの構成)
図1及び図2に示すように、右及び左のデバイダ35が設けられており、右のデバイダ35が右の接地体20の前部に取り付けられ、左のデバイダ35が左の接地体20の前部に取り付けられている。
【0083】
図3,4,5に示すように、デバイダ35は、棒材で構成された第1部分35aと、棒材で構成された第2部分35bとを有している。デバイダ35の第1部分35aが、接地体20の前部に取り付けられて、接地体20の前部から斜め前方上方に向けて延出されている。
【0084】
この場合、デバイダ35の第1部分35a取付位置を、接地体20の前部に沿った斜め方向に変更可能に構成することにより、デバイダ35の第1部分35aの位置を、斜め上方前方及び斜め下方後方に変更可能に構成してもよい。
【0085】
デバイダ35の第2部分35bの前後中間部分が、デバイダ35の第1部分35aの前端部に連結されている。デバイダ35の第2部分35bの後端部が、デバイダ35の第2部分35bの前端部よりも高くなるように、デバイダ35の第2部分35bが後上がり姿勢に設定されている。
【0086】
デバイダ35の第1部分35a及び第2部分35bの後部は、平面視で、収穫部3の左右中央線L1に沿っており、接地体20に対して収穫部3の左右中央線L1の側に配置されている。
【0087】
右のデバイダ35の第2部分35bの前部は、平面視で、収穫部3の左右中央線L1に対して右斜め前方に向けて延出されている。左のデバイダ35の第2部分35bの前部は、平面視で、収穫部3の左右中央線L1に対して左斜め前方に向けて延出されている。
【0088】
デバイダ35の第2部分35bの前端部は、接地体20の前端部及び搬送ベルト11の保持開始部分11aよりも前側に配置され、正面視で接地体20の前部と重複するように配置されており、接地体20の接地面よりも少し上側に配置されている。
【0089】
以上の構成により、接地体20に取り付けられ、前端部が保持開始部分11aに対して前側に配置されたデバイダ35が備えられている。デバイダ35が、右及び左の接地体20に取り付けられている。
デバイダ35(第2部分35b)は、後端部が前端部よりも高い後上がり姿勢に設定されている。
【0090】
(第1案内部材の構成)
図3,4,5に示すように、棒材で構成された右及び左の案内部材36(第1案内部材に相当)が、ブラケット21の上部に連結されて、フレーム19に取り付けられており、搬送ベルト11に対して上側に配置されている。
【0091】
右の案内部材36は、右のデバイダ35の第1部分35a及び第2部分35bの後部に対して、収穫部3の左右中央線L1の反対側に配置されている。左の案内部材36は、左のデバイダ35の第1部分35a及び第2部分35bの後部に対して、収穫部3の左右中央線L1の反対側に配置されている。
【0092】
案内部材36の後端部が案内部材36の前端部よりも高くなるように、案内部材36は側面視で後上がり姿勢に設定されている。右の案内部材36の後端部が左の案内部材36の後端部よりも高くなるように、右の案内部材36の傾斜角度が左の案内部材36の傾斜角度よりも大きなものに設定されている。案内部材36の前端部は、搬送ベルト11の保持開始部分11aよりも前側に配置されている。
【0093】
図2図5に示すように、目印部39が、右の案内部材36に取り付けられて、収穫部3に設けられている。目印部39は、棒材がチャンネル状に折り曲げられて構成されており、目印部39の左部が右の案内部材36の前端部に取り付けられている。
【0094】
目印部39は、右の案内部材36から斜め前方下方に向けて延出されており、右の案内部材36から右方に向けて延出されている。目印部39は、デバイダ35の第2部分35bの前端部よりも後側に配置されており、右のデバイダ35に対して右の横隣に配置されている。
【0095】
以上の構成により、後端部が前端部よりも高い後上がり姿勢に設定された右及び左の第1案内部材(案内部材36)が、デバイダ35(第2部分35b)の前端部に対して後側に配置されて、収穫部3に設けられている。
【0096】
運転部4から目視可能な目印部39が、収穫部3の前部における右部及び左部のうちの運転部4の側に設けられている。目印部39が、右及び左のデバイダ35のうちの運転部4の側のデバイダ35に対して、右側及び左側のうちの運転部4の側に隣接して設けられている。
【0097】
(第2案内部材の構成)
図3,4,5に示すように、棒材で構成された右及び左の案内部材37(第2案内部材に相当)が、ブラケット21の前部の横部に連結されて、フレーム19に取り付けられている。
【0098】
右の案内部材37は、前端部が右のブラケット21に連結され、右のブラケット21から収穫部3の左右中央線L1の側に向けて、斜め後方左方及び斜め後方上方に向けて延出されている。左の案内部材37は、前端部が左のブラケット21に連結され、左のブラケット21から収穫部3の左右中央線L1の側に向けて、斜め後方右方及び斜め後方上方に向けて延出されている。
【0099】
案内部材37の前端部は、案内部材36の前端部よりも後側に配置されている。案内部材37の後端部は、従動プーリー15の上方に配置されている。右の案内部材37の後端部が、左の案内部材36の後端部よりも後側に配置されている。
【0100】
以上の構成により、作物Aを左右方向で保持開始部分11aに向けて案内する右及び左の第2案内部材(案内部材37)が、デバイダ35(第2部分35b)の前端部に対して後側に配置されて、収穫部3に設けられている。
【0101】
(収穫部での作物の収穫状態)―1
図1及び図2に示すように、運転部4の作業者は、作物Aの収穫が終了した圃場Gの既収穫領域が、機体1及び収穫部3に対して右側(運転部4の側)に位置し、作物Aの収穫前の圃場Gの未収穫領域が、機体1及び収穫部3に対して左側(運転部4の反対側)に位置するように、機体1を走行させるのであり、圃場Gの未収穫領域の端部の作物Aが収穫部3に導入されるように、機体1を走行させる。
【0102】
図3,4,5に示すように、機体1の前進に伴って、圃場Gの未収穫領域の端部の作物Aが、左のデバイダ35により隣接する作物Aと分けられながら、右及び左のデバイダ35の間に入り、右及び左のデバイダ35により起こされる。
【0103】
作物Aは、右及び左のデバイダ35の間から右及び左の接地体20の間に入りながら、右及び左の案内部材36により起こされて、右及び左の案内部材37により収穫部3の左右中央線L1に向けて案内され、搬送ベルト11の保持開始部分11aに向けて案内される。
【0104】
作物Aは、搬送ベルト11の保持開始部分11aに入り込み、搬送ベルト11の保持開始部分11aから挟持されて保持され、搬送ベルト11により圃場Gから持ち上げられ引き抜かれて収穫される。
【0105】
図1及び図2に示すように、作物Aは、前述のように搬送ベルト11から搬送ベルト12に受け渡され、搬送ベルト12により起立姿勢に維持されながら。収穫部3に沿って斜め後方上方に向けて搬送される。
【0106】
(収穫部での作物の収穫状態)―2
前述のように、作物Aが搬送ベルト11により圃場Gから持ち上げられて引き抜かれる場合、図3,4,5に示すように、シートSにおいて、搬送ベルト11の保持開始部分11aに対して右側及び左側の部分が、右及び左の接地体20により押圧されている。シートSにおいて、搬送ベルト11の保持開始部分11a(収穫部3の左右中央線L1)の近傍の部分が、円板カッター28により切断される。
【0107】
圃場Gに凹凸が存在したり、収穫部3が圃場Gに対して上下動したりしても、接地体昇降機構24(前リンク25、後リンク26及びバネ27)により、接地体20は圃場Gに無理なく追従しながらシートSを押圧する。
【0108】
これにより、作物Aが搬送ベルト11により圃場Gから持ち上げられて引き抜かれる場合、シートSが、右及び左の接地体20により押さえられながら、切断により作物Aに対して左右に分かれるので、シートSが作物Aと一緒に持ち上げられることは少ない。
【0109】
円板カッター28によりシートSが切断される場合、シートSにおいて、円板カッター28に対して右側及び左側の部分が右及び左の接地体20により押さえられていること、並びに、円板カッター28に隣接する部分が回転体38により押さえられていることにより、円板カッター28によるシートSの切断が円滑に行われる。
【0110】
ガード部材33が円板カッター28に対して前側に設けられていることにより、作物Aと円板カッター28との接触が避けられ易くなるのであり、作物Aが収穫部3の左右中央線L1に向けて案内され、搬送ベルト11の保持開始部分11aに向けて案内される。
【0111】
(発明の実施の第1別形態)
接地体昇降機構24(前リンク25、後リンク26及びバネ27)を廃止して、接地体20を、収穫部3に対して昇降不可に、フレーム19の前部の下部に連結してもよい。
【0112】
前述の構成において、接地体20を圃場Gに接地させることにより、収穫部3の前部の重量が接地体20を介して圃場Gに支えられるように構成すればよい。これにより、機体1の前進に伴って、収穫部3は接地体20を介して圃場Gの凹凸に馴染むように昇降するのであり、接地体20はシートSに接地追従してシートSを押圧する。
【0113】
この場合、収穫部3を上昇側に付勢するバネ(図示せず)を、油圧シリンダ14の部分に設けて、接地体20を介しての収穫部3の上昇をバネにより補助すればよい。
右(既収穫領域の側)の接地体20を、左(未収穫領域の側)の接地体20よりも幅広に構成して、接地体20に掛かる収穫部3の前の重量を分散させればよい。
【0114】
(発明の実施の第2別形態)
ソリ状の接地体20を廃止し、前後方向に沿って配置されたフレーム(図示せず)に、複数の小径の車輪(図示せず)を前後方向に沿って並べて取り付けることにより、接地体20を構成してもよい。
前述の構成によると、接地体20の車輪が圃場G(シートS)に接地し、機体1の前進に伴って、接地体20の車輪が圃場G(シートS)を転がる状態となる。
【0115】
(発明の実施の第3別形態)
接地体20の前端部を、図3,4,5に示す構成よりも前方に延出し、デバイダ35を接地体20の前端部に取り付け、接地体20の前端部から斜め後方上方に向けて延出してもよい。
【0116】
前述の構成によると、デバイダ35の前端部と接地体20の前端部とが同じ位置に配置されるので、接地体20の前部がデバイダ35の一部となる。左のデバイダ35の前端部及び接地体20の前端部が、右のデバイダ35の前端部及び接地体20の前端部よりも前側に配置されてもよい。
【0117】
(発明の実施の第4別形態)
棒状のデバイダ35を廃止し、平面視で細長い三角形状のデバイダ35を、接地体20の前部に取り付けてもよい。
接地体20の前部を平面視で細長い三角形状に形成して、接地体20の前部をデバイダ35とすることにより、デバイダ35が接地体20に取り付けられるようにしてもよい。
【0118】
(発明の実施の第5別形態)
アーム29(カッター昇降機構)及びバネ30(カッター付勢機構)を廃止して、円板カッター28を右又は左の接地体20に取り付けてもよい。
前述の構成によると、円板カッター28の軸芯P5と接地体20の接地面との上下間隔が固定されるので、ピン31(上下間隔維持部)は不要になる。
【0119】
(発明の実施の第6別形態)
円板カッター28を、平面視で、収穫部3の左右中央線L1に対して、右(既収穫領域の側)の接地体20の側に偏移して配置してもよい。この場合、円板カッター28は、右の接地体20に対して左側(収穫部3の左右中央線L1の側)の横隣に設けられる。
【0120】
(発明の実施の第7別形態)
モータ(図示せず)により、円板カッター28を図3の反時計方向に回転駆動するように構成してもよい。この場合、円板カッター28の外周部の速度が、機体1の前進速度よりも少し高速になるように設定すればよい。
【0121】
(発明の実施の第8別形態)
円板カッター28を廃止し、回転体(図示せず)の外周部に複数の凸部(図示せず)を放射状に取り付けて、シート処理部を構成してもよい。
この構成によると、シート処理部の凸部をシートSに接地させた状態で、機体1が前進すると、シート処理部が回転して、シート処理部の凸部によりシートSが前後間隔を空けながら下方に突き破られる。
【0122】
(発明の実施の第9別形態)
円板カッター28を廃止し、下端部が尖った錐状部材(図示せず)を、上下方向に沿って往復移動可能にフレーム19に取り付け、モータ(図示せず)により錐状部材を上下駆動して、シート処理部を構成してもよい。
この構成によると、錐状部材が上下駆動されることによって、錐状部材によりシートSが前後間隔を空けながら下方に突き破られる。
【0123】
(発明の実施の第10別形態)
収穫部3を機体1の前部の右部に設け、運転部4を機体1の前部の左部に設けて、図1図5に示す構成を左右反対に構成してもよい。
【0124】
前述の構成によると、運転部4の作業者は、作物Aの収穫が終了した圃場Gの既収穫領域が、機体1及び収穫部3に対して左側(運転部4の側)に位置し、作物Aの収穫前の圃場Gの未収穫領域が、機体1及び収穫部3に対して右側(運転部4の反対側)に位置するように、機体1を走行させる。
【0125】
(発明の実施の第11別形態)
右及び左の接地体20において、デバイダ35を左の接地体20に取り付け、右の接地体20にはデバイダ35を取り付けないように構成してもよい。
右及び左の接地体20において、デバイダ35を右の接地体20に取り付け、左の接地体20にはデバイダ35を取り付けないように構成してもよい。
左の接地体20及びデバイダ35を設け、右の接地体20及びデバイダ35を廃止してもよい。
右の接地体20及びデバイダ35を設け、左の接地体20及びデバイダ35を廃止してもよい。
【0126】
(発明の実施の第12別形態)
クローラ型式の走行装置2に代えて、走行用の前輪(図示せず)及び後輪(図示せず)を走行装置2として機体1に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、枝豆収穫機ばかりではなく、人参収穫機や大根収穫機等の他の収穫機にも適用できる。
【符号の説明】
【0128】
1 機体
2 走行装置
3 収穫部
4 運転部
11 搬送ベルト(第1搬送部)
11a 保持開始部分
11b 受け渡し部分
12 搬送ベルト(第2搬送部)
20 接地体
24 接地体昇降機構
25 前リンク
26 後リンク
35 デバイダ
36 案内部材(第1案内部材)
37 案内部材(第2案内部材)
39 目印部
A 作物
G 圃場
S シート
図1
図2
図3
図4
図5