(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171641
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像装置の制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/667 20230101AFI20241205BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20241205BHJP
H04N 23/65 20230101ALI20241205BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20241205BHJP
【FI】
H04N23/667
H04N23/60 500
H04N23/65
G03B17/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088764
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】保科 貴之
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 大士
【テーマコード(参考)】
2H102
5C122
【Fターム(参考)】
2H102AA41
2H102BB41
2H102BB44
5C122EA42
5C122FA08
5C122FH11
5C122FH14
5C122FJ11
5C122FK08
5C122FL06
5C122GA01
5C122GA23
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】撮影者が撮影操作とは別の操作(例えば画像を再生する再生画面の操作等)をしているときにも、所望の撮影機会の損失を低減することができる撮像装置、撮像装置の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】撮像装置100は、画像を撮影する撮像部109と、画像中の被写体の変化を検出可能な制御部101とを備え、撮像部109で撮像されたライブビュー画像を表示手段に表示させる第1動作モードと、ライブビュー画像を表示手段に表示させない第2動作モードとを取り得る。制御部101は、第1動作モードでは、撮像部109に対する第1撮影指示を検出してから第2撮影指示を検出するまでの間、画像の静止画データを所定の間隔で生成し、第2撮影指示を検出したときに静止画データを記録する制御を行い、第2動作モードでは、被写体の変化の検出結果に基づいて、静止画データを所定の間隔で生成する制御を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを出力する撮像手段と、
前記画像データに基づいて被写体の変化を検出して、その検出結果を出力する検出手段と、
前記撮像手段、前記検出手段を制御する制御手段と、を備え、
前記撮像手段から順次出力された画像データをライブビュー画像として表示手段に表示させる第1動作モードと、前記ライブビュー画像を前記表示手段に表示させない第2動作モードとを取り得、
前記制御手段は、
前記第1動作モードでは、撮影準備を指示する第1指示を検出してから撮影画像の記録を指示する第2指示を検出するまでの間、前記撮像手段から出力された画像データを保持し、前記第2指示を検出したときに当該第2指示に応じて前記撮像手段から出力された画像データと、前記保持された画像データとを記録媒体に記録する制御を行い、
前記第2動作モードでは、前記検出結果に基づいて、前記撮像手段から出力された画像データを保持する制御を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記被写体は、移動するものであり、
前記検出手段は、前記被写体の移動量が第1閾値以上となった場合に、前記被写体の変化を第1変化として検出し、前記被写体の移動量が、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上となった場合に、前記被写体の変化を第2変化として検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記被写体は、移動するものであり、
前記検出手段は、前記被写体が前記画像データ中の第1領域を超えて移動した場合に、前記被写体の変化を第1変化として検出し、前記被写体が、前記第1領域と異なる第2領域を超えて移動した場合に、前記被写体の変化を第2変化として検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記被写体は、移動するものであり、
前記検出手段は、前記被写体として、所定の被写体を検出した場合に、前記被写体の変化を第1変化として検出し、前記所定の被写体の移動量が閾値以上となった場合に、前記被写体の変化を第2変化として検出する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記所定の被写体を認識させる認識手段を備え、
前記検出手段は、前記認識手段での認識結果に基づいて、前記所定の被写体を検出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記認識手段は、前記所定の被写体を変更可能であることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記検出手段は、前記被写体の変化として、第1変化と、該第1変化よりも前記被写体の変化が変化した第2変化とを検出可能であり、
前記制御手段は、前記検出手段が前記第1変化を検出した後に前記第2変化を検出した場合には、前記第2動作モードでの制御が可能となることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
撮像条件が互いに異なる第1撮像状態と第2撮像状態とを取り得、
前記第1撮像状態は、前記第2撮像状態よりも、画質、フレームレートおよび撮影枚数のうちの少なくとも1つの撮像条件が低減された状態であり、
前記撮像手段は、前記検出手段で前記被写体の変化が有ると検出された場合に、前記第2撮像状態となり、前記撮像装置に対する操作が所定時間行われていない場合に、前記第1撮像状態となることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記検出手段で前記被写体の変化が有ると検出された場合に、その旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記報知手段は、前記検出手段で前記被写体の変化が有ると検出された旨の報知に際して、光、音および振動のうちの少なくとも1つを発生可能に構成されていることを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記検出手段で前記被写体の変化が有ると検出された後、前記撮像装置に対する操作が所定時間行われていない場合に、前記撮像手段での撮像を停止することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記第2動作モードで前記撮像装置に対する操作が所定時間行われていない場合に、前記撮像手段での撮像を停止することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記撮像手段で撮像された画像データを記録する記録手段を備え、
前記記録手段は、前記第1動作モードでの前記画像データを記録する第1記録部と、前記第2動作モードでの前記画像データを記録する第2記録部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項14】
押圧によって操作される操作手段を備え、
前記操作手段は、2段階に押圧可能に構成され、1段階目の押圧により前記第1指示を出力し、2段階目の押圧により前記第2指示を出力することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記撮像手段から出力された画像データを表示する表示手段を備え、
前記表示手段は、前記第1動作モードで前記ライブビュー画像を表示する第1表示状態と、前記第2動作モードで前記ライブビュー画像を表示しない第2表示状態とを取り得ることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項16】
画像データを出力する撮像手段を備える撮像装置の制御方法であって、
前記撮像手段から順次出力された画像データをライブビュー画像として表示手段に表示させる第1動作モードでは、撮影準備を指示する第1指示を検出してから撮影画像の記録を指示する第2指示を検出するまでの間、前記撮像手段から出力された画像データを保持し、前記第2指示を検出したときに当該第2指示に応じて前記撮像手段から出力された画像データと、前記保持された画像データとを記録媒体に記録する制御を行い、前記ライブビュー画像を前記表示手段に表示させない第2動作モードでは、前記画像データに基づいて検出された被写体の変化に関する情報に応じて前記撮像手段から出力された画像データを保持する制御を行う制御工程と、を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項17】
請求項1乃至15のいずれか1項に記載の撮像装置の各手段をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像装置の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等の撮像機能を有する電子機器は、レリーズスイッチを有する。そして、撮影者がレリーズスイッチを押下して、電子機器に撮影指示をしてから、実際に撮影記録開始されるまでには、タイムラグが生じる。そのため、撮影者の所望のタイミングの画像を撮影することが困難となるおそれがある。そこで、特許文献1には、プリキャプチャ機能を搭載する電子カメラが開示されている。特許文献1に記載の電子カメラでは、レリーズスイッチは、2段階に押下可能な2段階式スイッチで構成されている。プリキャプチャ機能では、第1段レリーズスイッチが押下されている間、撮影が繰り返し実行されて、その繰り返し分の画像がバッファメモリに保存される。第1段レリーズスイッチ押下後に第2段レリーズスイッチが押下されることにより、当該第2段レリーズスイッチ押下時点で撮影された画像と、バッファメモリに保存された画像とが記録メディアに保存される。このようなプリキャプチャ機能により、撮影者が撮影指示をした瞬間から遡って撮影記録することができ、よって、撮影者の所望のタイミングの画像を容易に撮影することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電子カメラでは、表示モニタ上に撮影画像をスルー画表示するライブビュー撮影が可能である。撮影者は、ライブビュー撮影での被写体を視認した上で、プリキャプチャ撮影の指示を行うことができる。一方で、撮影者は、表示モニタ上で設定画面や再生画面を操作しているときには、表示モニタで被写体を視認することができず、適切なタイミングで撮影指示を行うことができない。そのため、撮影者は、設定画面や再生画面の操作中に生じた撮影画角の変化を認識することができず、結果、所望のタイミングでのプリキャプチャ撮影の指示の機会を逸してしまうという課題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明は、撮影者が撮影操作とは別の操作(例えば画像を再生する再生画面の操作等)をしているときにも、所望の撮影機会の損失を低減することができる撮像装置、撮像装置の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、画像データを出力する撮像手段と、前記画像データに基づいて被写体の変化を検出して、その検出結果を出力する検出手段と、前記撮像手段、前記検出手段を制御する制御手段と、を備え、前記撮像手段から順次出力された画像データをライブビュー画像として表示手段に表示させる第1動作モードと、前記ライブビュー画像を前記表示手段に表示させない第2動作モードとを取り得、前記制御手段は、前記第1動作モードでは、撮影準備を指示する第1指示を検出してから撮影画像の記録を指示する第2指示を検出するまでの間、前記撮像手段から出力された画像データを保持し、前記第2指示を検出したときに当該第2指示に応じて前記撮像手段から出力された画像データと、前記保持された画像データとを記録媒体に記録する制御を行い、前記第2動作モードでは、前記検出結果に基づいて、前記撮像手段から出力された画像データを保持する制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮影者が撮影操作とは別の操作(例えば画像を再生する再生画面の操作等)をしているときにも、所望の撮影機会の損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る撮像装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す撮像装置で実行される処理を示すフローチャートである。
【
図3】
図2に示すフローチャートのステップS213(サブルーチン)での処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図1に示す撮像装置において、画像中の被写体の状態を検出するときのイメージ図である。
【
図5】第2実施形態に係る撮像装置での非ライブビュー状態制御を示すフローチャートである。
【
図6】第2実施形態に係る撮像装置において、画像中の被写体の状態を検出するときのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、以下の各実施形態に記載されている構成はあくまで例示に過ぎず、本発明の範囲は各実施形態に記載されている構成によって限定されることはない。例えば、本発明を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせることもできる。
【0010】
<第1実施形態>
以下、
図1~
図4を参照して、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る撮像装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示す撮像装置100は、例えばデジタルカメラであり、後述する第1動作モードと第2動作モードとを取り得る。この撮像装置100は、制御部101、電源制御部102、電源部103、操作部104、記録部105、メモリ部108、撮像部109、表示部110、通知部111を有する。また、撮像装置100を構成するこれらのエレメントは、互いに通信可能に接続されている。また、記録部105は、システムメモリ部(第1記録部)106、外部記録部(第2記録部)107を有する。
【0011】
制御部101は、少なくとも1つのプロセッサによって構成されるコンピュータであり、撮像装置100全体、すなわち、電源制御部102~通知部111を制御する(制御工程)。制御部101は、撮像装置100を制御するためのプログラムをメモリ部108から読み出して、当該プログラムの一部をシステムメモリ部106に展開する。これにより、制御部101は、撮像装置100全体を制御することができる。電源制御部102は、例えば、電池検出回路、保護回路、電力検出回路、DCDCコンバータ、LDOレギュレータ等で構成されている。電源制御部102は、電源部103から供給された電圧を所望の電圧に変換して、前記各エレメントに供給する。また、電源制御部102は、電源部103が電池である場合には、当該電池の装着の有無や電池種類を判別する判別機能を有する。また、電源制御部102は、過電流検出等の異常状態を検出した場合には、電源部103を遮断することにより、電源制御部102に接続された前記各エレメントを保護する保護機能を有する。電源制御部102は、前記各エレメントに供給される電力量を検出可能な電力量検出機能を有する。電源部103は、例えば、NiCd電池、NiMH電池、Li電池等の二次電池、または、ACアダプタ等で構成される。電源部103は、電池残量を取得可能であり、当該電池残量を制御部101に通知することができる。
【0012】
操作部104は、制御部101に各種所定の動作指示を入力するための操作手段である。操作部104は、例えば、押圧によって操作されるスイッチやボタン、回転によって操作されるダイヤル、タッチパネル、音声認識装置等のうちの少なくとも1つを有する。本実施形態では、操作部104は、レリーズスイッチ(レリーズボタン)を有する。レリーズスイッチは、2段階に押圧可能に構成されている、すなわち、撮影準備を指示する第1レリーズスイッチと撮影画像の記録を指示する第2レリーズスイッチとの2段階式スイッチで構成されている。そして、レリーズスイッチは、1段階目の押圧操作によって、第1レリーズスイッチがON状態となる。これにより、所定の第1撮影指示(第1操作指示)が制御部101に対して出力される。本実施形態では、制御部101は、第1撮影指示を検出した場合には、第1撮影指示の検出の間、時間的に連続するプリキャプチャ画像を撮像部109に撮影させることができる。また、レリーズスイッチは、2段階目の押圧操作によって、第2レリーズスイッチがON状態となる。これにより、第1撮影指示と異なる所定の第2撮影指示が制御部101に対して出力される。本実施形態では、制御部101は、プリキャプチャ画像の撮影中に、第1撮影指示に続いて第2撮影指示を検出した場合には、第2レリーズスイッチがON状態となった時点での本撮影画像を撮像部109に撮影させることができる。また、この撮影とともに、制御部101は、本撮影画像とプリキャプチャ画像とを記録部105に記録させることができる。前述したように、撮像装置100は、第1動作モードと第2動作モードとを取り得る。そして、制御部101は、第1動作モードでは、撮像部109に対する第1撮影指示を検出してから第2撮影指示を検出するまでの間、プリキャプチャ画像の静止画データを所定の間隔で生成する制御を行う。その後制御部101は、第2撮影指示を検出したときにプリキャプチャ画像(静止画データ)を記録部105に記録する制御を行う。また、制御部101は、第2動作モードでは、後述する主被写体の状態情報(検出結果)に基づいて、プリキャプチャ画像の静止画データを所定の間隔で生成する制御を行う。
【0013】
記録部105は、撮像部109で撮像された画像を記録することができる。記録部105は、システムメモリ部106および外部記録部107を有する。システムメモリ部106は、例えばRAM等で構成され、メモリ部108から読み出したプログラムや制御部101の動作用の定数、変数等が展開される。また、システムメモリ部106は、第1動作モードでのプリキャプチャ画像を一時的に記録することができる。そして、システムメモリ部106は、例えばメモリフルになった、すなわち、空き容量が不十分になった場合には、当該システムメモリ部106に記録されたプリキャプチャ画像のうち、最も古いプリキャプチャ画像を削除する。このプリキャプチャ画像が削除された分、システムメモリ部106には、新たなプリキャプチャ画像を順次記録可能なバッファメモリ領域が形成される。外部記録部107は、例えば半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体で構成され、第2動作モードでの本撮影画像とプリキャプチャ画像とを記録することができる。メモリ部108は、電気的に消去・記憶可能な不揮発性メモリが含まれ、ROM等で構成される。メモリ部108は、制御部101の動作用の定数、プログラム等が記憶される。なお、プログラムとしては、特に限定されず、例えば、撮像装置100の各部や各手段(撮像装置の制御方法)を制御部101に実行させるためのプログラム等が含まれる。
【0014】
撮像部109は、例えばCMOSやCCD等の撮像素子等を有し、制御部101の指示に基づいて、画像データを出力することができる。撮像部109で撮像された画像データは、制御部101に送信される。また、撮像部109は、プリキャプチャ撮影時の撮像条件(プリキャプチャ撮影パラメータ)が互いに異なる第1撮像状態と第2撮像状態とを取り得る。第1撮像状態は、第2撮像状態よりも、プリキャプチャ画像の撮影における録画画質、プリキャプチャ画像の撮影におけるフレームレート、プリキャプチャ画像の撮影枚数のうちの少なくとも1つの撮像条件が低減された状態である。これにより、第1撮像状態は、第2撮像状態よりもプリキャプチャ撮影時の消費電力を低減させることができる。例えば記録画質を低減させた場合には、1フレーム当たり、撮像部109から読み出される画像サイズを低減させることができる。これにより、画像データを取得する撮像部109の消費電力と、撮像部109で取得された画像データに対して処理を行う制御部101の消費電力と、本撮影後に画像データを記録する外部記録部107の消費電力とをそれぞれ低減させることができる。また、フレームレートを低減させた場合には、単位時間当たりの撮影枚数を低減させることができる。これにより、上述と同様に、撮像部109、制御部101、外部記録部107の消費電力を低減させることできる。また、プリキャプチャ撮影枚数を低減させた場合には、システムメモリ部106に保持されるプリキャプチャ撮影の撮影枚数を低減させることができる。これにより、外部記録部107での記録時の消費電力を低減させることができる。
【0015】
表示部110は、例えばEVF、LCD、LED等の組み合わせにより構成され、文字、画像等の各種の情報を表示することができる。また、第1動作モードでは、表示部110は、撮像部109で撮像されたライブビュー画像を表示するライブビュー状態(第1表示状態)となる。また、第2動作モードでは、表示部110は、ライブビュー画像の表示が規制される、すなわち、ライブビュー画像を表示しない非ライブビュー状態(第2表示状態)となる。なお、表示部110は、撮像装置100から省略されていてもよい。この場合、表示部110は、撮像装置100とは別の装置(ディスプレイ)として構成される。そして、表示部110と撮像装置100とは、互いに通信可能に接続される。通知部111は、例えば、光を発生させるLED等の発光部、音を発生させるスピーカ等の発音部、振動を発生させるピエゾ素子等の振動部のうちの少なくとも1つを有する。そして、通知部111は、光、音および振動のうちの少なくとも1つを発生させることにより、撮像装置100を使用する撮影者に対して、例えば注意喚起等を通知する、すなわち、報知することができる。
【0016】
図2は、撮像装置で実行される処理を示すフローチャートである。2に示すフローチャートにおける各処理は、撮像装置100の制御部101が、メモリ部108に格納されたプログラムをシステムメモリ部106に展開して実行し、各機能ブロックを制御することにより実現される。
図2に示すように、ステップS201では、制御部101は、撮像部109を第1撮像状態とする。これにより、撮像部109は、第1撮像状態でのプリキャプチャ撮影が可能となる。
【0017】
ステップS202では、制御部101は、プリキャプチャ撮影モードに設定されているか否かの判断を行う。ステップS202での判断の結果、プリキャプチャ撮影モードに設定されていると判断された場合には、処理はステップS203に進む。一方、ステップS202での判断の結果、プリキャプチャ撮影モードに設定されていないと判断された場合には、処理は終了する。
【0018】
ステップS203では、制御部101は、表示部110の表示状態がライブビュー状態か否か、すなわち、ライブビュー状態か、または、非ライブビュー状態かの判断を行う。ステップS203での判断の結果、ライブビュー状態であると判断された場合には、処理はステップS204に進む。一方、ステップS203での判断の結果、ライブビュー状態ではない、すなわち、非ライブビュー状態であると判断された場合には、処理はステップS213に進む。
【0019】
ステップS204では、制御部101は、後述の通知フラグをLレベルに変更して、さらに後述の無操作時間および通知時間のカウント値をカウントクリアする。
【0020】
ステップS205では、制御部101は、操作部104の第1レリーズスイッチが押下されているか否かの判断を行う。ステップS213での判断の結果、第1レリーズスイッチが押下されていると判断された場合には、処理はステップS206に進む。一方、ステップS213での判断の結果、第1レリーズスイッチが押下されていないと判断された場合には、処理はステップS212に進む。
【0021】
ステップS206では、制御部101は、操作部104の第2レリーズスイッチが押下されているか否かの判断を行う。ステップS206での判断の結果、第2レリーズスイッチが押下されていると判断された場合には、処理はステップS207に進む。一方、ステップS206での判断の結果、第2レリーズスイッチが押下されていないと判断された場合には、処理はステップS210に進む。
【0022】
ステップS207では、制御部101は、撮像部109による本撮影を行う。「本撮影」とは、プリキャプチャ撮影とは異なり、通常の単写撮影のことであり、一コマ分の画像を撮影することを言う。
【0023】
ステップS208では、制御部101は、システムメモリ部106にプリキャプチャ画像が記録されている場合には、プリキャプチャ撮影画像とステップS207で取得した本撮影画像とを外部記録部107に保存する。
【0024】
ステップS209では、制御部101は、システムメモリ部106に記録されているプリキャプチャ画像を全て消去する。
【0025】
ステップS206実行後のステップS210では、制御部101は、撮像部109を第2撮像状態とする。これにより、撮像部109は、第2撮像状態でのプリキャプチャ撮影が可能となる。
【0026】
ステップS211では、制御部101は、撮像部109によるプリキャプチャ画像の撮影を行う。プリキャプチャ画像の撮影では、操作部104の第1レリーズスイッチの押下を検出している間、連続的に撮像動作が行われて、所定のプリキャプチャ撮影枚数分の撮影画像がプリキャプチャ画像としてシステムメモリ部106に一時的に記録される。システムメモリ部106は、プリキャプチャ撮影枚数上限に達した場合には、当該システムメモリ部106に記録されたプリキャプチャ画像のうち、最も古いプリキャプチャ画像を削除する。これにより、新たなプリキャプチャ画像をシステムメモリ部106に記録することができる。なお、プリキャプチャ撮影枚数上限に達した場合としては、特に限定されず、例えば、システムメモリ部106がメモリフルになる場合が挙げられる。その他、システムメモリ部106に予め設定されている枚数にプリキャプチャ撮影枚数が達した場合、撮影者によって適宜設定可能な枚数にプリキャプチャ撮影枚数が達した場合等が挙げられる。そして、ステップS211実行後、処理はステップS205に戻り、それ以降のステップを順次実行する。
【0027】
ステップS205実行後のステップS212では、制御部101は、システムメモリ部106に記録されているプリキャプチャ画像を全て削除する。ステップS212実行後、処理はステップS202に戻り、それ以降のステップを順次実行する。
【0028】
ステップS213では、制御部101は、非ライブビュー状態制御を実行する。ステップS213での処理(非ライブビュー状態制御)については、
図3を参照して説明する。
【0029】
図3は、
図2に示すフローチャートのステップS213(サブルーチン)での処理を示すフローチャートである。
図3に示すように、ステップS301では、制御部101は、撮影者によって操作部104が操作された否かの判断を行う。ステップS301での判断の結果、操作部104が操作されたと判断された場合には、処理はステップS302に進む。一方、ステップS301での判断の結果、操作部104が操作されたと判断されてない場合には、処理はステップS303に進む。
【0030】
ステップS302では、制御部101は、無操作時間のカウント値をカウントクリアする。「無操作時間」とは、撮影者による操作部104の操作が無い期間のことである。ステップS302実行後、処理はステップS304に進む。
【0031】
ステップS303では、制御部101は、無操作時間のカウント値をカウントアップする。ステップS303実行後、処理はステップS304に進む。
【0032】
ステップS304では、制御部101は、撮像部109で取得された画像に基づいて、当該画像中の主被写体の状態(変化)を検出して、その状態に関する状態情報を取得する(出力する)。このように本実施形態では、制御部101は、主被写体の状態情報を検出する検出手段としての機能を有する。なお、撮像装置100では、制御部101とは別に、検出手段としての機能する部分が設けられていてもよい。主被写体の状態情報については後述する。
【0033】
ステップS305では、制御部101は、ステップS304で取得した主被写体の状態情報に基づいて、後述の第1の画角内変化があったか否か、すなわち、第1の画角内変化の有無の判断を行う。ステップS305での判断の結果、第1の画角内変化有りと判断された場合には、処理はステップS306に進む。一方、ステップS305での判断の結果、第1の画角内変化無と判断された場合には、処理はステップS308に進む。
【0034】
ステップS306では、制御部101は、通知部111によって、第1の画角内変化を検出したことを通知する。前述したように、通知部111は、光、音および振動のうちの少なくとも1つを発生させることができる。ステップS306での通知は、通知部111で発せられる光、音および振動のうちの少なくとも1つによって行われる。この通知は、表示部110が非ライブビュー状態となっていて、例えば設定画面や再生画面等のライブビュー画面以外の表示を撮影者が視認している場合に、撮影者に対して、表示部110をライブビュー状態に戻すことを促すことができる。そして、表示部110をライブビュー状態に戻すことにより、所望のタイミングでの撮影機会の損失を低減することができる。また、ステップS306では、制御部101は、通知フラグをHレベルに変更する。「通知フラグ」とは、後述の通り撮影者に通知後、制御部101がプリキャプチャ画像の撮影制御を変更するための判断フラグである。
【0035】
ステップS307では、制御部101は、ステップS304で取得した主被写体の状態情報に基づいて、後述の第2の画角内変化があったか否か、すなわち、第2の画角内変化の有無の判断を行う。ステップS307での判断の結果、第2の画角内変化有りと判断された場合には、処理はステップS207(
図2参照)に進む。このようにステップS305で第1の画角内変化の検出後、ステップS306を経て、ステップS307で第2の画角内変化を検出した場合には、ステップS207での本撮影画像の撮影が可能となる。これにより、ステップS208(
図2参照)で本撮影画像が保存される。一方、ステップS307での判断の結果、第2の画角内変化無しと判断された場合には、処理はステップS308に進む。
【0036】
ここで、主被写体の状態情報について、
図4を参照して説明する。
図4は、
図1に示す撮像装置において、画像中の被写体の状態を検出するときのイメージ図である。本実施形態では、主被写体(
図4中では航空機)は、移動するものである。そして、主被写体の状態として、第1の画角内変化有りとなる第1状態(第1変化)と、第1状態よりも主被写体の状態が変化して、第2の画角内変化有りとなる第2状態(第2変化)とが検出される。また、主被写体の状態情報として、主被写体の移動量が演算される。主被写体の移動量は、主被写体の動きベクトルαの大きさ(以下「ベクトル値|α|」と言う)である。
図4(A)は、時刻t0に撮像部109で取得されたフレームの画像と、時刻t1に撮像部109で取得されたフレームの画像とを重ねて、動きベクトル値|α|が第1閾値TH1以上のときのイメージ図である。本実施形態では、制御部101は、第1閾値TH1以上の動きベクトル値|α|を検出した場合に、被写体の状態(変化)を第1状態(第1変化)として検出する、すなわち、第1の画角内変化有り(ステップS305;Yes)と判断する。
図4(B)は、時刻t1に撮像部109で取得されたフレームの画像と、時刻t2に撮像部109で取得されたフレームの画像とを重ねて、動きベクトル値|α|が第2閾値TH2以上のときのイメージ図である。第2閾値TH2は、第1閾値TH1よりも大きい。制御部101は、第2閾値TH2以上の動きベクトル値|α|を検出した場合に、被写体の状態を第2状態(第2変化)として検出する、すなわち、第2の画角内変化有り(ステップS307;Yes)と判断する。このように本実施形態では、第1閾値TH1および第2閾値TH2に基づいて、主被写体の状態情報を迅速かつ正確に取得することができる。なお、主被写体の状態情報は、本実施形態では第1閾値TH1および第2閾値TH2に基づいた情報であるが、これに限定されない。また、第1閾値TH1および第2閾値TH2は、それぞれ、例えばメモリ部108に予め記憶されている。また、第1閾値TH1および第2閾値TH2は、それぞれ、適宜変更可能であってもよい。
【0037】
ステップS308では、制御部101は、通知フラグがHレベルか否かを判断する。ステップS308での判断の結果、通知フラグがHレベルであると判断された場合には、処理はステップS309に進む。一方、通知フラグがHレベルではない、すなわち、Lレベルであると判断された場合には、処理はステップS312に進む。
【0038】
ステップS309では、制御部101は、通知時間のカウント値をカウントアップする。「通知時間」とは、ステップS306で通知を行った時点からの経過時間のことである。
【0039】
ステップS310では、制御部101は、ステップS309でカウントアップされた通知時間のカウント値が第1の時間以上か否かの判断を行う。「第1の時間」とは、通知時間のカウント値に応じて、制御部101が撮像装置100の制御を変更するための時間閾値である。第1の時間としては、例えば20秒等とすることができる。ステップS306での通知後は、第2撮影状態でのプリキャプチャ画像の撮影を継続する。一方で、第1の時間になっても撮影者による撮影操作が無い場合には、第1撮像状態に変更する。「第1の時間になっても撮影者による撮影操作が無い」状態とは、撮影者による撮影意図が低いと判断することができる状態とすることができるため、第1撮像状態への変更が可能となる。そして、第1撮像状態に変更により、前述したようにプリキャプチャ画像の撮影時の消費電力を低減させることができる。なお、第1の時間になっても撮影者による撮影操作が無い場合には、本実施形態では第1撮像状態に変更するが、これに限定されず、例えば、プリキャプチャ画像の撮影を停止してもよい。プリキャプチャ画像の撮影の停止も、第1撮像状態への変更と同様に、撮影者による撮影意図が低いと判断することができるため可能である。そして、ステップS310での判断の結果、通知時間のカウント値が第1の時間以上であると判断された場合には、処理はステップS311に進む。一方、ステップS310での判断の結果、通知時間のカウント値が第1の時間以上ではない、すなわち、通知時間のカウント値が第1の時間未満であると判断された場合には、処理はステップS313に進む。
【0040】
ステップS311では、制御部101は、通知フラグをLレベルに変更するとともに、通知時間のカウント値をカウントクリアする。
【0041】
ステップS312では、制御部101は、撮像部109を第1撮像状態とする(変更する)。これにより、撮像部109は、第1撮像状態でのプリキャプチャ撮影が可能となる。ステップS312実行後、処理はステップS314に進む。
【0042】
ステップS313では、制御部101は、撮像部109を第2撮像状態とする(変更する)。これにより、撮像部109は、第2撮像状態でのプリキャプチャ撮影が可能となる。ステップS313実行後、処理はステップS314に進む。
【0043】
ステップS314では、制御部101は、ステップS312またはステップS313で変更された撮影状態で、プリキャプチャ画像の撮影を行う。
【0044】
ステップS315では、制御部101は、無操作時間のカウント値が第2の時間以上か否かの判断を行う。「第2の時間」とは、無操作時間のカウント値に応じて、制御部101が撮像装置100の制御を変更するための時間閾値である。第2の時間としては、例えば60秒等とすることができる。第2の時間になっても撮影者による操作が無い場合には、処理を終了する。処理の終了は、撮影者が撮像装置100を操作していないと判断することができるため可能である。処理を終了により、撮像装置100での消費電力を低減することができる。そして、ステップS315での判断の結果、無操作時間のカウント値が第2の時間以上であると判断された場合には、処理は終了する。一方、ステップS315での判断の結果、無操作時間のカウント値が第2の時間以上ではない、すなわち、無操作時間のカウント値が第2の時間未満であると判断された場合には、処理はステップS202(
図2参照)に戻り、それ以降のステップを順次実行する。
【0045】
以上のように撮像装置100は、ライブビュー状態では、制御部101での第1撮影指示の検出により、プリキャプチャ画像の撮影が開始される。一方、非ライブビュー状態では、被写体の状態情報に基づいて、被写体の状態に変化有りと判断された場合には、プリキャプチャ画像の撮影が開始される。このように撮像装置100では、ライブビュー状態および非ライブビュー状態のいずれの状態でも、プリキャプチャ画像の撮影が可能となる。これにより、撮影者が、非ライブビュー状態の表示部110上で撮影操作とは別の操作(例えば画像を再生する再生画面の操作等)をしているときにも、所望の撮影機会の損失を低減することができる。例えば撮影者が、被写体としての飛行中の航空機を撮影する際に、非ライブビュー状態の表示部110上で再生画面の操作をしていたとする。このままでは、飛行中の航空機を所望のタイミングで撮影するのは困難である。そこで、撮像装置100では、飛行中の航空機が移動して、航空機の状態に変化が有ったならば、当該変化の検出時にプリキャプチャ画像の撮影が開始される。これにより、飛行中の航空機を撮り損ねるのを低減することができ、その結果、飛行中の航空機を所望のタイミングで撮影することができる。
【0046】
<第2実施形態>
以下、主に
図5、
図6を参照して、第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。本実施形態は、非ライブビュー状態制御、すなわち、
図2に示すステップS213での処理が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図5は、第2実施形態に係る撮像装置での非ライブビュー状態制御を示すフローチャートである。
図5に示すように、ステップS501では、制御部101は、撮影者によって操作部104が操作された否かの判断を行う。ステップS501での判断の結果、操作部104が操作されたと判断された場合には、処理はステップS502に進む。一方、ステップS501での判断の結果、操作部104が操作されたと判断されてない場合には、処理はステップS503に進む。
【0047】
ステップS502では、制御部101は、無操作時間のカウント値をカウントクリアする。ステップS502実行後、処理はステップS504に進む。
【0048】
ステップS503では、制御部101は、無操作時間のカウント値をカウントアップする。ステップS503実行後、処理はステップS504に進む。
【0049】
ステップS504では、制御部101は、撮像部109で取得された画像に基づいて、当該画像中の主被写体の状態情報を取得する。
【0050】
ここで、本実施形態での主被写体の状態情報について、
図6を参照して説明する。
図6は、第2実施形態に係る撮像装置において、画像中の被写体の状態を検出するときのイメージ図である。
図6(A)は、撮像部109で取得された画像において、第1領域AR1と第2領域AR2とを重ねた図である。第1領域AR1と第2領域AR2とは、互いに位置や大きさが異なる領域である。本実施形態では、第1領域AR1と第2領域AR2とは、形状が同じ矩形であるが、第2領域AR2が第1領域AR1よりも大きさが小さく、かつ、第1領域AR1の内側に位置している。また、第1領域AR1と第2領域AR2とは、画像の中央部を中心として同心的に配置されている。
図6(B)は、主被写体が第1領域(第1境界線)AR1を超えて移動しているイメージ図である。本実施形態では、制御部101は、主被写体が第1領域AR1を超えて移動した場合に、主被写体の状態を第1状態(第1変化)として検出する、すなわち、第1の画角内変化有り(ステップS506;Yes)と判断する。
図6(C)は、主被写体が第2領域(第2境界線)AR2を超えて、第1領域AR1よりも画像の中央部に移動しているイメージ図である。本実施形態では、制御部101は、主被写体が第2領域AR2を超えて移動した場合に、主被写体の状態を第2変化として検出する、すなわち、第2の画角内変化有り(ステップS508;Yes)と判断する。このように本実施形態では、第1領域AR1および第2領域AR2に基づいて、主被写体の状態情報を迅速かつ正確に取得することができる。なお、主被写体の状態情報は、本実施形態では第1領域AR1および第2領域AR2に基づいた情報であるが、これに限定されない。また、第1領域AR1および第2領域AR2は、それぞれ、例えばメモリ部108に予め記憶されており、被写体の状態の検出時に画像に設定される。また、第1領域AR1および第2領域AR2は、それぞれ、位置、大きさ、形状等が適宜変更可能であってもよい。
【0051】
ステップS505では、制御部101は、通知フラグがLレベルか否かを判断する。ステップS505での判断の結果、通知フラグがLレベルであると判断された場合には、処理はステップS506に進む。一方、ステップS505での判断の結果、通知フラグがLレベルではない、すなわち、Hレベルであると判断された場合には、処理はステップS513に進む。
【0052】
ステップS506では、制御部101は、ステップS504で取得した主被写体の状態情報に基づいて、第1の画角内変化があったか、すなわち、第1の画角内変化の有無の判断を行う。ステップS506での判断の結果、第1の画角内変化有りと判断された場合には、処理はステップS507に進む。一方、ステップS506での判断の結果、第1の画角内変化無しと判断された場合には、処理はステップS517に進む。
【0053】
ステップS507では、制御部101は、通知部111によって、第1の画角内変化を検出したことを通知する。また、ステップS306では、制御部101は、通知フラグをHレベルに変更する。
【0054】
ステップS508では、制御部101は、ステップS504で取得した被写体の状態情報に基づいて、第2の画角内変化があった否か、すなわち、第2の画角内変化の有無の判断を行う。ステップS508での判断の結果、第2の画角内変化有りと判断された場合には、処理はステップS207(
図2参照)に進む。一方、ステップS508での判断の結果、第2の画角内変化無しと判断された場合には、処理はステップS509に進む。
【0055】
ステップS509では、制御部101は、通知時間のカウント値が第1の時間以上か否かの判断を行う。なお、第1の時間は、ステップS310(
図3参照)で説明したものと同じであるため、その説明については割愛する。そして、ステップS509での判断の結果、通知時間のカウント値が第1の時間以上であると判断された場合には、処理はステップS510に進む。一方、ステップS509での判断の結果、通知時間のカウント値が第1の時間以上ではない、すなわち、通知時間のカウント値が第1の時間未満であると判断された場合には、処理はステップS511に進む。
【0056】
ステップS510では、制御部101は、撮像部109を第1撮像状態とする。これにより、撮像部109は、第1撮像状態でのプリキャプチャ撮影が可能となる。ステップS510実行後、処理はステップS512に進む。
【0057】
ステップS511では、制御部101は、撮像部109を第2撮像状態とする。これにより、撮像部109は、第2撮像状態でのプリキャプチャ撮影が可能となる。ステップS511実行後、処理はステップS512に進む。
【0058】
ステップS512では、制御部101は、ステップS510またはステップS511で変更された撮影状態で、プリキャプチャ画像の撮影を行う。ステップS512実行後、処理はステップS517に進む。
【0059】
ステップS505実行後のステップS513では、制御部101は、通知時間のカウント値をカウントアップする。
【0060】
ステップS514では、制御部101は、ステップS513でカウントアップされた通知時間のカウント値が第3の時間以上か否かの判断を行う。「第3の時間」とは、通知時間のカウント値に応じて、制御部101が撮像装置100の制御を変更するための時間閾値である。第3の時間としては、例えば40秒等とすることができる。ステップS507での通知後は、第2撮影状態でのプリキャプチャ画像の撮影を第3の時間まで継続する。そして、第3の時間になっても撮影者により撮影操作が無い場合には、プリキャプチャ画像の撮影を停止する。「第3の時間になっても撮影者により撮影操作が無い」状態とは、撮影者による撮影意図が低いと判断することができる状態とすることができるため、プリキャプチャ画像の撮影停止が可能となる。また、プリキャプチャ画像の撮影停止により、消費電力を低減することができる。そして、ステップS514での判断の結果、通知時間のカウント値が第3の時間以上であると判断された場合には、処理はステップS515に進む。一方、ステップS514での判断の結果、通知時間のカウント値が第3の時間以上ではないと判断された場合には、処理はステップS508に戻り、それ以降のステップを順次実行する。
【0061】
ステップS515では、制御部101は、システムメモリ部106に記録されているプリキャプチャ画像を全て消去する。
【0062】
ステップS516では、制御部101は、通知フラグをLレベルに変更する。ステップS516実行後、処理はステップS517に進む。
【0063】
ステップS517では、制御部101は、無操作時間のカウント値が第2の時間以上か否かの判断を行う。なお、第2の時間は、ステップS315(
図3参照)で説明したものと同じであるため、その説明については割愛する。そして、ステップS517での判断の結果、無操作時間のカウント値が第2の時間以上であると判断された場合には、処理は終了する。一方、ステップS517での判断の結果、無操作時間のカウント値が第2の時間以上ではないと判断された場合には、処理はステップS202(
図2)に戻り、それ以降のステップを順次実行する。
【0064】
以上のように撮像装置100は、表示部110が非ライブビュー状態で被写体の状態に変化が無い場合は、プリキャプチャ画像の撮影を停止することができる。これにより、撮像装置100での電力の消費を低減することができる。また、表示部110が非ライブビュー状態で被写体の状態に変化が有った場合、すなわち、被写体の変化発生時には、プリキャプチャ画像の撮影を行うことができる。これにより、所望の撮影機会の損失を低減することができる。
【0065】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。本発明は、上述の各実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークや記憶媒体を介してシステムや装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータの1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。本発明は、撮像装置100が含まれる電子機器にも適用可能である。
【0066】
また、各実施形態では、被写体の状態情報を、撮像部109を用いて、すなわち、撮像部109で撮像された画像に基づいて検出しているが、これに限定されない。例えば、イベントセンサやTOFセンサ、撮像部109とは別の撮像センサを用いて、被写体の状態情報を検出してもよい。また、撮像装置100は、所定の被写体を認識させる認識手段を有していてもよい。認識手段としては、特に限定されず、例えば、所定の被写体を学習する学習モデルを用いることができる。これにより、制御部101は、認識手段での認識結果に基づいて、所定の被写体を検出することができる。そして、所定の被写体が検出された場合には、被写体の状態が第1状態であるとして判断され、所定の被写体の移動量が閾値以上となった場合には、被写体の状態が第2状態であるとして判断される。このような判断も撮像装置100に適用可能である。なお、認識手段では、所定の被写体を適宜変更可能であるのが好ましい。これにより、ユーザの好みに応じた所定の被写体とすることができる。
【0067】
各実施形態の開示は、以下の構成、方法およびプログラムを含む。
(構成1) 画像データを出力する撮像手段と、
前記画像データに基づいて被写体の変化を検出して、その検出結果を出力する検出手段と、
前記撮像手段、前記検出手段を制御する制御手段と、を備え、
前記撮像手段から順次出力された画像データをライブビュー画像として表示手段に表示させる第1動作モードと、前記ライブビュー画像を前記表示手段に表示させない第2動作モードとを取り得、
前記制御手段は、
前記第1動作モードでは、撮影準備を指示する第1指示を検出してから撮影画像の記録を指示する第2指示を検出するまでの間、前記撮像手段から出力された画像データを保持し、前記第2指示を検出したときに当該第2指示に応じて前記撮像手段から出力された画像データと、前記保持された画像データとを記録媒体に記録する制御を行い、
前記第2動作モードでは、前記検出結果に基づいて、前記撮像手段から出力された画像データを保持する制御を行うことを特徴とする撮像装置。
(構成2) 前記被写体は、移動するものであり、
前記検出手段は、前記被写体の移動量が第1閾値以上となった場合に、前記被写体の変化を第1変化として検出し、前記被写体の移動量が、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上となった場合に、前記被写体の変化を第2変化として検出することを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
(構成3) 前記被写体は、移動するものであり、
前記検出手段は、前記被写体が前記画像データ中の第1領域を超えて移動した場合に、前記被写体の変化を第1変化として検出し、前記被写体が、前記第1領域と異なる第2領域を超えて移動した場合に、前記被写体の変化を第2変化として検出することを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
(構成4) 前記被写体は、移動するものであり、
前記検出手段は、前記被写体として、所定の被写体を検出した場合に、前記被写体の変化を第1変化として検出し、前記所定の被写体の移動量が閾値以上となった場合に、前記被写体の変化を第2変化として検出する構成1に記載の撮像装置。
(構成5) 前記所定の被写体を認識させる認識手段を備え、
前記検出手段は、前記認識手段での認識結果に基づいて、前記所定の被写体を検出することを特徴とする構成4に記載の撮像装置。
(構成6) 前記認識手段は、前記所定の被写体を変更可能であることを特徴とする構成5に記載の撮像装置。
(構成7) 前記検出手段は、前記被写体の変化として、第1変化と、該第1変化よりも前記被写体の変化が変化した第2変化とを検出可能であり、
前記制御手段は、前記検出手段が前記第1変化を検出した後に前記第2変化を検出した場合には、前記第2動作モードでの制御が可能となることを特徴とする構成1乃至6のいずれか1つに記載の撮像装置。
(構成8) 撮像条件が互いに異なる第1撮像状態と第2撮像状態とを取り得、
前記第1撮像状態は、前記第2撮像状態よりも、画質、フレームレートおよび撮影枚数のうちの少なくとも1つの撮像条件が低減された状態であり、
前記撮像手段は、前記検出手段で前記被写体の変化が有ると検出された場合に、前記第2撮像状態となり、前記撮像装置に対する操作が所定時間行われていない場合に、前記第1撮像状態となることを特徴とする構成1乃至7のいずれか1つに記載の撮像装置。
(構成9) 前記検出手段で前記被写体の変化が有ると検出された場合に、その旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする構成1乃至8のいずれか1つに記載の撮像装置。
(構成10) 前記報知手段は、前記検出手段で前記被写体の変化が有ると検出された旨の報知に際して、光、音および振動のうちの少なくとも1つを発生可能に構成されていることを特徴とする構成9に記載の撮像装置。
(構成11) 前記制御手段は、前記検出手段で前記被写体の変化が有ると検出された後、前記撮像装置に対する操作が所定時間行われていない場合に、前記撮像手段での撮像を停止することを特徴とする構成1乃至10のいずれか1つに記載の撮像装置。
(構成12) 前記制御手段は、前記第2動作モードで前記撮像装置に対する操作が所定時間行われていない場合に、前記撮像手段での撮像を停止することを特徴とする構成1乃至11のいずれか1つに記載の撮像装置。
(構成13) 前記撮像手段で撮像された画像データを記録する記録手段を備え、
前記記録手段は、前記第1動作モードでの前記画像データを記録する第1記録部と、前記第2動作モードでの前記画像データを記録する第2記録部と、を有することを特徴とする構成1乃至12のいずれか1つに記載の撮像装置。
(構成14) 押圧によって操作される操作手段を備え、
前記操作手段は、2段階に押圧可能に構成され、1段階目の押圧により前記第1指示を出力し、2段階目の押圧により前記第2指示を出力することを特徴とする構成1乃至13のいずれか1つに記載の撮像装置。
(構成15) 前記撮像手段から出力された画像データを表示する表示手段を備え、
前記表示手段は、前記第1動作モードで前記ライブビュー画像を表示する第1表示状態と、前記第2動作モードで前記ライブビュー画像を表示しない第2表示状態とを取り得ることを特徴とする構成1乃至14のいずれか1つに記載の撮像装置。
(方法1) 画像データを出力する撮像手段を備える撮像装置の制御方法であって、
前記撮像手段から順次出力された画像データをライブビュー画像として表示手段に表示させる第1動作モードでは、撮影準備を指示する第1指示を検出してから撮影画像の記録を指示する第2指示を検出するまでの間、前記撮像手段から出力された画像データを保持し、前記第2指示を検出したときに当該第2指示に応じて前記撮像手段から出力された画像データと、前記保持された画像データとを記録媒体に記録する制御を行い、前記ライブビュー画像を前記表示手段に表示させない第2動作モードでは、前記画像データに基づいて検出された被写体の変化に関する情報に応じて前記撮像手段から出力された画像データを保持する制御を行う制御工程と、を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
(プログラム1) 構成1乃至15のいずれか1つに記載の撮像装置の各手段をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0068】
100 撮像装置
101 制御部(制御手段)
104 操作部(操作手段)
105 記録部(記録手段)
106 システムメモリ部(第1記録部)
107 外部記録部(第2記録部)
109 撮像部(撮像手段)
110 表示部(表示手段)