(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171605
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】決済装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/06 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
G07G1/06 Z
G07G1/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088701
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】福澤 一郎
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142BA11
3E142DA08
3E142FA42
3E142GA41
(57)【要約】
【課題】代金の支払いをセルフで行うものにおいて、レシートの出力について客が要求する形式を容易に指示することができるようにした決済装置を提供すること。
【解決手段】一実施形態において、決済装置は、判別手段と、第1表示手段と、決済手段と、レシート処理手段とを備える。判別手段は、消費者が電子レシート会員であるかを判別する。第1表示手段は、購買商品について登録を終えた後、前記購買商品についての決済に応じたレシート発行に関する操作画面を、前記消費者が前記電子レシート会員であるか否かに応じて、レシートの発行形態の選択肢を変更して表示させる。決済手段は、前記購買商品について決済する。レシート処理手段は、前記操作画面を介して選択されたレシート発行形態に応じて、前記決済に対するレシートに関する処理を実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者が電子レシート会員であるかを判別する判別手段と、
購買商品について登録を終えた後、前記購買商品についての決済に応じたレシート発行に関する操作画面を、前記消費者が前記電子レシート会員であるか否かに応じて、レシートの発行形態の選択肢を変更して表示させる第1表示手段と、
前記購買商品について決済する決済手段と、
前記操作画面を介して選択されたレシート発行形態に応じて、前記決済に対するレシートに関する処理を実行するレシート処理手段と、
を具備する決済装置。
【請求項2】
前記第1表示手段は、前記消費者が前記電子レシート会員でない場合には、紙レシートの発行形態の選択肢を含む第1操作画面を表示させ、前記消費者が前記電子レシート会員である場合には、前記紙レシートの発行形態の選択肢を含まず、電子レシートの発行形態の選択肢を含む第2操作画面を表示させる、請求項1記載の決済装置。
【請求項3】
前記第1表示手段は、前記第1操作画面に、さらに、前記紙レシートの出力不要、及び領収証の発行形態の選択肢を表示させ、前記第2操作画面に、さらに、領収証の発行形態の選択肢を表示させる、請求項2記載の決済装置。
【請求項4】
前記決済手段による決済に用いる支払い方法を前記消費者に選択させるための支払い方法選択画面を表示させる第2表示手段をさらに具備し、
前記第1表示手段は、前記第2表示手段により前記支払い方法選択画面が表示される前に、前記操作画面を表示させる、請求項1~3の何れかに記載の決済装置。
【請求項5】
前記レシート処理手段は、前記第2操作画面に対して、前記領収証の発行形態の選択肢を選択する操作がされた場合に、前記電子レシートの出力と紙媒体による領収証の印刷をする、請求項3記載の決済装置。
【請求項6】
決済装置のコンピュータを、
消費者が電子レシート会員であるかを判別する判別手段と、
購買商品について登録を終えた後、前記購買商品についての決済に応じたレシート発行に関する操作画面を、前記消費者が前記電子レシート会員であるか否かに応じて、レシートの発行形態の選択肢を変更して表示させる第1表示手段と、
前記購買商品について決済する決済手段と、
前記操作画面を介して選択されたレシート発行形態に応じて、前記決済に対するレシートに関する処理を実行するレシート処理手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
購買商品について決済をする決済装置には、客自身が操作して代金の支払いを行うタイプがある。客自身が操作するタイプの場合、店員が介在しなくてよいので、店員の作業効率を高めることができる。一方、客は、支払い方法として、例えば現金、クレジットカード、電子マネー等から支払い方法を選択し、この選択した支払い方法に応じた操作をする必要がある。また、レシートの出力についても、レシートとするか、あるいは領収証とするかを選択したり、レシート要/不要を選択する操作が必要となる場合がある。さらに、近年では、紙レシートに代えて、電子化した電子レシートデータを取得できる電子レシートサービスを利用することができるが、サービス利用時にレシートの出力について、どのように選択操作をすれば良いか戸惑うことがある。
【0003】
このため、代金の支払いをセルフで行う場合において、レシートの出力について客が要求する形式を容易に指示することができるようにした決済装置が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、代金の支払いをセルフで行うものにおいて、レシートの出力について客が要求する形式を容易に指示することができるようにした決済装置及びそのプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、決済装置は、判別手段と、第1表示手段と、決済手段と、レシート処理手段とを備える。判別手段は、消費者が電子レシート会員であるかを判別する。第1表示手段は、購買商品について登録を終えた後、前記購買商品についての決済に応じたレシート発行に関する操作画面を、前記消費者が前記電子レシート会員であるか否かに応じて、レシートの発行形態の選択肢を変更して表示させる。決済手段は、前記購買商品について決済する。レシート処理手段は、前記操作画面を介して選択されたレシート発行形態に応じて、前記決済に対するレシートに関する処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る商品販売システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、決済装置の主要な回路構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、決済装置のメインメモリに形成される主要な記憶領域を示す模式図である。
【
図4】
図4は、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、決済装置のプロセッサが実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図6】
図6は、決済装置のプロセッサが実行する第2の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図7】
図7は、決済装置のプロセッサが実行する第2の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図8】
図8は、決済装置のプロセッサが実行するレシート出力処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図9】
図9は、入力装置のタッチパネルに表示される登録画面の一例である。
【
図10】
図10は、入力装置のディスプレイに表示される登録画面の一例である。
【
図11】
図11は、入力装置のタッチパネルに表示される小計画面の一例である。
【
図12】
図12は、入力装置のディスプレイに表示される第1の報知画面の一例である。
【
図13】
図13は、入力装置のディスプレイに表示される第2の報知画面の一例である。
【
図14】
図14は、決済装置の第1のタッチパネルに表示される合計画面の一例である。
【
図15】
図15は、
図14に示す合計画面の第2客エリアに表示される情報の遷移例を示す模式図である。
【
図16】
図16は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される第1操作画面の一例である。
【
図17】
図17は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される第2操作画面の一例である。
【
図18】
図18は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図19】
図19は、決済装置の第1のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図20】
図20は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される店員操作中画面の一例である。
【
図21】
図21は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される支払い支援画面の一例である。
【
図22】
図22は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される支払い確認画面の一例である。
【
図23】
図23は、決済装置の第1のタッチパネルに表示される支払い完了画面の一例である。
【
図24】
図24は、決済装置の第2のタッチパネルに表示される支払い完了画面の一例である。
【
図25】
図25は、客が代金の支払い操作をセルフで行う際に、第1のタッチパネルと第2のタッチパネルにそれぞれ表示される画面の遷移を示す図である。
【
図26】
図26は、店員が客に代わって代金支払い方法の選択操作を行う場合に、第1のタッチパネルと第2のタッチパネルにそれぞれ表示される画面の遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、代金の支払いをセルフで行うものにおいて、店員が混乱なく容易に代金の支払いに介在できるようにした決済装置の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本実施形態では、客(消費者)が購入する商品の情報を入力するための入力装置と、その客との取引を決済するための決済装置とを分離してなる商品販売システムを例示する。
【0009】
[商品販売システムの構成説明]
図1は、一実施形態に係る商品販売システム1の概略構成図である。商品販売システム1は、入力装置2と、決済装置3とを含む。入力装置2と決済装置3とは、LAN(Local Area Network)ケーブル等の伝送ケーブル6(
図2を参照)で接続されている。また、商品販売システム1は、LAN、インターネットなどを含む通信ネットワーク7を介して、ストアサーバ(図示せず)、電子レシートサービスを提供する電子レシート管理サーバ8(以下、管理サーバ8)等と接続されている(
図2参照)。
【0010】
入力装置2は、チェックアウトカウンタ4に取り付けられている。チェックアウトカウンタ4は、購買者である客が図示矢印の方向に歩いて移動するチェックアウトレーンPAに沿って配置されている。チェックアウトカウンタ4は、天面のほぼ中央に入力装置2を取り付けている。そして、該入力装置2よりもチェックアウトレーンPAの上流側を、商品コードを入力する前の購買商品を載せるためのスペースとし、下流側を、商品コードを入力した後の購買商品を載せるためのスペースとしている。入力装置2は、購買商品に付された商品コード等を入力するための装置であり、決済装置3は、入力装置2により商品コード等が入力された購買商品の情報をメインメモリ62に記憶するための装置である。このように、購買商品の情報をメインメモリ62に記憶することを登録と称する。決済装置3は、メインメモリ62に登録された購買商品の情報に基づき取引の決済を行う。
【0011】
入力装置2は、入出力デバイスとして、定置式スキャナ21と、ハンディスキャナ22と、タッチパネル23と、キーボード24と、ディスプレイ25とを備える。入力装置2は、チェックアウトカウンタ4の天面から上方に突出するように定置式スキャナ21を配置し、この定置式スキャナ21の周囲にハンディスキャナ22、タッチパネル23、キーボード24及びディスプレイ25を配置している。
【0012】
詳しくは、入力装置2は、チェックアウトカウンタ4の天面に定置式スキャナ21を固定している。定置式スキャナ21は縦型であり、バーコードの読取窓がチェックアウトレーンPAとは反対側の面に位置するように固定されている。入力装置2は、ハンディスキャナ22を、定置式スキャナ21の一側部に係止している。またタッチパネル23を、その操作パネル面が定置式スキャナ21の読取窓と同一方向を向くように定置式スキャナ21の上部に取り付けている。またキーボード24を、そのキー面がタッチパネル23の操作パネル面と同一方向を向くようにタッチパネル23の一側部に取り付けている。さらにディスプレイ25を、その表示画面がチェックアウトレーンPAの側を向くように定置式スキャナ21の一側部に取り付けている。なお、ディスプレイ25は、タッチパネルであってもよい。
【0013】
このような入出力デバイスの配置により、チェックアウトカウンタ4を挟んでチェックアウトレーンPAとは反対側のスペースSPに立つ店員は、定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23又はキーボード24を操作して、客が買い入れる購買商品に係る情報、例えば商品コード、購買数量、値引額等を入力することができる。このとき店員は、タッチパネル23に表示される情報により、購買商品の商品名、単価等を確認することができる。客は、ディスプレイ25に表示される情報により、購買商品の商品名、単価等を確認することができる。また、客が電子レシートサービスの会員登録している場合に、客が提示する電子レシート会員を識別する識別情報(電子レシート会員ID)を入力することができる。例えば、客がスマートフォン等に表示された電子レシート会員IDのバーコードを提示した場合には、店員はそのバーコードをハンディスキャナ22で読み取る。そうすることにより、電子レシート会員IDのデータが入力されて、当該客との商取引の明細を示すレシートデータが電子レシートの形態で発行される。
【0014】
電子レシートサービスを受けるためには、客は、電子レシートサービスの運営会社に対して事前に会員登録を行う必要がある。会員登録された客のデータは、管理サーバ8において管理される。会員登録を行うことにより、その客に対して固有の電子レシート会員IDが発行される。電子レシート会員IDは、例えば客が所有するスマートフォンに電子レシートサービス専用のアプリケーションプログラムをインストールすることにより、そのプログラム(電子レシートアプリ)に設定されて発行される。
【0015】
決済装置3は、装置本体30と一体になったデバイスとしてキーボード31と第1のタッチパネル32を備える。また決済装置3は、装置本体30に対して外付けされるデバイスとしてハンディスキャナ33、第2のタッチパネル34、プリンタ35、自動釣銭機36、キャッシュレス決済端末37等を備える。決済装置3は、チェックアウトカウンタ4における下流側端部近傍のチェックアウトレーンPAとは反対側に設置されたレジカウンタ5の天面に載置されている。
【0016】
詳しくは、決済装置3は、キーボード31のキー面と第1のタッチパネル32の操作パネル面とが店員の立つスペースSPの側を向くように装置本体30をレジカウンタ5に載置している。そしてこの装置本体30の周囲に、ハンディスキャナ33、第2のタッチパネル34、プリンタ35、自動釣銭機36及びキャッシュレス決済端末37を配置している。ハンディスキャナ33は、スペースSPに立つ店員が操作可能な位置に配置されている。第2のタッチパネル34は、その表示画面をチェックアウトレーンPAに立つ客が目視可能な位置に配置されている。プリンタ35は、チェックアウトレーンPAに立つ客がレシートを受け取りやすい位置に配置されている。自動釣銭機36は、チェックアウトレーンPAに立つ客が貨幣を投入し、払い出された釣銭を取り出しやすい位置に配置されている。キャッシュレス決済端末37は、チェックアウトレーンPAに立つ客がクレジットカード決済、電子マネー決済、コード決済等のキャッシュレス決済を行う際に操作しやすい位置に配置されている。
【0017】
このようなデバイスの配置により、キーボード31、第1のタッチパネル32及びハンディスキャナ33は、店員を操作者とする。第2のタッチパネル34、プリンタ35、自動釣銭機36及びキャッシュレス決済端末37は、客を操作者とする。すなわち第1のタッチパネル32は、店員に対して情報を表示し、店員が操作可能な店員用表示部として機能する。第2のタッチパネル34は、客に対して情報を表示し、客が操作可能な客用表示部として機能する。
【0018】
かかる構成の商品販売システム1は、スーパーマーケット、ホームセンター等の大型小売店においては、商品が陳列される売場とは区分けされた会計場(レジ)に複数並列に設置するのが一般的である。一方、専門店等の小型小売店においては、店舗内に1つだけ商品販売システム1を設置する場合もある。
【0019】
[決済装置の構成説明]
図2は、決済装置3の主要な回路構成を示すブロック図である。図示するように決済装置3は、回路構成部品としてプロセッサ61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、時計64、通信インターフェース65、スキャナインターフェース66、タッチパネルインターフェース67、プリンタインターフェース68、釣銭機インターフェース69、決済端末インターフェース70、及び、入力装置インターフェース71を装置本体30に備える。プロセッサ61と、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、時計64、通信インターフェース65、スキャナインターフェース66、タッチパネルインターフェース67、プリンタインターフェース68、釣銭機インターフェース69、決済端末インターフェース70、及び、入力装置インターフェース71とは、システム伝送路72で接続される。システム伝送路72は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含んだ伝送路である。
【0020】
決済装置3は、プロセッサ61と、他の各部とをシステム伝送路72で接続することにより、コンピュータを構成する。そして決済装置3は、そのコンピュータに、システム伝送路72を介してキーボード31及び第1のタッチパネル32を接続する。
【0021】
プロセッサ61は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ61は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、決済装置3としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ61は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ61は、複数のプロセッサコアを含み、複数の処理を並行して実行することが可能なマルチコア・プロセッサである。
【0022】
メインメモリ62は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ62は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ62は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ62は、プロセッサ61が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ62は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ61によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0023】
補助記憶デバイス63は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス63となり得る。補助記憶デバイス63は、プロセッサ61が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ61での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス63は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0024】
時計64は、日付と時刻を計時する。プロセッサ61は、時計64によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0025】
通信インターフェース65は、通信ネットワーク7を介して接続されたストアサーバ、あるいは電子レシートサービスを管理する管理サーバ8との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。ストアサーバは、店舗で販売される各商品の商品名、単価等の商品データを記憶した商品マスタを備え、決済装置3で処理された商品の販売データを収集し集計して、店舗全体の売上、在庫等を管理するためのコンピュータである。管理サーバ8は、電子レシートサービスの利用者として登録された客に関するデータを収集して管理するためのコンピュータである。管理サーバ8は、例えば、客との取引(決済)に係る情報が記録されたレシートを電子化した電子レシートデータと、電子レシート会員IDと関連付けて電子レシートデータベースに保存する。
【0026】
スキャナインターフェース66、タッチパネルインターフェース67、プリンタインターフェース68、釣銭機インターフェース69及び決済端末インターフェース70は、いずれも装置本体30に外付けされたデバイスとデータ通信を行うためのインターフェースである。すなわちスキャナインターフェース66は、ハンディスキャナ33との間でデータ通信を行う。タッチパネルインターフェース67は、第2のタッチパネル34との間でデータ通信を行う。プリンタインターフェース68、プリンタ35との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース69は、自動釣銭機36との間でデータ通信を行う。決済端末インターフェース70は、キャッシュレス決済端末37との間でデータ通信を行う。
【0027】
入力装置インターフェース71は、伝送ケーブル6で接続された入力装置2との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。すなわち入力装置インターフェース71は、定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23、キーボード24及びディスプレイ25との間でそれぞれデータ通信を行う。
【0028】
図3は、メインメモリ62に形成される主要な記憶領域を示す模式図である。決済装置3は、メインメモリ62における揮発性記憶領域の一部を第1取引ファイル81、第2取引ファイル82、フラグメモリ83、ステータスメモリ84、会員フラグメモリ85、及びレシート発行形態メモリ84の領域としている。第1取引ファイル81及び第2取引ファイル82は、いずれも一取引として処理する購買商品の販売データを記憶するための領域である。販売データは、購買商品の商品コード、商品名、単価、購買数量、販売金額等の項目を含む。販売金額は、単価に購買数量を乗算した金額である。第1取引ファイル81は、一取引として処理する購買商品の商品コード等の入力が開始されてから終了するまでの間、購買商品に係る販売データを記憶する。第2取引ファイル82は、購買商品の商品コード等の入力が終了してから取引が決済されるまでの間、販売データを記憶する。なお、「購買商品の登録」とは、購買商品のデータを、決済装置3に記憶することを含む。第1取引ファイル81および第2取引ファイル82は、入力装置2の定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23もしくはキーボード24により入力された情報(例えば、客が買い入れる購買商品に係る情報、例えば商品コード、購買数量、値引額等)、または決済装置3のキーボード31もしくは第1のタッチパネル32、により入力された情報(例えば、客が買い入れる購買商品に係る情報、例えば商品コード、購買数量、値引額等)を記憶する。
【0029】
フラグメモリ83は、支払い中フラグFを記憶するための領域である。支払い中フラグFは、決済装置3において代金の支払い中であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、代金の支払い中であることを示す支払い中フラグFを“1”とし、代金の支払い中でないことを示す支払い中フラグFを“0”とする。
【0030】
ステータスメモリ84は、支払いステータスSTを記憶するための領域である。支払いステータスSTは、支払いモードを表す。支払いモードには、セルフモードとサポートモードとがある。セルフモードは、代金の支払い操作を客がセルフで行うモードである。サポートモードは、代金の支払い操作に店員が介在するモードである。本実施形態では、セルフモードを表す支払いステータスSTを“10”とし、サポートモードを表す支払いステータスSTを“20”とする。また、代金の支払い操作に入る前の支払いステータスSTを“00”とする。
【0031】
会員フラグメモリ85は、会員フラグMFを記憶するための領域である。会員フラグMFは、客が電子レシート会員であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、入力装置2において電子レシート会員IDが取得されることで、電子レシート会員であることを示す会員フラグMFを“1”とし、電子レシート会員でないことを示す会員フラグMFを“0”とする。
【0032】
レシート発行形態メモリ84は、レシート発行形態ステータスRSTを記憶するための領域である。レシート発行形態ステータスRSTは、操作画面を介して客による選択操作によって指定されたレシート発行形態を表す。レシート発行形態は、客(消費者)が電子レシート会員であるかに応じて異なる、レシート発行に関する操作画面において指定される。客が電子レシート会員でない場合、第1操作画面(
図18参照)において指定されるレシート発行形態として、紙レシートを表す“01”、紙レシートの出力不要を表す“02”、領収証を表す“03”がレシート発行形態ステータスRSTとしてセットされる。また、客が電子レシート会員である場合、第2操作画面(
図19参照)において指定されるレシート発行形態として、電子レシートを表す“11”、領収証を表す“13”がレシート発行形態ステータスRSTとしてセットされる。
【0033】
なお、レシートは、例えば、購買した購買商品の明細(商品名、点数、合計、預り金等の)が記載された媒体である。また、領収証は、宛名の欄が付され、購買金額と発行店舗情報、備考(購入商品に関する情報、例えば、「xxとして」等の「手書きする欄)が示されたものである。領収証は、上記の購買商品の明細が示されたレシートと一体に構成されたものであってもよい。
【0034】
[決済装置の機能説明]
図4は、決済装置3のプロセッサ61が有する主要な機能構成を示すブロック図である。図示するようにプロセッサ61は、第1の受付手段91、第2の受付手段92、制御手段93、判別手段94、決済手段95、レシート処理手段96、及び取得手段97としての機能を有する。
【0035】
第1の受付手段91は、店員の操作により複数種類の代金支払い方法の中からいずれかの代金支払い方法の選択入力を受け付ける機能である。具体的には第1の受付手段91は、店員が操作可能な店員用表示部、すなわち第1のタッチパネル32に支払い方法選択画面を表示させて、代金支払い方法の選択入力を受け付ける。また、第1の受付手段91は、キーボード31に配置された種々のキーのうち、代金支払い方法がそれぞれ割り当てられた複数の支払いキーによりいずれかの代金支払い方法の選択入力を受け付ける。また、第1の受付手段91は、店員の操作により複数種類の代金支払い方法の中からいずれかの代金支払い方法の選択入力を受け付ける代わりに、店員の操作により代金支払いを実行する(決定する)操作の選択入力を受ける機能であってもよい。この場合、具体的には第1の受付手段91は、店員が操作可能な店員用表示部、すなわち第1のタッチパネル32に支払いを実行する(決定する)ボタンを含む画面を表示させて、代金支払いの実行(決定)の指示を受け付ける。また、第1の受付手段91は、キーボード31に配置された種々のキーのうち、代金支払いを実行する(決定する)操作を実行する実行キーを設け、当該実行キーにより代金支払いを実行する(決定する)選択入力を受け付けるよう構成してもよい。
【0036】
第2の受付手段92は、客の操作により複数種類の代金支払い方法の中からいずれかの代金支払い方法の選択入力を受け付ける機能である。具体的には第2の受付手段92は、客が操作可能な客用表示部、すなわち第2のタッチパネル34に支払い方法選択画面を表示させて、代金支払い方法の選択入力を受け付ける。また、第2の受付手段92は、客の操作により複数種類の代金支払い方法の中からいずれかの代金支払い方法の選択入力を受け付ける代わりに、客の操作により代金支払いを実行する(決定する)操作の選択入力を受ける機能であってもよい。この場合、具体的には第2の受付手段92は、客が操作可能な客用表示部、すなわち第2のタッチパネル34に支払いを決定するボタンを含む画面を表示させて、代金支払いの実行(決定)の指示を受け付けるよう構成してもよい。
【0037】
また、第2の受付手段92は、第2のタッチパネル34にレシート発行に関する選択肢を含む操作画面を表示させて、客の操作によりレシートの発行形態の選択操作を受け付ける機能である。具体的には、第2の受付手段92は、第1表示手段921と第2表示手段922を有する。第1表示手段921は、判別手段94によって、客が電子レシート会員でないと判別された場合には、紙レシートの発行形態の選択肢を含む第1操作画面(
図16参照)を表示させる。第2表示手段922は、判別手段94によって、客が電子レシート会員であると判別された場合には、紙レシートの発行形態の選択肢を含まず、電子レシートの発行形態の選択肢を含む第2操作画面(
図17参照)を表示させる。
【0038】
制御手段93は、各機能91,92,94~97を制御する。制御手段93は、第1の受付手段91及び第2の受付手段92を制御して、いずれか一方の受付手段でレシートの発行形態及び代金支払い方法の選択入力を受け付けているとき、他方の受付手段で選択入力を受け付けないように制御する機能である。具体的には制御手段93は、第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34のうちいずれか一方のタッチパネルにレシート発行に関する操作画面(第1操作画面、第2操作画面)あるいは支払い方法選択画面を表示させている間は、他方のタッチパネルに操作画面あるいは支払い方法選択画面を表示させないように制御する。例えば制御手段93は、第2のタッチパネル34に第1操作画面あるいは第2操作画面を表示させているときには、第1のタッチパネル32に第1操作画面及び第2操作画面を表示させないように制御する。また、キーボード31に配置されたキーの入力による操作も受け付けない。制御手段93は、店員による表示の切り替え操作を待ち受ける。そして切替操作を検知すると、制御手段93は、第1のタッチパネル32に操作画面を表示させ、第2のタッチパネル34から操作画面を消去する。また制御手段93は、キーボード31に配置されたキーの入力によるレシート発行形態の選択入力を受け付ける。
【0039】
判別手段94は、入力装置2において入力された電子レシート会員IDが取得手段97によって取得されることでセットされる会員フラグMFを参照して、客(消費者)が電子レシート会員であるかを判別する。
【0040】
決済手段95は、客の操作により入金された金額で購買商品について決済する機能である。例えば自動釣銭機36に現金が投入された場合には、決済手段95は、現金による支払い金額が入金されたとみなして、現金決済処理を実行する。例えばキャッシュレス決済端末37でクレジットカードのデータが読み取られた場合には、決済手段95は、クレジットカードによる支払い金額が入金されたとみなして、クレジットカード決済処理を実行する。例えばキャッシュレス決済端末37で電子マネーが読み取られた場合には、決済手段95は、電子マネーによる支払い金額が入金されたとみなして、電子マネー決済処理を実行する。例えばキャッシュレス決済端末37でコード決済用のバーコード又は二次元コードが読み取られた場合には、決済手段95は、バーコード又は二次元コードで特定される残高が支払い金額として入金されたとみなして、コード決済処理を実行する。これらの現金決済処理、クレジットカード決済処理、電子マネー決済処理、コード決済処理等の決済処理は周知の処理であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0041】
レシート処理手段96は、第2の受付手段92によって表示された操作画面(第1操作画面、第2操作画面)を介して、客の操作により選択されたレシート発行形態に応じて、決済手段95による決済に対するレシートに関するレシート出力処理を実行する。
【0042】
取得手段97は、入力装置2に対する店員の操作により入力された客との取引に係る情報を取得する機能である。取得手段97は、客が買い入れる購買商品に係る情報として、例えば商品コード、購買数量、値引額等を入力する。また、取得手段97は、入力装置2において客が提示した電子レシート会員IDを入力している場合、入力装置2から客の電子レシート会員IDを取得する。電子レシート会員IDを取得することで、会員フラグMFを“0”が“1”にセットされる。
【0043】
かかる機能により、決済装置3のプロセッサ61は、以下の如く作用する。すなわち、取得手段97によって入力操作2から客の電子レシート会員IDが取得されることによりセットされる会員フラグMFをもとに、判別手段94によって判別された、客が電子レシート会員であるか否かに応じて、第1表示手段921による紙レシートの発行形態の選択肢を含む第1操作画面、あるいは第2表示手段922による紙レシートの発行形態の選択肢を含まず、電子レシートの発行形態の選択肢を含む第2操作画面が表示される。決済手段95による客の購買商品について決済がされレシートを出力する際に、第1操作画面あるいは第2操作画面においてキャプチャの操作によって選択されたレシート発行形態に応じて、レシート処理手段96によりレシートに関する処理が実行される。
【0044】
こうして、客が電子レシート会員であるか否かに応じて選択肢が異なる第1操作画面あるいは第2操作画面が表示されるため、レシートの出力について客が要求する形式を容易に指示することが可能となる。
【0045】
さて、上記第1の受付手段91、第2の受付手段92、制御手段93、判別手段94、決済手段95、レシート処理手段96、及び取得手段97としての機能は、プロセッサ61が業務プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。そこで次に、
図5乃至
図8の流れ図、及び、
図9乃至
図26の画面例を用いて、主要な情報処理の手順について説明する。なお、以下に説明する手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、手順を適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0046】
因みに、業務プログラムは、メインメモリ62又は補助記憶デバイス63に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。業務プログラムをメインメモリ62又は補助記憶デバイス63にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に入力プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により業務プログラムを配信して、メインメモリ62又は補助記憶デバイス63にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0047】
[決済装置の情報処理説明]
<第1の情報処理>
図5は、決済装置3のプロセッサ61が前記業務プログラムに従って実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。売場を回って購買商品を集めた客は、会計場へと移動する。そして客は、空いているチェックアウトレーンPAのチェックアウトカウンタ4に購買商品を置く。スペースSPに立つ店員は、客が会計場に来ると、例えばタッチパネル23のスタートボタンにタッチする。この操作は、入力装置2における入力開始の指令である。言い換えると、決済装置3における登録開始の指令となる。この指令を受けて、プロセッサ61は、
図5の流れ図に示す手順の第1の情報処理を開始する。プロセッサ61は、ACT1として入力装置2におけるタッチパネル23及びディスプレイ25の画面を登録画面とする。
【0048】
図9は、タッチパネル23に表示される登録画面SAaの一例である。登録画面SAaは、カレントエリアAAaと、明細エリアAAbと、合計エリアAAcとに区分される。カレントエリアAAaは、最新の購買商品の商品名、購買数量及び販売金額を表示するためのエリアである。明細エリアAAbは、一連の番号順に、一取引における購買商品の商品名、購買数量、単価、値割引額及び販売金額をリスト形式で表示するエリアである。合計エリアAAcは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計とを表示するエリアである。登録画面SAaは、小計ボタンBAaを含む。小計ボタンBAaは、ソフトウェアキーである。小計ボタンBAaは、一取引として決済装置3で登録された購買商品の小計出力を指令するための操作子である。
【0049】
図10は、ディスプレイ25に表示される登録画面SBaの一例である。登録画面SBaは、画面を複数の行(
図10の例では7つの行)に区分し、1行目から最終行の1つの前までの行を明細エリアABaの行とし、最終行を合計エリアABbの行とする。そして、明細エリアABaの行では、1行ずつ購買商品の商品名、単価、購買数量及び販売金額を表示する。合計エリアABbでは、1行に購買数量の合計と販売金額の合計とを表示する。
【0050】
登録画面SAaを確認した店員は、チェックアウトカウンタ4に置かれた購買商品の情報を入力装置2に入力する。すなわち店員は、購買商品に付されているバーコードを入力装置2の定置式スキャナ21又はハンディスキャナ22でスキャニングする。バーコードをスキャニングすることにより、入力装置インターフェース71を介して購買商品の商品コードが決済装置3に入力される。なお、購買商品にバーコードが付されていない場合には、店員は、入力装置2のタッチパネル23にバーコード無商品のリストを表示させる。そして店員は、そのリストの中から購買商品を選択する。このような操作により、バーコードのない購買商品の商品コードが入力装置インターフェース71を介して決済装置3に入力される。
【0051】
図5の説明に戻る。
タッチパネル23及びディスプレイ25の画面を登録画面SAa及び登録画面SBaとしたプロセッサ61は、ACT2へと進む。プロセッサ61は、ACT2として購買商品の登録に必要な情報が入力されるのを待ち受ける。入力装置インターフェース71を介して入力装置2から購買商品の情報である商品コードが入力されると、プロセッサ61は、購買商品の登録に必要な情報の入力有りと判断する。プロセッサ61は、ACT2からACT3へと進む。プロセッサ61は、ACT3として商品販売データ処理を実行する。この処理は、入力された商品コードで特定される商品の商品名、単価等を商品マスタから読込み、商品コード、商品名、単価、購買数量、販売金額等を含む購買商品の販売データを生成して、第1取引ファイル81に書き込む処理、すなわち登録する処理である。
【0052】
商品販売データ処理を終えたプロセッサ61は、ACT4へと進む。プロセッサ61は、ACT4として登録画面SAa及び登録画面SBaを更新する。
【0053】
登録画面SAaに関しては、プロセッサ61は、第1取引ファイル81に書き込んだ販売データの商品名、購買数量及び販売金額をカレントエリアAAaに表示する。このとき、1つ前に情報が入力された購買商品の販売データがカレントエリアAAaに表示されていた場合には、プロセッサ61は、その販売データの商品名、購買数量、単価、値割引額及び販売金額を明細エリアAAbに表示する。またプロセッサ61は、第1取引ファイル81に記憶した全ての販売データの購買数量及び販売金額の合計を合計エリアAAcに表示する。
【0054】
登録画面SBaに関しては、プロセッサ61は、第1取引ファイル81に書き込んだ販売データの商品名、単価、購買数量及び販売金額を明細エリアABaの1行目に表示する。このとき、明細エリアABaの1行目に販売データが表示されていた場合には、プロセッサ61は、1行目以降のデータを2行目以降に順次シフトしてから、第1取引ファイル81に書き込んだ販売データを1行目に表示する。またプロセッサ61は、第1取引ファイル81に記憶した全ての販売データの購買数量及び販売金額の合計を合計エリアABbに表示する。
【0055】
登録画面SAa及び登録画面SBaを更新したプロセッサ61は、ACT5へと進む。プロセッサ61は、ACT5として次の購買商品の情報が入力装置2に入力されたか否かを確認する。次の購買商品の情報が入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT6として小計ボタンBAaが入力されたか否かを確認する。小計ボタンBAaが入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT5へと戻る。このようにプロセッサ61は、ACT5及びACT6として次の購買商品の情報が入力されるか小計ボタンBAaが入力されるのを待ち受ける。
【0056】
ACT5及びACT6の待ち受け状態において、購買商品の情報が入力されると、プロセッサ61は、ACT3へと戻る。そしてプロセッサ61は、ACT3及びACT4の処理を前述したのと同様に実行する。
【0057】
したがって、店員が入力装置2の定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22又はタッチパネル23を操作して、チェックアウトカウンタ4に置かれた購買商品の情報を1品ずつ入力することによって、各購買商品の販売データが第1取引ファイル81に記憶される。また、登録画面SAa及び登録画面SBaが更新される。店員は、入力装置2に対して購買商品に係る情報の入力操作を終えると、小計ボタンBAaにタッチする。
【0058】
ACT5及びACT6の待ち受け状態において、小計ボタンBAaが店員のタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT7へと進む。プロセッサ61は、ACT7として入力装置2におけるタッチパネル23の画面を小計画面SAb(
図11を参照)とする。
【0059】
図11は、タッチパネル23に表示される小計画面SAbの一例である。小計画面SAbは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計が表示される合計エリアAAdを含む。また小計画面SAbは、小計値引ボタンBAb、小計割引ボタンBAc、会計ボタンBAd及び戻るボタンBAeを含む。各ボタンBAb,BAc,BAd,BAeはソフトウェアキーである。小計値引ボタンBAbは、合計金額の値引を指令するための操作子である。小計割引ボタンBAcは、合計金額の割引を指令するための操作子である。会計ボタンBAdは、購買商品の情報入力を終えたことを指令するための操作子である。戻るボタンBAeは、購買商品の情報入力に戻ることを指令するための操作子である。
【0060】
小計画面SAbを確認した店員は、未入力の購買商品がチェックアウトカウンタ4に残っているか否かを確認する。未入力の購買商品がある場合、店員は、戻るボタンBAeにタッチする。
【0061】
一方、未入力の購買商品がない場合には、店員は、小計値引対象又は小計割引対象の取引であるか否かを確認する。例えば客が小計値引のクーポン券を提示した場合には、小計値引対象の取引である。店員は、小計値引ボタンBAbを入力するとともにキーボード24のテンキーで値引額を入力する。このような操作により、合計金額が値引される。このような処理は小計値引処理と称される。同様に、例えば客が小計割引のクーポン券を提示した場合には、小計割引対象の取引である。店員は、小計割引ボタンBAcを入力するとともにキーボード24のテンキーで割引率を入力する。このような操作により、合計金額が割引される。このような処理は小計割引処理と称される。
【0062】
店員は、未入力の購買商品がなく、また小計値引又は小計割引の必要もないことを確認すると、会計ボタンBAdにタッチする。
【0063】
図5の説明に戻る。
タッチパネル23の画面を小計画面SAbとしたプロセッサ61は、ACT8へと進む。プロセッサ61は、ACT8として戻るボタンBAeが入力されたか否かを確認する。戻るボタンBAeが入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT9へと進む。プロセッサ61は、ACT9として会計ボタンBAdが入力されたか否かを確認する。会計ボタンBAdが入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT8へと戻る。このように、小計画面SAbを表示したプロセッサ61は、ACT8及びACT9として、戻るボタンBAdが入力されるか、会計ボタンBAdが入力されるのを待ち受ける。
【0064】
なお、ACT8及びACT9の待ち受け状態において、小計値引ボタンBAb又は小計割引ボタンBAcが入力された場合には、プロセッサ61は、前述した小計値引処理または小計割引処理を行う。その後、プロセッサ61は、ACT8及びACT9の待ち受け状態に戻る。
【0065】
ACT8及びACT9の待ち受け状態において、戻るボタンBAdが店員のタッチ操作により入力された場合には、プロセッサ61は、ACT8からACT10へと進む。プロセッサ61は、ACT10としてタッチパネル23の画面を直前の登録画面SAaに戻す。そしてプロセッサ61は、ACT5及びACT6の待ち受け状態となる。そこで店員は、入力装置2の定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22又はタッチパネル23を操作して、未入力であった購買商品の情報を入力すればよい。
【0066】
ACT8及びACT9の待ち受け状態において、会計ボタンBAdが店員のタッチ操作により入力された場合には、プロセッサ61は、ACT9からACT11へと進む。プロセッサ61は、ACT11として支払い中フラグFを調べる。決済装置3において代金の支払い操作が行われていない状態では、支払い中フラグFは“0”にリセットされている。支払い中フラグFが“0”にリセットされている場合には、プロセッサ61は、ACT11からACT12へと進む。プロセッサ61は、ACT12として、ディスプレイ25の画面を第1の報知画面SBb(
図12を参照)とする。
【0067】
図12は、ディスプレイ25に表示される第1の報知画面SBbの一例である。第1の報知画面SBbは、登録画面SBaにおける合計エリアABbの情報とともに、第1のテキストTXaを表示する。第1のテキストTXaは、代金の支払いが可能であるため支払い機へと移動することを客に指示する内容のテキストである。第1のテキストTXaを確認した客は、支払い機つまりは決済装置3が設置されている方へと移動し、代金の支払いを行うこととなる。
【0068】
図5の説明に戻る。
ディスプレイ25に第1の報知画面SBbを表示したプロセッサ61は、ACT13へと進む。プロセッサ61は、ACT13として第1取引ファイル81に記憶したデータ、つまりは一取引として登録された購買商品の販売データを第2取引ファイル82に複写する。またプロセッサ61は、ACT14としてフラグメモリ83の支払い中フラグFを“1”にセットする。以上でプロセッサ61は、一人目の客との取引に係る第1の情報処理を終了する。
【0069】
そして引き続きプロセッサ61は、二人目の客との取引に係る第1の情報処理を開始する。すなわちプロセッサ61は、ACT1以降の処理を前述したのと同様に実行する。このとき、一人目の客に対する第1の情報処理のACT14において“1”にセットされた支払い中フラグFが、二人目の客に対する第1の情報処理のACT11の時点において“0”にリセットされていない場合があり得る。
【0070】
ACT11において、支払い中フラグFが“1”にセットされていると、プロセッサ61は、ACT11からACT15へと進む。プロセッサ61は、ACT15としてディスプレイ25の画面を第2の報知画面SBc(
図13を参照)とする。
【0071】
図13は、ディスプレイ25に表示される第2の報知画面SBcの一例である。第2の報知画面SBcは、登録画面SBaにおける合計エリアABbの情報とともに、第2のテキストTXbを表示する。第2のテキストTXbは、代金の支払いが不可能であるため待機することを客に指示する内容のテキストである。第2のテキストTXbを確認した二人目の客は、代金の支払いが可能となるまで待機することとなる。
【0072】
図5の説明に戻る。
ディスプレイ25に第2の報知画面SBcを表示したプロセッサ61は、ACT11へと戻る。プロセッサ61は、ACT11として支払い中フラグFが“0”にリセットされるのを待ち受ける。支払い中フラグFは、後述する第2の情報処理において、決済処理を終えると“0”にリセットされる。支払い中フラグFが“0”にリセットされると、プロセッサ61は、ACT11からACT12へと進む。そしてプロセッサ61は、ACT12乃至ACT14の処理を前述したのと同様に実行する。すなわちプロセッサ61は、ディスプレイ25に第1の報知画面SBbを表示する。この表示により、二人目の客は、決済装置3が設置されている方へと移動し、代金の支払いを行うこととなる。
【0073】
プロセッサ61は、第1取引ファイル81に記憶したデータを第2取引ファイル82に複写する。またプロセッサ61は、支払い中フラグFを“1”にセットして、二人目の客に対する第1の情報処理を終了する。以後、プロセッサ61は、引き続き三人目、四人目、…の客に対する第1の情報処理を、上記の如く繰り返し実行する。
【0074】
なお、店員は、入力装置2により購買商品の情報を入力する際に、客に対して電子レシート会員であるか、すなわち今回の商品の購入について電子レシートサービスを利用するかを確認する。例えば、店員は、
図5のACT1の商品登録をする前に、客に対して電子レシート会員であるか問い合わせる。これに対して、客がスマートフォン等に電子レシート会員IDのバーコードを表示させて、店員に対して提示した場合には、店員はそのバーコードをハンディスキャナ22で読み取る。プロセッサ61は、ハンディスキャナ22により読み取られた電子レシート会員IDを示すデータを、例えばメインメモリ62に記憶させる。また、プロセッサ61は、電子レシート会員IDの取得に応じて、会員フラグMFをデフォルト“0”から“1”に更新する。なお、電子レシート会員IDの読み取りは、商品登録前に限るものではなく、例えば
図5のACT9において店員が会計ボタンBAdの操作をする前に、前述と同様にして客に対して電子レシート会員であるか問い合わせ、電子レシート会員IDが提示された場合に読み取りの操作を実行する。さらに、
図5のACT9において店員が会計ボタンBAdの操作をする前であれば、任意のタイミングで電子レシート会員IDの読み取りを実行できるようにしても良い。
【0075】
<第2の情報処理>
図6及び
図7は、決済装置3のプロセッサ61が前記業務プログラムに従って実行する第2の情報処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ61は、前述した第1の情報処理と並行して第2の情報処理を実行する。
【0076】
プロセッサ61は、ACT16として支払い中フラグFが“1”にセットされるのを待ち受ける。なお、この待ち受け状態において、第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34には、初期画面が表示されている。初期画面の内容は、特に限定されない。例えば、第1のタッチパネル32に表示される初期画面は、後述する合計画面SCaと同一のレイアウトを有する画面とする。ただし、初期画面には、何も情報が表示されていない。第2のタッチパネル34に表示される初期画面は、例えば「いらっしゃいませ」というようなテキスト又は画像が表示されている画面とする。あるいは、何も表示されていなくてもよい。
【0077】
第1の情報処理のACT14において、支払い中フラグFが“1”にセットされると、プロセッサ61は、ACT16からACT17へと進む。プロセッサ61は、ACT17として支払いステータスSTを“10”とする。
【0078】
またプロセッサ61は、客の購買商品について決済するために、レシート発行形態と支払い方法を客の要求に応じて選択するための画面を順次表示させて(操作画面→支払い方法設定画面)、客あるいは店員の操作を受け付けるようにする。本実施形態における決済装置3では、客が電子レシート会員であるか否かに応じて選択肢が変更される操作画面を表示させてレシート発行形態を選択させた後、支払い方法選択画面を表示させて支払い方法を選択させる。
【0079】
まず、プロセッサ61は、会員フラグMFを参照して、客が電子レシート会員であるか判別する。ACT18において会員フラグMFが“0”であると判別された場合、プロセッサ61は、ACT23として店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCa(
図14を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を第1操作画面SDf1(
図16を参照)とする。
【0080】
一方、ACT18において会員フラグMFが“1”であると判別された場合、プロセッサ61は、ACT23として店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCa(
図14を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を第2操作画面SDf2(
図17を参照)とする。
【0081】
図14は、第1のタッチパネル32に表示される合計画面SCaの一例である。合計画面SCaは、第1客エリアACaと第2客エリアACbとを有する。第1客エリアACaは、これから代金を支払う一人目の客に関する情報を表示するためのエリアである。第1客エリアACaには、一人目の客の合計点数と合計金額とが表示される。すなわち、第2取引ファイル82に記憶された購買商品の販売データを基に算出された購買数量の合計と販売金額の合計が第1客エリアACaに表示される。また、切替ボタンBCaが第1客エリアACaに表示されている。切替ボタンBCaは、ソフトウェアキーである。切替ボタンBCaは、代金の支払い操作を店員が介在することを宣言するための操作子である。
【0082】
第2客エリアACbは、二人目の客に関する情報を表示するためのエリアである。第2客エリアACbに表示される情報の一例を
図15に示す。
図15は、第2客エリアACbに表示される情報の遷移例を示す模式図である。
【0083】
入力装置2において二人目の客が購入する商品の情報入力がまだ開始されていない状態では、例えば第2客エリアACb-1に示すように、「待機中」が表示されている。二人目の客が購入する商品の情報入力が開始されると、例えば第2客エリアACb-2に示すように、「登録中」と表示される。また、二人目の客が購入する商品の情報入力が完了すると、例えば第2客エリアACb-3に示すように、「会計待ち」と表示される。その後、一人目の客の会計が完了して二人目の客の会計に移ると、第2客エリアACb-1に示すように、「待機中」に戻る。なお、第2客エリアACb-1においては、何も表示されていなくてもよい。
【0084】
このように、合計画面SCaの第1客エリアACaに表示される情報は、これから代金を支払う一人目の客に関する情報を表示するためのエリアである。また、合計画面SCaの第2客エリアACbに表示される情報は、第1客エリアACaに情報が表示されている一人目の次に代金を支払う二人目の客に関する情報を表示するためのエリアである。すなわち合計画面SCaは、決済前の客に関する情報を表示するための画面であると言える。
【0085】
図16は、第2のタッチパネル34に表示される第1操作画面SDf1の一例である。第1操作画面SDf1には、客による選択操作により指定可能なレシート発行形態として、3つの選択肢(ボタンBDr1~BDr3)が設けられている。ボタンBDr1は、一般的な紙レシートの出力を指示するための選択肢である。ボタンBDr2は、紙レシートの出力中止を指示するための選択肢である。ボタンBDr3は、一般的な紙レシートの出力に代えて、紙媒体の領収証の出力を指示するための選択肢である。
【0086】
第1操作画面SDf1には、レシートの出力要/不要を指示するためのボタンが設けられているため、電子レシート会員ではない客のレシート要/不要の要望を明示的に指示することができる。従って、不要なレシートの出力をなくして、無駄な紙資源の消費やゴミの増大を防ぐことができる。また、領収証の出力を指示するボタンBDr3が設けられているので、領収証が必要な客が、紙レシートに代えて領収証の出力が必要なことを明示的に指示することができる。
【0087】
図17は、第2のタッチパネル34に表示される第2操作画面SDf2の一例である。第2操作画面SDf2には、客による選択操作により指定可能なレシート発行形態として、2つの選択肢(ボタンBDr4,BDr5)が設けられている。ボタンBDr4は、電子レシートの出力を指示するための選択肢である。ボタンBDr5は、紙媒体の領収証の出力を指示するための選択肢である。
【0088】
第2操作画面SDf2には、電子レシートの出力を指示するボタンBDr4が設けられているので、電子レシート会員である客の電子レシート要を明示的に指示することができる。すなわち、電子レシートによる出力を指示することにより、紙媒体によるレシートが不要であることを明確に指示することができる。これにより、客が電子レシートサービスを利用する際に、レシートの出力についての選択操作に戸惑うことがない。また、領収証の出力を指示するボタンBDr5が設けられているので、領収証が必要な客が、電子レシートによる出力と共に紙媒体による領収証の出力が必要なことを明示的に指示することができる。
【0089】
プロセッサ61は、ACT21として、第1操作画面SDf1あるいは第2操作画面SDf2に対する客による操作に応じて、レシート発行形態ステータスRSTをセットする。すなわち、第1操作画面において、ボタンBDr1が選択操作されると紙レシートを表す“01”をセットし、ボタンBDr2が選択操作されると紙レシートの出力不要を表す“02”をセットし、ボタンBDr3が選択操作されると領収証を表す“03”をセットする。また、第2操作画面において、ボタンBDr4が選択操作されると電子レシートを表す“11”をセットし、ボタンBDr4が選択操作されると領収証を表す“13”をセットする。
【0090】
ここで、セットされたレシート発行形態ステータスRSTは、後述する
図7のACT44におけるレシート出力処理において参照され、セットされたステータスに応じたレシートに関する処理が実行される。
【0091】
図18は、第2のタッチパネル34に表示される支払い方法選択画面SDaの一例である。支払い方法選択画面SDaは、支払い方法選択ボタン群BDaを含む。支払い方法選択ボタン群BDaは、現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン、コード決済ボタン、プリペイドボタン及びポイントボタンを含む。現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン、コード決済ボタン、プリペイドボタン及びポイントボタンは、いずれもソフトウェアキーである。
【0092】
また、支払い方法選択画面SDaは、合計エリアADaを含む。合計エリアADaには、これから支払いを行う客の合計点数と合計金額とが表示される。すなわち、第2取引ファイル82に記憶された購買商品の販売データを基に算出された購買数量の合計と販売金額の合計が合計エリアADaに表示される。
【0093】
支払い方法選択画面SDaを確認した客は、支払い方法選択ボタン群BDaのなかから希望する支払い方法のボタンにタッチする。例えば、現金で支払うことを希望する客は、現金ボタンにタッチする。クレジットカードで支払うことを希望する客は、クレジットボタンにタッチする。電子マネーで支払うことを希望する客は、電子マネーボタンにタッチする。コード決済で支払うことを希望する客は、コード決済ボタンにタッチする。プリペイドカードで支払うことを希望する客は、プリペイドボタンにタッチする。累積ポイントで支払うことを希望する客は、ポイントボタンにタッチする。
【0094】
図6の説明に戻る。
第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCaとし、第2のタッチパネル34の画面を支払い方法選択画面SDaとしたプロセッサ61は、ACT24へと進む。プロセッサ61は、ACT24として支払い方法選択画面SDaに表示されている支払い方法選択ボタン群BDaのなかの1つのボタンが入力されたか否かを確認する。支払い方法選択ボタン群BDaのボタンが入力されていない場合、プロセッサ61は、ACT25へと進む。プロセッサ61は、ACT25として合計画面SCaに表示されている切替ボタンBCaが入力されたか否かを確認する。合計画面SCaの切替ボタンBCaも入力されていない場合、プロセッサ61は、ACT24へと戻る。このようにプロセッサ61は、ACT24及びACT25として支払い方法選択画面SDaにおける支払い方法選択ボタン群BDaのボタンが入力されるか、合計画面SCaの切替ボタンBCaが入力されるのを待ち受ける。
【0095】
ACT24及びACT25の待ち受け状態において、支払い方法選択ボタン群BDaのボタンが客のタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT24から
図7のACT30へと進む。ACT30以降の処理については後述する。
【0096】
一方、ACT24及びACT25の待ち受け状態において、切替ボタンBCaが店員のタッチ操作により入力された場合には、プロセッサ61は、ACT25からACT26へと進む。プロセッサ61は、ACT26として支払いステータスSTを“20”とする。またプロセッサ61は、ACT27として店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を支払い方法選択画面SCb(
図19を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を店員操作中画面SDb(
図20を参照)とする。
【0097】
図19は、第1のタッチパネル32に表示される支払い方法選択画面SCbの一例である。支払い方法選択画面SCbは、合計画面SCaの第1客エリアACaに、支払い方法選択ボタン群BCbと戻るボタンBCcとを配置したものである。合計画面SCaの第2客エリアACbについては、支払い方法選択画面SCbにおいても同様に表示されている。
【0098】
支払い方法選択ボタン群BCbは、前述した現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン、コード決済ボタン、プリペイドボタン及びポイントボタンに加えて、商品券ボタンを含む。商品券ボタンも、ソフトウェアキーである。代金を商品券で支払う場合には、その商品券の有効性を確認するために店員の介在が必要となる。このため、客が操作者である第2のタッチパネル34の支払い方法選択画面SDaには商品券ボタンは含まれていないが、店員が操作者である第1のタッチパネル32の支払い方法選択画面SCbには商品券ボタンが含まれる。戻るボタンBCcは、ソフトウェアキーである。戻るボタンBCcは、1つ前の画面、つまりは合計画面SCaに戻すことを宣言するための操作子である。
【0099】
図20は、第2のタッチパネル34に表示される店員操作中画面SDbの一例である。図示するように店員操作中画面SDbには、店員が操作中であることを客に通知するための第3のテキストTXcが表示される。なお、第3のテキストTXcに代えて店員が操作中であることを表す画像を表示してもよい。あるいは、第3のテキストTXcと画像とを併せて表示してもよい。要は、店員が操作中であることを客に通知できればよい。
【0100】
図6の説明に戻る。
第1のタッチパネル32の画面を支払い方法選択画面SCbとし、第2のタッチパネル34の画面を店員操作中画面SDbとしたプロセッサ61は、ACT28へと進む。プロセッサ61は、ACT28として支払い方法選択画面SCbに表示されている支払い方法選択ボタン群BCbのなかの1つのボタンが入力されたか否かを確認する。支払い方法選択ボタン群BCbのボタンが入力されていない場合、プロセッサ61は、ACT29へと進む。プロセッサ61は、ACT29として支払い方法選択画面SCbの戻るボタンBCcが入力されたか否かを確認する。戻るボタンBCcも入力されていない場合、プロセッサ61は、ACT28へと戻る。このようにプロセッサ61は、ACT28及びACT29として支払い方法選択ボタン群BCbのボタンが入力されるか、戻るボタンBCcが入力されるのを待ち受ける。
【0101】
ACT28及びACT29の待ち受け状態において、支払い方法選択ボタン群BCbのボタンが店員のタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT28から
図7のACT30へと進む。ACT30以降の処理については後述する。
【0102】
これに対し、ACT28及びACT29の待ち受け状態において、戻るボタンBCcが店員のタッチ操作により入力された場合には、プロセッサ61は、ACT29からACT17へと戻る。すなわちプロセッサ61は、支払いステータスSTを“10”として、前述と同様の処理を実行する。
【0103】
上述したように、ACT24において第2のタッチパネル34に表示された支払い方法選択ボタン群BDaのボタンが客のタッチ操作により入力されるか、ACT28において第1のタッチパネル32に表示された支払い方法選択ボタン群BCbのボタンが店員のタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、
図7のACT30へと進む。プロセッサ61は、ACT30として店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCa(
図14を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を支払い支援画面SDc(
図21を参照)とする。
【0104】
図21は、第2のタッチパネル34に表示される支払い支援画面SDcの一例である。
図21は、支払い方法選択ボタン群BDa又は支払い方法選択ボタン群BCbのなかの現金ボタンが入力された際の支払い支援画面SDcを示している。支払い支援画面SDcは、釣銭機情報エリアADbを含む。また支払い支援画面SDcは、戻るボタンBDbを配置する。
【0105】
釣銭機情報エリアADbには、合計金額と、投入金額すなわち自動釣銭機36に投入された現金の金額と、合計金額から投入金額を減額した残額とが表示される。戻るボタンBDbは、ソフトウェアキーである。戻るボタンBDbは、選択した支払い方法での支払いを中止することを指令するための操作子である。
【0106】
図7の説明に戻る。
第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCaとし、第2のタッチパネル34の画面を支払い支援画面SDcとしたプロセッサ61は、ACT31へと進む。プロセッサ61は、ACT31として代金の入金があったか否かを確認する。代金の入金がない場合には、プロセッサ61は、ACT32へと進む。プロセッサ61は、ACT32として戻るボタンBDbが入力されたか否かを確認する。戻るボタンBDbが入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT31へと戻る。このようにプロセッサ61は、ACT31及びACT32として入金があるか、戻るボタンBDbが入力されるのを待ち受ける。
【0107】
代金支払い方法として現金支払いを選択した客は、自動釣銭機36に現金を投入する。クレジットカード支払いを選択した客は、キャッシュレス決済端末37のリーダでクレジットカードのデータを読み取らせる。電子マネー支払いを選択した客は、キャッシュレス決済端末37のリーダで電子マネー媒体のデータを読み取らせる。コード決済支払いを選択した客は、キャッシュレス決済端末37のスキャナでコード決済用のバーコードまたは二次元データコードを読み取らせる。プリペイドカード支払いを希望する客は、キャッシュレス決済端末37のリーダでプリペイドカードのデータを読み取らせる。ポイント支払いを希望する客は、キャッシュレス決済端末37のリーダでポイントカードのデータを読み取らせる。このような客の支払い操作があると、プロセッサ61は、ACT31において入金有りと判断する。
【0108】
入金有りと判断したプロセッサ61は、ACT31からACT33へと進む。プロセッサ61は、ACT33として支払い処理を実行する。例えば現金支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、合計金額から自動釣銭機36に投入された現金の金額を引き去る。クレジットカード支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、クレジットカードの認証を行う。電子マネー支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、電子マネーの残高から合計金額を引き去る。コード決済支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、コード決済の残高から合計金額を引き去る。プリペイドカード支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、プリペイドカードの残高から合計金額を引き去る。ポイント支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、累積ポイント相当の金額から合計金額を引き去る。
【0109】
支払い処理を実行したプロセッサ61は、ACT34へと進む。プロセッサ61は、ACT34として支払いが完了したか否かを判断する。例えば、自動釣銭機36に投入した現金の金額が合計金額に対して不足していた場合には、プロセッサ61は、支払いが未完と判断する。同じく、クレジットカードの認証に失敗した場合、あるいは電子マネー、コード決済、プリペイドカード、累積ポイント等の残高が合計金額に対して不足していた場合も、プロセッサ61は、支払いが未完と判断する。支払いが未完の場合、プロセッサ61は、ACT31へと戻る。プロセッサ61は、ACT31及びACT32として再び入金があるか、戻るボタンBDbが入力されるのを待ち受ける。
【0110】
支払いが未完である状態、すなわちACT31及びACT32の待ち受け状態においては、客は、支払い方法を別の方法に変更することができる。例えば、現金支払いを選択したが持ち合わせの現金が不足していた場合に、客は、現金以外の支払い方法に変更することができる。別の支払い方法に変更することを希望する客は、戻るボタンBDbにタッチする。
【0111】
ACT31及びACT32の待ち受け状態において、戻るボタンBDbが客のタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT32からACT35へと進む。プロセッサ61は、ACT35として自動釣銭機36に現金が投入された後に戻るボタンBDbが入力されたか否かを確認する。自動釣銭機36に現金が投入された後に戻るボタンBDbが入力された場合には、プロセッサ61は、ACT36へと進む。プロセッサ61は、ACT36として自動釣銭機36に投入された現金の金額、いわゆる入金額をメインメモリ62で記憶する。自動釣銭機36に現金が投入されることなく戻るボタンBDbが入力された場合には、プロセッサ61は、ACT36の処理をスキップする。
【0112】
ACT36の処理を実行するかスキップすると、プロセッサ61は、ACT37へと進む。プロセッサ61は、ACT37としてステータスSTを調べる。なお、この時点では、ステータスSTは“10”または“20”である。
【0113】
ステータスSTが“10”である場合、プロセッサ61は、
図6のACT23へと戻る。すなわちプロセッサ61は、店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCa(
図14を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を支払い方法選択画面SDa(
図18を参照)とする。このように、ステータスSTが“10”のときに客が戻るボタンBDbにタッチすると、第2のタッチパネル34に支払い方法選択画面SDaが表示される。したがって客は、再度、支払い方法選択ボタン群BDaのなかから希望する支払方法のボタンにタッチすればよい。
【0114】
これに対し、ステータスSTが“20”である場合には、プロセッサ61は、
図6のACT27へと戻る。すなわちプロセッサ61は、店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を支払い方法選択画面SCb(
図19を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を店員操作中画面SDb(
図20を参照)とする。このように、ステータスSTが“20”のときに客が戻るボタンBDbにタッチすると、第1のタッチパネル32に支払い方法選択画面SCbが表示される。したがって店員は、再度、支払い方法選択ボタン群BCbのなかから客が希望する支払方法のボタンにタッチすればよい。
【0115】
ACT34において支払いが完了したことを認識したプロセッサ61は、ACT38へと進む。プロセッサ61は、店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCa(
図14を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を支払い確認画面SDd(
図22を参照)とする。
【0116】
図22は、第2のタッチパネル34に表示される支払い確認画面SDdの一例である。
図22は、支払い方法選択ボタン群BDa又は支払い方法選択ボタン群BCbのなかの現金ボタンが入力された際の支払い確認画面SDdを示している。支払い確認画面SDdは、釣銭機情報エリアADbを含む。釣銭機情報エリアADbは、支払い支援画面SDcでは合計金額から投入金額を減じた差額を残額として表示するが、支払い確認画面SDdでは投入金額から合計金額を減じた差額を釣銭額として表示する。また、支払い確認画面SDdは、支払いボタンBDcを配置する。支払い支援画面SDcに配置されていた戻るボタンBDbは、支払い支援画面SDcには配置されない。支払いボタンBDcは、支払いが完了したことを宣言するための操作子である。代金の支払いを終えた客は、支払いボタンBDcにタッチする。
【0117】
図7の説明に戻る。
第1のタッチパネル32の画面を合計画面SCaとし、第2のタッチパネル34の画面を支払い確認画面SDdとしたプロセッサ61は、ACT39へと進む。プロセッサ61は、ACT39として支払いボタンBDcが入力されるのを待ち受ける。支払いボタンBDcが客のタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT40へと進む。プロセッサ61は、ACT40として入金額を記憶しているか否かを確認する。ACT36の処理において入金額を記憶していた場合には、プロセッサ61は、ACT41へと進む。プロセッサ61は、ACT41として入金額に相当する現金が払い出されるように自動釣銭機36を制御する。ACT36の処理において入金額を記憶していない場合には、プロセッサ61は、ACT41の処理をスキップする。
【0118】
ACT41の処理を実行するかスキップすると、プロセッサ61は、ACT42へと進む。プロセッサ61は、ACT42として釣銭があるか否かを確認する。支払い方法として現金支払いが選択され、自動釣銭機36に合計金額を超える金額の現金が投入されたために釣銭が生じている場合には、プロセッサ61は、ACT43へと進む。プロセッサ61は、ACT43として釣銭額に相当する現金が払い出されるように自動釣銭機36を制御する。釣銭が生じていない場合には、プロセッサ61は、ACT43の処理をスキップする。
【0119】
ACT43の処理を実行するかスキップすると、プロセッサ61は、ACT44へと進む。プロセッサ61は、ACT44としてレシート出力処理を実行する。
【0120】
図8は、決済装置3のプロセッサ61が前記業務プログラムに従って実行するレシート出力処理の要部手順を示す流れ図である。
【0121】
プロセッサ61は、レシート発行形態ステータスRSTを参照し、レシート発行形態ステータスRSTに応じたレシート出力のための処理を実行する。ACT51においてレシート発行形態ステータスRSTが“01”と判別された場合、プロセッサ61は、ACT55において紙レシートをプリンタ56により出力させる。すなわち、プロセッサ61は、第2取引ファイル82に記憶した販売データ等を基に商取引の明細を示すレシートデータを生成する。そしてプロセッサ61は、そのレシートデータをプリンタ56に出力する。かくして、プリンタ56が動作して紙レシートが印字され、発行される。
【0122】
レシート発行形態ステータスRSTが“02”の場合、紙レシートの出力不要を表すため、プロセッサ61は、レシート出力せずにレシート出力処理を終了する。
【0123】
ACT52においてレシート発行形態ステータスRSTが“03”と判別された場合、プロセッサ61は、ACT56において領収証をプリンタ56により出力させる。すなわち、プロセッサ61は、第2取引ファイル82に記憶した販売データ等を基に領収証を示す領収証データを生成する。そしてプロセッサ61は、その領収証データをプリンタ56に出力する。かくして、プリンタ56が動作して紙媒体に領収証が印字され、発行される。
【0124】
また、ACT53においてレシート発行形態ステータスRSTが“13”と判別された場合、プロセッサ61は、ACT57において前述と同様にして、領収証をプリンタ56により出力させ、さらにACT58において電子レシートを出力させるための電子レシート処理を実行させる。すなわち、プロセッサ61は、レシートデータを客の電子レシートIDとともに管理サーバ8へと送信する。かくして客は、スマートフォンを操作することにより、電子レシートサービスを利用して電子レシートデータを入手することができる。こうして、電子レシート会員として登録している客が、レシート発行形態として領収証を選択している場合には、紙媒体による領収証の発行と、電子レシートデータの出力をすることができる。なお、レシート発行形態として、領収証が選択された場合には、領収証の発行のみとし、紙レシートおよび電子レシートが発行されないようにしてもよい。このようにすることで、客は自らが所望する発行形態で購買を証明する紙媒体を受け取ることができ、決済装置3から不要な紙媒体が発行されることを抑制することが可能となる。
【0125】
なお、プロセッサ61は、電子レシートIDとともに第2取引ファイル82に記憶した販売データを、決済装置3に接続された電子レシート管理サーバ8に送信し、この電子レシート管理サーバ8において、プロセッサ61から送信された販売データに基づいて電子レシートを出力させるための電子レシート処理を実行させてもよい。言い換えると、電子レシート処理は、決済装置3とは異なる装置において実行してもよい。
【0126】
また、ACT54においてレシート発行形態ステータスRSTが“11”と判別された場合、プロセッサ61は、ACT58において前述と同様にして、電子レシートを出力させるための電子レシート処理を実行させる。こうして、電子レシート会員として登録している客が、レシート発行形態として電子レシートを選択している場合には、紙レシートを発行せず、電子レシートの発行のみをすることができる。
【0127】
なお、前述した説明では、ACT53においてレシート発行形態ステータスRSTが“13”と判別された場合、すなわちレシート発行形態として領収証が選択されている場合には、領収証と電子レシートの両方を発行するとしているが(ACT57、ACT58)、領収証の発行のみとしても良い。また、領収証と電子レシートの両方を発行するか、領収証のみを発行するかを予め設定しておき、この設定に応じて出力形態を決定するようにしても良い。
【0128】
レシート出力処理をしたプロセッサ61は、ACT45へと進む。プロセッサ61は、ACT45として店員用表示部である第1のタッチパネル32の画面を支払い完了画面SCc(
図23を参照)とし、客用表示部である第2のタッチパネル34の画面を支払い完了画面SDe(
図24を参照)とする。
【0129】
図23は、第1のタッチパネル32に表示される支払い完了画面SCcの一例である。支払い完了画面SCcは、合計画面SCaに重ねて、支払いが完了したことを店員に通知するためのポップアップウィンドウPUaを表示する。店員は、このポップアップウィンドウPUaが表示されたことにより、決済装置3において客の支払いが完了したと認識する。
【0130】
図24は、第2のタッチパネル34に表示される支払い完了画面SDeの一例である。
図24は、支払い方法選択ボタン群BDa又は支払い方法選択ボタン群BCbのなかの現金ボタンが入力された際の支払い完了画面SDeを示している。支払い完了画面SDeは、釣銭機情報エリアADbとともに、レシートとお釣りの取り忘れがないことを客に案内する第4のテキストTXdを表示する。なお、レシートを電子レシートとして発行した場合には、第4のテキストTXdが例えば「お釣りをお取りください。レシートは電子レシートでご確認ください」というように変化する。支払い完了画面SDeに表示された内容を確認した客は、プリンタ35から紙レシートが発行された場合には、その紙レシートを受け取る。また、自動釣銭機36から入金額あるいは釣銭等の現金が払い出された場合には、その現金を受け取る。
【0131】
なお、
図23及び
図24は、紙レシートを発行した場合の表示例を示しているが、レシート出力処理の処理内容(レシート発行形態ステータスRST)に応じて表示を変更する。すなわち、領収証を発行した場合には、「レシート」の表示に代えて「領収証」と表示し、電子レシートを発行した場合には、電子レシートを発行したことを表すテキストを表示する。また、紙レシートを発行しない場合には、レシートを発行しないことを明示するテキストを表示して、客に通知するようにしても良い。これにより、操作画面に対する客の選択に応じたレシート出力処理が実行されたことを、客に明示的に認識させることができる。
【0132】
図7の説明に戻る。
第1のタッチパネル32の画面を支払い完了画面SCcとし、第2のタッチパネル34の画面を支払い完了画面SDeとしたプロセッサ61は、ACT46へと進む。プロセッサ61は、ACT46として第2取引ファイル82をクリアする。またプロセッサ61は、ACT47として支払い中フラグFを“0”にリセットする。さらにプロセッサ61は、ACT48として支払いステータスSTを“00”とする。以上でプロセッサ61は、第2の情報処理を終了する。かくして、一人目の客の代金支払いが決済装置3において処理される。そして再び、
図5のACT14において支払い中フラグFが“1”セットされると、プロセッサ61は、上述した第2の情報処理を繰り返し実行する。かくして、二人目の客の代金支払いが決済装置3において処理される。以後、同様にして、三人目,四人目、…の客の代金支払いが決済装置3において順番に処理される。
【0133】
一方、支払いステータスSTが“10”である場合、すなわち店員用表示部である第1のタッチパネル32に合計画面SCaが表示され、客用表示部である第2のタッチパネル34に支払い方法選択画面SDaが表示されている状態では、プロセッサ61は、キーボード31における支払いキーの入力をエラーとする。したがって、店員が支払いキーを操作しても、そのキー操作は無効となる。
【0134】
ここにプロセッサ61は、ACT51の処理により、第1の受付手段91としての機能を実現する。またプロセッサ61は、ACT52の処理により、制御手段93としての機能を実現する。
【0135】
[決済装置の画面遷移の説明]
図25は、客がレシート発行形態の選択操作及び代金の支払い操作を全てセルフで行う際に、第1のタッチパネル32と第2のタッチパネル34にそれぞれ表示される画面の遷移を示している。
図25に示される画面の遷移は、プロセッサ61が第1のタッチパネル32、第2のタッチパネル34を制御することにより実行される。
先ず、支払い中フラグFが“0”、すなわち決済装置3において決済処理が行われていない状況では、第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34にはそれぞれ初期画面が表示されている。
【0136】
入力装置2のタッチパネル23に表示された小計画面SAbの会計ボタンBAdが店員の操作により入力されると、支払い中フラグFが“1”にセットされる。このとき、第1のタッチパネル32の画面は、初期画面から合計画面SCaへと遷移する。
【0137】
第2のタッチパネル34の画面は、会員フラグMFが“0”の場合には初期画面から第1操作画面SDf1へ遷移し、会員フラグMFが“1”の場合には初期画面から第2操作画面SDf2へ遷移する。そこで、決済装置3の傍へと移動した客は、第1操作画面SDf1あるいは第2操作画面SDf2から希望するボタンにタッチして、レシート発行形態を選択する。
【0138】
レシート発行形態が選択されると、第2のタッチパネル34の画面は、支払い方法選択画面SDaに遷移する。レシート発行形態の選択に続き、客は、支払い方法選択画面SDaに表示された支払い方法選択ボタン群BDaのなかから希望する支払方法のボタンを探す。そして客は、そのボタンにタッチする。
【0139】
支払い方法選択ボタン群BDaのボタンが入力されると、第2のタッチパネル34の画面は、支払い方法選択画面SDaから支払い支援画面SDcへと遷移する。第1のタッチパネル32の画面は、合計画面SCaから遷移しない。支払い支援画面SDcを確認した客は、その画面SDcに表示された内容に従い、選択した支払い方法で代金の支払い操作を行う。例えば現金支払いを選択した場合には、客は、自動釣銭機36に現金を投入する。
【0140】
その結果、代金の支払いが完了すると、第2のタッチパネル34の画面は、支払い支援画面SDcから支払い確認画面SDdへと遷移する。第1のタッチパネル32の画面は、合計画面SCaから遷移しない。支払い確認画面SDdを確認した客は、その画面SDdの支払いボタンBDcにタッチする。一方、店員は、第1のタッチパネル32の画面が合計画面SCaから変わらないので、客がまだ代金の支払中であると認識し得る。店員は、次の客がいる場合には、その客が購入する商品の情報入力操作を入力装置2に対して行う。
【0141】
支払いボタンBDcが入力されると、第2のタッチパネル34の画面は、支払い確認画面SDdから支払い完了画面SDeへと遷移する。第1のタッチパネル32の画面もまた、合計画面SCaから支払い完了画面SCcへと遷移する。支払い完了画面SCcを確認した店員は、客が代金の支払いを終えたことを認識し得る。
【0142】
図26は、店員が客に代わってレシート発行形態及び代金支払い方法を選択する場合に、第1のタッチパネル32と第2のタッチパネル34の画面遷移を説明するための図である。
図26に示される画面の遷移もまた、プロセッサ61が第1のタッチパネル32、第2のタッチパネル34を制御することにより実行される。
【0143】
図6に示す図では、ACT18~ACT21の処理において、客の操作によってレシート発行形態を選択させ、代金支払い方法については、支払い方法選択画面を第1のタッチパネル322の表示に切り替えて、店員が客に代わって選択できるようにしている。
図26では、レシート発行形態及び代金支払い方法の両方を店員が選択する場合について示す。第1のタッチパネル32の画面が初期画面から合計画面SCaへと遷移し、第2のタッチパネル34の画面が初期画面から操作画面(第1操作画面SDf1、第2操作画面SDf2)へと遷移するまでは、
図25の場合と同様である。
【0144】
ここで、例えば客が第1操作画面SDf1あるいは第2操作画面SDf2の操作に手間取っていた場合、店員は、合計画面SCaの切替ボタンBCaにタッチする。そうすると、第1のタッチパネル32の画面は、合計画面SCaから第1操作画面SCf1あるいは第2操作画面SCf2へと遷移する。なお、第1操作画面SCf1あるいは第2操作画面SCf2は、
図16及び
図17に示す第1操作画面SDf1及び第2操作画面SDf2と同様の選択肢(ボタン)を有する。また、第2のタッチパネル34の画面は、第1操作画面SDf1あるいは第2操作画面SDf2から店員操作中画面SDbへと遷移する。店員は、第1のタッチパネル32の画面に表示された操作画面に応じて、客にレシート発行形態を確認する。そして店員は、第1操作画面SCf1あるいは第2操作画面SCf2に表示されたボタンのなかから、客が指定したレシート発行形態のボタンにタッチする。
【0145】
レシート発行形態が選択されると、第1のタッチパネル32の画面は、支払い方法選択画面SCbに遷移する。店員は、レシート発行形態の選択に続き、支払い方法選択画面SCbに表示された支払い方法選択ボタン群BCbのなかから希望する支払方法のボタンを探す。そして店員は、そのボタンにタッチする。
【0146】
店員が支払方法のボタンにタッチすると、第1のタッチパネル32の画面は、支払い方法選択画面SCbから合計画面SCaに遷移する。また、第2のタッチパネル34の画面は、店員操作中画面SDbから支払い支援画面SDcへと遷移する。したがって客は、支払い支援画面SDcに表示された内容に従い、希望した支払い方法で代金の支払い操作を行うこととなる。その後は、
図25と同様に、第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34の画面は遷移する。
【0147】
図25に示すように、第2のタッチパネル34に支払い方法選択画面SDaが表示されているときには、第1のタッチパネル32の画面は合計画面SCaが表示されている。したがって、支払い方法を選択するための操作を行うのは客に限定される。そして、支払い方法が選択されると、第2のタッチパネル34の画面は支払い支援画面SDcに遷移し、支払いが完了すると支払い完了画面SDeへと遷移する。したがって客は、各画面に表示された内容に順次従うことにより、代金の支払いを全てセルフで行うことができる。
【0148】
一方、
図26に示すように、店員が合計画面SCaの切替ボタンBCaにタッチすると、第1のタッチパネル32に第1操作画面SCf1あるいは第2操作画面SCf2が表示され、レシート発行形態の選択がされた後、支払い方法選択画面SCbが表示される。また、第2のタッチパネル34の画面は、店員操作中画面SDbに遷移する。したがって、レシート発行形態及び支払い方法を選択するための操作を行うのは店員に限定される。このとき、第2のタッチパネル34の画面は店員操作中画面SDbであるので、客が画面を操作することはない。したがって、代金の支払いを客がセルフで行う決済装置3において、店員が混乱なく容易にレシート発行形態の選択及び代金の支払いに介在することができる。その上、店員が介在した際には、第2のタッチパネル34の画面が店員操作中画面SDbとなるので、客は、店員が介在していることを容易に認識することができる。
【0149】
ところで決済装置3は、キーボード31に配置された支払いキーにより、支払い方法を選択することが可能である。ただし、支払いキーの入力が有効となるのは、支払いステータスSTが“20”のとき、すなわち第1のタッチパネル32に支払い方法選択画面SCbが表示されているときに限られる。したがって、客が支払い方法を選択するための操作を行おうとしていたときに、店員が誤って支払いキーを入力してしまって支払い方法を選択してしまうことはない。よって、店員の誤操作によるトラブルが発生することなく、代金の支払いを客がセルフで行うことが可能な決済装置3を提供することができる。
【0150】
[他の実施形態]
前記実施形態では、第1のタッチパネル32に支払い方法選択画面SCbが表示されている間は、第2のタッチパネル34の画面を店員操作中画面SDbとした。この点に関しては、必ずしも第2のタッチパネル34の画面を店員操作中画面SDbとしなくてもよい。例えば、第2のタッチパネル34から支払い方法選択画面SDaを消去する。このように、支払い方法選択画面SDaを消去するだけでも、客が誤って第2のタッチパネル34の画面を操作することはないので、店員が混乱なく容易に代金の支払いに介在できるという効果を奏し得る。
【0151】
合計画面SCaの第1客エリアACaに表示される情報は、一人目の客の合計点数と合計金額に限定されない。例えば、入力装置2のタッチパネル23に表示される登録画面SAaのカレントエリアAAa、明細エリアAAb及び合計エリアAAcに表示される情報を表示してもよい。そうすることにより、店員は決済前の一人目の客の詳細な情報を容易に確認することができる。また、第2客エリアACbに表示される情報も、
図14に示す情報に限定されない。例えば登録中のときには、現時点までの登録点数と合計金額とを表示し、会計待ちのときには合計点数と合計金額とを表示する。そうすることにより、店員は決済前の二人目の客についても、詳細な情報を確認することができる。
【0152】
前記実施形態では、合計画面SCaに切替ボタンBCaを配置したが、切替ボタンBCaを配置しないようにしてもよい。すなわち、支払い方法の選択操作を客に限定してもよい。その場合においても、前記実施形態と同様な作用効果を奏することは、言うまでもないことである。
【0153】
図1に示した決済装置3は、入力装置2により商品コード等が入力された購買商品の情報を基に購買商品の販売データを生成して登録するものである。他の決済装置としては、店員を操作者とするキーボード31、第1のタッチパネル32又はハンディスキャナ33を入力装置とする。そして、これらの入力装置を介して商品コード等の購買商品の情報を受け付け、その情報を基に購買商品の販売データを生成して登録する。一方、取引の決済に必要な代金の入金については、前記実施形態と同様に第2のタッチパネル34、プリンタ35、自動釣銭機36又はキャッシュレス決済端末37を客自身が操作して行う。すなわち、対面式POS端末等と称される決済装置であってもよい。
【0154】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0155】
1…商品販売システム、2…入力装置、3…決済装置、4…チェックアウトカウンタ、5…レジカウンタ、6…伝送ケーブル、21…定置式スキャナ、22…ハンディスキャナ、23…タッチパネル、24…キーボード、25…ディスプレイ、31…キーボード、32…第1のタッチパネル、33…ハンディスキャナ、34…第2のタッチパネル、35…プリンタ、36…自動釣銭機、37…キャッシュレス決済端末、61…プロセッサ、62…メインメモリ、63…補助記憶デバイス、64…時計、65…通信インターフェース、66…スキャナインターフェース、67…タッチパネルインターフェース、68…プリンタインターフェース、69…釣銭機インターフェース、70…決済端末インターフェース、71…入力装置インターフェース、72…システム伝送路、81…第1取引ファイル、82…第2取引ファイル、83…フラグメモリ、84…ステータスメモリ、91…第1の受付手段、92…第2の受付手段、93…制御手段、94…判別手段、95…決済手段、96…レシート処理手段、97…取得手段、SCa…合計画面、SCb…支払い方法選択画面、SCc…支払い完了画面、SDa…支払い方法選択画面、SDb…店員操作中画面、SDc…支払い支援画面、SDd…支払い確認画面、SDe…支払い完了画面、SDf1,SCf1…第1操作画面、SDf2,SCf2…第2操作画面。