(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171642
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】電気音響変換機
(51)【国際特許分類】
H04R 1/34 20060101AFI20241205BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H04R1/34 310
H04R1/02 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088766
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000112565
【氏名又は名称】フォスター電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田端 孝行
【テーマコード(参考)】
5D017
5D018
【Fターム(参考)】
5D017AE14
5D017AE22
5D017AE29
5D018AF16
(57)【要約】
【課題】磁気回路構成部材の少なくとも一部及びボイスコイルを収納するケースが薄型の場合においても、振動板が発生させた空気流がケース内において振動板側に反射され難い電気音響変換機を提供することを目的とする。
【解決手段】軸線CA方向の一方側の面がケース40の外側に露出するように第1板状部14に固定され、第1板状部に形成された第1貫通孔18を介してボイスコイルに接続された振動板97を備え、第2板状部42が、軸線方向の他方側に向かうにつれて拡径し、振動板の軸線方向の他方側の面によって振動させられた空気を受ける環状のテーパ面48を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも磁石を含んで磁気回路を構成する磁気回路構成部材と、
前記磁気回路構成部材が発生する磁界に配設され且つ電流が流れたときに、自身の軸線方向に往復移動する筒状のボイスコイルと、
前記磁気回路構成部材の少なくとも一部及び前記ボイスコイルを収納し、互いに前記軸線方向に対向する第1板状部及び第2板状部を有するケースと、
前記軸線方向の一方側の面が前記ケースの外側に露出するように前記第1板状部に固定され、前記第1板状部に形成された第1貫通孔を介して前記ボイスコイルに接続された振動板と、
を備え、
前記第2板状部が、前記軸線方向の他方側に向かうにつれて拡径し、前記振動板の前記軸線方向の他方側の面によって振動させられた空気を受ける環状のテーパ面を備える電気音響変換機。
【請求項2】
前記磁気回路構成部材及び前記振動板を支持するフレームを備え、
前記フレームが、前記振動板の前記他方側の面によって振動させられた空気が前記第2板状部側へ向かうのを許容する空気流通孔を有し、
前記テーパ面の少なくとも一部が、前記空気流通孔と前記軸線方向に対向する請求項1記載の電気音響変換機。
【請求項3】
前記第2板状部に第2貫通孔が形成され、
前記磁気回路構成部材の少なくとも一部が、前記第2貫通孔を通り抜けて前記ケースの外側に位置する請求項1又は請求項2に記載の電気音響変換機。
【請求項4】
前記第1板状部の内面及び前記第2板状部の内面の少なくとも一方に、前記軸線に沿って見たときに前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の外周側に位置する突条が形成された請求項3記載の電気音響変換機。
【請求項5】
前記第1板状部の内面及び前記第2板状部の内面に接触するように前記ケースの内部に設けられ、前記振動板によって振動させられた空気を前記ケースの外側へ導くヘルムホルツ共鳴管を備える請求項1記載の電気音響変換機。
【請求項6】
前記磁気回路構成部材及び前記振動板を支持し且つ環状の第1被支持部及び環状の第2被支持部を有するフレームを備え、
前記第1板状部の前記一方側の面に、前記第1被支持部の平面からなる第1被支持面が接触し且つ前記第1貫通孔の外周側に位置する平面からなる第1支持面が設けられ、
前記第2板状部の前記一方側の面に、前記第2被支持部の平面からなる第2被支持面が接触し且つ前記第2貫通孔の外周側に位置する平面からなる第2支持面が設けられ、
前記フレームを前記他方側に引き寄せながら、前記フレームを前記第2板状部に固定する固定部材を備える請求項3記載の電気音響変換機。
【請求項7】
前記ケースの内部に設けられ、前記第1板状部の内面と前記第2板状部の内面に接続する、前記軸線に沿って見たときに前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の外周側に位置する支柱を備える請求項6記載の電気音響変換機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ケース(キャビネット)と、振動体と、を備える電気音響変換機が開示されている。ケースは、互いに振動体の軸線方向に対向する第1板状部及び第2板状部を有する。振動板は、上記軸線方向の一方側の面がケースの外側に露出するように第1板状部に固定され、第1板状部に形成された貫通孔を介してケースの内部空間(第2板状部)と対向する。ケース内に設けられた駆動装置が発生した駆動力が振動板に伝わると、振動板が上記軸線方向に振動する。これにより電気音響変換機が音を発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
振動板が振動するとき、振動板の第2板状部側の面によってケース内において空気流(空気圧)が発生する。この空気流の一部は第2板状部へ向かい、第2板状部によって反射されることにより振動板側へ戻る。第1板状部と第2板状部の距離が小さい場合は、第2板状部によって反射された空気流が振動板の動作に影響を与え易い。第2板状部によって反射された空気流が振動板の動作に影響を与えると、振動板にローリングが発生する。ローリングが発生すると、例えば、振動板に接続された部材が周囲に位置する部材に接触し異音が発生するおそれがある。
【0005】
電気音響変換機の一例として車両に設けられるものが知られている。このような電気音響変換機のケースには薄型化が求められているため、この電気音響変換機には上記問題が発生し易い。
【0006】
本発明は、磁気回路構成部材の少なくとも一部及びボイスコイルを収納するケースが薄型の場合においても、振動板が発生させた空気流がケース内において振動板側に反射され難い電気音響変換機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の電気音響変換機は、少なくとも磁石を含んで磁気回路を構成する磁気回路構成部材と、前記磁気回路構成部材が発生する磁界に配設され且つ電流が流れたときに、自身の軸線方向に往復移動する筒状のボイスコイルと、前記磁気回路構成部材の少なくとも一部及び前記ボイスコイルを収納し、互いに前記軸線方向に対向する第1板状部及び第2板状部を有するケースと、前記軸線方向の一方側の面が前記ケースの外側に露出するように前記第1板状部に固定され、前記第1板状部に形成された第1貫通孔を介して前記ボイスコイルに接続された振動板と、を備え、前記第2板状部が、前記軸線方向の他方側に向かうにつれて拡径し、前記振動板の前記軸線方向の他方側の面によって振動させられた空気を受ける環状のテーパ面を備える。
【0008】
請求項1に記載の電気音響変換機は、少なくとも磁石を含んで磁気回路を構成する磁気回路構成部材と、磁気回路構成部材が発生する磁界に配設され且つ電流が流れたときに、自身の軸線方向に往復移動する筒状のボイスコイルと、を備える。さらに電気音響変換機は、磁気回路構成部材の少なくとも一部及びボイスコイルを収納し、互いに上記軸線方向に対向する第1板状部及び第2板状部を有するケースを備える。さらに電気音響変換機は、軸線方向の一方側の面がケースの外側に露出するように第1板状部に固定され、第1板状部に形成された第1貫通孔を介してボイスコイルに接続された振動板を備える。そのため、ボイスコイルが軸線方向に往復移動すると振動板が軸線方向に振動し、電気音響変換機が音を発生する。
【0009】
さらに振動板が振動するとき、振動板の第2板状部側の面によってケース内において空気流(空気圧)が発生する。この空気流の一部は第2板状部の一部である環状のテーパ面へ向かう。テーパ面は、軸線方向の他方側に向かうにつれて拡径し、振動板の軸線方向の他方側の面によって振動させられた空気を受ける。そのためテーパ面に向かった空気流は振動板とは異なる方向へ反射され易い。そのためテーパ面によって反射された空気流が振動板の動作に影響を与え難い。従って、請求項1に記載の電気音響変換機は、磁気回路構成部材の少なくとも一部及びボイスコイルを収納するケースが薄型の場合においても、振動板が発生させた空気流がケース内において振動板側に反射され難い。
【0010】
請求項2に記載の電気音響変換機は、前記磁気回路構成部材及び前記振動板を支持するフレームを備え、前記フレームが、前記振動板の前記他方側の面によって振動させられた空気が前記第2板状部側へ向かうのを許容する空気流通孔を有し、前記テーパ面の少なくとも一部が、前記空気流通孔と前記軸線方向に対向する。
【0011】
請求項2に記載の電気音響変換機は、磁気回路構成部材及び振動板を支持するフレームを備える。さらにフレームは、振動板の他方側の面によって振動させられた空気が第2板状部側へ向かうのを許容する空気流通孔を有する。さらにテーパ面の少なくとも一部が、とボイスコイルの軸線方向と平行な方向に対向する。そのため請求項2に記載の電気音響変換機では、振動板が発生させ且つ空気流通孔を通り抜けた空気流が、テーパ面によって振動板とは異なる方向へ反射され易い。
【0012】
請求項3に記載の電気音響変換機は、請求項1又は請求項2において、前記第2板状部に第2貫通孔が形成され、前記磁気回路構成部材の少なくとも一部が、前記第2貫通孔を通り抜けて前記ケースの外側に位置する。
【0013】
請求項3に記載の電気音響変換機では、磁気回路構成部材の少なくとも一部が、第2貫通孔を通り抜けてケースの外側に位置する、従って、請求項3に記載の電気音響変換機は、磁気回路構成部材の熱をケースの外側に放熱し易い。
【0014】
請求項4に記載の電気音響変換機は、請求項1から請求項3の何れか1項において、前記第1板状部の内面及び前記第2板状部の内面の少なくとも一方に、前記軸線に沿って見たときに前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の外周側に位置する突条が形成される。
【0015】
請求項4に記載の電気音響変換機では、第1板状部の内面及び第2板状部の内面の少なくとも一方に突条が形成される。そのため突条が形成された第1板状部及び第2板状部の少なくとも一方の機械的強度が、突条が形成されていない場合より高くなる。従って、請求項4に記載の電気音響変換機では、振動板が振動したときにケースに箱鳴りが発生し難い。
【0016】
請求項5に記載の電気音響変換機は、請求項1から請求項4の何れか1項において、前記第1板状部の内面及び前記第2板状部の内面に接触するように前記ケースの内部に設けられ、前記振動板の前記他方側の面によって振動させられた空気を前記ケースの外側へ導くヘルムホルツ共鳴管を備える。
【0017】
請求項5に記載の電気音響変換機は、振動板の他方側の面によって振動させられた空気をケースの外側へ導くヘルムホルツ共鳴管を有する。このヘルムホルツ共鳴管は、第1板状部の内面及び第2板状部の内面に接触するようにケースの内部に設けられる。そのため、第1板状部及び第2板状部の機械的強度が、ケースの内部にヘルムホルツ共鳴管が設けられていない場合より高くなる。従って、請求項5に記載の電気音響変換機では、振動板が振動したときにケースに箱鳴りが発生し難い。
【0018】
請求項6に記載の電気音響変換機は、請求項1から請求項6の何れか1項において、前記磁気回路構成部材及び前記振動板を支持し且つ環状の第1被支持部及び環状の第2被支持部を有するフレームを備え、前記第1板状部の前記一方側の面に、前記第1被支持部の平面からなる第1被支持面が接触し且つ前記第1貫通孔の外周側に位置する平面からなる第1支持面が設けられ、前記第2板状部の前記一方側の面に、前記第2被支持部の平面からなる第2被支持面が接触し且つ前記第2貫通孔の外周側に位置する平面からなる第2支持面が設けられ、前記フレームを前記他方側に引き寄せながら、前記フレームを前記第2板状部に固定する固定部材を備える。
【0019】
請求項6に記載の電気音響変換機では、固定部材が、フレームを軸線方向の他方側に引き寄せながら、フレームを第2板状部に固定する。そのため、フレームの第1被支持部の平面からなる第1被支持面を、第1板状部の一方側の面に設けられた平面からなる第1支持面に気密状態で接触させ易い。さらにフレームの第2被支持部の平面からなる第2被支持面を、第2板状部の一方側の面に設けられた平面からなる第2支持面に気密状態で接触させ易い。そのためフレームと第1貫通孔との間、及び、フレームと第2貫通孔との間から空気漏れが発生するおそれが小さい。
【0020】
請求項7に記載の電気音響変換機は、請求項1から請求項6の何れか1項において、前記ケースの内部に設けられ、前記第1板状部の内面と前記第2板状部の内面に接続する、前記軸線に沿って見たときに前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の外周側に位置する支柱を備える。
【0021】
請求項7に記載の電気音響変換機では、ケースの内部に設けられた、軸線に沿って見たときに第1貫通孔及び第2貫通孔の外周側に位置する支柱が、第1板状部の内面と第2板状部の内面に接続する。従って、請求項7に記載の電気音響変換機は、固定部材が、フレームを軸線方向の他方側に引き寄せながらフレームを第2板状部に固定したときに、第1板状部が過剰に撓むことを防止できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の電気音響変換機によれば、磁気回路構成部材の少なくとも一部及びボイスコイルを収納するケースが薄型の場合においても、振動板が発生させた空気流がケース内において振動板側に反射され難い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施形態に係る電気音響変換機の前方から見た斜視図である。
【
図2】実施形態に係る電気音響変換機の後方から見た斜視図である。
【
図3】実施形態に係る電気音響変換機の第1ケースを分離した状態で示す前方から見た分解斜視図である。
【
図4】実施形態に係る電気音響変換機の第1ケースを分離した状態で示す後方から見た分解斜視図である。
【
図5】実施形態に係る電気音響変換機の前方から見た分解斜視図である。
【
図6】実施形態に係る振動ユニットの斜視図である。
【
図7】実施形態に係る振動ユニットの分解斜視図である。
【
図8】
図1の8-8矢線の位置で切断された切断面を示す電気音響変換機の斜視図である。
【
図9】
図1の9-9矢線の位置で切断された切断面を示す電気音響変換機の一部の斜視図である。
【
図10】
図1の10-10矢線に沿う電気音響変換機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施形態に係る電気音響変換機10について添付図面を参照しながら説明する。なお、各図に示される矢印FR、LH及びUPは、それぞれ電気音響変換機10の前方、左方及び上方をそれぞれ示している。
【0025】
図1~
図5に示されるように電気音響変換機10は、第1ケース(ケース)12、第2ケース(ケース)40、第1共鳴管ユニット65、第2共鳴管ユニット70及び振動ユニット73を備える。本実施形態の電気音響変換機10は、車両の構成部材に取り付けられる。この構成部材には、例えば車両ドア及びインストルメントパネルが含まれる。但し、電気音響変換機10は車両とは異なるもの(装置)に取り付けられてもよい。
【0026】
樹脂製の一体成形品である第1ケース12の正面形状は略長方形である。第1ケース12は後面全体が開放された中空体である。第1ケース12は、第1板状部14と、第1周壁部15とを有する。第1ケース12の前面は前後方向に対して直交する平板状の第1板状部14によって構成されている。第1板状部14の外周縁部に正面形状が略長方形をなす第1周壁部15が接続されている。第1板状部14の右側部には円形凹部16が形成されている。さらに円形凹部16の底面には、円形凹部16と同心をなす円形の第1貫通孔18が形成されている。さらに正面視で円形をなす円形凹部16の底面は、前後方向に対して直交する平面である環状取付面(第1支持面)17によって構成されている。第1板状部14には略正方形の放音孔20が形成されている。
【0027】
図4に示されたように第1板状部14の後面には、第1貫通孔18の外周縁部に位置する3つの円柱部(支柱)24が設けられている。各円柱部24の軸線は前後方向と平行である。各円柱部24の後端面には雌ねじ孔25が形成されている。さらに第1周壁部15の内周面には複数の突部27が形成されている。各突部27の後端面には、突部27及び第1板状部14を前後方向に貫通する貫通孔28が形成されている。各円柱部24の後端面及び各突部27の後端面の前後方向の位置は、第1周壁部15の後端面と略同一である。
【0028】
図4に示されたように第1板状部14の後面には、後方に向かって突出する第1補強突条(突条)30が形成されている。第1補強突条(突条)30は、左右方向に直線的に延びる第1部位31及び第2部位32と、第1部位31と第2部位32に接続する略円弧形状の第3部位33と、を有する。第1部位31、第2部位32及び第3部位33は第1貫通孔18を囲むように第1板状部14に設けられている。
【0029】
図4に示されたように第1板状部14の後面には、第1突条35、第2突条36及び第3突条37が設けられている。第1突条35は略S字形状であり、第2突条36は略直線形状であり、第3突条37は略L字形状である。第1突条35の後面には第1突条35の延長方向に沿って延びる取付溝35aが形成され、第2突条36の後面には第2突条36の延長方向に沿って延びる取付溝36aが形成され、及び第3突条37の後面には第3突条37の延長方向に沿って延びる取付溝37aが形成されている。
【0030】
図4に示されたように第1板状部14の後面の第3突条37の右端部と第1突条35の右端部との間に挟まれた部位には上下一対の区画壁38が設けられている。上下の区画壁38によって囲まれた領域が接続領域38aである。接続領域38aの底面(第1板状部14の後面)には放音孔20と、放音孔20の上下に位置する一対の雌ねじ孔39が設けられている。
【0031】
樹脂製の一体成形品である第2ケース40の正面形状は略長方形である。第2ケース40は前面全体が開放された中空体である。第2ケース40は、第2板状部42と、第2周壁部43とを有する。第2ケース40の後面は前後方向に対して直交する平板状の第2板状部42によって構成されている。第2板状部42の外周縁部に正面形状が略長方形をなす第2周壁部43が接続されている。第2板状部42の後面の右側部には円形凹部44が形成されている。
図8及び
図9に示されたように、円形凹部44の底面の外周部は、前方に向かうにつれて縮径する湾曲面44aによって構成されている。円形凹部44の底面の内周部は、前後方向に対して直交する平面状の環状面44bによって構成されている。
図5及び
図9に示されたように、環状面44bには、周方向に等角度間隔で3つの貫通孔45が形成されている。さらに第2板状部42には、環状面44bの内周側に位置し且つ円形凹部44と同心をなす円形の第2貫通孔46が形成されている。
【0032】
図5、
図8及び
図9に示されたように第2板状部42の前面には、第2貫通孔46の外周側に位置し且つ正面視円形の第2取付面(第2支持面)47が形成されている。第2取付面47は前後方向に対して直交する平面である。さらに第2板状部42の前面には、第2取付面47の外周側に位置する環状のテーパ面48が形成されている。
図8及び
図9には、第1貫通孔18及び第2貫通孔46の軸線を通る平面で切断されたときのテーパ面48の断面形状が示されている。
図8及び
図9から明らかなように、テーパ面48はその前端部から後端部側に向かうにつれて徐々に拡径する。
【0033】
図3及び
図5に示されたように、テーパ面48には周方向に等角度間隔で3つの円柱部(支柱)50が設けられている。各円柱部50の軸線は前後方向と平行である。さらに第2板状部42の3か所及び各円柱部50には、第2板状部42及び円柱部50を前後方向に貫通する貫通孔51が形成されている。さらに第2周壁部43の内周面には突部27と同数の突部53が形成されている。各突部53の上端面には雌ねじ孔54が形成されている。各円柱部50の前端面及び各突部53の前端面の前後方向の位置は、第2周壁部43の前端面と実質的に同一である。
【0034】
図3に示されたように第2板状部42の前面には、前方に向かって突出する第2補強突条(突条)56が形成されている。第2補強突条56は、左右方向に直線的に延びる第1部位57及び第2部位58と、第1部位57と第2部位58に接続する略円弧形状の第3部位59と、を有する。第1部位57、第2部位58及び第3部位59はテーパ面48を囲むように第2板状部42に設けられている。
【0035】
図5に示されたように第2板状部42の前面には、第1突条60、第2突条61及び第3突条62が設けられている。第1突条60は略S字形状であり、第2突条61は略直線形状であり、第3突条62は略L字形状である。第1突条60の前面には第1突条60の延長方向に沿って延びる取付溝60aが形成され、第2突条61の前面には第2突条61の延長方向に沿って延びる取付溝61aが形成され、及び第3突条62の前面には第3突条62の延長方向に沿って延びる取付溝62aが形成されている。
【0036】
図5に示された第1共鳴管ユニット65は、仕切り壁66と第1ヘルムホルツ共鳴管(ヘルムホルツ共鳴管)67を有する。仕切り壁66は板状部材であり、その平面形状は取付溝35a及び取付溝60aと略同一である。仕切り壁66には貫通孔66a(
図5及び
図10参照)が設けられている。第1ヘルムホルツ共鳴管67は左右方向に延びる筒状部材であり、その左右両端は共に開口している。第1ヘルムホルツ共鳴管67の左端部は貫通孔66aに気密状態で接続されている。
図10に示されたように、第1ヘルムホルツ共鳴管67の前後両面には左右方向に延びる取付用突条67a、67bがそれぞれ設けられている。
【0037】
図5に示された第2共鳴管ユニット70は、第2ヘルムホルツ共鳴管(ヘルムホルツ共鳴管)71と接続板72を有する。第2ヘルムホルツ共鳴管71は平面視略L字形の筒状部材である。第2バスレフポート71の前後両面には、第2バスレフポート71の延長方向に沿って延びる取付用突条71a、71b(
図10参照)がそれぞれ設けられている。第2バスレフポート71の延長方向の一方の端部である上端は開口している。さらに第2ヘルムホルツ共鳴管71の延長方向の他方の端部の前面も開口している。第2バスレフポート71の他方の端部の前面に接続板72が固定されている。接続板72には貫通孔72cが形成されている。接続板72には上下一対のネジ用貫通孔72aが設けられている。
【0038】
図6~
図9に示されたように振動ユニット73は、磁気回路構成部材74、ボイスコイル(コイル)83、フレーム84、ダンパ96及び振動板97、エッジ部材98及びキャップ99を備える。
【0039】
磁気回路構成部材74は、ヨーク75、磁石79、及びポールピース81を備える。
【0040】
軟質磁性体であるヨーク75は、円筒状部76及びフランジ部77を備える。
【0041】
フランジ部77の前面には環状の硬質磁性体(永久磁石)である磁石79の後面が固定されている。本実施形態の磁石79はフェライト磁石である。磁石79の前側がS極であり、後側がN極である。
【0042】
磁石79の前面には、環状のポールピース81の後面が固定されている。ポールピース81には、周方向に等角度間隔で4つの雌ねじ孔81aが形成されている。
【0043】
図9に示されたように、ヨーク75の円筒状部76の外周面と、磁石79及びポールピース81の内周面と、の間には、磁気回路構成部材74の中心軸CAを中心とする環状空間である磁気ギャップ82が形成されている。
【0044】
図9に示されたように磁気ギャップ82には、ボイスコイル83が設けられている。
図7に示されたようにボイスコイル83は、中心軸CAを中心とする略円筒形状のボビン83Aと、ボビン83Aの外周面に巻き付けられ且つ中心軸CAを中心とする略円筒形状のコイル83Bと、を有する。ボイスコイル83は磁気ギャップ82に対して、中心軸CAに沿って直線的に往復移動可能である。コイル83Bを構成する電線の両端部は、制御装置(図示省略)を介して交流電源(図示省略)に接続される。
【0045】
フレーム84は中心軸CAを中心とする回転対称物である。フレーム84は、基部85、接続環状部86、ダンパ支持部87、円筒状部(第2被支持部)88、支持突部89、環状取付部(第1被支持部)92及び環状壁部94を有する。
【0046】
図7に示されたように、環状の基部85には周方向に等角度間隔で4つの貫通孔85aが設けられている。
図8及び
図9に示されたように、基部85の後面がポールピース81の前面に載せられている。さらに基部85の前方から各貫通孔85aに挿入されたネジ部材85b(
図7参照。
図9では図示省略)が雌ねじ孔81aに螺合されることにより、ポールピース81に基部85が固定されている。
【0047】
基部85の外周縁部には接続環状部86の内周縁部が接続されている。接続環状部86の外周縁部には環状のダンパ支持部87の内周縁部が接続されている。ダンパ支持部87は中心軸CAに対して直交する。ダンパ支持部87の外周側端部の後面から中心軸CAを中心とする環状体である円筒状部88が後方に向かって延びている。さらに円筒状部88の外周面に、周方向に等角度間隔で3つの支持突部89が接続されている。各支持突部89は前後方向に延びる円柱状の円柱部90を有する。各円柱部90の平面からなる後端面(第2被支持面)90bは、円筒状部88の平面からなる後端面(第2被支持面)88aと連続しており、各後端面90bには雌ねじ孔90aが形成されている。各支持突部89の前端部には中心軸CAを中心とする環状形状を有する環状取付部92が接続されている。環状取付部92の前面は中心軸CAに対して直交する平面である環状取付面93によって構成されている。環状取付部92の外周縁部には、環状壁部94が接続されている。
図6及び
図7に示されたように、円筒状部88と、各支持突部89と、環状取付部92との間には、3つの空気流通孔91が形成されている。
【0048】
さらにダンパ96の内周部がボビン83Aに接続され、ダンパ96の外周部がフレーム84のダンパ支持部87に接続されている。
【0049】
さらにボビン83Aには、中心軸CAを中心とする環状部材である振動板97の内周部が接続されている。振動板97の外周側端部には、中心軸CAを中心とする環状部材であるエッジ部材98の内周部が接続されている。エッジ部材98の外周側端部は環状取付部92の環状取付面93に固定されている。さらに振動板97の前面の内周縁部には、略半球状のキャップ99の外周側端部が接続されている。
【0050】
次に電気音響変換機10の組み立て手順の一例について説明する。
【0051】
最初に第1ケース12の第1板状部14の接続領域38aに第2共鳴管ユニット70の接続板72を位置させ、且つ第2共鳴管ユニット70の取付用突条71aを第1ケース12の第3突条37の取付溝37aに嵌合する(
図10参照)。さらに2本のネジ部材72b(
図5参照)を後方から各ネジ用貫通孔72aに挿入し、かつ、各ネジ部材72bを第1ケース12の各雌ねじ孔39に螺合する。これにより第1ケース12の第1板状部14の後面に第2共鳴管ユニット70が固定される。さらに接続板72の前面が第1板状部14(接続領域38aの底面)に気密状態で接触し、第2共鳴管ユニット70の貫通孔72cと第1ケース12の放音孔20が気密状態で連通する。
【0052】
次に第1板状部14の第2突条36の取付溝36aに第1共鳴管ユニット65の取付用突条67aを嵌合し(
図10参照)、且つ、第1突条35の取付溝35aに仕切り壁66の前縁部を嵌合する。これにより第1ケース12の第2突条36及び第1突条35によって第1共鳴管ユニット65が仮保持される。
【0053】
次に第1貫通孔18と第2貫通孔46が同軸をなすように第2ケース40の第2周壁部43の前面に第1ケース12の第1周壁部15の後面を接触させる。これにより第2ケース40の第3突条62の取付溝62aに第2共鳴管ユニット70の取付用突条71bが嵌合する(
図10参照)。さらに第2ケース40の第2突条61の取付溝61aに第1共鳴管ユニット65の取付用突条67bが嵌合し、且つ第1突条60の取付溝60aに仕切り壁66の後縁部が嵌合する。これにより第1ケース12の各貫通孔28と第2ケース40の各雌ねじ孔54が連通する。さらに第1ケース12の各円柱部24の後端面と第2ケース40の各円柱部50の前端面がそれぞれ接触し、各円柱部24に設けられた雌ねじ孔25と各円柱部50に設けられた貫通孔51とがそれぞれ対向する(
図9参照)。
【0054】
続いて、第1ケース12の貫通孔28に前方から貫通孔28と同数のネジ部材28b(
図5に一部のネジ部材28bが図示)を挿入し、且つ、各ネジ部材28bを第2ケース40の各雌ねじ孔54に螺合する。さらに第2ケース40の後方から貫通孔51と同数のネジ部材51a(
図5参照)を挿入し、且つ、各ネジ部材51aを第1ケース12の各雌ねじ孔25に螺合する。これにより第1ケース12と第2ケース40が互いに固定される。
【0055】
続いて、一体化された振動ユニット73を第1ケース12の前方から第1貫通孔18を介して第1ケース12と第2ケース40の内部空間へ挿入する。このとき
図9に示されたように、各円柱部90の後端面90bを、第2ケース40の平面からなる第2取付面47に載せる。さらに
図8及び
図9に示されたように、円筒状部88の平面からなる後端面88a及び環状取付部92の平面からなる後端面92aを第1ケース12の平面からなる環状取付面17に載せる。これにより
図8及び
図9に示されたように振動ユニット73の一部が第2ケース40の第2貫通孔46を介して第2ケース40の外側に露出する。より詳細には、ヨーク75の一部及び磁石79の一部が、第2貫通孔46を介して第2ケース40の外側に露出する。
【0056】
続いて、第2ケース40の後方に位置する3本のネジ部材(固定部材)52(
図5参照)を第2ケース40の後方から各貫通孔45へ挿入し且つ各ネジ部材52を対応する雌ねじ孔90aに螺合する。これにより電気音響変換機10の組み立て作業が完了する。さらにこのように各ネジ部材52が雌ねじ孔90aに螺合されると、振動ユニット73全体が第1ケース12及び第2ケース40に対して後方へ相対移動させられる(引き寄せられる)。そのため、フレーム84の環状取付部92の後端面92aが第1ケース12の環状取付面17に気密状態で接触し、且つ、円筒状部88の後端面88a及び円柱部90の後端面90bが第2ケース40の第2取付面47に気密状態で接触する。
【0057】
次に、実施形態の作用及び効果を説明する。
【0058】
実施形態に係る電気音響変換機10は、磁石79を含んで磁気回路を構成する磁気回路構成部材74と、磁気回路構成部材74が発生する磁界に配設され且つ制御装置を介して交流電源の電流が流れたときに中心軸CA方向に往復移動する筒状のボイスコイル83と、を備える。さらに電気音響変換機10は、磁気回路構成部材74の少なくとも一部を収納する第1ケース12及び第2ケース40を備える。さらに電気音響変換機10は、中心軸CA方向の前面(一方側の面)が第1ケース12の外側に露出するように環状取付面17に固定され、第1貫通孔18を介してボイスコイル83に接続された振動板97を備える。そのため、ボイスコイル83が中心軸CA方向に往復移動すると振動板97が中心軸CA方向に振動し、振動板97が電気音響変換機10の前方に向けて音を発生する。
【0059】
さらに振動板97が振動するとき、振動板97の後面(他方側の面)によって第1ケース12及び第2ケース40の内部空間において空気流(空気圧)が発生する。この空気流の一部はフレーム84の各空気流通孔91を介して第2ケース40の一部である環状のテーパ面48へ向かう(
図8の矢印AR1参照)。テーパ面48は後方に向かうにつれて拡径し、振動板97の後面によって振動させられた空気を受ける。そのためテーパ面48に向かった空気流は、振動板97とは異なる方向へ反射され易い(
図8の矢印AR2参照)。そのためテーパ面48によって反射された空気流は振動板97の動作に影響を与え難い。本実施形態の電気音響変換機10は、磁気回路構成部材74の少なくとも一部及びボイスコイル83を収納する第1ケース12及び第2ケース40が薄型の場合においても、振動板97が発生させた空気流が第1ケース12及び第2ケース40の内部空間において振動板97側に反射され難い。そのため電気音響変換機10において振動板97にローリングが発生するおそれは小さい。即ち、振動板97のローリングに起因して、振動板97に接続されたボイスコイル83が中心軸CAに対して大きく傾斜しながら振動するおそれは小さい。仮にこのような現象が発生すると、ボイスコイル83がヨーク75の円筒状部76の外周面、及び、磁石79及びポールピース81の内周面に接触し、ボイスコイル83とこれらの部材との間で異音が発生する。
【0060】
ところで
図8に実線で示された直線PS1は、各空気流通孔91の内周側縁部の中心軸CAを中心とする径方向位置を表す。さらに
図8に実線で示された直線PS2は、各空気流通孔91の外周側縁部の径方向位置を表す。即ち、対をなす直線PS1とPS2との間の距離が、各空気流通孔91の径方向寸法を表す。さらに
図8に一点鎖線で示された直線PS3は、テーパ面48の内周側縁部の径方向位置を表す。この
図8から明らかなように、テーパ面48の内周側縁部を含む少なくとも一部の環状領域が、各空気流通孔91と前後方向に対向する。そのため、直線PS3の位置が直線PS2より外周側に位置するように設計された電気音響変換機と比べて、本実施形態の電気音響変換機10は、振動板97が発生させた空気流をテーパ面48へ導き易い。
【0061】
さらに電気音響変換機10では、磁気回路構成部材74の一部が、第2ケース40の第2貫通孔46を通り抜けて第2ケース40の外側に位置する。そのため電気音響変換機10は、磁気回路構成部材74が発生した熱を第2ケース40の外側に放熱し易い。
【0062】
さらに第1板状部14の内面に第1補強突条(突条)30が形成され且つ第2板状部42の内面に第2補強突条56が形成される。そのため電気音響変換機10が第1補強突条(突条)30及び第2補強突条56を具備しない場合と比べて、第1板状部14及び第2板状部42の機械的強度が高い。そのため電気音響変換機10では、振動板97が振動したときに、振動板97が第1ケース12及び第2ケース40の内部空間において発生させた空気圧によって第1ケース12及び第2ケース40に箱鳴りが発生するおそれが小さい。
【0063】
さらに電気音響変換機10では、振動板97の後面によって振動させられた空気の一部が、第1バスレフポート67の右端開口部から第1ヘルムホルツ共鳴管67の内部空間及び第1共鳴管ユニット65の仕切り壁66の貫通孔66aを通り抜けて、第2ヘルムホルツ共鳴管71の上端開口部へ向かう。さらにこの空気は第2ヘルムホルツ共鳴管71の内部空間を通り抜けて第1ケース12の放音孔20から第1ケース12の前方へ放出(放音)される。そのため電気音響変換機10は低音を発生させることが可能である。
【0064】
さらに電気音響変換機10では、第1ヘルムホルツ共鳴管67及び第2ヘルムホルツ共鳴管71の前端部(取付用突条67a、取付用突条71a)が第1ケース12の第1板状部14の内面(第2突条36、第3突条37)に接触し、且つ、第1ヘルムホルツ共鳴管67及び第2ヘルムホルツ共鳴管71の後端部(取付用突条67b、取付用突条71b)が第2ケース40の第2板状部42の内面(第2突条61、第3突条62)に接触する。そのため第1板状部14及び第2板状部42の機械的強度が、第1ヘルムホルツ共鳴管67及び第2ヘルムホルツ共鳴管71が電気音響変換機10に設けられていない場合より高い。従って、振動板97が振動したときに第1ケース12及び第2ケース40に箱鳴りが発生し難い。
【0065】
さらに電気音響変換機10では、3つのネジ部材52が振動ユニット73(フレーム84)を後方に引き寄せながら、フレーム84を第2ケース40の第2板状部42に固定する。そのためフレーム84の環状取付部92の後端面92aを第1ケース12の環状取付面17に気密状態で接触させ、且つ、円筒状部88の後端面88a及び円柱部90の後端面90bを第2ケース40の第2取付面47に気密状態で接触させられる。従って、電気音響変換機10において、フレーム84と第1貫通孔18の間から空気漏れが発生したり、フレーム84と第2貫通孔46の間から空気漏れが発生したりするおそれは小さい。
【0066】
さらに電気音響変換機10の組み立て状態において、第1ケース12の第1板状部14に設けられた円柱部24の後端面と円柱部50の前端面とが接触する。即ち、第1貫通孔18の外周側に位置する3つの円柱部24及び円柱部50によって第1板状部14及び第2板状部42の内面が支持される。そのため、3つのネジ部材52が振動ユニット73(フレーム84)を後方に引き寄せながらフレーム84を第2ケース40の第2板状部42に固定するものの、第1板状部14及び第2板状部42が過剰に撓むおそれは小さい。
【0067】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
【0068】
例えば、第1板状部14の内面に第1補強突条(突条)30が形成される一方で、第2板状部42の内面に第2補強突条56が形成されなくてもよい。また、第1板状部14の内面に第1補強突条(突条)30が形成されない一方で、第2板状部42の内面に第2補強突条56が形成されてもよい。さらに第1板状部14の内面に形成される補強突条の形状、及び、第2板状部42の内面に形成される補強突条の形状は、上記実施形態とは異なる形状であってもよい。
【0069】
磁気回路構成部材74が、ヨーク75及び81を備えず、磁石79のみを備えてもよい。
【0070】
第2ケース40の第2貫通孔46が磁気回路構成部材74全体を第2ケース40の外側に露出させてもよい。
【0071】
上述の各永久磁石が、Nd磁石又は電磁型磁気回路であってもよい。
【0072】
振動板の正面形状が円形でなくてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10 電気音響変換機
12 第1ケース(ケース)
14 第1板状部
17 環状取付面(第1支持面)
18 第1貫通孔
24 円柱部(支柱)
30 第1補強突条(突条)
40 第2ケース(ケース)
42 第2板状部
46 第2貫通孔
47 第2取付面(第2支持面)
48 テーパ面
50 円柱部(支柱)
52 ネジ部材(固定部材)
56 第2補強突条(突条)
65 第1共鳴管ユニット
67 第1ヘルムホルツ共鳴管(ヘルムホルツ共鳴管)
70 第2共鳴管ユニット
71 第2バスレフポート(ヘルムホルツ共鳴管)
73 振動ユニット
74 磁気回路構成部材
79 磁石
83 ボイスコイル(コイル)
84 フレーム
88 円筒状部(第2被支持部)
88a 後端面(第2被支持面)
90b 後端面(第2被支持面)
91 空気流通孔
92 環状取付部(第1被支持部)
92a 後端面(第1被支持面)
97 振動板
CA 軸線