(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171607
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ピッキングシステム
(51)【国際特許分類】
B25J 15/06 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B25J15/06 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088705
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】西垣戸 貴臣
(72)【発明者】
【氏名】尾坂 忠史
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS04
3C707BS12
3C707ES03
3C707FS01
3C707FT02
3C707KT01
3C707KT06
3C707LV15
3C707MT10
3C707NS02
3C707NS06
3C707NS19
(57)【要約】
【課題】様々なサイズや形状の物品に対しても安定して搬送することができるピッキングシステムを提供する。
【解決手段】ピッキングシステムは、搬送ロボットと、ロボットハンド1と、制御装置と、を備えている。ロボットハンド1は、物品を把持する把持部13A、13Bと、物品を吸着する吸着パッド162A、162Bを複数有する吸着ユニット16と、を備えている。制御装置は、把持部13A、13bによる把持と吸着ユニット16による吸着で物品を保持する第1搬送モードと、吸着ユニット16による吸着で物品を保持する第2搬送モードを有している。制御装置は、物品に応じて、第1搬送モードと第2搬送モードを切り替える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送ロボットと、
前記搬送ロボットに設けられたロボットハンドと、
前記ロボットハンドを制御する制御装置と、を備え、
前記ロボットハンドは、
前記物品を把持する把持部と、
前記物品を吸着する吸着パッドを複数有する吸着ユニットと、を備え、
前記制御装置は、前記把持部による把持と前記吸着ユニットによる吸着で前記物品を保持する第1搬送モードと、前記吸着ユニットによる吸着で前記物品を保持する第2搬送モードを有し、
前記制御装置は、前記物品に応じて、前記第1搬送モードと前記第2搬送モードを切り替える
ピッキングシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記物品に応じて、前記把持部による把持のみで前記物品を保持する第3搬送モードを有し、
前記制御装置は、前記物品に応じて、前記第1搬送モード及び前記第2搬送モード、前記第3搬送モードを切り替える
請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項3】
前記吸着ユニットは、複数の前記吸着パッドのうち少なくとも1つの前記吸着パッドで前記物品を吸着する搬送モードと、複数の前記吸着パッドで前記物品を吸着する搬送モードとを有する
請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項4】
前記把持部は、互いに接近及び離反する2つの指先部を有し、
複数の前記吸着パッドは、前記把持部における2つの前記指先部の開閉方向と直交する方向に並べて配置される
請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項5】
複数の前記吸着パッドのうち少なくとも1つの吸着パッドは、2つの前記指先部の間に配置される
請求項4に記載のピッキングシステム。
【請求項6】
前記ロボットハンドは、
前記把持部が設置される基部と、
前記基部に設置される吸着ユニット基部と、を備え、
前記吸着ユニットは、前記吸着ユニット基部に着脱可能に装着される
請求項4に記載のピッキングシステム。
【請求項7】
前記吸着ユニット基部は、前記吸着ユニットと着脱可能に嵌合する着脱アクチュエータを有する
請求項6に記載のピッキングシステム。
【請求項8】
前記吸着ユニット基部は、前記吸着ユニットに設けた複数の前記吸着パッドと連通する接続部を有し、
前記着脱アクチュエータと前記接続部は、前記把持部における2つの前記指先部の開閉方向と直交する方向に並べて配置される
請求項7に記載のピッキングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、所定の場所上流の工程から搬入された物品を搬送ロボットにより保持して、所定の場所まで搬出するピッキングシステムが知られている。また、搬出ロボットには、物品を把持するロボットハンドが設けられている。
【0003】
物品を把持するロボットハンドに関する技術としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、着脱可能な接触部を有するロボットハンドであって、接触部の装着状態を変更することで、接触部の数およびまたは配置を変更することができる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ロボットハンドの把持部によってのみ物品を把持し、搬送していた。そのため、特許文献1に記載された技術では、把持部を開いた状態よりも大きな物品や、物品の形状によっては安定した状態で把持することができず、搬送する際に、物品がロボットハンドからから抜け落ちるおそれがあった。
【0006】
本目的は、上記の問題点を考慮し、様々なサイズや形状の物品に対しても安定して搬送することができるピッキングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し、目的を達成するため、ピッキングシステムは、物品を搬送する搬送ロボットと、搬送ロボットに設けられたロボットハンドと、ロボットハンドを制御する制御装置と、を備えている。ロボットハンドは、物品を把持する把持部と、物品を吸着する吸着パッドを複数有する吸着ユニットと、を備えている。制御装置は、把持部による把持と吸着ユニットによる吸着で物品を保持する第1搬送モードと、吸着ユニットによる吸着で物品を保持する第2搬送モードを有している。制御装置は、物品に応じて、第1搬送モードと第2搬送モードを切り替える。
【発明の効果】
【0008】
上記構成のピッキングシステムによれば、様々なサイズや形状の物品に対しても安定して搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態例にかかるピッキングシステムを示す概略構成図である。
【
図2】実施の形態例にかかるロボットハンドを示す斜視図である。
【
図3】実施の形態例にかかるロボットハンドを示す斜視図である。
【
図4】実施の形態例にかかるロボットハンドの伸縮機構が伸長した状態を示す正面図である。
【
図5】実施の形態例にかかるロボットハンドの伸縮機構が収縮した状態を示す正面図である。
【
図6】実施の形態例にかかるロボットハンドの把持部が開いた状態を示す正面図である。
【
図7】実施の形態例にかかるロボットハンドの吸着ユニット基部及び吸着ユニットを示す斜視図である。
【
図8】実施の形態例にかかるロボットハンドの吸着ユニット基部及び吸着ユニットを示す正面図である。
【
図9】実施の形態例にかかるロボットハンドの吸着ユニット基部及び吸着ユニットを分離した状態を示す断面図である。
【
図10】実施の形態例にかかるロボットハンドの吸着ユニット基部及び吸着ユニットを接続した状態を示す断面図である。
【
図11】実施の形態例にかかるロボットハンドの他の吸着ユニットを示す斜視図である。
【
図12】実施の形態例にかかるピッキングシステムの空圧制御ユニットを示す概略構成図である。
【
図13】
図13Aから
図13Dは、実施の形態例にかかるピッキングシステムにおける第1搬送モードでのピッキング動作を示す説明図である。
【
図14】
図14Aから
図15Cは、実施の形態例にかかるピッキングシステムにおける第1搬送モードでのピッキング動作を示す説明図である。
【
図15】
図15Aから
図15Cは、実施の形態例にかかるピッキングシステムにおける第2搬送モードでのピッキング動作を示す説明図である。
【
図16】実施の形態例にかかるピッキングシステムにおける第3搬送モードでのピッキング動作を示す説明図である。
【
図17】実施の形態例にかかるピッキングシステムにおける他の吸着ユニットを用いて物品を搬送する例を示す説笑み図である。
【
図18】実施の形態例にかかるピッキングシステムにおける他の搬送モードのピッキング動作を示す説明図である。
【
図19】実施の形態例にかかるピッキングシステムにおける他の搬送モードのピッキング動作を示す説明図である。
【
図21】吸着ニットホルダに保管された吸着ユニットを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、ピッキングシステムの実施の形態例について、
図1~
図24Bを参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0011】
1.実施の形態例
1-1.ピッキングシステムの構成例
まず、実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるピッキングシステムの構成について
図1を参照して説明する。
図1は、本例のピッキングシステムを示す概略構成図である。
【0012】
図1に示すように、ピッキングシステム50は、搬送ロボット51と、搬送ロボット51に物品100を搬入する搬入コンベア52と、移動機構53と、撮像部55と、搬出コンベア54、空圧制御ユニット59と、を備えている。ピッキングシステム50は、搬入コンベア52によって搬送された搬入コンテナ200の中の物品100を、搬送ロボット51を用いて搬出コンベア54上の搬出コンテナ56に搬送する。また、ピッキングシステム50は、搬送ロボット51、搬入コンベア52、移動機構53、撮像部55を制御する制御装置57と、情報記憶装置58と、を有している。情報記憶装置58は、制御装置57に接続されている。そして、情報記憶装置58は、取り扱う物品100の形状、大きさや搬入コンベア52に載置されている姿勢等の物品100に関する情報が格納される。
【0013】
搬送ロボット51は、例えば、6軸の関節を有する垂直多関節ロボットである。搬送ロボット51のアームには、物品100を吸着し、把持するロボットハンド1が設けられている。ロボットハンド1の詳細については、後述する。このロボットハンド1には、空圧制御ユニット59が接続される。空圧制御ユニット59の詳細については、後述する。
【0014】
撮像部55は、搬送ロボット51がロボットハンド1を用いて物品100を把持する位置の上方に配置されている。撮像部55は、搬入コンベア52から搬入された物品100を撮影する。そして、撮像部55は、撮影した情報を制御装置57に出力する。制御装置57は、撮像部55から取得した情報に基づいて、物品100の位置や物品100の大きさ等の物品100に関する情報を判別する。そして、制御装置57は、物品100に関する情報に基づいて、搬送ロボット51及びロボットハンド1の動作を制御する。
【0015】
なお、本例のピッキングシステム50では、撮像部55を、物品100を把持する位置の上方に設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、撮像部55を搬送ロボット51やロボットハンド1に設けてもよく、あるいは物品100を把持する位置の側方等に配置してよい。
【0016】
さらに、撮像部55が撮影した情報に基づいて制御装置57が物品100の大きさや種別等を判別する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、情報記憶装置58に予め物品100の大きさや種別等に関する情報を格納し、この情報記憶装置58から制御装置57が物品100に関する情報を取得してもよい。
【0017】
搬送ロボット51は、移動機構53により1軸方向に移動可能に支持されている。移動機構53は、搬入コンベア52と搬出コンベア54の間に配置されている。そして、移動機構53の移動方向の一側には、搬入コンベア52が配置され、移動機構53の移動方向の他側には、搬出コンベア54が配置される。
【0018】
搬入コンベア52は、複数の物品100を収納した搬入コンテナ200をピッキングシステム50の上流側の工程から所定の位置まで搬送する。搬出コンベア54に設けた搬出コンテナ56には、搬送ロボット51及びロボットハンド1により搬出された物品100が収納される。そして、搬出コンベア54は、物品100が収納された搬出コンテナ56をピッキングシステム50の下流側の工程の所定の位置まで搬送する。
【0019】
なお、搬送ロボット51を移動機構53により移動させる例を説明したが、これに限定されるものではなく、搬送ロボット51自体に移動機構を設けてもよく、あるいは搬送ロボット51を固定してもよい。
【0020】
なお、ピッキングシステム50として、物品100を搬出コンテナ56に収納する例を説明したが、これに限定されるものではない。ピッキングシステム50としては、例えば、搬送ロボット51のロボットハンド1により把持された物品100を搬出コンベア54上に搬送したり、図示しない収納棚に収納したりしてもよく、その他各種のピッキングシステム50が適用されるものである。
【0021】
また、搬送ロボット51として、6軸の関節を有する垂直多関節ロボットを適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。搬送ロボット51としては、水平方向の回転と、鉛直方向への移動を行う2軸のロボットを適用してもよく、その他各種のロボットが適用できるものである。
【0022】
1-2.ロボットハンドの構成例
次に、搬送ロボット51に設けたロボットハンド1の詳細な構成について
図2から
図10を参照して説明する。
図2及び
図3は、ロボットハンド1を示す斜視図である。
図4から
図6は、ロボットハンド1を示す正面図である。
図4及び
図5は、後述するロボットハンド1の把持部が開いた状態を示し、
図6は、ロボットハンドの把持部が閉じた状態を示している。また、
図4は、後述する伸縮機構が伸長した状態を示している。
【0023】
図2では、後述する把持部13A、13Bを用いずに吸着ユニット16の2つの吸着パッド162A、162Bで物品100Bを吸着する例を示している。また、
図3では、把持部13A、13Bで物品100Aを把持し、吸着ユニット16の1つの吸着パッド162Aで物品100Aを吸着する例を示している。
【0024】
図2及び
図3に示すように、ロボットハンド1は、搬送ロボット51に取り付けられる基部10と、把持駆動部11と、第1把持部13Aと、第2把持部13Bと、伸縮機構14と、吸着ユニット基部15と、吸着ユニット16と、を備えている。また、ロボットハンド1は、第1把持部13A及び第2把持部13Bを可動させるための把持歯車13A1、13B1を収納する歯車カバー101を有している。
【0025】
図4から
図6に示すように、基部10には、伸縮機構14が設置されている。伸縮機構14としては、例えば、空気圧を用いた空圧シリンダが適用される。そして、伸縮機構14は、基部10の長手方向に沿って移動し、第1把持部13A及び第2把持部13Bの間から突出するスライド部材14aを有している。スライド部材14aの先端部には、吸着ユニット基部15及び吸着ユニット16が設置されている。そして、伸縮機構14は、吸着ユニット基部15及び吸着ユニット16を伸縮可能に支持する。
【0026】
また、伸縮機構14における吸着ユニット基部15が設置される箇所に揺動軸を設けてもよい。そして、揺動軸を中心に吸着ユニット基部15を揺動させてもよい。
【0027】
伸縮機構14は、例えば空圧で駆動する空気圧シリンダを適用した例を説明したが、電動のリニアアクチュエータやその他各種のリニアアクチュエータや、ギア及びモータ、シリンダ等その他各種の伸縮機構を適用してもよい。なお、伸縮機構14として、空気圧シリンダを用いることで、吸着ユニット基部15及び吸着ユニット16を受動的に動作させることができる。これにより、過度な外力によりロボットハンド1や物品等が破壊されることを防止できる。
【0028】
また、本例では、吸着ユニット基部15を伸縮させる伸縮機構14を設けた例を説明したが、伸縮機構14を設けなくてもよい。さらに、伸縮機構14における吸着ユニット基部15が設置される箇所に揺動軸を設けてもよい。そして、揺動軸を中心に吸着ユニット基部15を揺動させてもよい。
【0029】
吸着ユニット基部15及び吸着ユニット16については、後述する。
【0030】
[把持部]
次に、把持駆動部11と、第1把持部13A及び第2把持部13Bの構成について説明する。
図4に示すように、基部10の先端部には、把持駆動部11が固定されている。把持駆動部11としては、例えば、ステッピングモータであり、その出力軸の角度、角速度、最大トルクを制御することができる。また、把持駆動部11としては、DCブラシレスモータ等の他の種類のアクチュエータでもよい。さらに、把持駆動部11の出力軸には、把持駆動部歯車12が固定されている。把持駆動部歯車12は、後述する第1把持部13Aの把持歯車13A1と噛み合っている。
【0031】
第1把持部13A及び第2把持部13Bは、それぞれ同一の構成を有している。第1把持部13Aは、把持歯車13A1と、リンク部13A2、13A3と、指先部13A4と、回転軸13A5と、を有している。同様に、第2把持部13Bは、把持歯車13B1と、リンク部13B2、13B3と、指先部13B4と、回転軸13B5と、を有している。
【0032】
第1把持部13Aの把持歯車13A1及び第2把持部13Bの把持歯車13B1は、
基部10の先端部に回転可能に設置されている。また、第1把持部13Aの把持歯車13A1は、把持駆動部歯車12と噛み合っている。さらに、第1把持部13Aの把持歯車13A1は、第2把持部13Bの把持歯車13B1と噛み合っている。そして、把持駆動部歯車12が回転駆動することで、第1把持部13Aの把持歯車13A1と第2把持部13Bの把持歯車13B1が、同期して回転する。
【0033】
なお、第1把持部13Aと第2把持部13Bは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは、第1把持部13Aについて説明する。
【0034】
第1把持部13Aの第1リンク部13A2の一端は、把持歯車13A1に回転可能に接続されている。また、第1把持部13Aの第2リンク部13A3は、基部10の先端部に回転可能に接続されている。そして、第1リンク部13A2と第2リンク部13A3は、互いに平行に配置されている。また、第1リンク部13A2と第2リンク部13A3の他端には、回転軸13A5を介して指先部13A4が回転可能に支持されている。
【0035】
そして、基部10、第1リンク部13A2、第2リンク部13A3、指先部13A4は、四節平行リンクを構成している。そのため、指先部13A4は、基部10に対して同じ姿勢で移動する。
【0036】
また、
図4及び
図5に示す状態から、把持駆動部11により把持駆動部歯車12を反時計周りに回転駆動すると、第1把持部13Aの把持歯車13A1は、時計回りに回転する。そして、把持歯車13A1に接続された第1リンク部13A2及び第2リンク部13A3も同じように時計回りに回転する。これにより、指先部13A4が同じ姿勢を保ちながら、第1把持部13A全体は内側に閉じる。
【0037】
このとき、第2把持部13Bでは、把持歯車13B1が反時計回りに回転する。そして、そして、把持歯車13B1に接続された第1リンク部13B2及び第2リンク部13B3も同じように反時計回りに回転する。これにより、第1把持部13Aの指先部13A4と、第2把持部13Bの指先部13B4は、互いに接近し、物品を挟んで把持することができる。
【0038】
なお、本例の第1把持部13A及び第2把持部13Bの指先部13A4、13B4は、四節平行リンクにより基部10に支持されている。そのため、第1把持部13Aと第2把持部13Bの指先部13A4、13B4における互いに対向する面は、互いに平行に移動する。すなわち、第1把持部13Aと第2把持部13Bの指先部13A4、13B4の把持面が互いに対向した状態で、指先部13A4、13B4を移動させることができる。これにより、物品100に対して略鉛直な方向から指先部13A4、13B4を、押し当てることができる。
【0039】
なお、把持駆動部11からの伝達機構として、把持歯車13A1、13B1を用いた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、プーリとベルトやチェーン等のその他各種の伝達機構を適用してもよい。
【0040】
次に、
図7から
図10を参照して吸着ユニット基部15及び吸着ユニット16の構成について説明する。
図7は、吸着ユニット基部15及び吸着ユニット16を示す斜視図、
図8は、吸着ユニット基部15から吸着ユニット16を分離した状態を示す側面図である。
図9及び
図10は、吸着ユニット基部15及び吸着ユニット16を示す断面図であり、
図9は吸着ユニット16が分離した状態を示し、
図10は吸着ユニット16が吸着ユニット基部15に接続された状態を示している。
【0041】
図7から
図10に示すように、吸着ユニット基部15は、本体部151と、第1吸着パッド継手152Aと、第2吸着パッド継手152Bと、着脱アクチュエータ用継手153と、第1接続部154Aと、第2接続部154Bと、着脱アクチュエータ157とを備えている。
【0042】
本体部151は、略直方体状に形成されている。本体部151の上面部は、伸縮機構14のスライド部材14aに固定される。ここで、本体部151は、その長手方向が伸縮機構14の伸縮方向と直交し、かつ把持部13A、13Bの開閉方向とも直交する方向に向けて配置されている。また、
図6に示すように、本体部151の短手方向の長さは、把持部13A、13Bが閉じた状態における把持部13A、13Bの指先部13A4、13B4で形成される空間の長さよりも短く設定されている。
【0043】
本体部151の上面部又は側面部には、第1吸着パッド継手152Aと、第2吸着パッド継手152Bと、着脱アクチュエータ用継手153とが設けられている。第1吸着パッド継手152A及び第2吸着パッド継手152B、着脱アクチュエータ用継手153は、後述する空圧制御ユニット59(
図12参照)に接続される。
【0044】
本体部151の下面部には、第1接続部154Aと、第2接続部154Bと、着脱アクチュエータ157が設けられている。そして、第1接続部154A及び第2接続部154B、着脱アクチュエータ157は、本体部151の下面部から突出している。また、第1接続部154Aは、本体部151の長手方向の一端部に配置され、第2接続部154Bは、本体部151の長手方向の他端部に配置される。そして、着脱アクチュエータ157は、第1接続部154Aと第2接続部154Bの間に配置される。
【0045】
第1接続部154Aは、第1吸着パッド継手152Aと第1通路159Aを介して連通しており、第2接続部154Bは、第2吸着パッド継手152Bと第2通路159Bを介して連通している。また、着脱アクチュエータ157は、着脱アクチュエータ用継手153に連通している。第1接続部154Aの側面部には、Oリング155Aが設けられており、同様に、第2接続部154Bの側面部にもOリング155Bが設けられている。
【0046】
第1接続部154A及び第2接続部154Bは、本体部151に螺合することで、本体部151に着脱可能に接続される。また、第1接続部154Aと本体部151との接続箇所の間には、リング状のスペーサ158Aが介在されている。なお、第2接続部154Bと本体部151との接続箇所の間にも、同様に、リング状のスペーサが介在される。スペーサ158Aは、例えば、ジュラコン製である。このスペーサ158Aにより本体部151と第1接続部154Aとのシール性を確保している。
【0047】
このスペーサ158Aの厚さを変えることで、Oリング155Aの潰し代を調整することができる。ここで、Oリング155Aの潰し代が不足している場合、吸着ユニット16の装着時に真空が漏れてしまうが、Oリング155Aの潰し代が大きすぎる場合、装着時に大きな力が必要となる。そのため、スペーサ158Aを何種類か用意し、厚さを調整することで、Oリング155Aの潰し代を調整することができる。なお、複数のスペーサ158Aを重ねることで、厚さを調整してもよい。
【0048】
また、本体部151の下面部には、第1位置決めピン156Aと、第2位置決めピン156Bが設けられている。第1位置決めピン156A及び第2位置決めピン156Bは、本体部151の下面部から突出している。第1位置決めピン156Aは、第1接続部154Aと着脱アクチュエータ157の間に配置されており、第2位置決めピン156Bは、第2接続部154Bと着脱アクチュエータ157の間に配置されている。
【0049】
上述した構成を有する吸着ユニット基部15における本体部151の下面部には、吸着ユニット16が着脱可能に装着される。吸着ユニット16は、ユニット本体部161と、第1吸着パッド162Aと、第2吸着パッド162Bと、を有している。
【0050】
ユニット本体部161は、略直方体状に形成されている。そして、ユニット本体部161を吸着ユニット基部15の本体部151に装着した際、ユニット本体部161の長手方向は、伸縮機構14の伸縮方向と直交し、かつ把持部13A、13Bの開閉方向とも直交する方向に向けて配置される。
【0051】
また、ユニット本体部161の短手方向の長さは、把持部13A、13Bが閉じた状態における把持部13A、13Bの指先部13A4、13B4で形成される空間の長さよりも短く設定されている。さらに、伸縮機構14を収縮時に、吸着ユニット16の下端が把持部13A、13Bよりも上方に位置している。上述したように、吸着ユニット基部15の短手方向の長さは、把持部13A、13Bが閉じた状態における把持部13A、13Bの指先部13A4、13B4で形成される空間の長さよりも短く設定されている。その結果、把持部13A、13Bを閉じた際に、把持部13A、13Bが吸着ユニット基部15及び吸着ユニット16に接触することを防ぐことができ、指先部13A4、13B4が完全に接触するまで閉じ切ることができる。
【0052】
ユニット本体部161の下面部には、第1吸着パッド162Aと、第2吸着パッド162Bが配置されている。第1吸着パッド162Aは、ユニット本体部161の長手方向の一端部に配置されており、第2吸着パッド162Bは、ユニット本体部161の長手方向の他端部に配置されている。また、第1吸着パッド162Aは、把持部13A、13Bの間に配置される。そして、第1吸着パッド162A及び第2吸着パッド162Bは、可撓性を有する部材により蛇腹状に形成されている。
【0053】
また、ユニット本体部161の側面部には、上部凸部165と、下部凸部166が設けられている。上部凸部165及び下部凸部166は、ユニット本体部161の側面部から外側に向けて突出している。下部凸部166は、ユニット本体部161における第1吸着パッド162A及び第2吸着パッド162Bが設けられた側面部に形成されている。
【0054】
また、ユニット本体部161には、第1接続穴163Aと、第2接続穴163Bが設けられている。第1接続穴163Aは、ユニット本体部161の長手方向の一端部に形成され、第2接続穴163Bは、ユニット本体部161の長手方向の他端部に形成されている。また、第1接続穴163Aと第2接続穴163Bは、ユニット本体部161の上面部から下面部にかけて貫通している。第1接続穴163Aは、第1吸着パッド162Aに第1連通路169Aを介して連通しており、第2接続穴163Bは、第2吸着パッド162Bに第2連通路169Bを介して連通している。
【0055】
また、第1接続穴163A及び第2接続穴163Bは、ユニット本体部161の上面部から下面部に向かうにつれて直径が連続して小さくなるテーパー状に形成されている。吸着ユニット基部15に吸着ユニット16を装着する際、第1接続穴163Aには、第1接続部154Aが挿入され、第2接続穴163Bには、第2接続部154Bが挿入される。そして、第1接続穴163Aの壁面にOリング155Aが接触してシールし、第2接続穴163Bの壁面にOリング155Bが接触してシールする。これにより、第1吸着パッド継手152Aと第1吸着パッド162Aの流路が接続され、第2吸着パッド継手152Bと第2吸着パッド162Bの流路が接続される。その結果、第1吸着パッド162A及び第2吸着パッド162Bに対して、後述する空圧制御ユニット59から真空を供給することができる。
【0056】
また、ユニット本体部161の上面部には、着脱アクチュエータ接続部164が設けられている。着脱アクチュエータ接続部164は、第1接続穴163Aと第2接続穴163Bの間に形成されている。着脱アクチュエータ接続部164は、ユニット本体部161の上面部から下面部に向けて凹んだ凹部である。また、着脱アクチュエータ接続部164の壁面には、溝が形成されている。この着脱アクチュエータ接続部164には、吸着ユニット基部15に設けた着脱アクチュエータ157が着脱可能に嵌合する。
【0057】
ここで、着脱アクチュエータ157は、着脱アクチュエータ用継手153より空気を供給して駆動するボールカム式のアクチュエータである。着脱アクチュエータ157は、駆動をするとボールが飛び出し、着脱アクチュエータ接続部164の溝と篏合する。その結果、着脱アクチュエータ157によって着脱アクチュエータ接続部164を強力に把持することができ、吸着ユニット基部15は、吸着ユニット16を保持することができる。
【0058】
なお、着脱アクチュエータ157は、空気圧駆動のボールカム式に限定されるものではない。例えば、専用の着脱アクチュエータを備えずに受動的な機構で着脱をしてもよい。ただし、専用の着脱アクチュエータを使用することで、吸着ユニット16を強力に保持することが可能であり、重量のある物品の搬送に対応できる。また、着脱アクチュエータ157として、空気圧駆動のボールカム式を適用することで、コンパクトでありながら強力な保持力を発揮することができる。
【0059】
ここで、2つの吸着パッド162A、162Bのうち片方で吸着保持する際に、大きな力で引っ張られた場合、着脱アクチュエータ157には、テコの原理で大きな引抜力が作用する。そのため、本例では、着脱アクチュエータ157を本体部151の長手方向の中間部に配置することで、着脱アクチュエータ157にかかる引抜力を小さく抑えることができる。
【0060】
また、ユニット本体部161の上面部には、第1位置決め穴165Aと、第2位置決め穴165Bが設けられている。第1位置決め穴165Aは、第1接続穴163Aと着脱アクチュエータ接続部167の間に形成されており、第2位置決め穴165Bは、第2接続穴163Bと着脱アクチュエータ接続部167の間に形成されている。第1位置決め穴165Aには、第1位置決めピン156Aが挿脱可能に挿入され、第2位置決め穴165Bには、第2位置決めピン156Bが挿脱可能に挿入される。
【0061】
このように、位置決めピン156A、156Bと、位置決め穴165A、165Bを設けたことで、吸着ユニット基部15に対する吸着ユニット16の装着時の誤差を少なくすることができる。また、吸着ユニット基部15に位置決め穴を設け、吸着ユニット16に位置決めピンを設けてもよい。
【0062】
また、本例の吸着ユニット16の吸着パッド162A、162Bを、吸着ユニット基部15の接続部154A、154Bの直下に配置される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1連通路169A及び第2連通路169Bを曲げることにより、吸着パッド162A、162Bを自由に配置することができる。そして、第1吸着パッド162Aと第2吸着パッド162Bの間隔を長くすることで、大きな物品を吸着保持することができる。さらに、吸着パッド162B、162B及び接続部154A、154Bの数は、2つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上設けてもよい。
【0063】
図11は、他の吸着ユニットを吸着ユニット基部15に装着した状態を示す斜視図である。
本例のロボットハンド1は、吸着ユニット基部15に吸着ユニットが着脱可能に装着できる。そのため、
図11に示すように、上述した吸着ユニット16とは異なる吸着ユニット17を吸着ユニット基部15に装着することができる。吸着ユニット17は、ユニット本体部171と、第1吸着パッド172Aと、第2吸着パッド172Bとを有している。ユニット本体部171の構成は、上述した吸着ユニット16のユニット本体部161と同様であるため、その説明は省略する。
【0064】
第1吸着パッド172A及び第2吸着パッド172Bの吸着面の直径は、吸着ユニット16における第1吸着パッド162A及び第2吸着パッド162Bの吸着面の直径よりも小さく設定されている。そのため、
図11に示す吸着ユニット17を用いれば、吸着ユニット16で吸着できない小さな物品も吸着保持することができる。
【0065】
なお、小径の吸着パッド172A、172Bを有する吸着ユニット17に交換する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、柔軟な対象を把持するために、柔らかい吸着パッドを備えた吸着ユニットに交換してもよい。
【0066】
接続部154A、154Bに対して、それぞれ吸着パッド162A、162Bが接続される構成を示したが、これに限定されるものではない。例えば、一つの接続部154Aに対して、複数の吸着パッドが接続されてもよい。これにより、接続部の数を増やさずに、吸着パッドの個数を増やすことができる。
【0067】
また、上述した構成を有するロボットハンド1には、空圧制御ユニット59(
図12参照)が接続される。
【0068】
1-3.空圧制御ユニットの構成
次に、
図12を参照して空圧制御ユニットの構成について説明する。
図12は、空圧制御ユニットを示す概略構成図である。
【0069】
図12に示すように、空圧制御ユニット59は、真空エジェクタ591と、吸着パッド用バルブ592A、592Bと、着脱アクチュエータ用バルブ593と、伸縮機構用バルブ594を備えている。真空エジェクタ591、着脱アクチュエータ用バルブ593、伸縮機構用バルブ594は、共通の空圧源6に接続されており、高圧エアが供給されている。なお、バルブごとに異なる空圧源に接続してもよく、流路の途中で減圧バルブ等を挟み、バルブごとに異なる圧力を供給してもよい。
【0070】
真空エジェクタ591は、高圧エアによって真空圧を発生させる装置である。そして、第1吸着パッド162Aは、第1吸着パッド用バルブ592A、第1吸着パッド継手152A、第1接続部154Aを介して、真空エジェクタ591に接続されている。第1吸着パッド用バルブ592Aは、例えば3ポートバルブである。そして、第1吸着パッド用バルブ592Aをオンにすると、真空エジェクタ591より発生した真空圧が第1吸着パッド162Aに供給され、物品を吸着する。第1吸着パッド用バルブ592Aをオフにすると、第1吸着パッド162Aの真空圧は大気開放され、物品を開放する。
【0071】
また、真空エジェクタ591は、高圧エアを第1吸着パッド162Aに供給し、物品を開放することもできる。なお、第2吸着パッド162B、第2吸着パッド用バルブ592B、第2吸着パッド継手152B、第2接続部154Bも同様であるため、その説明は省略する。
【0072】
このように、2つの吸着パッド162A、162Bの真空圧が独立に制御できるため、一つの吸着パッドのみをオンにすることもできる。また、真空エジェクタ591は、真空圧計測機能を備えている。真空をオンにした吸着パッドが、物品を吸着した場合、真空圧の上昇が検出される。これにより、物品吸着の成否を検出することができる。
【0073】
着脱アクチュエータ157は、着脱アクチュエータ用継手153、着脱アクチュエータ用バルブ593を介して、空圧源6に接続されている。着脱アクチュエータ用バルブ593は、3ポートバルブである。着脱アクチュエータ用バルブ593をオンにすると、着脱アクチュエータ157へ空気が供給され、吸着ユニット基部15から吸着ユニット16、17を分離することができる。
【0074】
また、着脱アクチュエータ用バルブ593をオフにすると、着脱アクチュエータ157の高圧エアは大気開放され、着脱アクチュエータ157は、吸着ユニット16、17を保持する。従って、ピッキングシステム50が緊急停止して、高圧エアや電源供給が止まった際にも、ロボットハンド1の吸着ユニット基部15は、吸着ユニット16、17を保持し続ける。これにより、吸着ユニット16、17が吸着ユニット基部15から使用者の意図に反して抜け落ちることを防止できる。
【0075】
伸縮機構14は、伸縮機構用バルブ594を介して、空圧源6に接続されている。伸縮機構用バルブ594は、5ポートバルブである。そして、伸縮機構用バルブ594は、空圧シリンダである伸縮機構14の伸長側と収縮側の二つの部屋に、高圧エアを供給するか、大気開放するか、を制御することができる。収縮側の部屋に高圧エア空気を供給すると、伸縮機構14は収縮し、吸着ユニット16、17が上昇する。伸長側の部屋に高圧エアを供給すると、伸縮機構14は伸長し、吸着ユニット16、17が下降する。両方の部屋の空気を大気開放すると、伸縮機構14及び吸着ユニット16、17は、受動的に動作する。
【0076】
なお、吸着パッド用バルブ592A、592B、着脱アクチュエータ用バルブ593、伸縮機構用バルブ594がオンオフで制御される例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、圧力を制御するバルブを用いてもよい。例えば、伸縮機構用バルブ594に低圧の圧縮空気を供給することで、吸着ユニット16、17の押し付け力を制御することもできる。
【0077】
2.ピッキングシステムの動作例
次に、上述した構成を有するピッキングシステム50の動作例について
図13から
図19を参照して説明する。
【0078】
ここで、ロボットハンド1を制御する制御装置57は、第1搬送モードと、第2搬送モードと、第3搬送モードとを有している。第1搬送モードは、把持部13A、13Bによる把持と、吸着ユニット16、17による吸着により物品を保持する搬送モードである。第2搬送モードは、吸着ユニット16、17により吸着のみで物品を保持する搬送モードである。そして、第3搬送モードは、把持部13A、13Bによる把持のみで物品を保持する搬送モードである。
【0079】
制御装置57は、物品の形状、大きさや搬入コンベア52に載置されている姿勢等の物品に関する情報に基づいて、搬送モードを切り替える。物品に関する情報は、例えば、撮像部55が撮影した物品の情報や、情報記憶装置58に予め格納された物品の情報に基づいて、作成される。また、ピッキング動作を行う前に、今回のピッキング作業で行う搬送モードを情報記憶装置58に格納し、制御装置57は、情報記憶装置58に格納された搬送モードに基づいて、ロボットハンド1を制御するようにしてもよい。
【0080】
2-1.第1搬送モード
まず、第1搬送モードでのピッキング動作例について
図13Aから
図14Dを参照して説明する。
図13Aから
図14Dは、第1搬送モードでのピッキング動作を示す説明図である。
【0081】
まず、
図13Aに示すように、制御装置57は、撮像部55(
図1参照)が撮影した情報や、情報記憶装置58(
図1参照)に格納した物品100Aに関する情報に基づいて、搬送ロボット51(
図1参照)を制御する。そして、制御装置57は、搬送ロボット51を制御して、搬送する物品100Aの上方までロボットハンド1を移動させる。ここで、ロボットハンド1を移動させる位置は、伸縮機構14を伸長した際に、吸着ユニット16で物品100Aを吸着できる位置である。
【0082】
このとき、撮像部55が撮影した情報や、情報記憶装置58に格納された物品100Aに関する情報に基づいて、制御装置57は、把持部13A、13Bの間隔が把持する物品100Aの幅よりも若干大きくなるように把持駆動部11を駆動する。これにより、後述(
図14B参照)する物品100Aを把持部13A、13Bで把持する把持動作における把持駆動部11の動作時間を短縮することがきる。その結果、ピッキング作業の時間短縮を図ることができ、ピッキングシステム50の処理能力が向上する。
【0083】
次に、
図13Bに示すように、制御装置57は、伸縮機構14を制御し、伸縮機構14を物品100Aに向けて伸長させる。これにより、吸着ユニット16を物品100Aに近づけることができる。また、
図13Aに示すように、予め把持部13A、13Bを開いているため、伸縮機構14を伸長した際に、吸着ユニット16が把持部13A、13Bに接触することを防ぐことができる。そして、吸着ユニット16が物品100Aに接触すると、制御装置57は、空圧制御ユニット59を制御し、吸着ユニット16の第1吸着パッド162Aで物品100Aを吸着する。このとき、第1吸着パッド162Aの紙面奥側にある第2吸着パッド162Bは吸引していない。
【0084】
次に、制御装置57は、伸縮機構14を駆動し、伸縮機構14を収縮させる。これにより、
図14Aに示すように、物品100Aは、搬入コンテナ200から引き出される。また、制御装置57は、搬送ロボット51を制御し、ロボットハンド1と共に物品100Aを上昇させる。伸縮機構14の収縮動作と、搬送ロボット51によるロボットハンド1の上昇動作は、同時に行ってもよい。または、搬送ロボット51によりロボットハンド1の上昇動作が完了してから、伸縮機構14の収縮動作を行ってもよい。
【0085】
次に、制御装置57は、把持駆動部11を駆動し、把持部13A、13Bを閉じる。また、制御装置57は、上述したように、物品100Aに応じて把持駆動部11の把持力が所定の把持力に達するように制御する。これにより、
図14Bに示すように、把持部13A、13Bで物品100Aの側面を把持することができる。
【0086】
このように、物品100Aの上面を吸着ユニット基部15で吸着し、所定の高さまで引き上げた後に、把持部13A、13Bで物品100Aの側面を把持している。これにより、
図13Aから
図14Bに示すように、物品100Aが整列し、把持部13A、13Bが隣り合う物品100Aの間に挿入できないような場合であっても、把持部13A、13Bで物品100Aを把持することができる。
【0087】
また、把持部13A、13Bで物品100Aを把持した後、制御装置57は、搬送ロボット51を制御し、物品100Aを搬出コンテナ56まで搬送する。このとき、物品100Aは、吸着ユニット16による吸着と把持部13A、13Bによる把持でロボットハンド1に保持されている。そのため、搬送する際に生じる遠心力や慣性力により、物品100Aがロボットハンド1から抜け落ちることを防ぐことができる。
【0088】
なお、物品100Aの重さが軽い場合には、
図14Bの動作の後に、吸着ユニット16による吸着を停止し、把持部13A、13Bによる把持のみで物品100Aを搬送ロボット51によって搬出コンテナ56に搬送してもよい。この場合には、吸着ユニット16の駆動エネルギーを減らすことができる。
【0089】
また、上述した第1搬送モードでは、第1吸着パッド162Aのみを使用する例を説明したが、これに限定されるものではない。吸着パッド162A、162Bの両方を使用して吸着した後に、把持部13A、13Bで把持してもよい。例えば、物品100Aの天面が2つの吸着パッド162A、162Bの間隔よりも十分に長い場合、吸着パッド162A、162Bの両方で吸着可能である。
【0090】
2-2.第2搬送モード
次に、第2搬送モードでのピッキング動作例について
図15Aから
図15Bを参照して説明する。
図15Aから
図15Bは、第2搬送モードでのピッキング動作を示す説明図である。
【0091】
ここで、第3搬送モードは、例えば、
図15Aから
図15Bに示す物品100Bのように、搬入コンテナ200に載置された物品100Bの幅が、把持部13A、13Bを最大まで開いた長さよりも長い物品100Bに対して行われる。
【0092】
まず、
図15Aに示すように、制御装置57は、撮像部55(
図1参照)が撮影した情報や、情報記憶装置58(
図1参照)に格納した物品100Bに関する情報に基づいて、搬送ロボット51(
図1参照)を制御する。そして、制御装置57は、搬送ロボット51を制御して、搬送する物品100Bの上方までロボットハンド1を移動させる。ここで、ロボットハンド1を移動させる位置は、伸縮機構14を伸長した際に、吸着ユニット16で物品100Bを吸着できる位置である。
【0093】
制御装置57は、把持部13A、13Bの間隔が吸着ユニット16の幅よりも大きくなるように、把持駆動部11を駆動する。これにより、伸縮機構14を伸長する際に吸着ユニット16が把持部13A、13Bに接触することを防ぐことができる。
【0094】
次に、制御装置57は、伸縮機構14を制御し、伸縮機構14を物品100Bに向けて伸長させる。これにより、吸着ユニット16を物品100Bに近づけることができる。また、
図15Aに示すように、予め把持部13A、13Bを開いているため、伸縮機構14を伸長した際に、吸着ユニット16が把持部13A、13Bに接触することを防ぐことができる。そして、吸着ユニット16が物品100Bに接触すると、制御装置57は、空圧制御ユニット59を制御し、吸着ユニット16の2つの吸着パッド162A、162Bで物品100Bを吸着する。
【0095】
次に、
図15Bに示すように、制御装置57は、伸縮機構14を収縮させずに、搬送ロボット51を制御してロボットハンド1を上方に移動させ、物品100Bを搬入コンテナ200から持ち上げる。ここで、伸縮機構14を収縮させた場合、物品100Bが把持部13A、13Bに干渉するおそれある。そのため、伸縮機構14を収縮させずに、物品100Bを持ち上げることで、物品100Bと把持部13A、13Bの干渉を防ぐことできる。さらに、伸縮機構14の動作時間を短縮することができ、ピッキング作業の時間短縮が可能となる。
【0096】
このように、制御装置57によって搬送ロボット51およびロボットハンド1を制御することにより、搬入コンテナ200の中に収納する物品100Bを吸着ユニット16の2つの吸着パッド162A、162Bのみで搬送することができる。本例のように物品100Bの上面を吸着することにより、把持部13A、13Bで把持できる最大幅より大きな物品100Bを把持できるようになる。
【0097】
このとき、2つの吸着パッド162A、162Bの吸着していることで、物品100Bの搬送時の揺れに対して強固に保持することができる。例えば、
図15Bにおける左右方向への揺れを、1つの吸着パッドで吸着する場合よりも大幅に抑えることができる。また2個の吸着パッド162A、162Bで吸着することで、吸着力が1つの場合の2倍に増加し、
図15Bの紙面奥方向の揺れに対しても強くすることができる。従って、1つの吸着パッドで搬送するよりも、安定して搬送することが可能である。また、搬送ロボット51の動作制御において、吸着パッド162A、162Bが並ぶ方向に加速するように軌道を計画すれば、より安定的に搬送することも可能である。
【0098】
2-3.第2搬送モード
次に、第3搬送モードでのピッキング動作例について
図16を参照して説明する。
図16は、第3搬送モードでのピッキング動作を示す説明図である。
【0099】
ここで、第3搬送モードは、例えば、
図16に示すように、パウチやペットボトルのように物品100Cの上面、すなわち吸着面の大きさが吸着ユニット16よりも小さい物品100Cに対して行われる。このような物品100Cに対しては、
図16に示すように、制御装置57は、把持駆動部11を駆動し、把持部13A、13Bを開閉し、指先部13A4、13B4によって物品100Cの側面を把持する。
【0100】
なお、吸着ユニット16を装着した状態でも、把持部13A、13Bの把持面が接触可能である。そのため、吸着ユニット16を吸着ユニット基部15から分離させずに、吸着ユニット16を装着した状態で、物品100Cを搬送することで、トータルの搬送時間を削減できる。
【0101】
また、他の搬送方法として、吸着パッド162A、162Bのうちいずれか一つを使用して、把持部13A、13Bを使用しない搬送方法も可能である。例えば、小さい厚紙のように薄い物品など、二つ吸着パッド162A、162Bでは吸着できず、かつ把持部13A、13Bで側面から支えることもできない物品に対して好適である。すなわち、物品が軽量であれば、一つの吸着パッドで吸着することで、把持部13A、13Bを使用せずとも、安定して搬送することができる。
【0102】
このように、本例のロボットハンド1によれば、物品のサイズや形状に応じて、複数の搬送モードを切り替えることで、様々なサイズや形状の物品を安定して搬送することができる。
【0103】
2-4.他の搬送モード
次に、
図17Aから
図19を参照して他の搬送モードについて説明する。
図17A及び
図17Bに示す物品100Dは、天面のサイズが吸着ユニット16の吸着パッド162A、162Bよりも小さく、かつ搬入コンテナ200内に並べて配置されている。この場合、把持部13A、13Bで把持することができない。この場合、
図17A及び
図17Bに示すように、小径の吸着パッド172Aを有する吸着ユニット17に交換する。これにより、吸着パッド172Aで物品100Dを吸着することで、並べて配置された複数の物品100Dから物品100Dを一つだけ引き上げることができる。そして、物品100Dを引き上げると、把持部13A、13Bにより把持し、搬送する。
【0104】
図18A及び
図18Bは、搬入コンテナ200の隅に配置されている物品100Eを搬送する例を示す図である。
図18Aに示す状態では、物品100Eを把持する際に把持部13A、13Bが搬入コンテナ200の壁と干渉するおそれある。そのため、まず、
図18Aに示すように、把持部13A、13Bの間から突出している第2吸着パッド162Bのみで物品100Eを吸着する。第2吸着パッド162Bであれば、壁と干渉せずに物品100Eにアプローチすることができる。
【0105】
ただし、第2吸着パッド162Bのみの吸着では、不安定なため、そのままロボットハンド1を搬入コンテナ200の壁からし、搬入コンテナ200の壁から移動させる。その後、第2吸着パッド162Bの吸着を解除し、
図18Bに示すように、2つの吸着パッド162A、162Bで物品100Eを再度吸着する。そして、把持部13A、13Bで物品100Eを把持し、搬送する。
【0106】
しかしながら、上述した物品100Eを引き出すステップを実施すると、ピッキングに要する時間が増加してしまう。そのため、極力短い時間でピッキングするためには、最初から第1吸着パッド162Aで吸着する方法が考えられる。
【0107】
図19は、ロボットハンド1を斜めにして、第1吸着パッド162Aで物品100Eを把持する様子を示す図である。
図19に示すように、第1吸着パッド162Aで物品100Eを把持するために、ロボットハンド1を真っすぐアプローチさせると、第1把持部13Aの把持歯車13A1が搬入コンテナ200の壁に干渉する。そこで、ロボットハンド1を少し傾けることで、干渉を回避することができる。しかしながら、ロボットハンド1を斜めにすると、第2吸着パッド162Bが下方に下がる。そのため、隅の物品100Eの隣に別の物品100Fがあった場合、物品100Fを破損させる懸念がある。
【0108】
そのため、空圧シリンダである伸縮機構14の駆動を切り、受動的にしておく方法が考えられる。伸縮機構14の駆動を切った状態で、
図19に示すように物品100Fに第2吸着パッド162Bが押し付けようとすると、伸縮機構14が受動的に収縮する。これにより、隣り合う物品100Fへのダメージを抑え、破損を防止することができる。また、第1吸着パッド162Aは、物品100Eに接しないので、真空エジェクタ591の真空圧検出部で吸着の失敗が検出される。そして、撮像部55により撮影をやり直すことで、物品100Fを検出できる。
【0109】
3.吸着ユニットホルダ
次に、吸着ユニット16、17を保管する吸着ユニットホルダについて
図20から
図24を参照して説明する。
図20は、吸着ユニットホルダを示す斜視図、
図21は、吸着ニットホルダに保管された吸着ユニット16を示す断面図である。
図22から
図24の吸着ユニット16、17の交換動作を示す図である。
【0110】
図20及び
図21に示すように、吸着ユニットホルダ3は、略平板状に形成されている。吸着ユニットホルダ3には、複数の保管部31A、31B、31Cを有している。保管部31A、31B、31Cは、それぞれ吸着ユニットホルダ3の一辺から中央部にかけて切り欠くことで形成されている。
【0111】
保管部31A、31B、31Cは、それぞれ同一の構成を有しているため、保管部31Aについて説明する。保管部31Aは、台座部33と、テーパ部32とを有している。台座部33は、保管部31Aの縁部に形成されている。そして、台座部33は、保管部31Aの縁部から開口の内側に向けて突出している。この台座部33には、吸着ユニット16の上部凸部165が載置される。これにより、保管部31Aに吸着ユニット16が保管される。
【0112】
また、台座部33の上面部には、テーパ部32が形成されている。テーパ部32は、台座部33から傾斜して形成されている。台座部33に対して位置ずれのある状態で吸着ユニット16を落とした場合でも、テーパ部32の傾斜に沿って吸着ユニット16が移動することで、保管部31Aの所定の位置に確実に吸着ユニット16を載置させることができる。
【0113】
吸着ユニット16を吸着ユニット基部15から分離させる場合、
図22Aに示すように、ロボットハンド1は、吸着ユニット16を保管部31A内に挿入させる。そして、
図22Bに示すように、着脱アクチュエータ157の駆動を解除して、吸着ユニット16を吸着ユニット基部15から外し、保管部31A内に落下させる。その後、ロボットハンド1は、上方へ移動する。これにより、吸着ユニット基部15から吸着ユニット16を脱着させることができる。
【0114】
また、Oリング155A、155Bの摩擦等により、着脱アクチュエータ157の駆動を解除しても吸着ユニット16が落ちない場合もある。このとき、吸着ユニット16の下部凸部166が、吸着ユニットホルダ3に引っかかることにより、吸着ユニット16を吸着ユニット基部15から外すことができる。
【0115】
また、
図23に示すように、吸着ユニット16の交換中は、ロボットハンド1は、伸縮機構14を最大まで伸ばし、把持部13A、13Bを最大まで開いている。そのため、把持部13A、13Bが吸着ユニットホルダ3と干渉することを防止できる。
【0116】
なお、吸着ユニット基部15に吸着ユニット16、17を装着する方法は、上述した工程の逆の手順で行われる。まず、
図24Aに示すように、ロボットハンド1は、装着する吸着ユニット(本例では、吸着ユニット17)が保管された保管部31Cの上方に移動させる。そして、吸着ユニット基部15を下げて、吸着ユニット17に吸着ユニット基部15を嵌合させる。このとき、このとき、伸縮機構4の駆動は解除し、外力に応じて受動的に可動させることが好ましい。そのため、吸着ユニット基部15を多少深く押し込みすぎてしまった場合でも、吸着ユニット基部15が倣って引っ込むため、過度な力がロボットハンド1や吸着ユニットホルダ3に係ることを防止でくる。これにより、ロボットハンド1や、吸着ユニットホルダ3が破損することを防ぐことができる。
【0117】
次に、着脱アクチュエータ157を駆動して、吸着ユニット17を吸着ユニット基部15に装着する。そして、ロボットハンド1を少し上に持ち上げ、
図22Bに示すように、ロボットハンド1を水平方向に動かして、保管部31Cから離脱させる。以上で、吸着ユニットの交換を完了する。
【0118】
なお、吸着ユニットホルダ3に保管部を3つ設けた例を説明したが、これに限定されるものではなく、2つ以下又は4つ以上の保管部を設けてもよい。そして、多くの種類の吸着ユニットを吸着ユニットホルダ3に保管することで、多様な物品に対応することができる。
【0119】
た、吸着ユニット17を装着するときに伸縮機構14の駆動を解除し、押し付ける例を説明したが、これに限定されるものではない。Oリング155A、155Bの反発力等により、着脱のために大きな押し付け力が必要な場合には、伸縮機構14を駆動したまま、大きな押し付け力をかけてもよい。あるいは、伸縮機構14を小さな圧力で駆動し、ロボットハンド1や吸着ユニットホルダ3を破壊しないように、中程度の押し付け力をかけてもよい。あるいは、ロボットハンド1と、搬送ロボット51との間に力センサを取り付け、押し付け力を制御してもよい。
【0120】
このように、本例では、物品の形状や大きさ等に応じて、ロボットハンド1の搬送モードを第1搬送モード、第2搬送モード、第3搬送モードに切り替えることで、様々な物品を確実に把持することができる。
【0121】
なお、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0122】
また、ロボットハンド1を制御する制御装置として、ピッキングシステム50全体を制御する制御装置57を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ロボットハンド1を制御する専用の制御装置や情報記憶装置を設けてもよい。
【0123】
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
【符号の説明】
【0124】
1…ロボットハンド、 3…吸着ユニットホルダ、 6…空圧源、 10…基部、 11…把持駆動部、 12…把持駆動部歯車、 13A、13B…把持部、 13A1、13B1…把持歯車、 13A2、13A3、13B2、13B1…リンク部、 13A4、13B4…指先部、 13A5、13B5…回転軸、 14…伸縮機構、 14a…スライド部材、 15…吸着ユニット基部、 16、17…吸着ユニット、 31A、31B、31C…保管部、 32…テーパ部、 33…台座部、 50…ピッキングシステム、 51…搬送ロボット、 52…搬入コンベア、 53…移動機構、 54…搬出コンベア、 55…撮像部、 56…搬出コンテナ、 57…制御装置、 58…情報記憶装置、 59…空圧制御ユニット、 100、100A、100B、100C、100D、100E、100F…物品、 101…歯車カバー、 151…本体部、 152A…第1吸着パッド継手、 152B…第2吸着パッド継手、 153…着脱アクチュエータ用継手、 154A…第1接続部、 154B…第2接続部、 155A、155B…Oリング、 156A、156B…位置決めピン、 157…着脱アクチュエータ、 158A、158B…スペーサ、 159A、159B…通路、 161、171…ユニット本体部、 162A、172A…第1吸着パッド、 162B、172B…第2吸着パッド、 163A…第1接続穴、 163B…第2接続穴、 164…着脱アクチュエータ接続部、 165…上部凸部、 165A…位置決め穴、 165B…位置決め穴、 166…下部凸部、 167…着脱アクチュエータ接続部、 169A…第1連通路、 169B…第2連通路、 200…搬入コンテナ、 591…真空エジェクタ、 592A、592B…吸着パッド用バルブ、 593…着脱アクチュエータ用バルブ、 594…伸縮機構用バルブ